JP7285510B2 - 人工臼蓋部品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、全人工股関節置換術にて好適に用いられる人工臼蓋部品およびその製造方法に関する。
人工股関節置換術は、変形性股関節症や関節リウマチ、大腿骨頭壊死、骨折などにより変形した股関節を、人工股関節に入れ替えて、歩行能力や股関節痛の改善を図る手術である。変形の箇所・程度によりその置換方法は異なり、例えば、臼蓋および大腿骨頭の変形・破壊に対する人工股関節置換術は、全人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty)と称される。
全人工股関節置換術(以下THAと称する場合がある)では、図10に示すように、人工股関節を構成する部品として、大腿骨側のステム52および骨頭ボール54、臼蓋側のカップ56およびライナー58が用いられる。このような構成は、例えば下記特許文献1に記載されている。これら人工股関節用部品では、球状の骨頭ボール54がライナー58を介してカップ56の半球状凹部57に回転自在に装入される。
ここで、強度が求められるステム52、骨頭ボール54およびカップ56の素材として、チタン合金など身体との親和性が高い金属材料が用いられる。また、ライナー58の素材についてはポリエチレンなどが用いられる。
THAは、各部品を装着する際、生体骨が相当量削り取られる侵襲性の高い手術であり、患者にとって負担が大きい問題があった。
またTHAでは、カップ56を骨盤側に固定する際、図11(A)に示すように、カップ56の外面が骨盤38側の骨と広い面で接触するように、カップ56の外面形状に習って生体骨が半球状に削られ、そして形成され凹状の支持面39に沿ってカップ56が嵌めこまれ、カップ56が骨盤38側に固定される。このため、図11(B)に示すように、人工股関節の関節位置O2が、正常な股関節の関節位置O1に比べて大幅に移動してしまうが問題があった。
なお、下記特許文献2には、股関節部分の骨形状の三次元画像データに基づいて寛骨臼テンプレートを作製し、THAにおける侵襲性の低減を図る点が開示されている。しかしながら、この引用文献2に記載の寛骨臼テンプレートは、樹脂製であり、また人工股関節に用いるカップ部材を一体に含んで構成されたものではなく、本発明とは異なるものである。
特開2012-115368号公報 特開2010-110360号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、全人工股関節置換術における侵襲性の低減および人工股関節における関節位置の適正化を図ることが可能な人工臼蓋部品およびその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
而して本発明の人工臼蓋部品は、金属材料からなり、
骨頭ボールを支持する半球状凹部を有するカップ部と、
該カップ部と一体に形成され且つ該カップ部の外側に延びるカップ支持部と、を備え、
該カップ支持部に、骨盤側の凹凸面と嵌り合う骨嵌合面が設けられており、
前記カップ部および/又はカップ支持部の少なくとも一部が、空隙を多数備えたポーラス構造体で構成されていることを特徴とする。
人工股関節では、骨頭ボールと嵌合するカップ部の位置により関節位置が決定される。本発明の人工臼蓋部品では、カップ部がカップ支持部にて支持される構造であり、骨盤側と嵌り合うカップ支持部の骨嵌合面の形状を、個々の患者の骨盤側の凹凸面形状と合わせることで人工股関節における関節位置の適正化を図ることができる。
また、カップ部に作用する荷重はカップ支持部で受け止められるので、カップ部と直接、面接触する骨盤側の支持面を小さくすることができる。すなわち骨盤側での骨切削量を削減し得て、侵襲性の低減を図ることができる。
また、金属材料からなる人工臼蓋部品は、生体骨に比べ非常に重いことが問題であったが、本発明の人工臼蓋部品では、カップ部および/又はカップ支持部の少なくとも一部を、空隙を多数備えたポーラス構造体で構成することにより、軽量化を図ることが可能である。
ここで本発明では、薄肉の表皮層を、前記ポーラス構造体の外面を覆うように、該ポーラス構造体と一体に形成することができる。
人工臼蓋部品の一部をポーラス構造体とした場合であっても、その外面を覆うように表皮層を設けることで、所定の強度を確保することが容易となる。また人工臼蓋部品を積層造形法で造形する場合の製造性を向上させることができる。
ここで、表皮層には貫通孔を形成しておくことができる。人工臼蓋部品を積層造形法で造形した際、人工臼蓋部品内に残存する未溶融の金属粉末を外部に排出するための排出孔として用いられる。また、本発明の人工臼蓋部品が患者の骨盤に固定された後は、かかる貫通孔を通じて表皮層を内外に貫通する血管が形成される。
また本発明の人工臼蓋部品では、前記カップ支持部の骨盤と対向する側に凹陥部を形成しておくことができる。
人工臼蓋部品の固定を促進させるため、人工臼蓋部品と骨盤との隙間に移植骨片を詰め込むことが有効である。本発明の人工臼蓋部品において、骨盤と対向する側に凹陥部を設けておけば、骨盤との間に移植骨片を詰めるためのスペースを容易に確保することができる。
ここで、前記カップ部の、前記カップ支持部との接合部の近傍に、前記カップ部の厚み方向に貫通して前記凹陥部と連通する貫通口を形成しておけば、貫通口を通じて移植骨片を凹陥部に装入することができる。
次に、本発明の人工臼蓋部品の製造方法は、
患者の股関節から取得したCT断面撮影データもしくはMRI断面撮影データの重ね合せにより再現された前記股関節の3次元モデルを得る股関節モデル取得ステップと、
前記3次元モデルを用いて、健全な側の関節位置と左右対称となるように、人工股関節側の関節位置を決定する関節位置決定ステップと、
前記カップ部を、前記人工股関節側の関節位置に配置した状態で、前記カップ支持部の前記骨嵌合面が前記骨盤側の凹凸面と嵌り合うように、前記人工臼蓋部品の形状データを作成する形状データ作成ステップと、
前記形状データに基づいて、合金粉末材料を用いた積層造形法により、前記人工臼蓋部品を造形する人工臼蓋部品造形ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、患者の健全な側の関節位置と左右対称な関節位置に、好適に配置することができる人工臼蓋部品を製造することができる。また、本発明の製造方法にて採用する積層造形法によれば、形状において高い自由度が得られるため、複雑な形状を有するポーラス構造体にも対応することができる。
また本発明の製造方法では、前記人工臼蓋部品の形状データを作成するに際し、カップ部およびカップ支持部を備えた雛形データを予め作成しておき、前記カップ部を、前記人工股関節側の関節位置に配置した状態で、前記カップ支持部における前記骨盤と重複する部位を削除して、前記骨嵌合面の面形状を得るようにすることができる。
以上のような本発明によれば、全人工股関節置換術における侵襲性の低減および人工股関節における関節位置の適正化を図ることが可能な人工臼蓋部品およびその製造方法を提供することができる。
(A)は本発明の一実施形態の人工臼蓋部品を示した斜視図である。(B)は同人工臼蓋部品を(A)とは異なる向きで示した斜視図である。 図1の人工臼蓋部品の縦断面図である。 図1の人工臼蓋部品の製造手順を示したフローである。 関節位置決定ステップについての説明図である。 形状データ作成ステップについての説明図である。 図5に続く形状データ作成ステップについての説明図である。 雛形データを用いて人工臼蓋部品の形状を決定する場合の説明図である。 図1の人工臼蓋部品を含む人工股関節が装着された状態を示した図である。 図1とは異なる人工臼蓋部品の図である。 全人工股関節置換術で用いる人工股関節を分離して示した図である。 (A)は従来の全人工股関節置換術の方法を説明するための図である。(B)は従来の全人工股関節置換術の問題点を説明するための図である。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は本実施形態の人工臼蓋部品10の外観を示した斜視図、図2は人工臼蓋部品10の縦断面図である。人工臼蓋部品10は、人工股関節を構成する部材で、金属素材(ここでは、Ti合金)からなり、カップ部12と、カップ部12と一体に形成されたカップ支持部20を備えている。
カップ部12は、椀型形状をなし、正面視円形の装入開口13と半球状凹部14を有している。人工股関節置換術においては、半球状凹部14にライナー58を介して骨頭ボール54(図10参照)が収容される。
カップ支持部20は、カップ部12の外側に向けて延出する板状の部位で、カップ部12と一体に形成されている。THAの際、カップ支持部20の長手方向の頂部21が略上向きとなるよう骨盤に装着される。かかるカップ支持部20は、カップ部12が所定の位置になるよう、カップ部12を支持する人工腸骨体として機能するものである。
カップ支持部20は、カップ部12の装入開口13側の第1面22が凸状、反対側の第2面23が凹状となるように湾曲し、第2面23側には凹陥部24が形成されている。この凹陥部24は、人工臼蓋部品10を骨盤に装着した際、移植骨片が充填される空間として機能する。
また、図1(B)および図2に示すように、カップ部12の、前記カップ支持部20との接合部の近傍には、カップ部12の厚み方向に貫通して、凹陥部24と連通する貫通口25が形成されている。
図1(B)に示すように、カップ支持部20の周縁には、骨盤側の骨と嵌り合う骨嵌合面28が略U字状に設けられている。骨嵌合面28の形状は、後述するように人工臼蓋部品10が装着される患者の骨盤側の骨の凹凸形状に合わせて決定されている。詳しくは、人工臼蓋部品10のカップ部12を所望の関節位置に配置した際、カップ支持部20の骨嵌合面28が患者の骨盤の骨と嵌り合うようにその形状が決定されている。
図2に示すように、本例の人工臼蓋部品10では、カップ支持部20がポーラス構造体20aとその外面を覆う表皮層20bとで構成されている。ポーラス構造体20aは、図2の部分拡大図で示すように、複数の棒状もしくは板状の小片26が相互に接合され、かかる小片26以外の部分に空隙27が形成されている。このようなポーラス構造体20aを設けることで、人工臼蓋部品10の軽量化を図ることができる。ポーラス構造体20aの具体的な形状は、その製造性や強度を考慮して適宜決定することができる。
表皮層20bは、ポーラス構造体20aよりも薄肉で、ポーラス構造体20aを覆うように形成されている。表皮層20bは、ポーラス構造体20aの外面近傍に位置する小片26の径方向外向きの端部と一体に接合されており、人工臼蓋部品10の強度を高めることができる。またポーラス構造体20aを覆うように表皮層20bを設けておくことで、積層造形法を用いて人工臼蓋部品10を造形する場合の製造性を向上させることができる。この表皮層20bは、本例のようにポーラス構造体20a全体を覆うように形成する場合に限定されるものではなく、ポーラス構造体20aの一部だけを覆うように形成することも可能である。
図1に示すように、本例では、ポーラス構造体20aおよび表皮層20bを厚み方向に貫通する複数の貫通孔34が形成されている。貫通孔34は、人工臼蓋部品10を積層造形法で作成した際、人工臼蓋部品10内に残存する未溶融の金属粉末を外部に排出するための排出孔としての機能を有する。また、人工臼蓋部品10が患者の骨盤に固定された後は、かかる貫通孔34を通じてポーラス構造体20aおよび表皮層20bを内外に貫通する血管が形成される。
本実施形態の人工臼蓋部品10は、生体親和性に優れたTi-6Al-4Vなどのチタン合金の粉末用い、積層造形法により形成される。図3は、この人工臼蓋部品10の製造手順を示すフローである。
まず、人工臼蓋部品10が取り付けられる患者の股関節部分を、CT装置、MRI装置などの非破壊断面撮影装置40により、例えば100μmなどの所定間隔で順次撮影し、股関節部分の各断面ごとの断面撮影データを取得する(ステップS101)。そして、得られた各断面の撮影データを、ワークステーションに送信可能なDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)形式で出力する(ステップS102)。
次に、ワークステーション42にて、上記DICOM形式の断面撮影データを、STL(Standard Trianglation language)形式に変換し(ステップS103)、その後、ワークステーション42にインストールされている3次元CADソフトウェアにて読み込み、これらのデータを重ね合わせて股関節部分の3次元形状を再現する(ステップS104)。
次に、得られた股関節部分の3次元形状に基づいて、人工股関節における関節位置を決定する(ステップS105)。ここで関節位置とは、臼蓋(もしくは人工臼蓋部品)で支持された骨頭部(もしくは骨頭ボール)の回転中心の位置である。具体的には、図4に示すように、3次元CADソフトウェア上で再現された図中左側の正常な股関節の形状から関節位置O1を求め、これと左右対称となる位置を図中右側の人工股関節の関節位置O2とする。
次に、カップ支持部20の骨嵌合面28の形状を決定する(ステップS106)。具体的には、図5に示すように、人工臼蓋部品10のカップ部12を関節位置O2の位置に配置する。そして、カップ部12の外面から上向きに延出させたカップ支持部20の骨嵌合面28の形状を、骨盤38の凹凸面38aの形状に合わせて決定する。
次に、ステップS107では、図6に示すように、カップ支持部20の骨盤38と対向する側の面を掘削して凹陥部24を形成するとともに、カップ部12の、カップ支持部20との接合部の近傍に、カップ部12の厚み方向に貫通して凹陥部24と連通する貫通口25を形成する。
次に、カップ支持部20の厚み方向に貫通する貫通孔34(図1参照)を形成する(ステップS108)。また、このとき固定用のスクリューを挿通させるための貫通孔を、カップ支持部20に同時に設けてもよい。
このようにして外形形状が決定された後、カップ支持部20についてポーラス処理を行う(ステップS109)。カップ支持部20の外殻を構成する表皮層20bとポーラス構造体20aのそれぞれの厚み、ポーラス構造体20aの具体的な形状等は、構造解析ソフトを使用して求められる応力分布等を考慮して適宜決定する。
このようにして人工臼蓋部品10の形状データが作成される。すなわち上記で説明したステップS106~S109が、本発明における形状データ作成ステップに相当する。
なお、以上で説明した形状データの作成方法はあくまでも一例である。例えば、カップ部およびカップ支持部を備え、且つ凹陥部24や貫通孔34が形成された雛形データを予め作成しておき、この雛形データに基づいて、図7に示すようにカップ部12を、人工股関節側の関節位置O2に配置した状態で、カップ支持部20における骨盤38と重複する部位35を削除して、骨嵌合面28の面形状を得るようにすることも可能である。このようにすれば、ステップ106~108までのステップを省略もしくは簡略化でき、形状データの作成に要する工数を削減することができる。
次に、所定の金属粉末材料(ここではTi-6Al-4V合金粉末)を用い、積層造形可能な3Dプリンタ44により人工臼蓋部品10を造形する(ステップS110)。3Dプリンタ44では、3次元CADソフトウェアにて作成した人工臼蓋部品10のスライスデータに基づき、金属粉末を所定の厚みに敷き均した粉末層に、レーザ光を走査して、所定の位置にある金属粉末を溶融・凝固させる。この操作を、1断面(1スライスデータ)ごと繰り返して、所定の形状の構造体を得る。
積層造形後、不要な部分を切り取って、その後、滅菌して所定形状の人工臼蓋部品10を得る(ステップS111)。
このようにして得られた人工臼蓋部品10は、図10に示すライナー58、ステム52、骨頭ボール54とともに人工股関節を構成する。図8は、人工臼蓋部品10を含む人工股関節が装着された状態を示している。
本実施形態の人工臼蓋部品10では、カップ部12がカップ支持部20にて支持される構造であり、骨盤38側と嵌り合うカップ支持部20の骨嵌合面28の形状を、個々の患者の骨盤38側の凹凸面形状と合わせることで人工股関節における関節位置O2の適正化を図ることができ、本例では人工股関節における関節位置O2を、正常な股関節の関節位置O1と左右対称の位置に規定することができる。
また、本実施形態の人工臼蓋部品10では、カップ支持部20の骨嵌合面28が、残存する骨盤38側の骨の面38aと当接して、カップ部12に作用する荷重を受け止める。このため人工臼蓋部品10を装着する際、カップ部12と直接、面接触する骨盤側の支持面39を小さくすることができる。すなわち骨盤38側での骨切削量を削減し得て、侵襲性の低減を図ることができる。
本実施形態の人工臼蓋部品10は、チタン合金からなる。チタン合金製の部品は、生体骨に比べ重いことが問題であったが、人工臼蓋部品10では、カップ支持部20を、空隙を多数備えたポーラス構造体で構成とすることにより軽量化が図られている。生体親和性に優れたチタン合金なる人工臼蓋部品10は、患者の骨盤に装着されて一定期間が経過すると、骨組織と一体化する。
カップ支持部20では、ポーラス構造体20aの外面を覆うように、薄肉の表皮層20bがポーラス構造体20aと一体に形成されており、ポーラス構造体20aを採用した場合であっても、所定の強度を確保することが容易である。また人工臼蓋部品10を積層造形法で造形する場合の製造性を向上させることができる。
本実施形態の人工臼蓋部品10では、カップ支持部20に貫通孔34を形成している。この貫通孔34は、人工臼蓋部品10を積層造形法で造形した際、人工臼蓋部品10内に残存する未溶融の金属粉末を外部に排出するための排出孔として用いられる。また、人工臼蓋部品10が患者の骨盤38に固定された後は、かかる貫通孔34を通じてカップ支持部20を内外に貫通する血管が形成される。
また本実施形態の人工臼蓋部品10では、カップ支持部20の骨盤38と対向する側に凹陥部24を形成しており、人工臼蓋部品10と骨盤38との間に移植骨片を詰めるためのスペースを容易に確保することができる。
本実施形態の人工臼蓋部品10では、カップ部12の、カップ支持部20との接合部の近傍に、カップ部12の厚み方向に貫通して凹陥部24と連通する貫通口25が形成されているため、貫通口25を通じて移植骨片を凹陥部24に装入することができる。
本実施形態の人工臼蓋部品10は、患者の股関節から取得したCT断面撮影データもしくはMRI断面撮影データの重ね合せにより再現された股関節の3次元形状に基づいて、健全な側の関節位置O1と左右対称となるように、人工股関節側の関節位置O2を決定し、カップ部12を、人工股関節側の関節位置O2に配置した状態で、カップ支持部20の骨嵌合面28が骨盤38側の凹凸面と嵌り合うように、人工臼蓋部品10の形状データを作成する。
このため、本実施形態の製造方法によれば、患者の健全な側の関節位置と左右対称な関節位置に好適に配置することができる人工臼蓋部品10を製造することができる。
また本実施形態の製造方法によれば、Ti合金粉末材料を用いた積層造形法により人工臼蓋部品10を造形するため、形状において高い自由度が得られ、複雑な形状を有するポーラス構造体20aにも対応することができる。
図9は、上記実施形態とは異なる人工臼蓋部品10Bを示した図である。同図で示すように、人工臼蓋部品10Bでは、カップ部12の上方に延びる上カップ支持部20に加え、カップ部12の下方に延びる下カップ支持部20Bが形成されている。この下カップ支持部20Bの周縁においても、骨盤側の骨と嵌り合う骨嵌合面28Bが設けられている。本例の人工臼蓋部品10Bによれば、カップ部12を上下2方向から支持することができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまでも一例示である。上記実施形態は、カップ支持部20にポーラス構造体を設けた例であったが、カップ部12にポーラス構造体を設けることも可能であるし、カップ部およびカップ支持部の両方をポーラス構造体とすることも可能である。またポーラス構造体の外面を覆う表皮層は、ポーラス構造体の一部にのみ設けるようにすることも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々変更を加えた形態で構成可能である。
10,10B 人工臼蓋部品
12 カップ部
14 半球状凹部
20,20B カップ支持部
20a ポーラス構造体
20b 表皮層
24 凹陥部
25 貫通口
28,28B 骨嵌合面
38 骨盤
38a 凹凸面
54 骨頭ボール
,O 関節位置

Claims (5)

  1. 金属材料からなり、
    骨頭ボールを支持する半球状凹部を有するカップ部と、
    該カップ部と一体に形成され且つ該カップ部の外側に延びるカップ支持部と、を備え、
    該カップ支持部に、骨盤側の凹凸面と嵌り合う骨嵌合面が設けられており、
    前記カップ部および/又はカップ支持部の少なくとも一部が、空隙を多数備えたポーラス構造体で構成され、
    前記カップ支持部は前記骨盤と対向する側に凹陥部が形成され、
    前記カップ部の、前記カップ支持部との接合部の近傍には、前記カップ部の厚み方向に貫通して前記凹陥部と連通する貫通口が形成されていることを特徴とする人工臼蓋部品。
  2. 薄肉の表皮層が、前記ポーラス構造体の外面を覆うように、該ポーラス構造体と一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の人工臼蓋部品。
  3. 前記ポーラス構造体は、複数の棒状もしくは板状の小片が相互に連結され、これら小片以外の部分に前記空隙が形成されていることを特徴とする請求項1,2の何れかに記載の人工臼蓋部品。
  4. 請求項1~の何れかに記載の人工臼蓋部品の製造方法であって、
    患者の股関節から取得したCT断面撮影データもしくはMRI断面撮影データの重ね合せにより再現された前記股関節の3次元モデルを得る股関節モデル取得ステップと、
    前記3次元モデルを用いて、健全な側の関節位置と左右対称となるように、人工股関節側の関節位置を決定する関節位置決定ステップと、
    前記カップ部を、前記人工股関節側の関節位置に配置した状態で、前記カップ支持部の前記骨嵌合面が前記骨盤側の凹凸面と嵌り合うように、前記人工臼蓋部品の形状データを作成する形状データ作成ステップと、
    前記形状データに基づいて、合金粉末材料を用いた積層造形法により、前記人工臼蓋部品を造形する人工臼蓋部品造形ステップと、を有することを特徴とする人工臼蓋部品の製造方法。
  5. 前記人工臼蓋部品の形状データを作成するに際し、
    カップ部およびカップ支持部を備えた雛形データを予め作成しておき、
    前記カップ部を、前記人工股関節側の関節位置に配置した状態で、前記カップ支持部における前記骨盤と重複する部位を削除して、前記骨嵌合面の面形状を得るようになしたことを特徴とする請求項に記載の人工臼蓋部品の製造方法。

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