JP7283088B2 - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents

水処理方法および水処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7283088B2
JP7283088B2 JP2019014722A JP2019014722A JP7283088B2 JP 7283088 B2 JP7283088 B2 JP 7283088B2 JP 2019014722 A JP2019014722 A JP 2019014722A JP 2019014722 A JP2019014722 A JP 2019014722A JP 7283088 B2 JP7283088 B2 JP 7283088B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
water treatment
tank
reaction
complex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019014722A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019198856A (ja
Inventor
龍太郎 石橋
貴永 安保
雅弘 徳村
祐一 三宅
孝亮 村松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Publication of JP2019198856A publication Critical patent/JP2019198856A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7283088B2 publication Critical patent/JP7283088B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/30Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies
    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Landscapes

  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

本発明は、水処理方法および水処理装置に関する。
フェントン反応は、第一鉄イオンに対し過酸化水素を反応させ、ヒドロキシラジカルを発生させる反応である。ヒドロキシラジカルは強力な酸化力を持ち、その強力な酸化力を利用して、殺菌、有害物質や難分解性の汚染物質の分解など、様々な分野に応用が期待されている。
フェントン反応で使用した第一鉄イオンは反応の進行に伴い酸化され、第二鉄イオンとなる。第二鉄イオンの一部は、過酸化水素の存在下で、一部が第一鉄イオンに還元されることが知られている。しかしながら、この還元反応はフェントン反応と比較して非常に遅いことが知られている。従って、フェントン反応に供給される第一鉄イオンの濃度が減ることにより、被酸化性物質の分解能が低減するという問題があった。
特許文献1では、フェントン反応に加えて、波長の低い紫外線(λ=254nm)を照射し、紫外線の被酸化性物質の分解能を利用して被酸化性物質を分解させることを提案している。
特開2003-285083号公報
しかしながら、低波長紫外線により直接被酸化性物質を分解すると、紫外線照射装置が高額で、電気代もかかり、処理コストが高くなることとなる。さらに、低波長である為に特別な対策を要するといった課題が存在する。
そこで、本発明は、フェントン反応による分解能を高めて被酸化性物質を分解する水処理方法、及びこれを用いた水処理装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明では、以下の態様を有する。
[1] 被酸化性物質を含む被処理水と、第一鉄イオンと、過酸化水素と、鉄還元触媒とを含む混合液(A)に光照射を行い、前記被酸化性物質を分解する酸化工程(A2)を有する水処理方法。
[2] 前記混合液(A)が錯体形成物質を含み、前記錯体形成物質が、前記第一鉄イオンと錯体を形成する物質である、[1]に記載の水処理方法。
[3] 前記混合液(A)が第二鉄イオンを含む、[1]又は[2]に記載の水処理方法。
[4] 前記混合液(A)が錯体形成物質を含み、前記錯体形成物質が前記第二鉄イオンと錯体を形成する物質である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の水処理方法。
[5] 前記酸化工程(A2)において、前記光の波長が380nm以上である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の水処理方法。
[6] 前記酸化工程(A2)において、前記鉄還元触媒の濃度が、前記混合液(A)の総質量に対し、100~10000質量ppmである、[1]~[5]のいずれか一項に記載の水処理方法。
[7] 被酸化性物質を含む被処理水と、第一鉄イオンと、過酸化水素と、錯体形成物質とを含む混合液(B)に光照射を行い、前記被酸化性物質を分解する酸化工程(B2)を有する水処理方法。
[8] 被酸化性物質を含む被処理水と、第一鉄イオンと、過酸化水素と、鉄還元触媒とを含む混合液(A)の存在下、光照射下においてフェントン反応を行い、前記被酸化性物質を分解するための反応槽を備える水処理装置。
本発明によれば、フェントン反応による分解能を高めて被酸化性物質を分解する水処理方法、及びこれを用いた水処理装置を提供することができる。
水処理装置1の概略構成を示す模式図である。 実施例1、比較例1及び2における被酸化物分解能を表すグラフである。 実施例2及び比較例3における被酸化物分解能を表すグラフである。 実施例3及び比較例4における被酸化物分解能を表すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
[水処理装置]
本実施形態の水処理方法に用いる水処理装置1の構成について説明する。図1は、本実施形態の水処理装置1の概略構成を示す図である。図1に示すように、水処理装置1は、反応槽11と、不溶化槽21と、調整槽41と、貯留槽61と、を備える。
水処理装置1は、反応槽11に第一pH調整手段14と、鉄試薬添加手段15と、過酸化水素添加手段16と、触媒添加手段17と、光照射手段18と、を備える。
水処理装置1は、不溶化槽21に第二pH調整手段24を備える。また、不溶化槽21内には、濃縮装置22が設けられている。
水処理装置1は、不溶化槽21と反応槽11との間に懸濁液返送手段32を備える。
水処理装置1は、調整槽41と貯留槽61との間に分離装置42を備える。
(被処理水)
水処理装置1による水処理では、被酸化性物質を含む被処理水を、フェントン反応を利用して酸化処理する。被酸化性物質としては、生物処理による分解が困難な有機物、または、亜リン酸や次亜リン酸などの無機物が挙げられる。
上記有機物としては、例えば1,4-ジオキサンなどの有機溶剤、フミン物質などが挙げられる。フミン物質とは、土壌を水酸化ナトリウムなどのアルカリで抽出した分画、あるいは土壌を天然水で抽出した抽出液をXAD樹脂(スチレンまたはアクリルとジビニルベンゼンの共重合体)に吸着させ、さらにその吸着したものから希アルカリ水溶液で溶出される分画のことをいう。
亜リン酸や次亜リン酸は、めっき工場の工場排水などに含まれている。
被処理水は、錯体形成物質を含んでいてもよい。本明細書において「錯体形成物質」とは、第一鉄イオン(Fe2+)及び/又は第二鉄イオン(Fe3+)と錯体を形成する物質を意味する。本発明において、通常、第二鉄イオンは第一鉄イオンの酸化により生成する。第一鉄イオンは第二鉄イオンの還元により生成する。錯体形成物質としては、アルデヒド類、シアン化合物、アミン化合物、塩化物、及びカルボン酸化合物等が挙げられる。なかでもアルデヒド類、シアン化合物、アミン化合物、及び塩化物が好ましい。
本明細書において「アルデヒド類」とは、分子内にアルデヒド基を有する化合物を意味する。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ビニルアルデヒド、及びグリオキサール等が挙げられる。
本明細書において「シアン化合物」とは、分子内に「CN」を有する化合物を意味する。シアン化合物としては、シアン化カリウム、及びシアン化ナトリウム等のシアン化物;アセトニトリル、及びアクリロニトリル等のニトリル類等が挙げられる。
本明細書において「アミン化合物」とは、分子内に1個以上の1~3級のアミノ基を有する化合物を有する化合物を意味する。アミン化合物としては、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物、又はこれらの塩等が挙げられる。
本明細書において「塩化物」とは、分子内に「Cl」を有する化合物を意味する。塩化物としては、塩化カリウム、及び塩化ナトリウム等の無機塩化物;クロロホルム、及びジクロロメタン等の有機塩化物等が挙げられる。
本明細書において「カルボン酸化合物」とは、分子内にカルボキシ基又はカルボキシ基に由来する官能基をする化合物を意味する。カルボン酸化合物としては、シュウ酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、及びアクリル酸等の有機酸;プロピオン酸エチル等の有機酸エステル等が挙げられる。
錯体形成物質は被処理水中に含まれないほうが被酸化性物質は分解されやすいが、本発明によれば、被処理水が錯体形成物質を含んでも、被酸化性物質を分解できる。
被処理水が、錯体形成物質を含むとき、その濃度は、被処理水の総質量に対し、20000mg/L以下が好ましく、10000mg/L以下がより好ましく、5000mg/L以下がさらに好ましい。また、1mg/L以上が好ましく、10mg/L以上がより好ましく、100mg/L以上がさらに好ましい。
錯体形成物質の濃度が上記下限値以上であると、第一鉄イオン及び/又は第二鉄イオンと錯体形成物質とから形成される錯体構造を光照射により破壊して、錯体が形成されるのを防ぎやすい。
錯体形成物質の濃度が上記上限値以下であると、前記錯体の形成を抑制しやすく、フェントン反応が進行しにくくなるのを防ぎやすい。
(反応槽)
反応槽11では、被処理水に含まれる被酸化性物質を、第一鉄イオン(Fe2+)及び過酸化水素存在下、光照射下においてフェントン反応により酸化する。
鉄還元触媒を使用する場合には、フェントン反応により生成した第二鉄イオン(Fe3+)を、光照射下において鉄還元触媒により第一鉄イオンに還元する。
被処理水が錯体形成物質を含む場合には、第一鉄イオン及び/又は第二鉄イオンと錯体形成物質とから形成される錯体構造を、光を照射することにより破壊して、第一鉄イオン及び/又は第二鉄イオンを遊離させる。
反応槽11には、第一の流路12および第二の流路13が接続されている。第一の流路12は、被酸化性物質を含む被処理水を反応槽11に流入(供給)させるものである。第二の流路13は、反応槽11から排出された反応液を不溶化槽21に流入(供給)させるものである。
図1に示す水処理装置1において、反応槽11から不溶化槽21に反応液を供給する方法は特に限定されず、ポンプを用いて反応液を供給してもよいし、オーバーフローを利用して反応液を供給してもよい。
なお、図1に示す水処理装置1において、反応槽11が1つ設けられている例を示したが、複数の反応槽11が直列に配置されていてもよい。その場合、フェントン反応にかかる時間を長くすることができるので、過酸化水素をフェントン反応で十分消費させることができる。
また、反応槽11が複数配置されている場合、第一反応槽から第二反応槽に送液する方法は特に限定されず、ポンプを用いて送液してもよいし、オーバーフローを利用して送液してもよい。
(鉄試薬添加手段)
鉄試薬添加手段15は、反応槽11内に鉄試薬を添加するものである。
鉄試薬としては、水に溶解して第一鉄イオンを発生させるものであれば特に限定されないが、第一鉄塩または第一鉄酸化物が好ましい。なかでも、排水基準で管理する必要がなく、溶解性に優れることから、硫酸鉄または塩化鉄が好ましい。また汎用性が高く、腐食性が少ないことから、硫酸鉄がより好ましい。
また、鉄還元触媒を使用する場合、鉄還元触媒により第二鉄イオンが還元されて第一鉄イオンが再生するため、鉄試薬として第二鉄化合物を用いることもできる。
鉄試薬としては、固体状態のものを反応槽11内に添加してもよいし、鉄試薬の水溶液のように液体状態にしたものを反応槽11内に添加してもよい。
第一鉄イオンの濃度は、排水の種類に応じて適宜決められる。
(過酸化水素添加手段)
過酸化水素添加手段16は、反応槽11内に過酸化水素を添加するものである。
反応槽11内では、過酸化水素に第一鉄イオンが反応して、ヒドロキシラジカルが発生する。被処理水中に含まれる被酸化性物質が有機物である場合、発生したヒドロキシラジカルにより有機物が酸化分解される。また、亜リン酸や次亜リン酸等の無機物の場合、ヒドロキシラジカルによりそれぞれ酸化され、亜リン酸はオルトリン酸に、次亜リン酸は亜リン酸やオルトリン酸となる。
一方、反応槽11内では、第一鉄イオンが過酸化水素の作用により酸化されて第二鉄イオンとなる。
反応槽11が複数配置されている場合、過酸化水素添加手段16から過酸化水素を添加する反応槽11は、最下流の反応槽11以外の槽とすることが好ましい。過酸化水素を添加する反応槽11が上流であるほど、フェントン反応にかかる時間をより長くすることができるので、過酸化水素をフェントン反応で十分消費させることができる。したがって、反応槽11の下流の不溶化槽21および調整槽41に未反応の過酸化水素の漏出を抑制することができる。また、未反応の過酸化水素による処理水中の化学的酸素要求量の上昇を抑制することができる。
(第一pH調整手段)
第一pH調整手段14は、槽内のpHに応じて、反応槽11内に酸またはアルカリを添加し、反応槽11内のpHを調整するものである。
反応槽11内は、鉄試薬を水に溶解させて第一鉄イオンを発生させ、かつ、ヒドロキシラジカルを発生させることが可能なpHの範囲に調整される。本実施形態において、反応槽11内のpHは、1.0以上4.0以下の範囲に調整されることが好ましい。反応槽11内のpHが1.0以上4.0以下であると、水に対する鉄試薬の溶解性を良好に保つことができる。また、鉄還元触媒を使用する場合には、第二鉄イオンと鉄還元触媒との接触効率を高めることができる。反応槽11内のpHは、2.0以上3.0以下がより好ましく、2.5以上3.0以下がさらに好ましい。
また、反応槽11には、槽内のpHを測定する測定機器(図示略)を設置することが好ましい。
酸の種類としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、シュウ酸、クエン酸、ギ酸、酢酸などの有機酸が挙げられる。なかでも、硫酸または塩酸が好ましく、フェントン反応で生成するヒドロキシラジカルを捕捉しにくいことから硫酸がより好ましい。 これらの酸は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルカリの種類としては、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。なかでも、汎用性が高く、フェントン反応で生成する物質と反応しないことから水酸化ナトリウムが好ましい。
これらのアルカリは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(触媒添加手段)
触媒添加手段17は、反応槽11内に鉄還元触媒を添加するものである。
鉄還元触媒としては、フェントン反応を実質的に阻害しないとともに、第二鉄イオンが還元されて第一鉄イオンが再生する反応を促進するものであればよい。鉄還元触媒としては、活性炭、ゼオライト、樹脂、石英砂などが挙げられる。なかでも、触媒効率や廃触媒の処理の観点から、活性炭がより好ましい。
鉄還元触媒の濃度は、混合液の総質量に対し、100~10000質量ppmが好ましく、500~5000質量ppmがより好ましい。
鉄還元触媒の濃度が上記下限値以上であると、フェントン反応で発生した第二鉄イオンの還元反応の効率を高めやすくなる。
鉄還元触媒の濃度が上記上限値以下であると、廃触媒の量を低減しやすくなる。
ここで「混合液」とは、被酸化性物質を含む被処理水と、第一鉄イオンと、過酸化水素とを含むものである。
さらに、混合液には、錯体形成物質及び/又は鉄還元触媒が含まれていても良い。
鉄還元触媒の形状としては、触媒効率の観点から粉体状であることが好ましい。また、鉄還元触媒の一次粒子の平均粒子径としては、触媒を回収しやすいことから0.05μm~100μmが好ましい。なお、本明細書において平均粒子径は、レーザー回折法の方法で測定できる。
(光照射手段)
光照射手段18は、反応槽内に光を照射するものである。
光の波長としては、300nm以上が好ましく、350nm以上がより好ましく、380nm以上がさらに好ましい。また、光の波長としては、650nm以下が好ましく、540nm以下がより好ましい。
光の波長が上記下限値以上であると、光照射のための電気消費量を低減できる。
光の波長が上記上限値以下であると、第二鉄イオンの還元反応を促進しやすくなり、錯体を破壊して第一鉄イオンを遊離しやすくなる。
光の強度は、100~5000W/mが好ましく、500~5000W/mがより好ましい。
光の強度が上記下限値以上であると、光照射のための電気消費量を低減できる。
光の強度が上記上限値以下であると、第二鉄イオンの還元反応を促進しやすくなり、錯体を破壊して第一鉄イオンを遊離しやすくなる。
(不溶化槽)
不溶化槽21は、第一鉄イオン、およびフェントン反応により生成した第二鉄イオンを反応液から除去するために不溶化させ、第一鉄化合物および第二鉄化合物を生成させるものである。
本実施形態において、第一鉄イオンおよび第二鉄イオンは、酸化鉄、水酸化鉄または塩化鉄などの鉄化合物となって不溶化する。
(第二pH調整手段)
第二pH調整手段24は、槽内のpHに応じて、不溶化槽21内にアルカリを添加し、不溶化槽21内のpHを調整するものである。不溶化槽21内は、第一鉄イオンおよび第二鉄イオンを不溶化させることが可能なpHの範囲に調整される。不溶化槽21内のpHは、6.0以上10.0以下の範囲に調整されることが好ましい。不溶化槽21内のpHは、7.0以上9.0以下となることがより好ましく、7.5以上8.5以下がさらに好ましく、7.8以上8.3以下が特に好ましい。
また、不溶化槽21には、槽内のpHを測定する測定機器(図示略)を設置することが好ましい。
添加するアルカリの種類としては、第一pH調整手段14で添加することができるアルカリと同様のものが挙げられる。
被処理水中に含まれる被酸化性物質が亜リン酸や次亜リン酸等の無機物である場合、アルカリとして水酸化カルシウムを添加すると、反応液中の亜リン酸と水酸化カルシウムが反応して沈殿物を形成する。そのため、後述する濃縮装置22において、亜リン酸を含む沈殿物と、処理水とに沈殿分離できる。また、反応液中のオルトリン酸は、第二鉄イオンと反応して沈殿物を形成する。そのため、後述する濃縮装置22において、オルトリン酸を含む沈殿物と、処理水とに沈殿分離できる。
(濃縮装置)
濃縮装置22は、第一鉄化合物、第二鉄化合物、鉄還元触媒、及び錯体が懸濁した懸濁液から、鉄化合物、鉄還元触媒及び錯体を含む汚泥が濃縮された懸濁液を得るものである。濃縮装置22は、第一膜モジュール23を用いた全量濾過方式を採用している。第一膜モジュール23を用いることにより、懸濁液に汚泥が高濃度で含まれる場合においても、高い分離能で分離できる。本実施形態では全量濾過方式による濃縮方法を採用しているが、クロスフロー濾過方式を採用してもよい。
第一膜モジュール23は、精密濾過膜または限外濾過膜などの濾過膜を備える。精密濾過膜としては、中空糸膜、平膜、チューブラ膜、モノリス型膜が挙げられる。限外濾過膜としては、中空糸膜、平膜、チューブラ膜が挙げられる。なかでも、容積充填率が高いことから、中空糸膜が好ましく用いられる。
第一膜モジュール23に中空糸膜を用いる場合、その材質としては、セルロース、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデンジフロライド(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)などが挙げられる。なかでも、中空糸膜の材質としては、耐薬品性やpH変化に強い点から、ポリフッ化ビニリデンジフロライド(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)が好ましい。
第一膜モジュール23にモノリス型膜を用いる場合、セラミック製の膜を用いることが好ましい。
精密濾過膜または限外濾過膜に形成される微細孔の平均孔径は、0.01μm~1.0μmが好ましく、0.05μm~0.45μmがより好ましい。前記微細孔の平均孔径が下限値以上であれば、固液分離に要する圧力を十分小さく抑えられる。一方、前記微細孔の平均孔径が上限値以下であれば、鉄化合物、鉄還元触媒、及び錯体を含む汚泥が処理水中に漏出するのを抑えることができる。
本実施形態において、反応液全量に対する鉄還元触媒の質量濃度を基準としたときの懸濁液全量に対する鉄還元触媒の質量濃度の倍率(以下、これを「濃縮倍率」と称することがある。)が4~20倍程度となるように濃縮することが好ましい。濃縮倍率が4倍以上であれば、後述する懸濁液返送手段32により反応槽11に懸濁液を返送する際に、反応槽11内のpH調整に用いる酸の使用量が抑えられる。また、濃縮倍率が20倍以下であれば、濃縮装置22を用いた汚泥の濃縮および懸濁液返送手段32を用いた懸濁液の返送が容易になる。
第一膜モジュール23には、第三の流路31が接続されている。第三の流路31は、第一膜モジュール23の精密濾過膜または限外濾過膜を透過した処理水を濃縮装置22から排出し、調整槽41に流入させるものである。第三の流路31には、ポンプ31aが設置されている。これにより、上記処理水を不溶化槽21から排出できるようになっている。
また、第三の流路31には、処理水中の全鉄濃度を測定する測定装置が設けられていることが好ましい。当該測定装置により、処理水中の全鉄濃度が0.04ppmを超えていると判断される場合には、不溶化槽21内のpH、もしくは第一膜モジュール23での固液分離またはその両方が適切になるように適宜対応する。
また、濃縮装置22は、第一膜モジュール23の下方に配置された膜面洗浄用の曝気手段を備えてもよい。前記曝気手段としては、公知のものを採用できる。
さらに、濃縮装置22は、第一膜モジュール23のほかに別の分離手段を併用してもよい。別の分離手段としては、例えば、砂濾過、加圧浮上分離、遠心分離、ベルトプレス、沈澱池による沈殿などが挙げられる。
(懸濁液返送手段)
懸濁液返送手段32は、不溶化槽21から反応槽11に汚泥が濃縮された懸濁液の少なくとも一部を返送するものである。懸濁液返送手段32は、第五の流路33を備える。第五の流路33は、懸濁液の少なくとも一部を不溶化槽21から排出し、反応槽11に流入(供給)させるものである。
第五の流路33には、ポンプ33aが設置されている。これにより、不溶化槽21内の懸濁液の少なくとも一部を不溶化槽21から反応槽11に返送することができる。
反応槽11が複数配置されている場合、不溶化槽21から懸濁液の少なくとも一部を返送する反応槽11は、最下流の反応槽11以外の槽とすることが好ましい。懸濁液の少なくとも一部を返送する反応槽11が上流であるほど、懸濁液中の第二鉄化合物が溶解して第二鉄イオンとなり、さらに第一鉄イオンに還元されてからフェントン反応に使用され第二鉄イオンとなり、また第一鉄イオンに還元されるというサイクルが回る時間をより長くすることができる。したがって、返送した懸濁液中の第二鉄化合物をフェントン反応に効果的に再利用することができる。
(調整槽)
調整槽41は、不溶化槽21から第三の流路31を介して供給される処理水を貯留するものである。
調整槽41には、第七の流路55が接続されている。第七の流路55は、調整槽41に貯留した処理水を排出し、分離装置42に流入させるものである。第七の流路55には、ポンプ55aおよび調整バルブ55bが設置されている。これにより、上記処理水を調整槽41から排出できるようになっている。なお、調整バルブ55bはなくてもよい。
分離装置42は、濃縮工程で分離した処理水を、処理水に含まれる被酸化性物質と、透過水とに膜分離するものである。分離装置42は、第二膜モジュール43を用いたクロスフロー濾過方式を採用している。クロスフロー濾過方式を採用することにより、膜表面への被酸化性物質の堆積を抑制することができ、濾過流束を維持することができる。
第二膜モジュール43は、ナノ濾過膜または逆浸透膜を備える。第二膜モジュール43にナノ濾過膜を用いる場合、その材質としては、ポリエチレン系、芳香族ポリアミド系や架橋ポリアミド系を含むポリアミド系、脂肪族アミン縮合系ポリマー、複素環ポリマー系、ポリビニルアルコール系、酢酸セルロース系ポリマーなどが挙げられる。
第二膜モジュール43に逆浸透膜を用いる場合、その材質としては、ポリアミド、ポリスルホン、セルロースアセテートなどが挙げられ、芳香族ポリアミドまたは架橋芳香族ポリアミドを含むポリアミドが好ましい。
第二膜モジュール43には、第四の流路51が接続されている。第四の流路51は、第二膜モジュール43のナノ濾過膜または逆浸透膜を透過した透過水を分離装置42から排出し、貯留槽61に流入させるものである。上述したポンプ55aにて第二膜モジュール43の濾過面側(上流側)に圧力をかけることにより、上記透過水を調整槽41から排出し、分離装置42にて膜分離できるようになっている。流量の調整は、ポンプ55aの出力調整により行うことができる。
(貯留槽)
貯留槽61は、分離装置42から第四の流路51を介して供給される透過水を貯留するものである。貯留槽61に貯留された透過水は、工業用水などで希釈され、河川などに放流される。
鉄還元触媒を使用する場合、フェントン反応を利用した水処理では従来廃棄されていた第二鉄化合物を再利用することができる。そのため、鉄試薬添加手段15から添加する鉄試薬の量を少なくすることができ、かつ第二鉄化合物に由来する汚泥の発生を低減することができる。特に、鉄還元触媒を使用する場合は、被酸化性物質の酸化反応と、フェントン反応で発生した第二鉄イオンの還元反応とを、光照射手段を備えた一つの反応槽11で行う。これにより、水処理装置1をよりコンパクトにすることができる。また、第二鉄イオンの還元によりフェントン反応に供給される第一鉄イオンの濃度が高まるため、被酸化性物質の酸化分解反応の反応効率をより高めることができる。
また、被処理水が錯体形成物質を含む場合、光を照射することにより、第一鉄イオン及び/又は第二鉄イオンと錯体形成物質とから形成される錯体構造を破壊することができ、第一鉄イオン及び/又は第二鉄イオンを遊離させることができる。そのため、鉄試薬添加手段15から添加する鉄試薬の量を少なくすることができ、かつ錯体に由来する汚泥の発生を低減することができる。また、被処理水が錯体形成物質を含む場合は、被酸化性物質の酸化反応と、錯体構造の破壊とを、光照射手段を備えた一つの反応槽11で行う。これにより、水処理装置1をよりコンパクトにすることができる。また、錯体構造の破壊によりフェントン反応に供給される第一鉄イオンの濃度が高まるため、被酸化性物質の酸化分解反応の反応効率をより高めることができる。
[水処理方法]
本発明の第一の実施形態の水処理方法では、pH調整工程(A1)と、酸化工程(A2)と、不溶化工程(A3)と、濃縮工程(A4)と、分離工程(A5)と、懸濁液返送工程(A6)と、を有する。
図1に示す水処理装置1を用いる水処理方法について説明する。本実施形態の水処理方法では、最初に、反応槽11において、被酸化性物質を含む被処理水のpHを1.0以上4.0以下に調整する(pH調整工程(A1))。
続いて、鉄化合物、過酸化水素、及び鉄還元触媒の存在下、光を照射しながらフェントン反応を行い、被酸化性物質を酸化する。フェントン反応で発生した第二鉄イオンは、鉄還元触媒の存在下、光照射により第一鉄イオンに還元される(酸化工程(A2))。
次いで、不溶化槽21において、酸化工程(A2)で得られた反応液のpHを6.0以上10.0以下に調整し、第一鉄イオン、およびフェントン反応により生成した第二鉄イオンを不溶化させ、第一鉄化合物および第二鉄化合物を生成させる(不溶化工程(A3))。
さらに、第一鉄化合物、第二鉄化合物および鉄還元触媒が懸濁した懸濁液を、濃縮装置22により鉄化合物および鉄還元触媒を含む汚泥と処理水とに固液分離して、汚泥が濃縮された懸濁液を得る(濃縮工程(A4))。
次いで、濃縮工程(A4)で分離した処理水を調整槽41に貯留する。そして、処理水を調整槽41から分離装置42に流出させ、分離装置42により膜分離する(分離工程(A5))。分離工程(A5)において、処理水を、処理水に含まれる被酸化性物質と、透過水とに分離する。
さらに、貯留槽61において、分離工程(A5)で分離した透過水を貯留する。
懸濁液返送手段32において、濃縮工程(A4)で濃縮した懸濁液を、不溶化槽21から反応槽11に返送する(懸濁液返送工程(A6))。
反応槽11に返送された懸濁液中の第二鉄化合物は、反応槽11内で溶解して第二鉄イオンとなり、鉄還元触媒及び光照射により第一鉄イオンに還元される(還元工程(A7))。
本発明の第一の実施形態の水処理方法では、被酸化性物質の酸化反応と、フェントン反応で発生した第二鉄イオンの還元反応とを光を照射しながらone-potで行う。そのため、鉄試薬添加手段15から添加する鉄試薬の量を少なくすることができ、かつ第二鉄化合物に由来する汚泥の発生を低減することができる。また、第二鉄イオンの還元によりフェントン反応に供給される第一鉄イオンの濃度が高まるため、被酸化性物質の酸化分解反応の反応効率をより高めることができる。
本発明の第二の実施形態の水処理方法では、pH調整工程(B1)と、酸化工程(B2)と、不溶化工程(B3)と、濃縮工程(B4)と、分離工程(B5)と、懸濁液返送工程(B6)と、を有する。
図1に示す水処理装置1を用いる水処理方法について説明する。本実施形態の水処理方法では、最初に、反応槽11において、被酸化性物質及び錯体形成物質を含む被処理水のpHを1.0以上4.0以下に調整する(pH調整工程(B1))。
続いて、鉄化合物、及び過酸化水素の存在下、光を照射しながらフェントン反応を行い、被酸化性物質を酸化する(酸化工程(B2))。
不溶化工程(B3)、濃縮工程(B4)、分離工程(B5)、及び懸濁液返送工程(B6)は、上述した不溶化工程(A3)、濃縮工程(A4)、分離工程(A5)、及び懸濁液返送工程(A6)と同様に行うことができる。
本発明の第二の実施形態の水処理方法では、被酸化性物質の酸化反応と、錯体の破壊による第一鉄イオンの遊離とを光を照射しながらone-potで行う。そのため、鉄試薬添加手段15から添加する鉄試薬の量を少なくすることができ、かつ錯体に由来する汚泥の発生を低減することができる。また、錯体の破壊によりフェントン反応に供給される第一鉄イオンの濃度が高まるため、被酸化性物質の酸化分解反応の反応効率をより高めることができる。
なお、本発明の水処理装置および水処理方法は、上述した実施形態に限定されない。例えば、水処理装置1はさらに、錯体形成物質濃度測定手段を有していてもよい(図示せず)。錯体形成物質濃度測定手段は、反応槽11に供給した被処理水に含まれる錯体形成物質の濃度を測定するためのものである。また、鉄還元触媒を使用しない場合、水処理装置1において、触媒添加手段を省略してもよい。
さらに、水処理装置1において、不溶化槽21、調整槽41、分離装置42、及び貯留槽61を省略してもよい。
本発明の第一の実施形態の水処理方法では、反応槽11において、第二鉄イオンが還元されて第一鉄イオンとして再利用されるため、第二鉄化合物に由来する汚泥の発生が少ない。そのため、不溶化槽21、調整槽41、分離装置42、及び貯留槽61を省略することができる。
また、本発明の第二の実施形態の水処理方法では、反応槽11において、錯体が破壊されて第一鉄イオンが遊離するため、錯体に由来する汚泥の発生が少ない。そのため、不溶化槽21、調整槽41、分離装置42、及び貯留槽61を省略することができる。
また例えば、上記実施形態において、濃縮装置22を用いた汚泥の濃縮方法は、必ずしも第一膜モジュール23を利用した方法でなくてよい。例えば、上述した砂濾過、加圧浮上分離、遠心分離、ベルトプレス、沈澱池による沈殿などを利用してもよい。
さらに、濃縮装置22を不溶化槽21内に設ける例を示したが、濃縮装置22を不溶化槽21内に設けなくてもよい。その場合、不溶化槽21と調整槽41との間に別の槽を配置し、この槽内に濃縮装置22を設けてもよい。
濃縮装置22を不溶化槽21内に設けない場合、第一膜モジュール23の構成として以下に示す構成であってもよい。例えば、ハウジング内に濾過膜(精密濾過または限外濾過)の一次側と二次側が隔離されるように濾過膜が固定される。そして、ハウジング内における濾過膜の一次側が、鉄化合物、鉄還元触媒、及び錯体を含む汚泥および処理水を含有する懸濁液が貯留された貯留タンクと循環流路により連通し、濾過膜の二次側が吸引ポンプと接続されてもよい。
本発明の第一の実施形態における水処理方法はpH調整工程(A1)を有するが、被処理水がフェントン反応に用いることができるpHを有していれば、pH調整工程は行わなくてもよい。
また、不溶化工程(A3)と、濃縮工程(A4)と、分離工程(A5)と、懸濁液返送工程(A6)も行わなくてもよい。酸化工程(A2)において、第二鉄イオンが還元されて第一鉄イオンとして再利用されるため、第二鉄化合物に由来する汚泥の発生が少ない。そのため、不溶化工程(A3)と、濃縮工程(A4)と、分離工程(A5)と、懸濁液返送工程(A6)を行う必要がない。
本発明の第二の実施形態における水処理方法はpH調整工程(B1)を有するが、被処理水がフェントン反応に用いることができるpHを有していれば、pH調整工程は行わなくてもよい。
また、不溶化工程(B3)と、濃縮工程(B4)と、分離工程(B5)と、懸濁液返送工程(B6)も行わなくてもよい。酸化工程(B2)において、第一鉄イオンと錯体形成物質とから形成される錯体構造から第一鉄イオンが遊離するため、錯体に由来する汚泥の発生が少ない。そのため、不溶化工程(B3)と、濃縮工程(B4)と、分離工程(B5)と、懸濁液返送工程(B6)を行う必要がない。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。なお、図1に示す水処理装置と共通する構成については、同様の名称を用いて説明する。
なお、各試薬として以下の材料を用いた。
鉄試薬:硫酸鉄(II)七水和物(FeSO・7HO)
鉄還元触媒:活性炭(DiaFellow CT、三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社製)
プロピオンアルデヒド(富士フィルム和光純薬(株))
[実施例1]
反応槽に第一pH調整手段と、鉄試薬添加手段と、過酸化水素添加手段と、触媒添加手段と、光照射手段と、を備える水処理装置を作成した。
純水に、オレンジIIを濃度が30mg/Lとなるように加え、被処理水とした。
被処理水を反応槽に入れ、pHを硫酸により調整し、3.0とした。
続いて、被処理水の総体積に対する過酸化水素の濃度が500mg/Lとなるように、反応槽に過酸化水素を添加した。
また、被処理水の総体積に対する鉄試薬の濃度が5mg/L(第一鉄イオン換算で1mg/L)となるように、反応槽に鉄試薬を添加した。
さらに、被処理水の総質量に対する鉄還元触媒の濃度が100質量ppmとなるように、反応槽に鉄還元触媒を添加した。
得られた被処理水に、波長380nm、強度1600W/mの光を照射し、光照射開始から5分毎に被処理水中のオレンジIIの濃度(mg/L)を測定した。得られた結果を表1及び図2に示す。
なお、オレンジIIの濃度は、吸光光度法によって測定した。
[比較例1]
光を照射しなかったこと以外は実施例1と同様にして水処理を行い、鉄還元触媒添加から5分毎に被処理水中のオレンジIIの濃度(mg/L)を測定した。得られた結果を表1及び図2に示す。
[比較例2]
鉄還元触媒を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして水処理を行い、光照射開始から5分毎に被処理水中のオレンジIIの濃度(mg/L)を測定した。得られた結果を表1及び図2に示す。
Figure 0007283088000001
実施例1では、被処理水中のオレンジIIは、光照射開始から20分後にほぼ完全に酸化分解された。
光を照射しなかった比較例1では、被処理水中のオレンジIIがほぼ完全に酸化分解されるまでに約40分を要した。
鉄還元触媒を添加しなかった比較例2では、被処理水中のオレンジIIがほぼ完全に酸化分解されるまでに約40分を要した。
[実施例2]
反応槽に第一pH調整手段と、鉄試薬添加手段と、過酸化水素添加手段と、光照射手段と、を備える水処理装置を作成した。
純水に、オレンジIIを濃度が200mg/Lとなるように加え、さらにプロピオンアルデヒドを濃度が800mg/Lとなるように加え、被処理水とした。
被処理水を反応槽に入れ、pHを硫酸により調整し、3.0とした。
続いて、被処理水の総体積に対する過酸化水素の濃度が500mg/Lとなるように、反応槽に過酸化水素を添加した。
また、被処理水の総体積に対する鉄試薬の濃度が5mg/L(第一鉄イオン換算で3mg/L)となるように、反応槽に鉄試薬を添加した。
得られた被処理水に、波長380nm、強度1600W/mの光を照射し、光照射開始から5分毎に被処理水中のオレンジIIの濃度(mg/L)を測定した。得られた結果を表2及び図3に示す。
なお、オレンジIIの濃度は、吸光光度法によって測定した。
[比較例3]
光を照射しなかったこと以外は実施例2と同様にして水処理を行い、鉄試薬添加から5分毎に被処理水中のオレンジIIの濃度(mg/L)を測定した。得られた結果を表2及び図3に示す。
Figure 0007283088000002
実施例2では、被処理水中のオレンジIIは、光照射開始から40分後に約半分が酸化分解された。
光を照射しなかった比較例3では、被処理水中のオレンジIIは、光照射開始から40分経過してもほとんど酸化分解されなかった。
[実施例3]
反応槽に第一pH調整手段と、鉄試薬添加手段と、過酸化水素添加手段と、触媒添加手段と、光照射手段と、を備える水処理装置を作成した。
純水に、オレンジIIを濃度が200mg/Lとなるように加え、さらにプロピオンアルデヒドを濃度が800mg/Lとなるように加え、被処理水とした。
被処理水を反応槽に入れ、pHを硫酸により調整し、3.0とした。
続いて、被処理水の総体積に対する過酸化水素の濃度が500mg/Lとなるように、反応槽に過酸化水素を添加した。
また、被処理水の総体積に対する鉄試薬の濃度が5mg/L(第一鉄イオン換算で3mg/L)となるように、反応槽に鉄試薬を添加した。
さらに、被処理水の総質量に対する鉄還元触媒の濃度が100質量ppmとなるように、反応槽に鉄還元触媒を添加した。
得られた被処理水に、波長380nm、強度1600W/mの光を照射し、光照射開始から5分毎に被処理水中のオレンジIIの濃度(mg/L)を測定した。得られた結果を表3及び図4に示す。
なお、オレンジIIの濃度は、吸光光度法によって測定した。
[比較例4]
光を照射しなかったこと以外は実施例3と同様にして水処理を行い、鉄還元触媒添加から5分毎に被処理水中のオレンジIIの濃度(mg/L)を測定した。得られた結果を表3及び図4に示す。
Figure 0007283088000003
実施例3では、被処理水中のオレンジIIは、光照射開始から40分後に半分以上が酸化分解された。
光を照射しなかった比較例4では、被処理水中のオレンジIIは、光照射開始から40分経過に約半分が酸化分解されたが、実施例3と比較すると酸化分解が遅いことが判った。
1…水処理装置、11…反応槽、14…第一pH調整手段、17…触媒添加手段、18…光照射手段、21…不溶化槽、22…濃縮装置、24…第二pH調整手段、32…懸濁液返送手段、42…分離装置

Claims (7)

  1. 被酸化性物質を含む被処理水と、第一鉄イオンと、過酸化水素と、鉄還元触媒と、錯体形成物質とを含み、pH1.0以上4.0以下の範囲に調整された混合液(A)に光照射を行い、前記被酸化性物質を分解する酸化工程(A2)を有する水処理方法であって、
    前記鉄還元触媒が活性炭である、水処理方法。
  2. 前記錯体形成物質が、前記第一鉄イオンと錯体を形成する物質である、請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記混合液(A)が第二鉄イオンを含む、請求項1又は2に記載の水処理方法。
  4. 前記錯体形成物質が前記第二鉄イオンと錯体を形成する物質である、請求項3に記載の水処理方法。
  5. 前記酸化工程(A2)において照射する光の波長が380nm以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の水処理方法。
  6. 前記酸化工程(A2)において、前記鉄還元触媒の濃度が、前記混合液(A)の総質量に対し、100~10000質量ppmである、請求項1~5のいずれか一項に記載の水処理方法。
  7. 被酸化性物質を含む被処理水と、第一鉄イオンと、過酸化水素と、鉄還元触媒と、錯体形成物質とを含み、pH1.0以上4.0以下の範囲に調整された混合液(A)の存在下、光照射下においてフェントン反応を行い、前記被酸化性物質を分解するための反応槽を備える水処理装置であって、
    前記鉄還元触媒が活性炭である、水処理装置。
JP2019014722A 2018-05-14 2019-01-30 水処理方法および水処理装置 Active JP7283088B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018093386 2018-05-14
JP2018093386 2018-05-14

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019198856A JP2019198856A (ja) 2019-11-21
JP7283088B2 true JP7283088B2 (ja) 2023-05-30

Family

ID=68611588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019014722A Active JP7283088B2 (ja) 2018-05-14 2019-01-30 水処理方法および水処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7283088B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7361333B2 (ja) * 2020-01-21 2023-10-16 学校法人 関西大学 有機物の分解方法
CN113526754A (zh) * 2020-04-10 2021-10-22 中石化南京化工研究院有限公司 紫外光强化Fenton氧化处理硝基苯废水的方法
CN111747480A (zh) * 2020-06-29 2020-10-09 暨南大学 一种可见光强化三价铁活化过硫酸盐处理有机废水的方法
CN113479988B (zh) * 2021-08-16 2022-09-13 南京工业大学 一种用于废水处理的可见光催化-芬顿膜反应器
CN114634266A (zh) * 2022-04-21 2022-06-17 湖北大学 一种降低工业生产中废酸cod值的方法和应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000288560A (ja) 1999-04-02 2000-10-17 Hitachi Ltd 水の浄化処理装置及びその方法
JP2007125521A (ja) 2005-11-07 2007-05-24 Japan Organo Co Ltd 廃水の処理装置および方法
JP2009022940A (ja) 2007-07-18 2009-02-05 Solve:Kk 難分解性成分を含む畜産排水および有色排水の脱色方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5648290A (en) * 1979-09-28 1981-05-01 Taki Chem Co Ltd Treatment of waste water containing organic substance
JPH1119664A (ja) * 1997-07-04 1999-01-26 Kazuyoshi Matsunaga 酸化ジルコニウム/第二鉄塩/過酸化水素/紫外線系による難生物分解性有機物の分解とリンの除去法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000288560A (ja) 1999-04-02 2000-10-17 Hitachi Ltd 水の浄化処理装置及びその方法
JP2007125521A (ja) 2005-11-07 2007-05-24 Japan Organo Co Ltd 廃水の処理装置および方法
JP2009022940A (ja) 2007-07-18 2009-02-05 Solve:Kk 難分解性成分を含む畜産排水および有色排水の脱色方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019198856A (ja) 2019-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7283088B2 (ja) 水処理方法および水処理装置
KR100687361B1 (ko) 오존 용해수의 제조장치
KR101809769B1 (ko) 수처리 방법 및 초순수 제조 방법
JP2007203292A (ja) 水処理技術
US10703660B2 (en) Method and system for treatment of organic contaminants by coupling Fenton reaction with membrane filtration
US20070023363A1 (en) Installation and method for the purification of an aqueous effluent by means of oxidation and membrane filtration
CN102583889B (zh) 废水处理方法和废水处理***
KR100994178B1 (ko) 오·폐수의 재이용을 위한 고도 산화 처리 장치
JP3698093B2 (ja) 水処理方法および水処理装置
JP2007069204A (ja) 水処理方法、水処理装置、及び再生水の製造方法
WO2011155281A1 (ja) 淡水生成装置および淡水生成方法
JP2018158331A (ja) 水処理方法および水処理装置
CN109704514A (zh) 一种污水深度处理和浓水处置的***及方法
CN107522340A (zh) 一种回收处理高氯盐污水的***及方法
CN105692956A (zh) 一种低浓度有机磷废水的处理方法
JP4073072B2 (ja) 膜法による原水の脱塩方法および脱塩設備
JP2015073923A (ja) 超純水製造方法及び超純水製造システム
JP4897255B2 (ja) 水処理装置及び方法
RU2720613C1 (ru) Способ очистки и обеззараживания сточных вод
JP2006095425A (ja) 廃水の生物処理水含有水の浄化方法及び浄化装置
CN209685515U (zh) 一种污水深度处理和浓水处置的***
JP4412474B2 (ja) 水処理方法及び水処理装置
CN103588327B (zh) 多相催化臭氧氧化-纳滤组合装置及其净水消毒的方法
JP2019055399A (ja) 水処理方法および水処理装置
CN108311160B (zh) 铁还原催化剂及水处理装置,以及水处理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210930

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220818

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230208

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20230208

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20230217

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20230221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230501

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7283088

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151