JP7256488B2 - 紙幣処理システム、紙幣処理方法、及びプログラム - Google Patents

紙幣処理システム、紙幣処理方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、紙葉処理システム、紙葉処理方法、及びプログラムに関する。
従来から、入金機等の紙葉取扱装置から紙葉(例えば、紙幣)が盗難されることを抑制する各種の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、不正行為を検出すると入金機に収納された紙葉にインクを噴射して汚損させる技術が開示される。
特開2012-252479公報
特許文献1の技術では、入金機に収納されている紙葉の盗難が抑制される。しかし、入金機に収納されていない搬送中であっても紙葉が盗難され得る(紛失し得る)ため、特許文献1の技術では紙葉の盗難が十分に抑制されない場合がある。以上の事情を考慮して、本発明は、紙葉の盗難を十分に抑制可能にすることを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の紙葉処理システムは、紙葉を計数する紙葉処理装置と、紙葉処理装置と通信可能な紙葉管理装置とを具備する紙葉処理システムであって、紙葉処理装置は、紙葉を一意に識別する紙葉識別情報を当該紙葉から取得する取得部と、取得した紙葉識別情報を紙葉管理装置へ送信する送信部とを備え、紙葉管理装置は、紙葉識別情報を受信する受信部と、紛失した紙葉の紙葉識別情報を特定する特定部と、特定部が特定した紙葉識別情報を外部装置に通知する通知部とを具備する。
本発明によれば、紛失した紙葉の紙葉識別情報が外部装置(例えば、入金装置)に通知されるため、例えば、外部装置に挿入された紙葉の紙葉識別情報が紙葉管理装置から通知された紙葉識別情報と一致する場合に、外部装置における当該紙葉の受入を禁止することができる。したがって、紙葉が入金装置に収納されているか否かによらず、当該紙葉の盗難が抑制される。
紙幣処理システムの各構成を説明するための図である。 紙幣処理システムの機能ブロック図である。 現金センターへ紙幣を搬送する工程の具体例を説明するための図である。 現金センターにおける入金工程の具体例を説明するための図である。 現金センターにおける整理工程の具体例を説明するための図である。 現金センターにおける出金工程の具体例を説明するための図である。 紛失紙幣を通知するための構成の具体例を説明するための図である。 紙幣管理装置が実行する処理のフローチャートである。 第2実施形態の紙幣処理システムの各構成を説明するための図である。 第2実施形態の紙幣処理システムの機能ブロック図である。 第2実施形態の紙幣情報の具体例を説明するための図である。 第2実施形態の設定情報の具体例を説明するための図である。 第2実施形態の選択画面の一例の模擬図である。 第2実施形態の紙幣処理システムの動作を説明するためのシステムシーケンス図である。 第3実施形態の紙幣処理システムの機能ブロック図である。 第3実施形態の紙幣情報およびマスタ情報の具体例を説明するための図である。 第3実施形態の設定パターンの具体例を説明するための図である。 第3実施形態の設定パターンの決定方法の具体例を説明するための図である。 第3実施形態の予想時間の算出方法の具体例を説明するための図である。 第3実施形態のランク付処理の具体例を説明するための図である。 第3実施形態の推奨情報の具体例を説明するための図である。 第3実施形態の紙幣処理システムの動作を説明するためのシステムシーケンス図である。 第3実施形態の紙幣管理装置の各処理のフローチャートである。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態における紙幣処理システム1の各構成を説明するための図である。図1に示す通り、紙幣処理システム1は、紙幣管理サーバ100、整理機200、入金機300、受入機400および入力機500を含んで構成される。
紙幣管理サーバ100、整理機200、入金機300、受入機400および入力機500の各々は、プロセッサおよびメモリを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)が採用され、メモリに格納されたプログラムを実行する。メモリは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリが採用され、プロセッサが実行するプログラムを記憶する。
図1に示す通り、紙幣管理サーバ100は、ネットワーク600を介して整理機200と通信可能に接続される。また、紙幣管理サーバ100は、ネットワーク600を介して入金機300と通信可能に接続される。同様に、紙幣管理サーバ100は、ネットワーク600を介して受入機400および入力機500と通信可能に接続される。ネットワーク600としては、例えばインターネット、専用のネットワーク、VPN(仮想プライベートネットワーク)およびローカルネットワークの何れであってもよい。また、以上の各ネットワークの組合せであってもよい。また、有線通信および無線通信の何れを採用してもよい。
受入機400は、店舗Sに設置され、例えば客から受入れた紙幣を計数する。本実施形態では、受入機400により紙幣束Bxが作成され、紙幣束Bxが現金センターCCに搬送される。具体的には、受入機400は、カセット401と本体402とを含んで構成される。本体402の挿入口に挿入された紙幣は、カセット401の内部に紙幣束Bxとして集積される。カセット401は、本体402から取外し可能である。現金センターCCへ紙幣束Bxを搬送する場合、紙幣束Bxはカセット401に収納された状態で搬送される(後述の図3(a)参照)。
受入機400は、紙幣を受入れる際に当該紙幣に識別処理を実行し、記番号、金種、方向、正損、真偽を含む各種の情報を取得する。また、受入機400は、紙幣束Bxの各紙幣から取得した各情報を含む紙幣情報Da1を生成する(後述の図3(b)参照)。また、受入機400は、紙幣情報Da1を紙幣管理サーバ100へ送信する。
入金機300は、現金センターCCに設けられる。現金センターCCに搬送された紙幣(紙幣束Bx)は、入金機300で計数される。図1に示す通り、入金機300は、載置部および2個の集積部を具備する。紙幣束Bxが載置部に載置されると、紙幣束Bxの各紙幣が順次に繰出され集積部の何れかに振分けられる。入金機300は、複数の紙幣を順次に繰出すとともに、繰出した紙幣の枚数を計数する。また、入金機300は、紙幣を繰出す際に、各種の情報を当該紙幣から取得する。具体的には、入金機300は、紙幣を繰出す際に、当該紙幣の画像を撮影し、当該画像から当該紙幣の記番号を特定する。
記番号とは紙幣を一意に特定可能な文字列である。例えば、入金機300は、紙幣の画像にOCR(Optical character recognition)処理を実行し、当該紙幣の記番号を識別する。また、入金機300は、紙幣を繰出す際に当該紙幣の金種を識別する。本実施形態では、紙幣束Bには金種X、金種Y、金種Z…の6金種の紙幣が含まれ得る。さらに、入金機300は、紙幣を繰出す際に当該紙幣の方向(上下、裏表)、当該紙幣が損券であるか否か(正損)、および、当該紙幣が偽券であるか否か(真偽)を識別する。
入金機300は、紙幣の識別結果に応じた集積部Pに当該紙幣を振分ける。入金機300により振分られた各紙幣により紙幣束Byが作成される(後述の図4(a)参照)。また、入金機300は、紙幣束Byの各紙幣から取得した各情報を含む紙幣情報Da2を生成する(後述の図4(b)参照)。紙幣情報Da2は、入金機300により紙幣管理サーバ100へ送信される。
整理機200は、現金センターCCに設けられ、入金機300により作成された紙幣束Byの各紙幣を整理する。具体的には、整理機200は、載置部および複数個(例えば4個)の集積部を具備する。載置部に紙幣束Byが載置されると、当該紙幣束Byの各紙幣が集積部の何れかに振分けられる。具体的には、紙幣束Byの各紙幣のうち金種が共通の各紙幣は共通の集積部に振分けられ、複数個の紙幣束Bz(後述の図5(a)参照)が作成される。
整理機200は、入金機300および受入機400と同様に、紙幣を整理する際に当該紙幣を識別し、記番号、金種、方向、正損、真偽を含む各種の情報を取得する。また、整理機200は、整理する紙幣を計数する。また、整理機200は、各紙幣から取得した各情報を含む紙幣情報Da3を生成する(後述の図5(b)参照)。
整理機200により整理された各紙幣は、予め定められた出金先Uへ出金される。具体的には、出金先Uには入出金機1000が設けられる。出金先Uとしては店舗が想定され、入出金機1000としては客の紙幣が入出金される装置が想定される。入出金機1000は、カセット1001と本体1002とを含んで構成される。本体1002の挿入口を介して、カセット1001の内部の紙幣が出金可能であるとともに、カセット1001の内部に紙幣が入金可能である。
入出金機1000のカセット1001は、本体1002から取外し可能である。現金センターCCから紙幣を搬送する場合、現金センターCCにカセット1001が持ち運ばれる。その後、整理機200により整理された紙幣束Bzがカセット1001に収納され、紙幣束Bzを収納したカセット1001が現金センターCCから出金先Uへ搬送される(後述の図6(a)参照)。
ところで、例えば現金センターCCから出金先Uへ搬送される途中において、紙幣(カセット1001)が盗難される危険性がある。以上の事情を考慮して、本実施形態の紙幣処理システム1は、搬送中の紙幣の盗難が抑制される構成を採用した。
具体的には、現金センターCCから紙幣束Bzを出金する際に、当該紙幣束Bzの記番号が入力機500に入力される。入力機500に入力された記番号は、紙幣管理サーバ100へ送信され、出金される紙幣の記番号として登録される。以上の入力機500としては、例えば携帯可能なコンピュータが採用され得る。また、入力機500は、紙幣の記番号の画像を撮影可能であるとともに、当該画像から当該紙幣の記番号をOCR処理により識別し、識別結果を入力する。
紙幣管理サーバ100には、カセット1001が盗難された旨が通知される。カセット1001が盗難された旨が通知されると、紙幣管理サーバ100は、登録済みの紙幣の記番号のうち、当該カセット1001に収納された紙幣の記番号を特定する。また、紙幣管理サーバ100は、特定した記番号を含む紛失リストLを他の入出金機(例えば、入出金機1000)へ通知する。紛失リストLが通知された入出金機では、例えば、当該紛失リストLに含まれる記番号の紙幣の受入が禁止される。
図2は、本実施形態の紙幣処理システム1の機能ブロック図である。図2に示す通り、紙幣処理システム1は、紙幣管理装置10、紙幣処理装置20、紙幣処理装置30、紙幣処理装置40および入力装置50を含んで構成される。例えば、上述の紙幣管理サーバ100、整理機200、入金機300、受入機400および入力機500の各々のCPUがプログラムを実行することにより各機能が実現される。具体的には、上述の紙幣管理サーバ100が紙幣管理装置10として機能する。また、整理機200が紙幣処理装置20として機能し、入金機300が紙幣処理装置30として機能し、受入機400が紙幣処理装置40として機能し、入力機500が入力装置50として機能する。
各紙幣処理装置(20、30、40)は、紙幣を計数する。具体的には、紙幣処理装置40(受入機400)は、取得部403と送信部404とを具備する。取得部403は、紙幣を一意に識別する記番号(紙葉識別情報の一例)を当該紙幣から取得する。また、送信部404は、取得部403が取得した記番号を含む紙幣情報Da1を紙幣管理装置10へ送信する。
紙幣処理装置30(入金機300)は、現金センターCCに設けられ、取得部301と送信部302とを具備する。取得部301は、記番号を紙幣から取得する。また、送信部302は、取得部301が取得した記番号を含む紙幣情報Da2を紙幣管理装置10へ送信する。紙幣処理装置20(整理機200)は、紙幣処理装置300と同様に、現金センターCCに設けられ、取得部201と送信部202とを具備する。取得部201は、記番号を紙幣から取得する。また、送信部202は、取得部201が取得した記番号を含む紙幣情報Da3を紙幣管理装置10へ送信する。
紙幣管理装置10は、受信部101、特定部102、記憶部103および通知部104を含んで構成される。受信部101は、各紙幣処理装置(20、30、40)から各紙幣情報Da(1、2、3)を受信する。受信部101が受信した各紙幣情報Daは、記憶部103の紙幣情報DB(DataBase)に蓄積される。特定部102は、紛失した紙幣の記番号を特定する。
具体的には、各紙幣は予め定められた出金単位で纏めて搬送される。例えば、現金センターCCから出金先Uへは、各紙幣がカセット1001により纏めて搬送される。紙幣管理装置10は、纏めて搬送される各紙幣の記番号に、共通の出金単位を特定する出金単位IDを対応させて記憶する(後述の図6(b)参照)。なお、各店舗の紙幣が袋などに収納され、現金センターCCへ搬送される構成としてもよい。以上の場合、共通の袋に収納された各紙幣に共通の出金単位IDが付与される。
所定の出金単位で搬送される紙幣が盗難された(紛失した)場合、紙幣管理装置10に紛失情報Dxが送信される(後述の図7(a)参照)。当該紛失情報Dxには、当該出金単位を特定する出金単位IDが含まれる。紙幣管理装置10の特定部102は、紛失情報Dxを受信すると、当該紛失情報Dxに含まれる出金単位IDを記憶部103から検索する。また、特定部102は、検索した出金単位IDに対応する記番号を、紛失した紙幣の記番号として特定する。
入力装置50は、読取部501および送信部502を含む。読取部501は、紙幣束を構成する一部(例えば、1枚)の紙幣の記番号を読取る。また、送信部502は、読取られた記番号を紙幣管理装置10へ送信する。紙幣管理装置10は、送信部502から記番号を受信すると、当該記番号の紙幣が含まれる紙幣束の束IDを特定する。また、紙幣管理装置10は、特定した束IDと対応して記憶される全ての記番号(当該紙幣束に含まれる紙幣の記番号)の各々に同じ出金単位IDを付与する。以上の構成については、図6(a)を用いて詳細に説明する。
図3(a)、図4(a)、図5(a)および図6(a)を用いて、各店舗Sから紙幣が現金センターCCに搬送され、その後、現金センターCCから出金先Uへ出金されるまでの各工程を説明する。図3(a)は、各店舗S(1~3)から紙幣が現金センターCCへ搬送される工程を説明するための図である。
図3(a)の具体例では、3個の店舗S(1~3)の各々に1個の紙幣処理装置40(x~z)が設けられる場合を想定する。以上の場合、3個のカセット401(x~z)が現金センターCCへ搬送される。また、3個の紙幣処理装置40から、紙幣情報Da1が紙幣管理装置10へ送信される。本実施形態では、紙幣処理装置40からカセット401が取外されると紙幣情報Da1が自動的に紙幣管理装置10へ送信される。ただし、紙幣情報Da1が送信される時期は適宜に変更できる。また、紙幣処理装置40が設けられる店舗Sの個数は、1個または2個であってもよいし、4個以上であってもよい。また、1個の店舗Sに複数個の紙幣処理装置40を設けてもよい。
図3(b)は、店舗Sの紙幣処理装置40から送信される紙幣情報Da1の具体例の概念図である。紙幣処理装置40は、1枚の紙幣に対して1個の紙幣情報Da1を生成する。すなわち、紙幣処理装置40にN枚の紙幣が収納された場合、N個の紙幣情報Da1が生成される。なお、紙幣管理装置10が紙幣情報Da1を生成する構成としてもよい。以上の構成では、紙幣情報Da1を生成するのに要する情報が紙幣処理装置40から紙幣管理装置10へ送信される。
紙幣情報Da1は、束ID、記番号および入金単位IDを含んで構成される。束IDは、カセット401に収納された紙幣束Bxを識別する情報である。具体的には、共通のカセット401の各紙幣の各束IDは共通になる。例えば、カセット401xの各紙幣の各束IDは「aaa」で共通になる。また、カセット401yの各紙幣の各束IDは「bbb」あり、カセット401zの各紙幣の各束IDは「ccc」である。紙幣情報Da1の記番号は、カセット401に収納された紙幣の記番号であり、紙幣処理装置40に当該紙幣が収納される際に取得される。
紙幣情報Da1の入金単位IDは、一度に搬送される紙幣の纏まりを識別するための情報である。本実施形態では、共通のカセット401xに収納される各紙幣は纏めて搬送される。したがって、共通のカセット401の各紙幣の各入金単位IDは共通になる。例えば、店舗S1からカセット401xが搬送される場合、当該カセット401xに収納された各紙幣の各入金単位IDは「ssss」で共通になる。同様に、店舗S2からカセット401yが搬送される場合、当該カセット401yに収納された各紙幣の各入金単位IDは「tttt」で共通になり、店舗S3からカセット401zが搬送される場合、当該カセット401zに収納された各紙幣の各入金単位IDは「uuuu」で共通になる。入金単位IDは、例えば、紙幣処理装置40により決定される。ただし、紙幣管理装置10により入金単位IDが決定され、紙幣処理装置40へ通知される構成としてもよい。
1個の店舗Sから複数個のカセット401が一度に搬送される場合、当該複数個のカセット401に収納された各紙幣の入金単位IDは共通になる。ただし、以上の場合において、各紙幣の入金単位IDがカセット401毎に相違する構成としてもよい。詳細には後述するが、紙幣情報Da1の入金単位IDは、店舗Sから現金センターCCまでの途中で紙幣(カセット401)が紛失した際に当該紙幣を特定するために参照される。
なお、紙幣情報Da1に含まれる情報は以上の例に限定されない。例えば、紙幣情報Da1は、紙幣処理装置40を識別する処理機ID、紙幣を搬送する方法(カセットに紙幣を収納して搬送する方法など)を識別する情報、搬送される紙幣の総数、紙幣の搬送先(現金センターCC)を識別する出金先IDを含めてもよい。また、紙幣の方向および金種、カセット401が搬送される(本体402から取外された)日時、紙幣の正損を識別する情報を紙幣情報Da1に含めてもよい。さらに、当該カセット401を搬送する係員を識別する係員ID、当該係員の画像および名称を紙幣情報Da1に含めてもよい。
図4(a)は、現金センターCCにおける工程の一部を説明するための図である。現金センターCCにおける工程は、入金工程と整理工程と出金工程とを含む。図4(a)は、入金工程の具体例を説明するための図である。入金工程では、各店舗Sから搬送された紙幣束Bxの各紙幣が紙幣処理装置30(入金機300)により計数される。また、紙幣処理装置30は、紙幣を計数する際に、当該紙幣の記番号を含む各種の情報を取得する。
図4(a)の具体例では、現金センターCCに3個のカセット401(x~z)が搬送された場合を想定する。また、3個のカセット401から取出された3個の紙幣束Bx(1~3)の各紙幣が纏めて紙幣処理装置30により計数される場合を想定する。以上の場合、3個の紙幣束Bxの各紙幣を含む1個の紙幣束Byが作成される。図4(a)に示す通り、入金工程で作成された紙幣束Byは通箱Bоに一旦収納される。
図4(a)に示す通り、カセット401(x~z)および通箱Boにはコードcが設けられる。以上のコードcは、例えば二次元コードであり、読取装置Rc1により読取可能である。カセット401のコードcを読取装置Rc1が読取ると、当該カセット401に収納された紙幣束Bxの束IDが紙幣処理装置30に入力される。例えば、カセット401xには束ID「aaa」の紙幣束Bx1が収納されている場合を想定する。以上の場合、カセット401xのコードcが読取られると、束ID「aaa」が紙幣処理装置30へ入力される。図4(a)の具体例では、3個のカセット401(x~z)のコードcが読取られ、3個の束IDが紙幣処理装置30へ入力される。
通箱Bоのコードcを読取装置Rc1が読取ると、例えば、当該通箱Bоに収納される紙幣束Byを識別する束ID(出力束ID)が紙幣処理装置30へ入力される。なお、以上の各情報(紙幣束Bxの束ID、紙幣束Byの束ID)を紙幣処理装置30へ入力するための構成は以上の例に限定されない。例えば、テンキーなどの操作により各情報が手動で紙幣処理装置30へ入力される構成としてもよい。紙幣処理装置30は、各紙幣から取得した情報(記番号など)および読取装置Rc1により入力された各種の情報を用いて紙幣情報Da2を生成する。また、紙幣処理装置30は、紙幣情報Da2を紙幣管理装置10へ送信する。
紙幣管理装置10は、現金センターCC(紙幣処理装置30)から紙幣情報Da2を受信すると、当該紙幣情報Da2の各記番号が、各店舗S(紙幣処理装置40)から受信した紙幣情報Da1に含まれるか否かを判断する。すなわち、各店舗Sから搬送された全ての紙幣が現金センターCCにおいて計数されたか否かが判断される。仮に、紙幣情報Da1の各記番号に紙幣情報Da2の特定の記番号が含まれない場合、当該特定の記番号の紙幣が搬送中に紛失した旨が把握される。
ただし、例えば店舗Sの紙幣処理装置40の性能によっては、紙幣の記番号が正確に読取られない場合がある。以上の場合、各店舗Sから搬送された全ての紙幣が現金センターCCにおいて計数されたとしても、紙幣情報Da1の各記番号に紙幣情報Da2の特定の記番号が含まれないと判断される。
以上の事情を考慮して、紙幣情報Da1の記番号と紙幣情報Da2の記番号とが一致しない場合であっても、予め定められた基準を満たす場合、各記番号が一致すると判断される構成を採用してもよい。例えば、文字「J」は文字「I」として読取られ易いという事情がある。以上の事情を考慮して、紙幣管理装置10は、紙幣情報Da1の記番号と紙幣情報Da2の記番号とが一致しない場合であっても、紙幣情報Da2の当該記番号の文字「J」を文字「I」に変更したものが紙幣情報Da1の当該記番号と一致するのであれば、各記番号は一致すると判断する。
なお、詳細には第2実施形態で説明するが、紙幣処理装置30(紙幣識別装置30)は、紙幣の識別強度を可変に設定できる。また、紙幣処理装置30は、紙幣束Bxの各紙幣を計数する前に、当該紙幣束Bxの束IDを紙幣管理装置10へ送信する。紙幣管理装置10は、受信した紙幣束Bxの束IDを含む紙幣情報Da1を特定し、当該紙幣情報Da1に基づいて、適切な識別強度を決定する。紙幣管理装置10が決定した識別強度は、紙幣処理装置30に通知される。以上の構成によれば、紙幣処理装置30において適切な識別強度が設定され易くなる。また、紙幣情報Da1は、紛失リストLを生成する際にも参照される。したがって、例えば、紛失リストLを生成するための情報と紙幣処理装置30の識別強度を決定するための情報とが別々に記憶される構成と比較して、記憶すべき情報の種類数が削減されるという利点がある。
図4(b)は、現金センターCCの紙幣処理装置30から送信される紙幣情報Da2の具体例の概念図である。紙幣処理装置30は、1枚の紙幣に対して1個の紙幣情報Da2を生成する。すなわち、紙幣処理装置30にN枚の紙幣が受入れられた場合、N個の紙幣情報Da2が生成される。なお、紙幣管理装置10が紙幣情報Da2を生成する構成としてもよい。以上の構成では、紙幣情報Da2を生成するのに要する情報が紙幣処理装置30から紙幣管理装置10へ送信される。
紙幣情報Da2は、入力束ID、記番号および出力束IDを含んで構成される。紙幣情報Da2の記番号は、紙幣束Byに含まれる紙幣の記番号であり、紙幣処理装置30により当該紙幣から読取られる。紙幣情報Da2の入力束IDは、入金工程において読取装置Rc1がカセット401のコードcを読取ることにより紙幣処理装置30に入力された束IDを示す。例えば、図4(b)の具体例では、3個の束ID(aaa、bbb、ccc)が入金工程において紙幣処理装置30へ入力された場合を想定する。以上の場合、各紙幣情報Da2の入力束IDは、当該3個の束IDの配列になる。紙幣情報Da2の出力束IDは、入金工程において読取装置Rc1が通箱Bоのコードcを読取ることにより、紙幣処理装置30に入力された束IDを示す。すなわち、紙幣情報Da2の出力束IDは、紙幣束Byの束IDである。
なお、紙幣情報Da2に含まれる情報は以上の例に限定されない。例えば、紙幣情報Da2は、紙幣処理装置30を識別する処理機ID、整理された紙幣の総数を含めてもよい。また、紙幣の方向および金種、紙幣束Byが作成された日時、紙幣の正損を識別する情報を紙幣情報Da2に含めてもよい。さらに、入金工程における係員を識別する係員IDを紙幣情報Da2に含めてもよい。
図5(a)は、現金センターCCにおける工程の他の一部を説明するための図である。図5(a)は、整理工程の具体例を説明するための図である。整理工程は、入金工程より後の工程であり、入金工程で計数された各紙幣が整理される。本実施形態の整理工程においては、入金工程で作成された紙幣束Byの各紙幣が紙幣処理装置20(整理機200)により金種毎に振分けられる。紙幣処理装置20は、紙幣を振分ける際に、当該紙幣の記番号を含む各種の情報を取得する。また、紙幣処理装置20は、振分けた紙幣を計数する。
具体的には、整理工程において、上述の入金工程で紙幣束Byを収納した通箱Bоが紙幣処理装置20へ搬送される。また、整理工程において、読取装置Rc2により通箱Bоのコードcが読取られる。読取装置Rc2によりコードcが読取られると、紙幣束Byを識別する束IDが紙幣処理装置20へ入力される。図5(a)の具体例では、入金工程において出力束IDとして紙幣処理装置30に入力された束ID「ddd」が(図4(b)参照)、整理工程において入力束IDとして紙幣処理装置20に入力された場合を想定する。
整理工程においては、紙幣束Byが整理されて複数個の紙幣束Bzが作成される。図5(a)の具体例では、紙幣束Byから3個の紙幣束Bz(1~3)が作成された場合を想定する。なお、束IDを紙幣処理装置20へ入力するための構成は以上の例に限定されない。例えば、テンキーなどの操作により束IDが手動で紙幣処理装置20へ入力される構成としてもよい。紙幣処理装置20は、各紙幣から取得した情報(記番号など)および読取装置Rc2により入力された束IDを用いて紙幣情報Da3を生成し送信する。
なお、詳細には第3実施形態で説明するが、紙幣処理装置20は、紙幣の振分パターン(集積部に振分ける紙幣の種類)を可変に設定できる。また、紙幣処理装置20は、紙幣束Byの各紙幣を整理する前に、当該紙幣束Byの束IDを紙幣管理装置10へ送信する。紙幣管理装置10は、受信した紙幣束Byの束IDを含む紙幣情報Da2を特定し、当該紙幣情報Da2に基づいて、適切な振分パターンを決定する。紙幣管理装置10が決定した振分パターンは、紙幣処理装置20に通知される。以上の構成によれば、紙幣処理装置20において適切な振分パターンが設定され易くなる。
図5(b)は、現金センターCCの紙幣処理装置20から送信される紙幣情報Da3の具体例の概念図である。紙幣処理装置20は、1枚の紙幣に対して1個の紙幣情報Da3を生成する。すなわち、紙幣処理装置20にN枚の紙幣が受入れられた場合、N個の紙幣情報Da3が生成される。なお、紙幣管理装置10が紙幣情報Da3を生成する構成としてもよい。以上の構成では、紙幣情報Da3を生成するのに要する情報が紙幣処理装置20から紙幣管理装置10へ送信される。
紙幣情報Da3は、入力束ID、記番号および出力束IDを含んで構成される。紙幣情報Da3の記番号は、紙幣束Bzに含まれる紙幣の記番号である。紙幣情報Da3の入力束IDは、整理工程において紙幣処理装置20に入力された束ID(紙幣束Byの束ID)を示す。紙幣情報Da3の出力束IDは、紙幣束Bzを識別する束IDである。具体的には、紙幣処理装置20は、共通の紙幣束Bzの各紙幣に対して共通の束IDを付与する。紙幣処理装置20は、紙幣束Bzの紙幣の記番号と当該紙幣束Bzの束IDとを対応させて紙幣情報Da3を生成する。
なお、紙幣情報Da3に含まれる情報は以上の例に限定されない。例えば、紙幣情報Da3は、紙幣処理装置20を識別する処理機ID、整理された紙幣の総数を含めてもよい。また、紙幣の方向および金種、紙幣束Bzが作成された日時、紙幣の正損を識別する情報を紙幣情報Da3に含めてもよい。さらに、整理工程における係員を識別する係員IDを紙幣情報Da3に含めてもよい。
図6(a)は、現金センターCCにおける工程の他の一部を説明するための図である。図6(a)は、出金工程の具体例を説明するための図である。出金工程は、整理工程より後の工程であり、整理工程で作成された紙幣束Bzが他の施設へ出金される。図6(a)の具体例では、出金工程において、出金先Uへ紙幣束Bzが出金される場合を想定する。上述した通り、出金先Uに入出金機1000が設けられる。現金センターCCにおける出金工程では、入出金機1000のカセット1001に紙幣束Bzが収納され、カセット1001が出金先Uへ搬送される。
本実施形態では、出金工程において、上述の整理工程で作成された紙幣束Bzの各紙幣が出金紙幣として紙幣管理装置10に登録される。具体的には、出金工程の以前に、現金センターCCのコンピュータPcから紙幣管理装置10へ出金計画情報Dpが送信される。以上の出金計画情報Dpには、出金計画ID、および、当該出金計画IDに対応する入金元IDおよび出金単位IDが含まれる。入金元IDは、現金センターCCを識別する情報である。また、コンピュータPcは、出金計画IDに応じたコードcを生成し印刷可能にする。入力装置50が当該コードcを読取ると、出金計画IDが特定される。入力装置50は、特定した出金計画IDを紙幣管理装置10へ送信する。
また、出金工程において、カセット1001に設けられたコードcが入力装置50により読取られる。カセット1001に設けられたコードcを読取ると、当該カセット1001に収納される紙幣束の束IDが入力装置50により特定される。入力装置50は、特定した束IDを紙幣管理装置10へ送信する。なお、カセット1001に設けられたコードcを読取ることにより、紙幣束がカセットに収納される方法(形態)で当該紙幣束が搬送される旨を示す形態情報が生成され紙幣管理装置10へ送信される構成としてもよい。
ところで、カセット1001を出金先Uへ搬送する途中で、当該出金紙幣が盗難される可能性がある。以上の事情を考慮して、本実施形態では、カセット1001に収納される全ての紙幣を、出金紙幣として登録する。また、紙幣管理装置10は、盗難された各出金紙幣の各記番号を特定し、外部装置に通知可能である。例えば、外部装置に挿入された紙幣の記番号が紙幣管理装置10から通知された記番号と一致する場合に、外部装置における当該紙幣の受入を禁止することができる。したがって、紙幣の盗難が抑制される。
しかし、カセット1001に収納される全ての紙幣を出金紙幣として出金工程において登録する構成では、出金工程における作業時間が長期化し易い不都合が生じ得る。例えば、仮に、カセット1001に収納される全ての紙幣の記番号を入力装置50で読取る構成(以下「対比例」)を想定する。以上の対比例では、カセット1001に収納される紙幣の枚数によっては、当該紙幣の記番号を読取る作業時間が過度に長くなる。以上の事情を考慮して、本実施形態では、カセット1001に収納される紙幣の記番号を読取る作業時間が短縮できる構成を採用した。
具体的には、本実施形態の出金工程では、カセット1001に収納する紙幣束Bzの各紙幣のうちの一部の記番号を入力装置50が読取る。例えば、紙幣束Bzの各紙幣のうち1枚の紙幣の記番号(図6(a)の例では「a12345」)が入力装置50により読取られる。入力装置50は、読取った記番号を紙幣管理装置10へ送信する。
上述の図5(b)で説明した通り、紙幣管理装置10には、紙幣束Bzの束IDと当該紙幣束Bzに含まれる紙幣の記番号とが対応して記憶される。紙幣管理装置10は、紙幣束Bzにおける1枚の紙幣の記番号を入力装置50から受信すると、当該記番号を出金紙幣の記番号として登録するとともに、当該記番号に対応する束IDを特定する。すなわち、入力装置50により記番号が読取られた1枚の紙幣が含まれる紙幣束Bzの束IDが特定される。紙幣管理装置10は、特定した束IDと対応して記憶される他の各記番号(紙幣束Bzに含まれる他の紙幣の記番号)を特定し、出金紙幣の記番号として登録する。
以上の構成によれば、1枚の紙幣の記番号を入力装置50で読取ることにより、当該紙幣を出金紙幣として登録できるとともに、カセット1001に収納される紙幣束Bzの他の紙幣を出金紙幣として登録できる。したがって、例えば上述の対比例と比較して、出金工程の作業時間が長期化するという不都合が抑制される。
なお、入力装置50により複数枚(例えば、2枚)の紙幣の記番号が読取られる構成としてもよい。以上の構成では、紙幣管理装置10は、読取られた複数個の記番号に対応する各出力束ID(紙幣束Bzの束ID)を紙幣情報Da3から検索する。また、紙幣管理装置10は、紙幣情報Da3において検索された各出力束IDが同じであることを条件に、当該出力束IDに対応する全ての記番号に共通の出金単位IDを対応させて紙幣情報Da4を生成する。以上の構成によれば、正確な束IDが特定され易くなるという利点がある。
また、入力装置50が正確に記番号を識別できない(読取ミスをする)場合がある。以上の場合、紙幣管理装置10が記憶する紙幣情報Da3に含まれない記番号が入力装置50から送信され得る。以上の事情を考慮して、紙幣管理装置10が記憶する紙幣情報Da3に含まれない記番号が入力装置50から送信された場合、その旨が紙幣管理装置10から入力装置50に通知され報知される構成が好適である。例えば、「読取エラーです。紙幣束を確認し、もう一度記番号を読取ってください。」というメッセージが入力装置50に表示される構成が好適である。
図6(b)は、紙幣管理装置10が記憶する紙幣情報Da4の具体例の概念図である。紙幣管理装置10は、1枚の紙幣に対して1個の紙幣情報Da4を生成する。具体的には、紙幣管理装置10は、入力装置50が読取った各種の情報(出金計画ID、束ID、記番号)を用いて紙幣情報Da4を生成する。
紙幣情報Da4は、出金単位ID、記番号および出力束IDを含んで構成される。出金単位IDは、出金先Uへ搬送される紙幣の纏まりを識別するための情報である。上述した通り、出金計画情報Dpが事前に紙幣管理装置10へ送信される。また、入力装置50から出金計画IDが紙幣管理装置10へ送信される。入力装置50から出金計画IDを受信すると、紙幣管理装置10は、当該出金計画IDを含む出金計画情報Dpを特定する。紙幣管理装置10は、当該出金計画情報Dpの出金計画IDに対応する出金単位IDを紙幣情報Da4の出金単位IDとして特定する。出金先Uへ纏めて搬送される各紙幣の出金単位IDは共通になる。紙幣情報Da4の出力束IDは、カセット1001に収納される紙幣束を識別する束IDである。紙幣情報Da4の出力束IDは、カセット1001のコードcから入力装置50により特定され送信されたものである。
上述した通り、出金工程において入力装置50から紙幣管理装置10へ1個の記番号が送信される。図6(b)の具体例では、記番号「a12345」が紙幣管理装置10へ送信された場合を想定する。紙幣管理装置10は、入力装置50が読取った記番号「a12345」に、出金単位IDおよび出力束IDを対応させて紙幣情報Da4を生成する。また、紙幣管理装置10は、受信した記番号の紙幣が含まれる紙幣束Bzの束IDを、上述の紙幣情報Da3(図5(b)参照)を用いて特定する。さらに、特定した束IDに対応する他の各記番号を紙幣情報Da3から特定する。
例えば、図5(b)の紙幣情報Da3が整理工程で生成され、出金工程で記番号「a12345」が入力装置50により読取られた場合を想定する。以上の場合、記番号「a12345」が紙幣情報Da3において検索され、当該記番号と対応する出力束ID(紙幣束Bzの束ID)が特定される。例えば、図5(b)の具体例では、出力束ID「eee」が特定される。また、出力束ID「eee」に対応する他の記番号が紙幣情報Da3において検索される。例えば、図5(b)の具体例では、記番号「b67890」が検索される。紙幣管理装置10は、入力装置50が読取った記番号、および、紙幣情報Da3から特定した他の記番号の各々に出金単位IDおよび出力束IDを対応させて各紙幣情報Da4を生成する。
以上の構成によれば、入力装置50が読取らない記番号の各紙幣が、出金紙幣として自動で登録される。紙幣管理装置10は、出金紙幣が搬送中に盗難された場合、当該出金紙幣を紛失紙幣として特定し、外部装置へ通知する。以上の構成について以下で詳細に説明する。
図7(a)および図7(b)は、紛失紙幣を通知するための構成を説明するための図である。図7(a)は、紙幣が紛失した場合の具体例を説明するための図である。図7(a)の具体例では、現金センターCCから出金された紙幣が盗難された場合を想定する。すなわち、カセット1001が盗難された場合を想定する。上述した通り、カセット1001に収納された各紙幣の出金単位IDは共通になる。図7(a)の具体例では、出金単位ID「vvvv」の各紙幣が盗難された場合を想定する。
紙幣が盗難されると(紛失)すると、紙幣管理装置10に紛失情報Dxが送信される。以上の紛失情報Dxには、紛失紙幣の出金単位IDが含まれる。本実施形態では、現金センターCCにおけるコンピュータPcから紛失情報Dxが紙幣管理装置10へ送信される。ただし、紛失情報Dxを紙幣管理装置10に入力する構成は以上の例に限定されない。例えば、カセット1001を搬送する係員に携帯端末を所持させ、当該携帯端末から紛失情報Dxを紙幣管理装置10へ送信可能な構成としてもよい。また、紛失紙幣の出金単位IDを紙幣管理装置10へ直接入力できる構成としてもよい。
紙幣管理装置10は、紛失情報Dxを受信すると、紛失紙幣の記番号から構成される紛失リストLを生成し、各店舗Sの入出金機に通知する。以上の入出金機は、紙幣を受入れる際に当該紙幣の記番号を読取り、紛失リストLに含まれる記番号であるか否かを判断する。仮に、当該紙幣の記番号が紛失リストLに含まれる場合、入出金機は、その旨を紙幣管理装置10へ通知するとともに、当該紙幣の受入を禁止する。なお、図7(a)の具体例では、紛失リストLが紙幣管理装置10から入出金機に送信される構成としたが、他の管理装置(サーバ装置)を介して紛失リストLが入出金機へ送信される構成としてもよい。
図7(b)は、紛失リストLの生成方法の具体例を説明するための図である。紙幣管理装置10は、紛失情報Dxを受信すると、出金工程で生成した紙幣情報Da4から当該紛失情報Dxに含まれる出金単位IDを特定する。また、紙幣管理装置10は、特定した出金単位IDに対応する各記番号を紙幣情報Da4から抽出する。例えば、図7(b)の具体例では、紛失情報Dxに出金単位ID「vvvv」が含まれる場合を想定する。以上の場合、出金単位ID「vvvv」に対応する各記番号(a12345、b67890…d24680)が紙幣情報Da4から抽出される。紙幣管理装置10は、紙幣情報Da4から抽出した各記番号を含む紛失リストLを生成する。
本実施形態では、現金センターCCから各店舗へ出金された紙幣が盗難された場合と同様に、店舗Sから現金センターCCへ出金された紙幣が盗難された場合も紛失リストLが生成される。具体的には、店舗Sから出金された紙幣が盗難された場合、紛失情報Dxが紙幣管理装置10へ送信される。以上の紛失情報Dxは、上述の紙幣情報Da1(図3(a)参照)における入金単位IDの何れかを含む。紙幣管理装置10は、紛失情報Dxに含まれる入金単位IDに対応する記番号を紙幣情報Da1から抽出する。また、紙幣管理装置10は、抽出した各記番号を含む紛失リストLを生成し、外部の入出金機および現金センターCCへ通知する。
なお、上述した通り、現金センターCCの入金工程では、店舗Sから搬送されなかった紙幣(紛失紙幣)が紙幣処理装置30により特定される。店舗Sから搬送されなかった紙幣が特定された場合、紙幣処理装置30が自動で当該紙幣の記番号を紙幣管理装置10へ送信する。以上の構成において、紙幣管理装置10は、紙幣処理装置30から受信した紛失紙幣の記番号を含む紛失リストLを生成し、外部の入出金機へ通知する構成としてもよい。
図8は、紛失リストLを生成するための処理のフローチャートである。紙幣管理装置10は、例えば、予め定められた時間間隔で当該処理を実行する。紙幣管理装置10は、当該処理を開始すると、紛失情報Dxを受信したか否かを判定する(S101)。紛失情報Dxを受信していない場合(S101:No)、紙幣管理装置10は、図8に示す処理を終了する。一方、紛失情報Dxを受信したと判断した場合(S101:Yes)、紙幣管理装置10は、紛失紙幣の記番号を特定する(S102)。具体的には、紙幣情報Da1または紙幣情報Da4から紛失紙幣の記番号を特定する。
紛失紙幣の記番号を特定した後に、紙幣管理装置10は、当該記番号を含む紛失リストLを生成する(S103)。紛失リストLを生成すると、紙幣管理装置10は、当該紛失リストLを外部装置へ通知する(S104)。紛失リストLを通知した後に、紙幣管理装置10は、図8に示す処理を終了する。
<第2実施形態>
本発明の他の実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図9は、第2実施形態における紙幣処理システム1の各構成を説明するための図である。図9に示す通り、紙幣処理システム1は、紙幣管理サーバ100、整理機200、入金機300および複数の受入機400を含んで構成される。
複数の受入機400は、店舗S(例えば、銀行)に設置される。また、複数の受入機400は、種類が相違する受入機400aおよび受入機400bを含む。受入機400aとしては、例えば、店舗Sにおける売上金を計数する紙幣計数器が想定される。また、受入機400bとしては、例えば、現金自動預け払い機(ATM:automatic teller machine)が想定される。なお、受入機400は以上の例に限定されない。また、2種類以上の受入機400を設けてもよい。
整理機200および入金機300は、例えば、現金センターに設置される。以上の現金センターには、他の施設(例えば、店舗S)から紙幣が搬送される。第2実施形態では、受入機400(a、b)毎に紙幣束Bx(a、b)が作成され、各紙幣束Bxが現金センターに搬送される。現金センターに搬送された紙幣は、入金機300で計数され、整理機200の各集積部P(1~4)に振分けられ(整理され)、他の施設へ出金される。
紙幣管理サーバ100、整理機200、入金機300および受入機400の各々は、プロセッサおよびメモリを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)が採用され、メモリに格納されたプログラムを実行する。メモリは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリが採用され、プロセッサが実行するプログラムを記憶する。
図9に示す通り、紙幣管理サーバ100は、ネットワーク600を介して整理機200と通信可能に接続される。また、紙幣管理サーバ100は、ネットワーク600を介して入金機300と通信可能に接続される。同様に、紙幣管理サーバ100は、ネットワーク600を介して受入機400と通信可能に接続される。ネットワーク600としては、例えばインターネット、専用のネットワーク、VPN(仮想プライベートネットワーク)およびローカルネットワークの何れであってもよい。また、以上の各ネットワークの組合せであってもよい。また、有線通信および無線通信の何れを採用してもよい。
図9に示す通り、入金機300は、操作パネルQ2、載置部R2および2個の集積部(Pa、Pb)を具備する。載置部R2には、受入機400から取出された紙幣束Bxが載置される。操作パネルQ2が適宜に操作されると、載置部R2の各紙幣が順次に繰出され集積部Pの何れかに振分けられる。ただし、入金機300における集積部Pの個数は2個に限定されない。例えば、入金機300に3個以上の集積部Pが設けられる構成としてもよいし1個の集積部Pを設ける構成としてもよい。
入金機300は、複数の紙幣を順次に繰出すとともに、繰出した紙幣の枚数を計数する。また、入金機300は、紙幣を繰出す際に、各種の情報を当該紙幣から取得する。具体的には、入金機300は、紙幣を繰出す際に、当該紙幣の画像を撮影し、当該画像から当該紙幣の記番号を特定する。記番号とは紙幣を一意に特定可能な文字列である。例えば、入金機300は、紙幣の画像に対してOCR(Optical character recognition)処理を実行し、当該紙幣の記番号を識別する。また、入金機300は、紙幣を繰出す際に当該紙幣の金種を識別する。第2実施形態では、紙幣束Bには金種X、金種Y、金種Z…の6金種の紙幣が含まれ得る。ただし、紙幣処理システム1が取扱可能な金種の数は6金種に限定されない。例えば、紙幣処理システム1が最大で5金種以下を取扱可能としてもよいし、7金種以上を取扱可能としてもよい。さらに、入金機300は、紙幣を繰出す際に当該紙幣の方向(上下、裏表)を識別する。
また、入金機300は、紙幣を繰出す際に当該紙幣が損券であるか否か(正損)を識別する。具体的には、入金機300は、各紙幣の正損を識別するため、当該紙幣の画像を解析する。また、入金機300は、磁気センサおよび赤外線センサを含む各種のセンサを具備し、当該センサにより取得した情報を参照し、各紙幣の正損を識別する。また、入金機300は、解析結果に基づいて、当該紙幣における「汚れ」の程度を数値化する。同様に、入金機300は、紙幣における「よれ」「ドックイヤー」「破れ」「穴」「切断」「修復」「貼り合わせ」「染色」「落書き」「インク落ち」の程度の各々を数値化する(以下、当該数値を「評価値」と記載する)。また、入金機300は、予め定められた識別値以下であるか否かを評価値毎に判定し、判定の結果に応じて、当該紙幣の正損を識別する。同様に、入金機300は、紙幣を繰出す際に当該紙幣が偽券であるか否か(真偽)を識別する。
入金機300は、識別の強度(以下、単に「識別強度」と記載する)を可変に設定できる。具体的には、入金機300は、識別強度「弱」「中」「強」の何れかを設定できる。以上の識別値は、識別強度に応じて可変に設定される。例えば、識別強度が「強」に設定された場合、他の識別強度(中、弱)が設定された場合と比較して、紙幣の正損が高精度に識別される識別値が設定される。すなわち、識別強度が「強」に設定された場合、わずかな汚れでも損券として識別され易くなる。また、識別強度が「中」に設定された場合、識別強度が「弱」に設定された場合と比較して、紙幣の正損が高精度に識別される識別値が設定される。同様に、識別強度が高いほど、紙幣の真偽が高精度に識別される。
入金機300は、紙幣の識別結果に応じた集積部Pに当該紙幣を振分ける。図9に示す通り、入金機300により振分られた各紙幣により紙幣束Byが作成される。なお、入金機300における紙幣の識別方法および識別強度の変更方法は適宜に変更できる。また、識別強度の種類は3種類に限られない。
受入機400は、受入れた紙幣を計数する。また、受入機400は、紙幣を受入れる際に当該紙幣を識別し、記番号、金種、方向、正損、真偽を含む各種の情報を取得する(入金機300と同様)。ただし、受入機400の種類に応じて、紙幣の識別の精度(強度)は相違する。上述した通り、受入機400が受入れた各紙幣は、紙幣束Bxとして取出され、入金機300により識別される。
受入機400は、紙幣束Bxの各紙幣から取得した各情報を用いて、紙幣情報Daを生成する(後述の図11(a)参照)。また、受入機400は、紙幣情報Daを紙幣管理サーバ100へ送信する。以上の紙幣情報Daには、受入機400の種類を示す機種情報Dtが含まれる。詳細には後述するが、紙幣管理サーバ100は、紙幣情報Daを用いて設定情報Dsを生成する(図16(a)参照)。設定情報Dsは、入金機300における適切な識別強度を示す強度情報を含む。
整理機200は、入金機300により作成された紙幣束Byの各紙幣を整理する。具体的には、整理機200は、操作パネルQ1、載置部R1および4個の集積部P(1~4)を具備する。載置部R1には紙幣束Byが載置される。操作パネルQ1が適宜に操作されると、予め定められた整理パターンに従って、載置部R1の各紙幣が集積部Pに順次に振分けられる。
整理パターンは、「金種揃え」「方向揃え」および「表裏揃え」を含む。作業者は、操作パネルQ1を操作することにより何れかの整理パターンを設定できる。また、整理機200は、紙幣が損券であるか否かを識別可能であり、損券と損券ではない紙幣(正券)とを別々の集積部Pに振分可能である。入金機300は、整理機200と同様に、各整理パターンの何れかで紙幣束Bxの各紙幣を整理する(振分ける)。
第2実施形態では、「金種揃え」が設定された場合、紙幣束B(x、y)の各紙幣のうち、金種が共通の各紙幣は共通の集積部Pに振分けられる。また、「方向揃え」が設定された場合、紙幣束Bの各紙幣のうち、長手方向の特定の端部の向きが共通の各紙幣は共通の集積部Pに振分けられる。なお、説明のため、紙幣束Bにおいて長手方向の特定の端部が所定方向の紙幣を「上向きの紙幣」と記載し、所定方向逆向きの紙幣を「下向きの紙幣」と記載する場合がある。「表裏揃え」が設定された場合、紙幣束Bの各紙幣のうち、表面の向きが共通の各紙幣は共通の集積部Pに振分けられる。なお、説明のため、紙幣束Bにおいて表面が特定方向を向く紙幣を「表向きの紙幣」と記載し、特定方向とは逆を向く紙幣を「裏向きの紙幣」と記載する場合がある。
ただし、整理パターンは以上の例に限定されない。例えば、「金種揃え、且つ、表裏揃え」という整理パターンを設けてもよい。以上の整理パターンでは、金種が共通の各紙幣は共通の集積部Pに振分けられるが、金種が共通の各紙幣のうち表向きの紙幣と裏向きの紙幣とが別々の集積部Pに振分けられる。同様に、「金種揃え、且つ、方向揃え」という整理パターンや「表裏揃え、且つ、方向揃え」という整理パターンを設けてもよい。
紙幣管理サーバ100は、受入機400から受信した紙幣情報Daを用いて、上述の強度情報(設定情報Ds)を決定する。強度情報は、入金機300の適切な識別強度を示す情報であり、紙幣管理サーバ100から入金機300へ送信される。紙幣管理サーバ100から受信した強度情報が示す識別強度が、入金機300において設定される。以上の構成によれば、識別強度が適切に設定され易くなるという利点がある。以下、第2実施形態の識別強度の設定方法について詳細に説明する。
図10は、第2実施形態の紙幣処理システム1の機能ブロック図である。図10に示す通り、紙幣処理システム1は、紙幣管理装置10、紙幣識別装置30および紙幣受入装置40を含んで構成される。例えば、上述の紙幣管理サーバ100、入金機300および受入機400の各々のCPUがプログラムを実行することにより各機能が実現される。具体的には、上述の紙幣管理サーバ100が紙幣管理装置10として機能する。また、入金機300が紙幣識別装置30として機能し、受入機400が紙幣受入装置40として機能する。
紙幣管理装置10は、送信部11、決定部12および記憶部13を含んで構成される。図10に示す通り、記憶部13は、紙幣情報DB(DataBase)、強度決定テーブルおよび設定情報DBを含む。紙幣情報DBは、紙幣情報Da(後述の図11(a)参照)を記憶する。紙幣情報Daは、紙幣受入装置40により生成され、紙幣管理装置10へ送信され記憶される。図10に示す通り、紙幣情報Daには、束IDおよび機種情報Dtが含まれる。機種情報Dtは、紙幣受入装置40の種類を示し、例えば、当該紙幣受入装置40に予め記憶される。また、束IDは、紙幣束Bx毎に付与され、当該紙幣束Bxを特定する情報である。
決定部12は、紙幣情報Daに含まれる機種情報Dtを用いて強度情報を決定する。強度情報は、紙幣識別装置30に設定する識別強度を示す情報である。具体的には、決定部12は、機種情報Dtおよび上述の強度決定テーブルを用いて強度情報を決定する。強度決定テーブルは、紙幣受入装置40の種類と強度情報とを対応させる(後述の図12(a)参照)。決定部12は、機種情報Dtが示す紙幣受入装置40の種類に対応する強度情報を強度決定テーブルから検索し決定する。
詳細には後述するが、強度決定テーブルは、紙幣識別装置30に設定可能な紙幣の振分パターン毎に設けられる。以上の振分パターンとしては、例えば、紙幣の正損が識別され、識別結果に応じて当該紙幣が振分けられる集積部Pが決定される振分パターン(後述の図11(b-1)参照)が設けられる。また、紙幣の正損が識別されず、紙幣の計数のみが可能な振分パターン(後述の図11(b-2)参照)が設けられる。決定部12は、当該振分パターン毎に強度情報を決定する。すなわち、紙幣管理装置10の決定部12は、振分パターンと機種情報Dtとに基づいて強度情報を決定するとも換言される。紙幣管理装置10は、決定した強度情報と束IDとを含む設定情報Dsを生成し、設定情報DBに記憶する。
紙幣管理装置10の送信部11は、設定情報Ds(束ID、強度情報を含む)を紙幣識別装置30へ送信する。具体的には、図10に示す通り、紙幣識別装置30から束IDが紙幣管理装置10へ送信される。紙幣識別装置30において紙幣束Bxの各紙幣の識別(計数)を実行する際に、作業者により束IDが紙幣識別装置30に入力される。
束IDが紙幣識別装置30に入力されると、当該束IDが紙幣管理装置10へ送信される。上述した通り、紙幣管理装置10(記憶部13)の設定情報DBに記憶される設定情報Dsには、紙幣束Bxの束IDが含まれる。送信部11は、紙幣識別装置30から受信した束IDを含む設定情報Dsを設定情報DBから検索し、当該設定情報Dsを送信(返信)する。
なお、第2実施形態では、紙幣識別装置30の操作部を適宜に操作することにより、束ID(文字列)が直接入力される。ただし、束IDを紙幣識別装置30に入力するための構成は適宜に変更できる。例えば、束IDに応じた一次元コードまたは二次元コードを印刷し、紙葉束Bx(紙葉束Bxを収納する金庫)に貼付ける。また、紙幣識別装置30の作業者が当該一次元コードまたは当該二次元コードを読取装置で読取ると、束IDが自動で入力される構成としてもよい。
紙幣識別装置30は、紙幣束Bxの各紙幣を各集積部P(a、b)へ順次に繰出し可能である。また、図10に示す通り、紙幣識別装置30は、受信部31、表示部32、選択部33、制御部34、振分設定部35、強度設定部36、振分実行部37および識別部38を含んで構成される。
振分設定部35は、集積部P(a、b)のうちの何れかを特定集積部(例えば、正券が振分けられる集積部)に設定する。すなわち、振分設定部35は、上述の振分パターンを設定する手段であるとも換言される。また、振分実行部37は、各紙幣のうち特定紙幣(例えば、正券)を特定集積部に振分ける。すなわち、振分実行部37は、複数種類の振分パターン(後述の図11(b-1)(b-2)参照)の何れかで各紙幣を振分ける。
受信部31は、紙幣管理装置10から設定情報Ds(強度情報)を受信する。上述した通り、紙幣束Bxの束IDを紙幣管理装置10へ送信すると、当該束IDに応じた設定情報Dsが紙幣識別装置30において受信される。強度設定部36は、受信した設定情報Ds(強度情報)を用いて識別強度を設定する。また、識別部38は、設定された識別強度で紙幣を識別する。
具体的には、紙幣管理装置10から受信した設定情報Dsは、振分パターンと該振分パターンに対応する強度情報とを含む(後述の図12(b)参照)。選択部33は、受信した振分パターンを選択可能にする。例えば、選択部33は、後述の選択画面(図13(a)参照)を表示部32に表示することにより、複数種類の振分パターンの何れかを選択可能にする。また、強度設定部36は、振分パターンが選択されると、当該振分パターンに対応する強度情報に応じた識別強度を自動で設定する。
なお、詳細には図13(a)および図13(b)を用いて後述するが、第2実施形態の表示部32は、第1モードで強度情報を表示せず第2モードで強度情報を表示する。また、制御部34は、強度情報の受信後、紙幣の識別が開始されるまでの期間において、第1モードに維持可能である。
図11(a)は、紙幣情報Daの具体例の概念図である。紙幣情報Daは、紙幣受入装置40により生成される。具体的には、紙幣束Bxにおける1枚の紙幣に対応する1個の紙幣情報Daが当該紙幣から生成される。したがって、仮にN枚の紙幣が紙幣束Bxに含まれる場合、N個の紙幣情報Daが生成され、紙幣管理装置10に送信される。なお、後述の第3実施形態で詳細に説明するが、紙幣受入装置40と同様に、紙幣識別装置30は紙幣情報Daを生成する。
図11(a)に示す通り、第2実施形態の紙幣情報Daは、ヘッダー情報Daxおよび紙幣毎情報Dayを含んで構成される。ヘッダー情報Daxは、情報Dax1、情報Dax2および機種情報Dtを含んで構成される。紙幣情報Da(ヘッダー情報Dax)の情報Dax1は、当該紙幣情報Daに対応する紙幣が含まれる紙幣束Bxの束IDを示す。また、情報Dax2は、当該紙幣束Bxに含まれる紙幣の総数を示す。
ヘッダー情報Daxの束ID(情報Dax1)は、紙幣受入装置40が各紙幣を計数した際に当該紙幣受入装置40により決定される。また、紙幣受入装置40は、計数結果を紙幣情報Daの情報Dax2として決定する。なお、上述した通り1枚の紙幣に対して1個の紙幣情報Daが生成されるが、紙幣情報Daのうちヘッダー情報Daxは、同じ紙幣束Bxに含まれる各紙幣で共通になる。
ヘッダー情報Daxの機種情報Dtは、当該紙幣情報Daを作成した装置の種類を特定する。例えば、紙幣受入装置40により生成された紙幣情報Daの機種情報Dtは、当該紙幣受入装置40の機種(図9に示す400aであるか400bであるか)を特定する。機種情報Dtは、紙幣管理装置10が強度情報(設定情報Ds)を決定する際に用いられる。
紙幣情報Daの紙幣毎情報Dayは、情報Day1から情報Day3を含んで構成される。情報Day1は、紙幣情報Daに対応する紙幣の記番号である。また、情報Day2は、当該紙幣の金種である。情報Day3は、当該紙幣の方向である。以上の各情報は、紙幣受入装置40が紙幣を識別することにより取得される。
紙幣管理装置10は、紙幣情報Daを用いて、紙幣識別装置30において設定可能な振分パターンを判断する。例えば、紙幣束Bxに含まれる各紙幣の金種が紙幣情報Daから把握される。紙幣管理装置10は、紙幣束Bxに含まれる各紙幣の金種を紙幣情報Daから把握し、紙幣識別装置30の各集積部Pに振分可能な金種を特定し、設定可能な振分パターンを判断する。
図11(b-1)および図11(b-2)は、紙幣識別装置30において設定可能な振分パターンの具体例である。なお、以上の具体例では、金種Xの紙幣のみが紙幣束Bxに含まれる場合を想定する。図11(b-1)に示す振分パターンは、紙幣束Bxの各紙幣のうち、金種Xの正券が集積部Paに振分られ、金種Xの損券が集積部Pbに振分られる振分パターンである。以上の振分パターンでは、各紙幣の金種および正損の双方が識別される。
図11(b-2)に示す振分パターンは、紙幣の計数のみを目的とする場合に選択される振分パターンである。具体的には、図11(b-2)に示す振分パターンは、紙幣束Bxの各紙幣のうち、金種Xの紙幣が集積部Paに振分られ、金種Xが集積部Pbに振分られる振分パターンである。以上の振分パターンでは、各紙幣の正損は識別されない。
上述した通り、紙幣管理装置10では、紙幣識別装置30における振分パターン毎に識別強度(強度情報)が決定される。例えば、各紙幣の正損が識別される振分パターン(例えば、図11(b-1)の振分パターン)の識別強度は、正損が識別されない振分パターン(例えば、図11(b-2)の振分パターン)の識別強度より高く決定され易い。ただし、後述する通り、振分パターンが共通な場合であっても、紙幣受入装置40の種類に応じて、紙幣管理装置10が決定する識別強度は可変である。
図12(a)(b)(c-1)(c-2)は、設定情報Dsを決定するための構成を説明するための図である。図12(a)は、強度決定テーブルの概念図である。上述した通り、強度決定テーブルは、設定情報Dsの強度情報を決定する際に用いられる。第2実施形態では、強度決定テーブルが振分パターン毎に設けられ、振分パターン毎に強度情報が決定される。図12(a)には、特定の振分パターンの強度情報を決定するための1個の強度決定テーブルが抜粋して示される。
強度決定テーブルは、機種情報Dtが示す装置と強度情報とを対応させる。上述した通り、第2実施形態の識別強度は「弱」「中」「強」の3種類を含む。例えば、機種情報Dtが「ATM(X社製)」を示す場合、図12(a)に示す通り、紙幣管理装置10は識別強度「強」を示す強度情報を決定する。一方、機種情報Dtが「ATM」を示す場合であっても、機種情報Dtが「ATM(Y社製)」を示す場合、紙幣管理装置10は識別強度「中」を示す強度情報を決定する。すなわち、紙幣受入装置40が「ATM(Y社製)」の場合より、「ATM(X社製)」の場合は高い識別強度を示す強度情報が決定される。
以上の場合としては、例えば、「ATM(Y社製)」の識別の性能が「ATM(X社製)」の識別の性能より高い場合が想定される。仮に、機種情報Dtが「ATM(X社製)」を示す場合と「ATM(Y社製)」を示す場合との双方で、識別強度「中」が決定される対比例を想定する。以上の対比例では、仮に紙幣受入装置40が「ATM(X社製)」の場合、紙幣束Bxの各紙幣が識別強度「強」に相当する識別強度で一度も識別されない。したがって、例えば損券が識別されない不都合が生じ易くなる。
また、仮に、機種情報Dtが「ATM(X社製)」を示す場合と「ATM(Y社製)」を示す場合との双方で、識別強度「強」が決定される対比例を想定する。以上の対比例では、仮に紙幣受入装置40が「ATM(Y社製)」の場合、紙幣束Bxの各紙幣が識別強度「強」に相当する識別強度で二度も識別される。したがって、紙幣を識別するための処理負担が過大になる不都合が生じ易くなる。第2実施形態の紙幣管理装置10は、紙幣受入装置40の種類に応じて適切な識別強度を決定するため、以上の不都合が抑制される。
図12(b)は、設定情報Dsの概念図である。図12(b)に示す通り、設定情報Dsは、情報Ds1(束ID)、情報Ds2(振分パターン)および情報Ds3(強度情報)を含んで構成される。情報Ds1は、紙幣受入装置40が作成した紙幣束Bxの束IDを示す。以上の束IDは、紙幣受入装置40から受信した紙幣情報Da(図11(a)参照)により特定される。
情報Ds2は、紙幣識別装置30に設定可能な振分パターンを示す。紙幣管理装置10は、紙幣受入装置40から受信した紙幣情報Daを用いて、紙幣識別装置30に設定可能な振分パターンを特定する。紙幣管理装置10は、特定した各振分パターンを含む複数の設定情報Dsを生成する(後述の図12(c-1)(c-2)参照)。情報Ds3は、情報Ds2が示す振分パターンが設定された際の識別強度を示す強度情報である。以上の強度情報は、上述の強度決定テーブルを用いて決定される。
図12(c-1)は、設定情報Dsの具体例を説明するための図である。図12(c-1)の具体例は、束IDが「aaa」の紙幣束Bxの設定情報Dsを想定する。また、紙幣束Bxに金種Xの紙幣のみが含まれる場合を想定する。以上の場合、上述の図11(b-1)および図11(b-2)およびで説明した各振分パターンが紙幣識別装置30で設定可能である。紙幣管理装置10は、当該振分パターン毎に強度情報を決定する。
具体的には、紙幣識別装置30の集積部Paに金種Xの正券が振分けられ、集積部Pbに金種Xの損券が振分けられる振分パターン(以下、単に「振分パターンA」)の強度情報、および、集積部Paに金種Xの紙幣が振分けられ、集積部Pbに金種Xの紙幣が振分けられる振分パターン(以下、単に「振分パターンB」)の強度情報が決定される。上述した通り、振分パターンAでは各紙幣の正損が識別され、振分パターンBでは各紙幣の正損が識別されない。
また、図12(c-1)の具体例は、「ATM(Y社製)」を示す機種情報Dtが紙幣管理装置10で受信された場合を想定する。すなわち、「ATM(Y社製)」の紙幣受入装置40から紙幣束Bxが取出された場合を想定する。上述した通り、紙幣管理装置10は、強度決定テーブルを参照して、各振分パターンの強度情報を決定し、当該振分パターンと当該強度情報とを含む設定情報Dsを生成する。図12(c-1)の具体例では、振分パターンAの強度情報として識別強度「強」が決定され、振分パターンBの強度情報として識別強度「中」が決定される。したがって、識別強度「強」を示す強度情報と振分パターンAとを含む設定情報Ds、および、識別強度「中」を示す強度情報と振分パターンBとを含む設定情報Dsが生成される。
図12(c-2)は、設定情報Dsの他の具体例を説明するための図である。図12(c-2)の具体例は、束IDが「bbb」の紙幣束Bxの設定情報Dsを想定する。また、紙幣束Bxに金種Xの紙幣のみが含まれる場合を想定する。以上の場合、上述の図12(c-1)の具体例と同様に、振分パターンAおよび振分パターンBを含む各振分パターンの強度情報が決定される。
ただし、上述の図12(c-1)の具体例と図12(c-2)の具体例とでは、紙幣束Bxが取出された紙幣受入装置40が相違する。具体的には、図12(c-1)の具体例では「ATM(Y社製)」で紙幣束Bxが作成された場合を想定するのに対し、図12(c-2)の具体例では「整理機(自社製)」で紙幣束Bxが作成された場合を想定する。以上の各場合では、紙幣束Bxが共通であっても、設定情報Dsの強度情報(Ds3)が相違し得る。
例えば、図12(c-1)および図12(c-2)に示す通り、振分パターンAの強度情報は、紙幣受入装置40が「ATM(Y社製)」の場合は識別強度「強」であるが、紙幣受入装置40が「整理機(自社製)」の場合は識別強度「弱」である。また、振分パターンBの強度情報は、紙幣受入装置40が「ATM(Y社製)」の場合は識別強度「中」であるが、紙幣受入装置40が「整理機(自社製)」の場合は識別強度「弱」である。
設定情報Dsは、紙幣管理装置10から紙幣識別装置30へ送信される。具体的には、紙幣識別装置30において紙幣束Bxの束IDが入力されると、当該束IDを含む各設定情報Dsが紙幣管理装置10から送信される。紙幣識別装置30は、設定情報Dsを受信すると、後述の選択画面を表示し、当該設定情報Dsから特定される振分パターンを選択可能にする。
図13(a)は、選択画面の模擬図である。表示部32は、設定情報Dsが受信されると選択画面を自動で表示する。選択画面は、紙幣束Bxの振分パターンを選択可能にする。具体的には、選択画面は、図13(a)に示す通り、選択ボタン画像Gw(1、2)、ID表示画像Gxおよび実行ボタン画像Gyを表示する。また、図13(a)に示す通り、振分パターンを選択すべき旨のメッセージが選択画面に表示される。ID表示画像Gxは、紙幣識別装置30に入力された紙幣束Bxの束IDを表示する。
選択ボタン画像Gwは、紙幣識別装置30に設定可能な各振分パターンの何れかに対応する。紙幣束Bxの各紙幣を複数種類の振分パターンで振分可能な場合、選択ボタン画像Gwが複数個表示される。図13(a)の具体例では、図12(c-1)および図12(c-2)で説明した振分パターンAを含む設定情報Ds、および同じく図12(c-1)および図12(c-2)で説明した振分パターンBを含む設定情報Dsが紙幣識別装置30で受信された場合を想定する。以上の場合、振分パターンAに対応する選択ボタン画像Gw1および振分パターンBに対応する選択ボタン画像Gw2が選択画面に表示される。
また、第2実施形態では、設定情報Dsに含まれる振分パターン以外を紙幣識別装置30に設定できる場合がある。例えば、図13(a)の具体例では、設定情報Dsに含まれる各振分パターン(A、B)に加え、振分パターンXから振分パターンZが設定可能な場合を想定する。以上の場合、振分パターンXから振分パターンZに対応する各選択ボタン画像Gwが表示される。なお、仮に紙幣識別装置30に束IDを入力しても紙幣管理装置10から設定情報Dsが受信されなかった場合(紙幣管理装置10で設定情報Dsが生成できなかった場合)、設定情報Dsに含まれない振分パターンに対応する選択ボタン画像Gwのみが選択画面に表示される。
表示部32は、設定情報Dsに含まれる振分パターンに対応する選択ボタン画像Gwと、設定情報Dsに含まれない振分パターンに対応する選択ボタン画像Gwとを区別可能に表示する。例えば、設定情報Dsに含まれる振分パターンに対応する選択ボタン画像Gwを利用者からみて左側に表示し、設定情報Dsに含まれない振分パターンに対応する選択ボタン画像Gwを右側に表示する。ただし、選択ボタン画像Gwを表示する位置は以上の例に限定されない。例えば、選択ボタン画像Gwを上下に一列に配列して表示する場合、設定情報Dsに含まれる振分パターンに対応する選択ボタン画像Gwを他の選択ボタン画像Gwより上側に表示する構成としてもよい。また、設定情報Dsに含まれる振分パターンに対応する選択ボタン画像Gwであるか否かが区別できない構成としてもよい。
選択ボタン画像Gwは、予め定められた選択操作が受付けられると、選択状態に切替わる。例えば、表示部32の選択ボタン画像Gwをタッチ操作すると当該選択ボタン画像Gwが選択状態に切替わる。複数個の選択ボタン画像Gwが表示される場合、何れか1個の選択ボタン画像Gwを選択状態に切替可能である。図13(a)の具体例では、振分パターンAに対応する選択ボタン画像Gw1が選択状態の場合を想定する。
実行ボタン画像Gyは、紙幣束Bxの識別を開始可能にする。具体的には、実行ボタン画像Gyがタッチ操作されると、選択状態に切替えられた選択ボタン画像Gwに対応する振分パターンが設定される。その後、紙幣識別装置30(載置部R2)に載置された紙幣束Bxの各紙幣が、設定された振分パターンで各集積部P(a、b)に振分けられる。
また、第2実施形態では、振分パターンが設定(選択)されると、紙幣識別装置30において識別強度が自動で設定される。具体的には、実行ボタン画像Gyが操作されると、紙幣管理装置10から受信した設定情報Dsを参照し、設定される振分パターン(情報Ds2)に対応する強度情報(情報Ds3)を特定する。なお、設定情報Dsに含まれない振分パターン(例えば、振分パターンX~Z)が設定された場合、当該振分パターンの種類によらず、予め設定されている識別強度が自動で設定される。ただし、設定情報Dsに含まれない振分パターンが設定された場合、識別強度を選択可能にする画面が表示され、識別強度が手動で選択される構成としてもよい。紙幣識別装置30は、特定した強度情報が示す識別強度を自動で設定する。紙幣識別装置30は、各紙幣を振分ける際に、設定した識別強度で当該紙幣を識別する。
以上の構成によれば、識別強度を設定するための操作を省略できるとともに、紙幣管理装置10が決定した適切な識別強度が紙幣識別装置30において設定される。したがって、作業者の負担が軽減されるという利点がある。また、適切な識別強度が紙幣管理装置10側で決定されるため、例えば紙幣識別装置30側で適切な識別強度を決定する構成と比較して、紙幣識別装置30の処理負担が軽減されるという利点がある。
図13(a)から理解される通り、振分パターンの設定時に自動で設定される識別強度は、選択画面に表示されない。具体的には、紙幣識別装置30は、識別強度が表示されない第1モードと識別強度が表示される第2モードとに移行できる。紙幣識別装置30は、原則、第1モードで維持され、選択画面が表示されるモードは第1モードである。具体的には、設定情報Dsを受信してから紙幣の識別が実行されるまでの期間(選択画面が表示される期間を含む)において、紙幣識別装置30は第1モードになる。したがって、作業者は、識別強度を意識することなく作業できる。第1モードにおいて、予め定められた切替操作を実行することを条件に、紙幣識別装置30は第2モードへ移行可能になる。
図13(b)は、変更画面の模擬図である。変更画面は、第1モードから第2モードへ移行すると表示される。具体的には、紙幣識別装置30は、設定情報Dsを受信した後の期間において、切替操作が実行されると、変更画面を表示部32に表示する。例えば、紙幣識別装置30の予め定められた操作部(例えば、専用のスイッチ)が操作(切替操作の一例)されると、紙幣識別装置30は第2モードへ移行する。
第2実施形態の紙幣識別装置30は、変更画面が適宜にタッチ操作されると、識別強度を変更する。具体的には、変更画面はID表示画像Gxを表示する(選択画面と同様)。また、変更画面は、決定ボタン画像Gvおよび変更ボタン画像Gzを表示する。変更ボタン画像Gzは、紙幣識別装置30に設定可能な振分パターン(設定情報Dsに含まれる振分パターン)毎に表示される。図13(b)の具体例は、上述の図13(a)に示す選択画面が表示される期間において、切替操作により変更画面が表示された場合を想定する。すなわち、設定情報Ds(Ds2)に振分パターンAおよび振分パターンBが含まれる場合を想定する。以上の図13(b)の具体例では、振分パターンAに対応する変更ボタン画像Gzと振分パターンBに対応する変更ボタン画像Gzとが表示される。
図13(b)に示す通り、変更ボタン画像Gzは、識別強度「強」に対応する領域と識別強度「中」に対応する領域と識別強度「弱」に対応する領域とを含む。変更画面が表示された直後では、変更ボタン画像Gzの各領域うち、設定情報Ds(強度情報)から特定される識別強度に対応する領域が選択状態になる。すなわち、変更画面が表示された直後では、紙幣管理装置10側で決定した識別強度に対応する領域が選択状態になる。図13(b)の具体例では、振分パターンAに対応する変更ボタン画像Gzの識別強度「中」に対応する領域が選択状態の場合を想定する。また、振分パターンBに対応する変更ボタン画像Gzの識別強度「強」に対応する領域が選択状態の場合を想定する。
変更ボタン画像Gzの各領域の何れかをタッチ操作すると、タッチ操作した領域が選択状態に切替わり他の領域が非選択状態になる。また、変更ボタン画像Gzの領域を選択状態にして、その後、決定ボタン画像Gvがタッチ操作されると、紙幣束Bxの各紙幣を識別する際の識別強度が、当該領域に対応する識別強度に切替わる。例えば、図13(b)の具体例において、決定ボタン画像Gvがタッチ操作された場合を想定する。以上の場合、振分パターンAが設定される際の識別強度が「強」に設定(変更)され、振分パターンBが設定される際の識別強度が「中」に設定される。
決定ボタン画像Gvがタッチ操作されると、変更画面に替えて選択画面が表示される。なお、第2実施形態では、切替操作が実行された場合にのみ、第2モードへ移行したが、他の契機で第2モードへ移行する構成としてもよい。また、第2モードへ移行する際に、パスワードが要求され、正確なパスワードが入力されたことを条件に第2モードへ移行可能な構成としてもよい。また、変更画面により識別強度が変更された場合、変更履歴が記憶される構成としてもよい。
図14は、紙幣処理システム1の動作の具体例を説明するためのシーケンス図である。図14に示す通り、紙幣が投入されると(Sx1)、紙幣受入装置40は受入処理(Sx1)を実行可能になる。受入処理では、各紙幣が紙幣受入装置40に受入れられる(取込まれる)。紙幣受入装置40は、受入れた各紙幣を紙幣束Bxとして格納する。また、紙幣受入装置40は、紙幣を受入れる毎に、当該紙幣の記番号、金種および方向(表裏、上下)を識別し、受入れた紙幣の合計枚数を加算する。
受入処理を実行した後に、紙幣受入装置40は、紙幣情報Daを生成する(Sx3)。具体的には、紙幣受入装置40は、紙幣束Bxに含まれる紙幣の合計枚数、当該紙幣束Bxの束ID、および、当該紙幣受入装置40を示す機種情報Dtを含むヘッダー情報Daxを生成する。また、紙幣束Bxに含まれる紙幣の各々について、当該紙幣の記番号、金種および方向を示す紙幣毎情報Dayを生成し、当該紙幣毎情報Dayとヘッダー情報Daxとの組合せを紙幣情報Daとして記憶する(上述の図11(a)参照)。
紙幣情報Daを生成すると、紙幣受入装置40は、当該紙幣情報Daを自動で紙幣管理装置10へ送信する(Sx4)。具体的には、紙幣受入装置40は、紙幣束Bxが取出された旨を検知可能に構成される。紙幣束Bxが取出された旨を検知すると、紙幣受入装置40は、紙幣情報Daを紙幣管理装置10へ送信する。ただし、紙幣受入装置40が紙幣情報Daを送信する契機は以上の例に限定されない。
紙幣管理装置10は、紙幣受入装置40からの紙幣情報Daを受信すると、当該紙幣情報Daを記憶する(Sx5)。また、紙幣管理装置10は、設定情報生成処理(Sx6)を実行する。設定情報生成処理では、紙幣情報Daから設定情報Dsが生成される。具体的には、設定情報生成処理では、紙幣情報Daから紙幣識別装置30に設定可能な振分パターンが特定される。また、当該紙幣情報Daの機種情報Dtと強度決定テーブル(図12(a)参照)とを用いて、特定した振分パターンの各々について強度情報が決定される。また、当該紙幣情報Daから束IDが特定される。設定情報生成処理では、以上の束IDと振分パターンと強度情報とを含む設定情報Dsが生成される。
紙幣管理装置10は、設定情報生成処理で生成した設定情報Dsを設定情報DBに記憶する(Sx7)。なお、第2実施形態では、紙幣受入装置40から紙幣情報Daを受信すると紙幣管理装置10が設定情報Dsを自動で生成する構成を採用した。しかし、以上の構成に替えて、例えば、紙幣識別装置30からの要求が受付けられた契機で、設定情報Dsが初めて生成される構成を採用してもよい。
図14に示す通り、紙幣受入装置40から取出された紙幣束Bxは、紙幣識別装置30に投入される(Sy1)。紙幣束Bxの束IDが紙幣識別装置30に入力されると(Sy2)、当該束IDが紙幣管理装置10へ送信される(Sy3)。紙幣管理装置10は、紙幣識別装置30から束IDを受信すると、送信時処理(Sy4)を実行する。送信時処理では、紙幣識別装置30へ送信すべき設定情報Dsが決定され、当該設定情報Dsが紙幣識別装置30へ送信される(Sy5)。具体的には、送信時処理では、紙幣識別装置30から受信した束IDを含む各設定情報Dsが送信される。
紙幣識別装置30は、設定情報Dsを受信すると、選択画面(上述の図13(a)参照)を表示部32に表示する。作業者は、選択画面が表示された状態で、表示部32を適宜に操作することにより、振分パターンの何れかを設定できる。また、振分パターンが設定された後に、紙幣処理装置20に対して開始操作がされると(Sy7)、繰出処理(Sy8)が実行される。
繰出処理では、ステップSy6で設定された振分パターンで紙幣束Bxの各紙幣が各集積部Pに振分けられる。また、繰出処理では、各紙幣が識別される。具体的には、ステップSy6で設定された振分パターンに対応する識別強度が自動的に設定され、当該識別強度で各紙幣が識別される。紙幣識別装置30は、繰出処理における識別結果に基づいて、紙幣情報Daを生成する(Sy9)。繰出処理では、紙幣束Byが作成される。
紙幣識別装置30は、ステップSy9で生成した紙幣情報Daを紙幣管理装置10へ送信する(Sy10)。紙幣管理装置10は、紙幣識別装置30から紙幣情報Daを受信すると当該紙幣情報Daを保存する(Sy11)。紙幣管理装置10は、紙幣識別装置30から受信した紙幣情報Daを用いて、紙幣処理装置20(整理機200)における適切な振分パターンを決定する。以上の構成については、第3実施形態において詳細に説明する。
<第3実施形態>
第3実施形態の紙幣処理システム1は、上述の第1実施形態および第2実施形態と同様に、紙幣管理サーバ100、整理機200、入金機300および複数の受入機400を含んで構成される。
なお、上述の第2実施形態では、受入機400(紙幣受入装置40)からの機種情報に応じて、入金機300(紙幣識別装置30)における識別強度を紙幣管理サーバ100(紙幣管理装置10)が決定した。第3実施形態においても、以上の構成を採用してもよい。さらに、第3実施形態において、受入機400の種類を示す機種情報を紙幣管理サーバ100へ送信する構成としてもよい。以上の構成では、紙幣管理サーバ100は、機種情報が示す受入機400の種類に応じて、整理機200に設定する識別強度を振分パターン毎に決定する。また、紙幣管理サーバ100により決定された識別強度が整理機200へ通知される。
第3実施形態の整理機200は、バッチ枚数bの紙幣が何れか1個の集積部Pに集積されると、紙幣の振分動作を停止させる。本実施形態のバッチ枚数bは数値「100」である(b=100)。例えば、「表裏揃え」で紙幣束Bの各紙幣を振分ける場合を想定する。また、表向きの紙幣が集積部P1に振分けられ、裏向きの紙幣が集積部P2に振分けられる場合を想定する。以上の場合、集積部P1の紙幣が100枚に達すると、集積部P2の紙幣が100枚未満であったとしても、振分動作が一旦停止される。作業員は、集積部P1から100枚の紙幣束を取出し、その後、整理機200に対して所定の操作をすることにより振分動作を再開させることができる。
以下、説明のため、集積部Pにバッチ枚数bが集積され、振分動作が一旦停止することを「バッチ停止」が発生すると記載する場合がある。また、バッチ停止が発生してから振分動作が再開するまでに要する時間を「バッチ停止時間」と記載する場合がある。バッチ停止時間には、例えば、バッチ枚数bの紙幣束を集積部Pから取出す時間、および、振分動作を再開させるための操作を実行する時間が含まれる。第3実施形態のバッチ停止時間の平均は約7秒である。さらに、振分動作が開始されてから、紙幣束Bの紙幣の全てが振分けられるまでの時間を「振分時間」と記載する場合がある。以上の振分時間は、バッチ停止が発生する回数が多い程に長くなる。
第3実施形態の整理機200および入金機300では、整理パターンが共通の各場合において、振分けられる紙幣の種類(金種、上下、表裏)を集積部P毎に可変に設定できる。以上の構成では、特定の種類の紙幣(特定紙幣)が振分けられる集積部Pの個数が可変になる。例えば、整理パターンが「表裏揃え」の場合、表向きの紙幣が1個の集積部Pに振分けられる設定にできる。また、以上の設定に替えて、表向きの紙幣が2個の集積部Pに振分けられる設定にできる。
仮に、表向きの紙幣が1個の集積部Pに振分けられる場合、上述した通り、100枚の表向きの紙幣が振分けられる毎にバッチ停止が発生する。一方、例えば集積部P1および集積部P2の2個の集積部Pに表向きの紙幣が振分けられる場合、集積部P1の紙幣が100枚に達した時点ではバッチ停止は発生しない。具体的には、集積部P1の紙幣が100枚に達した後に、集積部P2へ表向きの紙幣が振分けられる。その後、集積部P2の紙幣が100枚に達した時点でバッチ停止が発生する。すなわち、特定の種類の紙幣が2個の集積部Pに振分けられる場合、当該紙幣が200枚振分けられる毎にバッチ停止が発生し得る。ただし、集積部P1に100枚の紙幣が集積された後の期間において、集積部P2の紙幣が100枚に到達する前に集積部P1の紙幣束が取出された場合、集積部P2の紙幣が100枚に到達した時点でバッチ停止は発生しない。以上の場合、集積部P2の紙幣が100枚に到達した後に、集積部P1に紙幣が集積される。
以上の説明から理解される通り、各種類の紙幣を振分けるパターン(以下「振分パターン」)により、バッチ停止が発生する回数が相違し得る。以上の構成は、振分パターンにより振分時間が変化するとも換言される。以上の事情から、振分時間が最短となる様に振分パターンが設定される構成が好適である。具体的には、バッチ停止の発生回数が少ないほど振分時間が短くなる。したがって、例えば、紙幣束Bに含まれる紙幣のうち、バッチ枚数bより多い紙幣については2個以上の集積部Pに振分けられる振分パターンが好適である。
しかし、作業者によっては、紙幣束Bに含まれる各種類の紙幣の枚数が把握(予想)できない場合がある。以上の場合、適切な振分パターンが設定できないという不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、本実施形態では、当該不都合が抑制される構成が採用される。具体的には、紙幣管理サーバ100から整理機200へ推奨情報Dbが送信される。推奨情報Dbは、適切な振分パターンが特定される情報である。作業者は、推奨情報Dbにより特定される振分パターンを参照することにより、適切な振分パターンが設定できる。以上の構成の詳細については後述する。
紙幣管理サーバ100は、入金機300から受信した紙幣情報Daを用いて、上述の推奨情報Dbを生成する。具体的には、紙幣管理サーバ100は、マスタ情報Dm(後述の図16(b)参照)を記憶する。マスタ情報Dmは、整理機200の能力を特定可能な情報である。例えば、マスタ情報Dmは、整理機200が1枚の紙幣を振分けるのに要する時間(以下「処理速度s」)を含んで構成される。詳細には後述するが、第3実施形態では、紙幣情報Daおよびマスタ情報Dmを用いて、振分パターン毎に振分時間が予想(算出)される。以上の予想結果に基づいて、振分時間が短い(適切な)振分パターンが推奨情報Dbにより整理機200へ通知される。
図15は、第3実施形態の紙幣処理システム1の機能ブロック図である。図15に示す通り、紙幣処理システム1は、紙幣管理装置10、紙幣処理装置20および紙幣識別装置30を含んで構成される。例えば、上述の紙幣管理サーバ100、整理機200および入金機300の各々のCPUがプログラムを実行することにより各機能が実現される。具体的には、上述の紙幣管理サーバ100が紙幣管理装置10として機能する。また、整理機200が紙幣処理装置20として機能し、入金機300が紙幣識別装置30として機能する。
第3実施形態の紙幣識別装置30は、第2実施形態の紙幣識別装置30の各機能を具備する。また、図15に示す通り、紙幣識別装置30は、計数部310、識別部320および送信部330を含む。計数部310は、複数の紙幣を順次に繰出しながら計数する。また、計数部310により繰出された各紙幣が集積されて紙幣束Byが作成される(第2実施形態と同様。図9参照)。
識別部320は、紙幣が繰出される際に、当該紙幣が特定紙幣であるか否か(紙幣の種類)を識別する(第2実施形態の識別部38に対応)。具体的には、識別部320は、繰出される各紙幣について、当該紙幣が何れの金種(X、Y、Z…)の紙幣であるかを識別する。また、識別部320は、当該紙幣が表向きの紙幣であるか裏向きの紙幣であるかを識別するとともに、上向きの紙幣であるか下向きの紙幣であるかを識別する。
紙幣識別装置30は、識別部320が実行した識別の結果から紙幣情報Daを生成する。詳細には後述するが、紙幣情報Daからは、紙幣束Byに含まれる各金種の枚数が特定される。また、表向きの紙幣の枚数、裏向きの紙幣の枚数、上向きの紙幣の枚数および下向きの紙幣の枚数が紙幣情報Daから特定される(図16(a-2)参照)。以上の紙幣情報Daには、紙幣束Byが特定される束IDが含まれる。送信部330は、紙幣情報Daを紙幣管理装置10へ送信する。
第3実施形態の紙幣管理装置10は、第2実施形態の紙幣管理装置10の各機能を具備する。また、紙幣管理装置10は、記憶部110、決定部120および通知部130を具備する。図15に示す通り、記憶部110は、推奨情報DB(DataBase)、紙幣情報DBおよびマスタ情報DBを含んで構成される。紙幣情報DBは紙幣識別装置30から受信した紙幣情報Daを記憶し、マスタ情報DBは上述のマスタ情報Dmを記憶する。また、推奨情報DBは、推奨情報Dbを記憶する。
決定部120は、推奨情報Dbを生成する。具体的には、決定部120は、紙幣情報Daから特定される特定紙幣の枚数(例えば、金種Xの紙幣の枚数)に基づいて、当該特定紙幣が集積される特定集積部(金種Xが振分けられる集積部Pの種類(個数))を決定する。すなわち、特定紙幣の枚数に基づいて、振分パターンが決定される。以上の構成については詳細に後述する。決定部120が決定した特定集積部(振分パターン)が特定される推奨情報Dbが生成され、推奨情報DBに記憶される。
通知部130は、推奨情報Dbを紙幣処理装置20へ通知する。具体的には、紙幣束Byが紙幣処理装置20により整理される場合、当該紙幣処理装置20に当該紙幣束Byの束IDが入力される。また、紙幣処理装置20に入力された束IDは、紙幣管理装置10へ送信される。紙幣管理装置10(通知部130)は、紙幣処理装置20から束IDが入力されると、当該束IDに応じた推奨情報Dbを推奨情報DBから検索し紙幣処理装置20へ通知する。
紙幣処理装置20は、振分設定部210、振分実行部220、振分停止部230、操作パネル部240および上述の集積部P1~4を含む。振分設定部210は、集積部Pのうちの何れかを特定集積部(特定紙幣が振分けられる集積部P)に設定する。具体的には、上述した通り第3実施形態では、紙幣管理装置10から推奨情報Dbが通知される。また、推奨情報Dbからは振分パターンが特定される。紙幣処理装置20の操作パネル部240が適宜に操作されると、振分設定部210は、紙幣管理装置10から通知された振分パターンを設定する。ただし、推奨情報Dbにより通知された振分パターンに加え、作業者が独自に判断した振分パターンを設定可能な構成としてもよい。
振分実行部220は、紙幣束の各紙幣のうち特定紙幣を特定集積部に振分ける。具体的には、振分実行部220は、振分設定部210が設定した振分パターンに応じて、紙幣束Byの各紙幣を各集積部Pに振分ける。振分停止部230は、何れか1個の集積部Pに予め定められた枚数(バッチ枚数)の紙幣が集積されると、紙幣の振分動作を停止させる。すなわち、振分停止部230は上述のバッチ停止を発生させる。
図16(a-1)および図16(a-2)は、紙幣識別装置30から送信される紙幣情報Daの詳細を説明するための図である。図16(a-1)は、紙幣情報Daの具体例の概念図である。第3実施形態では、他の実施形態と同様に、1枚の紙幣に対応する1個の紙幣情報Daが当該紙幣から生成される。したがって、仮にN枚の紙幣が紙幣束Byに含まれる場合、N個の紙幣情報Daが生成され、紙幣管理装置10に送信される。
図16(a-1)に示す通り、第3実施形態の紙幣情報Daは、ヘッダー情報Daxおよび紙幣毎情報Dayを含んで構成される。ヘッダー情報Daxは、情報Dax1および情報Dax2を含んで構成される。紙幣情報Da(ヘッダー情報Dax)の情報Dax1は、当該紙幣情報Daに対応する紙幣が含まれる紙幣束Byの束IDを示す。また、情報Dax2は、当該紙幣束Byに含まれる紙幣の総数を示す。
ヘッダー情報Daxの束ID(情報Dax1)は、紙幣識別装置30が各紙幣を計数した際に決定される。また、紙幣識別装置30は、計数結果を情報Dax2として紙幣情報Daを生成する。なお、上述した通り1枚の紙幣に対して1個の紙幣情報Daが生成されるが、紙幣情報Daのうちヘッダー情報Daxは、同じ紙幣束Byに含まれる各紙幣で共通になる。紙幣識別装置30が生成する紙幣情報Daに、当該紙幣識別装置30の種類を示す機種情報Dtを含めてもよい。
紙幣毎情報Dayは、情報Day1から情報Day3を含んで構成される。情報Day1は、紙幣情報Daに対応する紙幣の記番号である。また、情報Day2は、当該紙幣の金種である。情報Day3は、当該紙幣の方向である。上述した通り、以上の各情報は、紙幣識別装置30(識別部320)により紙幣から取得される。なお、第3実施形態では、説明のため、表向き且つ上向きの紙幣を「方向fuの紙幣」と記載する場合がある。同様に、表向き且つ下向きの紙幣を「方向fdの紙幣」、裏向き且つ上向きの紙幣を「方向buの紙幣」、裏向き且つ下向きの紙幣を「方向bdの紙幣」と記載する場合がある。情報Day3は、以上の4種類の各紙幣の方向(fu、fd、bu、bd)を示す。
図16(a-2)は、紙幣束Byの各紙幣の各紙幣情報Daの具体例を説明するための図である。図16(a-2)には、紙幣束Byの各紙幣の一部(6枚)が抜粋して示される。また、以上の各紙幣から生成された紙幣情報Da(1~6)の概念図が示される。図16(a-2)の具体例では、N枚の紙幣が含まれる紙幣束Byを想定する。また、束IDが「aaa」の紙幣束Byを想定する。以上の具体例では、各紙幣情報Daのヘッダー情報Daxの情報Dax1(束ID)は「aaa」となり、情報Dax2(枚数)は「N」になる。
例えば、図16(a-2)に示す通り、方向fu(表向き且つ上向き)で記番号が「123…」の金種Xの紙幣からは、ヘッダー情報Daxが「aaa」(情報Dax1)、「N」(情報Dax2)であり、紙幣毎情報Dayが「123…」(情報Day1)、「X」(情報Day2)、「fu」(情報Day3)の紙幣情報Da1が生成される。なお、紙幣情報Daは、以上の例に限定されない。例えば、紙幣束Byにおける順番(紙幣識別装置30により繰出された順番)を示す情報が紙幣情報Daに含まれる構成としてもよい。また、紙幣情報Daから情報Day1(記番号)が省略される構成としてもよい。
以上の各紙幣情報Daは、紙幣管理装置10へ送信される。紙幣管理装置10は、各紙幣情報Daから金種別枚数(n、n、n…)、表裏別枚数(n、n)および上下別枚数(n、n)を特定する。金種別枚数は、金種別枚数n、金種別枚数n、金種別枚数n…を含む。金種別枚数nは、紙幣束Byに含まれる金種Xの紙幣の枚数を示す。同様に、金種別枚数n、金種別枚数n…の各々は、紙幣束Byに含まれる金種Yの紙幣の枚数、金種Zの紙幣の枚数…を示す。
以上の金種別枚数は、各紙幣情報Daの情報Day2(金種)を参照して特定される。具体的には、紙幣管理装置10は、情報Dax1(束ID)が共通の各紙幣情報Daのうち、情報Day2が「X」の紙幣情報Daの個数を計数し、計数結果を金種別枚数nとして特定する。同様に、例えば、紙幣管理装置10は、束IDが共通の各紙幣情報Daのうち、情報Day2が「Y」の紙幣情報Daの個数を金種別枚数nとして特定し、情報Day2が「Z」の紙幣情報Daの個数を金種別枚数nとして特定する。
表裏別枚数は、表裏別枚数nおよび表裏別枚数nを含む。表裏別枚数nは、紙幣束Byに含まれる表向きの紙幣(方向fuの紙幣および方向fdの紙幣)の枚数を示す。同様に、表裏別枚数nは、紙幣束Byに含まれる裏向きの紙幣(方向buの紙幣および方向bdの紙幣)の枚数を示す。表裏別枚数は、各紙幣情報Daの情報Day3(方向)を参照して生成される。具体的には、束IDが共通の各紙幣情報Daのうち、情報Day3が「fu」または「fd」の紙幣情報Daの個数を表裏別枚数nとして特定する。同様に、束IDが共通の各紙幣情報Daのうち、情報Day3が「bu」または「bd」の紙幣情報Daの個数を表裏別枚数nとして特定する。
上下別枚数は、上下別枚数nおよび上下別枚数nを含む。上下別枚数nは、紙幣束Byに含まれる上向きの紙幣(方向fuの紙幣および方向buの紙幣)の枚数を示す。同様に、上下別枚数nは、紙幣束Byに含まれる下向きの紙幣(方向fdの紙幣および方向bdの紙幣)の枚数を示す。上下別枚数は、表裏別枚数と同様に、各紙幣情報Daの情報Day3(方向)を参照して生成される。具体的には、束IDが共通の各紙幣情報Daのうち、情報Day3が「fu」または「bu」の紙幣情報Daの個数を上下別枚数nとして特定する。同様に、束IDが共通の各紙幣情報Daのうち、情報Day3が「fd」または「bd」の紙幣情報Daの個数を上下別枚数nとして特定する。
詳細には後述するが、紙幣管理装置10は、金種別枚数、表示別枚数および上下別枚数を用いて「停止回数m」を算出する。停止回数mは、紙幣処理装置20において紙幣束Byの各紙幣を振分ける過程で発生するバッチ停止の予想回数である。以上の停止回数mは、紙幣束Byの各紙幣を振分けるのに要する振分時間を予想する際に(後述の予想時間Tを算出する際に)用いられる。
図16(b)は、マスタ情報Dmの概念図である。上述した通り、マスタ情報Dmは、紙幣処理装置20の能力を示す情報であり、紙幣管理装置10に予め記憶される。マスタ情報Dmは、例えば、紙幣処理装置20の能力が変化した場合(例えば、紙幣処理装置20自体が変更された場合)に変更される。
第3実施形態のマスタ情報Dmは、図16(b)に示す通り、バッチ枚数b、処理速度sおよび平均停止時間wを含む。処理速度sは、紙幣処理装置20が1秒間に振分可能な紙幣の枚数を示す。バッチ枚数bは、バッチ停止が発生する紙幣の枚数である。すなわち、何れか1個の集積部Pにb枚の紙幣が集積される毎に、振分動作が一旦停止される。平均停止時間wは、バッチ停止が発生してから振分動作が再開するまでに要するバッチ停止時間の平均値(予想値)である。第3実施形態の平均停止時間wは約7秒である。
第3実施形態の紙幣管理装置10は、紙幣情報Daおよびマスタ情報Dmを用いて、紙幣束Byの各紙幣を振分けるのに要する振分時間を予想し、予想結果を「予想時間T」として記憶する。具体的には、以下の数1の式を用いて予想時間Tが算出され、当該予想時間Tと当該紙幣束Byの束IDとが紐づけて記憶される。なお、数1における「N」は、紙幣束Byにおける紙幣の合計枚数を意味し、上述の紙幣情報Da(Dax2)から特定される。また、数1における「s」はマスタ情報Dmの処理速度sを意味し、「w」はマスタ情報Dmの平均停止時間wを意味し、「m」は停止回数mを意味する。停止回数mは、上述した通り、紙幣束Byの各紙幣を振分ける過程で発生するバッチ停止の予想回数である。
[数1]
T=N/s+w×m
以上の数1から理解される通り、予想時間Tは、紙幣束Byに含まれる紙幣の枚数Nが多い程に長くなる。また、予想時間Tは、停止回数mが多い程に長くなる。停止回数mは、特定の種類(金種、表裏、上下)の紙幣を振分ける集積部Pに応じて変化し得る。第3実施形態では、停止回数mが少なくなる特定集積部Pが紙幣管理装置10において決定され、紙幣処理装置20に通知される。具体的には、停止回数mが少なくなる振分パターンが紙幣管理装置10において決定される。以上の構成の詳細については後述する。
図17(a-1)~(a-4)、(b-1)、(b-2)、(c-1)、(c-2)、(d)は、設定パターンの具体例を説明するための図である。設定パターンは上述の振分パターン(各集積部に振分られる具体的な紙幣の種類)に先行して決定される。具体的には、紙幣束Byに含まれる紙幣の種類に応じて、整理パターンと設定パターンとの組合せ毎に振分パターンが決定される。特定の設定パターンの振分パターンについては、後述の図17(e-1)(e-2)(f-1)(f-2)を用いて具体的に説明する。紙幣管理装置10は、決定した振分パターンで各紙幣を振分ける場合の予想時間T(以下、単に「振分パターンの予想時間T」と記載する場合がある)を算出する。
なお、紙幣束Byの各紙幣は、「表向きの紙幣」および「裏向きの紙幣」に区分される。第3実施形態では、説明のため、整理パターンが「表裏揃え」の場合、表向きの紙幣および裏向きの紙幣の何れか一方を「第1紙幣」と記載し、他方を「第2紙幣」と記載する場合がある。また、紙幣束Byの各紙幣は、「上向きの紙幣」および「下向きの紙幣」に区分される。第3実施形態では、整理パターンが「上下揃え」の場合、上向きの紙幣および下向きの紙幣の何れか一方を「第1紙幣」と記載し、他方を「第2紙幣」と記載する場合がある。同様に、整理パターンが「金種揃え」の場合、各金種(X、Y、Z…)の各紙幣を「第1紙幣」「第2紙幣」「第3紙幣」…と記載する場合がある。
以上の第3実施形態では、「第1紙幣」となる各紙幣は整理パターン毎に可変である。同様に、「第2紙幣」となる各紙幣は整理パターン毎に可変である。なお、整理パターンが「金種揃え」の場合のみ「第3紙幣」が紙幣束Byに含まれ得る。図17(a-1)~(a-4)、(b-1)、(b-2)、(c-1)、(c-2)、(d)における各四角形は各集積部P(1~4)に対応する。また、各図の四角形に示される数字は、当該四角形が対応する集積部Pに集積される紙幣の種類(第1紙幣、第2紙幣…)を意味する。
図17(a-1)は、設定パターンA1を説明するための図である。設定パターンA1では、全ての集積部P(1~4)に第1紙幣が振分けられる。以上の設定パターンA1は、紙幣束Byに第1紙幣のみが含まれる場合に設定され得る。例えば、整理パターンが「金種揃え」の場合において、紙幣束Byに1金種のみの紙幣が含まれる場合を想定する。以上の場合、当該金種の紙幣が設定パターンA1における第1紙幣になる。ただし、紙幣束Bに第1紙幣以外(第2紙幣など)が含まれる場合であっても、紙幣処理装置20において、設定パターンA1を設定すること自体は可能である。
図17(e-1)および図17(e-2)は、振分パターンの具体例を説明するための図である。上述した通り、紙幣管理装置10は、紙幣束Byに含まれる紙幣の種類(第1紙幣、第2紙幣…)に応じて、設定パターン毎に振分パターンを決定する。例えば図17(e-1)の具体例は、上向きの紙幣のみが含まれる紙幣束Byxの各紙幣を、整理パターン「上下揃え」で振分ける場合を想定する。以上の場合、設定パターンA1の振分パターンとして、第1紙幣が「上向きの紙幣」である振分パターンが決定される。すなわち、全ての集積部Pに上向きの紙幣が振分けられる振分パターンが決定される。
一方、図17(e-2)の具体例は、下向きの紙幣のみが含まれる紙幣束Byyの各紙幣を、整理パターン「上下揃え」で振分ける場合を想定する。以上の場合、設定パターンA1の振分パターンとして、第1紙幣が「下向きの紙幣」である振分パターンが決定される。すなわち、全ての集積部Pに下向きの紙幣が振分けられる振分パターンが決定される。以上の説明から理解される通り、設定パターンが共通であっても、紙幣束Byに含まれる紙幣の種類に応じて、決定され得る振分パターンの種類が変化する。
図17(a-2)は、設定パターンA2を説明するための図である。設定パターンA2では、集積部P1および集積部P2に第1紙幣が振分けられ、集積部P3および集積部P4に第2紙幣が振分けられる。以上の設定パターンA2は、紙幣束Byに2種類(第1紙幣、第2紙幣)以下の紙幣が含まれる場合に設定され得る。例えば、整理パターンが「上下揃え」の場合において、紙幣束Byに上向きの紙幣および下向きの紙幣の双方が含まれる場合を想定する。以上の場合、「上向きの紙幣」が「第1紙幣」、「下向きの紙幣」が「第2紙幣」である振分パターンが決定され、当該振分パターンの予想時間Tが算出される。ただし、紙幣束Bに第1紙幣のみが含まれる場合、および、紙幣束Bに3種類以上の紙幣が含まれる場合であっても、紙幣処理装置20において、設定パターンA2を設定すること自体は可能である。
なお、設定パターンA2では「第1紙幣」と「第2紙幣」とで振分られる集積部Pの個数が共通(2個)である。したがって、「上向きの紙幣」が「第1紙幣」であり「下向きの紙幣」が「第2紙幣」である振分パターンと、「下向きの紙幣」が「第1紙幣」であり「上向きの紙幣」が「第2紙幣」である振分パターンとでは、停止回数mが共通になる。すなわち、予想時間Tが共通になる。
第3実施形態では、整理パターンと設定パターンとの組合せ毎に想定される各振分パターンのうち、予想時間Tが必ず同じになる各振分パターンについては、予め定められた1個の振分パターンの予想時間Tが算出され、他の振分パターンの予想時間Tの算出は省略される。例えば、設定パターンA2で想定される各振分パターンのうちの1個の振分パターン(何れの紙幣を第1紙幣、第2紙幣にするか)が、紙幣束Byに含まれる紙幣の種類と整理パターンと設定パターンとの組合せ毎に予め定められている。紙幣管理装置10は、当該振分パターンの予想時間Tを算出する。
具体的には、紙幣束Byに「上向きの紙幣」および「下向きの紙幣」の双方が含まれ、整理パターンが「上下揃え」の場合を想定する。以上の場合、設定パターンA2の振分パターンとして、「上向きの紙幣」が「第1紙幣」であり「下向きの紙幣」が「第2紙幣」である振分パターンと、「下向きの紙幣」が「第1紙幣」であり「上向きの紙幣」が「第2紙幣」である振分パターンとが想定される。しかし、以上の各振分パターンの予想時間Tは共通であるため、前者の振分パターンのみの予想時間Tが算出される。
図17(a-3)は、設定パターンA3を説明するための図である。設定パターンA3では、集積部P1に第1紙幣が振分けられ、集積部P2に第2紙幣が振分けられ、集積部P3に第3紙幣が振分けられ、集積部P4に第4紙幣が振分けられる。以上の設定パターンA3は、紙幣束Byに4種類(第1~第4紙幣)以下の紙幣が含まれる場合に設定され得る。
例えば、整理パターンが「金種揃え」の場合において、紙幣束Byに4種類の金種の紙幣が含まれる場合を想定する。以上の場合、4種類の金種の紙幣の各々が、第1紙幣から第4紙幣である振分パターンが決定される。第3実施形態では、設定パターンA3の1個の振分パターン(何れの紙幣を第1紙幣、第2紙幣…にするか)が、紙幣束Byに含まれる紙幣の種類と整理パターンと設定パターンとの組合せ毎に予め定められている。紙幣管理装置10は、当該振分パターンの予想時間Tを算出する。
図17(a-4)は、設定パターンA3aを説明するための図である。設定パターンA3aは、上述の設定パターンA3と同様に、紙幣束Byに4種類(第1~第4紙幣)以下の紙幣が含まれる場合に設定され得る。ただし、設定パターンA3aは、整理パターンが「金種揃え」の場合のみ設定され得る。また、設定パターンA3aでは、紙幣束Byに含まれる紙幣の種類が共通であっても、各集積部P(1~4)に振分けられる紙幣の種類が可変に設定される。
具体的には、設定パターンA3aでは、紙幣束Byの各紙幣のうち最初に振分けられる金種の紙幣が集積部P1に振分けられる。また、設定パターンA3aでは、紙幣束Byの各紙幣のうち2番目に振分けられる金種の紙幣が集積部P2に振分けられ、3番目に振分けられる金種の紙幣が集積部P3に振分けられ、4番目に振分けられる金種の紙幣が集積部P4に振分けられる。詳細には後述するが、設定パターンA3aで各紙幣を振分けた場合の予想時間Tと、他の設定パターンで各紙幣を振分けた場合の予想時間Tとが同じ場合、当該他の設定パターンより設定パターンA3aのランクが高く決定される。
図17(b-1)は、設定パターンB1を説明するための図である。設定パターンB1では、集積部P1から集積部P3に第1紙幣が振分けられ、集積部P4に第2紙幣が振分けられる。設定パターンB1は、紙幣束Byに2種類の紙幣(例えば、2金種の紙幣)が含まれる場合に設定され得る。
図17(f-1)および図17(f-2)は、振分パターンの他の具体例を説明するための図である。図17(f-1)および図17(f-2)は、共に、整理パターンが「金種揃え」の場合における設定パターンB1の各振分パターンを示す。また、図17(f-1)の振分パターンと図17(f-2)の振分パターンとは、共通の紙幣束Byの各紙幣を振分ける場合の各振分パターンを示す。具体的には、紙幣束Byに金種Xの紙幣および金種Yの紙幣の2種類の紙幣が含まれる場合の各振分パターンを示す。
図17(f-1)は、「第1紙幣」が「金種Xの紙幣」であり「第2紙幣」が「金種Yの紙幣」である設定パターンB1の振分パターンを示す。以上の振分パターンでは、集積部P1から集積部P3に金種Xの紙幣が振分けられ、集積部P4に金種Yの紙幣が振分けられる。一方、図17(f-2)は、「第1紙幣」が「金種Yの紙幣」であり「第2紙幣」が「金種Xの紙幣」である設定パターンB1の振分パターンを示す。以上の振分パターンでは、集積部P1から集積部P3に金種Yの紙幣が集積され、集積部P4に金種Xの紙幣が集積される。
以上の設定パターンB1では、第1紙幣と第2紙幣とで振分けられる集積部Pの個数(3個、1個)が相違する。したがって、紙幣束Byに含まれる2種類の紙幣のうち、何れを第1紙幣に設定するかに応じて(振分パターンに応じて)、停止回数mが相違し得る。すなわち、予想時間Tが相違し得る。以上の事情を考慮して、第3実施形態では、設定パターンB1を設定した場合の予想時間Tを、第1紙幣および第2紙幣を入替えて(振分パターン毎に)2回算出する。例えば、紙幣束Byに金種Xの紙幣および金種Yの紙幣の2種類の紙幣が含まれる場合、図17(f-1)および図17(f-2)に示す2種類の振分パターンの各々について、予想時間Tを算出する。
図17(b-2)は、設定パターンB2を説明するための図である。設定パターンB2では、集積部P1および集積部P2に第1紙幣が振分けられ、集積部P3に第2紙幣が振分けられ、集積部P4に第3紙幣が振分けられる。設定パターンB2は、紙幣束Byに3種類の紙幣(3金種の紙幣)が含まれる場合に設定され得る。以上の設定パターンB2では、第1紙幣と他の紙幣(第2紙幣、第3紙幣)とで振分けられる集積部Pの個数が相違する。したがって、紙幣束Byに含まれる3種類の紙幣のうち、何れを第1紙幣に設定するかに応じて、停止回数mが相違し得る。すなわち、予想時間Tが相違し得る。
以上の事情を考慮して、第3実施形態では、設定パターンB2の各振分パターンのうち予想時間Tが相違する3個の振分パターンの各々の予想時間Tを算出する。すなわち、3個の予想時間Tが算出される。なお、以下において、当該3個の振分パターンのうちの1個を「振分パターンB2-1」と記載し、他の何れか1個を「振分パターンB2-2」と記載し、残りの1個を「振分パターンB2-3」と記載する場合がある(後述の図19(a)において具体例を説明する)。
なお、振分パターンB2-1において、各集積部Pに集積される具体的な紙幣の種類は、紙幣束Byに含まれる紙幣の種類によって可変である。例えば、紙幣束Byに金種X、金種Yおよび金種Zが含まれる場合と、金種W、金種Xおよび金種Yが含まれる場合とで、振分パターンB2-1において各集積部Pに集積される具体的な紙幣の種類は相違する。振分パターンB2-2および振分パターンB2-3においても同様である。また、整理パターンが「表示揃え」または「方向揃え」の場合、紙幣束Byの各紙幣は、最大で第1紙幣と第2紙幣との2種類に区分される。したがって、設定パターンB2は、整理パターンが「金種揃え」の場合のみ設定され得る。第3実施形態では、予想時間Tを算出する3個の振分パターン(B2-1~B2-3)は、紙幣束Byに含まれる紙幣の金種の組合せ毎に予め定められる。
図17(c-1)、(c-2)および図17(d)は、混合束が作成される設定パターン(C1、C2、D)を説明するための図である。図17(c-1)、(c-2)および図17(d)における各四角形のうち文字「M」が記載される四角形は、混合束が作成される集積部Pに対応する。混合束が作成される集積部Pには、複数種類の紙幣(第2紙幣、第3紙幣…)が振分けられる。混合束が作成される設定パターンは、紙幣束Byに3種類以上(第1紙幣、第2紙幣、第3紙幣…)の紙幣が含まれる場合に設定できる。したがって、整理パターンが「金種揃え」の場合にのみ、混合束が作成される設定パターンは設定される。
図17(c-1)は、設定パターンC1を説明するための図である。設定パターンC1では、集積部P1から集積部P3に第1紙幣が振分けられ、集積部P4には第2紙幣および第3紙幣を含む複数種類の紙幣が振分けられる。すなわち、集積部P4には混合束が作成される。以上の設定パターンC1では、紙幣束Byに含まれる複数種類の紙幣(金種)のうち、何れを第1紙幣に設定するかに応じて(振分パターンに応じて)予想時間Tが変化する。
以上の事情を考慮して、第3実施形態の紙幣管理装置10は、設定パターンC1の各振分パターンのうち予想時間Tが相違し得る振分パターンの各々の予想時間Tを算出する。例えば、紙幣束Byにk(kは3以上の整数)金種の紙幣が含まれる場合、予想時間Tが相違し得る設定パターンC1の振分パターンはk通り(=)である。以上の場合、k個の予想時間Tが算出される。なお、以下において、予想時間Tが相違する設定パターンC1の振分パターンの各々を「設定パターンC1-1」「設定パターンC1-2」…と記載する場合がある。
図17(c-2)は、設定パターンC2を説明するための図である。設定パターンC2では、集積部P1に第1紙幣が振分けられ、集積部P2に第2紙幣が振分けられ、集積部P3に第3紙幣が振分けられ、第4紙幣および第5紙幣を含む複数種類の紙幣が集積部P4に振分けられる。すなわち、集積部P4には混合束が作成される。
以上の設定パターンC2では、紙幣束Byに含まれる複数種類の紙幣(金種)のうち、第1紙幣から第3紙幣に設定する紙幣の組合せに応じて予想時間Tが変化する。以上の事情を考慮して、第3実施形態の紙幣管理装置10は、設定パターンC2の各振分パターンのうち予想時間Tが相違し得る振分パターンの各々の予想時間Tを算出する。例えば、紙幣束Byにk(kは5以上の整数)種類の紙幣が含まれる場合、通りの振分パターンの予想時間Tが算出される。
図17(d)は、設定パターンDを説明するための図である。設定パターンDでは、集積部P1および集積部P2に第1紙幣が振分けられ、集積部P2に第2紙幣が振分けられ、集積部P4には第3紙幣および第4紙幣を含む複数種類の紙幣が振分けられる。すなわち、集積部P4には混合束が作成される。
設定パターンDでは、紙幣束Byに含まれる複数種類の紙幣(金種)のうち、何れを第1紙幣および第2紙幣に設定するかに応じて予想時間Tが変化する。以上の事情を考慮して、第3実施形態の紙幣管理装置10は、設定パターンDの各振分パターンのうち予想時間Tが相違する振分パターンの各々の予想時間Tを算出する。例えば、紙幣束Byにk(kは4以上の整数)種類の紙幣が含まれる場合、通りの振分パターンの予想時間Tが算出される。
図18(a)および図18(b)は、予想時間Tを算出する設定パターン(振分パターン)の決定方法の具体例を説明するための図である。紙幣管理装置10は、設定パターンを決定する際に、紙幣束Byに含まれる紙幣の種類数(第1紙幣、第2紙幣…)を判定する。具体的には、紙幣識別装置30から受信した紙幣情報Daを用いて、整理パターン毎に種類数が判定される。
図18(a)に示す通り、例えば整理パターンが「金種揃え」であり、紙幣束Byに1金種のみの紙幣が含まれる場合(第1紙幣のみが含まれる場合)、種類数は1種類と判定される。また、整理パターンが「金種揃え」であり、紙幣束Byに2金種の紙幣が含まれる場合(第1紙幣および第2紙幣が含まれる場合)、種類数は2種類と判定される。同様に、例えば、紙幣束Byに3金種の紙幣が含まれる場合、種類数は3種類と判定され、紙幣束Byに4金種の紙幣が含まれる場合、種類数は4種類と判定される。なお、図18(a)および図18(b)における「k」は、数値「5」以上の整数を意味する。ただし、第3実施形態の紙幣束Byには、最大で6金種の紙幣が含まれる。したがって、種類数の最大値は6種類である。すなわち、図18(a)および図18(b)における「k」は、数値「5」または数値「6」になる。
整理パターンが「表裏揃え」であり、紙幣束Byの紙幣が全て表向き、または、全て裏向きの場合(第1紙幣のみの場合)、種類数は1種類と判定される。一方、整理パターンが「表裏揃え」であり、紙幣束Byに表向きの紙幣および裏向きの紙幣の双方が含まれる場合(第1紙幣および第2紙幣が含まれる場合)、種類数は2種類と判定される。同様に、整理パターンが「上下揃え」であり、紙幣束Byの紙幣が全て上向き、または、全て下向きの場合(第1紙幣のみの場合)、種類数は1種類と判定される。一方、整理パターンが「上下揃え」であり、紙幣束Byに上向きの紙幣および下向きの紙幣の双方が含まれる場合(第1紙幣および第2紙幣が含まれる場合)、種類数は2種類と判定される。
図18(b)は、予想時間Tが算出される設定パターンの具体例を説明するための図である。図18(b)には、紙幣束Byに含まれる紙幣の種類数および設定パターンの組合せ毎に、予想時間Tが算出される振分パターンの個数が示される。ただし、設定パターンA3aの振分パターンは、整理パターンが「金種揃え」の場合のみ予想時間Tが算出される。
上述した通り、第3実施形態では、設定パターンB1の2個の振分パターンの予想時間Tが算出される。また、設定パターンB2では、振分パターンB2-1、振分パターンB2-2および振分パターンB2-3の3個の予想時間Tが算出される。設定パターンC1では(k)個の振分パターンの予想時間Tが算出され、設定パターンC2では個の振分パターンの予想時間Tが算出され、設定パターンD1では個の振分パターンの予想時間Tが算出される。
例えば、紙幣束Byに3金種の紙幣が含まれる場合を想定する。以上の場合、整理パターンが「金種揃え」の場合の種類数は3種類と判定される(図18(a)参照)。また、整理パターンが「金種揃え」の場合の予想時間Tとして、設定パターンA3および設定パターンA3aの各々で1種類の振分パターンの予想時間Tが算出され、設定パターンB2および設定パターンC1の各々で3種類の振分パターンの予想時間Tが算出される(図18(b)参照)。すなわち、8個の予想時間Tが算出される。
また、当該紙幣束Byに上向きの紙幣のみが含まれ下向きの紙幣が含まれない場合を想定する。以上の場合、整理パターンが「上下揃え」の場合の種類数が1種類と判定される。また、整理パターンが「上下揃え」の場合の予想時間Tとして、設定パターンA1~3の各々で1種類の振分パターンの予想時間Tが算出される。すなわち、3個の予想時間Tが算出される。
同様に、当該紙幣束Byに表向きの紙幣および裏向きの紙幣の双方が含まれる場合を想定する(種類数=2)。以上の場合、整理パターンが「表裏揃え」の場合の種類数が2種類と判定される。また、整理パターンが「表裏揃え」の場合の予想時間Tとして、設定パターンA2、3の各々で1種類の振分パターンの予想時間Tが算出され、設定パターンB1で2種類の振分パターンの予想時間Tが算出される。すなわち、4個の予想時間Tが算出される。
図19(a)および図19(b)は、予想時間Tの算出方法の具体例を説明するための図である。図19(a)および図19(b)の具体例では、設定パターンB2の各振分パターン(B2-1、B2-2、B2-3)の各予想時間Tが算出される場合を想定する。上述した通り、設定パターンB2の場合、振分パターンB2-1、振分パターンB2-2および振分パターンB2-3の3個の予想時間Tが算出される。また、図19(a)および図19(b)の具体例では、整理パターンが「金種揃え」であり、紙幣束Byに金種X、金種Yおよび金種Zの3金種の紙幣が含まれる場合を想定する。
図19(a)に示す通り、振分パターンB2-1では、集積部P1および集積部P2に金種Xの紙幣が振分けられ、集積部P3に金種Yの紙幣が振分けられ、集積部P4に金種Zの紙幣が振分けられる。すなわち、振分パターンB2-1では、金種Xの紙幣が2個の集積部Pに集積され、金種Yの紙幣が1個の集積部Pに集積され、金種Zの紙幣が1個の集積部Pに集積される。
以下、説明のため、整理パターンが「金種揃え」の際に、金種Xの紙幣が振分けられる集積部Pの個数を「振分個数a」と記載する場合がある。また、整理パターンが「金種揃え」の際に、金種Yの紙幣が振分けられる集積部Pの個数を「振分個数a」と記載し、金種Zの紙幣が振分けられる集積部Pの個数を「振分個数a」と記載する場合がある。図19(a)の具体例では、振分個数aは2個であり、振分個数aは1個であり、振分個数aは1個である。
図19(a)に示す通り、振分パターンB2-2では、集積部P1および集積部P2に金種Yの紙幣が振分けられ、集積部P3に金種Xの紙幣が振分けられ、集積部P4に金種Zの紙幣が振分けられる。すなわち、振分個数aは1個であり、振分個数aは2個であり、振分個数aは1個である。同様に、振分パターンB2-3では、集積部P1および集積部P2に金種Zの紙幣が振分けられ、集積部P3に金種Xの紙幣が振分けられ、集積部P4に金種Yの紙幣が振分けられる。すなわち、振分個数aは1個であり、振分個数aは1個であり、振分個数aは2個である。
なお、第3実施形態では、整理パターンが「表裏揃え」の際に、表向きの紙幣が振分けられる集積部Pの個数を「振分個数a」と記載する場合がある。また、裏向きの紙幣が振分けられる集積部Pの個数を「振分個数a」と記載する場合がある。同様に、整理パターンが「上下揃え」の際に、上向きの紙幣が振分けられる集積部Pの個数を「振分個数a」と記載し、下向きの紙幣が振分けられる集積部Pの個数を「振分個数a」と記載する場合がある。
図19(b)は、停止回数mの具体例を説明するための図である。停止回数mは、上述の数1(T=N/s+w×m)で説明した通り、予想時間Tを算出する際に用いられる。第3実施形態の紙幣管理装置10は、停止回数mを算出する際に、後述のバッチ発生回数rを算出する。具体的には、整理パターンが「金種揃え」の場合、バッチ発生回数r、バッチ発生回数r、バッチ発生回数r…を算出する。また、整理パターンが「表裏揃え」の場合、バッチ発生回数rおよびバッチ発生回数rを算出する。同様に、整理パターンが「上下揃え」の場合、バッチ発生回数rおよびバッチ発生回数rを算出する。
以上のバッチ発生回数rは、以下の数2の各式から求められる。なお、数2における「n」「n」「n」…は、紙幣束Byに含まれる金種Xの紙幣の枚数である金種別枚数n、金種Yの紙幣の枚数である金種別枚数n、金種Zの紙幣の枚数である金種別枚数n…を意味する(上述の図16(a-2)参照)。また、数2における「n」および「n」は、紙幣束Byに含まれる表向きの紙幣の枚数である表裏別枚数nおよび裏向きの紙幣の枚数である表裏別枚数nを意味する。同様に、数2における「n」および「n」は、紙幣束Byに含まれる上向きの紙幣の枚数である上下別枚数nおよび下向きの紙幣の枚数である上下別枚数nを意味する。また、数2における「b」は、紙幣処理装置20のバッチ枚数bを意味する(上述の図16(b)参照)。
[数2]
=n/b、r=n/b、r=n/b…
=n/b、r=n/b
=n/b、r=n/b
※小数点以下繰上げ
紙幣管理装置10は、以上の数2で求めたバッチ発生回数rを用いて停止回数mを算出する。具体的には、停止回数mは整理パターン毎に以下の数3の各式により算出される。なお、以下説明のため、整理パターンが「金種揃え」の場合の停止回数mを「停止回数m1」と記載する。また、整理パターンが「表裏揃え」の場合の停止回数mを「停止回数m2」と記載する。同様に、整理パターンが「上下揃え」の場合の停止回数mを「停止回数m3」と記載する。
[数3]
m1=m1x+m1y+m1z+…
m2=m2f+m2b
m3=m3u+m3d
また、数3における停止回数m1の各項(m1x、m1y、m1z…)、停止回数m2の各項(m2f、m2b)、および、停止回数m3の各項(m3u、m3d)は、以下の数4の各式から求められる。
[数4]
m1x=r/a、m1y=r/a、m1z=r/a
m2f=r/a、m2b=r/a
m3u=r/a、m3d=r/a
※小数点以下繰上げ
数4における「a」は、整理パターンが「金種揃え」の際に、金種Xの紙幣が振分けられる集積部Pの振分個数aを意味する(上述の図19(a)参照)。同様に、数4における「a」および「a」は、振分個数aおよび振分個数aを意味するまた、数4における「a」は、整理パターンが「表裏揃え」の際に、表向きの紙幣が振分けられる集積部Pの振分個数aを意味する。同様に、数4における「a」は、裏向きの紙幣が振分けられる集積部Pの振分個数aを意味する。さらに、数4における「a」は、整理パターンが「上下揃え」の際に、上向きの紙幣が振分けられる集積部Pの振分個数aを意味する。同様に、数4における「a」は、下向きの紙幣が振分けられる集積部Pの振分個数aを意味する。
図19(b)には、整理パターンが「金種揃え」で設定パターンB2の場合の停止回数m1の具体例が示される。上述した通り、設定パターンB2では、振分パターン(B2-1、B2-2、B2-3)毎に各金種の振分個数a(x、y、z)が変化する。したがって、振分パターン毎に停止回数m1が変化し得る。
図19(b)の具体例では、紙幣束Byに含まれる各金種(X、Y、Z)のうち金種Xの金種別枚数nが最も多い場合を想定する。具体的には、金種別枚数nがバッチ枚数bより大きく、且つ、バッチ枚数bの2倍の数値(2b)より小さい場合を想定する(2b>n>b)。以上の場合、数値「n/b」が数値「1」より大きく数値「2」より小さくなる。
バッチ発生回数rは数値「n/b」の小数点以下を繰上げた数値である(上述の数2参照)。したがって、図19(b)の具体例では、バッチ発生回数rは数値「2」である(r=2)。また、上述の図19(a)に示す通り、振分パターンB2-1では、金種Xの紙幣を振分ける集積部Pの振分個数aは2個である(a=2)。したがって、停止回数m1xは数値「1」になる(m1x=r/a=1)。
図19(b)の具体例では、紙幣束Byに含まれる金種Yの金種別枚数nが0枚より大きくバッチ枚数b以下の場合を想定する(0<n≦b)。すなわち、バッチ発生回数rが数値「1」の場合を想定する(r=1)。上述の図19(a)に示す通り、金種Yの紙幣を振分ける集積部Pの振分個数aは1個である(a=1)。したがって、停止回数m1yは数値「1」になる(m1y=r/a=1)。
また、図19(b)の具体例では、紙幣束Byに含まれる金種Zの金種別枚数nが0枚より大きくバッチ枚数b以下の場合を想定する(0<n≦b)。すなわち、バッチ発生回数rが数値「1」の場合を想定する(r=1)。上述の図19(a)に示す通り、金種Zの紙幣を振分ける集積部Pの振分個数aは1個である(a=1)。したがって、停止回数m1zは数値「1」になる(m1z=r/a=1)。以上の通り、振分パターンB2-1における停止回数m1は3回になる(m1=m1x+m1y+m1z=1+1+1=3)。
一方、上述の図19(a)に示す通り、振分パターンB2-2では、金種Xの紙幣を振分ける集積部Pの振分個数aは1個である(a=1)。したがって、バッチ発生回数rは数値「2」であるから、停止回数m1xは数値「2」になる(m1x=r/a=2)。また、振分パターンB2-2では、金種Yの紙幣を振分ける集積部Pの振分個数aは2個である(a=2)。また、バッチ発生回数rは数値「1」であるから、数値「r/a」は数値「0.5」である。停止回数m1yは、数値「r/a」の小数点以下を繰上げた数値であるから、数値「1」になる(m1y=1)。さらに、振分パターンB2-2では、金種Zの紙幣を振分ける集積部Pの振分個数aは1個であり、停止回数m1zは数値「1」になる(停止回数m1yと同様)。
以上の説明から理解される通り、振分パターンB2-2では、停止回数m1(m1=m1x+m1y+mz1=2+1+1)は数値「4」となり、設定パターンB2-1より多くなる。また、振分パターンB2-3では、振分パターンB2-2と同様に、停止回数m1は数値「4」となり、振分パターンB2-1より多くなる。
以上の通り、図19(b)の具体例では、設定パターンB2の各振分パターンのうち振分パターンB2-1において停止回数m1が最小となる。また、予想時間T(T=N/s+w×m)は、停止回数m1が少ないほど短くなる。すなわち、振分パターンB2-1の予想時間Tが最短となる。以上の構成は、紙幣束Byの各紙幣(図19(b)の例では、金種X、金種Yおよび金種Z)のうち、枚数が多い紙幣(図19(b)の例では、金種Xの紙幣)ほど多くの集積部Pに振分けることにより、予想時間Tが短くなるとも換言される。後述する通り、紙幣管理装置10は、予想時間Tが短い振分パターンほど高いランクを付与する。
図20(a)~(e)は、ランク付処理を説明するための図である。上述した通り、紙幣管理装置10は、紙幣束Byに含まれる紙幣(紙幣情報Da)に応じて予想時間Tを算出する振分パターンを決定する(図20(a)および(b)参照)。また、紙幣管理装置10は決定した振分パターンの各々について予想時間Tを算出する。ランク付処理では、紙幣管理装置10が算出した予想時間Tに基づいて、各振分パターンにランクが付与される。具体的には、予想時間Tが短い振分パターンほど高いランクが付与される。
なお、上述の設定パターンA3(図17(a-3)参照)の振分パターンは、整理パターン毎に1種類である。以下説明のため、当該振分パターンを「振分パターンA3」と記載する場合がある。同様に、設定パターンA3a(図17(a-4)参照)の振分パターンを「振分パターンA3a」と記載する場合がある。
ところで、紙幣管理装置10が算出した予想時間Tが複数の振分パターンで偶然共通になる場合がある。第3実施形態では、予め定められた基準に従って、予想時間Tが共通の各振分パターンについてもランクを可変にした。
例えば、紙幣処理装置20は、本来、複数種類の紙幣が含まれる紙幣束By(混合束)を整理して1種類の紙幣で構成される紙幣束を作成することを目的とする。したがって、紙幣処理装置20により混合束が作成される振分パターン(C、D)は(上述の図17(c-1)(c-2)(d)参照)、混合束が作成されない振分パターン(A、B)よりランクが低くなる構成が好適である。以上の事情を考慮して、第3実施形態では、混合束が作成される振分パターン(C、D)は、他の振分パターンよりランクが低くなる様に、各振分パターンにランクが付与される(後述の図20(e)参照)。
また、第3実施形態のランク付処理では、集積部Pの個数が紙幣の種類毎に均等である振分パターンが、均等ではない振分パターンよりランクが高くなり易くなる(後述の図20(c)参照)。具体的には、振分パターンA(1~3、3a)が他の振分パターン(B、C、D)よりランクが高くなり易い(上述の図17(a-1)等参照)。例えば、振分パターンA3と振分パターンB1とで予想時間Tが同じ場合、振分パターンA3の方がランクが高くなる。以上の構成では、紙幣が集積される各集積部Pが連続し易く(隣合う可能性が高く)なる。
例えば、整理パターンが「表裏揃え」で振分パターンA3(上述の図17(a-3)参照)の場合、上向きの紙幣が集積部P1に振分けられ、下向きの紙幣が集積部P2に振分られる。すなわち、隣合う各集積部Pに紙幣が振分けられる。一方、整理パターンが「表裏揃え」で振分パターンB1(上述の図17(b-1)参照)の場合、上向きの紙幣が集積部P1から集積部P3に振分けられ、下向きの紙幣が集積部P4に振分けられる。
ただし、仮に上向きの紙幣がバッチ枚数b以下の場合、集積部P1のみに上向きの紙幣が集積され、集積部P2および集積部P3には紙幣が集積されない。したがって、集積部P1および集積部P4にのみ紙幣が集積され、紙幣を取出す作業の効率が低下する不都合が生じ得る。第3実施形態の構成によれば、以上の不都合が抑制される。なお、以下説明のため、集積部Pの個数が紙幣の種類毎に均等である振分パターンを単に「均等パターン」と記載する場合がある。同様に、集積部Pの個数が紙幣の種類毎に均等ではない振分パターンを「非均等パターン」と記載する場合がある。
また、第3実施形態のランク付処理では、振分パターンA3aが他の振分パターンよりランクが高くなり易くなる(後述の図20(b)参照)。振分パターンA3aでは、紙幣束Bの各紙幣のうち最初に振分けられる金種の紙幣が集積部P1に振分けられる。また、振分パターンA3aでは、紙幣束Bの各紙幣のうち2番目に振分けられる金種の紙幣が集積部P2に振分けられ、3番目に振分けられる金種の紙幣が集積部P3に振分けられ、4番目に振分けられる金種の紙幣が集積部P4に振分けられる。すなわち、振分パターンA3aでは、各紙幣が振分けられる最中に、各集積部Pに振分ける紙幣の種類が決定される。
図20(a)~(e)は、整理パターンが「金種揃え」の各振分パターンのランクを付与するためのランク付処理を説明するための図である。図20(a)~(e)の具体例では、紙幣束Byにおける紙幣の種類数が3種類(第1紙幣から第3紙幣)の場合を想定する。以上の場合、振分パターンA3a、振分パターンA3、振分パターンB2-1~B2-3および振分パターンC1-1~C1-3の各予想時間Tが算出される。なお、図20(a)~(e)には、混合束が作成されるか否かが振分パターン毎に示される。また、均等パターンであるか否かが振分パターン毎に示される。さらに、予想時間Tを算出した順番である処理番号が振分パターン毎に示される。なお、第3実施形態では、予想時間Tを算出する設定パターンの順序が予め定められている。具体的には、設定パターンA1、A2、A3、A3a、B1、B2、C1、C2、Dの順序で予想時間Tが算出される。
図20(a)は、ランク付処理が開始された直後における各振分パターンのランクを説明するための図である。上述した通り、各振分パターンのランクは、予め定められた基準に従って変更される。図20(a)には、変更される前の各振分パターンのランクが示される。以下、説明のため、変更が終了する以前のランクを「仮ランク」と記載する場合がある。
図20(a)に示す通り、ランク付処理が開始されると、混合束が作成されない各振分パターンに対して、予想時間Tが短い順に、ランクa1、ランクa2…が付与される。図20(a)の具体例では、混合束が作成されない各振分パターンのうち、振分パターンB2-1の予想時間Tが221秒で最も短く、他の振分パターンの予想時間Tは228秒で共通である。したがって、振分パターンB2-1にランクa1が付与され、他の振分パターンにランクa2が付与される。
また、混合束が作成される各振分パターンに対して、予想時間Tが短い順に、ランクb1、ランクb2…が付与される。混合束が作成される各振分パターンの中では、振分パターンC1-1の予想時間Tが228秒で最も短く、他の振分パターンの予想時間Tは232秒で共通である。したがって、振分パターンC1-1にランクb1が付与され、他の振分パターンにランクb2が付与される。
図20(b)は、上述の図20(a)の具体例において、振分パターンA3aのランクを他の振分パターンより高くするための変更が実行された場合を説明するための図である。上述した通り、図20(a)の具体例では、ランク付処理が開始された直後において振分パターンA3aの仮ランクが他の振分パターン(A3、B2-2、B2-3)とランクa2で共通である。以上の場合、図20(b)に示す通り、振分パターンA3aの仮ランクをランクa2で維持しつつ、当該他の振分パターンの仮ランクをランクa3に下げる。なお、ランク付処理が開始された時点において、振分パターンA3aと仮ランクが共通の振分パターンが無い場合、図20(b)で説明した変更は省略される。
図20(c)は、上述の図20(b)の具体例において、均等パターンのランクを非均等パターンのランクより高くするための変更が実行された場合を説明するための図である。上述した通り、図20(b)で説明した変更が実行された時点において、振分パターンA3、振分パターンB2-2および振分パターンB2-3は仮ランクがランクa3で共通である。以上の場合、均等パターンである振分パターンA3の仮ランクをランクa3に維持しつつ、非均等パターンである他の振分パターン(B2-2、B2-3)の仮ランクをランクa4に下げる。なお、上述の図20(b)の変更が実行された時点において、均等パターンと仮ランクが共通の非均等パターンが無い場合、図20(c)で説明した変更は省略される。
以上の図20(b)で説明した変更および図20(c)で説明した変更が終了した場合であっても、互いに仮ランクが共通する各振分パターンが残る場合がある。例えば、上述の図20(c)に示す具体例では、振分パターンB2-2および振分パターンB2-3の仮ランクが共通し、振分パターンC1-2および振分パターンC1-3の仮ランクが共通する。以上の場合、処理番号に応じて、各振分パターンで仮ランクが相違する様に仮ランクが変更される。
図20(d)は、上述の図20(c)の具体例において、処理番号に応じた変更が実行された場合を説明するための図である。第3実施形態では、処理番号が小さいほどランクが高くなる様に仮ランクが変更される。例えば、振分パターンB2-2の処理番号「4」は振分パターンB2-3の処理番号「5」より小さい。以上の場合、振分パターンB2-2の仮ランクをランクa4に維持しつつ、振分パターンB2-3の仮ランクをランクa5に下げる。同様に、振分パターンC1-2の処理番号「7」は振分パターンC1-3の処理番号「8」より小さい。以上の場合、振分パターンC1-2の仮ランクをランクb2に維持しつつ、振分パターンC1-3の仮ランクをランクb3に下げる。
図20(e)は、各振分パターンの最終的なランクの具体例を説明するための図である。図20(e)の具体例は、図20(a)の具体例において、上述の図20(b)~図20(d)で説明した変更が実行された場合を想定する。なお、以上の図20(a)から図20(e)では、整理パターンが「金種揃え」の場合のランク付処理を説明した。詳細な説明は省略するが、第3実施形態の紙幣管理装置10は、整理パターンが「表裏揃え」の場合の各振分パターンについても、「金種揃え」の場合と同様に、各振分パターンにランクを付与する。同様に、整理パターンが「上下揃え」の場合の各振分パターンについても、各振分パターンにランクを付与する。
紙幣管理装置10は、各整理パターンについてランクが高い順に3個の振分パターンを推奨情報Dbにより紙幣処理装置20に通知する。例えば、図20(e)の具体例では、ランク1の振分パターンB2-1、ランク2の振分パターンA3aおよびランク3の振分パターンA3を通知するための推奨情報Dbが紙幣管理装置10により生成され、紙幣処理装置20に通知される。
なお、紙幣管理装置10から紙幣処理装置20へ通知される振分パターン(推奨情報Db)の個数を変更可能な構成が好適である。具体的には、紙幣管理装置10の設定を変更することにより、紙幣処理装置20へ通知される振分パターンの個数が変更される構成が好適である。以上の構成において、紙幣処理装置20の操作部を操作することにより振分パターンの個数を指定可能とし、指定された個数の振分パターンが当該紙幣処理装置20へ通知される構成としてもよい。
図21(a)は、推奨情報Dbの具体例の概念図である。上述した通り、推奨情報Dbは、ランクが高い振分パターンを紙幣処理装置20に通知するための情報である。図20(a)に示す通り、推奨情報Dbは、情報Db1から情報Db6を含んで構成される。ただし、推奨情報Dbは以上の例に限定されない。例えば、推奨情報Dbが7種類以上の情報を含む構成としてもよい。
推奨情報Dbの情報Db1は、予想時間Tを算出した紙幣束Byの束IDを示す。また、情報Db2は、予想時間Tを算出した整理パターンを示す。情報Db3は、予想時間Tを算出した設定パターンを示す。情報Db4は、予想時間Tを算出した振分パターンを示す。情報Db5は、情報Db4が示す振分パターンで紙幣を振分けた場合の予想時間Tを示す。情報Db6は、情報Db4が示す振分パターンのランクを示す。推奨情報Dbの情報Db6(ランク)は、上述のランク付処理により決定される。
図20(b)は、紙幣処理装置20に通知される推奨情報Dbの具体例を説明するための図である。図20(b)の具体例では、束ID「aaa」の紙幣束Byの各紙幣を整理パターン「金種揃え」で振分けられた場合、設定パターンB2のうち集積部P1および集積部P2に金種Xの紙幣が振分けられ、集積部P3に金種Yの紙幣が振分けられ、集積部P4に金種Zの紙幣が振分けられる振分パターン(B2-1の一例)のランクが最も高い場合を想定する。また、以上の振分パターンで各紙幣を振分けた場合の予想時間Tが約221秒であった場合を想定する。
図20(b)から理解される通り、紙幣管理装置10は、整理パターン「金種揃え」の各振分パターンのうちランク1からランク3までの振分パターンの各々が含まれる3個の推奨情報Db、整理パターン「上下揃え」の各振分パターンのうちランク1からランク3までの振分パターンの各々が含まれる3個の推奨情報Db、および、整理パターン「方向揃え」の各振分パターンのうちランク1からランク3までの振分パターンの各々が含まれる3個の推奨情報Dbの合計9個を紙幣処理装置20へ送信する。ただし、紙幣処理装置20に送信される推奨情報Dbの個数は以上の例に限定されない。例えば、整理パターン毎に1個(合計3個)の推奨情報Db(振分パターン)が送信される構成としてもよい。また、整理パターン毎に4個または5個以上の推奨情報Db(振分パターン)が送信される構成としてもよい。
以上の通り、第3実施形態によれば、紙幣情報Daで特定される特定紙幣(例えば、金種Xの紙幣)の枚数に基づいて、特定集積部(金種Xの紙幣が振分けられる集積部P)として設定する集積部を決定する決定部120と、決定部120が決定した集積部Pが特定される設定情報(推奨情報Db)を紙幣処理装置20へ通知する通知部130とを備える。以上の構成によれば、紙幣管理装置10から通知された設定情報に従うことにより、紙幣処理装置20において適切な特定集積部を設定することができる。
図22(a)は、紙幣処理システム1の動作の具体例を説明するためのシーケンス図である。図22(a)に示す通り、紙幣(紙幣束Bx)が投入されると(Sa1)、紙幣識別装置30は繰出処理(Sa1)を実行可能になる。繰出処理では、各紙幣が順次に繰出され紙幣束Byが作成される。また、紙幣識別装置30は、紙幣を繰出す毎に、当該紙幣の記番号、金種および方向(表裏、上下)を識別する。
繰出処理を実行した後に、紙幣識別装置30は、紙幣情報Daを生成する(Sa3)。具体的には、紙幣束Byの束IDを決定するとともに、当該紙幣束Byに含まれる紙幣の合計枚数を示すヘッダー情報Daxを生成する。また、紙幣束Byに含まれる紙幣の各々について、当該紙幣の記番号、金種および方向を示す紙幣毎情報Dayを生成し、当該紙幣毎情報Dayとヘッダー情報Daxとの組合せを紙幣情報Daとして記憶する(上述の図16(a)参照)。繰出処理が完了すると、紙幣情報Daが自動で紙幣管理装置10へ送信される(Sa4)。紙幣管理装置10は、紙幣識別装置30からの紙幣情報Daを受信すると、当該紙幣情報Daを記憶する(Sa5)。
なお、第3実施形態におけるステップSa1は、第2実施形態の図14で示したステップSy1に対応する。また、第3実施形態におけるステップSa2からステップSa5は、第2実施形態の図14で示したステップSy8からステップSy11に対応する。第3実施形態の図22(a)では、図14のステップSy2からステップSy7が省略されるが、実際は、以上の各ステップSを紙幣識別装置30は実行する。
紙幣情報Daを記憶した後に、紙幣管理装置10は、推奨情報生成処理(Sa6)を実行する(後述の図23(a)参照)。推奨情報生成処理では、紙幣情報Daから推奨情報Dbが生成される。紙幣管理装置10は、推奨情報Dbを推奨情報DBに記憶する(Sa7)。なお、第3実施形態では、紙幣情報Daを受信すると紙幣管理装置10が推奨情報Dbを自動で生成する構成を採用した。しかし、以上の構成に替えて、例えば、紙幣処理装置20からの要求が受付けられた契機で、推奨情報Dbが初めて生成される構成を採用してもよい。
図22(a)に示す通り、紙幣識別装置30で作成された紙幣束Byは、紙幣処理装置20に投入される(Sb1)。紙幣束Byの束IDが紙幣処理装置20に入力されると(Sb2)、当該束IDが紙幣管理装置10へ送信される(Sb3)。紙幣管理装置10は、紙幣処理装置20から束IDを受信すると、送信時処理(Sb4)を実行する(後述の図23(b)参照)。
送信時処理では、紙幣処理装置20へ送信すべき推奨情報Dbが決定され、当該推奨情報Dbが紙幣処理装置20へ送信される(Sb5)。紙幣処理装置20は、推奨情報Dbを受信すると、選択画面(後述の図22(b)参照)を操作パネル部240に表示する。作業者は、選択画面が表示された状態で、操作パネル部240を適宜に操作することにより、振分パターンの何れかを設定できる。また、振分パターンが設定された後に、紙幣処理装置20に対して開始操作がされると、当該振分パターンで紙幣束Byの各紙幣が各集積部Pに振分けられる。
図22(b)は、選択画面を表示する操作パネル部240の模擬図である。図22(b)に示す通り、選択画面には複数の選択ボタン画像Ga1~9、ID表示画像Gxおよび実行ボタン画像Gyを含む各種の画像が表示される。ID表示画像Gxには、上述の図22(a)のステップSb2で入力された束IDが表示される。また、選択ボタン画像Gaの各々には、図22(a)のステップSb5で受信した推奨情報Dbから特定される振分パターンが表示される。
具体的には、選択ボタン画像Ga1には、整理パターン「金種揃え」で各紙幣を振分ける場合のランク1の振分パターンが表示される。また、選択ボタン画像Ga2には、整理パターン「金種揃え」で各紙幣を振分ける場合のランク2の振分パターンが表示され、選択ボタン画像Ga3には、ランク3の振分パターンが表示される。同様に、整理パターン「表裏揃え」で各紙幣を振分ける場合のランク1~3の振分パターンが、選択ボタン画像Ga4~6の各々に表示される。また、整理パターン「上下揃え」で各紙幣を振分ける場合のランク1~3の振分パターンが、選択ボタン画像Ga7~9の各々に表示される。
作業者は、操作パネル部240をタッチ操作することにより、選択ボタン画像Gaの何れか1個を選択状態にできる。図22(b)の具体例では、選択ボタン画像Ga1が選択状態である場合を想定する。選択ボタン画像Gaを選択状態にした後に、作業者が実行ボタンByをタッチ操作すると、当該選択ボタン画像Gaに表示される振分パターンで紙幣の振分が開始される。例えば、図22(b)に示す具体例では、実行ボタンByがタッチ操作されると、整理パターンが「金種揃え」の振分パターンB2-1で各紙幣の振分が開始される。
ところで、場合によっては、複数個の紙幣束Byを纏めて紙幣処理装置20に投入し、複数個の紙幣束Byの各紙幣を一度に振分けた方が作業効率が向上する場合がある。以上の事情を考慮して、第3実施形態では、複数個の紙幣束Byの各紙幣を、推奨情報Dbにより通知される振分パターンで、一度に振分け可能な構成を採用した。
具体的には、紙幣処理装置20は、複数個の紙幣束Byを纏めて投入可能であるとともに、複数個の束IDを入力可能に構成される。以上の場合、複数個の束IDがID表示画像Gxに配列して表示される。例えば、図22(b)の具体例では、束IDが「aaa」の紙幣束Byと束IDが「bbb」の紙幣束Byとが纏めて投入された場合を想定する。以上の構成については、図23(b)を用いて詳細に後述する。
図23(a)は、推奨情報生成処理(図22(a)のSa5)のフローチャートである。上述した通り、紙幣管理装置10は、紙幣識別装置30から紙幣情報Daを受信すると、推奨情報生成処理を実行する。ただし、後述の送信時処理(図23(b)参照)においても推奨情報生成処理が実行される場合がある。
図23(a)に示す通り、推奨情報生成処理を開始すると、紙幣管理装置10は、紙幣情報Daを用いて、紙幣束Byに含まれる各金種の枚数である各金種別枚数n(…)を算出する。また、表向きの紙幣の枚数である表裏別枚数nおよび裏向きの紙幣の枚数である表裏別枚数nを算出する。同様に、上向きの紙幣の枚数である上下別枚数nおよび下向きの紙幣の枚数である上下別枚数nを算出する。また、紙幣管理装置10は、紙幣束Byに含まれる紙幣の種類数を紙幣情報Daから特定し(上述の図18(a)参照)、紙幣の種類数に応じて設定パターンを決定する(上述の図18(b)参照)。その後、紙幣管理装置10は、紙幣束Byに含まれる紙幣の種類に応じて振分パターンを決定する(S11)。
紙幣管理装置10は、上述のステップS11で決定した各振分パターンで紙幣を振分けた場合の各予想時間Tを算出する(S12)。具体的には、上述のステップS10で算出した金種別枚数n(…)、表裏別枚数n()または上下別枚数n()とバッチ枚数bとを用いてバッチ発生回数rを算出する(上述の数2参照)。また、紙幣が振分けられる集積部Pの振分個数aとバッチ発生回数rとを用いて停止回数mを算出する(上述の数3および数4参照)。さらに、紙幣束Byの紙幣の合計枚数Nと処理速度sと平均停止時間wと停止回数とを用いて、予想時間Tを算出する(上述の数1参照)。
その後、紙幣管理装置10は、上述のステップS12で算出した各振分パターンの各予想時間Tを用いて、ランク付処理(S13)を実行し、各振分パターンのランクを決定する(上述の図20(a)~(e)参照)。また、紙幣管理装置10は、紙幣情報Daから抽出される束ID、整理パターン、上述のステップS11で決定した設定パターンおよび振分パターン、ステップS12で算出した予想時間T、および、ステップS13で決定したランクから推奨情報Dbを生成して保存し(S14)、推奨情報生成処理を終了する。
図23(b)は、送信時処理(図22(a)のSb4)のフローチャートである。上述した通り、紙幣管理装置10は、紙幣処理装置20から紙幣束Byの束IDを受信すると、送信時処理を実行する。図23(b)に示す通り、紙幣管理装置10は、送信時処理を開始すると、紙幣処理装置20から受信した束IDの個数が複数個であるか否かを判定する(S20)。すなわち、紙幣処理装置20で複数個の紙幣束Byの紙幣が振分けられるのか否かが判定される。
紙幣処理装置20から1個の束IDを受信したと判断した場合(S20:No)、紙幣管理装置10は、ステップS22に処理を進め、紙幣処理装置20に送信する推奨情報Dbを決定する。具体的には、紙幣処理装置20から受信した束IDが1個の場合、当該束IDを含む推奨情報Dbが推奨情報DBから検索され、当該推奨情報Dbを紙幣処理装置20へ送信することが決定される。すなわち、紙幣処理装置20から受信した束IDが1個の場合、紙幣情報Daを受信した際に作成済みの推奨情報Dbが紙幣処理装置20へ送信される。
一方、紙幣処理装置20から複数個の束IDを受信したと判断した場合(S20:Yes)、紙幣管理装置10は、推奨情報生成処理を再度実行する(S21)。以上の推奨情報生成処理では、複数個の紙幣束Byを1個にまとめた紙幣束を新たな紙幣束Byとして、各ステップS(10~14)が実行される。具体的には、送信時処理での推奨情報生成処理では、紙幣処理装置20から受信した束IDの各々について、当該束IDを含む紙幣情報Daが紙幣情報DBから抽出される。また、2個の紙幣束Byの各紙幣の各紙幣情報Daから、当該2個の紙幣束Byの各紙幣の合計枚数を算出し、算出結果を新たな紙幣枚数Nとして記憶する。
同様に、振分パターンの決定に用いる新たな金種別枚数、表裏別枚数および上下別枚数を、各紙幣束Byの各紙幣の各紙幣情報Daを用いて算出する。紙幣管理装置10は、各紙幣束Bの各紙幣の各紙幣情報Daから算出された各情報を用いて、新たな予想時間Tを算出し、ランク付処理により各振分パターンのランクを決定する。また、当該予想時間Tおよびランクを含む推奨情報Dbを新たに生成する。なお、当該推奨情報Dbの束IDは、各紙幣束Byの束ID(2個の束ID)の配列となる。紙幣管理装置10は、紙幣処理装置20に送信する推奨情報Dbとして、ステップS21で生成した新たな推奨情報Dbを決定し、送信時処理を終了する。なお、新たに生成した推奨情報Dbは、推奨情報DBに記憶される。
<変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
(1)上述の各形態では、紙幣処理装置20の集積部Pが4個の具体例を示したが、集積部Pの個数は4個に限定されない。例えば、紙幣処理装置20が8個の集積部Pを具備する構成としてもよし、2、3、5~7または9個以上の集積部Pを具備する構成としてもよい。以上の構成では、紙幣情報Daおよび推奨情報Dbが適宜に変更される。
(2)上述の各形態において、紙幣処理装置20の1個の集積部Pにおいて複数個の紙幣束Bを一度に作成可能な構成としてもよい。具体的には、集積部Pに1個の紙幣束Bが作成されるモード(以下「通常バッチモード」)、および、集積部Pに2個の紙幣束Bが作成されるモード(以下「ダブルバッチモード」)に紙幣処理装置20を移行可能な構成としてもよい。以上の構成では、通常バッチモードではバッチ枚数bの紙幣が振分けられる毎にバッチ停止が発生し、ダブルバッチモードではバッチ枚数bの2倍の紙幣が振分けられる毎にバッチ停止が発生する。紙幣処理装置20の現在のモードを示す情報が例えばマスタ情報Dmに含まれる。紙幣管理装置10は、紙幣処理装置20が通常バッチモードの場合は上述の数2を用いて予想時間Tを算出し、ダブルバッチモードの場合はバッチ枚数bの2倍の数値を数2の「b」に代入して予想時間Tを算出する。
(3)上述の各形態において、紙幣管理装置10が「金種揃え」「方向揃え」および「表裏揃え」の整理パターンについて予想時間Tを算出し、紙幣処理装置20において「金種揃え」「方向揃え」および「表裏揃え」の整理パターンの何れかを設定可能にした。すなわち、紙幣管理装置10が予想時間Tを算出する整理パターンと、紙幣処理装置20において設定可能な整理パターンとを共通とした。しかし、紙幣管理装置10が予想時間Tを算出する整理パターンと、紙幣処理装置20において設定可能な整理パターンとが相違する構成としてもよい。例えば、紙幣処理装置20において、紙幣管理装置10が予想時間Tを算出する整理パターン以外の整理パターンを操作者の判断に応じて設定可能な構成としてもよい。
(4)上述の各形態において、紙幣管理装置10において、複数の紙幣処理装置20へ推奨情報Dbを送信可能な構成としてもよい。以上の構成では、紙幣管理装置10は、複数の紙幣処理装置20に対応する複数のマスタ情報Dmを記憶する。マスタ情報Dmは、当該マスタ情報Dmに対応する紙幣処理装置20の性能を示す。また、紙幣管理装置10は、各マスタ情報Dmを用いて、当該マスタ情報Dmに対応する紙幣処理装置20へ送信する推奨情報Dbを生成する。
(5)上述の各形態において、複数個の紙幣束Bxの各紙幣を紙幣識別装置30において一度に(纏めて)振分可能な構成としてもよい。具体的には、複数個の紙幣束Bxの各束IDを紙幣識別装置30に入力可能にする。紙幣識別装置30に複数個の束IDが入力されると、紙幣識別装置30のID表示画像Gx(図13(a)および図13(b)参照)に当該各束IDが配列して表示される。また、紙幣識別装置30に入力された各束IDは、紙幣管理装置10へ送信される。紙幣管理装置10は、紙幣受入装置40から受信した紙幣情報Daから当該各束IDの何れかが含まれるものを抽出する。すなわち、複数個分の紙幣束Bxの紙幣情報Daが抽出される。また、紙幣管理装置10は、抽出した紙幣情報Daを用いて、纏められた各紙幣束Bxの各紙幣で構成される新たな紙幣束Bxについて、紙幣識別装置30に設定可能な振分パターンを決定する。その後、紙幣管理装置10は、決定した振分パターン毎に強度情報を決定し、新たな紙幣束Bxの設定情報Dsを生成する。
具体的には、纏められる各紙幣束Bxの各設定情報Dsは、当該各紙幣束Bxが紙幣識別装置30に投入される前に予め生成されている。紙幣管理装置10は、以上の各設定情報Dsの各振分パターンの各強度情報のうち、最も高い識別強度を示す強度情報を、新たな紙幣束Bxにおける当該振分パターンの強度情報として決定し、新たな紙幣束Bxの設定情報Dsを生成する。例えば、図12(c-1)に示す具体例で説明した紙幣束Bx(束ID=aaa)と図12(c-2)に示す具体例で説明した紙幣束Bx(束ID=bbb)とが纏められる場合を想定する。また、新たな紙幣束Bxの振分パターンとして、上述の振分パターンAおよび振分パターンBが紙幣識別装置30に設定可能な場合を想定する。さらに、束ID「aaa」の紙幣束Bxの場合、振分パターンAでは識別強度「強」が設定され、振分パターンBでは識別強度「中」が設定される設定情報Dsが予め生成されていた場合を想定する(図12(c-1)と同様)。同様に、束ID「bbb」の紙幣束Bxの場合、振分パターンAでは識別強度「弱」が設定され、振分パターンBでは識別強度「弱」が設定される設定情報Dsが予め生成されていた場合を想定する(図12(c-2)と同様)。以上の場合、新たな紙幣束Bxの振分パターンAの強度情報は識別強度「強」に設定され、新たな紙幣束Bxの振分パターンBの強度情報は識別強度「中」に設定される設定情報Dsが生成される。ただし、新たな紙幣束Bxの強度情報の決定方法は以上の例に限定されない。
(6)上述の各形態において、紙幣情報Da(1~4)を紙幣管理装置10から削除する時期は適宜に変更できる。ただし、紙幣管理装置10の紙幣情報Da(1~4)が原則削除されない構成としてもよい。例えば、現金センターCCから出金された紙幣が、市場を流通した後に、再度現金センターCCに入金された場合を想定する。当該変形例では、現金センターCCにおいて前回生成された当該紙幣の紙幣情報Daは、現金センターCCに当該紙幣が再度入金した時点においても紙幣管理装置10に記憶される。また、前回生成された紙幣情報Daとは別に、紙幣情報Da(1~4)が新たに生成され、双方の紙幣情報Daが紙幣管理装置10に記憶される。
仮に、現金センターCCに紙幣が入金された日時を示す入金日時情報が紙幣情報Da1に含まれ、現金センターCCから紙幣が出金された日時を示す出金日時情報が紙幣情報Da4に含まれる構成を想定する。以上の構成では、現金センターCCから紙幣が前回出金された日時と、現金センターCCに当該紙幣が今回入金された日時とが紙幣情報Da(1、4)から特定される。すなわち、当該紙幣が市場を流通した期間が把握できる。
なお、当該変形例において、現金センターCCから出金したことがある紙幣が再度入金された際に、紙幣管理装置10がその旨を自動で検知し報知可能にする構成が好適である。また、上述の各形態において、現金センターCCにおいて処理中の紙幣の紙幣情報Daと、現金センターCCから出金済みの紙幣の紙幣情報Daとを区別可能に紙幣管理装置10が記憶する構成が好適である。以上の構成では、現金センターCCにおいて処理中の紙幣の記番号が、過去に出金済みの紙幣の紙幣情報Daに含まれる場合、当該紙幣は、現金センターCCに過去に入金されたものであると紙幣処理装置10は判断できる。
また、以上の構成において、紙幣の損傷の度合いを示す損傷情報(例えば、上述の評価値)が紙幣情報Daに含まれる構成を想定する。以上の構成では、現金センターCCへ前回出金された際の紙幣の損傷の度合いと、現金センターCCへ今回入金された際の紙幣の損傷の度合いとの双方が紙幣情報Daから把握される。すなわち、市場における当該紙幣の損傷の度合いの変化が推定できる。また、紙幣が市場に流通した期間と、市場における当該紙幣の損傷(劣化)の度合いの変化との関係性を解析できる。
さらに、以上の構成において、紙幣の版数(旧紙幣であるか新紙幣であるか)を示す版数情報が紙幣情報Daに含まれる構成を想定する。以上の構成では、現金センターCCに搬送される旧紙幣と新紙幣との割合が紙幣情報Daから把握できる。また、紙幣情報Daの入金日時情報と版数情報との組合せから、現金センターCCに搬送される旧紙幣と新紙幣との割合の時間変化が把握できる。以上の構成では、新紙幣の普及率の時間変化が推定できる。
なお、当該変形例を含め、上述の各形態において、紙幣管理装置10が記憶する紙幣情報Daから任意の記番号を検索可能に構成してもよい。また、検索された記番号を含む紙幣情報Daを抜粋して表示可能な構成としてもよい。例えば、コンピュータPcにおいて、紙幣管理装置10が記憶する紙幣情報Daを表示可能にする。また、コンピュータPcの操作部(例えば、キーボード)を操作することにより、任意の記番号を入力可能であり、入力した記番号を含む紙幣情報Daがディスプレイに表示される。例えば、1枚の紙幣(1個の記番号)について、紙幣情報Da1から紙幣情報Da4の組合せが表示される。ただし、以上の構成において、紙幣情報Daの種類毎に記番号を検索可能としてもよい。例えば、特定の記番号を紙幣情報Da1において検索可能とし、紙幣情報Da1に当該記番号が含まれる場合、当該記番号を含む紙幣情報Daを抜粋して表示可能な構成としてもよい。
(7)上述の各形態において、紙幣情報Da(1~4)に紙幣束における紙幣の順番を含めてもよい。また、入力装置50において、予め定められた順番(例えば、1番目)の紙幣の記番号が読取られたことを条件に、当該紙幣が含まれる紙幣束の各紙幣に出金単位IDが付与される構成としてもよい。以上の構成によれば、紙幣束の紙幣の順序が不要に入替えられる事態が抑制される。
(8)上述の各形態において、紛失情報Dxに出金単位IDが含まれる構成としたが、紛失情報Dxは以上の例に限定されない。例えば、共通の紙幣束Bzの各紙幣が原則纏めて搬送される構成を想定する。以上の構成において、紛失情報Dxに紙幣束Bzの束IDを含めてもよい。以上の構成では、紙幣管理装置10は、紛失情報Dxを受信すると、当該紛失情報Dxに含まれる束IDの紙幣束Bzの各紙幣の各記番号を特定する。また、紙幣管理装置10は、特定した各記番号を含む紛失リストLを生成する。
(9)上述の各形態において、本発明の「紙葉」の一例として紙幣を採用した。しかし金券、商品券等の有価証券、カード、その他、紙幣以外の紙葉(シート)にも本発明を適用することができる。
<本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様の紙葉処理システム(紙幣処理システム1)は、紙葉を計数する紙葉処理装置(40、20)と、紙葉処理装置と通信可能な紙葉管理装置(10)とを具備する紙葉処理システム(1)であって、紙葉処理装置は、紙葉を一意に識別する紙葉識別情報(記番号)を当該紙葉から取得する取得部(401、201)と、取得した紙葉識別情報を紙葉管理装置へ送信する送信部(402、202)とを備え、紙葉管理装置は、紙葉識別情報を受信する受信部(101)と、紛失した紙葉の紙葉識別情報を特定する特定部(102)と、特定部が特定した紙葉識別情報を外部装置に通知する通知部(104)とを具備する。本態様によれば、紛失紙幣の記番号が外部装置に通知され、紙幣の盗難が抑制される。
<第2態様>
本態様の紙葉処理システムは、紙葉は、予め定められた出金単位で纏めて搬送され、紙葉管理装置は、紙葉処理装置が計数した各紙葉で構成される紙葉束を識別する束識別情報(束ID)と当該紙葉の紙葉識別情報とを対応させて記憶し(図3(b)および図6(b)参照)、紙葉束を構成する一部の紙葉の紙葉識別情報が入力される入力装置(50)から当該紙葉識別情報を受信し、紙葉束を構成する一部の紙葉の紙葉識別情報を受信すると、当該紙葉束を構成する全ての紙葉の紙葉識別情報に、共通の出金単位を特定する出金単位情報を対応させて記憶する記憶部を備える。本態様によれば、例えば紙葉束を構成する全ての紙葉の紙葉識別情報を入力装置に入力する必要がある構成と比較して、各紙葉に出金単位情報を付与する作業が簡単になる。
<第3態様>
本態様の紙葉処理システムは、紙葉管理装置は、出金単位情報を含む紛失情報を受信し、紛失情報を受信すると、当該紛失情報に含まれる出金単位情報を記憶部から検索し、検索した出金単位情報に対応する紙葉識別情報を特定部が特定する(図7(b)参照)。本態様によれば、例えば紛失紙幣の全ての記番号を別々に紙幣管理装置へ送信する必要がある構成と比較して、紛失紙幣が特定するための処理(作業)が簡単になる。
<第4態様>
本態様の紙葉処理方法は、紙葉を計数する紙葉処理装置と、紙葉処理装置と通信可能な紙葉管理装置とを用いた紙葉処理方法であって、紙葉を一意に識別する紙葉識別情報を当該紙葉から紙葉処理装置が取得するステップ(例えば、図5(a)の整理工程において紙幣処理装置20が紙幣の記番号を取得するステップ)と、取得した紙葉識別情報を紙葉処理装置が紙葉管理装置へ送信するステップ(紙幣処理装置20が紙幣管理装置10へ紙幣情報Da3を送信するステップ)と、紙葉識別情報を紙葉管理装置が受信するステップと、紛失した紙葉の紙葉識別情報を紙葉管理装置が特定するステップ(図8のS102)と、特定した紙葉識別情報を紙葉管理装置が外部装置に通知するステップ(図8のS104)とを具備する。本態様によれば、上述の第1態様と同様な効果が奏せられる。
<第5態様>
本態様のプログラムは、第4態様の算出方法の各ステップをコンピュータに実行させる。本態様によれば、上述の第1態様と同様な効果が奏せられる。
1…紙幣処理システム、10…紙幣管理装置、101…受信部、102…特定部、103…記憶部、104…通知部、20…紙幣処理装置、201…取得部、202…送信部、30…紙幣処理装置(紙幣識別装置)、301…取得部、302…送信部、40…紙幣処理装置(紙幣受入装置)、403…取得部、404…送信部、50…入力装置50、501…読取部、502…送信部、11…送信部、12…決定部、13…記憶部、31…受信部、32…表示部、33…選択部、34…制御部、35…振分設定部、36…強度設定部、37…振分実行部、38…識別部、110…記憶部、120…決定部、130…通知部、210…振分設定部、220…振分実行部、230…振分停止部、240…操作パネル部、310…計数部、320…識別部、330…送信部。

Claims (5)

  1. 紙幣を計数する紙幣処理装置と、
    前記紙幣処理装置と通信可能な紙幣管理装置とを具備する紙幣処理システムであって、
    前記紙幣処理装置は、
    前記紙幣を一意に識別する紙幣識別情報を当該紙幣から取得する取得部と、
    取得した前記紙幣識別情報を前記紙幣管理装置へ送信する送信部とを備え、
    前記紙幣管理装置は、
    前記紙幣識別情報を受信する受信部と、
    紛失した前記紙幣の前記紙幣識別情報を特定する特定部と、
    前記特定部が特定した前記紙幣識別情報を外部装置に通知する通知部とを具備し、
    前記紙幣処理装置は、
    計数した各紙幣を紙幣束として収納する受入機と、
    前記受入機から入金された紙幣束の各紙幣を計数し、計数した各紙幣で新たな紙幣束を作成する入金機とを含み、
    前記紙幣管理装置は、
    前記受入機で各紙幣が計数されると、当該紙幣の前記紙幣識別情報、および、当該紙幣を含む前記受入機の紙幣束を識別する束IDを含む紙幣情報を、前記受入機が計数した紙幣毎に記憶し、
    前記入金機で各紙幣が計数されると、当該紙幣の前記紙幣識別情報、および、当該紙幣を含み前記受入機から前記入金機へ入金された紙幣束を識別する入力束ID、および、前記入金機が作成した当該紙幣を含む紙幣束を識別する出力束IDを含む紙幣情報を、前記入金機が計数した紙幣毎に記憶し、
    前記受入機で各紙幣が計数された際に記憶された前記紙幣情報、および、前記入金機で各紙幣が計数された際に記憶された前記紙幣情報の双方は、複数個の前記紙幣情報から特定の前記紙幣識別情報を含む前記紙幣情報を検索可能に構成される紙幣処理システム。
  2. 前記入力束IDは、複数個の紙幣束が前記入金機へ入金される場合、当該複数個の紙幣束の各前記束IDに基づいて生成され、当該束IDの各々を特定可能である
    請求項1に記載の紙幣処理システム。
  3. 複数個の紙幣束が入金され前記入金機により作成された紙幣束を収納して搬送可能であり、読取部が設けられた通箱と、
    前記読取部から前記出力束IDを読取可能な読取装置とを具備し、
    前記通箱で搬送される紙幣の前記紙幣情報は、前記読取装置により読取られた前記出力束IDを用いて生成される
    請求項2に記載の紙幣処理システム。
  4. 紙幣を計数する紙幣処理装置と、前記紙幣処理装置と通信可能な紙幣管理装置とを用いた紙幣処理方法であって、
    前記紙幣を一意に識別する紙幣識別情報を当該紙幣から前記紙幣処理装置が取得するステップと、
    取得した前記紙幣識別情報を前記紙幣処理装置が前記紙幣管理装置へ送信するステップと、
    前記紙幣識別情報を前記紙幣管理装置が受信するステップと、
    紛失した前記紙幣の前記紙幣識別情報を前記紙幣管理装置が特定するステップと、
    特定した前記紙幣識別情報を前記紙幣管理装置が外部装置に通知するステップとを具備し、
    前記紙幣処理装置は、
    計数された各紙幣が所定紙幣束として搬送される受入機と、
    前記所定紙幣束の各紙幣を計数し、計数した各紙幣が特定紙幣束として搬送される入金機とを含み、
    前記受入機で各紙幣が計数されると、当該紙幣の前記紙幣識別情報、および、当該紙幣を含む前記受入機の紙幣束を識別する束IDを含む紙幣情報を、前記受入機が計数した紙幣毎に前記紙幣管理装置が記憶するステップと、
    前記入金機で各紙幣が計数されると、当該紙幣の前記紙幣識別情報、および、前記受入機から前記入金機へ入金された当該紙幣を含む紙幣束を識別する入力束ID、および、前記入金機が作成した当該紙幣を含む紙幣束を識別する出力束IDを含む紙幣情報を、前記入金機が計数した紙幣毎に前記紙幣管理装置が記憶するステップとをさらに具備し、
    前記紙幣情報は、複数個の前記紙幣情報から特定の前記紙幣識別情報を含む前記紙幣情報を検索可能に構成される紙幣処理方法。
  5. 請求項4に記載の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
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