JP7256312B2 - 筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具 - Google Patents

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Description

本発明は、筆記具用水性インキ組成物に関し、さらに詳細としては、インキ経時安定性と、筆跡の金属光沢性に優れる筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具に関するものである。
従来、金属光沢性を有する水性ボールペンに関しては、アルミニウム粉、真鍮粉などを基材とした金属顔料やガラスを基材としたガラスフレーク顔料や、樹脂を基材とした金属被覆樹脂フィルム粉を用いて、良好な筆跡の金属光沢性を有する水性ボールペンを得ていた。
こうした先行技術として、アルミニウム粉を用いたものとしては、特開平8-151547号公報「水性金属光沢色インキ」、フレーク状ガラスが金属などで被覆された構造からなるガラスフレーク顔料を用いたものとして、特開2001-262014号公報「光輝性水性インキ組成物」、アルミニウムが蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルム粉末にアルミニウムが蒸着された特許第4346000号公報「ボールペン用光輝性水性インキ組成物」が開示されている。
「特開平8-151547号公報」 「特開2001-262014号公報」 「特許第4346000号公報」
しかし、特許文献1のように、アルミニウム粉を用いたものでは、ある程度の筆跡の金属光沢性は得られるが、金属イオンの溶出などでインキ粘度の減粘によって、顔料分散性に影響が出たりして、インキ経時安定性が劣ってしまったり、金属イオンとインキ成分が反応することで生成する析出物によって筆記性能に影響が出やすい。さらに、インキ製造時のミキサーなどによる耐剪断性も弱く、アルミニウム粉表面が傷つくことで、金属イオンがより溶出しやすく、同様に、インキ経時に影響しやすい。また、特許文献2、3のように、ガラスフレーク顔料や金属被覆樹脂フィルム粉のように金属で表面被覆したものでは、金属光沢性は良好となるが、引用文献1と同様にインキ経時安定性が劣りやすく、さらに金属で被覆されているため、金属とボール座の金属抵抗によるボール座の摩耗が促進しやすく、筆記不良が発生しやすい。
さらに、特許文献1~3では、アルミニウム粉などの金属が、水などと反応を起こし、気泡が発生したり、経時的に金属光沢が失われてしまう問題を抱えていた。
さらに、ボールペンで金属顔料を用いる場合、金属顔料とボール座による金属接触抵抗が大きく、ボール座の摩耗がひどく、筆記不良が発生することもあり、特にボール径が0.5mm以下である小径ボールを用いると、同一距離の筆記をする場合にボールの直径が小さいほどボールの回転数が多くなるので、ボール座の摩耗が激しく、筆記不良の原因となり、小径ボールにすると新たな課題も発生する。
本発明の目的は、インキ経時安定性と、金属粉(金属顔料)が腐食することなく、筆跡の金属光沢性に優れる筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、
「1.水、金属粉、アルキルホスホン酸を含んでなる筆記具用水性インキ組成物であることを特徴とする筆記具用水性インキ組成物。
2.記金属粉は、アルキルホスホン酸で表面処理した金属顔料であることを特徴とする第1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
3.インキ組成物全量において、前記金属粉の全質量に対して、前記アルキルホスホン酸の全質量が0.001倍~0.5倍であることを特徴とする第1項または第2項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
4.前記アルキルホスホン酸のアルキル基の炭素数が1~20であることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
5.前記筆記具用水性インキ組成物に、気泡吸収剤を含んでなることを特徴とする第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
6.記筆記具用水性インキ組成物のpH値が6~10であることを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に筆記具用水性インキ組成物。
7.第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物をインキ収容筒に直詰めしたことを特徴とする筆記具。」
とする。
本発明は、筆記具用水性インキ組成物において、金属イオンを溶出するのを抑制することで金属粉の分散性を良好とし、インキ経時安定性に優れ、金属粉(金属顔料)が腐食することなく、筆跡の金属光沢性が良好である効果を奏することができた。
本発明の特徴は、筆記具用水性インキ組成物に、金属粉(金属顔料)とアルキルホスホン酸とイミダゾリン類を併用することである。
本発明では、着色剤として金属顔料を用いるが、金属顔料の金属粉はアルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ブロンズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウムなどの金属粉やそれらを合金とした金属粉を用いる。そして、本発明では、金属粉とアルキルホスホン酸を併用することが重要である。これは、金属粉の分散性を良好とし、インキ経時安定性に優れ、インキ中で気泡発生を抑制し、筆跡の金属光沢性が良好となるためである。
上記効果を詳細に説明すると、金属粉を含んだ金属顔料を用いたインキについては、金属粉を分散させるのに顔料分散剤や、インキ粘度調整するために樹脂などを用いてインキ増粘させるが、その時、インキ中で金属イオンが多数存在すると、金属イオンによる顔料分散の阻害や、インキ粘度の増粘阻害を引き起こし、インキ経時が劣ってしまう。そこで、本発明では、金属粉とアルキルホスホン酸を併用して、金属粉の表面にアルキルホスホン酸が吸着することで、インキ中で金属イオンの溶出を抑制して、金属粉の分散性を良好とし、金属イオンと他のインキ成分と反応することによって発生する金属塩析出物を抑制することで、インキ経時安定性に優れることが可能となる。また、金属粉の表面にアルキルホスホン酸が吸着することで、インキ製造時のミキサーなどによる耐剪断にも強く、金属粉表面が傷つきづらく、金属イオンの溶出をより抑制することができる。また、金属粉の表面にアルキルホスホン酸が吸着することで、インキ中で前記金属粉同士の凝集が、アルキルホスホン酸が介在することで抑制され、顔料分散性が安定する効果も得られる。
また、金属粉の表面にアルキルホスホン酸が吸着した金属粉は、インキ中の水とは反応しづらいため、安定しており、気泡発生を抑制でき、耐腐食性も良好であり、金属光沢性を維持することができる。アルキルホスホン酸によって吸着による被膜によっても、反射性は良好であり、金属光沢性が良好である。
さらに、筆記時には、アルキルホスホン酸によって筆記時の筆記抵抗を低減して、書き味を向上し、特にボールペンに用いる場合では、金属粉がボール座に接触することの金属抵抗によるボール座の摩耗促進の影響が発生しやすいが、本発明のように、アルキルホスホン酸が吸着した被膜によって、金属粉とボール座との金属抵抗を抑制することにより、ボール座の摩耗を抑制することも可能である。
(アルキルホスホン酸)
本発明で用いるアルキルホスホン酸については、アルキル基を有するホスホン酸化合物であり、アルキルホスホン酸のホスホン酸基とアルキル基の双方の官能基が金属粉に吸着しやすいため、長期間吸着安定することで、従来の金属粉よりも、長期間経時安定性が良好となり、上記効果が長期間持続して得られる。特に、金属粉の分散性、インキ経時安定性を考慮して、金属粉をアルキルホスホン酸で表面処理した金属顔料を用いることが好ましく、より好ましくは、予め金属粉をアルキルホスホン酸で表面処理した金属顔料を用いることが好ましい。
前記アルキルホスホン酸については、金属粉への吸着性を向上することで、金属イオンの溶出を抑制して、金属粉(金属顔料)の分散性を良好とし、金属塩析出物を抑制などして、インキ経時安定性を良好とすることや、筆跡の金属光沢性を考慮すれば、アルキル基の炭素数は1~20が好ましい、これは、アルキル基が長い方が、吸着面積が広くなり、金属粉へ吸着しやすいためである。よりインキ経時安定性、ボールペンのボール座の摩耗を抑制することのバランスを考慮すれば、アルキル基の炭素数は1~12が好ましく、より考慮すれば、アルキル基の炭素数は6~10であり、最も好ましくは、アルキル基の炭素数は8である。さらに、アルキル基については、直鎖構造、分岐鎖構造のものに限定されないが、直鎖構造を有するアルキル基の方が、吸着面積が広くなり、金属粉へ吸着しやすいため好ましく、インキ経時安定性も良好となりやすいため、好ましい。
前記アルキルホスホン酸について、具体的には、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、イソブチルホスホン酸、ペンチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、ヘプチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸や、それらの塩などが挙げられる。
また、インキ組成物全量において、前記金属粉の全質量に対して、前記アルキルホスホン酸の全質量が0.001倍~0.5倍とすることが好ましい。これは、0.001倍未満だと金属粉表面全体へ吸着して、被覆しづらく上記のような、金属イオンの溶出を抑制して、インキ経時安定性を良好とすることなどの前述した効果が得にくい傾向があり、0.5倍を越えると、前記アルキルホスホン酸が金属粉に対して余剰となりやすく、余剰分が析出したり、金属塩析出物を発生しやすい傾向があるためである。よりその傾向を考慮すれば、前記含有比を、質量基準で0.001倍~0.3倍とすることが好ましく、より考慮すれば、0.005倍~0.2倍とすることが好ましい。
本発明で用いる金属粉については、前記金属粉をアルキルホスホン酸で表面処理したものを予め界面活性剤、樹脂、溶剤などで加工処理して分散させて、ペースト状にした金属顔料や液体状の金属顔料などにしても良く、また、前記金属粉をアルキルホスホン酸で表面処理した金属粉をワックス、界面活性剤、樹脂などで加工処理はするが、溶剤を含有してない固形状の金属顔料などにしても良い。金属粉の分散安定性を、考慮すれば、ペースト状にした金属顔料や液体状の金属顔料を用いることが好ましい。特に、金属粉をアルキルホスホン酸で表面処理し、溶剤と混合して、ペースト状の金属顔料とすることが好ましく、溶剤としては、経時安定性を考慮すれば、水との相溶性のあるグリコールエーテル溶剤、多価アルコール溶剤、アルコール溶剤を用いることが好ましく、より考慮すれば、プロピレングリコールエーテル、低級アルコール(炭素数1~5)を用いることが好ましく、より経時安定性を考慮すれば、プロピレングリコールエーテルを用いることが好ましく、最も好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルを用いることが好ましい。これらは、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
金属粉の中でも、アルミニウム粉を用いたものが好ましいが、これは、筆跡の金属光沢性が良好で、金属の中でも比重が比較的に小さく、金属粉の沈降も起こりにくいためである。また、金属粉の形状については、鱗片形状や角形状であると、光が拡散しやすく、金属光沢性がより鮮明になるために好ましく、さらにボールペンの場合、鱗片形状であると、ボールとボール座に張り付きやすく、ボールとボール座の接触抵抗を抑制することで、ボール座の摩耗を抑制しやすく好ましく、特に表面処理したアルキルホスホン酸の被膜を有することで、金属粉とボール座との金属抵抗を抑制しやすく、書き味を向上しやすいため、より効果的である。また、リーフィングタイプとノンリーフィングタイプといった種類があるが、リーフィングタイプは、インキ膜の表層に金属粉が浮いて配列するため、筆跡の金属光沢性が良くなりやすいため、より好ましい。
また、金属粉の大きさは、平均粒子径が1~30μmのものが好ましい、なぜなら、平均粒子径が1μmよりも小さいと金属光沢が得られづらい傾向があり、30μmよりも大きいと、ペン先でインキ中の金属粉が詰まりやすく、筆記不良の原因になりやすい傾向があるためである。よりその傾向を考慮すれば、平均粒子径は3~20μmが好ましく、ボール座の摩耗抑制も考慮すれば、5~15μmが最も好ましい。ここで、平均粒子径は、レーザー回折法、具体的には、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「MicrotracHRA9320-X100」、日機装株式会社)を用いて、標準試料や他の測定方法を用いてキャリブレーションした数値を基に測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により求めることができる。
尚、前記金属粉は、インキ組成物中での金属粉の分散状態で前記した作用効果を奏するため、分散状態の粒子径を求めることが好ましい。
また、金属粉の含有量は、インキ組成物全量に対し、1.0質量%未満だと、所望の筆跡の金属光沢性が得られず、10.0質量%以上だと、インキ経時安定性が悪くなるため、1.0~10.0質量%が好ましい。さらに、ドライアップ性能の向上やボール座の摩耗を考慮すれば、1.0~7.0質量%がより好ましく、より考慮すれば、1.0~5.0質量%が最も好ましい。
また、金属粉の腐食防止のために、イミダゾリン類を含んでなることが好ましい。イミダゾリン類については、2-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリン、2-アルキル-1-エチレンアミンイミダゾリンを用いることが好ましく、インキ中での安定性を考慮すれば、2-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリンを用いることが好ましい。また、イミダゾリン類については、インキ中での安定性を考慮すれば、金属粉、アルキルホスホン酸、溶剤、イミダゾリン類を予め混合して、ペースト状の金属粉顔料とすることが好ましい。
(顔料分散剤)
また、前記金属粉(金属顔料)の分散性を向上し、金属粉沈降や凝集を抑制する目的で使用する顔料分散剤として、酸性樹脂、塩基性樹脂、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などが挙げられるが、長期間顔料分散安定性を考慮すると、酸性樹脂を用いる方が好ましい。酸性樹脂については、カルボキシル基、フェニル基、スルホン酸基などを有する酸性樹脂が挙げられるが、具体的には、アクリル樹脂、スチレン-アクリル樹脂、スチレン-マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリビニル-スルホン酸樹脂などが挙げられ、上記酸性樹脂の中でも、カルボキシル基を有する酸性樹脂が好ましい。前記金属粉やアルキルホスホン酸へ吸着しやすく、金属粉を長期間金属粉分散安定する傾向があり、筆跡定着性も良好であるため、カルボキシル基を有する酸性樹脂が好ましく、さらに好ましくは、スチレン基の立体構造による障害によって、金属粉を反発させやすくすることで、金属粉を分散安定しやすい傾向があるため、スチレン基とカルボキシル基を有するスチレン-アクリル樹脂が最も好ましい。
顔料分散剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1質量%未満だと所望の顔料分散効果が得られづらく、5.0質量%以上だと、インキ経時安定性が劣りやすくなるため、0.1~5.0質量%が好ましい。より好ましくは1.0質量%~4.0質量%である。
本発明のように金属粉を用いる場合は、金属粉中の金属粉の形状は、鱗片形状、角形状のものもあり、インキ製造時に巻き込こんだ気泡が抜けにくい傾向があるため、気泡吸収剤を用いる方が好ましい。気泡吸収剤としては、ヒドロキシルアミン類、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、ポリフェノール類が挙げられる。これらの気泡吸収剤は還元性を示す化合物であり、インキ中の酸素を吸収することで、気泡吸収効果を奏する。また、ヒドロキシルアミン類、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、ポリフェノール類については、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミンの誘導体、ポリフェノール、ポリフェノール誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸の誘導体、エリソルビン酸、エリソルビン酸の誘導体や、それらの塩などが挙げられる。
気泡吸収剤については、アスコルビン酸類は酸性が強いものもあり(pH値=2)、インキ中の成分と反応することでインキ経時安定性に影響し、本発明で用いる金属粉の分散性に影響が出やすく、さらにアスコルビン酸類、ポリフェノール類は、色調に影響しやすいため、ヒドロキシルアミン類、エリソルビン酸類を用いることが好ましい。また、ヒドロキシルアミン類は、アミン臭が発生する可能性があるため、エリソルビン酸類を用いることが好ましい。
気泡吸収剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.01~5.0質量%が好ましい。これは、0.01質量%以下であると、インキ中の酸素を十分に吸収しづらい傾向があるためであり、5.0質量%を超えると、インキ経時安定性に影響を及ぼす傾向があるためである。よりその傾向を考慮すれば、0.1~3.0質量%が好ましく、最も好ましくは、0.1~1.0質量%である。
本発明の筆記具用水性インキ組成物のpH値は、インキ経時安定性を考慮して、pH値が6.0~10.0が好ましい。これは、pH値6未満の酸性側に近づいたり、pH値10を超えて強アルカリ側に近づくと、金属粉が腐食しやすく、金属光沢性や、金属粉(金属顔料)の分散性に影響しやすくなるためである。特に、アルミニウム粉を用いる場合は、アルミニウムの腐食を考慮すれば、pH値が7.0~9.0がより好ましい。pH値については、東亜ディーケーケー社製pHメーター HM-30R型を用いて、20℃にて測定した値を示すものである。
また、pH値については、長期間放置していると、空気中の二酸化炭素によって、インキのpH値が酸性側に寄りやすく、尿素を含有することで、長期間経時によっても、pH値が7未満になるのを抑制するため、尿素を含有する方が好ましい。
尿素の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1~5.0質量%が好ましい。これは、0.1質量%以下であると、長期間pH値を7未満になるのを抑制する効果が得られない傾向があるためで、5.0質量%を超えると、インキ経時安定性に影響を及ぼす傾向があるためである。よりその傾向を考慮すれば、0.1~3.0質量%が好ましく、最も好ましくは、1.0~3.0質量%である。
pH調整剤として、具体的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミンや、アンモニアや、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム等のアルカリ性無機塩、乳酸、酢酸、クエン酸等の有機酸等が挙げられる。その中でも、インキ経時安定性を考慮すると、より弱塩基性であるトリエタノールアミンを用いることが好ましい。また、金属粉分散剤として酸性樹脂を用いる場合は、前記酸性樹脂を中和するのには、十分な効果が得られづらいため、前記酸性樹脂を用いる場合には、トリエタノールアミンより強い塩基性を持つ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アンモニア等のトリエタノールアミン以外のpH調整剤を用いて中和する方が好ましく、少量含有することで、pH値が6.0以上にしやすくすることが可能である。しかし、トリエタノールアミン以外のpH調整剤を単独で用いると、塩基性が強過ぎて、pH値が10.0を超えやすいので、トリエタノールアミンを併用する方が好ましい。トリエタノールアミン以外のpH調整剤としては、インキ経時安定性を考慮すれば、ジエタノールアミン又はアンモニアを用いるのが、好ましい。そのため、本発明においては、2種以上のpH調整剤を用いる方が好ましく、最も好ましくは、2種以上のアルカノールアミンを用いる方が好ましい。
また、pH調整剤の含有量について、トリエタノールアミンの含有量は、インキ経時安定性を考慮して0.1~10.0質量%が好ましい。また、トリエタノールアミン以外のジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、アンモニア等のpH調整剤の含有量は、0.1質量%未満だと酸性樹脂に対して中和効果が得られにくく、5.0質量%を超えると塩基性が強くなり、インキ経時安定性が劣る可能性があるため、0.1~5.0質量%がより好ましい。
また、ボールペンにおいて金属粉を用いる場合は、金属粉がボール座に接触することの金属抵抗によるボール座の摩耗促進の影響が発生しやすいため、界面活性剤を含んでなることが好ましい。これは、界面活性剤により潤滑性を向上することで、ボールの回転をスムーズにすることで、ボール座の摩耗を抑制、書き味を向上しやすいためである。界面活性剤としては、リン酸エステル系界面活性剤、シリコ-ン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、脂肪酸それらの塩などが挙げられるが、それらの界面活性剤の中でも、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸やそれらの塩などを用いることが好ましい。これらの界面活性剤は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
その中でも、リン酸エステル系界面活性剤または脂肪酸それらの塩を用いるのが好ましい、これはリン酸基や脂肪酸基が金属吸着することで、より潤滑性を向上し、ボール座の摩耗を抑制し、書き味を向上しやすいためであり、さらに、潤滑性を考慮すれば、リン酸エステル系界面活性剤を用いることが好ましく、アルキル基を有するリン酸エステル系界面活性剤を用いることが好ましい。
アルキル基を有するリン酸エステル系界面活性剤の種類としては、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、オクチルフェノール系、オクチルアルコール系等が上げられる。この中でも、フェニル骨格を有すると立体障害により潤滑性に影響が出やすく、さらに前記金属粉との相性により、インキ経時安定性に影響が出やすいため、フェニル骨格を有さないリン酸エステル系界面活性剤を用いるのが、好ましい。
アルキル基を有するリン酸エステル系界面活性剤の他の効果としては、前記金属粉に吸着したアルキルホスホン酸の被膜が、剥がれた場合でも、リン酸エステル系界面活性剤のリン酸基とアルキル基が、剥がれた箇所に吸着することで、金属イオンの溶出を抑制することで、金属粉の分散性を良好とし、金属塩析出物を抑制しやすく、インキ経時安定性を向上しやすいため、好ましい。さらに、ステンレス鋼材、洋白材などの金属類からなるチップ本体、インキ収容筒を用いたボールペンでは、リン酸エステル系界面活性剤を用いることで、ステンレス鋼材、洋白材などに含まれるマンガン、クロム、銅等のマンガンイオン、クロムイオン、銅イオンなどの金属イオンの溶出を抑制する効果も得られ、金属粉の分散性を良好としやすくし、金属塩析出物を抑制しやすいため、効果的である。さらに、金属イオンの溶出を抑制や、インキ経時安定性を考慮すれば、アルキル基の炭素数は1~20が好ましい、これは、アルキル基が長い方が、吸着面積が広くなり、金属粉へ吸着しやすいためである。よりインキ経時安定性、ボールペンのボール座の摩耗を抑制することのバランスを考慮すれば、アルキル基の炭素数は6~18が好ましく、より考慮すれば10~15が好ましく、さらに11~14が好ましい。
リン酸エステル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸トリエステル、アルキルリン酸エステル、アルキルエーテルリン酸エステル或いはその誘導体等が挙げられ、これらのリン酸エステル系界面活性剤または脂肪酸は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
界面活性剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1~5.0質量%が好ましい。これは、5.0質量%を越えると、インキ経時安定性に影響が出る傾向があるためであり、よりその傾向を考慮すれば、0.1~3.0質量%が好ましい。
また、金属粉(金属顔料)分散性の向上を考慮して、剪断減粘性付与剤を使用するほうが好ましい。剪断減粘性付与剤としては、ポリアクリル酸、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガム、λ-カラギーナン、セルロース誘導体、酸化セルロース、ダイユータンガム等が挙げられ、これらを含有することで、インキ中で三次元網目構造を形成することで、金属粉分散を安定しやすくなる。これらの剪断減粘性付与剤は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
また、剪断減粘性付与剤中でも、ポリアクリル酸を用いる方が好ましい、これは、ポリアクリル酸は、金属粉(金属顔料)の分散性も長期間安定する効果があるためである。さらに、前記金属粉は、インキ中において、金属イオンが溶出し、インキ中で反応して析出物を発生する可能性があり、インキ経時が不安定になりやすい。そこで、ポリアクリル酸の中でも、架橋型アクリル酸重合体を用いることが好ましい。これは、立体的な架橋構造を形成することで、比重の高い金属粉の分散性を向上し、さらに、アクリル酸重合体がカルボキシル基(-COO)を多数有するため、インキ中で広範囲において、金属イオンの溶出を抑制し、インキ経時を良好としやすくすると推測される。そのため、インキ経時を向上するには、架橋型アクリル酸重合体を用いることが、最も好ましい。
インキ粘度については、20℃環境下、剪断速度0.001(sec-1)で、インキ粘度は、1000~5000(Pa・s)が好ましい。前記インキ粘度が1000(Pa・s)未満だと、インキ粘度が低過ぎて、金属粉分散性に影響しやすく、5000(Pa・s)を越えると、ドライアップ性能やインキ追従性が劣りやすいためである。より金属粉分散性、ドライアップ性能やインキ追従性を向上する傾向を考慮すれば、1000~3000(Pa・s)が好ましい。
水性ボールペン用インキ組成物の表面張力(mN/m)については、20℃環境下において、20~35(mN/m)が好ましい。これは、20(mN/m)未満だと、筆跡に滲み、紙への裏抜けが発生しやすくなる傾向があり、35(mN/m)を越えると、筆跡乾燥性に影響が出やすくなる傾向があるためで、よりその傾向と筆跡の金属光沢性を考慮すれば、23~30(mN/m)が好ましい。なお、表面張力は、20℃環境下において、協和界面科学株式会社製の表面張力計測器を用い、ガラスプレートを用いて、垂直平板法によって測定して求められる。
これらの剪断減粘性付与剤を用いる場合、アミノカルボン酸を用いる方が好ましい、これは、金属粉は、インキ中において金属イオンが溶出した場合、該金属イオンによって三次元網目構造を形成するのを妨害しやすく、インキ粘度を減粘してしまうおそれがあり、アミノカルボン酸を含有することで、金属イオンをアミノカルボン酸が包み込むことで、剪断減粘性付与剤の三次元網目構造を安定形成しやすくなり、金属粉分散性を安定化しやすくするためである。また、インキ中において金属イオンが溶出することで、該金属イオンが他のインキ成分と反応して金属塩析出物を生ずる可能性があるため、上記同様に、金属イオンをアミノカルボン酸が包み込むことで、金属塩析出物を抑制しやすくする効果も得られやすい傾向がある。
アミノカルボン酸としては、具体的に、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、L-アスパラギン酸(ASDA)、L-グルタミン酸二酢酸(GLDA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)、ジヒドロキシエチルグリシン (DHEG)、ヒドロキシエチルイミノ2酢酸(HIDA)等や、それらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等の塩が挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。その中でも、より金属イオンを包み込みやすく、金属塩析出物を抑制しやすい、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)やその塩を用いる方が好ましい。アミノカルボン酸の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1~2.0質量%が好ましい。0.1質量%より少ないと、金属イオンを包み込む効果が劣りやすく、2.0質量%を越えると、インキ経時が不安定性になるためであり、さらに好ましくは、インキ組成物全量に対し、0.3~1.0質量%である。
また、水分の溶解安定性、水分蒸発乾燥防止等を考慮し、水溶性溶剤を用いることが好ましい。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール溶剤、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t-ブタノール、プロパギルアルコール、アリルアルコール、3-メチル-1-ブチン-3-オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコール等のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、3-メトキシブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。その中でも、本発明で用いる前記金属粉との溶解安定性を考慮すれば、多価アルコール溶剤を用いる方が好ましい。多価アルコール溶剤とは、二個以上の水酸基が脂肪族あるいは脂環式化合物の相異なる炭素原子に結合した化合物である溶剤である。大気中でペン先が乾いた場合、ドライアップ性能(書き出し性能)が劣りやすく、ドライアップ性能を向上する傾向を考慮すれば、脂肪族の多価アルコールが好ましく、その傾向を最も考慮すれば、2価または3価の水酸基を有する多価アルコールを少なくとも含有することが、最も好ましい。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
溶剤の含有量については、溶解性、ドライアップ性、にじみ等を考慮すると、インキ組成物全量に対し、10.0~25.0質量%が好ましく、より考慮すれば、10.0~20.0質量%が好ましい。
そこで、ペン先に十分な被膜を形成することが可能とするデキストリンを含有する方が好ましい。特に、金属粉のように、鱗片形状、角形状をしているものは、ペン先のボールの隙間に挟まりやすく、ペン先の隙間が生じやすいため、デキストリンを含有すると効果的である。
また、デキストリンの重量平均分子量については、5000~120000がより好ましい。重量平均分子量が120000を超えると、ペン先に形成される被膜が硬く、ドライアップ時の書き出しにおいて、筆跡がカスレやすくなる傾向があり、一方、重量平均分子量が5000未満だと、吸湿性が高くなりやすく、ペン先に被膜が柔らかくなりやすく、ペン先の隙間から大気中の二酸化炭素が入り込みやすく、インキ経時安定性に影響しやすいためである。また、重量平均分子量が20000より小さいと、被膜が薄くなりやすい傾向があるため、重量平均分子量が、20000~120000が最も好ましい。
デキストリンの含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1~5.0質量%が好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、ペン先に被膜を形成する効果が十分得られない傾向があり、5.0質量%を越えると、インキ中で溶解しづらい傾向があるためである。よりインキ中の溶解性について考慮すれば、0.1~3.0質量%が好ましく、よりペン先に被膜を形成する効果について考慮すれば、0.5~3.0質量%が、最も好ましい。
また、筆記具用水性インキ組成物を直詰めしたペン先を有するインキ収容筒を、軸筒内に摺動自在に配設し、前記ペン先を前記軸筒の先端開口部から出没可能としたことを特徴とするノック式筆記具や回転繰り出し式筆記具等の出没式筆記具においては、キャップ式筆記具よりも、ペン先を出したままの状態でため、ペン先の隙間から大気中の二酸化炭素が入り込みやすく、チップ内のインキのpH値が酸性側に寄りやすいため、インキ経時安定性に影響しやすいため、ペン先をできるだけ早く覆う方が好ましい。
本発明では、金属粉以外の着色剤を併用しても良い。無機、有機、加工顔料などを用いても良く、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等が挙げられる。その他、着色樹脂粒子体として顔料を媒体中に分散させてなる着色体を公知のマイクロカプセル化法などにより樹脂壁膜形成物質からなる殻体に内包又は固溶化させたマイクロカプセル顔料を用いても良い。また、着色剤として、染料を併用しても良い。染料については、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。更に、顔料を透明、半透明の樹脂等で覆った着色樹脂粒子などや、また着色樹脂粒子や無色樹脂粒子を、顔料もしくは染料で着色したもの等も用いることもできる。これらの顔料および染料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、0.01質量%~20質量%が好ましい。
その他所望により添加剤を含有することができる、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、スチレン-ブタジエン系樹脂エマルジョン、ポリオレフィン樹脂粒子などの定着剤、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン等の防菌剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤などを添加することができる。これらは単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
(筆記具)
本発明の水性インキ組成物は、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップなどのペン芯またはボールペンチップなどをペン先としたマーキングペンやボールペン、金属製のペン先を用いた万年筆などの筆記具に用いることができる。
また、ボールペンの場合、ボール材は、特に限定されるものではないが、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボールや、ボール表面に炭素質膜が形成されるとともに、前記炭素質膜が炭素原子及び該炭素原子と結合した酸素原子とを有するボールや、炭化珪素、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素などが挙げられる。金属腐食の影響がなく、書き味を考慮すれば、炭化ケイ素ボールを用いることが好ましい。また、ボールの大きさは、その筆記具の用途や筆記時に要求される描線の幅などによって決められるが、一般に0.1~2.0mmの範囲から選択される。本発明は、直径が小さいボール、例えば直径が0.5mm以下である小径ボールを用いた場合に、より好ましい効果を発揮できる。これは、同一距離の筆記をする場合にボールの直径が小さいほどボールの回転数が多くなるので、ボール座が摩耗し易い傾向であるためである。
また、ボール座の摩耗抑制、書き味を向上することを考慮すれば、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)を0.1~10nmとすることが好ましい。これは、算術平均粗さ(Ra)が、この範囲を越えると、ボール表面が粗すぎて、ボールとボール座の回転抵抗が大きくなりやすいため、書き味やボール座の摩耗に影響が出やすく、また、この範囲を下まわると、ボールの表面に十分に金属顔料が載らないため、筆跡カスレなど筆記性に影響が出やすい。そのため、ボール座の摩耗抑制、書き味を向上し、筆記性を得るためには、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.1~10nmとすることが好ましく、より考慮すれば、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.1~5nmとすることが好ましい。
ボール表面の算術平均粗さについて、算術平均粗さ(Ra)とは、表面粗さ測定器(セイコーエプソン社製の機種名SPI3800N)により測定された粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。
ボールペンチップのボールの縦軸方向の移動量は30~50μmとすることが好ましい、30μm未満だと、インキ消費量が少なくなりやすく、筆跡の金属光沢性が劣りやすく、50μmを越えると、筆跡乾燥性、インキ漏れ抑制が劣りやすいためである。より筆跡の金属光沢性を考慮すれば、35~45μmとすることが好ましい。
また、ボールペンの場合、100mあたりのインキ消費量については、筆跡の金属光沢性、筆跡乾燥性、書き味、ボール座の摩耗を考慮すれば、100~400(mg)とすることが好ましく、より考慮すれば、150~300(mg)とすることが好ましい。なお、インキ消費量については、20℃環境下で、筆記用紙としてJIS P3201筆記用紙A上に筆記角度65°、筆記荷重100gの条件にて、筆記速度4m/minの速度で、試験サンプル5本用いて、らせん筆記試験を行い、その100mあたりのインキ消費量の平均値を、100mあたりのインキ消費量と定義する。
本発明では、筆跡の金属光沢性を向上することを考慮すれば、ボール径(mm)に対する100mあたりのインキ消費量(mg)に着目することでも、筆跡の金属光沢性を向上しやすい。具体的には、「ボール径(mm)をA(mm)」、「100mあたりのインキ消費量(mg)をB(mg)」とした場合、200≦B/A≦500とすることが好ましい。これは、前記範囲であると、筆跡の金属光沢性を向上し、筆記乾燥性、泣きボテ、にじみ、書き味、ボール座の摩耗などの筆記性を向上することができるためで、より考慮すれば、250≦B/A≦400であることが好ましい。特に、ボールペンチップのボールの縦軸方向の移動量は35~45μmとすれば、上記B/Aの範囲にしやすいため、好ましい。
次に実施例を示して本発明を説明する。
(水性ボールペン用インキ組成物)
実施例1
金属顔料(アルミニウム粉65%、オクチルホスホン酸3%、リーフィングタイプ)
5.0質量部
顔料分散剤(酸性樹脂) 2.0質量部
水 69.0質量部
水溶性溶剤(ジエチレングリコール) 15.0質量部
気泡吸収剤(エリソルビン酸類) 0.5質量部
尿素 1.0質量部
pH調整剤(ジエタノールアミン) 1.0質量部
pH調整剤(トリエタノールアミン) 3.0質量部
アミノカルボン酸(エチレンジアミン四酢酸) 0.5質量部
潤滑剤(リン酸エステル系界面活性剤) 1.0質量部
デキストリン(重量分子量100000) 1.0質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 0.5質量部
剪断減粘性付与剤(架橋型アクリル酸重合体) 0.5質量部
まず、金属粉については、金属粉をアルキルホスホン酸(オクチルホスホン酸)で表面処理し、イミダゾリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルを混合して、ペースト状の金属顔料を作成した。
さらに、上記作製した金属顔料と、顔料分散剤、水、水溶性溶剤、気泡吸収剤、尿素、アミノカルボン酸、pH調整剤、潤滑剤、デキストリン、防錆剤をマグネットホットスターラーで加温撹拌等してベースインキを作成した。
その後、上記作製したベースインキを加温しながら、剪断減粘性付与剤を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合攪拌して、実施例1の筆記具用水性インキ組成物を得た。
尚、実施例1のインキ粘度は、TAインスツルメント社製レオメーターAR-G2粘度計(コーンプレート40mm・角度2°)を用いて、20℃の環境下で、剪断速度0.001(sec-1)にてインキ粘度を測定したところ、1450(Pa・s)であった。また、実施例1のpH値は、東亜ディーケーケー社製pHメーター HM-30R型を用いて、20℃にて測定したところ、pH値=8.0であった。
また、20℃環境下において、協和界面科学株式会社製の表面張力計測器を用い、ガラスプレートを用いて、垂直平板法によって測定したところ、筆記具用水性インキ組成物の表面張力は26(mN/m)であった。
実施例2~12
インキ配合を表に示すように変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2~12の筆記具用水性インキ組成物を得た。表に、インキ配合および評価結果を示す。
次に実施例を示して本発明を説明する。
(筆記具用水性インキ組成物)
実施例13
金属顔料(アルミニウム粉65%、アルキルホスホン酸3%、リーフィングタイプ)
5.0質量部
顔料分散剤(酸性樹脂) 2.0質量部
水 70.5質量部
水溶性溶剤(ジエチレングリコール) 15.0質量部
気泡吸収剤(エリソルビン酸類) 0.5質量部
尿素 1.0質量部
pH調整剤(ジエタノールアミン) 1.0質量部
pH調整剤(トリエタノールアミン) 3.0質量部
アミノカルボン酸(エチレンジアミン四酢酸) 0.5質量部
デキストリン(重量分子量100000) 1.0質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 0.5質量部
まず、金属粉については、金属粉をアルキルホスホン酸で表面処理し、イミダゾリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルを混合して、ペースト状の金属顔料を作成した。
さらに、上記作製した金属顔料と、顔料分散剤、水、水溶性溶剤、気泡吸収剤、尿素、アミノカルボン酸、pH調整剤、潤滑剤、デキストリン、防錆剤をマグネットホットスターラーで加温撹拌等してベースインキを作成した。
実施例14、15
インキ配合を表に示すように変更した以外は、実施例12と同様な手順で筆記具用水性インキ組成物を得た。表1に、インキ配合および評価結果を示す。
比較例1~4
インキ配合を表に示すように変更した以外は、実施例1と同様な手順で比較例1~4の筆記具用水性インキ組成物を得た。表に、インキ配合および評価結果を示す。
Figure 0007256312000001
Figure 0007256312000002
Figure 0007256312000003
試験および評価
実施例1~12及び比較例1~4で作製した水性ボールペン用インキ組成物を、インキ収容筒の先端にボール径が0.5mmのボールを回転自在に抱持したボールペンチップ(ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量40μm、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)2.0nm)をチップホルダーに介して具備したインキ収容筒内(ポリプロピレン製)に充填したレフィルを(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G-knock)に装着して、以下の試験および評価を行い、色調試験、耐摩耗試験の評価は、筆記試験用紙としてJIS P3201 筆記用紙Aを用い行った。
同様に実施例13~15で作製した筆記具用水性インキ組成物を、市販のマーキングペン(パイロットコーポレーション製;スーパープチ(SEG-10M))のペン先を具備したインキ収容筒に充填することでマーキングペンを作製し、以下の試験および評価を行った。
また、実施例1の水性ボールペン用インキ組成物を用いて水性ボールペンとして、らせん筆記試験を行い、ボール径(mm)をA(mm)、100m筆記後のインキ消費量(mg)をB(mg)とした場合、A=0.5(mm)、B=170(mg)となり、B/A=340であった。
また、実施例2の水性ボールペン用インキ組成物を用いて水性ボールペンとして、らせん筆記試験を行い、ボール径(mm)をA(mm)、100m筆記後のインキ消費量(mg)をB(mg)とした場合、A=0.5(mm)、B=145(mg)となり、B/A=290であった。
インキ経時試験:ボールペン、マーキングペンを50℃の環境下、2ヶ月間放置後に、インキ収容筒内のインキを顕微鏡観察した。
金属粉の凝集もなく、析出物がなく、良好のもの ・・・◎
金属粉の凝集、もしくは、析出物が微少に発生したもの ・・・○
金属粉の凝集、もしくは、析出物の発生が起きたが、実用上問題のないもの ・・・△
金属粉の凝集、もしくは、析出物の発生の凝集が起き、実用性に乏しいもの ・・・×
色調試験:手書き筆記後の色調を目視で観察した。
金属光沢が非常に良いもの ・・・◎
金属光沢が良いもの ・・・○
金属光沢がやや劣るもの ・・・△
金属光沢が劣り、実用性に乏しいもの ・・・×
耐摩耗試験:荷重100gf、筆記角度65°、4m/minの走行試験機にて筆記試験終了後のボール座の摩耗を測定した。
ボール座の摩耗が20μm未満のもの ・・・◎
ボール座の摩耗が20以上、30μm未満のもの ・・・○
ボール座の摩耗が30以上、40μm未満のもの ・・・△
ボール座の摩耗が40μm以上であるもの ・・・×
気泡発生試験:筆記具のペン先を下向きにして、50℃の環境下、2ヶ月間放置後、気泡の数を観察した。
気泡がないもの ・・・◎
気泡が1~2個あったもの ・・・○
気泡が3個以上あったもの ・・・×
表の結果より、実施例1~12では、インキ経時試験、色調試験、耐摩耗試験、気泡発生試験ともに良好もしくは、問題のないレベルの性能が得られた。なお、実施例10は、実用上問題ないレベルであるが、ヒドロキシルアミン類によるアミン臭が確認された。同様に実施例13~15では、インキ経時試験、色調試験、気泡発生試験ともに良好の性能が得られた。
表の結果より、比較例1~4では、アルキルホスホン酸を用いなかったため、ボール座の摩耗が40μm以上あり、筆記不良になるものもあり、さらに、インキ経時試験では析出物の発生、もしくは、金属粉の凝集が起きた。
本発明では、筆記具用水性インキ組成物をボールペンに用いた場合には、ボールペンチップ先縁の内壁に、ボールを押圧するコイルスプリングを配設することによって、ボールペンチップ先端のシール性を保つことで、チップ先端の隙間から大気中の二酸化炭素が入り込みを抑制しやすく、チップ内のインキのpH値が酸性側になるのを抑制しやすくなるため、より好ましい。
また、実施例のようにインキ収容筒内に筆記具用水性インキ組成物を充填したレフィルを軸筒に装着して筆記具として用いているが、この形態に限定されるものではなく、前記インキ収容筒を軸筒として用いて筆記具用水性インキ組成物を充填してそのまま筆記具としても良い。
本発明は、実施例のボールペン、マーキングペンに限らず、万年筆、サインペン、プレートペン等に好適に使用でき、さらに詳細としては、該筆記具用水性インキ組成物を充填した、キャップ式、出没式等の筆記具として広く利用することができる。


Claims (8)

  1. 水、金属顔料を含んでなる筆記具用水性インキ組成物であり、
    前記金属顔料は、アルキルホスホン酸で表面処理した金属粉、溶剤、イミダゾリン類を予め混合し、
    さらに、アルキルホスホン酸が直鎖構造を有するアルキル基であり、かつ、アルキル基の炭素数が1~20である
    ことを特徴とする筆記具用水性インキ組成物。
  2. 前記金属顔料がペースト状であることを特徴とする請求項1に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  3. 前記溶剤が、プロピレングリコールエーテル、低級アルコールを含んでなることを特徴とする請求項1または2に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  4. インキ組成物全量において、前記金属粉の全質量に対して、前記アルキルホスホン酸の全質量が0.001倍~0.5倍であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  5. 前記筆記具用水性インキ組成物に、気泡吸収剤を含んでなることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  6. 前記筆記具用水性インキ組成物に、さらに界面活性剤を含んでなることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  7. 前記筆記具用水性インキ組成物に、さらに酸性樹脂を含んでなることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  8. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物をインキ収容筒に直詰めしたことを特徴とする筆記具。
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