JP7240801B2 - 非水電解質二次電池用正極合剤層、それを含む非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
前記集電体に積層された〔1〕乃至〔5〕の何れかに記載の非水電解質二次電池用電極合剤層と、
から成る非水電解質二次電池用電極。
本発明の非水電解質二次電池用電極合剤層(以下、単に「正極合剤層」、「負極合剤層」又は「電極合剤層」ともいう)は、電極活物質と、炭素系導電助剤とを少なくとも含み、該炭素系導電助剤の体積含有率が0.9~5.0(%)の範囲にある。本発明の電極合剤層は、正極合剤層及び負極合剤層の双方に適用可能である。
電極合剤層の膜厚の測定方法としては特に限定されないが、例えばマイクロメーターを使用して計測することができる。
本発明の電極合剤層は炭素系導電助剤を所定の体積含有率で含有している。炭素系導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラックなどの粒子状炭素、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、炭素繊維などの繊維状炭素、鱗片状炭素、グラフェン、グラファイトなどを挙げることができる。本発明の電極合剤層に含まれる炭素系導電助剤は、本発明の効果を奏すれば、特に限定されることはなく、これらの炭素系導電助剤の一種又は二種以上を含んでいれば良い。
上記の中で、繊維状炭素は取扱い性と導電性とのバランスが良好である。繊維状炭素の形状は特に限定されるものではないが、実質的に分岐を有さない直線構造であることが好ましい。分岐とは、繊維状炭素の主軸が中途で枝分かれしていることや、繊維状炭素の主軸が枝状の副軸を有することをいう。実質的に分岐を有さない直線構造とは、繊維状炭素の分岐度が0.01個/μm以下であることを意味する。なお、この繊維状炭素は、全体として繊維状の形態を有していればよく、例えば、後述のアスペクト比の好ましい範囲未満のものが接触したり結合したりして一体的に繊維形状を持っているもの(例えば、球状炭素が数珠状に連なっているもの、極めて短い少なくとも1本または複数本の繊維が融着等によりつながっているものなど)も含む。
本発明において、X線回折法で測定した結晶子長さ(La)とは、日本工業規格JIS R 7651「炭素材料の格子定数及び結晶子の大きさ測定方法」(2007)により測定される値をいう。
10nm未満であると、嵩密度が非常に小さくハンドリング性に劣る。また、電極合剤層を構成した際、電極強度が低下する傾向がある。900nm超である場合、電極合剤層内において隙間が生じ易くなる。
ここで、本発明における繊維径は、電界放射型走査電子顕微鏡によって倍率2,000倍で撮影した写真図より測定された値を意味する。
本発明の電極合剤層に用いる炭素系導電助剤として好ましく用いることができる炭素繊維の製造方法について以下に説明する。炭素繊維の製造方法は特に限定されないが、例えば次に記載する(1)~(4)の工程を経ることにより製造することができる。
(1)熱可塑性樹脂及び炭素前駆体から成る樹脂組成物を溶融状態で成形することにより、炭素前駆体を繊維化して樹脂複合繊維を得る工程、
(2)前記樹脂複合繊維を安定化し、樹脂複合安定化繊維を得る安定化工程、
(3)樹脂複合安定化繊維から前記熱可塑性樹脂を除去して安定化繊維のみを分離する熱可塑性樹脂除去工程、
(4)安定化繊維を不活性雰囲気下で加熱して炭素化乃至黒鉛化して炭素繊維を得る炭化焼成工程。
この炭素繊維の製造方法で使用する熱可塑性樹脂は、樹脂複合繊維を製造することができるとともに、熱可塑性樹脂除去工程において容易に除去される必要がある。このような熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート系ポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルカーボネート、ポリサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリケトン、ポリ乳酸が例示される。これらの中でも、ポリオレフィンが好ましく用いられる。
炭素前駆体としてはメソフェーズピッチを用いることが好ましい。以下、炭素前駆体としてメソフェーズピッチを用いる場合について説明する。メソフェーズピッチとは、溶融状態において光学的異方性相(液晶相)を形成しうるピッチである。使用するメソフェーズピッチとしては、石炭や石油の蒸留残渣を原料とするものや、ナフタレン等の芳香族炭化水素を原料とするものが挙げられる。例えば、石炭由来のメソフェーズピッチは、コールタールピッチの水素添加・熱処理を主体とする処理、水素添加・熱処理・溶剤抽出を主体とする処理等により得られる。
先ず、キノリン不溶分を除去した軟化点80℃のコールタールピッチを、Ni-Mo系触媒存在下、圧力13MPa、温度340℃で水添し、水素化コールタールピッチを得る。この水素化コールタールピッチを常圧下、480℃で熱処理した後、減圧して低沸点分を除去し、粗メソフェーズピッチを得る。この粗メソフェーズピッチを温度340℃でフィルターを用いてろ過を行って異物を取り除くことにより、精製メソフェーズピッチを得ることができる。
この炭素繊維の製造方法において用いられる、熱可塑性樹脂とメソフェーズピッチとから成る樹脂組成物(以下、メソフェーズピッチ組成物ともいう)は、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂100質量部に対して1~150質量部のメソフェーズピッチと、を含んで成ることが好ましい。メソフェーズピッチの含有量は5~100質量部であることがより好ましい。メソフェーズピッチの含有量が150質量部を超えると所望の繊維径を有する樹脂複合繊維が得られず、1質量部未満であると目的とする炭素繊維を安価に製造することができない等の問題が生じるため好ましくない。
上記のメソフェーズピッチ組成物から樹脂複合繊維を製造する方法としては、所望の炭素繊維が作製できれば限定されないが、メソフェーズピッチ組成物を紡糸口金より溶融紡糸する方法、メソフェーズピッチ組成物を矩形口金より溶融製膜する方法を例示することができる。
また、伸長によるひずみを加える方法としては、メソフェーズピッチが溶融した状態において、溶融状態のメソフェーズピッチ組成物の線速度を、口金の吐出側に向けて大きくしていく方法が挙げられる。具体的には、口金の流路内の断面積を吐出側に向けて漸減させる方法や、口金から吐出されたメソフェーズピッチ組成物を、吐出線速度よりも大きな線速度で引き取る方法などが挙げられる。
上記のようにして得られた樹脂複合繊維は、該樹脂複合繊維に含まれるメソフェーズピッチ繊維を安定化(不融化ともいう)して樹脂複合安定化繊維が作製される。安定化は、空気、酸素、オゾン、二酸化窒素、ハロゲンなどを用いるガス気流処理、酸性水溶液などを用いる溶液処理など公知の方法で行うことができるが、生産性の面からガス気流処理による不融化が好ましい。
次に、上述のようにして得られる樹脂複合安定化繊維は、その中に含まれる熱可塑性樹脂が除去されて安定化繊維が分離される。この工程では、安定化繊維の熱分解を抑制しながら、熱可塑性樹脂を分解・除去する。熱可塑性樹脂を分解・除去する方法としては、例えば、溶剤を用いて熱可塑性樹脂を除去する方法や、熱可塑性樹脂を熱分解して除去する方法が挙げられる。
上記安定化繊維を不活性雰囲気下で炭素化及び/又は黒鉛化することにより炭素繊維が得られる。その際に使用する容器としては、黒鉛製のルツボ状のものが好ましい。ここで、炭素化とは比較的低温(好ましくは1000℃程度)で加熱することをいい、黒鉛化とはさらに高温で加熱(好ましくは3000℃程度)することにより黒鉛の結晶を成長させることをいう。
上記炭素繊維の製造方法は、粉砕処理工程を有していても良い。粉砕処理は、熱可塑性樹脂除去工程、及び/又は、炭化焼成工程において実施するのが好ましい。粉砕方法としては、ジェットミル、ボールミル、ビーズミル、インペラーミル、カッターミル等の微粉砕機を適用することが好ましく、粉砕後に必要に応じて分級を行ってもよい。湿式粉砕の場合、粉砕後に分散媒体を除去するが、この際に2次凝集が顕著に生じるとその後の取り扱いが非常に困難となる。このような場合は、乾燥後、ボールミルやジェットミル等を用いて解砕操作を行うことが好ましい。
本発明の電極合剤層にはバインダーを使用してもよい。用いられるバインダーとしては、電極成形が可能であり、十分な電気化学的安定性を有しているバインダーであれば用いることが可能である。係るバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド、フェノール樹脂等よりなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、特にポリフッ化ビニリデン(PVDF)やカルボキシメチルセルロースやスチレンブタジエンゴム(SBR)が好ましい。バインダーとして用いる際の形態としては特に制限はなく、固体状であっても液体状(例えばエマルション)であってもよく、電極の製造方法(特に乾式混練か湿式混練か)、電解液への溶解性等を考慮して適宜選択することができる。
本発明の電極合剤層は、主に非水電解質二次電池、特にリチウムイオン二次電池に好ましく使用される。以下、リチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質について説明する。
次に本発明の負極合剤層に用いられる負極活物質について説明する。
本発明の負極合剤層において用いる負極活物質としては、非水電解質二次電池において、負極活物質として知られている従来公知の材料の中から、任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。リチウムイオン二次電池の場合、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料として、例えば、炭素材料や、Si及び/又はSnを含む合金や酸化物などを用いることができる。これらの中でもコストなどの観点からは炭素材料が好ましい。上記炭素材料としては、天然黒鉛、石油系又は石炭系コークスを熱処理することで製造される人造黒鉛、樹脂を炭素化したハードカーボン、メソフェーズピッチ系炭素材料などが挙げられる。
負極を構成する電極合剤層においては、負極活物質として、既述の材料を1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第2の本発明は、上記電極合剤層が形成された非水電解質二次電池用電極(以下、単に「電極」ともいう)である。この電極は、集電体の表面に本発明の電極合剤層が形成されて成る。
もう一つの方法は、上記電極活物質、上記炭素系導電助剤、好ましくはバインダー、バインダーを溶解する溶媒、及び必要に応じて他の成分を混合してスラリーを調製し、このスラリーを集電体表面に塗布して溶媒を除去した後、プレスを行う方法である。
本発明の場合、どちらの方法も採用できるが、後者の方法が好適であるので、以下後者の方法について詳述する。
集電体の厚みとしては、10~50μmが好ましい。
第3の本発明は、本発明の電極(正極又は負極の何れか若しくはその両方)を含んで構成される非水電解質二次電池である。
本発明の非水電解質二次電池は、本発明の電極を用いるとともに、セパレータ及び電解液等を用いて構成される。非水電解質二次電池としては、リチウムイオン二次電池が例示される。以下、主として本発明の非水電解質二次電池がリチウムイオン二次電池である場合について説明する。
非水電解質二次電池を構成する電解質層としては、公知の物を用いることができる。本発明の非水電解質二次電池に用いられる電解液の25℃における電気伝導度は、1×10-2S/cm以上であることが好ましい。非水電解質二次電池がリチウムイオン二次電池である場合、電解質層としては、非水溶媒にリチウム塩等の電解質が溶解した非水電解液が用いられる。
本発明のリチウムイオン二次電池に用いる電解液として、エチルメチルイミダゾリウム塩に代表されるイオン性液体も好適に用いることが可能であり、この場合は必ずしも前述の非水溶媒に溶解したうえで用いる必要はない。
上記のような非水電解液を用いる場合、負極合剤層と正極合剤層とが直接接触することを防ぐために、セパレータを用いることが一般的である。セパレータの形状としては、紙状(フィルム状)、多孔膜状等の公知の形状を好適に採用することができる。セパレータの材質としては、例えば、セルロース、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリイミド、ポリオレフィン、テフロン(登録商標)、ポリフェニレンスルファイド等からなる群より選ばれる1種類以上の材質を好適に用いることができる。これらの中でも、耐熱性と薄膜化の観点から、セルロース紙、芳香族ポリアミド又は脂肪族ポリイミド多孔膜が好ましい。セパレータの膜厚としては、短絡防止の観点から20~100μm程度であることが好ましいが、本発明では従来のセパレータに比べて十分薄い5~20μm程度のセパレータの適用も可能である。薄いセパレータを用いた方がセパレータに由来する内部抵抗が低減されるため出力が向上し、セルのエネルギー密度も向上する。
卓上電子顕微鏡(日本電子株式会社製、型式NeoScope JCM-6000)を用いて観察及び写真撮影を行った。炭素繊維等の平均繊維径は、得られた電子顕微鏡写真から無作為に300箇所を選択して繊維径を測定し、それらすべての測定結果(n=300)の平均値を平均繊維径とした。平均実効繊維長についても同様に算出した。
X線回折測定はリガク社製RINT-2100を用いてJIS R7651法に準拠し、格子面間隔(d002)、結晶子大きさ(Lc)(六角網面積層方向)及び(La)(炭素六角網面方向)を測定した。
繊維状炭素を含む電極を、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製TM-3000)を用いて観察し、電極を構成する電極合剤層中において繊維状炭素が丸まっていないことを確認した。その後、電極中の電極合剤層を溶媒に溶解し、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製VHX-200)を用いて観察及び写真撮影を行った。繊維状炭素の平均実効繊維長は、写真から無作為に20箇所を選択して実効繊維長を測定し、それらのすべての測定結果(n=20)の平均値を平均実効繊維長とした。
キノリン不溶分を除去した軟化点80℃のコールタールピッチを、Ni-Mo系触媒存在下、圧力13MPa、温度340℃で水添し、水素化コールタールピッチを得た。この水素化コールタールピッチを常圧下、480℃で熱処理した後、減圧して低沸点分を除き、メソフェーズピッチを得た。このメソフェーズピッチを、フィルターを用いて温度340℃でろ過を行い、ピッチ中の異物を取り除き、精製されたメソフェーズピッチを得た。
熱可塑性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(EVOLUE(登録商標)SP-1510、(株)プライムポリマ-製、MFR=1g/10min)84質量部及び熱可塑性炭素前駆体として製造例1で得られたメソフェーズピッチ(メソフェーズ率90.9%、軟化点303.5℃)16質量部を同方向二軸押出機(東芝機械(株)製「TEM-26SS」、バレル温度300℃、窒素気流下)で溶融混練して樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物をシリンダー式単孔紡糸機を用いて紡糸し、樹脂複合繊維(ピッチを島成分として含有する海島型複合繊維)を作製した。具体的には、この樹脂組成物を溶融紡糸機により、直径が0.2mm、導入角60°の円形口金を用いて繊維径100μmの長繊維に成形した。口金温度は340℃、吐出量は3.8g/口金/時間、せん断速度は1000s-1、吐出線速度と引取り速度との比率であるドラフト比は4であった。この条件での口金内部での伸長ひずみ速度は982s-1であり、口金外部での変形領域は口金下10mmであり、伸長ひずみ速度は9s-1であった。
次に、この樹脂複合繊維を熱風乾燥機により、酸素濃度を0.7%にした雰囲気中において340℃で3時間保持することにより、樹脂複合安定化繊維を得た。
次に、この樹脂複合安定化繊維を真空ガス置換炉中に入れ、窒素置換を行った後に1kPaまで減圧した。減圧状態下で、5℃/分の昇温速度で500℃まで昇温し、500℃で1時間保持することにより、熱可塑性樹脂を除去して安定化繊維を得た。得られた安定化繊維をエタノール/イオン交換水混合溶媒(体積比1/1)中に加え、ミキサーで10分間粉砕することにより、安定化繊維を分散させた。得られた分散液はろ過した。この安定化繊維を流量1L/minの窒素下で、室温から1000℃まで5℃/minの条件で昇温し、1000℃到達後30分間保持することで炭化を行い、さらにアルゴンガス雰囲気下、室温から3時間で3000℃まで昇温することでカーボンナノファイバーを作製した。得られたカーボンナノファイバーは乾式ジェットミルを用いて解砕処理を行った。
炭素系導電助剤としてアセチレンブラック(AB)(電気化学工業株式会社製、デンカブラック、平均粒子径35nm)を2質量部、正極活物質(LiFePO4;宝泉株式会社製、SLFP-ES01)を91質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(株式会社クレハ製、W#7200)を7質量部、溶媒としてN-メチルピロリドンを用いてスラリーを作製した。作製したスラリーを集電体(厚さ15μmのアルミニウム箔)に塗布し電極を作製した。電極を構成する電極合剤層中の炭素系導電助剤の体積含有率(25℃)は1.5%、電極合剤層の密度(25℃)は1.55g/cm3、平均実効繊維長は0.1μmであった。
電極合剤層中の炭素系導電助剤の体積含有率を0.8%、電極合剤層の密度を1.58g/cm3としたこと以外は参考例1と同様に操作を行い、電極を作製した。
炭素系導電助剤として気相成長炭素繊維(VGCF:Vapor Growth Carbon Fiber、平均繊維径150nm)を使用し、電極合剤層中の導電助剤の体積含有率を1.5%、電極合剤層の密度を1.59g/cm3としたこと以外は参考例1と同様に操作を行い、電極を作製した。この時、電極を構成する電極合剤層中の炭素系導電助剤の平均実効繊維長は8.5μmであった。
電極合剤層中の炭素系導電助剤の体積含有率を0.8%、電極合剤層の密度を1.59g/cm3としたこと以外は実施例1と同様に操作を行い、電極を作製した。
炭素系導電助剤として製造例1に記載のカーボンナノファイバー(CNF)を使用し、電極合剤層中の導電助剤の体積含有率を1.5%、電極合剤層の密度を1.46g/cm3としたこと以外は参考例1と同様に操作を行い、電極を作製した。
電極合剤層中の導電助剤の体積含有率を0.9%、電極合剤層の密度を1.37g/cm3としたこと以外は実施例2と同様に操作を行い、電極を作製した。
電極合剤層中の導電助剤の体積含有率を2.1%、電極合剤層の密度を1.31g/cm3としたこと以外は実施例2と同様に操作を行い、電極を作製した。
電極合剤層中の導電助剤の体積含有率を1.4%、電極合剤層の密度を2.06g/cm3としたこと以外は実施例2と同様に操作を行い、電極を作製した。
電極合剤層中の導電助剤の体積含有率を3.2%、電極合剤層の密度を2.03g/cm3としたこと以外は実施例2と同様に操作を行い、電極を作製した。
炭素系導電助剤として製造例1に記載のカーボンナノファイバー(CNF)を粉砕(株式会社スギノマシン社製、スターバースト)し、平均実効繊維長5.5μmの繊維状炭素(S-CNF)とした。この繊維状炭素(S-CNF)を用い、電極合剤層中の導電助剤の体積含有率を1.4%、電極合剤層の密度を1.54g/cm3としたこと以外は参考例1と同様に操作を行い、電極を作製した。
ポテンショスタット/ガルバノスタット(北斗電工株式会社製HA-151)を用いて、実施例および比較例にて作製した電極の膜厚方向の電極抵抗を測定し、その抵抗値から算出される電極電導度を表1に示す。導電助剤の体積含有率と電極合剤層密度のどちらもが適正な範囲に入っている電極の電導度が良好であるのがわかる。
Claims (7)
- 正極活物質と、炭素系導電助剤と、を少なくとも含む正極合剤層であって、
前記正極合剤層の体積を基準とする前記炭素系導電助剤の体積含有率が0.9~5.0(%)であり、且つ前記炭素系導電助剤として、平均繊維径が50nm以上900nm以下の繊維状炭素を前記正極合剤層の体積を基準として0.9(%)以上含み、
前記正極合剤層の密度が0.50(g/cm3)以上2.10(g/cm3)未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極合剤層。 - 活性炭を含まない請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極合剤層。
- 前記繊維状炭素が、平均実効繊維長が10μm以上の繊維状炭素である請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池用正極合剤層。
- 前記繊維状炭素における、X線回折法で測定した結晶子長さ(La)が、110~500nmである請求項3に記載の非水電解質二次電池用正極合剤層。
- 厚みが50~1000μmである請求項1乃至4の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用正極合剤層。
- 集電体と、
前記集電体に積層された請求項1乃至5の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用正極合剤層と、
から成る非水電解質二次電池用正極。 - 請求項6に記載の非水電解質二次電池用正極を有する非水電解質二次電池。
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