JP7245174B2 - 唾液のhgf及びmmp-8に基づく歯周炎の診断 - Google Patents

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Description

本発明は、口腔ケアの分野におけるものであり、歯周疾患の唾液ベースの診断に関係する。特に、本発明は、歯周炎を診断するためのキット及び方法に関係する。
歯周炎は、口腔微生物によって引き起こされ、硬組織(骨)及び軟組織(歯周靭帯)の進行性破壊によって特徴づけられ、最終的に歯のぐらつき及び喪失につながる慢性多因子性炎症疾患である。これは、歯肉組織の可逆的な感染及び炎症である歯肉炎から区別されることになる。炎症性歯周炎は最も蔓延している慢性ヒト疾患の1つであり、成人の歯の喪失の主な原因である。口腔衛生に対する歯周炎の実質的な悪影響に加えて、歯周炎が全身的結果をもたらし、(例えば、アテローム性動脈硬化、心発作等の)心疾患、糖尿病、妊娠合併症、関節リウマチ、及び呼吸器感染症を含むいくつかの全身性疾患の危険因子であるという証拠も増えている。
従って、歯周疾患の早期且つ正確な診断が、口腔衛生の観点からも全体的な健康の観点からも重要である。
歯周疾患は、一般的な歯科診療において依然として十分に診断されず、治療介入率は比較的低く、未治療の症例が相当量ある。現在の診断は、歯科医療従事者による口腔組織の状態(色、腫脹、プロービング時の出血の程度、ポケットの深さのプロービング、及び口腔X線による骨喪失)の不正確で主観的な臨床検査に依存する。これらの従来の方法は時間がかかり、使用される技術の一部(ポケット深さ、X線)は、現在の疾患活動性又はさらなる疾患に対する易罹患性ではなく、過去の疾患活動性等の歴史的事象を反映する。従って、好ましくは非専門家によっても実行され得るより客観的で速く正確で使いやすい診断法が望ましい。それによって、現在の疾患活動性、及び、おそらくさらなる歯周疾患に対する対象者の易罹患性を測定することが望ましい。
唾液又は口腔液は、長い間、口腔疾患及び一般疾患の診断用流体として提唱されてきた。また、ラブオンチップとも呼ばれる小型化されたバイオセンサの出現で、迅速なチェアサイドテストのためのポイントオブケア診断が、より大きな科学的及び臨床的関心を得てきた。特に歯周疾患の検出に対して、組織の炎症及び破壊に関連している炎症性バイオマーカーは、近接しているために容易に唾液中に入る可能性があり、唾液が歯周疾患の検出に対して強い可能性を有することを示唆している。従って、実際に、この分野は相当な関心を得ており、望みを与える結果が示されてきた。しかし、明確な試験はまだ現れていない。
バイオマーカーは、臨床症状の根拠を与える生物学的指標を表し、そのようなものとして、歯周疾患の臨床転帰を診断するための客観的尺度である。最終的には、証明されたバイオマーカーを利用して、将来の疾患のリスクを評価する、非常に早期の段階の疾患を同定する、初期治療に対する応答を同定する、及び予防対策の実践を可能にすることができる。
唾液のバイオマーカーに対するポイントオブケアテストの開発に対するこれまでの制限には、チェアサイドの応用に適応できる技術の欠如、及び、個々の試料における多数のバイオマーカーの分析ができないことが含まれていた。そのようなテストにおいてどの多数のバイオマーカーを含むかという選択も、文献において十分に扱われておらず、実用的試験においても実践されていない。これらの挑戦は、非特許文献1において論じられている。
歯肉の炎症又は歯肉炎は、主に歯の細菌性バイオフィルム又は歯垢が歯の表面に付着することによって引き起こされる非破壊の歯周疾患である。検出及び治療されない場合、可逆的な歯肉炎は、通常、歯周炎として定義される状態であり、不可逆的であり、組織破壊及び歯槽骨喪失を引き起こし、最終的には歯を喪失する、歯を包囲する組織(すなわち、歯周組織)の炎症につながる。歯肉疾患の進行中に、通常、歯肉の腫れ、ピンクから暗赤色への色の変化、歯肉の出血、口臭、及び歯肉がより敏感になる又は痛くて触れない等、それに関連する臨床徴候及び症状がある。
従って、歯肉炎患者が歯周炎にかかったかどうかを評価することが重要である。又は、患者が歯周炎にかかっていないという意味で、歯肉炎の治療が成功したかどうかを評価することが重要である。しかし、そのような評価を行うための利用可能な方法は、歯科医が全ての患者及び/又は全ての来診時に日常的に行うことはなく、消費者が行うこと(自己診断)が不可能な重労働のプロセスを含む。
よりシンプルなプロセス、特に、少量の唾液試料が患者から、及びおそらく患者自身によって採取されることのみを要求するプロセスを提供することが望ましい。そのような試料は、測定に基づいて、患者が歯周炎を患っている又は患っていないとして分類されることになる可能性の指標を戻すことができるように唾液試料の分類を可能にすることになる体外(in vitro)での診断装置に入れられることが望ましい。
Taylor J., "Protein Biomarkers of Periodontitis in Saliva" ISRN Inflammation, Vol.141 No.1, January 2014 Harlow&Lane, Antibodies, A Laboratory Manual (1988)
上述の要望により良く取り組むために、本発明は、一態様において、対象者(a human subject)が歯周炎を有するかどうかを評価するための体外での方法に関し、当該方法は、対象者の年齢を決定し、さらに、上記の対象者由来の唾液の試料において、タンパク質である肝細胞増殖因子(HGF)及びマトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)の濃度を検出するステップ;対象者の年齢と組み合わせて、上記のタンパク質に対して決定された結合濃度を反映する試験値を決定するステップ;試験値が、上記の対象者における歯周炎を示しているかどうかを評価するように、試験値を、歯周炎に関連している結合濃度を同じ様式で反映し、年齢も反映する閾値と比較するステップ;を含む。
別の態様では、本発明は、対象者が歯周炎を有するかどうかを評価するためのバイオマーカーとしての、対象者の唾液試料におけるタンパク質であるHGF及びMMP-8並びに対象者の年齢の使用を示す。
さらなる態様では、本発明は、対象者における歯周炎を診断するためのシステムに属し、当該システムは:
- 対象者の唾液の試料において、HGF及びMMP-8を検出することができ且つ検出するように適応した手段;及び、
- 上記のタンパク質の決定された濃度から、及び、人口統計学的情報、特に年齢から、患者が歯周炎を有するかどうかの指標を決定することができ且つ決定するように適応したプロセッサ;
を含む。
当該システムは、任意的に、情報を示すことができるユーザインタフェース、特にグラフィカルユーザインタフェースへのデータ接続を有し、上記のインタフェースは、対象者の年齢に関する情報だけでなく、任意的に、性別及び/又はBMI(肥満度指数)等の他の情報も入れることができ、上記のインタフェースは、システムの一部であるか、又は、リモートインタフェースである。
任意的に、上述のアイテムのうちの1つ又は複数、特にプロセッサは、「クラウド」で、すなわち、固定機械で機能するのではなく、インターネットベースのアプリケーションよって機能することが可能にされる。
別のさらなる態様では、本発明は、患者(a human patient)の唾液の試料における歯周炎に対する少なくとも2つのバイオマーカーを検出するためのキットを提供し、当該キットは、HGF及びMMP-8を検出するための1つ又は複数、典型的には2つの検出試薬を含む。典型的には、2つ以上の検出試薬が使用され、そのそれぞれが、異なるバイオマーカーに結合する。一実施形態において、第1の検出試薬は肝細胞増殖因子(HGF)に結合することができ、第2の検出試薬はマトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)に結合することができる。
さらに別の態様では、本発明は、第1の時点tから第2の時点tまでの時間間隔にわたる、対象者における口腔衛生の状態の変化を決定するための体外での方法を提供し、当該方法は、tにて上記の対象者から得られた少なくとも1つの唾液試料において、及び、tにて上記の対象者から得られた少なくとも1つの唾液試料において、タンパク質である:肝細胞増殖因子(HGF);及びマトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)の濃度を検出するステップと、濃度を比較し、それによって、いずれか1つ又は両方の濃度の差が状態の変化を反映しているステップとを含む。
さらなる態様では、本発明は、患者が歯周炎を有するかどうかを診断する方法を提供し、当該方法は、患者の唾液の試料において、タンパク質である肝細胞増殖因子(HGF)及びマトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)を検出するステップと、患者における歯周炎の存在を、任意的に対象者の年齢と組み合わせて、上記の試料における上記のタンパク質の濃度に基づき評価するステップとを含む。任意的に、この態様の方法は、患者における歯周炎を治療するさらなるステップを含む。
別のさらなる態様では、本発明は、歯周炎を患う患者において、タンパク質である肝細胞増殖因子(HGF)及びマトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)を検出する方法を提供し、当該方法は:
(a)患者から唾液試料を得るステップ;及び、
(b)唾液試料を、上記のタンパク質に結合するための1つ又は複数の検出試薬と接触させ、各タンパク質と1つ又は複数の検出試薬との結合を検出することによって、肝細胞増殖因子(HGF)及びマトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)が試料中に存在するかどうかを検出するステップ;
を含む。典型的には、HGFに結合することができる第1の検出試薬、及び、マトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)に結合することができる第2の検出試薬がある。当該方法は、対象者の年齢を決定するステップも含み得る。
本開示において記載される方法において使用するためのシステムの概略図である。 95%の特異性での歯周炎に対する感度に対して、既定のバイオマーカーパネルの割合がプロットされたグラフを示した図である。 異なるバイオマーカーパネルに対する、図2と類似のグラフを示した図である。
一般的な意味では、本発明は、バイオマーカーとして年齢も適用する場合に、より高い精度で、対象者が歯周炎を有するかどうかを評価するために、上記の対象者の唾液の試料におけるバイオマーカーとして役立ち得るタンパク質はわずか2つであり、という賢明な洞察に基づいている。これらのタンパク質は、肝細胞増殖因子(HGF)及びマトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)である。
HGFは、傍分泌細胞の増殖、運動刺激、及び形態形成の因子であり、間葉系細胞によって分泌され、主に上皮細胞及び内皮細胞を標的とし、該細胞に作用するが、造血前駆細胞にも作用する。HGFは、筋形成及び創傷治癒において主要な役割を持つと示されてきた。有糸***誘発、細胞運動性、及びマトリックス浸潤を刺激するその能力は、それに血管新生、腫瘍形成、及び組織再生における中心的な役割を与える。HGFは上皮細胞の増殖を刺激し、結合組織の付着の再生を防ぐ。HGFは、様々な疾患における疾患活動性を示す血清マーカーとして知られている。
MMPは、コラーゲン、プロテオグリカン、ラミニン、エラスチン、及びフィブロネクチン等の細胞外マトリックス成分の分解の原因となる酵素のファミリーであり、生理学的条件でも、病理学的条件でも、歯周靭帯(PDL)リモデリングにおいて中心的役割を果たす。好中球コラゲナーゼ又はPMNLコラゲナーゼ(MNL-CL)としても知られるMMP-8は、ほとんどの哺乳類の結合組織に存在するコラーゲンプロテアーゼ酵素である。
上述のタンパク質は、当技術分野において知られている。当業者は、その構造を認識し、唾液試料等の水性試料におけるそれらのタンパク質を検出する方法を認識している。以下において、上述のタンパク質バイオマーカーは、ひとまとめに「本発明のバイオマーカーパネル」と呼ばれる。本発明のバイオマーカーパネルは、一実施形態において、本発明において同定される2つのタンパク質バイオマーカー、すなわち、HGF及びMMP-8及び年齢から成る。好ましくは、本発明のバイオマーカーパネルにおけるタンパク質バイオマーカーは、2つ以下の上記のタンパク質バイオマーカーから成る。本発明のバイオマーカーパネルに加えて、タンパク質バイオマーカーを含む他のバイオマーカー、並びに、(例えば、肥満度指数、性別等の)さらなる人口統計学的データ等の他の情報も、本発明に適用されるバイオマーカー値の計算に含めることができる。これらのデータは(性別等)数値ではないという点で、当業者は、そのようなデータに数値を割り当てる(例えば、男性に対しては「0」、女性に対しては「1」、又は、いかなる他の識別数を選ぶ)ことができることになる。
興味深いさらなるタンパク質バイオマーカーには:組織メタロプロテアーゼ阻害物質1(TIMP-1);ヘモグロビン;インターロイキン1β(IL-Ιβ)、CCL-5(ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド5、RANTESとしても知られ:活性化により調節され、正常T細胞が発現及び分泌される)、アルカリホスファターゼ、エラスターゼ(MMP-12)、MMP-3、MMP-9、インターロイキン6(IL-6)、C反応性タンパク質(CRP)、コラーゲンテロペプチド、及びアルブミンが含まれる。
他のバイオマーカーが任意的に含まれる場合、バイオマーカーの総数(すなわち、本発明のバイオマーカーパネル+さらなるバイオマーカー)は、典型的には4、5、又は6である。
好ましくは、第3のバイオマーカーは、インターロイキン1β(IL-1β)、マトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP-3)、ヘモグロビン、及びインターロイキン6(IL-6)から成る群から選択される。
しかし、本発明の望ましい利点は、対象者における歯周炎の評価を、年齢を決定することに加えて、好ましくは2つ以下のタンパク質バイオマーカーを測定することによって決定することができるということである。
当該方法は、必要に応じて、少量の唾液試料、例えば液滴サイズが対象者から採取されるということのみを要求する。試料のサイズは、典型的には、1~2ml等、0.1μlから2mlに及ぶことになり、それによって、例えば0.1から100μl等のより少ない量を、体外での装置の処理に使用することができ、それによって、7.5から17ml等、20mlまで等のより大きな試料を採取することも可能である。
この試料は体外での診断装置に入れられ、この装置は、関与する少なくとも2つのタンパク質の濃度を測定し、対象者の年齢を反映する入力を受けるように構成され、且つ、診断結果を戻して、歯周炎を有している又は有していないとして対象者を分類する。
診断結果は、(少なくとも、検査した対象者の年齢と、上記の対象者の唾液試料における上述のタンパク質バイオマーカーの濃度に基づいている)試験値を閾値と比較することに基づいている。閾値は、歯周炎に関連している結合タンパク質濃度を試験値と同じ様式で反映するだけでなく、年齢も反映する。その結果、閾値は、例えば、歯周炎を有していない対象者の集団における試験バイオマーカー値(年齢及び上記のタンパク質濃度)に基づき得る。閾値は、歯周炎を有している参照患者の年齢、及び、上記の参照患者の唾液試料におけるタンパク質濃度にも基づき得る。同様に、閾値は、参照患者の群に基づき決定することができる。閾値はまた、例えば、歯周炎を有していない対象者及び歯周炎の既知の診断が下った対象者を含む対象者の群から得られた唾液の試料のセットにおけるタンパク質の濃度に、上記の対象者の年齢と共に基づき得る。
試験値が上記の対象者における歯周炎を示すかどうかを評価するように、試験値は閾値と比較される。好ましくは、閾値は、閾値以上の試験値が上記の対象者における歯周炎を示すように決定される。しかし、歯周炎を示す試験値が閾値を下回る、及び、歯周炎を示さない試験値が閾値を超えるように、(例えば、負の乗数を使用することによって)閾値を計算することも可能であるということが理解されることになる。
本発明の使用の容易さは、あり得る歯周炎の評価を望む又は必要とする対象者を、定期的に(例えば、定期的な歯科チェックの一部として又は自宅においてさえも)検査することを可能にすることになる。これによって、とりわけ、早期に、好ましくは、進行した歯周炎の段階に進むことが可能になる前に歯周炎の存在を検出することが可能であり、従って、口腔ケア処置をよりタイムリーに行って歯周炎が発生するか又は進行するのを防ぐことが可能になる。また、この方法は、歯周炎を有すると以前に診断された患者の治療後に適用して、歯周炎が治癒したかどうかをチェックすることもできる。特に、この方法は、自己診断にも適しており、それによって、試料を採取し、それを装置に入れるステップを、対象者自身により行うことができる。本発明の方法は、以前に検査されていない対象者(例えば、歯科医院の新しい患者等)の第1段階の診断に特に適しているということに留意されたい。次に、診断の結果は、歯周炎の診断、又は、「歯周炎なし」の診断になる。その後のさらなるテストでは、歯周炎と診断された対象者を、歯周炎が軽度の、中程度の、又は進行したものかどうかを評価するように、次に、さらに検査することができる。同様に、歯周炎を有していないと診断された対象者を、歯肉の健康に関して対象者が健康であるかどうか、又は、対象者が初期段階の歯肉の炎症(すなわち、歯周炎ではなく歯肉炎)を有しているかどうかを評価するように、さらに検査することができる。当技術分野において認められている様々な臨床的定義が以下において論じられる。
本発明の方法は、典型的には、1つ又は複数の検出試薬を使用することによって、本発明のバイオマーカーパネルを構成する上述の少なくとも2つのタンパク質、及び任意のさらなるバイオマーカータンパク質を検出するステップを含む。
本発明に従って検査される「唾液」は、唾吐き又はスワビングによって得ることができる無希釈の唾液、又は、流体で口をすすぐことによって得ることができる希釈した唾液であってもよい。希釈した唾液は、患者が(例えば、5ml又は10ml等の)滅菌水又は他の適した流体で数秒間、口をすすぐか又は洗い流し、さらに、容器に吐き出すことによって得られてもよい。希釈した唾液は、オーラルリンス液と呼ばれることがあり得る。
「検出するステップ」が意味するものは、バイオマーカータンパク質の濃度を測定、定量化、スコア化、又はアッセイすることである。バイオマーカータンパク質を含む生物学的化合物を評価する方法は、当技術分野において知られている。タンパク質バイオマーカーを検出する方法には、直接測定及び間接測定が含まれるということが認識されている。当業者は、特定のバイオマーカータンパク質をアッセイする適切な方法を選択することができることになる。
タンパク質バイオマーカーに関して「濃度」という用語には、その通常の意味、すなわち、体積中のタンパク質の存在量が与えられることになる。タンパク質濃度は、典型的には、体積当たりの質量で測定され、最も典型的にはmg/ml又はμg/mlであるが、pg/ml程に低いこともある。代替の尺度は、容積モル濃度(又はモル濃度)のmol/L又は「M」である。濃度は、既知の決定された又は予め決定された体積の試料におけるタンパク質の量を検出することによって決定することができる。
濃度を決定することの代替案は、試料におけるタンパク質バイオマーカーの絶対量を決定するか、又は、例えば、試料における他の全てのタンパク質の総量と比較したバイオマーカーの量等、試料におけるバイオマーカーの質量分率を決定することである。
「検出試薬」は、関心のあるタンパク質バイオマーカーに特異的に(又は選択的に)結合する、それと相互作用する、又はそれを検出する薬剤又は化合物である。そのような検出試薬には、タンパク質バイオマーカーに優先的に結合する抗体、ポリクローナル抗体、又はモノクローナル抗体が含まれ得るが、それらに限定されない。
「特異的に(又は選択的に)結合する」又は「特異的に(又は選択的に)免疫反応する」という語句は、検出試薬を言及する場合、タンパク質及び他の生物製剤の異種集団におけるタンパク質バイオマーカーの存在を決定するような結合反応を指す。従って、指定の免疫測定条件下では、特定された検出試薬(例えば、抗体等)は、バックグラウンドの少なくとも2倍特定のタンパク質に結合し、試料において存在する他のタンパク質には有意な量で実質的に結合しない。そのような条件下での特異的結合には、特定のタンパク質に対するその特異性のために選択された抗体が要求され得る。種々の免疫測定フォーマットを使用して、特定のタンパク質と特異的に免疫反応する抗体を選択することができる。例えば、固相ELISA免疫測定法(酵素結合免疫吸着測定法)が、タンパク質と特異的に免疫反応する抗体を選択するために日常的に使用されている(例えば、特異的免疫反応性を決定するために使用することができる免疫測定フォーマット及び条件の説明に対して、非特許文献2を参照されたい)。典型的には、特異的又は選択的な反応は、バックグラウンド信号又はノイズの少なくとも2倍になり、より典型的には、バックグラウンドの10から100倍を超えることになる。
「抗体」は、エピトープ(例えば、抗原等)に特異的に結合しそれを認識する、1つ又は複数の免疫グロブリン遺伝子又はその断片によって実質的にコードされるポリペプチドリガンドを指す。認識される免疫グロブリン遺伝子には、カッパー及びラムダの軽鎖定常部遺伝子、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロン、及びミューの重鎖定常部遺伝子、並びに、無数の免疫グロブリン遺伝子可変部遺伝子が含まれる。抗体は、例えば、未変化の免疫グロブリンとして、又は、様々なペプチダーゼを用いた消化によって産生される多数の十分に特徴付けられた断片として存在する。これには、例えば、Fab’及びF(ab)’2フラグメントが含まれる。「抗体」という用語は、本明細書において使用される場合、抗体全体の修飾によって産生された抗体断片、又は、組換えDNA方法論を使用してde novoで合成されたものも含み、また、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、又は単鎖抗体も含む。抗体の「Fc」部分は、免疫グロブリン重鎖のうち、1つ又は複数の重鎖定常部ドメインであるCH1、CH2、及びCH3を含むが、重鎖可変部を含まない部分を指す。抗体は、例えば、第1の抗原に特異的に結合する第1の可変部及び第2の異なる抗原に特異的に結合する第2の可変部を有する抗体等、二重特異性抗体であってもよい。少なくとも1つの二重特異性抗体の使用は、必要とされる検出試薬の数を減らすことができる。
診断方法は、その感度及び特異性において異なる。診断アッセイの「感度」は、検査で陽性反応が出た病気の個体の割合(「真陽性」のパーセント)である。このアッセイによって検出されない病気の個体は「偽陰性」である。病気ではなく、アッセイにおいて検査で陰性反応が出た対象者は、「真陰性」と呼ばれる。診断アッセイの「特異性」は、1から偽陽性率を差し引いたものであり、ここで「偽陽性」率は、検査で陽性反応が出た病気を有していない者の割合として定義される。
本発明の1つ又は複数のバイオマーカータンパク質は、任意の手段によって試料において検出することができる。バイオマーカー検出のための好ましい方法は、抗体ベースのアッセイ、タンパク質アレイアッセイ、質量分析(MS)ベースのアッセイ、及び(近)赤外分光法ベースのアッセイである。例えば、免疫測定法には、ウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA、「サンドイッチ」免疫測定法、免疫沈降法、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、及び蛍光免疫測定法等の技術を使用した競合的及び非競合的アッセイ系が含まれるが、これらに限定されない。そのようなアッセイはルーチンであり、当技術分野において良く知られている。例証的な免疫測定法は、以下に簡単に記載される(が、限定として意図されない)。
免疫沈降プロトコルは、一般的に、プロテインホスファターゼ及び/又はプロテアーゼ阻害剤(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジン酸ナトリウム等)を追加したRIPAバッファー(1%NP-40(ノニルフェノキシポリエトキシエタノール)又はTriton X-100、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、0.15M NaCl、pH7.2の0.01M リン酸ナトリウム、1%Trasylol)等の溶解バッファーにおいて細胞の集団を溶解すること、細胞可溶化物に関心のある抗体を添加すること、4℃である期間(例えば1~4時間等)インキュベートすること、細胞可溶化物にタンパク質A及び/又はタンパク質Gのセファロースビーズを添加すること、4℃で約1時間又はそれ以上インキュベートすること、溶解バッファーにおいてビーズを洗浄すること、及び、SDS/試料のバッファーにおいてビーズを再懸濁することを含む。特定の抗原を免疫沈降させる抗体の能力は、例えば、ウエスタンブロット分析によって評価することができる。当業者は、(例えば、セファロースビーズを用いて細胞可溶化物を前もってはっきりさせる等)抗原に対する抗体の結合を増やす、及び、バックグラウンドを減らすために修正することができるパラメータに関してよく知っているであろう。
ウエスタンブロット分析は、一般的に、タンパク質試料の調製、(例えば、抗原の分子量に応じて8%~20%SDS-PAGE等の)ポリアクリルアミドゲルにおけるタンパク質試料の電気泳動、ポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース、PVDF、又はナイロン等のメンブレンへのタンパク質試料の移し、(例えば、3%BSA又は無脂肪ミルクを有するPBS等の)ブロッキング溶液におけるメンブレンのブロッキング、(例えば、PBS-Tween 20等の)洗浄バッファーにおけるメンブレンの洗浄、ブロッキングバッファーにおいて希釈された一次抗体(関心のある抗体)を用いたメンブレンのブロッキング、洗浄バッファーにおけるメンブレンの洗浄、ブロッキングバッファーにおいて希釈された(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ等の)酵素基質又は(例えば32P又は125I等の)放射性分子に結合した(例えば、抗ヒト抗体等、一次抗体を認識する)二次抗体を用いたメンブレンのブロッキング、洗浄バッファーにおけるメンブレンの洗浄、及び抗原の存在の検出を含む。当業者は、検出された信号を増やす、及び、バックグラウンドノイズを減らすために修正することができるパラメータに関してよく知っているであろう。
ELISAは、典型的には、抗原(すなわち、関心のあるバイオマーカータンパク質又はその断片)の調製、抗原を用いた96ウェルマイクロタイタープレートのウェルの被覆、(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ等の)酵素基質等の検出可能な化合物に結合した関心のある抗体のウェルへの添加及びある期間のインキュベート、並びに、抗原の存在の検出を含む。ELISAにおいては、関心のある抗体を、検出可能な化合物に結合させる必要はなく;代わりに、検出可能な化合物に結合した(関心のある抗体を認識する)第2の抗体をウェルに添加することができる。さらに、抗原を用いてウェルを被覆する代わりに、抗体がウェルに被覆されてもよい。この場合、検出可能な化合物に結合した第2の抗体を、被覆されたウェルへ関心のある抗原の添加後に添加することができる。当業者は、検出されたシグナルを増やすために修正することができるパラメータだけでなく、当技術分野において知られたELISAの他のバリエーションに関してもよく知っているであろう。
多数のマーカーが使用されるため、これらのタンパク質バイオマーカーの結合濃度及び年齢に基づき閾値が決定される。この閾値は、対象者が歯周炎を有するとして分類されるかどうかを決定する。本発明は、上記のバイオマーカーの組み合わせ(タンパク質バイオマーカー及び年齢)の測定に基づき十分な精度で、歯周炎を対象者において検出することができるという洞察を反映する。
この洞察は、患者が歯周炎を有するかどうかを評価するための、対象者のバイオマーカーとしての、唾液試料におけるタンパク質であるHGF及びMMP-8、並びに、患者の年齢の使用である、本発明の別の態様を支持する。
この使用は、以前及び以降に実質的に記載される方法で実践することができる。
本発明の方法は、上記のタンパク質に対して測定された結合濃度、及び、患者の年齢を反映する試験値を決定するステップを含む。試験値は、バイオマーカー値、すなわち、決定されたタンパク質濃度及び対象者の年齢の入力、並びに、これらの値の算術演算によって得られる任意の値であり得る。これは、例えば、これらのバイオマーカー値のシンプルな加算であり得る。また、これらのバイオマーカー値の所望の重みを反映する因数を用いた各バイオマーカー値の乗算、次に、結果の合計も含み得る。また、バイオマーカー値の互いの乗算、又は、乗算、除算、減算、べき乗、及び加算の任意の組み合わせも含み得る。さらに、例えば、バイオマーカー値の対数をとること、又は、ある冪(some power)へのバイオマーカー値の上昇(raising)等も含み得る。
試験値は、歯周炎の存在に関連しているバイオマーカー値を同じ様式で反映する閾値と比較される。その結果、閾値以上の試験値は、唾液が検査された対象者における歯周炎の存在を示す。
閾値は、例えば、試験値に基づき、歯周炎の存在に関連している参照試料における、すなわち、歯周炎を有するとして診断された患者における同じタンパク質に対して決定された濃度、及び、所与の年齢に基づき同じ様式で得ることができる。その結果、同じか又はそれ以上の試験値を反映した値が、検査した対象者における歯周炎の存在を示す。類似の方法で、検査した対象者の唾液においてより低い試験値を反映した値は、患者が歯周炎を有するとして診断されていない(及び、健康な歯肉又は歯肉炎を有し得る)ということを示している。
閾値は、歯周炎を有していない(及び、健康な歯肉を有し得る又は歯肉炎を有し得る)対象者、及び、既知の歯周炎の診断が下った対象者を含む一組の試料における本バイオマーカータンパク質の濃度を測定すること、並びに、濃度を対象者の年齢と組み合わせることに基づき決定することもできる。その結果、測定された濃度の値及び年齢に対する値、すなわち、バイオマーカー値は、機械学習法をおそらく含む統計学的分析を受けることができ、所望の感度及び特異性で、歯周炎を有する患者として分類された対象者と、歯周炎を有していないとして分類された対象者とを識別するのを可能にしている。そこから、所望の閾値を得ることができる。この閾値に基づき、検査されることになる試料は、同じ濃度測定及び年齢の決定を受けることができ、濃度及び年齢の値は、次に、閾値と比較することができる試験値を決定するように、閾値が得られたのと同じ様式で処理され、従って、検査した試料が歯周炎を示す又は示さないとして分類されるのが可能になる。
興味深い実施形態では、試験値は、以下のようなスコアの形で得られる。数値(例えば、ng/mlのタンパク質濃度の値、及び、年齢に対する数)が各測定に割り当てられ、これらの値は線形又は非線形結合で使用されて、ゼロから1のスコアが計算される。上述のように閾値が一組の対象者の患者に基づき決定される事象では、0から1のスコアは、典型的には、(さらに示されるように)バイオマーカー値(結合濃度及び年齢等)を入力とするシグモイド関数を用いて計算される。
スコアが特定の閾値を超えた場合、当該方法は、対象者が歯周炎を有しているということを示す。閾値は、所望の感度及び特異性に基づき選ばれてもよい。
当技術分野において認められている臨床的定義は、以下に基づいている:
歯肉炎指数(GI)
フルマウスの歯肉炎指数が、0から4のスケールで評価されるLobene Modified Gingival Index (MGI)に基づき記録されることになり、ここで:
0=炎症の欠如
1=軽度の炎症;色のわずかな変化、任意の部分ではあるがマージン又は乳頭部歯肉ユニット全体ではない部分のテクスチャーの変化はほとんどない
2=軽度の炎症;であるが、マージン全体又は乳頭部ユニットを含む
3=中等度の炎症;グレージング、発赤、浮腫、及び/又は、マージン又は乳頭部ユニットの肥大
4=重度の炎症;顕著な発赤、浮腫、及び/又は、マージン又は乳頭部歯肉ユニットの肥大、特発性出血、うっ血、又は潰瘍
である。
プロービング深さ(PD)
プロービング深さは、手動のUNC-15歯周プローブを使用して、最も近いmmまで記録されることになる。プロービング深さとは、(ポケットの底部にあると仮定される)プローブの先端から歯肉の遊離縁までの距離のことである。
歯肉退縮(REC)
歯肉退縮は、手動のUNC-15歯周プローブを使用して、最も近いmmまで記録されることになる。歯肉退縮とは、歯肉の遊離縁からセメントエナメル境までの距離のことである。歯肉退縮は正の数として示されることになり、歯肉異常増殖は負の数として示されることになる。
臨床的アタッチメントロス(CAL)
臨床的アタッチメントロスは、各部位のプロービング深さ+退縮の和として計算されることになる。
プロービング時の出血(BOP)
プロービング後、各部位は、プロービング時の出血について評価されることになり、出血がプロービングから30秒以内に発生する場合、その部位には1というスコアが割り当てられることになり、そうでない場合は0というスコアが割り当てられることになる。
結果として生じる対象者群(患者群)の定義は以下の通りであり、それによって、軽度から中等度の歯周炎群及び進行した歯周炎群が本発明に関連している:
- 健常者群(H):全部位においてPD≦3mmである(が、最後の植立臼歯の遠位部では4mmまでのポケットが許容される)、隣接面(interproximal)アタッチメントロスを有する部位は無し、≦10%の部位において≧2.0のGI、%BOPスコア≦10%;
- 歯肉炎群(G):>30%の部位においてGI≧3.0、隣接面アタッチメントロスを有する部位は無し、PD>4mmを有する部位は無し、%BOPスコア>10%;

- 軽度から中等度の歯周炎群(MP):≧8の歯での5~7mmの隣接面PD(約2~4mmCALに等しい)、%BOPスコア>30%;
- 進行した歯周炎群(AP):≧12の歯での≧7mmの隣接面PD(約≧5mmCALに等しい)、%BOPスコア>30%。
一実施形態では、本発明の方法は、図1において概略的に表されているシステムを使用する。システムは、様々な装置の構成要素(ユニット)をその中に一体化させた単一の装置であり得る。システムは、その様々な構成要素又はこれらの構成要素の一部を別の装置として有することもできる。図1において示されている構成要素は、測定装置(A)、グラフィカルユーザインタフェース(B)、及びコンピュータ処理ユニット(C)である。
上述のように、本発明のシステムは、インタフェースへのデータ接続を含み、それによって、インタフェース自体は、システムの一部であり得るか、又は、リモートインタフェースであり得る。後者は、実際のインタフェースを提供するために、異なる装置、好ましくはスマートフォン又はタブレットコンピュータ等のハンドヘルド装置を使用する可能性を指す。そのような場合におけるデータ接続は、好ましくは、Wi-Fi又はBluetooth(登録商標)によって又は他の技術若しくは規格によって等、無線データ転送を含むことになる。
測定装置(A)は、例えば、装置(A)に挿入することができるカートリッジ(A1)上に唾液を滴下することによって等、唾液試料を受けるように構成されている。この装置は、同じ唾液試料から、少なくともタンパク質であるHGF及びMMP-8の濃度を決定することができ、且つ、対象者の年齢に関する情報を処理するように構成される既存の装置であり得る。
測定装置(A)は、例えば、装置(A)に挿入することができるカートリッジ(A1)上に唾液を滴下することによって等、唾液試料を受けることができるべきである。この装置は、同じ唾液試料から、少なくともタンパク質であるHGF及びMMP-8、及び、任意的にさらなるタンパク質の濃度を決定することができる既存の装置であってもよい。
処理ユニット(C)は、部品(A)からバイオマーカー値(タンパク質濃度及び年齢等)に対する数値を受ける。ユニット(C)には、0から1のスコア(S)を計算するのを可能にするソフトウェア(典型的には、組み込みソフトウェア)が提供される。ソフトウェアは、閾値(T)の数値をさらに含む。計算された値(S)が(T)を超える場合、ユニット(C)は、GUI(B)に「歯周炎」の指標(I)を出力し、そうでない場合は「歯周炎なし」を出力することになる。さらなる実施形態は、(S)の特定の値を使用して、指標(I)が作製される確実性を示してもよい。これは確率スコアであり得、それによって、0.5は可能な閾値であり、例えば、スコアS=0.8は、歯周炎の確率を示しているであろう。興味深い選択肢は:
スコアSに基づいて、確実性を直接示すことができ、すなわち、S=0.8は、80%の歯周炎の確実性を意味する;
- スコアSに基づいて、2進法又は3進法表示(a binary or tertiary indication)を作製することができる;
- S<T→歯周炎なし(すなわち、健康又は歯肉炎)
- S≧T→歯周炎
- S<R1→歯周炎なし、R1≦S<R2→決定的ではない
- S≧R2→歯周炎
である。
加えて、そのような2進法又は3進法表示に確実性を添付することが可能である。この確実性は、選ばれた1つ又は複数の閾値からのスコアSの距離(T,R1,R2)によって決定されることになる。
スコアの特定の計算は、例えば、以下の式:
Figure 0007245174000001
を適用するシグモイド関数によって実践することができる。
式中、Nは、使用されるタンパク質/バイオマーカーの数であり、c、c等は係数(数値)であり、さらに、B、B等はそれぞれのバイオマーカー値(タンパク質濃度及び年齢等)である。
*係数の決定は、訓練手順によって行うことができる:
- 歯周炎を有するN1対象者及び歯周炎を有していないN2対象者を選択する。
歯周炎を有していない対象者は、スコアS=0を有すると考えられ、歯周炎を有する対象者は、スコアS=1を有すると考えられる。
- 各対象者から唾液試料を採取し、先に説明されたバイオマーカーの組み合わせのタンパク質濃度を決定する。
- タンパク質濃度とスコアのロジスティック回帰を行う。
他の回帰又は機械学習方法(線形回帰、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン)を使用して、タンパク質濃度に基づき、対象者が歯周炎を有するか又は非歯周疾患の口腔保健を有するかどうかを予測する分類器を訓練することができる。
上述のシステムに関して、本発明は、さらなる態様において、対象者における歯周炎を診断するためのシステムも提供し、当該システムは:
- 患者の唾液の試料において、タンパク質であるHGF及びMMP-8、及び、先に論じた、おそらくさらなるタンパク質バイオマーカーを検出することができ且つ検出するように適応した検出手段であって;先に説明したように、そのような手段は、既知で当業者には容易に手に入れやすく;典型的には、検出手段が提供される対象者の口腔試料をその中で受けるための容器が提供される、検出手段;
- 上記のタンパク質の決定された濃度、並びに、対象者に関する他の情報、特に年齢から、対象者が歯周炎を有するか否かの指標を決定することができ且つ決定するように適応したプロセッサ;
を含む。
任意的に、当該システムは、情報を提示することができるユーザインタフェース、特にグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含み;GUIは、テキストベースのユーザインタフェース、タイプされたコマンドラベル、又はテキストナビゲーションの代わりに(そのようなインタフェースタイプはいずれも本発明において除外されない)、グラフィカルなアイコン及び二次表記等の可視指示を介して電子装置とユーザが相互作用することを可能にするタイプのユーザインタフェースであり;GUIは、一般的に知られており、典型的には、MP3プレーヤー、ポータブルメディアプレーヤー、ゲーム装置、スマートフォン、及び小規模な家庭用、オフィス用及び工業用の制御装置等、ハンドヘルドモバイル装置において使用されており;上記のインタフェースは、さらに、検査した対象者の年齢に関する情報、及び、好ましくはBMI等の他のデータも入れることができる。
本発明は、別に又は上述のシステムの一部として、患者の唾液の試料における歯周炎に対する少なくとも2つのタンパク質バイオマーカーを検出するためのキットも提供し、当該キットは、HGF及びMMP-8を検出するための1つ又は複数の検出試薬を含む。典型的には、キットは、それぞれが異なるバイオマーカーに向けられる2つの検出試薬を含み、ここで、第1の検出試薬はHGFに結合することができ、第2の検出試薬はMMP-8に結合することができる。本発明の方法に関連して上述したように、キットは、他のタンパク質に対するさらなる検出試薬を含んでもよい。好ましい実施形態では、当該キットにおいて利用可能な検出試薬は、上述のように、本発明の2-タンパク質バイオマーカーパネルを構成する2つのタンパク質の選択のための検出試薬から成る。
好ましくは、当該キットは、上記の検出試薬を含む、チップ、マイクロタイタープレート、又はビーズ若しくは樹脂等、固体の支持体を含む。一部の実施形態では、当該キットは、ProteinChip(商標)等の質量分析プローブを含む。
キットは、非結合の検出試薬又は上記のバイオマーカーに特異的な洗浄溶液及び/又は検出試薬も提供することができる(サンドイッチタイプのアッセイ)。
興味深い態様において、本発明のバイオマーカーパネルの認識は、時間の経過に伴い、対象者におけるあり得る歯周炎の状態をモニターすることにおいて適用される。従って、本発明は、第1の時点tから第2の時点tまでの時間間隔にわたる、対象者における口腔衛生の状態の変化を決定するための体外での方法も提供し、当該方法は、tにて上記の対象者から得られた唾液の少なくとも1つの試料において、及び、tにて上記の患者から得られた唾液の少なくとも1つの試料において、タンパク質であるHGF及びMMP-8の濃度を検出するステップと、濃度を比較し、それによって、両方の濃度の差が状態の変化を反映しているステップとを含む。この差は、濃度の差として審査することができ、従って、まず0から1の数字を生成することなく、又は、いかなる他の分類もなしに、直接比較が可能である。両時点にて受けた測定値は、上記のように歯周炎の評価を決定する場合に行われるのとまさに同じ方法で処理することもできるということが理解されることになる。
本発明は、患者が歯周炎を有するかどうかを診断する方法も提供し、当該方法は、患者の唾液において、タンパク質であるHGF及びMMP-8の存在を検出するステップと、上記の試料における上記のタンパク質の濃度及び対象者の年齢に基づき患者における歯周炎の存在を評価するステップとを含む。任意的に、この態様の方法は、患者における歯周炎を治療するさらなるステップを含む。この任意の治療ステップは、既知の治療剤の投与若しくは歯科処置、又は、治療剤及び歯科処置の組み合わせを含み得る。既知の治療剤には、口腔洗浄薬、チップ、ゲル、又はミクロスフェア等の抗菌剤含有薬剤の投与が含まれる。歯周炎の治療において使用するための典型的な抗菌剤はクロルヘキシジンである。他の治療剤には、抗生物質、典型的には経口投与される抗生物質、及びドキシサイクリン等の酵素抑制薬が含まれる。既知の非外科的な治療手技には、スケーリング、又は、スケーリング及びルートプレーニング(SRP)が含まれる。
本発明は、歯周炎を患う患者において、タンパク質であるHGF及びMMP-8を検出する方法をさらに提供し、当該方法は:
(a)患者から唾液試料を得るステップ;及び、
(b)唾液試料を、上記のタンパク質に結合することができる1つ又は複数の検出試薬と接触させ、各タンパク質と1つ又は複数の検出試薬との結合を検出することによって、HGF及びMMP-8が唾液試料中に存在するかどうかを検出するステップ;
を含む。患者の年齢も、典型的には決定される。
本発明は、以下の非限定的な実験情報を参照してさらに例示される。
正確な診断結果が、HGFもMMP-8も含むバイオマーカーパネルを用いて得られるということがわかった。
HGF及びMMP-8はどちらも、歯周疾患を有する検査対象者の唾液試料において検出される両方の比較的高い発現レベルと、歯周部の健康を有する検査対象者の口腔試料において検出される両方の比較的低い発現レベルで、対象者が歯周疾患を有するかどうかを決定するための有望なバイオマーカーであることが示されている。歯周炎に対するHGF及び/又はMMP-8を含むバイオマーカーパネルの感度が、図2において示されている。この図は、95%の特異性での感度を示している。
図2は、対象者の年齢、性別、及びBMI、並びに、HGF及びMMP-8のうち少なくとも1つを含むバイオマーカー又はバイオマーカーパネルが、上記の2つのタンパク質バイオマーカーのうちいずれも含まないバイオマーカー又はパネルと比較して、歯周炎に対して95%の特異性で明確に高い感度を有するということを示している。
図3は、対象者の年齢、性別、及びBMI、並びに、HGF、MMP-8、及びIL-1βのうち少なくとも1つを含むバイオマーカー又はバイオマーカーパネルが、上記のタンパク質バイオマーカーのうちいずれも含まないバイオマーカー又はパネルと比較して、歯周炎に対して95%の特異性で明確に高い感度を有するということを示している。図2及び図3の類似点は、歯周炎を診断するためのバイオマーカーとしてのHGF又はMMP-8の関連性を裏付けている。
単一のバイオマーカーとしてHGFもMMP-8も、対象者の年齢、性別、及びBMIにさらに基づき対象者における歯周炎を検出することに対する95%の特異性での高い感度を実証するということがわかった。表2を参照されたい。
表1:歯周炎に対する95%の特異性での単一バイオマーカーの感度
Figure 0007245174000002
単一のバイオマーカーであるHGF及びMMP-8に対するそのような結果にもかかわらず、1つのバイオマーカーでは特定の疾患の原因を特定するための十分に信頼できるソースではない可能性があるため、少なくとも2つのバイオマーカー、及び、好ましくは3つ以上のバイオマーカーを含むバイオマーカーパネルが、歯周疾患を正確に診断するのにより適している。例えば、単一のバイオマーカーが、複数の異なる疾患に対して非常に特異的且つ感度が高い可能性があり、従って、上記の複数の疾患のうち特定の疾患を有する対象者の予測の精度が低くなる可能性がある。バイオマーカーの組み合わせの使用によって、相加的で強力な診断情報が提供される。
本発明による方法では、従って、少なくともHGF及びMMP-8の発現が、対象者の唾液試料において決定される。表3において示されているように、図2及び3において示されている検査した全パネルのうち最良の2-バイオマーカーパネルは、HGFとMMP-8との組み合わせである。単一のバイオマーカーに対する表2のように、表3は、対象者の年齢、性別、及びBMIにさらに基づき対象者における歯周炎を検出することに対する95%の特異性での、HGF及び示されたタンパク質を含む2-バイオマーカーパネルの感度を示している。
HGF及びMMP-8を含まない最良の残りのバイオマーカーパネルに対する0.8333という明確に低いスコアによって証明されているように、表4は、他の示されたタンパク質と比較したMMP-8の関連性をさらに示している。
表2:HGF及び示されたタンパク質から成るパネルの、歯周炎に対する95%の特異性でのバイオマーカーパネルの感度
Figure 0007245174000003
表3:対象者の年齢、性別、及びBMIにさらに基づくバイオマーカーパネルの、歯周炎に対する95%の特異性でのバイオマーカーパネルの感度
中央の列は、HGF及び示されたタンパク質のうち少なくとも1つを含む最良のバイオマーカーパネルに対するスコアを示している。右の列は、HGF及び示されたタンパク質を含まない最良のバイオマーカーパネルに対するスコアを示している。
Figure 0007245174000004
歯周炎を診断するための本発明による方法の好ましい実施形態において、当該方法は、MMP-8及びHGFに加えて、少なくとも第3のバイオマーカーの発現が決定され、第3のバイオマーカーは、インターロイキン1β(IL-1β)、マトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP-3)、ヘモグロビン、及びインターロイキン6(IL-6)から成るバイオマーカーの群から選択された1つ又は複数のタンパク質であるということを含む。
本発明は、図面及び上記の説明において詳細に例示及び記述されてきたけれども、そのような例示及び記述は、例示的又は例証的であり、拘束性はないと考慮されることになる。本発明は、開示された実施形態に限定されない。
例えば、異なるバイオマーカーに対する検出剤を異なる単位で提示することが可能である。又は、好都合に、本発明のキットは、全ての実施形態において使用されるタンパク質バイオマーカー、すなわち、HGF及びMMP-8に対する固定されたセットの検出剤、並びに、IL-1β等の1つ又は複数のさらなるバイオマーカーに対する検出剤を含む可変モジュールを含むことができる。
開示された実施形態に対する他の変化は、請求された発明を実行する際に、図面、明細書、及び付随の特許請求の範囲の調査から当業者により理解する及びもたらすことができる。特許請求の範囲において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞はその複数形を除外しない。本発明の特定の特徴が互いに異なる従属項において記載されているという単なる事実は、これらの特徴の組合せを役立つよう使用することができないと示しているわけではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照番号も、その範囲を限定するとして解釈されるべきではない。
要約すると、本発明者等は、本明細書によって、対象者が歯周炎を有するかどうかを評価するための体外での方法を開示している。当該方法は、上記の対象者由来の唾液の試料において、タンパク質である肝細胞増殖因子(HGF)及びマトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)の濃度を検出するステップを含む。決定された濃度、並びに、年齢、及び、性別及び/又はBMI等のおそらく他の人口統計学的マーカーを加えることに基づき、1つ又は複数の人口統計学的マーカーと組み合わせて、上記のタンパク質に対して決定された結合濃度を反映する試験値が計算される。試験値は、閾値と比較される。閾値は、歯周炎に関連している結合濃度を同じ様式で反映し、並びに、年齢、及びおそらく他の人口統計学的マーカーも反映し、上限、又は、歯周炎を有していない対象者の集団において見られる試験値の上限として見られてもよい。上限は、異常値を除外するように、95%分位又は類似の尺度であってもよい。
その結果、閾値以上の試験値が、上記の対象者における歯周炎を示している。

Claims (14)

  1. 対象者が歯周炎を有するかどうかを評価するための体外での方法であって、前記対象者の年齢を決定し、さらに、前記対象者由来の唾液の試料において、肝細胞増殖因子(HGF)及びマトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)の濃度を検出するステップと、前記対象者の年齢と組み合わせて、前記濃度を算術的に処理することによって得られた結合濃度を反映する試験値を決定するステップと、前記試験値が、前記対象者における歯周炎を示しているかどうかを評価するように、前記試験値を、歯周炎に関連している結合濃度を同じ様式で反映し、年齢も反映する閾値と比較するステップとを含む方法。
  2. (a)前記閾値は、歯周炎を有していない対象者の集団において見られる試験値に基づいている、又は、
    (b)前記閾値は、歯周炎の存在に関連している参照試料中の前記HGF及びMMP-8に対して決定された濃度に基づいている、又は、
    (c)前記閾値は、歯周炎を有していない対象者、及び、既知の歯周炎の診断が下った対象者を含む一組の試料中の前記HGF及びMMP-8の濃度に基づいている、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記結合濃度の値は、0から1の数字に算術的に処理される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 対象者が歯周炎を有するかどうかを評価するためのバイオマーカーとしての、前記対象者の唾液試料におけるHGF及びMMP-8の濃度及び前記対象者の年齢の使用。
  5. 対象者における歯周炎を診断するためのシステムであって、
    - 前記対象者の唾液の試料において、HGF及びMMP-8を検出することができ且つ検出するように適応した検出手段と、
    - 前記HGF及びMMP-8の決定された濃度及び前記対象者の年齢から、患者が歯周炎を有するかどうかの指標を決定することができ且つ決定するように適応したプロセッサと、
    を含むシステム。
  6. 口腔液試料を受けるための容器をさらに含み、前記容器は前記検出手段を含む、請求項5に記載のシステム。
  7. - 前記対象者の年齢に関する情報を入れることができる、前記指標をユーザに提示するためのユーザインタフェースと、
    - 前記プロセッサから前記ユーザインタフェースへ前記指標を転送するための前記プロセッサと前記ユーザインタフェースとの間のデータ接続と、
    をさらに含む、請求項5又は請求項6に記載のシステム。
  8. 前記プロセッサは、インターネットベースのアプリケーションによって機能することを可能にする、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
  9. 患者の年齢と2つのタンパク質バイオマーカーとを組み合わせて使用することによって前記患者が歯周炎を有するかどうかを評価するために前記2つのタンパク質バイオマーカーを検出するためのキットであって、前記患者の唾液の試料において、前記2つのタンパク質バイオマーカーであるHGF及びMMP-8の濃度を検出するための1つ又は複数の検出試薬を含むキット。
  10. 前記1つ又は複数の検出試薬は、少なくとも2つの検出試薬である、肝細胞増殖因子(HGF)を検出するための第1の検出試薬、及び、マトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)を検出するための第2の検出試薬を含む、請求項9に記載のキット。
  11. 前記1つ又は複数の検出試薬は、固体支持体上に含まれる、請求項9又は10に記載のキット。
  12. 第1の時点tから第2の時点tまでの時間間隔にわたる、対象者における口腔衛生の状態の変化を決定するための体外での方法であって、tにて前記対象者から得られた唾液の少なくとも1つの試料において、及び、tにて前記対象者から得られた唾液の少なくとも1つの試料において、HGF及びMMP-8の濃度を検出するステップと、前記濃度を比較し、それによって、両方の濃度の差が状態の変化を反映しているステップとを含む方法。
  13. 患者における歯周炎の存在を評価するために唾液の試料におけるタンパク質及び患者の年齢を利用する方法であって、前記患者の唾液の試料において、前記タンパク質である肝細胞増殖因子(HGF)及びマトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)を検出するステップと、前記患者における歯周炎の存在を評価するために、前記試料における前記タンパク質の濃度及び前記患者の年齢を分析するステップとを含む方法。
  14. 歯周炎を患う患者において、肝細胞増殖因子(HGF)及びマトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)を検出する方法であって、
    (a)患者から唾液試料を得るステップと、
    (b)前記試料を、前記HGF及びMMP-8に結合することができる1つ又は複数の検出試薬と接触させ、前記HGF及びMMP-8の各々と前記1つ又は複数の検出試薬との結合を検出することによって、肝細胞増殖因子(HGF)及びマトリックスメタロプロテアーゼ8(MMP-8)が前記試料中に存在するかどうかを検出するステップと、
    を含む方法。
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