JP7257902B2 - 画像読取装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータの駆動制御に関するものであり、特に、画像形成装置及び画像読取装置等において負荷の駆動源として使用可能なステッピングモータ等のモータの駆動制御に関するものである。
記録媒体や原稿等のシートを搬送するシート搬送装置を有する画像形成装置において、シートを搬送する搬送系の駆動源として、ステッピングモータ(以下、「モータ」と表記する。)が広く用いられている。モータの駆動制御のための制御手法として、ベクトル制御(又はFOC(Field Oriented Control))と称される制御方法が提案されている。
上述のようなベクトル制御では、モータの回転子(ロータ)の回転位相の検出が必要になる。モータの各相の巻線に誘起される逆起電圧に基づいて回転子の回転位相を求めることによって、エンコーダ等の位置センサを用いないセンサレスベクトル制御を実現できる。しかし、永久磁石が用いられた回転子が回転していない状態では逆起電圧が発生せず、当該回転子の回転位相を検出できないため、モータの始動時にはベクトル制御を使用できない。このため、特許文献1では、モータの駆動制御を同期制御で始動した後に、同期制御からベクトル制御に切り替える技術が提案されている。
特開2005-39955号公報
上述のようにベクトル制御と同期制御の切り替えを行う場合、モータの回転子の回転を停止するためにベクトル制御モードから同期制御モードへ切り替える際に、指令位相と回転位相との偏差が残った状態で制御モードが切り替わってしまう。この偏差は、モータの回転子が停止するまで残ってしまう。この結果、モータの回転子の回転量が所定の回転量とは異なる回転量となってしまう。即ち、モータの回転子の回転量を高精度に制御することができなくなってしまう。これは、例えば、モータによりカム機構を駆動して移動体の位置を制御する場合に、位置決め精度の低下を招く。このように、モータが移動体の位置決め用の駆動源として用いられる場合、ベクトル制御の適用に起因して移動体の位置決め精度が低下する問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものである。本発明は、移動体の位置決め用の駆動源としてモータを使用する場合に位置決め精度が低下することを防止する技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る画像読取装置は、原稿を搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラによって搬送された原稿の画像を読取位置において読み取る第1読取手段と、前記第1読取手段によって画像が読み取られた前記原稿を排紙する排紙ローラと、第1方向に回転することにより第1負荷を駆動し、前記第1方向とは逆方向である第2方向に回転することにより第2負荷を駆動するモータと、前記モータを制御するモータ制御装置と、を有し、前記モータ制御装置は、前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記駆動電流に基づいて、前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、予め定められた大きさの電流に基づいて前記巻線に流れる前記駆動電流を制御する第1制御モードと、前記回転子の目標位相を表す指令位相と前記位相決定手段によって決定された前記回転位相によって表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分に基づいてとの偏差が小さくなるように前記巻線に流れる前記駆動電流を制御するベクトル制御を行う第2制御モードと、を有する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記モータを前記第1方向に回転させる場合、前記第2制御モードを実行することなく前記第1制御モードを実行し、前記モータを前記第2方向に回転させる場合、前記第1制御モードで前記駆動電流の制御を開始し、前記第1制御モードの実行中に前記回転子の回転速度に対応する値が、所定値より小さい値から前記所定値より大きい値になると、前記駆動電流を制御する制御モードを前記第1制御モードから前記第2制御モードに切り替えることを特徴とする。
本発明によれば、移動体の位置決め用の駆動源としてモータを使用する場合に位置決め精度が低下することを防止できる。
画像読取装置の全体の構成例を示す図。 画像読取装置の制御構成例を示すブロック図。 モータと回転座標系のdq軸との関係を示す図。 モータ制御部の構成例を示すブロック図。 流し読みガラスの移動機構の構成例を示す図。 モータ制御部による制御シーケンスの例を示す図。 モータ制御部に対する制御手順を示すフローチャート。 カムの駆動構成の例を示すブロック図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一又は同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
《第1実施形態》
以下の実施形態では、記録媒体又は原稿等のシートを搬送するシート搬送装置を有する画像形成装置にモータ制御装置が設けられる場合について説明する。なお、画像形成装置には、例えば、複合機、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ等が含まれる。また、本発明のモータ制御装置を2相ステッピングモータに適用した例について説明するが、本発明のモータ制御装置は、相数及びモータの種類によらず、例えば3相ブラシレスDCモータ等にも適用可能である。
[画像形成装置]
まず、図1を参照して、モータ制御装置が実装される、画像形成装置100の構成例について説明する。図1に示されるように、本実施形態の画像形成装置100は、原稿の画像を読み取る画像読取装置200と、記録媒体に画像を形成する画像印刷装置301と、を備える。
<原稿読取装置>
画像読取装置200には、原稿を読取位置に給送する原稿給送装置201が設けられている。原稿給送装置201の原稿積載部(原稿トレイ)2に積載された原稿Pは、ピックアップローラ3によって1枚ずつ給送され、その後、給紙ローラ4によって搬送される。給紙ローラ4と対向する位置には、給紙ローラ4に圧接する分離ローラ5が設けられている。分離ローラ5は、該分離ローラ5に所定のトルク以上の負荷トルクがかかると、回転する構成となっており、2枚重なった状態で給送された原稿を分離する機能を有する。
ピックアップローラ3と給紙ローラ4は揺動アーム12によって連結されている。揺動アーム12は、給紙ローラ4の回転軸を中心にして回動できるように給紙ローラ4の回転軸によって支持されている。
原稿Pは、給紙ローラ4等によって搬送されて、排紙ローラ11によって排紙トレイ10へ排紙される。なお、図1に示すように、原稿積載部2には、原稿積載部2に原稿が積載されているか否かを検知する原稿セットセンサSS1が設けられている。また、原稿が通過する搬送路には、原稿の先端を検知する(原稿の有無を検知する)シートセンサSS2が設けられている。
原稿読取装置202には、搬送される原稿の第1面の画像を読み取る原稿読取部16が設けられている。原稿読取部16に読み取られた画像情報は、画像印刷装置301へ出力される。なお、画像印刷装置301は、原稿読取装置202から画像情報を受信した場合に、当該画像情報に基づいて記録媒体に画像を印刷(形成)する画像形成部を備える。
また、画像読取装置200には、搬送される原稿の第2面の画像を読み取る原稿読取部17が設けられている。原稿読取部17に読み取られた画像情報は、原稿読取部16について説明した方法と同様にして画像印刷装置301へ出力される。
前述の如くして、原稿の読取が行われる。即ち、原稿給送装置201及び原稿読取装置202は、原稿読取装置(画像読取装置)として機能する。
画像読取装置200は、原稿の読取モードとして、固定読取モード及び流し読取モードを有する。固定読取モードは、原稿台ガラス214上に載置(固定)された原稿の画像を、一定速度で移動する原稿読取部16によって読み取るモードである。流し読取モードは、原稿の流し読みを行うモードである。即ち、流し読取モードは、原稿トレイ2から給紙されて一定速度で搬送される原稿の表面画像(及び裏面画像)を、所定の位置に固定された原稿読取部16(及び原稿読取部17)によって読み取るモードである。
図2は、原稿読取部17の構成を示す図である。
原稿読取部17は、流し読みガラス101及びシェーディング白板110を含むガラスユニット125(ガラス部材)を透して、搬送ローラ53,54によってガラスユニット125と対向部材8との間を搬送される原稿の画像を読取位置600において読み取る。
本実施形態におけるガラスユニット125は移動可能に構成されている。図5(A)及び図5(B)は、それぞれ、ガラスユニット125が第1停止位置及び第2停止位置に停止している状態を示している。
図5(A)に示されるように、ガラスユニット125が第1停止位置に停止している場合、原稿読取部17は、流し読みガラス101を透して原稿の画像(裏面画像)の読み取りが可能である。
図5(B)に示されるように、ガラスユニット125が第2停止位置に停止している場合、シェーディング白板110が読取位置600に位置する。この場合、原稿読取部17は、流し読みガラス101を透してシェーディング白板110の読み取りが可能である
ガラスユニット125の移動機構については、後述する。
(シェーディング制御)
シェーディング白板210及び110は、シェーディング(シェーディング補正)による白レベルの基準データを作成するために用いられる白板である。
シェーディング白板210は、流し読みガラスと原稿台ガラス214との間に固定して設けられている。光学系モータ226の駆動により原稿読取部16を移動させ、シェーディング白板210に対向する位置に原稿読取部16を停止させることで、原稿読取部16によるシェーディング白板210の読み取りが可能になる。原稿の読み取り開始前に、シェーディング白板210を原稿読取部16で読み取り、得られた画像データに対して画像処理することにより、原稿読取部16による読み取り用の基準データが作成される。
シェーディング白板110は、流し読みガラス101に張り付けられている。原稿読取部17は、図1に示す位置に固定されている一方、流し読みガラス101は、モータ122(図3)により移動可能に構成されている。モータ122の駆動により流し読みガラス101を移動させ、原稿読取部17に対向する位置にシェーディング白板110が位置するように流し読みガラス101を停止させる。これにより、原稿読取部17によるシェーディング白板110の読み取りが可能になる。原稿の読み取り開始前に、シェーディング白板110を原稿読取部17で読み取り、得られた画像データに対して画像処理することにより、原稿読取部17による読み取り用の基準データが作成される。
上述のように作成された基準データに基づいて、原稿の読み取り完了後に、原稿読取部16による読み取りによって得られた読取画像の補正、及び原稿読取部17による読み取りによって得られた読取画像の補正が行われる。
<制御構成>
図3は、画像読取装置200の制御構成例を示すブロック図である。原稿読取装置202はCPU251を備え、コントローラ150はCPU151を備える。CPU251とCPU151は通信ライン400を介して接続されている。図2に示されるように、本実施形態では、原稿給送装置201がモータ122及びモータ制御部123(モータ制御装置)を備えている。
CPU251は、原稿読取装置202及び原稿給送装置201の各ユニットを統括的に制御する。ROM252は、CPU251によって実行される制御プログラムを格納している。RAM253は、CPU251による作業領域として使用される。CPU251は、画像読取機能を実現するために、原稿読取部16、原稿読取部17、光学系モータ226、ガラスHPセンサ111、画像メモリ260、画像処理部261、及び画像転送部255と通信可能に接続されている。
画像メモリ260は、原稿読取部16及び17による読み取りにより得られた画像データ(読取画像)を一時的に格納するための記憶デバイスである。画像処理部261は、画像メモリ260に格納された読取画像に対して画像処理(例えば、シェーディング補正)を行う。画像転送部255は、画像処理部261による画像処理後の画像データを、コントローラ150の画像転送部155へ転送する。
CPU251には、モータ(搬送モータ)122の駆動を制御するモータ制御部123(モータ制御装置)が接続されている。本実施形態では、モータ122は、原稿給送装置201内の各種ローラを回転させるための駆動源、及び流し読みガラス101(図2のガラスユニット125)を移動させるための駆動源として用いられる。
CPU251は、モータ制御部123を介して、モータ122の駆動を制御する。モータ制御部123は、CPU251から出力された指令に応じてモータ122を制御する。モータ122は、駆動対象となる負荷を駆動する。本実施形態では、上述のように、原稿給送装置201において原稿の搬送に用いられる各種ローラは、モータ122によって駆動される負荷に対応する。また、本実施形態では、流し読みガラス101(図2のガラスユニット125)もモータ122によって駆動される負荷に対応する。本実施形態のモータ制御部123は、これら負荷のそれぞれを駆動するモータに適用することができる。なお、図3には1個のモータ制御部123及び1個のモータ122のみが示されているが、画像読取装置200は、1個のモータ制御部が複数個のモータを制御する構成を有していてもよい。
CPU251は、モータ制御部123の外部の(上位の)コントローラに相当し、モータ制御部123による制御対象のモータ122の回転子の位相(回転位相)の指令値(指令位相θ_ref)及び回転方向の指令値DIRを生成する。CPU251は、生成したこれらの指令値をモータ制御部123へ出力する。例えば、指令位相θ_refは、パルス状の矩形波信号であり、1パルスがステッピングモータの回転角度の最小変化量を規定する。なお、モータの回転速度の指令値(速度指令値ω_ref)は、θ_refに対応する周波数として求められる。CPU251は、モータ122の駆動シーケンスを開始すると、生成した指令位相θ_refを、所定の時間周期(制御周期)でモータ制御部123へ出力する。モータ制御部123は、CPU251から与えられる指令位相に従って、モータ122の位置制御及び速度制御を実行する。
コントローラ150は、原稿給送装置201及び原稿読取装置202を含む、画像読取装置200全体を制御する。CPU151は、コントローラ150の各ユニットを統括的に制御する。ROM152は、CPU151によって実行される制御プログラムを格納している。RAM153は、CPU151による作業領域として使用される。画像転送部155は、画像転送部255から画像データを受信し、画像メモリ156へ格納する。操作部154は、ユーザからの指示を受け付けるための入力デバイス、及び操作画面を表示するための表示デバイスを有する。
CPU151は、通信ライン400を介して、CPU251との間で制御コマンド及び制御用データの送受信を行う。例えば、CPU151は、操作部154を介してユーザから画像読み取りの開始指示を受け付けると、画像の読み取りを開始するための制御コマンドを、通信ライン400を介してCPU251へ送信する。CPU151は、操作部154を介してユーザから原稿サイズの設定指示を受け付けると、原稿のサイズ(主走査方向及び副走査方向のサイズ)の設定を、CPU251へ送信する。また、CPU151は、異常発生通知をCPU251から受信すると、発生した異常の種類に応じたメッセージを操作部154に表示することで、ユーザへの通知を行う。
[モータ制御装置]
<ベクトル制御の概要>
次に、図4を参照して、本実施形態のモータ制御部123(モータ制御装置)によるモータ122の駆動制御に用いられるベクトル制御の概要について説明する。本実施形態では、モータ122は、A相(第1相)及びB相(第2相)の2相から成るステッピングモータである。なお、モータ122には、モータ122の回転子(ロータ)401の回転位相を検出するためのセンサ(例えばロータリエンコーダ)は設けられていないが、回転位相を検出するためのセンサが設けられている構成であってもよい。また、以下の説明においては、電気角としての回転位相θ、指令位相θ_ref等に基づいてモータの制御が行われるが、例えば、電気角が機械角に変換され、当該機械角に基づいてモータの制御が行われてもよい。
図4は、モータ122と、d軸及びq軸によって表される回転座標系との関係を示す図である。図4では、静止座標系において、A相の巻線に対応した軸であるα軸と、B相の巻線に対応した軸であるβ軸とが定義されている。また、回転子401に用いられている永久磁石の磁極によって作られる磁束の方向に沿ってd軸が定義され、d軸から反時計回りに90度進んだ方向(d軸に直交する方向)に沿ってq軸が定義されている。α軸とd軸との成す角度はθと定義され、回転子401の回転位相は角度θによって表される。
ベクトル制御では、回転子401の回転位相θを基準とした回転座標系が用いられる。具体的には、モータ122の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルの、回転座標系における電流成分の値が用いられる。回転座標系における電流ベクトルは、回転子401にトルクを発生させるq軸成分(トルク電流成分)と、巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸成分(励磁電流成分)とを含む。この電流ベクトルのd軸成分の値とq軸成分の値とがベクトル制御に用いられる。
ベクトル制御とは、回転子401の目標位相を表す指令位相と実際の回転位相との偏差が小さくなるように、トルク電流成分iqの値と励磁電流成分idの値とを制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法である。また、回転子401の目標速度を表す指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるように、トルク電流成分iqの値と励磁電流成分idの値とを制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御手法もある。
<モータ制御部>
図5は、本実施形態のモータ制御部123の構成例を示すブロック図である。モータ制御部123には、上位のコントローラに相当するCPU251から、モータ122の回転子401の回転位相を制御するための駆動パルス(パルス信号)が、回転位相の指令値として入力される。また、回転子401の回転方向の指令値DIRも、CPU251からモータ制御部123に入力される。本実施形態では、モータ制御部123は、CPU等の1つ以上のプロセッサで構成されている。即ち、モータ制御部123が有する機能は、CPUがROM等のメモリから読み出したプログラムを実行するソフトウェア処理によって実現されうる。なお、モータ制御部123は、当該モータ制御部が有する機能を実現する回路(例えば、少なくとも1つのASIC)で構成されてもよい。
モータ制御部123は、モータ122を制御するための制御モードとして、モータ122の同期制御を行う同期制御モード(第1制御モード)と、モータ122のベクトル制御を行うベクトル制御モード(第2制御モード)とを有する。同期制御モードは、予め定められた電流をモータ122の巻線に供給することによって当該巻線に流れる駆動電流を制御する制御モードである。ベクトル制御モードは、CPU251から供給される駆動パルスが表す目標位相と、位相決定器513が決定した回転位相θとの偏差が小さくなるように、q軸成分及びd軸成分とに基づいてモータ122の巻線に流れる駆動電流を制御する制御モードである。
モータ制御部123は、CPU251から供給される駆動パルスを検出し、検出した駆動パルスから、回転子401の回転速度の指令値(指令速度)ω_refを生成する。本実施形態のモータ制御部123は、生成した回転速度ω_ref及びCPU251から入力された指令値DIRに基づいて、制御モードの切り替えを行う。
に示されるように、モータ制御部123は、位相制御器501、速度制御器502、電流制御器503、座標変換器505,511、誘起電圧決定器512、位相決定器513、速度決定器514、定電流制御器516(第1の制御回路)、及び減算器551~554を有する。モータ制御部123は、更に、位相指令生成器500、速度指令生成器520、制御切替器530、及びスイッチ540~542を有する。また、モータ制御部123とモータ122との間に、PWMインバータ506、電流検出器507,508、及びA/D変換器510が設けられる。なお、電流制御器503、座標変換器505,511、及び減算器553,554は、ベクトル制御部515(第2の制御回路)を構成する。
(ベクトル制御モード)
まず、モータ制御部123におけるベクトル制御モードに関連する構成及び動作について説明する。モータ制御部123は、ベクトル制御モードでは、ベクトル制御部515によって生成された、モータ122の駆動電圧Vα及びVβを、PWMインバータ506に対して出力する。PWMインバータ506は、駆動電圧Vα及びVβに応じて、モータ122の巻線へ駆動電流を供給することによって、モータ122を駆動する。モータ制御部123は、モータ122へ供給する駆動電流を、モータ122の回転子401の回転位相θを基準とした回転座標系の電流値によって制御する、上述のベクトル制御を行う。
ベクトル制御では、モータ122のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルが、α軸及びβ軸で表される静止座標系から、d軸及びq軸で表される回転座標系に変換される。このような変換の結果、モータ122に供給される駆動電流は、回転座標系において、直流のd軸成分(d軸電流)及びq軸成分(q軸電流)によって表される。この場合、q軸電流は、モータ122にトルクを発生させるトルク電流成分に相当し、回転子401の回転に寄与する電流である。d軸電流は、モータ122の回転子401の磁束の強度に影響する励磁電流成分に相当する。
モータ制御部123は、電流ベクトルのq軸成分(q軸電流)及びd軸成分(d軸電流)をそれぞれ独立に制御することができる。これにより、回転子401が回転するために必要なトルクを効率的に発生させることができる。なお、d軸電流は駆動対象のモータのトルクの発生に寄与しない。このため、d軸電流をモータへ供給しないようにベクトル制御を行った場合、モータの駆動制御の電力効率を高めることが可能である。
モータ制御部123は、モータ122の回転子401の回転位相θ及び回転速度ωを決定(推定)し、その決定結果に基づいてベクトル制御を行う。位相制御器501を含む最も外側の制御ループでは、モータ122の回転子401の回転位相θの決定結果に基づいて、モータ122の位相制御が行われる。
CPU251からモータ制御部123に供給(出力)される駆動パルスは、位相指令生成器500及び速度指令生成器520に入力される。駆動パルスは、例えば矩形波信号で構成されており、1パルスがモータ122(ステッピングモータ)の回転角度の最小変化量に対応する。
位相指令生成器500は、CPU251から供給される駆動パルスを検出し、検出した駆動パルスから、モータ122の回転子401の目標位相を表す指令位相θ_refを生成する。生成された指令位相θ_refは、減算器551及び定電流制御器516へ出力される。減算器551は、モータ122の回転子401の回転位相θと指令位相θ_refとの偏差を演算し、当該偏差を位相制御器501に出力する。
速度指令生成器520は、CPU251から供給される駆動パルスを検出し、検出した駆動パルスから、モータ122の回転子401の回転速度の指令値(指令速度)に対応する回転速度ω_refを生成する。回転速度ω_refは、制御切替器530へ出力され、後述するように、制御モードの切り替えに使用される。
位相制御器501は、比例制御(P)、積分制御(I)、及び微分制御(D)に基づいて、減算器551から出力された偏差が小さくなるように、モータ122の回転子401の目標回転速度ω_tgtを生成して出力する。具体的には、位相制御器501は、P制御、I制御、及びD制御に基づいて減算器551から出力された偏差が0になるように、目標回転速度ω_tgtを生成して出力する。なお、P制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差に比例する値に基づいて制御する制御方法である。I制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間積分に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、D制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間変化に比例する値に基づいて制御する制御方法である。本実施形態における位相制御器501は、PID制御に基づいて目標回転速度ω_tgtを生成しているが、これに限定されない。例えば、位相制御器501は、PI制御に基づいて目標回転速度ω_tgtを生成してもよい。このようにして、位相制御器501によるモータ122の位相制御が行われる。
速度制御器502を含む制御ループでは、モータ122の回転子401の回転速度ωの決定(推定)結果に基づいて、モータ122の速度制御が行われる。減算器552は、モータ122の回転子401の回転速度ωと目標回転速度ω_tgtとの偏差を演算し、当該偏差を速度制御器502に出力する。
速度制御器502は、PID制御に基づいて、減算器552から出力された偏差が小さくなるように、q軸電流指令値iq_ref_v及びd軸電流指令値id_ref_vを生成し、スイッチ540へ出力する。具体的には、速度制御器502は、PID制御に基づいて減算器552から出力された偏差が0になるように、q軸電流指令値iq_ref_v及びd軸電流指令値id_ref_vを生成して出力する。本実施形態における速度制御器502は、PID制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref_v及びd軸電流指令値id_ref_vを生成しているが、この限りではない。例えば、速度制御器502は、PI制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref_v及びd軸電流指令値id_ref_vを生成してもよい。なお、本実施形態にように回転子401に永久磁石が用いられる場合、通常は巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸電流指令値id_ref_vは0に設定されるが、この限りではない。
ベクトル制御モードにおいては、電流指令値iq_ref_v及びid_ref_vが、それぞれq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refとしてスイッチ540からベクトル制御部515へ出力される。同期制御モードにおいては、同期制御用の電流指令値iα_ref及びiβ_refが、スイッチ540からベクトル制御部515へ出力される。なお、同期制御用の電流指令値iα_ref_o及びiβ_ref_oは、定電流制御器516によって指令位相θ_refから生成される、静止座標系における電流指令値である。
制御モードの切り替えのためのスイッチ540~542の設定は、制御切替器530によって行われる。制御切替器530は、ベクトル制御モードにおいては、電流制御器503と座標変換器505とが接続されるよう、スイッチ541を設定し、A/変換器510と座標変換器511とが接続されるよう、スイッチ542を設定する。また、制御切替器530は、同期制御モードにおいては、座標変換器505がバイパスされるよう、スイッチ541を設定し、座標変換器511がバイパスされるよう、スイッチ542を設定する。
電流制御器503を含む制御ループでは、モータ122の各相の巻線に流れる駆動電流の検出値に基づいて、モータ122の各相の巻線に流れる駆動電流が制御される。ここで、モータ122のA相及びB相の巻線にそれぞれ流れる駆動電流(交流電流)は、電流検出器507,508によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換された駆動電流の電流値は、静止座標系における電流値iα及びiβとして、次式のように表される。なお、Iは電流の振幅の大きさを示す。
iα=I*cosθ
iβ=I*sinθ (1)
これらの電流値iα及びiβは、座標変換器511及び誘起電圧決定器512に入力される。
座標変換器511は、次式によって、静止座標系における電流値iα及びiβを回転座標系におけるq軸電流の電流値iq及びd軸電流の電流値idに変換する。なお、位相決定器513により決定された位相θが座標変換用の位相θ_ctrとして座標変換器505,511へ出力される。
id= cos(θ_ctr)*iα+sin(θ_ctr)*iβ
iq=-sin(θ_ctr)*iα+cos(θ_ctr)*iβ (2)
減算器553には、スイッチ540から出力されたq軸電流指令値iq_refと座標変換器511から出力された電流値iqとが入力される。減算器553は、q軸電流指令値iq_refと電流値iqとの偏差を演算し、当該偏差を電流制御器503に出力する。また、減算器554には、スイッチ540から出力されたd軸電流指令値id_refと座標変換器511から出力された電流値idとが入力される。減算器554は、d軸電流指令値id_refと電流値idとの偏差を演算し、当該偏差を電流制御器503に出力する。
電流制御器503は、PID制御に基づいて、入力される偏差が小さくなるように駆動電圧Vqを生成する。具体的には、電流制御器503は、入力される偏差が0になるように駆動電圧Vqを生成して座標変換器505に出力する。また、電流制御器503は、PID制御に基づいて、入力される偏差が小さくなるように駆動電圧Vdを生成する。具体的には、電流制御器503は、入力される偏差が0になるように駆動電圧Vdを生成して座標変換器505に出力する。
なお、本実施形態における電流制御器503は、PID制御に基づいて駆動電圧Vq及びVdを生成しているが、この限りではない。例えば、電流制御器503は、PI制御に基づいて駆動電圧Vq及びVdを生成してもよい。
座標変換器505は、電流制御器503から出力された回転座標系における駆動電圧Vq及びVdを、次式によって、静止座標系における駆動電圧Vα及びVβに逆変換する。
Vα=cos(θ_ctr)*Vd-sin(θ_ctr)*Vq
Vβ=sin(θ_ctr)*Vd+cos(θ_ctr)*Vq (3)
座標変換器505は、変換された駆動電圧Vα及びVβを、フルブリッジ回路で構成されたPWMインバータ506、及び誘起電圧決定器512へ出力する。このように、ベクトル制御部515は、電流検出器507,508によって検出された駆動電流と、モータ122の巻線に供給するべき駆動電流との偏差が小さくなるように、PWMインバータ506に含まれるフルブリッジ回路を駆動する駆動電圧を生成する。
PWMインバータ506に含まれるフルブリッジ回路は、座標変換器505から入力された駆動電圧Vα及びVβに基づくPWM(パルス幅変調)信号によって駆動される。その結果、PWMインバータ506は、駆動電圧Vα及びVβに応じた駆動電流iα及びiβを生成し、駆動電流iα及びiβをモータ122の各相の巻線に供給することによって、モータ122を駆動する。なお、PWMインバータ506は、ハーフブリッジ回路等を含んでいてもよい。
(センサレス制御)
次に、回転位相θの決定(推定)方法について説明する。回転子401の回転位相θの決定には、回転子401の回転によってモータ122のA相及びB相の巻線に誘起される誘起電圧(逆起電圧)Eα及びEβの値が用いられる。
誘起電圧Eα及びEβの値は、誘起電圧決定器512によって決定(算出)される。具体的には、誘起電圧Eα及びEβは、A/D変換器510から誘起電圧決定器512に入力された電流値iα及びiβと、座標変換器505から誘起電圧決定器512に入力された駆動電圧Vα及びVβとから、次式によって決定される。
Eα=Vα-R*iα-L*diα/dt
Eβ=Vβ-R*iβ-L*diβ/dt (4)
ここで、Rは巻線レジスタンス、Lは巻線インダクタンスである。巻線レジスタンスR及び巻線インダクタンスLの値は、使用されているモータ122に固有の値であり、ROM252、またはモータ制御部123に設けられたメモリ(図示せず)に予め格納されている。誘起電圧決定器512によって決定された誘起電圧Eα及びEβは位相決定器513へ入力される。
位相決定器513は、誘起電圧決定器512から出力された誘起電圧Eαと誘起電圧Eβとの比から、次式によってモータ122の回転子401の回転位相θを決定(推定)する。
θ=tan-1(-Eβ/Eα) (5)
なお、本実施形態においては、位相決定器513は、式(5)に基づく演算を行うことによって回転位相θを決定したが、この限りではない。例えば、位相決定器513は、ROM252等に記憶されている、誘起電圧Eα及びEβと誘起電圧Eα及びEβに対応する回転位相θとの関係を示すテーブルを参照することによって回転位相θを決定(推定)してもよい。
このようにして得られた回転子401の回転位相θは、減算器551、速度決定器514、及びスイッチ540に入力される。速度決定器514は、入力された回転位相θの時間変化に基づいて、次式によってモータ122の回転子401の回転速度ωを決定(推定)する。
ω=dθ/dt (6)
速度決定器514は、回転速度ωを減算器552に出力する。
以上のように、本実施形態のモータ制御部123は、ベクトル制御モードにおいて、指令位相θ_refと回転位相θとの偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御する位相フィードバック制御を用いたベクトル制御を行う。ベクトル制御を行うことによって、モータが脱調状態となることや、余剰トルクに起因してモータ音が増大すること及び消費電力が増大することを抑制することができる。
(同期制御モード)
次に、モータ制御部123における同期制御モード(定電流制御)に関連する構成及び動作について説明する。
定電流制御では、回転子にかかる負荷トルクの変動が起こったとしてもモータが脱調しないように、回転子の回転に必要と想定されるトルクに所定のマージンが加算されたトルクに対応する大きさ(振幅)を持った駆動電流が巻線に供給される。これは、定電流制御では、決定(推定)された回転位相や回転速度に基づいて駆動電流の大きさが制御される構成は用いられない(フィードバック制御が行われない)ので、回転子にかかる負荷トルクに応じて駆動電流を調整できないからである。なお、電流の大きさが大きいほど回転子に与えるトルクは大きくなる。また、振幅は電流ベクトルの大きさに対応する。
以下の説明では、定電流制御中は、予め定められた所定の大きさの電流がモータの巻線に供給されることによってモータが制御されるが、この限りではない。例えば、定電流制御中は、モータの加速中及び減速中のそれぞれに応じて予め定められた大きさの電流がモータの巻線に供給されることによってモータが制御されてもよい。
モータ制御部123は、同期制御モードでは、モータ122の駆動対象となる負荷に応じて予め定められた駆動電流がモータ122の巻線に流れるように、以下で説明するようにモータ122へ供給する駆動電流を制御する。
同期制御モードでは、定電流制御器516は、位相指令生成器500から出力された指令位相θ_refに対応した、静止座標系における電流の指令値iα_ref及びiβ_refを生成してスイッチ540へ出力する。なお、本実施形態では、定電流制御器516によって生成される、静止座標系における電流の指令値iα_ref及びiβ_refに対応する電流ベクトルの大きさは、常に一定である。定電流制御器516から出力された電流指令値iα_ref及びiβ_refは、スイッチ540を介してそれぞれ減算器553,554へ入力される。
モータ122のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出器507,508によって検出される。検出された駆動電流は、前述したように、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。同期制御モードにおいては座標変換器511がバイパスされため、A/D変換器510から出力された電流値iα及びiβは、座標変換器511へ入力されず、それぞれ減算器553,554へ入力される。
減算器552は、A/D変換器510から出力された電流値iαと、定電流制御器516から出力された電流指令値iα_refとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。また、減算器553には、A/D変換器510から出力された電流値iβと、定電流制御器516から出力された電流指令値iβ_refとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
電流制御器503は、入力される偏差が小さくなるように、PID制御に基づいて駆動電圧Vα及びVβを出力する。具体的には、電流制御器503は、入力される偏差が0に近づくように駆動電圧Vα及びVβを出力する。PWMインバータ506は、前述した方法で、入力された駆動電圧Vα及びVβに基づいて、モータ122の各相の巻線に駆動電流を供給してモータ122を駆動させる。
このように、本実施形態における同期制御モード(定電流制御)では、位相フィードバック制御と速度フィードバック制御とのいずれも行われない。即ち、本実施形態における定電流制御では、モータ122の巻線に供給する駆動電流が回転子401の回転状況に応じて調整されない。したがって、同期制御モードでは、モータ122が脱調状態にならないように、回転子401を回転させるために必要な電流に所定のマージンが加算された電流が巻線に供給される。具体的には、静止座標系における電流指令値iα_ref及びiβ_refには、回転子401を回転させるために必要な電流値と所定のマージンに対応する電流値とが含まれる。
<流し読みガラスの移動機構>
ガラスユニット125は、モータ122によって駆動されて移動するように構成されている。モータ122は、カム113のカム軸114に連結されている。モータ122の回転子401が回転すると、モータ122からの駆動力がカム軸114を通じてカム113に伝達される。カム113は、モータ122によって駆動されて回転することによってガラスユニット125を移動させるように構成されたカム機構である。
本実施形態では、上述のように、モータ122は、原稿搬送用のローラを所定速度で回転させるための駆動源(第1駆動源)としてだけでなく、カム113の駆動により流し読みガラス101の位置決めを行うための駆動源(第2駆動源)としても用いられる。また、ガラスユニット125の移動機構は、モータ122の回転子401が原稿搬送時の第1回転方向(例えば、CW方向)とは逆方向である第2回転方向に回転している場合にのみモータ122からの駆動力をカム113に伝達するように構成されている。
このように、モータ122は、回転子401が第1回転方向に回転している場合、モータ122からの駆動力が、カム113には伝達されず、原稿搬送用のローラに伝達されるように構成されている。また、モータ122は、回転子401が第2回転方向に回転している場合、モータ122からの駆動力が、原稿搬送用のローラには伝達されず、カム113に伝達されるように構成されている。
モータ122からの駆動力がカム113に伝達されて、図2に示される矢印610の方向にカム113が回転することにより、ガラスユニット125が、第1停止位置と第2停止位置とを含む移動範囲で往復移動する。ガラスユニット125は、流し読取モードで両面原稿の読み取りが行われる場合に、図2(A)に示される第1停止位置に停止するように制御される。一方、ガラスユニット125は、シェーディング白板110を用いたシェーディングが行われる場合に、図2(B)に示される第2停止位置に停止するように制御される。
図2(A)の第1停止位置と図2(B)の第2停止位置との間のガラスユニット125の移動の制御用に、ガラスユニット125の近傍に、ガラスHPセンサ111が設けられている。CPU251は、ガラスHPセンサ111の出力の変化に基づいて、ガラスユニット125の移動量を制御する。ガラスHPセンサ111は、例えば、対向する発光部及び受光部を有するフォトインタラプタで構成される。ガラスHPセンサ111は、発光部から受光部に向かう光が、ガラスユニット125が移動することによって当該ガラスユニット125によって遮られる位置に配置される。
ガラスHPセンサ111は、受光部による光の受光結果を示す信号(遮光されているか否かを示す信号)を出力する。例えば、ガラスユニット125が第1停止位置に停止している場合には、ガラスHPセンサ111は、遮光されていないことを示す信号を出力する。また、ガラスユニット125が第2停止位置に停止している場合には、ガラスHPセンサ111は、遮光されていることを示す信号を出力する。
CPU251は、ガラスHPセンサ111の出力が変化したタイミングから、所定の距離だけガラスユニット125を移動させたタイミングに当該ガラスユニット125を停止させる。これにより、ガラスユニット125を所望の位置(図2(A)の第1停止位置又は図2(B)の第2停止位置)で停止させることが可能である。上述のように、ガラスユニット125はモータ122からの駆動力によって移動するため、CPU251は、モータ122の駆動用の駆動パルスをカウントすることによってガラスユニット125の移動量を制御可能である。
<制御モードの切り替え>
モータ制御部123(制御切替器530)は、モータ122の制御用の制御モードとしてベクトル制御モードを適用する場合、回転子401の回転速度ω_refに応じて、制御モードを同期制御モードとベクトル制御モードとの間で切り替えて実行する。この回転子401の回転速度ω_refは、回転子401の目標速度に対応する回転速度である。例えば、制御切替器530は、回転速度ω_refが所定値未満(閾値ω_th未満)である場合には(ω_ref<ω_th)、制御モードを同期制御モードに設定する。一方、制御切替器530は、回転速度ω_refが所定値以上(閾値以上ω_th以上)である場合には(ω_ref≧ω_th)、制御モードをベクトル制御モードに設定する。
このような制御によれば、モータ122の回転子401が回転を開始してから回転速度が閾値ω_thを超えるまでは、同期制御モードでモータ122が制御される。その後、回転子401の回転速度が閾値以上(ω_th以上)になると、制御モードが同期制御モードからベクトル制御モードに切り替わる。また、回転子401が回転を停止する際には、通常、回転子401が減速を開始してから回転速度が閾値ω_thを下回ると、制御モードがベクトル制御モードから同期制御モードに切り替わる。このようにして、モータ122の制御用の制御モードとしてベクトル制御モードを適用することが可能になる。これにより、例えば、モータ122を原稿搬送用のローラの駆動源として用いた場合に、消費電力及びモータ音の低減が可能になる。
しかし、流し読みガラス101等の移動体を移動させて位置決めを行うための駆動源としてモータ122を用いる場合に、上述のようにベクトル制御モードを適用すると、移動体の停止位置の位置決めを高精度に行うことができない可能性がある。具体的には、回転子401の回転を停止するためにベクトル制御モードから同期制御モードへ切り替えた際に生じる指令位相と回転位相との偏差が、回転子401が停止するまで残ることにより、移動体を所望の位置に停止させることができなくなりうる。このとき、移動体の停止位置の位置決め精度は、制御モードとして同期制御モードのみを適用した場合よりも低くなりうる。
例えば、ベクトル制御モードでモータ122を制御してガラスユニット125を移動させた場合、シェーディング白板110の停止位置が第2停止位置(図2(B))からずれる可能性がある。その結果、シェーディング白板110を用いたシェーディング(シェーディング補正)を適切に行うことができなくなり、これは読取画像の品質低下につながりうる。
そこで、本実施形態では、モータ制御部123は、モータ122が原稿搬送用のローラ(回転体)を所定速度で回転させるための駆動源(第1駆動源)として使用される(第1回転方向に回転する)場合には、ベクトル制御モードを適用する。即ち、モータ制御部123は、回転子401の回転速度ω_refに応じて、制御モードを同期制御モードとベクトル制御モードとの間で切り替えて実行する。一方、モータ制御部123は、モータ122が、カム113の駆動により流し読みガラス101(移動体)を移動させて位置決めを行うための駆動源(第2駆動源)として使用される(第2回転方向に回転する)場合には、同期制御モードを適用する。即ち、モータ制御部123は、回転子401の回転速度ω_refによらず同期制御モードを実行する。これにより、原稿の搬送制御にベクトル制御モードを適用する一方で、上述のようにベクトル制御モードの適用に起因して、流し読みガラス101(移動体)の停止位置の位置決め精度が低下することを防止する。
<制御シーケンスの例>
図6(A)は、本実施形態に係るモータ制御部123による制御シーケンスの例を示す図である。図6(A)には、上段から順に、モータ122の回転子401の回転速度の指令値(指令速度)、モータ122の制御用の制御モード、及び回転子401の回転方向の指令値DIRの時間変化の例が示されている。
上述のように、モータ122の回転子401が、原稿搬送時の回転方向(本例ではCW方向)とは逆方向(本例ではCCW方向)に回転させられることで、モータ122は、カム113の駆動により流し読みガラス101の位置決めを行うための駆動源として使用される。図6(A)の例では、流し読みガラス101の位置決め用の駆動源としてモータ122が使用される場合、CCW方向を示す指令値DIRが、CPU251からモータ制御部123へ出力される。モータ制御部123では、CCW方向を示す指令値DIRに基づいて、制御切替器530が制御モードを同期制御モードに設定する。このようにして、モータ122が流し読みガラス101の位置決め用の駆動源として使用される場合に、同期制御モードでモータ122が制御される。この場合、指令速度によらず同期制御モードが継続される。これにより、ベクトル制御モードの適用に起因して、流し読みガラス101の停止位置の位置決め精度が低下することを防止できる。
図6(A)の例では、その後、CW方向を示す指令値DIRが、CPU251からモータ制御部123へ出力されることで、モータ122が、原稿搬送用のローラ(本例では排紙ローラ11)を所定速度で回転させるための駆動源として使用されている。モータ制御部123では、CW方向を示す指令値DIRに基づいて、制御切替器530が制御モードをベクトル制御モードに設定する。このようにして、モータ122が原稿搬送用の駆動源として使用される場合に、指令速度に応じてベクトル制御モードでモータ122が制御されることで、消費電力及びモータ音の低減が図られている。
<モータ制御部に対する制御手順>
図7は、CPU251によって実行される、モータ制御部123に対する制御手順を示すフローチャートである。CPU251は、原稿給送装置201を用いて原稿を搬送して画像の読み取りを行う読取ジョブの実行を開始する際、又はシェーディング白板110を用いたシェーディング動作を開始する際に、図7の制御手順の実行を開始する。
まず、S101で、CPU251は、モータ122を、原稿搬送用の駆動源として使用するか否かを判定する。CPU251は、読取ジョブを実行する場合には、モータ122を原稿搬送用の駆動源として(本例では、排紙ローラ11の駆動源として)使用すると判定し、S102へ処理を進める。一方、CPU251は、シェーディング動作を実行する場合には、モータ122を流し読みガラス101の位置決め用の駆動源として使用すると判定し、S105へ処理を進める。
S102で、CPU251は、モータ制御部123に対してベクトル制御モード用の制御を開始する。具体的には、CPU251は、図6(A)の右側の制御シーケンスに示されるような指令速度に対応する駆動パルスと、CW方向(第1回転方向)を示す指令値DIRとを、モータ制御部123へ出力する。
モータ制御部123の制御切替器530は、CPU251から出力された指令値DIRが示す回転方向に基づいて、同期制御モードとベクトル制御モードとのいずれかを適用するかを決定する。制御切替器530は、指令値DIRがCW方向を示す場合、ベクトル制御モードを適用することを決定する。この場合、制御切替器530は、上述のように、回転子401の回転速度ω_refに応じて、同期制御モードとベクトル制御モードとの間で切り替えて実行する。
その後S103で、CPU251は、読取ジョブの実行が終了したか否かを判定し、終了したと判定するとS104へ処理を進める。S104で、CPU251は、モータ制御部123がモータ122を停止させるように、モータ制御部123へ出力する駆動パルスを制御することで、モータ122の停止制御を行い、処理を終了する。
また、S105で、CPU251は、モータ制御部123に対して同期制御モード用の制御を開始する。具体的には、CPU251は、図6(A)の左側の制御シーケンスに示されるような指令速度に対応する駆動パルスと、CCW方向(第1回転方向とは逆方向の第2回転方向)を示す指令値DIRとを、モータ制御部123へ出力する。
モータ制御部123の制御切替器530は、指令値DIRがCCW方向を示す場合、同期制御モードを適用することを決定する。この場合、制御切替器530は、上述のように、回転子401の回転速度ω_refによらず、同期制御モードを実行する。
その後S106で、CPU251は、シェーディング動作が終了したか否かを判定し、終了したと判定するとS104へ処理を進める。S104で、CPU251は、モータ制御部123がモータ122を停止させるように、モータ制御部123へ出力する駆動パルスを制御することで、モータ122の停止制御を行い、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のモータ制御部123は、モータ122の同期制御を行う同期制御モードと、モータ122のベクトル制御を行うベクトル制御モードとを有する。モータ122は、排紙ローラ11等の搬送ローラ(回転体)を所定速度で回転させるための第1駆動源、及び流し読みガラス101(移動体)を移動させて位置決めを行うための第2駆動源として使用されるように構成されている。制御切替器530は、モータ122が第1駆動源として使用される場合には、上位のコントローラであるCPU251から供給される駆動パルスが表す回転子401の回転速度ω_refに応じて、同期制御モードとベクトル制御モードとを切り替えて実行する。一方、制御切替器530は、モータ122が第2駆動源として使用される場合には、同期制御モードを実行する。
このように、モータ122が移動体の位置決め用の第2駆動源として使用される場合には、ベクトル制御モードは実行されず、回転速度ω_refによらず同期制御モードが実行される。これにより、ベクトル制御モードの適用に起因して、移動体の位置決め精度が低下することを防止できる。即ち、ベクトル制御を適用可能なモータ制御において、移動体の位置決め用の駆動源としてモータ122を使用する場合に位置決め精度が低下することを防止できる。また、モータ122が第1駆動源として使用される場合には、ベクトル制御の適用により消費電力及びモータ音の低減が可能になる。
《第2実施形態》
第1実施形態では、ガラスユニット125の移動機構が、モータ122の回転子401の回転方向に応じてモータ122からの駆動力をカム113に伝達するか否かを切り替えるように構成されている例について説明した。第2実施形態では、電磁クラッチを用いて、モータ122からの駆動力をカム113に伝達するか否かを切り替えるようにガラスユニット125の移動機構が構成されている場合の、モータ制御部123によるモータ122の駆動制御の例について説明する。なお、以下では主に第1実施形態との相違点について説明する。
<流し読みガラスの移動機構>
図8は、本実施形態に係る、流し読みガラス101を移動させるカム113の駆動構成の例を示すブロック図である。本実施形態では、第1実施形態と同様、原稿搬送用のローラ(本例では、排紙ローラ11とする。)を所定速度で回転させるための駆動源(第1駆動源)、及びカム113の駆動による流し読みガラス101の位置決め用の駆動源(第2駆動源)としてモータ122が用いられる場合を想定する。
図8に示されるように、モータ122からの駆動力は、ギヤ又はタイミングベルト等で構成された減速機構131を介して排紙ローラ11に伝達される。排紙ローラ11とカム113との間には電磁クラッチ130が設けられている。電磁クラッチ(CL)130は、モータ122と同様、モータ制御部123によって制御される。電磁クラッチ130がオフ状態である場合、モータ122からの駆動力は、排紙ローラ11までしか伝達されない。一方、電磁クラッチ130がオン状態である場合、モータ122からの駆動力は、排紙ローラ11を介して更にカム113まで伝達される。
図8の構成例によれば、モータ122が原稿搬送用の駆動源として用いられる場合、電磁クラッチ130は、モータ制御部123によってオフ状態にされる。一方、モータ122が流し読みガラス101の位置決め用の(カム113の)駆動源として用いられる場合、電磁クラッチ130は、モータ制御部123によってオン状態にされる。これにより、排紙ローラ11を介してカム113にモータ122からの駆動力が伝達され、カム113が駆動される。即ち、カム113の駆動により流し読みガラス101を移動させて位置決めを行うことが可能になる。
このように、原稿搬送時には、電磁クラッチ130がオフ状態にされることで、排紙ローラ11のみがモータ122によって駆動される。また、シェーディング白板110を用いたシェーディング動作時には、電磁クラッチ130がオン状態にされることで、排紙ローラ11とカム113とが駆動され、流し読みガラス101を移動させて位置決めを行うことが可能になる。
本実施形態では、CPU251は、指令値DIRに代えて、電磁クラッチ130の制御用の指令値CLを、モータ制御部123へ出力する。モータ制御部123の制御切替器530は、CPU251からの指令値CLに従って、電磁クラッチ130をオン状態又はオフ状態にする。なお、電磁クラッチ130のオン状態とオフ状態との切り替えは、モータ制御部123内部に設けられたトランジスタ(図示せず)等のスイッチング素子を用いて行われうる。
<制御シーケンスの例>
図6(B)は、本実施形態に係るモータ制御部123による制御シーケンスの例を示す図である。図6(B)には、上段から順に、モータ122の回転子401の回転速度の指令値(指令速度)、モータ122の制御用の制御モード、及び電磁クラッチ130の制御用の指令値CLの時間変化の例が示されている。
本実施形態では、電磁クラッチ130がオン状態にされることで、モータ122は、カム113の駆動により流し読みガラス101の位置決めを行うための駆動源として使用される。図6(B)の例では、流し読みガラス101の位置決め用の駆動源としてモータ122が使用される場合、オン状態を示す指令値CLが、CPU251からモータ制御部123へ出力される。モータ制御部123では、オン状態を示す指令値CLに基づいて、制御切替器530が制御モードを同期制御モードに設定する。このようにして、モータ122が流し読みガラス101の位置決め用の駆動源として使用される場合に、同期制御モードでモータ122が制御される。この場合、指令速度によらず同期制御モードが継続される。これにより、ベクトル制御モードの適用に起因して、流し読みガラス101の停止位置の位置決め精度が低下することを防止できる。
図6(B)の例では、その後、オフ状態を示す指令値CLが、CPU251からモータ制御部123へ出力されることで、モータ122が、原稿搬送用のローラ(本例では排紙ローラ11)を所定速度で回転させるための駆動源として使用されている。モータ制御部123では、オフ状態を示す指令値CLに基づいて、制御切替器530が制御モードをベクトル制御モードに設定する。このようにして、モータ122が原稿搬送用の駆動源として使用される場合に、指令速度に応じてベクトル制御モードでモータ122が制御されることで、消費電力及びモータ音の低減が図られている。
<モータ制御部に対する制御手順>
CPU251によって実行される、モータ制御部123に対する制御手順は、第1実施形態(図7)と同様である。
本実施形態では、S102で、CPU251は、図6(B)の右側の制御シーケンスに示されるような指令速度に対応する駆動パルスと、オフ状態を示す指令値CLとを、モータ制御部123へ出力する。モータ制御部123の制御切替器530は、CPU251から出力された指令値CLに基づいて、同期制御モードとベクトル制御モードとのいずれかを適用するかを決定する。制御切替器530は、指令値CLがオフ状態を示す場合、ベクトル制御モードを適用することを決定する。この場合、制御切替器530は、上述のように、回転子401の回転速度ω_refに応じて、同期制御モードとベクトル制御モードとの間で切り替えて実行する。
また、S105で、CPU251は、図6(B)の左側の制御シーケンスに示されるような指令速度に対応する駆動パルスと、オン状態を示す指令値CLとを、モータ制御部123へ出力する。モータ制御部123の制御切替器530は、指令値CLがオン状態を示す場合、同期制御モードを適用することを決定する。この場合、制御切替器530は、上述のように、回転子401の回転速度ω_refによらず、同期制御モードを実行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様、モータ122が移動体の位置決め用の第2駆動源として使用される場合には、ベクトル制御モードは実行されず、回転速度ω_refによらず同期制御モードが実行される。これにより、ベクトル制御モードの適用に起因して、移動体の位置決め精度が低下することを防止できる。即ち、ベクトル制御を適用可能なモータ制御において、移動体の位置決め用の駆動源としてモータ122を使用する場合に位置決め精度が低下することを防止できる。また、モータ122が第1駆動源として使用される場合には、ベクトル制御の適用により消費電力及びモータ音の低減が可能になる。
なお、上述の第1及び第2実施形態では、カム113と駆動源としてモータ122を共有するローラとして排紙ローラ11を想定しているが、一例にすぎない。カム113と他のローラ(例えば、ピックアップローラ3、給紙ローラ4、分離ローラ5、搬送ローラ53、及び搬送ローラ54のいずれか)とがモータ122を駆動源として共有してもよい。
また、第1及び第2実施形態では、ベクトル制御モードを実行するか否かを回転方向に応じて選択する構成が画像読取装置200に適用されたが、この限りではない。例えば、上述の構成が画像印刷装置301に適用されてもよい。具体的には、例えば、第1回転方向に回転する場合は定着器318に設けられた定着ローラを駆動し、第2回転方向に回転する場合は当該定着ローラのニップ部の圧力を調整するために定着ローラを移動させるモータに、上述の制御が適用されてもよい。より具体的には、定着ローラを駆動する場合にはベクトル制御モードを適用し、定着ローラのニップ部の圧力を調整するために定着ローラを移動させる場合には指令速度によらず同期駆動モードを実行する構成が適用されてもよい。
なお、上述の第1及び第2実施形態におけるモータ制御部123は、ベクトル制御を行う回路と同期制御(定電流制御)を行う回路とにおいて、一部共有している部分(電流制御器503、504、PWMインバータ506等)があるが、この限りではない。例えば、ベクトル制御を行う回路と同期制御を行う回路とがそれぞれ独立に設けられている構成が用いられてもよい。また、上述の実施形態においては、巻線が2相であるモータが用いられたが、3相モータ等の他のモータが用いられてもよい。また、上述の実施形態においては、回転子401として永久磁石が用いられているが、この限りではない。
《その他の実施形態》
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上述の実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。したがって、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:画像形成装置、200:画像読取装置、201:原稿給送装置、202:原稿読取装置、301:画像印刷装置、251:CPU、150:コントローラ、151:CPU、122:モータ、123:モータ制御部(モータ制御装置)、401:回転子

Claims (12)

  1. 原稿を搬送する搬送ローラと、
    前記搬送ローラによって搬送された原稿の画像を読取位置において読み取る第1読取手段と、
    前記第1読取手段によって画像が読み取られた前記原稿を排紙する排紙ローラと、
    第1方向に回転することにより第1負荷を駆動し、前記第1方向とは逆方向である第2方向に回転することにより第2負荷を駆動するモータと、
    前記モータを制御するモータ制御装置と、を有し、
    前記モータ制御装置は、
    前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された前記駆動電流に基づいて、前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
    予め定められた大きさの電流に基づいて前記巻線に流れる前記駆動電流を制御する第1制御モードと、前記位相決定手段によって決定された回転位相によって表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分に基づいて前記巻線に流れる駆動電流を制御するベクトル制御を行う第2制御モードと、を有する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、
    前記モータを前記第1方向に回転させる場合、前記第2制御モードを実行することなく前記第1制御モードを実行し、
    前記モータを前記第2方向に回転させる場合、前記第1制御モードで前記駆動電流の制御を開始し、前記第1制御モードの実行中に前記回転子の回転速度に対応する値が、所定値より小さい値から前記所定値より大きい値になると、前記駆動電流を制御する制御モードを前記第1制御モードから前記第2制御モードに切り替えることを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記画像読取装置は、
    原稿が載置される第1透過部材、及び前記第1透過部材上に載置された原稿の画像を読み取る第2読取手段を有する読取ユニットと、
    前記搬送ローラ、前記第1読取手段及び前記排紙ローラを有し、前記読取ユニットに対して回動可能に前記読取ユニット上に設けられた原稿給送ユニットと、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記第1読取手段は、第2透過部材及び白基準部材を含み、前記読取位置において前記原稿の前記画像が前記第2透過部材を透して前記第1読取手段によって読み取られ、
    前記第1読取手段は、前記白基準部材の読み取り結果に基づいて、シェーディング補正を行い、
    前記画像読取装置は、前記読取位置と、前記第1読取手段によって前記白基準部材が読み取られない位置である所定位置との間で、前記白基準部材を移動させる移動ユニットを有し、
    前記モータは、前記第1方向に回転することにより、前記第1負荷としての前記移動ユニットを駆動し、
    前記第1読取手段は、前記白基準部材が前記読取位置に位置している状態において前記白基準部材を読み取り、前記白基準部材が前記所定位置に位置している状態において前記原稿の画像を読み取ることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
  4. 前記白基準部材は、前記第2透過部材上に設けられ、
    前記移動ユニットは、前記第2透過部材を移動させることによって前記白基準部材を前記読取位置と前記所定位置との間で移動させることを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
  5. 前記モータは、前記第2方向に回転することにより、前記第2負荷としての前記排紙ローラを駆動することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  6. 前記画像読取装置は、複数のパルスを含むパルス列を生成する生成手段を有し、
    前記第2制御モードは、前記生成手段によって生成された前記パルス列に基づく指令位相と前記位相決定手段によって決定された前記回転位相との偏差が小さくなるように、前記駆動電流を制御する制御モードであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  7. 前記回転子の回転速度に対応する前記値は、前記生成手段によって生成された前記パルス列の周波数を示す値であることを特徴とする請求項6に記載の画像読取装置。
  8. 前記画像読取装置は、前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記巻線に誘起される誘起電圧を決定する電圧決定手段を有し、
    前記位相決定手段は、前記電圧決定手段によって決定された前記誘起電圧に基づいて前記回転子の前記回転位相を決定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  9. 前記第2制御モードは、前記位相決定手段によって決定された回転位相と前記回転子の目標位相を表す指令位相との偏差が小さくなるように設定された前記トルク電流成分の目標値と、前記検出手段によって検出された前記駆動電流の前記トルク電流成分の値と、の偏差が小さくなるように前記駆動電流を制御する制御モードであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  10. 前記画像読取装置は、前記回転子の回転速度を決定する速度決定手段を有し、
    前記第2制御モードは、前記速度決定手段によって決定された回転速度と前記回転子の目標速度を表す指令速度との偏差が小さくなるように設定された前記トルク電流成分の目標値と、前記検出手段によって検出された前記駆動電流の前記トルク電流成分の値と、の偏差が小さくなるように前記駆動電流を制御する制御モードであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  11. 前記モータは、ステッピングモータであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  12. 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記記録媒体を搬送する搬送ローラと、
    第1方向に回転することにより第1負荷を駆動し、前記第1方向とは逆方向である第2方向に回転することにより第2負荷を駆動するモータと、
    前記モータを制御するモータ制御装置と、を有し、
    前記モータ制御装置は、
    前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された前記駆動電流に基づいて、前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
    予め定められた大きさの電流に基づいて前記巻線に流れる前記駆動電流を制御する第1制御モードと、前記位相決定手段によって決定された回転位相によって表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分に基づいて前記巻線に流れる駆動電流を制御するベクトル制御を行う第2制御モードと、を有する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、
    前記モータを前記第1方向に回転させる場合、前記第2制御モードを実行することなく前記第1制御モードを実行し、
    前記モータを前記第2方向に回転させる場合、前記第1制御モードで前記駆動電流の制御を開始し、前記第1制御モードの実行中に前記回転子の回転速度に対応する値が、所定値より小さい値から前記所定値より大きい値になると、前記駆動電流を制御する制御モードを前記第1制御モードから前記第2制御モードに切り替えることを特徴とする画像形成装置。
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