JP7269517B2 - レンズ駆動装置、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置 - Google Patents

レンズ駆動装置、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置 Download PDF

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Description

本発明は、オートフォーカス用及び振れ補正用のレンズ駆動装置、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置に関する。
一般に、スマートフォン等の携帯端末には、小型のカメラモジュールが搭載されている。このようなカメラモジュールには、被写体を撮影するときのピント合わせを自動的に行うオートフォーカス機能(以下「AF機能」と称する、AF:Auto Focus)及び撮影時に生じる振れ(振動)を光学的に補正して画像の乱れを軽減する振れ補正機能(以下「OIS機能」と称する、OIS:Optical Image Stabilization)を有するレンズ駆動装置が適用される(例えば特許文献1、2)。
オートフォーカス機能及び振れ補正機能を有するレンズ駆動装置は、レンズ部を光軸方向に移動させるためのオートフォーカス用駆動部(以下「AF用駆動部」と称する)と、レンズ部を光軸方向に直交する平面内で揺動させるための振れ補正用駆動部(以下「OIS用駆動部」と称する)と、を備える。特許文献1、2では、AF用駆動部及びOIS用駆動部に、ボイスコイルモーター(VCM)が適用されている。
VCM駆動方式のAF用駆動部は、例えば、レンズ部の周囲に配置されるオートフォーカス用コイル(以下「AF用コイル」と称する)と、AF用コイルに対して径方向に離間して配置されるオートフォーカス用マグネット(以下「AF用マグネット」と称する)と、を有する。レンズ部及びAF用コイルを含むオートフォーカス可動部(以下「AF可動部」と称する)は、オートフォーカス用支持部(以下「AF用支持部」と称する、例えば板バネ)によって、AF用マグネットを含むオートフォーカス固定部(以下「AF固定部と称する)に対して径方向に離間した状態で支持される。AF用コイルとAF用マグネットとで構成されるボイスコイルモーターの駆動力を利用して、AF可動部を光軸方向に移動させることにより、自動的にピント合わせが行われる。ここで、「径方向」とは、光軸に直交する方向である。
VCM駆動方式のOIS用駆動部は、例えば、AF用駆動部に配置される振れ補正用マグネット(以下「OIS用マグネット」と称する)と、OIS用マグネットに対して光軸方向に離間して配置される振れ補正用コイル(以下「OIS用コイル」と称する)と、を有する。AF用駆動部及びOIS用マグネットを含む振れ補正可動部(以下「OIS可動部」と称する)は、振れ補正用支持部(以下「OIS用支持部」と称する、例えばサスペンションワイヤー)によって、OIS用コイルを含む振れ補正固定部(以下「OIS固定部」と称する)に対して光軸方向に離間した状態で支持される。OIS用マグネットとOIS用コイルとで構成されるボイスコイルモーターの駆動力を利用して、OIS可動部を光軸方向に直交する平面内で揺動させることにより、振れ補正が行われる。
特開2013-210550号公報 特開2012-177753号公報
近年では、スマートフォン等のカメラ搭載機器の小型化(薄型化)、軽量化を実現すべく、レンズ駆動装置に対して、さらなる小型化及び軽量化が要求されている。
本発明の目的は、小型化及び軽量化を図ることができるとともに、信頼性を向上できるレンズ駆動装置、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置を提供することである。
本発明に係るレンズ駆動装置は、
レンズ部の周囲に配置される振れ補正用マグネットと、前記振れ補正用マグネットに対して光軸方向に離間して配置される振れ補正用コイルを有し、前記振れ補正用コイルを含む振れ補正固定部に対して、前記振れ補正用マグネットを含む振れ補正可動部を前記光軸方向に直交する平面内で揺動させる振れ補正用駆動部と、
前記振れ補正可動部を前記振れ補正固定部に対して支持するサスペンションワイヤーと、を備えるレンズ駆動装置であって、
前記振れ補正可動部は、前記光軸方向から見て矩形形状を有し、前記振れ補正用マグネットが接着により固定されるマグネットホルダーを有し、
前記マグネットホルダーは、
前記矩形形状の四隅の内面に形成され、前記振れ補正用マグネットを保持するマグネット保持部と、
前記四隅の外面に形成され、前記サスペンションワイヤーが挿通される貫通孔と、径方向の内側に凹み前記貫通孔に連設される凹部と、を有するワイヤー挿通部と、
前記四隅において、前記ワイヤー挿通部とは異なる部分と前記マグネット保持部とを前記径方向に連通する接着剤注入孔と、を有し、
前記マグネット保持部の前記振れ補正用マグネットとの接着面は、前記光軸方向に平行で、かつ、前記光軸方向における前記振れ補正固定部側の第1の端部が開放されており、
前記接着剤注入孔は、接着剤で閉塞されていることを特徴とする。
本発明に係るカメラモジュールは、
上記のレンズ駆動装置と、
前記振れ補正可動部に装着されるレンズ部と、
前記レンズ部により結像された被写体像を撮像する撮像部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るカメラ搭載装置は、
情報機器又は輸送機器であるカメラ搭載装置であって、
上記のカメラモジュールと、
前記カメラモジュールで得られた画像情報を処理する画像処理部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、レンズ駆動装置、カメラモジュール及びカメラ搭載装置の小型化及び軽量化を図ることができるとともに、信頼性を向上することができる。
図1A、図1Bは、本発明の一実施の形態に係るカメラモジュールを搭載するスマートフォンを示す図である。 図2は、カメラモジュールの外観斜視図である。 図3は、カメラモジュールの分解斜視図である。 図4は、カメラモジュールの分解斜視図である。 図5は、レンズ駆動装置の分解斜視図である。 図6は、レンズ駆動装置の分解斜視図である。 図7は、OIS可動部の分解斜視図である。 図8は、OIS可動部の分解斜視図である。 図9A、図9Bは、AF可動部の斜視図である。 図10は、位置検出用磁石の配置を示す斜視図である。 図11は、位置検出用磁石の配置を示す平面図である。 図12A、図12Bは、AF固定部の斜視図である。 図13A、図13Bは、マグネット保持部の構造を示す斜視図である。 図14A、図14Bは、マグネットの接着構造を示す断面図である。 図15A、図15Bは、第1の位置検出用磁石を通るYZ面の断面図である。 図16は、AF用制御部の構成を示す図である。 図17は、上側弾性支持部及びAF用電源ラインの構成を示す平面図である。 図18は、下側弾性支持部の構成を示す図である。 図19は、OIS固定部の分解斜視図である。 図20は、OIS固定部の分解斜視図である。 図21A、図21Bは、ベースの構成を示す図である。 図22は、コイル基板の積層構造を示す図である。 図23A、図23Bは、コイル基板の構造を示す底面図である。 図24は、OIS固定部とOIS可動部の支持構造を示す図である。 図25A、図25Bは、車載用カメラモジュールを搭載するカメラ搭載装置としての自動車を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1A、図1Bは、本発明の一実施の形態に係るカメラモジュールAを搭載するスマートフォンM(カメラ搭載装置)を示す図である。図1AはスマートフォンMの正面図であり、図1BはスマートフォンMの背面図である。
スマートフォンMは、例えば背面カメラOCとして、カメラモジュールAを搭載する。カメラモジュールAは、AF機能及びOIS機能を備え、被写体を撮影するときのピント合わせを自動的に行うとともに、撮影時に生じる振れ(振動)を光学的に補正して像ぶれのない画像を撮影することができる。
図2は、カメラモジュールAの外観斜視図である。図3、図4は、カメラモジュールAの分解斜視図である。図3は上方斜視図であり、図4は下方斜視図である。図2~図4に示すように、本実施の形態では、直交座標系(X,Y,Z)を使用して説明する。後述する図においても共通の直交座標系(X,Y,Z)で示している。また、X方向、Y方向の中間方向、すなわち、カメラモジュールAをZ方向から見た平面視形状における対角方向をU方向、V方向として説明する(図10参照)。
カメラモジュールAは、スマートフォンMで実際に撮影が行われる場合に、X方向が上下方向(又は左右方向)、Y方向が左右方向(又は上下方向)、Z方向が前後方向となるように搭載される。すなわち、Z方向が光軸方向であり、図中上側が光軸方向受光側、下側が光軸方向結像側である。また、Z軸に直交するX方向及びY方向を「光軸直交方向」と称し、XY面を「光軸直交面」と称する。
図2~図4に示すように、カメラモジュールAは、AF機能及びOIS機能を実現するレンズ駆動装置1、円筒形状のレンズバレルにレンズが収容されてなるレンズ部2、レンズ部2により結像された被写体像を撮像する撮像部(図示略)、及び全体を覆うカバー3等を備える。なお、図3及び図4では、レンズ部2は省略されている。
カバー3は、光軸方向から見た平面視で矩形状の有蓋四角筒体である。本実施の形態では、カバー3は、平面視で正方形状を有している。カバー3は、上面に概略円形の開口3aを有する。開口3aからレンズ部2が外部に臨む。カバー3は、レンズ駆動装置1のOIS固定部20のベース21(図19、20参照)に、例えば、接着により固定される。
撮像部(図示略)は、レンズ駆動装置1の光軸方向結像側に配置される。撮像部(図示略)は、例えば、イメージセンサー基板及びイメージセンサー基板に実装される撮像素子を有する。撮像素子は、例えば、CCD(charge-coupled device)型イメージセンサー、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型イメージセンサー等により構成される。撮像素子は、レンズ部2により結像された被写体像を撮像する。レンズ駆動装置1は、イメージセンサー基板(図示略)に搭載され、機械的かつ電気的に接続される。レンズ駆動装置1の駆動制御を行う制御部は、イメージセンサー基板に設けられてもよいし、カメラモジュールAが搭載されるカメラ搭載機器(本実施の形態では、スマートフォンM)に設けられてもよい。
図5、図6は、レンズ駆動装置1の分解斜視図である。図5は上方斜視図であり、図6は下方斜視図である。
図5、図6に示すように、本実施の形態において、レンズ駆動装置1は、OIS可動部10、OIS固定部20及びOIS用支持部30等を備える。
OIS可動部10は、OIS用ボイスコイルモーターを構成する駆動用マグネット122(OIS用マグネット、図7、図8参照)を有し、振れ補正時に光軸直交面内で揺動する部分である。OIS固定部20は、OIS用ボイスコイルモーターを構成するOIS用コイル221(図19参照)を有し、OIS用支持部30を介してOIS可動部10を支持する部分である。すなわち、レンズ駆動装置1のOIS用駆動部には、ムービングマグネット方式が採用されている。OIS可動部10は、AF可動部11及びAF固定部12(図7、図8参照)を有するAF用駆動部を含む。
OIS可動部10は、OIS固定部20に対して光軸方向受光側に離間して配置され、OIS用支持部30によってOIS固定部20と連結される。本実施の形態では、OIS用支持部30は、光軸方向に沿って延在する4本のサスペンションワイヤーで構成されている(以下「サスペンションワイヤー30」と称する)。なお、OIS用支持部は、サスペンションワイヤー30以外の部材で構成されてもよい。
サスペンションワイヤー30の一端(光軸方向受光側の端部、上端)はOIS可動部10(本実施の形態では、AF用支持部13及びAF用電源ライン17(図7、図8参照))に固定され、他端(光軸方向結像側の端部)はOIS固定部20(本実施の形態では、ベース21(図19、図20参照))に固定される。OIS可動部10は、サスペンションワイヤー30によって、光軸直交面内で揺動可能に支持される。
本実施の形態において、4本のサスペンションワイヤー30のうち、サスペンションワイヤー31A、31Bは、AF用制御部16(制御IC161、図16参照)に制御信号を伝達する信号経路として使用される(以下「信号用サスペンションワイヤー31A、31B」と称する)。サスペンションワイヤー32A、32Bは、AF用制御部16(制御IC161)への給電経路として使用される(以下、「給電用サスペンションワイヤー32A、32B」と称する)。
図7、図8は、OIS可動部10の分解斜視図である。図7は上方斜視図であり、図8は下方斜視図である。
図7、図8に示すように、本実施の形態において、OIS可動部10は、AF可動部11、AF固定部12、及びAF用支持部13、14等を備える。AF可動部11は、AF固定部12に対して径方向内側に離間して配置され、AF用支持部13、14によってAF固定部12と連結される。
AF可動部11は、AF用ボイスコイルモーターを構成するAF用コイル112を有し、ピント合わせ時に光軸方向に移動する部分である。AF固定部12は、AF用ボイスコイルモーターを構成する駆動用マグネット122(AF用マグネット)を有し、AF用支持部13、14を介してAF可動部11を支持する部分である。すなわち、レンズ駆動装置1のAF用駆動部には、ムービングコイル方式が採用されている。
AF可動部11は、AF固定部12に対して離間して配置され、AF用支持部13、14によってAF固定部12と連結される。本実施の形態では、AF可動部11は、AF固定部12に対して径方向に離間して配置されている。AF用支持部13は、AF固定部12に対してAF可動部11を光軸方向受光側(上側)で支持する上側弾性支持部材である。本実施の形態では、AF用支持部13は、2つの板バネ131、132で構成されている(以下、「上バネ131、132」と称する)。AF用支持部14は、AF固定部12に対してAF可動部11を光軸方向結像側(下側)で支持する下側弾性支持部材である。本実施の形態では、AF用支持部14は、2つの板バネ141、142で構成されている(以下、「下バネ14」と称する)。また、本実施の形態では、AF可動部11の光軸方向受光側の端部には、AF用支持部13とともに、AF用電源ライン17が配置されている。AF用電源ライン17は、2つの板状部材171、172で構成されている(以下、「AF用電源ライン171、172」と称する)。
本実施の形態において、AF可動部11は、レンズホルダー111、AF用コイル112、及び位置検出用磁石15を有する。AF可動部11を別の角度から見た斜視図を図9A、図9Bに示す。
レンズホルダー111は、レンズ部2(図2参照)を保持する部材である。レンズホルダー111は、筒状のレンズ収容部111a、レンズ収容部111aから径方向外側に突出する上側フランジ111b及び下側フランジ111cを有する。すなわち、レンズホルダー111は、ボビン構造を有している。上側フランジ111b及び下側フランジ111cは、平面視で略八角形状を有する。上側フランジ111bの上面は、AF可動部11の光軸方向受光側への移動を規制するための被係止部となる。
上側フランジ111bと下側フランジ111cで挟まれる部分(以下「コイル巻線部」と称する)に、AF用コイル112が巻線される。コイル巻線部(符号略)は、平面視で略正八角形状を有する。これにより、AF用コイル112を直に巻線するときにコイル巻線部に作用する負荷が均一となり、また、コイル巻線部の強度も中心に対してほぼ均一になるので、レンズ収容部111aの開口の変形を防止することができ、真円度を保持することができる。
レンズ収容部111aには、レンズ部2(図2参照)が、例えば接着により固定される。レンズ収容部111aは、内周面に、接着剤が塗布される溝(図示略)を有することが好ましい。レンズ収容部111aにレンズ部2を螺合により装着する方法では、OIS可動部10を支持するサスペンションワイヤー30が損傷する虞がある。これに対して、本実施の形態では、レンズ収容部111aの内周面にレンズ部2が接着により固定されるので、レンズ部2の取付け時にサスペンションワイヤー30が損傷するのを防止できる。また、レンズ収容部111aの内周面が溝を有する場合、この溝によって適量の接着剤が保持されるので、レンズホルダー111とレンズ部2との接着強度が向上する。
レンズホルダー111は、レンズ収容部111aの上部外周縁に、AF用支持部13を固定するための上バネ固定部111dを有する。また、レンズホルダー111は、下側フランジ111cの下面に、AF用支持部14を固定するための下バネ固定部111gを有する。
レンズホルダー111は、レンズ収容部111aの上部外周縁に、位置検出用磁石15(15A、15B)を収容する磁石収容部111fを有する。本実施の形態では、Y方向に対向して、2つの磁石収容部111fが設けられている。さらに言えば、X方向に隣接するマグネット122A、122Bの離間部分の中央及びマグネット122C、122Dの離間部分の中央に対応する位置に、磁石収容部111fが設けられている。なお、磁石収容部111fは、レンズ収容部111aの下部外周縁(下側フランジ111cの一部)に設けられてもよい。
レンズホルダー111は、下側フランジ111cの一部に、径方向外側に突出する絡げ部111eを有する(図9A、図9B参照)。絡げ部111eには、それぞれ、AF用コイル112の端部が絡げられる。また、レンズホルダー111において、2つの絡げ部111eの間には、径方向に突出する突出部111hが設けられている。突出部111hにより、絡げ部111eに絡げられたAF用コイル112の両端が空間的に分離され、絶縁性が確保されるので、安全性及び信頼性が向上する。
また、レンズホルダー111は、下面に、周囲よりも光軸方向結像側に突出するホルダー側当接部111iを有する。ホルダー側当接部111iがAF可動部11の光軸方向結像側への移動を規制するための被係止部となる。本実施の形態では、X方向及びY方向に対向して、4つのホルダー側当接部111iが設けられている。ホルダー側当接部111iは、OIS固定部20のコイル基板22(図19、図20参照)の上面と接触する。
本実施の形態では、レンズホルダー111は、ポリアリレート(PAR)又はPARを含む複数の樹脂材料を混合したPARアロイからなる成形材料で形成される。特に、前記PARアロイは、PARとポリカーボネート(PC)からなるポリマーアロイ(PAR/PC)であることが好ましい。これにより、従来の成形材料(例えば、液晶ポリマー(LCP:Liquid Crystal Polymer)よりもウェルド強度が高まるので、レンズホルダー111を薄肉化しても靭性及び耐衝撃性を確保することができる。したがって、レンズ駆動装置1の外形サイズを小さくすることができ、小型化及び軽量化を図ることができる。なお、レンズホルダー111は、液晶ポリマー等で形成されてもよい。
また、レンズホルダー111は、多点ゲートの射出成形により形成されるのが好ましい。この場合、ゲート径は、0.3mm以上であることが好ましい。これにより、成形時の流動性が良くなるので、PAR又はPARアロイを成形材料として用いた場合でも、薄肉成形が可能となり、また、ヒケの発生を防止することができる。
PAR又はPARアロイからなる成形材料は、導電性を有し、特に、体積抵抗率が10~1011Ω・cmであることが好ましい。例えば、既存のPAR又はPARアロイにカーボンナノチューブを混入することにより、容易に導電性を付与することができる。このとき、カーボンナノチューブの含有量を調整することにより、適切な導電性を付与することができる。これにより、レンズホルダー111の帯電を抑制することができるので、静電気の発生を防止することができる。
また、PAR又はPARアロイからなる成形材料は、フッ素を含有していることが好ましい。これにより、分子間力が弱まるので、コイル基板22との当接部分(ホルダー側当接部111i)の吸着力が低下し、摺動性が向上する。したがって、レンズホルダー111とコイル基板22が接触した際に、摩擦によって発塵が生じるのを防止することができる。
このように、レンズホルダー111を上述した構成とすることにより、レンズ駆動装置1の小型化及び軽量化を図ることができるとともに、信頼性を向上することができる。
AF用コイル112は、ピント合わせ時に通電される空芯コイルであり、レンズホルダー111のコイル巻線部(符号略)の外周面に巻線される。AF用コイル112の両端は、それぞれ、レンズホルダー111の絡げ部111eに絡げられる。AF用コイル112には、AF用支持部14(下バネ141、142)を介して通電が行われる。AF用コイル112の通電電流はAF用制御部16(制御IC161、図16参照)によって制御される。
位置検出用磁石15は、レンズホルダー111の磁石収容部111fに配置される。位置検出用磁石の配置を図10及び図11に示す。すなわち、位置検出用磁石15は、マグネット122A、122Bの離間部分の中央及びマグネット122C、122Dの離間部分の中央に対応する位置に配置される。位置検出用磁石15は、AF用制御部16に対応する側の磁石収容部111fに配置される第1の位置検出用磁石15Aと、反対側の磁石収容部111fに配置される第2の位置検出用磁石15Bを有する。第1の位置検出用磁石15Aが、AF可動部11の光軸方向の位置検出に用いられる。第2の位置検出用磁石15Bは、AF可動部11の位置検出には用いられないダミー磁石である。
第2の位置検出用磁石15Bは、AF可動部11に作用する磁力をバランスさせ、AF可動部11の姿勢を安定させるために配置される。つまり、第2の位置検出用磁石15Bを配置しない場合、駆動用マグネット122が発生する磁界によってAF可動部11に片寄った磁力が作用し、AF可動部11の姿勢が不安定となるので、第2の位置検出用磁石15Bを配置することにより、これを防止している。
本実施の形態では、第1の位置検出用磁石15A及び第2の位置検出用磁石15Bは、駆動用マグネット122と同様に、径方向に着磁されており、着磁方向も駆動用マグネット122と同様である。具体的には、第1の位置検出用磁石15A及び第2の位置検出用磁石15Bは、内周側がN極、外周側がS極に着磁されている。
第1の位置検出用磁石15A及び第2の位置検出用磁石15Bの光軸直交方向の幅(ここではY方向の幅)は、光軸方向の高さ以下であることが好ましい。これにより、第1の位置検出用磁石15A及び第2の位置検出用磁石15Bから放射される磁束密度を確保しつつ、レンズホルダー111の薄肉化を図ることができる。なお、第1の位置検出用磁石15A及び第2の位置検出用磁石15Bの詳細な配置(AF用制御部16との位置関係)については、後述する。
本実施の形態において、AF固定部12は、マグネットホルダー121、駆動用マグネット122、AF用制御部16を有する。マグネットホルダー121に駆動用マグネット122及びAF用制御部16を組み付けた状態のAF固定部12を図12A、図12Bに示す。
マグネットホルダー121は、4つの側部壁体121bが連結された略矩形筒状の保持部材である。マグネットホルダー121は、レンズホルダー111のレンズ収容部111a、上バネ固定部111d及び磁石収容部111fに対応する部分が切り欠かれた開口121aを有する。
マグネットホルダー121は、4つの側部壁体121bの連結部(マグネットホルダー121の四隅)の内側に、駆動用マグネット122を保持するマグネット保持部121cを有する。マグネット保持部121cの内面が、駆動用マグネット122との接着面となる。マグネット保持部121cの接着面は、光軸方向に平行で、かつ、光軸方向結像側の端部(光軸方向におけるOIS固定部20側の端部、第1の端部)が開放されている。駆動用マグネット122は、OIS用マグネットとしても利用されており、OIS固定部20に配置されるOISコイル221(図19参照)との間には介在物がないほうが磁気的に好ましいためである。つまり、駆動用マグネット122は、マグネット保持部121cの形状によって物理的に脱落不能に固定されているのではなく、接着剤の接着力のみで固定されている。
側部壁体121bの連結部の外側121dには、サスペンションワイヤー30が配置される(以下、「ワイヤー挿通部121d」と称する)。本実施の形態では、側部壁体121bの連結部の上部及び下部は、径方向内側に円弧状に凹んだ凹部(符号略)が形成されている。また、側部壁体121bの連結部の光軸方向中央部には、貫通孔(符号略)が形成されている。側部壁体121bの連結部に設けられた貫通孔及び上下の凹部により、ワイヤー挿通部121dが構成される。貫通孔及び上下の凹部の大きさは、OIS可動部10の光軸直交面内における可動範囲よりも大きく設定される。ワイヤー挿通部121dが上述した構成を有することにより、レンズ駆動装置1の外形を大きくすることなく、OIS可動部10が揺動する際に、サスペンションワイヤー30とマグネットホルダー121が干渉するのを回避することができる。
マグネットホルダー121は、側部壁体121bの上部に、径方向内側に張り出すストッパー部121eを有する。AF可動部11が光軸方向受光側に移動するときに、レンズホルダー111の上側フランジ111bにストッパー部121eが当接することにより、AF可動部11の光軸方向受光側への移動が規制される。本実施の形態では、X方向及びY方向に対向する4箇所に、ストッパー部121eが設けられている。
マグネットホルダー121は、側部壁体121bの上面に、AF用支持部13及びAF用電源ライン17を固定するための上バネ固定部121fを有する。マグネットホルダー121は、側部壁体121bの下面に、AF用支持部14を固定するための下バネ固定部121gを有する。また、マグネットホルダー121は、X方向に沿う側部壁体121bの下面において、長手方向中央部に、突出部121iを有する。AF用支持部14を構成する下バネ141、142は、突出部121iによって空間的に離隔される。すなわち、一方の突出部121iは、下バネ141、142の端子接続部141h、142hの間に位置し(図18参照)、AF用制御部16を取り付けた状態では、電源出力端子162a、162b(図16参照)の間に位置する。下バネ141、142の端子接続部141h、142h(電源出力端子162a、162b)は、突出部121iによって空間的に分離され、絶縁性が確保されるので、安全性及び信頼性が向上する。
上バネ固定部121fの角部は、マグネットホルダー121の上面(AF用支持部13又はAF用電源ライン17が取り付けられる面)よりも光軸方向結像側に凹んで形成され、AF用支持部13又はAF用電源ライン17を取り付けたときに、隙間が形成されるようになっている。また、マグネットホルダー121は、X方向に沿う一方の側部壁体121bにおいて、AF用制御部16を収容するためのIC収容部121hを有する。
本実施の形態では、マグネットホルダー121は、液晶ポリマーで形成されている。マグネットホルダー121は、レンズホルダー111と同様に、PAR又はPARアロイからなる成形材料で形成されてもよいが、耐熱性に優れる液晶ポリマーで形成されることが好ましい。マグネットホルダー121が高い耐熱性を有することにより、AF用支持部13、14やAF用制御部16等の半田付けを容易に行うことができる。マグネットホルダー121は、例えば、金型を用いた射出成形により形成される。
本実施の形態では、駆動用マグネット122は、4つの矩形柱状のマグネット122A~122Dで構成されている。マグネット122A~122Dは、平面視で、略等脚台形状を有している。これにより、マグネットホルダー121の角部のスペース(マグネット保持部121c)を有効利用することができる。マグネット122A~122Dは、AF用コイル112に径方向に横切る磁界が形成されるように着磁される。本実施の形態では、マグネット122A~122Dは、内周側がN極、外周側がS極に着磁されている。また、駆動用マグネット122の表面は、Niめっき等の金属膜により覆われ、耐食性の向上が図られている。
本実施の形態では、マグネット122A~122Dは、マグネットホルダー121のマグネット保持部121cに、接着により固定される。接着剤には、例えば、エポキシ樹脂系の熱硬化型接着剤又は紫外線硬化型接着剤が用いられる。マグネット122A~122Dにおいて、マグネット保持部121cと接触する面(本実施の形態では、内側に露出している面を除く側面及び上面)が接着面となる。
マグネット122A~122Dの下面は、マグネットホルダー122よりも光軸方向結像側に突出する(図6参照)。すなわち、OIS可動部10の高さは、マグネット122A~122Dによって規定されている。これにより、磁力を確保するためのマグネット122A~122Dのサイズに応じて、OIS可動部10の高さを最小限に抑えることができるので、レンズ駆動装置1の低背化を図ることができる。
駆動用マグネット122及びAF用コイル112によって、AF用ボイスコイルモーターが構成される。本実施の形態では、駆動用マグネット122は、AF用マグネットとOISマグネットを兼用している。なお、マグネット122A~122Dの周面に、ヨークを設けるようにしてもよい。
ここで、マグネットホルダー121が液晶ポリマーで形成されている場合、PAR等で形成されている場合に比較して、マグネットホルダー121と駆動用マグネット122との接着強度が低いため、落下等の衝撃に対して弱くなる。本実施の形態では、マグネットホルダー121のマグネット保持部121cの接着面の構造を工夫することにより、耐衝撃性の向上が図られている。
マグネット保持部121cの詳細な構造を図13A、図13Bに示す。図13A、図13Bに示すように、本実施の形態では、マグネットホルダー121の駆動用マグネット122との接着面(マグネット保持部121cの接着面)は、光軸方向に沿って延在する凹部121jを有している。具体的には、凹部121jは、マグネットホルダー121の下端部よりも上側から上端部に向かって、すなわち、光軸方向結像側の端部(第1の端部)よりも内側から光軸方向受光側の端部(第2の端部)に向かって形成されている。これにより、マグネットホルダー121と駆動用マグネット122との間の接着面には、段差が形成される(図14A参照)。
図14Aは、凹部121jにおける接着剤層123を示す断面図であり、図14Bは、凹部121j以外の接着面における接着剤層123を示す断面図である。駆動用マグネット122の表面の金属層(例えば、Niめっき層)は活性面であるため、エポキシ接着剤との接着強度は高い。一方、液晶ポリマー製のマグネットホルダー121とエポキシ接着剤との接着強度は低い。そのため、図14Bに示すように、マグネットホルダー121と駆動用マグネット122との接着面がすべて平坦になっていると、マグネットホルダー121が接着剤層から剥離しやすく、衝撃に弱い。
これに対して、図14Aに示すように、本実施の形態では、接着剤層123がマグネットホルダー122内で部分的に段差部123a(図14A参照)を有するように立体的に形成されている。これにより、駆動用マグネット122と強固に接着された接着剤層123の段差部123aが、マグネットホルダー121に物理的に係止される。したがって、高いアンカー効果を得ることができるので、マグネットホルダー121が接着性のよくない液晶ポリマーで形成されていても、所望の接着強度を確保することができる。その結果、レンズ駆動装置1の耐衝撃性を向上でき、ひいては信頼線を向上することができる。
従来のように、レンズ駆動装置の高さ及び外形に対する制限が緩い場合、接着面積を十分に確保することができるため、マグネットホルダーと駆動用マグネットを接着により固定しても、落下試験に耐えうる仕様とすることができた。しかしながら、近年では、低背化の要求等に伴い、駆動用マグネットやマグネットホルダーの高さが制限され、十分な接着面積を確保することが困難となっている上、耐衝撃性の向上も要求されている。本実施の形態のレンズ駆動装置1は、このような要求にも対応することができる。実際に、マグネットホルダー121と駆動用マグネット122の接着面がすべて平坦である場合に比較して、本実施の形態のレンズ駆動装置1は、1.5倍以上の耐衝撃性を有することが確認されている。
ここで、凹部121jは、例えば、金型本体に対して入れ子構造で配置されるピンによって形成することができる。そのため、凹部121jは、マグネットホルダー121の上面を貫通している。凹部121jのような形状は、単純構造の金型では形成することが困難であるが、入れ子ピンを利用することにより、比較的容易に形成することができる。
本実施の形態では、凹部121jは、半円形状の断面を有する。なお、凹部121jの断面形状は半円形状でなくてもよい。また、本実施の形態では、一つの接着面に凹部121jが2つ形成されている。これにより、接着強度をさらに向上することができる。なお、一つの接着面に形成される凹部121jの数は特に制限されず、1つであってもよいし、3以上であってもよい。
さらに、本実施の形態では、マグネットホルダー121は、接着面に径方向に連通する接着剤注入孔121mを有している。接着剤注入孔121mは、凹部121jの近傍に配置される。マグネットホルダー121に駆動用マグネット122を取り付けた状態で、接着剤注入孔121mから接着剤が注入される。接着剤注入孔121mは、注入した接着剤を硬化させてマグネットホルダー121に駆動用マグネット122を接着した後、さらに接着剤を注入することにより閉塞される。接着剤層123は、接着剤注入孔121mの部分にも段差部を有するように形成されることとなる。これにより、アンカー効果がさらに高まるので、マグネットホルダー121と駆動用マグネット122の接着強度はさらに向上する。
また、マグネットホルダー121の駆動用マグネット122との接着面には、エンボス加工(シボ加工とも呼ばれる)が施されていることが好ましい。これにより、接着面積が増大し、アンカー効果もさらに高まるので、マグネットホルダー121と駆動用マグネット122の接着強度はさらに向上する。
AF固定部12において、AF用制御部16は、制御IC161、バイパスコンデンサー163、及び制御IC161とバイパスコンデンサー163が実装されるAF用プリント配線板166を有する(図16参照)。AF用制御部16は、マグネットホルダー121のIC収容部121hに、例えば、接着により固定される。このとき、IC収容部121hの開口(符号略)に、制御IC161及びバイパスコンデンサー163が挿嵌される。
制御IC161は、ホール効果を利用して磁界の変化を検出するホール素子165を内蔵し、Z位置検出部として機能する。AF可動部11が光軸方向に移動すると、第1の位置検出用磁石15Aによる磁界が変化する。この磁界の変化をホール素子165が検出することにより、AF可動部11の光軸方向における位置が検出される。ホール素子165の検出面を、AF可動部11の移動量に比例した磁束が交差するように、ホール素子165及び位置検出用磁石15のレイアウトを設計することで、AF可動部11の移動量に比例したホール出力を得ることができる。
図15A、図15Bに示すように、制御IC161は、第1の位置検出用磁石15Aの磁束がホール素子165の検出面を径方向に交差するように、第1の位置検出用磁石15Aに対向して配置される。図15Bは、第1の位置検出用磁石15Aの周辺を拡大して模式的に示している。本実施の形態では、ホール素子165の検出面は、XZ面と平行となっている。
前述したように、第1の位置検出用磁石15A及び第2の位置検出用磁石15Bは、マグネット122A~122Dと同様に、径方向に着磁されている。位置検出用磁石15が、着磁方向が光軸方向と平行となるように配置されるとともに、中立点(AF用コイル112に通電が行われていない状態でAF可動部11が磁気的に安定する点)でゼロクロス(ゼロ磁界)となるように、ホール素子165と位置検出用磁石15のレイアウトが設定された場合、駆動用マグネット122による磁気の影響を受けて、位置検出用磁石15に光軸方向の磁力が作用するため、AF可動部11の中立点が設計位置から変動する虞がある。
これに対して、本実施の形態では、位置検出用磁石15は径方向に着磁されているので、駆動用マグネット122による磁気の影響により位置検出用磁石15に作用する光軸方向の磁力が低減される。したがって、AF可動部11の中立点の変動を抑制することができるので、AF可動部11の光軸方向における位置検出精度が向上し、信頼性が向上する。
また、第1の位置検出用磁石15Aの着磁方向は、ホール素子165の検出面に対して垂直であるため、検出面と交差する磁束密度が高く、着磁方向が検出面と平行である場合に比較して大きなホール出力を得ることができる。さらに、第1の位置検出用磁石15Aの着磁方向は、駆動用マグネット122の着磁方向と同じであるので、ホール素子165の検出面と交差する第1の位置検出用磁石15Aの磁束は、駆動用マグネット122の磁束によって相殺されない。したがって、位置検出用磁石15のサイズを小さくできるので、レンズ駆動装置1の小型化、軽量化を図ることができる。
さらに、第1の位置検出用磁石15Aは、径方向において、AF用コイル112よりもホール素子165に近接して配置されている。言い換えると、第1の位置検出用磁石15Aは、径方向において、ホール素子165とAF用コイル112の間に配置されている。これにより、ホール素子165は、AF用コイル112による影響を受けにくくなるので、位置検出精度が向上する。
なお、本実施の形態の場合、位置検出用磁石15の着磁方向を光軸方向と平行にして、ゼロクロスの位置を中立点として設定する場合に比較して、ホール出力のリニアリティ(直線性)は低下する虞がある。そこで、制御IC161は、リニアリティ補正機能を有することが好ましい。これにより、ホール出力のリニアリティを確保できるので、AF可動部11の光軸方向における位置検出精度が向上する。
また、第1の位置検出用磁石15Aは、ホール素子165に対して、光軸方向にずれて配置される。本実施の形態では、第1の位置検出用磁石15Aは、ホール素子165に対して、光軸方向受光側にずれて配置されている。つまり、第1の位置検出用磁石15Aの光軸方向の中心位置Pは、ホール素子165の中心位置Pに対して、光軸方向受光側にずれている(図15B参照)。
この場合、第1の位置検出用磁石15Aは、AF可動部10が最も光軸方向結像側に移動した際に、第1の位置検出用磁石15Aの中心位置Pが、ホール素子165の中心位置Pよりも光軸方向受光側となるように配置されることが好ましい。すなわち、第1の位置検出用磁石15Aとホール素子165の光軸方向における中心間距離LMHは、AF可動部11の光軸方向結像側への移動ストローク(以下、「下ストローク」と称する)よりも大きいことが好ましい。言い換えると、第1の位置検出用磁石15Aとホール素子165の光軸方向におけるずれは、ずれている側と反対側へのAF可動部11のストロークよりも大きいことが好ましい。
本実施の形態では、第1の位置検出用磁石15Aとホール素子165の光軸方向における中心間距離LMHは、下ストロークの2倍以上となっている。これにより、ホール素子165の検出面と交差する磁束は、オートフォーカス動作に伴い単調に増加又は減少するので、AF可動部11の光軸方向における位置を、ホール出力に基づいて容易かつ精度よく演算することができる。
なお、位置検出用磁石15は、ホール素子165に対して、光軸方向結像側にずれて配置されてもよい。この場合、第1の位置検出用磁石15Aとホール素子165の光軸方向における中心間距離LMHは、AF可動部11の光軸方向受光側への移動ストローク(以下、「上ストローク」と称する)よりも大きいことが好ましいということになる。
このように、ホール素子165及び位置検出用磁石15を上述した構成とすることにより、レンズ駆動装置1の小型化及び軽量化を図ることができるとともに、信頼性を向上することができる。
図16は、AF用制御部16の構成を示す図である。図16は、Y方向基端側からみたAF用制御部16の側面を示している。
図16に示すように、AF用プリント配線板166は、電源出力端子162a、162b、電源入力端子162c、162d、信号入力端子162e、162f、及び配線(図示略)を含む導体パターンを有する。配線は、例えば、AF用プリント配線板166の表裏面に形成される。表面に形成された配と基材裏面に形成された配線は、スルーホール(図示略)を介して接続される。AF用プリント配線板166において、表裏面はレジスト膜(符号略)で覆われており、各端子162a~162fは、レジスト膜から露出している。
電源出力端子162a、162bは、AF用支持部14(下バネ141、142の端子接続部141h、142h、図18参照)と電気的に接続される。電源入力端子162c、162dは、AF用電源ライン17(AF用電源ライン171、172の端子接続部171c、172c、図17参照)と電気的に接続される。信号入力端子162e、162fは、AF用支持部13(上バネ131、132の端子接続部131h、132h、図17参照)と電気的に接続される。各端子162a~162fは、配線を介して、制御IC161と電気的に接続される。バイパスコンデンサー163は、配線のうちの電源ラインとGNDラインとをバイパスし、電源電圧の変動を抑制する。
制御IC161は、AF用コイル112の通電電流を制御するコイル制御部として機能する。具体的には、制御IC161は、信号用サスペンションワイヤー31A、31B及びAF用支持部13(AF用信号ライン)を介して供給される制御信号と、制御IC161に内蔵されているホール素子165による検出結果(ホール出力)とに基づいて、AF用コイル112の通電電流を制御する。
図7、図8に示すように、AF可動部10において、AF用支持部13(上バネ131、132)は、AF固定部12(マグネットホルダー121)に対してAF可動部11(レンズホルダー111)を光軸方向受光側で弾性支持する。上バネ131、132及びAF用電源ライン171、172の構成を図17に示す。図17は、OIS可動部10の平面図である。上バネ131、132及びAF用電源ライン171、172は、例えば、チタン銅、ニッケル銅、ステンレス等で形成される。
図17に示すように、上バネ131、132及びAF用電源ライン171、172は、全体として平面視で矩形状、すなわちマグネットホルダー121と同等の形状を有する。上バネ131、132及びAF用電源ライン171、172は、マグネットホルダー121上に互いに接触しないように配置される。上バネ131、132及びAF用電源ライン171、172は、例えば一枚の板金をエッチング加工することにより形成される。
上バネ131、132及びAF用電源ライン171、172は、マグネットホルダー121の四隅に固定される。AF用電源ライン171、172には、AF用信号ラインとして機能する上バネ131、132よりも大きな電流が流れる。そのため、AF用電源ライン171、172は、上バネ131、132よりもAF用制御部16の近くに配置され、経路長が短くなっている。これにより、電源ショートの危険性を低減することができる。
上バネ131は、レンズホルダー111に固定されるレンズホルダー固定部131a、131d、マグネットホルダー121に固定されるマグネットホルダー固定部131b、131e、及びレンズホルダー固定部131a、131dとマグネットホルダー固定部131b、131eを連結するアーム部131c、131fを有する。レンズホルダー固定部131a、131dは、レンズホルダー111のレンズ収容部111aに沿って連結されている。アーム部131c、131fは、つづら折り形状を有し、AF可動部11が移動するときに弾性変形する。
また、上バネ131は、信号用サスペンションワイヤー31Aに接続されるワイヤー接続部131g及びAF用プリント配線板166の信号入力端子162eに接続される端子接続部131hを有する。ワイヤー接続部131gは、マグネットホルダー121の周縁に沿ってマグネットホルダー固定部131eから角部に延びる2つのリンク部131iを介して、マグネットホルダー固定部131eに連設される。端子接続部131hは、マグネットホルダー固定部131bからAF用プリント配線板166に向かって延在する。
同様に、上バネ132は、レンズホルダー固定部132a、132d、マグネットホルダー固定部132b、132e、及びアーム部132c、132fを有する。レンズホルダー固定部132a、132dは、レンズホルダー111のレンズ収容部111aに沿って連結されている。アーム部132c、132fは、つづら折り形状を有し、AF可動部11が移動するときに弾性変形する。
また、上バネ132は、信号用サスペンションワイヤー31Bに接続されるワイヤー接続部132g及びAF用プリント配線板166の信号入力端子162fに接続される端子接続部132hを有する。ワイヤー接続部132gは、マグネットホルダー121の周縁に沿ってマグネットホルダー固定部132eから角部に延びる2つのリンク部132iを介して、マグネットホルダー固定部132eに連設される。端子接続部132hは、マグネットホルダー固定部132bからAF用プリント配線板166に向かって延在する。
本実施の形態では、上バネ131、132は、レンズホルダー固定部131a、131d、132a、132dの固定穴(符号略)が、レンズホルダー111の上バネ固定部111dの位置決めボス(符号略)に挿嵌されることにより、レンズホルダー111に対して位置決めされ、固定されている。また、上バネ131、132は、マグネットホルダー固定部131b、131e、132b、132eの固定穴(符号略)が、マグネットホルダー121の上バネ固定部121gの位置決めボス(符号略)に挿嵌されることにより、マグネットホルダー121に対して位置決めされ、固定されている。
ワイヤー接続部131g、132gは、信号用サスペンションワイヤー31A、31B(図5、図6参照)に半田付けされ、物理的かつ電気的に接続される。端子接続部131h、132hは、AF用プリント配線板166の信号入力端子162e、162fに半田付けされ、物理的かつ電気的に接続される。上バネ131、132は、信号用サスペンションワイヤー31A、31Bからの制御信号を、AF用制御部16(制御IC161)に供給するAF用信号ラインとして機能する。
AF用電源ライン171は、マグネットホルダー121に固定されるマグネットホルダー固定部171a、給電用サスペンションワイヤー32Aに接続されるワイヤー接続部171b、及びAF用プリント配線板166の電源入力端子162cに接続される端子接続部171cを有する。ワイヤー接続部171bは、マグネットホルダー121の周縁に沿ってマグネットホルダー固定部171aから角部に延びる2つのリンク部171dを介して、マグネットホルダー固定部171aに連設される。端子接続部171cは、マグネットホルダー固定部171aからAF用プリント配線板166に向かって延在する。
同様に、AF用電源ライン172は、マグネットホルダー121に固定されるマグネットホルダー固定部172a、給電用サスペンションワイヤー32Bに接続されるワイヤー接続部172b、及びAF用プリント配線板166の電源入力端子162dに接続される端子接続部172cを有する。ワイヤー接続部172bは、マグネットホルダー121の周縁に沿ってマグネットホルダー固定部172aから角部に延びる2つのリンク部172dを介して、マグネットホルダー固定部172aに連設される。端子接続部172cは、マグネットホルダー固定部172aからAF用プリント配線板166に向かって延在する。
本実施の形態では、AF用電源ライン171、172は、マグネットホルダー固定部171a、172aの固定穴(符号略)がマグネットホルダー121の上バネ固定部121gの位置決めボス(符号略)に挿嵌されることにより、マグネットホルダー121に対して位置決めされ、固定されている。
ワイヤー接続部171b、172bは、給電用サスペンションワイヤー32A、32B(図5、図6参照)に半田付けされ、物理的かつ電気的に接続される。端子接続部171c、172cは、AF用プリント配線板166の電源入力端子162c、162dに半田付けされ、物理的かつ電気的に接続される。AF用電源ライン171、172は、給電用サスペンションワイヤー32B、32Aからの電力を、AF用制御部16(制御IC161)に供給する。
ここで、電気的接続に用いる半田は、フラックスを含有していないことが好ましい。これにより、半田付け後のフラックスの洗浄が不要となるので、レンズホルダー111及び/又はマグネットホルダー121の成形材料として、耐溶剤性の低いPAR又はPRAアロイを用いることができる。
上バネ131、132及びAF用電源ライン171、172において、リンク部131i、132i、171d、172dは、マグネットホルダー固定部131e、132e、171a、172aから角部に向かって延在しているが、合流部分(角部)から内側に延在する部分を有し、その先端に、ワイヤー接続部131g、132g、171b、172bが配置されてもよい。すなわち、マグネットホルダー固定部131e、132e、171a、172aとワイヤー接続部131g、132g、171b、172bの間に介在するリンク部131i、132i、171d、172dは、リンク長を確保しつつ多関節化されていてもよい。これにより、振れ補正を行う際にリンク部131i、132i、171d、172dに生じる応力が緩和されるので、チルト特性が向上するとともに、落下等の衝撃に対する耐性が向上する。
上バネ131、132において、アーム部131c、131f、132c、132fには、ダンパー材131j、131k、132j、132kが架設されている。これにより、レンズホルダー111が光軸方向に移動したときのアーム部131、131f、132c、132fの余分な動きが抑制され、上バネ131、132と他の部材との干渉を防止できるので、動作の安定性が向上する。
上バネ131、132において、マグネットホルダー固定部131e、132eとワイヤー接続部131g、132gとの間には、ダンパー材131m、132mが架設されている。また、AF用電源ライン171、172において、マグネットホルダー固定部171a、172aとワイヤー接続部171b、172bとの間には、ダンパー材171e、172eが架設されている。これにより、不要共振(高次の共振モード)の発生が抑制されるので、動作の安定性が向上する。
ダンパー材131j、131k、131m、132j、132k、132m、171e、172eは、例えば常温硬化型のシリル基ポリマー系弾性接着剤を適用でき、例えばディスペンサーを使用して容易に塗布することができる。
なお、本実施の形態では、上バネ131、132をAF用信号ラインとして機能させ、上バネ131、132とは別にAF用電源ライン171、172を設けているが、上バネ131、132をAF用電源ラインとして機能させ、上バネ131、132とは別にAF用信号ラインを設けてもよい。
図7、図8に示すように、AF可動部10において、AF用支持部14(下バネ141、142)は、AF固定部12(マグネットホルダー121)に対してAF可動部11(レンズホルダー111)を光軸方向結像側で弾性支持する。下バネ141、142の構成を図18に示す。図18は、OIS可動部10の底面図である。下バネ141、142は、上バネ131、132及びAF用電源ライン171、172と同様に、例えばチタン銅、ニッケル銅、ステンレス等で形成される。
図18に示すように、下バネ141、142は、全体として平面視で矩形状、すなわち、マグネットホルダー121と同等の形状を有する。下バネ141、142は、マグネットホルダー121上に互いに接触しないように配置される。下バネ141、142は、例えば、一枚の板金をエッチング加工することにより形成される。
下バネ141は、レンズホルダー111に固定されるレンズホルダー固定部141a、141d、マグネットホルダー121に固定されるマグネットホルダー固定部141b、141e、及びレンズホルダー固定部141a、141dとマグネットホルダー固定部141b、141bを連結するアーム部141c、141fを有する。
マグネットホルダー固定部141b、141eは、マグネットホルダー121の外縁に沿って連結されている。アーム部141c、141fは、マグネット122A、122Dの外縁に沿って湾曲するつづら折り形状を有し、AF可動部11が移動するときに弾性変形する。アーム部141c、141dは、中立点において、マグネット122A、122Dの下面よりも光軸方向受光側に位置する。言い換えると、マグネット122A、122Dは、下バネ141よりも光軸方向結像側に突出している。
また、下バネ141は、レンズホルダー111の絡げ部111eに接続されるコイル接続部141g及びAF用プリント配線板166の電源出力端子162aに接続される端子接続部141hを有する。コイル接続部141dgは、レンズホルダー固定部141dに連設される。端子接続部141hは、マグネットホルダー固定部141bからAF用プリント配線板166に向かって延在する。
同様に、下バネ142は、レンズホルダー111に固定されるレンズホルダー固定部142a、142d、マグネットホルダー121に固定されるマグネットホルダー固定部142b、142e、及びレンズホルダー固定部142a、142dとマグネットホルダー固定部142b、142bを連結するアーム部142c、142fを有する。
マグネットホルダー固定部142b、142eは、マグネットホルダー121の外縁に沿って連結されている。アーム部142c、142fは、マグネット122B、122Cの外縁に沿って湾曲するつづら折り形状を有し、AF可動部11が移動するときに弾性変形する。アーム部142c、142dは、中立点において、マグネット122B、122Cの下面よりも光軸方向受光側に位置する。言い換えると、マグネット122B、122Cは、下バネ141よりも光軸方向結像側に突出している。
また、下バネ141は、レンズホルダー111の絡げ部111eに接続されるコイル接続部141g及びAF用プリント配線板166の電源出力端子162aに接続される端子接続部141hを有する。コイル接続部141gは、レンズホルダー固定部141dに連設される。端子接続部141hは、マグネットホルダー固定部141bからAF用プリント配線板166に向かって延在する。
本実施の形態では、下バネ141、142は、レンズホルダー固定部141a、141d、142a、142dの固定穴が、レンズホルダー111の下バネ固定部111gの位置決めボスに挿嵌されることにより、レンズホルダー111に対して位置決めされ、固定されている。また、下バネ141、142は、マグネットホルダー固定部141b、141e、142b、142eの固定穴が、マグネットホルダー121の下バネ固定部121gの位置決めボスに挿嵌されることにより、マグネットホルダー121に対して位置決めされ、固定されている。
コイル接続部141g、142gは、レンズホルダー111の絡げ部111e、111eに絡げられたAF用コイル112に半田付けされ、物理的かつ電気的に接続される。端子接続部141h、142hは、AF用プリント配線板166の電源出力端子162a、162bに半田付けされ、物理的かつ電気的に接続される。前述したように、電気的接続に用いる半田は、フラックスを含有していないことが好ましい。下バネ141、142は、制御IC161からの電力を、AF用コイル112に供給するコイル用電源ラインとして機能する。
図19、図20は、OIS固定部20の分解斜視図である。図19は上方斜視図であり、図20は下方斜視図である。
図19、20に示すように、OIS固定部20は、ベース21、コイル基板22、及びXY位置検出部23A、23B等を備える。
XY位置検出部23A、23Bは、ホール効果を利用して磁界の変化を検出するホール素子である(以下、「ホール素子23A、23B」と称する)。ホール素子23A、23Bは、コイル基板22の裏面に実装される。本実施の形態では、ホール素子23A、23Bは、OISコイル221B、221Cに対応する位置に配置されている。OIS可動部10が光軸直交面内で揺動すると、駆動用マグネット122による磁界が変化する。この磁界の変化をホール素子23A、23Bが検出することにより、OIS可動部10の光軸直交面内における位置が検出される。ホール素子23A、23Bの検出面を、OIS可動部10の移動量に比例した磁束が交差するように、ホール素子23A、23B及び駆動用マグネット122のレイアウトを設計することで、OIS可動部10の移動量に比例したホール出力を得ることができる。なお、駆動用マグネット122とは別に、XY位置検出用の磁石をOIS可動部10に配置するようにしてもよい。
ベース21は、コイル基板22を支持する支持部材である。図21Aは、ベース21の平面図であり、図21Bは、ベース21の底面図である。図21A、図21Bでは、ベース21の内部を透過して示している。
ベース21は、平面視で矩形状の部材であり、中央に円形の開口21aを有する。ベース21は、周縁部において、コイル基板22の端子部220Bと対応する位置に端子取付部21bを有する。
ベース21は、開口21aの周縁部において、ホール素子23A、23Bを収容するホール素子収容部21cを有する。また、ベース21は、コイル基板22の給電端子223、224及び信号端子225、226を収容する端子収容部21dを有する。端子収容部21dは、端子取付部21bよりも径方向外側に突出して形成されている。
ベース21は、上面の四隅及びY方向に沿う周縁に、それぞれ、補強リブ21g、21hを有する。ベース21は、下面の四隅に、補強リブ21jを有する。補強リブ21g、21jには、径方向内側に凹むように切欠部21fが形成されている。また、補強リブ21hのうちの1つは、コイル基板22の載置方向を判別するための凸部21iを有する。補強リブ21g、21h、21jにより、ベース21の機械的強度が高まるので、ベース21の薄肉化を図ることができる。特に、周縁部に沿って延在する補強リブ21hを有することにより、ベース21は、ねじれにも強い構造体となっている。
また、ベース21は、下面のY方向に沿う周縁に、接着固定部21kを有する。接着固定部21kには、カバー3をベース21に取り付ける際に、接着剤(例えば、エポキシ樹脂)が塗布される。
ベース21には、4つの端子金具211~214が埋め込まれている。端子金具211~214は、例えば、インサート成形により、ベース21と一体的に形成される。端子金具211~214は、L字形状を有し、ベース21の四隅に沿って配置される。端子金具211~214の一端部211a~214aは、ベース21の端子収容部21dから露出する。
端子金具211~214の中間部(屈曲部)211b~214bは、ベース21の四隅の切欠部21fから露出する。中間部211b~214bは、ベース21の光軸方向受光側の面よりも光軸方向結像側に位置する。端子金具211~214の中間部211b~214bには、サスペンションワイヤー30の一端が接続される。これにより、レンズ駆動装置1の低背化を図りつつ、サスペンションワイヤー30の有効長を確保することができる。したがって、サスペンションワイヤー30の金属疲労等による破断を抑制することができるので、レンズ駆動装置1の信頼性が向上する。
端子金具211~214の他端部211c~214cは、ベース21の接着固定部21kから露出し、カバー2をベース21に取り付ける際に、接着剤が塗布される。アンカー効果により、カバー2をベース21に取り付ける際の接着強度が向上するので、耐落下衝撃性が向上する。
端子金具211は、コイル基板22の給電端子223及び給電用サスペンションワイヤー32Aに半田付けされ、物理的かつ電気的に接続される。端子金具212は、コイル基板22の給電端子224及び給電用サスペンションワイヤー32Bに半田付けされ、物理的かつ電気的に接続される。端子金具213は、コイル基板22の信号端子225及び信号用サスペンションワイヤー31Bに半田付けされ、物理的かつ電気的に接続される。端子金具214は、コイル基板22の信号端子226及び信号用サスペンションワイヤー31Aに半田付けされ、物理的かつ電気的に接続される。
ベース21は、隣接する端子金具211、212及び端子金具213、214を離隔するように光軸方向受光側に突出する突出部21eを有する。突出部21eは、端子金具211、212の端部211a、212aの間及び端子金具213、214の端部213a、214aの間に配置される。突出部21eにより、端子金具211A、211B及び端子金具211C、211Dが空間的に分離され、絶縁性が確保されるので、安全性及び信頼性が向上する。
本実施の形態では、ベース21は、レンズホルダー111と同様に、ポリアリレート(PAR)又はPARを含む複数の樹脂材料を混合したPARアロイ(例えば、PAR/PC)からなる成形材料で形成されている。これにより、ウェルド強度が高まるので、ベース21を薄肉化しても靭性及び耐衝撃性を確保することができる。したがって、レンズ駆動装置1の外形サイズを小さくすることができ、小型化及び低背化を図ることができる。
また、ベース21は、多点ゲートの射出成形により形成されるのが好ましい。この場合、ゲート径は、0.3mm以上であることが好ましい。これにより、成形時の流動性が良くなるので、PAR又はPARアロイを成形材料として用いた場合でも薄肉成形が可能となり、また、ヒケの発生を防止することができる。
PAR又はPARアロイからなる成形材料は、導電性を有し、特に、体積抵抗率が10~1011Ω・cmであることが好ましい。例えば、既存のPAR又はPARアロイにカーボンナノチューブを混入することにより、導電性を付与することができる。このとき、カーボンナノチューブの含有量を調整することにより、適切な導電性を付与することができる。これにより、ベース21の帯電を抑制することができるので、静電気の発生を防止することができる。
なお、光軸方向におけるAF可動部11(レンズホルダー111)の移動が、レンズホルダー111とベース21が当接することにより規制される場合、ベース21の成形材料であるPAR又はPARアロイは、フッ素を含有していることが好ましい。これにより、分子間力が弱まるので、レンズホルダー111との当接部分の吸着力が低下し、摺動性が向上する。したがって、レンズホルダー111とベース21が接触した際に、摩擦によって発塵が生じるのを防止することができる。
図19、図20に示すように、コイル基板22は、ベース21と同様に平面視で矩形形状の基板であり、中央に円形の開口22aを有する。コイル基板22は、導体層L1及び絶縁層L2(図22参照)からなる単位層が複数積層された多層プリント配線板である。本実施の形態では、コイル基板22に、OIS用コイル221、外部端子222、及び外部端子222とOIS用コイル221を接続する電源ラインを含む導体パターン(図示略)が一体的に作り込まれている。図22は、図19におけるコイル基板22の各点P1~P6における層構造を示す。
コイル基板22において、導体層L1は、例えば、銅箔で形成される。絶縁層L2は、例えば、液晶ポリマー(LCP)で形成される。なお、コイル基板22の表裏面には、必要に応じてレジスト層L3、L4が形成される。
コイル基板22は、主基板部220A、端子部220B及び連結部220Cを有する。主基板部220Aを形成する第1の積層構造、端子部220Bを形成する第2の積層構造、連結部220Cを形成する第3の積層構造は、この順に積層数が多くなっている。本実施の形態では、主基板部220Aは9単位層、端子部220Bは3単位層、連結部220Cは1単位層で形成されている。
主基板部220Aは、光軸方向において、駆動用マグネット122と対向する位置にOIS用コイル221を有する。OIS用コイル221は、マグネット122A~122Dに対応する4つのOISコイル221A~221Dで構成される。OISコイル221A~221Dは、コイル基板22の製造工程において、主基板部220Aの内部に作り込まれる。本実施の形態では、OISコイル221A~221Dは、主基板部220Aの9単位層のうちの7単位層(層No.4~9)で形成される。主基板部220Aの残りの2単位層(層No.1、2)は、OIS用コイル221及びホール素子23A、23Bと外部端子222とを接続する配線を含む導体パターンが形成された接続層である。
マグネット122A~122Dの径方向のエッジがOISコイル221A~221Dのそれぞれのコイル断面幅に入るように、すなわち、マグネット122A~122Dの底面から放射される磁界がOISコイル221~221Dの対向する2辺を横切ってマグネット122A~122Dに戻るように、OISコイル221A~221D及びマグネット122A~122Dの大きさや配置が設定される。ここでは、OISコイル221A~221Dは、マグネット122A~122Dの平面形状(ここでは略等脚台形形状)と同様の形状を有している。これにより、OIS可動部10を光軸直交面内で揺動させるための駆動力(電磁力)を、効率よく発生させることができる。
OISコイル221A、221Cと、OISコイル221B、221Dは、それぞれ結線されており、同じ電流が通電される。マグネット122A、112CとOISコイル221A、221Cとで、OIS可動部10をU方向(図11参照)に揺動させるOIS用ボイスコイルモーターが構成される。マグネット122B、112DとOISコイル221B、221Dとで、OIS可動部10をV方向(図11参照)に揺動させるOIS用ボイスコイルモーターが構成される。
主基板部220Aの角部は、ベース21の補強リブ21gに対応する形状に形成されている(カット部22c)。また、主基板部220AのY方向に沿う周縁部22dは、AF可動部11が光軸方向結像側に移動するときに、ホルダー側当接部111iに当接することにより、AF可動部11の光軸方向結像側への移動を規制する(以下、「ベース側当接部22d」と称する)。ベース側当接部22dの側面は、ベース21の補強リブ21hに対応する形状に形成されている。
主基板部220Aの上面(光軸方向受光側の面)において、OIS用コイル221が配置されている領域は、レジスト層L3で覆われている。一方、ベース側当接部22d(AF可動部11と当接する部分)の上面にはレジスト層L3が形成されず、導体層L1が露出している。これにより、光軸方向結像側への移動が規制されたときのAF可動部11の姿勢を安定させることができる。また、ホルダー側当接部111iとベース側当接部22dの上面が接触した際に、摩擦によって発塵が生じるのを防止することができる。なお、ベース側当接部22dの上面において、絶縁層L2が露出するようにしてもよい。
主基板部220Aの下面には、ホール素子23A、23Bが実装される。また、主基板部220Aは、給電端子223、224及び信号端子225、226を有する。給電端子223、224及び信号端子225、226は、ベース21の端子金具211~214(端子収容部21dから露出する端部211a~214a)に、半田付けにより、物理的かつ電気的に接続される。OISコイル221A~221D、ホール素子23A、23B、給電端子223、224及び信号端子225、226は、コイル基板22に形成された導体パターン(図示略)を介して、端子部220Bの外部端子222と電気的に接続される。
コイル基板22の導体パターンは、OIS可動部10(AF用制御部16)に給電するための電源ライン(2本、図示略)、OISコイル221A~221Dに給電するための電源ライン(2本×2、図示略)、ホール素子23A、23Bに給電するための電源ライン(2本×2、図示略)、ホール素子23A、23Bから出力される検出信号用の信号ライン(2本×2、図示略)、OIS可動部10におけるオートフォーカス動作を制御するための制御信号用の信号ライン(2本、図示略)を含む。
端子部220Bは、Y方向に対向して設けられる。端子部220Bは、それぞれ8個、計16個の外部端子222を有する。外部端子222は、AF用制御部16への給電用端子(2個)、AF用制御部16への信号用端子(2個)、OIS用コイル221への給電用端子(4個)、ホール素子23A、23Bへの給電用端子(4個)、信号用端子(4個)を含む。
連結部220Cは、主基板部220Aと端子部220Bとを連結する。連結部220Cは、R形状を有し、主基板部220Aから端子部220Bが垂下するように形成される。端子部220Bは、主基板部220Aに対して略垂直に延在することになる。また、連結部220Cは、X方向の略中央に開口22bを有する。
本実施の形態では、連結部220Cは、主基板部220A及び端子部220Bよりも積層数が少なくなっている。これにより、連結部220Cを比較的容易に湾曲させ、R形状とすることができる。
ベース21にコイル基板22の主基板部220A及び端子部220Bが接着されることにより、OIS固定部20が組み立てられる。このとき、コイル基板22のカット部22cがベース21の補強リブ21gと係合する。また、コイル基板22のベース側当接部22dは、ベース21の補強リブ21h及び補強リブ21に形成された凸部21iと係合する。また、ベース21の端子収容部21dの側部は、コイル基板22の開口22bと係合する。これにより、コイル基板22はベース21に対して正確に位置決めされるとともに、強固に固定される。
本実施の形態では、ベース21とコイル基板22は、弾性を有するエポキシ樹脂材料により接着されている。ベース21とコイル基板22を接着により一体化することによりOIS固定部20の機械的強度が高まるので、所望の耐落下衝撃性を確保しつつ、ベース21及びコイル基板22を薄肉化することができる。
主基板部220Aの裏面(光軸方向結像側の表面)は、図23Aに示すように、レジスト層L4で覆われ、レジスト層L4の一部から導体層L1が露出していることが好ましい。これにより、ベース21とコイル基板22との接着強度が増大するので、OIS固定部20を頑丈な構造体とすることができる。
または、図23Bに示すように、主基板部220Aの裏面は、磁性めっき層227で覆われてもよい。磁性めっき層227は、例えば、30~50μm厚のNiCu板に5~10μmのNiめっきを施した板材である。これにより、OIS固定部20を頑丈な構造体とすることができるとともに、OIS用コイル221と交差する磁束が増加するので、振れ補正動作時の推力を増大することができる。
レンズ駆動装置1において、信号用サスペンションワイヤー31A、31Bの一端は、それぞれ、上バネ131、132のワイヤー接続部131g、132gと物理的かつ電気的に接続されている。信号用サスペンションワイヤー31A、31Bの他端は、ベース21の端子金具214、213(切欠部21fから露出する部分214b、213b)と物理的かつ電気的に接続されている。また、ベース21の端子金具214、213は、コイル基板22の信号端子226、225と物理的かつ電気的に接続されている。
また、給電用サスペンションワイヤー32A、32Bの一端は、それぞれ、AF用電源ライン171、172のワイヤー接続部171b、172bと物理的かつ電気的に接続されている。給電用サスペンションワイヤー32A、32Bの他端は、ベース21の端子金具211、212(切欠部21fから露出する部分211b、212b)と物理的かつ電気的に接続されている。また、ベース21の端子金具211、212は、コイル基板22の給電端子223、224と物理的かつ電気的に接続されている。
信号用サスペンションワイヤー31A、31Bと上バネ131、132及び端子金具214、213とが接続されている部分、並びに、給電用サスペンションワイヤー32A、32BとAF用電源ライン171、172及び端子金具211、212とが接続されている部分、すなわち、信号用サスペンションワイヤー31A、31B及び給電用サスペンションワイヤー32A、32Bの固定端には、ダンパー材33、34が配置される(図24参照)。具体的には、上バネ131、132、AF用電源ライン171、172の下面(光軸方向結像側の面)において、信号用サスペンションワイヤー31A、31B及び給電用サスペンションワイヤー32A、32Bを囲繞するようにダンパー材33が配置される。また、端子金具214、213、211、212の上面(光軸方向受光側の面)において、信号用サスペンションワイヤー31A、31B及び給電用サスペンションワイヤー32A、32Bを囲繞するようにダンパー材34が配置される。これにより、信号用サスペンションワイヤー31A、31Bに生じる応力が分散される。したがって、サスペンションワイヤー30の金属疲労等による破断を抑制することができるので、レンズ駆動装置1の信頼性が向上する。
レンズ駆動装置1では、コイル基板22から、ベース21、信号用サスペンションワイヤー31A、31B、上バネ131、132を介してAF用制御部16へ制御信号が供給される。また、コイル基板22から、ベース21、給電用サスペンションワイヤー31A、32B、AF用電源ライン171、172を介してAF用制御部16への給電が行われる。さらに、AF用制御部16から下側板バネ141、142を介してAF用コイル112への給電が行われる。これにより、AF可動部11の動作制御(具体的にはAF用コイル112の通電電流の制御)を実現している。
AF用制御部16の制御IC161がホール素子165とコイル制御部を有し、ホール素子165の検出結果に基づくクローズドループ制御がAF用制御部16内で完結するので、4本のサスペンションワイヤー31A、31B、32A、32Bによって、AF用制御部16への給電及び制御信号の供給を行うだけでよい。したがって、AF用コイル112及びホール素子165の駆動に用いられるサスペンションワイヤー30の構成を簡素化できるとともに、AF用駆動部の信頼性を向上することができる。
また、制御IC161が実装されるAF用プリント配線板166に設けられる端子の配置が分散されるので、レンズ駆動装置1の光軸方向受光側及び光軸方向結像側の何れか一方にまとめて配線(AF用電源ライン、AF用信号ライン及びコイル用電源ライン)を引き回す場合に比較して、設計の自由度が向上する。また、半田面積を大きくすることができるので、接続不良を低減でき、信頼性を向上することができる。
レンズ駆動装置1において振れ補正を行う場合には、OISコイル221A~221Dへの通電が行われる。具体的には、OIS用駆動部では、カメラモジュールAの振れが相殺されるように、振れ検出部(図示略、例えばジャイロセンサー)からの検出信号に基づいて、OISコイル221A~221Dの通電電流が制御される。このとき、ホール素子23A、23Bの検出結果をフィードバックすることで、OIS可動部10の揺動を正確に制御することができる。
OISコイル221A~221Dに通電すると、マグネット122A~122Dの磁界とOISコイル221A~221Dに流れる電流との相互作用により、OISコイル221A~221Dにローレンツ力が生じる(フレミング左手の法則)。ローレンツ力の方向は、OISコイル221A~221Dの長辺部分における磁界の方向(Z方向)と電流の方向(U方向又はV方向)に直交する方向(V方向又はU方向)である。OISコイル221A~221Dは固定されているので、マグネット122A~122Dに反力が働く。この反力がOIS用ボイスコイルモーターの駆動力となり、駆動用マグネット122を有するOIS可動部10がXY平面内で揺動し、振れ補正が行われる。
レンズ駆動装置1において自動ピント合わせを行う場合には、AF用コイル112への通電が行われる。AF用コイル112における通電電流は、AF用制御部16(制御IC161)によって制御される。具体的には、制御IC161は、信号用サスペンションワイヤー31A、31B及び上バネ131、132を介して供給される制御信号及び制御IC161に内蔵されているホール素子165による検出結果に基づいて、AF用コイル112への通電電流を制御する。
なお、ピント合わせを行わない無通電時には、AF可動部11は、上バネ131、132及び下側板バネ141~144によって、無限遠位置とマクロ位置との間に吊られた状態(中立点)となる。すなわち、OIS可動部10において、AF可動部11(レンズホルダー111)は、上バネ131、132及び下側板バネ141~144によって、AF固定部12(マグネットホルダー121)に対して位置決めされた状態で、Z方向両側に変位可能に弾性支持される。
AF用コイル112に通電すると、駆動用マグネット122の磁界とAF用コイル112に流れる電流との相互作用により、AF用コイル112にローレンツ力が生じる。ローレンツ力の方向は、磁界の方向(U方向又はV方向)とAF用コイル112に流れる電流の方向(V方向又はU方向)に直交する方向(Z方向)である。駆動用マグネット122は固定されているので、AF用コイル112に反力が働く。この反力がAF用ボイスコイルモーターの駆動力となり、AF用コイル112を有するAF可動部11が光軸方向に移動し、ピント合わせが行われる。
レンズ駆動装置1のAF用制御部16においては、制御IC161に内蔵されるホール素子165の検出信号に基づいて、クローズドループ制御が行われる。クローズドループ制御方式によれば、ボイスコイルモーターのヒステリシス特性を考慮する必要がなく、またAF可動部11の位置が安定したことを直接的に検出できる。さらには、像面検出方式の自動ピント合わせにも対応できる。したがって、応答性能が高く、オートフォーカス動作の高速化を図ることができる。
このように、レンズ駆動装置1は、レンズ部2の周囲に配置される駆動用マグネット122(OIS用マグネット)と、駆動用マグネット122に対して光軸方向に離間して配置されるOIS用コイル212を有し、OIS用コイル212を含むOIS固定部20に対して、駆動用マグネット122を含むOIS可動部10を光軸方向に直交する平面内で揺動させるOIS駆動部を備える。
レンズ駆動装置1において、OIS可動部10は、駆動用マグネット122が接着により固定されるマグネットホルダー121を有し、マグネットホルダー121の駆動用マグネット122との接着面は、光軸方向に平行で、かつ、光軸方向結像側の端部(光軸方向における振れ補正固定部側の第1の端部)が開放されている。そして、接着面は、光軸方向結像側の端部よりも内側から光軸方向受光側の端部(第1の端部とは反対側の第2の端部)に向かって光軸方向に沿って延在する凹部121jを有する。
レンズ駆動装置1によれば、マグネットホルダー122と駆動用マグネット121との接着強度が向上するので、小型化及び軽量化を図ることができるとともに、信頼性を向上することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、実施の形態では、カメラモジュールAを備えるカメラ搭載装置の一例として、カメラ付き携帯端末であるスマートフォンMを挙げて説明したが、本発明は、カメラモジュールとカメラモジュールで得られた画像情報を処理する画像処理部を有するカメラ搭載装置に適用できる。カメラ搭載装置は、情報機器及び輸送機器を含む。情報機器は、例えば、カメラ付き携帯電話機、ノート型パソコン、タブレット端末、携帯型ゲーム機、webカメラ、カメラ付き車載装置(例えば、バックモニター装置、ドライブレコーダー装置)を含む。また、輸送機器は、例えば自動車を含む。
図25A、図25Bは、車載用カメラモジュールVC(Vehicle Camera)を搭載するカメラ搭載装置としての自動車Vを示す図である。図25Aは自動車Vの正面図であり、図25Bは自動車Vの後方斜視図である。自動車Vは、車載用カメラモジュールVCとして、実施の形態で説明したカメラモジュールAを搭載する。図25A、図25Bに示すように、車載用カメラモジュールVCは、例えば前方に向けてフロントガラスに取り付けられたり、後方に向けてリアゲートに取り付けられたりする。この車載用カメラモジュールVCは、バックモニター用、ドライブレコーダー用、衝突回避制御用、自動運転制御用等として使用される。
また、AF用コイル、AF用マグネット、OIS用コイル、及びOIS用マグネットの構成は、実施の形態で示したものに限定されない。例えば、AF用マグネット及びOIS用マグネットを兼用する駆動用マグネットは、直方体形状を有し、着磁方向が径方向と一致するように、AF用コイルの周囲に配置されてもよい。また、偏平形状のAF用コイルを、コイル面が光軸方向と平行となるようにレンズ部の周囲に配置し、直方体形状の駆動用マグネットを、着磁方向がAF用コイルのコイル面を交差するように配置してもよい。
実施の形態では、OIS機能及びAF機能を有するレンズ駆動装置において、駆動用マグネットがAF用マグネット及びOIS用マグネットを兼用する場合について説明したが、AF用マグネットとOIS用マグネットは別体で設けられてもよい。また、本発明は、OIS機能のみを有するレンズ駆動装置、すなわち、OIS用マグネットの光軸方向結像側が開放されており(マグネットホルダーに支持されていない)、OIS用マグネットがマグネットホルダーに接着により固定されているレンズ駆動装置に適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 レンズ駆動装置
2 レンズ部
3 カバー
10 OIS可動部(AF用駆動部)
11 AF可動部
12 AF固定部
13 上側弾性支持部(AF用支持部)
14 下側弾性支持部(AF用支持部)
15 位置検出用磁石
16 AF用制御部
17、171、172 AF用電源ライン
20 OIS固定部
21 ベース
22 コイル基板
30 OIS用支持部
31A、31B 信号用サスペンションワイヤー
32A、32B 給電用サスペンションワイヤー
111 レンズホルダー
112 AF用コイル
121 マグネットホルダー
122 駆動用マグネット(AF用マグネット、OIS用マグネット)
122A~122D マグネット
131、132 上バネ(AF用信号ライン)
141、142 下バネ(コイル用電源ライン)
161 制御IC
162a、162b 電源出力端子
162c、162d 電源入力端子
162e、162f 信号入力端子
163 バイパスコンデンサー
165 ホール素子
166 AF用プリント配線板
221 OIS用コイル
M スマートフォン
A カメラモジュール

Claims (8)

  1. レンズ部の周囲に配置される振れ補正用マグネットと、前記振れ補正用マグネットに対して光軸方向に離間して配置される振れ補正用コイルを有し、前記振れ補正用コイルを含む振れ補正固定部に対して、前記振れ補正用マグネットを含む振れ補正可動部を前記光軸方向に直交する平面内で揺動させる振れ補正用駆動部と、
    前記振れ補正可動部を前記振れ補正固定部に対して支持するサスペンションワイヤーと、を備えるレンズ駆動装置であって、
    前記振れ補正可動部は、前記光軸方向から見て矩形形状を有し、前記振れ補正用マグネットが接着により固定されるマグネットホルダーを有し、
    前記マグネットホルダーは、
    前記矩形形状の四隅の内面に形成され、前記振れ補正用マグネットを保持するマグネット保持部と、
    前記四隅の外面に形成され、前記サスペンションワイヤーが挿通される貫通孔と、径方向の内側に凹み前記貫通孔に連設される凹部と、を有するワイヤー挿通部と、
    前記四隅において、前記ワイヤー挿通部とは異なる部分と前記マグネット保持部とを前記径方向に連通する接着剤注入孔と、を有し、
    前記マグネット保持部の前記振れ補正用マグネットとの接着面は、前記光軸方向に平行で、かつ、前記光軸方向における前記振れ補正固定部側の第1の端部が開放されており、
    前記接着剤注入孔は、接着剤で閉塞されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記マグネットホルダーは、金型を用いた射出成形により形成されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記接着面には、エンボス加工が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置。
  4. 前記マグネットホルダーは、液晶ポリマーで形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
  5. 前記レンズ部の周囲に配置されるオートフォーカス用コイルと、前記オートフォーカス用コイルに対して径方向に離間して配置されるオートフォーカス用マグネットと、を有し、前記オートフォーカス用マグネットを含むオートフォーカス固定部に対して、前記オートフォーカス用コイルを含むオートフォーカス可動部を前記光軸方向に移動させるオートフォーカス用駆動部を備え、
    前記振れ補正用マグネットは、前記オートフォーカス固定部に配置されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
  6. 前記振れ補正用マグネットは、前記オートフォーカス用マグネットを兼用することを特徴とする請求項に記載のレンズ駆動装置。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載のレンズ駆動装置と、
    前記振れ補正可動部に装着されるレンズ部と、
    前記レンズ部により結像された被写体像を撮像する撮像部と、
    を備えることを特徴とするカメラモジュール。
  8. 情報機器又は輸送機器であるカメラ搭載装置であって、
    請求項に記載のカメラモジュールと、
    前記カメラモジュールで得られた画像情報を処理する画像処理部と、を備えることを特徴とするカメラ搭載装置。
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