JP7248286B2 - 二重偏心形バタフライバルブの弁体と二重偏心形バタフライバルブ - Google Patents

二重偏心形バタフライバルブの弁体と二重偏心形バタフライバルブ Download PDF

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Description

本発明は、ステムの中心が二重に偏心して取付けられる二重偏心形バタフライバルブの弁体に関し、特に、高圧流体の流路に適した弁体とその弁体を設けたバタフライバルブに関する。
一般的に、バタフライバルブは、シンプルな構造で小型・軽量であり、他の弁種に比較して面間寸法を小さくすることができる構造上のメリットと、90度の操作範囲で弁の開閉操作を行うことができるので自動操作化に適するとともに、流量制御に優れるという機能上のメリットを併せ持つため、給排水、空調設備、工場プロセス等各種の場面において様々な形態で広く使用されており、最近では、従来よりも高圧の流体に対応できるものが求められている。
従来より、高圧流体の流路に適したバルブとして、二重偏心形バタフライバルブが知られている。二重偏心形バタフライバルブは、弁体に対してステムの位置が二重に偏心するように取付けられ、この二重偏心により、高圧でも良好な封止性能を確保すると同時に、シート面の摩耗を防ぐことができる。
高圧下でバタフライバルブを使用する場合、弁開及び中間開度の弁体には大きい流体抵抗が働き、特に、全閉時には管路内の全流体圧が弁体表面に負荷され、弁体に作用する流体からの荷重が最大になる。流体から荷重を受けると弁体は変形し、弁体の先端部の撓みが大きくなり、この先端部がシートリングの着座位置から移動すると、シール性が損なわれることになる。そのため、弁体が撓みにくい強度を確保する必要があるが、強度確保のために弁体の肉厚を厚くすると弁体の重量が増加してコストが嵩むとともにバルブの操作性が損なわれるという問題が生じる。これを回避するため、弁体の重量を軽減しつつその強度を確保して、撓みや応力集中を低減し、なおかつ弁開及び中間開度の流体抵抗を減少することが要求されている。
強度を向上させたバタフライバルブの弁体としては、例えば、特許文献1のバタフライバルブの弁体が開示されている。このバタフライバルブの弁体は、中心形バタフライバルブ用であり、Y軸を起点としてX方向に延びる複数の横リブが形成され、これにより肉厚を薄くしつつ剛性を高めるとともに、軽量化も図ろうとするものである。
また、特許文献2の中心型バタフライバルブの弁体では、ボス部と交接する複数の円形リブを基板の表裏面に同心円状に***させた弁体が開示されている。この弁体では、この円形リブにより、弁体の中心線に対するいかなる角度の断面においても略均一な断面係数が得られ、弁体の剛性を弁体全体で略均一にして剛性の高い弁体を得ようとするものである。
特許第3676785号公報 特許第4659927号公報
しかしながら、特許文献1のバタフライバルブの弁体は、弁体にリブを設けて補強して弁体の剛性を高めているが、弁体にリブを設けて補強した場合に応力の集中部位ができてしまうと、その部分で亀裂や破断が生じ易くなり弁体の耐久性が十分に得られないおそれがある。
また、特許文献2のバタフライバルブの弁体では、弁体全体の剛性を略均一にすることによって弁体の剛性を高めようとするものであるが、流体から弁体に作用する荷重により弁体に撓みを生じさせる曲げモーメントの大きさは、弁体の部位により大きく異なる。すなわち、弁体の縦方向の中央部はステムにより支えられている一方、弁体の左右両端には支持部が無いため、特に、弁体の横方向の中心線上には最大の曲げモーメントが作用し、この部分の撓み量が最も大きくなる。特許文献2のバタフライバルブの弁体に、左右両端が撓んでも閉弁時のシール性が損なわれない剛性を与えようとすると、弁体全体の剛性を最も曲げモーメントが大きい部分の剛性に合わせることが必要となり、弁体全体の肉厚が増加して製造コストが上昇するとともに、弁体の重量増加によりバルブの操作性が悪化する原因となる。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、軽量化を図りながら、高圧流体に対しても弁閉時の弁体の変形や撓みの発生を抑制してシール性を確保することができるとともに、流体から作用する荷重による応力集中の発生を防止し、操作性、信頼性及び耐久性を向上させた二重偏心形バタフライバルブの弁体とバタフライバルブを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、外形が円形状の二重偏心バタフライバルブの弁体であって、ジスクの一側の面には、ステムを収容するためのボス部と、前記ボス部から前記ステムと交差する方向に弁体の両外縁部に向かって延びるリブ部とが設けられており、前記ボス部は部分的にステムが露出するように複数に分割しているとともに、前記リブ部が分割されたそれぞれのボス部に設けられており、前記リブ部と前記ボス部とがジスクの表面からみた高さ方向においては段差が生じないように滑らかな面が連続的に形成されて接続され、また、前記ボス部の側壁面においては直線的な境界部分が生じないように滑らかな面が連続的に形成されて接続され、前記ボス部が、弁体の中央付近で前記ステムが露出するように2つに分割しており、前記リブ部が、前記ボス部における弁体中央側に寄せて形成されており、且つ、前記ボス部の弁体中央側の側壁面と、前記リブ部の弁体中央側の側壁面とが連続的な単一の平面となるように設けられていることを特徴とする二重偏心形バタフライバルブの弁体である。
請求項に係る発明は、短筒状のボデーの上下の軸装部にステムを軸装するとともに、弁体をボデー内に設けて、ステムを介して弁体を開閉自在に設けた二重偏心形バタフライバルブである。
請求項1に係る発明によると、ボス部からステムと交差する方向に弁体の両外縁部に向かって延びるリブ部が設けられているため、弁体のステムと交差する方向に作用する荷重をこのリブ部で受けて直接ボス部に伝えて支えることができるとともに、弁体のステムと交差する方向の剛性を向上させることにより、流体の荷重により作用する曲げモーメントによるジスクの左右両端の撓み量を抑制してシール性を確保することができるので、ジスク全体の肉厚を抑制してジスクを軽量化することができる。
さらに、リブ部とボス部とがジスクの表面からみた高さ方向においては段差が生じないように、またボス部の側壁面においては直線的な境界部分が生じないように滑らかなR面を構成して連続的に接続されているため、弁体に流体の荷重が作用した場合に、荷重を支えるボス部やリブ部の接続部において段差や直線的な境界部分といった応力集中が発生する部分が存在せず、応力が適度に分散される結果、応力集中が原因となる亀裂の発生や破断等が生じにくいので、弁体の耐久性を向上させることができる。
しかも、ボス部が弁体の中央付近でステムが露出するように2分割し、リブ部が、ボス部における弁体中央側に寄せて形成されているため、流体の荷重により最も曲げモーメントが作用する弁体中央付近に長さを最大限に確保してりブ部を設けているので、弁体中央部の横方向の曲げ剛性を高め、ジスクの左右両端の撓み量を抑制してシール性を確保することができる。
また、ボス部の弁体中央側の側壁面とリブ部の弁体中央側の側壁面とが、連続的な単一の平面となるように設けられているので、段差や直線的な境界部分といった応力集中が発生する部分が存在せず、ボス部とリブ部との接続部分の応力を一層効果的に分散することができ、応力集中が原因となる亀裂の発生や破断等が生じにくく、優れた耐久性を有する弁体を得ることができる。
請求項に係る発明によると、軽量で高い剛性を有してシール性に優れるとともに、応力集中が原因となる亀裂の発生や破断等が生じにくい弁体を設けているので、操作性、信頼性及び耐久性に優れた高圧流体に適したバタフライバルブを得ることができる。
本発明における二重偏心形バタフライバルブの弁体の好ましい実施形態を示す斜視図である。 図1の正面図である。 図1の平面図である。 図2のA-A部断面図である。 比較例の二重偏心形バタフライバルブの弁体の正面図である。 二重偏心形バタフライバルブの実施形態を示す斜視図である。
以下に、本発明における二重偏心形バタフライバルブの弁体とその弁体を設けたバタフライバルブの好ましい実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1、図2、図3、図4においては、本発明における二重偏心形バタフライバルブの弁体の斜視図、正面図、平面図及び断面図を示している。
図1、図2に示すように、二重偏心形バタフライバルブの弁体1は、円板状のジスク2を有し、ジスク2の一側の表面2aの上下部にボス部3、4が、表面2a上に環状リブ部5、及びリブ部6、7が設けられている。
ボス部は、ジスク2の上側のボス部3と下側のボス部4とに二分割され、ステム8を露出させた状態で設けられており、ボス部3とボス部4には、ステム8の取付用の穴部10、11が形成され、ステム8を挿通可能になっている。
図3に示すように、ボス部3は、穴部10の中心Sをジスクのシール位置2bから距離C離す(一重偏心)とともに、弁体本体1の中心線(弁体中心軸12)からも距離D離した(二重偏心)状態でジスク2の表面2aに設けられている。また、ボス部4は、図2に示すように、ボス部3とは弁体水平軸14を対称の軸とした線対称に設けられ、穴部10と穴部11は同軸に形成されている。
ボス部3の穴部10及びボス4の穴部11にステム8を挿通すると、穴部10及び穴部11の中心Sはステム8の回転中心になり、弁体1は、ステム8を回転したときに穴部10及び穴部11の中心Sを中心に偏心回転して弁閉可能になっている。弁体1は金属製であり、例えば、SCS13AやSCS14Aなどのステンレス鋼が用いられる。
環状リブ部5は、ジスク2と同心に、すなわちジスク2の弁体中心軸12と弁体水平軸14の交点Oを中心にしてジスク2の径よりも短径のリング状で、ジスクの表面2aに突出形成されている。環状リブ部5は、図2に示すようにボス部3の側壁面3a、3b及びボス部4の側壁面4a、4bに接続されており、断面形状は、図4に示すように台形である。このように、ジスク2の表面2aにリング状の環状リブ部5を突出形成することにより、ジスク2全体の強度と曲げ剛性を増加させている。
リブ部6は、図2に示すように、ボス部3の弁体中央側(弁体水平軸14側)の側壁面3a寄りに略水平状態で設けられており、ボス部3の側壁面3bに接続された長尺リブ15と、ボス部3の側壁面3cに接続された短尺リブ16とから構成されている。また、長尺リブ15と短尺リブ16の弁体外縁側の先端は、環状リブ部5に接続されて一体となっている。
同様に、リブ部7は、ボス部4の弁体中央側(弁体水平軸14側)の側壁面4a寄りに略水平状態で設けられており、ボス部4の側壁面4bに接続された長尺リブ17と、ボス部4の側壁面4cに接続された短尺リブ18とから構成されている。また、長尺リブ17と短尺リブ18の弁体外縁側の先端は、環状リブ部5に接続されて一体となっている。
なお、図2では、リブ部6、7と環状リブ部5との位置関係を明確にするため、長尺リブ15と短尺リブ16、並びに長尺リブ17と短尺リブ18の弁体外縁側の先端と環状リブ部5との境界を線により表しているが、実際には、これら境界も段差や直線的な境界部分が生じないように滑らかなR面を構成して連続的に接続され、応力集中が発生しないように構成されている。(図1、図3、図4においても同じ。)
図2に示すように、ボス部3とボス部4、並びにリブ部6とリブ部7とは、弁体水平軸14を対称の軸とした線対称である点を除けば同様に構成されているので、以下、リブ部6、7の詳細については、リブ部6により説明する。
図2に示すように、リブ部6は、ボス部3の側壁面3b、3cから弁体1の両外縁側に向けて長尺リブ15と短尺リブ16を環状リブ部5まで形成されているが、環状リブ部5は、ジスク2の中心点Oを中心にしてジスク2と同心に形成されているのに対し、ボス部3の中心となるステム中心軸20は、弁体中心軸12から距離Dだけずれているため、同じボス部3の側壁面3b、3cを起点としていても、長尺リブ15の長さは、短尺リブ16の長さより2Dだけ長い。
また、図3に示すように、ボス部3の弁体外周側の端面3d側から見た長尺リブ15と短尺リブ16の形状は略直角三角形であり、その略直角三角形の斜辺に相当する長尺リブ1の傾斜上面15cと短尺ルブ16の傾斜上面16cが、ボス部3の側壁面3b、3cから弁体1の両外縁方向に向かってジスク2の表面2aからの高さを徐々に減じるように設けられている。
ボス部3の弁体中央側の側壁面3aと長尺リブ15の弁体中央側の側壁面15a、並びに短尺リブ16の弁体中央側の側壁面16aとは、単一の平面を構成するように、即ち、いわゆる面一となるように接続されている。このため、リブ部6の長さを最大限に確保することができるとともに、ボス部3とリブ部6との接続部分の応力を一層効果的に分散することができる。
図2及び図3に示すように、長尺リブ15の側壁面15aの反対側の側壁面15bは、ボス部3の側壁面3bと直線的な境界部分が生じないように滑らかなR面を構成して連続的に接続され、長尺リブ15の傾斜上面15cは、ボス部3の側壁面3cに対し、ジスク2の表面2aからみた高さ方向においては段差が生じないように滑らかなR面を構成して連続的に接続されている。
同様に、短尺リブ16の側壁面16aの反対側の側壁面16bは、ボス部4の側壁面4bと直線的な境界部分が生じないように滑らかなR面を構成して連続的に接続され、端尺リブ16の傾斜上面16cは、ボス部4の側壁面4cに対し、ジスク2の表面2aからみた高さ方向においては段差が生じないように滑らかなR面を構成して連続的に接続されている。
このように、リブ部6の長尺リブ15と短尺リブ16が段差又は直線的な境界部分が生じないように滑らかなR面を構成して連続的にボス部3に接続され、ボス部3と一体となって構成されているため、流体の荷重を支えるボス部3やリブ部6の接続部において段差や直線的な境界部分といった応力集中が発生する部分が存在しないので、応力集中が発生する部分が存在せず、応力が適度に分散される結果、ボス部3やリブ部6において応力集中が原因となる亀裂の発生や破断等が生じにくく、弁体1の耐久性を向上させることができる。
さらには、長尺リブ15と短尺リブ16とが剛性の極めて大きいボス部3に直接接続され、長尺リブ15、短尺リブ16、ボス部3が一体となってリブ部6を構成しているため、リブ部6全体の曲げ剛性を大きく向上させることができる。
一般に、バタフライバルブでは、弁閉時に流体の荷重が弁体に作用した場合、弁体の縦方向の中央部はステムにより支えられている一方、弁体の横方向の左右両端には支持部が存在しないため、特に、弁体の中央部の横方向には最大の曲げモーメントが作用し、弁体の中央部の左右両端の撓み量が最も大きくなる。
しかしながら、弁体1では、閉弁時に流体の圧力により最大の曲げモーメントが作用する弁体中央付近に、弁体水平軸14を挟んで長さを最大限に確保したリブ部6とリブ部7とを平行に設けることによってジスク2の中央部の横方向の曲げ剛性を高めているので、閉弁時に流体の荷重により作用する曲げモーメントによるジスク2の左右両端の撓み量を抑制してシール性を確保することが可能となり、ジスク2の他の部分での補強をあまり必要とせず、ジスク2の重量増加を抑制することができる。
以上説明したように、弁体1では、環状リブ部5を設けてジスク2全体の強度、剛性を高めるとともに、閉弁時に流体の圧力により最大の曲げモーメントが作用する弁体中央付近に、弁体水平軸14を挟んで長さを最大限に確保したリブ部6とリブ部7とを平行に設けることによりジスク2の中央部の横方向の曲げ剛性を高め、閉弁時におけるジスク2の左右両端の撓み量を抑制するようにしている。
さらには、環状リブ部5とボス部3、4とが、リブ部6とボス部3とが、リブ部7とボス部4とが、環状リブ部5とリブ部6、7とが接続され、ボス部3、4と環状リブ部5とリブ部6、7とが一体的に構成されているため、弁体1に作用する荷重、曲げモーメントをこれらが一体となって負担することができる。これにより、ボス部3、4に環状リブ部5とリブ部6、7を接続することなく、また、環状リブ部5とリブ部6、7と接続することなく設けた場合よりも効果的に弁体1の変形や撓みの発生を抑制し、シール性を確保することができる。
続いて、図3に示すように、ボス部3の端面3d側から見たリブ部6の長尺リブ15と短尺リブ16の側面形状は略直角三角形である。このように、長尺リブ15と短尺リブ16を略直角三角形とするとともに、長尺リブ15の側面形状を短尺リブ16の側面形状よりも大きく設定した理由を以下に説明する。
バタフライバルブでは、円板状のジスクの外縁部がボデーの弁座と密着することによってシールを行うが、ジスクの外縁部の撓み量が大きくなるとボデーの弁座と密着する面圧が不十分となってシール性が低下する原因となるため、閉弁時のジスクの外縁部の撓み量を十分なシール性が得られる範囲に収める必要がある。
また、二重偏心形バタフライバルブの場合には、ステム中心軸と弁体中心軸が一致せず偏心した位置関係となるため、ステム中心軸からジスクの左右両端までの距離が異なることになる。そのため、流体から荷重を受けると、ステム中心軸からの距離が長い側(以下、長側という。)の方にはステム中心軸からの距離が短い側(以下、短側という。)よりも大きな曲げモーメントが生じ、長側の外縁部の撓み量が短側の外縁部の撓み量よりも大きくなる。二重偏心形バタフライバルブでは、閉弁時にジスクの左右両端での撓み量が異なると、片側の弁座と密着する面圧が不十分となってシール性が低下する原因になる。
従って、二重偏心形バタフライバルブでは、閉弁時のジスクの左右両端での撓み量を抑制するとともに、ステムの偏心に起因して生じるジスク左右端の撓み量の差をできるだけ小さくし、できれば左右端の撓み量に差が発生じないようにすることが求められる。
本発明の二重偏心形バタフライバルブの弁体では、リブ部6、7によるジスク2の補強の程度に差を付けることによって、すなわち、大きく撓む長側の剛性を撓みが少ない短側の剛性よりも高くすることにより、ジスク2の左右端での撓み量の均等化を図っている。
ジスク2の表面2aに設けるリブ部6、7は、表面2aからの高さが高いほど断面係数が大きくなり、ジスク2を撓みにくくする効果がある。従って、長側に設ける長尺リブ15の高さを短側に設ける短尺リブ16の高さよりも全体として高く設けることにより、長尺リブ15を設けた長側を撓みにくくすることができる。
すなわち、図4に示すように、ステム中心軸20から等距離Lである位置で比較した場合に、ボス部3を除き、長側に設けた長尺リブ15のジスク2の表面2aからの高さHlの方が短側に設けた短尺リブ16のジスク2の表面2aからの高さHsよりも高くなるように長尺リブ15及び短尺リブ16の高さを設定している。
このように長尺リブ15及び短尺リブ16の高さを設定することにより、より撓み易い長側の方が短側の方よりも補強されて撓みにくくなるので、結果として長側の外縁部と短側の外縁部の撓み量の差を小さくすることができる。
なお、長側に設ける長尺リブ15と短側に設ける短尺リブ16の表面2aからの高さの関係は、必ずしもリブの全ての位置で成立している必要は無く、設計上の都合等で部分的に高さの関係が逆転していてもよい。例えば、平均高さで比較して、長尺リブ15が短尺リブ16よりも高くなっていれば良い。
このような弁体を補強するリブは、製造性等の観点からボス部からジスクの外縁側に向かって徐々に高さが低くなるように設けることが多く、リブの上面は、ボス部との接続部付近及び弁体外縁の接続部付近を除いて、ほぼ一定の角度で傾斜させる。この場合、リブの形状は、側方から見てジスクの表面に相当する位置の辺(底辺)、リブ上面の一定角の傾斜部分の辺(斜辺)、及びステム中心軸上の辺(高さ)により囲まれる直角三角形に近似することができる。
このような仮想的な直角三角形の側面形状を有するリブの強度については、材料力学における平等強さの梁(直角三角形の底辺に等分布荷重を受ける片持ち梁)の考え方を適用できる場合がある。この平等強さの梁の公式よりリブに近似させた片持ち梁の撓み量を算出することができるので、この公式に基づき、長側と短側のリブ先端の撓み量の差が小さくなるように、長側と短側それぞれの仮想直角三角形の高さ(ステム中心軸20上で仮想する直角三角形の高さHa及びHb)を設定することができる。
この方法によりリブ部の側面形状を求めると、ジスクの横方向の曲げ剛性を高めるために設けるリブの高さを必要最小限にして、弁体の重量増加を抑制することができる。
ただし、実際には、閉弁時の流体の荷重をリブ部分だけでなくジスクやボス部を含む弁体全体で受けることや、撓み量はジスクの厚みや大きさ等によっても影響を受けることから、平等強さの梁の考え方をそのまま適用できない場合が多いが、長側と短側の仮想直角三角形の高さの差を、少なくとも、この平等強さの梁の考え方に基づいて導き出される高さの差以上に設定することが好ましい。
図4に示すように、長尺リブ15と短尺リブ16は、その傾斜上面15c、16cが弁体の外縁側の端部からボス部3、4に向かって徐々に高くなるようにほぼ一定の角度で傾斜して設けられており、傾斜上面15c、16cを弁体中央方向に仮想的に延長した仮想線22、23の交点Pを通るリブ中心線24が、弁体中心軸12に対しステム中心軸20の反対側に位置している。
このように、弁体1では、長尺リブ15と短尺リブ16とジスク2の表面2aにより構成されるリブ三角形(図4において、長尺リブ15の傾斜上面15Cを延長した仮想線22と、短尺リブ16の傾斜上面16Cを延長した仮想線23と、ジスク2の表面を示す線25により形成される三角形)の頂点Pを通るリブ中心線24を弁体中心軸12に対しステム中心軸20の反対側にオフセットすることにより、撓み易い側の断面係数を撓みにくい側の断面係数よりも大きくして剛性を高め、ジスクの左右端の撓み量の均等化を図っている。
本発明の二重偏心形バタフライバルブの弁体におけるジスクの左右端での撓み量の差の減少効果及び弁体重量の抑制効果を確認するため、図1の実施例と図5に示す比較例の二重偏心形バタフライバルブの弁体について、FEM(Finite Element Methd:有限要素法)による解析を実施した。
図1の実施例は上述したとおりの構成であるが、図5に示す比較例の弁体31は、円盤形状のジスク32を有し、ジスク32の一側の表面32aの上下部にボス部33、34が設けられ、表面32aには補強用の環状リブ部35、補強用のリブ部36、37、38、39、並びに肉抜き部40a、40b、40c、40d、40e、40fを設けた構成となっている。
比較例の二重偏心形バタフライバルブの弁体31では、環状リブ部35とリブ部36、37、38、39とは接続されているが、ジスク2の上下部に設けたボス部33、34とリブ部36、37、38、39とは接続されていない。このボス部とリブ部が接続されていないことが、実施例との大きな違いである。なお、この比較例の二重偏心形バタフライバルブの弁体は、最高許容圧力が2Mpaのバラフライバルブにおいて使用実績を有し、優れたシール性を有している。
解析にあたっては、表1に示す弁体のサイズ毎に実施例及び比較例について、5.11MPaの流体圧を負荷した場合の弁体水平軸線上の左右端における変位量(撓み量)と弁体重量を求めた。この結果に基づき、弁体左右端の撓み量の差が、比較例に対して実施例で減少した減少率(撓み改善率)を算出した。
解析により得られたサイズ毎の撓み改善率と弁体重量の増率を表1に示す。なお、表1中、正方向とは一次側から流体圧を加えた場合を意味し、逆方向とは二次側から流体圧を加えた場合を意味する。
Figure 0007248286000001
表1に示すように、実施例の弁体の構成によれば、比較例に比べて弁体重量を大きく増加させることなく、弁体左右端の撓み量の差を小さくする撓み改善効果が顕著に得られることを確認した。
次いで、本発明に係る弁体1を、二次偏心形バタフライバルブに取付けた一例を説明する。図6は、本発明に係る弁体1をバルブ本体52に装着し、バルブを全閉とした状態の二次偏心形バタフライバルブ51の斜視図を示している。
バルブ本体52は、短筒形状のボデー53を有し、このボデー53の上下部には弁体1のステム8を軸装するための軸装部54が設けられている。弁体1はボデー53内に配置され、この状態で弁体1のボス部3の穴部10にステム8が軸装され、図示しないテーパピンで弁体1がステム8に一体に固着される。これにより、ステム8がボデー53に対して回転可能な状態で、かつ上下方向の移動が不可能な状態になり、弁体1がボデー53内の所定に配設され、ステム8を回転することでステム8を介して弁体1を開閉自在に回転させることができる。
二重偏心形バタフライバルブ51は、弁体1のボス部3を設けた面側から流体圧が負荷される場合、ボス部3を設けた面の反対側から流体圧が負荷される場合の何れにおいても対応でき、双方の流れ方向における弁閉状態で確実にシール可能になっている。
また、ステム8の上端部には、手動操作用のハンドルを取付けてバルブの開閉操作を手動で行うこともできるし、アクチュエータを搭載してバルブの開閉操作を自動で行うこともできる。
以上説明したように、本発明の二重偏心形バラフライバルブの弁体は、閉弁時に流体の圧力により大きな曲げモーメントが作用するジスクの中央付近に最大限に長さを確保した横リブをボス部に接続して設けることによってジスクの曲げ剛性を高めているので、従来の弁体に比して重量を大きく増加させることなく、閉弁時に生じるジスクの左右両端部の撓みの発生を抑制することができる。
また、ボス部とリブ部とは、段差や直線的な境界部分といった応力集中が発生する部分が存在しないように滑らかなR面を構成して連続的に接続しているため、ボス部とリブ部との接続部分の応力を一層効果的に分散することができるので、応力集中が原因となる亀裂の発生や破断等が生じにくく、優れた耐久性を有している。
本発明の二重偏心形バタフライバルブは、軽量で高い剛性を有してシール性に優れるとともに、応力集中が原因となる亀裂の発生や破断等が生じにくい弁体を設けているので、操作性、信頼性及び耐久性に優れ、従来よりも高圧の流体に適用することができる。
1 弁体
2 ジスク
2a 表面
3、4 ボス部
5 環状リブ部
6、7 リブ部
8 ステム
51 二次偏心形バタフライバルブ
52 バルブ本体
C ジスクのシール位置とボス部の穴部の中心との距離
D 弁体中心軸とボス部の穴部の中心との距離
Ha ステム中心軸上で仮想する長尺リブが作る直角三角形の高さ
Hb ステム中心軸上で仮想する短尺リブが作る直角三角形の高さ
Hl ステム中心軸から距離Lの位置における長尺リブのジスクの表面からの高さ
Hs ステム中心軸から距離Lの位置における短尺リブのジスクの表面からの高さ
O 弁体中心軸と弁体水平軸の交点
P 長尺リブと短尺リブとジスクの表面により構成されるリブ三角形の頂点
S ボス部の穴部の中心

Claims (2)

  1. 外形が円形状の二重偏心バタフライバルブの弁体であって、ジスクの一側の面には、ステムを収容するためのボス部と、前記ボス部から前記ステムと交差する方向に弁体の両外縁部に向かって延びるリブ部とが設けられており、前記ボス部は部分的にステムが露出するように複数に分割しているとともに、前記リブ部が分割されたそれぞれのボス部に設けられており、前記リブ部と前記ボス部とがジスクの表面からみた高さ方向においては段差が生じないように滑らかな面が連続的に形成されて接続され、また、前記ボス部の側壁面においては直線的な境界部分が生じないように滑らかな面が連続的に形成されて接続され、
    前記ボス部が、弁体の中央付近で前記ステムが露出するように2つに分割しており、前記リブ部が、前記ボス部における弁体中央側に寄せて形成されており、且つ、前記ボス部の弁体中央側の側壁面と、前記リブ部の弁体中央側の側壁面とが連続的な単一の平面となるように設けられていることを特徴とする二重偏心形バタフライバルブの弁体。
  2. 短筒状のボデーの上下の軸装部に前記ステムを軸装するとともに、請求項1に記載の弁体をボデー内に設けて、前記ステムを介して前記弁体を開閉自在に設けた二重偏心形バタフライバルブ。
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