以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識できる程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、各図面に記載された各構成要素の数量や各構成要素の形状や各構成要素の大きさの比率や各構成要素の相対的な位置関係等に関して、図示の形態のみに限定されるものではない。
本発明の各実施形態は、例えば撮像光学系により結像された光学像を、例えばCCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)型イメージセンサーやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補性金属酸化膜半導体)型イメージセンサー等の光電変換素子等(以下、撮像素子という)を用いて順次光電変換し、当該撮像素子によって取得された画像信号を所定の形態の画像データ(例えば静止画像又は動画像を表わすデジタル画像データ)として記憶媒体に記録すると共に、当該記憶媒体に記録されたデジタル画像データに基いて静止画像又は動画像を再生表示する画像表示装置(例えば液晶表示ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL;Organic Electro-Luminescence:OEL)ディスプレイ等)を備えて構成された撮像装置(例えばデジタルカメラやビデオカメラ等)に適用されるブレ補正装置を例示するものである。
なお、以下の各実施形態を説明する各図面において、符号Zで示す矢印は第1方向である光軸Oに平行な軸線を示している。以下、これをZ軸というものとする。また、各図面において、符号Yで示す矢印は光軸O(Z軸)に対して直交する軸線であって、鉛直方向に平行な軸線を示している。以下、これをY軸というものとする。そして、各図面において、符号Xで示す矢印は光軸O(Z軸)及びY軸に対して互いに直交する軸線であって、水平方向に平行な軸線を示している。以下、これをX軸というものとする。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態のブレ補正装置を適用した撮像装置の内部構成を簡略化して概念図である。なお、図1においては、図面の煩雑化を避けるために、本発明に直接関連しない構成部材の図示を省略していると共に、図示する各ユニットについては内部構成を簡略化して示している。
まず、本発明の第1の実施形態のブレ補正装置を適用した撮像装置の内部構成について、図1を用いて以下に簡単に説明する。
本実施形態のブレ補正装置15を適用した撮像装置1は、装置本体10とレンズ鏡筒20とを有して構成される一般的な形態の撮像装置である。ここで、装置本体10とレンズ鏡筒20とは、分離できるように構成されていてもよいし、一体に構成されていてもよい。
即ち、撮像装置1は、装置本体10に対して複数種類のレンズ鏡筒20のうちの一つを選択して装着することができるように構成されたいわゆるレンズ交換式の撮像装置であってもよいし、レンズ鏡筒20が装置本体10の前面に一体に取り付け固定された形態のいわゆるレンズ一体式の撮像装置であってもよい。
撮像装置1における装置本体10は、当該撮像装置1を構成する各種の構成ユニットを内部に収納する筐体と、この筐体の外表面の所定の位置にそれぞれ配設される複数の操作部材等を有して構成されている。
当該装置本体10の筐体内に収納されている各種構成ユニットとしては、例えば撮像素子31及び撮像基板32を含む撮像ユニット30と、当該撮像ユニット30を保持する可動ユニット40(可動部)及び固定ユニット50(固定部)等によって構成されるブレ補正装置15のほか、ファインダ装置,シャッター機構,制御回路等を実装した複数の電気基板,駆動電源となるバッテリ,表示装置,記憶媒体等を含む記録装置等がある。なお、図1においては、装置本体10に含まれる構成ユニットのうち撮像ユニット30及びブレ補正装置15以外の図示は省略している。
なお、撮像ユニット30の撮像素子31の受光面は、X軸及びY軸を含む面(以下、XY平面という)に対して平行となるように、当該撮像ユニット30は、装置本体10の内部において配置されている。
また、シャッター機構としては、図示を省略しているが、例えば、撮像素子31の受光面の前面側近傍に設けられるフォーカルプレーン式のシャッター機構等のように、装置本体10内に配設される形態のものや、レンズ鏡筒20の内部に配設される形態のいわゆるレンズシャッター機構等が適用される。
また、表示装置(不図示)としては、例えば装置本体10の筐体の背面側に配設される形態のものが適用されている。当該表示装置は、撮像ユニット30によって取得された画像データ若しくは記録媒体(不図示)に記録済みの画像データ等に基づく画像を表示したり、各種設定を行うための選択表示画面等を表示する表示パネル等を有して構成される。なお、ファインダ装置(不図示)は、上記表示装置よりも小型の表示パネル等を有して構成され、当該表示装置と略同様の機能を有する構成ユニットである。
装置本体10の筐体外部には、図示を省略しているが、複数の操作部材が設けられている。これら複数の操作部材としては、例えばシャッタレリーズや各設定変更等を行なうための押圧式操作部材や、設定切換操作やモード選択操作等を行なうための回転式操作部材、電源のオンオフ操作等を行なうためのレバー式操作部材等のほか、その他の操作を行うためのスライド式操作部材等である。
一方、撮像装置1に装着若しくは固設されるレンズ鏡筒20は、例えば全体として円筒形状に形成されている。このレンズ鏡筒20の内部には、複数の光学レンズからなる撮像光学系21と、この撮像光学系21を構成する複数の光学レンズのそれぞれを保持する複数のレンズ保持部材(不図示)と、所定の光学レンズを保持するレンズ保持部材を焦点調節動作や変倍動作を行なうために、光軸Oに沿う方向へと進退移動させるフォーカス駆動機構(不図示)やズーム駆動機構等(不図示)が配設されている。
レンズ鏡筒20は、上記装置本体10の前面側に設けられている。ここで、レンズ鏡筒20は、装置本体10に対して固定した形態(レンズ一体式)であってもよいし、装置本体10に対して着脱自在の形態(レンズ交換式)であってもよい。
この場合において、装置本体10の前面側の所定の部位にレンズ鏡筒20が配設された状態とされたときに、レンズ鏡筒20の撮像光学系21によって形成される光学像は、装置本体10内の撮像ユニット30の撮像素子31の受光面上に結像するように構成されている。そのために、レンズ鏡筒20の撮像光学系21の光軸Oは、撮像ユニット30の撮像素子31の受光面の略中心部と略一致するように、装置本体10に対するレンズ鏡筒20の配置が規定されている。その他の構成については、従来一般的な撮像装置と略同様であるものとし、その説明は省略する。
次に、本実施形態のブレ補正装置の詳細構成について、以下に説明する。図2は、本発明の第1の実施形態のブレ補正装置が撮像ユニットを含んで組み立てられた状態を示す外観斜視図である。図3は、図2のブレ補正装置(撮像ユニットを含む)を分解して示す分解斜視図である。図4は、図2のブレ補正装置(撮像ユニットを含む)から一部の構成部材を取り外して示す外観斜視図である。この図4では、撮像ユニット30を保持する可動ユニット40と固定ユニット50とが組み立てられた状態を示している。図5は、撮像ユニット30を保持する可動ユニット40を取り出して示す外観斜視図である。この図5では、図3の矢印[5]方向、即ち当該可動ユニット40の背面側を主に示している。図6~図8は、本実施形態のブレ補正装置におけるボール受部近傍を示す図である、このうち図6は、図5の符号[7]で示す平面に沿う断面を拡大し、同図5の矢印[6]方向から見た要部拡大断面斜視図である。図7は、図5の符号[7]で示す平面に沿う要部拡大断面図である。なお、図6,図7は、本ブレ補正装置におけるボール受部が可動ユニットに対して組み付けられた状態を示している。そして、図8は、図7と同状態の断面図であって、ボール受部の一部(第1基台)が可動ユニットに取り付けられる際の作用を示している。
本実施形態のブレ補正装置15は、撮像ユニット30を保持する可動ユニット40(可動部)を、固定ユニット50(固定部)に対して光軸O(即ちZ軸)に直交する直交面(即ちXY平面)内でシフト移動させることで像振れ補正を行なうための組立体(構成ユニット)である。
即ち、当該ブレ補正装置15は、図2等に示すように、撮像ユニット30を保持する可動ユニット40と、固定ユニット50等によって主に構成されている。
撮像ユニット30は、像振れ補正処理を行なう可動対象となる撮像素子31と、当該撮像素子31等の電子部品が実装される電気基板である撮像基板32と、撮像素子ホルダ33等によって構成されている。
撮像素子31は、レンズ鏡筒20の撮像光学系21によって結像された光学像を順次光電変換して画像信号に変換し所定の形態の画像データを生成する光電変換素子である。この撮像素子31は、例えばCCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)を用いたCCDイメージセンサーやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補性金属酸化膜半導体)等を用いたMOS型イメージセンサー等が適用される。
撮像基板32は、撮像素子31や、当該撮像素子31を駆動制御したり光電変換処理等の画像信号処理等を行うための電子回路を構成するための複数の電子部品を実装した電気基板である。この撮像基板32は、可動ユニット40のフレーム部材41に固定保持されている。
撮像素子ホルダ33は、撮像素子31の外縁を覆い保持して、可動ユニット40のフレーム部材(特に図示せず)に対して固定するための保持部材である。
このように撮像ユニット30自体の構成は、従来一般的な撮像装置に適用される撮像ユニットと略同様のものが適用されている。したがって、撮像ユニット30の構成についてのこれ以上の説明は省略する。
可動ユニット40は、アクチュエータであるVCM駆動機構(詳細後述)の一部を構成する複数の駆動用コイル42(詳細後述)と、上記撮像ユニット30と、これらを一体に固設してなる基本構成部材であるフレーム部材41等によって構成されている。
そして、当該可動ユニット40は、後述するように、駆動用磁石52及び駆動用コイル42等からなるアクチュエータ(VCM駆動機構;詳細後述)によって、固定ユニット50(詳細後述)に対して撮像光学系21の光軸O方向に対して垂直な平面(XY平面)内で移動される可動部であり可動部材である。
可動ユニット40は、固定ユニット50(詳細後述)に対して光軸O(第1方向)に沿う方向に平行に並べて積層させた形態で配置され、かつ上記固定ユニット50に対して光軸O(Z軸)に直交する直交面(XY平面)に平行な方向に移動自在に構成されている。
このような構成を採ることにより、本ブレ補正装置15は、所定の像振れ補正信号に基いて、可動ユニット40を固定ユニット50に対して、像振れがキャンセルされる方向への駆動制御を行って像振れ補正効果を得るものである。そのための基本的な構成は、従来のブレ補正装置におけるものと略同様である。以下に、可動ユニット40の構成を簡単に説明する。
可動ユニット40は、主に図3~図5等に示すように、フレーム部材41と、複数の駆動用コイル42と、複数のボール受部44と、撮像ユニット30等によって構成されている。
フレーム部材41は、当該可動ユニット40の基本構成部材であって、全体として略平板状の硬質部材によって形成されている。このフレーム部材41は、一方の面に撮像ユニット30が積層した形態で一体に保持されている。また、フレーム部材41には、撮像ユニット30の周縁領域には、アクチュエータ(VCM駆動機構;詳細後述)の一部を構成する複数の駆動用コイル42が固設されている。
フレーム部材41と撮像ユニット30との間には、図示されていないが、例えば棒状の連結部材が複数介在している。この連結部材(不図示)は、撮像ユニット30とフレーム部材41とが互いに平行となるように支持すると共に、当該連結部材を介して撮像ユニット30をフレーム部材41に対し、例えばビス等によって固定するための固定部として形成されている。これにより、撮像ユニット30は、フレーム部材41に対して略平行に積層した形態で固定保持される。
この場合において、撮像ユニット30の撮像素子31の受光面は、光軸Oに対して直交する面(即ちXY平面)に平行となるように、撮像装置1の内部において配置されている。そして、撮像素子31の受光面に対して、フレーム部材41は、その移動方向が略平行となるように配置されている。したがって、これにより、フレーム部材41の移動方向と撮像素子31の受光面とは略平行となるように構成されている。
なお、ここで、フレーム部材41において、撮像ユニット30が保持されているがわの面を前面というものとし、当該フレーム部材41の前面とは反対側の面を背面というものとする。そして、当該フレーム部材41の背面には、後述するように、固定ユニット50が対向して配置されている。
フレーム部材41の背面側には、図5に示すように、複数のボール受部44が、それぞれ所定の位置に配設されている。このボール受部44は、後述する転動体であるボール60を受ける転動体受部として機能する構成部位である。なお、本実施形態においては、複数のボール受部44を3つ設けた構成例を示している。複数のボール受部44は、少なくとも3つ設けられていればよく、3つ以上であってもよい。
ボール受部44は、当該可動ユニット40に保持される撮像ユニット30(の主に撮像基板32)を、光軸O方向において避ける位置に配置されている。そのために、ボール受部44は、例えばフレーム部材41の周縁領域に配設されている。
このボール受部44は、フレーム部材41とは別体の部品として形成されていて、例えば接着剤などを用いてフレーム部材41の所定の位置に固定されている。
ボール受部44は、断面が凹状に形成され、一面に開口を有し、当該開口に対向する有底の平面44eを有する受け皿形状に形成された構成部材である。ボール受部44の平面は撮像素子31の受光面(即ちXY平面)に平行な平面として形成されている。
そして、当該ブレ補正装置15が組み立て状態とされて、可動ユニット40と固定ユニット50とが所定の形態で積層状態に配置された状態となったとき、可動ユニット40側の当該複数のボール受部44のそれぞれは、固定ユニット50側の複数のボール板53(後述)のそれぞれに対向する位置に配置される。この場合において、複数のボール受部44と複数のボール板53とのそれぞれの間には、それぞれにボール60が配設されている。なお、図3においては、各ボール60は、固定ユニット50側の複数のボール板53に図示している。また、図5においては、各ボール60は、可動ユニット40側の複数のボール受部44に図示している。
この構成により、各ボール60は、上記ボール受部44の平面44eと、固定ユニット50側のボール板53(後述)との間に挟持されている。したがって、これにより、可動ユニット40は固定ユニット50に対して、所定の移動平面(XY平面)内において常に円滑に移動し得るように構成されている。
また、この場合において、固定ユニット50に対してフレーム部材41が光軸Oと垂直な方向にシフト移動できるように、可動ユニット40と固定ユニット50との間は、例えば緊縮性の複数のコイルばね43で連結されている。当該コイルばね43は、光軸Oに沿う方向(第1方向)において、可動ユニット40のフレーム部材41を固定ユニット50に向けて付勢している。
これにより、複数のコイルばね43は、可動ユニット40と固定ユニット50との平行状態を維持させながら、可動ユニット40のフレーム部材41を固定ユニット50に向けて付勢する。そして、このとき、上述したように、可動ユニット40のフレーム部材41の複数のボール受部44のそれぞれと、固定ユニット50の複数のボール板53のそれぞれとの間にはボール60が介在している。したがって、この構成により、フレーム部材41は、固定ユニット50に対して所定の平面内(光軸Oに直交するXY平面内)で常に円滑に移動することができるように構成される。
なお、本実施形態においては、3つのボール受部44のうち少なくとも1つ、例えば図5に示す符号[7]で示される位置に配設されているボール受部44は、特に、以下のように形成されている。
当該ボール受部44は、図6,図7,図8に示すように、第1基台部44aと、第2基台部44bとの二つの部材によって形成されている。これら第1基台部44a及び第2基台部44bとは、当該ブレ補正装置15が組み立てられた状態とされたときに、図6,図7に示す符号44xで示される接合面において、例えば接着剤等を用いて接着固定されるように構成されている。
第1基台部44aは、可動ユニット40に含まれる固定部分であって、例えば当該可動ユニット40の基本構成部材であるフレーム部材41の一部である。
第2基台部44bは、第1基台部44aと一体的に接続される部材であって、ボール60(転動体)と接触する平面44e(図5参照)と、当該平面44eの周縁に立設される壁部44dとを有する受け皿形状の構成部材である。
ボール60は、上述したように、可動ユニット40のボール受部44の平面と固定ユニット50のボール板53との間に介在している。この場合において、ボール60は、ボール受部44の第2基台部44bの受け皿形状の内部に配置されて、平面44eに接触している。そして、このとき、ボール60は、第2基台部44bの壁部44dによって移動範囲が規制されている。
また、第2基台部44bには、Z軸方向(第1方向)に直交する直交面(即ち平面44e)と平行な面の断面積が、Z軸方向(第1方向)に向かって徐々に大きくなるように形成されるくびれ部44cが設けられている。即ち、当該くびれ部44cは、Z軸方向(第1方向)を含む断面が、同Z軸方向(第1方向)においてラッパ状に広がる傾斜を含むように形成されている。
換言すると、くびれ部44cは、図7に示す断面において、最小幅(図7の符号D2)となる部位から最大幅(図7の符号D1)となる部位に向けて図7の断面とは直交する断面の断面積がZ軸方向に向けて徐々にラッパ状に広がるように形成されている。
可動ユニット40が組み立てられた状態となったとき、ボール受部44においては、Z軸方向(第1方向)において、くびれ部44cの設けられている位置と略同じ高さとなる位置に撮像基板32が配置される。この場合において、撮像基板32は、例えば撮像基板等が相当する。この撮像基板32は、Z軸に直交する直交面に平行に可動ユニット40の例えばフレーム部材41に対して固設されている。
そして、撮像基板32の一部は、Z軸方向(第1方向)の断面において、くびれ部44cと隣接するように配置される。
そのために、撮像基板32には、ボール受部44の一部を挿通配置するための貫通穴32aが穿設されている。即ち、当該ブレ補正装置15が組み立てられた状態となったとき、貫通穴32aには、ボール受部44の第2基台部44bの一部であるくびれ部44cが配置される。このとき、撮像基板32の貫通穴32aには、くびれ部44cの一部であって、図7に示す断面において最小幅(図7の符号D2)となる部位が配置される。そして、当該くびれ部44cは、可動ユニット40に対して固定される第1基台部44aの固定面に平行に固設されている撮像基板32の平面よりも、ボール60が配設されている位置に寄せた位置に形成されている。
したがって、くびれ部44cは、図7に示す断面において最小幅(図7の符号D2)となる部位の幅寸法D2は、撮像基板32の貫通穴32aの幅寸法D3(図7参照)よりも小となるように設定されている(D2<D3)。これと同時に、くびれ部44cは、図7に示す断面において最大幅(図7の符号D1)となる部位の幅寸法D1が、撮像基板32の貫通穴32aの幅寸法D3(図7参照)よりも大となるように設定されている(D1>D3)。
なお、本実施形態においては、ボール受部44のくびれ部44cは、第2基台部44bに形成した例を示しているが、当該くびれ部44cは、第1基台部44aと第2基台部44bとの少なくとも一方に設けられていればよい。したがって、本実施形態の例示とは別の形態として、ボール受部44のくびれ部44cを第1基台部44a側に形成するような形態も考えられる。例えば、図9は、ボール受部44Aにおけるくびれ部44cを第1基台部44a側に形成した形態の変形例を示す図である。
図9に示す変形例においては、可動ユニット40の所定の部位に固定され断面形状がラッパ状の斜面を含むくびれ部44cを有する第1基台部44aと、この第1基台部44aと一体的に接続される受け皿形状の第2基台部44bとによってボール受部44Aが構成されている。
当該ボール受部44Aにおいては、第1基台部44aは、可動ユニット40の所定の部位の固定位置からZ軸方向に平行な方向に突出して形成されている。そして、当該第1基台部44aの突端部近傍には、くびれ部44cが形成されている。このくびれ部44cの形成されている位置は、撮像基板32と略同じ高さの位置となるように、第1基台部44aの突出高さが設定されている。これにより、第1基台部44aのくびれ部44cと、撮像基板32の貫通穴32aとは隣接するように配置される。
一方、ボール受部におけるくびれ部の形状は、上述の例に限られることはなく、他の形状で構成することもできる。例えば、図10はボール受部44Bにおけるくびれ部の形態についての他の変形例を示す図である。
図10に示す変形例においては、ボール受部44のくびれ部は、Z軸方向(第1方向)を含む断面が、同Z軸方向(第1方向)において階段状に変化する断面形状の段差部44ccを有するように形成されている。この段差部44ccは、第1基台部44aの断面の幅寸法D2(図10参照)と、第2基台部44bの断面の幅寸法D1(図10参照)との差によって生じている。そして、当該段差部44ccは、可動ユニット40に対して固定される第1基台部44aの固定面に平行に固設されている撮像基板32の平面よりも、ボール60が配設されている位置に寄せた位置に形成されている。
この場合において、図10に示すように、第1基台部44aの断面の幅寸法D2は、撮像基板32の貫通穴32aの幅寸法D3よりも小となるように設定されている(D2<D3)。同時に、第2基台部44bの断面の幅寸法D1は、撮像基板32の貫通穴32aの幅寸法D3よりも大となるように設定されている(D1>D3)。
他方、本実施形態においては、上述したように(図6~図8参照)、ボール受部44は、第1基台部44aと第2基台部44bとの二部材で形成し、両者は、ブレ補正装置15を組み立てた状態とするとき、例えば接着剤等を用いて接着固定している。ここで、ボール受部44の第1基台部44aと第2基台部44bとの接合は、接着剤等に限られることはない。例えば、図11はボール受部44Cにおける第1基台部44Caと第2基台部44Cbとの接合についての変形例を示す図である。
図11に示す変形例において、ボール受部44Cは、上述の第1の実施形態と同様に、第1基台部44Caと、第2基台部44Cbとの二部材で形成されている。ここで、第1基台部44Caは、可動ユニット40に含まれる固定部分であるのは同様である。
また、第2基台部44Cbは、第1基台部44Caと一体的に接続される部材である。本変形例における第2基台部44Cbは、第1基台部44Caに対し、ビス45等の締結部材によってビス接合されるように構成している。そのために、当該第2基台部44Cbは、上述の第1の実施形態における第2基台部44bとは、その形状が若干異なる。
即ち、本変形例におけるボール受部44Cの第2基台部44Cbは、全体として中空の筒状に形成されており、一部にくびれ部44Ccを備えて形成されている。このくびれ部44Ccは、Z軸方向(第1方向)を含む断面が、同Z軸方向(第1方向)においてラッパ状に広がる傾斜を含んで形成されている。
第2基台部44Cbの一端側には、ボール60と接触する平面板46(図11参照)と略同面積の開口44fを有し、当該平面板46を内部に配設したとき、当該平面板46の周縁を囲むように形成される壁部44Cdを有する受け皿形状部44bbが形成されている。
平面板46は、当該第2基台部44Cbとは別体の部材からなる。この平面板46は、組み立て工程時に、最終的に第2基台部44Cbの受け皿形状部分に配設される。これにより、当該平面板46の表面44Ceは、上記第1の実施形態における平面44eに相当する平面となる。
第2基台部44Cbの他端側には、ビス45のネジ部を挿通させ、当該ビス45の頭部を配設させるビス受部44bcが形成されている。そのために、当該ビス受部44bcは、開口44fに連通する開口44gを有して形成されている。そして、第1基台部44Caの所定の部位には、ビス45に対応するビス孔40aが形成されている。また、当該ビス孔40aに対応する部位には、撮像ユニット30の撮像基板32に貫通穴32aが形成されている。
このような構成により、本変形例において、可動ユニット40を組み立てる際には、まず、フレーム部材41に対して各種所定の構成部材を取り付ける。このとき、フレーム部材41側の所定の位置に設けられた第1基台部44Caのビス孔40aは、撮像ユニット30の撮像基板32の貫通穴32aに対応する位置に配置される。この状態において、第2基台部44Cbのビス受部44bcを、貫通穴32aに挿通させて、第1基台部44Caの対応する位置に配置する。この状態で、ビス45を開口44fより挿通させて、当該ビス45をビス孔40aに螺合させる。これにより、第1基台部44Caと第2基台部44Cbとはビス接合により固定される。このとき、図11に示すように、くびれ部44Ccは、撮像基板32の貫通穴32aに隣接する位置に配置されている。そうして、最後に、開口44fから平面板46を受け皿形状部44bb内に配設する。このとき平面板46は、Z軸に直交する直交面に平行に配置される。
このようなビス接合としても、上述の第1の実施形態で示す接着剤等による接着固定と略同様の作用及び効果を得られる。したがって、二体化して形成されるボール受部においては、第1基台部と第2基台部との接合手段は、接着剤等のほかビス接合でもよく、さらに他の形態の接合手段を用いてもよい。
次に、本実施形態のブレ補正装置15に適用されるアクチュエータは、可動ユニット又は固定ユニットの一方に設けられたコイルと、可動ユニット又は固定ユニットの他方に設けられた磁石とを含んで構成される可動ユニット駆動用のVCM機構である。なお、本実施形態では、可動ユニット40にコイルを設け、固定ユニット50に磁石を配設した形態の構成例を示している。
即ち、本実施形態のブレ補正装置15におけるアクチュエータであるVCM駆動機構は、可動ユニット40を所定の面内(XY平面内)でシフト移動させるための駆動ユニットである。そして、当該VCM駆動機構は、ボイスコイルモータ(Voice Coil Motor;VCM)タイプの磁気式アクチュエータを用いる駆動ユニットを適用している。
具体的には、例えば、VCM駆動機構は、複数の駆動用コイル42と、複数の駆動用磁石52とによって主に構成されている。このうち、複数の駆動用コイル42は、可動ユニット40のフレーム部材41の背面側において周縁領域に固設されている。なお、各駆動用コイル42の空芯部は、光軸O(Z軸)に平行な方向を向くように配置されている(図5等参照)。
また、各駆動用コイル42のそれぞれは、当該ブレ補正装置15を組み立て状態としたときに、固定ユニット50側に設けられる複数の駆動用磁石52のそれぞれに対向するように、フレーム部材41に対してそれぞれが配置されており、当該位置にて固設されている。
次に、固定ユニット50は、VCM駆動機構の他の一部を構成する複数の駆動用磁石52を備え、可動ユニット40に対して積層形態で対向するように配置される固定部であり固定部材である。当該固定ユニット50は、装置本体10の所定の固定部分(不図示)に固設されている。そして、当該固定ユニット50は、可動ユニット40に対して平行となるように、当該可動ユニット40の背面側に対向するように積層させた形態で配置されている。このような構成により、固定ユニット50は、可動ユニット40を光軸O(Z軸)に直交する面(XY平面)に平行な方向に移動自在となるように保持している。当該固定ユニット50の基本的な構成は、従来のブレ補正装置におけるものと略同様である。以下に、固定ユニット50の構成を簡単に説明する。
固定ユニット50は、主に図3等に示すように、フレーム部材51と、複数の駆動用磁石52と、ボール板53と、支柱54等によって構成されている。
フレーム部材51は、当該固定ユニット50の基本構成部であって、全体として略平板状に形成されている。当該フレーム部材51は、前面側にVCM駆動機構の他の一部を構成する複数の駆動用磁石52が固設されており、背面側は装置本体10の固定部分(不図示)に固定支持されている。
フレーム部材51の前面側において、周縁領域の所定の部位には平板状のボール板53が複数形成されている。本実施形態においては、上記ボール受部44に対応させて3つ設けた構成例を示している。
これら複数のボール板53は、それぞれが撮像素子31の受光面(XY平面)に平行な平面部を有して形成されている。当該複数のボール板53は、本ブレ補正装置15を組み立て状態としたとき、可動ユニット40のボール受部44に対向する位置に配置される。そして、上述したように、各ボール板53と各ボール受部44との間にはボール60が挟持される。
また、フレーム部材51の前面側の周辺領域の各所定の位置には、上述したように、VCM駆動機構の他の一部を構成する複数の駆動用磁石52が固設されている。これら複数の駆動用磁石52は、当該ブレ補正装置15を組み立て状態としたとき、可動ユニット40の複数の駆動用コイル42のそれぞれに対向する位置に配置される。
そして、図4に示すように、固定ユニット50と可動ユニット40とを積層した形態で組み込んだ後、可動ユニット40の前面側の周縁領域の一部を覆うように、ヨーク62が配設される。この場合において、ヨーク62は、固定ユニット50の支柱54によって支持されると共に、当該ヨーク62は支柱54に対してビス等によって固定される。このとき、可動ユニット40は、ヨーク62と固定ユニット50との間に挟まれた位置において、XY平面に平行方向にシフト移動自在に配置されている。
また、この状態において、ヨーク62には回転規制ストッパ61が固定されている。この回転規制ストッパ61は、可動ユニット40の駆動制御がなされるときに、フレーム部材41が所定角度以上の回転が行われないように規制するための規制部材である。その他の構成は、従来のブレ補正装置と略同様である。
このように構成された本実施形態のブレ補正装置15において、可動ユニット40を組み立てる際には、まず、フレーム部材41に対して各種所定の構成部材を取り付ける。この場合において、可動ユニット40におけるフレーム部材41と撮像ユニット40とは、互いに平行に積層させた状態で組み立てられる。このとき、フレーム部材41側の所定の位置に設けられた第1基台部44aは、撮像ユニット30の撮像基板32の貫通穴32aに対応する位置に配置される。この状態において、第2基台部44bを、図8の矢印Xで示すように、貫通穴32aに挿通させて、第1基台部44aに接続させて接着固定する。これにより、図7に示すように、くびれ部44cは、撮像基板32に隣接する位置に配置された状態で固定される。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、ボール60(転動体)を受ける転動体受部であるボール受部44は、第1基台部44aと、当該第1基台部44aと一体的に接続されボール60と接触する平面44eを有する第2基台部44bと、により二体構成としている。
そして、第1基台部44a及び第2基台部44bの少なくとも一方(本実施形態では第2基台部44b)には、Z軸方向(第1方向)に向かって、当該Z軸方向(第1方向)と直交する直交面と平行な平面の断面積が徐々大きくなるくびれ部44cを形成している。つまり、くびれ部44cは、Z軸方向(第1方向)を含む断面が、同Z軸方向(第1方向)においてラッパ状に広がる傾斜を含むように形成されている。
なお、変形例として、くびれ部44cは、Z軸方向(第1方向)を含む断面が、Z軸方向(第1方向)において段状に変化する断面形状を含むように形成されている(図9参照)。また、くびれ部44cは、固定ユニット50または可動ユニット40の各平面よりもボール60の配置されている側に形成されている。
そして、固定ユニット50または可動ユニット40には、Z軸方向(第1方向)において、くびれ部44cと略同じ高さの位置に撮像基板32が配置されている。この撮像基板32の一部(貫通穴32a)は、Z軸方向(第1方向)の断面形状において、くびれ部44cと隣接する位置に配置される。
このように構成することにより、本実施形態のブレ補正装置15においては、撮像基板32との干渉を避けるために、ボール受部44を可動ユニット40(又は固定ユニット50)の外方位置に設ける必要がないので、撮像基板等の撮像基板32の大型化の影響を受けることがなく、ボール受部44の配置を常に効率的に行なうことができると共に、装置の大型化を抑止することができる。よって、ブレ補正装置15自体の小型化に寄与することができる。
また、これと同時に、ボール受部44の第2基台部44bの平面44eの必要とする強度を確保しつつ、ボール60の必要とする移動範囲を確実に確保することができる。
なお、本実施形態においては、ボール60(転動体)を受ける転動体受部であるボール受部44は、可動ユニット40側に設けた例を示したが、この構成例に限られることはない。例えば、ボール受部44を固定ユニット50側に設けて構成してもよい。このように、ボール受部44は、固定ユニット50または可動ユニット40の少なくとも一方に設けられていればよい。
また、本実施形態においては、3つのボール受部44のうち少なくとも1つを、詳述したような二体構成として例示しているが、この構成例に限られることはない。他の構成部材との配置関係を考慮して、他の2つのボール受部44についても同様の構成としてもよい。
上述の第1の実施形態は、撮像装置の装置本体内部にブレ補正装置を備えて構成した例を示している。一方、以下に説明する第2の実施形態は、撮像装置に装着されるレンズ鏡筒内部にブレ補正装置を備えて構成した場合の例示である。
[第2の実施形態]
図12は、本発明の第2の実施形態のブレ補正装置を適用した撮像装置の内部構成を簡略化して示す概念図である。なお、図12は、上述の第1の実施形態における図1と同様に、図面の煩雑化を避けるために、本発明に直接関連しない構成部材の図示を省略し、図示する各ユニットを簡略化して示している。
本発明の第2の実施形態のブレ補正装置15Dを適用した撮像装置1Dは、装置本体10Dとレンズ鏡筒20Dとを有して構成される一般的な形態の撮像装置である点において、上述の第1の実施形態と略同様である。したがって、以下の説明では、上述の第1の実施形態のブレ補正装置が適用された撮像装置と異なる点についてのみ詳述し、同様構成については、その説明を省略する。
本実施形態のブレ補正装置15Dは、レンズ鏡筒20Dの内部に具備されている点において、上述の第1の実施形態とは異なる。即ち、本実施形態のブレ補正装置15Dは、レンズ鏡筒20Dに含まれる撮像光学系21の一部の光学レンズ21a等を保持する可動ユニット40Dと、固定ユニット50Dとによって構成されている。そして、本実施形態のブレ補正装置15Dは、撮像光学系21の一部の光学レンズ21a等を保持する可動ユニット40Dを、固定ユニット50Dに対して、光軸O(Z軸)に直交する平面内でシフト移動させるように構成されている。
撮像装置1Dにおける装置本体10Dの構成は、上述の第1の実施形態における撮像装置1(図1参照)に対し、ブレ補正装置15が設けられていない点以外は、全く同様である。したがって、装置本体10Dの内部構成についての詳細説明は省略する。簡略に言うと、装置本体10Dは、撮像素子31と、この撮像素子31を実装した電気基板である撮像基板32等を含み、その他各種の構成ユニット等と、これら各種の構成ユニットを内部に収納する筐体と、この筐体の外表面の所定の位置にそれぞれ配設される複数の操作部材等を有して構成されている。
なお、本実施形態においても、装置本体10Dとレンズ鏡筒20Dとは分離できるようなレンズ交換式の構成であってもよいし、レンズ鏡筒20Dが装置本体10Dと一体に構成されるレンズ一体式の構成であってもよい。
一方、撮像装置1Dに装着若しくは固設されるレンズ鏡筒20Dは、基本的には、上述の第1の実施形態における撮像装置1のレンズ鏡筒20と略同様構成を有するものであり、上述したように、本実施形態のブレ補正装置15Dを内部に備えて構成されている点が異なる。
即ち、当該レンズ鏡筒20Dは、全体として略円筒形状で中空の鏡筒部材からなる筐体と、当該鏡筒内部に設けられる複数の構成ユニットを有して構成されている。ここで、レンズ鏡筒20Dの内部に設けられる複数の構成ユニットとしては、例えば、複数の光学レンズからなる撮像光学系21と、この撮像光学系21を構成する複数の光学レンズのそれぞれを保持する複数のレンズ保持部材(不図示)と、所定の光学レンズを保持するレンズ保持部材を焦点調節動作や変倍動作を行なうために、光軸Oに沿う方向へと進退移動させるフォーカス駆動機構(不図示)やズーム駆動機構等(不図示)等のほか、本実施形態のブレ補正装置15D等がある。
以下、本実施形態のブレ補正装置15Dの概略構成について説明する。図13~図15は、本実施形態のブレ補正装置を示す図である。このうち図13は本実施形態のブレ補正装置が組み立てられた状態の外観斜視図である。図14は本実施形態のブレ補正装置の分解斜視図である。図15は本実施形態のブレ補正装置における固定ユニットの一部であって、ボール受部近傍を示す要部拡大斜視図である。
本実施形態のブレ補正装置15Dは、撮像光学系21の一部の光学レンズ21a等を保持する可動ユニット40D(可動部)を、固定ユニット50D(固定部)に対して光軸O(Z軸)に直交する直交面(XY平面)内でシフト移動させることで像振れ補正を行なうための組立体(構成ユニット)である。本実施形態のブレ補正装置15Dは、基本的には上述の第1の実施形態のブレ補正装置15と略同様である。したがって、本実施形態のブレ補正装置15Dの構成の説明は、以下に簡単に示すに留める。
即ち、当該ブレ補正装置15Dは、図13等に示すように、光学レンズ21aを保持する可動ユニット40Dと、固定ユニット50D等によって主に構成されている。ここで、光学レンズ21aは、撮像光学系21の一部の光学レンズであり、像振れ補正処理を行なう可動対象となる光学素子である。
可動ユニット40Dは、アクチュエータであるVCM駆動機構の一部を構成する複数の駆動用磁石52と、光学レンズ21aと、これらを一体に固設してなる基本構成部材であるフレーム部材41D等によって構成されている。
当該可動ユニット40Dは、駆動用磁石52及び駆動用コイル42等からなるアクチュエータ(VCM駆動機構)によって、固定ユニット50Dに対して撮像光学系21の光軸O(Z軸)方向に対して垂直な平面(XY平面)内で移動される可動部であり可動部材である。
可動ユニット40Dは、固定ユニット50Dに対して光軸O(Z軸方向;第1方向)に沿う方向に平行に並べて積層させた形態で配置され、かつ上記固定ユニット50Dに対して光軸Oに直交する直交面(XY平面)に平行な方向に移動自在に構成されている。
このような構成を採ることにより、本ブレ補正装置15Dは、所定の像振れ補正信号に基いて、可動ユニット40Dを固定ユニット50Dに対して、像振れがキャンセルされる方向への駆動制御を行って像振れ補正効果を得る。
可動ユニット40Dは、主に図13~図15等に示すように、フレーム部材41Dと、複数の駆動用磁石52と、光学レンズ21a等によって構成されている。
フレーム部材41Dは、当該可動ユニット40Dの基本構成部材であって、全体として略平板状の硬質部材によって形成されている。このフレーム部材41Dは、略中央部分に貫通孔41Daを有し、この貫通孔41Daには光学レンズ21aが配置され、一体に保持されている。また、フレーム部材41Dには、光学レンズ21aの周縁の所定の領域に、アクチュエータ(VCM駆動機構)の一部を構成する複数の駆動用磁石52が固設されている。この複数の駆動用磁石52は、フレーム部材41Dの一方の面(固定ユニット50Dに対向する側の面;以下、背面側という)の所定の位置にそれぞれ固設されている。そして、これら複数の駆動用磁石52は、当該ブレ補正装置15Dが組み立てられた状態となった時、固定ユニット50Dの複数の駆動用コイル42に対向するように配置される。
また、フレーム部材41Dの背面側(固定ユニット50Dに対向する側)には、複数のボール板(不図示)が配設されている。これら複数のボール板(不図示)は、当該ブレ補正装置15Dが組み立て状態とされて、可動ユニット40Dと固定ユニット50Dとが所定の形態で積層状態に配置された状態となったとき、当該可動ユニット40D側のボール板(不図示)のそれぞれは、固定ユニット50D側の複数のボール受部44D(後述する)のそれぞれに対向する位置に配置される。この場合において、複数のボール板(不図示)と複数のボール受部44Dとのそれぞれの間には、それぞれにボール60が配設されている(図14,図15参照)。
一方、固定ユニット50Dは、VCM駆動機構の他の一部を構成する複数の駆動用コイル42を備え、可動ユニット40Dに対して積層形態で対向するように配置される固定部であり固定部材である。当該固定ユニット50Dは、レンズ鏡筒20の所定の固定部分(不図示)に固設されている。そして、当該固定ユニット50Dは、可動ユニット40Dに対して平行となるように、当該可動ユニット40Dの背面側に対向するように積層させた形態で配置されている。このような構成により、固定ユニット50Dは、可動ユニット40Dを光軸O(Z軸)に直交する面(XY平面)に平行な方向に移動自在となるように保持している。当該固定ユニット50Dの基本的な構成は、従来のブレ補正装置におけるものと略同様である。以下に、固定ユニット50Dの構成を簡単に説明する。
固定ユニット50Dは、主に図13等に示すように、フレーム部材51Dと、複数の駆動用コイル42と、複数のボール受部44D等によって構成されている。
フレーム部材51Dは、当該固定ユニット50Dの基本構成部であって、全体として略平板状に形成されている。当該フレーム部材51Dの略中央部には、撮像光学系21を透過する光束を通過させるための貫通穴51Daが形成されている。この貫通穴51Daの中心と、光軸Oとが略一致するように、固定ユニット50は、レンズ鏡筒20の内部に配置され固定される。
当該フレーム部材51Dの前面側には、VCM駆動機構の他の一部を構成する複数の駆動用コイル42と、複数のボール受部44Dとが、それぞれ所定の位置に固設されている。
複数のボール受部44Dは、転動体であるボール60を受ける転動体受部として機能する構成部位である。なお、本実施形態においては、複数のボール受部44Dを3つ設けた構成例を示している。
これらボール受部44D自体の構成は、上述の第1の実施形態と略同様である。本実施形態においては、ボール受部44Dは、例えばフレーム部材51の前面側において、貫通穴51Daの周縁領域にそれぞれ配設されている。
なお、可動ユニット40Dと固定ユニット50Dとの間は、例えば緊縮性の複数のコイルばね43で連結されている。当該コイルばね43は、光軸Oに沿う方向(Z軸方向;第1方向)において、可動ユニット40Dのフレーム部材41Dを固定ユニット50Dのフレーム部材51に向けて付勢している。これらの構成は、上述の第1の実施形態と略同様である。
なお、本実施形態においては、3つのボール受部44Dのうち少なくとも1つ、例えば図14において符号[15]で示される位置及び図15に示す位置に配設されているボール受部44Dは、特に、以下のように形成されている。
即ち、当該ボール受部44Dは、第1基台部44Daと、第2基台部44Dbとの二つの部材によって形成されている。このうち第1基台部44Daは、2つの駆動用コイル42に挟まれる位置に配置されている。また、第2基台部44Dbは、第1基台部44Daと一体的に接続され、ボール60と接触する平面44Deを有して構成されている。
この場合において、例えば、第2基台部44Dbには、くびれ部(不図示)が形成されている。このくびれ部が形成されていることによって、ボール受部44Dは、駆動用コイル42との干渉を回避している。その他の構成は、上述の第1の実施形態と略同様である。
以上のように構成した上記第2の実施形態においても、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態においては、アクチュエータ(VCM機構)の駆動用磁石52を可動ユニット40D側に設け、駆動用コイル42を固定ユニット50D側に設けた構成としているが、この構成に限られることはない。例えば、上述の第1の実施形態と同様に、駆動用コイル42を可動ユニット40D側に設け、駆動用磁石52を固定ユニット50D側に設けて構成してもよい。
また、本実施形態においては、ボール60(転動体)を受ける転動体受部であるボール受部44Dを固定ユニット50D側に設けた例を示したが、この構成例に限られることはない。例えば、ボール受部44Dを、上述の第1の実施形態と同様に、可動ユニット40側に設けて構成してもよい。このように、ボール受部44Dは、固定ユニット50または可動ユニット40の少なくとも一方に設けられていればよい。
ところで、上述の第1の実施形態においては撮像装置1における装置本体10側にブレ補正装置15を備えて構成した例を示し(図1~図11)、上述の第2の実施形態においては撮像装置1Dにおけるレンズ鏡筒20D側にブレ補正装置15Dを備えて構成した例を示している(図12~図15)。しかしながら、本発明のブレ補正装置を適用する撮像装置の構成としては、これらの構成例に限られることはない。
例えば、図16は、本発明のブレ補正装置を備えた撮像装置についての変形例を示す概念図である。
図16に示す撮像装置1Eは、上記第1の実施形態における装置本体10(内部にブレ補正装置15を具備している)に対し、上記第2の実施形態におけるレンズ鏡筒20D(内部にブレ補正装置15Dを具備している)を装着した形態の撮像装置の構成例を示す概念図である。
このように、装置本体10とレンズ鏡筒20Dのそれぞれに、ブレ補正装置15,15Dを備えて構成した撮像装置1Eを構成することができる。この構成の場合、装置本体10のブレ補正装置15と、レンズ鏡筒20Dのブレ補正装置15Dとを協働させて制御することにより、より効果的なブレ補正処理を行うことができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施することができることは勿論である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この発明は、添付のクレームによって限定される以外にはそれの特定の実施態様によって制約されない。