JP7260159B2 - ステータユニット、電動弁およびステータユニットの製造方法 - Google Patents
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Description
電動弁1は、弁本体2にモータユニット4に組み付けて構成される。弁本体2は、弁部を収容したボディ5を有する。ボディ5は、「バルブボディ」として機能する。ボディ5は、第1ボディ6と第2ボディ8とを同軸状に組み付けて構成される。
第1ボディ6の上部中央には、ガイド部材22が立設されている。ガイド部材22は非磁性金属からなる管材を段付円筒状に切削加工して得られ、その軸線方向中央部の外周面に雄ねじ部24が形成されている。ガイド部材22の下端部は大径となっており、その大径部26が第1ボディ6の上部中央に圧入され、同軸状に固定されている。
ガイド部材22は、その内周面により作動ロッド28を軸線方向に支持する一方、その外周面により、ロータ42の回転軸66を回転摺動可能に支持する。
モータユニット4は、ロータ42とステータ44とを含むステッピングモータとして構成されている。モータユニット4は、有底円筒状のキャン46を有し、そのキャン46の内方にロータ42、外方にステータ44を配置して構成される。キャン46は、弁体30およびその駆動機構が配置される空間を覆うとともにロータ42を内方し、冷媒の圧力が作用する内方の圧力空間(内部空間)と作用しない外方の非圧力空間(外部空間)とを画定する。
図3に関連して説明したとおり、ステータ44は、コイル48、ボビン50およびヨーク52を含む。図4に示すとおり、ステータユニット56は同軸状に組み付けられる2つのステータ44(上側ステータ44m、下側ステータ44n)を含む。上側ステータ44mと下側ステータ44nは同一の形状を有しており、両者の当接面に対して対称となるように配設されている。モールド樹脂が上側ステータ44m、下側ステータ44nを被覆する態様でケース54が成形されている。上側ステータ44mのコイル48は、電気的に第1相のコイルとして構成されている。一方、下側ステータ44nのコイル48は、電気的に第2相のコイルとして構成されている。いずれか一方のコイルが励磁される一相励磁、双方のコイルが励磁される二相励磁を順次切り替えながら、ステッピングモータの回転制御が行われる。
ボビン50は、嵌合突出部94、肉厚部93、肉薄部95を含む。ボビン50の形状について詳細は後述する。
ステータ44は2つのヨーク(第1ヨーク52a、第2ヨーク52b)を含み、それらの間にボビン50を収容する。本実施形態において、第1ヨーク52aと第2ヨーク52bとは同一の形状を有する。以下、第1ヨーク52aと第2ヨーク52bとを特に区別しない場合には「ヨーク52」という。また、ヨーク52の各部を示す際に、第1ヨーク52aの部分を示す場合には識別子a、第2ヨーク52bの部分を示す場合には識別子bをそれぞれ付し、特に区別しない場合には識別子を付さないとする。
上述したとおり、ステータ44は、上側ステータ44mと下側ステータ44nとを有する。上側ステータ44mと下側ステータ44nは、両者の嵌合突出部94が嵌合することで同軸状に組み付けられる。すなわち、上側ステータ44mの肉薄部95の下端面が下側ステータ44nの肉厚部93の上端面と当接し、上側ステータ44mの肉厚部93(図5参照)の下端面と下側ステータ44nの肉薄部95(図5参照)の上端面とが当接する。このような構造によって、上側ステータ44mと下側ステータ44nの嵌合突出部94同士が嵌合し、上側ステータ44mと下側ステータ44nとが組み付けられる。
図3に関連して説明したとおり、ケース54はステータ44に対してモールド樹脂を射出成形(モールド成形)することによって製造される。製造工程において、モールド成形によるこの工程を「モールド工程」という。モールド成形時には、金型ハウジング300が使用される。金型ハウジング300は、第1金型310、第2金型320、第3金型330から構成される。第1金型310、第2金型320、第3金型330によってモールド成形時のチャンバが形成される。
まず、円柱部312の外周面とステータ44の内周面とを当接させる形で、円柱部312にステータ44を嵌合させる。また、ステータ44を支持部314に載置する。第1金型310に第2金型320を載置させた後、第3金型330を第1金型310と第2金型320とを覆うようにして両者に載置させる。金型ハウジング300に対してステータ44が組み付けられると、孔部332と支持部314は、ステータ44を挟んで反対側に配置される。
モールド樹脂は、孔部332から導入されて、チャンバ内を上から下へ流れていく。そのため、モールド樹脂はステータ44m、44nに対して上面から下面へ流れることとなる。チャンバにモールド樹脂を導入すると、ステータユニット56(図4参照)が得られる。
図8は、ボス部108の端部に対して熱加締めを施した状態を表す図である。(A)は縦断面図であり(B)は底面図である。
Claims (6)
- コイルが巻回されたステータと、
モールド樹脂により前記ステータと一体に形成されたケースと、
を含み、
前記ケースは、
モールド成形において前記ステータの片側面を支持した複数の金型部品の挿通痕と、
前記挿通痕を外部から密閉する複数の被覆部と、
を有し、
前記被覆部が、前記モールド成形後の熱処理による溶着痕であることを特徴とするステータユニット。 - 前記被覆部は、前記モールド樹脂における前記挿通痕の周辺部が当該ステータユニットとその固定対象とを接続する接続部に熱加締めされた痕であることを特徴とする請求項1に記載のステータユニット。
- 前記ケースは、有底筒状をなしており、前記被覆部が設けられている面とは反対側の面が閉じられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のステータユニット。
- 前記ケースは、当該ステータユニットに対して軸線方向片側面に前記モールド樹脂の注入痕を有し、軸線方向反対側面に前記被覆部を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のステータユニット。
- モータ駆動式の電動弁において、
弁部を開閉駆動するためのロータと、
コイルが巻回されたステータと、モールド樹脂により前記ステータと一体に形成されたケースと、を含むステータユニットと、
前記ステータユニットとその固定対象とを接続する、ブラケット又はフランジからなる接続部と、
を備え、
前記ケースは、
モールド成形において前記ステータの片側面を支持した複数の金型部品の挿通痕と、
前記挿通痕を外部から密閉する複数の被覆部と、
を有し、
前記挿通痕を有するボス部が前記ケースの片側面に突設される一方、
前記接続部に前記ボス部を挿通する挿通孔が設けられ、
前記被覆部は、前記ボス部の開口端部が熱加締めにより閉塞された痕であることを特徴とする電動弁。 - 電動弁に適用されるステータユニットの製造方法であって、
ステータを組み立てる組立工程と、
金型に前記ステータをセットし、モールド樹脂を射出成形するモールド工程と、
を備え、
前記金型は、
前記ステータを前記金型のチャンバ内において位置決めする位置決め部と、
前記位置決め部と離隔する位置において、前記ステータを支持する支持部と、
を有し、
前記モールド工程は、
前記ステータの軸線に沿って前記位置決め部を挿入し、
前記支持部に前記ステータを載置させて前記チャンバ内における前記ステータの位置を固定する工程を含み、
前記モールド工程後に熱処理を施し、前記支持部の挿通痕を外部から密閉する被覆部を形成する溶着工程を更に含むことを特徴とするステータユニットの製造方法。
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