JP7235399B2 - 選択的片末端反応を用いたシランカップリング剤合成方法 - Google Patents
選択的片末端反応を用いたシランカップリング剤合成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7235399B2 JP7235399B2 JP2018171981A JP2018171981A JP7235399B2 JP 7235399 B2 JP7235399 B2 JP 7235399B2 JP 2018171981 A JP2018171981 A JP 2018171981A JP 2018171981 A JP2018171981 A JP 2018171981A JP 7235399 B2 JP7235399 B2 JP 7235399B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- silane coupling
- coupling agent
- reaction
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
不均一なエマルション状態において、化合物(I)と化合物(II)を反応させる工程、上記工程で得られた化合物に、化合物(III)を反応させる工程、
を含むことを特徴とする製造方法に関する。
R4は任意の有機基(nが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する)を表し、nは0~3を表す。
不均一なエマルション状態において、化合物(I)と化合物(III)を反応させる工程、上記工程で得られた化合物に、化合物(II)を反応させる工程、を含むことを特徴とする製造方法に関する。
また、R2 およびR3は任意の有機基、R4は任意の有機基(nが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する)を表し、nは0~3を表す。
Zは、C2~C100の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、
少なくとも、-O-CH2-CH2-基、-O-CH(CH3)-CH2-基、-O-CH2-CH(CH3)-基のうちから1以上含み、
R2 は、C2~C100の直鎖または分岐鎖のアルキレン基で、-S-, -NH-, -NR4-(R4はアルキレン基を示す),-CH2-C6H4-(C6H4はフェニレン基を示す), -C(O)-O-, -O- 基、-O-CH2-CH2-基、-O-CH(CH3)-CH2-基、-O-CH2-CH(CH3)-基を含み得、
R3はC1~C6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表し、R4はR4はC1~C16の直鎖または分岐鎖のアルキル基、フェニル基またはハロゲン原子を表しnが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する。aは1~6, nは0~3である。
50mLデュラン瓶に2,2'-((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-1-オール):19.4g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:27.2mgおよびp-メトキシフェノール:13.6mgを加え電磁攪拌子にて攪拌溶解させた。次に、エチルエーテル20mLに2-イソシアネートエチルメタクリレート:15.52g(0.10mol)を溶解した溶液をデュラン瓶に加え攪拌させた。それらの試薬をモーノポンプ(ハステロイ兵神装備製)ポンプにて100mL/minの流速でガラスビーズ充填カラム(カラム内径1.0cm, 長さ10cm, ガラスビーズ径100μm, ガラスビーズ層長さ9cm)循環させた。なお、循環時間は12時間とし、デュラン瓶は40℃に保温した。当初の溶液状態は乳白状態を呈していたが、時間経過と共に透明状態を呈した。12時間後、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2,2'-((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-1-オール)および2-イソシアネートエチルメタクリレートは消失し、新たなピーク:16-ヒドロキシ-4-オキソ-5,8,11,14-テトラオキサ-3-アザヘキサデシルメタクリレート(分子量349.38)を収率99.5%で確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に上述の操作で合成した前駆体化合物27.2g(77.7mmol)を含有するエチルエーテル溶液を移液し、(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:20.5g(0.10mol)を攪拌しながら滴下した。なお、反応温度は20℃とした。滴下終了後、12時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である16-ヒドロキシ-4-オキソ-5,8,11,14-テトラオキサ-3-アザヘキサデシルメタクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:3,3-ジメトキシ-8,22-ジオキソ-2,9,12,15,18,21-ヘキサオキサ-7,23-ジアザ-3-シラペンタコサン-25-イルメタクリレート(分子量554.7)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
合成例1と同様の装置を用い合成を行った。すなわち、50mLデュラン瓶に2,2'-((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-1-オール):19.4g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:29.4mgおよびp-メトキシフェノール:14.7mgを加え電磁攪拌子にて攪拌溶解させた。次に、エチルエーテル20mLに2-(2-イソシアネートエトキシ)エチルメタクリレート:19.9g(0.10mol)を溶解した溶液をデュラン瓶に加え攪拌させた。それらの試薬をモーノポンプ(ハステロイ兵神装備製)ポンプにて100mL/minの流速でガラスビーズ充填カラム(カラム内径1.0cm, 長さ10cm, ガラスビーズ径100μm, ガラスビーズ層長さ9cm)循環させた。なお、循環時間は12時間とし、デュラン瓶は40℃に保温した。当初の溶液状態は乳白状態を呈していたが、時間経過と共に透明状態を呈した。12時間後、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2,2'-((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-1-オール)および2-(2-イソシアネートエトキシ)エチルメタクリレートは消失し、新たなピーク:19-ヒドロキシ-7-オキソ-3,8,11,14,17-ペンタオキサ-6-アザノナデシルメタクリレート(分子量393.43)を収率99.7%で確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に上述の操作で合成した前駆体化合物29.4g(74.7mmol)を含有するエチルエーテル溶液を移液し、(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:20.5g(0.10mol)を攪拌しながら滴下した。なお、反応温度は20℃とした。滴下終了後、12時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である19-ヒドロキシ-7-オキソ-3,8,11,14,17-ペンタオキサ-6-アザノナデシルメタクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:3,3-ジメトキシ-8,22-ジオキソ-2,9,12,15,18,21,26-ヘプタオキサ-7,23-ジアザ-3-シラオクタコサン-28-イル メタクリレート(分子量598.72)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
合成例1と同様の装置を用い合成を行った。すなわち、50mLデュラン瓶に2-(2-(2-(2-ヒドロキシプロポキシ)プロポキシ)プロポキシ)プロパン-1-オール:25.0g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:29.4mgおよびp-メトキシフェノール:14.7mgを加え電磁攪拌子にて攪拌溶解させた。次に、エチルエーテル20mLに2-イソシアネートエチルメタクリレート:15.5g(0.10mol)を溶解した溶液をデュラン瓶に加え攪拌させた。それらの試薬をモーノポンプ(ハステロイ兵神装備製)ポンプにて100mL/minの流速でガラスビーズ充填カラム(カラム内径1.0cm, 長さ10cm, ガラスビーズ径100μm, ガラスビーズ層長さ9cm)循環させた。なお、循環時間は12時間とし、デュラン瓶は40℃に保温した。当初の溶液状態は乳白状態を呈していたが、時間経過と共に透明状態を呈した。12時間後、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2-(2-(2-(2-ヒドロキシプロポキシ)プロポキシ)プロポキシ)プロパン-1-オールおよび2-イソシアネートエチルメタクリレートは消失し、新たなピーク:16-ヒドロキシ-6,9,12,15-テトラメチル-4-オキソ-5,8,11,14-テトラオキサ-3-アザヘキサデシルメタクリレート(分子量405.49)を収率99.4%で確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に上述の操作で合成した32.8g(80.8mmol)を含有するエチルエーテル溶液を移液し、(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:20.5g(0.10mol)を攪拌しながら滴下した。なお、反応温度は20℃とした。滴下終了後、12時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である16-ヒドロキシ-6,9,12,15-テトラメチル-4-オキソ-5,8,11,14-テトラオキサ-3-アザヘキサデシルメタクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:3,3-ジメトキシ-11,14,17,20-テトラメチル-8,22-ジオキソ-2,9,12,15,18,21-ヘキサオキサ-7,23-ジアザ-3-シラペンタコサン-25-イル メタクリレート(分子量610.77)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
合成例1と同様の装置を用い合成を行った。すなわち、50mLデュラン瓶に2,2'-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-1-オール):15.0g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:29.4mgおよびp-メトキシフェノール:14.7mgを加え電磁攪拌子にて攪拌溶解させた。次に、エチルエーテル20mLに2-イソシアネートエチルメタクリレート:15.5g(0.10mol)を溶解した溶液をデュラン瓶に加え攪拌させた。それらの試薬をモーノポンプ(ハステロイ兵神装備製)ポンプにて100mL/minの流速でガラスビーズ充填カラム(カラム内径1.0cm, 長さ10cm, ガラスビーズ径100μm, ガラスビーズ層長さ9cm)循環させた。なお、循環時間は12時間とし、デュラン瓶は40℃に保温した。当初の溶液状態は乳白状態を呈していたが、時間経過と共に透明状態を呈した。12時間後、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2,2'-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-1-オール)および2-イソシアネートエチルメタクリレートは消失し、新たなピーク:13-ヒドロキシ-4-オキソ-5,8,11-トリオキサ-3-アザトリデシルメタクリレート(分子量305.33)を収率99.5%で確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に上述の操作で合成した32.8g(80.8mmol)を含有するエチルエーテル溶液を移液し、(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:20.5g(0.10mol)を攪拌しながら滴下した。なお、反応温度は20℃とした。滴下終了後、12時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である13-ヒドロキシ-4-オキソ-5,8,11-トリオキサ-3-アザトリデシルメタクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:3,3-ジメトキシ-8,19-ジオキソ-2,9,12,15,18-ペンタオキサ-7,20-ジアザ-3-シラドコサン-22-イル メタクリレート(分子量510.61)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
合成例1と同様の装置を用い合成を行った。すなわち、50mLデュラン瓶に2,2'-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-1-オール):15.0g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:29.4mgおよびp-メトキシフェノール:14.7mgを加え電磁攪拌子にて攪拌溶解させた。次に、エチルエーテル20mLに2-(2-イソシアネートエトキシ)エチルメタクリレート:19.92g(0.10mol)を溶解した溶液をデュラン瓶に加え攪拌させた。それらの試薬をモーノポンプ(ハステロイ兵神装備製)ポンプにて100mL/minの流速でガラスビーズ充填カラム(カラム内径1.0cm, 長さ10cm, ガラスビーズ径100μm, ガラスビーズ層長さ9cm)循環させた。なお、循環時間は12時間とし、デュラン瓶は40℃に保温した。当初の溶液状態は乳白状態を呈していたが、時間経過と共に透明状態を呈した。12時間後、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2,2'-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-1-オール)および2-(2-イソシアネートエトキシ)エチルメタクリレートは消失し、新たなピーク:16-ヒドロキシ-7-オキソ-3,8,11,14-テトラオキサ-6-アザヘキサデシルメタクリレート(分子量349.38)を収率99.3%で確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に上述の操作で合成した32.8g(80.8mmol)を含有するエチルエーテル溶液を移液し、(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:20.5g(0.10mol)を攪拌しながら滴下した。なお、反応温度は20℃とした。滴下終了後、12時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。12時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である16-ヒドロキシ-7-オキソ-3,8,11,14-テトラオキサ-6-アザヘキサデシルメタクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:3,3-ジメトキシ-8,19-ジオキソ-2,9,12,15,18,23-ヘキサオキサ-7,20-ジアザ-3-シラペンタコサン-25-イルメタクリレート(分子量554.66)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
合成例1と同様の装置を用い合成を行った。すなわち、50mLデュラン瓶に2,2'-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-1-オール):15.0g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:29.4mgおよびp-メトキシフェノール:14.7mgを加え電磁攪拌子にて攪拌溶解させた。次に、エチルエーテル20mLに2-イソシアネート-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアクリレート:24.0g(0.10mol)を溶解した溶液をデュラン瓶に加え攪拌させた。それらの試薬をモーノポンプ(ハステロイ兵神装備製)ポンプにて100mL/minの流速でガラスビーズ充填カラム(カラム内径1.0cm, 長さ10cm, ガラスビーズ径100μm, ガラスビーズ層長さ9cm)循環させた。なお、循環時間は12時間とし、デュラン瓶は40℃に保温した。当初の溶液状態は乳白状態を呈していたが、時間経過と共に透明状態を呈した。12時間後、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2,2'-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(エタン-1-オール)および2-イソシアネート-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアクリレートは消失し、新たなピーク:2-(((2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアクリレート(分子量389.40)を収率99.7%で確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に上述の操作で合成した前駆体化合物27.0g(69.3mmol)を含有するエチルエーテル溶液を移液し、(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:20.5g(0.10mol)を攪拌しながら滴下した。なお、反応温度は20℃とした。滴下終了後、12時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である2-(((2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:2-((3,3-ジメトキシ-8-オキソ-2,9,12,15,18-ペンタオキサ-7-アザ-3-シラノナデカン-19-オイル)アミノ)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアクリレート(分子量594.69)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
合成例1と同様の装置を用い合成を行った。すなわち、50mLデュラン瓶に3,6,9,12,15,18,21,24-オクタオキサヘキサコサン-1,26-ジオール:41.4g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:29.4mgおよびp-メトキシフェノール:14.7mgを加え電磁攪拌子にて攪拌溶解させた。次に、エチルエーテル20mLに2-イソシアネートエチルアクリレート:14.12g(0.10mol)を溶解した溶液をデュラン瓶に加え攪拌させた。それらの試薬をモーノポンプ(ハステロイ兵神装備製)ポンプにて100mL/minの流速でガラスビーズ充填カラム(カラム内径1.0cm, 長さ10cm, ガラスビーズ径100μm, ガラスビーズ層長さ9cm)循環させた。なお、循環時間は12時間とし、デュラン瓶は40℃に保温した。当初の溶液状態は乳白状態を呈していたが、時間経過と共に透明状態を呈した。12時間後、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である3,6,9,12,15,18,21,24-オクタオキサヘキサコサン-1,26-ジオールおよび2-イソシアネートエチルアクリレートは消失し、新たなピーク:31-ヒドロキシ-4-オキソ-5,8,11,14,17,20,23,26,29-ノナオキサ-3-アザヘントリアコンチルアクリレート(分子量555.62)を収率99.8%で確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。次に、攪拌羽根、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた四つ口フラスコ(300mL容積)に上述の操作で合成した前駆体化合物48.5g(87.2mmol)を含有するエチルエーテル溶液を移液し、(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン:20.5g(0.10mol)を攪拌しながら滴下した。なお、反応温度は20℃とした。滴下終了後、12時間反応を継続させ熟成をおこなった。熟成終了後、HPLCおよびFT-IR測定を行った。HPLC測定の結果、原材料である31-ヒドロキシ-4-オキソ-5,8,11,14,17,20,23,26,29-ノナオキサ-3-アザヘントリアコンチルアクリレートおよび(3-イソシアネートプロピル)トリメトキシシランのピークは消失し、新たなピーク:3,3-ジメトキシ-8,37-ジオキソ-2,9,12,15,18,21,24,27,30,33,36-ウンデカオキサ-7,38-ジアザ-3-シラテトラコンタン-40-イルアクリレート(分子量760.9)を確認した。また、FT-IR測定の結果、3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の消失を確認した。本合成例にて合成した化合物の化学構造式を以下に記載する。
合成例1と同様の装置を用い合成を行った。すなわち、50mLデュラン瓶に2,2'-((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-1-オール):19.4g(0.10mol)、ジブチルチン(IV)ジラウレート:27.2mgおよびp-メトキシフェノール:13.6mgを加え電磁攪拌子にて攪拌溶解させた。次に、テトラヒドロフラン20mLに2-イソシアネートエチルメタクリレート:15.52g(0.10mol)を溶解した溶液をデュラン瓶に加え攪拌させた。それらの試薬をモーノポンプ(ハステロイ兵神装備製)ポンプにて100mL/minの流速でガラスビーズ充填カラム(カラム内径1.0cm, 長さ10cm, ガラスビーズ径100μm, ガラスビーズ層長さ9cm)循環させた。なお、循環時間は12時間とし、デュラン瓶は40℃に保温した。当初の溶液状態は均一な透明状態を呈した。12時間後、HPLCおよびFT-IR測定をおこなった。なお、その際のサンプルは極少量をピペットにて分取し、エバポレーターにて溶媒を除去したものを使用した。HPLC測定の分析条件は、カラムZORBAX-ODS、アセトニトリル/蒸留水=7/3、流量0.5mL/min、マルチスキャンUV検出器、RI検出器、MS検出器である。FT-IR測定はATR法にて行った。HPLC測定の結果、原材料である2,2'-((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-1-オール)は完全には消失せず、シランカップリング剤前駆体である新たなピーク:16-ヒドロキシ-4-オキソ-5,8,11,14-テトラオキサ-3-アザヘキサデシルメタクリレート(分子量349.38)を収率60.5%で確認した。また、FT-IR測定の結果、2280~2250cm-1のイソシアナート吸収消失および3300cm-1近傍のヒドロキシ基吸収の強度低減を確認し、新たに1250cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。
Claims (4)
- 反応基質同士が相溶しない環境で、両基質を相溶させるための有機溶媒を加えることなく、不均一なエマルション状態を形成させ、そのエマルション界面で反応を進行させるシランカップリング剤の製造方法であって、
化合物(I)と化合物(II)を反応させる工程、
上記工程で得られた化合物に、化合物(III)を反応させる工程、
を含むことを特徴とする製造方法。
Aは、ラジカル重合性基、
BおよびR1は任意の有機基、aは1~6を表す。
R2 およびR3は任意の有機基、
R4は任意の有機基(nが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する)を表し、
nは0~3を表す。 - 反応基質同士が相溶しない環境で、両基質を相溶させるための有機溶媒を加えることなく、不均一なエマルション状態を形成させ、そのエマルション界面で反応を進行させるシランカップリング剤の製造方法であって、
化合物(I)と化合物(III)を反応させる工程、
上記工程で得られた化合物に、化合物(II)を反応させる工程、
を含むことを特徴とする製造方法。
Aは、ラジカル重合性基、
BおよびR1は任意の有機基、aは1~6を表す。
R2 およびR3は任意の有機基、
R4は任意の有機基(nが0のときには少なくとも1以上のハロゲン原子がSiに結合する)を表し、
nは0~3を表す。 - 請求項1または2の製造方法において、
マイクロリアクター素子、フローフォーカシングデバイス、ガラスビーズ充填カラム、SPG膜、マイクロチャネル、スタティックミキサー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波素子のうち、
少なくとも1種類以上を用いることを特徴とする製造方法。 - 請求項1または2の製造方法において、
少なくとも1種類以上の界面活性剤を用いることを特徴とする製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018171981A JP7235399B2 (ja) | 2018-09-14 | 2018-09-14 | 選択的片末端反応を用いたシランカップリング剤合成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018171981A JP7235399B2 (ja) | 2018-09-14 | 2018-09-14 | 選択的片末端反応を用いたシランカップリング剤合成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020040930A JP2020040930A (ja) | 2020-03-19 |
JP7235399B2 true JP7235399B2 (ja) | 2023-03-08 |
Family
ID=69797515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018171981A Active JP7235399B2 (ja) | 2018-09-14 | 2018-09-14 | 選択的片末端反応を用いたシランカップリング剤合成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7235399B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000212269A (ja) | 1999-01-22 | 2000-08-02 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカ―ボネ―ト樹脂及びそれを用いた光学情報記録媒体用基板、並びに光学情報記録媒体 |
JP2015530427A (ja) | 2012-08-08 | 2015-10-15 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | ジウレタン(メタ)アクリレート−シラン組成物及びそれを含む物品 |
JP2015196682A (ja) | 2014-03-31 | 2015-11-09 | 株式会社松風 | 新規シランカップリング剤およびそれを含む歯科用組成物 |
-
2018
- 2018-09-14 JP JP2018171981A patent/JP7235399B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000212269A (ja) | 1999-01-22 | 2000-08-02 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカ―ボネ―ト樹脂及びそれを用いた光学情報記録媒体用基板、並びに光学情報記録媒体 |
JP2015530427A (ja) | 2012-08-08 | 2015-10-15 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | ジウレタン(メタ)アクリレート−シラン組成物及びそれを含む物品 |
JP2015532663A (ja) | 2012-08-08 | 2015-11-12 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 尿素(マルチ)−ウレタン(メタ)アクリレート−シラン組成物及びこれを含む物品 |
JP2015196682A (ja) | 2014-03-31 | 2015-11-09 | 株式会社松風 | 新規シランカップリング剤およびそれを含む歯科用組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020040930A (ja) | 2020-03-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6845851B2 (ja) | 硬化性ポリマー | |
EP2550307B1 (en) | Macro-photoinitiators and curable compositions thereof | |
TW524810B (en) | Process of preparing curable compositions and compositions therefrom | |
JP2018537552A (ja) | 硬化性ポリマー | |
US10519257B2 (en) | Compositions containing 1,1-di-carbonyl-substituted alkene compounds for preparing polymers having enhanced glass transition temperatures | |
JPS61293960A (ja) | (メタ)アクリル酸エステル類 | |
JP5518726B2 (ja) | 活性メチレン試薬、およびそれから製造される硬化性組成物 | |
JPH0554846B2 (ja) | ||
KR101738356B1 (ko) | 에폭시 혹은 아크릴레이트기를 가지는 하이퍼브렌치드 폴리글리세롤을 포함하는 광경화형 조성물 및 이의 제조방법 | |
JP7235399B2 (ja) | 選択的片末端反応を用いたシランカップリング剤合成方法 | |
JPH06511463A (ja) | 改質表面を有する珪素またはシリカの基質、これの製造方法、新規なオルトエステル類およびこれの製造方法 | |
US10287368B2 (en) | Alkoxysilane-functionalized hydrocarbon compounds, intermediates thereof and methods of preparation thereof | |
JP2007238567A (ja) | シランカップリング剤、歯科用コンポジットレジン、及びこのシランカップリング剤を含む歯科用プライマー | |
JPH05501549A (ja) | アリルペルオキシド連鎖移動剤 | |
KR102396554B1 (ko) | 라디칼계 메카노크로믹 단량체 및 이를 이용한 자가보고 고분자 | |
JP5591857B2 (ja) | (メタ)アクリルアミド化合物前駆体 | |
TW201141890A (en) | Method for reacting ethylene/terafluoroethylene copolymer having functional group | |
EP0470008B1 (fr) | Compositions polymérisables et utilisation de ces compositions pour l'étanchement des milieux souterrains | |
TW200307700A (en) | Open-chain alkoxyamines and their corresponding nitroxides for controlled low temperature radical polymerization | |
TWI818275B (zh) | 丙烯酸酯單體及其形成方法,其聚合物與形成聚合物的方法 | |
KR20180036162A (ko) | 프탈로니트릴 수지 | |
CN114920912B (zh) | 一种连续合成聚合物分子刷的方法 | |
CN115466191B (zh) | 一种连续流制备树状大分子的方法 | |
WO2006111637A1 (fr) | Procede de preparation d’alcoxamines par photolyse de dithiocarbamates | |
FR2795077A1 (fr) | Agents de complexation de cations, utiles notamment comme accelerateurs de polymerisation de monomeres insatures, leur procede de preparation et composition adhesive en contenant |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210802 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220516 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220527 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220920 |
|
A603 | Late request for extension of time limit during examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A603 Effective date: 20220920 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221214 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230116 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230222 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230222 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7235399 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |