JP7236707B2 - リピート不安定性と関連する疾患を治療する方法 - Google Patents
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Description
本件開示は一般にリピート伸長に関連する疾患を治療する方法に関する。
遺伝子特異的CAG/CTGトリヌクレオチド(trinucleotide)リピート伸長は、ハンチントン病(HD)及び筋緊張性ジストロフィー(DM1)を含む、不安定なリピートによって引き起こされる40を超える神経変性疾患のうち少なくとも16についての原因である。罹患組織における進行中のリピート伸長は、発症年齢、重症度及び進行と相関する。劇的なリピート伸長の変異が同じ個体の組織の間で存在し、5000リピートを超える違いを伴い、最も大きな伸長は心臓、大脳皮質及び線条体に認められる。個体の臨床的に罹患組織中におけるかなり大きな伸長は、疾患の発症、重症度及び進行とともに、進行性の体細胞伸長と更に相関する。最近の研究は、16のCAG疾患のうち少なくとも6つ(HD、SCA1、SCA2、SCA3、SCA7及びSCA17)について、DNA修復タンパク質が発症年齢の主な調整役であることを明らかにし(Genetic Modifiers of Huntington’s Disease (GeM-HD) Consortium, 2015, Cell, 162:516-526; Bettencourt 他, 2016, Annals Neurol., in press)、進行性体細胞伸長と発症年齢の間の相関関係を更にサポートした。この関係は、他のリピート不安定性と関連する疾患同様、それぞれ体細胞伸長を示す全ての16CAG疾患について該当しそうである。
従って、体細胞リピート伸長を阻む又は元に戻す方法は、疾患の進行を阻み又は元に戻すために用い得るものであり、治療環境において極めて有益であろう。
本件開示は、リピートDNA不安定性によって引き起こされる疾患を治療するための方法を提供する。本件開示はまた、リピートDNAの更なる伸長を阻害し、場合によっては伸長したリピートDNAのサイズを低減(例えば、リピート数を低減)する方法を提供する。
1つの態様において、細胞中のリピートDNA配列の伸長を阻害する方法が提供される。そのような方法は、典型的には、細胞をナフチリジン-アザキノロン(NA)に接触させることを含む。
いくつかの実施形態において、前記接触はインビボで行われる。いくつかの実施形態において、接触工程は、複数回行われる。いくつかの実施形態において、前記方法は更に、接触工程の前に、リピートDNA配列の中におけるリピート数を決定することを含む。いくつかの実施形態において、前記方法は更に、接触工程の後に、リピートDNA配列の中におけるリピート数を決定することを含む。
いくつかの実施形態において、細胞は、リピートDNA配列の中のリピート数に応じた量のNAと接触させられる。いくつかの実施形態において、NAは修飾されたNAである。
いくつかの実施形態において、NAは罹患組織に直接投与される。いくつかの実施形態において、NAは全身に投与される。いくつかの実施形態において、投与は注射を通じて行われる。
いくつかの実施形態において、NAは複数回投与される。いくつかの実施形態において、複数用量のNAが投与される。いくつかの実施形態において、前記方法は更に、複数回投与する工程を繰り返すことを含む。
いくつかの実施形態において、治療量のNAはリピート数に基づく。いくつかの実施形態において、治療量のNAは約0.01μMから約1Mである。
いくつかの実施形態において、前記方法は更に、リピートDNA配列を有する個体を識別することを含む。いくつかの実施形態において、前記方法は更に、個体からの1以上の細胞中のリピート数を決定することを含む。いくつかの実施形態において、前記方法は更に個体からの1以上の細胞におけるリピート数をモニタリングすることを含む。
いくつかの実施形態において、NAはそのインビボ安定性を増進するように修飾される。いくつかの実施形態において、NAはリポソーム又は頭蓋内ポンプを通じて送達される。
いくつかの実施形態において、そのような方法は更にリピートDNA不安定性によって引き起こされる疾患を有する個体を識別することを含む。リピートDNA配列の伸長により引き起こされる代表的な疾患としては、ハンチントン病(HD)、ハンチントン類縁疾患2型(HDL2)、筋緊張性ジストロフィー(DM1)、脊髄小脳失調症1型(SCA1)、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、SCA17、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、フック角膜内皮ジストロフィー2(FECD2)、統合失調症、双極性障害(KCNN3)及び乳がんリスク因子AlB1が挙げられるがこれらに限られるものではない。
いくつかの実施形態において、NAはリピートDNA配列の伸長の前に投与される。いくつかの実施形態において、投与工程はリピートDNA配列の伸長の前に起こる。いくつかの実施形態において、NAは、誕生前に(子宮内で)個体に投与される。いくつかの実施形態において、NAは、リピートDNA配列の伸長に続いて個体に投与される。
ある態様において、伸長したリピートDNA配列によって引き起こされる疾患を有する個体を治療する方法が提供される。そのような方法は、典型的には、少なくとも1用量の治療量のナフチリジン-アザキノロン(NA)を該個体に投与することを含む。
また別の態様において、個体中のリピートDNA配列の伸長を阻害する方法が提供される。そのような方法は、典型的には、少なくとも1用量の治療量のナフチリジン-アザキノロン(NA)を個体に投与することを含む。
いくつかの実施形態において、前記投与は罹患組織に行われる。いくつかの実施形態において、前記投与は注射を通じて行われる。いくつかの実施形態において、前記投与は全身に行われる。
いくつかの実施形態において、治療量のNAの用量は1回よりも多く投与される。いくつかの実施形態において、治療量のNAの用量は、リピート数に基づいて用量依存的な方法で投与される。いくつかの実施形態において、治療量のNAの用量は約0.01μMから約1Mである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の任意の方法は、投与工程を更に複数回繰り返すことを含む。
いくつかの実施形態において、NAはそのインビボ安定性を増進するため修飾される。いくつかの実施形態において、NAはリポソーム又は頭蓋内ポンプを通じて送達される。
いくつかの実施形態において、トリヌクレオチドリピートDNA不安定性によって引き起こされる疾患は、ハンチントン病(HD)、ハンチントン類縁疾患2型(HDL2)、筋緊張性ジストロフィー(DM1)、脊髄小脳失調症1型(SCA1)、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、SCA17、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、フック角膜内皮ジストロフィー2(FECD2)、統合失調症、双極性障害(KCNN3)または乳がんリスク因子AlB1を含む。
[本発明1001]
細胞中のリピートDNA配列の伸長を阻害する方法であって、細胞をナフチリジン-アザキノロン(NA)と接触させる工程を含む、方法。
[本発明1002]
前記接触させる工程がインビボで行われる、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記接触させる工程が複数回実施される、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
更に接触させる工程の前に、リピートDNA配列中のリピート数を決定する工程を含む、本発明1001から1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
更に接触させる工程の後に、リピートDNA配列中のリピート数を決定する工程を含む、本発明1001から1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
細胞を、リピートDNA配列中のリピート数に応じた量のNAと接触させる工程を含む、本発明1001から1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
NAが修飾されたNAである、本発明1001から1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
個体のゲノム中のリピートDNA配列中のリピート数を低減する方法であって、少なくとも1用量の治療量のナフチリジン-アザキノロン(NA)を個体に投与する工程を含む、方法。
[本発明1009]
NAが、罹患組織に直接投与される、本発明1008の方法。
[本発明1010]
NAが全身に投与される、本発明1008の方法。
[本発明1011]
前記投与する工程が注射により行われる、本発明1008、1009または1010の方法。
[本発明1012]
NAが複数回投与される、本発明1008から1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
複数用量のNAが投与される、本発明1008から1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
更に投与する工程を複数回繰り返すことを含む、本発明1008から1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
治療量のNAがリピート数に基づく、本発明1008から1014のいずれかの方法。
[本発明1016]
治療量のNAが約0.01μMから約1Mである、本発明1008から1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
更にリピートDNA配列を有する個体を識別する工程を含む、本発明1008から1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
更に個体からの1以上の細胞中のリピート数を決定する工程を含む、本発明1008から1017のいずれかの方法。
[本発明1019]
更に個体からの1以上の細胞中のリピート数をモニタリングする工程を含む、本発明1008から1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
NAがそのインビボ安定性を増進するように修飾される、本発明1008から1019のいずれかの方法。
[本発明1021]
NAがリポソーム又は頭蓋内ポンプを通じて送達される、本発明1008から1020のいずれかの方法。
[本発明1022]
リピートDNA配列の伸長によって引き起こされる個体中の疾患を治療または予防する方法であって、少なくとも1用量の治療量のナフチリジン-アザキノロン(NA)を個体に投与する工程を含む、方法。
[本発明1023]
更にリピートDNA不安定性によって引き起こされる疾患を有する個体を識別する工程を含む、本発明1022の方法。
[本発明1024]
リピートDNA配列の伸長によって引き起こされる疾患が、ハンチントン病(HD)、ハンチントン類縁疾患2型(HDL2)、筋緊張性ジストロフィー(DM1)、脊髄小脳失調症1型(SCA1)、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、SCA17、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、フック角膜内皮ジストロフィー2(FECD2)、統合失調症、双極性障害(KCNN3)、乳がんリスク因子AlB1からなる群から選択される、本発明1022または1023の方法。
[本発明1025]
NAがリピートDNA配列の伸長の前に投与される、本発明1022から1024のいずれかの方法。
[本発明1026]
投与する工程がリピートDNA配列の伸長の前に起こる、本発明1022から1024のいずれかの方法。
[本発明1027]
NAが誕生前に(子宮内で)個体に投与される、本発明1022から1026のいずれかの方法。
[本発明1028]
NAがリピートDNA配列の伸長に続いて個体に投与される、本発明1022から1024のいずれかの方法。
遺伝子的に不安定な疾患を引き起こすリピートDNA配列を特に標的とした小分子、またはこれらの配列の結果として形成される構造体は、これらの遺伝子的不安定性をコントロールする潜在力を有する可能性があり、これは、進行する体細胞リピート伸長が疾患の発症及び進行に貢献し得るからである。治療適用のために設計された配位子は、それらの標的に、変異アレルに対する高い特異性で結合しなければならず、全体に対する毒性がほとんど無いから全く無いように伸長を阻止し、または収縮を誘発しなければならない。本件開示はスリップCAG/CTGリピート構造に高い特異性で結合するよう設計された小分子(Nakatani 他, 2005, Nat. Chem. Biol., 1:39-43; Hagihara 他, 2006, Nuc. Acids Symp. Ser. (Oxf.), 50:147-8; 及び Hagihara 他, 2011, Chembiochem., 12:1686-9)、及び伸長したリピートの不安定性を修正し、リピート収縮を導くことについて記載している。本件開示は、特にリピート伸長を低減する最初の潜在的な治療について記載している。とりわけ、本明細書において、NAが伸長を阻止することができ、そのことが疾患の発症、進行または重症度を、遅らせまたは阻むとともに、伸長したリピートの収縮を誘発し、遺伝性の長さよりも短くすることすら可能であることについて報告している。
トリヌクレオチドリピート不安定性によって引き起こされる疾患は、当該技術分野で公知であり、現在のその数は数十にのぼる。本明細書に記載されているようにNAによって治療することができるトリヌクレオチドリピート不安定性疾患には、CAG/CTGトリヌクレオチドリピートと関連する疾患が含まれる。そのような疾患としては、ハンチントン病(HD)、ハンチントン類縁疾患2型(HDL2)、筋緊張性ジストロフィー(DM1)、脊髄小脳失調症1型(SCA1)、SCA2、SCA3、SCA4、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、SCA17、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、フック角膜内皮ジストロフィー2(FECD2)、統合失調症、双極性障害(KCNN3)、乳がんリスク因子AlB1(NCOA3、SRC-3、ACTR、pCIP、RAC3及びTRAM1としても知られている)が挙げられるがこれらに限られるわけではない。トリヌクレオチドリピートDNA不安定性によって引き起こされる疾患を有する個体は、典型的には、遺伝子解析(例えば、PCR増幅、シークエンシング、制限消化解析、制限断片長多型)を用いてリピートサイズ(例えばトリヌクレオチドリピート数)及び/または伸長領域の存在(例えば伸長)を決定することにより識別される。
所与の組織(骨格筋、心臓、脳領域等)における体細胞伸長の発達タイミングを決定することは、体細胞伸長の発症を阻止する方法、及び/または影響を受けない長さにより近い長さへの収縮を簡単に誘発する方法でNAを投与する能力を強化する可能性がある。
本明細書で用いられる場合、「薬学的に許容される担体」には、任意の及び全ての賦形剤、溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌及び抗真菌剤、等張性及び吸収遅延剤等、投与と適合するものを含むことを意図している。そのような媒体及び作用剤の薬学的に許容される担体としての使用は、当該技術分野においてよく知られている。いかなる従来の媒体または作用剤についても、化合物と適合しないとされていない限り、その使用が考慮される。
本明細書に記載されるNAを含む医薬組成物は、典型的には、意図する投与経路と適合するように製剤化される。適切な投与経路としては、例えば、経口、直腸、局所、経鼻、経肺、眼、経腸及び非経口投与が挙げられる。非経口投与経路としては、静脈内、筋肉内及び皮下投与、更には腹腔内、動脈内、関節内、心臓内、槽内、皮内、病巣内、眼内、胸膜内、髄腔内、子宮内及び脳室内投与が挙げられる。
NAは、トリヌクレオチドリピートDNA不安定性によって引き起こされる疾患を有する個体に治療量を投与することができる。典型的には、NAの治療量または用量とは、体細胞伸長を阻止またはトリヌクレオチドリピートDNA配列の遺伝によるサイズの低減(例えば、トリヌクレオチドリピート数の低減)のいずれか、そして終局的には、いかなる悪影響ももたらすことなく1以上の症状の低減または改善をもたらすNAの量を指す。いくつかの場合、治療量は、存在するリピート数と相関する。NAの毒性及び治療効果は、細胞培養または実験動物中での標準的な薬学的手順によって、例えば、LD50(集団の50%に対する致死量)及びED50(集団の50%に対する治療効果量)によって、決定することが可能である。致死量の治療効果量に対する比は、治療指数であり、比LD50/ED50として表すことができる。
NAは数多くの方法で、その安定性、組織選択性、取り込みを増加させるように、またはそれらをインビボにおいて組合せるように、修飾することができることを理解されたい。いくつかの場合、NAは、例えば、リポソーム、頭蓋ポンプ、筋肉内拡散、血液脳関門「鍵」、または、投与中にNAに安定させ、及び/または罹患細胞及び/または組織への送達中にNAに保護を提供する別の製剤を経由して送達することができる。
以前のNA-CAGの特徴づけには、UV-溶解、エレクトロスプレー法飛行時間型質量分析(ESI-TOF MS)、等温滴定型カロリメトリー(ITC)、表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイ、円偏光二色性(CD)分光法、SPRイメージングアッセイ、及び核磁気共鳴(NMR)分光法が用いられていた(Hagihara 他, 2006, Nuc. Acids Symp. Ser. (Oxf.), 50:147-8; Nakatani 他, 2005, Nat. Chem. Biol., 1:39-43; Hagihara 他, 2011, Chem. Bio. Chem., 12:1686-9)。これらの研究は、歪んだ内部鎖ヘアピンの独特なNA-CAG・CAG構造を明らかにした。NAのナフチリジン及びアザキノロン部分は、相補的な水素結合をグアニン及びアデニンに対してそれぞれ示し、2つのシトシン塩基のCAGヘアピンからのフリップアウトを引き起こす(図2A及び2B)。各NA分子/CAG-CAGの親和性は、Kaについて1.8×106M-1またはKdについて0.56×10-6Mと見積もられた(Hagihara 他, 2006, Nuc. Acids Symp. Ser. (Oxf.), 50:147-8)。NAは(CAG)10 ヘアピンの融点を、NA50μMにおいて、47.1(±0.7)℃から78.8(±0.1)℃ に増加させ、(CTG)10ヘアピンの融点(54.4(±0.3)℃)を超えた。d(CAG)10の大きな構造変化がCD分光法によって示され、ESI-TOF質量分析で確認されたところでは、リピートに対する複数のNA-結合(少なくとも6NA分子)によって、SPR-イメージングアッセイが誘発された。NA-結合は、(CAG)10-30の単離された短いオリゴヌクレオチドとともに、より長いリピートについて増加した(Nakatani 他, 2005, Nat. Chem. Biol., 1:39-43)。NA-CAG/CAG結合構造が、NMR分光法によって決定され、この構造は、蛋白質構造データバンク(PDB)に登録され、アクセッション番号1X26が割り当てられた。これらの特徴は、NAのCAGヘアピンに対する際立った選択性を説明する;配列-特異性及びヘアピン-特異性の両方がCAG/CTG伸長アレルを標的としそうである。
溶媒及び出発物質は、標準的な供給者から購入し、更なる精製を行うことなく用いた。分析的薄膜クロマトグラフィー(TLC)を、0.2mmシリカ60でコートされたF254指示薬を伴うプレート上で行った。フラッシュカラムクロマトグラフィーをWakoゲルC-200シリカゲル上で行った。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を、ギルソン社のダイナミックミキサー(モデル811C)によって、UV検出器を254nmにセットし、Cosmosil 5C18-MS-IIカラム(150×20mm)を用いて、0.1%HOAc/H2O(溶媒A)及びMeCN(溶媒B)の二重溶媒系で実施した。別途記載されていない限り、核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、21±3℃で、Bruker Avance III 700スペクトロメーター上で記録した。化学シフト(δ)が百万分率(ppm)で報告された。結合定数(J)はヘルツで報告された。1H NMR化学シフトは、CD3OD-d4中の残存溶媒ピーク3.31ppmに対して参照した。13C NMR化学シフトは、CD3OD-d4について中央溶媒ピーク49.00ppmに対して参照した。ESI質量スペクトルを、サーモ LTQ Orbitrap XL質量分析計において記録した。
NA(40mg,0.09mmol)及びtert-ブチル (4-オキソ-4-((3-オキソプロピル)アミノ)ブチル)カルバマート(34mg,0.13mmol)をメタノール中(2mL)で撹拌した。酢酸を添加し、混合物のpHを約6に調節した。続いて、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(31mg,0.13mmol)を混合物に添加した。混合物を室温で12時間撹拌した。溶媒を蒸発させて乾燥し、残渣を、カラムクロマトグラフィーでシリカゲル上クロロホルム:メタノール=50:1で溶出することによって精製し、薄い黄色の固体としてBoc-NA-リンカー(15mg,25%)を得た。Boc-NA-リンカー(15mg,0.02mmol)のクロロホルム溶液(1mL)に、4M HCl(0.5mL)を含有する酢酸エチルを添加し、反応混合物を室温で、0.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させて乾燥した。残渣を更にHPLCで精製し、NA-リンカー(11mg,86%)が白色固体として得られた。
1H NMR (CD3OD, 700 MHz): δ = 8.20 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.06 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 2H), 7.76-7.60 (m, 2H), 7.33 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.43 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 4.42 (s, 2H), 3.26 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.01 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.92 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.87 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.70 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.69 (s, 3H), 2.63 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.56 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.37 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 1.93 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.76 (t, J = 7.1 Hz, 2H). 13C NMR (CD3OD, 175 MHz): δ = 175.4, 174.1, 173.2, 172.9, 164.4, 162.8, 159.8, 153.7, 153.6, 148.3, 139.5, 138.8, 137.3, 136.6, 121.5, 120.9, 118.3, 115.8, 114.1, 113.1, 51.3, 50.4, 49.4, 44.3, 39.0, 37.2, 34.5, 33.7, 32.4, 26.3, 23.6, 23.0. HRMS (ESI) m/z: [C31H39N9O4+Na]+について計算, 624.3024; 624.3010が得られた。
NA-リンカー(15mg,0.02mmol)及びNBD-X,SE(スクシンイミジル6-(N-(7-ニトロベンゾ-2-オキサ-1, 3-ジアゾール-4-イル)アミノ)ヘキサノアート)(12mg,0.03mmol)をジメチルホルムアミド(3mL)中で撹拌した。続いて、トリエチルアミン(5mg,0.05mmol)を混合物に添加した。混合物を室温で6時間撹拌した。溶媒を乾燥するまで蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上でクロロホルム:メタノール=20:1とともに溶出させ、粗生成物を得た。粗生成物を更にHPLCで精製し、NA-NBD(13mg,59%)が白色固体として得られた。
1H NMR (CD3OD, 700 MHz): δ = 8.41 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.18 (bs, 1H), 8.04 (q, J = 8.3 Hz, 2H), 7.73 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.44 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 6.22 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.43 (s, 2H), 3.44 (s, 2H), 3.26 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.14 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.09-2.97 (4H), 2.77 (s, 4H), 2.66 (s, 3H), 2.64 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.18 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 1.83 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 1.76-1.70 (4H), 1.65 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.47-1.37 (2H). 13C NMR (CD3OD, 175 MHz): δ = 174.6, 174.2, 174.1, 173.5, 172.3, 164.4, 162.8, 159.8, 153.7, 153.6, 148.3, 145.1, 144.4, 144.0, 139.5, 138.7, 137.2, 136.6, 121.4, 121.0, 118.3, 115.8, 114.2, 113.1, 98.1, 51.2, 50.0, 49.3, 44.3, 43.1, 38.5, 38.3, 36.9, 35.4, 33.5, 33.0, 32.6, 27.5, 26.1, 25.8, 25.4, 25.1, 23.6. HRMS (ESI) m/z: [C43H51N13O8+Na]+について計算 900.3883; 900.3875が得られた。
これらの反応は図1Bに示され、NBD-標識されたNAの構造はNMRによって確認された(図28)。
HT1080-(CAG)850細胞モデルの構築については先に記載(Sathasivam他, 1997, Hum. Genet., 99:692-5)の通りである。簡潔に説明すると、HT1080(ATCC)ヒト線維肉腫細胞に、800-850(CTG)・(CAG)リピートを含有するプラスミド(LC15-R)(Nakatani 他, 2005, Nat. Chem. Biol., 1:39-43)及びPhiC31インテグラーゼをコードするプラスミドを同時形質移入した。形質移入はNucleofector (ロンザ社、 バーゼル、スイス)によって行い、安定に形質移入されたクローンを、ピューロマイシンによって選択した。HT1080-非転写(CAG)850細胞モデルが、LC15-Rの代わりに、リピートの下流のSV40ポリアデニル化シグナルを添加することによってpLC16から改変されたプラスミドを形質移入することによって確立された。HT1080-非転写(CAG)850細胞モデルは、(リピートの上流に位置するオリジナルのポリアデニル化シグナルに加えて)リピートの下流の追加的なSV40ポリアデニル化シグナルを挿入することによってpLC16から改変されたプラスミドを形質移入することによって確立され、これによってCAG/CTGリピートは、転写終結要素によってLoxPが導入された(floxed)。AttB-PhiC31システムはシングルコピーインテグレーションのために幅広く使われてきた。予想通り、このAttB-PhiC31-媒介インテグレーションは、導入遺伝子の確認されたシングルインテグレ―ションを結果としてもたらし、それは誘導をかけた時にのみ、転写された(図16A)。HT1080モデル細胞及びHD初代線維芽細胞株、GM09197 (Coriell Biorepository)で180CAGリピートの大きく伸長したアレルと23リピートの非伸長アレルを伴うもの(Sathasivam 他, 1997, Hum. Genet., 99:6692-5)、HD初代繊維芽細胞株、GM02191 (Coreill Biorepository) で43CAGリピートの伸長したアレルと19リピートの非伸長アレルを伴うものを、37℃、二酸化炭素5%で、10%のウシ胎児血清と1%のペニシリン/ストレプトマイシンを補ったダルベッコ改変イーグル培地で、培養した。細胞は、50μMのNAへの連続的な曝露を伴って、またはNAへの曝露抜きで、30日間(HT1080細胞)または40日間(線維芽細胞)処置した。非増殖細胞での実験については、HT1080細胞はコンフルエントまで成長させ、その後同じ期間処置した。WST-1アッセイを、製造者の指示(ロッシュ社、バーゼル、スイス)に従って行った。全ての細胞株は、マイコプラズマ抜きで試験された。各実験について、3つの生物学的複製が行われた。
HT1080-(CAG)850細胞を50μmのNBD-標識NAとともに48時間、Cell Light Plasma Membrane-RFP, BacMam 2.0(ライフテクノロジーズ社、カールスバッド、CA)で染色し、その後室温で15分間、4%のパラホルムアルデヒドとともに固定し、リン酸緩衝生理的食塩水(PBS)中で10分間、2回、洗浄した。細胞を、DAPIを含有するVectashield hard-set mounting media(ベクターラボラトリーズ、バーリンゲーム、CA)とともに封入した。オリンパス共焦点レーザー走査型顕微鏡FV1000D(オリンパス、東京、日本)を用いて蛍光画像を得た。
HT1080-(CAG)850クローン及びHD初代線維芽細胞から、Gentra Puregene Cell Kit (キアゲン社、バレンシア、CA)を用いてゲノムDNAを抽出した。伸長した(CTG)・(CAG)リピートをsmall-poolPCR(sp-PCR)で大きさに従って仕分け、続いて既述のとおりサザンブロットを行った(Sathasivam 他, 1997, Hum. Genet., 99:692-5)。HT1080モデルについては、small-poolPCR(spPCR)を1.4-1.7ゲノム相当のインプットとともに行った。モデルにおけるリピートサイズの違いは、最大でも、3000塩基対であり、したがって、非常に保守的に考えれば、本明細書に記載の最適化されたPCR条件下であってさえ、より短いアレルを増幅する方にバイアスがかかる可能性はある。HD初代線維芽細胞については、sp-PCR及びサザンブロットを、記述のとおりわずかに修正しつつ行った(Tome 他, 2013, PLoS Genet., 9:e1003280)。簡潔に述べると、表1に列挙したPCRプライマーを用い、ブロットはDIG-標識(CAG)7ロックした核酸プローブでハイブリダイゼーションした(Nakamori 他, 2009, Neuromuscul. Disord., 19:759-62)。少なくとも50アレル(研究全体で150を超えるアレル)を各3つの実験について解析した。各実験のそれぞれの重複について完全なsmall-poolPCRデータセットから編集したリピート解析の概要を表2に示す。図4D、4E、10、11、5B、5D、5E、14及び15B中のヒストグラムについて、Y軸の「リピート集団の%」は、一定のサイズの一定の長さを伴うリピート生成物を含有するCAGリピートトラクトにわたる、50超の個々のsmall-poolPCR反応の集団を決定することによって計算された。細胞クローンは30日間または40日間、NAとともに、あるいは抜きで成長させた(例えば、Sathasivam 他, 1997, Hum. Genet., 99:692-5を参照)。とりわけ、リピート長分布のヒストグラムは、少なくとも2つの異なる細胞クローンからのものであった。長さ分布は次のように決定された:small-poolPCRに続いてサザンブロットによってCAG/CTGリピート長を解析した。線維芽細胞クローンからのDNAを、平均で、PCRチューブあたり1つの増幅可能な伸長リピートアレルを生産するため希釈した。リピートトラクトはPCRの24サイクルによって増幅された。増幅生成物は、電気泳動的に解析され、CAGリピートオリゴヌクレオチドをプローブしたサザンブロットによって検出され、リピート長はDNAサイズマーカーに相対的に決定された。左のスケールは分子量マーカー(M)を同等のサイズのCAG-リピート断片のリピート数に変換したものを示す。比較を円滑化するため、点線は変化しなかったCAGサイズを示す。不安定アレルの分布を灰色のバーで示す(左の垂直軸)。安定アレルの頻度を黒いバーで示す(右の垂直軸)。アレル長はX軸に沿って50リピートのスパンでビンにグループ化される。統計的解析のためカイ二乗検定を行い、既述のとおり各セットの実験において伸長した、変化しなかった及び収縮したアレルの頻度を比較した(Nakamori 他, 2011, Mol. Ther., 19:2222-7)。HTT、CASK、ATXN8、Mfd15、TDP並びにマウスのMapkap1、Fdg4及びtdp遺伝子座のトリヌクレオチド(3塩基)及び2塩基トラクト長を、(表1に列挙の)プライマーを用いてPCR増幅し、増幅条件は他に記載のとおりであった(例えば、Kremer 他, 1995, Am. J. Hum. Genet., 57:343-50; Brook 他, 1992, Cell, 69:385; Koob 他, 1999, 21:379-84; Dietmaier 他, 1997, Cancer Res., 57:4749-56; Kabbarah 他, 2003, Mol. Carcinogen., 38:155-9を参照)。リピート長の変動性を非伸長CAGアレル及びTBPアレルについてPCR(高分解能ゲル電気泳動)及びAgilent BioAnalyzerによってそれぞれ研究した。PCR生成物は、EnhanceITポリマー(Elchrom Scientific社、スイス)を添加した6%ポリアクリルアミドゲル上で分離し、GelRed (Biotium社、ヘイワード、カルフォルニア)で染色し、Typhoon蛍光イメージセンサー(GE ライフサイエンス社、ピスカタウェイ、ニュージャージー)でスキャンした。各実験のそれぞれの重複についての完全なsmall-poolPCRデータセットから編集したリピート解析の概要を表2に示す。
NAを添加してまたは添加せずに72時間経った後のHT1080-(CAG)850細胞から、RNeasy Plus Microキット(キアゲン社)を用いて、RNAを採取した。全RNAにランダムヘキサマーを仕込み、Superscript III (ライフテクノロジーズ社、カールスバッド、CA)で逆転写し、続いて、RNaseHで処理した。TaqMan Gene ExpressionアッセイまたはPrimeTime qPCRアッセイを用いてABI PRISM 7900HT Sequence Detection System (ライフテクノロジーズ社)上で定量逆転写(RT)-PCRを行った。プライマー配列を表1に示す。導入遺伝子由来mRNAのレベルを18S rRNAで規格化した。結果は、対応のあるt-検定を用いて統計的に解析した。導入遺伝子mRNAのプライマー配列は、CAGリピート方向に以下のとおりであった:5′-AGA GAA TAG GAA CTT CGG AAT AGG -3′(配列番号:21)及び5′-CCA TGT TCA TGC CTT CTT CTT T-3′(配列番号:22)。プローブ配列は、5′-ACA GCA CAA TAA CCA GCA CGT TGC-3′(配列番号:23)であった。
バンドシフトアッセイの構造を、既述の方法(Pearson 他, 1997, Hum. Mol. Genet., 6:1117-23; Pearson 他, 2002, Nuc. Acids Res., 30:4534-47; Axford 他, 2013, PLos Genet., 9:e1003866)をわずかに改変した方法により作成した。ヒトDM1ゲノム(CTG)n・(CAG)nリピート(n=30または50)を含有するプラスミドを、HindIII消化で線状化した。50リピートのホモ二本鎖スリップ構造(S-DNA)を、Pearson他に記載のとおりアルカリ変性/再生によって形成した(1996, Biochem., 35:5041-53; 1998, Nuc. Acids Res., 26(3):816-23)、長い(CAG)20または(CTG)スリップアウトを伴うヘテロ二本鎖SI-DNAを、既述のとおり調製した(Pearsons 他, 2002, Nuc. Acids Res., 30:4534-47; Axford 他, 2013, PLos Genet., 9:e1003866)。簡潔に述べると、(CAG)50及び(CTG)30リピートのDNAまたは(CAG)30及び(CTG)50リピートのDNAを等モル量で混合し、その後アルカリ変性/再生によってヘテロ二本鎖化した。断片を含有するリピートは、EcoRI消化によって放出され、電気泳動的に4%ポリアクリルアミドゲル上で分析し、ゲル精製した。精製した断片は、両鎖とも充填反応によって、[α-32P]dNTPsで放射性標識した。各構造の放射能を、チェレンコフ計数を用いて決定し、同等の放射濃度の各構造を、NA濃度を増加させて30分間室温で、1Xの低張緩衝液とともにインキュベートした。結合生成物を電気泳動的に1XTBE緩衝液中の4%(w/v)ポリアクリルアミドゲル上で、200Vの低電圧を2.5時間印加して分析した。各NA分子/CAG-CAGの親和性は、Kaについて1.8×106M-1またはKdについて0.56×10-6Mと推計した(Nakatani他, 2005, Nat. Chem. Biol., 1:39-43)。
インビトロ複製のため、テンプレートを、既述のとおり設計した(Panigrahi 他, 2002, J. Biol. Chem., 277:13926-34; Cleary 他, 2002, Nat. Genet., 31(1):37-46)。簡潔に述べると、EcoRI/HindIII(CTG)79・(CAG)79断片含有ゲノムクローンを、pBluescript KSIIにサブクローニングした。SV40-oriを、平滑末端化した(blunted)Xbal断片として、pBluescript KSIIのHindIIIまたはEcoRIのいずれかのサイトに、CAGリピートの二方向複製103及び98bp 5’及び3’のSV40オリジンをそれぞれ配置してクローニングした。これらのリピート(pDM79EF及びpDM79HF)及びSV40-oriを伴う別の基質を含むテンプレート及びリピートなし(pKN16)をインビトロで、[α-32P]dCTP及びT-Antigenを添加したHeLa細胞抽出物によって、詳細Panigrahi他(2002, J. Biol. Chem., 277:13926-34)及びCleary et al.(2002, Nat. Genet., 31(1):37-46)に記載されているように複製した。複製反応はNA抜き、またはNA(7.5μM及び15μM)とともに行われた。放射性複製生成物を精製し、BamHIで線状化し、DpnIで処置した(詳細については図9を参照)。等量の複製されていないpKN16プラスミドDNAを取り出し、DpnIで処置し、複製されていないプラスミドDNAの完全な消化を示した。等量の反応生成物を電気泳動的に15-cm 1%アガロースゲル上で分析した。ゲルを、TBE緩衝液中、16時間、4V/cmで流し、乾燥し、コダックフィルムに曝露した。
スリップDNA構造に対するNAの結合がどのように修復に影響するのかを決定するため、一連の環状スリップヘテロ二本鎖基質を、ニックがスリップアウトの5’または3’のいずれかに位置するリピートの過剰とともに作った(図3)。詳細は既述(Panigrahi 他, 2005, Nat. Struct. & Mol. Biol., 12:654-62; Panigrahi 他, 2010, PNAS USA, 107:12593-8)のとおり、一本鎖環状プラスミドをその相補的な異なるリピート長の線状鎖とハイブリダイゼーションすることによって基質を調製し、線状化されたサイトにニックが位置付けられる結果を得た。基質は、過剰リピート数のみにおいて異なる一本鎖スリップアウト、またはニックの位置以外は同じものであった。全ての基質において、スリップアウトは特有のポイントで、nが30、47、48、または50リピートでありうる(CTG)n・(CAG)nの完全な塩基対のバックボーンから押し出された。G-Tがミスマッチな基質を既述(Panigrahi 他, 2005, Nat. Struct. & Mol. Biol., 12:654-62; Panigrahi 他, 2010, PNAS USA, 107:12593-8)のとおり調製した。全てのこれらの基質を、インビトロでHeLa抽出物によって処置し、その後修復を評価した。修復生成物をサザンブロットで解析し、リピート含有断片について調べ、出発物質と比較し、それによって修復効率の定量的評価がモルレベルで可能となった。各修復アッセイは3回から5回の独立実験において行った。
収束T3及びT7RNAポリメラーゼプロモーターを伴う伸長(CAG)79・(CTG)79リピートトラクトを帯びたプラスミドについては詳細に既述されている(Panigrahi 他, 2002, J. Biol. Chem., 277:13926-34)。転写反応を既述(Reddy 他, 2014, Nuc. Acids Res., 42:10473-87)のとおり行った。簡潔に述べると、500ngのテンプレートDNAを1x転写緩衝液(ロッシュ社)及び1xウシ血清アルブミン(NEB)中で1時間、20Uの適切なRNAポリメラーゼ(T7、T3またはT7+T3(ロッシュ社))とNA120μMとともにまたは抜きで混合した。サンプルを精製し、1gのRNaseA(ロッシュ社)のみまたは1gのRNaseA(ロッシュ社)及び1UのE.coli RNaseH(ロッシュ社)のいずれかで、30分間、室温で、NA(120μM)の存在または非存在下で処置した。全てのインビトロ転写反応生成物を、1%アガロースゲル上、1xTBE緩衝液中で流し、80Vを3時間印加して解析した。ゲルは続いて臭化エチジウム(0.5mg/ml)で染色し、全ての核酸を紫外光(UV)で可視化した。
MutSβはバキュロウィルス感染Sf9細胞でhis-タグされたhMSH2及びhMSH3を発現しているものから、既述のとおり精製した(Panigrahi 他, 2010, PNAS USA, 107:12593-8)。結合反応を室温で行った。上述のとおり、長い(CAG)20を伴うヘテロ二本鎖SI-DNAを調製し、末端標識した。タンパク質をDNAとともに30分間、10mM HEPES-KOH pH 7.5、110mM KCl、1mM EDTA及び1mM DTTを含有する緩衝液中で、記載のとおり緩衝液中でATPとともに、あるいはATP抜きでインキュベートした。反応を非変性充填染料(20mM Tris-HCl pH 7.4、4% グリセロール、ブロモフェノールブルー)とともに4%未変性ポリアクリルアミドゲル上にロードした。ゲルを1xTBE緩衝液で2時間流した。
FAN1ヌクレアーゼをバキュロウィルス感染Sf9細胞からPALB2について記載された既述(Buisson 他, 2010, Nat. Struct. Mol. Biol., 17(10):1247-54)のとおり二重-アフィニティ精製戦略を用いて精製した。簡潔に述べると、FAN1を、N-末端でGST-タグによりタグ付けし、C-末端でFLAG/His10-タグ付けした。GST-プルダウンに続いて、PreScission ProteaseとともにインキュベートすることによってGSTタグを分離し、Talonビーズ(GEヘルスケア社)上でアフィニティ精製した。
1pmolの32P標識、ゲル精製、DNA構造で5’-フラップ及び、リピート無しか、フラップ中または二本鎖領域に(CAG)20スリップアウトを含有するもの(配列について図22D-22Fを参照)を室温で10分間NA濃度を増加させて処置し、または処置しないで、200nMのFAN1とともに30分間37℃でインキュベートした。反応は、既述(Liu 他, 2010, Science, 329:693-6)のとおり、1Xヌクレアーゼ緩衝液中で10μlの反応容量で行われた。ヌクレアーゼ反応は、20mMのEDTAを添加することで停止させ、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1、v/v/v)で抽出し、続いてエタノール沈殿させることによって精製した。反応生成物を、8%ポリアクリルアミドゲルで20V、1時間、流した。FAN消化サイトを特定するため、マクサム・ギルバート法シークエンシング(G>A及びT反応)の32P標識オリゴが行われた。消化断片は、8%シークエンシングゲルで、2500V及び82W、75分間で分離された。
ヒトDNAポリメラーゼβ(Polβ)を大腸菌クローンから単離し、イオン交換及びアフィニティクロマトグラフィによって精製した(Chimerx, catalog#1077, Lot#2203007)。タンパク質濃度をブラッドフォードアッセイを用いて決定した。
組換えヒトポリメラーゼδ(Polδ)を、組換えバキュロウィルスベクターを用いて昆虫細胞中で調製し、免疫アフィニティカラムクロマトグラフィーによって、既述(Zhou 他, 2012, PLoS ONE, 7(6):e39156)のとおり精製した。タンパク質濃度をブラッドフォードアッセイを用いて決定した。
組換えRPA複合体の精製が、BL21(DE3)細胞中で発現され、Binz他(2006, Methods Enzymol., 409:11-38)に記載のとおり精製された。
マウスの取扱い及び実験手順は、動物愛護のための大阪大学ガイドラインに従って行われた。1回の薬剤適用は、異なる6か所への定位的注入、左または右線条体の3つの異なる線条体領域それぞれへの薬剤または生理的食塩水の3注入を含んでいた(図24の概略記載のとおり)。無菌状況下で、6週齢のR6/2マウスに50mg/kgのペントバルビタールナトリウムで麻酔をかけ、5μlの生理的食塩水(右側)または500μMのNAを生理的食塩水に溶解したもの(左側)を線条体の3つの異なるサイトに定位注入した。マウスは4週間続けて、2週間おき、または毎週、1度また2度の注入を受けた。定位的注入は、線条体内の3つのサイトに次の条件で送達された:(前後 (AP) = 0.0 mm、内側-外側(ML) = ブレグマから1.5 mm、背腹(DV) = 硬膜表面下2.5 mm; AP = 1.0 mm, ML = 1.5 mm, DV = 2.5 mm; 及び AP = 0.5 mm, ML = 1.5 mm, DV = 2.5mm)、10-μlハミルトンマイクロシリンジを0.5μL/minの速度で用いる。投与計画の概要については図24を参照。各マウスは、脳の両側が生理的食塩水を右線条体に、NAを左線条体に、定位的注入されていたので、内部コントロールを有していた。従って、我々のNA処置のコントロールは、各マウスの線条体の反対側である。左右の線条体の両方についてHDのCAG導入遺伝子及び内因性の長いCAGトラクトにおいてリピート長を評価した。4回処置されたマウスについては、NA投与前後に尾から、左右の前頭皮質及び左右の小脳と同様にDNAを採取した。
最初の注入から4週間で、マウスの脳組織から既述(Nakamori 他, 2009, Neuromuscul. Disord., 19:759-62)のとおりDNAを単離した。既述(Tome 他, 2013, PLoS Genet., 9:e1003280)のとおりPCRを行い、PCR生成物のサイズをABI310ジェネティックアナライザーでGENESCAN 3.1 ソフトウェア(ライフテクノロジー社)を用いて測定した。
不安定指数計算の手順を既述(Lee 他, 2010, BMC Syst. Biol., 4:29)に従って、また図27Aに図示及び概略示されるとおりに行った。
DNAは3つの独立したHD初代線維芽細胞株GM09197のNA処置したもの及び3つの独立した非処置コントロール細胞から抽出した.HPRT1エキソン2及び3は、高性能Platinum Taq DNAポリメラーゼ(インビトロゲン社、Cat#11304)及び表1に示されるプライマーを用いて増幅した。増幅生成物は、一分子リアルタイム(SMRT)シークエンシングを用いて、PacBio RSII装置上で解析した(図13Aを参照)。
CAG特異的DNA結合化合物、ナフチリジン-アザキノロン(NA)を以前設計した(Nakatani 他, 2005, Nat. Chem. Biol., 1:39-43; Hagihara 他, 2006, Nuc. Acids Symp. Ser. (Oxf.), 50:147-8; Hagihara 他, 2011, Chembiochem., 12:1686-9)。詳細な特徴づけにより、NAが歪んだ内側鎖CAGヘアピンに結合し、そこでは、NAのナフチリジン及びアザキノロン部分が相補的な水素結合をグアニン及びアデニンに対してそれぞれ示し、二つのシトシン塩基をCAGヘアピンからフリップアウトさせることを明らかにした(図2A及び2B)。NAは高い親和性をもって結合し、(CAG)10ヘアピンの融点を>30℃増加させた(Hagihara 他, 2011, Chembiochem., 12:1686-9)。NAはまた、より長いCAGヘアピンに対して優先的に結合し、最大の結合は(CAG)30に対してであり、続いて(CAG)20、そして(CAG)10に結合した(Nakatani 他, 2005, Nat. Chem. Biol., 1:39-43)。このNAのより長いCAGヘアピン構造に対する顕著な選択性は、変異リピート遺伝子座におけるスリップDNAの存在と対になって、伸長アレルを標的とすることを可能とするであろう。
このNAの潜在的な治療への使用の問いに答えるものとして、NAが細胞透過性であり、急性細胞毒性を引き起こし、またはヒト細胞の増殖(図2E-2G)若しくはDNA複製(図8)を遅らせることなく、核に入ることができることが決定された。
開示された方法及び組成物の生成物のために、それとともに、またはその調製において用いることが可能である方法及び組成物、または開示された方法及び組成物の生成物が、開示されている。これらの及びその他の物質が本明細書で開示され、これらの方法及び組成物の組合せ、部分集合、相互作用、グループ等が開示されていることが理解される。すなわち、各様々な個々の及び集合的な組合せ、及びこれら組成物及び方法の順列は、明示的に開示されていなくても、そのそれぞれが本明細書において具体的に考慮され、記載されたものである。例えば、もし、特定の本件組成物または特定の方法が開示され、議論され、多数の組成物または方法が議論されれば、組成物及び方法のそれぞれ全ての組合せ及び順列は、そうでないと明示しない限り、考慮されたものである。同様に、任意のこれらの部分集合または組合せもまた、考慮され、開示されたものである。
Claims (24)
- 細胞中の(CAG)nリピートDNA配列の伸長を阻害するための、
式:
ナフチリジン-アザキノロン(NA)
で示される化合物を含む医薬組成物であって、
式中、
ナフチリジンは、1,8-ナフチリジン部分を示し、
アザキノロンは、8-アザキノロン部分を示し、および
記号-は、連結部分を示し、
前記ナフチリジン-アザキノロン(NA)は、前記1,8-ナフチリジン部分がグアニンに水素結合し、および前記8-アザキノロン部分がアデニンに水素結合することにより、前記(CAG)nリピートDNAにインターカレートする、
医薬組成物。 - 前記医薬組成物が、細胞がインビボでNAと接触するように、用いられることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、細胞がNAと複数回接触するように、用いられることを特徴とする、請求項2に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、細胞がNAと接触する前に、(CAG)nリピートDNA配列中の(CAG)nリピート数を決定するように、用いられることを特徴とする、請求項2または3に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、細胞がNAと接触した後に、(CAG)nリピートDNA配列中の(CAG)nリピート数を決定するように、用いられることを特徴とする、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、細胞が、(CAG)nリピートDNA配列中の(CAG)nリピート数に応じた量のNAと接触するように、用いられることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 個体のゲノム中の(CAG)nリピートDNA配列中の(CAG)nリピート数を低減するための、
式:
ナフチリジン-アザキノロン(NA)
で示される化合物を含む医薬組成物であって、
式中、
ナフチリジンは、1,8-ナフチリジン部分を示し、
アザキノロンは、8-アザキノロン部分を示し、および
記号-は、連結部分を示し、
前記ナフチリジン-アザキノロン(NA)は、前記1,8-ナフチリジン部分がグアニンに水素結合し、および前記8-アザキノロン部分がアデニンに水素結合することにより、前記(CAG)nリピートDNAにインターカレートする、
医薬組成物。 - NAの罹患組織への直接投与のための、請求項7に記載の医薬組成物。
- NAの全身投与のための、請求項7に記載の医薬組成物。
- 前記投与が、注射により行われる、請求項8または9に記載の医薬組成物。
- NAの複数回投与のための、請求項7乃至10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 複数用量のNAの投与のための、請求項7乃至11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- (CAG)nリピート数に基づく治療量のNAの投与のための、請求項7乃至12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 治療量のNAが、約0.01μMから約1Mである、請求項13に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、NAの投与の前に、個体が、(CAG)nリピートDNA配列を有することが識別されるように、用いられることを特徴とする、請求項7乃至14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、NAの投与の前に、前記個体からの1以上の細胞中の(CAG)nリピート数が決定されるように、用いられることを特徴とする、請求項7乃至15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、NAの投与の後に、前記個体からの1以上の細胞中の(CAG)nリピート数がモニタリングされるように、用いられることを特徴とする、請求項7乃至16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- NAが、リポソーム又は頭蓋内ポンプを通じて送達される、請求項7乃至17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- (CAG)nリピートDNA配列の伸長によって引き起こされる個体中の疾患を治療または予防するための、
式:
ナフチリジン-アザキノロン(NA)
で示される化合物を含む医薬組成物であって、
式中、
ナフチリジンは、1,8-ナフチリジン部分を示し、
アザキノロンは、8-アザキノロン部分を示し、および
記号-は、連結部分を示し、
前記ナフチリジン-アザキノロン(NA)は、前記1,8-ナフチリジン部分がグアニンに水素結合し、および前記8-アザキノロン部分がアデニンに水素結合することにより、前記(CAG)nリピートDNAにインターカレートする、
医薬組成物。 - 前記個体が、(CAG)nリピートDNA不安定性によって引き起こされる疾患を有する個体である、請求項19に記載の医薬組成物。
- (CAG)nリピートDNA配列の伸長によって引き起こされる疾患が、ハンチントン病(HD)、ハンチントン類縁疾患2型(HDL2)、筋緊張性ジストロフィー(DM1)、脊髄小脳失調症1型(SCA1)、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、SCA8、SCA12、SCA17、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、フック角膜内皮ジストロフィー2(FECD2)、統合失調症、双極性障害(KCNN3)、および乳がんリスク因子AlB1からなる群から選択される、請求項19または20に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、(CAG)nリピートDNA配列の伸長の前に、NAが投与されるように、用いられることを特徴とする、請求項19乃至21のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、誕生前に(子宮内で)、NAが個体に投与されるように、用いられることを特徴とする、請求項19乃至22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、(CAG)nリピートDNA配列の伸長に続いて、NAが個体に投与されるように、用いられることを特徴とする、請求項19乃至23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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