JP7250787B2 - 統合失調症の治療 - Google Patents

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Description

本発明は、それを必要とする対象における統合失調症を治療する方法であって、該方法が、治療上有効量の選択的D3アンタゴニストを前記対象に投与することを含み、前記対象が、PANSSにおける以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中程度以上の重症度で有し:情動の平板化(N1)、情動的ひきこもり(N2)、疎通性の障害(N3)、受動的ひきこもり(N4)、および自発性の欠如(N6)、前記中等度以上の重症度が前記治療の開始前の4以上のスコアに相当する方法に関する。さらに、それを必要とする対象における統合失調症の治療の成功確率および/または効果を向上させるための方法も記載される。
統合失調症
統合失調症は、慢性的かつ障害を起こすことがあり得る重度の精神障害である。統合失調症は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition, (DSM-5, 2013)において、下記5つの症状領域:妄想、幻覚(聴覚幻覚が最も一般的)、まとまりのない思考と会話、全体的にまとまりのないまたは異常な運動行動(緊張病を含む)、ならびに感情表現の低下、意欲消失、失語症、無快感症および非社交性を伴う感情的な平坦化を含む陰性症状の1つ以上の異常を特徴とする精神障害として定義されており、これは社会的コミュニケーションに対するはっきりとした関心の欠如を意味する。この障害は、主に記憶、実行機能、処理速度の低下、注意力および集中力の障害を伴う認知障害に関連し、陰性症状の重症度にも関連する重大な社会的または職業的機能障害を伴う。
統合失調症の人は、大うつ病および不安障害を含むさらなる(併存する)症状を有する可能性があり;薬物乱用の生涯発生率はほぼ50%である。長期的な失業、貧困およびホームレス等の社会問題が一般的である。
統合失調症の人の平均余命は、身体的な健康の問題の増加と高い自殺率(約10%)の結果として、統合失調症でない人よりも12~15年短い。
診断は行動観察および報告された患者の経験に基づいて行われる。
症状の発症は一般的に若年成人期に発生し、世界的な生涯有病率は約0.3~0.7%である。統合失調症は世界中で約2400万人が罹患している。統合失調症は、女性よりも男性において1.4倍多く発生し、通常は男性において比較的早期に発生し;発症のピーク年齢は、男性では20~28歳、女性では26~32歳である。
統合失調症の治療
統合失調症の根本的なメカニズムはほとんど理解されていない。統合失調症と診断された人においては、脳の構造と生化学との両方に変化が見られる。脳の中脳辺縁系経路におけるドーパミン機能に特に関心が寄せられている。
統合失調症に罹患した患者は、神経安定薬の名称でも知られている、統合失調症の陽性症状を軽減する抗精神病薬と呼ばれる薬を用いて治療することができる。しかしながら、抗精神病薬は、統合失調症における陰性症状および認知機能障害を大幅に改善することはできない。
抗精神病薬の治療効果は、脳内の神経伝達物質ドーパミンの受容体を遮断することに起因するものとして一般に知られている。D1、D2、D3、D4およびD5と呼ばれるドーパミン受容体の5つの既知のサブタイプが知られている(Sokoloff et al. Annals New-York Academy of Sciences 1995, 757, 278-292)。D2には2つのアイソフォーム:主要なシナプス後サブタイプであるD2L(ロング)、およびD2S(ショート)があることも知られている。
第一世代または従来の抗精神病薬は、優先的には高い親和性を有するD2受容体遮断薬である。これらの薬物療法は統合失調症の陽性症状を改善する一方で、脳の線条体領域のD2受容体の遮断に起因する錐体外路症状(EPS)(Schotte et al., Psychopharmacology, 1996, 124, 57-73)を含む深刻な副作用をもたらすことがよくある。したがって、これらの薬物療法は、現在、統合失調症の薬物療法の主力である第二世代または非定型の抗精神病薬に置き換わっている(Sernyak et al. Psychiatr Serv. 2008, 59(5), 567-569)。
これらの新しい薬剤は、セロトニン作動性機能に影響を及ぼし、ドーパミンD2遮断効果が弱い場合が多く、抗精神病薬の有効性が実証されており、通常、従来の抗精神病薬よりも低いEPSの傾向に関係している(Leucht et al. Lancet 2009, 373: 31-41)。しかしながら、いくつかの非定型抗精神病薬は、体重増加、メタボリックシンドローム、糖尿病およびアテローム生成性脂質異常症を含む、心血管リスクを増大させる代謝変化と関連している(Newcomer, CNS Drugs. 2005, 19 (suppl 1), 1-93)。
使用する抗精神病薬の選択は、メリット、リスクおよびコストに基づく。定型または非定型の抗精神病薬が薬物クラスとしてより優れているかどうかは議論の余地がある。定型抗精神病薬を中等量で用いた場合には、どちらも脱落および症状の再発率が同程度である。40~50%の症例においては良好な応答が見られ、30~40%の症例においては部分的応答が見られ、20~30%の人においては治療抵抗性(3種類の異なる抗精神病薬のうち2種類による6週間の連続的治療後の十分な応答の失敗)が見られる。統合失調症の抗精神病薬に対する応答について、非常に高い個人差が観察される。この差の要因はまだ解明されていない。
確立された抗精神病薬(従来型および非定型抗精神病薬)を用いた治療の限界は、Clinical Antipsychotic Trials of Intervention Effectiveness (CATIE)の結果において強調されている:効果の欠如、有害事象または個人的な嗜好の理由により、患者の74%が最初の処方薬による治療を18カ月以内に中止した、(Lieberman et al. N Engl J Med 2005, 353, 1209-23)。
治療の向上
薬理学的治療の向上は、多くの異なる補完的なアプローチを模索することによって探索される。ほとんどの研究は、有効性および/または安全性プロファイルが改善された新規の化合物または製剤を見つけることを目的としているが、特定の患者に最も適した治療法の決定に焦点を当てた精密医療等、より多くの代替的アプローチが開発されている。
新規の化合物の研究の科学的根拠は、統合失調症における、皮質下の活性亢進と皮質の活性抑制の2つのドーパミン作動性経路の活性の遮断という仮説に基づいている。このパターンを踏まえると、現在利用可能な抗精神病薬の、両方の領域においてドーパミン作動性D2受容体を遮断することによる作用機序が統合失調症の治療に最適ではないことは明らかである。D2受容体は両方の脳領域に位置するため、皮質下領域におけるドーパミン作動性活性亢進を抑制する一方で、認知機能障害および陰性症状の原因となり得る前頭前皮質におけるドーパミン作動性活性抑制を弱める。一方、D3受容体は主に皮質下領域に存在している。D3受容体の作用の1つは、中皮質ドーパミンニューロンの活性に対する負の制御であり;その結果、D3受容体を遮断すると、皮質ドーパミン作動性機能が正常化する。D3受容体は皮質にも見られる(Clarkson et al. Journal of Neuroscience, 2017, 37 (24) 5846-5860)。それらの機能はまだ完全には特徴付けされていないものの、D3受容体の遮断が抗精神病薬の治療効果に必要であることが示唆されている(Schwartz et al. Eur. Neuropsychopharmacol. 2003, 73 (suppl. 4), S 166)。したがって、D3受容体の機能を選択的に調節する薬剤は、神経学的副作用がほとんどない効果的な抗精神病薬であると考えられている(WO1991/015513)。
WO2011/027289には、F17464とも呼ばれる式1に対応するN-(3-{4-[4-(8-オキソ-8H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]クロメン-7-イル)-ブチル]-ピペラジン-1-イル}-フェニル)メタンスルホンアミド(実施例番号21)が開示されている:
Figure 0007250787000001
F17464は強力な選択的ドーパミンD3受容体アンタゴニストであり、また、部分的5HT1Aアゴニストであり、現在利用可能な統合失調症の薬剤とは異なる。
F17464の活性は、in vitroでの組換えドーパミン作動性受容体において、D2およびD3受容体におけるプロファイルについて評価された。ヒト組換えドーパミンD3受容体またはヒト組換えドーパミンD2LもしくはD2S受容体を発現する細胞を使用した[H]スピペロン結合の研究(Cussac et al. Naunyn-Schmiedeberg’s Arch Pharmacol, 2000, 361, 569-572)において、化合物は、Ki値は0.17nmol/リットルの高親和性のドーパミンD3受容体リガンドとして作用する。化合物は、71倍弱い(Ki値12.1nmol/リットル)ドーパミンD2L受容体、および38倍弱い(Ki値6.5nmol/リットル)ドーパミンD2S受容体に対して低い親和性を示す。F17464は、ヒト組換えドーパミンD3受容体のMAPキナーゼ活性試験を用いて、ドーパミンD3受容体におけるアゴニスト、部分アゴニストまたはアンタゴニストの活性についても評価された(Cussac et al., Mol. Pharmacol. 1999, 56, 1025-1030)。その固有の活性は無く、完全なアンタゴニストであることを示す。
前臨床試験においては、抗精神病薬のような活性だけでなく、陰性症状に対する活性、および認知障害のいくつかの動物モデルにおける認知の改善が実証された。げっ歯動物、イヌ科動物において、および健康な対照被験者において行われた初期の単回および複数回投与試験においては、副作用はほとんど見られなかった。
[11C]-(+)-PHNOを用いて健康な被験者において行われたPETスキャンの臨床試験では、F17464は2回の単回投与レベルの後、D2受容体への適度な結合度で、強力で持続的なD3結合度を示した(Sokoloff et al. Neuropsychopharmacology, 2014, 39, S571, W153)。
F17464の有効性は、統合失調症の急性増悪の患者の第2相試験において良好な安全性プロファイルで実証されている(Bitter et al. 25th European congress of psychiatry, 2017, poster EPA17-2823)
これらの結果が非常に有望であっても、すべての課題が解決されるわけではなく、特に統合失調症の状況では、個々の応答のばらつきに対する適切な解決策を見出すことは依然として非常に重要である。
個々の患者の特定のプロファイルに従って成功する可能性が最も高い治療の種類を識別することは、効果のない治療とその副作用への患者の曝露の低減、治療への固執の改善、全体的なグローバルな臨床結果の強化を含め、多くの利点がある(Whitlock et al. Systematic Reviews, 2017, 6:41)。
いくつかの公的および/または民間の研究チームは、抗精神病薬治療への応答を決定する要因の理解に取り組んでいる(例えば、Rabinowitz et al. JClinPsychiatry 2014, 75(4), 308-316)。
しかしながら、治療応答の決定要因が十分に理解されていないため、治療効果の不均一性に対処することは非常に困難である。したがって、特に統合失調症の治療において、より大きな集団と比較した場合に、所定の治療により多くの利益をもたらすであろう亜集団である「より良好な応答者(better responders)」を特定することに対する真の必要性が存在する。
驚くべきことに、本発明者らは、特定の患者集団が、統合失調症の全集団よりも選択的D3アンタゴニストによる治療により良く応答することを見出した。
PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)における以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上、すなわちベースラインにおいて4以上のスコアに相当する重症度で有する患者のサブグループにおいて、より良好な治療結果が得られることが見出されている:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)。
これは、F17464で実施された第II相臨床試験の例1により示されている。
これらの結果は、NEWMEDSデータベース(Rabinowitz et al, JClinPsychiatry 2014; 75(4):308-316)の同様の陰性症状の基準を満たす患者への影響と比較される。分析された登録された非定型抗精神病薬(PANSS項目のスコアが利用可能であり、選択的D3拮抗薬はなし)のいずれも、同じ種類の結果を示さなかった。
したがって、本発明は、それを必要とする対象における統合失調症を治療する方法に関し、該方法は、治療上有効量の選択的D3アンタゴニスト、好ましくはF17464またはその薬学的に許容可能な塩を前記対象に投与することを含み、前記対象は、PANSSにおける以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上の重症度で有し:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)、
前記中等度以上の重症度は前記治療の開始前の4以上のスコアに相当する。
本発明はまた、それを必要とする対象における統合失調症の治療の成功確率および/または効果を向上させる方法であって、治療上有効量の選択的D3アンタゴニスト、好ましくはF17464またはその薬学的に許容可能な塩を対象に投与することを含む方法に関し、前記対象は、PANSSにおける以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上の重症度で有し:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)、
前記中等度以上の重症度は前記治療の開始前の4以上のスコアに相当する。
いくつかの実施形態において、本発明における薬学的に許容可能な塩は、F17464塩酸塩である。
いくつかの実施形態において、本発明における対象は、本発明による治療の開始前に、統合失調症の急性増悪を患っている。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における統合失調症の急性増悪は、70以上120未満のPANSSの合計スコアによって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、本発明における対象は、以下の基準を満たしている:
a.最低1年間の文書化された統合失調症の診断;および
b.スコア4以上の重症度の臨床全般印象評価尺度(CGI-S)。
前記治療の開始前。
いくつかの実施形態において、本発明における治療上有効量は、1日あたり1~100mg、好ましくは1日あたり40mgの用量である。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における治療上有効量は、1日1回1~100mgまたは1日2回0.5~50mgの用量である。
いくつかのより好ましい実施形態において、本発明における治療上有効量は、1日1回1~100mgまたは1日2回0.5~50mgの固定用量、好ましくは1日1回40mgまたは1日2回20mgの固定用量である。
いくつかの実施形態において、本発明における用量は経口投与される。
いくつかの実施形態において、本発明における用量は、それを必要とする対象に6週間以上投与される。
図1は、例1において詳述されるF17464臨床試験中のPANSSの合計スコア値(LOCF)[FAS](平均値/平均値の標準誤差)の経時変化を示す。 図2は、例1において詳述されるF17464臨床試験中の最初の持続PANSS20%応答(LOCF)-KM Kaplan-Meyer[FAS]までの時間を示す。
発明の詳細な説明
統合失調症の新規の治療方法であって、それを必要とする対象に有効量の選択的D3アンタゴニスト、好ましくはF17464を投与することを含み、前記対象は、PANSSにおける以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上、すなわち前記治療の開始前の4以上のスコアに相当する重症度で有する方法が本明細書において提供される:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)。
本発明者らは、この特定の亜集団を選択的D3アンタゴニストで治療することにより、治療に対するより良好な応答が達成されることを見出した。したがって、選択的D3アンタゴニストによる治療のためにその亜集団を選択することにより、治療の成功確率および/または効果が向上する。
定義
本発明の文脈において、「F17464」という用語は、N-(3-{4-[4-(8-oxo-8H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]クロメン-7-イル)-ブチル]-ピペラジン-1-イル}-フェニル)メタンスルホンアミドを指す。
「薬学的に許容可能な」という表現は、医薬組成物の調製に有用であり、一般に安全で無毒であり、生物学的またはその他の点で望ましくないものではなく、獣医学的およびヒトへ使用が許容されるものを指す。
本明細書において使用される場合、「塩」という用語は、化合物の有機または無機の酸および塩基付加塩、好ましくは化合物の有機または無機の酸付加塩を表す。例として、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸等の無機酸に由来する塩、および酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ステアリン酸、乳酸等の有機酸に由来する塩が挙げられる。
上記で使用されているように、「D3ドーパミン受容体」、「D3受容体」または「D3」という用語は、主に辺縁系において発現するドーパミン受容体サブタイプを示す(Sokoloff et al. Nature, 1990, 347, 146-151)。D3受容体はWO1991/015513に記載されている。
本発明の文脈において、「D3アンタゴニスト」という表現は、潜在的なD3受容体遮断薬、すなわちD3受容体と複合体を形成し、不活性状態のD3受容体を全体的または部分的に安定化させる分子を指し、アンタゴニスト(逆アゴニストまたは中立アンタゴニスト)、部分アゴニストまたは負のアロステリックモジュレーターであってもよい(Luttrell et al. Methods in Molecular Biology, 2011, 756, 3-35)。
本明細書において使用する場合、「選択的D3アンタゴニスト」という用語は、D2受容体(D2Sおよび/またはD2L)に対するよりもD3受容体に対してより高い親和性を有する、上記で定義されるD3アンタゴニストを指す。受容体に対する化合物の親和性は、通常、Ki値として表される。優先的に、相対結合親和性は、ヒト組換えドーパミンD3、D2SまたはD2L受容体を発現する細胞を使用した競合放射性リガンド結合研究において決定される(Newman-Tancredi et al. British Journal of Pharmacology, 2007, 151, 237-252)。より優先的には、ヒト組換えドーパミンD3受容体またはヒト組換えドーパミンD2LもしくはD2S受容体を発現する細胞を使用した[H]スピペロン結合研究において定義される(Cussac et al. Naunyn-Schmiedeberg’s Arch Pharmacol, 2000, 361, 569-572)。
本発明において、「対象」または「患者」という用語は、病状に罹患しているか、または非常に罹患しやすいヒトまたは非ヒト哺乳動物を指す。好ましくは、患者はヒトである。
本明細書において使用される場合、「治療上有効量」という用語は、対象に投与した場合に所望の治療効果を得るのに有効な化合物または組成物の量を意味する。
本明細書において「治療する」または「治療」という用語は、特に明記しない限り、疾患、障害または状態の少なくとも1つの症状を緩和、軽減、遅延、縮小、回復、改善または予防することを意味する。疾患、障害または状態の少なくとも1つの症状の発症を阻止、遅延すること、および/または進展または悪化のリスクを低減することを意味する。
本明細書において、「統合失調症」は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth-Revised (DSM-4-TR)に従って定義される。
統合失調症の急性増悪は、幻覚、妄想、概念の統合障害(conceptual disorganization)、行動障害および興奮の特徴的な陽性症状を特徴とする、多彩な精神病の特徴(急性精神病の症状発現)の存在と関連することがある。自殺行動等の他の非特定の指標も考慮に入れることができる。入院の決定には、気分障害、自殺未遂、薬物乱用または社会的および環境的問題等の複数の要因が参照され、患者は自己または他人に危害を及ぼす深刻な脅威をもたらすと考えられ、自己の世話をすることができず、継続的な監督、および外来治療を危険または効果のないものにする一般的な医学的または精神医学的問題を必要とする。本発明の文脈において、「統合失調症の急性増悪」とは、患者の入院を必要とし得る統合失調症の症状の突然の悪化である。
本明細書において使用される「文書化された診断」とは、患者の完全な履歴が彼/彼女の医療ファイルに記録されており、入手可能であり、診断基準をサポートする事象および症状の信頼できる説明が提供されていることを意味する。
略語「PANSS」は、Kay et al. Schizophrenia Bulletin, 1987, 13, 2, 261-78において定義されているように、陽性・陰性症状評価尺度(Positive And Negative Syndrome Scale)の略である。この評価尺度は、7ポイントの評価スコアで評価される30項目により構成される(1:なし、2:最小、3:軽度、4:中等度、5:中等度から重度、6:重度、7:極度)。これらの30項目のうち、7項目は陽性症状の下位尺度(sub-scale)を構成し、7項目は陰性症状の下位尺度を構成し、残りの16項目は一般的な精神病理学の下位尺度を構成する。
治療に対する「応答」または「効果」または「有効性」という表現は、病理学において推奨される有効性の測定および/または評価を使用した、治療の影響の定量的評価と定義される。好ましくは、本発明の文脈において、統合失調症の治療の有効性は、治療の開始と終了との間のPANSSの合計および/またはサブスコアを低下させる効果によって定義される。
詳細な説明
本発明は、それを必要とする対象において統合失調症を治療する方法に関し、該方法は、治療上有効量の選択的D3アンタゴニストを対象に投与することを含み、前記対象は、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)における以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上の重症度で有し:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)、
前記中等度以上の重症度は前記治療の開始前の4以上のスコアに相当する。
本発明はまた、それを必要とする対象における統合失調症の治療の成功確率および/または効果を向上させる方法に関し、該方法は、治療上有効量の選択的D3アンタゴニストを対象に投与することを含み、前記対象は、PANSSにおける以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上の重症度で有し:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)、
前記中等度以上の重症度は前記治療の開始前の4以上のスコアに相当する。
したがって、本発明はまた、それを必要とする対象における統合失調症の治療にける使用のための選択的D3アンタゴニストに関し、治療上有効量の前記選択的D3アンタゴニストを対象に投与することを含み、前記対象は、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)における以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上の重症度で有し:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)、
前記中等度以上の重症度は前記治療の開始前の4以上のスコアに相当する。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明において使用するための前記選択的D3アンタゴニストは、統合失調症の治療の成功確率および/または効果を向上させるためのものである。
本発明はまた、治療上有効量の選択的D3アンタゴニストを対象に投与することを含むことを特徴とする、それを必要とする対象における統合失調症の治療のための医薬の製造のための選択的D3アンタゴニストの使用に関し、前記対象は、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)における以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上の重症度で有し:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)、
前記中等度以上の重症度は前記治療の開始前の4以上のスコアに相当する。
本発明はまた、治療上有効量の選択的D3アンタゴニストを対象に投与することを含むことを特徴とする、それを必要とする対象における統合失調症の治療の成功確率および/または効果を向上させるための医薬の製造のための選択的D3アンタゴニストの使用に関し、前記対象は、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)における以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上の重症度で有し:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)、
前記中等度以上の重症度は前記治療の開始前の4以上のスコアに相当する。
選択的D3アンタゴニスト
本発明の文脈において、「選択的D3アンタゴニスト」とは、D2受容体(D2Sおよび/またはD2L)に対してよりもD3受容体に対してより高い親和性を有する化合物である。
いくつかの実施形態において、本発明における選択的D3アンタゴニストは、D2/D3>1、好ましくは≧2、好ましくは≧5、好ましくは≧10、好ましくは≧20、好ましくは≧30、好ましくは≧40、好ましくは≧50、好ましくは≧60、好ましくは≧70のKi比を有する。
いくつかの実施形態において、本発明における選択的D3アンタゴニストは、F17464とも呼ばれる下記式1のN-(3-{4-[4-(8-オキソ-8H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]クロメン-7-イル)]-ブチル]-ピペラジン-1-イル}-フェニル)-メタンスルホンアミド、またはその薬学的に許容可能な塩である
Figure 0007250787000002
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における薬学的に許容可能な塩は、N-(3-{4-[4-(8-オキソ-8H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]クロメン-7-イル)-ブチル]-ピペラジン-1-イル}-フェニル)-メタンスルホンアミド塩酸塩である。
主題
本発明の主題は、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)における以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上の重症度で有し:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)、
前記中等度以上の重症度は、本発明による治療の開始前の4以上のスコアに相当する。
いくつかの実施形態において、本発明における対象は18歳以上である。
いくつかの実施形態において、本発明における対象は64歳以下である。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における対象は18~64歳または18または64歳である。
いくつかの実施形態において、対象は統合失調症の診断を受けている。
いくつかの好ましい実施形態において、対象は、本発明による治療の開始前の最低1年間、統合失調症の診断を受けている。
いくつかのより好ましい実施形態において、対象は、本発明による治療の開始前の最低1年間、文書化された統合失調症の診断を受けている。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における文書化された診断は、統合失調症の急性増悪のための入院、より詳細には、統合失調症の急性増悪のための最初の入院の説明を含む。
いくつかの実施形態において、本発明における対象は、診断から本発明による治療の開始までの間に、年に2回以下の入院回数を有する。
いくつかの実施形態において、本発明における対象は、診断から本発明による治療の開始までの間に、年に少なくとも1回であって2回を超えない入院回数を有する。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における入院は、4日を超える入院の最小期間を有する。
いくつかの実施形態において、本発明における対象は、本発明による治療の開始前の年の間に入院または抗精神病薬の変更または他の治療的介入を必要とする最大で3つの急性精神病の症状の発現を有する。
いくつかの実施形態において、本発明における対象は、本発明による治療の開始前に統合失調症の急性増悪を患っている。
いくつかの実施形態において、本発明における急性増悪は、70以上120未満のPANSSの合計スコアによって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、本発明における急性増悪は、以下の4つのPANSS陽性症状:妄想、幻覚行動、概念の統合障害、猜疑心/被害妄想の少なくとも2つについて、少なくとも4(中等度)の評価によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態において、本発明における急性増悪は、臨床的に優勢な陰性症状とは関連しない。
本明細書で使用される場合、「臨床的に優勢な陰性症状」とは、陰性症状の優勢がPANSS陰性スコアしきい値などの客観的基準で予め定義されておらず、臨床医の臨床判断に基づいて評価されることを意味する。
いくつかの実施形態において、本発明における急性増悪は、重症度の臨床全般印象評価尺度(CGI-S)スコアが4以上(中程度または重度)であることを特徴とする。
いくつかの実施形態において、本発明における急性増悪は、本発明における対象の急性増悪の最初の症状の発症ではない。
いくつかの実施形態において、本発明における対象は、以下の1つまたはいくつかを本発明による治療の開始前に患っていない:
-統合失調感情障害、統合失調症様障害および他の精神障害;
-双極I型およびII型障害;
-広汎性発達障害、精神遅滞、せん妄、認知症、記憶障害、および本発明による信頼できる診断を損なうであろう他の認知障害;
-遅発性ジスキネジアまたは慢性錐体外路症状(EPS)、セロトニン症候群または神経遮断薬悪性症候群の病歴;
-薬理学的治療を必要とする大うつ病性障害;
-自分や他人を傷つけたり、物的損害を引き起こす差し迫った危険がある場合;
-コロンビア自殺重大度評価尺度(CSSRS)に基づく自殺リスク:
・昨年の自殺行動、
・先月の4型または5型の自殺念慮、
-適切な期間(少なくとも4週間)の少なくとも3つの異なる抗精神病薬の投薬サイクルと過去5年間の適切な用量による適切な経過にもかかわらず、有意な改善の欠如(症状の大幅な緩和なし、良好な機能期間なし)。
いくつかの実施形態において、本発明における対象は、実施例1の段落2.2に記載されている適格性基準の1つまたはいくつかを満たす。
いくつかの実施形態において、本発明における対象は、実施例1の段落2.3に記載されている非適格性基準の1つまたはいくつかを満たさない。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における対象は、実施例1の段落2.2に記載されている適格性基準の1つまたはいくつかを満たし、実施例1の段落2.3に記載されている非適格性基準の1つまたはいくつかを満たさない。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における対象は、実施例1の段落2.2に記載されている適格性基準のすべてを満たし、実施例1の段落2.3に記載されている非適格性基準のいずれも満たさない。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における対象は、統合失調症の急性増悪を患っており、本発明による治療の開始前に以下の基準を満たす:
a.最低1年間の文書化された統合失調症の;診断
b.70以上120未満のPANSSの合計スコア;および
c.スコア4以上の重症度の臨床全般印象評価尺度(CGI-S)。
統合失調症の治療
好ましくは、本発明による統合失調症の治療の効果は、治療の開始と終了との間のPANSSの合計および/または少なくとも1つのサブスコアの低下によって評価される。
いくつかの実施形態において、本発明による効果の向上は、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)における以下の主要な陰性症状のうちの陰性症状(NS)を任意の重症度で有する者を除く、本明細書に詳述されている本発明における対象のすべての特徴を満たす対象に対して行われる本発明によるのと同一の治療の平均効果と比較した場合に、治療の開始と終了との間におけるPANSSの合計および/または任意のサブスコアの50%以上のさらなる低下であり:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)、
前記任意の重症度は本発明による治療の開始前の1以上のスコアに相当する。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明による効果の向上は、治療の開始と終了との間におけるPANSSの合計および/またはすべてのサブスコアの50%以上のさらなる低下である。
いくつかの実施形態において、本発明による効果の向上は、治療の開始と終了との間におけるPANSSの合計および/または全てのサブスコアの100以上のさらなる低下である。
本発明の文脈において、「治療の成功」という用語は、治療の開始と終了との間のPANSSの合計および/または任意のサブスコアの20%以上の有意な低下を指す。
いくつかの実施形態において、本発明における成功は、治療の開始と終了との間のPANSSの合計スコアの20%以上の有意な低下である。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における成功は、治療の開始と終了との間のPANSSの合計および/または任意のサブスコアの30%以上の有意な低下である。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における成功は、治療の開始と終了との間のPANSSの合計スコアの30%以上の有意な低下である。
いくつかのより好ましい実施形態において、本発明における成功は、治療の開始と終了との間のPANSSの合計および/または任意のサブスコアの40%以上の有意な低下である。
いくつかのさらなる実施形態において、本発明における成功は、治療の開始と終了との間のPANSSの合計スコアの40%以上の有意な低下である。
本明細書において使用される「成功確率」という用語は、本発明により治療が成功した対象のパーセンテージを指す。
いくつかの実施形態において、本発明による成功確率の向上は、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)における以下の主要な陰性症状のうちの陰性症状(NS)を任意の重症度で有する者を除く、本明細書において詳述されている本発明における対象のすべての特徴を満たす対象に対して行われる本発明によるのと同一の治療の成功確率と比較した場合に、5%以上のさらなる対象における本発明による治療の成功であり:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)、
前記任意の重症度は本発明による治療の開始前の1以上のスコアに相当する。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明による成功確率の向上は、10%以上のさらなる対象における本発明による治療の成功である。
いくつかのより好ましい実施形態において、本発明による成功確率の向上は、15%以上のさらなる対象における本発明による治療の成功である。
投薬および治療レジメン
本発明に従って投与される選択的D3アンタゴニストの特定の用量レベルおよびレジメンは、任意の特定の患者に対して、体重、全体的な健康状態、性別、食事、期間、投与方法および投与経路、腸管の吸収と再吸収および***のレベル、他の薬剤との組み合わせ、治療中の特定の状態の重症度、以前の抗精神病治療に対する応答の履歴、以前の抗精神病治療で報告された特定の有害事象の履歴を含む様々な要因に依存するであろう。
いくつかの実施形態において、本発明における治療上有効量は、1日あたり1~100mg、好ましくは1日あたり40mgの用量である。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における治療上有効量は、1日1回1~100mgまたは1日2回0.5~50mgの用量である。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における治療上有効量は、固定用量である。
いくつかのより好ましい実施形態において、本発明における治療上有効量は、1日1回1~100mgまたは1日2回0.5~50mg、好ましくは1日1回40mgまたは1日2回20mgの固定用量である。
これらの範囲およびスキームではなく、当業者によって決定される用量およびレジメンを使用する必要があるかもしれない。
本発明における治療上有効量は、様々な経路によって、例えば経口、経皮、神経周囲、または特に経鼻または直腸経路を含む非経口により対象に投与され得る。好ましい経路は、対象の全体的な健康状態および年齢に依存することが理解されよう。
いくつかの好ましい実施形態において、本発明における用量は経口投与される。
本発明による治療の期間はまた、様々な要因に依存するであろう。
いくつかの実施形態において、本発明における用量は、それを必要とする対象に6週間にわたり、または少なくとも6週間投与される。
上述した発明は、理解を明確にする目的で、例証および例としていくらか詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲の制振または範囲から逸脱することなく特定の変更および修正が可能であることは、本発明の教示に照らして、当業者には容易に明らかであろう。
以下の実施例は、本発明の単なる例示であり、決して本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1:F17464の臨床試験結果の分析
N-(3-{4-[4-(8-オキソ-8H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]クロメン-7-イル)-ブチル]-ピペラジン-1-イル}-フェニル)-メタンスルホンアミド塩酸塩を、統合失調症の急性増悪患者についてプラセボ対照試験により試験した。
2.1 方法
この多施設二重盲検並行群間比較試験には、40mg(20mg1日2回)の固定用量のF17464またはプラセボ(ランダム化1:1)のいずれかにより、抗精神病薬単独療法として治療された統合失調症の急性増悪患者が含まれていた。主な目的は、F17464の有効性をプラセボと比較して評価することであった。主な有効性基準は、最大の解析対象集団(FAS)のベースラインから43日目までのPANSS(陽性・陰性症状評価尺度)の合計スコアの変化とした。
試験対象患者基準には、最低1年間の文書化された統合失調症の診断、およびスクリーニングにおけるPANSSの合計スコアが70以上120未満である最近の急性増悪が含まれ、スクリーニングとランダム化診療(randomization visit)との間にPANSS陽性サブスコアに有意な変化はなく;重症度の臨床全般印象評価尺度(CGI-S)のスコアは4以上であった。
すべての患者は、試験薬の投与前の1週間以内にそれまでの治療を中止した。
スクリーニング後、患者は治療の第3週まで入院した。3または4週間後にCGI-I(改善度の臨床全般印象評価尺度)のスコアが3以下であった患者は退院の対象とし、外来患者として研究への参加を継続させた。
試験された患者のPANSSスコアを週ごとに計測した。
2.2 詳細な適格基準
対象の層およびその他の特徴:
-18~64歳の男性または女性
診断基準:
統合失調症の履歴:スクリーニング診療前
-DSM IV-TRに関連する統合失調症および精神障害に関するDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th edition - Text Revision (DSM IV-TR) using the MINI 6.0 (Mini-International Neuropsychiatric Interview)に記載されている、顕著な「活性期(active phase)」症状を伴う急性憎悪の統合失調症の最新の一次診断を受けた患者;
-最低1年間の文書化された統合失調症の急性増悪のための最初の入院を伴う診断;
-統合失調症の診断からの平均入院数が1年に2回以下でなければならない(入院の最短期間は4日を超える必要がある);
-スクリーニング受診の前の年に、入院または抗精神病薬の変更またはその他の治療的介入を必要とする最大3つの急性精神病の症状の発症;
-それまでの急性症状の発症の間に実施された治療経過に対する十分な臨床応答。実施された治療経過は、少なくとも4週間の通常の用量での抗精神病治療として定義される。
現在の急性症状の発症:
-陽性・陰性症状評価尺度のための構造的臨床面接(SCI-PANSS)における70以上120未満のPANSSの合計スコア(スクリーニングおよびランダム化診療時);
-以下の4つのPANSS陽性症状のうち少なくとも2つについて少なくとも4(中等度)の評価:妄想、幻覚行動、概念の統合障害、猜疑心/被害妄想;
-重症度の臨床全般印象評価尺度(CGI-S)スコアが4以上(中等度または重度;
-変更を必要とする合計で最大2つの抗精神病薬を伴う、この急性症状の発症および/または進行中の慢性抗精神病薬治療のために開始される抗精神病薬(非有効性または安全上の理由により);
-スクリーニング診療前の2週間未満の現在の精神病症状の発症による入院および/または治療;
-登録(スクリーニング診療)と試験対象化(ランダム化診療)との間のPANSSの合計スコアにおいて、陽性症状のサブスケールについての20%未満のスコア改善に対応する有意な改善が見られない。
検査:
-正常な身体検査結果、バイタルサインおよび臨床検査結果、または医師により臨床的に重要ではないと判断されたその他の結果;
-包括的なボディマス指数(BMI)18kg/m以上35kg/m以下。
倫理的/法的考慮事項:
-患者は、試験の特定の手順を開始する前に、情報リーフレットを読んで理解し、書面によるインフォームドコンセントを与えることができる;
-患者は、特に臨床センターでの入院期間および退院後の治療へのコンプライアンスに関して、医師の意見で試験のすべての制約を受け入れることができる;
-患者は、試験中に発生する可能性のあるすべての併発事象を報告することができる。
2.3 不適格基準
病理学に関連して:
-精神病の最初の急性症状を発症した患者;
-主な陰性症状を伴う現在の統合失調症の症状の発症;
-「難治性であることが分かっている」患者とは、適切な期間(少なくとも4週間)の少なくとも3つの異なる抗精神病薬の投薬サイクルと過去5年間の適切な用量による適切な経過にもかかわらない、有意な改善の欠如(症状の有意な緩和なし、良好な機能期間なし)として定義される;
-統合失調感情障害、統合失調症様障害および他の精神障害;
-双極I型およびII型障害;
-広汎性発達障害、精神遅滞、せん妄、認知症、記憶障害および、医師の見解による信頼性の高い評価を損なうであろうその他の認知障害;
-この試験への参加を妨げるのに十分な重症度の既知もしくは疑わしい境界線または***的人格障害または他のDSM IV-TR第II軸障害;
-遅発性ジスキネジアまたは慢性錐体外路症状(EPS)、セロトニン症候群または神経遮断薬悪性症候群の病歴;
-薬理学的治療を必要とする大うつ病性障害;
-医師の判断により、自分や他人を傷つけたり、物的損害を引き起こす差し迫った危険がある場合、
-コロンビア自殺重大度評価尺度(CSSRS)に基づく自殺リスク:
・昨年の自殺行動、
・先月の4型または5型の自殺念慮。
治療に関連して:
-構造化された心理療法(例えば、認知行動療法など)がスクリーニング受診前の6週間以内に開始された;
-スクリーニング診療前の3か月以内の電気ショック療法;
-電気ショック療法に対する以前の反応の欠如;
-デポ神経弛緩薬による継続中の治療(スクリーニング診療前の期間において1サイクル未満の場合にも);
-スクリーニング診療前の4か月以内にクロザピンによる以前の治療経過がある患者;
-向精神薬、または向精神活性もしくは潜在的向精神性を有する成分を含むすべての薬物を含む、禁止薬物、サプリメント、ハーブ製品、または「関連する薬物-薬物相互作用の禁止された併用療法(Prohibited concomitant treatments for associated drug - drug interactions)」にリストされている製品との併用療法の必要性、
-F17464と同じ化学的分類の他の薬物または救急薬に対する非耐性または過敏症の病歴、または重度の薬物アレルギーまたは過敏症の病歴。
病状に関連して:
-癌または神経、心臓、肝臓、代謝、腎臓、血液、筋肉、内分泌、呼吸器、胃腸、皮膚、性器の障害または疾患等の重要なまたは制御されていない医学的所見の履歴または存在、または安全性、結果の解釈、および/または医師の見解による患者の試験への参加に影響し得、治験薬の吸収、分布、生体内変化もしくは***に影響し得るその他の重要な病状の履歴または存在;
-発作障害、脳卒中、重大な頭部外傷、重度の慢性運動障害、または他の器質的病状に続発する可能性がある精神症状の病歴;
-既知のヒト免疫不全ウイルス(HIV)またはB型またはC型肝炎感染;
-肝臓酵素テスト(AST、ALT)において医師により臨床的に重要であると判断された正常の上限の2倍超またはいずれかの非正常レベル;
-正常範囲外(45bpm以上90bpm以下の心拍数、120ミリ秒以上200ミリ秒以下のPR、110ミリ秒以下のQRS、男性の場合450ミリ秒以下、女性の場合470ミリ秒以下のQTcF);
-女性の場合、妊娠中または産後の期間または授乳中の母親。
習慣に関連して:
-統合失調症およびDSM IV-TRに関連する精神病性障害についてMINI 6.0を使用して評価された、過去6か月以内の薬物乱用もしくはアルコール乱用または依存症(ベンゾジアゼピン、ニコチンまたはカフェイン以外);
-尿中薬物スクリーニング(UDS)による陽性結果。
その他:
-患者が家族または試験現場職員の1人の同僚である;
-利益相反を示す可能性がある立場にある;
-以前のF17464試験に参加したことがある;
-過去6か月以内に別の臨床試験に参加しており、既知の残存効果のある治療を受けているか、または現在の臨床試験を妨害する可能性のある試験を受けている;
-別の臨床試験に参加している;
-行政的または法的な義務により、または後見下にあることにより、自分自身の自由が失われている患者;
-試験の性質、目的、および起こり得る結果を知的に理解できないか;または自分自身をその制約にさらすことを拒否している。
2.4 FAS母集団に関する結果
合計134人の患者がプラセボまたはF17464にランダムに振り分けられた(各群67人の患者)。
以下の表1に示すように、53人の患者(39.6%)が試験治療を途中で中止した(F17464群では34.3%、プラセボ群では44.8%)。いずれの群においても、早期の治療中止の主な理由は、有効性の欠如または統合失調症の悪化であった。
Figure 0007250787000003
すべての層の特徴は、患者の2つの群間で同等であった。ベースラインのPANSSの合計スコア(平均標準偏差[SD])は、プラセボで90.0(9.2)であり、F17464群で87.9(9.0)(全体:88.9[9.1])であり、サブスコアは治療群間で類似していた。
有効性:
PANSSの合計スコアのベースラインから43日目までのFASの変化についての一次分析(Last Observation Carried Forward LOCF)により、プラセボよりもF17464に有利な統計的有意差が示された:調整平均標準誤差(SE)の変化は、F17464では-14.7(1.9)であり、プラセボでは-8.5(2.0)であり、統計的に有意な治療効果の推定値は-6.2(2.5)であった。プロトコル群ごとに同様の結果が得られた。
図1に示すように、22日目からは、F17464群のPANSS合計スコアの減少はプラセボ群よりも統計的に高かった。
二次基準分析により、一次分析の結果が裏付けられた:
陽性症状への影響:Marderによって定義されたPANSS陽性スコアおよび陽性因子は、プラセボ群よりもF17464群において統計的に有意に高かった。
応答率(RR):F17464群およびプラセボ群のベースラインから治療終了までのPANSSの合計スコアの低下:
-20%RR:それぞれ49.3%および32.8%(p=0.01)
-30%RR:それぞれ27.0%および15.0%(p=0.04)。
PANSSの20%または30%の応答が最初に持続するまでの時間:図2に示すように、F17464群では、21~42日目までのプラセボ群と比較して短かった。
安全性
治療に伴う有害事象(TEAE)の全体的な発生率は、プラセボ群(61.2%)よりもF17464群(70.1%)でわずかに高かった。臨床的に関連する肝臓、代謝(臨床的に関連する体重増加を含む)または心血管において障害は無かった。
2.5 NSサブグループの結果
事後分析は、NSサブグループと呼ばれる、PANSSにおける以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上の重症度、すなわちベースライン(NSサブグループ)において4以上のスコアに相当する患者を選択して行われた:
得られることが見出されている:
-情動の平板化(N1)、
-情動的ひきこもり(N2)、
-疎通性の障害(N3)、
-受動的ひきこもり(N4)、および
-自発性の欠如(N6)。
上記は、研究の終わり(43日目)に得られた結果を報告する以下の表2に示される。
Figure 0007250787000004
両方の集団について、治療(プラセボまたはF17464)とベースラインのスコア(PANSS合計、PANSS陽性症状、PANSS陰性症状およびPANSS総合精神病理)との間で同質の分布が示された。ベースラインでのPANSS陽性症状スコアは、NSサブグループと比較してFAS母集団で同一であったが、PANSS陰性症状のスコアは、FAS母集団と比較してNSサブグループにおいて高かった。
NSサブグループは、FAS母集団の134人の患者のうち57人の患者(42.5%)を、プラセボ群の28人の患者、F17464群の29人の患者を表す。
表3に示すように、43日目に、両方の集団において、プラセボで治療された患者は全体的に同じ進展を示したが、F17464で治療された患者は、NSサブグループについて、すべてのPANSSスコアの大幅な改善を示した。
Figure 0007250787000005
これらの結果を、NEWMEDSデータベース(Rabinowitz et al, JClinPsychiatry, 2014, 75(4), 308-316)の同様の陰性症状基準を満たす患者への影響と比較した。示された登録された非定型抗精神病薬(PANSS項目のスコアが利用可能)は、同じ種類の結果を示さなかった。
引用文献
外国特許文書
WO1991/15513
WO2011/027289
その他の刊行物
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition, (DSM-4 TR, Text Revision)
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Whitlock et al. Systematic Reviews, 2017, 6:41

Claims (28)

  1. 選択的D3アンタゴニストを含む、それを必要とする対象における統合失調症の治療における使用のための医薬組成物であって、前記治療が治療上有効量の前記選択的アンタゴニストを対象に投与することを含み、
    前記選択的D3アンタゴニストが、下記式1のN-(3-{4-[4-(8-オキソ-8H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]クロメン-7-イル)-ブチル]-ピペラジン-1-イル}-フェニル)-メタンスルホンアミド、またはその薬学的に許容可能な塩であり:
    Figure 0007250787000006

    前記対象が、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)における以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上の重症度で有し:
    -情動の平板化(N1)、
    -情動的ひきこもり(N2)、
    -疎通性の障害(N3)、
    -受動的ひきこもり(N4)、および
    -自発性の欠如(N6)、
    前記中等度以上の重症度が前記治療の開始前の4以上のスコアに相当する、前記医薬組成物。
  2. 前記薬学的に許容可能な塩が、N-(3-{4-[4-(8-オキソ-8H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]クロメン-7-イル)-ブチル]-ピペラジン-1-イル}-フェニル)-メタンスルホンアミド塩酸塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記対象が、前記治療の開始前に統合失調症の急性増悪を患っている、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 前記急性増悪が、70以上120未満のPANSSの合計スコアにより特徴付けられる、請求項3記載の医薬組成物。
  5. 前記対象が、前記治療の開始前に下記のさらなる基準を満たす、請求項4に記載の医薬組成物:
    a.最低1年間の文書化された統合失調症の診断;および
    b.スコア4以上の重症度の臨床全般印象評価尺度(CGI-S)。
  6. 前記治療上有効量が、1日1回1~100mgまたは1日2回0.5~50mgの用量である、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 前記治療上有効量が、1日1回40mgまたは1日2回20mgの固定用量である、請求項に記載の医薬組成物。
  8. 前記用量が経口投与される、請求項またはに記載の医薬組成物。
  9. 前記用量が、それを必要とする対象に6週間以上投与される、請求項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  10. 統合失調症の治療の成功確率および/または効果を向上させるための、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  11. 治療上有効量の選択的D3アンタゴニストを対象に投与することを含む、それを必要とする対象における統合失調症の治療のための医薬の製造のための選択的D3アンタゴニストの使用であって、
    前記選択的D3アンタゴニストが、下記式1のN-(3-{4-[4-(8-オキソ-8H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]クロメン-7-イル)-ブチル]-ピペラジン-1-イル}-フェニル)-メタンスルホンアミド、またはその薬学的に許容可能な塩であり:
    Figure 0007250787000007
    前記対象が、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)における以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上の重症度で有し:
    -情動の平板化(N1)、
    -情動的ひきこもり(N2)、
    -疎通性の障害(N3)、
    -受動的ひきこもり(N4)、および
    -自発性の欠如(N6)、
    前記中等度以上の重症度が前記治療の開始前の4以上のスコアに相当する、前記使用。
  12. 前記薬学的に許容可能な塩が、N-(3-{4-[4-(8-オキソ-8H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]クロメン-7-イル)-ブチル]-ピペラジン-1-イル}-フェニル)-メタンスルホンアミド塩酸塩である、請求項11に記載の使用。
  13. 前記対象が、前記治療の開始前に統合失調症の急性増悪を患っている、請求項11または12に記載の使用。
  14. 前記急性増悪が、70以上120未満のPANSSの合計スコアにより特徴付けられる、請求項13記載の使用。
  15. 前記対象が、前記治療の開始前に下記のさらなる基準を満たす、請求項14に記載の使用:
    a.最低1年間の文書化された統合失調症の診断;および
    b.スコア4以上の重症度の臨床全般印象評価尺度(CGI-S)。
  16. 前記治療上有効量が、1日1回1~100mgまたは1日2回0.5~50mgの用量である、請求項1115のいずれか一項に記載の使用。
  17. 前記治療上有効量が、1日1回40mgまたは1日2回20mgの固定用量である、請求項16に記載の使用。
  18. 前記用量が経口投与される、請求項16または17に記載の使用。
  19. 前記用量が、それを必要とする対象に6週間以上投与される、請求項1618のいずれか一項に記載の使用。
  20. 治療上有効量の選択的D3アンタゴニストを対象に投与することを含む、それを必要とする対象における統合失調症の治療の成功確率および/または効果を向上させるための医薬の製造のための選択的D3アンタゴニストの使用であって、
    前記選択的D3アンタゴニストが、下記式1のN-(3-{4-[4-(8-オキソ-8H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]クロメン-7-イル)-ブチル]-ピペラジン-1-イル}-フェニル)-メタンスルホンアミド、またはその薬学的に許容可能な塩であり:
    Figure 0007250787000008
    前記対象が、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)における以下の主要な陰性症状のうち、少なくとも1つの陰性症状(NS)を中等度以上の重症度で有し:
    -情動の平板化(N1)、
    -情動的ひきこもり(N2)、
    -疎通性の障害(N3)、
    -受動的ひきこもり(N4)、および
    -自発性の欠如(N6)、
    前記中等度以上の重症度が前記治療の開始前の4以上のスコアに相当する、前記使用。
  21. 前記薬学的に許容可能な塩が、N-(3-{4-[4-(8-オキソ-8H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]クロメン-7-イル)-ブチル]-ピペラジン-1-イル}-フェニル)-メタンスルホンアミド塩酸塩である、請求項20に記載の使用。
  22. 前記対象が、前記治療の開始前に統合失調症の急性増悪を患っている、請求項20または21に記載の使用。
  23. 前記急性増悪が、70以上120未満のPANSSの合計スコアにより特徴付けられる、請求項22記載の使用。
  24. 前記対象が、前記治療の開始前に下記のさらなる基準を満たす、請求項23に記載の使用:
    a.最低1年間の文書化された統合失調症の診断;および
    b.スコア4以上の重症度の臨床全般印象評価尺度(CGI-S)。
  25. 前記治療上有効量が、1日1回1~100mgまたは1日2回0.5~50mgの用量である、請求項2024のいずれか一項に記載の使用。
  26. 前記治療上有効量が、1日1回40mgまたは1日2回20mgの固定用量である、請求項25に記載の使用。
  27. 前記用量が経口投与される、請求項26に記載の使用。
  28. 前記用量が、それを必要とする対象に6週間以上投与される、請求項2527のいずれか一項に記載の使用。
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