JP7259367B2 - 保温容器 - Google Patents
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Description
本明細書に添付した各図面は、いずれも模式図又は概念図であり、理解しやすさを考慮して、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から適宜に変更又は誇張している。本明細書中に記載する数値、形状、材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜に選択して使用してよい。
また、各図面においては、部材の断面を示すハッチングを省略する。
図1は、第1実施形態に係る保温容器1の全体構成を示す斜視図である。
図2は、保温容器1の断面図である。
図3は、保温容器1の分解断面図である。
図2及び図3は、保温容器1の径方向の中心をX-Y面と平行な面で切断したときの断面図である。
本実施形態の保温容器1は、お茶、コーヒー等の飲料物を保温対象物とする携帯型の保温容器である。本実施形態の保温容器1は、全体が円筒形となるように形成されている。
筐体10は、保温容器1の最も外側に配置される部材であり、図2に示すように、X-Y面と平行な断面が凹形状に形成されている。
筐体10は、外表面11と内表面12との間に、真空断熱層13が設けられている。真空断熱層13は、大気圧よりも低い圧力の気体で満たされた層である。真空断熱層13は、筐体10の径方向(X方向)の側面及び筐体10の下側(Y2側)の底面において連通している。すなわち、真空断熱層13は、筐体10において、容器開閉部60側を除いて凹形状となるように形成されている。筐体10は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属部材により形成されている。
容器本体20は、筐体10の内表面12の内側に設けられる部材であり、図2に示すように、X-Y面と平行な断面が凹形状となるように形成されている。容器本体20の内部には、お茶、コーヒー等の保温対象物(不図示)が収容される。容器本体20の外径は、筐体10の内径よりも小さく、筐体10の内表面12と容器本体20の外表面22との間に隙間g1が形成される。この隙間g1の空間には、蓄熱剤収納部30(後述)が設けられる。
容器本体20は、筐体10と同じく、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属部材により形成されている。
蓄熱剤収納部30は、図2又は図3に示すように、筐体10と容器本体20との間に設けられた、円筒形の空間である。蓄熱剤収納部30には、蓄熱剤保持体50が取り外し可能に収納される。図1~図3では、蓄熱剤保持体50を図示していないが、図5に示すように、蓄熱剤保持体50は、蓄熱剤収納部30の内部に1又は複数個が収納される。蓄熱剤保持体50の構成については、後述する。
容器開閉部60は、図3に示すように、容器本体20の開口部23及び蓄熱剤収納部30の開口部31を開放又は閉鎖する部材である。容器開閉部60は、開閉部本体61と、蓋65と、を備える。容器開閉部60を構成する各部は、筐体10と同じく金属部材により形成されてもよいし、プラスチック等の樹脂材料により形成されてもよい。
開閉部本体61は、筐体10に着脱自在に取り付けられる部材であり、断面が略凸形状となるように形成されている。開閉部本体61において、裏面側となるY2側の内周面には、ネジ部61sが設けられている。ネジ部61sは、筐体10に設けられたネジ部11sと係合する雌ネジである。
蓄熱剤は、加熱により相変化する際に熱を蓄え、冷却により相変化する際に、蓄えた熱を放出する物質である。蓄熱剤としては、例えば、潜熱蓄熱剤を用いることができる。潜熱蓄熱剤とは、物質が相変化する際に出入りする潜熱を利用して蓄熱を行う物質である。潜熱蓄熱剤は、特定の温度領域で熱を蓄え続け、その温度領域を超えると固体から液体又は液体から固体に相変化する。
下記に示す表1は、サンプルとした飲料物を保温容器1に貯留後、保持温度に保つために必要な蓄熱剤の充填量を算出したものである。サンプルとして、コーヒー、煎茶、玉露の3種類の飲料物を用意した。各飲料物は、重量500g、初期温度100℃、比熱4.217kJ/(kg・K)である。なお、実際にこれらの飲料物を作る場合、初期温度を100℃とすることはないが、ここでは条件を統一するため、初期温度100℃に設定している。
また、蓄熱剤として、酢酸ナトリウム水塩・3水塩(CH3COONa・3H2O)を用意した。酢酸ナトリウム水塩・3水塩は、溶融温度43℃、凝固温度40℃、蓄熱量177kJ/kg、比熱2.7kJ/(kg・K)である。蓄熱剤としての初期温度(使用開始温度)は、25℃である。
次に、蓄熱剤保持体50の構成について説明する。
図4(A)及び(B)は、蓄熱剤保持体50の使用形態を示す斜視図である。図4では、蓄熱剤保持体50の長手方向を上下方向(Y方向)として説明する。
蓄熱剤保持体50は、内部に蓄熱剤が封入された個包装のパッケージ品である。蓄熱剤保持体50において、蓄熱剤は、プラスチック等により形成された包装体51の中に封入されている。図4の各分図に示すように、蓄熱剤保持体50の包装体51は、円筒形に構成されている。包装体51の外径D1及び内径D2は、包装体51を、蓄熱剤収納部30の隙間g1(図2参照)に収納可能な寸法に設定される。なお、蓄熱剤保持体50と蓄熱剤収納部30との間には、僅かに隙間が生じていてもよい。蓄熱剤収納部30の外側にある真空断熱層13の断熱作用により、時間の経過と共に蓄熱剤収納部30の内部が暖められるため、蓄熱剤保持体50に十分な熱量を吸収させることができる。
蓄熱剤保持体50を蓄熱剤収納部30(筐体10)に収納するには、図5(A)に示すように、筐体10から容器開閉部60(不図示)を取り外して、蓄熱剤収納部30の開口部31を開放する。そして、蓄熱剤保持体50を、蓄熱剤収納部30の開口部31から挿入する。図5(A)では、蓄熱剤保持体50を、蓄熱剤収納部30の上下方向に2つ重ねて収納する例を示すが、前述のように、蓄熱剤保持体50を収納する個数は、保温する温度により適宜に選択される。
第1実施形態の保温容器1において、蓄熱剤は、蓄熱剤保持体50の内部に封入されているため、ユーザが蓄熱剤を計量したり、道具を使って蓄熱剤収納部30に入れたりする手間が不要となる。そのため、ユーザは、蓄熱剤の充填量を簡単に変更できる。
第1実施形態の保温容器1によれば、容器開閉部60は、蓄熱剤収納部30の開口部31を閉鎖した状態で、容器本体20の開口部23を開放する蓋65を備える。そのため、保温容器1は、容器本体20に収容された保温対象物を、蓄熱剤収納部30に収納された蓄熱剤保持体50と接触させることなしに、保温容器1の外に吐出させることができる。
第2実施形態の保温容器1は、容器開閉部の構成が第1実施形態と相違する。第2実施形態において、その他の構成は、第1実施形態と同じである。そのため、図6(A)~(C)においては、容器開閉部60A~60Cのみを図示し、保温容器1の全体の図示を省略する。また、第2実施形態の説明及び図面において、第1実施形態と同等の部材等には、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図6(A)に示すように、第1の構成の容器開閉部60Aは、全体が蓋として機能するように構成されている。
図6(B)に示すように、第2の構成の容器開閉部60Bは、内部に真空断熱層66と、蓄熱剤収納部67と、を備える。蓄熱剤収納部67に収納される蓄熱剤保持体50(不図示)は、円盤形状に形成されている。本形態における蓄熱剤保持体50は、蓄熱剤収納部67に対して着脱自在でもよいし、蓄熱剤収納部67の内部に固定されていてもよい。
第3実施形態の保温容器1Aは、保温対象物として、鍋70を収容する点が第1実施形態と相違する。そのため、第3実施形態の説明及び図面において、第1実施形態と同等の部材等には、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図7は、第3実施形態の保温容器1Aの断面図である。第3実施形態の保温容器1Aの基本的な構成は、第1実施形態と同じである。第3実施形態の保温容器1Aは、保温対象物として、鍋70が容器本体20に収容される。鍋70は、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅等の金属製により形成される調理用具である。鍋70は、鍋本体71及び蓋72により構成される。鍋70の外径及び高さは、容器本体20の内部に収まるように設定される。鍋70の中には、保温対象物として、例えば、カレー、シチュー等の食品が収容される。予めコンロ等で加熱した鍋70を容器本体20の中に収容し、容器開閉部60を取り付けて保温容器1Aの内部を密閉することにより、鍋70の中に入れられた食品を、その食品の調理に必要な温度で長時間保温できる。
実施形態では、図1に示すように、保温容器1の形状を円筒形とした例について説明したが、これに限定されない。保温容器1は、筐体10と容器本体20との間において、蓄熱剤を取り出し可能に収納する蓄熱剤収納部30を設けることができれば、どのような形状であってもよい。例えば、保温容器1の形状は、直方体であってもよい。
なお、実施形態の保温容器1は、蓄熱剤保持体50を入れなければ、いわゆる魔法瓶と呼ばれる一般的な保温容器として使用できる。また、蓄熱剤保持体50の代わりに断熱材を入れれば、更に保温性の良い保温容器としても使用できる。
10 筐体
11 外表面
12 内容面
13 真空断熱層
20 容器本体
23 開口部
30 蓄熱剤収納部
31 開口部
40 支持部材
50、50A、50B 蓄熱剤保持体
51 包装体
60(60A,60B、60C) 容器開閉部
61 開閉部本体
62 蓋取付部
63 連通孔
65 蓋
Claims (4)
- 保温対象物を蓄熱剤により保温する保温容器であって、
外表面と内表面との間に真空断熱層が設けられ、断面が凹形状の筐体と、
前記筐体の前記内表面の内側に設けられ、断面が凹形状に形成され、前記保温対象物が収容される容器本体と、
円筒形の包装体に蓄熱剤が封入された複数の蓄熱剤保持体と、
前記筐体の前記内表面と前記容器本体の外表面との間に設けられた円筒形の空間であって、前記円筒形の空間の開口部を介して1又は複数の前記蓄熱剤保持体を取り出し可能に収納する蓄熱剤収納部と、
前記容器本体の開口部及び前記蓄熱剤収納部の前記開口部を開放又は閉鎖する容器開閉部と、
を備え、
前記蓄熱剤の溶融温度が前記保温対象物の保持温度よりも低い場合に、前記蓄熱剤の溶融温度が前記保温対象物の保持温度と同等である場合よりも少ない個数の前記蓄熱剤保持体を前記蓄熱剤収納部に収納可能な保温容器。 - 請求項1に記載の保温容器であって、
前記蓄熱剤収納部は、前記筐体の内側と前記容器本体の外側との間を連結して、前記容器本体を支持する支持部材を備える、
保温容器。 - 請求項1又は請求項2に記載の保温容器であって、
前記容器開閉部は、前記蓄熱剤収納部の前記開口部を閉鎖した状態で、前記容器本体の前記開口部のみを開放する蓋を備える、
保温容器。 - 請求項1又は請求項2に記載の保温容器であって、
前記容器開閉部は、円盤形状の蓄熱剤保持体が収納される蓄熱剤収納部と、前記蓄熱剤収納部の外側を覆う真空断熱層とを備える、
保温容器。
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2019
- 2019-02-01 JP JP2019016857A patent/JP7259367B2/ja active Active
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