JP7238958B2 - 複合伸縮部材並びにその製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紙おむつのギャザーに適用可能な複合伸縮部材並びにその製造装置及び製造方法に関する。
従来、胴回り部分や股下部分が複合伸縮部材で構成された吸収性物品が知られている。
複合伸縮部材を製造するための装置として、ホットメルト材が塗布されたシートの表面に弾性部材が伸長した状態で配置された後、弾性部材を覆う状態で別のシートが配置される手法が提案されている。これにより、シート間に弾性部材が配置された状態で、2枚のシートと弾性部材との各相互間が接合されて複合伸縮部材が製造される(特許文献1参照)。
国際公開2014/010340号
本発明は、新規な複合伸縮部材を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の複合伸縮部材は、2枚のシート材と、前記シート材の相互間に配置された弾性部材とを溶着する複合伸縮部材であって、前記シート材と前記弾性部材とを溶着せず、前記弾性部材の伸縮方向に関する寸法が閾値を超えて設定された非溶着領域を有し、前記非溶着領域では、前記シート材と前記弾性部材とが重合する箇所から外れた位置で、前記シート材どうしが溶着されていることを特徴としている。
(2)上記の目的を達成するために、本発明の複合伸縮部材の製造装置は、2枚のシート材と、前記シート材の相互間に配置された弾性部材とを、前記シート材の長尺方向に搬送しながら溶着して、複合伸縮部材を製造する、複合伸縮部材の製造装置であって、前記2枚のシート材の相互間に前記弾性部材を挟み込んだ状態で、前記弾性部材と前記シート材とを搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラの外周面との間で、前記弾性部材が挟み込まれた前記2枚のシート材を挟圧し、前記弾性部材及び前記シート材を溶融させるためのエネルギを付与する付与装置とを備え、前記搬送ローラの前記外周面には、前記付与装置に向かって突出する凸部が設けられており、前記凸部として、前記弾性部材を前記2枚のシート材にそれぞれ溶着する第一凸部と、前記シート材と前記弾性部材とが重合する箇所から外れた位置で前記シート材どうしを溶着する第二凸部とを備え、前記第二凸部は、前記第一凸部が形成されず前記周方向に関する寸法が閾値を超えた所定範囲に形成されたことを特徴としている。
(3)前記付与装置は、前記エネルギとして振動エネルギを付与することが好ましい。
(4)上記の目的を達成するために、本発明の複合伸縮部材の製造方法は、2枚のシート材と、前記シート材の相互間に配置された弾性部材とを溶着する複合伸縮部材の製造方法であって、前記シート材と前記弾性部材とを溶着しない非溶着領域の前記伸縮方向に関する寸法が、閾値を超える場合には、前記非溶着領域において、前記シート材と前記弾性
部材とが重合する箇所から外れた位置で前記シート材どうしを溶着することを特徴としている。
(5)前記シート材と前記弾性部材との溶着、及び、前記シート材どうしの溶着を、それぞれ超音波振動を付与することにより行うことが好ましい。
本発明によれば、複合伸縮部材を、ホットメルト材を使用せずに製造することができるので、新規な複合伸縮部材を製造することができる。
紙おむつの全体構成を説明するための展開図である。 図1のA-A矢視断面図である。なお、図2では、各構成を把握しやすくするため、各シート類の厚みを誇張して示す。 ギャザーの構成を説明するための模式図であり、図1のB方向から視た要部拡大図である。 ギャザーの製造装置の全体構成を示す模式図である。 ギャザーの構成を示す模式的な展開図である。 アンビルローラの凸条の構成を説明するためのアンビルローラ周面の模式的な要部展開図である。
以下、本件を実施するための形態を説明する。下記の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
以下の実施形態では、複合伸縮部材を紙おむつ(吸収性物品)に使用した例を説明する。
各実施形態では、紙おむつについて、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向Lとする。これらの前身頃と後身頃との間(長手方向の中央)には、着用者の股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が位置する。
また、紙おむつが着用者に装着された状態(以下「装着状態」と略称する)において、着用者の肌に向かう側(内側)を肌面側とし、肌面側の反対側(外側)を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向Tとし、長手方向Lと厚み方向Tの何れにも直交する方向を幅方向Wとする。そのほか、厚み方向Tから視ることを平面視とする。
また、紙おむつを構成する物品についても、長手方向L,厚み方向Tおよび幅方向Wはこれに倣うものとする。
また、製造装置については、シート材や糸ゴムの搬送方向が紙おむつの幅方向Wに対応し、搬送方向に直交する幅方向が紙おむつの長手方向Lに対応する。
[1.全体構成]
紙おむつおよびギャザーの製造装置の全体構成について説明する。
[1-1.紙おむつの全体構成]
まず、図1を参照して、紙おむつ1の基本的な構成を説明する。
ここでは、幅方向Wの中心線CLを基準として対称に紙おむつ1が形成されている。この紙おむつ1は、長手方向Lに沿って前身頃1A、股下部1Bおよび後身頃1Cの三つの領域に大別される。
〈シート類〉
はじめに、紙おむつ1のシート類について述べる。
図1に示すように、紙おむつ1には、前身頃1A、股下部1Bおよび後身頃1Cに亘って長手方向Lに延びる吸収体10(太破線で示す)が内蔵されている。ここでは、展開状態の正面視において、前身頃1Aおよび後身頃1Cよりも股下部1Bのほうが幅方向W寸法の小さい砂時計形状の吸収体10を例示する。
吸収体10は、着用者から***される尿や経血といった液体の水分を吸収して保持する吸水性を備える。着用者への紙おむつ1のフィット性や吸水性や通気性を高めるために、吸収体10の肌面側(吸収面側)及び後述のセンターシート11には、互いに交差する圧搾溝10a,10bが線状に延設される。
上記した吸収体10に対して肌面側および非肌面側には、図2に示すように、以下に述べる種々のシート11,12,13,14が設けられている。
吸収体10に対して、肌面側にはセンターシート11が積層され、非肌面側にはバックシート12が積層されている。これらのシート11,12の幅方向W側方にはサイドシート13が配置されている。
カバーシート14は、上記した吸収体10およびシート11,12,13を非肌面側から被覆する。図1に示すように、前身頃1Aにおけるカバーシート14と後身頃1Cにおけるカバーシート14とは、それぞれの幅方向端縁部14aどうしが互いに貼り付けられるこのようにして、前身頃1Aおよび後身頃1Cの各カバーシート14が接合され、パンツ型の紙おむつ1が形成される。
〈ギャザー〉
つぎに、図1~図3を参照して、紙おむつ1のギャザー15について述べる。
ギャザー15は伸縮性を備えた複合伸縮部材として構成される。
ギャザー15として、ギャザー16,17,18を例示する。一つは、サイドシート13の肌面側端縁部に設けられた立体ギャザー16である、もう一つは、前身頃1Aと後身頃1Cとに設けられたタミーギャザー17である、更にもう一つは、サイドシート13の非肌面側において幅方向Wの端縁部に設けられたセカンド立体ギャザー18(図1では図示省略)である。
タミーギャザー17を例に取り説明すると、タミーギャザー17は、伸縮性を備えた糸ゴム20(弾性部材)を伸長状態で2枚のシート材15a,15bの相互間に挟んで構成される。糸ゴム20は、幅方向Wに延在し長手方向Lに沿って複数配設される。両シート材15a,15b及び糸ゴム20は、全体的に長手方向Lに延在し幅方向Wに沿って複数設けられた線状の溶着部(以下「溶着線」ともいう)30(図1および図2では省略)にて各相互間を溶着され、円形のドット状の溶着部31Cによりシート材15a,15bどうしが溶着される。糸ゴム20に引張り力が加わらない自然状態(すなわち製造時には伸長状態であった糸ゴム20が収縮した状態)においては、糸ゴム20上にて隣り合う溶着部30の相互間において、シート材15a,15bが皺寄せられることにより凸状の襞40が形成される。
また、糸ゴム20の外周部には、糸ゴム20の本体(芯部)よりも融点の低いステアリン酸マグネシウムからなる被覆層が設けられている。
立体ギャザー16は、***箇所の周縁で着用者に対する追従性を高めることにより、***物の幅方向W側方への漏れを防ぐために設けられる。タミーギャザー17は、着用者の
臀部や下腹部に対する追従性を高めるために設けられる。セカンド立体ギャザー18は、股下部1Bで追従性を高めるために設けられる。
[1-2.製造装置の全体構成]
図4を参照して、ギャザー15の製造装置100(複合伸縮部材の製造装置)について、製造対象をタミーギャザー17とする製造装置100を例に取り説明する。
製造装置100は、シート材15a,15bの間に糸ゴム20挟み込んだ状態で、糸ゴム20とシート材15a,15b、および、シート材15a,15bどうしを超音波溶着させて接合する接合装置200を有する。接合装置200は、アンビルローラ210(搬送ローラ)と、ホーン220(付与装置)とを有する。なお、図4では便宜上糸ゴム20を破線で示している。
アンビルローラ210は、図4の紙面と直交する方向に延びる軸回りに回転する回転部材である。以下、この図4の紙面と直交する方向を前後方向という。アンビルローラ210は、回転することで、その外周面上において、シート材15a,15bの間に糸ゴム20を挟み込んだ状態で搬送する。図4に示す例では、アンビルローラ210は図4において時計回りに回転する。以下、糸ゴム20を挟み込んだ状態であって接合装置200による超音波溶着(接合)前のシート材15a,15bを「溶着前シート材15a,15b」という場合がある。アンビルローラ210の外周面には、径方向外側に突出する線状の凸部(以下「凸条」ともいう。図4では省略)及び円形のドット状の凸部が形成されている。
ホーン220は、アンビルローラ210によって搬送されている溶着前シート材15a,15bをアンビルローラ210の前記凸部との間で挟圧(挟み込みながら加圧)しながら溶着前シート材15a,15bに、溶着前シート材15a,15bや糸ゴム20を溶融させるための超音波振動(エネルギ)を付与する装置である。ホーン220は、アンビルローラ210の外周面と対向して配置されている。図4の例では、アンビルローラ210の外周面の左側の部分と対向して配置されている。ホーン220の先端には、アンビルローラ210の外周面に向かって付与される超音波振動用のエネルギを出力する出力部221が設けられている。
ホーン220は、出力部221を溶着前シート材15a,15bに押し付けてアンビルローラ210との間で溶着前シート材15a,15bを挟圧しながら溶着前シート材15a,15bに超音波振動を付与する。これにより、シート材15a,15bはそれぞれ溶融し、互いに溶着される。また、糸ゴム20の外周も溶融して、糸ゴム20とシート材15a,15bとが互いに溶着される。あるいは、糸ゴム20が溶融して切断(溶断)されると共に、シート材15a,15bとが互いに溶着される。具体的には、出力部221は、アンビルローラ210の外周面の凸部との間で溶着前シート材15a,15bを挟圧し、溶着前シート材15a,15bのうちこの凸部上に配置された部分においてシート材15a,15bどうし又は糸ゴム20とシート材15a,15bとをドット状又は線状に溶着する。換言すれば、シート材15a,15bや糸ゴム20を溶着するドット状の溶着部又は線状の溶着部(溶着線)が凸部の形状に対応(一致)して形成される。
上述したように糸ゴム20の外周部には、糸ゴム20の本体よりも融点の低い被覆層が設けられているため、糸ゴム20とシート材15a,15bとの溶着時において、糸ゴム20の本体が溶融することなく被覆層(外周)が溶融してこの被覆層とシート材15a,15bとが溶着される。
ホーン220の出力部221は、前後方向に延びており、ホーン220は、アンビルローラ210の外周面に対してアンビルローラ210の回転軸方向全体に超音波振動を付与
する。アンビルローラ210によって溶着前シート材15a,15bが搬送されている間、ホーン220は常に超音波振動を付与している。従って、アンビルローラ210によって溶着前シート材15a,15bが搬送されることに伴い、溶着前シート材15a,15bは連続して溶着される。
糸ゴム20は、前後方向に平行な状態でアンビルローラ210の外周面に導入され、アンビルローラ210の外周面上において、先にアンビルローラ210の外周面に導入されたシート材15b上にその幅方向に並んで配置される。また、糸ゴム20は、アンビルローラ210の周方向に伸長された状態(伸長状態)でアンビルローラ210に導入される。本実施形態では、糸ゴム20は、自然状態の300%に伸長した伸長状態(自然状態を100%とする)でアンビルローラ210に導入される。アンビルローラ210に導入される糸ゴム20の伸張状態は、自然状態の300%に限定されず、例えば自然状態の150%~400%の範囲内で、適宜設定することができる。
[2.要部構成]
[2-1.ギャザーの要部構成]
本実施形態のギャザー15について、タミーギャザー17を例に取り図5を参照して説明する。
タミーギャザー17は、上述したように、シート材15a,15bに糸ゴム20を挟んだ状態において、これらシート材15a,15b及び糸ゴム20が、糸ゴム20を横切るように形成された溶着部30により相互に溶着(接合)されて構成される。溶着部30は、シート材15a,15bが溶融されるので、その他の溶融していない箇所とは異なる外観や肌触りをした箇所として、シート材15a,15bの表面(互いには反対側を向く面)に現れ、視覚や触覚により認識することができる。
溶着部30として、本実施形態では線状の溶着部31A,31B(以下「溶着線31A」,「溶着線31B」ともいう)及び円形のドット状の溶着部31Cが設けられている。
溶着線31A,31Bでは、糸ゴム20とシート材15a,15bとが溶着される。溶着線31A,31Bは、糸ゴム20の並び方向(図5に示す例では長手方向Lに沿って配向される。そこで以下「並び方向L」ともいう)に沿った中心線CL1に対して互いに線対称であり、糸ゴム20の伸縮方向(図5に示す例では幅方向Wと等しい。そこで以下「伸縮方向W」ともいう)に交互に配置されている。
溶着線31A,31Bは、並び方向Lに対して、同じ角度で互いに正反対に傾斜した溶着部が交互に連設されて形成される。すなわち、並び方向Lに対する傾斜を繰り返し反転させながら、ジグザグ状(三角波状)に並び方向Lに延在するように形成されている。
溶着線31A,31Bを一組のパターンとし、後述の領域S0を除き、このパターンが伸縮方向Wに沿って繰り返し形成されている。
このタミーギャザー17では、その幅方向Wの中央に、シート材15a,15bと糸ゴム20とを溶着する溶着線31A,31Bの形成されない領域Sa(非溶着領域)が設けられている。この領域Saは、タミーギャザー17が紙おむつ1を構成した状態で吸収体10(図1参照)と平面視において重なる領域S0(以下「吸収体配置領域」という)を包囲するように設定されており、タミーギャザー17の長手方向L全体に亘って設けられている。
すなわち、吸収体配置領域S0では、糸ゴム20がシート材15a,15bに溶着されていない。これは、糸ゴム20の溶着した箇所は、溶着後に固化すると、溶着前に較べて密度が高くなり硬さが増すため、吸収体配置領域S0において糸ゴム20をシート材15a,15bに溶着する溶着線31A,31Bを設けると、吸収体配置領域S0の柔軟性が
低下して、着用者への吸収体10のフィット性の低下が予想されるためである。
ここで、後述する製造上の理由から、領域Sa内には、溶着線31A,31Bを設けない替りに、ドット状の溶着部31Cが所定の配置で設けられている。
具体的には、ドット状の溶着部31Cは、伸縮方向W及び並び方向Lの各方向に沿って複数設けられる。また、溶着線31A,31Bは、図5において、右から左に向かって順次形成されるが、溶着部31Cは、領域Saの直ぐ右側の溶着線31A(以降、特にこの溶着線を指す場合は「溶着線31A」と表記する)からの伸縮方向Wに関する最短距離Lが閾値L以下となるようにとなるように配置され(L≦L)、さらに、本実施形態では、領域Saの直ぐ左側の溶着線31B(以降、特にこの溶着線を指す場合は「溶着線31B」と表記する)からの伸縮方向Wに関する最短距離や、伸縮方向Wに関する相互間距離が、それぞれ、閾値L以下となるように、溶着部31Cの配置が設定されている。
また、溶着線31A,31Bは、糸ゴム20とシート材15a,15bとを溶着するのに対し、溶着部31Cは、糸ゴム20とシート材15a,15bとが重なる箇所を外して設けられ、シート材15a,15bどうしを溶着する。シート材15a,15bどうしを溶着する場合、シート材15a,15bは、糸ゴム20と同様に、溶着(溶融)前に較べて溶着・固化後は硬さが増すものの、溶着・固化後の糸ゴム20に較べると柔軟性は高い。
したがって、上記のように構成することで、吸収体配置領域S0の柔軟性の低下が抑制され、着用者へのフィット性が高められる。
[2-2.製造装置の要部構成(アンビルローラの凸条のパターン)]
アンビルローラ210の凸部について説明する。
タミーギャザー17の溶着部31A,31B,31Cは、アンビルローラ210の凸部が転写されたパターンに対応し、タミーギャザー17の糸ゴム20のピッチは、アンビルローラ210の外周面に供給される糸ゴム20のピッチに対応する。
したがって、図5において、長手方向Lをアンビルローラ210の軸方向A、幅方向Wをアンビルローラ210の周方向Cと言い換えることができ、図5及び図6において、糸ゴム20のピッチは、アンビルローラ210に供給される糸ゴム20のピッチを示し、溶着部31A,31B,31Cの形状・配置は、アンビルローラ210の凸部の形状・配置を示し、溶着部31A,31B,31Cと糸ゴム20との各位置関係は、アンビルローラ210の凸部211A,211B,211Cと糸ゴム20との位置関係を示す。
図6を参照して、アンビルローラ210の凸部211A,211B,211Cについてさらに説明する。
図6はアンビルローラ210の周面の要部展開図であり、説明の便宜上、シート材15a,15bは省略する。また、図6において、複数ある凸部211A,211B,211Cを区別するために符号211A,211B,211Cの末尾に下付きの数字を付す。特に区別しない場合は、単に凸条211A,凸条211B,211Cのように末尾に下付きの数字を付さずに表記する。なお、凸部211Cについては図中最上段のものについてのみ符号を付す。
凸条211A(第一凸部)は溶着線31Aを形成するものであり、溶着線31Aと同じくジグザグ状に軸方向Aに延在する。凸条211B(第一凸部)は溶着線31Bを形成するものであり、溶着線31Bと同じくジグザグ状に軸方向Aに延在する。凸部211C(第二凸部)は溶着部31Cを形成するものであり、溶着部31Cと同じく円形のドット状である。
領域Sは、図5の領域Sa(すなわちタミーギャザー17において溶着線31A,31Bの設けられない領域)に対応する領域である。図6では、領域Sの横幅(周方向Cの長さ)を便宜的に短く示している。
凸条211A,211Bは、領域Sの周方向Cで両外側に配置される。具体的には、領域Sよりも、アンビルローラ210の回転方向D(以下「ローラ回転方向D」という)で上流側及び下流側のそれぞれに、凸条211Aと凸条211Bとからなるパターンが周方向Cに繰り返し形成される。
一方、凸部211Cは、領域S内において、軸方向A及び周方向Cの各方向に沿って複数配置されている。
シート材15a,15b及び糸ゴム20は、アンビルローラ210の回転により搬送され、ローラ回転方向Dと同方向に、すなわち図6において左から右に向かって搬送される。この結果、右側の凸部211A,211B,211Cからシート材15a,15bや糸ゴム20を溶着する。すなわち、凸条211B,211A,211B,211A,211C~211C,211B,211A,211B,211Aがこの順にシート材15a,15b及び糸ゴム20をホーン220(図4参照)に押圧してシート材15a,15b及び糸ゴム20が溶着される。
溶着部30が形成されてから次の溶着部30が形成されるまでの周方向Cに関する距離が閾値L(例えば6mm)を越えると、ソニック(超音波)が不安定になる。吸収体10の幅寸法は閾値Lよりも長くなるため、吸収体配置領域S0に略一致する領域Sに凸部211Cを設けない場合には、凸条211Aにより溶着線31Aが形成されてから、次の溶着部30である領域Sの左側の溶着線31Bが形成されるまでの距離Lcが閾値Lを越えることになるため、ソニック(超音波)が不安定になる。
そこで、領域S内においては、凸条211A,211Bに替えて凸部211Cが設けられている。つまり、凸部211Cは、凸条211Aからの伸縮方向Wに関する最短距離Lが閾値L以下となるように配置され(L≦L)、さらに、本実施形態では、凸条211Bからの伸縮方向Wに関する最短距離や、相互間距離が、それぞれ、閾値L以下となるように、凸部211Cの配置が設定されている。この凸部211Cの配置に伴い、上述したように同様に溶着部31Cが配置されている。
凸部211C(ひいては溶着部31C)は、糸ゴム20とシート材15a,15bとが重なる箇所を外して設けられ、シート材15a,15bどうしを溶着する。溶着は、本来、糸ゴム20とシート材15a,15bとの接合するためにおこなわれるものであり、糸ゴム20とシート材15a,15bとが重なる箇所を外した溶着を以下「捨て打ち」ともいう。
このように領域S内において捨て打ちを行うことで、製造時のソニックの安定性が保持される。
ここで、ソニックの安定性とは、ホーン220から、糸ゴム20やシート材15a,15に入力される超音波振動のエネルギ量(以下「以下入力エネルギ量」という)の時間に対する変動が許容範囲内であることをいう。次の溶着点までの伸縮方向Wに関する距離が長いと入力エネルギ量が比較的長い時間零(ゼロ)になり変動が大きくなる。入力エネルギ量の変動が大きくなって、ゴム20やシート材15a,15へのエネルギ量の入力が間欠的になると、糸ゴム20やシート材15a,15の溶着にむらが生じ、糸ゴム20とシート材15a,15との溶着が不安定になってしまう。
そこで、領域S内にドット状の凸部211Cを設けて捨て打ちをすることで超音波振動のエネルギ量の変動を抑制するようにしている。
超音波振動のエネルギ量は、凸部211A,211B,211Cのホーン220との対向面の面積(換言すればギャザー17における溶着部31A,31B,31Cの面積)に大きく左右される。
したがって、所定の面積となる軸方向Aに長い基準範囲A0を設定し、図6の展開図における「基準面積A0内における凸条211Aの面積」に対する「基準面積A0内における凸部211Cの面積」の比率Rにより超音波振動のエネルギ量、ひいては凸条211Aと凸部211Cとの間の超音波振動のエネルギ量の変動を推定できる。なお、「基準面積A0内における凸条211Aの面積」及び「基準面積A0内における凸部211Cの面積」は、ホーン220に対向する面の内、図6に斜線を引いて示す箇所の面積である。
比率Rの最低値は例えば10~25%程度である。
[2-3.効果]
(1)本発明によれば、ギャザー15を、ホットメルト材を使用せずに製造することができるので、新規なギャザー15を製造することができる。
(2)伸縮方向Wに関する寸法が閾値Lを超えて設定され、シート材15aと糸ゴム20とを溶着しない所定領域Saでは、シート材15aと糸ゴム20とを溶着する替りに、捨て打ちを行うので溶着を安定して行える。所定領域Sが、吸収体配置領域S0をおおう場合には、吸収体配置領域S0の柔軟性が低下を抑制でき、吸収体10の着用者へのフィット性を良好に保持できる。
(3)ギャザー15において、糸ゴム20がシート材15a,15bに溶着される溶着線31A,31Bと、糸ゴム20が溶着されていない領域Saの溶着部31Cとの形状が異なるので、溶着部31Cを視認できるかできないかで、糸ゴム20が溶着されていない領域Saが正常に形成されているか否かを容易に識別できる。すなわち、ギャザー15の品質を容易に検査できる。
[3.その他]
(1)前記実施形態では、アンビルローラ210の凸条211A,211Bが軸方向Aに沿ってジグザグ状の延在し、これに応じてギャザー15の溶着線31A,31Bが長手方向Lに沿ってジグザグ状の延在する例を説明したが、凸条や溶着線の形状はこれに限定されない。たとえば、凸条211A,211Bが軸方向Aに沿って真っ直ぐ延在し、溶着線31A,31Bが長手方向Lに沿って真っ直ぐ延在していてもよい。また、凸部211C及び溶着部31Cを、矩形のドット状としてもよいし、凸条211A,211Bのように直線やジグザグ状としてもよい。
溶着部31Cは図5に示すように幅方向Wに延在する破線状に配置してもよい(幅方向Wに間隔をあけて複数並べてもよい)が、領域Saにおいて例えば幅方向Wに直線状としてもよい(連続した溶着部としてもよい)。すなわち、領域Saにおいては糸ゴム20とシート材15a,15bとを接着しない位置に溶着部31Cを設ければよく、溶着部31Cの形状を直線状/規則的な破線/不規則な破線などいずれにしてもよい。
(2)また、領域Sa(糸ゴム20とシート材15a,15bとの非接着領域)の幅方向W両側(すなわち製造工程におけるシート材15a等の搬送方向前後)においては、領域Saに伸縮性を持たせないために、当該領域Saの幅方向W両側で糸ゴム20を切断してもよい。この場合、溶着線31A,31Bによって糸ゴム20をシート材15a,15bと接着したギャザー15(複合伸縮部材)において、領域Sa内のいずれかの箇所で糸ゴム20を切断すればよい。
糸ゴム20の切断は、領域Saに最も近い溶着線31A,31Bに対し、他の溶着線31A,31Bよりも大きなエネルギを付与することで糸ゴム20を切断するようにしたり、アンビルローラ210とホーン220との間隔を変えたり、ゴム20を切断するための凸条211A,211Bを、溶着線形成用の通常の凸条とは異なるものを使用して、糸ゴム20に力が加わりやすくして糸ゴム20を切断するなどしたりして、シート材15a,15bと糸ゴム20とを溶着する際にあわせて領域Saを糸ゴム20の伸縮力が作用しない非伸縮領域として形成するようにしてもよい。
(3)上記の各実施形態では、本発明の複合伸縮部材およびその製造装置をタミーギャザー17およびその製造に適用したが、立体ギャザー16またはセカンド立体ギャザー18にも適用でき、ギャザー以外の伸縮を必要とする箇所に適用できる。
(4)上述した伸縮性部材は、例示したパンツ型の紙おむつのほか、テープ型の紙おむつ,尿パット,生理用ナプキン、パンティーライナーといった種々の吸収性物品に設けられるギャザーに適用可能である。
伸縮性部材に用いられる糸ゴム20に替えてまたは加えて、伸縮性のフィルム(弾性部材)を用いてもよい。この場合には、上述した糸ゴム20と同様に、フィルムの外周部に低融点の被覆層が設けられる。
1 紙おむつ
15 ギャザー(複合伸縮部材)
15a,15b シート材
16 立体ギャザー(複合伸縮部材)
17 タミーギャザー(複合伸縮部材)
18 セカンド立体ギャザー(複合伸縮部材)
20 糸ゴム(弾性部材)
30,31A,31C 溶着部
40 襞
210 アンビルローラ(搬送ローラ)
220 ホーン(付与装置)
211A,211B 凸条(第一凸部)
211C 凸部(第二凸部)
213,215 凹部
L 長手方向(糸ゴム20の並び方向)
閾値
W 幅方向(糸ゴム20の伸縮方向)
S アンビルローラ210の凸条が形成されない領域
Sa タミーギャザー17において溶着部30の形成されていない領域(非溶着領域)

Claims (1)

  1. 2枚のシート材と、前記2枚のシート材の相互間に配置されており伸縮方向に沿って延在するとともに平面視で前記伸縮方向に対して直交する並び方向に沿って並設された複数の弾性部材と、を有し、前記2枚のシート材と前記弾性部材とを超音波振動により溶融させて溶着する複合伸縮部材の製造方法であって、
    前記超音波振動の入力エネルギ量の時間変動に起因した閾値を予め決定し、
    前記閾値以下の寸法で前記伸縮方向に相互間距離をあけた複数の位置で前記2枚のシート材と前記弾性部材とを超音波振動により溶融させて溶着することにより、前記2枚のシート材と前記弾性部材とを溶着する溶着領域を前記複合伸縮部材に前記伸縮方向に前記閾値以上離間して2つ形成するとともに、
    前記2つの溶着領域間において、前記2枚のシート材と前記弾性部材とが重合する箇所から外れており、かつ、前記閾値以下の寸法で前記伸縮方向に相互間距離をけた複数の位置で間欠的に前記2枚のシート材どうしを超音波振動により溶融させて溶着することにより、前記2枚のシート材と前記弾性部材とを溶着せずに前記2枚のシート材どうしを溶着した非溶着領域を前記複合伸縮部材に前記形成する
    ことを特徴とする、複合伸縮部材の製造方法
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