JP7254668B2 - タービン翼及びこれを備えたガスタービン - Google Patents

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Description

本開示は、タービン翼及びこれを備えたガスタービンに関する。
ガスタービン等のタービン翼において、タービン翼の内部に形成された流路に冷却媒体(空気等)を流すことにより、高温のガス流れに曝されるタービン翼を冷却することが知られている。
例えば、特許文献1には、翼高さ方向に沿って延びる複数の冷却通路により形成される蛇行流路(サーペンタイン流路)が翼部の内部に設けられたタービン翼が開示されている。この蛇行流路(冷却流路)は、背腹分離壁によって隔離された腹側(圧力面側)流路及び背側(負圧面側)流路を含む。タービン翼の根元部から腹側流路に流入した冷却媒体は、腹側流路を半径方向外向きに流れた後、翼先端部で折り返して、背側流路を半径方向内向きに流れるようになっている。腹側流路及び背側流路を流れる冷却媒体の一部は、腹側流路及び背側流路から翼面に通じるようにタービン翼に形成された複数のフィルム孔を介してタービン翼の外部に排出されるようになっている。また、タービン翼の前縁部には、前述の蛇行流路(冷却流路)とは別に、翼高さ方向に沿って延びる冷却通路が設けられている。翼根元部から前縁部の冷却通路に供給された冷却媒体は、該冷却通路から前縁部の翼表面に通じる冷却孔(シャワーヘッド)を介してタービン翼の外部に排出されるようになっている。
特開平7-189603号公報
ところで、タービン翼内部の冷却流路に供給された冷却媒体が、温度があまり上がらないうちに(即ち、冷却能力が残っている状態で)冷却流路から排出される場合、タービン翼の冷却流路への冷却媒体の供給量が多くなってしまい、タービンシステム全体の効率低下につながる場合がある。そこで、タービン翼の冷却流路への冷却媒体の供給量増大を抑制することが望まれる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、冷却媒体の供給量増大を抑制可能なタービン翼及びこれを備えたガスタービンを提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係るタービン翼は、
翼高さ方向に延在し、前縁と後縁との間において延在する圧力面及び負圧面を有する翼形部と、
少なくとも前記翼形部の内部において前記翼高さ方向に沿ってそれぞれ延在する複数のキャビティと、を備え、
前記複数のキャビティは、互いに連通して蛇行流路を形成する前縁側キャビティ、圧力面側キャビティ及び負圧面側キャビティを含み、
前記前縁側キャビティは、前記複数のキャビティのうち前記翼形部のコード方向において最も前縁側に位置し、
前記圧力面側キャビティは、前記コード方向において前記前縁側キャビティよりも後縁側に位置し、前記翼高さ方向における前記翼形部の基端側の第1リターン部を介して前記前縁側キャビティに接続され、
前記負圧面側キャビティは、前記コード方向において前記前縁側キャビティよりも後縁側にて前記圧力面側キャビティと少なくとも部分的に重なるように位置し、前記翼高さ方向における前記翼形部の先端側の第2リターン部を介して前記圧力面側キャビティに接続され、
前記翼形部の前縁部に形成され、前記前縁側キャビティに連通するとともに前記前縁部における前記翼形部の表面に開口する出口孔を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンは、上述のタービン翼と、前記タービン翼が設けられる燃焼ガス流路を流れる燃焼ガスを生成するための燃焼器と、を備える。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、冷却媒体の供給量増大を抑制可能なタービン翼及びこれを備えたガスタービンが提供される。
一実施形態に係るガスタービンの概略構成図である。 一実施形態に係るタービン翼の概略図である。 図2に示すタービン翼の翼高さ方向に直交する概略断面図である。 図3のB-B矢視概略断面図である。 図3のC-C矢視概略断面図である。 一実施形態に係るタービン翼のプラットフォームの概略断面図である。 一実施形態に係るタービン翼のプラットフォームの概略断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(ガスタービンの構成)
まず、幾つかの実施形態に係るタービン翼が適用されるガスタービンについて説明する。
図1は、一実施形態に係るタービン翼が適用されるガスタービンの概略構成図である。図1に示すように、ガスタービン1は、圧縮空気を生成するための圧縮機2と、圧縮空気及び燃料を用いて燃焼ガスを発生させるための燃焼器4と、燃焼ガスによって回転駆動されるように構成されたタービン6と、を備える。発電用のガスタービン1の場合、タービン6には不図示の発電機が連結される。
圧縮機2は、圧縮機車室10側に固定された複数の静翼16と、静翼16に対して交互に配列されるようにロータ8に植設された複数の動翼18と、を含む。圧縮機2には、空気取入口12から取り込まれた空気が送られるようになっており、この空気は、複数の静翼16及び複数の動翼18を通過して圧縮されることで高温高圧の圧縮空気となる。
燃焼器4には、燃料と、圧縮機2で生成された圧縮空気とが供給されるようになっており、該燃焼器4において燃料と圧縮空気が混合され、燃焼され、タービン6の作動流体である燃焼ガスが生成される。図1に示すように、ケーシング20内にロータを中心として周方向に沿って複数の燃焼器4が配置されていてもよい。
タービン6は、タービン車室22内に形成される燃焼ガス流路28を有し、該燃焼ガス流路28に設けられる複数の静翼24及び動翼26を含む。静翼24はタービン車室22側に固定されており、ロータ8の周方向に沿って配列される複数の静翼24が静翼列を構成している。また、動翼26はロータ8に植設されており、ロータ8の周方向に沿って配列される複数の動翼26が動翼列を構成している。静翼列と動翼列とは、ロータ8の軸方向において交互に配列されている。
タービン6では、燃焼ガス流路28に流れ込んだ燃焼器4からの燃焼ガスが複数の静翼24及び複数の動翼26を通過することでロータ8が回転駆動され、これにより、ロータ8に連結された発電機が駆動されて電力が生成されるようになっている。タービン6を駆動した後の燃焼ガスは、排気室29を介して外部へ排出される。
幾つかの実施形態において、タービン6の動翼26又は静翼24の少なくとも一方は、以下に説明するタービン翼30である。
(タービン翼の構成)
以下、幾つかの実施形態に係るタービン翼30についてより詳細に説明する。図2は、一実施形態に係るタービン翼30(動翼26)を、負圧面から圧力面に向かう方向(ロータ周方向に沿った方向)に見た概略図である。図3は、図2に示すタービン翼30の翼高さ方向に直交する概略断面図であり、図2のA-A矢視断面図である。図4は図3のB-B矢視概略断面図であり、図5は図3のC-C矢視概略断面図である。図6及び図7は、それぞれ、一実施形態に係るタービン翼30のプラットフォームの概略断面図であり、図2のD-D矢視断面図に相当する図である。
以下においては、動翼26の図を参照しながらタービン翼30について説明するが、タービン翼30としての静翼24についても、基本的には同様の説明が適用できる。
図2~図5に示すように、一実施形態に係るタービン翼30(動翼26)は、プラットフォーム32と、プラットフォーム32に接続される翼形部34及び翼根部36と、を備えている。
翼形部34は、翼高さ方向(スパン方向)に延在しており、翼高さ方向における両端である基端38及び先端40を有し、基端38側にてプラットフォーム32に接続されている。また、翼形部34は、翼高さ方向に沿って延びる前縁42及び後縁44を有するとともに、前縁42と後縁44との間において延在する圧力面46及び負圧面48を有する。
翼根部36は、翼高さ方向においてプラットフォーム32を挟んで翼形部34とは反対側に位置している。翼根部36は、凹凸形状を有する係合部37を含み、該係合部37がロータ8とともに回転するロータディスク(不図示)に設けられた翼溝に係合されることにより、タービン翼30がタービン6のロータ8に取り付けられる。
なお、タービン翼30がロータ8に取り付けられた状態では、翼高さ方向は、タービン6の径方向に沿った方向となる。すなわち、タービン翼30の翼高さ方向とタービン6の径方向とが略一致する。
図3~図5に示すように、タービン翼30は、少なくとも翼形部34の内部において翼高さ方向に沿ってそれぞれ延在する複数のキャビティ52,54,56,62,64,66を備えている。図3~図5に示す例示的な実施形態では、隣り合うキャビティの間に、翼高さ方向に沿って延びて翼形部34の内部空間を仕切るリブ76a~76d及び隔壁58が設けられており、翼形部34の内壁面34aと、リブ76a~76d及び隔壁58とによって、複数のキャビティが形成されている。
上述の複数のキャビティのうち、前縁側キャビティ52、圧力面側キャビティ54、及び、負圧面側キャビティ56は、互いに連通して蛇行流路(サーペンタイン流路)50を形成している。
前縁側キャビティ52は、上述の複数のキャビティのうち、翼形部34のコード方向(翼高さ方向直交断面において前縁42と後縁44とを結ぶ方向;図3参照)において最も前縁42側に位置するキャビティである。
圧力面側キャビティ54及び負圧面側キャビティ56は、コード方向において前縁側キャビティ52よりも後縁44側に位置している。また、圧力面側キャビティ54及び負圧面側キャビティ56は、コード方向において少なくとも部分的に互いに重なるように位置している。翼高さ方向直交断面(図3参照)において、圧力面側キャビティ54は、少なくとも部分的に、負圧面側キャビティ56と圧力面46との間に位置している。また、翼高さ方向直交断面において、負圧面側キャビティ56は、少なくとも部分的に、圧力面側キャビティ54と負圧面48との間に位置している。
圧力面側キャビティ54は、翼高さ方向における基端38側(即ち径方向内側)に位置する第1リターン部53を介して前縁側キャビティ52に接続されている。負圧面側キャビティ56は、翼高さ方向における先端40側(即ち径方向外側)に位置する第2リターン部55を介して圧力面側キャビティ54に接続されている。
一実施形態に係るタービン翼30は、翼形部34の前縁部43に形成され、前縁側キャビティ52に連通するとともに前縁部43における翼形部34の表面(外表面)34bに開口する出口孔70をさらに備えている。
図3及び図4に示すように、出口孔70は、翼形部34の前縁部43において翼高さ方向に配列された複数の前縁出口孔(フィルム孔)72を含んでいてもよい。また、図3及び図4に示すように、出口孔70は、翼形部34の先端部41に設けられた先端出口孔74を含んでいてもよい。
タービン翼30の内部に形成された蛇行流路50には、タービン翼30の翼根部36の端部に開口する入口開口51を介して冷却媒体(例えば空気)が供給されるようになっている。タービン翼30には、冷却媒体として、例えば、圧縮機2(図1参照)によって生成された圧縮空気の一部が供給されるようになっていてもよい。
図3~図5を参照して説明すると、タービン翼30の翼根部36の端部に開口する入口開口51を介して蛇行流路50に導入された冷却媒体は、負圧面側キャビティ56内を基端38側から先端40側に向かって(即ち径方向外側に向かって)流れ、負圧面側キャビティ56の下流端側に位置する第2リターン部55を経て圧力面側キャビティ54に流入する。そして、冷却媒体は、圧力面側キャビティ54内を先端40側から基端38側に向かって(即ち径方向内側に向かって)流れ、圧力面側キャビティ54の下流端側に位置する第1リターン部53を経て前縁側キャビティ52に流入する。そして、冷却媒体は、前縁側キャビティ52内を、基端38側から先端40側に向かって(即ち径方向外側に向かって)流れ、冷却媒体の一部は、前縁出口孔72(出口孔70)を介してタービン翼30の外部に排出され、冷却媒体の他の一部は、先端出口孔74(出口孔70)を介してタービン翼30の外部に排出される。
冷却媒体は、負圧面側キャビティ56、圧力面側キャビティ54及び前縁側キャビティ52を含む蛇行流路50を流れる過程で、蛇行流路50の内壁面を対流冷却するようになっている。また、出口孔70(前縁出口孔72又は先端出口孔74)からタービン翼30の外部に排出された冷却媒体は、翼形部34の表面34bを覆うフィルムを形成し、該表面34bを冷却するようになっていてもよい。
なお、各キャビティを形成する壁面(翼形部34の内壁面34aや、リブ76a~76d又は隔壁58の表面)には、冷却媒体による対流冷却を促進するためのタービュレータが設けられていてもよい。
上述の実施形態に係るタービン翼30、冷却媒体が流れる蛇行流路50を形成する圧力面側キャビティ54と負圧面側キャビティ56とを別々に設けるとともに第2リターン部55を介して接続したので、負圧面側キャビティ56を通過後の冷却媒体を圧力面側キャビティ54に流すことができる。したがって、1本のキャビティで翼形部34の圧力面46側と負圧面48側の両方を冷却する場合に比べて、熱負荷の比較的小さい圧力面46側の過冷却を防止しながら、翼形部34を含むタービン翼30を効果的に冷却することができる。また、圧力面側キャビティ54と前縁側キャビティ52とを第1リターン部53を介して接続するとともに、前縁側キャビティ52に連通する出口孔70(前縁出口孔72及び先端出口孔74)を設けたので、圧力面側キャビティ54を通過後の冷却媒体を、第1リターン部53を介して前縁側キャビティ52に流入させるとともに出口孔70を介してタービン翼30の外部に排出させることができる。
すなわち、負圧面側キャビティ56及び圧力面側キャビティ54を流れることで翼形部34を冷却した冷却媒体を、さらに前縁側キャビティ52に供給することで、残余の冷却能力を活用して翼形部34の冷却を行うとともに、翼形部34を冷却することにより温度が上昇した冷却媒体を、出口孔70から排出してタービン翼30のフィルム冷却等に用いることができる。よって、上述の実施形態によれば、熱負荷の異なる圧力面46側と負圧面48側とをバランスよく冷却しながら冷却媒体の有効活用が可能となり、タービン翼30への冷却媒体の供給量増大を抑制することができる。
なお、幾つかの実施形態では、タービン翼30の内部には、蛇行流路50とは別の冷却流路がさらに設けられていてもよい。例えば図3~図5に示す例示的な実施形態では、タービン翼30の内部には、上述の蛇行流路50よりもコード方向において後縁44側に位置する蛇行流路60がさらに設けられている。
図3及び図4に示すように、蛇行流路60は、キャビティ62と、リターン部63を介してキャビティ62に接続されるキャビティ64と、リターン部65を介してキャビティ64に接続されるキャビティ66と、を含む。キャビティ66は、タービン翼30の内部に設けられた複数のキャビティのうち、コード方向にて最も後縁側に位置する。翼形部34の後縁部45には、キャビティ66に連通するとともに後縁部45における翼形部34の表面に開口する出口孔68,69が設けられている。
蛇行流路60には、タービン翼30の翼根部36の端部に開口する入口開口61を介して冷却媒体(例えば空気)が供給されるようになっている。入口開口61を介して蛇行流路60に導入された冷却媒体は、キャビティ62内を基端38側から先端40側に向かって流れ、リターン部63を経てキャビティ64に流入する。そして、冷却媒体は、キャビティ64内を先端40側から基端38側に向かって流れ、リターン部65を経てキャビティ66に流入する。そして、冷却媒体は、キャビティ66内を、基端38側から先端40側に向かって流れ、冷却媒体の一部は、後縁部45に設けられた出口孔69を介してタービン翼30の外部に排出され、冷却媒体の他の一部は、先端部41に設けられた出口孔68を介してタービン翼30の外部に排出される。
幾つかの実施形態では、タービン翼30は、蛇行流路50に供給された冷却媒体が、出口孔70(前縁出口孔72及び先端出口孔74)を介してのみ、タービン翼30の外部に排出されるように構成される。すなわち、タービン翼30は、蛇行流路50に供給された冷却媒体の全量が、出口孔70を介してタービン翼30の外部に排出されるように構成されている。
例えば、図3~図5に示す例示的な実施形態では、翼形部34には、圧力面側キャビティ54又は負圧面側キャビティ56に接続され、翼形部34の表面に開口する孔が設けられていない。すなわち、タービン翼30の内部に形成された蛇行流路50は、出口孔70及び入口開口51を除き、タービン翼30の外部空間に対して、閉じた空間となっている。したがって、入口開口51を介してタービン翼30に供給された冷却媒体の全量が、負圧面側キャビティ56及び圧力面側キャビティ54を通過して前縁側キャビティ52に導入された後、出口孔70(前縁出口孔72又は先端出口孔74)を介してタービン翼30の外部に排出される。
上述の実施形態によれば、蛇行流路50に供給された冷却媒体の全てが、前縁側キャビティ52から翼形部34の表面34bに通じる出口孔70を介してのみタービン翼30の外部に排出される。すなわち、負圧面側キャビティ56に供給された冷却媒体の全てを、圧力面側キャビティ54を介して前縁側キャビティ52に導くようにしたので、負圧面側キャビティ56に供給された冷却媒体の全量について、温度を十分に上昇させて冷却能力を十分に使ってから、出口孔70を介して冷却媒体をタービン翼30の外部に排出することができる。このようにして、冷却媒体を有効活用して、タービン翼30を効果的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、圧力面側キャビティ54と負圧面側キャビティ56との間の隔壁58により形成される圧力面側キャビティ54の内壁面96および負圧面側キャビティ56の内壁面98の間のキャンバ直交方向の距離w1(図3参照)が、コード方向において後縁44に近づくにつれて大きくなる。
幾つかの実施形態では、上述の距離w1が、コード方向における少なくとも一部の領域において、コード方向において後縁44に近づくにつれて大きくなる。
幾つかの実施形態では、少なくとも、コード方向において翼形部34の厚さ(コード方向に直交する方向のサイズ)が最も大きい位置よりも前縁42側の領域において、上述の距離w1がコード方向において後縁44に近づくにつれて大きくなる。
上述の実施形態では、圧力面側キャビティ54と負圧面側キャビティ56とを隔離する隔壁58により形成される内壁面96,98間の距離w1が、コード方向にて後縁44に近づくにつれて大きくなるようにしたので、圧力面側キャビティ54断面形状を圧力面46に沿った形状にしやすくなるとともに、負圧面側キャビティ56の断面形状を負圧面48に沿った形状にしやすくなる。これにより、圧力面46と圧力面側キャビティ54との間の肉厚、及び、負圧面48と負圧面側キャビティ56との間の肉厚を薄くしやすくなるので、圧力面側キャビティ54及び負圧面側キャビティ56を流れる冷却媒体により、タービン翼30をより効果的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図6及び図7に示すように、タービン翼30は、プラットフォーム32の内部に形成されたプラットフォーム冷却流路80を備える。プラットフォーム冷却流路80は、負圧面側キャビティ56に接続される第1端82と、前縁側キャビティ52に接続される第2端84と、を有する。
上述の実施形態では、プラットフォーム32の内部に上述のプラットフォーム冷却流路80を設けたので、負圧面側キャビティ56(蛇行流路50)を流れる冷却媒体の一部を分岐させてプラットフォーム冷却流路80に導くとともに、プラットフォーム冷却流路80を通過した冷却媒体を、前縁側キャビティ52(蛇行流路50)に合流させることができる。よって、蛇行流路50に供給した冷却媒体の一部を利用してプラットフォーム32の冷却をすることができ、タービン翼30の冷却をより効率的に行うことができる。また、プラットフォーム冷却流路80を通過後の冷却媒体は、前縁側キャビティ52に合流した後、前縁側キャビティ52に連通する出口孔70を介してタービン翼30から排出される。したがって、プラットフォーム32を冷却後の冷却媒体の残余の冷却能力を活用して翼形部の冷却を行うとともに、温度が上昇した冷却媒体を出口孔70から排出してタービン翼30のフィルム冷却等に用いることができる。よって、上述の実施形態によれば、冷却媒体を有効利用して、タービン翼30への冷却媒体の供給量増大をより効果的に抑制することができる。
また、上述の実施形態では、翼形部34及びプラットフォーム32の冷却負荷の差異を考慮して、分岐点(負圧面側キャビティ56とプラットフォーム冷却流路80の接続点)で分配される冷却媒体の分配比が適切になるように、蛇行流路50及びプラットフォーム冷却流路80の形状(流路断面積や長さ等)を設定することにより、圧力面側キャビティ54(蛇行流路50)を経由して前縁側キャビティ52に流入する冷却媒体と、プラットフォーム冷却流路80を経由して前縁側キャビティ52に流入する冷却媒体との温度差を小さくすることができる。これにより、タービン翼30をより効果的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、タービン翼30は、第1端82を介してプラットフォーム冷却流路80に供給された冷却媒体が、第2端84を介してのみ、プラットフォーム冷却流路80から排出されるように構成される。すなわち、タービン翼30は、第1端82を介してプラットフォーム冷却流路80に供給された冷却媒体の全量が、第2端84を介してプラットフォーム冷却流路80から排出されるように構成されている。
例えば、図6及び図7に示す例示的な実施形態では、プラットフォーム32には、プラットフォーム冷却流路80に連通し、タービン翼30(例えばプラットフォーム32の表面に開口する孔が設けられていない。すなわち、プラットフォーム32の内部に形成されたプラットフォーム冷却流路80は、第1端82及び第2端84を除き、プラットフォーム32内で閉じた空間となっている。したがって、負圧面側キャビティ56から第1端82を介してプラットフォーム冷却流路80に流入冷却媒体の全量が、第2端84を介してプラットフォーム冷却流路80から排出されて前縁側キャビティに流入する。
したがって、上述の実施形態によれば、プラットフォーム冷却流路80に供給された冷却媒体の全てを、第2端84を介して前縁側キャビティ52に導くようにしたので、プラットフォーム冷却流路80に供給された冷却媒体の全量について、温度を十分に上昇させて冷却能力を十分に使ってから、前縁側キャビティ52に排出することができる。このようにして、冷却媒体を有効活用して、タービン翼30を効果的に冷却することができる。
また、上述の実施形態では、プラットフォーム32の内部にプラットフォーム冷却流路80を設けたので、プラットフォーム32の表面に開口する冷却孔を設けずにプラットフォーム32を冷却可能である。よって、プラットフォーム冷却流路80を流れることでプラットフォーム32を冷却した後の冷却媒体を前縁側キャビティ52に戻して有効活用することが可能である。
以下、本明細書において、プラットフォーム32のうち圧力面46に面する領域を、圧力面側領域102といい、プラットフォーム32のうち負圧面48に面する領域を負圧面側領域104という。すなわち、圧力面側領域102は、平面視において(径方向から視たとき)、プラットフォーム32と翼形部34との接続位置35における翼形部34(図6及び図7において破線で示す)の圧力面46よりも、コード直交方向にて該圧力面46を挟んで負圧面48とは反対側の領域である。また、負圧面側領域104は、平面視において(径方向から視たとき)、上述の接続位置35における翼形部34の負圧面48よりも、コード直交方向にて該負圧面48を挟んで圧力面46とは反対側の領域である。
なお、前縁42よりも前方の領域については、前縁42を起点とし、コード方向にて後縁44から前縁42に向かう方向に延びる半直線L1を、圧力面側領域102と負圧面側領域104の境界とする。また、後縁44よりも後方の領域については、後縁44を起点とし、コード方向にて前縁42から後縁44に向かう方向に延びる半直線L2を、圧力面側領域102と負圧面側領域104の境界とする。
幾つかの実施形態では、例えば図7に示すように、プラットフォーム冷却流路80の第2端84は、前縁側キャビティ52のうち、平面視におけるプラットフォーム32と翼形部34との接続位置35におけるキャンバラインLcよりも圧力面46側の部分に接続される。あるいは、幾つかの実施形態では、例えば図7に示すように、プラットフォーム冷却流路80は、平面視において、上述の半直線L1を跨いで延びている。
上述の実施形態によれば、プラットフォーム冷却流路80の第2端84を、前縁側キャビティ52のうち圧力面46側の部分に接続したので、プラットフォーム冷却流路80の一部は、プラットフォーム32の圧力面側領域102内に位置することになる。よって、プラットフォーム冷却流路を流れる冷却媒体により、プラットフォームのうち負圧面側領域104だけでなく圧力面側領域102も冷却することが可能となり、タービン翼30をより効果的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、プラットフォーム冷却流路80は、平面視において、プラットフォーム32のうち負圧面48に面する負圧面側領域104内に延在する第1負圧面側通路と、負圧面側領域104内にて第1負圧面側通路に沿って延在し、第3リターン部を介して第1負圧面側通路に接続される第2負圧面側通路と、を含む。すなわち、第1負圧面側通路及び第2負圧面側通路は、負圧面側領域104内にて蛇行流路(サーペンタイン流路)を形成している。
たとえば、図6及び図7に示す例示的な実施形態では、プラットフォーム冷却流路80は、平面視において、プラットフォーム32のうち負圧面側領域104内に延在する負圧面側通路86(第1負圧面側通路)と、負圧面側領域104内にて負圧面側通路86(第1負圧面側通路)に沿って延在し、リターン部87(第3リターン部)を介して負圧面側通路86(第1負圧面側通路)に接続される負圧面側通路88(第2負圧面側通路)と、を含む。すなわち、負圧面側通路86(第1負圧面側通路)及び負圧面側通路88(第2負圧面側通路)は、負圧面側領域104内にて蛇行流路(サーペンタイン流路)を形成している。
また、図6及び図7に示す例示的な実施形態では、プラットフォーム冷却流路80は、平面視において、プラットフォーム32のうち負圧面側領域104内に延在する負圧面側通路88(第1負圧面側通路)と、負圧面側領域104内にて負圧面側通路88(第1負圧面側通路)に沿って延在し、リターン部89(第3リターン部)を介して負圧面側通路88(第1負圧面側通路)に接続される負圧面側通路90(第2負圧面側通路)と、を含む。すなわち、負圧面側通路88(第1負圧面側通路)及び負圧面側通路90(第2負圧面側通路)は、負圧面側領域104内にて蛇行流路(サーペンタイン流路)を形成している。
上述の実施形態によれば、プラットフォーム32の負圧面側領域104内に第1負圧面側通路及び第2負圧面側通路を含む蛇行流路を形成したので、負圧面側領域104内におけるプラットフォーム冷却流路80の長さを長くすることができる。よって、プラットフォーム32のうち負圧面側領域104をより効果的に冷却することができる。
幾つかの実施形態では、プラットフォーム冷却流路80は、平面視において、プラットフォーム32のうち圧力面46に面する圧力面側領域102内に延在する第1圧力面側通路と、圧力面側領域102内にて第1圧力面側通路に沿って延在し、第4リターン部を介して第1圧力面側通路に接続される第2圧力面側通路と、を含む。すなわち、第1圧力面側通路及び第2圧力面側通路は、圧力面側領域102内にて蛇行流路(サーペンタイン流路)を形成している。
たとえば、図7に示す例示的な実施形態では、プラットフォーム冷却流路80は、平面視において、プラットフォーム32のうち圧力面側領域102内に延在する圧力面側通路92(第1圧力面側通路)と、圧力面側領域102内にて圧力面側通路92(第1圧力面側通路)に沿って延在し、リターン部93(第4リターン部)を介して圧力面側通路92(第1圧力面側通路)に接続される圧力面側通路94(第2圧力面側通路)と、を含む。すなわち、圧力面側通路92(第1圧力面側通路)及び圧力面側通路94(第2圧力面側通路)は、圧力面側領域102内にて蛇行流路(サーペンタイン流路)を形成している。
上述の実施形態によれば、プラットフォーム32の圧力面側領域102内に第1圧力面側通路及び第2圧力面側通路を含む蛇行流路を形成したので、圧力面側領域102内におけるプラットフォーム冷却流路80の長さを長くすることができる。よって、プラットフォーム32のうち圧力面側領域102をより効果的に冷却することができる。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るタービン翼(30)は、
翼高さ方向に延在し、前縁(42)と後縁(44)との間において延在する圧力面(46)及び負圧面(48)を有する翼形部(34)と、
少なくとも前記翼形部の内部において前記翼高さ方向に沿ってそれぞれ延在する複数のキャビティ(52,54,56)と、を備え、
前記複数のキャビティは、互いに連通して蛇行流路(50)を形成する前縁側キャビティ(52)、圧力面側キャビティ(54)及び負圧面側キャビティ(56)を含み、
前記前縁側キャビティは、前記複数のキャビティのうち前記翼形部のコード方向において最も前縁側に位置し、
前記圧力面側キャビティは、前記コード方向において前記前縁側キャビティよりも後縁側に位置し、前記翼高さ方向における前記翼形部の基端(38)側の第1リターン部(53)を介して前記前縁側キャビティに接続され、
前記負圧面側キャビティは、前記コード方向において前記前縁側キャビティよりも後縁側にて前記圧力面側キャビティと少なくとも部分的に重なるように位置し、前記翼高さ方向における前記翼形部の先端(40)側の第2リターン部(55)を介して前記圧力面側キャビティに接続され、
前記翼形部の前縁部に形成され、前記前縁側キャビティに連通するとともに前記前縁部における前記翼形部の表面に開口する出口孔(70)を備える。
上記(1)の構成によれば、冷却媒体が流れる蛇行流路を形成する圧力面側キャビティと負圧面側キャビティとを別々に設けるとともに第2リターン部を介して接続したので、負圧面側キャビティを通過後の冷却媒体を圧力面側キャビティに流すことができる。したがって、1本のキャビティで翼形部の圧力面側と負圧面側の両方を冷却する場合に比べて、熱負荷の比較的小さい圧力面側の過冷却を防止しながら、翼形部を含むタービン翼を効果的に冷却することができる。また、圧力面側キャビティと前縁側キャビティとを第1リターン部を介して接続するとともに、前縁側キャビティに連通する出口孔を設けたので、圧力面側キャビティを通過後の冷却媒体を、第1リターン部を介して前縁側キャビティに流入させるとともに出口孔を介してタービン翼の外部に排出させることができる。
すなわち、負圧面側キャビティ及び圧力面側キャビティを流れることで翼形部を冷却した冷却媒体を、さらに前縁側キャビティに供給することで、残余の冷却能力を活用して翼形部の冷却を行うとともに、翼形部を冷却することにより温度が上昇した冷却媒体を、出口孔から排出してタービン翼のフィルム冷却等に用いることができる。よって、上記(1)の実施形態によれば、熱負荷の異なる圧力面側と負圧面側とをバランスよく冷却しながら冷却媒体の有効活用が可能となり、タービン翼への冷却媒体の供給量増大を抑制することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記翼形部(34)には、前記圧力面側キャビティ又は前記負圧面側キャビティに接続され、前記翼形部の表面に開口する孔が設けられていない。
上記(2)の構成によれば、負圧面側キャビティ又は圧力面側キャビティからタービン翼の外部へ冷却媒体を排出するための孔が設けられていないので、負圧面側キャビティに供給された冷却媒体の全てを、圧力面側キャビティを介して前縁側キャビティに導くことができる。よって、負圧面側キャビティに供給された冷却媒体の全量について、温度を十分に上昇させて冷却能力を十分に使ってから、出口孔を介して冷却媒体をタービン翼の外部に排出することができる。このようにして、冷却媒体を有効活用して、タービン翼を効果的に冷却することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記タービン翼(30)は、
前記蛇行流路(50)に供給された冷却媒体が、前記出口孔(70)を介してのみ、前記タービン翼(30)の外部に排出されるように構成される。
上記(3)の構成によれば、蛇行流路に供給された冷却媒体の全てが、前縁側キャビティから翼形部の表面に通じる出口孔を介してのみタービン翼の外部に排出される。すなわち、負圧面側キャビティに供給された冷却媒体の全てを、圧力面側キャビティを介して前縁側キャビティに導くようにしたので、負圧面側キャビティに供給された冷却媒体の全量について、温度を十分に上昇させて冷却能力を十分に使ってから、出口孔を介して冷却媒体をタービン翼の外部に排出することができる。このようにして、冷却媒体を有効活用して、タービン翼を効果的に冷却することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記圧力面側キャビティ(54)と前記負圧面側キャビティ(56)との間の隔壁(58)により形成される前記圧力面側キャビティの内壁面(96)および前記負圧面側キャビティの内壁面(98)の間のキャンバ直交方向の距離(w1)が、前記コード方向において前記後縁(44)に近づくにつれて大きくなる。
上記(4)の構成によれば、圧力面側キャビティと負圧面側キャビティとを隔離する隔壁により形成される内壁面間の距離が、コード方向にて後縁に近づくにつれて大きくなるようにしたので、圧力面側キャビティ及び負圧面側キャビティの断面形状を、圧力面及び負圧面に沿った形状にしやすくなる。これにより、圧力面と圧力面側キャビティとの間の肉厚、及び、負圧面と負圧面側キャビティとの間の肉厚を薄くしやすくなるので、圧力面側キャビティ及び負圧面側キャビティを流れる冷却媒体により、タービン翼をより効果的に冷却することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、
前記タービン翼(30)は、
前記翼形部(34)に接続されるプラットフォーム(32)と、
前記プラットフォームの内部に形成され、前記負圧面側キャビティ(56)に接続される第1端(82)、及び、前記前縁側キャビティ(54)に接続される第2端(84)を有するプラットフォーム冷却流路(80)と、
を備える。
上記(5)の構成によれば、プラットフォームの内部に形成され、両端が負圧面側キャビティ及び前縁側キャビティに接続されるプラットフォーム冷却流路を設けたので、負圧面側キャビティ(蛇行流路)を流れる冷却媒体の一部を分岐させてプラットフォーム冷却流路に導くとともに、プラットフォーム冷却流路を通過した冷却媒体を、前縁側キャビティ(蛇行流路)に合流させることができる。よって、蛇行流路に供給した冷却媒体の一部を利用してプラットフォームの冷却をすることができ、タービン翼の冷却をより効率的に行うことができる。また、プラットフォーム冷却流路を通過後の冷却媒体は、前縁側キャビティに合流した後、前縁側キャビティに連通する出口孔を介してタービン翼から排出される。したがって、プラットフォームを冷却後の冷却媒体の残余の冷却能力を活用して翼形部の冷却を行うとともに、温度が上昇した冷却媒体を出口孔から排出してタービン翼のフィルム冷却等に用いることができる。よって、上記(5)の構成によれば、冷却媒体を有効利用して、タービン翼への冷却媒体の供給量増大をより効果的に抑制することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、
前記第2端(84)は、前記前縁側キャビティ(54)のうち、平面視における前記プラットフォーム(32)と前記翼形部(34)との接続位置(35)におけるキャンバライン(Lc)よりも圧力面(46)側の部分に接続される。
上記(6)の構成によれば、プラットフォーム冷却流路の第2端を、前縁側キャビティのうち圧力面側の部分に接続したので、プラットフォーム冷却流路の一部は、プラットフォームの圧力面側領域内に位置することになる。よって、プラットフォーム冷却流路を流れる冷却媒体により、プラットフォームのうち負圧面側領域だけでなく圧力面側領域も冷却することが可能となり、タービン翼をより効果的に冷却することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(5)又は(6)の構成において、
前記プラットフォーム冷却流路(80)は、
平面視において、前記プラットフォーム(32)のうち前記負圧面(48)に面する負圧面側領域(104)内に延在する第1負圧面側通路(例えば負圧面側通路86)と、
前記負圧面側領域内にて前記第1負圧面側通路に沿って延在し、第3リターン部(例えばリターン部87)を介して前記第1負圧面側通路に接続される第2負圧面側通路(例えば負圧面側通路88)と、を含む。
上記(7)の構成によれば、プラットフォームの負圧面側領域内に第1負圧面側通路及び第2負圧面側通路を含む蛇行流路を形成したので、負圧面側領域内におけるプラットフォーム冷却流路の長さを長くすることができる。よって、プラットフォームのうち負圧面側領域をより効果的に冷却することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(5)乃至(7)の何れかの構成において、
前記プラットフォーム冷却流路(80)は、
平面視において、前記プラットフォーム(32)のうち前記圧力面(46)に面する圧力面側領域(102)内に延在する第1圧力面側通路(例えば圧力面側通路92)と、
前記圧力面側領域内にて前記第1圧力面側通路に沿って延在し、第4リターン部(例えばリターン部93)を介して前記第1圧力面側通路に接続される第2圧力面側通路(例えば圧力面側通路94)と、を含む。
上記(8)の構成によれば、プラットフォームの圧力面側領域内に第1圧力面側通路及び第2圧力面側通路を含む蛇行流路を形成したので、圧力面側領域内におけるプラットフォーム冷却流路の長さを長くすることができる。よって、プラットフォームのうち圧力面側領域をより効果的に冷却することができる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービン(1)は、
上記(1)乃至(8)の何れか一項に記載のタービン翼(30)と、
前記タービン翼が設けられる燃焼ガス流路を流れる燃焼ガスを生成するための燃焼器(4)と、
を備える。
上記(9)の構成によれば、冷却媒体が流れる蛇行流路を形成する圧力面側キャビティと負圧面側キャビティとを別々に設けるとともに第2リターン部を介して接続したので、負圧面側キャビティを通過後の冷却媒体を圧力面側キャビティに流すことができる。したがって、1本のキャビティで翼形部の圧力面側と負圧面側の両方を冷却する場合に比べて、熱負荷の比較的小さい圧力面側の過冷却を防止しながら、翼形部を含むタービン翼を効果的に冷却することができる。また、圧力面側キャビティと前縁側キャビティとを第1リターン部を介して接続するとともに、前縁側キャビティに連通する出口孔を設けたので、圧力面側キャビティを通過後の冷却媒体を、第1リターン部を介して前縁側キャビティに流入させるとともに出口孔から排出させることができる。
すなわち、負圧面側キャビティ及び圧力面側キャビティを流れることで翼形部を冷却した冷却媒体を、さらに前縁側キャビティに供給することで、残余の冷却能力を活用して翼形部の冷却を行うとともに、翼形部を冷却することにより温度が上昇した冷却媒体を、出口孔から排出してタービン翼のフィルム冷却等に用いることができる。よって、上記(9)の実施形態によれば、熱負荷の異なる圧力面側と負圧面側とをバランスよく冷却しながら冷却媒体の有効活用が可能となり、タービン翼への冷却媒体の供給量増大を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 ガスタービン
2 圧縮機
4 燃焼器
6 タービン
8 ロータ
10 圧縮機車室
12 空気取入口
16 静翼
18 動翼
20 ケーシング
22 タービン車室
24 静翼
26 動翼
28 燃焼ガス流路
29 排気室
30 タービン翼
32 プラットフォーム
34 翼形部
34a 内壁面
34b 表面
35 接続位置
36 翼根部
37 係合部
38 基端
40 先端
41 先端部
42 前縁
43 前縁部
44 後縁
45 後縁部
46 圧力面
48 負圧面
50 蛇行流路
51 入口開口
52 前縁側キャビティ
53 第1リターン部
54 圧力面側キャビティ
55 第2リターン部
56 負圧面側キャビティ
58 隔壁
60 蛇行流路
61 入口開口
62 キャビティ
63 リターン部
64 キャビティ
65 リターン部
66 キャビティ
68 出口孔
69 出口孔
70 出口孔
72 前縁出口孔
74 先端出口孔
76a~76d リブ
80 プラットフォーム冷却流路
82 第1端
84 第2端
86 負圧面側通路
87 リターン部
88 負圧面側通路
89 リターン部
90 負圧面側通路
92 圧力面側通路
93 リターン部
94 圧力面側通路
96 内壁面
98 内壁面
102 圧力面側領域
104 負圧面側領域

Claims (9)

  1. 翼高さ方向に延在し、前記翼高さ方向における両端である基端及び先端と、前縁と後縁との間において延在する圧力面及び負圧面と、を有する翼形部と、
    少なくとも前記翼形部の内部において前記翼高さ方向に沿ってそれぞれ延在する複数のキャビティと、を備え、
    前記複数のキャビティは、互いに連通して蛇行流路を形成する前縁側キャビティ、圧力面側キャビティ及び負圧面側キャビティを含み、
    前記前縁側キャビティは、前記複数のキャビティのうち前記翼形部のコード方向において最も前縁側に位置し、
    前記圧力面側キャビティは、前記コード方向において前記前縁側キャビティよりも後縁側に位置し、前記翼高さ方向における前記翼形部の基端側の第1リターン部を介して前記前縁側キャビティに接続され、
    前記負圧面側キャビティは、前記コード方向において前記前縁側キャビティよりも後縁側にて前記圧力面側キャビティと少なくとも部分的に重なるように位置し、前記翼高さ方向における前記翼形部の先端側の第2リターン部を介して前記圧力面側キャビティに接続され、
    前記翼形部の前縁部に形成され、前記前縁側キャビティに連通するとともに前記前縁部における前記翼形部の表面に開口する出口孔を備える
    タービン翼。
  2. 前記翼形部には、前記圧力面側キャビティ又は前記負圧面側キャビティに接続され、前記翼形部の表面に開口する孔が設けられていない
    請求項1に記載のタービン翼。
  3. 前記蛇行流路に供給された冷却媒体が、前記出口孔を介してのみ、前記タービン翼の外部に排出されるように構成された
    請求項1又は2に記載のタービン翼。
  4. 前記圧力面側キャビティと前記負圧面側キャビティとの間の隔壁により形成される前記圧力面側キャビティの内壁面および前記負圧面側キャビティの内壁面の間のキャンバ直交方向の距離が、前記コード方向において前記後縁に近づくにつれて大きくなる
    請求項1乃至3の何れか一項に記載のタービン翼。
  5. 前記翼形部に接続されるプラットフォームと、
    前記プラットフォームの内部に形成され、前記負圧面側キャビティに接続される第1端、及び、前記前縁側キャビティに接続される第2端を有するプラットフォーム冷却流路と、
    を備える
    請求項1乃至4の何れか一項に記載のタービン翼。
  6. 前記第2端は、前記前縁側キャビティのうち、平面視における前記プラットフォームと前記翼形部との接続位置におけるキャンバラインよりも圧力面側の部分に接続される
    請求項5に記載のタービン翼。
  7. 前記プラットフォーム冷却流路は、
    平面視において、前記プラットフォームのうち前記負圧面に面する負圧面側領域内に延在する第1負圧面側通路と、
    前記負圧面側領域内にて前記第1負圧面側通路に沿って延在し、第3リターン部を介して前記第1負圧面側通路に接続される第2負圧面側通路と、を含む
    請求項5又は6に記載のタービン翼。
  8. 前記プラットフォーム冷却流路は、
    平面視において、前記プラットフォームのうち前記圧力面に面する圧力面側領域内に延在する第1圧力面側通路と、
    前記圧力面側領域内にて前記第1圧力面側通路に沿って延在し、第4リターン部を介して前記第1圧力面側通路に接続される第2圧力面側通路と、を含む
    請求項5乃至7の何れか一項に記載のタービン翼。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載のタービン翼と、
    前記タービン翼が設けられる燃焼ガス流路を流れる燃焼ガスを生成するための燃焼器と、
    を備えるガスタービン。
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