JP7247550B2 - 封止用エポキシ樹脂組成物、及び、電子装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂組成物、及び、電子装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7247550B2
JP7247550B2 JP2018223212A JP2018223212A JP7247550B2 JP 7247550 B2 JP7247550 B2 JP 7247550B2 JP 2018223212 A JP2018223212 A JP 2018223212A JP 2018223212 A JP2018223212 A JP 2018223212A JP 7247550 B2 JP7247550 B2 JP 7247550B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
epoxy resin
sealing
expansion
encapsulating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018223212A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020084094A (ja
Inventor
瞭 ▲高▼木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2018223212A priority Critical patent/JP7247550B2/ja
Publication of JP2020084094A publication Critical patent/JP2020084094A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7247550B2 publication Critical patent/JP7247550B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、封止用エポキシ樹脂組成物、及び、電子装置に関する。
封止用エポキシ樹脂組成物として様々な技術が開発されている。例えば、特許文献1には、圧縮成形に好適な顆粒状半導体封止樹脂組成物の製造方法及びこれにより封止された半導体装置が開示されている。圧縮成型は、金型中に半導体装置を載置し、金型と半導体装置との間にモールド用樹脂を供給して圧縮(コンプレッション)成形することにより、樹脂封止した半導体装置を製造する方法である。
特開2015-116768号公報
しかしながら、発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の封止用樹脂組成物を用いた場合、所望の被封止領域内において、封止樹脂組成物で覆いきれない箇所が発生する場合があった。これは、金型と半導体装置との間にモールド用の封止用樹脂組成物を供給する際の撒きムラ(散布ムラ)に起因するものであり、この問題は特に封止材の膜厚を薄くした場合、顕著であった。
本発明によれば、
エポキシ樹脂、硬化剤、及び、コアシェル構造の熱膨張性フィラーを含む、エポキシ樹脂組成物であって、
前記熱膨張性フィラーが、前記コアシェル構造におけるシェルの内部に揮発性膨張剤を含む、封止用エポキシ樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記の封止用エポキシ樹脂組成物の硬化膜を備える電子装置が提供される。
本発明によれば、所望の被封止領域内において、封止用エポキシ樹脂組成物で覆いきれない箇所の発生を低減し、封止用エポキシ樹脂組成物の散布ムラを低減することができる封止用エポキシ樹脂組成物、及び、該封止用エポキシ樹脂組成物の硬化膜を備える電子装置が提供される。
本実施形態に係る電子装置の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る電子装置の製造方法の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」の意である。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「電子装置」の語は、半導体チップ、半導体素子、プリント配線基板、電気回路ディスプレイ装置、情報通信端末、発光ダイオード、物理電池、化学電池など、電子工学の技術が適用された素子、デバイス、最終製品等を包含する意味で用いられる。
尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び、コアシェル構造の熱膨張性フィラーを含み、上記熱膨張性フィラーは、上記コアシェル構造におけるシェルの内部に揮発性膨張剤を含む。
ここで、揮発性膨張剤とは、シェルの軟化点以下の温度で、ガスを発生する物質を示す。すなわち、本実施形態に係る熱膨張性フィラーはその内部に揮発性膨張剤を含むことにより、加熱により膨張する。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、上記構成とすることで、所望の被封止領域内において、封止用エポキシ樹脂組成物で覆いきれない箇所の発生を低減し、封止用エポキシ樹脂組成物の散布ムラを低減することができる。
従来、半導体装置の封止成形方法は、トランスファー成形が一般的であったが、トランスファー成形を用いた場合、半導体チップに接続しているボンディングワイヤーが封止用の樹脂の流動圧力により変形して、断線や接触等を起こすという問題があった。この問題を解決するため、金型中に半導体装置を載置し、金型と半導体装置との間に封止用エポキシ樹脂組成物(モールド用樹脂)を供給して圧縮(コンプレッション)成形することにより、樹脂封止した半導体装置を製造する方法が主流となってきている。
また、圧縮成型においては、封止対象となる被封止領域上に封止用エポキシ樹脂組成物を供給する工程が必須となるが、特定の領域に主に固形材料である封止用エポキシ樹脂組成物を均一に散布することは、特に薄い硬化膜を形成しようとする場合困難であり、散布ムラが発生し、被封止領域の一部に封止用エポキシ樹脂組成物で覆われない部分(あるいは、ボイド)が発生してしまうことがあった。よって、特に被封止対象を膜厚の薄い硬化膜で封止することを所望する場合、一旦、求められる仕様よりも厚い膜厚の硬化膜で封止を行ってから、研磨により硬化膜を削り、薄膜化する手法を取らざるを得なかった。そこで、工程削減、コスト・作業低減の観点から、研磨工程を経ることなく、膜厚の薄い硬化膜、具体的には100μm以下、より好ましくは50μm以下の硬化膜を形成することができる封止用エポキシ樹脂組成物が求められていた。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、熱膨張性フィラーを含むため、封止対象となる被封止領域に封止用エポキシ樹脂組成物を供給する工程に続く加熱過程において、熱膨張性フィラーの膨張によって、封止用エポキシ樹脂組成物が膨張(移動)し、封止用エポキシ樹脂組成物が、被封止領域に均一に広がり、封止用エポキシ樹脂組成物で覆われない部分(あるいは、ボイド)を低減することができるものと考えられる。
なお、熱膨張性フィラーのシェルの内部(コア)に存在する揮発性膨張剤は、圧縮成型におけるZ軸方向の圧縮において、系外に抜けるため、最終的に、封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物中には残存しないものと考えられる。
すなわち、本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、圧縮成型工程の前半において、熱膨張性フィラーの膨張によって、水平方向(XY軸方向)に移動し、被封止領域に広がり、圧縮成型工程の後半において、熱膨張性フィラーのシェルの内部に存在した揮発性膨張剤や空気に由来するガスがつぶされるため、特に所望する硬化膜の膜厚が薄い場合においても、散布ムラの影響を低減することができ、かつ、ボイドの少ない硬化物が得られるものと考えられる。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、以下の条件で測定される前記エポキシ樹脂組成物の体積膨張率が100%であることが好ましく、110%以上であることがより好ましく、115%以上であることがさらに好ましく、120%以上であることが特に好ましい。
(条件)
封止用エポキシ樹脂組成物を0.20g分取し、内径53mmのアルミカップに入れ、アルミカップの真上から写真を撮影する。得られた画像を二値化処理し、内径53mmの円の面積D(mm)のうち、封止用エポキシ樹脂組成物で覆われている部分の面積G(mm)の割合を示す、面積比R=G/Dを算出する。続いて該エポキシ樹脂組成物が入ったアルミカップを、175℃で3分加熱し、再度アルミカップの真上から写真を撮影する。得られた画像を二値化処理し、内径53mmの円の面積D(mm)のうち、封止用エポキシ樹脂組成物で覆われている部分の面積G(mm)の面積の割合を示す、面積比R=G/Dを算出する。面積比R、及び、面積比Rの比から、被覆率Cを算出する。
式(1) 被覆率C=R/R
続いて、エポキシ樹脂組成物の体積膨張率Eを式(2)に従い算出した。
式(2) 体積膨張率E(%)=C(3/2)×100
従来の熱膨張性フィラーを含まない封止用エポキシ樹脂組成物は、膨張よりも硬化収縮の影響の方が大きいため上記条件で計測される体積膨張率が100%を下回る値となるが、本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、熱膨張性フィラーを含むため、封止用エポキシ樹脂組成物の配合を調整し、硬化収縮の影響よりも、熱膨張性フィラーによる膨張の影響の方が大きくなるよう調整することで、上記条件で計測される体積膨張率を100%以上とすることができる。体積膨張率の上限は、特に制限はないが、例えば、200%以下とすることができる。
封止用エポキシ樹脂組成物の体積膨張率は、用いる熱膨張性フィラーの最大膨張開始温度、具体的には、用いる熱膨張性フィラーにおける揮発性膨張剤の配合の種類や組成等を調整することで制御することができる。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、体積膨張率が上記数値範囲内にあることにより、封止用エポキシ樹脂組成物の散布ムラを低減することができ、特に薄い硬化膜を形成したい場合において、孔やボイドのない封止用エポキシ樹脂組成物の硬化膜を形成することができる。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、その膨張開始温度が50℃~175℃であることが好ましく、70℃~150℃であることがより好ましく、90℃~140℃℃であることが特に好ましい。
また、本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、その最大膨張温度が80℃~180℃であることが好ましく、100℃~190℃であることがより好ましく、120℃~160℃であることが特に好ましい。
なお、封止用エポキシ樹脂組成物の膨張開始温度及び最大膨張温度は、後述の本実施形態に係る熱膨張性フィラーの膨張開始温度及び最大膨張温度の測定方法と同様の方法で求めることができる。
また、封止用エポキシ樹脂組成物の膨張開始温度及び最大膨張温度は、用いる熱膨張性フィラーの膨張開始温度、具体的には、用いる熱膨張性フィラーにおける揮発性膨張剤の配合の種類や組成等を調整することで制御することができる。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、その膨張開始温度、最大膨張温度を上記数値範囲内とすることにより、圧縮成型工程において、より確実に水平方向(XY軸方向)に移動し、被封止領域に均一に広がるため、より散布ムラの影響を低減することができる。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、液状、固形のいずれの形態とすることも可能であるが、固形であることが好ましい。また、本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、タブレット状、シート状、または顆粒状とすることが可能であるが、ムラの少ない硬化膜、特に薄い硬化膜を形成する観点から、顆粒状の封止用エポキシ樹脂組成物であることが好ましい。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、顆粒状である場合、その平均粒径は1mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.7mm以下であり、さらに好ましくは0.6mm以下である。これにより、大面積化した金型への充填性を向上させることができる。また、上記平均粒径の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.1mm以上であり、0.3mmを越えてもよく、0.4mm以上としてもよい。これにより、製造安定性に優れた顆粒状の封止用エポキシ樹脂組成物を実現することができる。
圧縮成形金型への安定した供給性、生産性、良好な秤量精度を得るという観点からは、顆粒は微粉及び粗粉が少ないことが好ましく、例えば、封止用エポキシ樹脂組成物全体に対し、2mm以上の粒子の割合が3質量%以下、106μm未満の微粉の割合が5質量%以下とすることができる。
なお、顆粒の粒度分布は、JIS標準篩を用いてふるい分け試験にて求めることができる。
また、顆粒密度は例えば、1.5~2.1g/cmであることが好ましい。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、成形に適した流動性(スパイラルフロー)、硬化性(ゲルタイム・トルク)を有することが好ましい。スパイラルフローは、EMMI-1-66に準じたスパイラルフロー測定用金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で流動長を測定した際、50cm以上であることが好ましく、フラットフローは金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、流動長を測定した際、10cm以上であることが好ましい。
また、175℃としたホットプレート上に置き、試料が溶融後、へらで練りながら硬化するまでの時間が30秒~300秒であることが好ましい。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、樹脂封止(ASM:as Mold)の際の収縮率が、1%未満であることが好ましく、本硬化の際の収縮率が1%未満であることが好ましい。
以下、封止用エポキシ樹脂組成物の各成分について説明する。
<熱膨張性フィラー>
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、熱膨張性フィラーを含む。本実施形態に係る熱膨張性フィラーは、コアシェル構造であって、コアシェル構造におけるシェルの内部に揮発性膨張剤を含む。
ここで、揮発性膨張剤とは、上述のように、シェルの軟化点以下の温度で、ガスを発生する物質をいい、本実施形態に係る熱膨張性フィラーは、ガスバリア性を有するシェルの内部にコア剤として揮発性膨張剤を内包する構造を有するため、熱により上記揮発性膨張剤がガス状になるとともに上記シェルが軟化して膨張する。
上記熱膨張性フィラーは、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した平均粒径(D50)が1μm以上200μm以下であることが好ましく、3μm以上100μm以下であることがより好ましく、5μm以上50μm以下であることが特に好ましい。
熱膨張性フィラーの体積平均粒径が上記数値範囲内にあることにより、封止用エポキシ樹脂組成物が、圧縮成型中に適度に被封止領域にムラなく広がり、かつ、その硬化物中にボイドの残存の少ない、両者のバランスに優れた封止用エポキシ樹脂組成物となるものと推測される。
本実施形態に係る熱膨張性フィラーは、その膨張開始温度が50℃~175℃であることが好ましく、70℃~150℃であることがより好ましく、90℃~140℃であることが特に好ましい。
また、本実施形態に係る熱膨張性フィラーは、その最大膨張温度が80℃~180℃であることが好ましく、100℃~190℃であることがより好ましく、120℃~160℃であることが特に好ましい。
膨張開始温度及び、最大膨張温度は、例えば、DMAを用い、以下のように測定することができる。熱膨張性フィラー0.5mgを直径6.0mm、深さ4.8mmのアルミカップに入れ、熱膨張性フィラーの上部にアルミ蓋を乗せ、その試料に上から加圧子により0.01Nの力を加えた状態でサンプル高さを測定する。その状態で20℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱し、加圧子の垂直方向における変位量を測定する。正方向への変位開始温度を膨張開始温度(℃)、最大変位量を示した温度を最大膨張温度(℃)とすることができる。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、熱膨張性フィラーの膨張開始温度、最大膨張温度を上記数値範囲内とすることにより、圧縮成型工程の前半において、より確実に水平方向(XY軸方向)に移動し、被封止領域に均一に広がるため、散布ムラの影響を低減することができる。
熱膨張性フィラーの最大膨張倍率は、3倍以上であることが好ましく、より好ましくは10倍以上、さらに好ましくは20倍以上、特に好ましくは30倍以上、最も好ましくは50倍以上である。
なお、最大膨張倍率とは、未膨張状態にある熱膨張性フィラーの粒子群を加熱膨張させて当該粒子群の体積を測定したとき、当該粒子群の体積が、加熱膨張前のそれに対して最大で何倍になったかを示す。
熱膨張性フィラーの最大膨張倍率を上記の態様とすることで、封止用エポキシ樹脂組成物の体積膨張率を十分に大きくすることができ、封止用エポキシ樹脂組成物の散布ムラを低減することができる。
本実施形態に係る熱膨張性フィラーにおいて、上記揮発性膨張剤は、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン等の直鎖状炭化水素;イソブタン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、イソノナン、イソデカン、イソドデカン、3-メチルウンデカン、イソトリデカン、4-メチルドデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン、2,2,4,4,6,8,8-ヘプタメチルノナン、イソヘプタデカン、イソオクタデカン、イソノナデカン、2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン等の分岐状炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、ヘキシルシクロヘキサン、ヘプチルシクロヘキサン、n-オクチルシクロヘキサン、シクロペンタデカン、ノニルシクロヘキサン、デシルシクロヘキサン、ペンタデシルシクロヘキサン、ヘキサデシルシクロヘキサン、ヘプタデシルシクロヘキサン、オクタデシルシクロヘキサン等の脂環状炭化水素;石油エーテル;それらのハロゲン化物;CClF、CCl、CClF、CClF-CClF等のクロロフルオロカーボン;ハイドロフルオロエーテル等の含弗素化合物;テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル-n-プロピルシラン等のテトラアルキルシラン;加熱により熱分解してガスを生成する化合物等が挙げられる。これらの揮発性膨張剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されていてもよい。また、上記揮発性膨張剤は、炭化水素を含むことが好ましい。
これらの中でも、上記揮発性膨張剤は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソブタン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサンおよび石油エーテルから選ばれる少なくとも1種を含むと好ましく、イソブタンを含むと特に好ましい。
上記揮発性膨張剤は、沸点が-30℃以上175℃以下の炭化水素を含むことが好ましく、沸点が-20℃以上150℃以下の炭化水素を含むことがより好ましい。揮発性膨張剤の沸点が上記数値範囲内であることにより、熱膨張性フィラーが十分に膨張するため封止用エポキシ樹脂組成物が十分に移動することができる。
また、上記熱膨張性フィラーにおいて、上記コアシェル構造におけるシェルは、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。シェルが熱可塑性樹脂を含むことで、熱膨張性フィラーはシェル内部のコアに存在する揮発性膨張剤が加熱により体積膨張に合わせてその内部にガスを閉じ込めたまま膨らみ、成形時における封止用エポキシ樹脂組成物の水平方向の移動に寄与するもの考えられる。
上記熱可塑性樹脂は、塩化ビニリデンに由来する構造単位、ニトリル系モノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位、アミド基を有するモノマーに由来する構造単位、及び、分子中にグリシジル基を有するモノマーに由来する構造単位、からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位を有する重合体であることが好ましい。
熱可塑性樹脂が上記態様の重合体を含むことで、熱膨張性フィラーのシェルは、そのガスバリア性が十分に高く、最適な柔軟性・弾性を有するものとなる。
上記熱可塑性樹脂は、本実施形態の封止用エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂との反応性が低いものを選択するという観点から、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を含むことが特に好ましい。
本実施形態において、封止用樹脂組成物中の熱膨張性フィラーの含有量は、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、0.1質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上、10質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上、5質量%以下であることが特に好ましい。
熱膨張性フィラーの含有量を上記数値範囲内にすることにより、得られる封止用エポキシ樹脂組成物の体積膨張率、膨張開始温度、最大膨張温度を適切な値に制御することができ、これにより散布ムラを低減することが可能となる。
<エポキシ樹脂>
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等に例示されるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、これらの中から1種を単独で用いてよいし、異なる2種類以上を併用してもよい。
本実施形態において、封止用樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量の下限値は、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。
また、封止用樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量の上限値は、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、成形時における封止用樹脂組成物の流動性を適切に設定できる。したがって、充填性を向上できる。なお、本実施形態において、封止用樹脂組成物の全固形分とは、溶媒を除く全含有成分の合計を示す。
<硬化剤>
上記硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2~20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4-アミノフェニル)フェニルメタン、1,5-ジアミノナフタレン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミド等のアミノ類;アニリン変性レゾール樹脂やジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert-ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;トリヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格やアントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等を含む酸無水物等;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
この中でも、硬化剤としては、耐湿性、信頼性等の点から、1分子内に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert-ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂、シリコン変性フェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;レゾール型フェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂等が例示される。この中でも、封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性や、金型成形時の作業性の観点から、トリヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂を用いることができる。
本実施形態において、封止用エポキシ樹脂組成物中の硬化剤の含有量の上限値は、例えば、封止用樹脂組成物の全固形分に対して10.0質量%以下であることが好ましく、7.0質量%以下であることがより好ましく、5.0質量%以下であることがさらに好ましく、3.0質量%以下であることが一層好ましい。これにより、成形時における流動性を向上させることができる。したがって、充填性を向上させることができる。
また、封止用樹脂組成物中の硬化剤の含有量の下限値は、例えば、封止用樹脂組成物の全固形分に対して0.3質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましい。これにより、封止樹脂組成物の硬化速度を適切に調整することができる。したがって、局所的な硬化反応の進行により、内部応力が上昇するのを抑制できる。
<無機充填材>
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物には、無機充填材を用いることができる。用いられる無機充填材としては、上記無機充填材としては、例えば、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ等のシリカ;アルミナ;チタンホワイト;水酸化アルミニウム;タルク;クレー;マイカ;ガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、特に溶融球状シリカが好ましい。また、シリカの粒子形状は、限りなく真球状であることが好ましい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記無機充填材の平均粒径d50の上限値は、金型充填性の観点から、例えば、5μm以下であり、好ましくは4.5μm以下であり、さらに好ましくは4μm以下である。これにより、大面積化した金型内における充填性を向上させることができる。また、上記無機充填材の平均粒径d50の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01μm以上とすることができる。
本実施形態において、無機充填材の平均粒径d50は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA-500)を用いて測定することが可能である。
本実施形態において、無機充填材の含有量の下限値は、例えば、封止用エポキシ樹脂組成物全体に対して、70質量%以上であり、好ましくは75質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。これにより、封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の低吸湿性および低熱膨張性を向上させ、電子装置の耐湿信頼性や耐リフロー性をより効果的に向上させることができる。また、上記無機充填材の含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、封止用エポキシ樹脂組成物全体に対して、95質量%以下であることが好ましく、93質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがとくに好ましい。これにより、封止用エポキシ樹脂組成物の成形時における流動性や充填性をより効果的に向上させることが可能となる。
<硬化促進剤>
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物には、硬化促進剤を用いることができる。用いられる硬化促進剤としては、エポキシ基と硬化剤との硬化反応を促進させるものであればよく、一般に封止材料に使用するものを用いることができる。上記硬化促進剤としては、例えば、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、ベンジルジメチルアミン、2-メチルイミダゾール等が例示されるアミジンや3級アミン、前記アミジンやアミンの4級塩等の窒素原子含有化合物から選択される1種類または2種類以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性を向上させる観点からはリン原子含有化合物を含むことがより好ましい。また、成形性と硬化性のバランスを向上させる観点からは、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等の潜伏性を有するものを含むことがより好ましい。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、有機ホスフィンとしては、例えばエチルホスフィン、フェニルホスフィン等の第1ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジフェニルホスフィン等の第2ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィ ン等の第3ホスフィンが挙げられる。
より好ましいものとしては、封止用エポキシ樹脂組成物が溶融した後の急激な増粘が少ない潜伏性を有する硬化促進剤が挙げられる。
<シリコーンオイル>
本実施形態の封止用エポキシ樹脂組成物は、シリコーンオイルを含有することができる。
上記シリコーンオイルは、例えば、分子中にポリエーテル基を有している化合物が用いられる。このようなシリコーンオイルとしては、下記一般式(1)で表されるシリコーンオイルを用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0007247550000001
(ただし、上記一般式(1)において、R1は炭素数1ないし12のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選択される有機基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。Rは炭素数1ないし9のアルキレン基を示す。Rは水素原子又は炭素数1ないし9のアルキル基である。Aは、炭素、窒素、酸素、硫黄、水素から選択される原子から構成される基である。R4は炭素数1ないし12のアルキル基、アリール基、アラルキル基から選択される有機基、又は炭素、窒素、酸素、硫黄、水素から選択される原子から構成される基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、平均値であるl、m、n、a、及びbについては以下の関係にある。
l≧0、m≧0、n≧1、l+m+n≧5、
0.02≦n/(l+m+n)≦0.8、
a≧0、b≧0、a+b≧1)
上記一般式(1)で表されるシリコーンオイルにおけるポリエーテル基含有単位の繰返し数(n)は、上記一般式(1)で表されるシリコーンオイルの重合度(l+m+n)に対し、0.02以上、0.8以下の範囲にあることが好ましい。ポリエーテル基含有単位の繰返し数(n)の割合が上記範囲内であると、シリコーンオイルと樹脂成分との相溶性が適正な状態となることで界面活性作用を呈し、樹脂成分の均一化の効果が得られることとなる。また、ポリエーテル基含有単位の繰返し数(n)の割合が上記範囲内であると、過剰のポリエーテル基の存在による樹脂組成物の吸湿量の増大を抑制でき、それに伴う半田耐熱性の低下を抑制することができる。
本実施形態のシリコーンオイルは、特に平均重合度に制約は無く、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充填材との親和性を付与するために、メチル基、フェニル基の他にC、O、N、S原子などを含む有機基を有していても構わない。
例えば、上記一般式(1)で表されるシリコーンオイルは、分子中に、ポリエーテル基以外にも炭素、窒素、酸素、硫黄、水素原子から選択される原子から構成される種々の基を有してもよい。これらの基としては、例えば、エポキシ基、水酸基、アミノ基、ウレイド基、エポキシ樹脂や硬化剤との反応性を有する官能基や、アリール基等が挙げられる。
本実施形態において、シリコーンオイルの含有量の下限値は、特に限定されないが、例えば、封止用エポキシ樹脂組成物全体に対して、0.05質量%以上であり、好ましくは0.08質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。これにより、封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の界面にシリコーンオイルがブリードすることができ、当該界面の濡れ性を最適にすることができる。また、シリコーンオイルの含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、封止用エポキシ樹脂組成物全体に対して、1質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以下である。これにより、シリコーンオイルのブリード量を適切に制御できるので、封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の成形性の低下を抑制することができる。
本実施形態の封止用エポキシ樹脂組成物は、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、着色剤、離型剤、低応力剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を含有してもよい。
上記カップリング剤としては、例えばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランカップリング剤、フェニルアミノプロピルトリメトキシシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。上記レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。上記着色剤としては、カーボンブラック等が挙げられる。上記離型剤としては、天然ワックス、モンタン酸エステル等の合成ワックス、高級脂肪酸もしくはその金属塩類、パラフィン、酸化ポリエチレン等が挙げられる。上記低応力剤としては、シリコーンゴム等が挙げられる。イオン捕捉剤としては、ハイドロタルサイト等が挙げられる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム等が挙げられる。本実施形態において、例えば、上記シリコーンオイルと上記離型剤とを併用してもよい。
<封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法>
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物を得る方法について説明する。本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、本実施形単に係る構成を満足すれば、特にその製造方法が限定されるものではないが、例えば以下の方法で製造することができる。
具体的には、複数の小孔を有する円筒状外周部と円盤状の底面から構成される回転子の内側に、溶融混練された樹脂組成物を供給し、その樹脂組成物を、回転子を回転させて得られる遠心力によって小孔を通過させて得る方法(以下、「遠心製粉法」とも言う。);各原料成分をミキサーで予備混合後、ロール、ニーダー又は押出機等の混練機により加熱混練後、冷却、粉砕工程を経て粉砕物としたものを、篩を用いて粗粒と微紛の除去を行って得る方法(以下、「粉砕篩分法」とも言う。);各原料成分をミキサーで予備混合後、スクリュー先端部に小径を複数配置したダイを設置した押出機を用いて、加熱混練を行うとともに、ダイに配置された小孔からストランド状に押し出されてくる溶融樹脂をダイ面に略平行に摺動回転するカッターで切断して得る方法(以下、「ホットカット法」とも言う。)等が挙げられる。
いずれの方法においても、製造工程において、原料として使用する熱膨張性フィラーの膨張開始温度より低い温度を保つか、原料として使用する熱膨張性フィラーの膨張開始温度以上となる時間を短く保つことが好ましく、例えば、混合温度を110℃以下とすることが好ましく、100℃以下とすることが特に好ましい。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、半導体素子の封止に用いることができ、また、半導体素子の封止用に限定されず、その他の素子の封止、ECU(engine control unit)の一括封止、ローターコアの封止等様々な封止用途に用いることができる。半導体素子の封止に用いる場合、上記半導体素子としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子等が挙げられる。半導体素子を備える半導体パッケージの構造としては、例えば、ボール・グリッド・アレイ(BGA)、MAPタイプのBGA等が挙げられる。また、チップ・サイズ・パッケージ(CSP)、クワッド・フラット・ノンリーデッド・パッケージ(QFN)、embedded WLP(eWLP)、Fan In WLPおよびFan Out WLP等のウエハ・レベルパッケージ(WLP)、スモールアウトライン・ノンリーデッド・パッケージ(SON)、リードフレーム・BGA(LF-BGA)等が挙げられる。
本実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、ウエハレベルパッケージ(WLP)に用いることが特に好ましい。
<本実施形態に係る電子装置>
本実施形態の電子装置の一例について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の電子装置100の構成を示す断面図である。
本実施形態の電子装置100は、電子部品(半導体チップ140)を備える半導体装置とすることができる。本実施形態において、半導体チップ140は、絶縁層と金属層とを備えることができ(図示せず)、銅ピラー20を有する。半導体チップ140は、封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物(封止材層30)で封止されている。銅ピラー20の上面と、封止材層30の上面は、同一平面を構成していてもよく、これらの上面には、再配線絶縁層80が形成されている。再配線絶縁層80は、再配線絶縁層80を貫通するビア92を備えており、再配線絶縁層80の上面には、再配線回路94が形成されている。再配線回路94の上には、半田ボール96が搭載されており、再配線回路94、及び、半田ボール96を覆うように、ソルダーレジスト層98が形成されている。銅ピラー20は、ビア92、及び、再配線回路94を介し、半田ボール96と電気的に接続されている。ビア92や再配線回路94は、例えば、銅などの金属で構成されていてもよい。
(電子装置の製造方法)
本実施形態に係る電子装置の製造方法について説明する。
本実施形態に係る電子装置の製造方法は、例えば、基材上に電子部品を配設する配設工程と、上述した封止用樹脂組成物を用いて、電子部品を封止する封止工程と、を含む。
(配設工程)
配設工程では、基材上に電子部品を配設する。
配設工程で配設される電子部品の数は限定されず、例えば、基材上に1個の電子部品を配設してもよく、基材上に複数の電子部品を配設してもよい。
配設工程では、例えば、ウエハなどの基材上に電子回路などの電子部品を形成してもよく、有機基材などの基材上に半導体素子などの電子部品を配置してもよい。
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、充填性に優れるため、例えば、複数のチップをスタックさせて配置する場合に好適に用いることができる。
(封止工程)
封止工程では、上述した封止用樹脂組成物を用いて、電子部品を封止する。これにより、上述した封止部材を封止用樹脂組成物の硬化物で形成することができる。
封止する方法としては、具体的には、トランスファー成形法、圧縮成形法、インジェクション成形などが挙げられる。これらの方法により、封止用樹脂組成物を、成形し、硬化させることにより封止部材を形成することができる。本実施形態の封止用樹脂組成物は、大面積の基材を封止する場合に好適に用いることができる。
以下に、具体的な電子装置及びその製造方法について、説明する。
図2はWafer Level Package(:WLP)の電子装置の製造方法の一例である。
Wafer Level Package(:WLP)の電子装置の製造方法としては、例えば、上述した配設工程において、基材上に複数の電子部品を配設することで、回路面を形成し、さらに、上述した封止工程において、回路面を覆うように封止用樹脂組成物を用いて封止し、さらに、封止工程の後、基材の回路面を覆う封止用樹脂組成物、及び、基材を切断し、電子装置を個片化する個片化工程を含む。
なお、配設工程として、例えば、回路面の上にバンプを形成してもよい。また、封止工程として、封止材層を削って、封止材層からバンプを露出させてもよい。さらに、封止工程の後、配線工程として、バンプに半田ボールを接続してもよい。
Wafer Level Package(:WLP)の電子装置の製造方法について、図2(a)~(f)に記載の各工程と共に詳細を説明する。
まず、配設工程として、例えば、図2(a)に示すように、ウエハなどの基材10上に、複数の電子部品21を配設する。図2(b)に示すように、電子部品21の上には、後述する半田ボールと、電子部品とを電気的に接続するために、メタルポストなどのバンプ22を形成されている。
次いで、封止工程として、上述した電子部品21を覆うように封止用樹脂組成物を用いて封止し、封止材層30を形成する。従来であれば、図2(c)に示すように、バンプ22よりも高い樹脂膜を形成した後、封止材層30を削ることで、封止材層30からバンプ22を露出させていたところ、本発明によれば、研磨工程を経ずに、バンプ22を露出させた構成を得ることができる(図2(d))。あるいは、本発明によれば、少ない研磨量で、バンプ22を露出させた構成を得ることができる。
次いで、配線工程として、例えば、図2(e)に示すように、バンプ22に半田ボール96を接続する。
次いで、個片化工程として、例えば、図2(f)に示すように、封止材層30及び基材10をダイシングブレード、レーザーなどで切断し、電子装置50を得る。なお、個片化する電子装置50に接続されるバンプ22及び半田ボール96の数は限定されず、電子装置50の種類に応じて設定することができる。
ここで、本実施形態において、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物を用いた圧縮成形について概要を説明する。
まず、圧縮成形金型の下型キャビティの底面に、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物を均一になるように蒔く。例えば、振動フィーダー等の搬送手段を用いて、粒状の熱硬化性樹脂組成物を搬送し、下型キャビティの底面に配置してもよい。
続いて、電子部品21が形成された基材10を、クランプや吸着のような固定手段により、圧縮成形金型の上型に固定する。続いて、減圧下、金型の上型と下型の間隔を狭めることにより、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物は、下型キャビティ内で所定温度に加熱され、溶融状態となる。続いて、金型の上型と下型を結合させることにより、溶融状態の熱硬化性樹脂組成物を上型に固定された、電子部品21に対して押し当てる。その後、金型の上型と下型を結合させた状態を保持しながら、所定時間をかけて熱硬化性樹脂組成物を硬化させる。これにより、基材10上の電子部品21およびバンプ22を封止した封止材層30を形成することができる。
本実施形態においては、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物に代えて、シート状の熱硬化性樹脂組成物を使用した場合でも、上記のような圧縮成形を利用することができる。
ここで、圧縮成形を行う場合には、金型内を減圧下にしながら封止を行うことが好ましく、真空条件下であるとさらに好ましい。これにより、充填部分を残すことなく、電子部品21やバンプ22等を、熱硬化性樹脂組成物の硬化物(封止材層30)で埋設することができる。
圧縮成形における成形温度は、例えば、100℃以上200℃以下としてもよく、120℃以上180℃以下としてもよい。成形圧力は、例えば、0.5MPa以上12MPa以下としてもよく、1MPa以上10MPa以下としてもよい。成形時間は、例えば、30秒以上15分以下としてもよく、1分以上10分以下としてもよい。本実施形態において、成形温度、圧力、時間を上記範囲とすることで、溶融状態の封止材が充填されない部分が発生することを防止することができる。
また、得られた熱硬化性樹脂組成物の硬化物(絶縁層224)に対して、封止後、ポストキュアを実施してもよい。ポストキュア温度は、例えば、150℃以上200℃以下としてもよく、165℃以上185℃以下としてもよい。ポストキュア時間は、例えば、1時間以上5時間以下としてもよく、2時間以上4時間以下としてもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
各実施例、各比較例で用いた原料成分について、以下に示す。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC3000L)
(硬化剤)
硬化剤1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH-7851SS)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:テトラフェニルフォスフォニウム 4,4'-スルフォニルジフェノラート
硬化促進剤2:テトラフェニルホスホニウムビス(ナフタレン-2,3-ジオキシ)フェニルシリケート
(無機充填材)
無機充填材1:球状溶融シリカ(マイクロン社製、平均粒径 2μm)
(熱膨張性フィラー)
熱膨張性フィラー1:松本油脂製薬株式会社、FN-100SSD、平均粒径 10~20μm、膨張開始温度 120~130℃、最大膨張温度 145~155℃、熱膨張性フィラー1とEVAバインダーを、固形分重量比9:1で混合した組成物における加熱時(160℃)の膨張率 5.4倍
熱膨張性フィラー2:松本油脂製薬株式会社、FN-80GSD、平均粒径10~20μm、膨張開始温度100~110℃、最大膨張温度125~135℃、熱膨張性フィラー2とEVAバインダーを、固形分重量比9:1で混合した組成物における加熱時(150℃)の膨張率 7.6倍
(着色剤)
着色剤1:カーボンブラック(東海カーボン、ERS-2001)
(カップリング剤)
カップリング剤1:下記式(S1)で表されるN-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、CF-4083)
Figure 0007247550000002
カップリング剤2:下記式で表されるシランカップリング剤の加水分解品(下記式において、末端のOCH構造がOHに変化した構造のもの)
Figure 0007247550000003
(離型剤)
離型剤1:ジエタノールアミン・ジモンタン酸エステル(NC-133、伊藤製油社製)
(イオン捕捉剤)
イオン捕捉剤1:ハイドロキシタルサイト(東亜合成)
(シリコーンオイル)
シリコーンオイル1:有機官能性シロキサン(FZ-3730、東レダウ)
(低応力剤)
低応力剤1:カルボキシル基末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合体(CTBN1008SP、PTI JAPAN)
<実施例1、2、比較例1の封止用エポキシ樹脂組成物の調製>
各実施例及び比較例のそれぞれについて、以下のように封止用樹脂組成物を調製した。
まず、表1に示す各成分をミキサーにより混合した。次いで、得られた混合物を、直径65mmのシリンダー内径を持つ同方向回転二軸押出機にてスクリュー回転数30rpm、100℃の樹脂温度で溶融混練した。次に、直径20cmの回転子の上方より溶融混練された樹脂組成物を2kg/hrの割合で供給し、回転子を3000rpmで回転させて得られる遠心力によって、115℃に加熱された円筒状外周部の複数の小孔(孔径1.2mm)を通過させた。その後、冷却することで顆粒状の封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
表1中における各成分の詳細は上述したとおりである。なお、表1に示す各成分の配合割合は、全て質量部を指す。
Figure 0007247550000004
<評価>
(体積膨張率)
各実施例・比較例の封止用エポキシ樹脂組成物を0.20g分取し、内径53mmの円柱状のアルミカップに均一に分布するよう入れ、アルミカップの真上から写真を撮影した。撮影画像を、アルミが露出している部分と封止用エポキシ樹脂組成物で覆われている部分とに二値化処理し、封止用エポキシ樹脂組成物で覆われている部分の面積G(mm)を算出した。続いて、封止用エポキシ樹脂組成物で覆われている部分の面積G(mm)を、アルミカップの底面の面積(直径53mmの円の面積D(mm))で除することにより、封止用エポキシ樹脂組成物で覆われている部分の面積の割合を示す、面積比R(=G/D)を算出した。続いてエポキシ樹脂組成物が入ったアルミカップを、175℃で3分加熱し、加熱後のエポキシ樹脂組成物が入ったアルミカップについて、再度アルミカップの真上から写真を撮影した。加熱前と同様に、撮影画像を、アルミが露出している部分と封止用エポキシ樹脂組成物で覆われている部分とに二値化処理し、封止用エポキシ樹脂組成物で覆われている部分の面積G(mm)を算出した。続いて、封止用エポキシ樹脂組成物で覆われている部分の面積G(mm)を、アルミカップの底面の面積(直径53mmの円の面積D(mm))で除することにより、封止用エポキシ樹脂組成物で覆われている部分の面積の割合を示す、面積比R(=G/D)を算出した。これらの面積比の比を以って以下の式(1)で、被覆率Cを算出した。
式(1) 被覆率C=R/R
続いて、エポキシ樹脂組成物の体積膨張率Eを式(2)に従い算出した。
式(2) 体積膨張率E(%)=C(3/2)×100
(フラットフロー)
低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製、KTS-15)を用いて、流動特性評価用金型(フラットフロー金型)に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、半導体封止用樹脂組成物を注入し、半導体封止用樹脂組成物の流動の始点から終点までの流動距離を流動長として求めた。単位はcmとした。
(ゲルタイム)
175℃としたホットプレート上に各実施例・比較例の封止用エポキシ樹脂組成物からなる試料を置き、試料が溶融後、へらで練りながら硬化するまでの時間を測定した。この時間が短いほど、硬化速度が速いことを示す。
(粘度ηの測定)
実施例および比較例のそれぞれの封止用エポキシ樹脂組成物について、高化式フローテスター(島津製作所(株)製、CFT-500C)を用いて、温度175℃、荷重40kgf(ピストン面積1cm)、ダイ穴直径0.50mm、ダイ長さ1.00mmの試験条件で溶解した封止用エポキシ樹脂組成物のみかけの粘度ηを測定した。粘度ηは、以下の計算式より算出した。計算式中、Qは単位時間あたりに流れる封止用エポキシ樹脂組成物の流量である。表2中の単位はPa・秒である。
η=(4πDP/128LQ)×10-3(Pa・秒)
η:みかけの粘度
D:ダイ穴直径(mm)
P:試験圧力(Pa)
L:ダイ長さ(mm)
Q:フローレート(cm/秒)
(収縮率)
実施例および比較例のそれぞれの封止用エポキシ樹脂組成物について、樹脂封止(ASM:as Mold)を行った後、本硬化させて樹脂封止基板を作製することを想定した加熱条件(PMC:Post Mold Cure)で収縮率を評価した。まず、円盤状の金型の室温における寸法を4箇所測定し、その平均値を算出した。続けて、金型に封止用エポキシ樹脂組成物を投入して得られた円盤状の硬化物を得、得られた硬化物に熱処理を施した後の室温における直径を、当該金型で測定した箇所に対応する4箇所で測定し、その平均値を算出した。次に、得られた平均値を、次式:〔(室温における金型寸法-熱処理後の硬化物の室温における寸法)/室温における金型寸法〕×100(%)に当てはめて、硬化物の収縮率S(%)を算出した。
結果を表2に示す。樹脂封止を想定した温度条件は、175℃、180秒、本硬化を想定した温度条件は175℃、4時間とした。
(顆粒密度)
得られた顆粒状の封止用エポキシ樹脂組成物をロータップ型篩振動機(丸菱科学機械製作所製、型式-SS-100A)に備え付けた目開き106μmのJIS標準篩を用い、篩を20分間に亘って振動(ハンマー打数:120回/分)させながら試料を篩に通して分級し、106μm未満の微粉を除去した。次いで、顆粒状の樹脂組成物を32メッシュ(目開き500μm)のJIS標準篩にて篩分後、篩上の顆粒状の樹脂組成物約5gを0.1mgまで秤量したものを試料とした。ピクノメータ(容量50cc)を蒸留水で満たし、さらに界面活性剤を数滴添加した後、蒸留水と界面活性剤の入ったピクノメータの質量を測定した。次いで、ピクノメータに試料をいれ、蒸留水と界面活性剤と試料の入ったピクノメータ全体の質量を測定し、以下の式にしたがって算出する。
顆粒密度(g/ml)=(Mp×ρw)/(Mw+Mp-Mt)
ρw:測定時の温度における蒸留水の密度(g/ml)
Mw:蒸留水を満たし、さらに界面活性剤を数滴添加したピクノメータの質量(g)
Mp:試料の質量(g)
Mt:蒸留水と界面活性剤と試料をいれたピクノメータの質量(g)
Figure 0007247550000005
10 基材
20 銅ピラー
21 電子部品
22 バンプ
30 封止材層
50 電子装置
80 再配線絶縁層
92 ビア
94 再配線回路
96 半田ボール
98 ソルダーレジスト層
100 電子装置
140 半導体チップ

Claims (12)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、及び、コアシェル構造の熱膨張性フィラーを含む、エポキシ樹脂組成物であって、
    前記熱膨張性フィラーが、前記コアシェル構造におけるシェルの内部に揮発性膨張剤を含み、
    前記エポキシ樹脂組成物は顆粒状であり、圧縮成型用である、封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 以下の条件で測定される前記エポキシ樹脂組成物の体積膨張率が100%以上である、請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
    (条件)
    封止用エポキシ樹脂組成物を0.20g分取し、内径53mmのアルミカップに入れ、アルミカップの真上から写真を撮影する。得られた画像を二値化処理し、内径53mmの円の面積D(mm)のうち、封止用エポキシ樹脂組成物で覆われている部分の面積G(mm)の割合を示す、面積比R=G/Dを算出する。続いて該エポキシ樹脂組成物が入ったアルミカップを、175℃で3分加熱し、再度アルミカップの真上から写真を撮影する。得られた画像を二値化処理し、内径53mmの円の面積D(mm)のうち、封止用エポキシ樹脂組成物で覆われている部分の面積G(mm)の面積の割合を示す、面積比R=G/Dを算出する。面積比R、及び、面積比Rの比から、被覆率Cを算出する。
    式(1) 被覆率C=R/R
    続いて、エポキシ樹脂組成物の体積膨張率Eを式(2)に従い算出した。
    式(2) 体積膨張率E(%)=C(3/2)×100
  3. 前記熱膨張性フィラーのレーザー回折式粒度分布測定装置で測定した平均粒径が1μm以上200μm以下である、請求項1又は2に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記揮発性膨張剤が炭化水素を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記揮発性膨張剤が、沸点が-30℃以上175℃以下の炭化水素を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 前記コアシェル構造におけるシェルが、熱可塑性樹脂を含む、請求項1~5のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  7. 前記熱可塑性樹脂は、塩化ビニリデンに由来する構造単位、ニトリル系モノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位、アミド基を有するモノマーに由来する構造単位、及び、分子中にグリシジル基を有するモノマーに由来する構造単位、からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位を有する重合体を含む、請求項6に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  8. DMA(動的粘弾性測定)を用い下記の<方法>により得られる前記封止用エポキシ樹脂組成物の膨張開始温度が、50℃以上、175℃以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
    <方法>
    前記封止用エポキシ樹脂組成物0.5mgを直径6.0mm、深さ4.8mmのアルミカップに入れ、前記封止用エポキシ樹脂組成物の上部にアルミ蓋を乗せ、その試料に上から加圧子により0.01Nの力を加えた状態でサンプル高さを測定する。その状態で20℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱し、加圧子の垂直方向における変位量を測定し、正方向への変位開始温度を膨張開始温度とする。
  9. DMA(動的粘弾性測定)を用い下記の<方法>により得られる前記封止用エポキシ樹脂組成物の最大膨張温度が、80℃以上、180℃以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
    <方法>
    前記封止用エポキシ樹脂組成物0.5mgを直径6.0mm、深さ4.8mmのアルミカップに入れ、前記封止用エポキシ樹脂組成物の上部にアルミ蓋を乗せ、その試料に上から加圧子により0.01Nの力を加えた状態でサンプル高さを測定する。その状態で20℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱し、加圧子の垂直方向における変位量を測定し、最大変位量を示した温度を最大膨張温度とする。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物であって、平均粒径が1mm以下である、封止用エポキシ樹脂組成物。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物であって、
    電子部品の封止に用いる、封止用エポキシ樹脂組成物。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物の硬化膜を備える電子装置。
JP2018223212A 2018-11-29 2018-11-29 封止用エポキシ樹脂組成物、及び、電子装置 Active JP7247550B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018223212A JP7247550B2 (ja) 2018-11-29 2018-11-29 封止用エポキシ樹脂組成物、及び、電子装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018223212A JP7247550B2 (ja) 2018-11-29 2018-11-29 封止用エポキシ樹脂組成物、及び、電子装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020084094A JP2020084094A (ja) 2020-06-04
JP7247550B2 true JP7247550B2 (ja) 2023-03-29

Family

ID=70909732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018223212A Active JP7247550B2 (ja) 2018-11-29 2018-11-29 封止用エポキシ樹脂組成物、及び、電子装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7247550B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021138809A (ja) * 2020-03-03 2021-09-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 封止用樹脂組成物、及び半導体装置
TW202323394A (zh) 2021-08-31 2023-06-16 日商陶氏東麗股份有限公司 顆粒狀硬化性聚矽氧組成物、其硬化物及其製造方法
WO2023032735A1 (ja) 2021-08-31 2023-03-09 ダウ・東レ株式会社 硬化性シリコーン組成物、その硬化物、およびその製造方法
KR20240046792A (ko) 2021-08-31 2024-04-09 다우 도레이 캄파니 리미티드 경화성 실리콘 조성물, 그의 경화물 및 그의 제조방법

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003128830A (ja) 2001-08-10 2003-05-08 Sekisui Chem Co Ltd 熱硬化性発泡性樹脂組成物、この熱硬化性発泡性樹脂組成物を用いた積層シート、成形体、及び構造体
JP2011111570A (ja) 2009-11-27 2011-06-09 Omron Corp 一液性エポキシ樹脂組成物及びその利用
JP2015168687A (ja) 2014-03-04 2015-09-28 京セラケミカル株式会社 コイル含浸用樹脂組成物及びコイル装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07121996B2 (ja) * 1987-04-30 1995-12-25 サンユレジン株式会社 エポキシ樹脂粉体組成物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003128830A (ja) 2001-08-10 2003-05-08 Sekisui Chem Co Ltd 熱硬化性発泡性樹脂組成物、この熱硬化性発泡性樹脂組成物を用いた積層シート、成形体、及び構造体
JP2011111570A (ja) 2009-11-27 2011-06-09 Omron Corp 一液性エポキシ樹脂組成物及びその利用
JP2015168687A (ja) 2014-03-04 2015-09-28 京セラケミカル株式会社 コイル含浸用樹脂組成物及びコイル装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020084094A (ja) 2020-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7247550B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物、及び、電子装置
JP2004210901A (ja) 液状エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP6233441B2 (ja) 液状エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2021120462A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、樹脂封止基板、および電子装置
JP6389382B2 (ja) 半導体封止用樹脂シート及び樹脂封止型半導体装置
JP3925803B2 (ja) フリップチップ実装用サイドフィル材及び半導体装置
WO2018150779A1 (ja) 樹脂組成物、樹脂シート及び半導体装置並びに半導体装置の製造方法
JP5703489B2 (ja) 封止用液状樹脂組成物の製造方法と調整方法及びこれを用いた半導体装置と半導体素子の封止方法
JP2009057575A (ja) 液状エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
CN107393839B (zh) 大面积的搭载有半导体元件的基材的封装方法
TWI803608B (zh) 粒子狀密封用樹脂組成物、半導體裝置及其製造方法
JP5708666B2 (ja) 液状エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
US6168872B1 (en) Semiconductor encapsulating epoxy resin composition and semiconductor device
JP2015110803A (ja) 液状エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP5929977B2 (ja) 液状エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP7255227B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物および半導体装置
JP2017193636A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、樹脂封止基板、および電子装置
JP2021155474A (ja) 封止用樹脂組成物、及び電子装置
JP2009256475A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP7465714B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
TWI723211B (zh) 熱硬化性樹脂組成物、樹脂密封基板及電子裝置
JP2009019115A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP3442545B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP2017128657A (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物、半導体装置及びその製造方法
JP2023183768A (ja) 封止用樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230227

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7247550

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151