JP7266976B2 - スポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板及びその製造方法 - Google Patents
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5.0<0.2×Cr(%)+3.5×Si(%)+2.0×N(%)+1.4×W(%)<8.00・・・・(a)
C:0.030%以下、
Si:0.1~1.0%、
Mn:2.2~4.0%、
Cr:20.0~22.0%、
Ni:0.6~2.5%、
Cu:0.5~1.5%、
W:0.005~0.3%、
Nb:0.02~0.15%、
Al:0.020~0.080%、
N:0.060~0.220%を含有し、
残部がFe及び不可避的不純物よりなり、
下記式(a)を満足し、
鋼板内のフェライト相の板厚方向の平均厚みが6μm以下である、ことを特徴とするスポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。
5.0<0.2×Cr(%)+3.5×Si(%)+2.0×N(%)+1.4×W(%)<8.00 …(a)
ただし、式(a)中のCr(%)、Si(%)、N(%)及びW(%)は各元素の鋼中の含有量(質量%)である。
イ) ア)に記載のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板であって、更に質量%で、Ca:10~50ppm、B:5~30ppm、Ti:0.001~0.1%、Co:0.02~0.2%、Mo:0.05~0.7%、Sn:5~50ppmのうちの1種または2種以上を含有するスポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。
ウ)鋼板同士をスポット溶接部により接合した場合であって、板厚1.0mmの2枚の鋼板を重ね合わせ、加圧量:350kgf、本通電時間:4cyc(1cyc:1/60sec)電極:DR4φ-40R、通電電圧:4V、通電電流1Aの条件で溶接した場合の前記スポット溶接部のせん断破断最大荷重が、前記鋼板の破断最大荷重の70%以上になることを特徴とする上記ア)またはイ)に記載のスポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。
エ) 車輌に用いられることを特徴とする、上記ア)乃至ウ)に記載のスポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。
オ) 上記ア)またはイ)に記載の鋼成分を有する熱間圧延鋼帯を、熱間圧延終了後に25℃/s以下の平均冷却速度で冷却し、コイル状に巻き取って熱延コイルとし、前記熱延コイルを冷間圧延してから焼鈍する際に、
前記冷間圧延における総圧下率をR(%)とし、前記冷間圧延後の前記焼鈍の均熱温度をT(℃)とし、均熱時間をt(秒)としたとき、
下記式(b)を満足するように前記冷間圧延及び前記焼鈍を行うことを特徴とする、鋼板内のフェライト相の板厚方向の平均厚みが6μm以下である、スポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板の製造方法。
40<T/t×R/100<90 …(b)
本実施形態のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板は、質量%で、C:0.030%以下、Si:0.1~1.0%、Mn:2.2~4.0%、Cr:20.0~22.0%、Ni:0.6~2.5%、Cu:0.5~1.5%、W:0.005~0.3%、Nb:0.02~0.15%、Al:0.020~0.080%、N:0.060~0.220%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、下記式(a)を満足し、鋼板内のフェライト相の板厚方向の平均厚みが6μm以下であることを特徴とするスポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板である。
5.0<0.2×Cr(%)+3.5×Si(%)+2.0×N(%)+1.4×W(%)<8.00 …(a)
ただし、式(a)中のCr(%)、Si(%)、N(%)及びW(%)は各元素の鋼中の含有量(質量%)である。
また、本実施形態のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板は、更に質量%で、Ca:10~50ppm、B:5~30ppm、Ti:0.001~0.1%、Co:0.02~0.2%、Mo:0.05~0.7%、Sn:5~50ppmのうちの1種または2種以上を含有することが好ましい。
また、本実施形態のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板は、鋼板同士をスポット溶接部により接合した場合の前記スポット溶接部のせん断破断最大荷重が、前記鋼板の破断最大荷重の70%以上になることが好ましい。
以下、本実施形態のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板において、鋼の成分、フェライト相の板厚方向の厚みを限定した理由を詳述する。
Cは、ステンレス鋼の強度を向上させる作用があり、この点からは好ましい元素ではあるが、C含有量が高くなると耐食性の劣化を招くことから、C含有量は0.030%以下に制限する。C含有量は少ないほど好ましいが、コストと生産性の観点から0.001%以上にするとよい。好ましくは、0.01~0.020%である。
Siは本発明において重要な元素であり、ステンレス鋼の強度を向上させる作用とともにヤング率を改善する作用がある。ただし、Si量が0.1%未満ではその効果が十分に得られず、一方、Siを1.0%を超えて含有させるとσ相の析出を促進することから、Si含有量は0.1%以上1.0%以下の値と定める。好ましくは、0.4~0.8%である。
Mnは、比較的安価にオーステナイト相を確保する作用があり、同様作用を有するNi量を節減するためにも多量に含有させることが好ましいものであるが、その含有量が2.2%未満ではオーステナイト相が常温において不安定相となりフェライト相の比率が高めになりがちで、強度と伸びの低下を招く恐れがある。一方、4.0%を超えて含有させると、不働態皮膜中にMn酸化物が存在し耐食性の劣化を招くことから、Mn含有量は2.2%以上4.0%以下の範囲とする。好ましくは、2.7~3.5%である。
CrはSiとともに本発明において重要な元素であり、Siと同様に、鋼の強度並びにヤング率を改善する作用がある。また、耐食性を確保する上でも重要な元素である。ただし、その含有量が20.0%未満では所望の強度を確保することができない。さらに、20.0%未満では耐食性の低下を招く。従って、強度と耐食性を両立するためにCrを20.0%以上とする。一方、Crが22.0%を超えて含有させると伸びの劣化が著しく、また、σ脆性も発生しやすくなることから、Cr含有量は20.0~22.0%と定める。好ましくは、20.5~21.5%である。
Niは、オーステナイト相を確保するのに極めて有効な元素であり、伸びを確保するためには0.6%以上の含有が必要である。また、1000℃以上の高温域でオーステナイト相を安定的に存在させるためにも、Niを0.6%以上含有させることが必要となる。一方、Niを2.5%を超えて含有させると、鋼のヤング率へ影響が現れる。従って、Ni含有量は0.6~2.5%と定める。好ましくは、1.0~2.0%である。
Cuは、ステンレス鋼の耐すき間腐食性を著しく改善する作用があり、更にすき間腐食を起点とした応力腐食割れの防止作用が大きいが、その含有量が0.5%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方、1.5%を超えて含有させるとNiと同様に鋼のヤング率へ影響が現れることから、Cu含有量は0.5~1.5%と定める。より好ましくは、0.7~1.2%である。
Wは、本発明において重要な元素であり、C,Nを固定してCr炭窒化物による鋭敏化を防ぐとともにσ相の析出を遅延させる効果がある。また、ステンレス鋼の強度とヤング率を高める効果もある。しかしながら、Wが0.005%未満ではその効果は認められない。一方、Wが0.3%を超えると延性の低下を招き、加工性を低下させることから、W含有量は0.005~0.3%と定める。好ましくは、0.01~0.1%である。
Nbは、Nと複合して含有させることにより液体化処理後の鋼の結晶粒を微細化するとともにNbの析出物を形成して0.2%耐力並びに引張強さを向上する作用を有する。その含有量が0.02%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方、0.15%を超えて含有させると多量の窒化物を生成して鋼の硬化と脆化が著しくなり冷延後の加工性を劣化させる。従って、Nb含有量は0.02~0.15%と定める。好ましくは、0.03~0.07%である。
Alは、脱酸のために有効な成分であるため、0.020%以上の含有が必要である。一方、Alが0.080%を超えると、Al系の非金属介在物による表面疵の増加とともに割れの起点となる。従って、Alは0.020~0.080%とする。好ましくは、0.030~0.050%である。
Nは、ステンレス鋼中に通常0.01%程度含まれている不可避的な元素ではあるが、本発明において重要な元素であり、強力なオーステナイト生成元素であり、かつ侵入型元素であるため、オーステナイト相を強化し、0.2%耐力及び引張強さ等の強度向上作用を有している。この発明の二相ステンレス鋼においては、N含有量が0.060%未満であると、前記作用に所望の効果が得られず、一方、0.220%を超えて含有させると熱間加工性の劣化が著しくなることから、N含有量は0.060~0.220%と定める。好ましくは、0.080~0.200%である。
a値は、図1で示される如く、スポット溶接部の強度には大きい方が望ましいが、その値が大きすぎると析出物が顕著となり、靱性の低下を招く。また、a値が小さいとスポット溶接部近傍において生成する原子間力により接合した圧着部の形成が不健全となるため、すき間が発生し、さびの発生が顕著となる。車輌用材料としては、その加工性をも考慮し、優れた溶接強度と耐食性を兼備したフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板として、a値は、5.0超8.00未満が好適である。
なお、この発明のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板の不可避的な不純物たるSは、通常に随伴される量程度であれば格別な不都合を生じることがないが、該S含有量を特に0.002%以下に規制すると、鋼の熱間加工性が一層改善されるので強く推奨される手段である。
Caは、SとCaSを生成し熱間加工性を向上させる。一方、過剰の含有は、CaSを起点としたさびを誘発するので、10~50ppmとする。15~35ppmが好適である。
Bは、粒界強化および高温強度を向上させる。一方、過剰の含有は、多量のホウ化物を生成させ、耐食性の低下を招く。したがって、5~30ppmとする。好ましくは、10~25ppmである。
Tiは、TiNによるフェライト相の微細化に有効である。一方、過剰の含有は、粗大なTiN生成につながり、フェライト相の靱性低下を招く。したがって、0.001~0.1%とする。好ましくは、0.01~0.08%である。
Coは、オーステナイト相の生成を促進し、フェライト相の粗大化を抑制する。一方、過剰の含有は硬質化につながるため、0.02~0.2%とする。好ましくは、0.04~0.1%である。
Moは、フェライト相の高強度化とスポット溶接部の耐食性向上に有効である。過剰の含有は、高強度化によるスポット溶接部のすき間構造を誘発し、耐食性の低下を招く。したがって、0.05~0.7%とする。好ましくは、0.1~0.5%である。
Snは、フェライト相の高強度化と耐食性の向上に有効である。一方、過剰の含有は、スポット溶接部近傍の結晶粒界に偏析し、靱性を低下させる場合がある。溶接条件の厳密は管理はコスト増につながるので、5~50ppmとする。好ましくは、20~40ppmである。
本実施形態のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板は、フェライト相およびオーステナイト相が含まれる。これら二相が混在する組織形態においては、各相の強度と荷重方向に対してどのように分布しているかが引張試験結果に大きく影響することが知られている。例えば、これら二相が層状に分布している場合に、層方向に平行に荷重を負荷すると高強度な相の特性が顕著に表れ、垂直方向に荷重負荷すると軟質な相の特性が顕著となる。継ぎ手せん断引張試験では、スポット溶接部に対して垂直な荷重負荷が生じる。従ってスポット溶接部の接合強度を高めるためには、板厚方向に対して垂直方向の変形抵抗を上げることが必要となる。本発明の成分範囲においては、オーステナイト相よりもフェライト相の方が軟質であるため、フェライト相の組織制御を行うことが対策となる。具体的には、二相が層状に存在するため、フェライト相の厚みを薄くすることが有効である。フェライト相の厚みが大きければ、荷重負荷時に板厚方向の応力影響が大きくなる。したがって、フェライト相の板厚方向の平均厚みは6μm以下が望ましい。
フェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板から圧延方向断面で試験片を切り出し、断面ミクロ組織を観察する。ミクロ組織の現出には、10%シュウ酸電解エッチングを用いる。この場合、ミクロ組織の大きさにより電解条件を変化させる必要があるので、0.1A/mm2で電解時間を変化させながらミクロ組織に結晶粒界が確認できた時点で終了とする。得られたミクロ組織を光学顕微鏡で500倍の視野で観察する。ミクロ組織は母相であるフェライト相に球状のオーステナイト相が分布する形態を示していることから、母相側の厚みを10箇所測定し平均値を算出する。具体的には、任意の箇所に板厚方向に沿って長さ100μmの直線を引き、その直線を横断するフェライト相の数を測定する。そして、測定したフェライトの数を100μmで割った値を、フェライト相の厚みとする。
本実施形態の鋼板同士をスポット溶接することによりスポット溶接部を形成した場合、そのスポット溶接部のせん断破断最大荷重が、鋼板の破断最大荷重の70%以上であれば、十分な溶接部の強度を有しているといえる。
本実施形態のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板の製造方法は、上記の鋼成分を有する熱間圧延鋼帯を、熱間圧延終了後に25℃/s以下の平均冷却速度で冷却し、コイル状に巻き取って熱延コイルとし、前記熱延コイルを冷間圧延してから焼鈍する際に、冷間圧延における総圧下率をR(%)とし、冷間圧延後の焼鈍の均熱温度をT(℃)とし、均熱時間をt(秒)としたとき、下記式(b)を満足するように冷間圧延及び焼鈍を行う方法である。以下、製造方法の限定理由を説明する。
40<T/t×R/100<90 …(b)
熱間圧延終了から巻取りまでの冷却速度は、製品板の特性に大きく影響する。本発明の成分範囲では、仕上げ熱延完了時の温度でもフェライト相は再結晶可能であることから、フェライト相の特性制御には平均冷却速度は非常に重要である。平均冷却速度が大きい場合、フェライト相にひずみが残存し熱延板焼鈍時に再結晶が促進し、フェライト相とオーステナイト相各々の粒成長が競合する。一方、平均冷却速度が小さい場合には、冷却過程でγ相のみの再結晶が進行するため、フェライト相の厚み方向の粒成長が抑制される。したがって、熱間圧延終了後の平均冷却速度は25℃/s以下が望ましい。25℃/s以下の平均冷却速度は、鋼板表面温度が500℃に到達するまでの平均冷却速度であることが好ましい。
また、冷却設備には、途中に空冷区間がない設備や、途中に1以上の空冷区間を有する設備がある。本実施形態では、いずれの冷却設備を用いてもよい。空冷区間を有する冷却設備を用いる場合であっても、冷却開始から冷却終了までの平均冷却速度が25℃/秒以下であればよい。
冷却後は、コイル状に巻き取って熱延コイルとする。
次いで、熱延コイルとした熱間圧延鋼帯に対して冷間圧延及び焼鈍を行う。冷間圧延前の鋼帯に対して酸洗を行ってもよい。
冷間圧延における総圧下率をR(%)とし、冷間圧延後の焼鈍の均熱温度をT(℃)とし、均熱時間をt(秒)としたとき、T/t×R/100で表されるb値を40超90未満の範囲に調整するとよい。
まず、実験用小型高周波炉で30kg箱型鋼塊を溶製し、これを加熱温度1200℃で50mm厚から5~3mm厚にまで熱間圧延した。その際、熱間仕上げ圧延の最終パス後500℃までの平均冷却速度を変化させた。冷却後はコイルに巻き取った。次いで、1050℃、1080℃または1100℃で熱延板焼鈍もしくは焼鈍なしで、酸洗し冷延に供した。熱延板焼鈍時間は60秒以下とした。試験例同士の間で最終の板厚を一致させるために、熱延板と冷延板の組み合わせで冷延率を変更し、得られた冷延板に保定温度と時間を変更した熱処理(焼鈍)を実施した。このようにして、各種のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板を製造した。
また、表2Bにおいて、「母材の最大荷重」は、鋼板の引張試験における試験片の破断時の最大荷重である。
更に、表2Bにおいて、「強度比」は、「母材の最大荷重」(A)と、「スポット溶接部のせん断引張試験最大荷重」(B)との比(B/A)(%)である。
番号4、9、10、12、15、17、19、21は、b値が発明範囲から外れたため、フェライト相厚が厚くなり、スポット溶接部の強度が低下した。
番号29~51は、鋼の化学成分が発明範囲から外れたため、スポット溶接部の耐食性が低下した。
Claims (5)
- 質量%で、
C:0.030%以下、
Si:0.1~1.0%、
Mn:2.2~4.0%、
Cr:20.0~22.0%、
Ni:0.6~2.5%、
Cu:0.5~1.5%、
W:0.005~0.3%、
Nb:0.02~0.15%、
Al:0.020~0.080%、
N:0.060~0.220%を含有し、
残部がFe及び不可避的不純物よりなり、
下記式(a)を満足し、
鋼板内のフェライト相の板厚方向の平均厚みが6μm以下である、ことを特徴とするスポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。
5.0<0.2×Cr(%)+3.5×Si(%)+2.0×N(%)+1.4×W(%)<8.00 …(a)
ただし、式(a)中のCr(%)、Si(%)、N(%)及びW(%)は各元素の鋼中の含有量(質量%)である。 - 請求項1に記載のフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板であって、
更に質量%で、Ca:10~50ppm、B:5~30ppm、Ti:0.001~0.1%、Co:0.02~0.2%、Mo:0.05~0.7%、Sn:5~50ppmのうちの1種または2種以上を含有するスポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。 - 鋼板同士をスポット溶接部により接合した場合であって、板厚1.0mmの2枚の鋼板を重ね合わせ、加圧量:350kgf、本通電時間:4cyc(1cyc:1/60sec)電極:DR4φ-40R、通電電圧:4V、通電電流1Aの条件で溶接した場合の前記スポット溶接部のせん断破断最大荷重が、前記鋼板の破断最大荷重の70%以上になることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。
- 車輌に用いられることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のスポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板。
- 請求項1または請求項2に記載の鋼成分を有する熱間圧延鋼帯を、熱間圧延終了後に25℃/s以下の平均冷却速度で冷却し、コイル状に巻き取って熱延コイルとし、前記熱延コイルを冷間圧延してから焼鈍する際に、
前記冷間圧延における総圧下率をR(%)とし、前記冷間圧延後の前記焼鈍の均熱温度をT(℃)とし、均熱時間をt(秒)としたとき、
下記式(b)を満足するように前記冷間圧延及び前記焼鈍を行うことを特徴とする、鋼板内のフェライト相の板厚方向の平均厚みが6μm以下である、スポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板の製造方法。
40<T/t×R/100<90 …(b)
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