JP7283917B2 - α化乾燥玄米およびその製造方法 - Google Patents
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(1)玄米を150~280℃、30~180秒の条件において発泡させ、膨化玄米とする膨化工程と、この膨化玄米を、加熱前浸漬処理を2時間未満としてα化するα化工程と、このα化工程によってα化された米を、α-アミラーゼを含み且つこのα-アミラーゼの至適温度に調整された酵素液により浸漬処理する浸漬工程と、この浸漬工程によって浸漬処理された米を乾燥する乾燥工程とを含む、α化乾燥玄米の製造方法。
(2)前記膨化工程が、玄米を熱風および/またはマイクロ波により発泡させる工程である、(1)に記載のα化乾燥玄米の製造方法。
(3)前記膨化工程により、かさ比重が0.53~0.89g/mlである膨化玄米とする、(1)または(2)に記載のα化乾燥玄米の製造方法。
(4)前記α化工程が、前記膨化玄米に加水後、加熱前浸漬処理をすることなくα化する工程である、(1)~(3)のいずれか1つに記載のα化乾燥玄米の製造方法。
(5)前記浸漬工程における浸漬処理時間が2秒~3分間である、(1)~(4)のいずれか1つに記載のα化乾燥玄米の製造方法。
(6)前記α-アミラーゼの至適温度が35~80℃である、(1)~(5)のいずれか1つに記載のα化乾燥玄米の製造方法。
(7)かさ比重が0.30~0.45g/mlであり、且つ98℃の熱湯に浸漬してから5分後における吸水率が240~300質量%である、単粒化されたα化乾燥玄米。
本発明は、玄米を150~280℃、30~180秒の条件において発泡させ、膨化玄米とする膨化工程と、この膨化玄米を、加熱前浸漬処理を2時間未満としてα化するα化工程と、α化工程によってα化された米を、α-アミラーゼを含み且つα-アミラーゼの至適温度に調整された酵素液により浸漬処理する浸漬工程と、浸漬工程によって浸漬処理された米を乾燥する乾燥工程とを含むα化乾燥玄米の製造方法、ならびに、かさ比重が0.30~0.45g/mlであり、且つ98℃の熱湯に浸漬してから5分後における吸水率が240~300質量%の単粒化されたα化乾燥玄米である。
本発明に係るα化乾燥玄米の製造方法では、原料米として玄米を使用する。玄米とは、籾から籾殻を取り除いた状態であり且つ精米されていない(果皮、種皮および糊粉層(いわゆる米糠)が除去されていない)米を意味し、本発明においては、粳玄米だけでなく、約70%含まれる澱粉の成分がほぼアミロペクチンである(α化した際の粘りがより強い)糯玄米も使用できる。また、米の品種も特に限定されないが、澱粉中のアミロース含量が15質量%以上である粳玄米、あるいは糯玄米を使用するのが、復元した際の食感がより好適である単粒化されたα化乾燥玄米を得るという点において好ましい。なお、本発明に使用する玄米は、必要に応じて、表面の汚れを除去するための洗米工程を行ってもよい。なお、この洗米工程は、精白米のα化前に行う精白米表面の肌糠を洗い流すための工程とは異なるものである。
ここで、乾燥前の米粒表面の予備乾燥および米粒表面に付着したα-アミラーゼの失活のために、乾燥工程の前に、浸漬工程において浸漬処理された米を蒸煮する蒸煮工程を行っても良い。これにより、乾燥工程における米粒同士の結着をより抑制し、且つα-アミラーゼの過度な作用をより抑制することができる。
前記製造方法などによって得られる本発明のα化乾燥玄米は、その表層にある果皮および種皮が破れて糊粉層の少なくとも一部が露出している。これにより、短時間(例えば90~100℃の熱湯に浸漬してから5分間以内)での復元が可能となり、その消化性も高められ、且つ、玄米は精白米に比べてビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富であり、これらに代表される栄養成分の吸収性(栄養吸収性)なども高められている。また、単粒化され且つ熱湯や水などに浸すだけで速やかに復元可能なため、必要な分量ずつ復元して喫食することが可能であり、屋外用あるいは非常用としても好適に使用できる。
さらに、本発明のα化乾燥玄米は、澱粉中のアミロース含量が15質量%以上の粳玄米、および/または糯玄米を用いたα化乾燥玄米であるのが、復元した際の食感がより好適であるため好ましい。
まず、α化乾燥玄米の製造における膨化工程(膨化処理)の有無の影響を確認するため、次の試験を実施した。
原料となる玄米(はえぬき50%、つや姫50%、いずれも山形県産)100gを200℃、39秒の条件において熱風により膨化処理を行い、得られた膨化玄米(かさ比重0.65g/ml)に原料玄米の1.8倍量加水して、常温において24時間浸漬を行った。これを炊飯器(マイコン炊飯ジャー JBG-B100、タイガー魔法瓶社製)によって炊飯し、得られた炊飯米を、約60℃に調整した0.05%ネオスピターゼ(α-アミラーゼ1%含有製剤、至適温度60~70℃、ナガセケムテックス株式会社製)含有酵素液に移して45秒間撹拌しながら浸漬した。この酵素液浸漬後、液切りを行い、液切り後の米を乾燥トレイに平たく伸ばした状態で入れ、95℃、75分間の条件により熱風乾燥を行った(比較例A)。
次に、α化乾燥玄米の製造における加熱前浸漬時間の影響を確認するため、次の試験を実施した。
原料となる玄米(はえぬき50%、つや姫50%、いずれも山形県産)100gを200℃39秒の条件において熱風により膨化処理を行い、得られた膨化玄米(かさ比重0.65g/ml)に原料玄米の1.8倍量加水した。そして、加熱前浸漬時間0時間(浸漬なし、実施例1)、加熱前浸漬時間0.5時間(浸漬0.5h、実施例2)、および加熱前浸漬時間2時間(浸漬2h、比較例1)の3種類の加熱前浸漬処理を実施し、これらをいずれも炊飯器(マイコン炊飯ジャー JBG-B100、タイガー魔法瓶社製)によって炊飯し、得られた各炊飯米を、約60℃に調整した0.05%ネオスピターゼ(α-アミラーゼ1%含有製剤、至適温度60~70℃、ナガセケムテックス株式会社製)含有酵素液に移して45秒間撹拌しながら浸漬した。この酵素液浸漬後、液切りを行い、液切り後の米を乾燥トレイに平たく伸ばした状態で入れ、95℃、75分間の条件により熱風乾燥を行った。これらの各工程における玄米の重量、かさ比重および状態を下記表2にまとめた。いずれも単粒化されたα化乾燥玄米を取得することができた。
官能評価は、α化乾燥玄米の復元性(中心部に芯がない戻りの良さ)、食感(弾力および粘り)および米粒感(見た目の粒感)の3つの項目について、以下に示す評価基準を用い、パネリスト間において共通の評価基準となるように統一した。具体的には、実施例1を基準サンプル(評価はいずれの項目も4.0)として、以下の評価基準に基づいて10名のパネリストが相対評価により各サンプルを比較官能評価し、この平均値を算出した。結果を下記表3に示した。
5:非常に良い(実施例1より良い)
4:やや良い(実施例1と同等)
3:良い(実施例1より若干劣るが良好である)
2:やや悪い(実施例1より劣る)
1:悪い(実施例1よりもかなり劣る)
次に、α化乾燥玄米の製造における膨化処理条件の影響を確認するため、次の試験を実施した。
原料となる玄米(はえぬき50%、つや姫50%、いずれも山形県産)100gを洗米して表面の汚れを除去した後、150℃156秒、175℃83秒、200℃70秒、225℃52秒の4つの条件においてそれぞれ熱風により膨化処理を行い、得られた各膨化玄米(かさ比重はそれぞれ0.86g/ml、0.74g/ml、0.63g/ml、0.59g/ml)に原料玄米の1.8倍量加水した。そして、いずれも加熱前浸漬時間をとることなく、炊飯器(マイコン炊飯ジャー JBG-B100、タイガー魔法瓶社製)によって炊飯し、得られた各炊飯米を、約60℃に調整した0.05%ネオスピターゼ(α-アミラーゼ1%含有製剤、至適温度60~70℃、ナガセケムテックス株式会社製)含有酵素液に移して45秒間撹拌しながら浸漬した。この酵素液浸漬後、液切りを行い、液切り後の米を乾燥トレイに平たく伸ばした状態で入れ、95℃、75分間の条件により熱風乾燥を行った(実施例3~6)。
なお、実施例3、4、6の製造工程中の膨化工程後における各膨化玄米については、さらに、粒の側面および横断面を下記条件により顕微鏡観察し、未処理玄米粒の側面および横断面と比較した。この顕微鏡写真を図2に示した。
使用機器:デジタルマイクロスコープ VHX-1000(キーエンス社製)
倍率:50倍
α化乾燥玄米の製造における膨化処理条件の影響をさらに確認するため、次の試験を実施した。
原料となる玄米(はえぬき100%、山形県産)100gを洗米して表面の汚れを除去した後、240℃42秒、260℃35秒、280℃32秒の3つの条件においてそれぞれ熱風により膨化処理を行い、得られた各膨化玄米(かさ比重はそれぞれ0.58g/ml、0.56g/ml、0.55g/ml)に原料玄米の1.8倍量加水した。そして、いずれも加熱前浸漬時間をとることなく、炊飯器(マイコン炊飯ジャー JBG-B100、タイガー魔法瓶社製)によって炊飯し、得られた各炊飯米を、約60℃に調整した0.05%ネオスピターゼ(α-アミラーゼ1%含有製剤、至適温度60~70℃、ナガセケムテックス株式会社製)含有酵素液に移して45秒間撹拌しながら浸漬した。この酵素液浸漬後、液切りを行い、液切り後の米を乾燥トレイに平たく伸ばした状態で入れ、95℃、75分間の条件により熱風乾燥を行った(実施例7~9)。
α化乾燥玄米の製造における酵素液浸漬時間の影響を確認するため、次の試験を実施した。
原料となる玄米(はえぬき100%、山形県産)100gを洗米して表面の汚れを除去した後、225℃52秒の条件において熱風により膨化処理を行い、得られた膨化玄米(かさ比重は0.59g/ml)に原料玄米の2.0倍量加水した。そして、加熱前浸漬時間をとることなく、炊飯器(マイコン炊飯ジャー JBG-B100、タイガー魔法瓶社製)によって炊飯し、得られた炊飯米を3つに分け、約60℃に調整した0.05%ネオスピターゼ(α-アミラーゼ1%含有製剤、至適温度60~70℃、ナガセケムテックス株式会社製)含有酵素液に移してそれぞれ2秒、45秒、3分間撹拌しながら浸漬した。この酵素液浸漬後、液切りを行い、液切り後の米を乾燥トレイに平たく伸ばした状態で入れ、95℃、75分間の条件により熱風乾燥を行った(実施例10~12)。
Claims (6)
- 玄米を150~280℃、30~180秒の条件において発泡させ、膨化玄米とする膨化工程と、前記膨化玄米を、加熱前浸漬処理を2時間未満としてα化するα化工程と、前記α化工程によってα化された米を、α-アミラーゼを含み且つ前記α-アミラーゼの至適温度に調整された酵素液により浸漬処理する浸漬工程と、前記浸漬工程によって浸漬処理された米を乾燥する乾燥工程とを含む、α化乾燥玄米の製造方法。
- 前記膨化工程が、玄米を熱風および/またはマイクロ波により発泡させる工程である、請求項1に記載のα化乾燥玄米の製造方法。
- 前記膨化工程により、かさ比重が0.53~0.89g/mlである膨化玄米とする、請求項1または2に記載のα化乾燥玄米の製造方法。
- 前記α化工程が、前記膨化玄米に加水後、加熱前浸漬処理をすることなくα化する工程である、請求項1~3のいずれか1項に記載のα化乾燥玄米の製造方法。
- 前記浸漬工程における浸漬処理時間が2秒~3分間である、請求項1~4のいずれか1項に記載のα化乾燥玄米の製造方法。
- 前記α-アミラーゼの至適温度が35~80℃である、請求項1~5のいずれか1項に記載のα化乾燥玄米の製造方法。
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