JP7264420B2 - ヒンジ - Google Patents
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Description
また、前記ヒンジにおいて、ダンパーを備えるものであっても、当該ダンパーによる緩衝効果を第二ウイング部材の回動角度によって調節することが要求される場合があるが、要求される仕様によっては実現することが困難な場合がある。例えば、第二ウイング部材が開く方向に回動するほどダンパーによる緩衝効果が増加する仕様とするとき、ダンパーやカム部材等の設計変更等が必要となる場合があり、実現することが困難な場合がある。
即ち、本発明によれば、ダンパー以外の構成でダンパー効果を生じさせることができ、また、第二ウイング部材が開く方向に回動するほどダンパー効果が増加するものを、簡易に実現することができる。
複合機1は本体2および原稿圧着板3を具備する。本実施形態において、複合機1は本発明の第一実施形態に係るヒンジ100を具備する構成とするが、複合機1が後述する他の実施形態に係るヒンジを具備する構成とすることも可能である。
本体2は原稿読み取り装置、制御装置、印刷装置、表示装置および入力装置を具備する。
原稿読み取り装置は本体2の上面に配置される。原稿読み取り装置は本体2の上面に載置された原稿を読み取る(原稿の画像情報を生成する)。
制御装置は複合機1の各部の動作、より詳細には原稿読み取り装置、後述する印刷装置および後述するADFの動作を制御する。
また、制御装置は原稿読み取り装置が生成した画像情報および本体2に接続された回線(インターネット回線等)を通じて取得した画像情報を記憶することが可能である。
印刷装置は原稿読み取り装置の下方に配置される。印刷装置は制御装置が記憶した画像情報に基づいて所定の用紙に画像を印刷する。
表示装置は例えば液晶パネルからなり、複合機1の動作状況等に係る情報を表示する。
入力装置は例えばボタン、スイッチ等からなり、作業者が複合機1に対する指示等を入力する際に操作する。表示装置および入力装置は本体2の上面前部に配置される。
原稿圧着板3は原稿読み取り装置の上に載置された原稿を原稿読み取り装置に向かって押さえつける(圧着する)ことにより、原稿読み取り装置が原稿を読み取る際に原稿が動く(原稿読み取り装置との相対的な位置が変化する)ことを防止する。
原稿圧着板3は読取前原稿収容トレイ、ADF(Auto Document Feeder)および読取後原稿収容トレイを具備する。
ADFは読取前原稿収容トレイに積層状態で収容された複数枚の原稿を一枚ずつ順に取り出して原稿読み取り装置の上の所定の読取位置に載置する。原稿読み取り装置による原稿の読み取りが終了した後、ADFは読取位置に載置された原稿を読取後原稿収容トレイに搬送する。
事務機器の具体例としては、(a)原稿を読み取る機能および読み取った原稿に係る画像情報を他の機器(例えば、パーソナルコンピュータ)に送信する機能を具備するスキャナー、(b)原稿を読み取る機能、読み取った原稿に係る画像情報を通信回線を介して他の機器に送信する機能および他の機器から取得した画像情報をプリントアウトする機能を具備するファクス、(c)原稿を読み取る機能および読み取った原稿に係る画像情報をプリントアウトする機能を具備するコピー機、(d)上記スキャナー、ファクス、およびコピー機としての機能を兼ねる複合機、等が挙げられる。
すなわち、本発明に係るヒンジは、「二つの部材のうちの一方の部材(第一連結対象物)に他方の部材(第二連結対象物)を開閉可能に連結する用途」に広く適用可能である。
本発明に係るヒンジが適用される他の用途の具体例としては、事務機器の本体にトナーカートリッジを交換するためのハッチ(蓋)を開閉可能に連結する用途、自動車の車体にボンネットを開閉可能に連結する用途、便器に便座を開閉可能に連結する用途、等が挙げられる。
図1に示すように、ヒンジ100は複合機1の本体2に原稿圧着板3を回動可能に連結する。
図2から図9に示すように、ヒンジ100は下部固定部材10、中間部材20、第一回動ピン71、上部固定部材30、第二回動ピン72、受圧部73、第一スライダ40、第二スライダ50、バネ60、ダンパー62、カム部材80、及びオイルフェンス90を具備する。
以下では便宜上、原稿圧着板3が本体2に対して閉じているとき(回動角度θ=0度のとき)の複合機1の上下方向、前後方向および左右方向を基準として(原稿圧着板3が本体2に対して閉じているときの複合機1の上下方向、前後方向および左右方向をそれぞれヒンジ100の上下方向、前後方向および左右方向に対応させて)ヒンジ100を構成する各部材の形状を説明する。
本実施形態の下部固定部材10は一枚の金属板を適宜折り曲げることにより成形される。下部固定部材10は底板11、左右の側板12・12、および背板13を具備する。
背板13の下端部は底板11の後端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、底板11および背板13が形成される)。
天板21は、中間部材20の上部を成す板状の部材である。天板21は、上下一対の板面を有する。天板21の形状は平面視で前後方向にやや長い概ね長方形である。
側板22は、中間部材20における左右それぞれの側部を成す板状の部材である。側板22の上端部は天板21の端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、天板21および側板22・22が形成される)。側板22の後上端部には、第一回動ピン71を挿通するための貫通孔が開口される。側板22の形状は側面視で前後方向にやや長い概ね長方形である。
中間部材20は後述する如く第一スライダ40、第二スライダ50、バネ60、ダンパー62等を収容した状態で、第一回動ピン71を介して下部固定部材10に回動可能に支持される。側板21・21の後部には、第一回動ピン71を挿通するための貫通孔が左右方向に開口されている。
側板部73bは背板部73aから折り曲げられる。側板部73bには、第二回動ピン72が挿通される貫通孔が形成される。
固定部73cは側板部73bの端部から外側に折り曲げられる。固定部73cは、上部固定部材30の天板に固定される部分である。
曲板部73dは、側板部73bの貫通孔よりも背板部73a側(第二回動ピン72と反対方向)に配置される。曲板部73dは背板部73aから後方(第二スライダ50側)に突出するように湾曲して曲面を形成しつつその端部が側板部73b間に位置するように折り曲げられる。曲板部73dの端部は、側板部73bに固定される。曲板部73dの下方に突出する曲面部分の外側の面(第二スライダ50側の面)はカム面として構成され、第二スライダ50のカム当接面52と当接する。曲板部73dのカム面として構成される部分は、異なる曲率が連続する曲面で構成される。
ここで、曲板部73dのカム面として構成される部分が真円の曲率で形成される曲面で構成される場合(例えば、円柱の外面の場合)には、曲板部73d以外の仕様を変更しなければ、中間部材20に対する上部固定部材30の回動角度に応じたトルク制御を行うことは困難であったが、このように曲板部73d(曲板部73dのカム面)が構成されることから、中間部材20に対する上部固定部材30の回動角度に応じたトルク制御を行うことができる。
また、このように受圧部73が一枚の金属製の板状部材を折り曲げて形成されることから、ピン状に構成されるものに比べてコストを低減することができる。
第一スライダ40は後面にカム当接面41を備える。第一スライダ40にはバネ60の後端部を収容するバネ受け穴が形成されている。第一スライダ40は中間部材20の内部における後部で前後方向に摺動可能に収容される。
第二スライダ50は前面にカム当接面52を備える。第二スライダ50にはバネ60の前端部を収容するバネ受け穴が形成されている。
第二スライダ50のバネ受け穴の底面には、ダンパー62の先端部62aを押圧する押圧凹部53が第一回動ピン71の側に向かって突出して形成されている。
その結果として、バネ60に生じる弾性力により、中間部材20(ひいては本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態)は下部固定部材10に対して開く方向に回動するように付勢され、上部固定部材30は中間部材20に対して閉じる方向に回動するように付勢される。この際、ダンパー62の先端部62aは第二スライダ50の押圧凹部53によって押圧され、本体部の側に押し込まれる。
このように構成することにより、複合機1の本体2に対する原稿圧着板3の回動角度θが0度からφ1までの範囲において作業者が原稿圧着板3から手を離した場合には、回動角度θが保持される。
オイルフェンス90は、第一スライダ40とカム部材80とに支持され、中間部材20の回動動作とともに移動可能に構成される。
本体部91は、カム部材80(カム面81)よりも左右幅が大きい平板状に構成される。
第一アーム92は、本体部91から第二回動ピン72側に突出し、突出側の端部において左右方向外側にさらに突出する凸部を有するように形成される。
第二アーム93は、本体部91から下部固定部材10側に突出し、突出側の端部において左右方向内側にさらに突出する凸部を有するように形成される。
第一案内部42は、第一スライダ40の左右の側面に形成される溝(貫通溝)であり、オイルフェンス90の第一アーム92の凸部が配置されてオイルフェンスの90の移動を案内する。
第一案内部42は、第一スライダ40の正面側左右において平板が突出し、当該平板に第一スライダ40の移動方向に沿って直線状に形成される。
第二案内部82は、カム部材80の左右の側面に形成される溝(凹状の溝)であり、オイルフェンス90の第二アーム93の凸部が配置されてオイルフェンスの90の移動を案内する。
第二案内部82は、カム部材80底部から上方に延び、カム面81の近傍で前上方に屈曲するように形成される。
また、オイルフェンス90は、第一スライダ40のカム当接面41とカム部材80のカム面81との当接部分を前方外側から見えないようにして外側との空間を遮蔽するように構成されることから、カム部材80のカム面81が極力露出しないこととなり、カム部材80側からオイルが外側に飛散することを抑制することができる。
また、オイルフェンス90は、第一スライダ40とカム部材80とに支持され、中間部材20の回動動作とともに移動可能に構成されることから、異物が第一スライダ40のカム当接面41とカム部材80のカム面81との当接部分側に入り込むことをより確実に防止することができる。
凸部23は、第一スライダ40に当接して、第二ウイング部材が回動して第一スライダ40が前後方向に移動することによって摺動抵抗(ダンパー効果)を生じさせる。凸部23は、中間部材20の天板21における内側の面(下方側の面)の左右中央且つ後方部に設けられ、中間部材の天板21から下方に突出して第一スライダ40の天板に当接する。凸部23は、中間部材20の天板21の左右中央且つ後方部において、前後方向に沿って左右一対の切込みを形成して、当該部分を天板21の外側(上方)側から内側(下方)に若干押込むようにして形成される。中間部材20の凸部23が形成される部分の外側は、凹状に形成され、平面視で凹部23と略同一の形状とされる。
第二ウイング部材が閉塞状態から開く方向に回動すると、第一スライダ40が後方(中間部材20の後方)に移動(第一スライダ40のカム当接面41がカム部材80のカム面81に近接する方向に移動)して、中間部材20の凸部23(凸部23の前部)が第一スライダ40と当接する。そして、第一スライダ40がより後方に移動していくと中間部材20の凸部23が第一スライダ40に当接する部分の面積は次第に大きくなる。ことき、第一スライダ40が後方に移動して中間部材20の凸部23の中央部においても当接すると、当該凸部23の中央部では前部に比べて左右の幅(凸部23における第一スライダ40の移動方向に直交する方向の幅)が大きく構成されることから、凸部23が当接することによって生じさせる第一スライダ40の摺動抵抗はより大きくなる。
したがって、ヒンジ100によれば、ダンパー62の他に(ダンパー62以外の構成で)ダンパー効果を生じさせることができ、また、第二ウイング部材が開く方向に回動するほどダンパー効果が増加するものを、簡易に実現することができる。
図19に示すように、凸部23は、平面視略V字状に形成され、当該V字の下方が前方を向くように配置されて、前方の左右方向の幅に比べて後方の幅が広く構成される部分を有する構成とすることもできる。
図20に示すように、凸部23は、平面視略錐台状に形成されて、前方の左右方向の幅に比べて後方の幅が広く構成される部分を有する構成とすることもできる。
図21に示すように、凸部23は、平面視略四角形状の前端左右から前方に一対の丸長が突出するように形成されて、前方の左右方向の幅に比べて後方の幅が広く構成される部分を有する構成とすることもできる。
図22に示すように、凸部23は、平面視略四角形状の前左部および前右部の角がそれぞれ切欠かれたように形成されて、前方の左右方向の幅に比べて後方の幅が広く構成される部分を有する構成とすることもできる。
図23に示すように、凸部23は、平面視略四角形状の前端部が半円状に形成されて、前方の左右方向の幅に比べて後方の幅が広く構成される部分を有する構成とすることもできる。
図24に示すように、凸部23は、平面視略M字状に形成され、当該M字の上方が前方を向くように配置されて、前方の左右方向の幅に比べて後方の幅が広く構成される部分を有する構成とすることもできる。
例えば、図25に示すように、凸部23は、平面視略台形に形成され、前後中央部の左右方向の幅に比べて前方の左右方向の幅および後方の左右方向の幅が広く構成される部分を有する構成とすることもできる。
また例えば、図26に示すように、凸部23は、前端部と後端部とにそれぞれ半円を有する平面視長丸状に形成されて、前後中央部の左右方向の幅に比べて前方の左右方向の幅および後方の左右方向の幅が広く構成される部分を有する構成とすることもできる。
また、中間部材20の凸部23は、点状凸部を複数個並べられた集合体で構成することもでき、また、左右方向の突条を前後方向に複数個並べた集合体で構成することもできる。
2 本体
3 原稿圧着板
10 下部固定部材
20 中間部材
23 凸部
30 上部固定部材
40 第一スライダ
50 第二スライダ
80 カム部材
90 オイルフェンス
100 ヒンジ
Claims (1)
- 第一連結対象物に固定される第一ウイング部材と、
前記第一ウイング部材に固定されるカム部材と、
第二連結対象物に固定されるとともに前記第一ウイング部材に第一回動ピンを介して回動可能に連結される第二ウイング部材と、
前記第二ウイング部材に収容されつつ前記カム部材に接近する方向および前記カム部材から離間する方向に移動可能なスライド部材と、
前記スライド部材を前記カム部材に接近する方向に付勢することにより前記スライド部材を前記カム部材に当接させる付勢部材と、を具備し、
前記第二ウイング部材は、前記第一ウイング部材に前記第一回動ピンを介して回動可能に連結される中間部材を備え、
前記中間部材は、前記スライド部材に当接することによって、前記スライド部材が移動するときの摺動抵抗を生じさせる凸部を備え、
前記凸部は、前記スライド部材が前記カム部材に離間する方向側部分である前部の幅に比べて前記スライド部材が前記カム部材に接近する方向側部分である後部の幅が広く、前記前部と前記後部との間に後方に行くに従って幅が徐々に広がる部分を有し、かつ、突出方向における高さが一様となるように構成されている、
ヒンジ。
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