JP7283678B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 1:論文発表 掲載日:平成30年12月18日 https://ieeexplore.ieee.org/document/8580401,https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=8580401 『Browse Journals & Magazines,IEEE Transactions on Microwave,Early Access,“Robust Contactless Noncircular Choke Flange for Wideband Waveguide Applications”』 2:刊行物 発行日:平成31年2月22日 ISASニュース、2019年2月号、No.455、「宇宙科学最前線 宇宙研発、小型レーダ衛星の多数機コンステレーション」 JAXA宇宙科学研究所 3:ウェブサイト 掲載日:平成31年2月26日 http://www.isas.jaxa.jp/feature/forefront/190226.html 読むISAS 「宇宙科学最前線 宇宙研発、小型レーダ衛星の多数機コンステレーション」 JAXA宇宙科学研究所 4:ウェブサイト 掲載日:平成31年2月27日 http://www.isas.jaxa.jp/outreach/isas_news/files/ISASnews455.pdf ISASニュース、2019年2月号、No.455、「宇宙科学最前線 宇宙研発、小型レーダ衛星の多数機コンステレーション」 JAXA宇宙科学研究所
本発明は、アンテナ装置に関する。
人工衛星に展開型のアンテナ装置として展開型フェーズドアレーアンテナが搭載される場合がある(例えば、特許文献1参照。)。 特許文献1で開示された展開型フェーズドアレーアンテナでは、隣り合う基板を接続するヒンジを備える。当該ヒンジは、例えば、90度あるいは180度の回転自由度を有する。
一般のアンテナ装置では、能動型アレーアンテナ以外に、受動型アレーアンテナも用いられている。
一般に、広い使用周波数範囲(広帯域)を必要とする受動型アレーアンテナでは、各アンテナエレメントへの給電位相が広い周波数領域において均一である必要があり、信号源から各アンテナエレメントまで、電気長が等しく並列に給電する並列給電方式が取られる(例えば、非特許文献1参照。)。信号源からアンテナエレメントへの信号の分岐には、回路や線路の配置が容易な、1入力2出力の3端子分岐回路を用いる。このため並列給電回路は、トーナメント状になり、アンテナエレメント数は2個(kはトーナメントの階層数、自然数)である。
また、展開構造物への高周波給電方式が開示されている。
展開構造物への高周波給電方式では、チョークフランジを有する導波管と、カバーフランジを有する導波管を備える。また、展開構造物が展開状態である場合、当該チョークフランジと当該カバーフランジとが対向する。この場合、これら2個の導波管を介して高周波が給電される。
特開2012-90253号公報
高橋 徹、"電子情報通信学会『知識の森』 4 群(通信工学)2 編(アンテナ・伝搬)7 章 アレーアンテナ 7-4 アレーアンテナの給電回路"、[online]、2013年、電子情報通信学会、[2018年11月23日検索]、インターネット〈URL:http://www.ieice-hbkb.org/files/04/04gun_02hen_07.pdf#page=15〉
展開型のアンテナ装置において、設計および製造の高効率化が望まれている。ところが、給電回路のアンテナエレメントの数が(2のべき乗)ではないときに対称性やシステムの単純性を実現しづらい場合があった。
すなわち、展開型フェーズドアレイアンテナを構成する各アンテナパネルは、できるだけ設計を共通化することで、装置設計や製造を容易にすることが望ましい。加えて、アンテナパネル間をまたぐ給電回路の箇所数を必要最小に抑えることが望ましい。このためには、同一のアンテナパネルを一つのアンテナエレメントとするアレーアンテナの構成とする必要がある。一方、装置のサイズや装置の質量バランス等の質量特性の要請から、アンテナパネルの枚数n(nは自然数)が2k-1個(kは自然数)にならない場合がある。このため、2k-1個でない個数のアンテナエレメントに並列給電できる、設計製造が容易で、広帯域な並列給電回路が必要である。
本発明は、このような事情に鑑み、上記のような問題を解決することで設計および製造の高効率化を図ることができるアンテナ装置を提供することを目的とする。より具体的には、給電回路のアンテナエレメントの数が(2のべき乗)ではないときでも対称性やシステムの単純性を維持することができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、アンテナパネルと、給電信号を入力する1個の入力端子と、前記入力端子に入力された給電信号を、前記アンテナパネルに担持された複数のアンテナエレメントに分配する給電回路と、を備え、前記給電回路は、1入力2出力の少なくとも1つの第1段の分割回路と、前記第1段の分割回路の出力を入力とする、1入力2出力の少なくとも2つの第2段の分割回路と、前記第1段の分割回路の出力および前記第2段の分割回路の出力から選ばれる2つの出力を入力とする、2入力1出力の合成回路とを含む、アンテナ装置である。
本発明によれば、設計および製造の高効率化が図られるアンテナ装置を実現することが可能になる。また、給電回路のアンテナエレメントの数が(2のべき乗)ではないときでも各アンテナエレメントへの給電位相の均一性を維持することが可能になる。
本発明の一実施形態に係るアンテナ装置を備える人工衛星の概略的な外観の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の給電回路の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るハニカムパネルおよびスロットを用いたスロットアレーアンテナを用いたアンテナ装置の給電回路の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るアンテナエレメント数が8であるトーナメント型の並列給電回路の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るアンテナエレメント数が7である並列給電回路の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るアンテナエレメント数が6である並列給電回路の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るアンテナエレメント数が6である並列給電回路の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るアンテナエレメント数が5である並列給電回路の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る減数手法を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る導波管τ形分岐回路の構成例を示す図である。 電磁界解析による導波管τ形分岐回路の入力側からの反射特性の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る導波管接続部の概略的な外観を示す図である。 本発明の一実施形態に係るチョークフランジにおけるモード2Aの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るチョークフランジにおけるモード2Bの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るチョークフランジにおけるモード3Aの一例を示す図である。 本実施形態に係るチョークフランジの溝部の直線部の長さと共振周波数との関係の例を示す図である。 従来例に係る導波管τ形分岐回路の構成例を示す図である。 円形チョークフランジの損失の実測値とシミュレーション結果の例を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
以下では、説明の便宜上、三次元直交座標系であるXYZ座標軸を図中に矢印で示して説明する。
また、以下では、説明の便宜上、「電磁波」という語を使用して説明するが、一般に、3THz以下の周波数を有する電磁波は「電波」とも呼ばれる。
また、以下では、説明の便宜上、トーナメント状の給電回路において、最下層から最上層へ向かう方向で、複数個の導波路が1/2倍ずつになるように合成されていく段を「階層」と呼んで説明する。この場合、例えば、r=1~kについて、r階層目が2k-r個の導波路となる。
また、逆に、トーナメント状の給電回路において、最上層から最下層へ向かう方向で、1個の導波路が2倍ずつに分岐されていく段が「階層」と呼ばれてもよい。具体例としては、r=1~kについて、r階層目が2r-1個の導波路である場合がある。
そして、以下では、説明の便宜上、トーナメント状の分岐から枝の数が減らされた構成(つまり、厳密にはトーナメント状ではない構成)についても、トーナメント状の分岐における「階層」という語を説明に使用する場合がある。
[人工衛星などのアンテナ装置]
本実施形態では、人工衛星のアンテナ装置を例として説明するが、本実施形態に係る技術が他のアンテナ装置に適用されてもよい。
<人工衛星の外観>
図1は、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置21を備える人工衛星1の概略的な外観の一例を示す図である。
人工衛星1は、当該人工衛星1の構体となる衛星構体11と、アンテナ装置21とを備える。
本実施形態では、衛星構体11は、立方体の形状を有する。
アンテナ装置21は、展開型の3枚の平面形状のアンテナパネル31~33と、給電源回路41を含む給電回路と、開閉接続部51~52とを備える。本実施形態では、給電回路は、アンテナパネル31~33などに備えられる。
アンテナパネル31~33は、アンテナを構成する板状の物体である。本実施形態では、正方形状のアンテナパネル31~33が用いられるが、他の形状の物体がアンテナを構成するために用いられてもよい。
本実施形態では、給電源回路41は、衛星構体11の内部に備えられている。
以下で、本実施形態に係るアンテナ装置21について説明する。
<展開パネルの幾何学構成>
一般に、アンテナパネルを展開するための幾何学的な構成は、例えば、必要とされるアンテナの利得、必要とされる放射ビームのパターン、打ち上げ時における人工衛星の形状およびサイズ、あるいは、展開機構の特性などの条件に基づいて決定される。
また、アンテナパネルを展開する方式として、1次元展開方式、2次元展開方式、1翼展開方式、あるいは、2翼展開方式などがある。1次元展開方式では、複数のアンテナパネルを1次元方向に展開する。2次元展開方式では、複数のアンテナパネルを2次元方向に展開する。1翼展開方式では、展開する方向が一方向である。2翼展開方式では、衛星構体11から2方向に展開する。
アンテナ装置21は、2翼展開方式に対応する。アンテナ装置21では、人工衛星1の衛星構体11から直線上(例えば、左右)に対称に1枚ずつのアンテナパネル32、33が展開される。これにより、人工衛星1の質量特性の対称性が保たれる。
また、アンテナ装置21では、衛星構体11の面上に1枚のアンテナパネル31が設けられている。そして、3枚のアンテナパネル31~33が直線状に連結されたアンテナ面が構成される。これにより、アンテナ装置21のサイドローブが抑圧され、実用的なアンテナ面となる。
このようなアンテナ面の構成が用いられる場合、例えば、アンテナパネルの枚数は奇数となる。本例では、アンテナパネルの枚数は、奇数の一例である3である。
<展開型の平面形状のアンテナ>
本実施形態に係るアンテナ装置21では、中央パネルと呼ばれる1枚のアンテナパネル31が、衛星構体11が有する1個の面の上に備えられる。衛星構体11の当該面と、当該アンテナパネル31の面とは、同一の形状(または、ほぼ同一の形状)を有する。
右翼と呼ばれるアンテナパネル32が、アンテナパネル31の一辺の側に備えられ、左翼と呼ばれるアンテナパネル33が、アンテナパネル31の反対側の一辺の側に備えられる。
3枚のアンテナパネル31~33のそれぞれの面は、同一の形状(または、ほぼ同一の形状)を有する。
アンテナパネル32およびアンテナパネル33は、アンテナパネル31に対して、それぞれ開閉接続部51および開閉接続部52を介して開閉可能に接続されている。開閉接続部51および開閉接続部52は、例えば、開閉可能なヒンジの構造を有する。
アンテナパネル32およびアンテナパネル33は、アンテナパネル31に対して、開いた状態にあり、アンテナパネル32およびアンテナパネル33の面とアンテナパネル31の面とが、平行(または、ほぼ平行)になり、同一の平面上(または、ほぼ同一の平面上)に直列に位置する。これにより、3枚のアンテナパネル31~33から構成されるアンテナが実現される。
一方、アンテナパネル32およびアンテナパネル33がアンテナパネル31に対して閉じた状態では、アンテナパネル32およびアンテナパネル33の面と、衛星構体11の1個の側面61および側面62とが、それぞれ、平行(または、ほぼ平行)になる。当該側面61および側面62は、衛星構体11が有する面のなかで、アンテナパネル31の面に隣接する4個の面のうちの1個の面である。これにより、人工衛星1が全体的にコンパクトになり、容易に輸送可能となる。
<受動型のフェーズドアレーアンテナ>
本実施形態に係るアンテナ装置21は、受動型のフェーズドアレーアンテナを使用する。この理由は、受動型のフェーズドアレーアンテナは、能動型のフェーズドアレーアンテナと比べて、低コスト化し易いからである。
<衛星構体の内部に備えられる給電源回路>
本実施形態に係るアンテナ装置21では、衛星構体11の内部に、アンテナへ給電するための給電源回路41を備える。この理由は、受動型のフェーズドアレーアンテナでは、アンテナパネル31~33に送信用の電力増幅器あるいは受信用の低雑音増幅器などの所定の電子機器が配置されないためである。このため、受動型のフェーズドアレーアンテナでは、衛星構体11の内部に当該電子機器が配置されることになる。また、受動型のフェーズドアレーアンテナでは、衛星構体11からアンテナパネル31~33へマイクロ波あるいはミリ波を給電する導波路が設けられる。
給電源回路41は、例えば、アンテナへ給電するための回路のうち、給電のための電力の信号(説明の便宜上、「給電信号」ともいう。)を伝送する導波路以外の電子回路を備える。当該電子回路は、送信用の電力増幅器、および受信用の低雑音増幅器などの電子機器を含んでもよい。
<導波管>
本実施形態に係るアンテナ装置21では、導波路として導波管を使用する。この理由は、導波管は、高周波領域のマイクロ波あるいはミリ波について損失が最も小さい導波路であるからである。
<導波管同士がフランジで接続される構成>
本実施形態に係るアンテナ装置21では、アンテナパネル31~33が開閉接続部51、52を介して展開される。本実施形態では、開閉接続部51の構造と開閉接続部52の構造とは同じである。
また、隣り合うアンテナパネル31~33の給電用の導波管同士が導波管接続部によって接続される。本実施形態では、アンテナパネル31の導波管とアンテナパネル32の導波管とを接続する導波管接続部の構造と、アンテナパネル31の導波管とアンテナパネル33の導波管とを接続する導波管接続部の構造と、は同じである。
[アンテナ装置の給電回路の例]
<給電回路の一例>
図2は、本発明の一実施形態に係るアンテナ装置21の給電回路301の一例を示す図である。
3枚のアンテナパネル31~33は、Z軸に沿って並んでいる。アンテナパネル31、32は導波管接続部211を介して接続されており、アンテナパネル31、33は導波管接続部212を介して接続されている。
給電回路301は、第1段の分割回路に相当する分割回路221、第2段の分割回路に相当する分割回路311~312および1個の合成回路313を組み合わせて備える。説明の便宜上、これらの分割回路221、311~312および合成回路313における入力端および出力端の側を示すための点を、それぞれ点P1~点P5で示してある。
また、3個のアンテナエレメントの給電点P11、P12、P13を示してある。これらのアンテナエレメントは、アンテナパネル32、31、33に担持されている。
分割回路221は、3端子の1入力2出力の第1段の分割回路に相当するが、アンテナパネル31に備えられていてもよく、あるいは衛星構体11内部に設けられてもよい。3端子の1入力2出力の第1段の分割回路に相当する分割回路221が備えられている。分割回路221の入力端は点P1にある。当該入力端は、Z軸方向において、アンテナパネル31の中央に配置されている。分割回路221の右側の出力端は点P2の側にあり、分割回路221の左側の出力端は点P3の側にある。Z軸方向において、点P1を通りX軸に平行な直線に対して、点P2と点P3とは左右対称となっている。つまり、Z軸方向において、分割回路221は、アンテナパネル31の中央を基準として、左右対称となっている。
なお、分割回路や合成回路は、一般に、局所的なものである。
アンテナパネル31とアンテナパネル32にわたって、3端子の1入力2出力の第2段の分割回路に相当する分割回路311が備えられている。分割回路311の入力端は、分割回路221の出力端の側でもある点P2にある。当該入力端は、アンテナパネル31に配置されている。分割回路311の右側の出力端は点P4の側にあり、点P4はアンテナパネル32に配置されている。分割回路311の左側の出力端は点P21aの側にあり、点P21aはアンテナパネル31に配置されている。点P21aは、Z軸方向において、アンテナパネル31の中央(あるいは、ほぼ中央)に配置されている。
アンテナパネル31とアンテナパネル33にわたって、3端子の1入力2出力の第2段の分割回路に相当する分割回路312が備えられている。分割回路312の入力端は、分割回路221の出力端の側でもある点P3にある。当該入力端は、アンテナパネル31に配置されている。分割回路312の左側の出力端は点P5の側にあり、点P5はアンテナパネル33に配置されている。分割回路312の右側の出力端は点P21bの側にある。
ここで、分割回路311の左側の出力端の側の点(点P21a)と分割回路312の右側の出力端の側の点(点P21b)とは、実際には、少しずれており、共通の合成回路313に接続されている。
また、アンテナパネル31に、3端子の2入力1出力の合成回路313が備えられている。合成回路313の2個の入力端は点P21a、点P21bにあり、一方の入力端が分割回路312の出力端と接続されており、他方の入力端が分割回路311の出力端と接続されている。これら2個の入力端から入力される給電信号が、例えば等しい割合で、合成される。
なお、合成回路313の2個の入力端(点P21a)、(点P21b)は、実際には、少しずれており、共通の出力端に導かれる。
ここで、3個の分割回路221、311~312および1個の合成回路313は、Z軸方向において、アンテナパネル31の中央を基準として、左右対称に配置されている。
すなわち、1入力2出力の分割回路312は、分割回路311に対して、Z軸方向において、アンテナパネル31の中央を基準として、左右対称に配置されている。
3個の分割回路221、311~312および1個の合成回路313は、それぞれ、導波管を用いて構成されている。ある分割回路の出力端と他の分割回路の入力端とが同じ点に向かうところでは、互いに接続されている。そして、当該出力端から出力される給電信号が当該入力端に入力される。また、最初の分割回路221の入力端には給電源回路41の出力端が接続され、給電源回路41から給電される給電信号が当該入力端に入力される。
分割回路311は、導波管接続部211の導波路を含んで構成されている。分割回路312は、導波管接続部212の導波路を含んで構成されている。
本実施形態では、分割回路221、311~312および合成回路313の導波管は、主にZ軸あるいはX軸に平行に配置されるが、必ずしもこのような配置に限定されず、他の配置が用いられてもよい。
このような構成により、給電回路301は、全体として、1入力3出力である。つまり、点P1から給電信号が入力されて、3個のアンテナエレメントから給電信号が出力される。この際、それぞれの給電信号の分岐点では、例えば、末端の3個のアンテナエレメントでの電力レベルが等しくなるように、給電信号が分割される。
なお、他の例として、末端の3個のアンテナエレメントでの電力レベルが等しくない態様(つまり、不均一な態様)で、給電信号が分割されてもよい。
本実施形態では、1入力4出力の給電回路をベースとして、2個の2分割回路を1個の2入力1出力の合成回路313に変更し、第2段の分割回路311の出力および同じく第2段の分割回路312の出力を入力として合成して出力することで、1入力3出力の給電回路301が構成されている。
なお、給電回路301において、実際には、それぞれの部品の配置などは調整されるために、電磁波の経路(本実施形態では、導波管)において当該電磁波の位相のずれが発生する場合がある。この場合、例えば、位相のずれは経路の長さの微調整によって補償可能である。
アンテナ装置21の外側へは、給電源回路41から供給された給電信号が無線の電磁波として空中に放射される。
例えば、末端の3個のアンテナエレメントの出力端(末端の出力端)P11、P12およびP13から電磁波(給電信号の電磁波)を漏洩する構成が用いられてもよい。
また、例えば、分割回路221、311~312および合成回路313の導波管の途中に穴(スロット)が設けられて、当該穴から電磁波(給電信号の電磁波)を漏洩する構成が用いられてもよい。
<ハニカムパネルおよびスロットを用いたスロットアレーアンテナの給電回路の一例>
電磁波を空中に放射する詳細について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るハニカムパネルおよびスロットを用いたスロットアレーアンテナを用いたアンテナ装置21の給電回路401の一例を示す図である。 図2に示される給電回路301と同様な部分については同じ符号を付してある。
給電のための導波管に結合用のスロット(切り込みの穴)が設けられている。例えば、導波管に、複数の結合用のスロットが設けられる。そして、当該導波管に密着しているハニカムパネルからなる平行平板の導波路へ、結合用のスロットから、給電信号の電磁波(進行波)を給電する方式が用いられている。展開方向(Z軸方向)については末端の導波管411、421、431の内部を信号が伝搬する。結合用のスロットから平行平板に結合した信号は、X軸方向へ進行する近似的な平面波として平行平板の導波路を伝搬していく。
ここで、末端の導波管411、421、431は、スロット付きの導波管である。
具体的には、3個の分割回路221、311~312および1個の合成回路313の導波管により構成される導波路に、給電源回路41から供給される給電信号の電磁波が搬送される。
また、Z軸方向に平行な末端の導波管411、421、431に、当該電磁波が伝搬される。
平行平板の内部にあるX軸方向に平行な伝搬路412、422、432に、結合用のスロットから漏洩した電磁波が伝搬される。
また、平行平板の外側に向くスキンには複数の放射用のスロットが設けられている。そして、平行平板の内側にある導波管411~412、421~422、431~432から放射用のスロットへ給電信号の電磁波が漏洩する。これにより、放射用のスロットから当該電磁波が自由空間に放射される。
ここで、スロットを用いた進行波の給電では、例えば、同一の電磁波を漏洩する複数のスロットについて、それぞれのスロットから漏洩する電磁波の位相(信号の位相)は中心周波数を基準として同位相に調整される。しかしながら、この場合、中心周波数から離れた周波数では、進行波の給電路の長さ(本実施形態では、導波路の長さ)に応じて、それぞれのスロットから漏洩する電磁波の位相がずれ得る。そして、このような位相のずれが考慮されて、アンテナの周波数帯域幅が決定される。
こうしたことから、例えば、アンテナパネル31~33の面の形状が正方形であるとき、展開方向(Z軸方向)において、給電のための導波管がアンテナパネル31~33の中央を基準にして設置される。これにより、展開方向(Z軸方向)およびそれに直交する方向(X軸方向)における周波数帯域幅が効果的に共通化される。
ここで、標準的なトーナメント方式の給電では、1入力2出力の分割回路が適用される。これに対して、図2に示される給電回路301では、2入力1出力の導波管の経路(合成回路313の経路)を用いることで、出力の数(アンテナエレメントの数)を減少させた。
具体的には、図2に示される給電回路301では、中央のアンテナパネル31の中央部分に1個の2入力1出力の合成回路313を備える。これにより、階層数(本例では、k)が3である場合に、標準のトーナメント方式の回路ではアンテナエレメントの総数が4になるが、図2に示されるアレーアンテナではアンテナエレメントの総数が3になっている。すなわち、図2に示されるアレーアンテナでは、アンテナエレメントの数を1個削減している。
ここで、2入力1出力の合成回路313では、空間的にコンパクトな構造で、2個の入力の合成および1個の出力の分割を行う。
さらに、例えば、図2に示される給電回路301において、アンテナ装置21にスロット結合を用いた構成が適用される場合においても、スロットを経由する励振を空間的に均一にすることができ、アンテナ開口効率の低下を回避することができる。
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置21では、展開型の平面形状のアンテナパネルを用いて、高利得および広帯域で、高周波の信号を通信(送受信)することができる。また、本実施形態に係るアンテナ装置21では、収容体積を小さくすることができ、これにより、小型の人工衛星に適用され得る。また、本実施形態に係るアンテナ装置21では、低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態に係るアンテナ装置21では、特に、ハニカムパネルおよびスロットを用いたアレーアンテナの構成とされてもよい。このような構成では、例えば、従来のパラボラアンテナを用いた構成あるいは従来のアクティブアレーアンテナを用いた構成と比較して、低コストであり、量産に適する。
一例として、本実施形態に係るアンテナ装置21では、電磁波のビームの電子掃引が必要とされない数m程度の展開型のアンテナを、低コストで軽量に実現することが可能である。
例えば、平面形状の導波管スロットアンテナは、近年において発展が顕著であり、高効率である。このような平面形状の導波管スロットアンテナをアンテナパネル(図1の例では、アンテナパネル31~33)として、数枚のアンテナパネルを展開可能に構成する。そして、人工衛星1の本体部(図1の例では、衛星構体11)に搭載された給電源回路41によって非接触に低損失で導波管に給電する。給電源回路41は、例えば、高周波の信号を送信および受信する装置として機能する。
本実施形態では、高周波領域で最も低損失な導波路である導波管を用いて、アンテナエレメントまで信号を給電させる。この方式と親和性の高いものとして、給電導波管に結合スロットをあけて、給電導波管に密着しているハニカムパネルからなる平行平板導波路へ、進行波給電する方式が考えられている。各結合スロットから平行平板に漏洩した信号は、展開方向に直交する方向へ進行する近似的な平面波として平行平板導波路を伝搬していく。ハニカムパネルのもう一方のスキンには、進行波給電される放射スロットが設けられており、自由空間へ電磁波として放射される。
本実施形態に係るアンテナ装置が切り開く利用分野の一例は、電磁波ビームの電子掃引を必要としない数m程度の展開アンテナを、低コストで軽量に実現する技術である。近年発展が顕著である高効率な平面導波管スロットアンテナを数枚展開させた上で、衛星本体に搭載した高周波送信・受信装置から、本実施形態に係る技術を用いて非接触に低損失で導波管給電する。これにより、例えば、ロケット搭載時の収納領域が1m以下の小型衛星を利用して、マイクロ波合成開口レーダー(SAR)による地球観測・監視ミッションなどが可能になる。
近年では、小型衛星によって様々な地球観測・監視ミッションが実現されているが、ほとんどの観測機器は口径数10cmの光学望遠鏡である。夜間あるいは天候に左右されずに観測・監視を実施するためには、数mのサイズのアンテナを必要とする合成開口レーダー(SAR)等の電磁波センサーを小型衛星に搭載する必要がある。本実施形態に係るアンテナ装置21では、このような構成を実現することが可能である。
なお、ハニカムパネルを用いた導波管給電方式のスロットアレーアンテナの構成は、下記の論文1に記載のものを使用することができる。
<論文1>Prilando Rizki Akbar, Hirobumi Saito, Miao ZHANG, Jiro Hirokowa, Makoto Ando, “Parallel-Plate Slot Array Antenna for Deployable SAR Antenna onboard Small Satellite”, IEEE Trans on Antennas and Propagation, VOL.64, NO.5, MAY 2016, pp.1661-1671
また、スロットアレーアンテナの設計については、下記の論文2に記載のものを使用することができる。
<論文2>Budhaditya Pyne, IEEE, Prilando Rizki Akbar, Vinay Ravindra, Hirobumi Saito, Jiro Hirokowa, and Tomoya Fukami, “Slot-Array Antenna Feeder Network for Space-Borne X-Band Synthetic Aperture Radar”, IEEE Trans on Antennas and Propagation, electronic version April 24, 2018
<アンテナパネルの数が異なるアンテナ装置>
ここで、アンテナ装置21が備えるアンテナパネルの数nは、3以外であってもよい。
一例として、アンテナパネルの数nは7であってもよい。
[アンテナエレメントの減数]
ここで、図4~図8を用いて、本実施の形態に使用される給電回路におけるアンテナエレメントへの給電点の調整の詳細を説明する。
広い使用周波数範囲(広帯域)を必要とする受動型アレーアンテナでは、各アンテナエレメントへの給電位相が広い周波数領域において均一である必要がある。このため、このような受動型アレーアンテナでは、信号源(給電のための信号源)から各アンテナエレメントまで、電気長が等しく並列に給電する並列給電方式が採用される。
給電源からアンテナエレメントへの信号の分岐には、回路や線路の配置が容易な、1入力2出力の3端子分岐回路を用いる。このため並列給電回路は、トーナメント状になり、アンテナエレメント数は2のべき数である2k-1個である。kは、トーナメントの階層数を表し、自然数である。ここで、トーナメントの階層数は、1入力2出力の3端子分岐回路を通過するごとに1つずつ大きくなっていく数である。
なお、分岐回路は、分割回路と呼ばれてもよい。
図4は、アンテナエレメント数が8であるトーナメント型の並列給電回路1011の一例を示す図である。
並列給電回路1011では、給電源1021から、第1の分割回路に相当する分岐点a1で2分割され、第2の分割回路に相当する分岐点a2、および分岐点a3でさらに2分割され、分岐点a2、および分岐点a3を第1の分割回路としたときの第2の分割回路に相当する分岐点a4~a7でさらに2分割されて、8個のアンテナエレメントが構成されている。
このような並列給電回路1011は、アンテナエレメント数n=8、階層数k=4である標準(通常)のトーナメント回路である。
本実施形態では、受動型アレーアンテナにおいて、アンテナエレメントの数が2k-1個ではない場合に対応することができる左右対称な給電回路を実現する。
各アンテナパネルは同一の設計とすることで装置設計や製造を容易にすることが望ましい。加えて、アンテナパネル間をまたぐ給電回路の箇所数を必要最小に抑えることが望ましい。このためには、同一のアンテナパネルを一つのアンテナエレメントとするアレーアンテナの構成とする必要がある。一方、装置のサイズや装置の質量バランス等の質量特性の要請から、アンテナパネルの枚数n(n:自然数)が2k-1個にならない場合がある。このため、2k-1個ではない個数のアンテナエレメントに並列給電することができ、設計や製造が容易で、広帯域な並列給電回路が必要である。特に、リニアアレーアンテナの場合には、2k-1個ではない個数のエレメントを左右対称な配置とすることが必要である。
アンテナエレメント数nが2k-1に等しくない(n≠2k-1)リニアアレーアンテナを考える。広帯域特性のためにはn個のアンテナエレメントへの給電回路の電気長が等しい必要がある。アンテナエレメント数nに対して、階層数kをn>2k-1ととるためには、1入力3出力のような4端子回路以上の複雑な回路が必要となる。加えて、3出力に接続される回路を等しい電気長に平面的に配置することが困難になる。
ここで、本実施形態では、説明の便宜上、トーナメント状以外の階層数は、トーナメント状であると仮定したときの階層数と等しいとみなして説明する。
本実施形態では、アンテナエレメント数nに対して、階層数kをn<2k-1とする。標準のトーナメント状の並列給電回路では給電エレメントの個数が2k-1個であるため、標準のトーナメント状給電回路の最下層の枝を(2k-1-n)個分だけ減数させる必要がある。
図5~図8には、図4に示されるトーナメント状の並列給電回路1011をベースとして、アンテナエレメントを減数した並列給電回路の例を示してある。
ここで、本実施形態では、説明を簡易化するために、アンテナエレメントの間隔が均一であるリニアアレーとしている。
図5は、アンテナエレメント数が7である並列給電回路1111の一例を示す図である。
並列給電回路1111では、給電源1121から、第1段の分割回路に相当する分岐点a21で2分割され、第2段の分割回路に相当する分岐点a22、a23でさらに2分割され、分岐点a22およびa23の出力を第1段の分割回路としたときの第2段の分割回路に相当する分岐点a24~a27でさらに2分割され、合成回路に相当する合成点a28で、第2段の分岐回路に相当する分岐点a25およびa26の出力である2つの入力を合成して1つの出力として、7個のアンテナエレメントが構成されている。
ここで、分岐点a21~a27は、トーナメント状の分岐点と同様な分岐を行うが、7個のアンテナエレメントのそれぞれに同じ大きさの電力が供給されるように電力分配比が設定されている。なお、電気長は等しい必要はあるが、必ずしも同じ大きさの電力が供給されなくてもよい。設計によっては、不均一な電力分配が行われることもある。
また、合成点a28は、分岐点a25によって分岐された一方の信号と、分岐点a26によって分岐された一方の信号とを合成する。
図5に示される並列給電回路1111において、分岐点a25および分岐点a26以降の3個のアンテナエレメントまでの回路部分における合成点a28が合成回路によって実現される。これにより、1階層目と2階層目(最下層から最上層へ向かう方向での階層)との間において、1個の合成回路をアンテナの中央部分に配置することで、左右対称性の良い給電回路としている。
図6は、アンテナエレメント数が6である並列給電回路1211の一例を示す図である。
並列給電回路1211では、給電源1221から、第1段の分割回路に相当する分岐点a41で2分割され、第2段の分割回路に相当する分岐点a42、a43でさらに2分割され、分岐点a42およびa43を第1段の分割回路としたときの第2段の分割回路に相当する分岐点a44~a47でさらに2分割され、合成回路に相当する合成点a48、a49で2つの入力を合成して1つの出力として、6個のアンテナエレメントが構成されている。
ここでも、並列給電回路1211の全体として、6個のアンテナエレメントのそれぞれに同じ大きさの電力が供給されるように電力分配比が設定されている。なお、電気長は等しい必要はあるが、必ずしも同じ大きさの電力が供給されなくてもよい。設計によっては、不均一な電力分配が行われることもある。
また、合成点a48は、分岐点a44によって分岐された一方の信号と、分岐点a45によって分岐された一方の信号とを合成し、合成点a49は、分岐点a46によって分岐された一方の信号と、分岐点a47によって分岐された一方の信号とを合成する。
図6に示される並列給電回路1211において、分岐点a42以降の3個のアンテナエレメントまでの回路部分における合成点a48が合成回路によって構成され、分岐点a43以降の3個のアンテナエレメントまでの回路部分における合成点a49が合成回路によって実現される。これにより、1階層目と2階層目との間において、2個の合成回路を配置することで、左右対称性の良い給電回路としている。
図7は、アンテナエレメント数が6である並列給電回路1311の一例を示す図である。
並列給電回路1311では、給電源1321から、第1段の分割回路に相当する分岐点a61で2分割され、第2段の分割回路に相当する分岐点a62、a63でさらに2分割され、合成回路に相当する合成点a64で2つの入力を合成して1つの出力とし、分岐点a65~a67でそれぞれ2分割されて、6個のアンテナエレメントが構成されている。
ここで、分岐点a61~a63は、トーナメント状の分岐点と同様な分岐を行うが、並列給電回路1311の全体として、6個のアンテナエレメントのそれぞれに同じ大きさの電力が供給されるように電力分配比が設定されている。なお、電気長は等しい必要はあるが、必ずしも同じ大きさの電力が供給されなくてもよい。設計によっては、不均一な電力分配が行われることもある。
また、合成点a64は、分岐点a62によって分岐された一方の信号と、分岐点a63によって分岐された一方の信号とを合成し、分岐点a65は、分岐点a62によって分岐された一方の信号を分岐し、分岐点a66は、合成点a64によって合成された信号を分岐し、分岐点a67は、分岐点a63によって分岐された一方の信号を分岐する。
図7に示される並列給電回路1311において、分岐点a61以降の6個のアンテナエレメントまでの回路部分における合成点a64が合成回路によって実現される。2階層目と3階層目との間において、1個の合成回路を配置することで、左右対称性の良い給電回路としている。
図8は、アンテナエレメント数が5である並列給電回路1411の一例を示す図である。
並列給電回路1411では、給電源1421から、第1段の分割回路に相当する分岐点a81で2分割され、第2段の分割回路に相当する分岐点a82、a83でさらに2分割され、分岐点a82およびa83を第1段の分割回路としたときの第2段の分割回路に相当する分岐点a84、a85でさらに2分割され、合成回路に相当する合成点a86で2つの入力を合成して1つの出力として、5個のアンテナエレメントが構成されている。
ここで、並列給電回路1411の全体として、5個のアンテナエレメントのそれぞれに同じ大きさの電力が供給されるように電力分配比が設定されている。なお、電気長は等しい必要はあるが、必ずしも同じ大きさの電力が供給されなくてもよい。設計によっては、不均一な電力分配が行われることもある。
また、分岐点a84は、分岐点a82によって分岐された一方の信号を分岐し、分岐点a85は、分岐点a83によって分岐された一方の信号を分岐し、合成点a86は、分岐点a84によって分岐された一方の信号と、分岐点a85によって分岐された一方の信号とを合成する。
図8に示される並列給電回路1411において、分岐点a84および分岐点a85以降の3個のアンテナエレメントまでの回路部分における合成点a86が合成回路によって実現され、1階層目と2階層目との間において、1個の合成回路をアンテナの中央部分に配置することで、左右対称性の良い給電回路としている。
また、2階層目の左右の両端において、第1の減数手法を左右対称に適用することで、左右対称性の良い給電回路としている。なお、第1の減数手法については、後述する。
<アンテナエレメントの総数が(2のべき乗)個ではない場合における給電回路>
例えば、人工衛星1に対称な質量特性を持たせる場合には、図1の例のように、アンテナパネル31~33の枚数nは奇数となる。この場合には、標準的なトーナメント回路がそのままでは使用され得ない。
本実施形態において行われるアンテナエレメントの総数の調整について説明する。
偶数としたアンテナエレメントの総数2k-1個のアンテナエレメントを備えるトーナメント回路をベースにする。そして、アンテナエレメントの総数を2k-1から減らして、実際のアンテナエレメントの総数に一致させる。
このとき、例えば、等長配線の条件を満たすようにする。当該条件は、共通の入力端からそれぞれの出力の末端までの配線の長さが等しいという条件である。また、1入力2出力である3端子回路以外の分割回路あるいは合成回路を用いて、アンテナエレメントの総数に合った並列給電回路を特定する。
例えば、(2k-1<アンテナエレメントの数)を満たす階層数を有する標準的なトーナメント回路から、アンテナエレメントの総数を増加させることは困難であると考えられる。この理由は、1入力で3以上の多出力を持つ導波管は、形状が複雑であり面積を専有するため、アンテナパネルに実装することが困難であると考えられるためである。
このため、本実施形態では、(2k-1>アンテナエレメントの数)を満たす階層数を有する標準的なトーナメント回路をベースにして、アンテナエレメントの総数を減少させることが可能な導波管を選定する。
<アンテナエレメントの減数の手法>
ここで、アンテナエレメントの減数の手法(説明の便宜上、「減数手法」ともいう。)について説明する。
本実施形態では、第1の減数手法~第2の減数手法について説明する。
第1の減数手法について説明する。
第1の減数手法は、mが1以上の整数であるとして、アンテナエレメントに直結する最下層から数えてm階層目と(m+1)階層目との間において、給電側から見て2入力1出力の合成回路を1入力1出力の回路で置き換えて、枝を分岐させない手法である。この結果、アンテナエレメントの総数は、2(m-1)だけ減数される。ここで、1入力1出力の回路としては、単なる導波管が用いられてもよく、つまり、信号を単に通過させれば1入力1出力となる。
図9は、本発明の一実施形態に係る減数手法(第1の減数手法)を説明するための図である。
給電回路部1611は、並列給電回路を構成し得る回路部分である。
給電回路部1611では、1個の配線1621が分岐点a121で2分割され、当該2分割のうちの一方が分岐点a122で2分割され、他方が非分岐点a123で分岐されない。非分岐点a123は、例えば、1入力1出力回路で構成されている。
第1の減数手法は、非分岐点a123のように、枝を分岐させない手法である。
第2の減数手法について説明する。
第2の減数手法は、アンテナエレメントに直結する最下層から数えてm階層目と(m+1)階層目との間において、給電側から見て2入力1出力の合成回路で、隣接する2本の枝を1本の枝に合体させて減数する。この結果、アンテナエレメントの総数は、2(m-1)だけ減数される。
なお、このような合成回路は、従来のn=2k-1個の標準のトーナメント状の給電回路で用いられる分割回路の入出力端子の入出力を逆にすることで得られる。
合成回路に入力される2信号は同位相であるため、分割回路や合成回路の特性として知られているように、損失なく出力回路に出力される。
また、各アンテナエレメントまでの電気長を等しくするために、分割回路や合体回路によって電気長も変化した場合には、それらの回路の位置を微調整する。なお、このように電気長を調整する手法は、他の箇所でも行われ得る手法であるが、本実施形態では、他の箇所については説明を省略してある。
また、(m+1)階層目の階層とm階層目の階層との間の合成回路と、m階層の階層と(m―1)階層目の階層との間の分割回路が、波長と比較して接近している場合には、2つの回路を一体的に設計制作して、2入力2出力の合成分岐回路にすることも可能である。
このように、本実施形態では、標準のトーナメント状の給電回路の構成において、第1の減数手法と第2の減数手法との一方または両方を様々な階層に適用することで、最下層の枝(つまり、アンテナエレメントの数)を任意の(2k-1-n)個分だけ減数させることができる。このとき、任意のn個のアンテナエレメントへの電気長を等しくすることができ、広帯域にわたって同位相で給電することが可能である。ただし、一様振幅励振の場合においても、隣接する階層を結ぶ分岐回路の分岐比は1:1ではないものが必要になる。
このような減数手法によって、2k-1個ではない個数のアンテナエレメントを左右対称に配置することができる。
ここで、2次元アレーはリニアアレーを組み合わせることで構成できるため、リニアアレーの場合について説明する。
nが偶数である場合には、第1の減数手法と第2の減数手法を、2k-1個のアンテナエレメントのトーナメント回路に左右対称に適用する。これにより偶数である(2k-1-n)個分だけアンテナエレメントを減数することができ、左右対称な偶数個であるn個のアンテナエレメントのリニアアレーを構成することができる。
nが奇数である場合には、まず、2k-1個のアンテナエレメントのトーナメント回路の最下層(1階層目)の中央の隣接する2個のアンテナエレメントに第2の減数手法を適用することで、アンテナエレメント数が奇数である(2k-1-1)個の左右対称なアレーアンテナとなる。次に、このようにして得られた給電回路に対して、第1の減数手法と第2の減数手法を左右対称に適用する操作によって偶数個の減数を実現することができる。最終的に、奇数であるn個のアンテナエレメントを有する左右対称な給電回路が得られる。
なお、このような減数手法は、例えば、トーナメント状の分岐であったと想定した場合に以降に分岐していく数が多いところに適用された方が、以降で減る分岐の数が多くなる。
本実施形態では、それぞれのアンテナパネルの基本構造を共通化しつつ、等長性と対称性を有するアンテナ装置を実現することを図る。
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置21では、トーナメント状の並列給電回路に対して、アンテナエレメントの数を減らし、任意のアンテナエレメント数に対する左右対称なアレーアンテナの並列給電回路を実現した。
アンテナエレメントの減数手法としては、1入力2出力の分割回路を1入力1出力の回路で置き換えて枝の数を増加させない手法、および、トーナメント状の所定の階層における隣接する枝を2入力1出力の合成回路で合成して枝の数を減数させる手法とのうちの一方、または、両方の組み合わせが用いられる。
本実施形態に係るアンテナ装置21では、アレーアンテナにおいて、任意の数のアンテナエレメントに、配置の対称性良く、並列給電することができる。
このように、本実施形態に係るアンテナ装置21では、展開型のアンテナ装置において、給電回路のアンテナエレメントの数が(2のべき乗)ではないときにおいても、対称性を実現することを容易にすることができ、これにより、設計および製造の高効率化を図ることができる。
そして、本実施形態に係るアンテナ装置21では、収容体積が小さく低コスト化が図られるアンテナ装置を実現することができる。
<構成例>
一構成例として、アンテナ装置(図2の例では、アンテナ装置21)において、展開型の複数のアンテナパネル(図2の例では、アンテナパネル31~33)を備え、給電信号を入力する1個の入力端子(図2の例では、点P1の端子)と、入力端子に入力された給電信号を複数のアンテナエレメントの信号に分配する給電回路(図2の例では、点P1から点P11~P13までの回路であり、給電回路301)と、複数のアンテナエレメントの信号が出力される複数の出力端子(図2の例では、点P11~P13の端子)と、を備える。出力端子の総数は(2のべき乗)ではない。給電回路は、1入力2出力の分割回路(図2の例では、点P1~P3の分割回路221、311~312)と、2入力1出力の合成回路(図2の例では、点P21aおよび点P21bの合成回路313)を含む。
一構成例として、アンテナ装置において、合成回路は、複数のアンテナエレメントの並びの方向(図2の例では、Z軸に平行な方向)において、少なくとも中央に1個配置される。
[分岐点の配置]
アレーアンテナを人工衛星あるいは地上用の移動式通信用アンテナ等に適用する場合には、しばしば、アンテナが実装されたアンテナパネルを展開して面積のより大きいアレーアンテナを形成することがある。特に、広帯域な特性が必要とされる受動型アレーアンテナには、並列給電方式が適している。並列給電方式に必要な分割回路は、機械的に展開動作が行われる展開接続部との干渉を避ける位置に配置される必要がある。
本実施形態では、展開式の受動型アレーアンテナにおいて、展開給電回路の分割回路が展開接続部と干渉することを回避する。
各アンテナパネルへ同一位相で給電するためには、給電回路の分割回路がアンテナパネルの展開接続部と干渉することがある。一例として、アンテナパネルの給電点が、展開方向についてアンテナパネルの中央にある場合を示す。このような場合には、分割回路を、展開接続部に配置することは現実的ではない。このような場合に広帯域な特性を持つ給電回路を実現することが望まれる。
<開閉接続部の近傍における分割回路の配置>
隣接するアンテナパネル31~33を接続する開閉接続部(図1の例では、開閉接続部51、52)の近傍に配置される分割回路について説明する。
展開型の平面アンテナでは、並列給電回路を構成する2分割の分割回路は、等長の条件から、隣接するアンテナパネル31~33の間隙の中点に設置されることが好ましい場合がある。しかしながら、当該中点には、非接触で対向する導波管の給電を行うための導波管接続部(図2の例では、導波管接続部211、212)があるため、当該中点と同じ位置に分割回路を配置することが、物理的な干渉によって難しい場合があった。
そこで、本実施形態に係る給電回路301では、このような分割回路の配置に関して工夫してある。
具体例として、図2に示される給電回路301における分割回路311について説明する。
分割回路311の入力端の理想的な位置は、アンテナパネル31とアンテナパネル32との間の中点Q1の位置である。
しかしながら、このような配置は難しいことから、本実施形態では、分割回路311の入力端を所定の位置である点P2の位置に配置している。ここで、点P2の位置は、中点Q1の位置に対して、Z軸方向において、所定の距離(または、ほぼ当該所定の距離)だけ左の方に離れている。当該所定の距離は、{p×(λgo/2)}である。pは自然数(1、2、3、・・・)を表す。(λgo)は、給電される給電信号の中心周波数での管内波長(導波管の内部での波長)を表す。
このように、Z軸方向における点P2の位置と中点Q1の位置との距離を、(λgo/2)の自然数倍とすることで、広い周波数帯域にわたって、各アンテナエレメントへの電気長の差を小さくして、各アンテナエレメントへの給電位相差を小さくする効果を得ることができる。
なお、分割回路311の入力端の位置に合わせて、分割回路221の右側の出力端の位置が点P2の側の位置に配置される。
また、図2に示される給電回路301における分割回路312について説明する。分割回路312についても、分割回路311と同様である。
すなわち、分割回路312の入力端の理想的な位置は、アンテナパネル31とアンテナパネル33との間の中点Q2の位置である。
しかしながら、このような配置は難しいことから、本実施形態では、分割回路312の入力端を所定の位置である点P3に配置している。ここで、点P3は、中点Q2に対して、Z軸方向において、所定の距離(または、ほぼ当該所定の距離)だけ右の方に離れている。当該所定の距離は、{p×(λgo/2)}である。これにより、分割回路312についても、分割回路311について説明した効果と同様な効果を得ることができる。
なお、分割回路312の入力端の位置に合わせて、分割回路221の左側の出力端の位置が点P3の側の位置に配置される。
このように、分割回路を展開部の中点から{p×(λgo/2)}だけ離した点に置くことで、広い周波数帯域にわたって各アンテナパネル31~33への給電位相の差を小さくすることができる。分割回路で分岐される2つの経路について、分割回路の位置による経路長差は(p×λgo)であるため、中心周波数ではアンテナパネル31~33への給電位相に差は生じない。中心周波数と帯域端における導波路波長の差をΔλとすると、2つの経路について両帯域端においては、{±2πp×Δλ/λgo}の位相差を生じる。
給電回路に複数個の展開部がある場合、各アンテナパネル31~33に給電される経路が展開部を通過する回数を考える必要がある。アンテナパネルごとの展開部を通過する回数の最大値と最小値の差をqとすると、展開部を最大回数通過して給電されるアンテナパネルと、展開部を最小回数通過して給電されるアンテナパネルとでは、両帯域端では{±2πpq×Δλ/λgo}の位相差を生じる。例えば、pとqをともに小さくする配置により、展開部を伴う給電回路の広帯域化が図られる。
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置21では、各アンテナエレメントへの並列給電回路において、各アンテナエレメントへの電気長を等しくする分岐位置から所定の距離{p×(λgo/2)}だけ離した点に分割回路を設置した。
本実施形態に係るアンテナ装置21では、展開式のアレーアンテナにおいて、広帯域性を保ちつつ、分岐点が展開接続部に干渉することを回避することができる。
このように、本実施形態に係るアンテナ装置21では、展開型のアンテナ装置において、展開されるアンテナパネルの接続部と分割回路との干渉を効果的に回避することができ、これにより、高効率化を図ることができる。
そして、本実施形態に係るアンテナ装置21では、収容体積が小さく低コスト化が図られるアンテナ装置を実現することができる。
<構成例>
一構成例として、アンテナ装置(図2の例では、アンテナ装置21)において、少なくとも互いに隣接する第1のアンテナパネル(図2の例では、例えば、アンテナパネル31)および第2のアンテナパネル(図2の例では、例えば、アンテナパネル32またはアンテナパネル33)を含む展開型の複数のアンテナパネルを備える。第1のアンテナパネルと第2のアンテナパネルとがチョークフランジを用いて開閉可能に接続される。給電信号を第1のアンテナパネルにおける第1の経路と第2のアンテナパネルにおける第2の経路とに分割する位置(図2の例では、分割回路311または分割回路312によって分割する位置)が、第1のアンテナパネルと第2のアンテナパネルとが並ぶ方向において、第1のアンテナパネルと第2のアンテナパネルとの中点(図2の例では、中点Q1の位置、または、中点Q2の位置)から所定の距離の位置である。所定の距離は、{(自然数)×(給電信号の中心周波数に対応する波長)/2}に相当する第1の値に基づく距離である。
一構成例として、アンテナ装置において、給電信号の位相のずれが発生しない場合には、所定の距離は第1の値であり、給電信号の位相のずれが発生する場合には、所定の距離は位相のずれを補償するように第1の値が調整された値である。
一構成例として、アンテナ装置において、第1の経路および第2の経路は、それぞれ、導波管を用いた経路である。前記の波長は、導波管の内部での管内波長である。
[導波管τ形分岐回路]
図2に示した分割回路221、311および312には、1入力2出力の導波管τ形分岐回路が好ましく用いられる。一般に、受動型アレーアンテナの伝送線路として同軸ケーブルや平面マイクロストリップラインが用いられる場合には、T形分岐回路等が利用される。特に、伝送線路として高周波領域で損失が少ない導波管が用いられる場合には、1入力2出力の導波管τ形分岐回路等が用いられる。
図17は、従来例に係る導波管τ形分岐回路6011の構成例を示す図である。
導波管τ形分岐回路6011は、入力側の1個の導波管6031と、出力側の2個の導波管2032、2033を備える。
入力側の導波管6031と出力側の導波管2032、2033とは、結合窓6211を介して結合されている。結合窓6211の幅は約半波長である。
入力側の導波管6031には、短絡壁2151に対して、誘導性壁6111が設けられている。
出力側の導波管2032、2033の部分には、誘導性壁2112が設けられている。
導波管τ形分岐回路6011では、入力側の導波管6031に入力z11があり、出力側の導波管2032に出力z2があり、出力側の導波管2033に出力z3がある。
ここで、誘導性壁6111と短絡壁2151との間の距離は、約1/4波長である。なお、当該距離としては、これらの壁の面を含む平面どうしの距離を用いており、つまり、これらの壁の面に対して垂直方向の離隔距離を用いている。
このような導波管τ形分岐回路6011では、入力側の導波管6031は結合窓6211の近傍で短絡壁2151を有する。当該短絡壁2151による反射を打ち消すために、入力側の導波管6031に1個の誘導性壁6111が設置されている。出力側の導波管2032、2033には、2出力の分岐比率を調整するために、1個の誘導性壁2112が設置されている。このような導波管τ形分岐回路6011では、入力側の短絡壁2151と1個の誘導性壁6111との共振現象のために、その周波数比帯域が狭かった。特に、出力側の導波管2032、2033に、アンテナエレメントへの給電用の結合スロットが接近して置かれている場合には、このような現象は著しい。
本実施形態では、給電回路に導波管を用いる受動型アレーアンテナにおいて、導波管τ形分岐回路を広帯域化する。特に、出力側の導波管にアンテナエレメントへの給電用の結合スロットが接近して置かれている場合においても、広帯域な導波管τ形分岐回路を実現する。
従来例に係る導波管τ形分岐回路6011において周波数帯域が狭かった主たる原因は、入力側の導波管6031の短絡壁2151からの反射を打ち消す誘導性壁6111が1個であり、短絡壁2151と誘導性壁6111との組み合わせによる共振現象の帯域に制限されていたためである。
このため、本実施形態では、短絡壁および従来例に係る誘導性壁(説明の便宜上、第1の誘導性壁ともいう。)からの反射を打ち消す目的で、第1の誘導性壁から約1/2波長の位置に別の誘導性壁(説明の便宜上、第2の誘導性壁ともいう。)を設置することで、1対の誘導性壁を設ける。また、結合窓の幅を約0.6波長に最適化する。
図10は、本発明の一実施形態に係る導波管τ形分岐回路2011の構成例を示す図である。
なお、説明の便宜上、図17に示される導波管τ形分岐回路6011と同様な構成部については、同じ符号を付して説明する。
導波管τ形分岐回路2011は、入力側の1個の導波管2031と、出力側の2個の導波管2032、2033を備える。
入力側の導波管2031と出力側の導波管2032、2033とは、結合窓2211を介して結合されている。結合窓2211の幅は約0.6波長(=波長の約0.6倍)である。
入力側の導波管2031には、短絡壁2151に対して、第1の誘導性壁2111と、2個の第2の誘導性壁2131、2132が設けられている。2個の第2の誘導性壁2131、2132は、これらの壁が突出した方向において、互いに対向して配置されている。
出力側の導波管2032、2033の部分には、誘導性壁2112が設けられている。
導波管τ形分岐回路2011では、入力側の導波管2031に入力z1があり、出力側の導波管2032に出力z2があり、出力側の導波管2033に出力z3がある。
ここで、短絡壁2151は、結合窓2211に対して垂直(または、ほぼ垂直)である。
また、第1の誘導性壁2111と第2の誘導性壁2131、2132は、それぞれ、短絡壁2151に対して平行(または、ほぼ平行)である。
また、第1の誘導性壁2111と第2の誘導性壁2131、2132との間の距離は、約1/2波長である。なお、当該距離としては、これらの壁の面を含む平面どうしの距離を用いており、つまり、これらの壁の面に対して垂直方向の離隔距離を用いている。
本実施形態では、短絡壁2151と第1の誘導性壁2111との組み合わせ、および第1の誘導性壁2111と第2の誘導性壁2131、2132との組み合わせによって、二重共振を実現している。このように、本実施形態に係る導波管τ形分岐回路では、複数組の誘導性壁が設けられている。
図11は、電磁界解析による導波管τ形分岐回路の入力側からの反射特性の例を示す図である。当該反射特性は、WR-90導波管に対して設計と試作を行ったτ形分岐回路のシミュレーション結果である。
図11に示されるグラフにおいて、横軸は周波数(GHz)を表しており、縦軸は反射(dB)を表している。
また、当該グラフにおいて、本実施形態に係る導波管τ形分岐回路2011の特性G1と、従来例に係る導波管τ形分岐回路6011の特性G2を表している。これは一重共振に対応する。
図11に示されるように、本実施形態に係る導波管τ形分岐回路2011の特性G1の方が、従来例に係る導波管τ形分岐回路6011の特性G2と比べて、広帯域である。これは二重共振に対応する。
ここで、本実施形態では、第1の誘導性壁2111に対して第2の誘導性壁2131、2132を設けて二重共振を実現したが、さらに、同じ離隔距離である約1/2波長の間隔ごとに、第3以降の誘導壁が設けられてもよい。つまり、三重共振以上の多重共振が用いられてもよい。
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置21では、導波管τ形分岐回路において、第1の誘導性壁から約1/2波長の位置に第2の誘導性壁の対を設置した。
本実施形態に係る導波管τ形分岐回路は、導波管2031~2033を用いた1入力2出力であって、短絡壁2151の反射を抑圧するための複数組の誘導性壁が設けられている。これにより、導波管τ形分岐回路において、複数の共振状態が実現され、周波数帯域が拡大される。
本実施形態に係るアンテナ装置21では、導波管τ形分岐回路を広帯域化することができる。
このように、本実施形態に係るアンテナ装置21では、展開型のアンテナ装置において、導波管τ形分岐回路の広帯域化を実現することができる。
そして、本実施形態に係るアンテナ装置21では、収容体積が小さく低コスト化が図られるアンテナ装置を実現することができる。
<構成例>
一構成例として、アンテナ装置では、導波管τ形分岐回路(図10の例では、導波管τ形分岐回路2011)を備える。
当該導波管τ形分岐回路において、短絡壁(図10の例では、短絡壁2151)から約1/4波長のところから約1/2波長ごとに2以上の誘導性壁(図10の例では、第1の誘導性壁2111、および、一対となる第2の誘導性壁2131、2132)を備える。
[チョークフランジの伝送特性]
図1の開閉接続部51および52、図2の導波管接続部211および212には、非接触導波管対向給電が好ましく用いられる。
すなわち、展開式アレーアンテナの展開接続部の給電回路では、伝送線路として同軸ケーブルや平面マイクロストリップラインが用いられる場合には、可撓性のある同軸ケーブルやマイクロストリップラインが用いられる。伝送線路として高周波で損失が小さい導波管が用いられる場合には、給電回路が展開接続部をまたぐ部分にチョークフランジと平坦なカバーフランジを非接触で対向させた非接触導波管対向給電を利用することが提案されている。
導波管のチョークフランジは、導波管のフランジ面の間に間隙がある場合、あるいは、電気的導通に不良がある場合においても、有害な伝送損失や反射を抑制するために、導波管の開口から1/4波長の位置に深さ1/4波長の溝(チョーク)を設けたものである。
矩形の導波管の伝搬モードであるTE10モードでは、導波管の断面内の長辺の中央点付近の電力密度が高く、短辺付近の電力密度は小さい。このため、チョークフランジの小型化や製造の容易さから、導波管の断面内の長辺の外側に平行にチョーク溝を設置し、短辺の外側では短辺の極めて近傍にチョーク溝を設置したものがある。
さらに、製造が容易となるように、矩形の導波管の長辺の中央点から1/4波長の位置を通過する円形状のチョーク溝を設置することが一般的となり、MIL規格を始めとする規格においては、導波管のフランジとして円形チョークフランジが採用されている。
このような規格において導波管のフランジに採用されている円形チョークフランジでは、特定の周波数において、伝送損失が著しく大きくなり、チョークフランジの機能が損なわれることが報告されている。
図18は、円形チョークフランジの損失の実測値とシミュレーション結果の例を示す図である。シミュレーション結果は、計算機によって得られたものである。
チョーク溝付きの規格の矩形フランジ(SQUARE FLANGE CHOKE、CBR100)が付いた矩形の導波管WR-90(8.20~12.5GHz、開口22.86×10.16mm)、および、平坦な矩形フランジ(SQUARE FLANGE PLAIN、UBR100)が付いた同規格の導波管を用いて、正規な導波管の密着した接続位置からX軸方向にΔX、Y軸方向にΔY、Z軸方向にΔZだけずらして、間隙をおいて設置する。本実施形態では、矩形の導波管の長辺方向をX軸に平行な方向と定義し、当該導波管の短辺方向をY軸に平行な方向と定義し、当該導波管の伝搬方向をZ軸に平行な方向と定義する。
図18に示されるグラフにおいて、横軸は周波数(GHz)を表しており、縦軸は通過損の損失(dB)を表している。
当該グラフにおいて、特性G11は、ΔX=1(mm)、ΔY=0(mm)、ΔZ=0.6(mm)として、実測された値である。また、特性G12は、ΔZ=0.6(mm)として、シミュレーションによって得られた結果である。
図18に示されるように、円形チョークフランジでは、共振的な高周波損失が大きい。
本実施形態では、給電回路に導波管が用いられる展開式の受動型アレーアンテナにおいて、展開接続部の給電回路であるチョークフランジの伝送特性を広帯域化する。
本実施形態に係るチョークフランジについて説明する。
規格の円形状のチョークフランジを対象に、特定の周波数において伝送損失が増大する現象を理解して解決策を見出すために、チョークフランジとカバーフランジとの間の間隙領域における電磁界分布を電磁界シミュレータソフトウェアによって解析した。なお、電磁界シミュレーションの結果は、測定値とほぼ一致する結果を示しており、特定の周波数において共振的な間隙による損失を示している。
実測によれば、広い周波数範囲において伝送損失はほぼゼロであるが、間隙ΔZに依存した特定の周波数近傍で共振的に伝送損失が1dB程度増加する。この現象は、電磁界シミュレーションによっても解析されており、フランジ間隙の中間距離におけるX-Y平面内でのZ方向電界Ezの強度の分布を計算した。
<簡単なモデルの説明>
現象の理解のために、以下の簡単なモデルを考える。
チョークフランジの溝部と矩形の導波管の断面とに挟まれた領域では、Z方向の間隙は波長よりも十分短いためZ方向には遮断状態であり、Z方向に一様な電界Ezが存在する。
このため、近似的にはZ方向についてのTMモードとみなされる。2次元平面内での電磁界の波長は真空中での波長λである。
円形のチョークフランジの溝部と矩形の導波管の断面とに挟まれた領域に立つ定在波の個数は、配置の対称性から偶数であり、これを2M個とする。
また、チョークフランジの溝部と矩形の導波管の断面の境界とに挟まれた領域を1周する典型的な経路長をLとする。
この場合、式(1)が成り立つ。
M×λ=L ・・(1)
式(1)が満たされる場合に、間隙領域の電磁界電力密度が共振的に増大して、チョークフランジの溝部から漏洩する高周波損失が増加する。
ここで、経路長Lの正確な値は、形状とMの値によって異なり、電磁界シミュレーションによって求められる。
矩形の導波管の断面の短辺付近でチョークフランジの溝部が矩形断面に接近しているため、経路長(周長)Lを矩形の導波管の断面の境界の1周の長さで近似する。
導波部131の長辺の長さAおよび短辺の長さBにより、式(2)が成り立つ。
L=2(A+B) ・・(2)
このような近似では、共振周波数frは、式(3)で求められる。
fr/fc=2M(A/L) ・・(3)
ここで、cは真空中の光速を表す。また、fcは矩形導波管の遮断周波数(fc=c/2A)である。
例えば、WR90の規格の導波管を例とすると、A=22.86(mm)、B=10.16(mm)である。L/A=2.89となる。また、遮断周波数は、fc=6.56(GHz)である。
式(2)および式(3)の近似式では、M=2に対しては、fr/fc=1.38、共振周波数はfr=9.08(GHz)と計算される。一方、実測されている共振周波数に関しては、ΔZ=0-1(mm)の変化に対して、実測の共振周波数はM=2についてfr=9.0~9.8(GHz)であるため、式(2)および式(3)は比較的良い近似式であるといえる。
規格の導波管の使用周波数領域は、概ね、1.25fc~1.87fcの範囲である。このため、円形チョークフランジでは、M=2の共振モードによる高周波損失が、使用周波数範囲のfr=1.38fc付近に存在するために、実用上の障害となる。
チョークフランジの間隙による高周波損失は、チョークフランジの溝部と矩形の導波管の断面の境界とに挟まれた領域での2次元的な共振現象に起因している。
このため、本実施形態では、チョークフランジの溝部の形状を工夫して、規格の矩形導波管の使用周波数の範囲外に、共振周波数を移動させることを考える。
修正を加えたチョークフランジの溝部の形状についてのチョークフランジの溝部と矩形の導波管の断面の境界とに挟まれた領域を1周する典型的な経路長をL’とする。L’はM=2、3に対して共通であると仮定する。このようなチョークフランジの溝部の形状について、M=2、3の共振モードの周波数が矩形導波管の使用周波数範囲の外になる条件を求める。
すなわち、式(4)を解くことになり、この条件は式(5)が成り立つときに満たされる。
fr/fc=2M(A/L’),
fr/fc≦1.25,(M=2)
fr/fc≧1.87,(M=3)
・・(4)
L’/A≒3.20 ・・(5)
このことから、規格の円形のチョークフランジの溝(L/A=2.89)を変形させてL’/A≒3.20とする1周回の経路長が大きいチョークフランジの溝部の形状を電磁界シミュレーションあるいは実験的に見出すことにより、規格の矩形の導波管の使用周波数のほぼ全域において共振的な損失増大がないチョークフランジを実現することができる。
<導波管接続部の構造>
図12を参照して、導波管接続部101の構造の例を示す。
図12は、本発明の一実施形態に係る導波管接続部101の概略的な外観を示す図である。
矩形の導波管111と、当該導波管111に接続されたチョークフランジ121と、矩形の導波管112と、当該導波管112に接続されたカバーフランジ122は、導波管接続部101の構造の例である。
チョークフランジ121は、導波管111に対応した矩形の導波部131を備える。
また、チョークフランジ121は、カバーフランジ122と対向させられる面(説明の便宜上、「対向面」ともいう。)に、当該導波部131を囲う非円状の溝部132を備える。
矩形の導波部131の中心を基準として、当該矩形の長辺に平行な方向をX軸の方向とし、当該矩形の短辺に平行な方向をY軸の方向とし、X軸およびY軸に垂直な方向をZ軸の方向としてある。
カバーフランジ122は、導波管112に対応した矩形の導波部141を備える。カバーフランジ122では、チョークフランジ121と対向させられる面(説明の便宜上、「対向面」ともいう。)は平坦である。
本実施形態では、チョークフランジ121の対向面とカバーフランジ122の対向面とが非接触で対向されることで、導波管111と導波管112とがつなげられる。
本実施形態では、溝部132の形状は、直線部と半円部から構成されている。矩形の導波部131の長辺に平行に上下のそれぞれに直線部があり、これら2本の直線部の左右のそれぞれに半円部がある。左側の半円部は2本の直線部を左側で接続し、右側の半円部は2本の直線部を右側で接続する。なお、溝部132の形状は、卵型などと呼ばれてもよい。
1本の直線部の長さが2dであるとする。また、導波部131の長辺の長さがAであるとし、短辺の長さがBであるとする。
2本の直線部のうちの上側の直線部と導波部131の上側の長辺との距離は1/4波長であり、同様に、下側の直線部と導波部131の下側の長辺との距離は1/4波長である。
図13は、本発明の一実施形態に係るチョークフランジ121におけるモード2Aの一例を示す図である。
導波部131および溝部132の外観において、位置M1~M4は、モード2Aの定在波が発生する場合における、4個の定在波の最大振幅の位置M1~M4である。
図14は、本発明の一実施形態に係るチョークフランジ121におけるモード2Bの一例を示す図である。
導波部131および溝部132の外観において、位置M11~M14は、モード2Bの定在波が発生する場合における、4個の定在波の最大振幅の位置M11~M14である。
図15は、本発明の一実施形態に係るチョークフランジ121におけるモード3Aの一例を示す図である。
導波部131および溝部132の外観において、位置M21~M26は、モード3Aの定在波が発生する場合における、6個の定在波の最大振幅の位置M21~M26である。
図16は、本実施形態に係るチョークフランジ121の溝部132の直線部の長さ(2d)と共振周波数との関係の例を示す図である。
なお、WR-90導波管の周波数範囲7011を示してある。
図16に示されるグラフにおいて、横軸は溝部132の直線部の長さ(mm)を表しており、縦軸は共振周波数(GHz)を表している。
また、当該グラフにおいて、モード2Aが発生する場合における特性G21と、モード2Bが発生する場合における特性G22と、モード3Aが発生する場合における特性G23を示してある。
ここで、図13~図15に示されるモードについて説明する。
図13~図15には、定性的なモードの位置を示してある。
図13および図14に示されるように、チョークフランジ121の溝部132と矩形の導波管の断面とに挟まれた領域内で、モード2Aとモード2Bが各々異なる共振周波数で観測された。モード2Aとモード2Bは、4個のEz成分のピークを持つ空間的な定在波を有するモードである。
このように、共振的に伝搬損失が増加する周波数においては、チョークフランジ121のフランジ間隙領域に漏洩した電磁界は、導波管の開口断面に垂直な方向への1次元的な挙動を持つのではなく、チョークフランジ121の溝部132と導波管の開口断面とに挟まれたフランジ間隙空間で2次元的に伝搬している。
チョークフランジ121の溝部132と矩形の導波管の断面とに挟まれた間隙領域の共振現象が発生する周波数は、フランジ間隙の距離ΔZと、チョークフランジ121の溝部132と矩形の導波管の断面とに挟まれた2次元的な形状によっておおよそ決まる。
一例として、本実施形態では、矩形の導波管の断面における長辺の中央部に、2dの長さを有する直線部を導波管の長辺に平行に設け、当該直線部の両端を規格の円形のチョークフランジの溝部と同じ直径を有する半円の溝部に接続させる。
図16に示されるように、電磁界シミュレーションにより、直線部の長さ2dを変化させて、高周波損失が共振的に増大する周波数を求めた。
図16に示されるように、2dが増加するに従い、チョークフランジ121の溝部132と矩形の導波管の断面の境界とに挟まれた領域が大きくなるため、共振周波数は低周波側へ移動していく。
2d=12(mm)でM=2の共振モードの周波数はモード2Aの8.2(GHz)であり、モード2Bは励振されない。M=3の共振モード3Aの周波数は11.3(GHz)となる。8.2(GHz)~11.3(GHz)の帯域2.9(GHz)の領域で、共振モードは存在しなくなり、チョークフランジの間隙による高周波損失はチョークフランジ121の溝部132によって有効に抑圧されている。
実際に、2d=12(mm)の卵型のチョークフランジを製作した。チョークフランジの間隙の軸については、導波管の軸の中心位置は0-1(mm)のずれがある状態で、角度ずれについては0-1(度)のずれがある状態で、チョークフランジの間隙の距離は0-2(mm)をとった状態で、チョークフランジの間隙による損失の実測値は、8.5-11(GHz)の2.5(GHz)の広い周波数範囲において0.2(dB)以下であった。
電磁界のスケーリングから、一般に、長辺の長さがAである矩形の導波管に対して、2d=0.52Aの直線部を長辺の中央部に持つ卵型のチョーク形状では、規格化された周波数領域である1.29<fr/fc<1.68で、チョークフランジの間隙による共振的な損失を抑圧することができる。
本実施形態では、図13および図14に示されるモード2Aおよびモード2Bの定在波が発生せず、かつ、図15に示されるモード3Aの定在波が発生しないような状態を用いることで、高効率化が図られる。つまり、定在波の発生が抑制される構成とすることで、高効率化が図られる。
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置21では、導波管の開口面内で伝搬電力密度が大きい領域では導波管の開口から約1/4波長の位置を通り、チョーク溝と導波管の開口とに挟まれた領域を1周回する経路長Lが、導波管の使用周波数領域において、波長の整数倍にならないチョークフランジを用いる。
特に、規格の矩形の導波管においては、矩形の長辺の中点から1/4波長の点を通り、チョーク溝と導波管の開口とに挟まれた領域を1周回する経路長Lを矩形の導波管の長辺の長さAで割った値(L/A)がほぼ3.2であるチョークフランジを用いる。問題となる経路長は、例えば、電磁界シミュレーションによって特定される。
本実施形態では、溝(チョーク溝の部分である溝部132)を有するチョークフランジ121において、導波管111の開口部と当該溝とで境界される領域に4個の定在波が生起される周波数と、当該領域に6個の定在波が生起される周波数とを、各々下限と上限とする使用周波数を設定するように、当該溝の形状を円形状に対して変形させた形状とした。
本実施形態に係るアンテナ装置21では、チョークフランジを広帯域化することができる。
このように、本実施形態に係るアンテナ装置21では、展開型のアンテナ装置において、チョークフランジの広帯域化を実現することができ、これにより、高効率化を図ることができる。
そして、本実施形態に係るアンテナ装置21では、収容体積が小さく低コスト化が図られるアンテナ装置を実現することができる。
<構成例>
一構成例として、アンテナ装置では、チョークフランジ(図12の例では、チョークフランジ121)を備える。
当該チョークフランジは、導波部(図12の例では、導波部131)と、溝部(図12の例では、溝部132)と、を備える。当該チョークフランジの断面の平面(図12の例では、XY平面に平行な平面)を2次元的に考えて、当該導波部と当該溝部との間に定在波が発生することを抑制するように(理想的には、定在波が発生しないように)、当該溝部の寸法(図12の例では、例えば、直線部の長さ2d)を設定した。
(アンテナ装置の他の一例)
他の構成を有するアンテナ装置について説明する。
アンテナ装置は、2枚のアンテナパネルと、給電源回路を含む給電回路と、2個の開閉接続部を備える。給電回路は、アンテナパネルなどに備えられる。給電源回路は、衛星構体の内部に備えられている。
アンテナ装置は、展開型の平面形状のアンテナを使用する。
アンテナ装置では、衛星構体が有する1個の面(本例において、説明の便宜上、面W1という。)の上にはアンテナパネルが備えられていない。
1枚目のアンテナパネルが、面W1の一辺の側に備えられる。
2枚目のアンテナパネルが、面W1の当該一辺の側に、1枚目のアンテナパネルに対して直列に配置されて備えられる。
2枚のアンテナパネルのそれぞれの面は、同一の形状(または、ほぼ同一の形状)を有する。
衛星構体の面W1と、各アンテナパネルの面とは、同一の形状(または、ほぼ同一の形状)を有する。
1枚目のアンテナパネルは、衛星構体の面W1に対して、開閉接続部を介して開閉可能に接続されている。開閉接続部は、例えば、開閉可能なヒンジの構造を有する。
1枚目のアンテナパネルが面W1に対して開いた状態では、1枚目のアンテナパネルの面と面W1とが、平行(または、ほぼ平行)になり、同一の平面上(または、ほぼ同一の平面上)に位置する。
一方、1枚目のアンテナパネルが面W1に対して閉じた状態では、1枚目のアンテナパネルの面と、衛星構体の1個の側面とが、平行(または、ほぼ平行)になる。当該側面は、衛星構体が有する面のなかで、1枚目のアンテナパネルの面に隣接する4個の面のうちの1個の面である。
同様に、2枚目のアンテナパネルは、面W1に対して、開閉接続部を介して開閉可能に接続されている。開閉接続部は、例えば、開閉可能なヒンジの構造を有する。
2枚目のアンテナパネルが1枚目のアンテナパネルに対して開いた状態では、2枚目のアンテナパネルの面と1枚目のアンテナパネルの面とが、平行(または、ほぼ平行)になり、同一の平面上(または、ほぼ同一の平面上)に位置する。
一方、2枚目のアンテナパネルが1枚目のアンテナパネルに対して閉じた状態では、例えば、2枚目のアンテナパネルの面と、1枚目のアンテナパネルの面とが、互いに重ねられた状態となる。
ここで、1枚目のアンテナパネルおよび2枚目のアンテナパネルが閉じられた状態では、1枚目のアンテナパネルおよび2枚目のアンテナパネルが収容されて、人工衛星が全体的にコンパクトになる。
また、1枚目のアンテナパネルおよび2枚目のアンテナパネルが開かれた状態では、2枚のアンテナパネルの面が同一の平面上(または、ほぼ同一の平面上)に直列に位置する。これにより、2枚のアンテナパネルから構成されるアンテナが実現される。
このようなアンテナ装置においても、例えば、図1に示されるアンテナ装置21と同様に、本実施形態に係る技術の一部または全部を適用することが可能である。
(以上の実施形態について)
ここで、以上の実施形態では、アンテナ装置が人工衛星に搭載される場合を例示したが、これに限られない。アンテナ装置は、任意のものに適用されてもよく、例えば、携帯電話システムなどの無線通信装置に適用されてもよい。
また、以上の実施形態では、給電回路に給電源回路が含まれる構成が示されたが、給電回路に給電源回路が含まれないと捉えられてもよく、つまり、給電回路と給電源回路とが別体である構成が用いられてもよい。この場合、アンテナ装置に給電源回路が含まれないと捉えられてもよく、つまり、アンテナ装置と給電源回路とが別体である構成が用いられてもよい。
また、以上の実施形態では、説明の便宜上、分割回路あるいは合成回路などの導波管の配置について、給電信号の伝送の方向にしたがって「入力」および「出力」といった語を用いて説明したが、給電信号の伝送の方向が逆になった場合には「入力」と「出力」とが逆になる。これにともない、「分割」と「合成」とが逆になる場合もある。
以上の実施形態に示されるアンテナ装置21におけるそれぞれの特徴的な構成は、例えば、それぞれ単独に実施されてもよく、あるいは、2以上が組み合わされて実施されてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1…人工衛星、11…衛星構体、21…アンテナ装置、31~33…アンテナパネル、41…給電源回路、51~52…開閉接続部、61~62…側面、101…導波管接続部、111~112、2031~2033、6031‥導波管、121…チョークフランジ、122…カバーフランジ、131、141…導波部、132…溝部、211~212…導波管接続部、221、311~312…分割回路、301、401…給電回路、313…合成回路、411~412、421~422…導波管、1011、1111、1211、1311、1411…並列給電回路、1021、1121、1221、1321、1421…給電源、1611…1入力1出力回路、1621…配線、1711…3分岐回路、1721…信号入力部、2011、6011…導波管τ形分岐回路、2111~2112、2131~2132、6111…誘導性壁、2151…短絡壁、2211、6211…結合窓、7011…周波数範囲

Claims (6)

  1. アンテナパネルと、
    給電信号を入力する1個の入力端子と、
    前記入力端子に入力された給電信号を、前記アンテナパネルに担持された複数のアンテナエレメントの給電点となる出力端子に分配する給電回路と、
    を備え、
    前記給電回路は、導波管を用いて構成されている1入力2出力の少なくとも1つの第1段の分割回路と、前記第1段の分割回路の出力を入力とする、導波管を用いて構成されている1入力2出力の少なくとも2つの第2段の分割回路と、記第2段の分割回路の出力から選ばれる2つの出力を入力とする、導波管を用いて構成されている2入力1出力の合成回路とを含み、
    すべての前記アンテナエレメントについて、前記入力端子から前記出力端子までの1入力2出力の分割回路の数が等しく、
    すべての前記アンテナエレメントについて、前記入力端子から前記出力端子までの経路長は等しい、
    アンテナ装置。
  2. アンテナパネルと、
    給電信号を入力する1個の入力端子と、
    前記入力端子に入力された給電信号を、前記アンテナパネルに担持された複数のアンテナエレメントの給電点となる出力端子に分配する給電回路と、
    を備え、
    前記給電回路は、導波管を用いて構成されている1入力2出力の少なくとも1つの第1段の分割回路と、前記第1段の分割回路の出力を入力とする、導波管を用いて構成されている1入力2出力の少なくとも2つの第2段の分割回路と、記第2段の分割回路の出力から選ばれる2つの出力を入力とする、導波管を用いて構成されている2入力1出力の合成回路とを含み、
    すべての前記アンテナエレメントについて、前記入力端子から前記出力端子までの1入力2出力の分割回路の数が等しく、
    前記アンテナパネルは、少なくとも互いに隣接する第1のアンテナパネルおよび第2のアンテナパネルを含み、
    前記第1のアンテナパネルにおける第1の経路および前記第2のアンテナパネルにおける第2の経路は、それぞれ、導波管を用いた経路であり、
    前記第1のアンテナパネルと前記第2のアンテナパネルとがチョークフランジとカバーフランジを用いて開閉可能に接続され、
    前記給電信号を前記第1のアンテナパネルにおける前記第1の経路と前記第2のアンテナパネルにおける前記第2の経路とに分割する位置が、前記第1のアンテナパネルと前記第2のアンテナパネルとが並ぶ方向において、前記第1のアンテナパネルと前記第2のアンテナパネルとの給電点の中点から所定の距離の位置であり、
    前記所定の距離は、{(自然数)×(前記給電信号の中心周波数に対応する波長)/2}に相当する第1の値に基づく距離であり、
    すべての前記アンテナエレメントについて、前記入力端子から前記出力端子までの経路長は、前記所定の距離による調整を除いて、等しい、
    アンテナ装置。
  3. 前記波長は、前記導波管の管内波長である、
    請求項に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第1段の分割回路または前記第2段の分割回路が、前記導波管を用いた1入力2出力の導波管τ形分岐回路であって、
    短絡壁の反射を抑圧するための複数組の誘導性壁が設けられた導波管τ形分岐回路であり、
    前記導波管τ形分岐回路は、1個の入力側導波管と、2個の出力側導波管と、を備え、
    前記入力側導波管と前記出力側導波管とは、結合窓を介して結合されており、
    前記入力側導波管には、前記結合窓に対して垂直またはほぼ垂直な短絡壁に対して、第1の誘導性壁と、2個の第2の誘導性壁が設けられており、
    2個の前記第2の誘導性壁は、これらの壁が突出した方向において、互いに対向して配置されており、
    2個の前記出力側導波管の部分には、第3の誘導性壁が設けられており、
    前記第1の誘導性壁と2個の前記第2の誘導性壁は、それぞれ、前記短絡壁に対して平行またはほぼ平行であり、
    前記第1の誘導性壁と2個の前記第2の誘導性壁との間の距離としてこれらの壁の面を含む平面どうしの距離を用いた場合、その距離は約1/2波長である、
    請求項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記導波管に、溝を有する前記チョークフランジが設けられ、
    前記チョークフランジは、前記導波管の開口部と前記溝と対向するカバーフランジの開口面で境界される領域に4個の定在波が生起される周波数と、前記領域に6個の定在波が生起される周波数とを、各々下限と上限とする使用周波数を設定するように、前記溝の形状を円形状に対して変形させた形状である、
    請求項または請求項のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記合成回路は、複数の前記アンテナエレメントの並びの方向において、少なくとも中央に1個配置される、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
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