JP7245100B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁層を備えるリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、電力貯蔵用の大型定置用電源、電気自動車用等の電源として利用されており、近年では電池の小型化及び薄型化の研究が進展している。リチウムイオン二次電池は、金属箔の表面に電極活物質層を形成した両電極と、両電極の間に配置されるセパレータとを備えるものが一般的である。セパレータは、両電極間の短絡防止や電解液を保持する役割を果たす。リチウムイオン二次電池のエネルギー密度を高めるために、セパレータは薄いことが好ましい。
セパレータとして機能し得る絶縁層を電極活物質層上に設けた二次電池が従来技術として知られている(例えば、特許文献1参照)。この絶縁層は、多孔質構造を有し、例えば、絶縁性微粒子、バインダー及び溶媒を含む絶縁層用スラリーを、電極活物質層の上に塗布し、乾燥することで形成することができる。そして、絶縁層用スラリーが塗布される電極活物質層の表面の粗さを平滑化処理によって低減することにより、絶縁層を薄くすることができる。
国際公開2016/104782号
しかしながら、従来の絶縁層では、薄層化するにしたがって、絶縁層の空隙に起因する微小短絡が発生する可能性が高くなる。このため、従来の絶縁層では、薄層化するにしたがって、絶縁層の空隙率を低くする必要があった。しかし、絶縁層の空隙率を低くすると、二次電池の内部抵抗が高くなり、二次電池の特性が悪くなった。
そこで、本発明は、絶縁層の空隙率の低下による二次電池の内部抵抗の上昇を抑制できる絶縁層を備えたリチウムイオン二次電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、絶縁層に高分子固体電解質を含有させることによって、絶縁層の空隙率低下に起因するリチウムイオン二次電池の内部抵抗の上昇を抑制できることを見出し、以下の本発明を完成させた。本発明の要旨は、以下の[1]~[5]である。
[1]正極と、負極と、前記正極と前記負極の間に配置された絶縁層と、電解液とを備えるリチウムイオン二次電池であって、前記絶縁層は高分子固体電解質を含む層であり、前記絶縁層の厚さは3~7μmであるリチウムイオン二次電池。
[2]前記絶縁層の空隙率が20%以下である上記[1]に記載のリチウムイオン二次電池。
[3]前記高分子固体電解質がポリエーテル系電解質である上記[1]又は[2]に記載のリチウムイオン二次電池。
[4]前記ポリエーテル系電解質のマトリックスとなるポリマーが、エチレンオキシド構造を有するポリマーである上記[3]に記載のリチウムイオン二次電池。
[5]前記高分子固体電解質がリチウム塩を含む上記[1]~[4]のいずれか1つに記載のリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、絶縁層の空隙率の低減によるリチウムイオン二次電池の内部抵抗の上昇を抑制できる絶縁層を備えたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
図1は、電池特性評価用ジグの分解図である。 図2は、実施例1及び比較例1のリチウムイオン二次電池の評価結果を示すグラフである。
[リチウムイオン二次電池]
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、正極と負極の間に配置された絶縁層と、電解液とを備える。そして、絶縁層は高分子固体電解質を含む層であり、絶縁層の厚さは3~7μmである。以下、本発明のリチウムイオン二次電池を詳細に説明する。
(正極)
本発明のリチウムイオン二次電池における正極は、正極活物質層を有し、好ましくは正極集電体と、正極集電体上に積層された正極活物質層とを有する。正極活物質層は、典型的には、正極活物質と、正極用バインダーとを含む。
正極活物質としては、金属酸リチウム化合物が挙げられる。金属酸リチウム化合物としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)等が例示できる。また、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)等であってもよい。さらに、リチウム以外の金属を複数使用したものでもよく、三元系と呼ばれるNCM(ニッケルコバルトマンガン)系酸化物、NCA(ニッケルコバルトアルミニウム系)系酸化物等を使用してもよい。
正極活物質の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5~50μmであることが好ましく、1~30μmであることがより好ましい。なお、平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって求めた正極活物質の粒度分布において、体積積算が50%での粒径(D50)を意味する。また、正極活物質は、例えば、ボールミル等を用いる公知の手法で粉砕することにより、平均粒子径を所望の値に調節できる。
正極活物質層における正極活物質の含有量は、正極活物質層全量基準で、50~98.5質量%が好ましく、60~98質量%がより好ましい。
正極活物質層は、導電助剤を含有してもよい。導電助剤は、上記正極活物質よりも導電性が高い材料が使用され、具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ、棒状カーボン等の炭素材料等が挙げられる。
正極活物質層において、導電助剤が含有される場合、導電助剤の含有量は、正極活物質層全量基準で、1~30質量%であることが好ましく、2~25質量%であることがより好ましい。
正極用バインダーとしては、特に制限されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF-HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有樹脂、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びポリビニルアルコール等が挙げられる。これらバインダーは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、カルボキシメチルセルロース等は、ナトリウム塩等の塩の態様にて使用されていてもよい。
正極活物質層における正極用バインダーの含有量は、正極活物質層全量基準で、1.5~40質量%であることが好ましく、2.0~25質量%がより好ましい。
正極活物質層の厚みは、特に限定されないが、10~200μmであることが好ましく、50~150μmであることがより好ましい。
正極集電体を構成する材料としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性を有する金属が挙げられ、これらの中ではアルミニウム又は銅が好ましく、アルミニウムがより好ましい。正極集電体は、一般的に金属箔からなり、その厚さは、特に限定されないが、1~50μmが好ましい。
(負極)
本発明のリチウムイオン二次電池における負極は、負極活物質層を有し、好ましくは負極集電体と、負極集電体上に積層された負極活物質層とを有する。負極活物質層は、典型的には、負極活物質と、負極用バインダーとを含む。
負極活物質層に使用される負極活物質としては、グラファイト、ハードカーボン等の炭素材料、スズ化合物とシリコンと炭素の複合体、Si、一般式SiOx(式中、xは0.5~1.5の数)で表される化合物、Si-C系ナノ複合材料、Si-SiO-C系ナノ複合材料等のSi系材料、リチウム等が挙げられるが、これら中では炭素材料及びSi系材料が好ましく、グラファイト及び一般式SiOx(式中、xは0.5~1.5の数)で表される化合物がより好ましい。
負極活物質の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5~50μmであることが好ましく、1~30μmであることがより好ましい。なお、平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって求めた負極活物質の粒度分布において、体積積算が50%での粒径(D50)を意味する。また、負極活物質は、例えば、ボールミル等を用いる公知の手法で粉砕することにより、平均粒子径を所望の値に調節できる。
負極活物質層における負極活物質の含有量は、負極活物質層全量基準で、50~98.5質量%が好ましく、60~98質量%がより好ましい。
負極活物質層は、導電助剤を含有してもよい。導電助剤は、上記負極活物質よりも導電性が高い材料が使用され、具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ、棒状カーボン等の炭素材料等が挙げられる。
負極活物質層において、導電助剤が含有される場合、導電助剤の含有量は、負極活物質層全量基準で、1~30質量%であることが好ましく、2~25質量%であることがより好ましい。
負極用バインダーとしては、特に制限されないが、正極用バインダーとして説明したものと同様のものを用いることができる。
負極活物質層における負極用バインダーの含有量は、負極活物質層全量基準で、1.5~40質量%であることが好ましく、2.0~25質量%がより好ましい。
負極活物質層の厚みは、特に限定されないが、10~200μmであることが好ましく、50~150μmであることがより好ましい。
負極集電体となる材料は、上記正極集電体に使用される化合物と同様であるが、好ましくはアルミニウム又は銅、より好ましくは銅が使用される。負極集電体は、一般的に金属箔からなり、その厚さは、特に限定されないが、1~50μmが好ましい。
(絶縁層)
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極と正極との間に配置される絶縁層を備える。絶縁層により、正極及び負極の間の短絡が効果的に防止される。また、絶縁層は、後述する電解質を保持してもよい。絶縁層は高分子固体電解質を含む層である。
<高分子固体電解質>
高分子固体電解質は、主に高分子から構成されるイオン伝導性を示す材料である。高分子固体電解質には、例えば、ドライタイプの高分子電解質、ゲルタイプの高分子電解質等が挙げられる。ドライタイプの高分子電解質は、本質的には、高分子の骨格の運動によりイオンの伝導が起こると考えられている。一方、ゲルタイプの高分子電解質は、多量に含む電解液を介してイオンの伝導が起こる。機械的強度が高いという観点から、好ましい高分子固体電解質はドライタイプの高分子電解質である。
イオン伝導性が高く、機械的強度の高いという観点、及びこれまで分子設計について膨大な検討がなされているという観点から、好ましいドライタイプの高分子固体電解質は、ポリエーテル系電解質である。ポリエーテル系電解質のマトリックスとなるポリマーは、エチレンオキシド構造、プロピレンオキシド構造、又はその両方の構造を有することが好ましい。ポリエーテル系電解質のマトリックスとなるポリマーには、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド-プロピレン共重合体、ジメチルシロキサン-エチレンオキシド共重合体等が挙げられる。また、エチレンオキシド構造が含まれるポリエーテル側鎖を有するくし型ポリマー、エチレンオキシド以外のモノマーとエチレンオキシドとの共重合体、架橋剤を用いてポリエチレンオキシドもしくはポリエーテルオリゴマーを架橋させたもの、分岐を持たせた分岐型ポリエーテル系ポリマー、分子量が数百~数千程度のマクロモノマーを熱重合や光重合したもの等も挙げられる。これらのポリマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。イオン伝導性が高く、機械的強度が高いという観点から、ポリエーテル系電解質のマトリックスとなるポリマーは、少なくともエチレンオキシド構造を有するポリマーであることがより好ましく、ポリエチレンオキシドであることがさらに好ましい。なお、エチレンオキシド構造は、エチレンと酸素とによる基本ユニットによって構成される。
絶縁層のイオン伝導性を高くするという観点から、絶縁層における高分子固体電解質の含有量は、好ましくは80体積%以上であり、より好ましくは90体積%以上であり、さらに好ましくは95体積%以上であり、特に好ましくは98体積%以上である。なお、高分子固体電解質の含有量の上限値は100体積%である。
高分子固体電解質のイオン伝導性をより高くするという観点から、高分子固体電解質はリチウム塩を含むことが好ましい。例えば、高分子固体電解質がポリエーテル系電解質である場合、リチウム塩のカチオン(リチウムイオン)と、ポリエーテル系電解質のマトリックスとなるポリマーにおけるエーテル酸素の孤立電子対とによるイオン-双極子相互作用によって錯形成し、リチウム塩はマトリックスとなるポリマーに溶解すると考えられる。そして、溶解したリチウム塩の一部が解離した状態となり、ポリエーテル系電解質のイオン伝導性はより高くなると考えられる。
高分子固体電解質に用いるリチウム塩には、例えば、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCFSO、LiAsF、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、LiBPh(リチウムテトラフェニルボレート)、LiTFSA(リチウムビストリフルオロメチルスルホニルアミド)、LiTFSI(リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド)等が挙げられる。これらのリチウム塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中で、高分子固体電解質中のリチウム塩の解離性を高くできるという観点から、LiTFSA及びLiTFSIが好ましく、LiTFSIがより好ましい。
高分子固体電解質のイオン伝導性及び高分子固体電解質の機械的強度の観点から、高分子固体電解質のマトリックスとなるポリマー100質量部に対するリチウム塩の配合量は、好ましくは1~100質量部であり、より好ましくは5~80質量部であり、さらに好ましくは10~50質量部である。
絶縁層の厚さは3~7μmである。絶縁層の厚さが3μm未満であると、微小短絡を十分には防止できない場合がある。一方、絶縁層の厚さが7μmよりも大きいと、電極間の距離を短くすることができず、リチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度を十分に高くすることができない場合がある。このような観点から、絶縁層の厚さは、好ましくは4~7μmであり、より好ましくは4~6μmである。
絶縁層の空隙率は20%以下であることが好ましい。絶縁層の空隙率が20%以下であると、絶縁層の空隙にリチウムデントライト等が発生することを防止し、絶縁層の微小短絡の発生を十分に抑制することができる。このような観点から、絶縁層の空隙率は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下である。なお、絶縁層の空隙率の範囲の下限値は、とくに限定されないが、例えば0%である。絶縁層の空隙率は、後述の実施例の項目に記載の方法により測定することができる。なお、本発明のリチウムイオン二次電池の絶縁層は、高分子固体電解質を含むので、絶縁層の空隙率が20%以下であっても、十分な量のリチウムイオンが絶縁層を通過することができる。このため、絶縁層の空隙率の低下によるリチウムイオン二次電池の内部抵抗の上昇を抑制することができる。
絶縁層は所望により絶縁性微粒子を含んでもよい。これにより、絶縁層の機械的強度を高くすることができる。絶縁層の空隙率を小さくするという観点から、絶縁層における絶縁性微粒子の含有量は、高分子固体電解質及び絶縁性微粒子の合計100体積%に対して、好ましくは10体積%以下であり、より好ましくは7体積%以下であり、さらに好ましくは5体積%以下であり、よりさらに好ましくは1体積%以下である。絶縁層の空隙率をより確実に小さくするという観点から、絶縁層は絶縁性微粒子を含まないことが特に好ましい。
絶縁性微粒子は、絶縁性であれば特に限定されず、有機粒子、無機粒子の何れであってもよい。具体的な有機粒子としては、例えば、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋スチレン-アクリル酸共重合体、架橋アクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸リチウム)、ポリアセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の有機化合物から構成される粒子が挙げられる。無機粒子としては二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、ベーマイト、チタニア、ジルコニア、窒化ホウ素、酸化亜鉛、二酸化スズ、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、フッ化カリウム、フッ化リチウム、クレイ、ゼオライト、炭酸カルシウム等の無機化合物から構成される粒子が挙げられる。また、無機粒子は、ニオブ-タンタル複合酸化物、マグネシウム-タンタル複合酸化物等の公知の複合酸化物から構成される粒子であってもよい。
絶縁性微粒子は、上記した各材料が1種単独で使用される粒子であってもよいし、2種以上が併用される粒子であってもよい。また、絶縁性微粒子は、無機化合物と有機化合物の両方を含む微粒子であってもよい。例えば、有機化合物からなる粒子の表面に無機酸化物をコーティングした無機有機複合粒子であってもよい。
これらの中では、無機粒子が好ましく、中でもアルミナ粒子、ベーマイト粒子が好ましい。
絶縁性微粒子の平均粒子径は、通常、電極活物質の平均粒径より小さいものであり、例えば0.001~0.5μm、好ましくは0.05~0.4μm、より好ましくは0.1~0.3μmである。絶縁性微粒子の平均粒子径をこれら範囲内することで、絶縁層の機械的強度をより高くすることができる。なお、平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって求めた絶縁性微粒子の粒度分布において、体積積算が50%での粒径(D50)を意味する。また、絶縁性微粒子は、平均粒子径が上記範囲内の1種が単独で使用されてもよいし、平均粒子径の異なる2種の絶縁性微粒子が混合されて使用されてもよい。
<絶縁層の形成方法>
絶縁層は、絶縁層用組成物を使用して公知の方法で形成すればよい。例えば、高分子固体電解質のマトリックスとなるポリマーの原料モノマー、リチウム塩、溶媒、及び、光重合開始剤、硬化剤等の添加剤を混合することによって絶縁層用組成物を作製することができる。そして、絶縁層用組成物をフッ素樹脂シート等の剥離シートの上に塗布し、乾燥及び重合させ、剥離シートから剥離することによりフィルム状の絶縁層を形成することができる。また、絶縁層用組成物を電極の上に塗布し、乾燥及び重合させることによって塗膜状の絶縁層を形成してもよい。
また、高分子固体電解質のマトリックスとなるポリマー、リチウム塩及び溶媒を混合することによって絶縁層用組成物を作製してもよい。この場合、絶縁層用組成物を剥離シートの上に塗布し、乾燥させ、剥離シートから剥離することによりフィルム状の絶縁層を形成することができる。また、絶縁層用組成物を電極の上に塗布し、乾燥させることによって塗膜状の絶縁層を形成してもよい。
なお、絶縁層が絶縁性微粒子を含む場合は、絶縁層用組成物は絶縁性微粒子を含むことになる。そして、上述と同様な方法で絶縁層を形成することができる。
また、絶縁層の空隙は、例えば、気体混入法により形成することができる。例えば、絶縁層用組成物の原料を混合する際に高速で攪拌することにより空気を混入させ、空気が混入した混合物を乾燥及び重合、又は乾燥させることにより、絶縁層に空隙を形成することができる。そして、絶縁層の空隙率は、混入する空気の量を調節することにより、調整することができる。また、絶縁層の空隙率は、十分空気を混入させた後、脱泡処理を行うことによっても調整することができる。
フィルム状の絶縁層は、正極及び負極の間に単に配置されていてもよい。この場合、フィルム状の絶縁層は、正極及び負極の少なくとも一方の電極に接触していてもよく、電極と接触していなくてもよい。
フィルム状の絶縁層は、正極に接触する際、正極活物質層に接触するとよい。また、正極活物質層に従来の絶縁層が設けられている場合、フィルム状の絶縁層は従来の絶縁層に接触するとよい。一方、フィルム状の絶縁層は、負極に接触する際、負極活物質層に接触するとよい。また、負極活物質層に従来の絶縁層が設けられている場合、フィルム状の絶縁層は従来の絶縁層に接触するとよい。なお、従来の絶縁層とは、絶縁性微粒子、バインダー及び溶媒を含むが高分子固体電解質を含まない絶縁層用スラリーを、電極活物質層の上に塗布し、乾燥することで形成したものである。
また、フィルム状の絶縁層は、正極及び負極の少なくとも一方の電極に圧着されていてもよい。
また、塗膜状の絶縁層は、正極及び負極の一方の電極の表面に塗膜されてもよい。この場合、塗膜状の絶縁層は、正極の正極活物質層、又は負極の負極活物質層の表面に形成されるとよい。また、正極活物質層又は負極活物質層に従来の絶縁層が設けられている場合、塗膜状の絶縁層は、従来の絶縁層の表面に形成されてもよい。
(電解液)
本発明のリチウムイオン二次電池は、電解液を備える。電解液は特に限定されず、リチウムイオン二次電池で使用される公知の電解液を使用すればよい。
電解液としては、有機溶媒と、電解質塩を含む電解液が例示できる。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、γ-ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、テトロヒドラフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテート等の極性溶媒、又はこれら溶媒の2種類以上の混合物が挙げられる。電解質塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFCO、LiPFSO、LiN(SOCF、LiN(SOCFCF、LiN(COCF及びLiN(COCFCF、リチウムビスオキサレートボラート(LiB(C等のリチウムを含む塩が挙げられる。また、有機酸リチウム塩-三フッ化ホウ素錯体、LiBH等の錯体水素化物等の錯体が挙げられる。これらの塩又は錯体は、1種単独で使用してもよいが、2種以上の混合物であってもよい。
電解液は、負極及び正極間に存在していればよく、例えば、電解液は、上記した負極、正極、及び絶縁層が内部に収納されたバッテリーセル内に充填される。また、電解液は、例えば、負極又は正極上に塗布されて負極及び正極間に配置されてもよい。
リチウムイオン二次電池は、負極、正極がそれぞれ複数積層された多層構造であってもよい。この場合、負極及び正極は、積層方向に沿って交互に設けられればよい。また、絶縁層は各負極と各正極の間に配置されればよい。
(従来の絶縁層)
正極又は負極は、電極活物質層の表面上に従来の絶縁層を備えてもよい。これにより、正極及び負極の間の短絡をさらに有効に防止できる。
従来の絶縁層は、絶縁性微粒子と、バインダーとを含むが、高分子固体電解質を含まない。従来の絶縁層は、絶縁性微粒子がバインダーによって結着されて構成される層であり、多孔質構造を有する。
従来の絶縁層の厚さは、1~10μmが好ましい。従来の絶縁層の厚さを10μm以下とすることで、リチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度を高くすることができる。また、1μm以上とすることで、電極活物質層に対する従来の絶縁層による被覆率が上昇して、短絡抑制効果が向上する。これら体積エネルギー密度及び短絡抑制効果の観点から、従来の絶縁層の厚さは、1.5~8.5μmがより好ましく、3~7μmがさらに好ましい。なお、本発明のリチウムイオン二次電池には高分子固体電解質を含む絶縁層が設けられているので、従来の絶縁層を薄くすることができる。
従来の絶縁層は、上記のように、多孔質構造を有するが、その空隙率は、50~90%が好ましい。空隙率を90%以下とすることで、電極活物質層に対する従来の絶縁層による被覆率が上昇して、短絡抑制効果が向上する。空隙率を50%以上とすることで、リチウムイオン二次電の内部抵抗の上昇を抑制することができる。短絡抑制効果及びリチウムイオン二次電の内部抵抗の観点から、従来の絶縁層の空隙率は、60~85%がより好ましく、70~80%がさらに好ましい。
従来の絶縁層に用いる絶縁性微粒子は、上述の絶縁層に用いる絶縁性微粒子と同様のものである。したがって、従来の絶縁層に用いる絶縁性微粒子の説明を省略する。
従来の絶縁層に含有される絶縁性微粒子の含有量は、絶縁層全量基準で、好ましくは15~95質量%、より好ましくは40~90質量%、さらに好ましくは60~85質量%である。絶縁性微粒子の含有量が上記範囲内であると、従来の絶縁層は、均一な多孔質構造が形成でき、かつ適切な絶縁性が付与される。
従来の絶縁層に用いるバインダーとしては、上述の正極用バインダーと同様なものを使用できる。
従来の絶縁層に含有されるバインダーの含有量は、絶縁層全量基準で、5~50質量%が好ましく、より好ましくは10~45質量%、さらに好ましくは15~40質量%である。上記範囲内であると、従来の絶縁層には、均一な多孔質構造を形成でき、かつ適切な絶縁性を付与できる。
従来の絶縁層は、本発明の効果を損なわない範囲内において、絶縁性微粒子及びバインダー以外の他の任意成分を含んでもよい。ただし、従来の絶縁層の総質量のうち、絶縁性微粒子及びバインダーの総含有量は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
電極に従来の絶縁層を設けない方が、正極活物質層と負極活物質層との間の距離を短くすることができる。したがって、リチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度の観点から、従来の絶縁層を電極に設けない方が好ましい。
<リチウムイオン二次電池の製造方法>
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、特に限定されないが、本発明のリチウムイオン二次電池は、例えば、正極、負極及び絶縁層を準備して、以下のように製造することができる。
(正極の製造)
正極は、正極集電体の一方又は両方の表面に、正極活物質層用組成物を塗布して、乾燥させることにより得ることができる。正極活物質層用組成物は、正極活物質、正極用バインダー、有機溶媒及び水から選択される少なくとも1種の溶媒を含むスラリー状のものである。
正極活物質層は、正極活物質層用組成物を、正極集電体以外の基材上に塗布して、乾燥することにより形成してもよい。正極集電体以外の基材としては、公知の剥離シートが挙げられる。基材の上に形成した正極活物質層は、基材から剥がして正極集電体の上に転写すればよい。正極集電体又は基材の上に形成した正極活物質層は、好ましくは加圧プレスする。
(負極の製造)
負極は、上記した正極の製造と同様の方法で製造することができる。すなわち、上記正極の製造において、正極を負極と読み代えることができる。
(絶縁層の製造)
絶縁層は、上述の「絶縁層の形成方法」の項目に記載されている方法で製造することができる。
製造した正極、絶縁層及び負極を順に積層する。なお、複数の正極及び複数の負極を準備し、これらを絶縁層が正極と負極との間に配置されるように積層してもよい。積層した正極、負極及び絶縁層は、通常バッテリーセル内に収容される。バッテリーセルは、角型、円筒型、ラミネート方等のいずれでもよい。そして、バッテリーセル内に電解液を注入した後、バッテリーセルは密封される。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
得られたリチウムイオン二次電池用電極は、以下の評価方法により評価した。
(充放電の可否)
45℃の温度の環境下、最初の充電時の満充電時の電圧に対する満充電60分後の電圧低下の有無を調べた。さらに、45℃の温度の環境下、2回目の充放電の充放電効率を調べた。なお、充放電効率は放電容量を充電容量で割り算して算出した。そして、以下の基準で評価した。
充放電可能:充電ができ、かつ電圧低下が0.1V以下であり、かつ充放電効率が95%以上
充放電不可能:充電ができなかったか、又は電圧低下が0.1Vよりも大きいか、又は充放電効率が95%未満
(内部抵抗)
室温(25℃)下で、交流抵抗測定用のテスター(製品名:RM3542A、日置電機株式会社製)を用いて、リチウムイオン二次電池の1kHzにおける交流抵抗値(測定単位:Ω)を測定した。
(空隙率)
イオンミリング方式で、絶縁層の断面を露出させた。次に、露出させた絶縁層の断面を、FE-SEM(電界放出型走査型電子顕微鏡)を用いて、絶縁層全体が観察できる倍率で観察し、絶縁層の画像を得た。なお、倍率は5000~25000倍であった。次に、画像解析ソフト「Image J」を使用して、絶縁層の実部分が黒く表示され、絶縁層の空隙部分が白く表示されるように、得られた画像を2値化処理した。そして、白部分の面積の割合を測定した。この白部分の面積の割合が絶縁層の空隙率(%)となる。絶縁層の空隙率も同様の方法で測定した。
(絶縁層の厚み)
絶縁層の厚みは、上述のSEMの画像から測定した。
[実施例1]
(正極の作製)
正極活物質としてNCA系酸化物(平均粒子径10μm)を100質量部と、導電助剤としてのアセチレンブラックを4質量部と、電極用バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン4質量部と、溶媒としてのN-メチルピロリドン(NMP)とを混合し、固形分濃度60質量%に調整した正極活物質層用スラリーを得た。この正極活物質層用スラリーを、正極集電体としての厚さ15μmのアルミニウム箔に塗布し、予備乾燥後、120℃で真空乾燥した。その後、正極活物質層用スラリーを塗布した正極集電体を、400kN/mの線圧でローラにより加圧プレスし、さらに電極寸法の直径14mmの円形に打ち抜いて、正極活物質層を有する正極とした。なお、正極活物質層の厚さは50μmであった。
(負極の作製)
負極活物質としてグラファイト(平均粒子径10μm)100質量部と、電極用バインダーとしてのカルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩を1.5質量部及びスチレンブタジエンゴム(SBR)1.5質量部と、溶媒としての水とを混合し、固形分50質量%に調整した負極活物質層用スラリーを得た。この負極活物質層用スラリーを、負極集電体としての厚さ12μmの銅箔に塗布して100℃で真空乾燥した。その後、負極活物質層用スラリーを塗布した負極集電体を、500kN/mの線圧でローラにより加圧プレスし、さらに電極寸法の直径16mmの円形に打ち抜いて、負極活物質層を有する負極とした。なお、負極活物質層の厚さは50μmであった。
(電解液の調製)
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の体積比(EC:DEC)で混合した溶媒に、電解質塩としてLiPFを1モル/リットルとなるように溶解して、電解液を調製した。
(絶縁層の作製)
2.5質量部のLiTFSI(リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド)を16質量部のアセトニトリルに溶解させることによって得られた溶液に0.1質量部の光重合開始剤(商品名:Esacure KTO 46、Sartomer社製)を加えて、リチウム塩含有溶液を調製した。次に、10質量部のエチレンオキシドを上記リチウム塩含有溶液に加えて、空気を混入させながら攪拌し、高分子電解質溶液を調製した。得られた高分子電解質溶液をテフロン(登録商標)製シートに塗布し、減圧下、60℃の乾燥温度で30分間乾燥させた。乾燥した高分子電解質の上に別のテフロン(登録商標)製シートを載せ、2枚のテフロン(登録商標)製シートで高分子電解質をサンドイッチした。そして、2枚のテフロン(登録商標)製シートでサンドイッチした高分子電解質の両面に、テフロン(登録商標)製シートを通して紫外線を照射し、高分子電解質を硬化させて、高分子固体電解質フィルムを作製した。なお、この高分子固体電解質フィルムのマトリックスとなるポリマーはポリエチレンオキシドであり、リチウム塩はLiTFSIである。そして、高分子固体電解質フィルムを電極寸法の直径16mmの円形に打ち抜いて、絶縁層を作製した。なお、絶縁層の厚さ(d)は5μmであった。
また、エチレンオキシドを加えたリチウム塩含有溶液を攪拌する際の空気の混入量を変えること、及び攪拌後に脱法処理を行うことにより、絶縁層の空隙率を、0%、5%、10%、15%及び20%の5点に変えた。
(電池の製造)
図1に示す電池特性評価用ジグ100に、上記の正極、絶縁層及び負極を配置するとともに上記電解液を注入することにより特性評価用の電池を作製した。具体的には、負極ボディ106と正極ボディ107との間に、負極ボディ106側から順に、負極108、絶縁層109、電極ガイド110、正極111、電極押さえ112及びスプリング113を電池特性評価用ジグ100に配置した。そして、電池特性評価用ジグ100に上記電解液を注入して特性評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例1]
6質量部のポリフッ化ビニリデン溶液((株)クレハ製、製品名:L#1710、10質量%溶液、溶媒:NMP)に、絶縁性微粒子として94質量部のアルミナ粒子(日本軽金属株式会社製、製品名:ローソーダアルミナ、平均粒子径500nm)を、中程度の剪断力を加えながら混合して分散させてスラリーを得た。
このスラリーに所定量のNMPをさらに加え、撹拌機で30分間穏やかに撹拌し、絶縁層用スラリーを得た。
加圧プレス後及び打ち抜き前の正極の正極活物質層の表面に、この絶縁層用スラリーをグラビアコーターで塗布し、その塗膜を90℃で1分間乾燥することによって、正極活物質層の表面に従来の絶縁層を有する正極板を作製した。従来の絶縁層を有する正極板を電極寸法の直径14mmの円形に打ち抜いて、従来の絶縁層を有する正極を作製した。なお、絶縁層の厚さ(d)は5μmであった。電池の製造の際、この絶縁層を有する正極を用いた点及び絶縁層109を配置しなかった点以外は、実施例1と同様な方法で比較例1の特性評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
なお、スラリーにおけるアルミナ粒子及びポリフッ化ビニリデン溶液の配合量を変えることにより、絶縁層の空隙率を、0%、5%、10%、15%及び20%の5点に変えた。なお、空隙率が25%以上とすると、充放電不可能となり、電池の内部抵抗を測定できない。
実施例1及び比較例1のリチウムイオン二次電池の評価結果を図2に示す。
図2の結果から、充放電不可能とならずに絶縁層を薄くするために絶縁層の空隙率を低下させると、リチウムイオン二次電池の内部抵抗が非常に高くなるため、従来の絶縁層では厚さを3~7μmにすることができないことがわかった。一方、高分子固体電解質を含む絶縁層では、絶縁層の厚さを3~7μmにしても、リチウムイオン二次電池の内部抵抗がそれほど高くならないため、絶縁層の厚さを3~7μmにできることがわかった。
100 電池特性評価用ジグ
106 負極ボディ
107 正極ボディ
108 負極
109 絶縁層
110 電極ガイド
111 正極
112 電極押さえ
113 スプリング

Claims (5)

  1. 正極と、負極と、前記正極と前記負極の間に配置された絶縁層と、電解液とを備えるリチウムイオン二次電池であって、
    前記絶縁層は高分子固体電解質を含む層であり、
    前記絶縁層の厚さは3~7μmであるリチウムイオン二次電池。
  2. 前記絶縁層の空隙率が20%以下である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記高分子固体電解質がポリエーテル系電解質である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記ポリエーテル系電解質のマトリックスとなるポリマーが、エチレンオキシド構造を有するポリマーである請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記高分子固体電解質がリチウム塩を含む請求項1~4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
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