JP7270318B2 - エポキシ系組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、エポキシ系組成物に関する。
エポキシ樹脂と硬化剤との反応は発熱反応であるので大量の熱を放出する。反応時に生じる発熱は、エポキシ樹脂を硬化させて得られる硬化物の収縮の原因となり、注型品の寸法精度が低下し又は注型品にクラックを生じるなどの問題を生じる。
特に、1回の注型量が1kg~数十kgの比較的大型の注型品を成形する(大量注型)場合、得られる注型品の収縮が著しく大きくなる。
又、エポキシ樹脂と硬化剤との反応時に生じる発熱は、エポキシ樹脂を供給する型や、エポキシ樹脂中に埋め込まれる他の材料の劣化を招く。例えば、中空糸膜モジュールの中空糸固定用の注型においては、発熱によってハウジングの歪みや中空糸膜を痛めてしまい、中空糸膜の本来のろ過能力を著しく低下させてしまうという問題点を生じる。
更に、エポキシ樹脂と硬化剤との反応時の発熱が大きい場合には、エポキシ樹脂が部分的に分解し、エポキシ樹脂に変色又は品質の劣化を生じる。発熱が極めて大きい場合には、エポキシ樹脂の炭化又は焦化が生じ、エポキシ樹脂から発火を生じる虞れがあるという問題点を生じる。
大量注型(大型注型)における発熱は、バルクマトリックス中での劣った熱伝達のために、熱を効率的に外部に放出させることができない。そのため、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を長時間かけてゆっくり行って発熱を緩やかにしたり、硬化反応時の反応温度及び時間を厳密に制御したり、多段階にわけて注型を行うなどの煩雑な工程を行う必要があり、生産効率が低下するという問題点を有する。
一方、硬化反応時の発熱は、エポキシ樹脂と硬化剤との反応によるものであるから、単位体積あたりの反応数を減らすことで発熱を低下させることができる。
しかしながら、大量注型による反応時の発熱を抑えるには相当数の反応数を減らす必要がある。そのためには、単位あたりの官能基数が小さい単官能の原料や分子量の大きい原料を使用する必要があり、その結果、エポキシ樹脂の硬化物の架橋密度が低下し、エポキシ樹脂の硬化物の長所である高い機械的強度が損なわれるという別の問題を生じる。又、分子量の大きいエポキシ樹脂を用いると、流動性が損なわれ、注型やポッティングが困難になるという別の問題を生じる。
特許文献1には、常温~60℃の低温で硬化し、かつ硬化時の発熱温度が100℃を超えない注型用液状エポキシ樹脂組成物であって、常温で液状のエポキシ樹脂、硬化剤としてのポリオキシプロピレンジアミン及び無機系フィラーを含有し、前記ポリオキシプロピレンジアミンの平均分子量が270~1800の範囲にあり、かつ無機系フィラーの含有率が組成物全体の30重量%以上であることを特徴とする注型用液状エポキシ樹脂組成物が提案されている。
特開平6-248059号公報
しかしながら、注型用液状エポキシ樹脂組成物は、硬化時の発熱が高く、硬化にも長時間を要し、得られる硬化物の機械的強度も低いという問題点を有している。
本発明は、硬化時の発熱が低く、常温で短時間に硬化し、機械的強度に優れた硬化物を得ることができるエポキシ系組成物を提供する。
本発明のエポキシ系組成物は、
分子内に芳香環及びエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)100重量部と、
上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と反応させた時の100℃における反応速度定数kが0.10~0.37min-1であり且つポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)を含む反応性アミン化合物(B)と、
上記エポキシ樹脂(A)に5mol%添加したときの反応熱において、昇温速度5℃/minにて示差走査熱量測定した0~200℃までの積算熱量が100J/g以上で且つ最大熱流が0.08W/g以上であって、最大熱流を示す温度が130℃以下であると共に、3級アミン(C1)及び/又は含窒素芳香族複素環式化合物(C2)を含む触媒化合物(C)とを含み、
上記反応性アミン化合物(B)の活性水素量と上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ量との比[反応性アミン化合物(B)の活性水素量/エポキシ樹脂(A)のエポキシ量]が0.3~0.8であることを特徴とする。
本発明のエポキシ系組成物は、
分子内に芳香環及びエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)100重量部と、
反応促進剤(D)と、
上記反応促進剤(D)の存在下で上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と反応させた時の100℃における反応速度定数kが0.10~0.37min-1であり且つポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)を含む反応性アミン化合物(B)と、
上記エポキシ樹脂(A)に5mol%添加したときの反応熱において、昇温速度5℃/minにて示差走査熱量測定した0~200℃までの積算熱量が100J/g以上で且つ最大熱流が0.08W/g以上であって、最大熱流を示す温度が80~130℃であると共に、3級アミン(C1)及び/又は含窒素芳香族複素環式化合物(C2)を含む触媒化合物(C)0.1~10重量部とを含み、
上記反応性アミン化合物(B)の活性水素量と上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ量との比[反応性アミン化合物(B)の活性水素量/エポキシ樹脂(A)のエポキシ量]が0.3~0.8であることを特徴とする。
本発明のエポキシ系組成物は、エポキシ樹脂(A)と、ポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)との反応が短時間のうちに集中的に進行しないように、エポキシ樹脂(A)と、ポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)を含む反応性アミン化合物との反応性を制御している。
更に、本発明のエポキシ系組成物は、エポキシ樹脂の硬化反応を、エポキシ樹脂(A)と、ポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)を含む反応性アミン化合物(B)との反応、及び、3級アミン及び/又は含窒素芳香族複素環式化合物を含む触媒化合物(C)を触媒としたエポキシ樹脂の重合(エポキシ樹脂の自己架橋)反応の二段階反応としている。
即ち、本発明のエポキシ系組成物は、硬化反応の反応数を減少させることなく、エポキシ樹脂の硬化反応によって生じる反応熱を時間的に分散させており、その結果、硬化時の発熱を低下させている。
本発明のエポキシ系組成物は、硬化反応の反応数を減少させる必要がないことから、分子量の大きなエポキシ樹脂を用いる必要がなく、流動性にも優れていると共に、得られる硬化物も優れた機械的強度を有している。
本発明のエポキシ系組成物は、主剤と硬化剤とを含む二液型であり、主剤と硬化剤とを混合させ硬化させて用いられる。
[エポキシ樹脂(A)]
エポキシ系組成物の主剤は、エポキシ樹脂(A)を含有している。エポキシ樹脂(A)は、分子内に芳香環及びエポキシ基を有している。エポキシ樹脂(A)は、23℃、0.10MPaにて液状であることが好ましい。エポキシ樹脂(A)が芳香環を有しているので、優れた機械的強度を有する硬化物を得ることができる。なお、エポキシ樹脂とは、複数個の架橋し得るエポキシ基を含む化合物を意味する。液状とは、一定の体積を有し且つ流動性を有する形態をいう。
分子内に芳香環及びエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)としては、特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型のエポキシ樹脂、アミノフェノール型のエポキシ樹脂、アニリン型のエポキシ樹脂、ベンジルアミン型のエポキシ樹脂、キシレンジアミン型のエポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂(A)は、貯蔵安定性に優れており、23℃、0.10MPaにて液状であって比較的粘度が低いことから、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂及びビスフェノールF型のエポキシ樹脂などのエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、一般的に、多価フェノールなどの多価アルコールの水酸基にエピクロルヒドリンが付加してなる生成物(例えば、下記式(1)において、繰り返し数n=0)であるか、又は、多価アルコールにエピクロルヒドリンが開環付加して生成された繰り返し単位を有している(例えば、下記式(1)において、繰り返し数nが自然数)。なお、エポキシ樹脂(A)は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
エポキシ樹脂(A)が、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンと反応生成物)である場合、下記に示す構造式を有する。但し、繰り返し数nは、0又は自然数である。
Figure 0007270318000001
エポキシ樹脂(A)は、23℃及び0.10MPaの条件下にて液状であることが好ましい。エポキシ樹脂(A)が23℃及び0.10MPaの条件下にて液状であることによって、エポキシ系組成物の流動性を確保することができる。エポキシ樹脂(A)が、複数種類の混合物(繰り返し単位の繰り返し数nが異なるエポキシ樹脂の混合物である場合も含む)である場合、エポキシ樹脂(A)が、23℃及び0.10MPaの条件下にて液状であるか否かは、混合物全体として判断される。従って、23℃及び0.10MPaの条件下にて固体であるエポキシ樹脂が含まれていても、エポキシ樹脂の混合物全体が、23℃及び0.10MPaの条件下にて液状であれば、エポキシ樹脂の混合物全体をエポキシ樹脂(A)とする。なお、23℃及び0.10MPaの条件下にて固体であるエポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型のエポキシ樹脂、ナフタレン型のエポキシ樹脂、フェノールノボラック型のエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型のエポキシ樹脂、トリスヒドロキシメタン型のエポキシ樹脂、テトラフェノールエタン型のエポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ系組成物は、本発明の作用硬化を阻害しない範囲内において、主剤の粘度調整のために希釈剤が含有されていてもよい。希釈剤は、エポキシ基を1個のみ有する場合は、分子内に芳香環を有していてもよい。希釈剤は、複数個の架橋し得るエポキシ基を含む場合、分子内に芳香環を有していないことが好ましい。希釈剤は、反応性の有無は関係ない。希釈剤は、特に限定されず、例えば、ブチルグリシジルエーテル、2-エシルヘキシルグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、2,2’,2”-[1,2,3-プロパントリイルトリ(オキシメチレン)]トリスオキシラン、ペンタエリスリトールポリグリシジルエ-テル、1,4-ビス[(オキシラン-2-イルメトキシ)メチル]シクロヘキサン、フェニルグリシジルエーテル、1,3-ビス(オキシラニルメトキシ)ベンゼン、ベンジルグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートなどが挙げられる。なお、希釈剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
[ポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)]
エポキシ系組成物の硬化剤は、ポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)を含む反応性アミン化合物(B)を含む。反応性アミン化合物(B)は、エポキシ樹脂(A)の複数個のエポキシ基と反応し、エポキシ樹脂(A)の硬化物の架橋構造を構成する。
反応性アミン化合物(B)は、ポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)を含む。
反応性アミン化合物(B)は、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃での反応速度定数kが0.10~0.37min-1である。
「エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させる」とは、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と、反応性アミン化合物(B)とを、反応性アミン化合物(B)の活性水素量とエポキシ樹脂(A)のエポキシ量との比[反応性アミン化合物(B)の活性水素量/エポキシ樹脂(A)のエポキシ量]が1となるように反応させることを意味する。なお、本発明において、反応性アミン化合物(B)の活性水素量とエポキシ樹脂(A)のエポキシ量との比[反応性アミン化合物(B)の活性水素量/エポキシ樹脂(A)のエポキシ量]を「当量値」ということがある。
反応性アミン化合物(B)において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃での反応速度定数k(以下、単に「反応速度定数k」ということがある)は、0.10min-1以上であり、0.105min-1以上が好ましく、0.106min-1以上がより好ましく、0.11min-1以上がより好ましく、0.12min-1以上がより好ましい。
反応性アミン化合物(B)において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃での反応速度定数k(以下、単に「反応速度定数k」ということがある)は、0.37min-1以下であり、0.27min-1以下が好ましく、0.22min-1以下がより好ましく、0.20min-1以下がより好ましく、0.18min-1以下がより好ましい。
ポリアミン(B1)において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃での反応速度定数kは、0.10min-1以上が好ましく、0.105min-1以上がより好ましく、0.106min-1以上がより好ましく、0.11min-1以上がより好ましく、0.12min-1以上がより好ましい。
ポリアミン(B1)において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃での反応速度定数kは、0.37min-1以下が好ましく、0.27min-1以下がより好ましく、0.22min-1以下がより好ましく、0.20min-1以下がより好ましく、0.18min-1以下がより好ましい。
ポリアミドアミン(B2)において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃での反応速度定数kは、0.10min-1以上が好ましく、0.105min-1以上がより好ましく、0.106min-1以上がより好ましく、0.11min-1以上がより好ましく、0.12min-1以上がより好ましい。
ポリアミドアミン(B2)において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃での反応速度定数kは、0.37min-1以下が好ましく、0.27min-1以下がより好ましく、0.22min-1以下がより好ましく、0.20min-1以下がより好ましく、0.18min-1以下がより好ましい。
反応性アミン化合物(B)の100℃での反応速度定数kを0.10min-1以上とすることによって、20~30℃程度の雰囲気温度にて短時間(例えば、約8時間以内)のうちに硬化させることができる。ポリアミン(B1)及びポリアミドアミン(B2)の場合も同様である。
反応性アミン化合物(B)の100℃での反応速度定数kを0.37min-1以下とすることによって、エポキシ系組成物の反応が適度な反応速度を有し、硬化反応が短時間のうちに集中することを抑制することができ、硬化反応時に生じる発熱を分散させて、硬化反応時の発熱を低下させることができる。ポリアミン(B1)及びポリアミドアミン(B2)の場合も同様である。
反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kは、反応促進剤(D)の存在下における反応速度定数kであってもよい。即ち、反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kは、反応促進剤(D)によって調整されてもよい。反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kが反応促進剤(D)によって調整されている場合、単に「反応速度定数k」というときは、反応促進剤(D)によって調整された後の反応速度定数kをいう。
反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kが反応促進剤(D)によって調整された場合、反応促進剤(D)によって調整された後において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時の100℃での反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kは、0.10min-1以上であり、0.105min-1以上が好ましく、0.106min-1以上がより好ましく、0.11min-1以上がより好ましく、0.12min-1以上がより好ましい。
反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kが反応促進剤(D)によって調整された場合、反応促進剤(D)によって調整された後において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時の100℃での反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kは、上記と同様の理由で、0.37min-1以下であり、0.27min-1以下が好ましく、0.22min-1以下がより好ましく、0.20min-1以下がより好ましく、0.18min-1以下がより好ましい。
ポリアミン(B1)の反応速度定数kが反応促進剤(D)によって調整された場合、反応促進剤(D)によって調整された後において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃でのポリアミン(B1)の反応速度定数kは、0.10min-1以上が好ましく、0.105min-1以上がより好ましく、0.106min-1以上がより好ましく、0.11min-1以上がより好ましく、0.12min-1以上がより好ましい。
ポリアミン(B1)の反応速度定数kが反応促進剤(D)によって調整された場合、反応促進剤(D)によって調整された後において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃でのポリアミン(B1)の反応速度定数kは、0.37min-1以下が好ましく、0.27min-1以下がより好ましく、0.22min-1以下がより好ましく、0.20min-1以下がより好ましく、0.18min-1以下がより好ましい。
ポリアミドアミン(B2)の反応速度定数kが反応促進剤(D)によって調整された場合、反応促進剤(D)によって調整された後において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃でのポリアミドアミン(B2)の反応速度定数kは、0.10min-1以上が好ましく、0.105min-1以上がより好ましく、0.106min-1以上がより好ましく、0.11min-1以上がより好ましく、0.12min-1以上がより好ましい。
ポリアミドアミン(B2)の反応速度定数kが反応促進剤(D)によって調整された場合、反応促進剤(D)によって調整された後において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃でのポリアミドアミン(B2)の反応速度定数kは、0.37min-1以下が好ましく、0.27min-1以下がより好ましく、0.22min-1以下がより好ましく、0.20min-1以下がより好ましく、0.18min-1以下がより好ましい。
反応促進剤(D)によって調整された後において、反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kを0.10min-1以上とすることによって、20~30℃程度の雰囲気温度にて短時間(例えば、約8時間以内)のうちに硬化させることができる。ポリアミン(B1)及びポリアミドアミン(B2)の場合も同様である。
反応促進剤(D)によって調整された後において、反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kを0.37min-1以下とすることによって、エポキシ系組成物の反応が適度な反応速度を有し、硬化反応が短時間のうちに集中することを抑制することができ、硬化反応時に生じる発熱を分散させて、硬化反応時の発熱を低下させることができる。ポリアミン(B1)及びポリアミドアミン(B2)の場合も同様である。
なお、反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kは、示差走査熱量測定による小澤法の反応速度解析によって得られたパラメーター(活性化エネルギーΔE、反応次数n、頻度因子A)を使用して計算された等温解析シミュレートによって求められたものとする。
具体的には、エポキシ樹脂(A)と、反応性アミン化合物(B)と、必要に応じて反応促進剤(D)とを混合して作製された混合液を作製する。なお、反応性アミン化合物(B)の活性水素量とエポキシ樹脂(A)のエポキシ量との比[反応性アミン化合物(B)の活性水素量/エポキシ樹脂(A)のエポキシ量]が1となるように、エポキシ樹脂(A)及び反応性アミン化合物(B)とを混合する。
得られた混合液をアルミニウム製の試料容器に10±3mg供給し、クリンプカバーを試料容器の開口部に被せる。示差走査熱量計を用いて-15℃から300℃までの温度範囲を5℃/min、10℃/min又は20℃/minの3水準の昇温速度にて示差走査熱量測定を行い、得られた3つのDSC曲線を得る。なお、エポキシ樹脂は硬化剤と混合すると反応が進んでしまうため、1つの昇温速度毎に新たに混合液を作製する。なお、示差走査熱量計は、例えば、島津製作所社から商品名「DSC-60」にて市販されている測定装置を用いることができる。
得られた3つのDSC曲線を反応速度解析ソフト(島津製作所社製 商品名「反応解析(DSC)プログラム」)を用いて算出された値を反応速度定数kとする。解析範囲は0℃~280℃とし、小澤法の反応速度解析によって得られたパラメーター(活性化エネルギーΔE、反応次数n、頻度因子A)を使用して計算された等温解析シミュレートによって求められたものとする。
反応性アミン化合物(B)が、複数種類のポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)を含有している場合、反応性アミン化合物(B)の反応速度定数は、ポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)の混合物として測定された値をいう。
ポリアミン(B1)は、分子内に複数個のアミノ基(-NH2)を有し且つアミド結合(-NHCO-)を有しない。なお、アミノ基の水素原子は、1個のみ他の置換基又は原子で置換されていてもよい。ポリアミン(B1)としては、反応性アミン化合物(B)をエポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃での反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kが0.10~0.37min-1となれば、特に限定されない。なお、ポリアミン(B1)は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。ポリアミン(B1)としては、三菱ガス化学社から商品名「ガスカミン240」にて市販されているものを用いることができる。
ポリアミン(B1)は、(1)分子内に複数個のアミノ基(-NH2)を有し且つアミド結合(-NHCO-)を有していなければよい。なお、アミノ基の水素原子は、1個のみ他の置換基又は原子で置換されていてもよい。ポリアミン(B1)は、(2)エポキシ樹脂(A)の複数個のエポキシ基と反応し、エポキシ樹脂(A)の硬化物の架橋構造を構成する。ポリアミン(B1)は、上記(1)及び(2)を満たす限り、分子内に、アンモニアの3個の水素の全てが他の置換基又は原子で置換された構造を含んでいてもよい。
ポリアミン(B1)としては、示差走査熱量測定を用いてポリアミンの反応速度定数kを測定し、得られた反応速度定数kが0.10~0.37min-1となるポリアミンを目安として選択すればよい。反応速度定数kが0.10~0.37min-1であるポリアミン(B1)の構造の特徴としては、例えば、1級アミノ基の窒素原子に結合している炭素がメチル基、エチル基などのアルキル基であって立体障害を有するポリアミン、2級アミノ基を有するポリアミン、環状アミン、芳香環アミノ基を有するポリアミンなどが挙げられる。芳香環アミノ基とは、フェニル基などの芳香環を含む置換基にアミノ基が結合してなる官能基をいう。
ポリアミン(B1)としては、例えば、メタキシリレンジアミンとスチレンの反応付加物、ポリテトラメチレンエーテルグリコール構造とポリプロピレングリコール構造とを有するポリエーテルジアミン、4、4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などが挙げられる。なお、ポリアミン(B1)は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリアミドアミン(B2)は、分子内にアミド結合(-NHCO-)及び複数個のアミノ基を有している。なお、アミノ基の水素原子は、1個のみ他の置換基又は原子で置換されていてもよい。ポリアミドアミン(B2)は、カルボン酸とポリアミンとの縮合生成物であり、例えば、ダイマー酸(不飽和脂肪酸の二量化により生成する2塩基酸)とポリアミンとの縮合物、モノカルボン酸又はポリカルボン酸とポリアルキレンアミンとの縮合生成物などが挙げられる。なお、ポリアミドアミン(B2)は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。ポリアミドアミン(B2)としては、築野食品工業社から商品名「ベジケムグリーンG235」にて市販されているものを用いることができる。
ポリアミドアミン(B2)は、(1)分子内に複数個のアミノ基(-NH2)を有し且つアミド結合(-NHCO-)を有していればよい。なお、アミノ基の水素原子は、1個のみ他の置換基又は原子で置換されていてもよい。ポリアミドアミン(B2)は、(2)エポキシ樹脂(A)の複数個のエポキシ基と反応し、エポキシ樹脂(A)の硬化物の架橋構造を構成する。ポリアミドアミン(B1)は、上記(1)及び(2)を満たす限り、分子内に、アンモニアの3個の水素の全てが他の置換基又は原子で置換された構造を含んでいてもよい。
ポリアルキレンアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、ジプロピレントリアミン(DPTA)、ビス-ヘキサメチレントリアミン(BHMT)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、5~7個のエチレンアミン単位を有するポリエチレンポリアミン(HEPA)などが挙げられる。なお、ポリアルキレンアミンは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
反応性アミン化合物中におけるポリアミン(B1)の含有量は、27質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましい。
反応性アミン化合物中におけるポリアミン(B1)の含有量は、100質量%が好ましく、99.9質量%以下がより好ましく、99質量%以下がより好ましい。
反応性アミン化合物中におけるポリアミドアミン(B2)の含有量は、27質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましい。
反応性アミン化合物中におけるポリアミドアミン(B2)の含有量は、100質量%が好ましく、99.9質量%以下がより好ましく、99質量%以下がより好ましい。
反応性アミン化合物中におけるポリアミン(B1)及びポリアミドアミン(B2)の総含有量は、27質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましい。
反応性アミン化合物中におけるポリアミン(B1)及びポリアミドアミン(B2)の総含有量は、100質量%が好ましく、99.9質量%以下がより好ましく、99質量%以下がより好ましい。
硬化剤には、反応促進剤(D)が含有されていてもよい。反応促進剤(D)は、上述の通り、反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kを調整するために用いられる。反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kの調整度合いは、反応性アミン化合物(B)の単位質量当りの反応促進剤(D)の使用量(質量)によって決定される。反応促進剤(D)としては、特に限定されず、例えば、トリエタノールアミン、グリセリンなどのポリオール;サリチル酸、安息香酸などのカルボン酸、パラトルエンスルホン酸などのスルホン酸などが挙げられ、ポリオールが好ましい。なお、反応促進剤(D)は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
エポキシ系組成物において、反応性アミン化合物(B)の活性水素量とエポキシ樹脂(A)のエポキシ量との比[反応性アミン化合物(B)の活性水素量/エポキシ樹脂(A)のエポキシ量]は、0.3以上であるが、0.31以上が好ましく、0.32以上がより好ましく、0.33以上がより好ましく、0.34以上がより好ましく、0.4以上がより好ましい。
エポキシ系組成物において、反応性アミン化合物(B)の活性水素量とエポキシ樹脂(A)のエポキシ量との比[反応性アミン化合物(B)の活性水素量/エポキシ樹脂(A)のエポキシ量]は、0.8以下であり、0.70以下が好ましく、0.65以下がより好ましく、0.60以下がより好ましく、0.50以下がより好ましく、0.45以下がより好ましい。
反応性アミン化合物(B)の活性水素量とエポキシ樹脂(A)のエポキシ量との比[反応性アミン化合物(B)の活性水素量/エポキシ樹脂(A)のエポキシ量]が0.3以上であると、エポキシ樹脂(A)と、反応性アミン化合物(B)との硬化反応によって少量の反応熱が発生して、この反応熱によってエポキシ系組成物の硬化反応が更に進行する。即ち、エポキシ系組成物は、これ自身の硬化反応時に生じる熱によって20~30℃程度の雰囲気温度において円滑に硬化反応を生じて硬化物を生成する。更に、エポキシ樹脂(A)と反応性アミン化合物(B)との硬化反応がある程度進むことによって、後述する3級アミン及び/又は含窒素芳香族複素環式化合物の存在下でのエポキシ樹脂(A)の重合(エポキシ樹脂の自己架橋)反応を進行させるのに必要な熱エネルギーを得ることができ、エポキシ樹脂(A)の重合をエポキシ樹脂(A)と反応性アミン化合物(B)との硬化反応に遅らせて進行させることができる。
反応性アミン化合物(B)の活性水素量とエポキシ樹脂(A)のエポキシ量との比[反応性アミン化合物(B)の活性水素量/エポキシ樹脂(A)のエポキシ量]が0.8以下であると、エポキシ樹脂(A)と、反応性アミン化合物(B)との硬化反応時の発熱量を抑制し、エポキシ系組成物の硬化反応時の発熱を低下させることができる。
エポキシ樹脂(A)のエポキシ量は下記式に基づいて算出される。
エポキシ樹脂(A)のエポキシ量
=エポキシ系組成物中のエポキシ樹脂(A)の含有量[g]
/エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量[g/eq]
なお、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量とは、エポキシ樹脂の分子量を1分子中のエポキシ基の数で除した値である。本発明において、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K7236に準拠して測定された値をいう。
反応性アミン化合物(B)の活性水素量は下記式に基づいて算出される。
反応性アミン化合物(B)の活性水素量
=反応性アミン化合物(B)の活性水素当量[eq/g]
×エポキシ系組成物中の反応性アミン化合物(B)の含有量[g]
反応性アミン化合物(B)の活性水素当量は次のように計算される。
反応性アミン化合物(B)の活性水素当量[eq/g]
=反応性アミン化合物(B)の活性水素数/反応性アミン化合物(B)の分子量
反応性アミン化合物(B)の活性水素数とは、反応性アミン化合物(B)の一分子中に含まれている複数個のアミノ基のそれぞれに含まれている活性水素数の合計をいう。
反応性アミン化合物(B)が、複数種類のポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)を含有している場合、反応性アミン化合物(B)の活性水素量は、下記式に基づいて算出された値をいう。
反応性アミン化合物(B)にポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)が合計でm種類含有されており、m番目の反応性アミン化合物の活性水素当量をQm[eq/g]とし、m番目の反応性アミン化合物の含有量をGm(g)とした時、下記式に基づいて算出された値を反応性アミン化合物(B)の活性水素量Qとする。
Figure 0007270318000002

エポキシ系組成物中に反応促進剤(D)が含有される場合、反応促進剤(D)の含有量は、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と反応性アミン化合物(B)とを化学量論で等価にて反応させた時において、反応促進剤(D)によって調整された後の100℃における反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kが0.10~0.37min-1となるように調整されればよい。具体的には、反応促進剤(D)の含有量は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、3質量部以上がより好ましい。反応促進剤(D)の含有量は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して10質量以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、5質量部以下がより好ましい。
エポキシ系組成物には硬化剤としてポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)を含む反応性アミン化合物(B)が含有されているが、本発明の作用効果を損なわない範囲内において、他の硬化剤が含有されていてもよい。このような硬化剤としては、例えば、チオール化合物、ジシアンジアミド類、ポリスルフィド類、ジヒドラジド類などが挙げられる。
[3級アミン(C1)及び含窒素芳香族複素環式化合物(C2)]
エポキシ系組成物の硬化剤は、3級アミン(C1)及び/又は含窒素芳香族複素環式化合物(C2)を含む触媒化合物(C)を含む。
エポキシ樹脂の重合(エポキシ樹脂の自己架橋)反応は、触媒化合物(C)の存在下にて進行する。触媒化合物(C)は、エポキシ樹脂(A)の硬化物において架橋構造を形成しない。触媒化合物(C)は、エポキシ樹脂(A)との間で架橋構造を構成しない。エポキシ樹脂(A)又はエポキシ樹脂(A)の硬化物における1個のみのエポキシ基と反応し、エポキシ樹脂(A)の硬化物の架橋構造を構成しない。
エポキシ樹脂の重合(エポキシ樹脂の自己架橋)反応は、触媒化合物(C)の存在下で行なわれる。触媒化合物(C)によってエポキシ樹脂の重合反応が低温にて進行可能となり、エポキシ系組成物の硬化時の発熱を低く抑えている。
触媒化合物(C)は、エポキシ樹脂(A)に5mol%添加したときの重合反応において、昇温速度5℃/minにて示差走査熱量測定した0~200℃までの積算熱量(以下、単に「積算熱量」ということがある)が100J/g以上で且つ最大熱流(以下、単に「最大熱流」ということがある)が0.08W/g以上であり、最大熱流を示す温度が130℃以下である。
積算熱量は、100J/g以上であり、120J/g以上が好ましく、150J/g以上がより好ましく、200J/g以上がより好ましい。積算熱量が100J/g以上であると、エポキシ樹脂(A)と反応性アミン化合物(B)との反応時の反応熱によって、触媒化合物(C)の存在下におけるエポキシ樹脂(A)の重合反応を適度に進行させることができる。
積算熱量は、500J/g以下が好ましく、450J/g以下がより好ましい。積算熱量が500J/g以下であると、エポキシ樹脂の硬化時の発熱を低く抑えることができる。
触媒化合物(C)は、エポキシ樹脂(A)に5mol%添加したときの重合反応において、昇温速度5℃/minにて0~200℃まで示差走査熱量測定したときの最大熱流(以下、単に「最大熱流」ということがある)は、0.08W/g以上であり、0.10W/g以上が好ましく、0.12W/g以上がより好ましい。最大熱流0.08W/g以上であると、エポキシ樹脂(A)と反応性アミン化合物(B)との反応時の反応熱によって、触媒化合物(C)の存在下におけるエポキシ樹脂(A)の重合反応を適度に進行させることができる。
触媒化合物(C)は、エポキシ樹脂(A)に5mol%添加したときのアニオン重合反応において、昇温速度5℃/minにて0~200℃まで示差走査熱量測定したときの最大熱流(以下、単に「最大熱流」ということがある)は、0.80W/g以下が好ましく、0.70W/g以下が好ましく、0.60W/g以下が好ましい。最大熱流が0.80W/g以下であると、エポキシ樹脂の硬化時の発熱を低く抑えることができる。
最大熱流を示す温度は、130℃以下であり、125℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下がより好ましい。最大熱流を示す温度が130℃以下であると、エポキシ樹脂(A)と反応性アミン化合物(B)との反応時の反応熱によって、エポキシ樹脂の重合を進行させることができ、エポキシ樹脂と反応性アミン化合物との当量値が1未満であっても、エポキシ系組成物の硬化物の機械的強度を向上させることができる。
最大熱流を示す温度は、80℃以上が好ましく、92℃以上がより好ましく、94℃以上がより好ましい。最大熱流を示す温度が80℃以上であると、エポキシ樹脂(A)の重合を、エポキシ樹脂(A)と反応性アミン化合物(B)との硬化反応に遅らせて進行させることができ、二段階反応による熱の分散を促進することができる。
触媒化合物(C)の積算熱量、最大熱流及び最大熱流を示す温度は下記の要領で測定された温度をいう。エポキシ樹脂(A)に対して触媒化合物(C)を5mol%混合し、試料とする。なお、触媒化合物(C)が固体の場合は、触媒化合物(C)を溶解可能な溶剤(例えば、テトラヒドロフランなど)に触媒化合物(C)を溶解して触媒化合物溶液を作製する。この触媒化合物溶液をエポキシ樹脂(A)に混合した後、25℃にて真空条件にて溶剤を除去して試料とする。試料を示差走査熱量計にて昇温速度5℃/minで-20℃から220℃に至るまで昇温させ、触媒化合物(C)を触媒としたエポキシ樹脂(A)の重合反応の示差走査熱量を測定する。最大熱流は、0℃時の発熱量[W/g]をベースとし、0~200℃区間における熱流の最大値[W/g]とする。0~200℃区間における熱流の最大値を示す温度を最大熱流を示す温度[℃]とする。積算熱量は、0℃時の発熱量[W/g]をベースとし、0~200℃における発熱量の総和[J/g]とする。
3級アミン(C1)は、分子中に含窒素芳香族複素環を有していない。3級アミンとは、アンモニアの3個の水素の全てが他の置換基又は原子で置換された構造を分子中に有する化合物をいう。3級アミン(C1)は、(2)エポキシ樹脂(A)の硬化物の架橋構造を構成しない(エポキシ樹脂(A)の複数個のエポキシ基と反応しない)。3級アミン(C1)としては、エポキシ樹脂(A)に5mol%添加したときのアニオン重合反応において、昇温速度5℃/minにて示差走査熱量測定した0~200℃までの積算熱量が100J/g以上で且つ最大熱流が0.08W/g以上であって、最大熱流を示す温度が130℃以下であれば、特に限定されない。
3級アミン(C1)は、(1)分子中に含窒素芳香族複素環を有していない。3級アミン(C1)は、(2)アンモニアの3個の水素の全てが他の置換基又は原子で置換された構造を分子中に有する。3級アミン(C1)は、(3)エポキシ樹脂(A)の硬化物の架橋構造を構成しない。3級アミン(C1)は、上記(1)~(3)を満たす限り、分子内に、アミノ基及びアミド結合を含んでいてもよい。3級アミン(C1)としては、例えば、ベンジルアミン誘導体;N,N’-ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミンなどの脂環式アミンなどが挙げられ、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N’-ジメチルピペラジンが好ましい。3級アミン(C1)は、筑野食品社から商品名「TMA EH-30」で市販されているものを用いることができる。なお、3級アミン(C1)は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
上記ベンジルアミン誘導体とは、分子骨格にベンジルアミノ基を有する3級アミンを意味する。ベンジルアミノ基の2個の水素原子は、他の置換基又は原子で置換されている。ベンジルアミン誘導体としては、例えば、N、N-ジメチルベンジルアミン、N-エチル-N-メチルベンジルアミン、N,N-ジエチルベンジルアミン、1,3-ビス(ジメチルアミノメチル)ベンゼン、2-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N-ジメチル-1-フェニルエチルアミン、3-[1-(ジメチルアミノ)エチル]フェノール、2,6―ジーtert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノールなどが挙げられる。
含窒素芳香族複素環式化合物(C2)としては、エポキシ樹脂(A)に5mol%添加したときの重合反応において、昇温速度5℃/minにて示差走査熱量測定した0~200℃までの積算熱量が100J/g以上で且つ最大熱流が0.08W/g以上であって、最大熱流を示す温度が130℃以下であれば、特に限定されない。
含窒素芳香族複素環式化合物(C2)は、芳香族環に炭素原子の他に窒素原子が含まれている構造を有する化合物である。芳香族環は、単環状の芳香族環の他に、単環状の芳香族環が複合して縮合してなる縮合芳香族環も含まれる。含窒素芳香族複素環式化合物(C2)としては、例えば、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニル-イミダゾールなどのイミダゾール化合物が好ましく、2-フェニルイミダゾール及び1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールがより好ましい。なお、含窒素芳香族複素環式化合物(C2)は、四国化成社から商品名「キュアゾール2PZ」及び「キュアゾール1B2PZ」にて市販されているものを用いることができる。
含窒素芳香族複素環式化合物(C2)は、(1)芳香族環に炭素原子の他に窒素原子が含まれている構造を有する。含窒素芳香族複素環式化合物(C2)は、(2)エポキシ樹脂(A)の硬化物の架橋構造を構成しない(エポキシ樹脂(A)の複数個のエポキシ基と反応しない)。含窒素芳香族複素環式化合物(C2)は、上記(1)及び(2)を満たす限り、分子内に、アミノ基及びアミド結合を含んでいてもよい。
エポキシ系組成物中における触媒化合物(C)の含有量は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。エポキシ系組成物中における触媒化合物(C)の含有量は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましく、2.0質量部以下がより好ましい。触媒化合物(C)の含有量が0.1質量部以上であると、エポキシ樹脂と反応性アミン化合物との反応熱によって、エポキシ樹脂の重合反応を円滑に進行させることができる。触媒化合物(C)の含有量が10質量部以下であると、エポキシ樹脂の重合反応が短時間に集中しないよう適度に進行させて、エポキシ系組成物の硬化反応を分散させることで発熱を低下させることができる。
エポキシ系組成物には、エポキシ系組成物の作用効果を阻害しない範囲内において、添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、熱可塑性樹脂、脱臭剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などの密着性向上/接着性改良剤、ハイドロキノン類、ヒンダードフェノール類などの酸化防止剤、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類などの紫外線吸収剤、金属石けん類、重金属(例えば亜鉛、錫、鉛、カドミウムなど)の無機塩類及び有機塩類、有機錫化合物などの安定剤、フタル酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル、ひまし油、流動パラフィン、アルキル多環芳香族炭化水素などの可塑剤、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワンクス、重合ワックス、密ロウ、鯨ロウ、低分子量ポリオレフィンなどのワックス類、ベンジルアルコール、タール、ピチューメンなどの非反応性希釈剤、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、マイカ、ベントナイト、クレー、セリサイト、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ガラス粉、ガラスバルーン、シラスバルーン、石炭粉、アクリル樹脂粉、フェノール樹脂粉、金属粉末、セラミック粉末、ゼオライト、スレート粉などの充填材、カーボンブランク、酸化チタン、赤色酸化鉄、パラレッド、紺青などの顔料又は染料、酢酸エチル、トルエン、アルコール類、エーテル類、ケトン類などの溶剤、発泡剤、モノイソシアネート化合物、カルボジイミド化合物などの脱水剤、帯電防止剤、抗菌剤、防かび剤、粘度調製剤、香料、難燃剤、レベリング剤、分散剤、揺変性付与剤、導電性付与剤などが挙げられる。
エポキシ系組成物は、主剤と硬化剤とを混合させることによって硬化させて用いられる。エポキシ系組成物の硬化時の雰囲気温度は、20~30℃が好ましく、22~28℃がより好ましく、23~26℃が特に好ましい。
エポキシ系組成物は、流動性に優れているので、注型及びポッティングに優れている。エポキシ系組成物を型内に円滑に供給することができ、正確な形状を有する硬化物を得ることができる。更に、エポキシ系組成物は、約20~30℃の雰囲気温度にて比較的短時間の硬化時間にて硬化すると共に、硬化時の発熱も低い。よって、大型の注型品をエポキシ樹脂の劣化及び収縮を殆ど生じさせることなく成形することができる。又、エポキシ系組成物を硬化させて得られた硬化物は優れた機械的強度を有している。
従って、エポキシ系組成物によれば、大量注型による形状の大きな成形品の製造、及び、大型の中空糸膜モジュールの製造を効率良く製造することができる。
本発明のエポキシ系組成物は、流動性に優れていると共に、硬化時の発熱が低下されており、機械的強度に優れた硬化物を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
[エポキシ樹脂(A)]
・エポキシ樹脂1(ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、芳香環及びエポキシ基を有する、分子内に窒素原子含まない、三菱ケミカル社製 商品名「jER828」、エポキシ当量:189、23℃及び0.10MPa条件下:液状、25℃での粘度:13500mPa・s)
・エポキシ樹脂2(ビスフェノールF型のエポキシ樹脂、芳香環及びエポキシ基を有する、分子内に窒素原子含まない、三菱化学社製 商品名「jER806」、エポキシ当量:165、23℃及び0.10MPa条件下:液状、25℃での粘度:2000mPa・s)
[反応性アミン化合物(B)]
[ポリアミン(B1)]
・ポリアミン1(メタキシリレンジアミンとスチレンの反応付加物、アミノ基(-NH2)を複数個有する、アミド結合を有しない、3級アミンではない、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成する、三菱ガス化学社製 商品名「ガスカミン240」、分子量:400、活性水素当量[eq/g]:9.7×10-3、アミン価:403、25℃での粘度:66mPa・s)
・ポリアミン2(2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン及び2、4、4-トリメチルヘキサメチレンジアミンの混合物、アミノ基(-NH2)を複数個有する、アミド結合を有しない、3級アミンではない、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成する、エボニック社製 商品名「Vestamin TMD」、分子量:158、活性水素当量[eq/g]:25×10-3、アミン価:710、25℃での粘度:7mPa・s)
・ポリアミン3(ポリテトラメチレンエーテルグリコール構造とポリプロピレングリコール構造とを有するポリエーテルジアミン、アミノ基(-NH2)を複数個有する、アミド結合を有しない、3級アミンではない、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成する、アミド結合を有しない、Huntsman社製 商品名「Elastamine THF-100」、活性水素当量[eq/g]:3.8×10-3、アミン価:107~114、25℃での粘度:300mPa・s)
・ポリアミン4(4、4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、アミノ基(-NH2)を複数個有する、アミド結合を有しない、3級アミンではない、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成する、エボニック社製 商品名「Vestamin PACM」、活性水素当量[eq/g]:19×10-3、アミン価:535、40℃での粘度:30mPa・s)
[ポリアミドアミン(B2)]
・ポリアミドアミン1(築野食品工業社製 商品名「ベジケムグリーンG235」、アミノ基(-NH2)を複数個有する、アミド結合を有する、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成する、活性水素当量[eq/g]:10.5×10-3、アミン価:350~400、25℃での粘度:250mPa・s)
・ポリアミドアミン2(T&K TOKA社製 商品名「トーマイド TXE―524」、N-(2-アミノエチル)エタン-1,2-ジアミンと脂肪酸(不飽和脂肪酸、炭素数:18)の二量体とトール油脂肪酸との重合物、アミノ基(-NH2)を複数個有する、アミド結合を有する、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成する、活性水素当量[eq/g]:7.7×10-3、アミン価:270、25℃での粘度:130mPa・s)
[触媒化合物(C)]
[3級アミン(C1)]
・3級アミン1(2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、筑野食品社製 商品名「TMA EH-30」、含窒素芳香族複素環を有しない、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成しない)
・3級アミン2(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、サンアプロ社製 商品名「DBU」、含窒素芳香族複素環を有しない、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成しない)
・3級アミン3(1,4-ジメチルピペラジン、含窒素芳香族複素環を有しない、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成しない)
・3級アミン4[1-(2-ジメチルアミノエチル)-4-メチルピペラジン、東ソー社製 商品名「TOYOCAT NP」、含窒素芳香族複素環を有しない、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成しない)
[含窒素芳香族複素環式化合物(C2)]
・含窒素芳香族複素環式化合物1(2-フェニルイミダゾール、四国化成社製、商品名「キュアゾール2PZ」、含窒素芳香族複素環を有する、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成しない)
・含窒素芳香族複素環式化合物2(1- シア ノエチル-2- エチル-4-メチルイミダゾール、四国化成社製 商品名「キュアゾール2E4MZ-CN」、含窒素芳香族複素環を有する、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成しない)
・含窒素芳香族複素環式化合物3(2-エチル-4-メチルイミダゾール、四国化成社製 商品名「キュアゾール2E4MZ」、含窒素芳香族複素環を有する、エポキシ樹脂の硬化物の架橋構造を構成しない)
[反応促進剤(D)]
・反応促進剤(トリエタノールアミン、ジャパンケムテック社製 商品名「TEA99」)
(実施例1~8、参考例1~16、比較例1~11)
表1~3に示した量を有するエポキシ樹脂を主剤とした。表1~3に示した所定量の反応性アミン化合物(B)、反応促進剤(D)及び触媒化合物(C)をインペラ型混合攪拌機に供給して均一に混合して硬化剤を作製した。なお、触媒化合物(C)が混合時に固体である場合、反応性アミン化合物(B)を80~110℃に加熱した上で、反応性アミン化合物(B)に触媒化合物(C)を供給して溶解させることによって、反応性アミン化合物(B)、反応促進剤(D)及び触媒化合物(C)を均一に混合した。上述の如くして製造した主剤及び硬化剤を含む二液型のエポキシ系組成物を製造した。
反応性アミン化合物(B)の活性水素量とエポキシ樹脂(A)のエポキシ量との比[反応性アミン化合物(B)の活性水素量/エポキシ樹脂(A)のエポキシ量]は、表1~3の「当量値」の欄に記載した。
反応性アミン化合物(B)について、エポキシ樹脂のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃での反応速度定数kを上述の要領で測定し、表4の「反応速度定数k」の欄に記載した。反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kが反応促進剤(D)によって調整されている場合は、反応促進剤(D)によって調整された後の反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kを「反応速度定数k」の欄に記載した。反応性アミン化合物(B)の活性水素量とエポキシ樹脂(A)のエポキシ量との比[反応性アミン化合物(B)の活性水素量/エポキシ樹脂(A)のエポキシ量]は、「当量値」の欄に記載した。表4から、実施例で用いられたエポキシ樹脂100質量部のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させる時のポリアミン1~3及びポリアミドアミン1はそれぞれ、54.5質量部、21質量部、137質量部及び50.0質量部であることが分かる。又、表4において、例えば、反応促進剤(D)1質量部を用いて調整した時、反応性アミン化合物(B)の単位質量(1質量部)当りの反応促進剤(D)の使用量(質量)[反応促進剤(D)/反応性アミン化合物(B)]は、0.018質量部である。そして、反応性アミン化合物(B)の単位質量当りの反応促進剤(D)の使用量(質量)[反応促進剤(D)/反応性アミン化合物(B)]が0.018質量部である実施例1において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時であって反応促進剤(D)によって調整された後の100℃におけるポリアミン1の反応速度定数kは、0.15min-1となる。
触媒化合物(C)について、エポキシ樹脂(A)に5mol%添加したときの重合反応において、昇温速度5℃/minにて0℃から200℃に至るまで示差走査熱量測定した時の積算熱量、最大熱流及び最大熱流を示す温度を上述の要領で測定し、表5の「積算熱量」、「最大熱流」及び「最大熱流温度」の欄にそれぞれ記載した。
実施例及び比較例において、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時における100℃での反応性アミン化合物(B)の反応速度定数k、又は、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と化学量論で等価にて反応させた時であって反応促進剤(D)によって調整された後の100℃における反応性アミン化合物(B)の反応速度定数kを表1~3の「反応速度定数k」の欄に記載した。
得られたエポキシ系組成物について、硬化時の発熱、硬化時間及び硬化物の硬度について下記の要領で測定し、その結果を表1~3に示した。
(硬化時の発熱及び硬化時間)
初期温度23℃のエポキシ系組成物の主剤と硬化剤を均一に混合した上で、23℃の雰囲気下にて直径140mm、高さ160mmのスチール缶にエポキシ系組成物を表1~3に示した注型量だけ流し込んだ。流しこんだエポキシ系組成物の中心部に熱伝対(K φ0.32、JIS C1602準拠)を入れ、データロガー(グラフテック社製 商品名「GL220」)を用いてエポキシ系組成物の硬化時の最高温度(硬化時の発熱)を測定した。エポキシ系組成物の主剤と硬化剤を混合してからエポキシ系組成物が最高温度を示すまでに要した時間を測定し、この時間を硬化時間とした。
(硬化物の硬度)
硬化時の発熱を測定する要領と同一の要領でエポキシ系組成物を硬化させ、エポキシ系組成物の硬化時の最高温度を示した時点から24時間経過した後における硬化物について、JIS K6253に準拠した方法で25℃雰囲気下にて、タイプDデュロメータデュロメータを用いて硬度を測定した。なお、測定時間は30秒とした。なお、エポキシ系組成物が硬化しなかった場合は「未硬化」と記載した。
Figure 0007270318000003
Figure 0007270318000004
Figure 0007270318000005
Figure 0007270318000006
Figure 0007270318000007
本発明のエポキシ系組成物は、流動性に優れていると共に、硬化時の発熱が低下されており、機械的強度に優れた硬化物を得ることができる。本発明のエポキシ系組成物は、機械的強度に優れた大型の注型品を成形することができる。本発明のエポキシ系組成物は、中空糸膜を損なうことなく、中空糸膜モジュールを製造することができる。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年3月1日に出願された日本国特許出願第2021-31505号に基づく優先権を主張し、この出願の開示はこれらの全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。

Claims (2)

  1. 分子内に芳香環及びエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)100重量部と、
    ポリオール、カルボン酸又はスルホン酸を含む反応促進剤(D)0.1~10質量部と、
    上記反応促進剤(D)の存在下で上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と反応させた時の100℃における反応速度定数kが0.10~0.37min-1であり且つポリアミン(B1)及び/又はポリアミドアミン(B2)を含む反応性アミン化合物(B)と、
    上記エポキシ樹脂(A)に5mol%添加したときの反応熱において、昇温速度5℃/minにて示差走査熱量測定した0~200℃までの積算熱量が100J/g以上で且つ最大熱流が0.08W/g以上であって、最大熱流を示す温度が80~130℃であると共に、3級アミン(C1)及び/又は含窒素芳香族複素環式化合物(C2)を含む触媒化合物(C)0.1~10重量部とを含み、
    上記反応性アミン化合物(B)の活性水素量と上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ量との比[反応性アミン化合物(B)の活性水素量/エポキシ樹脂(A)のエポキシ量]が0.3~0.8であることを特徴とするエポキシ系組成物。
  2. 請求項1に記載のエポキシ系組成物を含むことを特徴とする中空糸膜モジュール用エポキシ系組成物。
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