JP7272400B2 - 接着剤組成物及び接着フィルム、並びに接続体の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、半導体チップとフレキシブルプリント回路基板との接着に用いられる接着剤組成物及びこの接着剤組成物からなる接着剤片を複数備える接着フィルム、並びに接続体の製造方法に関する。
従来、半導体装置は以下の工程を経て製造される。まず、ダイシング用粘着シートに半導体ウエハを貼り付け、その状態で半導体ウエハを半導体チップに個片化する。その後、ピックアップ工程、マウンティング工程、リフロー工程及びダイボンディング工程等が実施される。特許文献1は、ダイシング工程において半導体ウエハを固定する機能と、ダイボンディング工程において半導体チップを基板と接着させる機能とを併せ持つ粘接着シート(ダイボンドダイシングシート)を開示する。
特開2007-288170号公報
ところで、近年、スマートフォンに代表される小型デバイス向け半導体装置の進化に伴い、従来の半導体装置の製造プロセスも従来と著しく変化している。例えば、特許文献1に記載の粘接着シート(ダイボンドダイシングシート)を使用したダイシング工程及びダイボンディング工程を実施しないプロセス、あるいは、リフロー工程を実施しないプロセスの実用化が進められている。これに伴い、半導体装置の製造プロセスで使用される接着フィルムも新たな態様のものが求められている。かかる状況に加え、本発明者らは、半導体装置が搭載される小型デバイスの高機能化及び薄型化等に対応すべく、基板の限られた特定の領域に、これに応じた形状の半導体チップを接着するのに使い勝手のよい接着フィルムの開発を進めた。
本開示の一側面は、半導体チップとフレキシブルプリント回路基板との接着性に優れるとともに、半導体チップとフレキシブルプリント回路基板との接着後に実施されるワイヤボンディングを好適に実施できる接着剤組成物を提供する。本開示の一側面は、この接着剤組成物からなる接着剤片を複数備える接着フィルム、並びに接続体の製造方法を提供する。
本開示の一側面に係る接着剤組成物は、半導体チップとフレキシブルプリント回路基板との接着に用いられるものであり、130℃における溶融粘度が3500~20000Pa・sである。
上記接着剤組成物によれば、130℃における溶融粘度が3500~20000Pa・sであることで、半導体チップとフレキシブルプリント回路基板(以下、「FPC基板」という。)との接着工程における優れた接着性と、その後の半導体チップとFPC基板とのワイヤボンディング工程における優れたワイヤボンディング性との両方を十分に高水準に達成できる。接着剤組成物の130℃における溶融粘度が20000Pa・s以下であること(接着剤組成物が130℃において適度に軟らかいこと)で、半導体チップとFPC基板との接着工程において優れた密着性を達成できる。他方、接着剤組成物の130℃における溶融粘度が3500Pa・s以上であること(接着剤組成物が130℃において適度に硬いこと)で、接着工程後に実施されるワイヤボンディング工程において接着剤層(半導体チップとFPC基板との間に介在する接着剤組成物)の厚さが変化することを十分に抑制でき、これにより、優れたワイヤボンディング性を達成できる。なお、ワイヤボンディング工程においては、半導体チップ及びFPC基板のそれぞれの接続すべき位置(例えば、高さ位置)が予め設定されるため、接着剤層の厚さが不均一になったり、過剰に厚くなったりすると(図8(b)参照)、ワイヤボンディングを好適に実施することができない。
上記接着剤組成物は、熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂とを少なくとも含み、熱可塑性樹脂の含有量を100質量部とすると、熱硬化性樹脂の含有量は70~240質量部であることが好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が上記範囲であることで、優れた接着性及びワイヤボンディング性を両立しやすい。接着剤組成物の130℃における溶融粘度(硬さ)を調整する等の観点から、接着剤組成物はフィラーを更に含んでもよく、熱可塑性樹脂の含有量を100質量部とすると、フィラーの含有量は10~450質量部であることが好ましい。
本開示の一側面に係る接着フィルムは、幅100mm以下の帯状のキャリアフィルムと、キャリアフィルム上にキャリアフィルムの長手方向に並ぶように配置されている複数の接着剤片とを備え、これらの接着剤片は上記接着剤組成物からなる。
この接着フィルムによれば、キャリアフィルム上に並ぶように配置された複数の接着剤片を順次ピックアップし、その後、各接着剤片を被着体(半導体チップ又はFPC基板)の所定の領域に配置することができ、半導体チップとFPC基板との接着工程を効率的に実施できる。例えば、帯状の接着フィルムをリールに巻いた態様とすれば、ロールtoロール方式によって、より一層効率的に接着工程を実施できる。接着剤片の形状は、半導体チップが接着されるべきFPC基板の領域の形状、又は、半導体チップの形状に応じて適宜、設定すればよい。
キャリアフィルム上に配置される接着剤片のサイズ及び個数等は、製造する接続体の設計に応じて適宜設定すればよい。例えば、一つの接着剤片の面積は10~200mmの範囲とすることができる。なお、キャリアフィルム上には、一つ又は複数の、上記複数の接着剤片からなる列が形成されていてもよい。複数の接着剤片は、例えば、キャリアフィルムの表面を覆うように形成された接着剤層を型抜きすることによって形成することができる。
本開示に係る接着フィルムは、接着剤片のキャリアフィルム側の第一面と反対側の第二面を覆っており、接着剤片と同じ形状を有する保護部材を更に備えてもよい。接着剤片を保護部材で覆った状態とすることで、使用するときまで埃等が接着剤片に付着することを防止できる。接着剤片及び保護部材は、キャリアフィルムの表面を覆うように形成された接着剤層と、接着剤層を覆うように配置された保護フィルムとを型抜きすることによって形成することができる。
本開示の一側面によれば、半導体チップとFPC基板との接着性に優れるとともに、半導体チップとFPC基板との接着後に実施されるワイヤボンディングを好適に実施できる接着剤組成物が提供される。本開示の一側面によれば、この接着剤組成物からなる接着剤片を複数備える接着フィルム、並びに接続体の製造方法が提供される。
図1は本開示に係る接着フィルムの一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図2は図1に示すII-II線における断面図である。 図3はキャリアフィルム、接着剤層及び保護フィルムがこの順序で積層された積層体を模式的に示す断面図である。 図4は型抜きによってキャリアフィルム上に複数の接着剤片が形成される様子を示す斜視図である。 図5はキャリアフィルムから接着剤片及びこれを覆う保護部材がピックアップされる様子を模式的に示す断面図である。 図6(a)及び図6(b)は半導体チップに対するFPC基板の先端部の接着工程が実施される前の接着剤片の状態を模式的に示す断面図である。 図7はFPC基板に対して上方に力を加えることでFPC基板を保持しながら、FPC基板の先端部と半導体チップとの間の接着剤片の硬化処理を実施している様子を模式的に示す断面図である。 図8(a)は半導体チップに対してFPC基板の先端部を好適に接着することができたモジュールを模式的に示す断面図であり、図8(b)は半導体チップに対してFPC基板の先端部を好適に接着することができなかったモジュールを模式的に示す断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
<接着フィルム>
図1は本実施形態に係る接着フィルムを模式的に示す斜視図である。図2は図1に示すII-II線における断面図である。これらの図に示す接着フィルム10は、幅100mm以下の帯状のキャリアフィルム1と、キャリアフィルム1上に、その長手方向(図1に示す矢印Xの方向)に並ぶように配置されている複数の接着剤片3pと、接着剤片3pの表面F2を覆っており且つ接着剤片3pと同じ形状を有する保護部材5pとを備える。図2に示すとおり、接着剤片3pの表面F2(第二面)は、接着剤片3pのキャリアフィルム1側の面F1(第一面)と反対側の面である。
接着フィルム10は、半導体チップとFPC基板との接着に適用されるものである。接着フィルム10によれば、キャリアフィルム1上に並ぶように配置された複数の接着剤片3pを順次ピックアップし、その後、各接着剤片3pを基板の所定の領域に配置することができ、半導体チップとFPC基板との接着工程を効率的に実施できる。
接着剤片3pは、130℃における溶融粘度が3500~20000Pa・sである接着剤組成物からなる。この接着剤組成物の130℃における溶融粘度は、4000~19000Pa・sであることが好ましく、4000~15000Pa・sであることがより好ましく、4000~13000Pa・sであることが更に好ましい。接着剤組成物の130℃における溶融粘度が3500~20000Pa・sであることで、半導体チップとFPC基板との接着工程における優れた接着性と、その後の半導体チップとFPC基板とのワイヤボンディング工程における優れたワイヤボンディング性との両方を十分に高水準に達成できる。
具体的には、接着剤組成物の130℃における溶融粘度が20000Pa・s以下であることで、半導体チップとFPC基板との接着工程において優れた密着性を達成できる。他方、接着剤組成物の130℃における溶融粘度が3500Pa・s以上であることで、接着工程後に実施されるワイヤボンディング工程において接着剤層(半導体チップとFPC基板との間に介在する接着剤組成物)の厚さが変化することを十分に抑制でき、これにより、優れたワイヤボンディング性を達成できる。なお、ワイヤボンディング工程においては、半導体チップ及びFPC基板のそれぞれの接続すべき位置(例えば、高さ位置)が予め設定されるため、これに先立って実施される接着工程において、接着剤層の厚さが不均一になったり、過剰に厚くなったりすると(図8(b)参照)、ワイヤボンディングを好適に実施することができない。
本明細書において、接着剤組成物の130℃における溶融粘度は、次のような方法により測定される値である。まず、厚さ25μmの接着剤片(接着剤層)をテフロン(登録商標)シートに貼り合せ、ロール(温度60℃、線圧0.2MPa、送り速度0.5m/分)で加圧する。その後、PETフィルムをはく離し、接着剤片に、厚さ25μmの別の接着剤層を重ね、加圧しながら積層する。これを繰り返して、厚さが約200μmの接着剤サンプルを得る。得られた接着剤サンプルの溶融粘度を、粘弾性測定装置(レオメトリックス サイエンティフィック エフ イー株式会社製、商品名:ARES)を用いて、直径25mmの平行プレートを測定プレートとして、昇温速度:10℃/分、周波数:1Hzの条件で、20~200℃の温度範囲で測定する。この測定結果から、130℃における溶融粘度を求める。
本実施形態においては、図1に示すように、太いT字のような形状の接着剤片3pを例示したが、接着剤片の形状は半導体チップが接着されるべきFPC基板の領域の形状、又は、半導体チップの形状に応じて適宜、設定すればよい。また、図1,2には、キャリアフィルム1上に、複数の接着剤片3pからなる列3Aが一列設けられている場合を図示したが、二つ以上の列3Aがキャリアフィルム1上に設けられていてもよい。
本実施形態における接着剤片3pは十分にサイズが小さいものを想定しており、一つの接着剤片3pの面積は、例えば、10~200mmである。キャリアフィルム1の表面であって複数の接着剤片3pによって覆われている領域の割合(接着剤片の面積率)は、キャリアフィルム1の面積を基準として、例えば、10~60%であり、10~35%であってもよい。この面積率は、一つの接着剤片3pの面積Aを、キャリアフィルム1上に設けられている接着剤片3pのピッチ(図1におけるピッチP)とキャリアフィルム1の幅(図1における幅W)との積で除すことによって算出してもよい。つまり、この面積率Rは、以下の式で算出される値としてもよい。
面積率R(%)=A/(P×W)×100
以下、接着フィルム10の構成について説明する。
[キャリアフィルム]
キャリアフィルム1は、上述のとおり、帯状であって、100mm以下の幅を有する。キャリアフィルム1の幅は、その上に配置する接着剤片3pのサイズ及び列3Aの数に応じて適宜設定すればよい。例えば、図1に示すように、列3Aの数が一つである場合、キャリアフィルム1の幅は10~50mmであることが好ましく、10~30mm又は10~20mmであってもよい。キャリアフィルム1の幅が10mm以上であることで、ロールtoロール方式を採用した場合、キャリアフィルム1が捻れることに起因する作業性低下を防止しやすい。
キャリアフィルム1の材質は、接着フィルム10の製造プロセス及び半導体装置の製造プロセスにおいて加わる張力に十分に耐え得るものであれば、特に制限はない。キャリアフィルム1は、その上に配置される接着剤片3p及び/又は保護部材5pの視認性の観点から、透明であることが好ましい。キャリアフィルム1としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリビニルアセテートフィルム、ポリ-4-メチルペンテン-1、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体等の単独共重合体又は共重合体あるいはこれらの混合物等のポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムなどを用いることができる。キャリアフィルム1は単層構造であっても、多層構造であってもよい。
キャリアフィルム1の厚さは、作業性を損なわない範囲で適宜選択すればよく、例えば、10~200μmであり、20~100μm又は25~80μmであってもよい。これらの厚さの範囲は、実用的に問題なく、経済的にも有効な範囲である。
キャリアフィルム1に対する接着剤片3pの密着力を高めるために、キャリアフィルム1の表面に、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的表面処理を施してもよい。キャリアフィルム1として、フッ素樹脂からなる表面エネルギーの低いフィルムを用いることもできる。このようなフィルムとしては、例えば、帝人デュポンフィルム株式会社製のA-63(離型処理剤:変性シリコーン系)、及び、帝人デュポンフィルム株式会社製のA-31(離型処理剤:Pt系シリコーン系)等がある。
キャリアフィルム1に対する接着剤片3pの密着力が過度に高くなることを防止するために、キャリアフィルム1の表面に、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の離型剤から構成される離型層を形成してもよい。
キャリアフィルム1と接着剤片3pとの間の密着力は0.5~18N/mであることが好ましく、2~10N/mであることがより好ましく、2~6N/m又は2~4N/mであってもよい。この密着力が0.5N/m以上であることで、接着フィルム10を製造する過程においてキャリアフィルム1から接着剤片3pが不用意に剥離することを防止しやすく、他方、18N/m以下であることで、接着フィルム10の使用時においてキャリアフィルム1から接着剤片3p及びこれを覆う保護部材5pを安定的にピックアップしやすい。なお、キャリアフィルム1に対する接着剤片3pの密着力は、90°ピール強度を意味し、具体的には、キャリアフィルム1上に接着剤片3pと同じ組成からなる幅20mmの接着剤層が形成された試料を準備し、この接着剤層を90°の角度で且つ剥離速度50mm/分でキャリアフィルムから剥離したときに測定されるピール強度を意味する。
[接着剤片]
接着剤片3pは、キャリアフィルム1の表面を覆うように形成された接着剤層3と、接着剤層3を覆うように配置された保護フィルム5とを同時に型抜きすることにより、保護部材5pとともに形成されるものである(図4参照)。接着剤片3pの厚さは、作業性を損なわない範囲で適宜選択すればよく、例えば、1~200μmであり、3~150μm又は5~150μmであってもよい。接着剤片3pの厚さが1μm以上又は5μm以上であることで十分な接着性を確保しやすく、他方、200μm以下又は150μm以下であることで接着剤片3pを構成する接着剤組成物が保護部材5pからはみ出ることを抑制しやすい。
接着剤片3pを構成する接着剤組成物は、130℃において、適度な軟らかさ(密着性)と、過度に伸びない性質とを兼ね備えているものが好ましい。接着剤片3pは、熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂と、硬化促進剤と、フィラーとを含むことが好ましく、必要に応じ、光反応性モノマー及び光重合開始剤等を含んでもよい。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を有する樹脂、又は少なくとも未硬化状態において熱可塑性を有し、加熱後に架橋構造を形成する樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、半導体加工用テープとして、収縮性、耐熱性及び剥離性に優れる観点から、反応性基を有する(メタ)アクリル共重合体(以下、「反応性基含有(メタ)アクリル共重合体」という場合もある)が好ましい。
熱可塑性樹脂として、反応性基含有(メタ)アクリル共重合体を含む場合、接着剤片3pは、熱硬化性樹脂を含まない態様でもよい。すなわち、反応性基含有(メタ)アクリル共重合体と、硬化促進剤と、フィラーとを含む態様でもよい。
熱可塑性樹脂は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル共重合体としては、アクリルガラス、アクリルゴム等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられ、アクリルゴムが好ましい。アクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分とし、(メタ)アクリル酸エステル及びアクリロニトリルから選択されるモノマーの共重合により形成されるものが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、共重合成分としてブチルアクリレート及びアクリロニトリルを含む共重合体、共重合成分としてエチルアクリレート及びアクリロニトリルを含む共重合体が好ましい。
反応性基含有(メタ)アクリル共重合体は、反応性基を有する(メタ)アクリルモノマーを共重合成分として含む反応性基含有(メタ)アクリル共重合体であることが好ましい。このような反応性基含有(メタ)アクリル共重合体は、反応性基を有する(メタ)アクリルモノマーと、上記のモノマーとが含まれる単量体組成物を共重合することにより得ることができる。
反応性基としては、耐熱性向上の観点から、エポキシ基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、水酸基、エピスルフィド基が好ましく、中でも架橋性の点から、エポキシ基及びカルボキシル基がより好ましい。
本実施形態において、反応性基含有(メタ)アクリル共重合体は、エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーを共重合成分として含むエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体であることが好ましい。この場合、エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、グリシジルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレートグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート等が挙げられる。反応性基を有する(メタ)アクリルモノマーは、耐熱性の観点から、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好ましい。
熱可塑性樹脂のTgは、-50℃~50℃であることが好ましい。熱可塑性樹脂のTgが50℃以下であると、接着剤片3pの柔軟性を確保しやすい。また、被着体に貼り付ける際に凹凸が存在する場合、追随しやすくなり、適度な接着性を有するようになる。一方、熱可塑性樹脂のTgが-50℃以上であると、接着剤片3pの柔軟性が高くなりすぎることを抑制しやすく、優れた取扱性及び接着性、剥離性を達成できる。
熱可塑性樹脂のTgは、示差走査熱量測定(DSC)によって得られる中間点ガラス転移温度値である。熱可塑性樹脂のTgは、具体的には、昇温速度10℃/分、測定温度:-80~80℃の条件で熱量変化を測定し、JIS K 7121:1987に準拠した方法によって算出した中間点ガラス転移温度である。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、10万以上200万以下であることが好ましい。重量平均分子量が10万以上であると、仮固定の用途で使用する場合、耐熱性を確保しやすくなる。一方、重量平均分子量が200万以下であると、仮固定の用途で使用する場合、フローの低下及び貼付性の低下を抑制しやすい。上述した観点から、熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、50万以上200万以下であることがより好ましく、100万以上200万以下であることが更に好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)で標準ポリスチレンによる検量線を用いたポリスチレン換算値である。
反応性基を有する(メタ)アクリル共重合体がグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを共重合成分として含む場合、これらの含有量は合計で、共重合成分全量を基準として、0.1~20質量%であることが好ましく、0.5~15質量%であることがより好ましく、1.0~10質量%であることが更に好ましい。含有量が上記範囲内であると、接着剤片3pの柔軟性、接着性及び剥離性の全てをより高水準に達成しやすい。
上述のような反応性基を有する(メタ)アクリル共重合体としては、パール重合、溶液重合等の重合方法によって得られるものを用いてもよい。または、HTR-860P-3CSP(商品名、ナガセケムテックス(株)製)等の市販品を用いてもよい。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、熱により硬化する樹脂であれば特に制限なく用いることができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂は、硬化して耐熱作用を有するものであれば特に限定されない。エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ等の二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂などを用いることができる。エポキシ樹脂は、また、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等、従来公知のものを用いることができる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、エピコート807、エピコート815、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート834、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも三菱ケミカル(株)製)、DER-330、DER-301、DER-361(いずれもダウケミカル社製)、YD8125、YDF8170(いずれも東都化成(株)製)等が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、エピコート152、エピコート154(いずれも三菱ケミカル(株)製)、EPPN-201(日本化薬(株)製)、DEN-438(ダウケミカル社製)等が挙げられる。
o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、YDCN-700-10(新日鉄住金化学(株)製)、EOCN-102S、EOCN-103S、EOCN-104S、EOCN-1012、EOCN-1025、EOCN-1027(いずれも日本化薬(株)製)、YDCN701、YDCN702、YDCN703、YDCN704(いずれも東都化成(株)製)等が挙げられる。
多官能エポキシ樹脂としては、Epon 1031S(三菱ケミカル(株)製)、アラルダイト0163(BASFジャパン社製)、デナコールEX-611、EX-614、EX-614B、EX-622、EX-512、EX-521、EX-421、EX-411、EX-321(いずれもナガセケムテックス(株)製)等が挙げられる。
アミン型エポキシ樹脂としては、エピコート604(三菱ケミカル(株)製)、YH-434(東都化成(株)製)、TETRAD-X、TETRAD-C(いずれも三菱ガス化学(株)製)、ELM-120(住友化学(株)製)等が挙げられる。
複素環含有エポキシ樹脂としては、アラルダイトPT810(BASFジャパン社製)、ERL4234、ERL4299、ERL4221、ERL4206(いずれもユニオンカーバイド社製)等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化樹脂成分の一部であるエポキシ樹脂硬化剤としては、通常用いられている公知の樹脂を使用することができる。具体的には、アミン類、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSのようなフェノール性水酸基を1分子中に二個以上有するビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂硬化剤としては、特に、吸湿時の耐電食性に優れるという観点から、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂が好ましい。
なお、エポキシ硬化剤は、エポキシ樹脂と同時に用いてもよいし、単独で用いてもよい。
上記フェノール樹脂硬化剤の中でも、フェノライトLF2882、フェノライトLF2822、フェノライトTD-2090、フェノライトTD-2149、フェノライトVH-4150、フェノライトVH4170(いずれもDIC(株)製、商品名)、H-1(明和化成(株)製、商品名)、エピキュアMP402FPY、エピキュアYL6065、エピキュアYLH129B65、ミレックスXL、ミレックスXLC、ミレックスXLC-LL、ミレックスRN、ミレックスRS、ミレックスVR(いずれも三菱ケミカル(株)製、商品名)を用いることが好ましい。
接着剤片3pにおける熱硬化性樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、70~240質量部が好ましく、70~180質量部がより好ましく、70~120質量部が更に好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が上記範囲内であると、接着剤片3pの熱硬化に伴う収縮を抑制できるとともに、熱硬化後の優れた密着性を達成しやすい。
(硬化促進剤)
硬化促進剤としては、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾール-テトラフェニルボレート、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7-テトラフェニルボレート等が挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
接着剤片3pがエポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体を含有する場合、かかるアクリル共重合体に含まれるエポキシ基の硬化を促進する硬化促進剤を含有することが好ましい。エポキシ基の硬化を促進する硬化促進剤としては、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、イミダゾリン系硬化剤、トリアジン系硬化剤及びホスフィン系硬化剤が挙げられる。これらの中でも、速硬化性、耐熱性及び剥離性の観点から、工程時間の短縮及び作業性の向上が期待できるイミダゾール系硬化剤であることが好ましい。これらの化合物は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
接着剤片3pにおける硬化促進剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01~2.0質量部が好ましく、0.02~1.5質量部がより好ましく、0.03~1.0質量部が更に好ましい。硬化促進剤の含有量が上記範囲内であると、接着剤片3pの硬化性を向上させながら保存安定性の低下を十分抑制できる傾向にある。
(無機フィラー)
接着剤片3pは、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーとしては、銀粉、金粉、銅粉等の金属フィラー、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の非金属無機フィラーなどが挙げられる。無機フィラーは所望する機能に応じて選択することができる。
上記無機フィラーは表面に有機基を有するものが好ましい。無機フィラーの表面が有機基によって修飾されていることにより、接着剤片3pを形成するためのワニスを調製するときの有機溶剤への分散性、並びに接着剤片3pの熱硬化に伴う収縮を抑制できるとともに、接着剤片3pの高い弾性率及び優れた剥離性を両立しやすい。
表面に有機基を有する無機フィラーは、例えば、下記式(B-1)で表されるシランカップリング剤と無機フィラーとを混合し、30℃以上の温度で攪拌することにより得ることができる。無機フィラーの表面が有機基によって修飾されたことは、UV測定、IR測定、XPS測定等で確認することが可能である。
Figure 0007272400000001
式(B-1)中、Xは、フェニル基、グリシドキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、ビニル基、イソシアネート基及びメタクリロキシ基からなる群より選択される有機基を示し、sは0又は1~10の整数を示し、R11、R12及びR13は各々独立に、炭素数1~10のアルキル基を示す。
炭素数1~10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。
炭素数1~10のアルキル基は、入手が容易であるという観点から、メチル基、エチル基及びペンチル基が好ましい。Xは、耐熱性の観点から、アミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基及びイソシアネート基が好ましく、グリシドキシ基及びメルカプト基がより好ましい。式(B-1)中のsは、高熱時のフィルム流動性を抑制し、耐熱性を向上させる観点から、0~5が好ましく、0~4がより好ましい。
シランカップリング剤としては、トリメトキシフェニルシラン、ジメチルジメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-(1,3―ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン、N,N’―ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピルトリアルコキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン等が挙げられる。
これらの中でも、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましく、トリメトキシフェニルシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランがより好ましい。シランカップリング剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記カップリング剤の含有量は、耐熱性と保存安定性とのバランスを図る観点から、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0~10質量部が好ましく、0~5質量部がより好ましく、保存安定性の観点から、0~3質量部が更に好ましい。
接着剤片3pにおける無機フィラーの含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、450質量部以下であることが好ましく、400質量部以下であることがより好ましく、350質量部以下であることが更に好ましい。無機フィラーの含有量の下限は特に制限はないが、熱可塑性樹脂100質量部に対し、10質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましい。無機フィラーの含有量を上記範囲とすることにより、熱硬化に伴う収縮を抑制できるとともに、接着剤片3pの高い溶融粘度及び優れた剥離性を両立しやすい。
(有機フィラー)
接着剤片3pは、有機フィラーを含有してもよい。有機フィラーとしては、カーボン、ゴム系フィラー、シリコーン系微粒子、ポリアミド微粒子、ポリイミド微粒子等が挙げられる。有機フィラーの含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、450質量部以下が好ましく、400質量部以下がより好ましく、350質量部以下が更により好ましい。有機フィラーの含有量の下限は特に制限はないが、熱可塑性樹脂100質量部に対し、10質量部以上であることが好ましい。
(有機溶剤)
接着剤片3pは、必要に応じて、有機溶剤を用いて希釈してもよい。有機溶剤は特に限定されないが、製膜時の揮発性等を沸点から考慮して決めることができる。具体的には、メタノール、エタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等の比較的低沸点の溶剤が、製膜時にフィルムの硬化が進みにくいという観点から好ましい。また、製膜性を向上させる等の目的では、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、シクロヘキサノン等の比較的高沸点の溶剤を使用することが好ましい。これらの溶剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
[保護部材]
保護部材5pは、キャリアフィルム1の表面を覆うように形成された接着剤層3と、接着剤層3を覆うように配置された保護フィルム5とを同時に型抜きすることにより、接着剤片3pとともに形成されるものである(図4参照)。本実施形態に係る保護部材5pは、型抜きによって接着剤片3pと同時に形成されるものであるから、接着剤片3pと実質的に同じ形状である。保護フィルム5としては、接着フィルム10の製造プロセスにおいて打抜き加工が可能であり且つ半導体装置の製造プロセスにおいて接着剤片3pから保護部材5pを容易に剥離し得るものであればよい。
接着剤片3pと保護部材5pとの間の密着力は16N/m以下であることが好ましく、10N/m以下であることがより好ましく、5N/m以下又は4.5N/m以下であってもよい。特に、接着剤片3pが熱硬化性を有する樹脂組成物からなる場合、90℃で1秒の熱処理後において、接着剤片3pに対する保護部材5pの密着力が上記範囲であることが好ましい。この密着力が16N/m以下であることで、保護部材5pで覆われた状態の接着剤片3pを90℃で1秒の条件で被着体(例えば、基板)に仮圧着させた後、半硬化した接着剤片3pから保護部材5pを粘着テープ等で容易に剥離することができる。なお、接着剤片3pに対する保護部材5pの密着力は、90°ピール強度を意味し、具体的には、接着剤片3pと同じ組成からなる幅20mmの接着剤層上に同じ幅の保護フィルムが配置された試料を準備し、この保護フィルムを90°の角度で且つ剥離速度300mm/分で接着剤層から剥離したときに測定されるピール強度を意味する。
保護フィルム5としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリビニルアセテートフィルム、ポリ-4-メチルペンテン-1、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体等の単独共重合体又は共重合体あるいはこれらの混合物等のポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルムなどを用いることができる。保護フィルム5は単層構造であっても、多層構造であってもよい。
保護フィルム5の厚さは、作業性を損なわない範囲で適宜選択すればよく、例えば、10~200μmであり、20~100μm又は25~80μmであってもよい。これらの厚さの範囲は、実用的に問題なく、経済的にも有効な範囲である。
保護部材5pの光透過率は、キャリアフィルム1の光透過率よりも低いことが好ましい。かかる構成を採用することにより、接着剤片3pの位置及び向き等をカメラ等のデバイスで認識することが可能となり、半導体装置の製造プロセスにおける接着工程を自動化しやすい。例えば、保護部材5pとして、波長500nmの光の透過率が10%未満(より好ましくは7%未満)に着色されたものを使用することが好ましい。
<接着フィルムの製造方法>
次に、接着フィルム10の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は以下の工程を含む。
(A)幅100mm以下の帯状のキャリアフィルム1と、キャリアフィルム1の表面を覆うように形成された接着剤層3と、接着剤層3を覆うように配置された保護フィルム5と有する積層体20を準備する工程。
(B)積層体20における接着剤層3及び保護フィルム5を型抜きすることによって、キャリアフィルム1上にキャリアフィルム1の長手方向に並ぶように配置された複数の接着剤片3pを得る工程。
図3は、(A)工程で準備する積層体20を模式的に示す断面図である。積層体20は以下のようにして作製することができる。まず、接着剤層3の原料樹脂組成物を有機溶剤等の溶媒に溶解させてワニス化した塗工液を準備する。この塗工液をキャリアフィルム1上に塗工した後、溶媒を除去することで接着剤層3を形成する。塗工方法としては、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法及びカーテンコート法等が挙げられる。次いで、接着剤層3の表面に保護フィルム5を常温~60℃の条件で貼り合わせる。これにより、積層体20を得ることができる。なお、幅の広いキャリアフィルムに接着剤層3を形成した後、これを覆うように保護フィルム5を貼り合わせることによって積層フィルムを作製し、これを100mm以下の幅に切断(スリット)することによって積層体20を得てもよい。
図4は、(B)工程における型抜きによってキャリアフィルム1上に複数の接着剤片3p及びこれを覆う保護部材5pが形成される様子を示す斜視図である。図4に示すように、型抜きを実施するための複数の刃51cを外周面に有する回転体51と、回転体51と対をなすロール52との間を積層体20が通過することで、刃51cの形状に応じた接着剤片3p及び保護部材5pがキャリアフィルム1上に連続的に形成される。このとき、積層体20は、保護フィルム5側の面が回転体51に向き、キャリアフィルム1側の面がロール52に向いている。回転体51の回転軸51aと、ロール52の回転軸52aとの距離を調整することで、刃51cによって積層体20に形成される切込みの深さを調整することができる。
回転体51及びロール52の間を通過した積層体20は、図4に示すように、接着フィルム10と、不要部分30とに分離され、それぞれのリール(不図示)に巻き取られる。不要部分30は、接着剤片3p及び保護部材5pがくり抜かれた接着剤層3と保護フィルム5からなる。
<接着フィルムの使用方法>
次に、接着フィルム10の使用方法について、半導体チップとFPC基板とを含む接続体の製造方法を例に挙げて説明する。図5はキャリアフィルム1から接着剤片3p及びこれを覆う保護部材5pをピックアップされる様子を模式的に示す断面図である。接着フィルム10に一定の張力を付与した状態で、くさび状部材60に接着フィルム10のキャリアフィルム1側の面を当接させながら、図5に示す矢印の方向に接着フィルム10を移動させる。これにより、同図に示すように、接着剤片3p及び保護部材5pの前方がキャリアフィルム1から浮いた状態となる。この状態のときに、例えば、吸引力を有するピックアップ装置65で接着剤片3p及び保護部材5pをピックアップする。例えば、ピックアップ装置65として、保護部材5pを視認するカメラ等を備えたものを使用することで、接着剤片3p及び保護部材5pの有無、並びに、向き等の情報を把握することが可能である。これらの情報に基づいて、その後の接着工程を適切に実施することができる。
次いで、保護部材5pで覆われた状態の接着剤片3pを半導体チップCの表面C1の所定の位置及び向きに配置する(図6(a)参照)。この状態のまま、半導体チップCに対する接着剤片3pの仮圧着を行う。仮圧着は、例えば、温度60~100℃、押圧力0.1~0.8MPaの条件で0.1~10秒にわたって行えばよい。仮圧着によって、接着剤片3pが半硬化することで表面C1に対する接着力が向上する。その後、粘着テープ等を使用して保護部材5pを接着剤片3pから剥離する(図6(b)参照)。
半導体チップCに対するFPC基板Sの先端部S1の接着工程は、接着剤片3pを介して半導体チップCとFPC基板Sの先端部S1とを圧着するステップと、その後、接着剤片3pに対して硬化処理を施すステップとを含む。すなわち、まず、保護部材5pの剥離によって露出した接着剤片3pの表面にFPC基板Sの先端部S1を配置した後、半導体チップCに対してFPC基板Sの先端部S1を圧着する。圧着は、例えば、温度90~150℃、押圧力0.1~1MPaの条件で0.1~10秒にわたって行えばよい。次に、図7に示すように、FPC基板Sに対して上方に力Fを加えることでFPC基板Sを保持しながら、FPC基板Sの先端部S1と半導体チップCとの間の接着剤片3pの硬化処理を実施する。硬化処理は、例えば、温度100~175℃で0.5~6時間にわたって行えばよい。
図8(a)は半導体チップCに対してFPC基板Sの先端部S1を好適に接着することができたモジュール50(接続体)を模式的に示す断面図である。図8(b)は半導体チップCに対してFPC基板Sの先端部S1を好適に接着することができなかったモジュールを模式的に示す断面図である。図8(b)に示すように、接着剤片3pの硬化処理を行う際の力Fに起因して接着剤片3pの一部が伸び、これにより、接着剤片3pの一部が厚くなると、半導体チップCの表面C1からFPC基板Sの上面S2に対してワイヤボンディングをすべき位置がずれてしまって好適にワイヤボンディングを実施することができない。
図8(a)に示す好適なモジュール50において、半導体チップCの表面C1からFPC基板Sの上面S2に対してワイヤボンディングをすることにより、半導体チップCとFPC基板Sとが電気的に接続されたモジュール(不図示)が得られる。
以上、本開示の実施形態について詳細に説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、保護部材5pの有無及び向き等をカメラ等で把握できるように、着色された保護フィルム5を使用する場合を例示したが、これの代わりに、保護部材5pの所定の位置にマークを付してもよい。また、接着剤片3pが着色された態様とすれば、保護部材5pは設けなくてもよい。なお、接着剤片3pの向きが問題とならない場合(例えば、接着剤片3pの形状が円形である場合)には、向きを識別する必要はない。
また、上記実施形態においては、型抜きによって接着剤組成物からなる接着剤片3pを予め準備する場合を例示したが、接着剤組成物を含む塗液を準備し、これを半導体チップC又はFPC基板Sの所定の領域に塗工することにより、当該領域に接着剤層を形成してもよい。
以下、本開示について実施例に基づいて説明する。本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(接着剤ワニスの調製)
以下の材料を混合するとともに真空脱気することによって接着剤ワニスを得た(表1の実施例1参照)。
・熱可塑性樹脂:HTR-860P-3(商品名、ナガセケムテックス(株)製、グリシジル基含有アクリルゴム、分子量100万、Tg-7℃)100質量部
・熱硬化性樹脂:YDCN-700-10(商品名、新日鉄住金化学(株)製、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)30質量部
・熱硬化性樹脂:PSM-4326(商品名、群栄化学工業(株)製、フェノール樹脂、官能基当量105)95質量部
・熱硬化性樹脂:YDF-8170C(商品名、新日鉄住金化学(株)製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量157)100質量部
・硬化促進剤:2PZ-CN(商品名、四国化成工業(株)製、イミダゾール化合物)0.3質量部
・表面処理フィラー:SC-2050-HLG(商品名、アドマテックス(株)製)330質量部
・シランカップリング剤:A-189(商品名、(株)NUC製、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)0.9質量部
・シランカップリング剤:A-1160(商品名、(株)NUC製、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン)2質量部
(接着フィルムの作製)
上記接着剤ワニスを、厚さ50μmの表面離型処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:テイジンテトロンフィルムA-63)上に塗工した。乾燥工程を経て、上記ポリエチレンテレフタレートフィルム(キャリアフィルム)の一方の面に、厚さ25μmの接着剤層が形成されたフィルムを得た。このフィルムと、着色された厚さ50μmのポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、TDM-1)とを貼り合わせることによって、積層フィルムを得た。この積層フィルムを15mm幅にスリットすることによって、帯状の積層体を得た。
上記のようにして得た積層体に対して、図4に示す構成の装置を使用して型抜きを行うことで、本実施例に係る接着フィルムを得た。接着剤片の形状は、縦約7mm×横約6mmの矩形の一部の角が欠けた形状(面積:29mm)とした。ピッチPは約9mmとした。接着剤片の面積率Rは23%であった。接着剤片を構成する接着剤組成物の130℃における溶融粘度は3500Pa・sであった。
(モジュールの作製)
半導体チップ(縦約15mm×横約15mm×厚さ0.4mm)の上面に、3.2mm×3.2mmの接着剤片及びこれを覆う保護部材を配置した(図6(a)参照)。この状態で90℃の温度条件下、接着剤片に10Nの押圧力を0.5秒加えることで、半導体チップに対する接着剤片の仮圧着を行った。その後、保護部材を剥がして接着剤片を露出させた(図6(b)参照)。露出した接着剤片に対してFPC基板の先端部を圧着させた。圧着は、温度130℃、接着剤片に対する15Nの押圧力を1秒加えることで行った。圧着後、図7に示すように、FPC基板に対して上方に250gの力を加えることでFPC基板を保持しながら、温度130℃で1時間にわたって接着剤片の硬化処理を行い、モジュール(接続体)を作製した。これらの工程を繰り返し、計10個のモジュールを作製した。
<実施例2>
表1の実施例2に示す組成の接着剤ワニスを使用したことの他は、実施例1と同様にして本実施例に係る接着剤片を作製するとともに、これを使用して計10個のモジュールを作製した。接着剤片を構成する接着剤組成物の130℃における溶融粘度は6500Pa・sであった。
<実施例3>
表1の実施例3に示す組成の接着剤ワニスを使用したことの他は、実施例1と同様にして本実施例に係る接着剤片を作製するとともに、これを使用して計10個のモジュールを作製した。接着剤片を構成する接着剤組成物の130℃における溶融粘度は13000Pa・sであった。
<実施例4>
表1の実施例4に示す組成の接着剤ワニスを使用したことの他は、実施例1と同様にして本実施例に係る接着剤片を作製するとともに、これを使用して計10個のモジュールを作製した。接着剤片を構成する接着剤組成物の130℃における溶融粘度は20000Pa・sであった。
<比較例1>
表1の比較例1に示す組成の接着剤ワニスを使用したことの他は、実施例1と同様にして本比較例に係る接着剤片を作製するとともに、これを使用して計10個のモジュールを作製した。接着剤片を構成する接着剤組成物の130℃における溶融粘度は24000Pa・sであった。
<比較例2>
表1の比較例2に示す組成の接着剤ワニスを使用したことの他は、実施例1と同様にして本比較例に係る接着剤片を作製するとともに、これを使用して計10個のモジュールを作製した。接着剤片を構成する接着剤組成物の130℃における溶融粘度は1700Pa・sであった。
上記実施例及び比較例に係る接着剤片について以下の項目の評価を行った。表1に結果を示す。
(1)接着剤片の伸び
上記のようにして得た計10個のモジュールの接着性を以下のようにして評価した。すなわち、硬化処理において接着剤片に対して張力が加わっていた側(図7における左側)の厚さを光学顕微鏡画像によって測定した。4個のモジュールについて、それぞれ上記箇所の厚さを測定し、その平均値を算出した。なお、使用前の接着剤片の厚さは25μmであった。
以下の基準で評価した。
A:上記厚さの平均値が30μm未満である。
B:上記厚さの平均値が30~250μmである。
C:上記厚さの平均値が250μm超である。
D:計4個のモジュールのうち、接着剤片の硬化処理の途中でFPC基板が剥離したモジュールの個数が3個以上である。
(2)接着剤片の接着性
上記のようにして得た計10個のモジュールの接着性を以下のようにして評価した。すなわち、半導体チップをテーブルの表面に貼り付けることによって固定し、この状態でFPC基板に対して上方に徐々に力を加えていった。FPC基板に0.5Nの力を加えたときに、半導体チップからFPC基板が剥離するか否かを確認した。
以下の基準で評価した。
A:計10個のモジュールのうち、FPC基板が剥離したモジュールの個数が2個以下である。
B:計10個のモジュールのうち、FPC基板が剥離したモジュールの個数が3~8個である。
C:計10個のモジュールのうち、FPC基板が剥離したモジュールの個数が9個以上である。
D:計10個のモジュールのうち、接着剤片の硬化処理の途中でFPC基板が剥離したモジュールの個数が5個以上である。
(3)接着剤片のボイド
上記のようにして得た計2個のモジュールのボイドを以下のようにして評価した。すなわち、得られたモジュールを超音波映像装置SAT(日立建機製、FS200II)にて検査し、空隙の有無を確認した。空隙有無の評価基準は以下の通りである。
A:ボイドの割合が10%未満。
D:ボイドの割合が10%以上。
Figure 0007272400000002
本開示の一側面によれば、半導体チップとFPC基板との接着性に優れるとともに、半導体チップとFPC基板との接着後に実施されるワイヤボンディングを好適に実施できる接着剤組成物が提供される。本開示の一側面によれば、この接着剤組成物からなる接着剤片を複数備える接着フィルム、並びに接続体の製造方法が提供される。
1…キャリアフィルム、3…接着剤層、3p…接着剤片(接着剤組成物)、5…保護フィルム、5p…保護部材、10…接着フィルム、50…モジュール(接続体)C…半導体チップ、F1…接着剤片の面(第一面)、F2…接着剤片の面(第二面)、S…フレキシブルプリント回路基板

Claims (15)

  1. 半導体チップとフレキシブルプリント回路基板とを含む接続体の製造方法であって、
    (A1)前記半導体チップと前記フレキシブルプリント回路基板の先端部との間に、130℃における溶融粘度が3500~20000Pa・sである接着剤組成物からなる接着剤層を介在させ、前記半導体チップと前記フレキシブルプリント回路基板の先端部とを接着する工程と、
    (B1)前記半導体チップと前記フレキシブルプリント回路基板とをワイヤボンディングする工程と、
    をこの順序で含み、
    前記接着剤組成物が、熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂とを少なくとも含み、
    前記熱可塑性樹脂の含有量を100質量部とすると、前記熱硬化性樹脂の含有量が70~240質量部であり、
    前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10万以上200万以下である、接続体の製造方法。
  2. (A1)工程は、前記半導体チップの表面に設けられた前記接着剤層に対して前記フレキシブルプリント回路基板の先端部を圧着するステップと、前記接着剤層に対して硬化処理を施すステップとを含む、請求項1に記載の接続体の製造方法。
  3. 半導体チップとフレキシブルプリント回路基板とを含む接続体の製造方法であって、
    (A2)前記半導体チップと前記フレキシブルプリント回路基板の先端部との間に、130℃における溶融粘度が3500~20000Pa・sである接着剤組成物からなる接着剤片を介在させ、前記半導体チップと前記フレキシブルプリント回路基板の先端部とを接着する工程と、
    (B2)前記半導体チップと前記フレキシブルプリント回路基板とをワイヤボンディングする工程と、
    をこの順序で含み、
    前記接着剤組成物が、熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂とを少なくとも含み、
    前記熱可塑性樹脂の含有量を100質量部とすると、前記熱硬化性樹脂の含有量が70~240質量部であり、
    前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10万以上200万以下である、接続体の製造方法。
  4. (A2)工程は、前記半導体チップの表面に設けられた前記接着剤片に対して前記フレキシブルプリント回路基板の先端部を圧着するステップと、前記接着剤片に対して硬化処理を施すステップとを含む、請求項3に記載の接続体の製造方法。
  5. 前記接着剤片の面積が10~200mmである、請求項3又は4に記載の接続体の製造方法。
  6. 前記接着剤組成物の130℃における溶融粘度が3500~6500Pa・sである、請求項1~5のいずれか一項に記載の接続体の製造方法。
  7. 前記接着剤組成物が、フィラーを更に含み、
    前記熱可塑性樹脂の含有量を100質量部とすると、前記フィラーの含有量が10~450質量部である、請求項1~6のいずれか一項に記載の接続体の製造方法。
  8. 半導体チップとフレキシブルプリント回路基板の先端部との接着に用いられる接着剤組成物であって、
    130℃における溶融粘度が3500~20000Pa・sであり、
    熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂とを少なくとも含み、
    前記熱可塑性樹脂の含有量を100質量部とすると、前記熱硬化性樹脂の含有量が70~240質量部であり、
    前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10万以上200万以下である、接着剤組成物。
  9. 130℃における溶融粘度が3500~6500Pa・sである、請求項8に記載の接着剤組成物。
  10. フィラーを更に含み、
    前記熱可塑性樹脂の含有量を100質量部とすると、前記フィラーの含有量が10~450質量部である、請求項8又は9に記載の接着剤組成物。
  11. 幅100mm以下の帯状のキャリアフィルムと、
    前記キャリアフィルム上に前記キャリアフィルムの長手方向に並ぶように配置されている複数の接着剤片と、
    を備え、
    前記接着剤片は、請求項~10のいずれか一項に記載の接着剤組成物からなる、接着フィルム。
  12. 前記接着剤片の面積が10~200mmである、請求項11に記載の接着フィルム。
  13. 前記接着剤片は、前記キャリアフィルムの表面を覆うように形成された接着剤層を型抜きすることによって形成されたものである、請求項11又は12に記載の接着フィルム。
  14. 前記接着剤片の前記キャリアフィルム側の第一面と反対側の第二面を覆っており、前記接着剤片と同じ形状を有する保護部材を更に備える、請求項11~13のいずれか一項に記載の接着フィルム。
  15. 前記接着剤片及び前記保護部材は、前記キャリアフィルムの表面を覆うように形成された接着剤層と、前記接着剤層を覆うように配置された保護フィルムとを型抜きすることによって形成されたものである、請求項14に記載の接着フィルム。
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