JP7276080B2 - 異常判定装置 - Google Patents
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Description
本発明は、電気経路に流れる電流を検出する電流センサの異常判定装置に関するものである。
電気負荷に安定して電力を供給するために、電気負荷に2つの蓄電池を接続し、スイッチをオンオフすることで蓄電池の放電を制御する電源装置が知られている。例えば、特許文献1の電源装置は、第1蓄電池と第2蓄電池とを備えており、各電気経路に設けられたスイッチのオンオフにより各蓄電池から電気負荷に電力を供給する。各蓄電池から電気負荷へ電力を供給する各電気経路には、電流センサが設けられている。そして、電流センサにより各電気経路に流れる電流を検出している。
ところで、電流センサが異常値を検出した場合には、電気経路に流れる電流の異常であるのか、電流センサ自体の異常であるのかを特定する必要がある。そのため、電流センサに異常が生じていないかを確認することが望ましい。この場合、電気経路に流れる電流を同じ位置で2つの電流センサで検出し、この2つの値を比較すれば、センサ異常の有無を確認することができるが、反面、コストが増えることが懸念される。そこで、各電気経路に設けられる電流センサの異常判定について改善の余地があると考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、構成の簡素化を図りつつ適切に電流センサの異常を判定する異常判定装置を提供することにある。
第1の手段では、電気負荷に対してそれぞれ並列に接続される第1蓄電池及び第2蓄電池と、前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池を繋ぐ電気経路において前記電気負荷との接続点よりも前記第1蓄電池側に設けられた第1スイッチと、前記電気経路において前記接続点よりも前記第2蓄電池側に設けられた第2スイッチと、前記第1スイッチに流れる電流を検出する第1電流センサと、前記第2スイッチに流れる電流を検出する第2電流センサと、を有する電源装置に適用され、前記電気負荷への通電時において、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのうちオンにするスイッチを切り替えるスイッチ切替を実施する場合に、それら両スイッチを一時的に共にオンにする重複期間を設けた上で当該スイッチ切替を実施するスイッチ制御部と、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのうち一方のスイッチがオン状態であるときに、当該オン状態であるスイッチを介して前記電気負荷に流れ、かつ前記第1電流センサ及び前記第2電流センサのうち一方の電流センサで検出される電流を負荷電流として取得する負荷電流取得部と、前記重複期間に、前記各スイッチに流れ、かつ前記各電流センサで検出される電流を重複電流として取得する重複電流取得部と、前記負荷電流取得部により取得した前記負荷電流と前記重複電流取得部により取得した前記重複電流とに基づいて、前記電流センサのいずれかに異常が発生しているかを判定する異常判定部と、を備えている。
電気負荷に対して第1蓄電池と第2蓄電池が並列に接続された電源装置では、一方のスイッチ(第1スイッチ)をオンして第1蓄電池から電気負荷に電力供給される状態と他方のスイッチ(第2スイッチ)をオンして第2蓄電池から電気負荷に電力供給される状態とを切り替えるスイッチ切替が実施される。
オンにするスイッチが切り替えられる際(スイッチ切替が実施される際)、電気負荷に対する電源失陥を抑制するために、両方のスイッチが一時的に同時にオンになる重複期間が設けられている。この重複期間には、第1蓄電池及び第2蓄電池のうち電圧の高い方の蓄電池から電圧の低い方の蓄電池及び電気負荷に電流が流れる。これにより、重複期間には、重複電流として、一方の電流センサでは電気負荷に流れる負荷電流と各蓄電池間に流れる電流との合計電流が検出され、他方の電流センサでは、各蓄電池間に流れる電流が検出される。つまり、一方の電流センサで検出した重複電流(正の向きの電流)と他方の電流センサで検出した重複電流(負の向きの電流)とを加算すれば、電気負荷に流れる負荷電流と同じ値になる。そのため、これらの電流を用いれば、同じ真値となる電流同士を比較することができる。
そこで、第1スイッチ及び第2スイッチのうち一方がオン状態であるときに、電気負荷に流れる電流を負荷電流として取得し、重複期間には、各スイッチに流れる電流を重複電流として取得する。そして、電気負荷に流れる負荷電流と重複期間に各スイッチに流れる重複電流とに基づいて、電流センサの一方に異常が発生しているかを判定する。そのため、各蓄電池と電気負荷の間にそれぞれ1つずつしか電流を検出する電流センサが設けられていなくても、適切に異常を判定することができる。
第2の手段では、異常判定部は、前記スイッチ切替の前において前記電気負荷に流れる電流が安定状態にあることを条件として、前記負荷電流と前記重複電流とに基づいて、前記各電流センサのいずれかに異常が発生しているかを判定する。
オンにするスイッチを切り替える前において、電気負荷に流れる電流が安定している状態であることを条件として、各電流センサのいずれかに異常が発生しているかを判定する。これにより、負荷電流を取得した時点と重複電流を取得した時点とでは、電気負荷に流れる電流に変動がほとんどない状態となる。そのため、重複期間中に各電流センサで検出した重複電流と負荷電流とを比較する際に、誤差を少なくすることができ、より適切に異常を判定することができる。
第3の手段では、前記第1蓄電池の電圧である第1電圧と、前記第2蓄電池の電圧である第2電圧との電位差が所定値より小さいかを判定する電位差判定部を備えており、前記異常判定部は、前記電位差判定部により前記電位差が所定値より小さいことを条件として、前記負荷電流と前記重複電流とに基づいて、前記各電流センサに異常が発生しているかを判定する。
第1蓄電池の電圧である第1電圧と、第2蓄電池の電圧である第2電圧との電位差が、大きすぎる場合には、各スイッチに流れる電流が各電流センサで検出できる範囲を超えることがある。この場合には、重複電流が電流センサの検出できる値の上限値となってしまい、正確な値を検出することができず、負荷電流との比較をした際に誤って異常と判定してしまうことがある。そこで、第1電圧と第2電圧との電位差が所定値より小さいと判定されたことを条件として、負荷電流と重複電流とに基づいて、異常が発生しているかを判定する。これにより、各電流センサが検出可能な範囲で、各電流センサの異常をより適切に判定することができる。
第4の手段では、前記各電流センサの異常の種類として、検出値がオフセット誤差を有しているオフセット異常と、前記検出値がゲイン誤差を有しているゲイン異常とがあり、前記異常判定部は、前記電気経路において電流が流れる方向がどちら向きでも前記電流センサで異常が発生していると判定した場合において、前記重複期間における前記第1電流センサと前記第2電流センサの検出値の絶対値の差と、前記負荷電流とを比較し、その比較結果に基づいて、前記オフセット異常であるか、前記ゲイン異常であるかを判定する。
各電流センサの異常の種類として、検出値がオフセット誤差を有しているオフセット異常と、検出値がゲイン誤差を有しているゲイン異常とがある。異常の種類が異なる場合には、補正の仕方も異なるため、異常の種類を特定することが望ましい。
そこで、各電流センサのいずれかに異常が発生している場合に、異常の種類を特定する。重複期間における第1電流センサと第2電流センサの検出値の絶対値の差と負荷電流とを比較し、その比較結果に基づいて異常の種類を特定する。例えば、電流の向きに依らず、重複期間の絶対値の差と負荷電流との電流差が同じであれば、オフセット異常であると判定し、電流の向きによって電流差が異なれば、ゲイン異常であると判定する。そして、電流センサの異常の種類に応じて、補正をすることができる。そのため、電流センサに異常が発生した場合であっても、補正をして電流を検出することができる。
<第1実施形態>
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、エンジン(内燃機関)を駆動源として走行する車両において、当該車両の各種機器に電力を供給する車載電源装置として具体化するものとしている。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、エンジン(内燃機関)を駆動源として走行する車両において、当該車両の各種機器に電力を供給する車載電源装置として具体化するものとしている。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
図1に示すように、車載電源装置は、鉛蓄電池11とリチウムイオン蓄電池12とを有する電源装置である。各蓄電池11,12からは、エンジンを始動させる始動装置13と、各種の電気負荷14,15とへの給電が可能となっている。電気負荷14に対して並列に鉛蓄電池11及びリチウムイオン蓄電池12が接続される。本実施形態では、鉛蓄電池11が「第1蓄電池」相当し、リチウムイオン蓄電池12が「第2蓄電池」に相当する。
鉛蓄電池11は周知の汎用蓄電池である。リチウムイオン蓄電池12は、鉛蓄電池11に比べて、充放電における電力損失が少なく、出力密度、及びエネルギ密度の高い高密度蓄電池である。リチウムイオン蓄電池12は、鉛蓄電池11に比べて充放電時のエネルギ効率が高い蓄電池であるとよい。また、リチウムイオン蓄電池12は、それぞれ複数の単電池を有してなる組電池として構成されている。リチウムイオン蓄電池12の定格電圧は、鉛蓄電池11と同じであり、例えば12Vである。
リチウムイオン蓄電池12は、収容ケースに収容されて基板一体の電池ユニットUとして構成されている。図1では、電池ユニットUを破線で囲んで示す。電池ユニットUは、外部端子P1,P2を有しており、このうち外部端子P1に配線を介して鉛蓄電池11と始動装置13と電気負荷15とが接続され、外部端子P2に配線を介して電気負荷14が接続されている。なお、電池ユニットU及び鉛蓄電池11が「電源装置」に相当する。
電気負荷14には、供給電力の電圧が一定であることが要求される定電圧要求負荷が含まれる。ここで、供給電力の電圧が一定であることとは、電源失陥が許容されないことを意味し、あらかじめ決められた範囲内で電圧が変動することも含まれている。定電圧要求負荷である電気負荷14の具体例としては、ナビゲーション装置やオーディオ装置、エンジンECU等の各種ECUが挙げられる。この場合、供給電力の電圧変動が抑えられることで、上記各装置において不要なリセット等が生じることが抑制され、安定動作が実現可能となっている。なお、電気負荷14として、電動ステアリング装置やブレーキ装置等の走行系アクチュエータが含まれていてもよい。
電気負荷15は、定電圧要求負荷以外の一般的な電気負荷である。電気負荷14の具体例としては、シートヒータやリヤウインドウのデフロスタ用ヒータ、ヘッドライト、フロントウインドウのワイパ、空調装置の送風ファン等が挙げられる。
次に、電池ユニットUについて説明する。電池ユニットU内の電気経路として、外部端子P1とリチウムイオン蓄電池12とを繋ぐ、つまり鉛蓄電池11及びリチウムイオン蓄電池12を繋ぐ電気経路L1が設けられている。また、電気経路L1上の分岐点N11と外部端子P2とを繋ぐ電気経路L2が設けられている。つまり、分岐点N11は、電気経路L1における電気負荷14との接続点になっている。そして、電気経路L1において、分岐点N11よりも外部端子P1側には、スイッチSW1が設けられている。また、電気経路L1において、分岐点N11よりもリチウムイオン蓄電池12側には、スイッチSW2が設けられている。なお、スイッチSW1が「第1スイッチ」に相当し、スイッチSW2が「第2スイッチ」に相当する。
各スイッチSW1,SW2は、それぞれ2つ一組のMOSFET21を有している。その2つ一組のMOSFET21の寄生ダイオードが互いに逆向きになるように直列に接続されている。なお、各スイッチSW1,SW2に用いる半導体スイッチング素子として、MOSFET21に代えて、IGBTやバイポーラトランジスタ等を用いることも可能である。IGBTやバイポーラトランジスタを用いた場合には、上記寄生ダイオードの代わりとなるダイオードをそれぞれ並列に接続させればよい。また、各スイッチSW1,SW2に用いられるスイッチ素子は、半導体スイッチング素子ではなく、機械的なスイッチであってもよい。
電池ユニットUは、各スイッチSW1,SW2を制御する制御装置であるECU31を備えている。ECU31は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイコンにより構成されている。ECU31は、各蓄電池11,12の蓄電状態等に基づいて、各スイッチSW1,SW2等を制御する。例えば、ECU31は、鉛蓄電池11とリチウムイオン蓄電池12とを選択的に用いて充放電を実施する。ECU31は、CAN等の通信ネットワークにより他の制御装置に接続されて相互に通信可能となっており、各種データが互いに共有できるものとなっている。
ECU31は、各蓄電池11,12の蓄電状態等に基づいて、オンにするスイッチを各スイッチSW1,SW2で切り替える制御を行う。電気負荷14が定電圧要求負荷であるため、各スイッチSW1,SW2を切り替える際に、電気負荷14に対する電源失陥を抑制する必要がある。そこで、ECU31は、スイッチSW1及びスイッチSW2のうち一方をオンにした状態から他方をオンにした状態に切り替えるスイッチ切替を実施する場合に、それら両スイッチSW1,SW2を一時的に共にオンにする重複期間Tを設けた上で、当該スイッチ切替を実施する。
また、スイッチSW1の直列に接続された2つのMOSFET21の間には、スイッチSW1に流れる電流を検出する第1電流センサ25Aが設けられている。また、スイッチSW2の直列に接続された2つのMOSFET21の間には、スイッチSW2に流れる電流を検出する第2電流センサ25Bが設けられている。各電流センサ25A,25Bは、シャント抵抗26と、シャント抵抗26の両端に接続されたアンプ27とをそれぞれ有している。アンプ27は、シャント抵抗26の両端での端子間電圧を検出し、その検出した検出値を所定のゲインで増幅する。そして、アンプ27で所定のゲインで増幅された検出値がECU31に出力される。ECU31は、各電流センサ25A,25Bで検出した検出値に基づいて、各スイッチSW1,SW2に流れる電流及び電流の向きを取得する。そして、ECU31で各電流センサ25A,25Bが異常値を検出した場合には、ECU31は所定のフェイルセーフ処理を行う。
ところで、各電流センサ25A,25Bが異常値を検出した場合には、各スイッチSW1,SW2に流れる電流の異常であるのか、電流センサ25A,25B自体の異常であるのかを特定する必要がある。そのため、電流センサ25A,25Bに異常が生じていないかを確認することが望ましく、2つの電流センサ25A,25Bで同じ電流を検出して比較できることが望ましい。そこで、本実施形態では、重複期間Tに流れる電流を用いて、電流センサ25A,25Bの異常検出を行う。
重複期間Tに流れる電流について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、鉛蓄電池11の電圧がリチウムイオン蓄電池12の電圧よりも高い場合の重複期間Tにおける電流の流れを示す概略図である。図3は、各電流センサ25A,25Bが正常な場合の重複期間Tのタイムチャートである。なお、図2において、破線で示す電流は、スイッチ切替を実施する前に、リチウムイオン蓄電池12から電気負荷15に流れる負荷電流Iaを示しており、実線で示す電流は、重複期間Tの間に鉛蓄電池11から流れる重複電流Itを示している。また、図3において、実線で示す検出電流I1は、第1電流センサ25Aで検出された値を示し、破線で示す検出電流I2は、第2電流センサ25Bで検出された値を示す。なお、各電流センサ25A,25Bは、各蓄電池11,12から電気負荷15に流れる電流(放電電流)を正としている。
図2及び図3では、当初リチウムイオン蓄電池12から電気負荷15に負荷電流Iaが流れていたが、リチウムイオン蓄電池12の電圧低下に伴い、スイッチ切替を実施した場合を想定している。各スイッチSW1,SW2が共に一時的にオンになる重複期間Tには、鉛蓄電池11及びリチウムイオン蓄電池12のうち電圧の高い方の蓄電池から電圧の低い方の蓄電池及び電気負荷14に電流が流れる。具体的には、鉛蓄電池11の電圧がリチウムイオン蓄電池12の電圧よりも高くなっていると、重複電流Itが鉛蓄電池11から流れる。この重複電流Itとして、スイッチSW1で検出される重複電流It1と、スイッチSW2で検出される重複電流It2とがある。スイッチSW1では、重複期間Tに流れる重複電流It1として、鉛蓄電池11から電気負荷15に流れる負荷電流Iaと、鉛蓄電池11からリチウムイオン蓄電池12に流れる蓄電池間電流Ibとを合わせた電流が流れる。また、スイッチSW2では、重複期間Tに流れる重複電流It2として、鉛蓄電池11からリチウムイオン蓄電池12に流れる蓄電池間電流Ibが流れる。
図3に示すように、タイミングt1より前では、第2電流センサ25Bは、スイッチSW2に流れる負荷電流Iaを検出し、検出値Y1を出力する。一方で、第1電流センサ25Aは、スイッチSW1に電流が流れていないため、検出値X1として0を出力する。タイミングt1で、オン状態にするスイッチを切り替えるために、両スイッチSW1,SW2がオン状態となる。この状態では、第1電流センサ25Aは、スイッチSW1に流れる負荷電流Iaと蓄電池間電流Ibとを合わせた電流を検出し、過渡状態を経過後に検出値X2を出力する。第2電流センサ25Bは、スイッチSW2に流れる蓄電池間電流Ibを検出し、過渡状態を経過後に検出値Y2を出力する。検出値X2は正の電流であり、検出値Y2は負の電流である。そして、所定の重複期間Tが過ぎると、タイミングt2で、スイッチSW2がオフになる。第2電流センサ25Bは、過渡状態を経過後にスイッチSW2には電流が流れていないため、検出値Y3として0を出力する。一方、第1電流センサ25Aは、スイッチSW1に流れる負荷電流Iaを検出し、過渡状態を経過後に検出値X3を出力する。
ここで、重複期間Tの間にスイッチSW1に流れる重複電流It1は、負荷電流Iaと蓄電池間電流Ibとを合わせた電流であり、スイッチSW2に流れる重複電流It2は、蓄電池間電流Ibである。この際、スイッチSW1に流れる重複電流It1とスイッチSW2に流れる重複電流It2とは、正負が逆の電流になっている。これにより、重複電流It1から蓄電池間電流Ib、つまり重複電流It2を除くと、負荷電流Iaとなる。そのため、重複期間Tの検出値X2の絶対値と検出値Y2の絶対値との差を求めると、検出値Y1と同じになる。つまり、|X2|-|-Y2|=Y1となる。そこで、重複期間Tの各重複電流It1,It2の検出値X2,Y2と、負荷電流Iaの検出値Y1とを用いれば、同じ電流を示す検出値を比較することができ、同じ位置に複数の電流センサが設けられていなくても、適切に異常を判定することができる。なお、検出値X2と検出値Y2は、正負が逆になっていることから、検出値X2と検出値Y2との和は、検出値Y1と同じになる(X2+(-Y2)=Y1)。
図4は、電流センサ25A,25Bの異常を判定するフローチャートである。本フローチャートによる処理は、ECU31により、周期的に実行される。なお、本処理を実施するECU31が異常判定装置に相当する。
S11では、スイッチ切替の要求があるかを判定する。各蓄電池11,12の蓄電状態等に基づいて、オン状態にするスイッチを切り替える要求があるかを判定する。
S11でスイッチ切替の要求がないと判定した場合(S11:No)、S12では、負荷電流Iaを取得し、記憶する。電気負荷14への通電時でおいて、各スイッチSW1,SW2のうちオン状態のスイッチ側の電流センサで検出した検出電流を取得する。また、S13では、オフ状態のスイッチ側の電流センサで検出した検出電流を取得する。オフ状態で、電流が流れていないことを確認するためである。そして、処理を終了する。なお、S12が負荷電流取得部に相当する。
S11で、スイッチ切替の要求があると判定した場合(S11:Yes)、S21では、各蓄電池11,12の一方から電気負荷14に流れる電流が安定状態かを判定する。スイッチ切替を行う際に、電気負荷14の要求電力に変動がある状態、つまり電流が不安定な状態では、スイッチ切替を実施しないことが望ましい。そこで、電気負荷14に流れる電流が安定状態しているかを判定する。具体的には、所定時間内の負荷電流Iaの変動量(ピーク値-ボトム値)が所定範囲内である場合に、電気負荷14に流れる電流が安定状態であると判定する。なお、電気負荷14からの要求電力が一定である場合に、各蓄電池11,12から電気負荷14に流れる電流が安定していると判断してもよい。また、電気負荷14からの要求電力に変動があった場合には、変動があった時点から所定時間は過渡状態で不安定であるとみなしてもよい。S21で、各蓄電池11,12の一方から電気負荷14に流れる電流が安定していないと判定した場合(S21:No)、処理を終了する。
S21で、電気負荷14に流れる電流が安定状態であると判定した場合(S21:Yes)、S22では、スイッチ切替指令を出力する。具体的には、各スイッチSW1,SW2のうちスイッチ切替前にオフ状態のスイッチをオンにする指令を出力し、各スイッチSW1,SW2をオン状態にする。また、スイッチ切替前にオン状態のスイッチに重複期間Tの経過後にオフにする指令を出力する。なお、S22がスイッチ制御部に相当する。
S23では、各スイッチSW1,SW2における重複電流It1,It2を取得する。スイッチを切り替えたことによる過渡状態を経過後に、各スイッチSW1,SW2における重複電流It1、It2を取得する。S24では、各重複電流It1,It2及び負荷電流Iaに基づいて、重複期間Tと非重複期間とで各電流センサ25A,25Bによる検出電流の差を電流差ΔIとして算出する。重複期間Tの各電流センサ25A,25Bでの一方の検出値の絶対値と他方の検出値の絶対値との差を求め、判定用電流値として算出する。そして、この判定用電流値と負荷電流Iaとの電流差ΔIを算出する。例えば、図3では、電流差ΔI=|X2|-|-Y2|-Y1になる。なお、S23が重複電流取得部に相当する。
S25では、S24で算出した電流差ΔIが閾値よりも大きいかを判定する。閾値は、各電流センサ25A,25Bが有している最大公差を足し合わせた値に所定のマージンを足した値とするとよい。つまり、S25では、各電流センサ25A,25Bの公差の範囲よりも大きい電流差ΔIがあるかを判定する。
S25で、電流差ΔIが閾値よりも小さいと判定した場合(S25:No)、各電流センサ25A,25Bに異常はないと判定し、処理を終了する。S25で、電流差ΔIが閾値よりも大きいと判定した場合(S25:Yes)、S26では、異常検出回数を1回増加させる。S27では、異常検出回数が検出閾値よりも大きくなったかを判定する。検出閾値は、複数回異常を検出し、異常が一時的なものではないことを確認するために設定される。検出閾値は、例えば3回程度に設定される。異常検出回数は、電流の向き毎にカウントされる。そして、一方の電流の向き又は両方の電流の向きで異常を検出閾値より多く検出した場合に、異常が有ると判定する。なお、異常検出回数を電流の向き毎ではなく、電流の向きにかかわらず異常検出回数をカウントするようにしてもよい。また、S21,S25、S27が異常判定部に相当する。
S27で、異常検出回数が検出閾値よりも小さいと判定した場合(S27:No)、処理を終了する。また、S27で、異常検出回数が検出閾値よりも大きいと判定した場合(S27:Yes)、S28では、異常が有ると判定し、異常に対するフェイルセーフ処理を行う。具体的には、異常を通知するようにしたり、各スイッチSW1,SW2に流れる電流に制限をかけたりする。
このようにして、オンにするスイッチを切り替えられる際に、各電流センサ25A,25Bの異常判定処理を実施することができる。重複期間Tに流れる電流及び負荷電流Iaを用いることで、各スイッチSW1,SW2に流れる電流を検出する電流センサを増やすことなく、異常を判定することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
スイッチSW1及びスイッチSW2のうち一方がオン状態であるときに、電気負荷14に流れる電流を負荷電流Iaとして取得し、重複期間Tには、各スイッチSW1,SW2に流れる電流を重複電流Itとして取得する。そして、電気負荷14に流れる負荷電流Iaと、重複期間Tに各スイッチSW1,SW2に流れる重複電流It1,It2とに基づいて、電流センサ25A,25Bの一方に異常が発生しているかを判定する。重複期間中に一方の電流センサの検出値の絶対値と他方の電流センサの検出値の絶対値との差と、電気負荷14に流れる負荷電流Iaとを比較することで、電流センサ25A,25Bに異常が生じているかを判定することができる。そのため、各蓄電池11,12と電気負荷14の間にそれぞれ1つずつしか電流を検出する電流センサが設けられていなくても、適切に異常を判定することができる。
オンにするスイッチを切り替える前であって、電気負荷14に流れる電流が安定している状態であることを条件として、各電流センサ25A,25Bのいずれかに異常が発生しているかを判定する。これにより、負荷電流Iaを取得した時点と重複電流Itを取得した時点とでは、電気負荷14に流れる電流に変動がほとんどない状態となる。そのため、重複期間T中に各電流センサ25A,225Bで検出した重複電流Itと負荷電流Iaとを比較する際に、誤差を少なくすることができ、より適切に異常を判定することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、各電流センサ25A,25Bの異常が判定された場合に、その異常の種類に応じて補正を行う構成としている。なお、異常判定等の処理や回路構成等は、第1実施形態と同様のためその説明を省略する。
第2実施形態では、各電流センサ25A,25Bの異常が判定された場合に、その異常の種類に応じて補正を行う構成としている。なお、異常判定等の処理や回路構成等は、第1実施形態と同様のためその説明を省略する。
各電流センサ25A,25Bの異常の種類として、検出値がオフセット誤差を有しているオフセット異常と、検出値がゲイン誤差を有しているゲイン異常とがある。異常の種類が異なる場合には、補正の仕方も異なるため、異常の種類を判定し、補正することが望ましい。
ここで、オフセット誤差とゲイン誤差について説明する。オフセット誤差は、検出値において真値が正か負かにかかわらず、正負いずれかの偏差が生じる誤差である。例えば正の偏差の場合には、検出値の正負にかかわらず、真値にその正の偏差が加わって出力されることになる。具体的には、偏差が+2である場合に、真値が10であれば検出値が12(10+2)になるのに対し、真値が-10であれば検出値が-8(-10+2)になる。これに対して、ゲイン誤差は、アンプ27のゲインのばらつきに起因するものであり、検出値において真値が正か負かに応じて正負異なる向きに生じる誤差である。つまり、正の検出値の場合には設定されたゲインと異なるゲインで正の端子間電圧が増幅されるため、検出値に正のゲイン誤差が加わる一方、負の検出値の場合には設定されたゲインと異なるゲインで負の端子間電圧が増幅されるため、検出値に負のゲイン誤差が加わる。
図5は、第1電流センサ25Aがオフセット異常になっている場合の電流変化を示すタイムチャートである。図5(a)は、鉛蓄電池11の電圧がリチウムイオン蓄電池12の電圧よりも高い場合の電流変化を示すタイムチャートであり、図5(b)は、リチウムイオン蓄電池12の電圧が鉛蓄電池11の電圧よりも高い場合の電流変化を示すタイムチャートである。また、図6は、第1電流センサ25Aがゲイン異常になっている場合の電流変化を示すタイムチャートである。図6(a)は、鉛蓄電池11の電圧がリチウムイオン蓄電池12の電圧よりも高い場合の電流変化を示すタイムチャートであり、図6(b)は、リチウムイオン蓄電池12の電圧が鉛蓄電池11の電圧よりも高い場合の電流変化を示すタイムチャートである。なお、図5及び図6は、第1電流センサ25Aが異常である以外は図3と同じであるため、共通する部分の説明を省略する。
図5(a)に示すように、タイミングt1より前では、スイッチSW1に電流が流れていないが第1電流センサ25Aはオフセット異常になっているため、第1電流センサ25Aは検出値X1を出力する。この検出値X1は、オフセット異常により正方向に生じた偏差αを示している。タイミングt1で、オン状態にするスイッチを切り替えるために、両スイッチSW1,SW2がオン状態となる。この状態では、第1電流センサ25Aは、負荷電流Iaと蓄電池間電流Ibとを合わせた電流を検出し、過渡状態を経過後に検出値X2を出力する。この際にも、検出値X2には、オフセット異常による偏差αが加えられて、検出値X2の絶対値が偏差α分大きくなる。そして、所定の重複期間Tが過ぎると、タイミングt2で、第1電流センサ25Aは、負荷電流Iaを検出し、過渡状態を経過後に検出値X3を出力する。この際にも、検出値X3には、オフセット異常による偏差αが加えられている。
これにより、重複期間Tの検出値X2の絶対値と検出値Y2の絶対値との差である判定用電流値が算出されると、|X2|-|-Y2|=Y1+αとなる。つまり、負荷電流Iaと異なる値となり、判定用電流値と負荷電流Ia(検出値Y1)との電流差ΔIが、オフセット異常による偏差αとなる。このオフセットの偏差αが閾値より大きい場合には、異常が検出される。
また、図5(b)に示すように、タイミングt1より前では、第1電流センサ25Aは偏差αが加えられた検出値X1を出力する。タイミングt1で、オン状態にするスイッチを切り替えるために、両スイッチSW1,SW2がオン状態となる。この状態では、第2電流センサ25Bは、負荷電流Iaと蓄電池間電流Ibとを合わせた電流を検出し、渡過状態を経過後に検出値Y2を出力する。第1電流センサ25Aは、蓄電池間電流Ibを検出し、過渡状態を経過後に検出値X2を出力する。この際にも、検出値X2には、蓄電池間電流Ibにオフセット異常による偏差αが加えられて、検出値X2の絶対値が偏差α分小さくなる。そして、所定の重複期間Tが過ぎると、タイミングt2で、第1電流センサ25Aは、負荷電流Iaを検出し、過渡状態を経過後に検出値X3を出力する。この際にも、検出値X3には、オフセット異常による偏差αが加えられている。
これにより、重複期間Tの検出値X2の絶対値と検出値Y2の絶対値との差である判定用電流値が算出されると、|X2|-|-Y2|=Y1+αとなる。つまり、負荷電流Iaと異なる値となり、判定用電流値と負荷電流Ia(検出値Y1)との電流差ΔIが、オフセット異常による偏差αとなる。このオフセット異常による偏差αが閾値より大きい場合には、異常が検出される。このように、オフセット異常の場合には、双方向の電流で、電流差ΔIは偏差αになる。つまり、オフセット異常の場合には、双方向の電流で、電流差ΔIは同じ値になる。また、オフセット異常の場合には、各スイッチSW1,SW2のオフ状態で検出値が0以外になっている方の電流センサ25A,25Bに異常が有ることが判別される。
図6(a)に示すように、タイミングt1より前では、スイッチSW1に電流が流れていない。第1電流センサ25Aがゲイン異常になっていても、0にはどのようなゲインを乗算しても0になるため、第1電流センサ25Aは検出値X1として0を出力する。タイミングt1で、オン状態にするスイッチを切り替えるために、両スイッチSW1,SW2がオン状態となる。この状態では、第1電流センサ25Aは、負荷電流Iaと蓄電池間電流Ibとを合わせた電流を検出し、過渡状態を経過後に検出値X2を出力する。この際には、検出値X2には、アンプ27の異常により増幅するゲインが大きくなっているため、検出値X2の絶対値が増加分βだけ真値よりも大きくなる。そして、所定の重複期間Tが過ぎると、タイミングt2で、第1電流センサ25Aは、負荷電流Iaを検出し、過渡状態を経過後に検出値X3を出力する。この際にも、検出値X3には、ゲインが大きくなることで増加分γが加えられている。重複期間Tの重複電流Itと負荷電流Iaとでは、同じゲイン誤差であっても、真値が異なるため、検出値に含まれる増加分が異なる値となっている。
これにより、重複期間Tの検出値X2の絶対値と検出値Y2の絶対値との差である判定用電流値が算出されると、|X2|-|-Y2|=Y1+βとなる。つまり、負荷電流Iaと異なる値となり、判定用電流値と負荷電流Iaとの電流差ΔIが、ゲイン異常による増加分βとなる。このゲイン異常による増加分βが閾値より大きい場合には、異常が検出される。なお、重複期間Tは、流れる電流が大きくなるため、ゲイン異常による増加分βが大きくなり、異常が検出されやすくなる。
図6(b)に示すように、タイミングt1より前では、第1電流センサ25Aは検出値X1として0を出力する。タイミングt1で、オン状態にするスイッチを切り替えるために、両スイッチSW1,SW2がオン状態となる。この状態では、第2電流センサ25Bは、負荷電流Iaと蓄電池間電流Ibとを合わせた電流を検出し、渡過状態経過後に検出値Y2を出力する。第1電流センサ25Aは、蓄電池間電流Ibを検出し、過渡状態を経過後に検出値X2を出力する。この際には、検出値X2には、アンプ27の異常により増幅するゲインが大きくなっているため、検出値X2の絶対値が増加分δだけ真値よりも大きくなる。そして、所定の重複期間Tが過ぎると、タイミングt2で、第1電流センサ25Aは、負荷電流Iaを検出し、過渡状態を経過後に検出値X3を出力する。この際にも、検出値X3には、ゲイン異常による増加分γが加えられている。
これにより、重複期間Tの検出値X2の絶対値と検出値Y2の絶対値との差である判定用電流値が算出されると、|X2|-|-Y2|=Y1+δとなる。つまり、負荷電流Iaと異なる値となり、判定用電流値と負荷電流Iaとの電流差ΔIが、ゲイン異常による増加分δとなる。このゲイン異常による増加分δが閾値より大きい場合には、異常が検出される。このように、ゲイン異常の場合には、双方向の電流で、真値が異なるためゲイン異常による増加分として異なる値が検出される。また、ゲイン異常の場合には、重複期間Tの値に基づいて、各電流センサ25A,25Bのうちどちらの電流センサの異常であるかを判別することができる。具体的には、各スイッチSW1,SW2のどちらの電流が大きいときに増加分βやδが大きくなるかに基づいて、電流センサの異常個所を特定することができる。
図7は、第2実施形態における補正を行うためのフローチャートである。本フローチャートによる処理は、図4のフローチャートのS28のフェイルセーフ処理として実行されてもよいし、図4とは別に、ECU31により、周期的に実行されてもよい。
S31では、電流双方向で異常が有りと判定されているかを判定する。各スイッチSW1,SW2における電流の向きが正方向でも負方向でも異常が判定されている場合には、異常の種別等を判別することができる。つまり、異常の種別を判別することができる状態かを判定する。S31で、電流双方向で異常が有りと判定されていない場合(S31:No)、処理を終了する。
S31で双方向の電流で検出していると判定した場合(S31:Yes)、S32では、オフセット異常かどうかを判定する。上述の通り、各電流センサ25A,25Bの異常の種類として、検出値がオフセット誤差を有しているオフセット異常と、検出値がゲイン誤差を有しているゲイン異常とがある。そこで、補正を行うにあたり、異常の種類を判別する。なお、S32が異常判定部に相当する。
S31では、重複電流It1,It2と負荷電流Iaとの比較結果を用いて、異常の種類を特定する。具体的には、双方向の電流を用いて異常判定を行った際の電流差ΔIが同じ値であるかを判定することで、オフセット異常であるかを判定する。オフセット異常の場合には、上述の通り、双方向の電流での電流差ΔIが同じ値となる。双方向の電流での電流差ΔIが偏差αで同じになる場合(S32:Yes)には、オフセット異常であると判定し、S33に進む。
S33では、S13で取得したオフ時の電流に基づいて、異常な電流センサを特定する。具体的には、オフ時の電流が0でない電流センサに異常が発生していると特定する。そして、S34では、異常な電流センサに対して偏差αを用いて補正するように設定し、処理を終了する。
S32で、オフセット異常ではないと判定した場合(S32:No)、つまりゲイン異常であると判定した場合、S35に進む。S35では、双方向に電流を流した際の増加分β、δに基づいて、どちらの電流センサに異常が発生しているかを特定する。そして、S36では、増加分に基づいて、ゲインの値を補正するように設定し、処理を終了する。
以上のように、各電流センサ25A,25Bのいずれかに異常が発生している場合に、異常の種類を特定する。電流の向きに依らず、電流差ΔIが同じであれば、オフセット異常であると判定し、電流の向きによって電流差ΔIが異なれば、ゲイン異常であると判定する。そして、電流センサの異常の種類に応じて、補正をする。そのため、電流センサに異常が発生した場合であっても、補正をして電流を検出することができる。
<他の実施形態>
本発明は、上記実施形態に限定されず、例えば以下のように実施してもよい。ちなみに、以下の別例の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、また、任意に組み合わせて適用してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されず、例えば以下のように実施してもよい。ちなみに、以下の別例の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、また、任意に組み合わせて適用してもよい。
・上記実施形態では、リチウムイオン蓄電池12を用いているが、他の高密度蓄電池を用いてもよい。例えば、ニッケル-水素電池を用いてもよい。その他、いずれも同じ蓄電池(例えば鉛蓄電池、又はリチウムイオン蓄電池等)を用いることも可能である。
・上記実施形態では、電流を検出するためのシャント抵抗26は、直列に接続されたMOSFET21の間に設けられていたが、電流を検出するための回路(シャント抵抗26)はMOSFET21の前後に設けられていてもよい。また、電流センサとして、シャント抵抗26とアンプ27ではなく、他の方式の電流検出センサを用いてもよい。
・図8に示すように、車載電源装置が、発電を可能とする回転電機に接続されていてもよい。図8は、他の実施形態における電源装置の概略構成図である。
回転電機16は、3相交流モータや電力変換装置としてのインバータを有するモータ機能付き発電機であり、機電一体型のISG(Integrated Starter Generator)として構成されている。回転電機16は、エンジン出力軸や車軸の回転により発電(回生発電)を行う発電機能と、エンジン出力軸に回転力を付与する力行機能とを備えている。回転電機16の力行機能により、アイドリングストップ中、自動停止されているエンジンを再始動させる際に、エンジンに回転力を付与することができる。回転電機16は、発電電力を各蓄電池11,12や電気負荷14に供給する。
また、電池ユニットUについて説明する。電池ユニットU内の電気経路として、鉛蓄電池11とリチウムイオン蓄電池12とを繋ぐ電気経路L1に並列になるように、電気経路L3が設けられている。電気経路L3は、電気経路L1と接続点N12及び接続点N13で接続されている。また、電気経路L3上の分岐点N14と外部端子P3とを繋ぐ電気経路L4が設けられている。外部端子P3には、回転電機16が接続されている。電気経路L3において、分岐点N14よりも接続点N12側(鉛蓄電池11側)には、スイッチSW3が設けられている。電気経路L3において、分岐点N14よりも接続点N13側(リチウムイオン蓄電池12側)には、スイッチSW4が設けられている。
各スイッチSW3,SW4は、大電流に対応するためにそれぞれ2つ一組のMOSFETが並列に配されている。2つ一組のMOSFETの寄生ダイオードが互いに逆向きになるように直列に接続されている。また、スイッチSW3,SW4は、各蓄電池11,12の蓄電状態等に基づいて、ECU31により制御される。
このように回転電機16が接続された電源装置においても、上記実施形態の構成を用いることができる。なお、異常判定を実施する際には、各スイッチSW3,SW4に電流が流れない状態であるか、流れている電流が明確になっていることが望ましい。
・図4のフローチャートにおいて、S22とS23との間に、電位差判定部として、電位差が所定よりも小さいかを判定する処理を行ってもよい。具体的には、鉛蓄電池11の電圧である第1電圧と、リチウムイオン蓄電池12の電圧である第2電圧とを取得し、第1電圧と第2電圧との電位差を算出する。そして、この電位差が所定値よりも大きい場合には、処理を終了して、各電流センサ25A,25Bの異常判定を実施しないようにしてもよい。
鉛蓄電池11の電圧である第1電圧と、リチウムイオン蓄電池12の電圧である第2電圧との電位差が、大きすぎる場合には、各スイッチSW1,SW2に流れる電流が各電流センサ25A,25Bで検出できる範囲を超えることがある。この場合には、重複電流Itが各電流センサ25A,25Bの検出できる値の上限値となってしまい、正確な値を検出することができず、負荷電流Iaとの比較をした際に誤って異常と判定してしまうことがある。そこで、第1電圧と第2電圧との電位差が所定値より大きいと判定された場合に、処理を終了する一方、第1電圧と第2電圧との電位差が所定値より小さいと判定された場合に、負荷電流Iaと重複電流It1,It2とに基づいて、異常が発生しているかを判定する。これにより、各電流センサ25A,25Bが検出可能な範囲で、各電流センサ25A,25Bの異常をより適切に判定することができる。
また、電位差が所定値よりも小さい場合に、各電流センサ25A,25Bの異常判定を実施しないようにしてもよい。電位差が小さくゲイン異常が生じている場合には、電流の値が小さすぎて異常を検出できないことがある。このような場合には、各電流センサ25A,25Bの異常判定を実施しないようにしてもよい。
・図7のS32で、オフセット異常かどうかを判定する場合に、双方向の電流での電流差ΔIが偏差αで同じになるかで判定するのではなく、S13で取得したオフ電流に基づいて判定してもよい。具体的には、オフ電流が0以外の場合に、オフセット異常であると判定するようにしてもよい。
・図4のS24において、電流差を算出する際に、重複期間において正の向きの電流を検出する電流センサ検出値と負荷電流との差を求め、この値と重複期間において負の向きの電流を検出する電流センサの検出値との電流差を算出してもよい。正の向きの重複電流It1(負荷電流Iaと蓄電池間電流Ibとの合計電流)から負荷電流Iaを引くと、蓄電池間電流Ib、つまり負の向きの重複電流It2の絶対値と同じになる。そこで、例えば、図3において、電流差は、X2-Y1-|-Y2|であるとしてもよい。そして、S25では、この電流差が閾値より小さいかで異常を判定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、電流差ΔIが閾値より小さい場合に、各電流センサ25A,25Bのいずれかに異常が発生していると判定していたが、重複期間Tの検出値X2の絶対値と検出値Y2の絶対値との差である判定用電流値が負荷電流と一致しているかによって異常を判定してもよい。一致していない場合には、異常であると判定してもよい。
・本開示に記載の制御部(制御装置)及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
ΔI…差分、11…鉛蓄電池、12…リチウムイオン蓄電池、14…電気負荷、25A…第1電流センサ、25B…第2電流センサ、SW1…スイッチ、SW2…スイッチ。
Claims (4)
- 電気負荷(14)に対してそれぞれ並列に接続される第1蓄電池(11)及び第2蓄電池(12)と、
前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池を繋ぐ電気経路(L1)において前記電気負荷との接続点(N11)よりも前記第1蓄電池側に設けられた第1スイッチ(SW1)と、
前記電気経路において前記接続点よりも前記第2蓄電池側に設けられた第2スイッチ(SW2)と、
前記第1スイッチに流れる電流を検出する第1電流センサ(25A)と、
前記第2スイッチに流れる電流を検出する第2電流センサ(25B)と、
を有する電源装置に適用され、
前記電気負荷への通電時において、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのうちオンにするスイッチを切り替えるスイッチ切替を実施する場合に、それら両スイッチを一時的に共にオンにする重複期間を設けた上で当該スイッチ切替を実施するスイッチ制御部と、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのうち一方のスイッチがオン状態であるときに、当該オン状態であるスイッチを介して前記電気負荷に流れ、かつ前記第1電流センサ及び前記第2電流センサのうち一方の電流センサで検出される電流を負荷電流として取得する負荷電流取得部と、
前記重複期間に、前記各スイッチに流れ、かつ前記各電流センサで検出される電流を重複電流として取得する重複電流取得部と、
前記負荷電流と前記重複電流とに基づいて、前記各電流センサのいずれかに異常が発生しているかを判定する異常判定部と、を備えている異常判定装置(31)。 - 前記異常判定部は、前記スイッチ切替の前において前記電気負荷に流れる電流が安定状態にあることを条件として、前記負荷電流と前記重複電流とに基づいて、前記各電流センサのいずれかに異常が発生しているかを判定する請求項1に記載の異常判定装置。
- 前記第1蓄電池の電圧である第1電圧と、前記第2蓄電池の電圧である第2電圧との電位差が所定値より小さいかを判定する電位差判定部を備えており、
前記異常判定部は、前記電位差判定部により前記電位差が所定値より小さいことを条件として、前記負荷電流と前記重複電流とに基づいて、前記各電流センサに異常が発生しているかを判定する請求項1又は請求項2に記載の異常判定装置。 - 前記各電流センサの異常の種類として、検出値がオフセット誤差を有しているオフセット異常と、前記検出値がゲイン誤差を有しているゲイン異常とがあり、
前記異常判定部は、
前記電気経路において電流が流れる方向がどちら向きでも前記電流センサで異常が発生していると判定した場合において、前記重複期間における前記第1電流センサと前記第2電流センサの検出値の絶対値の差と、前記負荷電流とを比較し、その比較結果に基づいて、前記オフセット異常であるか、前記ゲイン異常であるかを判定する請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の異常判定装置。
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