JP7243688B2 - 制御装置 - Google Patents
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Description
本開示は車両の制御装置に関する。
内燃機関を有する車両には、内燃機関を始動させるための回転電機が設けられる。当該回転電機は、一般に「セルモータ」とも称されるものである。
回転電機により内燃機関を始動させる際においては、回転電機は、内燃機関から受ける負荷トルクに抗いながら動作することとなる。このような負荷トルクは、内燃機関のクランク角が、圧縮工程から爆発工程に切り換わる角度となるような位置の近傍において、特に大きくなる傾向がある。従って、例えば、クランク角が上記位置の直前となっている状態で、回転電機による内燃機関の始動が試みられた場合には、助走距離が不足し、上記位置を乗り越えて内燃機関を始動させることができない場合がある。
そこで、下記特許文献1に記載の制御装置では、内燃機関が停止しているときに、予め回転電機を逆転動作させることとしている。これにより、始動時における助走距離が常に確保されるので、内燃機関を安定的に始動させることが可能となる。
ところで、3相の交流電力により動作する回転電機を制御するにあたっては、第1相、第2相、及び第3相のそれぞれについての転流位置情報を推定又は取得し、これらの転流位置情報に基づいて各相の電流制御を行う必要がある。このため、回転電機には、転流位置情報を取得し外部に出力するためのセンサが内蔵されるのが一般的である。
尚、「転流位置情報」とは、回転電機の固定子に設けられた第1相、第2相、及び第3相のそれぞれのコイルと、回転子に設けられた永久磁石と、の相対的な位置関係を示す情報である。上記のセンサは、回転電機の回転角度が所定角度(例えば180度)変化するごとに、LとHとの間で交互に切り換わる信号を転流位置情報としてする。一般的には、当該センサは、第1相、第2相、及び第3相のそれぞれのコイルに対応して個別に設けられることが多い。この場合、第1相、第2相、及び第3相のそれぞれに対応した転流位置情報が個別に出力されることとなる。
回転電機の中には、転流位置情報を取得し外部に出力するためのセンサが、第1相、第2相、及び第3相それぞれのコイルに対応して個別には設けられておらず、第1相についてのみ設けられているものも存在する。本発明者らは、このような廉価な構成の回転電機を用いながら、上記特許文献1に記載されている制御と同様に、当該回転電機を逆転動作させることについて検討を進めている。
上記構成の回転電機を動作させる際には、第2相及び第3相の転流位置情報をセンサから得ることができないので、これらを、センサにより得られる第1相の転流位置情報等に基づいて推定する必要がある。しかしながら、転流位置情報を常に正確に推定することは一般に困難であり、推定のずれに起因して、回転電機の脱調が生じてしまうことがある。特に、内燃機関の始動前に回転電機を逆転動作させる際においては、現時点におけるクランク角が不明であることが多いので、回転電機の脱調が特に生じやすい。
本開示は、転流位置情報を取得するためのセンサが1相分しか設けられていない回転電機を、脱調を生じさせることなく逆転動作させることのできる制御装置、を提供することを目的とする。
本開示に係る制御装置は、車両(MV)の制御装置(10)である。制御対象である車両には、走行用の駆動力を発生させるための内燃機関(20)と、内燃機関を始動させるための回転電機(30)と、が設けられている。この制御装置は、回転電機における、第1相、第2相、及び第3相それぞれについての転流位置情報を推定する位置情報推定部(11)と、推定されたそれぞれの転流位置情報に基づいて、回転電機の動作を制御する動作制御部(12)と、回転電機の角加速度を推定する角加速度推定部(13)と、を備える。動作制御部は、内燃機関が始動される前において、予め回転電機を逆転動作させておく準備処理を行うように構成されている。位置情報推定部は、第1相についての転流位置情報を、回転電機に設けられた転流センサ(31)からの信号に基づいて推定する一方、第2相及び第3相のそれぞれについての転流位置情報を、第1相についての転流位置情報を基準として、角加速度推定部により推定された角加速度に基づいて推定するものである。角加速度推定部は、回転電機を正転動作させるときには、第1推定方法によって回転電機の角加速度を推定し、準備処理のために回転電機を逆転動作させるときには、第1推定方法よりも、回転電機の角加速度の値が小さな値として算出される第2推定方法によって、回転電機の角加速度を推定する。
このような構成の制御装置では、角加速度推定部によって推定された回転電機の角加速度に基づいて、第2相及び第3相のそれぞれについての転流位置情報が推定され、推定された転流位置情報に基づいて回転電機の動作が制御される。角加速度推定部は、回転電機を正転動作させるときには、第1推定方法によって回転電機の角加速度を推定し、準備処理のために回転電機を逆転動作させるときには、第1推定方法よりも、回転電機の角加速度の値が小さな値として算出される第2推定方法によって、回転電機の角加速度を推定する。
第2推定方法によって推定された回転電機の角加速度は、第1推定方法によって推定された角加速度よりも小さな値として推定される。このため、当該角加速度に基づいて推定された第2相及び第3相の各転流位置情報は、実際よりも遅いタイミングで切り換わるように推定されることとなる。
先に述べたように、推定された転流位置情報と、実際の転流位置情報との間においてずれが生じると、回転電機の脱調が生じる可能性が高くなる。しかしながら、本発明者らが行った実験等によれば、転流位置情報が、実際よりも遅いタイミングで切り換わるように推定された場合には、実際よりも早いタイミングで切り換わるように推定された場合に比べると、脱調は比較的生じにくいという知見が得られている。
上記のように、回転電機を逆転動作させる際に、第2推定方法によって回転電機の角加速度を推定することとすれば、転流位置情報が、実際よりも早いタイミングで切り換わるように推定されてしまうことが無い。このため、脱調を生じさせることなく、回転電機を逆転動作させることが可能となる。
本開示によれば、転流位置情報を取得するための転流センサが1相分しか設けられていない回転電機を、脱調を生じさせることなく逆転動作させることのできる制御装置、が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る制御装置10は、車両MVに搭載されるものであり、車両MVにおける各種の制御を行うための装置として構成されている。当該制御には、例えば、内燃機関20を始動するための制御や、始動後における内燃機関20の動作制御等が含まれる。
図1には、車両MV及び制御装置10の構成が模式的に示されている。同図に示されるように、車両MVは、内燃機関20と、回転電機30と、を備えている。内燃機関20は、燃料を燃焼させることにより、車両MVの走行用の駆動力を発生させるための装置である。内燃機関20は、4サイクルレシプロエンジンとして構成されている。
回転電機30は、所謂「セルモータ」であって、内燃機関20のクランクシャフト(不図示)を回転させ、これにより内燃機関20を始動させるための装置である。回転電機30は3相モータとして構成されており、U相、V相、及びW相からなる3相の交流電力の供給を受けて動作する。回転電機30の動作は、後に説明するように制御装置10により制御される。回転電機30は、転流センサ31と、駆動回路300と、を備えている。
転流センサ31は、上記のU相、V相、及びW相のうち、W相の転流位置情報を取得し、当該情報に応じた信号を出力するためのセンサとして構成されている。「転流位置情報」とは、回転電機30が有する固定子に設けられたU相、V相、及びW相のそれぞれのコイルと、回転子に設けられた永久磁石と、の相対的な位置関係を示す情報である。つまり、回転電機30が有する回転子の回転角度(つまり位相)を示す情報のことである。本実施形態では、回転電機30の回転角度が180度変化するごとに、LとHとの間で交互に切り換わる情報として、上記の転流位置情報が用いられる。回転電機30の構成によっては、上記の「180度」という角度は変更してもよい。
このような転流位置情報は、各相のそれぞれについて個別に推定されるべき情報なのであるが、転流センサ31によって検知されるのは、W相についての転流位置情報のみである。転流センサ31により転流位置情報が検知されるW相は、本実施形態における「第1相」に該当する。それ以外のV相及びU相は、本実施形態における「第2相」及び「第3相」にそれぞれ該当する。尚、図1においては、転流センサ31が、回転電機30とは離れた位置に模式的に描かれているのであるが、実際には、転流センサ31は回転電機30に内蔵されている。
駆動回路300は、回転電機30に供給されるU相、V相、及びW相の各電力を調整し、これにより回転電機30の動作を調整するための回路である。駆動回路300の動作は制御装置10により制御される。
図2に示されるように、駆動回路300は、6つのスイッチング素子311、312、321、322、331、332を有するインバータ回路として構成されている。スイッチング素子311、312は、第3相であるU相の電力を調整するための素子である。スイッチング素子311はU相の上アームとなる位置に配置されており、スイッチング素子312はU相の下アームとなる位置に配置されている。
スイッチング素子321、322は、第2相であるV相の電力を調整するための素子である。スイッチング素子321はV相の上アームとなる位置に配置されており、スイッチング素子322はV相の下アームとなる位置に配置されている。
スイッチング素子331、332は、第1相であるW相の電力を調整するための素子である。スイッチング素子331はW相の上アームとなる位置に配置されており、スイッチング素子332はW相の下アームとなる位置に配置されている。
図2において符号「350」が付されているのは、車両MVに設けられた蓄電池である。駆動回路300は、スイッチング素子311等のそれぞれを開閉動作させることにより、当該蓄電池から供給される直流電力を、3相の交流電力に変換して回転電機30に供給する。スイッチング素子311等の開閉動作は、制御装置10によって制御される。
図1を引き続き参照しながら、制御装置10の構成について説明する。制御装置10は、CPU、ROM、RAM等を有するコンピュータシステムとして構成されている。制御装置10は、その機能を表すブロック要素として、位置情報推定部11と、動作制御部12と、角加速度推定部13と、を備えている。
位置情報推定部11は、回転電機30における、W相(第1相)、V相(第2相)、及びU相(第3相)のそれぞれについての転流位置情報を推定する処理を行う部分である。先に述べたように、回転電機30には、W相の転流位置情報を検知するための転流センサ31が設けられている。このため、位置情報推定部11は、W相についての転流位置情報を、転流センサ31からの信号に基づいて推定する。一方、位置情報推定部11は、V相及びU相のそれぞれについての転流位置情報を、W相についての転流位置情報を基準として、回転電機30の角加速度に基づいて推定する。「回転電機30の角加速度」としては、後述の角加速度推定部13により推定された値が用いられる。位置情報推定部11が転流位置情報を推定する具体的な方法については、後に説明する。
動作制御部12は、位置情報推定部11によって推定された、W相、V相、及びU相のそれぞれの転流位置情報に基づいて、回転電機30の動作を制御する処理を行う部分である。動作制御部12は、駆動回路300が有するスイッチング素子311等の開閉動作を制御することにより、回転電機30の動作を制御する。
角加速度推定部13は、回転電機30の角加速度を推定する処理を行う部分である。先に述べたように、角加速度推定部13によって推定された角加速度は、位置情報推定部11による転流位置情報の推定のために用いられる。角加速度推定部13が、回転電機30の角加速度を推定する具体的な方法については、後に説明する。
尚、以上のような構成の制御装置10は、単一の装置として構成されてもよいのであるが、互いに連携して動作する複数の装置として構成されてもよい。以下に説明する機能を実現するための、制御装置10の具体的な装置構成は、特に限定されない。
制御装置10には、転流センサ31のほか、車両MVに設けられた各種のセンサからの信号が入力される。図1には、これらのセンサの一つとして、クランク角センサ21が示されている。クランク角センサ21は、車両MVのクランクシャフト(不図示)の回転角、すなわち、クランク角を検知するためのセンサである。制御装置10は、クランク角センサ21からの信号に基づいて、現時点におけるクランク角の値を取得することが可能となっている。
図3を参照しながら、回転電機30の動作中における転流位置情報の変化等について説明する。図3(A)に示されるのは、W相についての転流位置情報の変化の例である。先に述べたように、W相についての転流位置情報は、転流センサ31によって検知される。転流センサ31は、回転電機30の回転角度が180度変化する毎に、図3(A)の例のように、HとLとの間で交互に切り換わる信号を出力する。
図3(B)に示されるのは、V相についての転流位置情報の変化の例である。また、図3(C)に示されるのは、U相についての転流位置情報の変化の例である。先に述べたように、回転電機30には、これら2相の転流位置情報を検知するためのセンサが設けられていない。このため、図3(B)及び図3(C)のそれぞれに示される転流位置情報は、センサにより直接的には検知することのできないものであって、位置情報推定部11によって推定されるものである。
W相、V相、及びU相のそれぞれにおいて、転流位置情報がHとLとの間で切り換わるタイミングは、回転子の回転角度において互いに所定角度ずつずれたタイミングとなっている。上記の「所定角度」とは、転流位置情報が変化せず一定となるような範囲の角度の1/3、すなわち、本実施形態では60度である。
例えば図3の例では、W相の転流位置情報がLからHへと変化したタイミング(矢印AR1)から、回転子の回転角度が60度変化したタイミング(矢印AR2)で、U相の転流位置情報がHからLへと変化している。また、当該タイミングから、回転子の回転角度が更に60度変化したタイミング(矢印AR3)で、V相の転流位置情報がLからHへと変化している。当該タイミングから、回転子の回転角度が更に60度変化したタイミング(矢印AR4)で、W相の転流位置情報が再びHからLへと変化している。
尚、回転電機30には、回転子の回転角度を高分解能で検知するようなセンサは設けられていない。このため、位置情報推定部11は、回転子の回転角度の変化に基づいて、V相やU相の転流位置情報の変化を推定することができない。後に説明するように、位置情報推定部11は、角加速度推定部13によって推定された角加速度に基づいて、各相の転流位置情報が変化するまでに要する経過時間を算出し、当該経過時間に基づいて転流位置情報の変化タイミングを推定するように構成されている。
各相の転流位置情報が、図3(A)、図3(B)、及び図3(C)のように推定されると、これらに基づいて、動作制御部12は回転電機30の動作を制御する。
図3(D)に示されるのは、W相の上アームとなる位置に配置されたスイッチング素子331の開閉動作の一例である。この例において、スイッチング素子331は、図3(A)に示されるW相の転流位置情報がLからHへと変化したタイミングで閉状態(ON)に切り換わり、同転流位置情報がHからLへと変化したタイミングで開状態(OFF)に切り換わるように制御される。
図3(E)に示されるのは、W相の下アームとなる位置に配置されたスイッチング素子332の開閉動作の一例である。この例において、スイッチング素子332は、図3(A)に示されるW相の転流位置情報がLからHへと変化したタイミングで開状態(OFF)に切り換わり、同転流位置情報がHからLへと変化したタイミングで閉状態(ON)に切り換わるように制御される。
図3(F)に示されるのは、V相の上アームとなる位置に配置されたスイッチング素子321の開閉動作の一例である。この例において、スイッチング素子321は、図3(B)に示されるV相の転流位置情報がLからHへと変化したタイミングで閉状態(ON)に切り換わり、同転流位置情報がHからLへと変化したタイミングで開状態(OFF)に切り換わるように制御される。
図3(G)に示されるのは、V相の下アームとなる位置に配置されたスイッチング素子322の開閉動作の一例である。この例において、スイッチング素子322は、図3(B)に示されるV相の転流位置情報がLからHへと変化したタイミングで開状態(OFF)に切り換わり、同転流位置情報がHからLへと変化したタイミングで閉状態(ON)に切り換わるように制御される。
図3(H)に示されるのは、U相の上アームとなる位置に配置されたスイッチング素子311の開閉動作の一例である。この例において、スイッチング素子311は、図3(C)に示されるU相の転流位置情報がHからLへと変化したタイミングで閉状態(ON)に切り換わり、同転流位置情報がLからHへと変化したタイミングで開状態(OFF)に切り換わるように制御される。
図3(I)に示されるのは、U相の下アームとなる位置に配置されたスイッチング素子312の開閉動作の一例である。この例において、スイッチング素子312は、図3(C)に示されるU相の転流位置情報がHからLへと変化したタイミングで開状態(OFF)に切り換わり、同転流位置情報がLからHへと変化したタイミングで閉状態(ON)に切り換わるように制御される。
動作制御部12は、上記の例のように、各相の転流位置情報の変化に基づいたタイミングにおいて、スイッチング素子311等を開閉動作させ、これにより回転電機30を動作させる。また、動作制御部12は、スイッチング素子311等の開閉が切り換わるタイミングを、各相の転流位置情報が変化するタイミングからシフトさせることにより、回転電機30で生じるトルクを調整する処理も行う。このような、各相の転流位置情報の変化に基づいて回転電機30の動作を制御するための具体的な方法としては、公知となっている様々な方法を採用することができる。
続いて、角加速度推定部13が、回転電機30の角加速度を推定する方法について説明する。角加速度推定部13は、第1推定方法及び第2推定方法、からなる2種類の方法のいずれかを用いて、回転電機30の角加速度を推定する。
第1推定方法では、以下の式(1)によって角加速度α1が推定される。
α1=(TM-TL)/I・・・(1)
α1=(TM-TL)/I・・・(1)
式(1)の「TM」は、回転電機30で発生する駆動トルクの値である。このようなTMは、例えば、図3の例のようなスイッチング素子311等の開閉タイミングに基づいて算出することができる。また、回転電機30に供給される電力の電圧や電流の測定値に基づいて、上記のTMが算出されることとしてもよい。更に、動作制御部12が回転電機30の制御を行う際の駆動トルクの目標値が、上記のTMとして用いられることとしてもよい。
式(1)の「TL」は、回転電機30が内燃機関20を回転させる際において受ける負荷トルクの値である。このようなTLの値は、クランク角の各値に対応して、予め実験等によって求められている。制御装置10は、クランク角センサ21によって検知されるクランク角に応じて、現時点における負荷トルクTLの値を算出することができる。式(1)の「I」は、回転電機30によって回転する部材の慣性モーメントである。
第2推定方法では、以下の式(2)によって角加速度α2が推定される。
α2=(TM-max(TL))/I・・・(2)
α2=(TM-max(TL))/I・・・(2)
式(2)は、式(1)における「TL」を「max(TL)」に置き換えた式となっている。max(TL)は、回転電機30の動作に伴って変化するTLの最大値である。具体的には、max(TL)は、動作制御部12が、後述の準備処理のために回転電機30を逆転動作させる際において、変動する負荷トルクTLのとり得る最大値のことである。式(2)により算出されるα2は、負荷トルクが、その動作範囲における最大値となっている場合における、回転電機30の角加速度ということになる。従って、α2の値は、α1の値よりも小さな値として推定されることとなる。換言すれば、第2推定方法は、第1推定方法よりも、回転電機30の角加速度の値が小さな値として推定されるような推定方法、ということができる。
尚、max(TL)の値は、負荷トルクに影響を与え得る種々の要素を考慮した上で、予め計算又は実験により求めておくことができる。当該要素としては、例えば、内燃機関20を構成する各部材間の摩擦抵抗や、当該各部材の慣性抵抗が挙げられる。その他、内燃機関20に設けられた吸気バルブや排気バルブ(いずれも不図示)に設けられたバルブスプリングのばね力、内燃機関20に供給される潤滑油の粘度、内燃機関20に供給される冷却水をポンプで圧送する際の圧送抵抗、ラジエータに空気を繰り込むための冷却ファンを回転させる際の回転抵抗、等も、max(TL)の値を算出する際に考慮し得る要素として挙げられる。
位置情報推定部11が、転流位置情報を推定する方法について説明する。図4(A)には、先の図3(A)と同様に、W相についての転流位置情報の変化の例が示されている。図4(B)には、先の図3(B)と同様に、V相についての転流位置情報の変化の例が示されている。図4(C)には、先の図3(C)と同様に、U相についての転流位置情報の変化の例が示されている。
図4の例では、W相についての転流位置情報がLからHへと切り換わったタイミングが、時刻t1として示されている。時刻t1の後において、U相についての転流情報がHからLへと切り換わったタイミングが、時刻t2として示されている。時刻t2の後において、V相についての転流情報がLからHへと切り換わったタイミングが、時刻t3として示されている。時刻t3の後において、W相についての転流位置情報がHからLへと切り換わったタイミングが、時刻t4として示されている。
先に述べたように、W相、V相、及びU相のそれぞれにおいて、転流位置情報がLとHとの間で切り換わるタイミングは、回転電機30の回転子の回転角度において互いに60度ずつずれたタイミングとなっている。つまり、回転子の回転角度が60度変化する毎に、上記の時刻t1、t2、t3、t4のタイミングが順に訪れることとなる。
このため、仮に、回転電機30が一定の角速度で回転している場合(つまり、角加速度が0の場合)には、時刻t1から時刻t2までの期間α、時刻t2から時刻t3までの期間β、及び、時刻t3から時刻t4までの期間γは、いずれも同じ長さの期間となる。
この場合、時刻t1以前に、W相についての転流位置情報がLとなっている期間の長さをTMとすると、期間α、期間β、期間γのそれぞれの長さは、TMの1/3となるはずである。従って、転流センサ31によって、W相についての転流位置情報がLからHへと切り換わったことが検知された時刻t1から、TM/3の期間が経過したタイミングを、U相についての転流位置情報がHからLへと切り換わったタイミング(時刻t2)として推定することができる。同様に、時刻t2から更にTM/3の期間が経過したタイミングを、V相についての転流情報がLからHへと切り換わったタイミング(時刻t3)として推定することができる。
ただし、回転電機30の角加速度は、多くの場合において0とはならない。例えば、角加速度の値が正値であり、回転電機30の角速度が次第に大きくなって行く場合には、期間αはTM/3よりも短くなり、例えば(TM/3)/Kとなる。同様に、期間βは更に短くなり、例えば(TM/3)/K2となる。期間γも更に短くなり、例えば(TM/3)/K3となる。尚、以上の各値における「K」は、1.0よりも大きな値であって、回転電機30の角加速度に対応して定まる定数である。回転電機30の角加速度が大きくなる程、Kの値も大きな値となる。従って、回転電機30の角加速度が解れば、当該角加速度に基づいてKの値を設定し、当該Kを用いて期間α、β、γのそれぞれの長さを算出することが可能となる。
位置情報推定部11は、角加速度推定部13によって推定された回転電機30の角加速度に基づいて、上記のKの値を決定する。その後、位置情報推定部11は、決定されたKの値を用いて、上記の例のような期間α、β、γのそれぞれの長さを算出する。
W相についての転流位置情報、すなわち、転流センサ31からの信号により得られた時刻t1を基準とし、上記のように算出された期間α、β、γのそれぞれの長さを用いれば、時刻t2、t3のそれぞれのタイミングを推定することができる。つまり、V相についての転流位置情報が切り換わるタイミングとして時刻t3を推定し、U相についての転流位置情報が切り換わるタイミングとして時刻t2を推定することができる。位置情報推定部11は、以上のような方法により、回転電機30の角加速度に基づいて各相の転流位置情報を推定する。
内燃機関20の始動時において、動作制御部12によって実行される処理について説明する。図5には、クランク角の位相(横軸)と、内燃機関20から回転電機30が受ける負荷トルク(縦軸)と、の関係が示されている。内燃機関20の始動が行われる際には、回転電機30の駆動力により、クランク角が図5の右側に向かって変化することとなる。当該変化の方向は、内燃機関20が動作している際においてクランク角が変化する方向と同じである。当該方向にクランク角を変化させるような、回転電機30の動作のことを、以下では「正転動作」とも称する。
図5に示されるように、回転電機30が正転動作しているときにおける負荷トルクは、圧縮工程において次第に大きくなっていき、圧縮工程から爆発(燃焼)工程に切り換わるタイミングにおいて最大となる。図5では、このような負荷トルクのピークが「PK1」及び「PK2」として示されている。
尚、上記のタイミング以外にも、負荷トルクが大きくなるタイミングは存在する。図5に示される「PK3」は、吸気工程の途中において、吸気バルブが持ち上がることに起因して生じる負荷トルクのピークである。このようなピークは、PK1やPK2に比べると小さなピークではあるが、回転電機30の制御に影響を与えてしまうことがあるため、無視することはできない。
内燃機関20を始動させる際において、初期のクランク角が図5のP1であった場合には、回転電機30が正転動作を始めた直後において負荷トルクが急激に増大する。この場合、助走距離が不足するので、回転電機30は、負荷トルクのピークPK1を超えて内燃機関20を動作させることができない可能性がある。
そこで、本実施形態に係る制御装置10では、動作制御部12が、内燃機関20が始動される前において、予め回転電機30を逆転動作させておくこととしている。「逆転動作」とは、正転動作の際とは逆の方向に回転するような、回転電機30の動作のことである。このように、内燃機関20の始動前において回転電機30を逆転動作させておく処理のことを、以下では「準備処理」とも称する。
初期のクランク角が図5のP1であった場合には、動作制御部12が上記の準備処理を行うことで、クランク角は矢印AR5の方向に変化して行く。その際、負荷トルクがPK2に向かって増加して行くので、当該負荷トルクが回転電機30のトルクを超えた時点で回転電機30は停止する。例えば、回転電機30のトルクの大きさが、図5の点線DL1で示される値であった場合には、クランク角がP2となった時点で回転電機30は停止することとなる。回転電機30が停止したことは、例えばクランク角センサ21からの信号に基づいて判定することができる。
その後、動作制御部12が回転電機30を正転動作させると、回転電機30は、十分な回転速度となってからクランク角がPK1に到達するので、PK1を乗り越えるように内燃機関20を動作させることができる。つまり、予め準備処理が行われると、P2の位置から十分な助走距離が確保されることにより、負荷トルクに打ち勝って内燃機関20を安定的に始動させることが可能となる。
準備処理において、回転電機30の逆転動作が停止するクランク角P2は、予め実験等によって求めておくことのできる既知の値である。このため、回転電機30の逆転動作が停止したタイミングで、制御装置10は、現時点におけるクランク角を把握することができる。以降においては、クランク角センサ21からの信号に応じてクランク角の値を把握し続けることができるので、制御装置10は、クランク角に基づいて回転電機30の動作を安定的に制御することが可能となる。
尚、現時点におけるクランク角の把握は、上記のように回転電機30の逆転動作が停止したタイミングで行われてもよいのであるが、クランク角センサ21からの信号が、欠け歯の通過を示すものとなったタイミングで行われてもよい。いずれにしても、逆転動作が完了した以降においては、制御装置10は、クランク角に基づいて回転電機30の動作を安定的に制御することが可能となる。
換言すれば、逆転動作が完了する前であって、制御装置10が現在のクランク角を未だ把握できていない期間においては、回転電機30の動作を安定的に制御することが難しい。特に、逆転動作時においてPK3の位置を通過する際には、クランク角に基づいて予測することのできない負荷トルクの上昇に伴い、角加速度の推定値に誤差が生じ、当該誤差に起因して回転電機30の脱調が生じてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態に係る制御装置10では、逆転動作時における回転電機30の制御を、正転動作時における制御方法とは異なる方法で行うことにより、回転電機30の脱調を防止することとしている。
制御装置10により実行される制御の具体的な内容について説明する。図6に示される一連の処理は、車両MVの電源スイッチがONとされたタイミングにおいて実行されるものである。「電源スイッチ」とは、車両MVに設けられた不図示のスイッチであって、内燃機関20を始動させるよりも前の時点で、運転者の操作によって予めONとされるスイッチである。このため、図6に示される一連の処理が開始される時点では、内燃機関20は停止した状態となっている。
最初のステップS01では、準備処理が実行される。先に述べたように、準備処理では、回転電機30を逆転動作させておくことにより、後の正転動作のための助走距離が確保される。
ステップS01に続くステップS02では、スタートスイッチが操作されたか否かが判定される。「スタートスイッチ」とは、車両MVに設けられた不図示のスイッチであって、内燃機関20を始動させるために運転者により操作されるスイッチである。スタートスイッチが未だ操作されていない場合には、ステップS02の処理が再度実行される。スタートスイッチが操作されると、ステップS03に移行する。ステップS03では、内燃機関20を始動させる処理が行われる。ここでは、回転電機30を正転動作させることによって所謂クランキングを行い、これにより内燃機関20を始動させる。
図7のフローチャートは、図6のステップS03において行われる具体的な処理の流れを示すものである。最初のステップS11では、動作制御部12により、回転電機30の正転動作を開始する処理が行われる。動作制御部12は、図3を参照しながら説明したように、駆動回路300のスイッチング素子311等を開閉動作させる。回転電機30には、駆動回路300から3相の交流電力が供給されるので、これにより回転電機30が正転動作し始める。
ステップS11に続くステップS12では、角加速度推定部13により、回転電機30の角加速度が推定される。ここでは、先に説明した第1推定方法を用いることによって角加速度が推定される。
尚、図6のステップS03に移行し、図7に示される一連の処理が開始される時点においては、予め準備処理が行われている。このため、制御装置10は、クランク角センサ21からの信号に応じて、現在のクランク角の値を把握できる状態となっている。従って、式(1)を用いて角加速度α1を推定するにあたっては、負荷トルクTLを、クランク角に対応した正確な値として取得しながら、当該推定を行うことができる。つまり、ステップS12において推定される角加速度の値は、実際の角加速度の値に概ね一致する。
ステップS12に続くステップS13では、位置情報推定部11によって、W相、V相、U相のそれぞれについて転流位置情報が推定され、各相の転流タイミングが設定される。ここでいう「転流タイミング」とは、転流位置情報がLとHとの間で切り換わるタイミングのことであり、図4の例における時刻t2やt3等のことである。転流タイミングの設定は、ステップS12で推定された角加速度α1を用いて、図4の例における期間α、βのそれぞれの長さを算出することにより行われる。
ステップS13に続くステップS14では、ステップS13で設定された各相の転流タイミングに応じて、回転電機30の動作が制御される。これにより、ステップS11で開始された回転電機30の正転動作が、以降においても引き続き安定的に継続される。
予め行われた準備処理により、回転電機30では、図5のPL1に到達する前の助走距離が十分に確保されている。このため、回転電機30による内燃機関20の始動が、負荷トルクによって妨げられてしまうことはない。
ステップS14に続くステップS15では、内燃機関20の始動が完了したか否かが判定される。当該判定は、クランク角センサ21からの信号に基づいて行うことができる。内燃機関20の始動が未だ完了していないと判定された場合には、ステップS12以降の処理が再度実行され、回転電機30の正転動作が継続される。内燃機関20の始動が完了したと判定された場合には、ステップS16に移行する。ステップS16では、回転電機30の正転動作を停止させる処理が実行される。
続いて、準備処理の具体的な内容について説明する。図8のフローチャートは、図6のステップS01において行われる具体的な処理の流れを示すものである。最初のステップS21では、動作制御部12により、回転電機30の逆転動作を開始する処理が行われる。当該処理は、図7のステップS11と同様なのであるが、回転電機30の回転方向において図7のステップS11と異なっている。当該処理により回転電機30が逆転動作し始める。
ステップS11に続くステップS22では、角加速度推定部13により、回転電機30の角加速度が推定される。ここでは、先に説明した第2推定方法を用いることによって角加速度が推定される。
尚、図8に示される一連の処理が開始された時点においては、制御装置10は、現時点におけるクランク角を正確には把握していない。このため、ステップS22における角加速度の推定を、仮に、第2推定方法ではなく第1推定方法を用いて行おうとすると、式(1)の負荷トルクTLを、クランク角に対応した正確な値として取得することができない。このため、推定された角加速度と、実際の角加速度との値が大きく乖離し、誤った転流位置情報に基づいて制御が行われる結果、回転電機30の脱調が生じてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では上記のように、準備処理において回転電機30を逆転動作させる際には、第2推定方法を用いることによって角加速度を推定することとしている。第2推定方法では、式(2)を参照しながら説明したように、負荷トルクをmax(TL)とう一定値に設定した上で角加速度α2が推定される。このようなα2は、第1推定方法によるα1よりも小さな値となるので、実際の角加速度よりも小さな値として推定されることとなる。このため、α2に基づいて推定されるV相及びU相の各転流位置情報は、実際よりも遅いタイミングで切り換わるように推定されることとなる。
本発明者らは、転流位置情報が、実際よりも遅いタイミングで切り換わるように推定された場合には、実際よりも早いタイミングで切り換わるように推定された場合に比べると、脱調は比較的生じにくいという知見を得ている。角加速度α2を、上記のように実際の角加速度よりも小さな値として推定しておけば、クランク角に応じた正確な負荷トルクを把握することができない状況であっても、各転流位置情報が、実際よりも早いタイミングで切り換わるように推定されることはない。このため、本実施形態では、脱調を生じさせることなく、回転電機30を逆転動作させることができる。
ステップS22に続くステップS23では、図7のステップS13と同様に、位置情報推定部11によって、W相、V相、U相のそれぞれについて転流位置情報が推定され、各相の転流タイミングが設定される。転流タイミングの設定は、ステップS22で推定された角加速度α2を用いて、図4の例における期間α、βのそれぞれの長さを算出することにより行われる。
ステップS23に続くステップS24では、ステップS23で設定された各相の転流タイミングに応じて、回転電機30の動作が制御される。これにより、ステップS21で開始された回転電機30の逆転動作が、以降においても引き続き安定的に継続される。
ステップS24に続くステップS25では、回転電機30の動作により変化するクランク角が、停止位置に到達したか否かが判定される。図5を参照しながら説明したように、クランク角に応じて変化する負荷トルクが、回転電機30のトルクを超えた時点で、回転電機30は停止する。このように回転電機30が停止すると、ステップS25では、停止位置に到達したとの判定がなされる。
このような態様に替えて、例えば、クランク角センサ21からの信号が、欠け歯の通過を示すものとなった場合や、欠け歯が通過してから更に所定角度だけ変化した場合等に、クランク角が停止位置に到達したとの判定がなされることとしてもよい。
ステップS25において、クランク角が未だ停止位置に到達していないと判定された場合には、ステップS22以降の処理が再度実行され、回転電機30の逆転動作が継続される。クランク角が停止位置に到達したと判定された場合には、ステップS26に移行する。ステップS26では、回転電機30を逆転動作させる処理が停止される。
以上に説明したように、本実施形態に係る制御装置10では、回転電機30を正転動作させるときには、角加速度推定部13が第1推定方法によって回転電機30の角加速度を推定し、準備処理のために回転電機30を逆転動作させるときには、角加速度推定部13が第2推定方法によって回転電機30の角加速度を推定するように構成されている。これにより、内燃機関20の始動前において予め回転電機30を逆転動作させる際にも、脱調を生じさせることなく安定的に逆転動作させることが可能となる。
式(1)や式(2)に示されるように、角加速度推定部13は、回転電機30により発生する駆動トルク(TM)と、回転電機30が内燃機関20を回転させる際において受ける負荷トルク(TLやmax(TL))と、の差に基づいて、回転電機30の角加速度を推定するものとなっている。また、角加速度推定部13は、第2推定方法によって角加速度α2を推定する場合には、第1推定方法によって回転電機30の角加速度α1を推定する場合に比べて、負荷トルクの値を大きな値に設定する。つまり、式(2)においてTLから減算される負荷トルクの値を、TLよりも大きなmax(TL)に設定する。これにより、角加速度α2を、実際の角加速度よりも小さな値として推定し、安定的な回転電機30の逆転動作を実現することが可能となる。
上記のmax(TL)は、時間の経過(クランク角の変化といってもよい)に伴って変化しない一定値である。式(2)によって角加速度α2を推定する際には、max(TL)を、これとは異なる別の一定値に置き換えてもよい。このような態様でも、これまでに説明したものと同様の効果を奏することができる。
また、第2推定方法は、式(2)とは異なる方法であってもよい。例えば、α2の値として、α1よりも十分に小さくなるような固定値を算出するような推定方法であってもよい。更に、上記の固定値として常に0を算出するような推定方法であってもよい。
図8の準備処理が実行されている期間においては、制御装置10は、例えば転流センサ31からの信号が切り換わる周期に基づいて、回転電機30の実際の角加速度を算出することができる。そこで、このように算出された実際の角加速度と、図8のステップS22で算出される角加速度α2と、の差が大きくなり過ぎてしまった場合には、当該差が緩和されるように、角加速度α2の値を適宜補正することとしてもよい。逆に、上記の差が小さくなり過ぎてしまった場合には、当該差が拡大されるように、角加速度α2の値を適宜補正することとしてもよい。いずれの場合であっても、補正後の角加速度α2の値は、実際の角加速度や、第1推定方法によって推定された角加速度α1の値よりも小さな値とされる。
尚、本実施形態では、図6を参照しながら説明したように、車両MVの電源スイッチがONとされた直後に、回転電機30を逆転動作させておく準備処理が実行される。このような態様に替えて、車両MVの走行が終了し電源スイッチがOFFとされてから、電源スイッチが次回の走行のためにONとされるまでの期間において、準備処理が実行されることとしてもよい。このように、回転電機30を逆転動作させておく準備処理が実行されるタイミングは、内燃機関20の始動が行われるよりも前のタイミングであればよい。このようなタイミングであれば、内燃機関20の始動が、準備処理の実行に起因して遅れてしまうことがないので、運転者に不快な思いをさせることもない。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
本開示に記載の制御装置及び制御方法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ又は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された1つ又は複数の専用コンピュータにより、実現されてもよい。本開示に記載の制御装置及び制御方法は、1つ又は複数の専用ハードウェア論理回路を含むプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。本開示に記載の制御装置及び制御方法は、1つ又は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと1つ又は複数のハードウェア論理回路を含むプロセッサとの組み合わせにより構成された1つ又は複数の専用コンピュータにより、実現されてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。専用ハードウェア論理回路及びハードウェア論理回路は、複数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路により実現されてもよい。
10:制御装置
11:位置情報推定部
12:動作制御部
13:角加速度推定部
MV:車両
20:内燃機関
30:回転電機
31:転流センサ
11:位置情報推定部
12:動作制御部
13:角加速度推定部
MV:車両
20:内燃機関
30:回転電機
31:転流センサ
Claims (4)
- 車両(MV)の制御装置(10)であって、
前記車両には、走行用の駆動力を発生させるための内燃機関(20)と、前記内燃機関を始動させるための回転電機(30)と、が設けられており、
前記回転電機における、第1相、第2相、及び第3相それぞれについての転流位置情報を推定する位置情報推定部(11)と、
推定されたそれぞれの前記転流位置情報に基づいて、前記回転電機の動作を制御する動作制御部(12)と、
前記回転電機の角加速度を推定する角加速度推定部(13)と、を備え、
前記動作制御部は、前記内燃機関が始動される前において、予め前記回転電機を逆転動作させておく準備処理を行うように構成されており、
前記位置情報推定部は、
前記第1相についての前記転流位置情報を、前記回転電機に設けられた転流センサ(31)からの信号に基づいて推定する一方、
前記第2相及び前記第3相のそれぞれについての前記転流位置情報を、前記第1相についての前記転流位置情報を基準として、前記角加速度推定部により推定された前記角加速度に基づいて推定するものであり、
前記角加速度推定部は、
前記回転電機を正転動作させるときには、第1推定方法によって前記回転電機の角加速度を推定し、
前記準備処理のために前記回転電機を逆転動作させるときには、前記第1推定方法よりも、前記回転電機の角加速度の値が小さな値として推定される第2推定方法によって、前記回転電機の角加速度を推定する制御装置。 - 前記角加速度推定部は、
前記回転電機により発生する駆動トルクと、前記回転電機が前記内燃機関を回転させる際において受ける負荷トルクと、の差に基づいて、前記回転電機の角加速度を推定するものであり、
前記第2推定方法によって前記回転電機の角加速度を推定する場合には、
前記第1推定方法によって前記回転電機の角加速度を推定する場合に比べて、前記負荷トルクの値を大きな値に設定する、請求項1に記載の制御装置。 - 前記角加速度推定部は、
前記第2推定方法によって前記回転電機の角加速度を推定する場合には、前記負荷トルクの値を、時間の経過に伴って変化しない一定値に設定する、請求項2に記載の制御装置。 - 前記角加速度推定部は、
前記動作制御部が、前記準備処理のために前記回転電機を逆転動作させる際において、変動する前記負荷トルクのとり得る最大値を、前記一定値として設定する、請求項3に記載の制御装置。
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