JP7261942B2 - 有機化合物 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2019年12月11日出願の米国仮出願第62/946,568号(その内容は、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)に基づく優先権およびその利益を主張する国際出願である。
発明の分野
本発明は、新しい化合物、特定の置換複素環縮合γ-カルボリン、およびそれに関連する新しい方法および使用、ならびにその医薬組成物、例えば、5-HT受容体、セロトニントランスポーター(SERT)、ならびに/またはドパミンD2受容体シグナル伝達、ナトリウムチャネル活性および/もしくはノルエピネフリントランスポーター活性が関与する経路が関与する疾患、例えば、不安、精神病、統合失調症、睡眠障害、性障害、片頭痛、頭部痛に関連する状態、社会恐怖症、胃腸障害、例えば胃腸管運動機能障害、および肥満症;精神病もしくはパーキンソン病に関連するうつ病および気分障害;精神病、例えばうつ病に関連する統合失調症;双極性障害;気分障害;および他の精神医学的および神経学的状態などの疾患または障害の治療における使用方法、ならびに他の薬剤との組合せに関する。
置換複素環縮合γ-カルボリンは、中枢神経系障害の治療において5-HT2受容体、特に5-HT2Aおよび5-HT2C受容体のアゴニストまたはアンタゴニストであることが知られている。これらの化合物は、米国特許第6,548,493号;米国特許第7,238,690号;米国特許第6,552,017号;米国特許第6,713,471号;米国特許第7,183,282号;米国再発行特許発明第39680号、および米国再発行特許発明第39679号に、5-HT2A受容体調節に関連する障害、例えば、肥満症、不安、うつ病、精神病、統合失調症、睡眠障害、性障害、片頭痛、頭部痛に関連する状態、社会恐怖症、胃腸障害、例えば胃腸管運動機能障害、および肥満症の治療に有用な新規化合物として開示されている。置換複素環縮合γ-カルボリンの製造方法、ならびに嗜癖行動および睡眠障害などの中枢神経系障害の制御および予防に有用なセロトニンアゴニストおよびアンタゴニストとしてのこれらγ-カルボリンの使用は、米国特許第7,081,455号;米国特許第7,071,186号;米国特許第7,183,282号;米国特許第8,309,722号;米国特許第8,779,139号;米国特許第9,315,504号;米国特許第9,751,883号;米国特許第10,221,176号;および出願第PCT/US2019/36593号および第16/438,163号に開示されている(その各内容は、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)。
また、米国特許第8,598,119号は、精神病とうつ病性障害の合併症、ならびに精神病またはパーキンソン病の患者における睡眠障害、うつ病性障害および/または気分障害の治療のための特定の置換複素環縮合γ-カルボリンの使用を開示している。この特許出願は、精神病および/またはうつ病に関連する障害に加えて、ドパミンD2受容体に影響を与えることなくまたは最小限の影響を与えることなく5-HT2A受容体に選択的に拮抗し、これにより高い占有率のドパミンD2経路に関連する副作用または慣用の催眠鎮静剤(例えば、ベンゾジアゼピン系薬剤)に関連する他の経路(例えばGABAA受容体)の副作用(薬物依存、筋緊張低下、脱力、頭痛、かすみ目、回転性めまい、嘔気、嘔吐、心窩部苦悶、下痢、関節痛および胸部痛の発症を含むがこれらに限定されない)を伴わずに睡眠障害の治療に有用な、これら化合物の低用量での使用を開示およびクレームしている。米国特許第8,648,077号もまた、これら置換複素環縮合γ-カルボリンのトルエンスルホン酸付加塩結晶の製造方法を開示している。
一の特定の縮合複素環γカルボリンである4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8(7H)-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1-ブタノンは、例えば米国特許出願公開第2011/0071080号、米国特許出願公開第2015/0072964号、米国特許出願公開第2015/0080404号および米国特許出願公開第2016/0310503号に開示されている。この化合物は、強力なセロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト、ドパミン受容体D1およびD2モジュレーター、ならびにセロトニントランスポーター(SERT)アンタゴニストである。
ルマテペロンとしても知られている4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8(7H)-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-1-ブタノンは、米国で(CAPLYTA(登録商標)として)統合失調症の治療用としても承認されており、認知症に関連する激越、および双極性うつ病の治療用としての第II相および/または第III相臨床試験が完了した。
依然として、強力なセロトニン受容体、セロトニントランスポーター(SERT)および/またはドパミンD2受容体活性、ならびに他の生物学的活性を有するさらなる化合物が必要とされている。
本開示は、以下に示すような、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、式Iの化合物に関する:
Figure 0007261942000001
本開示の化合物は、予想外に、セロトニン受容体(例えば、5-HT2A、5-HT2B)、セロトニントランスポーター(SERT)、ドパミン受容体(例えば、D2)、ナトリウムチャネル(例えば、サイト2結合を介して)およびノルエピネフリントランスポーターに対して強力な親和性または活性を有することが判明している。この化合物は、例えば国際公開第2019/241278号および米国特許出願公開第2020/0102309号において、ルマテペロンの合成における合成副産物として開示されている(その内容は、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)。
第1の態様では、本開示は、遊離形態または塩形態(例えば、薬学的に許容される塩形態)、例えば単離または精製された遊離形態または塩形態の、式I:
Figure 0007261942000002
の化合物(化合物1)を提供する。
本開示は、下記のものを包含する、遊離形態または塩形態、例えば単離または精製された遊離形態または塩形態の、式Iの化合物のさらなる例示的実施態様を提供する:
1.1 遊離形態(すなわち、遊離塩基形態)の、化合物1;
1.2 塩形態、例えば薬学的に許容される塩形態の、化合物1;
1.3 塩が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などから選択される酸付加塩である、化合物1.2;
1.4 トルエンスルホン酸付加塩形態、例えば、一トシル酸塩、二トシル酸塩、三トシル酸塩もしくは四トシル酸塩、またはその組合せの、化合物1.3;
1.5 固体形態の、化合物1または1.1~1.4のいずれか;
1.6 実質的に純粋なジアステレオマー形態の(すなわち、エナンチオマーを含む他のジアステレオマーを実質的に含まない)、化合物1または1.1~1.5のいずれか;
1.7 ジアステレオマー過剰率が70%を超え、好ましくは80%を超え、より好ましくは90%を超え、および最も好ましくは95%を超える、化合物Iまたは1.1~1.6のいずれか;
1.8 単離または精製された形態(例えば、少なくとも90%純粋な形態、または少なくとも95%純粋な形態、または少なくとも96%純粋な形態、または少なくとも97%純粋な形態、または少なくとも98%純粋な形態、または少なくとも99%純粋な形態)の、化合物1または1.1~1.7のいずれか;
1.9 化合物が、構造の1か所以上の水素原子位置で重水素の組み込みが50%を超え(すなわち、50原子%Dを超える)、例えば60%を超えるか、または70%を超えるか、または80%を超えるか、または90%を超えるか、または95%を超えるか、または96%を超えるか、または97%を超えるか、または98%を超えるか、または99%を超える、化合物1または1.1~1.8のいずれか;
1.10 化合物1が、式:
Figure 0007261942000003
の化合物である、化合物1.9;
1.11 Dが、重水素の組み込みが少なくとも50%、例えば、少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、最大100原子%重水素である原子位置を示す、化合物1.10。
第2の態様では、本開示は、例えば薬学的に許容される希釈剤または担体と混合して、化合物1または1.1~1.11のいずれかを含む、医薬組成物(医薬組成物2)を提供する。本開示は、下記のものを包含する、医薬組成物2のさらなる例示的実施態様を提供する:
2.1 式1の化合物または1.1~1.11のいずれかが、固体形態である、医薬組成物2;
2.2 式1の化合物が、薬学的に許容される塩形態、例えば、化合物1.3または1.4、化合物1.5~1.11のいずれかから選択される化合物である、医薬組成物2または2.1;
2.3 医薬組成物が、さらに、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、式II:
Figure 0007261942000004
の化合物を含む、医薬組成物2または2.1~2.2のいずれか;
2.4 式IIの化合物が、薬学的に許容される塩形態、例えばトルエンスルホン酸付加塩形態(例えば、一トシル酸塩形態または二トシル酸塩形態)である、医薬組成物2.3;
2.5 式Iの化合物および式IIの化合物を1:200~1:2000、例えば、1:245~1:1000、または1:250~1:550、または1:285~1:460、または1:300~1:500の重量比で含む、医薬組成物2.3または2.4;
2.6 医薬組成物が式IIの化合物を含まない、医薬組成物2または2.1~2.2のいずれか;
2.7 薬学的に許容される希釈剤または担体が、(a)希釈剤/増量剤(例えば、セルロースまたは微結晶セルロース(例えば、ケイ化微結晶セルロース)、マンニトール、ラクトース一水和物、リン酸水素カルシウム、またはイソマルト)、(b)結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コポビドン)、(c)崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドンまたはクロスカルメロースナトリウム)、(d)滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはモノステアリン酸グリセリル)、(e)流動促進剤(例えば、二酸化ケイ素またはタルク)、(f)発泡剤、(g)ポリマー、(h)可塑剤、(i)乾燥剤(drying agent)または乾燥剤(desiccant)、(j)保湿剤(例えば、ポリオール)、(k)湿潤剤、(l)抗酸化剤(例えば、BHT、クエン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸またはメタ重亜硫酸ナトリウム)、(m)増粘剤(例えば、ゲル化剤)、(n)界面活性剤、(o)緩衝剤、(p)甘味料またはフレーバー、および(q)染料または着色料、またはPCT/US2019/049061、PCT/US2019/049062または米国特許第10,695,345号に記載されるような他の薬剤(その各内容は、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)のうち1種類以上から選択される、医薬組成物2または2.1~2.6のいずれか。
好ましい実施態様では、本開示の医薬組成物は、薬学的に許容される希釈剤または担体と混合して、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、式1の化合物または1.1~1.11を含む。
さらなる実施態様では、本開示の医薬組成物は、持続放出性または遅延放出性製剤、例えばデポ製剤である。一の実施態様では、デポ製剤(医薬組成物2.8)は、好ましくは遊離形態または薬学的に許容される塩形態で、好ましくは、例えば注射用デポ剤として持続放出または遅延放出を与える、薬学的に許容される希釈剤または担体と混合して、医薬組成物2または2.1~2.7のいずれかである。
さらなる実施態様では、本開示は、式1以降の化合物がポリマーマトリックス中にある医薬組成物2または2.1~2.8のいずれかである医薬組成物2.9を提供する。一の実施態様では、本開示の化合物は、ポリマーマトリックス内に分散または溶解されている。さらなる実施態様では、ポリマーマトリックスは、デポ製剤に用いられる標準的なポリマー、例えば、ヒドロキシ脂肪酸のポリエステルまたはその誘導体から選択されるポリマー、またはアルキルα-シアノアクリレートのポリマー、ポリアルキレンオキサレート、ポリオルトエステル、ポリカーボネート、ポリオルト-カーボネート、ポリアミノ酸、ヒアルロン酸エステル、およびこれらの混合物を含む。さらなる実施態様では、ポリマーは、ポリラクチド、ポリd,l-ラクチド、ポリグリコリド、PLGA50:50ポリマー、PLGA85:15ポリマーおよびPLGA90:10ポリマーからなる群より選択される。別の実施態様では、ポリマーは、ポリ(グリコール酸)、ポリ-D,L-乳酸、ポリ-L-乳酸、前記のコポリマー、ポリ(脂肪族カルボン酸)、コポリオキサレート、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリ(オルトカーボネート)、ポリ(アセタール)、ポリ(乳酸-カプロラクトン)、ポリオルトエステル、ポリ(グリコール酸-カプロラクトン)、ポリ無水物、および天然ポリマー、例えばアルブミン、カゼイン、およびワックス、例えばグリセロールモノおよびジステアレートなどから選択される。好ましい実施態様では、ポリマーマトリックスは、ポリ(d,l-ラクチド-co-グリコリド)を含む。
例えば、医薬組成物2.9の一の実施態様では、化合物は、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、式1または1.1以降の化合物である。医薬組成物2.9の別の例では、化合物は、薬学的に許容される希釈剤または担体と混合した、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、式1または1.1以降の化合物である。医薬組成物2.9の別の例では、化合物は、薬学的に許容される希釈剤または担体と混合した、式1または1.1以降の化合物であり、ここで、希釈剤または担体は、ポリマーマトリックスを含み、場合によっては、該ポリマーマトリックスは、ポリ(d,l-ラクチド-co-グリコリド)コポリマーを含む。
いくつかの実施態様では、医薬組成物2.9は、持続放出または遅延放出に特に有用であり、ここで、本開示の化合物は、ポリマーマトリックスが分解すると放出される。これらの組成物は、最大180日間、例えば約14日間~約30日間~約180日間にわたる本開示の化合物の制御放出および/または持続放出のために(例えばデポ組成物として)製剤化され得る。例えば、ポリマーマトリックスは、約30日間、約60日間または約90日間にわたって本開示の化合物を分解および放出し得る。別の例では、ポリマーマトリックスは、約120日間または約180日間にわたって、分解し、本開示の化合物を放出し得る。
さらに別の実施態様では、本開示の医薬組成物、例えば本開示のデポ組成物、例えば医薬組成物2.8は、注射による投与のために製剤化される。
さらなる実施態様では、本開示は、米国特許出願公開第2009/0202631号(その内容は、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)に記載されている浸透圧放出制御経口送達システム(OROS)における上記の式1または1.1以降の化合物を提供する。したがって、第7の態様の一の実施態様では、本開示は、(a)上記の遊離形態または薬学的に許容される塩形態の式1または1.1以降のいずれかの化合物または本発明の医薬組成物を含有する、ゼラチンカプセル;(b)カプセルから外側へ向かう順序で、(i)バリア層、(ii)膨張層および(iii)半透過層を含む、ゼラチンカプセル上に重ねられた多層壁;ならびに(c)および該壁を通って形成されているかまたは形成可能なオリフィスを含む、医薬組成物またはデバイス(医薬組成物P.1)を提供する。
別の実施態様では、本発明は、液体である遊離形態または薬学的に許容される塩形態の式1もしくは1.1以降の化合物または本発明の医薬組成物、例えば医薬組成物2または2.1~2.9のいずれかを含有するゼラチンカプセルを含む医薬組成物であって、該ゼラチンカプセルが、ゼラチンカプセルの外表面に接触しているバリア層、該バリア層に接触している膨張層、該膨張層を包含する半透過層、および壁に形成されているかまたは形成可能な出口オリフィスを含む複合壁によって囲まれている、医薬組成物(医薬組成物P.2)を提供する。
さらに別の実施態様では、本発明は、液体である遊離形態または薬学的に許容される塩形態の式1もしくは1.1以降の化合物または本発明の医薬組成物、例えば、医薬組成物2または2.1~2.9のいずれかを含有するゼラチンカプセルを含む組成物であって、該ゼラチンカプセルが、ゼラチンカプセルの外表面に接触しているバリア層、バリア層に接触している膨張層、膨張層を包含する半透過層、および壁に形成されているかまたは形成可能な出口オリフィスを含む複合壁によって囲まれており、該バリア層が膨張層と出口オリフィスでの環境との間にシールを形成する、医薬組成物(医薬組成物P.3)を提供する。
さらに別の実施態様では、本発明は、液体である遊離形態または薬学的に許容される塩形態の式1もしくは1.1以降の化合物または本発明の医薬組成物、例えば、医薬組成物2または2.1~2.9のいずれかを含有するゼラチンカプセルを含む組成物であって、該ゼラチンカプセルが、ゼラチンカプセルの外表面に接触しているバリア層、該バリア層の一部に接触している膨張層、少なくとも該膨張層を包含する半透過層、およびゼラチンカプセルの外表面から使用環境まで延びている投与剤形に形成されているかまたは形成可能な出口オリフィスによって囲まれている、医薬組成物(医薬組成物P.4)を提供する。膨張層は、1つ以上の個別のセクション、例えばゼラチンカプセルの対向する側部または端部に位置する2つのセクションに形成され得る。
特定の実施態様では、浸透圧制御放出経口送達システム(すなわち、医薬組成物P.1~P.4)中の本開示の化合物は液体製剤中にあり、ここで、該製剤は、純粋な液体活性剤、または、溶液、懸濁液、エマルションもしくは自己乳化組成物中の液体活性剤、または同類のものであり得る。
ゼラチンカプセル、バリア層、膨張層、半透過層;およびオリフィスの特徴を含む浸透圧制御放出経口送達システム組成物の更なる情報は、米国特許出願公開第2001/0036472号(その内容は、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)に見ることができる。
本開示の1または1.1以降の化合物または医薬組成物のための他の浸透圧制御放出経口送達システムは、米国特許出願公開第2009/0202631号、(その内容は、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)に見ることができる。したがって、第7の態様の別の実施態様では、本発明は、(a)第1層および第2層を含む2つ以上の層であって、該第1層が、上記の遊離形態または薬学的に許容される塩形態の1または1.1以降の化合物または医薬組成物を含み、該第2層がポリマーを含む、2つ以上の層;(b)この2つ以上の層を囲む外壁;および(c)該外壁におけるオリフィスを含む、組成物またはデバイス(医薬組成物P.5)を提供する。
医薬組成物P.5は、好ましくは、三層コアを囲む半透膜を利用する:これらの実施態様では、第1層は、第1薬物層と称され、少量の薬物(例えば、1または1.1以降の化合物)および塩などの浸透圧剤を含有し、第2薬物層と称される中間層は、多量の薬物および賦形剤を含有し、塩を含有せず;プッシュ層と称される第3層は、浸透圧剤を含有し、薬物を含有しない(医薬組成物P.6)。少なくとも1つのオリフィスが、カプセル型錠剤の第1薬物層端部の膜を通して穿孔される。
組成物P.5またはP.6は、区画を画定する膜であって、該膜が内部保護サブコート、そこに形成されているかまたは形成可能な少なくとも1つの出口オリフィスおよび半透過性の膜の少なくとも一部を囲む膜;出口オリフィスから遠く離れた区画内に位置する膨張層であって、膜の半透過性部分と流体連結している膨張層;出口オリフィスと隣接して位置する第1薬物層;および第1薬物層と膨張層との間にある区画内に位置する第2薬物層を含み得、これらの薬物層が遊離の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含むものである(医薬組成物P.7)。第1薬物層および第2薬物層の相対粘度に応じて、異なる放出プロファイルが得られる。各層の最適な粘度を同定するのは必須である。本発明において、粘度は、塩、塩化ナトリウムの添加によって調節される。コアからの送達プロファイルは、各薬物層の重量、処方および厚さに依存する。
特定の実施態様では、本発明は、第1薬物層が塩を含み、第2薬物層が塩を含まない、医薬組成物P.7を提供する。医薬組成物P.5~P.7は、場合によっては、膜と薬物層との間に流動促進層を含み得る。
医薬組成物P.1~P.7は、一般的に、浸透圧制御放出経口送達システム組成物と称され得る。
第3の態様では、本発明は、中枢神経系障害または心臓障害の治療または予防方法であって、それを必要とする患者に、1または1.1以降の化合物または医薬組成物2または2.1~2.9またはP.1~-P.7を投与することを含む方法(方法3)を提供する。
第3の態様のさらなる実施態様では、本開示は、以下のようにさらに記載される方法3を提供する:
3.1 中枢神経系障害が、例えば米国特許出願公開第2011/071080に同様に記載されるように(その内容は出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)、セロトニン5-HT2受容体(例えば、5-HT2Aまたは5-HT2B)、ドパミンD2受容体系、セロトニン再取り込みトランスポーター(SERT)、ノルエピエフリン再取り込みトランスポーター(NET)、および/またはナトリウムイオンチャネル(例えば、電位開口型ナトリウムチャネル)が関与する障害である、方法3;
3.2 中枢神経系障害が、肥満症、不安、うつ病(例えば、難治性うつ病および/またはMDD(大うつ病性障害))、精神病(認知症に関連する精神病、例えば、進行パーキンソン病における幻覚、または偏執性妄想を包含する)、統合失調症、睡眠障害(特に、統合失調症および他の精神医学的および神経学的疾患に関連する睡眠障害)、性障害、片頭痛、頭部痛に関連する状態、社会恐怖症、認知症における激越(例えば、アルツハイマー病における激越)、自閉症および関連自閉症性障害における激越、胃腸管運動機能障害などの胃腸障害、および認知症、例えばアルツハイマー病の認知症またはパーキンソン病の認知症;および気分障害;強迫性障害(OCD)、強迫性パーソナリティ障害(OCPD)、全般不安症、社会不安症、パニック症、広場恐怖症、強迫性ギャンブル障害、強迫性摂食障害、身体醜形障害、心気症、病的身繕い障害、窃盗症、放火症;注意欠如・多動症(ADHD)、注意欠如症(ADD)、衝動制御障害;神経変性障害(例えば、アルツハイマー病またはパーキンソン病)、起立性調節障害、疼痛性障害(例えば、神経障害性疼痛、外傷性疼痛)、薬物乱用障害、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される障害である、方法3または3.1;
3.3 中枢神経系障害が、(i)うつ病に罹患している患者における精神病(例えば、統合失調症);(2)精神病(例えば、統合失調症)に罹患している患者におけるうつ病;(3)精神病(例えば、統合失調症)またはパーキンソン病に関連する気分障害;(4)精神病(例えば、統合失調症)またはパーキンソン病に関連する睡眠障害;および(5)物質使用障害および/または物質誘発障害から選択される障害であり、場合によっては、患者が不安または不安症の残遺症状に罹患している、方法3または3.1;
3.4 中枢神経系障害が精神病(例えば、統合失調症)であり該患者がうつ病に罹患している患者である、方法3または3.1;
3.5 中枢神経系障害が、強迫性障害(OCD)、強迫性パーソナリティ障害(OCPD)、社会不安症、パニック症、広場恐怖症、強迫性ギャンブル障害、強迫性摂食障害、身体醜形障害および衝動制御障害から選択される、方法3または3.1;
3.6 中枢神経系障害が強迫性障害(OCD)または強迫性パーソナリティ障害(OCPD)である、方法3または3.1;
3.7 中枢神経系障害がうつ病であり、該患者が、精神病(例えば、統合失調症)またはパーキンソン病に罹患している患者である、方法3または3.1;
3.8 中枢神経系障害が睡眠障害である、方法3または3.1;
3.9 睡眠障害が、睡眠維持不眠症、頻回の覚醒、および/またはすっきり感のない目覚めである、方法3.8;
3.10 患者がうつ病にも罹患している、方法3.7または3.8;
3.11 患者が精神病(例えば、統合失調症)にも罹患している、方法3.7、3.8または3.9;
3.12 患者がパーキンソン病にも罹患している、方法3.7~3.11;
3.13 中枢神経系障害がうつ病、不安またはこれらの組み合わせである、方法3または3.1;
3.14 うつ病および/または不安が急性うつ病および/または急性不安である、方法3.13;
3.15 中枢神経系障害が急性不安(例えば、全般不安症、パニック症、限局性恐怖症または社会不安症または社会的回避に関連する短期不安エピソード)である、方法3.13~3.14のいずれか;
3.16 中枢神経系障害が急性うつ病(例えば、急性大うつ病エピソード、急性短期うつ病エピソード、急性反復性短期うつ病エピソード)である、方法3.13~3.15のいずれか;
3.17 中枢神経系障害が治療抵抗性うつ病(例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン再取り込み阻害薬(SRI)、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬、ノルエピエフリン再取り込み阻害薬(NRI)、ドパミン再取り込み阻害薬(DRI)、SRI/NRI、SRI/DRI、NRI/DRI、SRI/NRI/DRI(三重再取り込み阻害薬)、セロトニン受容体アンタゴニスト、またはこれらの組み合わせから選択される抗うつ薬による治療に応答しなかったうつ病)である、方法3.13~3.16のいずれか;
3.18 中枢神経系障害が双極性うつ病および大うつ病性障害から選択される、方法3.13~3.17のいずれか;
3.19 患者が、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、例えばシタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリンによる治療に応答しないか、または該治療による副作用に耐えることができない、いずれかの上記方法;
3.20 患者が、セロトニン・ノルエピエフリン再取り込み阻害薬(SNRI)、例えばベンラファキシン、シブトラミン、デュロキセチン、アトモキセチン、デスベンラファキシン、ミルナシプランおよびレボミルナシプランによる治療に応答しないか、または該治療による副作用に耐えることができない、いずれかの上記方法;
3.21 患者が、抗精神病薬、例えばクロミプラミン、リスペリドン、クエチアピンおよびオランザピンによる治療に応答しないか、または該治療による副作用に耐えることができない、いずれかの上記方法;
3.22 患者が、慣用の抗精神病薬、例えばクロルプロマジン、ハロペリドール、ドロペリドール、フルフェナジン、ロキサピン、メソリダジン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジン、クロザピン、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドンおよびジプラシドンの副作用に耐えることができない、いずれかの上記方法;
3.23 患者が、慣用の抗精神病薬、例えば、ハロペリドール、アリピプラゾール、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、リスペリドンおよびジプラシドンの副作用に耐えることができない、いずれかの上記方法;
3.24 有効量が、1mg~1000mg、好ましくは2.5mg~50mgである、上記方法のいずれか;
3.25 有効量が、1mg~100mg/日、好ましくは2.5mg~50mg/日である、上記方法のいずれか;
3.26 中枢神経系障害が、例えばドパミン系薬物を受けている患者における、例えばレボドパおよびレボドパ補助剤(カルビドパ、COMT阻害薬、MAO-B阻害薬)、ドパミンアゴニストおよび抗コリン作用薬から選択される薬物、例えばレボドパを受けている患者における、ジスキネジアである、上記方法のいずれか;
3.27 中枢神経系障害がパーキンソン病である、上記方法のいずれか;
3.28 中枢神経系障害がアルツハイマー病である、上記方法のいずれか;
3.29 中枢神経系障害が、発作性疾患(例えば、てんかん、全般発作性疾患、てんかん重積状態)である、上記方法のいずれか;
3.30 中枢神経系障害が、疼痛性障害(例えば、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛および/または外傷性疼痛)である、上記方法のいずれか;
3.31 患者が、慣用の鎮痛薬、例えば非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン)による副作用に耐えることができないか、または、該鎮痛薬が患者の痛みを治療するのに効果がない、方法3.30;
3.32 患者が、麻薬性鎮痛薬、例えばオピエートおよびオピオイド(例えば、モルヒネ、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、メペリジン、フェンタニル)による副作用に耐えることができないか、または、該薬剤が患者の痛みを治療するのに効果がないか、または、該薬剤が禁忌となる(例えば、嗜癖、嗜癖のリスク、依存、または耐性、または薬物間相互作用に起因)、方法3.30または3.31;
3.33 心臓障害が、不整脈(例えば、心室性不整脈、再発心房細動、発作性心房細動、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群、QT間隔の増大)、心室頻拍、再発頻脈性不整脈、または心筋梗塞である、方法3;
3.34 該方法が遊離形態の式1の化合物を投与することを含む、上記方法のいずれか;
3.35 該方法が、塩形態、例えば薬学的に許容される塩形態の式1の化合物を投与することを含む、方法3.1~3.34のいずれか;
3.36 該方法が、いずれかの式1または1.1~1.11の化合物を投与することを含む、方法3.1~3.34のいずれか;
3.37 該方法が、式1または1.1~1.11のいずれかの化合物を薬学的に許容される希釈剤または担体と混合して含む医薬組成物を投与することを含む、いずれかの上記方法;
3.38 医薬組成物が医薬組成物2、または2.1~2.9のいずれか、またはP.1~P.7である、方法3.37;
3.39 該方法が、式1または1.1~1.11のいずれかの化合物を約14日間~、約30日間~約180日間にわたる、好ましくは約30日間、約60日間または約90日間にわたる該化合物の制御放出および/または持続放出のために製剤化した形態で投与することを含む、いずれかの上記方法;
3.40 該方法が、さらに、1種類以上のさらなる治療薬の併用投与を含み、場合によっては、本開示の化合物および/または該1種類以上のさらなる治療薬のいずれかの用量が、該化合物または治療薬が単剤療法として使用される場合と比べて低い用量で提供される、いずれかの上記方法。
本開示の化合物、本開示の医薬組成物、または本開示のデポ組成物は、慣用の単剤療法において通常生じる望ましくない副作用を引き起こすことなく組み合わせた薬剤の治療活性を高めるように、特に個々の薬剤が単剤療法として用いられる場合より低い投与量にて、第2の治療薬と組み合わせて使用され得る。例えば、本開示の化合物は、他の抗うつ薬、抗精神病薬、他の睡眠薬、および/またはパーキンソン病もしくは気分障害を治療するのに用いられる薬剤と同時に(simultaneously)、連続して(sequentially)、または同期間に(contemporaneously)投与され得る。別の例では、副作用は、本開示の化合物を遊離形態または塩形態(例えば、薬学的に許容される塩形態)の1つ以上の第2の治療薬と組み合わせて投与することにより軽減または最小化することができ、ここで、(i)第2の治療薬の投与量または(ii)本開示の化合物および第2の治療薬の両方の投与量は、該薬剤/化合物が単剤療法として投与される場合より低い。特定の実施態様では、本開示の化合物は、例えばパーキンソン病の治療において用いられるような、例えばレボドパおよびレボドパ補助剤(カルビドパ、COMT阻害薬、MAO-B阻害薬)、ドパミンアゴニスト、および抗コリン作用薬から選択される、ドパミン系薬物を受けている患者においてジスキネジアを治療するのに有用である。
本開示のいくつかのさらなる実施態様では、本開示の医薬組成物または本開示のデポ組成物は、望ましくない副作用を引き起こすことなく組み合わせた薬剤の治療活性を高めるように、特に個々の薬剤が単剤療法として用いられる場合より低い投与量にて、第2の治療薬と組み合わせて使用することができる。
本開示の化合物は、このようなさらなる治療薬と同時に、連続して、または同期間に投与され得る。
第3の態様のさらなる実施態様では、本発明は、以下のものを提供する:
3.41 該1種類以上の治療薬が、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、GABA活性を調節する(例えば、該活性を増強し、GABA伝達を促進する)化合物、GABA-Bアゴニスト、5-HT受容体モジュレーター(例えば、5-HT1Aアゴニスト、5-HT2Aアンタゴニスト、5-HT2Aインバースアゴニストなど)、メラトニン受容体アゴニスト、イオンチャネルモジュレーター(例えば、ブロッカー)、セロトニン-2アンタゴニスト/再取り込み阻害薬(SARI)、オレキシン受容体アンタゴニスト、H3アゴニストまたはアンタゴニスト、ノルアドレナリン作動性アゴニストまたはアンタゴニスト、ガラニンアゴニスト、CRHアンタゴニスト、ヒト成長ホルモン、成長ホルモンアゴニスト、エストロゲン、エストロゲンアゴニスト、ニューロキニン-1薬、抗うつ薬、オピエートアゴニストおよび/または部分オピエートアゴニスト、オピエートアンタゴニストおよび/またはオピエートインバースアゴニスト、および抗精神病薬、例えば非定型抗精神病薬から選択される、方法3.40;
3.42 治療薬が、GABA活性を調節する(例えば、該活性を増強し、GABA伝達を促進する)化合物である、方法3.40;
3.43 GABA化合物が、ドキセピン、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼプ酸、ジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、インディプロン、ゾピクロン、エスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデム、ガボキサドール、ビガバトリン、チアギャビン、EVT201(Evotec Pharmaceuticals)およびエスタゾラムのうち1つ以上からなる群から選択される、方法3.42;
3.44 治療薬がさらなる5HT2aアンタゴニストである、方法3.40;
3.45 該さらなる5HT2aアンタゴニストが、ケタンセリン、リスペリドン、エプリバンセリン、ボリナンセリン(Sanofi-Aventis, France)、プルバンセリン、MDL100907(Sanofi-Aventis, France)、HY10275(Eli Lilly)、APD125(Arena Pharmaceuticals, San Diego, CA)、およびAVE8488(Sanofi-Aventis, France)のうち1つ以上から選択される、方法3.44;
3.46 治療薬がメラトニン受容体アゴニストである、方法3.40;
3.47 メラトニン受容体アゴニストが、メラトニン、ラメルテオン(ROZEREM(登録商標)、Takeda Pharmaceuticals, Japan)、VEC-162(Vanda Pharmaceuticals, Rockville, MD)、PD-6735(Phase II Discovery)およびアゴメラチンのうち1つ以上からなる群から選択される、方法3.46;
3.48 治療薬がイオンチャネルブロッカーである、方法3.40;
3.49 イオンチャネルブロッカーが、ラモトリジン、ギャバペンチンおよびプレガバリンのうち1つ以上である、方法3.48;
3.50 治療薬がオレキシン受容体アンタゴニストである、方法3.40;
3.51 オレキシン受容体アンタゴニストが、オレキシン、1,3-ビアリールウレア、SB-334867-a(GlaxoSmithKline, UK)、GW649868(GlaxoSmithKline)およびベンズアミド誘導体からなる群から選択される、方法3.50;
3.52 治療薬がセロトニン-2アンタゴニスト/再取り込み阻害薬(SARI)である、方法3.40;
3.53 セロトニン-2アンタゴニスト/再取り込み阻害薬(SARI)が、1つ以上のOrg50081(Organon -Netherlands)、リタンセリン、ネファゾドン、サーゾーンおよびトラゾドンからなる群から選択される、方法3.52;
3.54 治療薬が5HTIaアゴニストである、方法3.40;
3.55 5HTIaアゴニストが、レピノタン、サリゾタン、エプタピロン、ブスピロンおよびMN-305(MediciNova, San Diego, CA)のうち1つ以上からなる群から選択される、方法3.54;
3.56 治療薬がニューロキニン-1薬である、方法3.40;
3.57 ニューロキニン-1薬がカソピタント(GlaxoSmithKline)である、方法3.56;
3.58 治療薬が抗精神病薬である、方法3.40;
3.59 抗精神病薬が、クロルプロマジン、ハロペリドール、ドロペリドール、フルフェナジン、ロキサピン、メソリダジン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジン、クロザピン、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ジプラシドンおよびパリペリドンからなる群から選択される、方法3.58;
3.60 治療薬が抗うつ薬である、方法3.40;
3.61 抗うつ薬が、アミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン、シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、デュロキセチン、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、イミプラミン、イソカルボキサジド、マプロチリン、ミルタザピン、ネファゾドン、ノルトリプチリン、パロキセチン、硫酸フェネルジン、プロトリプチリン、セルトラリン、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミン、およびベンラファキシンから選択される、方法3.60;
3.62 抗精神病薬が非定型抗精神病薬である、方法3.40;
3.63 非定型抗精神病薬が、クロザピン、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ジプラシドン、およびパリペリドンからなる群から選択される、方法3.62;
3.64 治療薬が、モダフィニル、アルモダフィニル、ドキセピン、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼプ酸、ジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、インディプロン、ゾピクロン、エスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデム、ガボキサドール、ビガバトリン、チアギャビン、EVT201(Evotec Pharmaceuticals)、エスタゾラム、ケタンセリン、リスペリドン、エプリバンセリン、ボリナンセリン(Sanofi-Aventis, France)、プルバンセリン、MDL100907(Sanofi-Aventis, France)、HY10275(Eli Lilly)、APD125(Arena Pharmaceuticals, San Diego, CA)、AVE8488(Sanofi-Aventis, France)、レピノタン、サリゾタン、エプタピロン、ブスピロン、MN-305(MediciNova, San Diego, CA)、メラトニン、ラメルテオン(ROZEREM(登録商標)、Takeda Pharmaceuticals, Japan)、VEC-162(Vanda Pharmaceuticals、Rockville、MD)、PD-6735(Phase II Discovery)、アゴメラチン、ラモトリジン、ギャバペンチン、プレガバリン、オレキシン、1,3-ビアリールウレア、SB-334867-a(GlaxoSmithKline、UK)、GW649868(GlaxoSmithKline)、ベンズアミド誘導体、Org50081(Organon -Netherlands)、リタンセリン、ネファゾドン、サーゾーン、トラゾドン、カソピタント(GlaxoSmithKline)、アミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン、シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、デュロキセチン、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、イミプラミン、イソカルボキサジド、マプロチリン、ミルタザピン、ネファゾドン、ノルトリプチリン、パロキセチン、硫酸フェネルジン、プロトリプチリン、セルトラリン、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミン、ベンラファキシン、クロルプロマジン、ハロペリドール、ドロペリドール、フルフェナジン、ロキサピン、メソリダジン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジン、クロザピン、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ジプラシドンおよびパリペリドンからなる群から選択される、方法3.40;
3.65 治療薬がH3アゴニストである、方法3.40;
3.66 治療薬がH3アンタゴニストである、方法3.40;
3.67 治療薬がノルアドレナリン作動性アゴニストまたはアンタゴニストである、方法3.40;
3.68 治療薬がガラニンアゴニストである、方法3.40;
3.69 治療薬がCRHアンタゴニストである、方法3.40;
3.70 治療薬がヒト成長ホルモンである、方法3.40;
3.71 治療薬が成長ホルモンアゴニストである、方法3.40;
3.72 治療薬がエストロゲンである、方法3.40;
3.73 治療薬がエストロゲンアゴニストである、方法3.40;
3.74 治療薬がニューロキニン-1薬である、方法3.40;
3.75 治療薬が、抗パーキンソン病薬、例えばL-ドパ、コカレルドーパ、デュオドーパ、スタレボ、シンメトレル、ベンズトロピン、ビペリデン、ブロモクリプチン、エンタカポン、ペルゴリド、プラミペキソール、プロシクリジン、ロピニロール、セレギリンおよびトルカポンである、方法3.40;
3.76 治療薬が、オピエートアゴニストまたは部分オピエートアゴニスト、例えばμアゴニストもしくは部分アゴニスト、またはκアゴニストもしくは部分アゴニスト、例えば混合アゴニスト/アンタゴニスト(例えば、部分μアゴニスト活性とκアンタゴニスト活性を有する薬剤)である、方法3.40;
3.77 治療薬がブプレノルフィンであり、場合により、該方法が、抗不安薬、例えばGABA化合物またはベンゾジアゼピンとの併用治療を含まない、方法3.76;
3.78 治療薬が、オピエート受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニスト、例えば完全オピエートアンタゴニスト、例えばナロキソン、ナルトレキソン、ナルメフェン、メサドン、ナロルフィン、レバロルファン、サミドルファン、ナロデイン、シプロジムまたはノルビナルトルフィミンから選択される、方法3.40;
3.79 治療薬が、抗痙攣薬、抗不整脈薬(例えば、クラスI、クラスIIまたはクラスIII抗不整脈薬)、または麻酔薬である、方法3.40;
3.80 患者がルマテペロンによる併用または連続治療を受けている、上記方法のいずれか。
本発明の別の態様では、本開示の化合物(例えば、化合物1または1.1~1.11のいずれか)と方法3.38~3.80に記載の1種類以上の第2の治療薬との組み合わせが、上記の医薬組成物またはデポ組成物として患者に投与され得る。該組合せ組成物は、組み合わせた薬物の混合物、および、個々の組成物が例えば患者に一緒に共投与することができる、薬物の2つ以上の別々の組成物を含むことができる。
第4の態様では、本開示は、方法3または方法3.1~3.80のいずれかにおける、化合物1または1.1~1.11のいずれか、または医薬組成物2または2.1~2.9のいずれかの使用を提供する。
第5の態様では、本開示は、方法3または3.1~3.80のいずれかにおいて提供されるような1つ以上の中枢神経系障害の治療または予防のための医薬の製造における、化合物1または1.1~1.11のいずれか、または医薬組成物2または2.1~2.9のいずれかの使用を提供する。
第6の態様では、本開示は、方法3または3.1~3.80のいずれかにおいて使用するための、本開示化合物1または1.1~1.11のいずれか、または医薬組成物2または2.1~2.9のいずれかを提供する。
発明の詳細な説明
単語「治療」および「治療すること」とは、疾患の症状の予防および治療もしくは寛解ならびに/または疾患の原因の治療を包含するものとして適宜理解されるべきである。特定の実施態様では、単語「治療」および「治療すること」とは、疾患の症状の予防または寛解をいう。
用語「患者」とは、ヒトまたは非ヒト患者を含み得る。
精神障害の診断と統計マニュアル第5版(「DSM-5」)は、「大うつ病性障害」(MDD)を、同じ2週間の期間に一連の症状のうち5つ以上が存在し、その症状が患者の以前の機能からの変化を表していることと定義している。5つの症状は、抑うつ気分、ほとんどすべての活動に対する興味または喜びの著しい減退、著しい体重変化、不眠(insomnia)または不眠(hyposomnia)、精神運動性激越または精神運動遅滞、疲労、無価値観または過剰な罪悪感、思考能力低下または決断困難、および死についての反復思考または自殺念慮から選択され、これらの症状のそれぞれがほぼ毎日存在している。少なくとも、MDDの診断には、該5つの症状の1つとして、少なくとも抑うつ気分または興味および喜びの喪失を必要とする。MDDは、数週間または数か月の間隔であり得る1つ以上の「大うつ病エピソード」からなり得る(別々のエピソードとして認められるには2週間を超える間隔が必要)。DSM-5では、大うつ病エピソードの間は常に自殺行為の危険性があることを指摘している。
MDDは、その性質上、DSM-5が、患者がMDDと同じ症状の多くを有するが少なくとも2年間持続する「持続性うつ病性障害」と区別する限りにおいて、急性障害である。MDDに加えて、DSM-5はまた、「短期うつ病エピソード」を、抑うつ感情とMDDを定義する他の症状のうち少なくとも4つが少なくとも4日間であって14日間未満続くものと定義している。DSMは、さらに、「反復性短期うつ病」を、抑うつ気分とうつ病の少なくとも4つの他の症状が、少なくとも1か月に1回、2~13日間、並行して存在し、少なくとも連続12か月間持続すると定義している。したがって、反復性短期うつ病も同様に、定期的に繰り返されるうつ病の短いエピソードから構成されている。
DSM-5はまた、双極性障害に罹患している患者の診断基準の一つとして、大うつ病エピソードを含んでいる。したがって、大うつ病エピソードを呈する患者は、大うつ病性障害または双極性障害のいずれかに罹患している可能性がある。
大うつ病エピソードの初期段階におけるうつ病の効果的な治療が特に必要とされていることは明らかである。なぜなら、そのようなエピソードの各日が患者にとって重大な結果をもたらし得るが、典型的なSSRI抗うつ薬は有益な効果が現れるのに最大2~4週間かかるためである。短期間のうつ病エピソード、および反復性短期うつ病の個々のエピソードの治療にも同じことが言える。
したがって、本明細書で用いる場合、用語「急性うつ病」とは、うつ病の短期または慢性エピソード(例えば、2日間~2週間、または2週間~2か月間、または2か月間~2年間、またはそれ以上続く)であり得るものの初期期間をいう。「急性うつ病」は、したがって、大うつ病エピソード、短期うつ病エピソード、または反復性短期うつ病エピソードの初期期間をいう場合がある。当技術分野では、うつ病エピソードのこのような急性期の治療が特に必要とされている。うつ病のこの急性期に開始された治療は、それに反応するこれら患者において無期限に継続され得る。
DSM-5は、全般不安症、パニック症、社会不安症および限局性恐怖症を含む様々な不安症を定義している。上記のうつ病性障害と同様に、不安症は、慢性障害の経過にわたって持続することがあるパニック発作のような短期間の反復性エピソードによって特徴付けられ得る。例えば、全般不安症は、DSM-5によって、多くの事象または活動について、少なくとも6か月間、過度の不安および心配が生じる日数がそうでない日数よりも多いことが必要と定義されています。パニック発作は、数分以内にピークに達する強い恐怖または強い不快感の突然の高まりと定義されるが、予想された刺激または予期せぬ刺激に反応して繰り返し起こることがあり得る。したがって、上記のうつ病性障害と同様に、不安またはパニックの症状を治療することができる速効性の抗不安薬が必要とされているが、不安症の最も一般的な治療薬のいくつかは、軽減(relief)までに2~4週間かかるSSRIおよび他の抗うつ薬である。
本明細書で使用される場合、「急性不安」とは、例えば不安の慢性経過(例えば、2日間~2週間、または2週間~2か月間、または2か月間~2年間、またはそれ以上持続する)の一部であり得る1日以下~1週間持続する、短期間の不安エピソードを指す。したがって、「急性不安」には、パニック発作または引き金となる刺激もしくは事象(例えば、社会不安または全般性不安を引き起こす事象である特定の恐怖症を引き起こす刺激)に対する不安反応の特定の事例が含まれ得る。当該技術分野では、不安エピソードのこのような急性期の治療が特に必要とされている。不安のこの急性期の間に開始された治療は、それに反応する患者において無期限に継続され得る。
社会的回避は、不安症、特に社会不安症に罹患している患者および外傷性不安症に罹患している患者において、重大かつ衰弱性の症状であり得る。社会的回避は、しばしば、重度の不安症を持つ人が家族関係または雇用関係を維持できるかどうかの重要な決定要因の1つである。ルマテペロンなどの5-HT2Aおよびドパミン受容体活性を有する特定の置換縮合γカルボリンが、精神障害の感情的経験症状(emotional experience symptoms)(例えば、統合失調症患者の感情的経験陰性症状(emotional experience negative symptoms))の治療に有効であることが予想外に発見された。統合失調症の陰性症状は、2つのカテゴリーに分けられる:感情的経験(emotional experience)(例えは、感情的引きこもり(emotional withdrawal)、受動的社会的引きこもり(passive social withdrawal)、能動的社会的回避(active social avoidance))と感情表現(emotional expression)(例えば、感情鈍麻(blunted effect)、対人関係の乏しさ(poor rapport)、自発性欠如(lack of spontaneity)、および運動発達遅滞(motor retardation))。急性増悪した統合失調症の患者を対象とした2つの臨床試験では、ルマテペロンを1日1回(60mg P.O.)、最長28日間投与したところ、プラセボと比較して感情的経験の症状が有意かつ予想外に改善された。これらは、対人的機能と最も大きく相関している症状である。したがって、式Iの化合物を含むそのような化合物は、社会不安症などの他の精神障害、または社会的引きこもりおよび社会的回避が症状である他の精神疾患のの感情的経験症状の治療に非常に有効であり得る。
物質使用障害および物質誘発障害は、DSMの第5版(精神障害の診断と統計マニュアル、DSM-5)により定義される物質関連障害の2つのカテゴリーである。物質使用障害は、個人が結果として問題を経験しているにもかかわらず摂取を継続する物質の使用により生じる症状のパターンである。物質誘発障害は、物質の使用により誘発される障害である。物質誘発障害としては、中毒、離脱、物質誘発精神障害、例えば物質誘発精神病、物質誘発双極性および関連障害、物質誘発うつ病性障害、物質誘発不安症、物質誘発強迫性および関連障害、物質誘発睡眠障害、物質誘発性機能不全、物質誘発せん妄および物質誘発神経認知障害が挙げられる。
DSM-5は、物質使用障害を軽度、中等度または重度に分類する基準を含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施態様では、物質使用障害は、軽度物質使用障害、中等度物質使用障害または重度物質使用障害から選択される。いくつかの実施態様では、物質使用障害は、軽度物質使用障害である。いくつかの実施態様では、物質使用障害は、中等度物質使用障害である。いくつかの実施態様では、物質使用障害は、重度物質使用障害である。
不安およびうつ病は、物質使用または物質乱用の治療を受けている患者において極めて一般的な併存障害である。
特に他に明記されていない場合、または文脈から明らかでない場合、本明細書で使用されている以下の用語は以下の意味を有する:
用語「薬学的に許容される希釈剤または担体」は、医薬製剤において有用であり、アレルゲン性、発熱性または病原性である物質および病気を潜在的に引き起こすかもしくは促進することが知られている物質を含まない希釈剤および担体を意味することが意図される。したがって、薬学的に許容される希釈剤または担体は、体液、例えば血液、尿、髄液、唾液など、ならびにその構成成分、例えば血液細胞および循環タンパク質を含まない。適切な薬学的に許容される希釈剤および担体は、医薬製剤に関するいくつかの周知論文のいずれか、例えば、Anderson, Philip O.; Knoben, James E.; Troutman, William G, eds., Handbook of Clinical Drug Data, Tenth Edition, McGraw-Hill, 2002;Pratt and Taylor, eds., Principles of Drug Action, Third Edition, Churchill Livingston, New York, 1990;Katzung, ed., Basic and Clinical Pharmacology, Ninth Edition, McGraw Hill, 20037ybg;Goodman and Gilman, eds., The Pharmacological Basis of Therapeutics, Tenth Edition, McGraw Hill, 2001;Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th Ed., Lippincott Williams & Wilkins., 2000;およびMartindale, The Extra Pharmacopoeia, Thirty-Second Edition (The Pharmaceutical Press, London, 1999)に見ることができる(これらすべては、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)。
化合物についての「精製された」、「精製された形態の」または「単離および精製された形態の」なる用語は、合成プロセスから(例えば反応混合物から)または天然源またはそれらの組合せから単離された後の該化合物の物理的状態をいう。したがって、化合物についての「精製された」、「精製された形態の」または「単離および精製された形態の」なる用語は、本明細書に記載または当業者に周知の標準的な分析技術により特徴付けるのに十分な純度で、本明細書に記載もしくは当業者に周知の精製プロセス(例えばクロマトグラフィー、再結晶、LC-MSおよびLC-MS/MS技術など)から得られた後の該化合物の物理的状態をいう。化合物の性質および用途ならびに精製に用いられるプロセスに応じて、用語「精製された」とは、例えば、少なくとも純度90%の形態、または少なくとも純度95%の形態、または少なくとも純度96%の形態、または少なくとも純度97%の形態、または少なくとも純度98%の形態、または少なくとも純度99%の形態、または少なくとも純度99.5%の形態、または少なくとも純度99.9%の形態の実際の純度を反映し得る。
治療上の使用に言及する場合の用語「併用して(concurrently)」とは、2つ以上の活性薬剤が同じ時に与えられるかもしくは異なる時に与えられるかにかかわらず、または同じ投与経路により与えられるかもしくは異なる投与経路により与えられるかにかかわらず、疾患または障害の治療計画の一部として2つ以上の活性成分を患者に投与することを意味する。2つ以上の活性成分の併用投与は、同じ日の異なる時に、または異なる日に、または異なる頻度であり得る。
治療上の使用に言及する場合の用語「同時に(simultaneously)」とは、同じ投与経路による同時またはほぼ同時の2つ以上の活性成分の投与を意味する。
治療上の使用に言及する場合の用語「別々に(separately)」とは、異なる投与経路による同時またはほぼ同時の2つ以上の活性成分の投与を意味する。
本開示の化合物は、医薬品としての使用が意図され、したがって、薬学的に許容される塩が好ましい。医薬用途に適さない塩は、例えば本発明の遊離化合物の単離または精製に有用であり得、したがって、それもまた本開示の化合物の範囲に含まれる。
本開示の化合物は、1つ以上のキラル炭素原子を含み得る。したがって、該化合物は、個々の異性体形態、例えばエナンチオマーもしくはジアステレオマー形態で、または個々の形態の混合物、例えばラセミ/ジアステレオマー混合物として、存在する。不斉中心が(R)配置、(S)配置または(R,S)配置にある異性体が存在し得る。本発明は、個々の光学活性異性体およびその混合物(例えば、ラセミ/ジアステレオマー混合物)の両方を包含するものとして理解されるべきである。したがって、本発明の化合物は、ラセミ混合物であってもよいか、または、主に、例えば、例えば70%エナンチオマー/ジアステレオマー過剰率(「ee」)超、好ましくは80%ee超、より好ましくは90%ee超、最も好ましくは95%ee超の、純粋または実質的に純粋な異性体形態であってもよい。該異性体の精製および該異性体混合物の分離は、当該技術分野で知られている標準的な技術(例えば、カラムクロマトグラフィー、分取TLC、分取HPLC、擬似移動床および同類のもの)によって行うことができる。
二重結合または環についての置換基の性質による幾何異性体は、シス(Z)またはトランス(E)形態で存在し得、両方の異性体形態が本発明の範囲に包含される。
本開示の化合物は、それらの安定同位体および不安定同位体を包含することも意図される。安定同位体は、同種の豊富な核種(すなわち元素)と比較して1つの追加の中性子を含有する非放射性同位体である。このような同位体を含む化合物の活性は保持され、このような化合物はまた非同位体類似体の薬物動態の測定に関して有用性を有すると考えられる。例えば、本開示の化合物の特定位置における水素原子は、重水素(非放射性の安定同位体)で置き換えられ得る。公知の安定同位体の例としては、重水素、13C、15N、18Oが挙げられるがこれらに限定されない。あるいは、同種の豊富な核種(すなわち元素)と比較して複数の追加の中性子を含有する放射性同位体である不安定同位体、例えば123I、131I、125I、11C、18Fは、I、CおよびFの対応する豊富な種と置き換わり得る。本発明の化合物の有用な同位体の別の例は、11C同位体である。これらの放射性同位体は、本発明の化合物の放射性イメージングおよび/または薬物動態試験に有用である。また、天然の同位体分布を持つ原子の、より重い同位体との置き換えは、代謝的に責任のある部位でこれらの置き換えが行われた場合には、薬物動態速度の望ましい変化をもたらし得る。例えば、水素の代わりに重水素(2H)が組み込まれると、水素の位置が酵素活性または代謝活性の部位である場合には、代謝分解を遅らせることができる。
本開示の化合物は、例えば本明細書に記載のポリマーマトリックス中に本発明の化合物を分散、溶解または封入することにより、デポ製剤として含まれることができ、その結果、該化合物はポリマーの経時的分解に伴って継続的に放出される。ポリマーマトリックスからの本発明の化合物の放出は、例えば医薬デポ組成物から、該医薬デポが投与される対象体、例えば温血動物、例えばヒトへの、化合物の制御放出および/または遅延放出および/または持続放出を提供する。したがって、医薬デポは、本発明の化合物を対象体へ特定の疾患または病状の治療に効果的な濃度で、長期間、例えば14日間~180日間、好ましくは約30日間、約60日間または約90日間にわたって送達する。
本発明の組成物(例えば本発明のデポ組成物)におけるポリマーマトリックスに有用なポリマーとしては、ヒドロキシ脂肪酸のポリエステルおよびその誘導体、または他の薬剤、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ-β-ヒドロキシ酪酸、ε-カプロラクトン開環重合体、乳酸-グリコール酸コポリマー、2-ヒドロキシ酪酸-グリコール酸コポリマー、ポリ乳酸-ポリエチレングリコールコポリマーまたはポリグリコール酸-ポリエチレングリコールコポリマー)、アルキルα-シアノアクリレートのポリマー(例えば、ポリ(ブチル2-シアノアクリレート))、ポリアルキレンオキサレートのポリマー(例えば、ポリトリメチレンオキサレートまたはポリテトラメチレンオキサレート)、ポリオルトエステル、ポリカーボネート(例えば、ポリエチレンカーボネートまたはポリエチレンプロピレンカーボネート)、ポリオルト-カーボネート、ポリアミノ酸(例えば、ポリ-γ-L-アラニン、ポリ-γ-ベンジル-L-グルタミン酸またはポリ-y-メチル-L-グルタミン酸)、ヒアルロン酸エステル、および同類のものなどが挙げられ、これらポリマーの1つ以上を用いることができる。
ポリマーがコポリマーである場合、それらは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーおよび/またはグラフトコポリマーのいずれかであり得る。上記α-ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸およびヒドロキシトリカルボン酸が、その分子中に光学活性を有する場合、D異性体、L異性体および/またはDL異性体のいずれか1つが用いられ得る。とりわけ、α-ヒドロキシカルボン酸ポリマー(好ましくは、乳酸-グリコール酸ポリマー)、そのエステル、ポリ-α-シアノアクリル酸エステルなどを用いることができ、乳酸-グリコール酸コポリマー(ポリ(ラクチド-α-グリコリド)またはポリ(乳酸-co-グリコール酸)とも称され、以下PLGAと称する)が好ましい。したがって、一の態様では、ポリマーマトリックスに有用なポリマーはPLGAである。本明細書で用いられる場合、用語PLGAは、乳酸のポリマー(ポリラクチド、ポリ(乳酸)またはPLAとも称される)を含む。最も好ましくは、該ポリマーは、生分解性ポリ(d,l-ラクチド-co-グリコリド)ポリマーである。
好ましい実施態様では、本発明のポリマーマトリックスは、生体適合性および生分解性の高分子物質である。用語「生体適合性」とは、毒性がなく、発癌性がなく、そして体組織において有意に炎症を誘発しない高分子物質と定義される。マトリックス物質は、生分解性であるべきであり、ここで、高分子物質は、体内プロセスによって身体で容易に***可能な生成物に分解されるべきであり、体内に蓄積されるべきでない。生体分解の生成物はまた、ポリマーマトリックスが身体と生体適合性であるという点で身体と生体適合性であるべきである。ポリマーマトリックス物質の特定の有用な例としては、ポリ(グリコール酸)、ポリ-D,L-乳酸、ポリ-L-乳酸、前記のコポリマー、ポリ(脂肪族カルボン酸)、コポリオキサレート、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリ(オルトカーボネート)、ポリ(アセタール)、ポリ(乳酸-カプロラクトン)、ポリオルトエステル、ポリ(グリコール酸-カプロラクトン)、ポリ無水物、および天然ポリマー、例えばアルブミン、カゼイン、およびワックス、例えばグリセロールモノおよびジステアレートなどが挙げられる。本発明の実施に使用するのに好ましいポリマーは、dl(ポリラクチド-co-グリコリド)である。このようなコポリマーにおけるラクチド対グリコリドのモル比は、約75:25~50:50の範囲であることが好ましい。
有用なPLGAポリマーは重量平均分子量が約5,000~500,000ダルトン、好ましくは約150,000ダルトンであり得る。達成すべき分解速度に応じて、種々の分子量のポリマーを使用することができる。薬物放出の拡散メカニズムについて、ポリマーは、薬物がすべてポリマーマトリックスから放出されるまで無傷のままであり、その後分解するべきである。薬物はまた、ポリマー賦形剤の生体侵食に伴ってポリマーマトリックスから放出され得る。
PLGAは、慣用方法により製造されてもよいか、または商業的に入手されてもよい。例えば、PLGAは、環状ラクチド、グリコリドなどから適切な触媒での開環重合により製造され得る(欧州特許第0058481号B2;Effects of polymerization variables on PLGA properties: molecular weight, composition and chain structureを参照)。
PLGAは、生物学的条件下で(例えば、ヒトなどの温血動物の組織に見ることができる水および生物学的酵素の存在下で)加水分解可能で酵素的に切断可能なエステル結合の分解により固体ポリマー組成物全体が分解して乳酸およびグリコール酸を形成することによって生分解性であると考えられる。乳酸およびグリコール酸はどちらも、水溶性で、通常の代謝の非毒性生成物であり、これは、さらに生分解されて、二酸化炭素と水を形成することができる。言い換えれば、PLGAは、水の存在下で、例えばヒトなどの温血動物の体内で、そのエステル基の加水分解によって分解されて、乳酸およびグリコール酸を生じ、酸性の微小環境を作ると考えられる。乳酸およびグリコール酸は、通常の生理学的条件下のヒトなどの温血動物の体内における様々な代謝経路の副産物であり、したがって、良好な忍容性を示し、生じる全身毒性は最小となる。
別の実施態様では、本発明に有用なポリマーマトリックスは、ポリエステルの構造が星形であるスターポリマーを含み得る。これらのポリエステルは、酸残基鎖により囲まれる中心部分として単一のポリオール残基を有する。ポリオール部分は、例えばグルコース、または、例えばマンニトールであり得る。これらのエステルは、公知であり、英国特許出願公開第2,145,422号および米国特許第5,538,739号(これら各出願の内容は、出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている。
スターポリマーは、開始剤として、ポリヒドロキシ化合物、例えばポリオール、例えばグルコースまたはマンニトールを用いて製造され得る。ポリオールは、少なくとも3つのヒドロキシ基を含有し、最大約20,000ダルトンの分子量を有し、ポリオールのヒドロキシ基のうち少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、例えば平均3つがエステル基の形態であり、これらはポリラクチドまたはコ-ポリラクチド鎖を含有する。分岐ポリエステル、例えばポリ(d,l-ラクチド-co-グリコリド)は、複数のポリラクチド直鎖を有する中心グルコース部分を有する。
上記の本発明のデポ組成物(例えばポリマーマトリックス中の、組成物6および6.1~6.10)は、本発明の化合物が分散または封入されているマイクロ粒子もしくはナノ粒子の形態または液体形態のポリマーを含み得る。「マイクロ粒子」は、粒子のマトリックスとして作用するポリマー内に本発明の化合物が分散または溶解されている、溶液または固体形態のいずれかで本発明の化合物を含有する固形粒子を意味する。ポリマー物質の適切な選択により、得られるマイクロ粒子が拡散放出性および生分解放出性の両方を示すマイクロ粒子製剤が作られ得る。
ポリマーがマイクロ粒子形態であるとき、マイクロ粒子は、適切な方法を用いて、例えば溶媒蒸発法または溶媒抽出法により製造され得る。例えば、溶媒蒸発法では、本発明の化合物およびポリマーを、揮発性有機溶媒(例えば、アセトンなどのケトン、クロロホルムまたは塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素、ハロゲン化芳香族性炭化水素、ジオキサンなどの環状エーテル、酢酸エチルなどのエステル、アセトニトリルなどのニトリル、またはエタノールなどのアルコール)に溶解させ、適切なエマルション安定化剤(例えばポリビニルアルコール、PVA)を含有する水相に分散させ得る。次いで、有機溶媒を蒸発させて、本発明の化合物が封入されているマイクロ粒子が得られる。溶媒抽出法では、本発明の化合物およびポリマーを、極性溶媒(例えばアセトニトリル、ジクロロメタン、メタノール、酢酸エチルまたはギ酸メチル)に溶解させ、次いで、水相(例えば水/PVA溶液)に分散させ得る。エマルションを調製して、本発明の化合物が封入されているマイクロ粒子が得られる。スプレードライは、マイクロ粒子を製造するための別の製造技術である。
本発明のマイクロ粒子を製造する別の方法はまた、米国特許第4,389,330号および米国特許第4,530,840号のどちらにも記載されている。
本発明のマイクロ粒子は、注射用組成物における使用に許容されるサイズ範囲のマイクロ粒子を製造できる方法によって製造され得る。一の好ましい製造方法は、米国特許第4,389,330号に記載されているものである。この方法では、活性薬剤を適切な溶媒に溶解または分散させる。該薬剤含有媒体に、所望の活性薬剤負荷を有する生成物を提供する活性成分に相対的な量のポリマーマトリックス物質を加える。所望により、マイクロ粒子生成物の成分すべてを溶媒媒体中で一緒にブレンドすることができる。
本発明の化合物および本発明の実施に使用することができるポリマーマトリックス物質の溶媒としては、有機溶媒、例えばアセトン;ハロゲン化炭化水素、例えばクロロホルム、塩化メチレンなど;芳香族炭化水素化合物;ハロゲン化芳香族炭化水素化合物;環状エーテル;アルコール、例えばベンジルアルコール;酢酸エチルなどが挙げられる。一の実施態様では、本発明の実施に使用するための溶媒は、ベンジルアルコールと酢酸エチルの混合物であり得る。本発明に有用なマイクロ粒子の製造に関するさらなる情報は、米国特許出願公開第2008/0069885号(該出願の内容は、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)に見ることができる。
マイクロ粒子に組み込まれる本開示の化合物の量は、通常、約1重量%~約90重量%、好ましくは30~50重量%、より好ましくは35~40重量%の範囲である。重量%は、マイクロ粒子の総重量当たりの本開示の化合物の部分を意味する。
医薬デポ組成物は、薬学的に許容される希釈剤または担体、例えば水混和性の希釈剤または担体を含み得る。
浸透圧制御放出経口送達システム組成物の詳細は、米国特許出願公開第2009/0202631号(その内容は、出典明示によりその全体として本明細書の一部とする)に見ることができる。
「治療有効量」は、疾患または障害に罹患している対象体に投与された場合、治療に予定している期間にわたって疾患または障害の軽減、寛解または退行を生じるのに有効な、(例えば医薬デポに含有されるような)本発明の化合物の量である。
本発明の実施に用いられる投与量は、当然、例えば治療されるべき特定の疾患または状態、用いられる特定の本発明の化合物、投与様式および所望の療法に応じて変化する。他に明記されない限り、(遊離塩基として投与されるかまたは塩形態として投与されるかにかかわらず)投与のための本発明の化合物の量とは、遊離塩基形態の本発明の化合物の量をいうかまたはそれに基づいている(すなわち、該量の算出は遊離塩基量に基づいている)。
本発明の化合物は、経口、非経口(静脈内、筋肉内または皮下)または経皮を含む満足のいく経路によって投与され得るが、好ましくは経口投与される。特定の実施態様では、例えばデポ製剤中の、本発明の化合物は、好ましくは非経口で、例えば注射により、投与される。
一般に、上記のような方法3以降についての満足のいく結果は、好ましくは経口投与により、1日1回、約1mg~100mgのオーダー、好ましくは、1日1回、2.5mg~50mg、例えば2.5mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mgまたは50mgの投与量で経口投与することで得られることが示されている。特に睡眠障害に関連する、いくつかの実施態様では、満足のいく結果は、好ましくは経口投与により、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の本発明の化合物を、1日1回、約2.5mg~5mgのオーダー、例えば、2.5mg、3mg、4mgまたは5mgの投与量で経口投与することで得られる。
デポ組成物がより長期間の作用を達成するために用いられる本明細書に記載の障害の治療については、投与量は、短期間作用組成物と比較して高く、例えば1~100mgより高く、例えば25mg、50mg、100mg、500mg、1,000mg、または1000mg超である。本開示の化合物の作用持続時間は、ポリマー組成、すなわちポリマー:薬物の比率およびマイクロ粒子径の操作により制御され得る。本発明の組成物がデポ組成物である場合、注射による投与が好ましい。
本開示の化合物の薬学的に許容される塩は、慣用の化学的方法により塩基性部分または酸性部分を含有する親化合物から合成され得る。一般に、このような塩は、水もしくは有機溶媒またはその2つの混合物中で、これら化合物の遊離塩基形態を化学量論量の適切な酸と反応させることにより製造することができ;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。
本開示の化合物を含む医薬組成物は、慣用の希釈剤または賦形剤(例としてゴマ油が挙げられるがこれに限定されない)およびガレヌス技術分野で公知の技術を用いて製造され得る。したがって、経口剤形としては、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤などが挙げられ得る。
従来技術は、本明細書に開示される化合物に関連する縮合複素環γ-カルボリンに一般に適用される多数の合成方法を開示する。当業者は、米国再発行特許発明第39,680号;米国特許第7,183,282号;米国特許第8,309,722号;米国特許第9,751,883号;および米国特許出願公開第2017/0319580号に様々に記載されている手順に従うかまたは適合させることができる。
調製された化合物のジアステレオマーは、例えば、室温でCHIRALPAK(登録商標)AY-H、5μ、30×250mmを用いたHPLCにより分離し、10%エタノール/90%ヘキサン/0.1%ジメチルエチルアミンで溶離することができる。ピークが230nmで検出されて、98~99.9%eeのジアステレオマーを生成することができる。
実施例1: 4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8(7H)-イル)-1-(4-((6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,9,10,10a-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[3',4':4,5]ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン-8(7H)-イル)フェニル)ブタン-1-オンの合成
Figure 0007261942000005
(6bR,10aS)-3-メチル-2,3,6b,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピリド-[3',4':4,5]-ピロロ[1,2,3-de]キノキサリン(約11.8g、約50mmol)、4-クロロ-4'-フルオロブチロフェノン(15.0g、74.8mmol)、トリエチルアミン(30mL、214mmol)、およびヨウ化カリウム(12.6g、76mmol)のジオキサン(65ml)およびトルエン(65ml)中懸濁液を7時間加熱還流する。濾過および溶媒の蒸発の後、DCM 200mlを添加する。該DCM溶液をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、約55mlに濃縮する。濃縮した溶液をエーテル溶液中0.5N HCl 600mlに滴下する。固体を濾過し、エーテルで洗浄し、次いで、水に溶解する。得られた水溶液を2N NaOHで塩基性化し、DCMで抽出する。DCM層を合わせ、ブライン(2×200mL)で洗浄し、乾燥させる(Na2SO4)。溶媒の蒸発および残留物のシリカゲルクロマトグラフィーにより標記生成物が得られる。
実施例2: 実施例1の化合物の受容体結合プロファイル
実施例1の化合物について受容体結合を決定する。下記の文献(各文献は出典明示によりその全体として本明細書の一部を構成する)の手順を使用する:5-HT2A:Bryant, H.U. et al. (1996), Life Sci., 15:1259-1268;D2:Hall, D.A. and Strange, P.G. (1997), Brit. J. Pharmacol., 121:731-736;D1:Zhou, Q.Y. et al. (1990), Nature, 347:76-80;SERT:Park, Y.M. et al. (1999), Anal. Biochem., 269:94-104;μオピエート受容体:Wang, J.B. et al. (1994), FEBS Lett., 338:217-222。
実施例1の化合物は、DMSO溶液中1.0μMの濃度で試験される。化合物の結合は、各標的に対して特異的な放射性標識リガンドの結合の阻害パーセントとして計算される。対照リガンドは、SCH 23390(D1用)、7-ヒドロキシ-DPAT(D2S用)、ラセミDOI(5-HT2Aおよび5-HT2B用)、ベラトリジン(ナトリウムチャネル部位2用)、プロトリプチリン(NET用)およびイミプラミン(SERT用)の放射性標識形態である。
一般に、結果は、試験化合物(実施例1の化合物)の存在下で得られた、対照特異的結合のパーセント:
Figure 0007261942000006
として、また、対照特異的結合の阻害パーセント:
Figure 0007261942000007
として表される。
以下の受容体親和性結果が得られる(阻害%):
Figure 0007261942000008
これらの結果は、本開示の化合物が独特で予想外の受容体結合プロファイルを有することを示している。
5-HT2A受容体、D1受容体およびSERTに対する受容体結合のIC50値を決定するために、さらなる薬理学的研究を実施する。各研究について、実施例1の化合物をある範囲の濃度で試験し、各濃度での化合物結合を、標的に特異的な放射性標識リガンドの結合の阻害パーセントとして計算する。対照リガンドは、7-ヒドロキシ-DPAT(D2S用)、ラセミDOI(5-HT2A用)、およびイミプラミン(SERT用)の放射性標識形態である。IC50値は、ヒル式カーブフィッティング:
Figure 0007261942000009
[式中、Yは特異的結合であり、Aは曲線の左漸近線であり、Dは曲線の右漸近線であり、Cは化合物濃度であり、nHは傾斜因子である]
を用いて平均反復値を用いて作成した競合曲線の非線形回帰分析によって決定される。Ki値は、チェンプルソフ式:
Figure 0007261942000010
[式中、Lはアッセイにおける放射性リガンドの濃度であり、KDは受容体に対する放射性リガンドの親和性である]
を用いて算出される。KDを決定するためにスキャッチャードプロットが用いられる。
上記の方法を用いて、以下のKiおよびIC50の結果が得られる:
Figure 0007261942000011
これらの結果は、本開示の化合物が独特で予想外の受容体結合プロファイルを有することを示している。
本願は、下記の態様も包含する。
[態様1]
遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、式I:
Figure 0007261942000012
の化合物であって、該化合物が単離または精製された形態である、化合物。
[態様2]
単離または精製された遊離形態または塩形態であってもよい、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、式I:
Figure 0007261942000013
の化合物を、薬学的に許容される希釈剤または担体と混合して含む、医薬組成物。
[態様3]
医薬組成物が、式II:
Figure 0007261942000014
の化合物を含まない、態様2記載の組成物。
[態様4]
組成物が、持続放出または遅延放出のために製剤化されており、注射用デポ剤として製剤化されていてもよい、態様2または3記載の組成物。
[態様5]
組成物がさらにポリマーマトリックスを含む、態様2、3または4記載の組成物。
[態様6]
ポリマーマトリックスが生分解性ポリ(d,l-ラクチド-co-グリコリド)マイクロスフェアである、態様5記載の組成物。
[態様7]
中枢神経系障害または心臓障害の治療または予防を必要とする患者に態様1記載の化合物または態様2~6のいずれかに記載の医薬組成物を投与することを含む、中枢神経系障害または心臓障害の治療または予防のための方法。
[態様8]
中枢神経系障害が、セロトニン5-HT 2 受容体(例えば、5-HT 2A または5-HT 2B )、ドパミンD 2 受容体系、セロトニン再取り込みトランスポーター(SERT)、ノルエピエフリン再取り込みトランスポーター(NET)、および/またはナトリウムイオンチャネル(例えば、電位開口型ナトリウムチャネル)が関与する障害である、態様7記載の方法。
[態様9]
中枢神経系障害が、肥満症、不安、うつ病(例えば、難治性うつ病およびMDD(大うつ病性障害))、精神病(認知症に関連する精神病、例えば、進行パーキンソン病における幻覚、または偏執性妄想を包含する)、統合失調症、睡眠障害(特に、統合失調症および他の精神医学的および神経学的疾患に関連する睡眠障害)、性障害、片頭痛、頭部痛に関連する状態、社会恐怖症、認知症における激越(例えば、アルツハイマー病における激越)、自閉症および関連自閉症性障害における激越、胃腸管運動機能障害などの胃腸障害、および認知症、例えばアルツハイマー病の認知症またはパーキンソン病の認知症;および気分障害;強迫性障害(OCD)、強迫性パーソナリティ障害(OCPD)、全般不安症、社会不安症、パニック症、広場恐怖症、強迫性ギャンブル障害、強迫性摂食障害、身体醜形障害、心気症、病的身繕い障害、窃盗症、放火症;注意欠如・多動症(ADHD)、注意欠如症(ADD)、衝動制御障害;神経変性障害(例えば、アルツハイマーまたはパーキンソン病)、起立性調節障害、疼痛性障害(例えば、神経障害性疼痛、外傷性疼痛)、薬物乱用障害、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される障害である、態様7記載の方法。
[態様10]
中枢神経系障害が、(i)うつ病に罹患している患者における精神病(例えば、統合失調症);(2)精神病(例えば、統合失調症)に罹患している患者におけるうつ病;(3)精神病(例えば、統合失調症)またはパーキンソン病に関連する気分障害;(4)精神病(例えば、統合失調症)またはパーキンソン病に関連する睡眠障害;および(5)物質使用障害および/または物質誘発障害から選択される障害であり、患者が不安または不安症の残遺症状に罹患していてもよい、態様7記載の方法。
[態様11]
中枢神経系障害が、強迫性障害(OCD)、強迫性パーソナリティ障害(OCPD)、全般不安症、社会不安症、パニック症、広場恐怖症、強迫性ギャンブル障害、強迫性摂食障害、身体醜形障害、心気症、病的身繕い障害、窃盗症、放火症、注意欠如・多動症(ADHD)、注意欠如症(ADD)、衝動制御障害、および関連障害から選択される、態様7記載の方法。
[態様12]
中枢神経系障害が、うつ病、不安、またはそれらの組み合わせである、態様7記載の方法。
[態様13]
うつ病および/または不安が、急性うつ病および/または急性不安である、態様12記載の方法。
[態様14]
中枢神経系障害が、急性不安(例えば、全般不安症、パニック症、限局性恐怖症または社会不安症または社会的回避に関連する短期不安エピソード)である、態様13記載の方法。
[態様15]
中枢神経系障害が、急性うつ病(例えば、急性大うつ病エピソード、急性短期うつ病エピソード、急性反復性短期うつ病エピソード)である、態様13記載の方法。
[態様16]
中枢神経系障害が、治療抵抗性うつ病(例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン再取り込み阻害薬(SRI)、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬、ノルエピエフリン再取り込み阻害薬(NRI)、ドパミン再取り込み阻害薬(DRI)、SRI/NRI、SRI/DRI、NRI/DRI、SRI/NRI/DRI(三重再取り込み阻害薬)、セロトニン受容体アンタゴニスト、またはこれらの組み合わせから選択される抗うつ薬による治療に応答しなかったうつ病)である、態様13記載の方法。
[態様17]
中枢神経系障害が双極性うつ病および/または大うつ病性障害である、態様7記載の方法。
[態様18]
中枢神経系障害が発作性疾患である、態様7記載の方法。
[態様19]
中枢神経系障害が疼痛性障害である、態様7記載の方法。
[態様20]
心臓障害が、不整脈(例えば、心室性不整脈、再発心房細動、発作性心房細動、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群、QT間隔の増大)、心室頻拍、再発頻脈性不整脈、または心筋梗塞である、態様7記載の方法。
[態様21]
中枢神経系障害または心臓障害の治療または予防のための医薬の製造における、遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、式I:
Figure 0007261942000015
の化合物の使用であって、該化合物が単離または精製された形態である、使用。

Claims (26)

  1. 遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、式I:
    Figure 0007261942000016
    の化合物であって、該化合物が単離または精製された形態である、化合物。
  2. 化合物が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸から選択される酸との酸付加塩である薬学的に許容される塩形態である、請求項1記載の化合物。
  3. 化合物が塩酸およびトルエンスルホン酸から選択される酸との酸付加塩である、請求項1記載の化合物。
  4. 請求項1、2または3記載の化合物を、薬学的に許容される希釈剤または担体と混合して含む、医薬組成物。
  5. 医薬組成物が、式II:
    Figure 0007261942000017
    の化合物を含まない、請求項記載の組成物。
  6. 組成物が、持続放出または遅延放出のために製剤化されており、注射用デポ剤として製剤化されていてもよい、請求項4または5記載の組成物。
  7. 組成物がさらにポリマーマトリックスを含む、請求項4、5または6記載の組成物。
  8. ポリマーマトリックスが、ポリラクチド、ポリd,l-ラクチド、ポリグリコリド、ポリ(グリコール酸)、ポリ-D,L-乳酸、ポリ-L-乳酸、ポリ(脂肪族カルボン酸)、コポリオキサレート、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリ(オルトカーボネート)、ポリ(アセタール)、ポリ(乳酸-カプロラクトン)、ポリオルトエステル、ポリ(グリコール酸-カプロラクトン)、およびポリ無水物から選択される1つ以上のポリマーを含む、請求項7記載の組成物。
  9. ポリマーマトリックスがポリ(d,l-ラクチド-co-グリコリド)ポリマー(PLGA)を含む、請求項7記載の組成物。
  10. PLGAポリマーが、約75:25~約50:50のラクチド対グリコリドのモル比を有する、請求項9記載の組成物。
  11. PLGAポリマーが、約50:50、約85:15、または約90:10のラクチド対グリコリドのモル比を有する、請求項9記載の組成物。
  12. 請求項1、2もしくは3記載の化合物または請求項4~11のいずれかに記載の医薬組成物を含む、中枢神経系障害または心臓障害の治療または予防のための医薬。
  13. 中枢神経系障害が、セロトニン5-HT2受容体(例えば、5-HT2Aまたは5-HT2B)、ドパミンD2受容体系、セロトニン再取り込みトランスポーター(SERT)、ノルエピエフリン再取り込みトランスポーター(NET)、および/またはナトリウムイオンチャネル(例えば、電位開口型ナトリウムチャネル)が関与する障害である、請求項12記載の医薬。
  14. 中枢神経系障害が、肥満症、不安、うつ病(例えば、難治性うつ病およびMDD(大うつ病性障害))、精神病、統合失調症、睡眠障害、性障害、片頭痛、頭部痛に関連する状態、社会恐怖症、認知症における激越、自閉症および関連自閉症性障害における激越、胃腸障害、認症;気分障害;強迫性障害(OCD)、強迫性パーソナリティ障害(OCPD)、全般不安症、社会不安症、パニック症、広場恐怖症、強迫性ギャンブル障害、強迫性摂食障害、身体醜形障害、心気症、病的身繕い障害、窃盗症、放火症;注意欠如・多動症(ADHD)、注意欠如症(ADD)、衝動制御障害;神経変性障害、起立性調節障害、疼痛性障害、薬物乱用障害、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される障害である、請求項12記載の医薬。
  15. 中枢神経系障害が、認知症に関連する精神病、統合失調症に関連する睡眠障害、アルツハイマー病における激越、アルツハイマー病、パーキンソン病、神経障害性疼痛、外傷性疼痛、およびこれらの組み合わせから選択される障害である、請求項14記載の医薬。
  16. 中枢神経系障害が、(i)うつ病に罹患している患者における精神病(例えば、統合失調症);(2)精神病(例えば、統合失調症)に罹患している患者におけるうつ病;(3)精神病(例えば、統合失調症)またはパーキンソン病に関連する気分障害;(4)精神病(例えば、統合失調症)またはパーキンソン病に関連する睡眠障害;および(5)物質使用障害および/または物質誘発障害から選択される障害であり、患者が不安または不安症の残遺症状に罹患していてもよい、請求項12記載の医薬。
  17. 中枢神経系障害が、強迫性障害(OCD)、強迫性パーソナリティ障害(OCPD)、全般不安症、社会不安症、パニック症、広場恐怖症、強迫性ギャンブル障害、強迫性摂食障害、身体醜形障害、心気症、病的身繕い障害、窃盗症、放火症、注意欠如・多動症(ADHD)、注意欠如症(ADD)、および衝動制御障害から選択される、請求項12記載の医薬。
  18. 中枢神経系障害が、うつ病、不安、またはそれらの組み合わせである、請求項12記載の医薬。
  19. うつ病および/または不安が、急性うつ病および/または急性不安である、請求項18記載の医薬。
  20. 中枢神経系障害が、急性不安(例えば、全般不安症、パニック症、限局性恐怖症または社会不安症または社会的回避に関連する短期不安エピソード)である、請求項12記載の医薬。
  21. 中枢神経系障害が、急性うつ病(例えば、急性大うつ病エピソード、急性短期うつ病エピソード、急性反復性短期うつ病エピソード)である、請求項12記載の医薬。
  22. 中枢神経系障害が、治療抵抗性うつ病(例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン再取り込み阻害薬(SRI)、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬、ノルエピエフリン再取り込み阻害薬(NRI)、ドパミン再取り込み阻害薬(DRI)、SRI/NRI、SRI/DRI、NRI/DRI、SRI/NRI/DRI(三重再取り込み阻害薬)、セロトニン受容体アンタゴニスト、またはこれらの組み合わせから選択される抗うつ薬による治療に応答しなかったうつ病)である、請求項12記載の医薬。
  23. 中枢神経系障害が双極性うつ病および/または大うつ病性障害である、請求項12記載の医薬。
  24. 中枢神経系障害が発作性疾患である、請求項12記載の医薬。
  25. 中枢神経系障害が疼痛性障害である、請求項12記載の医薬。
  26. 心臓障害が、不整脈(例えば、心室性不整脈、再発心房細動、発作性心房細動、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群、QT間隔の増大)、心室頻拍、再発頻脈性不整脈、または心筋梗塞である、請求項12記載の医薬。
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