JP7245045B2 - 貼付薬用基材 - Google Patents

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Description

本発明は、不快な印象を人に与え難いなど風合いが良く、伸張性に富む貼付薬用基材に関する。本発明の貼付薬用基材は伸張性に富むため、薬効成分を含む膏体を塗布して貼付薬(パップ剤、プラスター剤、テープ製剤等)を構成するための基材や、化粧用ゲルを塗布して顔面パック剤を構成するための基材、又は化粧液を含浸して顔面パック剤を構成するための基材として好適に使用できる。
貼付し易さや貼付時の身体への追従性に優れることから、従来より貼付薬用基材には伸張性に富むことが求められている。このような伸張性に富む貼付薬用基材として、例えば、特開平03-241049号公報(特許文献1)に開示されている貼付薬用基材が知られている。
特許文献1にかかる貼付薬用基材は、表面層ウェブと裏面層ウェブが積層してなる複合シート状物であり、以下の構成を備えている。
・複合シート状物の表面層が、ウォータージェットによるウォーターニードリングを賦与することで分割された、分割繊維由来の極細繊維によって構成されていること。
・ウォータージェットによるウォーターニードリングを賦与して表面層ウェブと裏面層ウェブの繊維同士を交絡させて調製したものであること。
なお、複合シート状物の表面層が極細繊維により構成されていることによって、薬剤の裏抜けが防止された複合シート状物であること、そして、ウォータージェットによるウォーターニードリング不織布であるため、ノーバインダーで衛生的でありパップ基布などのメディカル用基布として好ましいものであることが開示されている。
特開平03-241049号公報
本願出願人は、このような従来技術にかかる構成を備えた貼付薬用基材について検討した結果、該貼付薬用基材は以下の問題を有するものであると考えた。
該貼付薬用基材の表面層は、使用時に人体に貼付する側(裏面層側)と反対側に存在する。そのため、表面層は露出した状態で使用されるため、人体や衣類に触れる可能性が高い。しかし、該貼付薬用基材の表面層には、分割繊維由来の尖った部分や鋭い端面を有した異形断面繊維が存在している。
そのため、該貼付薬用基材の表面層に人体が触れた際に、平滑さを感じられずざらついた不快な印象を人に与えることがあった。また、該貼付薬用基材の表面層に衣類が触れた際に、衣類が該貼付薬用基材にひっかかるような不快な印象を人に与える恐れがあると考えられた。以降、不快な印象を人に与えることを、風合いが悪いと称することがある。
更に、高圧のウォータージェットによるウォーターニードリングを賦与して分割繊維を分割する必要があるため、得られた皮膚貼付基布では繊維同士の交絡が過剰に行われており、伸張性に富む貼付薬用基材を提供することが困難であった。
このような問題点をふまえ、本発明では、風合いが良く伸張性に富む貼付薬用基材の提供を目的とする。
第一の発明は「(請求項1)細繊維層と捲縮繊維を含んでいる捲縮繊維層が積層してなると共に、前記細繊維層を構成する繊維の一部が前記捲縮繊維層へ入り込んでおり、一方の主面に前記細繊維層が露出しており、もう一方の主面に前記捲縮繊維層が露出している、貼付薬用基材であって、前記細繊維層を構成する繊維と前記捲縮繊維層を構成する繊維は、共に繊維長が100mm以下の特定長にカットされた繊維であって、前記細繊維層は、繊維径が0.01~0.5dtexの断面形状が円形の単繊維を含んでおり、前記細繊維層における前記捲縮繊維層側と反対側の主面上に存在する繊維の平均繊維径は前記捲縮繊維層の平均繊維径よりも小さく、前記細繊維層における前記捲縮繊維層側と反対側の主面上に存在する繊維の断面形状は円形である、貼付薬用基材。」である。
第二の発明は「(請求項2)細繊維層は、その全体に断面形状が円形の捲縮繊維を含んでいる、請求項1に記載の貼付薬用基材。」である。
本願出願人は、「細繊維層と捲縮繊維を含んでいる捲縮繊維層が積層してなると共に、前記細繊維層を構成する繊維の一部が前記捲縮繊維層へ入り込んでいる」構成を備えており、「細繊維層における捲縮繊維層側と反対側の主面上に存在する繊維の平均繊維径は捲縮繊維層の平均繊維径よりも小さい」貼付薬用基材における、細繊維層に着目し検討を続けた。
検討の結果、上述の構成を備えた貼付薬用基材において、細繊維層における捲縮繊維層側と反対側の主面上に存在する繊維の断面形状が円形であることによって、風合いの良い貼付薬用基材を実現できることを見出した。つまり、異形断面繊維を含有する該主面を備えた貼付薬用基材よりも、断面形状が円形である繊維で構成された該主面を備えた貼付薬用基材は、細繊維層における捲縮繊維層側と反対側の主面(引用文献1でいう表面層の主面)の平滑性に優れた貼付薬用基材であると考えられる。
そのため、風合いが良く伸張性に富む貼付薬用基材を提供できる。
更に検討を続けた結果、細繊維層が断面形状が円形の捲縮繊維を含有していることによって、カールの発生し難い貼付薬用基材を提供できることを見出した。
第一の発明にかかる構成を備えた貼付薬用基材では、細繊維層と捲縮繊維を含有する捲縮繊維層との伸張性が大きく異なることがある。そのため、貼付薬用基材の製造工程中や保管時あるいは使用時に、貼付薬用基材にカールが生じる恐れがあった。
しかし、細繊維層が捲縮繊維を含有していることによって、細繊維層と捲縮繊維を含有する捲縮繊維層との伸張性の差が小さいものとなる。
そのため、断面形状が円形である繊維で構成された細繊維層を備えていることで、風合いが良くより伸張性に富む貼付薬用基材であると共に、カールが発生し難い貼付薬用基材を提供できる。
本発明では、例えば以下の構成など、各種構成を適宜選択できる。
貼付薬用基材の捲縮繊維層は、主として、貼付薬用基材の形状を保つ役割ならびに貼付薬用基材に伸張性を与える役割を担う。捲縮繊維層は構成繊維として捲縮繊維を含んでいればよい。ここでいう捲縮繊維とは、例えば、クリンプを有する繊維や潜在捲縮性繊維の捲縮が発現してなる繊維(例えば、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型などの複合繊維など)であり、捲縮繊維層は捲縮繊維を含んでいることによって伸張性に富むものである。なお、貼付薬用基材における捲縮繊維層側は、細繊維層よりも人体に貼付する側に存在する態様として、本発明にかかる貼付薬用基材を備えた貼付薬は使用され得る。
細繊維層は、主として、貼付薬用基材に風合いの良さを与える役割を担う。細繊維層における捲縮繊維層側と反対側の主面上に存在する繊維の平均繊維径は捲縮繊維層の平均繊維径よりも小さく、そして、該繊維の断面形状は円形であるため、本発明にかかる貼付薬用基材は風合いに富む。なお、貼付薬用基材における細繊維層は、捲縮繊維層側よりも人体に対し反対側に存在すると共に露出した態様として、本発明にかかる貼付薬用基材を備えた貼付薬は使用され得る。
そして、捲縮繊維層と細繊維層が積層した構造を有しており、細繊維層を構成する繊維の一部が、捲縮繊維層へ入り込んでいる。このような構造を備えていることによって、捲縮繊維層と細繊維層間で意図しない剥離の発生が防止されていると共に、捲縮繊維層を伸張させた際に(貼付薬用基材を伸張させた際に)細繊維層もその動きに、追従できる。その結果、伸張性に富む貼付薬用基材を実現できる。
以上から、第一の本発明にかかる貼付薬用基材は、風合いが良く伸張性に富む貼付薬用基材である。
更なる態様として、細繊維層にも断面形状が円形の捲縮繊維を含んでいる貼付薬用基材であるのが好ましい。細繊維層が該捲縮繊維を含んでいることによって細繊維層の伸張性が向上し、細繊維層と捲縮繊維を含有する捲縮繊維層との伸張性の差が小さいものとなる。
以上から、第二の本発明にかかる貼付薬用基材は、風合いが良くより伸張性に富むと共に、捲縮繊維層と細繊維層の伸張性の差が小さいことで、カールが発生し難い貼付薬用基材である。
捲縮繊維、および、細繊維層を構成する繊維(以降、細繊維と称することがある)を構成するポリマーは適宜選択でき、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリエーテル系樹脂(ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知のポリマーを採用できる。
なお、これらのポリマーは、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、またポリマーがブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、またポリマーの立体構造や結晶性の有無がいかなるものでもよい。
更には、複数のポリマーを備えていても良く、複数のポリマーを混ぜ合わせた混合ポリマーを備えていてもよい。
これら例示したポリマーのうち、貼付薬の薬剤を吸着し難い点などの特徴を有していることからポリプロピレン系樹脂あるいはポリエステル系樹脂のみ(より好ましくはポリエステル系樹脂のみ)で構成された繊維を構成繊維として備えた捲縮繊維層および細繊維層を備えた貼付薬用基材であるのが好ましく、構成繊維が該繊維のみである捲縮繊維層および細繊維層を備えた貼付薬用基材であるのがより好ましい。
捲縮繊維および細繊維の繊維長は適宜選択でき、短繊維(特定長にカットされた繊維など)や長繊維(直接紡糸法を用いて調製された特定長にカットされていない繊維など)であることができるが、捲縮繊維層および/または細繊維層による伸張性が好適に発揮され易いように、また、細繊維の一部が捲縮繊維層へ入り込んだ態様となり易いように、短繊維の捲縮繊維および/または細繊維を採用するのが好ましい。
特に、細繊維層と捲縮繊維を含有する捲縮繊維層との伸張性の差が小さいものとなるように、細繊維層と捲縮繊維層を構成する繊維は共に同様の繊維長を有するのが好ましい。具体的には、細繊維層と捲縮繊維層が共に短繊維で構成されているのが好ましい。
ここでいう短繊維とは繊維長が100mm以下の繊維を指す。また、ここでいう長繊維とは繊維長が100mmよりも長い繊維を指し、繊維長が100mmよりも長く繊維長を特定するのが困難な繊維(連続繊維)も長繊維とみなす。なお、「繊維長」は、JIS L1015(2010)、8.4.1c 直接法(C法)に則って測定された繊維長をいう。
捲縮繊維層および細繊維層は、繊維ウェブや不織布あるいは織物や編物などの繊維シートであることができる。各繊維層を構成する繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
前記布帛が織物や編物である場合、上述のようにして調製した繊維を、織るあるいは編むことで調製できる。
前記布帛が不織布である場合、不織布を製造可能な繊維ウェブの調製方法として、例えば、乾式法、湿式法などを用いることができる。そして、繊維ウエブを構成する繊維同士を絡合および/または一体化して不織布にする方法として、例えば、ニードルや水流によって絡合する方法、繊維同士をバインダで一体化する方法、あるいは、繊維ウエブが熱可塑性樹脂を含んでいる場合には、繊維ウエブを加熱処理することで前記熱可塑性樹脂を溶融して、繊維同士を一体化する方法を挙げることができる。繊維同士を一体化するバインダとして、上述したポリマーなどから選択し採用できる。繊維ウエブを加熱処理する方法として、例えば、カレンダーロールにより加熱加圧する方法、熱風乾燥機により加熱する方法、無圧下で赤外線を照射する方法などを用いることができる。
また、直接紡糸法を用いて、紡糸溶液や溶融した樹脂を細径化して直接紡糸すると共に繊維を捕集して繊維ウェブまたは不織布を調製してもよい。
特に、貼付薬の薬剤と意図しない反応が発生するのを防止できることから、構成繊維以外にバインダが存在していないのが好ましく、その観点から貼付薬用基材は、繊維同士がニードルや水流によって絡合して一体化した不織布であるのが好ましい。
なお、捲縮繊維層および細繊維層は機能性成分を含んでいてもよい。機能性成分の種類は求められる機能によって適宜選択できるため、限定されるものではないが、例えば、抗菌剤や殺菌剤、抗ウイルス剤、抗カビ剤、触媒(例えば、酸化チタンや二酸化マンガンあるいは白金担持アルミナなど)、調湿剤(例えば、シリカゲルやシリカマイクロカプセルなど)、活性炭やカーボンブラックなどの脱臭剤、顔料、芳香剤、陽イオン交換樹脂や陰イオン交換樹脂、美容成分などを挙げることができる。
そして、機能性成分は構成繊維の表面及び/又は内部に粒子状、あるいは、各繊維層の表面の一部または全部を被覆するように皮膜状で存在していることができる。
各繊維層に機能性成分を担持する方法は適宜選択できるが、例えば、機能性成分の分散液、あるいはバインダを含んだ機能性成分の分散液を、各繊維層の一方の主面あるいは両主面へ、噴霧あるいは既知のコーティング方法(例えば、グラビアロールを用いたキスコーティング法、ダイコーティング法など)を用いて担持した後、溶媒を除去する方法や、各繊維層や貼付薬用基材を上述の分散液に浸漬し引き上げた後、溶媒を除去する方法などを採用できる。
本発明において、貼付薬用基材など測定対象を以下の分析方法へ供することによって、捲縮繊維層および細繊維層を判断できる。
(1)セキスイ製ビニクロステープNo.750(75mm巾)を20cm程度切り取り、測定対象の両主面に、それぞれ貼付した。なお、貼付は測定対象のタテ方向(測定対象の生産時の流れ方向)とテープの長手方向とを平行とする。また、貼付する際には、テープを測定対象から6cm程度はみ出すように貼付した後、はみ出したテープを折り返し、テープの粘着面同士を粘着させて、掴み部分を3cm程度形成した。
(2)前記テープを貼付した測定対象をロール加圧装置(ロール圧力:1.0kgf、2.0m/min.の速度で圧着)へ供し、長手方向13cm(掴み部分3cmを含む)、幅方向5cmの試験片を得た。
(3)前記試験片を標準状態温度(温度:20℃、相対湿度:65%)にて1時間放置した後、引張り強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUTM-III-100)の各チャックに試験片の掴み部分を各々挟むことで試験片をチャック間(距離:50mm)に固定し、引張速度500m/min.にて、測定対象に層間剥離が生じ2枚の剥離片が得られるまで、引張った。
(4)電子顕微鏡を用いて、両剥離片の厚さ方向における500倍の断面写真を各々撮影した。
(5)撮影した各写真を観察、あるいは、該写真に写る繊維を分析することで、各写真に最も多くの本数が映る繊維種を特定して、一方の剥離片を主として構成する繊維(繊維Aと称する)、ならびに、もう一方の剥離片を主として構成する繊維(繊維Bと称する)を求めた。
(6)写真に写る繊維Aと繊維Bを比較し、捲縮の多い方の繊維を捲縮繊維とし、主として捲縮繊維で構成されている剥離片を捲縮繊維層(構成繊維の50%以上が捲縮繊維である繊維の層)とした。
(7)また、写真に写る繊維Aと繊維Bを比較し、繊維径の細い方の繊維(以降、繊維Bがそうであると仮定し説明する)を細繊維とし、主として細繊維で構成されている剥離片を細繊維層(構成繊維の50%以上が細繊維である繊維の層)とした。
なお、上述の分析方法へ供しても両剥離片を得ることができない測定対象である場合には、測定対象を以下の分析方法へ供することによって、捲縮繊維層を判断できる。
(1)電子顕微鏡を用いて、測定対象における一方の主面の500倍の写真、ならびに、測定対象におけるもう一方の主面の500倍の写真を撮影した。
(2)撮影した各写真を観察、あるいは、該写真に写る繊維を分析することで、各写真に最も多くの本数が映る繊維種を特定して、一方の主面を主として構成する繊維(繊維Aと称する)ならびにもう一方の主面を主として構成する繊維(繊維Bと称する)を求めた。
写真に写る繊維Aと繊維Bを比較し、捲縮の多い方の繊維を捲縮繊維(以降、繊維Aが捲縮繊維であると仮定し説明する)とした。
(3)電子顕微鏡を用いて、測定対象の厚さ方向における500倍の断面写真を撮影した。
(4)断面写真上に、厚さ方向と垂直をなす直線を複数引いた。
(5)直線と交点を有する繊維本数に占める捲縮繊維の本数の百分率を、各直線ごとに各々算出した。
(6)該百分率が50%以上となる直線のうち最も該百分率が小さい直線を求め、一方の主面(主として繊維Aで構成されている主面)から該直線までの範囲を、捲縮繊維を含んでいる捲縮繊維層(構成繊維の50%以上が捲縮繊維である繊維の層)とした。
(7)更に、測定対象を以下の分析方法へ供することによって、細繊維層を判断できる。
電子顕微鏡を用いて、測定対象における一方の主面の500倍の写真、ならびに、測定対象におけるもう一方の主面の500倍の写真を撮影した。
(8)撮影した各写真を観察、あるいは、該写真に写る繊維を分析することで、各写真に最も多くの本数が映る繊維種を特定して、一方の主面を主として構成する繊維(繊維Aと称する)ならびにもう一方の主面を主として構成する繊維(繊維Bと称する)を求めた。
(9)写真に写る繊維Aと繊維Bを比較し、繊維径の細い方の繊維(以降、繊維Bがそうであると仮定し説明する)を判断した。
(10)電子顕微鏡を用いて、測定対象の厚さ方向における500倍の断面写真を撮影した。
(11)断面写真上に、貼付薬用基材の厚さ方向と垂直をなす直線を複数引いた。
(12)直線と交点を有する繊維本数に占める繊維Bの本数の百分率を、各直線ごとに各々算出した。
(13)該百分率が50%以上となる直線のうち最も該百分率が小さい直線を求め、もう一方の主面(主として繊維Bで構成されている貼付薬用基材の主面)から該直線までの範囲を、細繊維層(構成繊維の50%以上が細繊維である繊維の層)とした。
更に、本発明では、細繊維層における捲縮繊維層側と反対側の主面上に存在する繊維の平均繊維径が捲縮繊維層の平均繊維径よりも小さく、そして、該繊維の断面形状は円形であることを特徴としている。
細繊維層における捲縮繊維層側と反対側の主面上に存在する繊維の平均繊維径は、上述した細繊維層の判断方法において、繊維径の細い方の繊維で構成されている主面を撮影した写真から求めることができる。つまり、該主面を撮影した写真からランダムに10点の繊維を選出し、選出された各繊維径の算術平均値を該平均繊維径とする。なお、繊維の断面形状が完全な円でない場合には、断面積と同じ面積の円の直径を繊維径とみなす。
同様に細繊維層の平均繊維径は、上述した細繊維層の判断方法において、細繊維層の断面写真から求めることができる。つまり、該断面写真に写る細繊維層の断面からランダムに10点の繊維を選出し、選出された各繊維径の算術平均値を該平均繊維径とする。また、捲縮繊維層の平均繊維径は、上述した捲縮繊維層の判断方法において、捲縮繊維層の断面写真から求めることができる。つまり、該断面写真に写る捲縮繊維層の断面からランダムに10点の繊維を選出し、選出された各繊維径の算術平均値を該平均繊維径とする。
また、細繊維層における捲縮繊維層側と反対側の主面上に存在する繊維の断面形状が円形であるか否かもまた、上述した細繊維層の判断方法において、断面写真から求めることができる。つまり、該断面写真の細繊維層における捲縮繊維層側と反対側の主面に露出して存在している繊維のうち、断面形状が写っている繊維からランダムに10点の繊維を選出し、選出された各繊維の形状を確認する。選出された各繊維の断面形状がいずれも円形である場合、細繊維層における捲縮繊維層側と反対側の主面上に存在する繊維は断面形状が円形であるとする。
そして、繊維の断面形状が円形であるとは、断面写真において繊維の断面上に、最大の大きさとなる内接円と最大の大きさとなる外接円を作図した際に、内接円の直径と外接円の直径の比が1:√2未満~1:1の範囲をなす形状であることを指す。本比の範囲は、本発明の効果が効果的に発揮できるよう範囲内で適宜調整でき、1:1.4~1:1の範囲をなす形状であるのが好ましく、1:1.3~1:1の範囲をなす形状であるのが好ましく、1:1.2~1:1の範囲をなす形状であるのが好ましく、1:1.1~1:1の範囲をなす形状であるのが好ましい。
なお、繊維の断面形状がつぶれた円形状(楕円形状や略楕円形状など)である場合には、該断面上に作図できる最も長い線分と該線分と垂直をなす最も長い線分を作図した際に、最も長い線分と該線分と垂直をなす最も長い線分の比が5:1~1:1の範囲をなす形状である場合も、本繊維の断面形状は円形であるとみなす。本比の範囲は、本発明の効果が効果的に発揮できるよう範囲内で適宜調整でき、4:1~1:1の範囲をなす形状であるのが好ましく、3:1~1:1の範囲をなす形状であるのが好ましく、2:1~1:1の範囲をなす形状であるのが好ましく、√2未満:1~1:1の範囲をなす形状であるのが好ましく、1.4:1~1:1の範囲をなす形状であるのが好ましく、1.3:1~1:1の範囲をなす形状であるのが好ましく、1.2:1~1:1の範囲をなす形状であるのが好ましく、1.1:1~1:1の範囲をなす形状であるのが好ましい。
捲縮繊維層は上述した構成を満足するものであれば、その構成繊維の種類や配合などは適宜調整できるものである。一例として、繊維径が0.6~6.6dtex(好ましくは1.1~2.2dtex)の捲縮繊維のみで構成された捲縮繊維層であることができるが、該捲縮繊維以外に他種の繊維(繊維径が異なる、繊維長が異なる、構成成分が異なるなど)が存在する捲縮繊維層であってもよい。
具体例として、繊維径が0.6~6.6dtex(好ましくは1.1~2.2dtex)の捲縮繊維と、接着繊維とで構成された捲縮繊維層であってもよい。本構成の捲縮繊維層は伸張性が低下する傾向にあるものの、強度が向上することでコシに優れ貼り易い貼付薬用基材を提供できる。また、捲縮繊維と該捲縮繊維よりも繊度の小さい繊維とで構成された捲縮繊維層であってもよい。本構成の捲縮繊維層は伸張性が低下する傾向にあるものの捲縮繊維層がきめ細かくなり、薬剤が細繊維層側にしみ出し難い付薬用基材を提供できる。
同様に、細繊維層は上述した構成を満足するものであれば、その構成繊維の種類や配合などは適宜調整できるものである。一例として、繊維径が0.01~0.5dtexの断面形状が円形の単繊維のみで構成された細繊維層であることができるが、該単繊維以外に他種の繊維(繊維径が異なる、繊維長が異なる、構成成分が異なるなど)が存在する細繊維層であってもよい。
具体例として、繊維径が0.01~0.5dtexの断面形状が円形の単繊維と、断面形状が円形の接着繊維で調製された細繊維層であってもよい。本構成の細繊維層であることによって、モモケの発生が防止された細繊維層を備える貼付薬用基材を提供できる。なお、貼付薬用基材において、接着繊維の細繊維と接着している部分以外の断面形状が円形である場合、該接着繊維の断面形状は円形であると判断する。
また、繊維径が0.01~0.5dtexの断面形状が円形の単繊維と、断面形状が円形の捲縮繊維で調製された細繊維層であってもよい。本構成の細繊維層であることによって、風合いが良くより伸張性に富むと共に、捲縮繊維層と細繊維層の伸張性の差が小さいことで、カールが発生し難い貼付薬用基材を提供でき好ましい。
なお、上述した効果がより効果的に発揮されるよう、他種の繊維が捲縮繊維層の全体や細繊維層の全体に存在しているのが好ましい。
貼付薬用基材を構成する捲縮繊維層の、目付や厚さなどの諸構成や諸物性は適宜調整できるものであるが、目付は5~100g/mであることができ、10~90g/mであることができ、15~80g/mであることができる。そして、厚さは0.05~1.5mmであることができ、0.1~1mmであることができ、0.2~0.8mmであることができる。
なお、本発明でいう「目付」とは主面における面積1mあたりの質量をいい、主面とは面積が最も広い面をいう。また、本発明でいう「厚さ」は、高精度デジタル測長機(株式会社ミツトヨ社製ライトマチック(登録商標))により計測した値であり、具体的には測定対象物の主面に対して5cmの荷重領域に100gfの荷重をかけた際の前記領域における厚さの値をいう。
同様に、貼付薬用基材を構成する細繊維層の、目付や厚さなどの諸構成や諸物性は適宜調整できるものであるが、目付は0.1~100g/mであることができ、1~80g/mであることができ、5~60g/mであることができる。そして、厚さは0.01~1.5mmであることができ、0.05~1mmであることができ、0.1~0.8mmであることができる。
本発明では、細繊維層を構成する繊維の一部が捲縮繊維層へ入り込んでいる。本構成を満足するか否かは、上述した捲縮繊維層および細繊維層の判断方法において、断面写真から求めることができる。つまり、該断面写真に写る細繊維層から捲縮繊維層にわたり、細繊維層における一方の主面(細繊維層における捲縮繊維層側と反対側の主面)を構成する繊維が存在している場合、細繊維層を構成する繊維の一部が捲縮繊維層へ入り込んでいるとする。
貼付薬用基材の、目付や厚さなどの諸構成や諸物性は適宜調整できるものであるが、目付は10~200g/mであることができ、20~180g/mであることができ、30~160g/mであることができる。そして、厚さは0.05~1.5mmであることができ、0.1~1mmであることができ、0.2~0.8mmであることができる。
わずかな力で伸張でき、貼付感のよい(貼り心地がよい)貼付薬用基材を提供できるよう、貼付薬用基材の20%モジュラス強度ならびに50%モジュラス強度は低い方が好ましい。20%モジュラス強度ならびに50%モジュラス強度の値は、後述する測定方法により求めることができる。20%モジュラス強度のヨコ方向(貼付薬用基材を構成する捲縮繊維層の生産方向(流れ方向)と直交する方向)の値は0N/20mmより大きい値であって、5N/20mm以下であるのが好ましく、3N/20mm以下であるのが好ましく、1N/20mm以下であるのが好ましい。また、50%モジュラス強度のヨコ方向の値は0N/20mmより大きい値であって、15N/20mm以下であるのが好ましく、5N/20mm以下であるのが好ましく、3N/20mm以下であるのが好ましい。
本発明の貼付薬用基材の調製方法について説明する。本発明の貼付薬用基材の調製方法は適宜選択できるが、例えば、以下の工程を経て調製できる。
(1)主として潜在捲縮繊維を含んだ繊維ウェブA、または、主として潜在捲縮繊維を含み構成された不織布Aを用意する工程。
(2)繊維ウェブAまたは不織布A上に、主として断面形状が円形の細繊維を含んだ繊維ウェブBを積層してなる、積層体を調製する工程。
(3)積層体における繊維ウェブB側から、ニードルや水流などの絡合手段を作用させる工程。
(4)絡合手段を作用させた積層体を加熱処理へ供し、潜在捲縮繊維の捲縮を発現する工程。
次いで、各工程について、具体的に説明する。
まず(1)の工程において、主として潜在捲縮繊維を含んだ繊維ウェブの調製方法は適宜選択できる。具体例として、乾式法や湿式法あるいは直接紡糸法で得たクロスレイウェブやパラレルレイウェブまたはクリスクロスレイウェブあるいはランダムウェブであることができる。また、このようにして調製した繊維ウェブAを構成する繊維同士を絡合および/または一体化してなる不織布Aを調製し、不織布Aを以降の工程へ供してもよい。
次いで(2)の工程において、繊維ウェブAまたは不織布A上に繊維ウェブBを積層する方法は適宜選択でき、別途調製した繊維ウェブBを重ねる方法や、繊維ウェブAまたは不織布A上に湿式抄造、エアレイ、直接紡糸することで繊維ウェブBを形成する方法などを挙げられる。なお、繊維ウェブBは主として断面形状が円形の細繊維を含んでいるが、他にも断面形状が円形の捲縮繊維あるいは潜在捲縮繊維や接着繊維が含まれていてもよい。
そして、(2)の工程により調製された積層体は(3)の工程において、細繊維を含んだ繊維ウェブBを構成する繊維の一部が、繊維ウェブAまたは不織布Aへ入り込むまで、積層体における繊維ウェブB側からニードルや水流などの絡合手段を受ける。本工程を経ることによって、細繊維層を構成する繊維の一部が捲縮繊維層へ入り込んでいる構成を備えた貼付薬用基材を提供できる。なお、ニードルや水流などの絡合手段の絡合条件などは、本発明にかかる構成を備えた貼付薬用基材を実現できるよう、適宜調整する。
そして、最後に(4)の工程によって、絡合手段を作用させた積層体中に含まれている潜在捲縮繊維の捲縮を発現して捲縮繊維を調製する。加熱処理の方法は適宜選択できるが、例えば、ロールにより加熱または加熱加圧する方法、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する方法、無圧下で赤外線を照射して含まれている有機樹脂を加熱する方法などを用いることができる。また、積層体を加熱する温度は、潜在捲縮繊維の捲縮が発現する温度であると共に、積層体の構成成分(構成繊維、バインダ、機能性成分など)に意図しない変性が発生しない温度に調整するのが好ましい。なお、本工程においてバインダを溶融させる、および/または、接着繊維による繊維接着機能を発揮させることで、繊維同士の接着一体化を行ってもよい。
以上の工程を経て貼付薬用基材を調製することができる。本発明の貼付薬用基材は、更に別の多孔体、フィルム、発泡体などの部材を備えていてもよい。更に、本発明の貼付薬用基材をリライアントプレス処理などの、表面を平滑とするために加圧処理する工程へ供してもよい。また、用途や使用態様に合わせて形状を打ち抜いた後に加熱成形する工程や、貼付薬剤との親和性を向上するための親水化処理工程など、各種二次加工工程へ供してもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
サイドバイサイド型に構成されたポリエステル系樹脂の潜在捲縮繊維(繊維の断面形状:円形、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、160℃の加熱条件下では溶融せず)のみをカード機へ供し、繊維ウエブA1(目付:20g/m、クロスレイウエブ)を調製した。
次いで、繊維ウエブA1上に、ポリエステル単繊維(繊維の断面形状:円形、繊度:0.06dtex、繊維長:3mm)のみを湿式抄造して繊維ウェブB1(目付:20g/m)の層を備えた積層体を調製した。
そして、積層体における繊維ウェブB1側から3MPa、ウェブA1側から3MPaの圧力で水流絡合を施すことで、繊維ウェブB1を構成するポリエステル単繊維の一部を繊維ウェブA1へ入り込ませた。
最後に、水流絡合を施した積層体を160℃の加熱条件下へ供して積層体に含まれている潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、加熱圧縮することで厚みを調整し、貼付薬用基材(目付:56.7g/m、厚さ:0.51mm)を調製した。
なお、このようにして調製した貼付薬用基材は、本発明の構成を満足するものであった。
(実施例2)
実施例1で採用した潜在捲縮繊維のみをカード機へ供し、調製されたパラレルウエブへ実施例1と同じ条件で水流絡合を施して不織布C1(目付:40g/m)を調製した。
繊維ウェブAの代わりに、このようにして調製した不織布C1を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、貼付薬用基材(目付:81.2g/m、厚さ:0.63mm)を調製した。
なお、このようにして調製した貼付薬用基材は、本発明の構成を満足するものであった。
(実施例3)
不織布C1上に、実施例1で採用したポリエステル単繊維80質量%と、芯部がポリエチレンテレフタレートであり鞘部が低融点ポリエチレンテレフタレートである芯鞘型の接着繊維(繊維の断面形状:円形、繊度:1.1dtex、繊維長:5mm、160℃の加熱条件下で鞘部のみが溶融する)20質量%を湿式抄造して繊維ウェブB2(目付:20g/m)の層を備えた積層体を調製した。
そして、積層体へ実施例1と同じ条件で水流絡合を施して、繊維ウェブB2を構成するポリエステル単繊維の一部を繊維不織布C1へ入り込ませた。
最後に、水流絡合を施した積層体を160℃の加熱条件下へ供して接着繊維による繊維接着機能を発揮させると共に、積層体に含まれている潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、貼付薬用基材(目付:85.3g/m、厚さ:0.66mm)を調製した。
なお、このようにして調製した貼付薬用基材は、本発明の構成を満足するものであった。更に、実施例3の貼付薬用基材は、モモケの発生が防止された細繊維層を備える貼付薬用基材であった。
(実施例4)
実施例1で採用した潜在捲縮繊維のみをカード機へ供し、調製されたパラレルウエブへ実施例1と同じ条件で水流絡合を施して不織布C2(目付:25g/m)を調製した。
次いで、不織布C2上に、実施例1で採用したポリエステル単繊維50質量%と、実施例1で採用した潜在捲縮繊維50質量%を湿式抄造して繊維ウェブB3(目付:20g/m)の層を備えた積層体を調製した。
そして、積層体へ実施例1と同じ条件で水流絡合を施して、繊維ウェブB3を構成するポリエステル単繊維の一部を不織布C2へ入り込ませた。
最後に、水流絡合を施した積層体を160℃の加熱条件下へ供して積層体に含まれている潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、貼付薬用基材(目付:71.3g/m、厚さ:0.49mm)を調製した。
なお、このようにして調製した貼付薬用基材は、本発明の構成を満足するものであった。
(比較例1)
不織布C1へ更に実施例1と同じ条件で水流絡合を施した後、160℃の加熱条件下へ供し繊維ウェブに含まれている潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、貼付薬用基材(目付:82.8g/m、厚さ:0.61mm)を調製した。
なお、このようにして調製した貼付薬用基材は、細繊維層を備えていないため、本発明の構成を満足するものではなかった。
(比較例2)
実施例1で採用した潜在捲縮繊維のみをカード機へ供し、繊維ウエブA2(目付:30g/m)を調製した。
次いで、ポリエチレンテレフタレート樹脂を第一成分、ナイロンを第二成分とした、断面形状が略均等に16分割可能なオレンジ型の分割型複合繊維(分割型複合繊維の断面形状:円形(分割後に断面形状が非円形であるオレンジ型の繊維が形成される)、繊度:2.5デニール、繊維長:51mm)のみをカード機へ供し、繊維ウェブB4(目付:25g/m)を調製し、繊維ウエブA2上に重ね積層体を調製した。
そして、積層体における繊維ウェブB4側からから6MPa、繊維ウェブA2側から6MPaの圧力で水流絡合を施すことで、繊維ウェブB4を構成する分割型複合繊維を分割させると共に分割した繊維の一部を繊維ウェブA2へ入り込ませた。なお、実施例および比較例1で採用した水流絡合条件では、分割型複合繊維を十分に分割させることができないものであった。
最後に、水流絡合を施した積層体を165℃の加熱条件下へ供して積層体に含まれている潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、貼付薬用基材(目付:66.1g/m、厚さ:0.55mm)を調製した。
なお、このようにして調製した貼付薬用基材は、細繊維層における捲縮繊維層側と反対側の主面上に、断面形状が円形ではない繊維(分割型複合繊維を分割してなる繊維)が存在しているため、本発明の構成を満足するものではなかった。
上述のようにして調製した、実施例および比較例の各貼付薬用基材を以下の測定方法へ供した。そして、その結果を表1にまとめた。
なお測定における「タテ」とは、測定対象の生産方向(流れ方向ともいい、具体的には貼付薬用基材を構成する捲縮繊維層の生産方向)をいい、「ヨコ」とは「タテ」に直交する方向をいう。
(引張り強さ(単位:N/20mm)の測定方法)
測定対象から幅が20mm、長さが80mmの試料片を採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン、つかみ間隔:50mm、引張速度:100mm/分)を用い、試験片を長辺方向へ引張り、試料片が破断するまでの最大荷重を測定する。この最大荷重の測定を3枚の試料片について行い、これら最大荷重を算術平均し「引張り強さ」とする。
(伸び率(Sr、単位:%)の測定方法)
前述の引張り強さの測定を行った時の、最大荷重時の試料片の伸び(Smax、単位:mm)[=(最大荷重時の長さ、単位:mm)-(つかみ間隔=50mm)]のつかみ間隔(50mm)に対する百分率をいう。つまり、次の式から得られる値である。この測定を3回行い、前記百分率の算術平均値を「伸び率」とする。
Sr=(Smax/50)×100
なお、「伸び率」が高いほど伸張性に優れる測定対象であることを意味する。
(風合いの評価方法)
比較例1の貼付薬用基材の主面を人が触った際に感じた触感を基準(表1において「±」と記載)として、調製された実施例および比較例2の各貼付薬用基材の、細繊維層における捲縮繊維層側と反対側の主面(繊維ウェブB1~B4由来の主面)を人が触った際に感じた触感を評価した。つまり、比較例1の貼付薬用基材よりも風合いが良いと感じた貼付薬用基材には、表1において「+」を記載した。一方、比較例1の貼付薬用基材よりも風合いが悪いと感じた貼付薬用基材には、表1において「-」を記載した。
(カールの有無の評価方法)
調製された実施例および比較例の各貼付薬用基材を自然条件下(常圧の25℃雰囲気下)に静置した際に、貼付薬用基材にカールが発生しているか否かを目視で確認した。なお、表1においてカールが発生したものには「有」を、カールが発生しなかったものには「無」を記載した。
(20%モジュラス強度ならびに50%モジュラス強度(単位:N/20mm)の測定方法)
測定対象から幅が20mm、長さが80mmの試料片を採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試料片をつかみ間隔50mmで固定した後、10mm(=20%)伸長(つかみ間隔:50mm)するまでの最大荷重を測定する。この最大荷重の測定を3枚の試料片について行い、これら最大荷重を算術平均し、「20%モジュラス強度」とする。なお、測定は引張速度100mm/分の条件で行う。
また、20%モジュラス強度の測定と同様に、25mm(=50%)伸長(つかみ間隔:50mm)するまでの最大荷重を測定し、この最大荷重の測定を3枚の試料片について行い、これら最大荷重を算術平均し、「50%モジュラス強度(単位:N/20mm)」とする。
なお、「20%モジュラス強度」ならびに「50%モジュラス強度」が低いほど、わずかな力で伸張できる測定対象であることを意味する。
(20%伸長時の回復率(単位:%)の測定方法)
測定対象から幅が20mm、長さが80mmの試料片を採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試料片をつかみ間隔50mmで固定する。このつかみ間隔50mmの位置を始点とし、始点から10mmの位置、即ち20%伸長位置(L20=10mm)まで速度100mm/分で引張った後、同速度で始点まで戻す。
この引張時に試料片の引張応力が0.05Nになったときのつかみ間隔の長さから初期つかみ間隔の長さ(50mm)を引いた長さ(Lf)、及び、戻す時に試料片の引張応力が0.05Nになったときのつかみ間隔の長さから初期つかみ間隔の長さ(50mm)を引いた長さ(Lb)を測定する。この測定を3枚の試料片について行い、前記長さをそれぞれ算術平均することで、つかみ間隔の長さ(Lf)の平均値(Lf1)及びつかみ間隔の長さ(Lb)の平均値(Lb1)を求め、次の式から算出される数値を20%伸長時の回復率とする。
20%伸長時の回復率(%)=〔[(L20-Lf1)―(Lb1-Lf1)]/(L20-Lf1)〕×100
また、同一の試料片を、上述の測定へ連続して3回供する。3回目の測定において測定された、つかみ間隔の長さ(Lb)の平均値(Lb3)を用いて、次の式から算出される数値を「3回繰り返した際の20%伸長時の回復率(%)」とする。
3回繰り返した際の20%伸長時の回復率(%)=〔[(L20-Lf1)―(Lb3-Lf1)]/(L20-Lf1)〕×100
(50%伸長時の回復率(単位:%)の測定方法)
試料片を、始点から25mmの位置、即ち50%伸長位置(L50=25mm)まで引っ張ったこと以外は、(20%伸長時の回復率(単位:%)の測定方法)で説明した方法と同じく、つかみ間隔の長さ(Lf)の平均値(Lf1)及びつかみ間隔の長さ(Lb)の平均値(Lb1)を求め、次の式から算出される数値を50%伸長時の回復率とする。
50%伸長時の回復率(%)=〔[(L50-Lf1)―(Lb1-Lf1)]/(L50-Lf1)〕×100
また、(20%伸長時の回復率(単位:%)の測定方法)で説明した方法と同じく、3回目の測定において測定された、つかみ間隔の長さ(Lb)の平均値(Lb3)を用いて、次の式から算出される数値を「3回繰り返した際の50%伸長時の回復率(%)」とする。
3回繰り返した際の50%伸長時の回復率(%)=〔[(L50-Lf1)―(Lb3-Lf1)]/(L50-Lf1)〕×100
(静摩擦係数及び動摩擦係数、ならびに、動摩擦係数の偏差の測定方法)
測定対象の静摩擦係数及び動摩擦係数は、JIS K 7125:1999に基づいて、株式会社トリニティーラボ製の静動摩擦測定機 TL201Ttにて測定・算出した。1cmの面積の接触端子にJIS染色堅ろう度試験用ポリエステル標準白布をセットし、100gの荷重をかけながら、20mm/secの速さで測定対象の表面をなぞり、得られたデータをもとに静摩擦係数、動摩擦係数、動摩擦係数の偏差を算出した。
なお、本発明の効果が効果的に発揮されるよう、貼付薬用基材の細繊維層における静摩擦係数と動摩擦係数の値は適宜調整するものであるが、該効果がより効果的に発揮されるよう、静摩擦係数の値は0.554未満であるのが好ましい。同理由から、動摩擦係数の値は0.347未満であるのが好ましく、0.340以下であるのが好ましく、0.330以下であるのが好ましい。
また、動摩擦係数の偏差が小さいほど、主面の平滑性に優れて風合いに富む貼付薬用基材を提供できることから、動摩擦係数の偏差の値は0.096未満であるのが好ましく、0.090以下であるのが好ましく、0.085以下であるのが好ましい。
Figure 0007245045000001
実施例と比較例を比較した結果から、実施例の貼付薬用基材は風合いが良い貼付薬用基材であることが分かった。また、実施例と比較例2を比較した結果から、実施例の貼付薬用基材は伸張性に富む貼付薬用基材であることが分かった。
なお、実施例および比較例2と、比較例1を比較した結果から、細繊維層を備える貼付薬用基材は静摩擦係数と動摩擦係数が小さいにも関わらず、比較例2の貼付薬用基材は実施例の貼付薬用基材よりも風合いが悪いものであった。この理由として、比較例2の貼付薬用基材は細繊維層における、動摩擦係数の偏差が大きいなど主面の平滑性に劣るため、風合いの低下が招かれていると考えられる。
一方、実施例の貼付薬用基材は、細繊維層における主面の静摩擦係数と動摩擦係数が十分小さいと共に、平滑性に富む(動摩擦係数の偏差が小さい)ため、風合いが良い貼付薬用基材であると考えられた。
更に、実施例4の貼付薬用基材は、風合いが良くより伸張性に富む貼付薬用基材であると共に、カールの発生が認められない貼付薬用基材であった。
なお、実施例1と、実施例2~4および比較例2を比較した結果から、繊維ウェブ同士を積層してなる積層体へ絡合手段を作用させることで、20%モジュラス強度や50%モジュラス強度がより低いため、伸張性が高く、貼り心地のよい貼付薬用基材を提供できることが判明した。
また、本発明にかかる貼付薬用基材は静摩擦係数と動摩擦係数が十分小さく、また動摩擦係数の偏差が小さい細繊維層を備えていることから、該貼付薬用基材を用いて調製された貼付薬を人体に貼付して使用している際に、貼付薬の露出面(貼付薬用基材の細繊維層由来の露出面)が服に引っ掛かり、貼付薬が人体から剥がれるという問題も防止できると考えられる。
本発明の貼付薬用基材は伸張性に富むため、薬効成分を含む膏体を塗布して貼付薬(パップ剤、プラスター剤、テープ製剤等)を構成するための基材や、化粧用ゲルを塗布して顔面パック剤を構成するための基材、又は化粧液を含浸して顔面パック剤を構成するための基材として好適に使用できる。

Claims (2)

  1. 細繊維層と捲縮繊維を含んでいる捲縮繊維層が積層してなると共に、前記細繊維層を構成する繊維の一部が前記捲縮繊維層へ入り込んでおり、一方の主面に前記細繊維層が露出しており、もう一方の主面に前記捲縮繊維層が露出している、貼付薬用基材であって、
    前記細繊維層を構成する繊維と前記捲縮繊維層を構成する繊維は、共に繊維長が100mm以下の特定長にカットされた繊維であって、
    前記細繊維層は、繊維径が0.01~0.5dtexの断面形状が円形の単繊維を含んでおり、
    前記細繊維層における前記捲縮繊維層側と反対側の主面上に存在する繊維の平均繊維径は前記捲縮繊維層の平均繊維径よりも小さく、
    前記細繊維層における前記捲縮繊維層側と反対側の主面上に存在する繊維の断面形状は円形である、
    貼付薬用基材。
  2. 細繊維層は、その全体に断面形状が円形の捲縮繊維を含んでいる、請求項1に記載の貼付薬用基材。
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