JP7242391B2 - データ処理装置、データ処理装置の作動方法、データ処理装置の作動プログラム - Google Patents

データ処理装置、データ処理装置の作動方法、データ処理装置の作動プログラム Download PDF

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Description

本開示の技術は、データ処理装置、データ処理装置の作動方法、データ処理装置の作動プログラムに関する。
スペクトルデータを用いた試料の組成分析が広く行われている。スペクトルデータには、例えばラマンスペクトルデータがある。ラマンスペクトルデータは、試料に励起光を照射した結果、試料から散乱したラマン散乱光の強度を、波数毎に測定したデータである。
スペクトルデータには、試料を支持する基板等、試料以外の物質に起因するベースラインが重畳している。こうしたベースラインは、試料の組成分析をするうえではノイズとなる。このため、試料の組成分析を行う前に、スペクトルデータからベースラインを除去する処理が行われている。
特許文献1には、n次の多項式を用いてベースラインを推定し、推定したベースラインをスペクトルデータから除去する処理が記載されている。同様に、特許文献2には、スプライン曲線を用いてベースラインを推定し、推定したベースラインをスペクトルデータから除去する処理が記載されている。
特許文献1および特許文献2では、まず、スペクトルデータを基準データとして設定する。そして、基準データを多項式またはスプライン曲線で近似して仮のベースラインを導出する。次いで、基準データと、仮のベースラインとの差分の許容偏差を算出する。その後、基準データにおける許容偏差を超える部分の値を、例えば仮のベースラインと同じ値に補正する。この許容偏差を超える部分の値が補正された基準データを新たな基準データとして設定し、上記の仮のベースラインの導出、許容偏差の算出、許容偏差を超える基準データの部分の値の補正を再度行う。こうした処理を繰り返して、例えば許容偏差を超える部分がなくなった基準データを、最終的にスペクトルデータから除去するベースラインとして出力する。
特表2014-514581号公報 特表2015-532977号公報
しかしながら、特許文献1に記載の多項式を用いた方法、および特許文献2に記載のスプライン曲線を用いた方法では、例えばベースラインが急激に変動する場合等に、ベースラインの推定精度が低くなることがあった。
本開示の技術は、スペクトルデータから除去するベースラインを、従来と比べて精度よく推定することが可能なデータ処理装置、データ処理装置の作動方法、データ処理装置の作動プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示のデータ処理装置は、波長毎または波数毎の光の強度を示すスペクトルデータを取得する取得部と、スペクトルデータに重畳したベースラインを推定するための基準データを設定する設定部であり、少なくとも、取得部において取得されたスペクトルデータを最初の基準データとして設定する設定部と、基準データに対して窓関数を用いた畳み込み積分を行い、仮のベースラインである仮ベースラインを導出する導出部と、基準データと仮ベースラインとの差分の許容偏差を算出する算出部と、基準データにおける許容偏差を超える部分の値を仮ベースラインの値に基づいて変更することで、基準データを補正基準データへと補正する補正部と、予め設定された条件を満たした補正基準データを、スペクトルデータから推定したベースラインである推定ベースラインとして出力する出力部と、条件を満たしていない補正基準データを、基準データとして設定部に再設定させ、導出部による仮ベースラインの導出、算出部による許容偏差の算出、および補正部による基準データの補正を繰り返し行わせる制御部と、を備える。
推定ベースラインをスペクトルデータから除去する除去部を備えることが好ましい。
窓関数は、ランチョス関数またはガウス窓関数であることが好ましい。
スペクトルデータは、表面増強ラマン散乱分光法を用いて測定されたラマンスペクトルデータであることが好ましい。この場合、ラマンスペクトルデータは、400cm-1以下の波数に対応する強度のデータを含むことが好ましい。
本開示のデータ処理装置の作動方法は、波長毎または波数毎の光の強度を示すスペクトルデータを取得する取得ステップと、スペクトルデータに重畳したベースラインを推定するための基準データを設定する設定ステップであり、少なくとも、取得ステップにおいて取得されたスペクトルデータを最初の基準データとして設定する設定ステップと、基準データに対して窓関数を用いた畳み込み積分を行い、仮のベースラインである仮ベースラインを導出する導出ステップと、基準データと仮ベースラインとの差分の許容偏差を算出する算出ステップと、基準データにおける許容偏差を超える部分の値を仮ベースラインの値に基づいて変更することで、基準データを補正基準データへと補正する補正ステップと、予め設定された条件を満たした補正基準データを、スペクトルデータから推定したベースラインである推定ベースラインとして出力する出力ステップと、条件を満たしていない補正基準データを、基準データとして再設定させ、仮ベースラインの導出、許容偏差の算出、および基準データの補正を繰り返し行わせる制御ステップと、を備える。
本開示のデータ処理装置の作動プログラムは、波長毎または波数毎の光の強度を示すスペクトルデータを取得する取得部と、スペクトルデータに重畳したベースラインを推定するための基準データを設定する設定部であり、少なくとも、取得部において取得されたスペクトルデータを最初の基準データとして設定する設定部と、基準データに対して窓関数を用いた畳み込み積分を行い、仮のベースラインである仮ベースラインを導出する導出部と、基準データと仮ベースラインとの差分の許容偏差を算出する算出部と、基準データにおける許容偏差を超える部分の値を仮ベースラインの値に基づいて変更することで、基準データを補正基準データへと補正する補正部と、予め設定された条件を満たした補正基準データを、スペクトルデータから推定したベースラインである推定ベースラインとして出力する出力部と、条件を満たしていない補正基準データを、基準データとして設定部に再設定させ、導出部による仮ベースラインの導出、算出部による許容偏差の算出、および補正部による基準データの補正を繰り返し行わせる制御部として、コンピュータを機能させる。
本開示の技術によれば、スペクトルデータから除去するベースラインを、従来と比べて精度よく推定することが可能なデータ処理装置、データ処理装置の作動方法、データ処理装置の作動プログラムを提供することができる。
ラマン分析システムを示す図である。 ラマンスペクトルデータおよびラマンスペクトルを示す図である。 データ処理装置を構成するコンピュータを示す図である。 データ処理装置のCPUのブロック図である。 設定部において、ラマンスペクトルデータを最初の基準データとして設定する様子を示す図である。 ランチョス関数およびランチョス関数データを示す図である。 導出部において、ラマンスペクトルデータに対してランチョス関数を用いて畳み込み積分を行う様子を示す図であり、i=1の場合を示す。 導出部において、ラマンスペクトルデータに対してランチョス関数を用いて畳み込み積分を行う様子を示す図であり、i=2の場合を示す。 導出部において、ラマンスペクトルデータに対してランチョス関数を用いて畳み込み積分を行う様子を示す図であり、i=64の場合を示す。 導出部において、ラマンスペクトルデータに対してランチョス関数を用いて畳み込み積分を行う様子を示す図であり、i=1043の場合を示す。 導出部において、ラマンスペクトルデータに対してランチョス関数を用いて畳み込み積分を行う様子を示す図であり、i=1044の場合を示す。 仮ベースラインおよび仮ベースラインスペクトルを示す図である。 算出部において、ラマンスペクトルデータと仮ベースラインとの差分の許容偏差を算出する様子を示す図である。 補正部において、ラマンスペクトルデータを補正する様子を示す図である。 設定条件を示す図である。 補正基準データが設定条件を満たしているか否かの判定部による判定結果を示す図であり、図16Aは、補正基準データが設定条件を満たしていないという判定結果の場合、図16Bは、補正基準データが設定条件を満たしているという判定結果の場合をそれぞれ示す。 設定部において、設定条件を満たしていない補正基準データを基準データとして再設定する様子を示す図である。 導出部において、補正基準データに対してランチョス関数を用いて畳み込み積分を行う様子を示す図であり、i=1の場合を示す。 算出部において、補正基準データと仮ベースラインとの差分の許容偏差を算出する様子を示す図である。 補正部において、補正基準データを補正する様子を示す図である。 ラマンスペクトルから、最終的に推定ベースラインとして出力する補正基準データスペクトルまでのスペクトルの推移を示す図である。 除去部において、ラマンスペクトルデータから推定ベースラインを除去する様子を示す図である。 ラマンスペクトル表示画面を示す図である。 データ処理装置の処理手順を示すフローチャートである。 従来のn次の多項式を用いてベースラインを推定した比較例を示す図であり、図25Aは、ラマンスペクトおよび推定ベースラインスペクトルを、図25Bは、除去済みラマンスペクトルをそれぞれ示す。 ランチョス関数を用いてベースラインを推定した実施例を示す図であり、図26Aは、ラマンスペクトおよび推定ベースラインスペクトルを、図26Bは、除去済みラマンスペクトルをそれぞれ示す。 従来のn次の多項式を用いて、波数範囲0cm-1~2000cm-1のラマンスペクトルデータ、および波数範囲400cm-1~2000cm-1のラマンスペクトルデータのベースラインを推定した比較例を示す図である。 ランチョス関数を用いて、波数範囲0cm-1~2000cm-1のラマンスペクトルデータ、および波数範囲400cm-1~2000cm-1のラマンスペクトルデータのベースラインを推定した実施例を示す図である。 ランチョス関数の有限区間を変更した場合のベースラインの推定精度の評価を示す図である。 ガウス窓関数およびガウス窓関数データを示す図である。 ガウス窓関数を用いてベースラインを推定した実施例を示す図であり、図31Aは、ラマンスペクトおよび推定ベースラインスペクトルを、図31Bは、除去済みラマンスペクトルをそれぞれ示す。
図1において、ラマン分析システム2は、表面増強ラマン散乱(以下、SERS(Surface-Enhanced Raman Scattering)と略す)測定装置10と、データ処理装置11とを備える。SERS測定装置10は、ヒト、マウス等の生体標本BSを試料とし、生体標本BSの生体組織の測定に用いられる。生体標本BSは、生体組織の一部を、メス等で切除して得られた組織切片である。SERS測定装置10では、ヘマトキシリンとエオシンといった色素で染色される前の生体標本BSが用いられる。
SERS測定装置10は、光電場増強基板15と、測定部16とを備えている。光電場増強基板15上には、生体標本BSが配置される。光電場増強基板15は、局在プラズモン共鳴を誘起する微細な金属凹凸構造を備えている。金属凹凸構造は、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、白金等で形成される。光電場増強基板15は、この金属凹凸構造の局在プラズモン共鳴による光電場増強効果を利用して、生体標本BSからの微弱なラマン散乱光RSLを増強する。
なお、生体標本BSは、光電場増強基板15上に直接配置される訳ではない。例えば特開2016-153740号公報に記載されているように、生体標本BSは、間に液体を挟んで光電場増強基板15上に配置される。
測定部16は、生体標本BSの測定位置MP(図2参照)のラマンスペクトルデータRSDを測定する。測定部16は、励起光源20、コリメートレンズ21、スプリッター22、反射鏡23、対物レンズ24、ステージ25、ノッチフィルター26、集光レンズ27、および分光器28を有する。
励起光源20は例えば半導体レーザー光源であり、励起光ELを発する。励起光ELは、例えば波長785nmの光である。コリメートレンズ21は、励起光ELを平行光化する。スプリッター22は、コリメートレンズ21で平行光化された励起光ELを、反射鏡23に向けて反射する。反射鏡23は、スプリッター22からの励起光ELを対物レンズ24に向けて反射する。対物レンズ24は、励起光ELを生体標本BSに集光する。ステージ25は、紙面に垂直な方向と横方向とに移動可能である。ステージ25が2方向に移動されることで、生体標本BSに対して励起光ELが二次元走査される。
また、対物レンズ24は、励起光ELの照射により生体標本BSから発せられたラマン散乱光RSLを平行光化して反射鏡23に導く。反射鏡23は、ラマン散乱光RSLをスプリッター22に向けて反射する。スプリッター22は、ラマン散乱光RSLを透過してノッチフィルター26に導く。ノッチフィルター26は、ラマン散乱光RSLに含まれる励起光ELをカットする。集光レンズ27は、ノッチフィルター26で励起光ELがカットされたラマン散乱光RSLを分光器28に集光する。分光器28は、ラマン散乱光RSLを検出してラマンスペクトルデータRSDを出力する。ラマンスペクトルデータRSDは、SERS測定装置10からデータ処理装置11に送信される。なお、ラマンスペクトルデータRSDは、本開示の技術に係る「スペクトルデータ」の一例である。
データ処理装置11は、例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータである。データ処理装置11は、SERS測定装置10からのラマンスペクトルデータRSDに対して各種処理を施す。
図2に示すように、ラマンスペクトルデータRSDは、分光器28のラマン散乱光RSLの各検出チャンネルXi(i=1~1044)に対する、ラマン散乱光RSLの強度Yi_0が登録されたデータである。検出チャンネルXiには、励起光ELを原点とした波数が対応している。波数は、0cm-1~2000cm-1の範囲である。つまり、ラマンスペクトルデータRSDは、400cm-1以下の波数に対応する強度のデータを含む。なお、図2の下部には、ラマンスペクトルデータRSDの強度Yi_0を波数毎にプロットして線で繋いだラマンスペクトルRSを示している。
図3において、データ処理装置11を構成するコンピュータは、ストレージデバイス40、メモリ41、CPU(Central Processing Unit)42、通信部43、ディスプレイ44、および入力デバイス45を備えている。これらはバスライン46を介して相互接続されている。
ストレージデバイス40は、データ処理装置11を構成するコンピュータに内蔵、またはケーブル、ネットワークを通じて接続されたハードディスクドライブである。もしくはストレージデバイス40は、ハードディスクドライブを複数台連装したディスクアレイである。ストレージデバイス40には、オペレーティングシステム等の制御プログラム、各種アプリケーションプログラム、およびこれらのプログラムに付随する各種データ等が記憶されている。
メモリ41は、CPU42が処理を実行するためのワークメモリである。CPU42は、ストレージデバイス40に記憶されたプログラムをメモリ41へロードして、プログラムにしたがった処理を実行することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。
通信部43は、ネットワークを介した各種情報の伝送制御を行うネットワークインターフェースである。ディスプレイ44は各種画面を表示する。データ処理装置11を構成するコンピュータは、各種画面を通じて、入力デバイス45からの操作指示の入力を受け付ける。入力デバイス45は、キーボード、マウス、タッチパネル等である。
図4において、データ処理装置11のストレージデバイス40には、作動プログラム50が記憶されている。作動プログラム50は、コンピュータをデータ処理装置11として機能させるためのアプリケーションプログラムである。すなわち、作動プログラム50は、本開示の技術に係る「データ処理装置の作動プログラム」の一例である。
作動プログラム50が起動されると、データ処理装置11を構成するコンピュータのCPU42は、メモリ41等と協働して、リードライト(以下、RW(Read Write)と略す)制御部55、取得部56、設定部57、導出部58、算出部59、補正部60、判定部61、出力部62、除去部63、表示制御部64、および制御部65として機能する。
RW制御部55は、ストレージデバイス40への各種データの記憶、およびストレージデバイス40内の各種データの読み出しを制御する。
取得部56は、SERS測定装置10からのラマンスペクトルデータRSDを取得する。取得部56は、ラマンスペクトルデータRSDをRW制御部55に出力する。
RW制御部55は、ラマンスペクトルデータRSDをストレージデバイス40に記憶する。また、RW制御部55は、ラマンスペクトルデータRSDをストレージデバイス40から読み出し、設定部57および除去部63に出力する。
設定部57は、ラマンスペクトルデータRSDに重畳したベースラインを推定するための基準データCDを設定する。設定部57は、基準データCDを、導出部58、算出部59、補正部60、および判定部61に出力する。
導出部58には、RW制御部55を通じて、ストレージデバイス40に記憶されたランチョス(Lanczos)関数LFが与えられる。ランチョス関数LFは、本開示の技術に係る「窓関数」の一例である。導出部58は、基準データCDに対してランチョス関数LFを用いた畳み込み積分を行い、仮のベースラインである仮ベースラインTBを導出する。導出部58は、仮ベースラインTBを算出部59および補正部60に出力する。
算出部59は、基準データCDと仮ベースラインTBとの差分の許容偏差TDを算出する。算出部59は、許容偏差TDを補正部60に出力する。
補正部60は、基準データCDにおける許容偏差TDを超える部分の値を仮ベースラインTBの値に基づいて変更することで、基準データCDを補正基準データCCDへと補正する。補正部60は、補正基準データCCDを判定部61に出力する。
判定部61には、RW制御部55を通じて、ストレージデバイス40に記憶された設定条件SCが与えられる。設定条件SCは、本開示の技術に係る「予め設定された条件」の一例である。判定部61は、補正基準データCCDが設定条件SCを満たしているか否かを判定する。判定部61は、判定結果を出力部62に出力する。
判定部61からの判定結果が、補正基準データCCDが設定条件SCを満たしていないという内容であった場合、出力部62は、当該補正基準データCCDをRW制御部55に出力する。RW制御部55は、補正基準データCCDをストレージデバイス40に記憶する。また、RW制御部55は、補正基準データCCDをストレージデバイス40から読み出し、設定部57に出力する。対して、判定部61からの判定結果が、補正基準データCCDが設定条件SCを満たしているという内容であった場合、出力部62は、当該補正基準データCCDを、ラマンスペクトルデータRSDから推定したベースラインである推定ベースラインEBとして、除去部63に出力する。
除去部63は、推定ベースラインEBをラマンスペクトルデータRSDから除去し、ラマンスペクトルデータRSDを除去済みラマンスペクトルデータRRSDとする。除去部63は、除去済みラマンスペクトルデータRRSDを表示制御部64に出力する。
表示制御部64は、ディスプレイ44に各種画面を表示する制御を行う。各種画面には、除去済みラマンスペクトルデータRRSDのスペクトルである除去済みラマンスペクトルRRS(図23参照)を有するラマンスペクトル表示画面80(図23参照)が含まれる。
制御部65は、RW制御部55、設定部57、導出部58、算出部59、および補正部60の動作を制御する。制御部65は、RW制御部55を動作させて、設定条件SCを満たしていない補正基準データCCDをストレージデバイス40から読み出させ、設定部57に出力させる。制御部65は、設定条件SCを満たしていない補正基準データCCDを、基準データCDとして設定部57に再設定させる。そして、制御部65は、導出部58による仮ベースラインTBの導出、算出部59による許容偏差TDの算出、および補正部60による基準データCDの補正を繰り返し行わせる。
図5において、設定部57は、ラマンスペクトルデータRSDを最初の基準データCDとして設定する。設定部57は、最初の基準データCDであるラマンスペクトルデータRSDを、導出部58、算出部59、補正部60、および判定部61に出力する。
図6に示すように、ランチョス関数LFは、下記の(式1A)および(式1B)で定義される。
L(j)=[sin(ajπ)/(ajπ)][sin(ajπ/n)/(ajπ/n)] ただし、|aj|<nの場合 (式1A)
L(j)=0 ただし、|aj|≧nの場合 (式1B)
なお、aは、ランチョス関数LFの0でない値を有する区間(以下、有限区間という)を規定するための係数である。nは、ランチョス関数LFの次元を規定するための係数である。
図6では、a=1/32、n=2の場合を例示している。この場合、-64<j<64の区間は、|aj|<nであるため、式(1A)が適用される。したがって、-64<j<64の区間では、ランチョス関数データLFDに示すように、L(0)=0.03094703、L(-2)=0.03069920等、0でない値をとる。対して、64≦jおよびj≦-64の区間は、|aj|≧nであるため、式(1B)が適用される。したがって、64≦jおよびj≦-64の区間では、L(64)=0、L(-64)=0等、0の値をとる。つまり、図6に示すランチョス関数LFは、j=-63~63の有限区間を有する2次のランチョス関数LFである。
吹き出し70に示すように、ランチョス関数LFの各値L(j)は、その総和ΣL(j)が1となるよう規格化されている。例えば、規格化前の値L(0)=1、規格化前の総和ΣL(j)=32.313275であった場合、規格化後の値L(0)は、L(0)=1/32.313275=0.0394703とされる。
図7~図11は、導出部58において、ラマンスペクトルデータRSDに対してランチョス関数LFを用いて畳み込み積分を行う様子を示す。図7はi=1の場合、図8はi=2の場合、図9はi=64の場合、図10はi=1043の場合、図11はi=1044の場合をそれぞれ示す。ここで、畳み込み積分とは、端的に言えば、ランチョス関数LFをラマンスペクトルデータRSDに対してi単位で移動させつつ、移動位置毎に、ラマンスペクトルデータRSDの各値Yi_0と、対応するランチョス関数LFの各値L(j)との積の総和を求めていく処理である。
図7において、i=1の場合の総和Y1_TBは、次の(式2)で表される。
Y1_TB=Y1_0*L(0)+Y2_0*L(1)+・・・+Y63_0*L(62)+Y64_0*L(63) (式2)
また、図8において、i=2の場合の総和Y2_TBは、次の(式3)で表される。
Y2_TB=Y1_0*L(-1)+Y2_0*L(0)+・・・+Y64_0*L(62)+Y65_0*L(63) (式3)
図9において、i=64の場合の総和Y64_TBは、次の(式4)で表される。
Y64_TB=Y1_0*L(-63)+Y2_0*L(-62)+・・・+Y64_0*L(0)+・・・+Y126_0*L(62)+Y127_0*L(63) (式4)
さらに、図10において、i=1043の場合の総和Y1043_TBは、次の(式5)で表される。
Y1043_TB=Y980_0*L(-63)+Y981_0*L(-62)+・・・+Y1043_0*L(0)+Y1044_0*L(1) (式5)
同様に、図11において、i=1044の場合の総和Y1044_TBは、次の(式6)で表される。
Y1044_TB=Y981_0*L(-63)+Y982_0*L(-62)+・・・+Y1043_0*L(-1)+Y1044_0*L(0) (式6)
図12に示すように、こうして畳み込み積分によって求められた総和Yi_TBの集合が、仮ベースラインTBである。なお、図12の下部には、仮ベースラインTBの各値Yi_TBを波数毎にプロットして線で繋いだ仮ベースラインスペクトルTBSを示している。
図13において、算出部59は、(式7)に示すように、基準データCD(Yi_R)と仮ベースラインTB(Yi_TB)との差分(Yi_R-Yi_TB)の許容偏差TDとして、次の(式7)に示す二乗平均平方根RMS(Root Mean Square)を算出する。
RMS={Σ(Yi_R-Yi_TB)/(N-1)}1/2 (式7)
なお、ここではYi_R=Yi_0である。また、Nは分光器28のラマン散乱光RSLの各検出チャンネルXiの総数であり、ここではN=1044である。
図14において、補正部60は、吹き出し72にも示すように、スペクトルを実線および符号CDSで示す基準データCD(Yi_R)において、破線で示す仮ベースラインTBSと許容偏差TDの加算値(Yi_TB+RMS)のラインTBS+TDを超える部分の値(Yi_R>Yi_TB+RMS)を、仮ベースラインTBと許容偏差TDの加算値に変更する(Yi_R→Yi_TB+RMS)。補正部60は、仮ベースラインTBと許容偏差TDの加算値のラインTBS+TDを超える部分の値を、仮ベースラインTBと許容偏差TDの加算値に変更した基準データCDを、補正基準データCCD(Yi_CR)として判定部61に出力する。なお、符号CCDSは、補正基準データCCDのスペクトルである補正基準データスペクトルを示す。
図15において、設定条件SCは、「仮ベースラインTBと許容偏差TDの加算値を超える基準データCDなし」という内容である。したがって、補正部60において、図14で示した値の変更が行われ、基準データCDと補正基準データCCDとが異なっていた場合は、図16Aに示すように、判定部61は、補正基準データCCDが設定条件SCを満たしていないと判定する。一方、補正部60において、図14で示した値の変更が全く行われず、基準データCDと補正基準データCCDとが同じであった場合は、図16Bに示すように、判定部61は、補正基準データCCDが設定条件SCを満たしたと判定する。
図17において、設定部57は、設定条件SCを満たしていない補正基準データCCDを基準データCDとして再設定する。設定部57は、基準データCDである補正基準データCCDを、導出部58、算出部59、補正部60、および判定部61に出力する。
図18に示すように、導出部58は、設定条件SCを満たしていない補正基準データCCD(Yi_CR)に対して、ランチョス関数LFを用いた畳み込み積分を行い、仮ベースラインTB(Yi_TB)を導出する。図18は一例としてi=1の場合を示している。
図19に示すように、算出部59は、Yi_R=Yi_CRとして、(式7)で示したRMSを許容偏差TDとして算出する。また、図20に示すように、補正部60は、仮ベースラインTBと許容偏差TDの加算値のラインTBS+TDを超える基準データCDの部分の値を、仮ベースラインTBと許容偏差TDの加算値に変更し、補正基準データCCDとして判定部61に出力する。
このように、補正基準データCCDが設定条件SCを満たすまで、設定部57は補正基準データCCDを基準データCDとして再設定し、導出部は仮ベースラインTBを導出し、算出部59は許容偏差TDを算出し、補正部60は基準データCDを補正する。
こうした処理を繰り返し行った場合、図21に示すように、補正基準データスペクトルCCDSの形状は、比較的尖ったラマンスペクトルRSの形状から、徐々に鈍っていく。すると、基準データCDにおいて、仮ベースラインTBと許容偏差TDの加算値のラインTBS+TDを超える部分も徐々に少なくなっていき、最終的にはそうした部分がなくなって、判定部61において設定条件SCを満たしたと判定される。そして、判定部61において設定条件SCを満たしたと判定された補正基準データCCDが、出力部62から除去部63に推定ベースラインEBとして出力される。
図22に示すように、除去部63は、ラマンスペクトルデータRSD(Yi_0)から推定ベースラインEB(Yi_EB)を減算し、除去済みラマンスペクトルデータRRSD(Yi_0R)を求める。すなわち、除去済みラマンスペクトルデータRRSDは、次の(式8)で求められる。
Yi_0R=Yi_0-Yi_EB (式8)
図23において、ラマンスペクトル表示画面80には、除去済みラマンスペクトルRRSが表示される。ラマンスペクトル表示画面80の下部には、印刷ボタン81、ファイル保存ボタン82、およびOKボタン83が設けられている。印刷ボタン81が選択された場合、除去済みラマンスペクトルRRSが、図示しない印刷機で印刷される。ファイル保存ボタン82が選択された場合、除去済みラマンスペクトルデータRRSDがファイル保存される。OKボタン83が選択された場合、ラマンスペクトル表示画面80の表示が消される。
次に、上記構成による作用について、図24に示すフローチャートを参照して説明する。作動プログラム50が起動されると、データ処理装置11のCPU42は、図4で示したように、RW制御部55、取得部56、設定部57、導出部58、算出部59、補正部60、判定部61、出力部62、除去部63、表示制御部64、および制御部65として機能される。
まず、取得部56において、SERS測定装置10からのラマンスペクトルデータRSDが取得される(ステップST100)。ラマンスペクトルデータRSDは、取得部56からRW制御部55に出力され、RW制御部55によりストレージデバイス40に記憶される。ラマンスペクトルデータRSDは、RW制御部55によりストレージデバイス40から読み出され、設定部57および除去部63に出力される。なお、ステップST100は、本開示の技術に係る「取得ステップ」の一例である。
次いで、図5で示したように、設定部57において、ラマンスペクトルデータRSDが基準データCDとして設定される(ステップST110)。基準データCDは、設定部57から導出部58、算出部59、補正部60、および判定部61に出力される。なお、ステップST110は、本開示の技術に係る「設定ステップ」の一例である。
図7~図12で示したように、導出部58において、基準データCDに対してランチョス関数LFを用いた畳み込み積分が行われ、仮ベースラインTBが導出される(ステップST120)。仮ベースラインTBは、導出部58から算出部59および補正部60に出力される。なお、ステップST120は、本開示の技術に係る「導出ステップ」の一例である。
図13で示したように、算出部59において、基準データCDと仮ベースラインTBとの差分の許容偏差TDが算出される(ステップST130)。許容偏差TDは、算出部59から補正部60に出力される。なお、ステップST130は、本開示の技術に係る「算出ステップ」の一例である。
次に、図14で示したように、補正部60において、基準データCDが補正基準データCCDに補正される(ステップST140)。補正基準データCCDは、補正部60から判定部61に出力される。なお、ステップST140は、本開示の技術に係る「補正ステップ」の一例である。
判定部61において、補正基準データCCDが、図15で示した設定条件SCを満たすか否かが判定される(ステップST150)。図16Aで示したように、判定部61において補正基準データCCDが設定条件SCを満たさないと判定された場合(ステップST150でNO)、図17で示したように、設定部57において、補正基準データCCDが基準データCDとして再設定される(ステップST160)。基準データCDは、設定部57から導出部58、算出部59、補正部60、および判定部61に出力される。なお、ステップST160は、上記ステップST110と同じく、本開示の技術に係る「設定ステップ」の一例である。
ステップST160以降は、導出部58によるステップST120の導出ステップ、算出部59によるステップST130の算出ステップ、補正部60によるステップST140の補正ステップが、制御部65の制御の下、繰り返し行われる。なお、これら一連のステップST160、ステップST120、ステップST130、ステップST140は、本開示の技術に係る「制御ステップ」の一例である。
一方、図16Bで示したように、判定部61において補正基準データCCDが設定条件SCを満たすと判定された場合(ステップST150でYES)、図21で示したように、出力部62により、補正基準データCCDが推定ベースラインEBとして除去部63に出力される(ステップST170)。なお、ステップST170は、本開示の技術に係る「出力ステップ」の一例である。
図22で示したように、除去部63において、ラマンスペクトルデータRSDから推定ベースラインEBが除去され、除去済みラマンスペクトルデータRRSDとされる(ステップST180)。除去済みラマンスペクトルデータRRSDは、除去部63から表示制御部64に出力される。
表示制御部64により、図23で示した、除去済みラマンスペクトルRRSを有するラマンスペクトル表示画面80がディスプレイ44に表示される(ステップST190)。
以上説明したように、データ処理装置11は、取得部56、設定部57、導出部58、算出部59、補正部60、出力部62、および制御部65を備える。取得部56は、ラマンスペクトルデータRSDを取得する。設定部57は、ラマンスペクトルデータRSDに重畳したベースラインを推定するための基準データCDを設定する。導出部58は、基準データCDに対してランチョス関数LFを用いた畳み込み積分を行い、仮ベースラインTBを導出する。算出部59は、基準データCDと仮ベースラインTBとの差分の許容偏差TDを算出する。補正部60は、基準データCDにおける許容偏差TDを超える部分の値を仮ベースラインTBの値に基づいて変更することで、基準データCDを補正基準データCCDへと補正する。出力部62は、設定条件SCを満たした補正基準データCCDを推定ベースラインEBとして出力する。制御部65は、設定条件SCを満たしていない補正基準データCCDを、基準データCDとして設定部57に再設定させる。そして、導出部58による仮ベースラインTBの導出、算出部59による許容偏差TDの算出、および補正部60による基準データCDの補正を繰り返し行わせる。したがって、ラマンスペクトルデータRSDから除去する推定ベースラインEBを、従来と比べて精度よく推定することが可能となる。
また、データ処理装置11は、推定ベースラインEBをラマンスペクトルデータRSDから除去する除去部63を備えている。したがって、簡単に除去済みラマンスペクトルデータRRSDを得ることができる。
図25は、ローダミン6G溶液を試料として、従来のn次の多項式(ここでは一例として5次の多項式)を用いてベースラインを推定した比較例を示す。図25Aにおいて、この場合の推定ベースラインEBは、推定ベースラインEBのスペクトルである推定ベースラインスペクトルEBSで示すように、所々でラマンスペクトルRSを上回ったり、ラマンスペクトルRSを大きく下回ったりしていて、推定精度が低くなっている。このため、図25Bの除去済みラマンスペクトルRRSに示すように、ラマンスペクトルデータRSDからベースラインが除去しきれず、ベースラインに起因する低周波のうねりが未だに重畳することとなる。
対して、図26は、ローダミン6G溶液を試料として、ランチョス関数LFを用いてベースラインを推定した実施例を示す。この場合の推定ベースラインスペクトルEBSは、図26Aに示すように、ベースラインと思しき箇所と略一致し、推定精度が高くなっている。このため、図26Bの除去済みラマンスペクトルRRSに示すように、ラマンスペクトルデータRSDからベースラインが確実に除去され、ベースラインに起因する低周波のうねりが重畳していない除去済みラマンスペクトルデータRRSDを得ることができる。
また、図27は、ローダミン6G溶液を試料として、従来のn次の多項式(ここでは一例として5次の多項式)を用いて、波数範囲0cm-1~2000cm-1のラマンスペクトルデータRSD、および波数範囲400cm-1~2000cm-1のラマンスペクトルデータRSDのベースラインを推定した比較例を示す。波数範囲0cm-1~2000cm-1のラマンスペクトルデータRSDから推定ベースラインEBを除去した除去済みラマンスペクトルデータRRSDの除去済みラマンスペクトルRRS_0~2000を破線で示す。対して、波数範囲400cm-1~2000cm-1のラマンスペクトルデータRSDから推定ベースラインEBを除去した除去済みラマンスペクトルデータRRSDの除去済みラマンスペクトルRRS_400~2000を実線で示す。この場合、除去済みラマンスペクトルRRS_0~2000と除去済みラマンスペクトルRRS_400~2000とは、比較的高波数の部分において値が大きく異なっている。すなわち、従来のn次の多項式を用いた場合は、波数400cm-1以下のラマンスペクトルデータRSDが原因で、比較的高波数の部分のベースラインの推定精度が変動する。また、除去済みラマンスペクトルRRS_400~2000には、除去済みラマンスペクトルRRS_0~2000と同様に、ベースラインに起因する低周波のうねりが重畳している。
対して、図28は、ローダミン6G溶液を試料として、ランチョス関数LFを用いて、波数範囲0cm-1~2000cm-1のラマンスペクトルデータRSD、および波数範囲400cm-1~2000cm-1のラマンスペクトルデータRSDのベースラインを推定した実施例を示す。この場合、除去済みラマンスペクトルRRS_0~2000と除去済みラマンスペクトルRRS_400~2000とは、比較的高波数の部分においても値は略同じである。すなわち、ランチョス関数LFを用いた場合は、従来のn次の多項式を用いた場合のように、波数400cm-1以下のラマンスペクトルデータRSDが原因で、比較的高波数の部分のベースラインの推定精度が変動することはない。なお、図28では、除去済みラマンスペクトルRRS_0~2000と除去済みラマンスペクトルRRS_400~2000とが略同じであるため、実線の除去済みラマンスペクトルRRS_400~2000のみが図示されたようにみえている。
SERS分光法を用いて測定されたラマンスペクトルデータRSDは、図2等で示したように、波数400cm-1以下において、強度が急激に増大する。この波数400cm-1以下における強度の急激な増大は、光電場増強基板15の金属凹凸構造を形成する金属(例えば金)の蛍光に起因する。このように強度が急激に増大する波数400cm-1以下のデータが含まれたラマンスペクトルデータRSDのベースラインを推定する場合、従来の方法では、図25および図27で示したように、推定精度が低くなったり変動したりして不適である。対して、本開示の方法では、図26および図28で示したように、推定精度が高く、推定精度が変動することもないため好適である。
本開示の方法が好適である理由としては、以下が考えられる。すなわち、従来の方法では、波数範囲の全体に対してベースラインを推定しているので、強度が急激に変化する部分の推定結果が他の部分の推定結果に影響を及ぼす。対して、本開示の方法では、ランチョス関数LF等の窓関数の有限区間毎にベースラインを推定しているので、強度が急激に変化する部分の推定結果が他の部分の推定結果に影響を及ぼさない。
図29は、2次のランチョス関数LFの有限区間を変更した場合のベースラインの推定精度の評価を示す。有限区間は、図6で示したj=-63~63(a=1/32)に加えて、j=-15~15(a=1/8)、j=-31~31(a=1/16)、j=-127~127(a=1/64)、j=-255~255(a=1/128)の計5つである。有限区間におけるデータ数Mは、j=-15~15の場合が31、j=-31~31の場合が63である。また、j=-63~63の場合が127、j=-127~127の場合が255、j=-255~255の場合が511である。これらのデータ数Mと、分光器28のラマン散乱光RSLの各検出チャンネルXiの総数N=1044との比率(M/N)*100は、j=-15~15の場合が3.0%、j=-31~31の場合が6.0%である。また、j=-63~63の場合が12.2%、j=-127~127の場合が24.4%、j=-255~255の場合が48.9%である。
有限区間がj=-15~15、比率が3.0%の場合、推定ベースラインスペクトルEBSは、ラマンスペクトRSの形状を略追従した、比較的尖った形状となる。すなわち、有限区間がj=-15~15、比率が3.0%の場合は、信号成分をベースライン成分として見なしてしまっている確率が高い。このため、除去済みラマンスペクトルRRSは、ベースラインだけでなく、閾値以上の割合の信号成分も除去されたものとなるおそれがある。
有限区間がj=-255~255、比率が48.9%の場合、推定ベースラインスペクトルEBSは、有限区間がj=-15~15、比率が3.0%の場合とは逆に、ラマンスペクトRSの形状にあまり倣っていない、比較的鈍った形状となる。すなわち、有限区間がj=-255~255、比率が48.9%の場合は、推定ベースラインの位置が本来のベースラインの位置を下回っていて、ベースライン成分を信号成分として見なしてしまっている確率が高い。このため、除去済みラマンスペクトルRRSは、閾値以上の割合のベースラインが除去しきれていないものとなるおそれがある。
有限区間がj=-31~31、比率が6.0%の場合、有限区間がj=-63~63、比率が12.2%の場合、および有限区間がj=-127~127、比率が24.4%の場合は、除去済みラマンスペクトルRRSは、閾値以上の割合の信号成分が除去されておらず、かつ、閾値以上の割合のベースラインが除去されたものとなる。したがって、これらの場合、ベースラインの推定精度の評価はOKである。以上を総合して考えた場合、5%~30%程度が比率の適正範囲といえる。Nが変わっても、この比率の適正範囲は変わらない。
なお、ランチョス関数LFの次元は、例示した2次に限らない。3次のランチョス関数LF、あるいは4次のランチョス関数LFを用いてもよい。
また、畳み込み積分に用いる窓関数は、ランチョス関数LFに限らない。例えば図30に示すガウス窓関数GFを用いてもよい。
図30に示すように、ガウス窓関数GFは、下記の(式9A)および(式9B)で定義される。
G(j)=exp{-(aj)} ただし、|aj|≦2の場合 (式9A)
G(j)=0 ただし、|aj|>2の場合 (式9B)
なお、aは、ランチョス関数LFと同じく、ガウス窓関数GFの有限区間を規定するための係数である。
図30では、a=1/8の場合を例示している。この場合、-16≦j≦16の区間は、|aj|≦2であるため、式(9A)が適用される。したがって、-16≦j≦16の区間では、ガウス窓関数データGFDに示すように、G(0)=0.07077093、G(-2)=0.06648314等、0でない値をとる。対して、16<jおよびj<-16の区間は、|aj|>2であるため、式(9B)が適用される。したがって、16<jおよびj<-16の区間では、G(17)=0、G(-17)=0等、0の値をとる。また、ランチョス関数LFの場合と同じく、ガウス窓関数GFの各値G(j)も、吹き出し90に示すように、総和ΣG(j)が1となるよう規格化されている。
図31は、ローダミン6G溶液を試料として、ガウス窓関数GFを用いてベースラインを推定した実施例を示す。図31Aに示すように、推定ベースラインスペクトルEBSは、ランチョス関数LFを用いてベースラインを推定した図26Aの場合と同様に、ベースラインと思しき箇所と略一致し、推定精度が高くなっている。このため、図26Bと同様に、図31Bの除去済みラマンスペクトルRRSに示すように、ラマンスペクトルデータRSDからベースラインが確実に除去され、ベースラインに起因する低周波のうねりが重畳していない除去済みラマンスペクトルデータRRSDを得ることができる。
ランチョス関数LF、ガウス窓関数GF以外の他の窓関数、例えば矩形窓関数、ハン窓関数、カイザー窓関数等を用いてもよい。
許容偏差TDは、(式7)で示したRMSに限らない。2*RMS、3*RMSでもよい。
基準データCDにおいて仮ベースラインTBと許容偏差TDの加算値のラインTBS+TDを超える部分の値を、仮ベースラインTBと許容偏差TDの加算値ではなく、仮ベースラインTBの値に変更してもよい。要するに、基準データCDにおける許容偏差TDを超える部分の値を仮ベースラインTBの値に基づいて補正すればよい。
設定条件SCは、図15で例示した内容に限らない。基準データCDの再設定、仮ベースラインTBの導出、許容偏差TDの算出、および基準データCDの補正を繰り返した回数を設定条件SCとしてもよい。例えば、設定条件SCを5回と設定し、上記の処理を繰り返した回数が5回を超えた場合に、補正基準データCCDが設定条件SCを満たしたと判定部61で判定する。
データ処理装置11を構成するコンピュータのハードウェア構成は種々の変形が可能である。例えば、データ処理装置11を、処理能力や信頼性の向上を目的として、ハードウェアとして分離された複数台のコンピュータで構成することも可能である。具体的には、RW制御部55、取得部56、設定部57、導出部58、算出部59、補正部60、および制御部65の機能と、判定部61、出力部62、除去部63、および表示制御部64の機能とを、2台のコンピュータに分散して担わせる。この場合は2台のコンピュータでデータ処理装置11を構成する。また、SERS測定装置10にデータ処理装置11の機能を担わせてもよい。
なお、除去部63および表示制御部64は、必須の構成ではない。このため、除去部63および表示制御部64の機能を、データ処理装置11を構成するコンピュータとは別のコンピュータに担わせてもよい。
このように、コンピュータのハードウェア構成は、処理能力、安全性、信頼性等の要求される性能に応じて適宜変更することができる。さらに、ハードウェアに限らず、作動プログラム50等のアプリケーションプログラムについても、安全性や信頼性の確保を目的として、二重化したり、あるいは、複数のストレージデバイスに分散して格納することももちろん可能である。
上記実施形態では、SERS分光法を用いて測定されたラマンスペクトルデータRSDを例示したが、これに限らない。SERS分光法以外のラマン散乱分光法を用いて測定されたラマンスペクトルデータRSDであってもよい。
また、フォトルミネッセンス法を用いて測定されたスペクトルデータ、赤外分光法を用いて測定されたスペクトルデータ、紫外可視分光法を用いて測定されたスペクトルデータ等、ラマンスペクトルデータRSD以外のスペクトルデータについても、本開示の技術を適用することが可能である。
上記実施形態において、例えば、RW制御部55、取得部56、設定部57、導出部58、算出部59、補正部60、判定部61、出力部62、除去部63、表示制御部64、および制御部65といった各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(Processor)を用いることができる。各種のプロセッサには、ソフトウェアを実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU42に加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントおよびサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
以上の記載から、以下の付記項1に記載の発明を把握することができる。
[付記項1]
波長毎または波数毎の光の強度を示すスペクトルデータを取得する取得プロセッサと、
前記スペクトルデータに重畳したベースラインを推定するための基準データを設定する設定プロセッサであり、少なくとも、前記取得プロセッサにおいて取得された前記スペクトルデータを最初の基準データとして設定する設定プロセッサと、
前記基準データに対して窓関数を用いた畳み込み積分を行い、仮の前記ベースラインである仮ベースラインを導出する導出プロセッサと、
前記基準データと前記仮ベースラインとの差分の許容偏差を算出する算出プロセッサと、
前記基準データにおける前記許容偏差を超える部分の値を前記仮ベースラインの値に基づいて変更することで、前記基準データを補正基準データへと補正する補正プロセッサと、
予め設定された条件を満たした前記補正基準データを、前記スペクトルデータから推定した前記ベースラインである推定ベースラインとして出力する出力プロセッサと、
前記条件を満たしていない前記補正基準データを、前記基準データとして前記設定プロセッサに再設定させ、前記導出プロセッサによる前記仮ベースラインの導出、前記算出プロセッサによる前記許容偏差の算出、および前記補正プロセッサによる前記基準データの補正を繰り返し行わせる制御プロセッサと、
を備えるデータ処理装置。
本開示の技術は、上述の種々の実施形態と種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記実施形態に限らず、要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。さらに、本開示の技術は、プログラムに加えて、プログラムを非一時的に記憶する記憶媒体にもおよぶ。
以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、変更したりしてもよいことはいうまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
2 ラマン分析システム
10 表面増強ラマン散乱測定装置(SERS測定装置)
11 データ処理装置
15 光電場増強基板
16 測定部
20 励起光源
21 コリメートレンズ
22 スプリッター
23 反射鏡
24 対物レンズ
25 ステージ
26 ノッチフィルター
27 集光レンズ
28 分光器
40 ストレージデバイス
41 メモリ
42 CPU
43 通信部
44 ディスプレイ
45 入力デバイス
46 バスライン
50 作動プログラム
55 リードライト制御部(RW制御部)
56 取得部
57 設定部
58 導出部
59 算出部
60 補正部
61 判定部
62 出力部
63 除去部
64 表示制御部
65 制御部
70、72、90 吹き出し
80 ラマンスペクトル表示画面
81 印刷ボタン
82 ファイル保存ボタン
83 OKボタン
BS 生体標本
CCD 補正基準データ
CCDS 補正基準データスペクトル
CD 基準データ
CDS 基準データスペクトル
EB 推定ベースライン
EBS 推定ベースラインスペクトル
EL 励起光
GF ガウス窓関数(窓関数)
GFD ガウス窓関数データ
LF ランチョス関数(窓関数)
LFD ランチョス関数データ
MP 測定位置
RRS 除去済みラマンスペクトル
RRSD 除去済みラマンスペクトルデータ
RS ラマンスペクトル
RSD ラマンスペクトルデータ
RSL ラマン散乱光
SC 設定条件(予め設定された条件)
ST100 ステップ(取得ステップ)
ST110 ステップ(設定ステップ)
ST120 ステップ(導出ステップ、制御ステップ)
ST130 ステップ(算出ステップ、制御ステップ)
ST140 ステップ(補正ステップ、制御ステップ)
ST150、ST180、ST190 ステップ
ST160 ステップ(設定ステップ、制御ステップ)
ST170 ステップ(出力ステップ)
TB 仮ベースライン
TBS 仮ベースラインスペクトル
TD 許容偏差

Claims (5)

  1. 表面増強ラマン散乱分光法を用いて測定されたラマンスペクトルデータであり、波数毎の光の強度を示すラマンスペクトルデータであって、400cm-1以下の前記波数に対応する前記強度のデータを含むラマンスペクトルデータを取得する取得部と、
    前記ラマンスペクトルデータに重畳したベースラインを推定するための基準データを設定する設定部であり、少なくとも、前記取得部において取得された前記ラマンスペクトルデータを最初の基準データとして設定する設定部と、
    前記基準データに対して窓関数を用いた畳み込み積分を行い、仮の前記ベースラインである仮ベースラインを導出する導出部と、
    前記基準データと前記仮ベースラインとの差分の許容偏差を算出する算出部と、
    前記基準データにおける前記許容偏差を超える部分の値を前記仮ベースラインの値に基づいて変更することで、前記基準データから補正基準データへと補正する補正部と、
    予め設定された条件を満たした前記補正基準データを、前記ラマンスペクトルデータから推定した前記ベースラインである推定ベースラインとして出力する出力部と、
    前記条件を満たしていない前記補正基準データを、前記基準データとして前記設定部に再設定させ、前記導出部による前記仮ベースラインの導出、前記算出部による前記許容偏差の算出、および前記補正部による前記基準データの補正を繰り返し行わせる制御部と、
    を備え
    前記窓関数の0でない値を有する区間である有限区間におけるデータ数は、前記ラマンスペクトルデータを測定する分光器のラマン散乱光の各検出チャンネルの総数で前記データ数を除算することで求まる比率が5%~30%の範囲となるよう設定されている、
    データ処理装置。
  2. 前記推定ベースラインを前記ラマンスペクトルデータから除去する除去部を備える請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 前記窓関数は、ランチョス関数またはガウス窓関数である請求項1または請求項に記載のデータ処理装置。
  4. 表面増強ラマン散乱分光法を用いて測定されたラマンスペクトルデータであり、波数毎の光の強度を示すラマンスペクトルデータであって、400cm-1以下の前記波数に対応する前記強度のデータを含むラマンスペクトルデータを取得する取得ステップと、
    前記ラマンスペクトルデータに重畳したベースラインを推定するための基準データを設定する設定ステップであり、少なくとも、前記取得ステップにおいて取得された前記ラマンスペクトルデータを最初の基準データとして設定する設定ステップと、
    前記基準データに対して窓関数を用いた畳み込み積分を行い、仮の前記ベースラインである仮ベースラインを導出する導出ステップと、
    前記基準データと前記仮ベースラインとの差分の許容偏差を算出する算出ステップと、
    前記基準データにおける前記許容偏差を超える部分の値を前記仮ベースラインの値に基づいて変更することで、前記基準データから補正基準データへと補正する補正ステップと、
    予め設定された条件を満たした前記補正基準データを、前記ラマンスペクトルデータから推定した前記ベースラインである推定ベースラインとして出力する出力ステップと、
    前記条件を満たしていない前記補正基準データを、前記基準データとして再設定させ、前記仮ベースラインの導出、前記許容偏差の算出、および前記基準データの補正を繰り返し行わせる制御ステップと、
    を備え
    前記窓関数の0でない値を有する区間である有限区間におけるデータ数は、前記ラマンスペクトルデータを測定する分光器のラマン散乱光の各検出チャンネルの総数で前記データ数を除算することで求まる比率が5%~30%の範囲となるよう設定されている、
    データ処理装置の作動方法。
  5. 表面増強ラマン散乱分光法を用いて測定されたラマンスペクトルデータであり、波数毎の光の強度を示すラマンスペクトルデータであって、400cm-1以下の前記波数に対応する前記強度のデータを含むラマンスペクトルデータを取得する取得部と、
    前記ラマンスペクトルデータに重畳したベースラインを推定するための基準データを設定する設定部であり、少なくとも、前記取得部において取得された前記ラマンスペクトルデータを最初の基準データとして設定する設定部と、
    前記基準データに対して窓関数を用いた畳み込み積分を行い、仮の前記ベースラインである仮ベースラインを導出する導出部と、
    前記基準データと前記仮ベースラインとの差分の許容偏差を算出する算出部と、
    前記基準データにおける前記許容偏差を超える部分の値を前記仮ベースラインの値に基づいて変更することで、前記基準データから補正基準データへと補正する補正部と、
    予め設定された条件を満たした前記補正基準データを、前記ラマンスペクトルデータから推定した前記ベースラインである推定ベースラインとして出力する出力部と、
    前記条件を満たしていない前記補正基準データを、前記基準データとして前記設定部に再設定させ、前記導出部による前記仮ベースラインの導出、前記算出部による前記許容偏差の算出、および前記補正部による前記基準データの補正を繰り返し行わせる制御部として、
    コンピュータを機能させるデータ処理装置の作動プログラムであり
    前記窓関数の0でない値を有する区間である有限区間におけるデータ数は、前記ラマンスペクトルデータを測定する分光器のラマン散乱光の各検出チャンネルの総数で前記データ数を除算することで求まる比率が5%~30%の範囲となるよう設定されている、
    データ処理装置の作動プログラム
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