JP7260159B2 - ステータユニット、電動弁およびステータユニットの製造方法 - Google Patents

ステータユニット、電動弁およびステータユニットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ステータユニットおよびそのステータユニットを使用する電動弁に関する。
自動車用空調装置は、一般に、圧縮機、凝縮器、膨張装置、蒸発器等を冷凍サイクルに配置して構成される。冷凍サイクルには、膨張装置としての膨張弁など、冷媒の流れを制御するために各種制御弁が設けられている。近年の電気自動車等の普及に伴い、駆動部としてモータを備える電動弁が広く採用されつつある。
電動弁は、弁部を内蔵するボディと、モータユニットとを組み付けて構成される。モータユニットは、弁体を弁部の開閉方向に駆動するためのロータと、ロータを回転駆動させるステータとにより構成される。このような電動弁において、腐食防止の観点から、ステータにモールド樹脂を被覆させる技術が提案されている(例えば特許文献1)。以下、モールド樹脂からなり、ステータに一体成形されるものを「ケース」といい、ステータとケースをまとめて「ステータユニット」という。
特開2018-164398号公報
ところで、モールド工程時には、位置決めのためにステータに挿入する金型部品がステータの支持部材をも兼ねていた。この場合には、金型部品のうちステータを支持する部分に段差等を設ける必要があった。このような金型部品を使用してモールド成形を施すと、ステータの内径よりケースの内径が大きくなってしまう。したがって、ケースの外径も大きくなり、ステータ全体が大型化する虞があった。また、ケースの内径に合わせてボディの寸法を決定することで、電動弁全体として大きくなりやすかった。このような問題は、冷凍サイクルに限らず種々の用途に用いられる電動弁について同様に生じ得る。
本発明の目的の一つは、コンパクトなステータユニットを簡易に実現させることにある。
本発明のある態様は、ステータユニットである。ステータユニットは、コイルが巻回されたステータと、モールド樹脂によりステータと一体に形成されたケースとを含む。ケースは、モールド成形においてステータの片側面を支持した複数の金型部品の挿通痕と、挿通痕を外部から密閉する複数の被覆部とを有する。
この態様によると、ステータの片側面を複数の金型部品で支持することで、ステータを支持するための段差をステータの位置決めのための金型部品に設ける必要がなくなる。その結果、ケースの内径を小さくできる。また、ケースの外径も小さくできるから、ステータユニットをコンパクトにできる。
本発明の別の態様は、モータ駆動式の電動弁である。電動弁は、弁部を開閉駆動するためのロータと、ステータユニットとを備える。ステータユニットは、コイルが巻回されたステータと、モールド樹脂によりステータと一体に形成されたケースと、を含む。ケースは、モールド成形においてステータの片側面を支持した複数の金型部品の挿通痕と、挿通痕を外部から密閉する複数の被覆部とを有する。
この態様によると、ステータの片側面を複数の金型部品で支持することで、ステータを支持するための段差をステータの位置決めのための金型部品に設ける必要がなくなる。その結果、ステータの内径を小さくできる。また、ステータユニットをコンパクトにできるから、電動弁もコンパクト化できる。
本発明のさらに別の態様は、電動弁に適用されるステータユニットの製造方法である。ステータユニットの製造方法は、ステータを組み立てる組立工程と、金型にステータをセットし、モールド樹脂を射出成形するモールド工程とを備える。金型は、ステータを金型のチャンバ内において位置決めする位置決め部と、位置決め部と離隔する位置においてステータを支持する支持部とを有する。モールド工程は、ステータの軸線に沿って位置決め部を挿入し、支持部にステータを載置させてチャンバ内におけるステータの位置を固定する工程を含む。
この態様によると、金型のうちステータに挿入する部分とステータを支持する部分とを異ならせることで、ステータを支持するための段差をステータに挿入する部分に設ける必要がなくなる。結果として、ステータの内径を小さくできる。また、ステータユニットをコンパクトにできる。
本発明によれば、コンパクトなステータユニットを簡易に実現できる。
電動弁ユニットの外観を表す図である。 電動弁ユニットを表す断面図である。 電動弁を表す断面図である。 ステータユニットを表す断面図である。 ステータの構造を示す斜視図である。 金型ハウジング内にステータをセットした状態を表す図である。 モールド成形後のステータおよびケースを表す図である。 ボス部の端部に対して熱加締めを施した状態を表す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。また、以下の実施形態およびその変形例について、ほぼ同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
図1は、実施形態に係る電動弁ユニットUの外観を表す図である。電動弁ユニットUは、電動弁1と配管ボディ200を含む。電動弁1は、図示しない自動車用空調装置の冷凍サイクルに適用される。この冷凍サイクルには、循環する冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器、凝縮された冷媒を絞り膨張させて霧状に送出する膨張弁、霧状の冷媒を蒸発させてその蒸発潜熱により車室内の空気を冷却する蒸発器等が設けられている。電動弁1は、その冷凍サイクルの膨張弁として機能する。
電動弁1は、ブラケット220を介して配管ボディ200に着脱可能に組み付けられている。電動弁1は、後述する弁本体にモータユニット4を組みつけて構成される。モータユニット4の側面からは、4つの端子58が延出している。配管ボディ200には、第1通路202および第2通路204が設けられている。第1通路202および第2通路204については後述する。配管ボディ200の側部上方には、ねじ穴206が設けられている。また、モータユニット4の下方には、ブラケット220(接続部)が後述する被覆部106により固定される態様で一体に設けられている。ブラケット220の端部には、ねじ挿通孔222が開口している。ねじ穴206の開口端とねじ挿通孔222とを同軸に配置し、雄ねじ部材240を挿通することで、電動弁1と配管ボディ200が組み付けられる。
図2は、電動弁ユニットUを表す断面図である。
電動弁1は、弁本体2にモータユニット4に組み付けて構成される。弁本体2は、弁部を収容したボディ5を有する。ボディ5は、「バルブボディ」として機能する。ボディ5は、第1ボディ6と第2ボディ8とを同軸状に組み付けて構成される。
第1ボディ6は、外径が下方に向けて段階的に縮径する段付円筒状をなす。第1ボディ6の下部には、円穴状の凹状嵌合部10が設けられている。第2ボディ8は有底円筒状をなし、その上部が凹状嵌合部10に圧入されている。第2ボディ8の底部を軸線方向に貫通するように弁孔12が設けられ、その弁孔12の上端開口部に弁座14が形成されている。第2ボディ8の側部に入口ポート16が設けられ、下部に出口ポート18が設けられている。第1ボディ6および第2ボディ8の内方に弁室20が形成されている。入口ポート16と出口ポート18とは、弁室20を介して連通している。
配管ボディ200の側部には、第1導入ポート208、第1導出ポート210、第2導入ポート212および第2導出ポート214が設けられている。第1導入ポート208には凝縮器側から延びる配管が接続され、第1導出ポート210には蒸発器の入口に繋がる配管が接続される。第2導入ポート212には蒸発器の出口に繋がる配管が接続され、第2導出ポート214には圧縮機側へ延びる配管が接続される。第1導入ポート208は入口ポート16と連通し、第1導出ポート210は出口ポート18と連通する。第1導入ポート208と第1導出ポート210は、配管ボディ200内に形成される第1通路202によって連通している。また、配管ボディ200には、第2導入ポート212と第2導出ポート214とをつなぐ第2通路204が形成されている。第1通路202と第2通路204とは、隔壁216により上下に離隔されている。
第1ボディ6と配管ボディ200との間、第2ボディ8と配管ボディ200との間にはそれぞれ、環状のシール部材242、244が介装されている。この構成により、第1ボディ6と配管ボディ200との間のクリアランスおよび第2ボディ8と配管ボディ200との間のクリアランスを介した流体の漏れが防止される。
図3は、電動弁1を表す断面図である。
第1ボディ6の上部中央には、ガイド部材22が立設されている。ガイド部材22は非磁性金属からなる管材を段付円筒状に切削加工して得られ、その軸線方向中央部の外周面に雄ねじ部24が形成されている。ガイド部材22の下端部は大径となっており、その大径部26が第1ボディ6の上部中央に圧入され、同軸状に固定されている。
ボディ5の内方には、モータユニット4のロータ42から延びる作動ロッド28が挿通されている。作動ロッド28は、弁室20を貫通する。作動ロッド28は、非磁性金属からなる棒材を切削加工して得られ、その下部にニードル状の弁体30が一体に設けられている。弁体30が弁室20側から弁座14に着脱することにより、弁部32を開閉する。
ガイド部材22は、その内周面により作動ロッド28を軸線方向に支持する一方、その外周面により、ロータ42の回転軸66を回転摺動可能に支持する。
弁室20の内部では、作動ロッド28の下部にEリング34が嵌着されている。Eリング34の上方にはばね受け36が設けられる。ガイド部材22の下方にもばね受け38が設けられ、2つのばね受け36、38の間には弁体30を弁部32の閉弁方向へ付勢するスプリング40が弁体30と同軸状に挿入されている。本実施形態においては、弁体30が作動ロッド28の下部に一体に設けられているから、スプリング40は作動ロッド28をも閉弁方向へ付勢する。
次に、モータユニット4の構造を説明する。
モータユニット4は、ロータ42とステータ44とを含むステッピングモータとして構成されている。モータユニット4は、有底円筒状のキャン46を有し、そのキャン46の内方にロータ42、外方にステータ44を配置して構成される。キャン46は、弁体30およびその駆動機構が配置される空間を覆うとともにロータ42を内方し、冷媒の圧力が作用する内方の圧力空間(内部空間)と作用しない外方の非圧力空間(外部空間)とを画定する。
ステータ44は、コイル48が巻回されたボビン50を、複数の極歯を有するヨーク52に組み付けて構成される。ステータ44の構造について詳細は後述する。ステータ44は、モータユニット4のケース54と一体に設けられている。すなわち、ケース54は、耐食性を有する樹脂材の射出成形により得られる。ステータ44は、その射出成形(「インサート成形」又は「モールド成形」ともいう。)によるモールド樹脂によって被覆されている。ケース54は、そのモールド樹脂からなる。ケース54は、有底筒状をなしている。ケース54の側面には端子カバー部57が設けられており、外部電源からの電力をコイル48へ供給するための端子58を保護する。以下、ステータ44とケース54とのモールド成形品を「ステータユニット56」ともいう。
ケース54の下端面には、円筒状をなす複数のボス部108が突設されている。また、ボス部108の端部には略半球状の被覆部106が設けられている。ボス部108の内周面は、モールド成形時に使用される金型によって形成される(詳細は後述)。ボス部108は、ブラケット220に設けられている挿通孔224に挿通される。本実施形態においては、ボス部108と挿通孔224はそれぞれ8つずつ設けられている。被覆部106は、ボス部108の端部に対して熱加締めを施すことにより得られる。挿通孔224にボス部108を挿通させボス部108の端部に熱加締めを施すことにより、被覆部106を形成するとともにブラケット220とケース54を固定できる。ケース54の上端面には、モールド樹脂の注入痕110が形成される(詳細は後述)。
第1ボディ6とケース54との間には、環状のシール部材60が介装されている。この構成により、第1ボディ6とケース54との間のクリアランスを介した外気(水分等)の進入が防止される。
ロータ42は、円筒状のロータコア62と、ロータコア62の外周に沿って設けられたマグネット64を備える。ロータコア62は回転軸66に組みつけられている。マグネット64は、周方向に複数極に磁化されている。
回転軸66は、金属材料からなる切削加工品である。回転軸66は、その開口端を下にしてガイド部材22に外挿されている。回転軸66の内周面には雌ねじ部68が形成され、ガイド部材22の雄ねじ部24と噛合している。これらのねじ部によるねじ送り機構によって、ロータ42の回転運動が軸線方向への並進運動に変換される。
作動ロッド28の上部は縮径され、その縮径部が回転軸66の底部を貫通している。縮径部の先端には、環状のストッパ70が固定されている。一方、縮径部の基端と回転軸66の底部との間には、作動ロッド28を下方(閉弁方向)に付勢するバックスプリング76が介装されている。このような構成により、弁部32の開弁時にはストッパ70が回転軸66の底部に係止される態様で作動ロッド28がロータ42と一体変位する。一方、弁部32の閉弁時には、弁体30が弁座14から受ける反力により、バックスプリング76が押し縮められる。この時のバックスプリング76の弾性反力により弁体30を弁座14に押し付けることができ、弁体30の着座性能(閉弁性能)を高められる。
図4は、ステータユニット56を表す断面図である。
図3に関連して説明したとおり、ステータ44は、コイル48、ボビン50およびヨーク52を含む。図4に示すとおり、ステータユニット56は同軸状に組み付けられる2つのステータ44(上側ステータ44m、下側ステータ44n)を含む。上側ステータ44mと下側ステータ44nは同一の形状を有しており、両者の当接面に対して対称となるように配設されている。モールド樹脂が上側ステータ44m、下側ステータ44nを被覆する態様でケース54が成形されている。上側ステータ44mのコイル48は、電気的に第1相のコイルとして構成されている。一方、下側ステータ44nのコイル48は、電気的に第2相のコイルとして構成されている。いずれか一方のコイルが励磁される一相励磁、双方のコイルが励磁される二相励磁を順次切り替えながら、ステッピングモータの回転制御が行われる。
ボビン50は、嵌合突出部94、肉厚部93、肉薄部95を含む。ボビン50の形状について詳細は後述する。
図5は、ステータ44の構造を示す斜視図である。
ステータ44は2つのヨーク(第1ヨーク52a、第2ヨーク52b)を含み、それらの間にボビン50を収容する。本実施形態において、第1ヨーク52aと第2ヨーク52bとは同一の形状を有する。以下、第1ヨーク52aと第2ヨーク52bとを特に区別しない場合には「ヨーク52」という。また、ヨーク52の各部を示す際に、第1ヨーク52aの部分を示す場合には識別子a、第2ヨーク52bの部分を示す場合には識別子bをそれぞれ付し、特に区別しない場合には識別子を付さないとする。
ヨーク52は、金属材料からなるブランク材を曲げ加工して得られる。ヨーク52は、略円環状のベース84を有する。ベース84の内周部には周方向に等間隔に配列された複数の極歯86が形成されている。各極歯86は、ヨーク52の内端部を軸線方向に櫛歯状に切り起こすようにして曲げ加工されて立設している。ベース84の外周部のうち一部は径方向と垂直の方向に切りかかれている切欠き部85となっている。ベース84の外周部のうち切欠き部85以外の部分には、周方向に等間隔に配列された複数の壁88が形成されている。壁88は、軸線方向に延出し略矩形状をなしている。壁88は、ヨーク52の外端部を段形状に切り出し、軸線方向に起こすようにして曲げ加工されて立設している。
ボビン50は、筒状の芯部82、円環状の上側フランジ78および円環状の下側フランジ80を含む。芯部82には、コイル48が巻回されている。コイル48の巻線の端部がボビン50の側部から延出する2つの端子58に接続されている。芯部82の上端部には上側フランジ78の内周部が接続され、下端部には下側フランジ80の内周部が接続されている。上側フランジ78は、第1ヨーク52aのベース84aと対向している。下側フランジ80は、第2ヨーク52bのベース84bと軸線方向に対向している。下側フランジ80の外周部には径方向外向きに延出する嵌合突出部94が設けられる。嵌合突出部94は、ボビン50の軸線方向に対して厚みの大きい肉厚部93と、厚みの小さい肉薄部95が下側フランジ80の周方向に対して交互に2つずつ設けられている。肉厚部93には、端子58を挿入するための穴部96が2つ設けられている。
第1ヨーク52aと第2ヨーク52bとをボビン50に組み付けると、極歯86a、86bがボビン50の内方に位置する。両極歯86a、86bの総数は、マグネット64(図3参照)の磁極数に等しい。また、壁88a、88bがボビン50の外方に位置する。極歯86a、86bは周方向に交互に組み合わせるようにして組み付けられる。また、壁88a、88bも、周方向に交互に組み合わせるようにして組み付けられる。切欠き部85a、85bと壁88a、88bとによって開口部104が形成される。開口部104には、嵌合突出部94が挿通される。
図4に戻り、上側ステータ44mと下側ステータ44nの組み付けについて説明する。
上述したとおり、ステータ44は、上側ステータ44mと下側ステータ44nとを有する。上側ステータ44mと下側ステータ44nは、両者の嵌合突出部94が嵌合することで同軸状に組み付けられる。すなわち、上側ステータ44mの肉薄部95の下端面が下側ステータ44nの肉厚部93の上端面と当接し、上側ステータ44mの肉厚部93(図5参照)の下端面と下側ステータ44nの肉薄部95(図5参照)の上端面とが当接する。このような構造によって、上側ステータ44mと下側ステータ44nの嵌合突出部94同士が嵌合し、上側ステータ44mと下側ステータ44nとが組み付けられる。
上述したとおり、ステータ44はモールド樹脂によって被覆される。以下、ステータ44に対するケース54の被覆方法(モールド工程)の詳細について説明する。
図6は、ケース54(図4参照)をモールド工程によって製造するための金型ハウジング300を表す断面図である。図6は、金型ハウジング300内にステータ44をセットした状態を表す。
図3に関連して説明したとおり、ケース54はステータ44に対してモールド樹脂を射出成形(モールド成形)することによって製造される。製造工程において、モールド成形によるこの工程を「モールド工程」という。モールド成形時には、金型ハウジング300が使用される。金型ハウジング300は、第1金型310、第2金型320、第3金型330から構成される。第1金型310、第2金型320、第3金型330によってモールド成形時のチャンバが形成される。
第1金型310は、ケース54(図4参照)の下半部の成形に用いられる。第1金型310は、その内方に円柱部312を有する。第1金型310には、円柱部312と離隔する位置において複数の支持部314が設けられている。支持部314はそれぞれ、下側ステータ44nを下方から支持する。第2金型320は、端子カバー部57(図3参照)の内周面の成形に用いられる。第3金型330は、ケース54の上半部の成形に用いられる。第3金型330には、上面とチャンバ側の面とを貫通する孔部332が設けられている。モールド樹脂は、孔部332を通ってチャンバ内に導入される。
金型ハウジング300に対するステータ44の組み付け方について説明する。
まず、円柱部312の外周面とステータ44の内周面とを当接させる形で、円柱部312にステータ44を嵌合させる。また、ステータ44を支持部314に載置する。第1金型310に第2金型320を載置させた後、第3金型330を第1金型310と第2金型320とを覆うようにして両者に載置させる。金型ハウジング300に対してステータ44が組み付けられると、孔部332と支持部314は、ステータ44を挟んで反対側に配置される。
金型ハウジング300に対してステータ44が位置決めされた後、孔部332から金型ハウジング300によって構成されたチャンバにモールド樹脂を流し込む。これにより、ステータ44にモールド樹脂が被覆され、ケース54(図4)が形成される。
モールド樹脂は、孔部332から導入されて、チャンバ内を上から下へ流れていく。そのため、モールド樹脂はステータ44m、44nに対して上面から下面へ流れることとなる。チャンバにモールド樹脂を導入すると、ステータユニット56(図4参照)が得られる。
図7は、モールド成形後のステータ44およびケース54を表す図である。(A)は縦断面図であり、(B)は底面図である。
図8は、ボス部108の端部に対して熱加締めを施した状態を表す図である。(A)は縦断面図であり(B)は底面図である。
図7(A)に示すとおり、モールド成形後においては、ボス部108の端部は開口している。このボス部108の内周面は、支持部314(図6参照)によって形成されたものである。すなわち、ボス部108の内周面は、支持部314(図6参照)の挿通痕112ともいえる。また、注入痕110は孔部332(図6参照)からモールド樹脂を導入させる際に形成される。このため、ケース54において、ステータ44の軸線方向片側面に注入痕110が形成され、その反対側面に挿通痕112が形成される。図7(B)に示すとおり、本実施形態において、ボス部108はケース54の下端面に周方向に8つ設けられる。
図3に関連して説明したとおり、ボス部108はブラケット220の挿通孔224に挿通される。図8(A)に示すとおり、モールド成形後のボス部108を挿通孔224に挿通させ、ボス部108の端部を突出させる。そして、ボス部108の開口端部に熱加締めを施す(溶着工程)。この熱加締めによって、ブラケット220はケース54に固定される。熱加締めによって、ボス部108の開口は閉じられる。熱加締めによるボス部108の変形箇所が被覆部106となり、挿通痕112は閉塞される。本実施形態においては、図8(B)に示すとおり、8つのボス部108の全てに対して熱加締めを施す。よって、被覆部106も8つ形成されることとなる。
図7(A)に関連して説明したとおり、ボス部108の内周面は支持部314の挿通痕112である。モールド成形時において、支持部314(図6参照)の上端面はステータ44の下端面に当接する。このため、モールド成形後においては、ボス部108の内周部においてステータ44の下端面が露出する状態となっている。ボス部108の開口端部を熱加締めして被覆部106を形成することにより、ボス部108の内方を外部から密閉することができ、ステータ44の下端面を外部雰囲気から遮断できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ケース54をモールド成形によって製造する際、ステータ44の下端面を支持部314によって支持する。すなわち、ステータ44を支持するための段差を円柱部312に設ける必要がないため、結果的にケース54の内径を小さくできる。これにより、ステータユニット56の外径、すなわち、ステータユニット56全体の大きさも小さくできる。ケース54の内径を小さくしたことで、第1ボディ6を小さくすることができる。よって、電動弁1の大きさもコンパクトにできる。
本実施形態によれば、モールド成形時においてステータ44の支持箇所をケース54のボス部108に対応する部分とした。このボス部108は、ステータユニット56にブラケット220を組み付ける際に必要な突起であり、熱加締めを必要とする部分である。ステータ44における支持部314の当接箇所をこのようにすることで、熱加締めによるブラケット220の固定と同時に挿通痕112を密閉でき、ステータ44の耐防水性を簡易に向上させられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
上記実施形態では、ステータユニットを電動弁ユニットの一部として構成し、ステータユニットの固定対象を配管ボディとした。そして、ステータユニットと配管ボディとの接続部としてブラケットを使用した。変形例においては、ステータユニットの固定対象を電動弁のボディ等とし、ステータユニットと電動弁のボディ等との接続部としてブラケットを使用してもよい。または、ステータユニットの固定対象を電動弁としてもよい。この場合に、キャンの開口端部にフランジを設け、このフランジを接続部としてもよい。または、電動弁のボディにフランジを設け、このフランジを接続部としてもよい。
上記実施形態では、8つの支持部を設けて8つ全てのボス部に対して挿通痕を形成させた。変形例においては、複数のボス部のうちいくつかのボス部に対して挿通痕を形成させる態様としてもよい。例えば、8つのボス部のうち4つに対して挿通痕を形成させるように、支持部を4つとしてもよい。
上記実施形態では、挿通痕の密閉のためボス部の開口端部を熱加締めした。変形例においては、ボス部の端部に対して熱処理を施してボス部内周面を溶着させたり、ボス部内方に樹脂を注入して固化させる等して挿通痕を外部から密閉させてもよい。また、ボス部の開口に樹脂材を圧入、嵌合させる等して密閉してもよい。
上記実施形態では、接続部を電動弁に組み付ける際に必要な突部に対応する部分を支持部の配置箇所として使用した。変形例においては、ケースにおける接続部との接続箇所以外に対応する部分を支持部の配置箇所としてもよい。
上記実施形態では、ケースを有底筒状とした。変形例においては、ケースを円筒状とし、その開口端部を覆う蓋体を別体として設けてもよい。
上記実施形態では、ケースにおいて注入痕が形成されている面とは反対側の面に挿通痕が設けられているとした。変形例においては、注入痕が形成される面と隣り合う面に挿通痕が設けられる等してもよい。
上記実施形態では、極歯を有するヨークを含むステータとした。変形例においては、積層コアを含むステータなどでもよい。
上記実施形態では、上記電動弁を膨張弁として構成したが、膨張機能を有しない開閉弁や電磁弁等制御弁であればよい。
上記実施形態の電動弁は、冷媒として代替フロン(HFC-134a)など使用する冷凍サイクルに好適に適用されるが、二酸化炭素のように作動圧力が高い冷媒を用いる冷凍サイクルに適用することも可能である。その場合には、冷凍サイクルにコンデンサに代わってガスクーラなどの外部熱交換器が配置される。
上記実施形態では、上記電動弁を自動車用空調装置の冷凍サイクルに適用する例を示したが、車両用に限らず電動膨張弁を搭載する空調装置に適用可能である。また、冷媒以外の流体の流れを制御する電動弁として構成することもできる。
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
1 電動弁、2 弁本体、4 モータユニット、5 ボディ、6 第1ボディ、8 第2ボディ、10 凹状嵌合部、12 弁孔、14 弁座、16 入口ポート、18 出口ポート、20 弁室、22 ガイド部材、24 雄ねじ部、26 大径部、28 作動ロッド、30 弁体、32 弁部、34 Eリング、36 ばね受け、38 ばね受け、40 スプリング、42 ロータ、44 ステータ、46 キャン、48 コイル、50 ボビン、52 ヨーク、54 ケース、56 ステータユニット、57 端子カバー部、58 端子、60 シール部材、62 ロータコア、64 マグネット、66 回転軸、68 雌ねじ部、70 ストッパ、76 バックスプリング、78 上側フランジ、80 下側フランジ、82 芯部、84 ベース、85 切欠き部、86 極歯、88 壁、93 肉厚部、94 嵌合突出部、95 肉薄部、96 穴部、104 開口部、106 被覆部、108 ボス部、110 注入痕、112 挿通痕、200 配管ボディ、202 第1通路、204 第2通路、206 ねじ穴、208 第1導入ポート、210 第1導出ポート、212 第2導入ポート、214 第2導出ポート、216 隔壁、220 ブラケット、222 ねじ挿通孔、224 挿通孔、240 雄ねじ部材、242 シール部材、300 金型ハウジング、310 第1金型、312 円柱部、314 支持部、320 第2金型、330 第3金型、332 孔部、U 電動弁ユニット。

Claims (6)

  1. コイルが巻回されたステータと、
    モールド樹脂により前記ステータと一体に形成されたケースと、
    を含み、
    前記ケースは、
    モールド成形において前記ステータの片側面を支持した複数の金型部品の挿通痕と、
    前記挿通痕を外部から密閉する複数の被覆部と、
    を有し、
    前記被覆部が、前記モールド成形後の熱処理による溶着痕であることを特徴とするステータユニット。
  2. 前記被覆部は、前記モールド樹脂における前記挿通痕の周辺部が当該ステータユニットとその固定対象とを接続する接続部に熱加締めされた痕であることを特徴とする請求項1に記載のステータユニット。
  3. 前記ケースは、有底筒状をなしており、前記被覆部が設けられている面とは反対側の面が閉じられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のステータユニット。
  4. 前記ケースは、当該ステータユニットに対して軸線方向片側面に前記モールド樹脂の注入痕を有し、軸線方向反対側面に前記被覆部を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のステータユニット。
  5. モータ駆動式の電動弁において、
    弁部を開閉駆動するためのロータと、
    コイルが巻回されたステータと、モールド樹脂により前記ステータと一体に形成されたケースと、を含むステータユニットと、
    前記ステータユニットとその固定対象とを接続する、ブラケット又はフランジからなる接続部と、
    を備え、
    前記ケースは、
    モールド成形において前記ステータの片側面を支持した複数の金型部品の挿通痕と、
    前記挿通痕を外部から密閉する複数の被覆部と、
    を有し、
    前記挿通痕を有するボス部が前記ケースの片側面に突設される一方、
    前記接続部に前記ボス部を挿通する挿通孔が設けられ、
    前記被覆部は、前記ボス部の開口端部が熱加締めにより閉塞された痕であることを特徴とする電動弁。
  6. 電動弁に適用されるステータユニットの製造方法であって、
    ステータを組み立てる組立工程と、
    金型に前記ステータをセットし、モールド樹脂を射出成形するモールド工程と、
    を備え、
    前記金型は、
    前記ステータを前記金型のチャンバ内において位置決めする位置決め部と、
    前記位置決め部と離隔する位置において、前記ステータを支持する支持部と、
    を有し、
    前記モールド工程は、
    前記ステータの軸線に沿って前記位置決め部を挿入し、
    前記支持部に前記ステータを載置させて前記チャンバ内における前記ステータの位置を固定する工程を含み、
    前記モールド工程後に熱処理を施し、前記支持部の挿通痕を外部から密閉する被覆部を形成する溶着工程を更に含むことを特徴とするステータユニットの製造方法。
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