以下、添付図面を参照しながら、実施の形態について説明する。各図において同一または相当する部分には同一の符号を付している。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における浴室乾燥機1の使用形態を示す概略図である。図1中の実線の矢印は、空気の流れの方向を示している。図1に示すように、本実施の形態において、浴室乾燥機1は、浴室2の天井に設置されている。浴室2には、浴槽3が設けられている。また、浴室2に隣接して、洗面台5が配置された脱衣室4が設けられている。浴室2と脱衣室4とは、ドア6で仕切られている。ドア6の下部には、浴室2と脱衣室4とを連通させる通気口であるガラリ7が設けられている。また、脱衣室4の壁面には、使用者が浴室乾燥機1を操作するための操作部80が設けられている。
浴室乾燥機1は、浴室2に加えて、脱衣室4やトイレ等の建物内における浴室2以外の部屋(以下、「他室」と適宜称する。)の換気を行うことが可能である。本実施の形態では、一例として、浴室乾燥機1には、他室である脱衣室4の天井に設けられた吸引口8につながる換気ダクト9が接続されている。また、浴室乾燥機1には、屋外につながる排気ダクト10が接続されている。
図1の矢印で示すように、浴室乾燥機1は、浴室2内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を浴室2へ吹き出すことができる。また、浴室乾燥機1は、浴室2内の空気を吸い込み、排気ダクト10を通して外部へ排出することができる。さらに、浴室乾燥機1は、吸引口8および換気ダクト9を通して脱衣室4内の空気を吸い込み、排気ダクト10を通して外部へ排出することができる。なお、浴室乾燥機1が浴室2内の空気を吸い込む際には、ドア6のガラリ7を通して脱衣室4内の空気を吸い込むことも可能である。
図2は、浴室乾燥機1の断面模式図である。図3は、浴室乾燥機1の上面図である。図2および図3に示すように、浴室乾燥機1は、本体部20と、循環送風機40と、換気送風機50と、風路切替手段60と、制御部70と、を備える。
本体部20は、循環送風機40および換気送風機50を収容するハウジングを構成する。本体部20には、浴室吸込口21と、浴室吹出口22と、換気吸込口23と、排気口24と、循環風路25と、換気風路26と、が設けられている。浴室吸込口21は、浴室2から空気を吸い込むための開口である。浴室吹出口22は、浴室吸込口21から吸い込まれた空気を浴室2へ吹き出すための開口である。換気吸込口23は、浴室2以外の他室から空気を吸い込むための開口である。本実施の形態では、換気吸込口23には換気ダクト9が接続されている。このため、他室である脱衣室4の空気を吸引口8および換気ダクト9を介して換気吸込口23から吸い込むことが可能である。排気口24は、浴室吸込口21および換気吸込口23から吸い込まれた空気を屋外、すなわち浴室2および他室の外部に排出するための開口である。本実施の形態では、排気口24には排気ダクト10が接続されている。
循環風路25は、浴室吸込口21から浴室吹出口22に至る風路である。換気風路26は、循環風路25に連通する換気接続口27から排気口24に至る風路である。このため、換気接続口27を介して循環風路25と換気風路26とは互いに連通している。言い換えると、換気接続口27は、循環風路25と換気風路26とを互いに連通させる開口である。また、換気風路26は、換気吸込口23と連通している。
循環送風機40は、循環風路25に配置されている。循環送風機40は、浴室吸込口21から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を浴室吹出口22および換気接続口27へ送る。このため、循環送風機40は、循環風路25において浴室吹出口22および換気接続口27の上流側に配置されている。本実施の形態では、循環送風機40は、羽根車である循環ファン41と、循環ファン41を回転させる循環ファンモータ42と、を有する。循環ファン41は、例えばシロッコファンであり、浴室吸込口21と対向するように配置されている。また、循環送風機40には、循環ファン41の回転速度である単位時間当たりの回転数を検出する回転数センサ43が設けられている。循環ファン41の回転数と循環ファンモータ42の回転数とは、軸がぶれていない限り同一となるため、ここでは、回転数センサ43は、循環ファン41の回転数として循環ファンモータ42の回転数を検出する。
本実施の形態では、浴室吸込口21の上流側に、空気中の埃を取り除く集塵フィルタ29が配置されている。本体部20の下側、すなわち浴室2内を向く面の側は、意匠パネル30で覆われている。
また、循環風路25には、加熱部31が設けられている。加熱部31は、循環風路25において、換気接続口27よりも下流側で浴室吹出口22の上流側に配置されている。加熱部31は、循環送風機40から吹き出された空気を加熱する。加熱部31は、例えば、複数の発熱体を間隔をあけて配置したり、発熱体の周囲に複数の放熱フィンを設けたりして構成される。発熱体の周囲や放熱フィンの周囲には、空気の流路が形成される。その流路に空気を通過させることで、発熱体から空気へ放熱させる。発熱体としては、例えば、熱伝導性の高い電気絶縁体が周囲に配置された発熱体を金属パイプ中に収めた電気ヒータが用いられる。
換気送風機50は、換気風路26に配置されている。換気送風機50は、換気接続口27および換気吸込口23から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を排気口24へ送る。このため、換気送風機50は、換気風路26において換気接続口27および換気吸込口23の下流側に配置されている。本実施の形態では、換気送風機50は、羽根車である換気ファン51と、換気ファン51を回転させる換気ファンモータ52と、を有する。換気ファンは、例えばシロッコファンである。また、換気送風機50には、換気ファン51の回転速度である単位時間当たりの回転数を検出する回転数センサ53が設けられている。換気ファン51の回転数と換気ファンモータ52の回転数とは、軸がぶれていない限り同一となるため、ここでは、回転数センサ53は、換気ファン51の回転数として換気ファンモータ52の回転数を検出する。換気風路26において換気ファン51と換気接続口27との間の空間は、換気チャンバ28となっている。換気チャンバ28には、換気吸込口23が開口している。
風路切替手段60は、換気接続口27を開放しかつ循環風路25の浴室吹出口22に至る下流側を閉鎖した第1の状態と、換気接続口27を閉鎖しかつ循環風路25の下流側を開放した第2の状態と、を切り替える。第1の状態では、浴室吸込口21から吸い込まれた空気は、換気接続口27に導かれる。第2の状態では、浴室吸込口21から吸い込まれた空気は、循環風路25の浴室吹出口22に至る下流側に導かれる。本実施の形態では、風路切替手段60は、循環風路25において循環送風機40と加熱部31との間に配置されている。風路切替手段60は、板状に形成された回転ダンパ61と、ダンパ回転軸62と、から構成されている。回転ダンパ61は、循環風路25に配置され、基端部に設けられたダンパ回転軸62を中心に回動する。回転ダンパ61は、例えばステッピングモータのような駆動手段(不図示)によって駆動される。
回転ダンパ61は、下方向には、循環風路25の浴室吹出口22に至る下流側、すなわち循環風路25における回転ダンパ61の下流側を塞ぐ位置(下端位置)まで回動可能である。このとき、換気接続口27は開放されており、換気接続口27を介して循環風路25と換気風路26とが連通している。よって、浴室吸込口21から吸い込まれた空気は、換気接続口27を介して換気風路26へ流れる。また、回転ダンパ61は、上方向には、換気接続口27を塞ぐ位置(上端位置)まで回動可能である。このとき、循環風路25の下流側は開放されているので、浴室吸込口21から吸い込まれた空気は、浴室吹出口22へ流れる。加えて、回転ダンパ61は、下端位置と上端位置との間における任意の位置をとることが可能である。これにより、浴室吸込口21から吸い込まれた空気を、換気風路26側と循環風路25の下流側とに任意の流量比で分配することができる。
制御部70は、循環送風機40、換気送風機50および風路切替手段60の動作を制御する。図4は、浴室乾燥機1の制御機能の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、制御部70は、不図示の信号線によって、循環送風機40、換気送風機50、加熱部31、風路切替手段60、操作部80および報知部90のそれぞれと電気的に接続されている。循環送風機40に対して、制御部70は、循環ファンモータ42および回転数センサ43と通信可能に接続されている。よって、制御部70は、循環ファンモータ42の回転を制御可能であり、回転数センサ43の回転数データを取得可能である。同様に、換気送風機50に対して、制御部70は、換気ファンモータ52および回転数センサ53と通信可能に接続されている。よって、制御部70は、換気ファンモータ52の回転を制御可能であり、回転数センサ53の回転数データを取得可能である。制御部70は、操作部80から入力された運転指令に応じて、循環送風機40、換気送風機50、加熱部31および風路切替手段60をそれぞれ制御し、浴室乾燥機1に換気運転等を実施させる。制御部70は、循環送風機40の循環ファンモータ42の上側に配置されている。また、制御部70は、不図示の商用電源に接続される。
制御部70の機能は、例えば、図5に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図5は、処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。制御部70の機能は、例えば、図5に示すプロセッサ71がメモリ72に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、制御部70の機能のうち一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ71およびメモリ72を用いて実現するようにしてもよい。
本実施の形態では、浴室乾燥機1は、操作部80と、報知部90と、をさらに備える。操作部80は、使用者が浴室乾燥機1を操作するためのリモートコントローラである。操作部80は、制御部70と不図示の信号線を介して互いに通信可能に接続されている。このため、操作部80からの運転指令は、不図示の信号線を介して制御部70に伝えられる。また、操作部80は、LEDや液晶ディスプレイ等から構成される表示部(不図示)を有しており、この表示部によって、後述する運転モード等の表示を行うことができる。なお、操作部80としてスマートフォン等の携帯端末を用いてもよく、この場合に、操作部80は、通信ネットワークを介した無線通信方式によって制御部70と通信してもよい。
報知部90は、制御部70が循環送風機40および換気送風機50の異常を検知した場合に、その旨を使用者に報知する。報知部90は、制御部70と不図示の信号線を介して通信可能に接続されている。報知部90は、例えば、操作部80に設けられた表示部を用いて異常表示を行うことにより、使用者に異常を報知することができる。
本実施の形態では、浴室乾燥機1は、換気運転、暖房運転、乾燥運転、涼風運転および風乾燥運転の5つの運転モードを有する。これらの運転モードは、操作部80によって切り替えることができる。さらに、浴室乾燥機1は、24時間換気機能を有する。
換気運転は、換気送風機50によって浴室2および他室の空気を外部へ排出する運転である。図6は、浴室乾燥機1の風路切替手段60を構成する回転ダンパ61を下端位置としたときの循環風路25の下流側を示す断面模式図である。換気運転では、図6に示すように、制御部70は、回転ダンパ61の回転位置を下端位置に制御する。制御部70は、循環送風機40は駆動させずに停止したままで、換気送風機50を駆動させる。これによって、浴室吸込口21から循環風路25に流入した浴室2内の空気は、換気接続口27を通って換気風路26に流入し、換気送風機50に吸い込まれて排気口24から屋外へ排出される。また、換気吸込口23から換気風路26に流入した他室内の空気も、換気送風機50に吸い込まれて排気口24から屋外へ排出される。なお、制御部70は、加熱部31を通電させない。
換気運転において、使用者が操作部80によって換気風量を設定することが可能である。換気風量は、循環風路25から換気接続口27を通って換気風路26に流れる空気の風量である。換気運転において、換気風量は、換気送風機50の回転数によって変化する。このため、操作部80によって換気送風機50の回転数を変化させることで、換気風量を変化させることができる。制御部70は、操作部80からの指令に従って、換気送風機50の回転数、すなわち換気ファンモータ52の回転数を変化させる。これに伴って、換気送風機50が吸い込む空気の風量が変化し、換気風量が変化する。換気送風機50の回転数は、例えば、低回転数である弱ノッチ、高回転数である強ノッチというように、予め段階的に設定されていてもよく、操作部80で各ノッチに切り替えられるように設定されていてもよい。
暖房運転は、循環送風機40によって浴室2から吸い込んだ空気を、加熱部31で加熱し、浴室2内へ送風して浴室2の暖房を行う運転である。図7は、浴室乾燥機1の風路切替手段60を構成する回転ダンパ61を上端位置としたときの循環風路25の下流側を示す断面模式図である。暖房運転では、図7に示すように、制御部70は、回転ダンパ61の回転位置を上端位置に制御する。制御部70は、換気送風機50は駆動させずに停止したままで、循環送風機40を駆動させる。また、制御部70は、加熱部31を通電させる。これによって、浴室吸込口21から循環風路25に流入した浴室2内の空気は、循環送風機40に吸い込まれ、加熱部31を通って浴室吹出口22から浴室2内へ吹き出される。空気は加熱部31を通る際に加熱され、温風として浴室2内へ吹き出される。これによって、浴室2内の暖房が行われる。
暖房運転において、使用者が操作部80によって循環風量および暖房強度を設定することが可能である。循環風量は、循環風路25を通って浴室吹出口22から吹き出す空気の風量である。暖房運転において、循環風量は、循環送風機40の回転数によって変化する。このため、操作部80によって循環送風機40の回転数を変化させることで、循環風量を変化させることができる。制御部70は、操作部80からの指令に従って、循環送風機40の回転数、すなわち循環ファンモータ42の回転数を変化させる。これに伴って、循環送風機40が吸い込む空気の風量が変化し、換気風量が変化する。循環送風機40の回転数は、例えば、低回転数である弱ノッチ、高回転数である強ノッチというように、予め段階的に設定されていてもよく、操作部80で各ノッチに切り替えられるように設定されていてもよい。
また、暖房強度は、浴室吹出口22から吹き出す空気の温度に対応する。暖房強度は、加熱部31の発熱量によって変化する。このため、操作部80によって加熱部31の発熱量を変化させることで、暖房強度を変化させることができる。例えば、加熱部31が複数本の電気ヒータから構成されている場合、制御部70は、操作部80からの指令に従って、通電させる電気ヒータの本数を変化させる。これに伴って、加熱部31の発熱量が変化し、暖房強度が変化する。暖房強度は、例えば、多数の電気ヒータを通電させる強、強よりも少ない本数の電気ヒータを通電させる弱というように、予め段階的に設定されていてもよく、操作部80で各々に切り替えられるように設定されていてもよい。
乾燥運転は、浴室2および他室の換気を行うとともに浴室2内に温風を送る運転である。乾燥運転では、制御部70は、循環送風機40と換気送風機50との両方を駆動させるとともに、加熱部31を通電させる。循環送風機40を駆動させて浴室2から吸い込まれた空気は、風路切替手段60によって循環風路25の下流側と換気風路26側とに分流される。循環風路25の下流側に分流された空気は、加熱部31で加熱されて浴室吹出口22から浴室2内へ温風として吹き出される。換気風路26側に分流された空気は、換気送風機50によって換気吸込口23から吸い込まれた空気とともに、排気口24から外部へ排出される。このようにして、浴室2内の乾燥が行われる。
図8は、浴室乾燥機1の風路切替手段60を構成する回転ダンパ61を下端位置と上端位置との間の中間位置としたときの循環風路25の下流側を示す断面模式図である。乾燥運転では、図8に示すように、制御部70は、回転ダンパ61の回転位置を中間位置に制御する。このため、浴室吸込口21から吸い込まれて循環風路25に流入した空気は、換気接続口27を通って換気風路26へ流入可能であるとともに、加熱部31が配置された循環風路25の下流側へも流入可能である。乾燥運転では、制御部70は、換気風量よりも循環風量のほうが大きくなるように、回転ダンパ61の回転位置を調整する。よって、通常は、制御部70は、回転ダンパ61の回転位置を下端位置よりも上端位置に近い位置に制御する。また、乾燥運転では、使用者が操作部80によって運転強度を切り替えることが可能である。運転強度は、例えば、循環送風機40の回転数、換気送風機50の回転数および加熱部31の電気ヒータの通電本数の組合せが予め設定されたものであり、使用状況を想定して強および弱のそれぞれの組合せが設定され、操作部80で各々に切り替えられるように設定されていてもよい。
涼風運転は、浴室2内の湿気を排出して浴室2内に涼風を送り出す運転であり、夏場の蒸し暑い入浴や湯あたりの解消等に有効である。涼風運転では、制御部70は、循環送風機40と換気送風機50との両方を駆動させるが、加熱部31は通電させない。循環送風機40を駆動させて浴室2から吸い込まれた空気は、風路切替手段60によって循環風路25の下流側と換気風路26側とに分流される。循環風路25の下流側に分流された空気は、加熱部31による加熱は行われずに浴室2内の空気温度のままで浴室吹出口22から浴室2内へ吹き出される。換気風路26側に分流された空気は、換気送風機50によって換気吸込口23から吸い込まれた空気とともに、排気口24から外部へ排出される。これによって、浴室2内から外部へ排熱される。
涼風運転では、乾燥運転と同様に、図8に示すように、制御部70は、回転ダンパ61の回転位置を下端位置と上端位置との間の中間位置に制御する。このため、浴室吸込口21から吸い込まれて循環風路25に流入した空気は、換気接続口27を通って換気風路26へ流入可能であるとともに、循環風路25の下流側へも流入可能である。また、涼風運転では、制御部70は、換気風量よりも循環風量のほうが大きくなるように、回転ダンパ61の回転位置を調整する。よって、通常は、制御部70は、回転ダンパ61の回転位置を下端位置よりも上端位置に近い位置に制御する。また、涼風運転では、使用者が操作部80によって運転強度を切り替えることが可能である。運転強度は、例えば、循環送風機40の回転数および換気送風機50の回転数の組合せが予め設定されたものであり、使用状況を想定して強および弱のそれぞれの組合せが設定され、操作部80で各々に切り替えられるように設定されていてもよい。
風乾燥運転は、温風を用いずに送風と換気で浴室2の乾燥を行う運転である。風乾燥運転では、制御部70は、循環送風機40と換気送風機50との両方を駆動させるが、加熱部31は通電させない。循環送風機40を駆動させて浴室2から吸い込まれた空気は、風路切替手段60によって循環風路25の下流側と換気風路26側とに分流される。循環風路25の下流側に分流された空気は、加熱部31による加熱は行われずに浴室2内の空気温度のままで浴室吹出口22から浴室2内へ吹き出される。換気風路26側に分流された空気は、換気送風機50によって換気吸込口23から吸い込まれた空気とともに、排気口24から外部へ排出される。
風乾燥運転では、乾燥運転および涼風運転と同様に、図8に示すように、制御部70は、回転ダンパ61の回転位置を下端位置と上端位置との間の中間位置に制御する。このため、浴室吸込口21から吸い込まれて循環風路25に流入した空気は、換気接続口27を通って換気風路26へ流入可能であるとともに、循環風路25の下流側へも流入可能である。また、風乾燥運転では、制御部70は、循環風量よりも換気風量のほうが大きくなるように、回転ダンパ61の回転位置を調整する。よって、通常は、制御部70は、回転ダンパ61の回転位置を上端位置よりも下端位置に近い位置に制御する。また、風乾燥運転では、使用者が操作部80によって運転強度を切り替えることが可能である。運転強度は、例えば、循環送風機40の回転数および換気送風機50の回転数の組合せが予め設定されたものであり、使用状況を想定して強および弱のそれぞれの組合せが設定され、操作部80で各々に切り替えられるように設定されていてもよい。風乾燥運転は、乾燥運転と異なり、温風を用いずに浴室2の乾燥を行うので、乾燥運転に比べて乾燥時間は長くなる。しかし、加熱部31を通電させないので、小さな消費電力で浴室2内の乾燥を行うことができ、省エネルギーとなる。
24時間換気機能は、建築基準法に規定される、1時間当たりに部屋の空気の半分が入れ替わる換気量以上で常時換気を行うことが可能な機能である。24時間換気機能は、運転モードが選択されていない停止時および暖房運転時に、動作させることができる。運転モードが選択されていない停止時に24時間換気機能がONである場合、制御部70は、図6に示すように、回転ダンパ61の回転位置を下端位置に制御する。また、制御部70は、循環送風機40は駆動させずに停止したままで、換気送風機50を駆動させる。このとき、制御部70は、換気送風機50の回転数を上記した規定の換気量を満たすような回転数で一定に制御する。これによって、浴室吸込口21から循環風路25に流入した浴室2内の空気は、換気接続口27を通って換気風路26に流入し、換気送風機50に吸い込まれて排気口24から屋外へ排出される。また、換気吸込口23から換気風路26に流入した他室内の空気も、換気送風機50に吸い込まれて排気口24から屋外へ排出される。なお、制御部70は、加熱部31を通電させない。
また、暖房運転時に24時間換気機能がONである場合、制御部70は、図8に示すように、回転ダンパ61の回転位置を下端位置と上端位置との間の中間位置に制御する。このため、浴室吸込口21から吸い込まれて循環風路25に流入した空気は、循環風路25の下流側だけでなく、換気接続口27を通って換気風路26へも流入可能となる。また、制御部70は、換気送風機50を、上記した規定の換気量を満たすような一定の回転数で駆動させる。これにより、浴室吸込口21から吸い込まれた空気の一部は、換気接続口27を通って換気風路26に流入し、換気送風機50に吸い込まれて排気口24から屋外へ排出される。同時に、換気吸込口23から換気風路26に流入する他室内の空気も、換気送風機50に吸い込まれて排気口24から屋外へ排出される。このようにして、浴室2内の換気が実施される。
次に、浴室乾燥機1の異常検知に関する動作について説明する。図9は、浴室乾燥機1の異常検知に関する制御のフローチャートである。
浴室乾燥機1の電源が投入されると、図9に示すフローチャートの制御が開始される。まず、制御部70は、循環送風機40および換気送風機50の異常フラグの状態を確認する(ステップS01)。異常フラグはONおよびOFFの二つの状態をとり、ONの場合は異常があることを示し、OFFの場合は異常がない、すなわち正常であることを示す。循環送風機40の異常フラグの状態および換気送風機50の異常フラグの状態の組合せに対応して、ステップS02からステップS05の4つの処理に分岐する。
ステップS01において、循環送風機40の異常フラグがOFFかつ換気送風機50の異常フラグがOFFである場合、すなわち、循環送風機40および換気送風機50がともに正常である場合、ステップS02に進む。ステップS02では、制御部70は、操作部80からの運転指示に従って、浴室乾燥機1の運転を開始する。その後、ステップS06に進む。
ステップS01において、循環送風機40の異常フラグがONかつ換気送風機50の異常フラグがOFFである場合、すなわち、循環送風機40が異常であり、換気送風機50が正常である場合、ステップS03に進む。ステップS03では、後述する換気送風機単一運転の処理を行う。その後、ステップS06に進む。
ステップS01において、循環送風機40の異常フラグがOFFかつ換気送風機50の異常フラグがONである場合、すなわち、循環送風機40が正常であり、換気送風機50が異常である場合、ステップS04に進む。ステップS04では、後述する循環送風機単一運転の処理を行う。その後、ステップS06に進む。
ステップS01において、循環送風機40の異常フラグがONかつ換気送風機50の異常フラグがONである場合、すなわち、循環送風機40および換気送風機50がともに異常である場合、ステップS05に進む。ステップS05では、制御部70は、循環送風機40および換気送風機50に異常が発生していることを報知部90に報知させる。その後、この制御フローを終了する。
ステップS06では、循環送風機40および換気送風機50の異常判定の処理を行う。すなわち、循環送風機40の異常を検知したか否かおよび換気送風機50の異常を検知したか否かの判定を行う。この異常判定の処理によって、循環送風機40の異常フラグの情報(ONまたはOFF)と換気送風機50の異常フラグの情報(ONまたはOFF)とを更新する。なお、循環送風機40および換気送風機50のそれぞれの異常フラグは、工場出荷時にはOFFに設定されている。また、各異常フラグの情報は制御部70に記憶されており、浴室乾燥機1の電源が切られた状態でも記憶の維持が可能である。ステップS06の処理の後、ステップS01に戻り、再び異常フラグの状態を確認する。
ステップS06の異常判定処理について説明する。図10は、循環送風機40および換気送風機50の異常判定処理のフローチャートである。図10において、ステップS10からステップS15が換気送風機50の異常判定に関する処理であり、ステップS16からステップS21が循環送風機40の異常判定に関する処理である。
まず、制御部70は、操作部80からの運転指示に基づいて、換気送風機50の運転指示があるか否かを判定する(ステップS10)。例えば、操作部80から換気運転や乾燥運転、涼風運転、風乾燥運転の運転指示がある場合、これらの運転では換気送風機50を駆動させるので、制御部70は、換気送風機50の運転指示があると判定する。換気送風機50の運転指示があると判定された場合にはステップS11に進み、換気送風機50の運転指示がないと判定された場合にはステップS16に進む。
ステップS11では、制御部70は、換気送風機50の回転数が異常回転数であるか否かを判定する。具体的には、制御部70は、換気送風機50の回転数センサ53が検出する回転数が予め設定された異常回転数の範囲に含まれるか否かを判定する。例えば、換気送風機50の通常の回転数を250~2000rpmとし、通常の回転数と異常回転数との間に若干の余裕を持たせて、異常回転数を200rpm以下または2500rpm以上と設定する。この場合に、回転数センサ53で検出された回転数が150rpmであった場合、制御部70は換気送風機50の回転数が異常回転数の範囲に含まれると判定し、換気送風機50の回転数は異常回転数であると判定する。また、回転数センサ53で検出された回転数が1000rpmであった場合、制御部70は換気送風機50の回転数が異常回転数の範囲には含まれないと判定し、換気送風機50の回転数は異常回転数ではないと判定する。換気送風機50の回転数が異常回転数であると判定された場合にはステップS12に進み、換気送風機50の回転数が異常回転数ではないと判定された場合にはステップS16に進む。
ステップS12では、制御部70は、換気送風機50の異常回転数が予め設定された時間継続するか否かを判定する。具体的には、制御部70は、換気送風機50の回転数センサ53が検出する回転数がこの所定時間の間連続して異常回転数の範囲に含まれるか否かを判定する。この判定によって、換気送風機50を起動させた直後や停止させる直前に一時的に換気送風機50の回転数が異常回転数の範囲に入った場合を異常と判定されることを防止している。例えば、所定時間として5秒を設定する。この場合、換気送風機50の回転数が5秒間連続して異常回転数の範囲に含まれる場合には、制御部70は、換気送風機50の異常回転数が所定時間継続すると判定する。換気送風機50の異常回転数は所定時間継続すると判定された場合には、ステップS13に進む。換気送風機50の異常回転数は所定時間継続しないと判定された場合には、ステップS11に戻り、再び換気送風機50の回転数が異常回転数であるか否かの判定が行われる。
ステップS13では、制御部70は、換気送風機50を停止させ、再起動させる。その後、ステップS14に進む。
ステップS14では、制御部70は、換気送風機50を連続して再起動させた回数が予め設定された回数以上であるか否かを判定する。換気送風機50を再起動させた回数がこの所定回数以上であると判定された場合は、ステップS15に進む。所定回数としては、例えば5回に設定される。換気送風機50を再起動させた回数が所定回数未満である判定された場合は、ステップS11に戻る。よって、換気送風機50を再起動させた回数が所定回数に到達するまでの間は、ステップS11からステップS14の処理を繰り返す。
ステップS15では、制御部70は、換気送風機50を停止させるとともに、換気送風機50の異常フラグをONに設定する。その後、ステップS16に進む。
ステップS16からステップS21の処理は、異常判定の対象が循環送風機40と換気送風機50とで異なる以外は、基本的にステップS10からステップS15の処理と同様である。
ステップS16では、制御部70は、操作部80からの運転指示に基づいて、循環送風機40の運転指示があるか否かを判定する。例えば、操作部80から暖房運転や乾燥運転、涼風運転、風乾燥運転の運転指示がある場合、これらの運転では循環送風機40を駆動させるので、制御部70は、循環送風機40の運転指示があると判定する。循環送風機40の運転指示があると判定された場合には、ステップS17に進む。循環送風機40の運転指示がないと判定された場合には、この異常判定処理を終了する。
ステップS17では、制御部70は、循環送風機40の回転数が異常回転数であるか否かを判定する。具体的には、制御部70は、循環送風機40の回転数センサ43が検出する回転数が予め設定された異常回転数の範囲に含まれるか否かを判定する。例えば、循環送風機40の通常の回転数を250~2000rpmとし、通常の回転数と異常回転数との間に若干の余裕を持たせて、異常回転数を200rpm以下または2500rpm以上と設定する。回転数センサ43で検出された回転数が異常回転数の範囲に含まれ、循環送風機40の回転数は異常回転数であると判定された場合には、ステップS18に進む。回転数センサ43で検出された回転数が異常回転数の範囲には含まれず、循環送風機40の回転数は異常回転数ではないと判定された場合には、この異常判定処理を終了する。
ステップS18では、制御部70は、循環送風機40の異常回転数が予め設定された時間継続するか否かを判定する。具体的には、制御部70は、循環送風機40の回転数センサ43が検出する回転数がこの所定時間の間連続して異常回転数の範囲に含まれるか否かを判定する。所定時間としては、例えば5秒に設定される。循環送風機40の回転数が所定時間連続して異常回転数の範囲に含まれ、循環送風機40の異常回転数が所定時間継続すると判定された場合には、ステップS19に進む。循環送風機40の回転数が所定時間連続して異常回転数の範囲には含まれず、循環送風機40の異常回転数が所定時間継続しないと判定された場合には、ステップS17に戻り、再び循環送風機40の回転数が異常回転数であるか否かの判定が行われる。
ステップS19では、制御部70は、循環送風機40を停止させ、再起動させる。その後、ステップS20に進む。
ステップS20では、制御部70は、循環送風機40を連続して再起動させた回数が予め設定された回数以上であるか否かを判定する。循環送風機40を再起動させた回数がこの所定回数以上であると判定された場合は、ステップS21に進む。所定回数としては、例えば5回に設定される。循環送風機40を再起動させた回数が所定回数未満である判定された場合は、ステップS17に戻る。よって、循環送風機40を再起動させた回数が所定回数に到達するまでの間は、ステップS17からステップS20の処理を繰り返す。
ステップS21では、制御部70は、循環送風機40を停止させるとともに、循環送風機40の異常フラグをONに設定する。その後、この異常判定処理を終了する。なお、この異常判定処理において、ステップS16からステップS21で循環送風機40の異常判定を行う処理とステップS10からステップS15で換気送風機50の異常判定を行う処理との順番を入れ替えて実施されてもよい。
次に、ステップS03の換気送風機単一運転処理について説明する。図11は、換気送風機単一運転処理のフローチャートである。
まず、制御部70は、循環送風機40に異常が発生していることを報知部90に報知させる(ステップS30)。次に、制御部70は、風路切替手段60の回転ダンパ61の回転位置を下端位置に制御することによって、換気接続口27を開放し、循環風路25の下流側を閉鎖する(ステップS31)。
続いてステップS32に進み、制御部70は、操作部80から換気運転の運転指示があるか否かを判定する。換気運転の運転指示があると判定された場合、ステップS33に進む。ステップS33では、制御部70は、操作部80からの換気運転の運転指示に応じた回転数で換気送風機50を駆動させる。そして、この換気送風機単一運転処理を終了する。また、ステップS32で換気運転の運転指示がないと判定された場合、そのままこの換気送風機単一運転処理を終了する。このように、この換気送風機単一運転処理では、換気運転以外の運転指示は受け付けない。
次に、ステップS04の循環送風機単一運転処理について説明する。図12は、循環送風機単一運転処理のフローチャートである。
まず、制御部70は、換気送風機50に異常が発生していることを報知部90に報知させる(ステップS40)。次に、制御部70は、操作部80から換気運転の運転指示があるか否かを判定する(ステップS41)。換気運転の運転指示があると判定された場合、ステップS42に進む。ステップS42では、制御部70は、風路切替手段60の回転ダンパ61の回転位置を下端位置に制御することによって、換気接続口27を開放し、循環風路25の下流側を閉鎖する。続いてステップS43に進み、制御部70は、操作部80からの換気運転の運転指示に応じた回転数で循環送風機40を駆動させる。この場合、換気送風機50が停止した状態で、循環送風機40のみで換気運転が実施される。そして、この循環送風機単一運転処理を終了する。
ステップS41で換気運転の運転指示がないと判定された場合、ステップS44に進む。ステップS44では、制御部70は、操作部80からの運転指示に基づいて、循環送風機40の運転指示があるか否かを判定する。例えば、操作部80から暖房運転や乾燥運転、涼風運転、風乾燥運転の運転指示がある場合、これらの運転では循環送風機40を駆動させるので、制御部70は、循環送風機40の運転指示があると判定する。循環送風機40の運転指示があると判定された場合には、制御部70は、風路切替手段60の回転ダンパ61を操作部80からの運転指示に応じた回転位置に制御し、操作部80からの運転指示に応じた回転数で循環送風機40を駆動させる(ステップS45)。この場合、換気送風機50が停止した状態で、暖房運転や乾燥運転等の運転が実施される。また、ステップS44で循環送風機40の運転指示がないと判定された場合、そのままこの循環送風機単一運転処理を終了する。なお、この循環送風機単一運転処理では、24時間換気機能と他の運転モードとを併用する指示は受け付けない。
以上に説明したように、本実施の形態に係る浴室乾燥機1は、浴室2から空気を吸い込むための浴室吸込口21と、吸い込まれた空気を浴室2へ吹き出すための浴室吹出口22と、浴室2以外の他室から空気を吸い込むための換気吸込口23と、吸い込まれた空気を屋外に排出するための排気口24と、浴室吸込口21から浴室吹出口22に至る循環風路25と、循環風路25と連通する換気接続口27から排気口24に至り、換気吸込口23と連通する換気風路26と、が設けられた本体部20と、循環風路25に配置され、浴室吸込口21から空気を吸い込み、浴室吹出口22および換気接続口27の少なくとも一方へ送る循環送風機40と、換気風路26に配置され、換気接続口27および換気吸込口23から空気を吸い込み、排気口24へ送る換気送風機50と、換気接続口27を開放しかつ循環風路25の浴室吹出口22に至る下流側を閉鎖した第1の状態と、換気接続口27を閉鎖しかつ循環風路25の下流側を開放した第2の状態と、を切り替える風路切替手段60と、循環送風機40、換気送風機50および風路切替手段60の動作を制御する制御部70と、を備え、制御部70は、換気送風機50の異常を検知したか否かおよび循環送風機40の異常を検知したか否かを判定し、換気送風機50の異常を検知しかつ循環送風機40の異常を検知しない場合で、かつ換気送風機50を駆動して浴室2および他室の空気を屋外へ排出する換気運転の指示がある場合、換気送風機50を停止させ、第1の状態で循環送風機40を駆動させるものである。
このような構成によって、換気送風機50の異常が検知された場合であっても、循環送風機40の異常を検知しない場合には、換気接続口27を開放しかつ循環風路25の下流側を閉鎖した第1の状態で循環送風機40を駆動させることにより、浴室吸込口21から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を換気接続口27および換気風路26を通して排気口24から屋外へ排出することができ、浴室2の換気を実施できる。したがって、換気送風機50の異常のために通常の換気運転が実施できない場合でも、このように循環送風機40を駆動させることで、換気を継続することができる。
また、本実施の形態に係る浴室乾燥機1の制御方法は、浴室2から空気を吸い込むための浴室吸込口21と、吸い込まれた空気を浴室2へ吹き出すための浴室吹出口22と、浴室2以外の他室から空気を吸い込むための換気吸込口23と、吸い込まれた空気を屋外に排出するための排気口24と、浴室吸込口21から浴室吹出口22に至る循環風路25と、循環風路25と連通する換気接続口27から排気口24に至り、換気吸込口23と連通する換気風路26と、が設けられた本体部20と、循環風路25に配置され、浴室吸込口21から空気を吸い込み、浴室吹出口22および換気接続口27の少なくとも一方へ送る循環送風機40と、換気風路26に配置され、換気接続口27および換気吸込口23から空気を吸い込み、排気口24へ送る換気送風機50と、換気接続口27を開放しかつ循環風路25の浴室吹出口22に至る下流側を閉鎖した第1の状態と、換気接続口27を閉鎖しかつ循環風路25の下流側を開放した第2の状態と、を切り替える風路切替手段60と、循環送風機40、換気送風機50および風路切替手段60の動作を制御する制御部70と、を備える浴室乾燥機1の制御方法であって、制御部70が、換気送風機50の異常を検知したか否かを判定するステップと、制御部70が、循環送風機40の異常を検知したか否かを判定するステップと、制御部70が、換気送風機50を駆動して浴室2および他室の空気を屋外へ排出する換気運転の指示があるか否か判定するステップと、制御部が、換気送風機50の異常を検知しかつ循環送風機40の異常を検知しない場合でかつ換気運転の指示がある場合に、換気送風機50を停止させ、風路切替手段60を第1の状態に切り替えさせ、循環送風機40を駆動させるステップと、を含むものである。
これにより、換気送風機50の異常を検知して、循環送風機40の異常を検知しない場合に換気運転の指示がある場合、換気送風機50を停止させ、換気接続口27を開放しかつ循環風路25の下流側を閉鎖した第1の状態に風路切替手段60を切り替えさせ、循環送風機40を駆動させるので、換気送風機50を用いずに循環送風機40によって、浴室吸込口21から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を換気接続口27および換気風路26を通して排気口24から屋外へ排出することができる。これにより、浴室2の換気を実施できる。したがって、換気送風機50の異常のために通常の換気運転が実施できない場合でも、換気を継続することができる。
なお、本実施の形態において、浴室2以外で換気を行う他室は脱衣室の1部屋であったが、これに限らず、他室は複数あってもよい。この場合に、上述した説明では、換気吸込口23は本体部20に一つ設けられていたが、他室の数に対応して、換気吸込口23は本体部20に複数設けられていてもよい。
実施の形態2.
次に、実施の形態2について、図13を参照して説明する。図13は、本実施の形態における浴室乾燥機101の上面図である。なお、本実施の形態のうち、実施の形態1と同様の部分の説明は省略する。
浴室乾燥機101は、浴室吸込口21から吸い込まれた空気が換気吸込口23から他室へ逆流することを防止する逆流防止手段33をさらに備える。本実施の形態では、逆流防止手段33は、板状の開閉ダンパ34と、回転軸35と、を有する。開閉ダンパ34は、回転軸35を回転中心として揺動し、換気吸込口23の開閉を行う。開閉ダンパ34の揺動は、例えば風圧によって行われる。換気風路26から換気吸込口23に風が流れた場合には、その風圧で開閉ダンパ34が閉じる方向に揺動し、換気吸込口23を閉鎖して逆流を防止する。換気吸込口23から換気風路26に風が流れた場合には、換気吸込口23を開放して換気風路26に風を流すことができる。また、開閉ダンパ34の揺動は、例えばステッピングモータのような駆動手段(不図示)によって行われてもよい。この場合には、制御部70によってこの駆動手段を制御することで、任意に開閉ダンパ34を開閉することができ、逆流を防止することができる。例えば、制御部70は、循環送風機単一運転の際に開閉ダンパ34を閉じて、換気吸込口23から他室への逆流を防止する。
通常、換気運転では、換気送風機50を駆動させて換気吸込口23や換気接続口27から空気を引っ張るため、換気吸込口23から他室へ空気が逆流することはない。しかし、実施の形態1に係る浴室乾燥機1では、換気送風機50の異常検知時に行われる循環送風機単一運転の際に、循環送風機40によって浴室吸込口21から吸い込まれて換気接続口27を介して換気風路26へ送られた空気の一部が、換気風路26に連通する換気吸込口23から他室に逆流する可能性がある。このようにして浴室2の湿った空気や臭いが他室に逆流した場合、他室において壁面の汚れやカビが発生する可能性がある。
本実施の形態では、浴室乾燥機101は逆流防止手段33を備えるので、浴室吸込口21から吸い込まれた空気が換気吸込口23から他室へ逆流することを防止することができる。このため、循環送風機単一運転の際であっても、浴室2内の空気が他室へ流れることを防止でき、浴室2の湿った空気が脱衣室4等の他室へ移ることを防止できる。
なお、本実施の形態では、逆流防止手段33として開閉ダンパ34で換気吸込口23を開閉する構成を説明したが、これに限らない。例えば、逆流防止手段33として、換気吸込口23において風路の角度を切り替えて逆流しないようにする構成であってもよく、換気吸込口23から他室への逆流を防止可能な構成であれば機構の種類は問わない。
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。なお、本実施の形態のうち、上述した実施の形態と同様の部分の説明は省略する。
本実施の形態では、換気送風機50の異常が検知されて、循環送風機40の異常は検知されない場合に行われる循環送風機単一運転(ステップS04)において、換気運転の運転指示があり(ステップS41)、循環送風機40を駆動させる(ステップS43)場合に、制御部70は、循環送風機40の回転数を次のように制御する。すなわち、制御部70は、換気送風機50および循環送風機40の両方とも異常を検知しない場合に駆動される循環送風機40の回転数のうち最も大きい回転数以上の回転数で、循環送風機40を駆動させる。具体的には、換気送風機50および循環送風機40の両方が正常の場合、循環送風機40は、暖房運転、乾燥運転、涼風運転および風乾燥運転のいずれかの運転モードの場合に動作する。それぞれの運転モードにおいて運転強度等が設定され、それらにおいて循環送風機40の回転数が設定されている。循環送風機単一運転において換気運転の運転指示がある場合には、制御部70は、これらの回転数のうち最も大きい回転数以上の回転数で循環送風機40を駆動させる。
循環送風機単一運転において循環送風機40のみで換気を実施する場合には、換気送風機50を用いて行う通常の換気運転と比較して、送風機から排気口24までの風路が長くなること、および送風機自体の大きさや構造が異なることから、換気量が不足する可能性がある。このため、循環送風機40を通常時における最大回転数以上の回転数で回転させて換気を行うことで、上述の換気量不足を補うことができる。
なお、制御部70は、循環送風機単一運転において循環送風機40のみで換気を実施する場合、始めから循環送風機40を通常時における最大回転数以上の回転数で回転させずに、操作部80から回転数を上げる指示を受けた際に、循環送風機40の回転数を上げるようにしてもよい。
実施の形態4.
次に、実施の形態4について説明する。なお、本実施の形態のうち、上述した実施の形態と同様の部分の説明は省略する。
本実施の形態では、実施の形態3とは異なり、換気送風機50の異常が検知されて、循環送風機40の異常は検知されない場合に行われる循環送風機単一運転(ステップS04)において、換気運転の運転指示があり(ステップS41)、循環送風機40を駆動させる(ステップS43)場合に、制御部70は、循環送風機40の回転数を、循環送風機40に吸い込まれる空気が流れる風路の圧力損失に基づいて制御する。
一般的に、圧力損失は、風路の形状や長さ等の条件によって変化する。例えば、浴室乾燥機1は、脱衣室4を換気する場合に、吸引口8および換気ダクト9を通して脱衣室4内の空気を吸い込み、またドア6のガラリ7を通して浴室2を経由して脱衣室4内の空気を吸い込む。このとき、これらの風路の形状や長さ等によって圧力損失の大きさが変わる。また、浴室乾燥機1は、排気ダクト10を通して吸い込んだ空気を外部へ排出するが、このとき排気ダクト10の形状や長さ等によって圧力損失の大きさが変わる。
本実施の形態において、通常の、つまり換気送風機50および循環送風機40の両方が正常である場合の換気運転を実施する場合、脱衣室4の空気は、吸引口8および換気ダクト9を通して浴室乾燥機1に吸い込まれるとともに、ドア6のガラリ7を通って浴室2内の空気とともに浴室乾燥機1に吸い込まれる。一方で、換気送風機50の異常が検知されて、循環送風機単一運転において換気運転の指示がある場合、循環送風機40によって空気を吸い込むので、脱衣室4の空気はドア6のガラリ7から浴室2を通って浴室乾燥機1に吸い込まれるが、吸引口8および換気ダクト9を通っては吸い込まれない。結果として、脱衣室4の空気をドア6のガラリ7を通る風路のみから吸い込むことになるので、圧力損失が大きくなる。このような環境下で所定の換気量を確保しようとする場合、循環送風機40の回転数を上げることが考えられる。しかし、単純に循環送風機40の回転数を上げると、消費電力が増加してしまい、さらに循環送風機40の回転音も大きくなることで騒音となり、使用者の快適性を損なう可能性がある。
このため、本実施の形態では、制御部70は、循環送風機40に吸い込まれる空気が流れる風路の圧力損失に基づいて循環送風機40の回転数を制御する。循環送風機40に吸い込まれる空気が流れる風路としては、例えば、上述のように循環送風機単一運転において換気運転を実施する場合は、脱衣室4からドア6のガラリ7、浴室2、浴室乾燥機1の浴室吸込口21、循環風路25、換気接続口27、換気風路26、排気口24および排気ダクト10を通って屋外へ至る風路となる。制御部70は、例えば、この風路の圧力損失が大きくなり換気量が不足する場合には、循環送風機40の回転数を上げ、また圧力損失が大きくなく必要以上に循環送風機40が回転している場合には、循環送風機40の回転数を抑制する。このように、圧力損失に基づいて循環送風機40を最適な回転数で制御して換気を実施することで、必要以上の回転数による循環送風機40の運転を回避し、低消費電力化および静音化を実現できる。
循環送風機単一運転において換気運転を実施する場合の風路の圧力損失は、例えば、予め制御部70に設定しておくことができる。具体的には、施工業者等が浴室乾燥機1を住宅等に設置する際に、その実地の施工状況から圧力損失を求め、操作部80を用いてその圧力損失の値を制御部70に設定する。また、予め循環送風機40のみを駆動して行う換気運転を実施することによって、この風路の圧力損失を推定しておいてもよい。圧力損失の推定方法としては、例えば、循環送風機40の循環ファンモータ42にDCモータ(直流モータ)を使用し、風量が回転数の1乗に比例する関係や電流値が回転数の2乗に比例する関係等の送風機をDCモータで駆動させる場合の特性を利用して、この換気運転時のDCモータの回転数や電流値等と、通常運転時の回転数や電流値等または製品出荷前に予め基準となる回転数や電流値等を設定しその設定された回転数や電流値等と、を比較することによって圧力損失を推定することができる。この圧力損失の推定を実施するタイミングは、例えば浴室乾燥機1の初期通電時や一定時間の経過毎、操作部80から指示がある場合等、いずれのタイミングであってもよい。
なお、この圧力損失の推定は、換気送風機50の換気ファンモータ52にDCモータを用い、換気送風機50のみを駆動した換気運転を実施することにより、行ってもよい。この場合には、実施の形態2で説明した逆流防止手段33によって、換気吸込口23を閉鎖した状態で換気運転を実施する。
なお、各実施の形態を、適宜、組み合わせたり、変形や省略したりすることも、実施の形態で示された技術的思想の範囲に含まれる。