JP7239338B2 - レーザ加工ロボットおよびツール座標系設定方法 - Google Patents
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Description
また、光反射性球体およびレーザ光を用いてターゲット位置に対してプローブを位置合わせする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
ロボットのレーザ加工ヘッドに棒等の部材を取り付け、部材の先端を加工点に配置することによって、6点教示によるTCPの設定が可能となる。しかし、この場合には、レーザ加工ヘッドへの部材の取付誤差等の影響によって、加工点に正確に一致するようにTCPを設定することは難しい。
加工点の位置の設計値がTCPに設定されることもある。しかし、加工点の位置の設計値と加工点の実際の位置との間に誤差があるため、この場合にも、加工点に正確に一致するようにTCPを設定することは難しい。
レーザ加工ロボット1は、図1に示されるように、レーザ光Lの焦点FをワークW上に配置し、レーザ光LによってワークWに溶接または切断等のリモート加工を行う。レーザ加工ロボット1は、ベース2aおよび多関節のロボットアーム2bを有するロボット本体2と、ロボットアーム2bの先端に取り付けられレーザ光Lを射出するレーザ加工ヘッド3と、レーザ加工ヘッド3に設けられレーザ加工ヘッド3へ反射されたレーザ光Lを検出する検出部4と、ロボット本体2、レーザ加工ヘッド3および検出部4に接続された制御装置5と、を備える。
記憶部5bには、レーザ光LによってワークWを加工するための加工プログラムが格納されている。制御部5aは、加工プログラムに従って制御指令をロボットアーム2bの各サーボモータおよびレーザ加工ヘッド3に送信することによって、ロボットアーム2bおよびレーザ加工ヘッド3に加工プログラムに基づく動作を実行させる。
ワールド座標系Σwは、ベース2aに対して固定された座標系である。
ツール座標系Σtは、レーザ加工ヘッド3に対して固定され、レーザ光Lの射出光軸Aおよび焦点Fを基準に設定された座標系である。例えば、ツール座標系Σtは、3次元直交座標系であり、ツール座標系ΣtのZ軸がレーザ光Lの射出光軸Aに平行に設定され、ツール座標系Σtの原点が焦点Fに設定される。
ツール座標系設定作業には、図2に示されるように、半球状の反射部材10が使用される。反射部材10は、凸半球面状の反射面10aと、反射面10aの端を接続する円形の底面10bと、を有する。反射面10aは、レーザ光Lを正反射するミラーである。反射面10aは、底面10bの中心に配置された曲率中心Pと、一定の曲率とを有する。反射面10a上の任意の点において、曲率中心Pへ向かうレーザ光Lは射出光軸Aに沿って正反射される。曲率中心Pは、ツール座標系Σtを設定するための基準点として用いられる。
反射部材10がロボットアーム2bの動作範囲内の任意の位置に配置され、ワールド座標系Σwでの基準点Pの位置座標がユーザによって制御装置5に入力され、入力された位置座標がツール座標系設定プログラムで使用されるように構成されていてもよい。
図4に示されるように、Z軸設定工程において、制御部5aは、ロボットアーム2bを動作させることによって、射出光軸Aに沿って正反射された反射レーザ光L’が検出部4によって検出される位置にレーザ加工ヘッド3を位置合わせし(ステップSA1~SA4)、レーザ加工ヘッド3が位置合わせされた状態でのロボットアーム2bの先端の位置および姿勢を算出し(ステップSA5)、算出されたロボットアーム2bの先端の位置および姿勢と基準点Pの位置とに基づいてロボットアーム2bの先端に対する射出光軸Aの方向を算出し(ステップSA6)、算出された射出光軸Aの方向に基づいてZ軸を設定する(ステップSA7)。
レーザ光Lが基準点Pの方向を正確に向いているとき(すなわち、射出光軸Aの延長線上に基準点Pが位置しているとき)、レーザ光Lは、反射面10aによって射出光軸Aに沿って正反射される。制御部5aは、射出光軸Aに沿って正反射された反射レーザ光L’が検出部4によって検出された場合に(ステップSA3のYES)、次のステップSA5に進む。
次に、制御部5aは、射出光軸Aの方向と平行な方向にツール座標系ΣtのZ軸を設定する(ステップSA7)。例えば、制御部5aは、射出光軸A上にZ軸を設定する。
図5に示されるように、TCP設定工程において、制御部5aは、ロボットアーム2bを動作させることによって、検出部4によって検出される射出光軸Aに沿って正反射された反射レーザ光L’の光束径が最小となる位置にレーザ加工ヘッド3を位置合わせし(ステップSB1~SB4)、レーザ加工ヘッド3が位置合わせされた状態でのロボットアーム2bの先端の位置および姿勢を算出し(ステップSB5)、ロボットアーム2bの異なる姿勢でステップSB1~SB5を繰り返し(ステップSB6)、算出されたロボットアーム2bの先端の位置および姿勢、基準点Pの位置、および基準点Pから反射面10aまでの距離に基づいてロボットアーム2bの先端に対する焦点Fの位置を算出し(ステップSB8)、算出された焦点Fの位置に基づいてTCPを設定する(ステップSB9)。
次に、制御部5aは、レーザ加工ヘッド3からレーザ光Lを射出させる(ステップSB2)。そして、制御部5aは、射出光軸Aに沿って正反射された反射レーザ光L’が検出部4によって検出され、かつ、検出部4によって検出された反射レーザ光L’の光束径が最小であるか否かを判断する(ステップSB3)。
次に、制御部5aは、図6に示されるように、ロボットアーム2bを動作させることによって、レーザ光Lが基準点Pへ略向かい、かつ、焦点Fが反射面10aに略一致する他の位置にレーザ加工ヘッド3を位置決めする(ステップSB7)。これにより、ロボットアーム2bの姿勢が変更される。そして、制御部5aは、ステップSB2~SB5を繰り返す。
制御部5aは、ロボットアーム2bの少なくとも2つの姿勢でステップSB2~SB5を実行し(ステップSB6,SB7)、少なくとも2つの姿勢でのロボットアーム2bの先端の位置および姿勢を算出する。
次に、制御部5aは、算出された焦点Fの位置にツール座標系Σtの原点およびTCPを設定する(ステップSB9)。例えば、制御部5aは、焦点Fにツール座標系Σtの原点およびTCPを設定する。
レーザ光の焦点の位置は、レーザ光の波長に応じて射出光軸に沿う方向に変化する。したがって、加工用のレーザ光の波長とは異なる波長のレーザ光Lをツール座標系Σtの設定に使用する場合には、ステップSB8において、波長の差異を考慮して加工用のレーザ光の焦点の位置が算出される。
図7は、レーザ加工ヘッド3内の走査部7の一構成例を示している。この走査部7は、2つのガルバノミラー7a,7bを有するガルバノスキャナである。2つのガルバノミラー7a,7bの揺動軸S1,S2は、相互にねじれの位置に配置され、2つのガルバノミラー7a,7bの揺動に応じてレーザ光Lが2方向に揺動する。つまり、ガルバノミラー7a,7bの揺動角度に応じた角度だけレーザ光Lの射出光軸Aの角度が変化する。
符号7c,7dは、ガルバノミラー7a,7bを揺動軸S1,S2回りにそれぞれ揺動させるモータである。符号7eは、レーザ光Lを集光させるレンズである。
具体的には、ガルバノミラー7a,7bが基準角度(例えば、0°)に配置されている状態で、ロボットアーム2bの動作によってレーザ光Lが基準点Pへ略向かうようレーザ加工ヘッド3を位置決めされる。続いて、ガルバノミラー7a,7bの揺動によってレーザ光Lが揺動させられ、射出光軸Aに沿う反射レーザ光L’が検出部4によって検出される角度にレーザ光Lの揺動角度が調整される。
例えば、反射面10aが、半球面よりも小さい立体角を有する部分球面であり、反射部材10の外側に基準点となる曲率中心Pが存在してもよい。
あるいは、反射面10aは、基準点Pを中心とし複数の平坦面からなる多面体面であってもよい。この場合、各平坦面上の1つの特定点において、基準点Pへ向かうレーザ光Lが射出光軸Aに沿って正反射される。反射面10aは、このような特定点を有する任意の曲面であってもよい。
2b ロボットアーム
3 レーザ加工ヘッド
4 検出部
4a 検出面
5a 制御部
7 走査部、ガルバノスキャナ
10a 反射面
A 射出光軸
A’ 反射光軸
F 焦点、加工点
L レーザ光
L’ 反射レーザ光
P 基準点、曲率中心
Σt ツール座標系
Claims (6)
- ロボットアームと、
該ロボットアームの先端に取り付けられレーザ光を射出するレーザ加工ヘッドと、
該レーザ加工ヘッドに設けられ、該レーザ加工ヘッドの外部に配置された反射面から前記レーザ加工ヘッドへ、前記レーザ光の射出光軸に沿って正反射されたレーザ光を検出する検出部と、
前記ロボットアームを制御するとともに前記レーザ加工ヘッドの座標系を設定する制御部と、を備え、
前記反射面は、所定の基準点を中心とする球面または多面体面であり、前記所定の基準点へ向かう前記レーザ光を該レーザ光の射出光軸に沿って正反射し、
前記制御部は、
前記ロボットアームを動作させることによって、前記射出光軸に沿って正反射されたレーザ光が前記検出部によって検出される位置に前記レーザ加工ヘッドを位置合わせし、
該レーザ加工ヘッドが位置合わせされた状態での前記ロボットアームの先端の位置および姿勢と、前記所定の基準点の位置と、に基づいて前記射出光軸の方向を算出し、
算出された前記射出光軸の方向に基づいて前記レーザ加工ヘッドの座標系の軸を設定する、レーザ加工ロボット。 - 前記検出部は、前記射出光軸に沿って正反射されたレーザ光が入射する2次元の検出面
を有し、該検出面は、前記射出光軸に沿って正反射された前記レーザ光の光軸が前記検出面の中心に位置するように配置されている、請求項1に記載のレーザ加工ロボット。 - 前記レーザ加工ヘッドが、前記レーザ光を前記射出光軸に交差する揺動軸回りに揺動させる走査部を備える、請求項1または請求項2に記載のレーザ加工ロボット。
- 前記制御部が、
前記ロボットアームの動作による前記レーザ加工ヘッドの位置合わせの後に、前記走査部を動作させることによって、前記レーザ光の前記揺動軸回りの揺動角度を前記射出光軸に沿って正反射されたレーザ光が前記検出部によって検出される角度に調整し、
前記レーザ加工ヘッドが位置合わせされた状態での前記ロボットアームの先端の位置および姿勢と、前記所定の基準点の位置と、前記レーザ光の揺動角度と、に基づいて前記射出光軸の方向を算出する、請求項3に記載のレーザ加工ロボット。 - ロボットアームの先端に取り付けられたレーザ加工ヘッドのツール座標系を反射面を使用して設定する方法であって、前記反射面は、前記レーザ加工ヘッドの外部に配置され、所定の基準点を中心とする球面または多面体面であり、前記所定の基準点へ向かうレーザ光を該レーザ光の射出光軸に沿って正反射し、
前記ロボットアームを動作させることによって、前記反射面によって前記レーザ光が前記射出光軸に沿って正反射される位置に前記レーザ加工ヘッドを位置合わせする工程と、
前記レーザ加工ヘッドが位置合わせされた状態での前記ロボットアームの先端の位置および姿勢と、前記所定の基準点の位置と、に基づいて前記射出光軸の方向を算出する工程と、
算出された前記射出光軸の方向に基づいて前記レーザ加工ヘッドの座標系の軸を設定する工程と、を含む、ツール座標系設定方法。 - 前記反射面が、一定の曲率を有し前記所定の基準点を曲率中心とする凸球面である、請求項5に記載のツール座標系設定方法。
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