JP7234749B2 - 内燃機関の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Description

ここに開示する技術は、内燃機関の制御装置及び制御方法に関する。
特許文献1には、無過給状態でかつ理論空燃比で実行するストイキ燃焼モードと、過給状態でかつ理論空燃比よりもリーンな空燃比で実行するリーン燃焼モードとを切り替えるエンジンが記載されている。このエンジンは、ストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへの切り替え過渡時に、過給圧を上昇しながら、失火しない限度で点火時期を遅角する。これにより、エンジンは、切り替え前のトルクを維持しながら過給圧を高める。そして、過給圧が目標過給圧に到達すれば、エンジンは、空燃比をリーン空燃比へ変化させる。
特開2018-48610号公報
混合気の燃料比を理論空燃比よりもリーンにすると、三元触媒は排気ガス中のNOxを浄化することができない。そのため、エンジンは、リーン燃焼運転中に燃焼室内で発生するRawNOxが少なくなるよう、混合気を大幅にリーンにしなければならない。尚、「燃料比」の文言は、ここでは、燃焼室内の空気と燃料との比率(つまりA/F)、及び、燃焼室内のガスと燃料との比率(つまりG/F)の総称として用いている。
一方、目標の燃料比となるように調節を行っても、燃焼室内に導入する空気量及び/又はEGRガス量を調節するデバイスのばらつきや、燃料比を計測するセンサのばらつきに起因して、実際の燃料比は、目標の燃料比に対してばらつく。
目標の燃料比を大幅にリーンにした場合に、実際の燃料比が、その目標燃料比によりもリーンになると、混合気が過剰にリーンになってしまい燃焼が不安定になる恐れがある。
ここに開示する技術は、リーン燃焼運転が可能な内燃機関において、NOxの排出抑制と、燃焼安定性の確保とを両立する。
ここに開示する技術は、燃焼室内に導入される混合気の燃料比を理論空燃比よりも大きくして運転するリーン燃焼運転が可能な内燃機関の制御方法に関する。この制御方法は、
制御部が、前記内燃機関の運転状態に応じて、混合気の燃料比の目標値を設定するステップと、
前記制御部が、燃料比の実際のばらつき度合いに基づき、前記設定した目標値に対して、燃料比がリーン側に最大限ずれた場合の燃料比を推定するステップと、
前記制御部が、前記推定した燃料比が、燃焼安定性に基づき定まるリーン限界を超える場合に、前記目標値よりもリッチな初期値を設定するステップと、
前記制御部が、前記初期値となるように、状態量調整部及び燃料供給部を通じて前記内燃機関の筒内状態量及び燃料量を調節しかつ、混合気を燃焼させるステップと、
前記制御部が、前記燃焼ステップの後、前記目標値となるように、又は、前記目標値に近づいた燃料比となるように、前記状態量調整部及び前記燃料供給部を通じて前記筒内状態量及び前記燃料量を調節しかつ、混合気を燃焼させるステップと、
を備えている。
この構成によると、制御部は、内燃機関の運転状態に応じて混合気の燃料比の目標値を設定する。目標値は、例えばRawNOxが少なくなる燃料比となるよう設定してもよい。その場合、燃料比は、理論空燃比よりも大幅にリーンになる。
制御部は、目標値を設定すると、燃料比の実際のばらつき度合いに基づき、燃料比が、目標値に対してリーン側に最大限ずれた場合の燃料比を推定する。燃料比の実際のばらつき度合いは、内燃機関の運転中に計測をした各種計測値に基づいて定めてもよい。推定した燃料比がリーン限界を超える場合は、燃焼が不安定になる恐れがある。制御部は、推定した燃料比がリーン限界を超える場合、目標値よりもリッチな初期値を設定する。初期値は、RawNOxが多くならないような値に設定してもよい。尚、推定した燃料比がリーン限界を超えない場合、初期値の設定は行わなくてもよい。
制御部は、設定した初期値となるように筒内状態量と燃料量とを調節する。筒内状態量の調節は、筒内に導入する空気量及びEGRガス量の調節である。実際の燃料比がリーン側に最大限ずれたとしても、燃料比はリーン限界を超えない。混合気は安定的に燃焼する。
制御部は、燃焼ステップの後、目標値となるように、又は、目標値に近づいた燃料比となるように、筒内状態量と燃料量とを調節する。つまり、燃料比を、初期値よりもリーンな燃料比にする。混合気を安定的に燃焼させながら、混合気の燃料比を、内燃機関の運転状態に対応した燃料比に変更することができる。その結果、リーン燃焼運転が可能な内燃機関において、NOxの排出抑制と、燃焼安定性の確保とが両立する。内燃機関がリーン燃焼運転することにより、当該内燃機関が搭載された自動車は、燃費性能が向上する。
前記制御部は、前記燃料比を前記目標値に近づけるステップを複数回実行する、としてもよい。
つまり、制御部は、混合気の燃料比を、初期値から目標値へ徐々に近づける。これにより、NOxの排出が抑制されると共に、混合気の燃焼安定性が確保される。
前記制御部は、実際の燃料比が前記リーン限界を超えた場合には、前記燃料比を前記目標値に近づけることを中止する、としてもよい。
こうすることで、燃料比は過剰にリーンにならないから、混合気の燃焼が不安定になることが抑制される。
前記制御部は、燃料量を一定にしかつ、スロットル弁の開度を大きくすることによって、前記燃料比を前記目標値に近づける、としてもよい。
こうすることで、燃焼安定性を維持しながら、燃料比を目標値に近づけることが可能になる。
前記制御部は、前記内燃機関をストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転へ切り替える場合に、前記初期値を設定する。
ストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転へ切り替える場合、混合気の燃料比は大きく変化する。切り替え時の燃料比のばらつきが大きくなり、実際の燃料比が目標値からずれることによって、リーン限界を超えてしまう恐れがある。
ストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転へ切り替える場合に、初期値に基づく燃料比の調節を行えば、NOxの排出抑制と燃焼安定性の確保とを両立させることができる。
ここに開示する技術は、リーン燃焼運転が可能な内燃機関の制御装置に係る。この制御装置は、前記内燃機関に取り付けられた燃料供給部と、前記内燃機関の筒内状態量を調節する状態量調節部と、前記内燃機関の運転状態に応じて設定した混合気の燃料比の目標値に従って、前記燃料供給部及び前記状態量調節部に制御信号を出力する制御部と、を備える。
前記制御部は、
燃料比の実際のばらつき度合いに基づき、前記設定した目標値に対して、燃料比がリーン側に最大限ずれた場合の燃料比を推定する推定部と、
前記推定した燃料比が、燃焼安定性に基づき定まるリーン限界を超える場合に、前記目標値よりもリッチな初期値を設定する初期値設定部と、
前記初期値となるように、前記状態量調節部及び前記燃料供給部を通じて前記筒内状態量及び燃料量を調節しかつ、混合気を燃焼させる燃料比調節部と、を有し、
前記燃料比調節部は、前記燃焼の後、前記目標値となるように、又は、前記目標値に近づいた燃料比となるように、前記状態量調節部及び前記燃料供給部を通じて前記筒内状態量及び前記燃料量を調節しかつ、混合気を燃焼させる。
前記燃料比調節部は、前記燃料比を前記目標値に近づけることを複数回実行する、としてもよい。
前記燃料比調節部は、実際の燃料比が前記リーン限界を超えた場合には、前記燃料比を前記目標値に近づけることを中止する、としてもよい。
前記燃料比調節部は、前記燃料量を一定にしかつ、スロットル弁の開度を大きくすることによって、前記燃料比を前記目標値に近づける、としてもよい。
前記制御部は、前記内燃機関をストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転へ切り替える場合に、前記初期値を設定する。
以上説明したように、前記の内燃機関の制御装置及び制御方法は、リーン燃焼運転が可能な内燃機関において、NOxの排出抑制と、燃焼安定性の確保とを両立することができる。
図1は、エンジンの構成を例示する図である。 図2は、燃焼室の構成を例示する図であり、上図は燃焼室の平面視相当図、下図はII-II線断面図である。 図3は、エンジンの制御装置の構成を例示するブロック図である。 図4は、SPCCI燃焼の波形を例示する図である。 図5は、エンジンの運転マップを例示する図である。 図6は、燃料比とRawNOxとの関係、及び、燃料比とSDIとの関係を例示する図である。 図7は、燃料比の調節に関する制御を実行するECUの機能ブロックを例示するブロック図である。 図8は、エンジンの基本制御を例示するフローチャートである。 図9は、目標燃料比の設定に係るフローチャートである。 図10は、ストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転への切り替え時における、運転モード、燃料比、スロットル開度、燃料噴射量、及びRawNOxの変化を例示するタイムチャートである。
以下、内燃機関の制御装置に関する実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明は、内燃機関としてのエンジン、及び、エンジンの制御装置の一例である。
図1は、エンジンシステムの構成を例示する図である。図2は、エンジンの燃焼室の構成を例示する図である。尚、図1における吸気側は紙面左側であり、排気側は紙面右側である。図2における吸気側は紙面右側であり、排気側は紙面左側である。図3は、エンジンの制御装置の構成を例示するブロック図である。
エンジン1は、燃焼室17が吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程を繰り返すことにより運転する4ストロークエンジンである。エンジン1は、四輪の自動車に搭載されている。エンジン1が運転することによって、自動車は走行する。エンジン1の燃料は、この構成例においてはガソリンである。燃料は、少なくともガソリンを含む液体燃料であればよい。燃料は、例えばバイオエタノール等を含むガソリンであってもよい。
(エンジンの構成)
エンジン1は、シリンダブロック12と、その上に載置されるシリンダヘッド13とを備えている。シリンダブロック12の内部に複数のシリンダ11が形成されている。図1及び図2では、一つのシリンダ11のみを示す。エンジン1は、多気筒エンジンである。
各シリンダ11内には、ピストン3が摺動自在に内挿されている。ピストン3は、コネクティングロッド14を介してクランクシャフト15に連結されている。ピストン3は、シリンダ11及びシリンダヘッド13と共に燃焼室17を区画する。尚、「燃焼室」は広義で用いる場合がある。つまり、「燃焼室」は、ピストン3の位置に関わらず、ピストン3、シリンダ11及びシリンダヘッド13によって形成される空間を意味する場合がある。
シリンダヘッド13の下面、つまり、燃焼室17の天井面は、図2の下図に示すように、傾斜面1311と、傾斜面1312とによって構成されている。傾斜面1311は、吸気側から、後述するインジェクタ6の噴射軸心X2に向かって上り勾配となっている。傾斜面1312は、排気側から噴射軸心X2に向かって上り勾配となっている。燃焼室17の天井面は、いわゆるペントルーフ形状である。
ピストン3の上面は燃焼室17の天井面に向かって***している。ピストン3の上面には、キャビティ31が形成されている。キャビティ31は、ピストン3の上面から凹陥している。キャビティ31は、この構成例では、浅皿形状を有している。キャビティ31の中心は、シリンダ11の中心軸X1よりも排気側にずれている。
エンジン1の幾何学的圧縮比は、10以上30以下に設定されている。後述するようにエンジン1は、一部の運転領域において、SI燃焼とCI燃焼とを組み合わせたSPCCI燃焼を行う。SPCCI燃焼は、SI燃焼による発熱と圧力上昇とを利用して、CI燃焼をコントロールする。エンジン1は、圧縮着火式である。このエンジン1は、ピストン3が圧縮上死点に至った時の燃焼室17の温度(つまり、圧縮端温度)を高くする必要がない。エンジン1は、幾何学的圧縮比を、比較的低く設定することが可能である。幾何学的圧縮比を低くすると、冷却損失の低減、及び、機械損失の低減に有利になる。エンジン1の幾何学的圧縮比は、レギュラー仕様(燃料のオクタン価が91程度の低オクタン価燃料)においては、14~17とし、ハイオク仕様(燃料のオクタン価が96程度の高オクタン価燃料)においては、15~18としてもよい。
シリンダヘッド13には、シリンダ11毎に、吸気ポート18が形成されている。吸気ポート18は、図示は省略するが、第1吸気ポート及び第2吸気ポートを有している。吸気ポート18は、燃焼室17に連通している。吸気ポート18は、詳細な図示は省略するが、いわゆるタンブルポートである。つまり、吸気ポート18は、燃焼室17の中にタンブル流が形成されるような形状を有している。
吸気ポート18には、吸気弁21が配設されている。吸気弁21は、燃焼室17と吸気ポート18との間を開閉する。吸気弁21は動弁機構によって、所定のタイミングで開閉する。動弁機構は、バルブタイミング及び/又はバルブリフトを可変にする可変動弁機構とすればよい。この構成例では、図3に示すように、可変動弁機構は、吸気電動S-VT(Sequential-Valve Timing)23を有している。吸気電動S-VT23は、吸気カムシャフトの回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更する。吸気弁21の開弁タイミング及び閉弁タイミングは、連続的に変化する。尚、吸気動弁機構は、電動S-VTに代えて、油圧式のS-VTを有していてもよい。吸気弁21及び吸気電動S-VT23は、状態量調節部の一例である。
シリンダヘッド13にはまた、シリンダ11毎に、排気ポート19が形成されている。排気ポート19も、第1排気ポート及び第2排気ポートを有している。排気ポート19は、燃焼室17に連通している。
排気ポート19には、排気弁22が配設されている。排気弁22は、燃焼室17と排気ポート19との間を開閉する。排気弁22は動弁機構によって、所定のタイミングで開閉する。この動弁機構は、バルブタイミング及び/又はバルブリフトを可変にする可変動弁機構とすればよい。この構成例では、図3に示すように、可変動弁機構は、排気電動S-VT24を有している。排気電動S-VT24は、排気カムシャフトの回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更する。排気弁22の開弁タイミング及び閉弁タイミングは、連続的に変化する。尚、排気動弁機構は、電動S-VTに代えて、油圧式のS-VTを有していてもよい。排気弁22及び排気電動S-VT24は、状態量調節部の一例である。
吸気電動S-VT23及び排気電動S-VT24は、吸気弁21と排気弁22との両方が開弁するオーバーラップ期間の長さを調節する。オーバーラップ期間の長さを長くすると、燃焼室17の中の残留ガスを掃気することができる。また、オーバーラップ期間の長さを調節することによって、内部EGR(Exhaust Gas Recirculation)ガスを燃焼室17の中に導入することができる。吸気電動S-VT23及び排気電動S-VT24は、内部EGRシステムを構成している。尚、内部EGRシステムは、S-VTによって構成されるものに限らない。
シリンダヘッド13には、シリンダ11毎に、インジェクタ6が取り付けられている。インジェクタ6は、燃焼室17の中に燃料を直接噴射する。インジェクタ6は、燃料供給部の一例である。インジェクタ6は、傾斜面1311と傾斜面1312とが交差するペントルーフの谷部に配設されている。図2に示すように、インジェクタ6の噴射軸心X2は、シリンダ11の中心軸X1よりも排気側に位置している。インジェクタ6の噴射軸心X2は、中心軸X1に平行である。インジェクタ6の噴射軸心X2とキャビティ31の中心とは一致している。インジェクタ6は、キャビティ31に対向している。尚、インジェクタ6の噴射軸心X2は、シリンダ11の中心軸X1と一致していてもよい。その構成の場合に、インジェクタ6の噴射軸心X2と、キャビティ31の中心とは一致していてもよい。
インジェクタ6は、詳細な図示は省略するが、複数の噴口を有する多噴口型の燃料噴射弁によって構成されている。インジェクタ6は、図2に二点鎖線で示すように、燃料噴霧が、燃焼室17の中央から放射状に広がるように燃料を噴射する。インジェクタ6は、本構成例においては、十個の噴孔を有しており、噴孔は、周方向に等角度に配置されている。
インジェクタ6には、燃料供給システム61が接続されている。燃料供給システム61は、燃料を貯留するよう構成された燃料タンク63と、燃料タンク63とインジェクタ6とを互いに連結する燃料供給路62とを備えている。燃料供給路62には、燃料ポンプ65とコモンレール64とが介設している。燃料ポンプ65は、コモンレール64に燃料を送る。燃料ポンプ65は、この構成例においては、クランクシャフト15によって駆動されるプランジャー式のポンプである。コモンレール64は、燃料ポンプ65から送られた燃料を、高い燃料圧力で蓄える。インジェクタ6が開弁すると、コモンレール64に蓄えられていた燃料が、インジェクタ6の噴口から燃焼室17の中に噴射される。燃料供給システム61は、30MPa以上の高い圧力の燃料を、インジェクタ6に供給することが可能である。インジェクタ6に供給する燃料の圧力は、エンジン1の運転状態に応じて変更してもよい。尚、燃料供給システム61の構成は、前記の構成に限定されない。
シリンダヘッド13には、シリンダ11毎に、点火プラグ25が取り付けられている。点火プラグ25は、燃焼室17の中の混合気に強制的に点火をする。点火プラグ25は、この構成例では、シリンダ11の中心軸X1よりも吸気側に配設されている。点火プラグ25は、2つの吸気ポート18の間に位置している。点火プラグ25は、上方から下方に向かって、燃焼室17の中央に近づく方向に傾いて、シリンダヘッド13に取り付けられている。点火プラグ25の電極は、図2に示すように、燃焼室17の中に臨んでかつ、燃焼室17の天井面の付近に位置している。尚、点火プラグ25を、シリンダ11の中心軸X1よりも排気側に配置してもよい。また、点火プラグ25をシリンダ11の中心軸X1上に配置してもよい。
エンジン1の一側面には吸気通路40が接続されている。吸気通路40は、各シリンダ11の吸気ポート18に連通している。燃焼室17に導入するガスは、吸気通路40を流れる。吸気通路40の上流端部には、エアクリーナー41が配設されている。エアクリーナー41は、新気を濾過する。吸気通路40の下流端近傍には、サージタンク42が配設されている。サージタンク42よりも下流の吸気通路40は、シリンダ11毎に分岐する独立通路を構成している。独立通路の下流端が、各シリンダ11の吸気ポート18に接続されている。
吸気通路40におけるエアクリーナー41とサージタンク42との間には、スロットル弁43が配設されている。スロットル弁43は、弁の開度を調節することによって、燃焼室17の中への新気の導入量を調節する。スロットル弁43は状態量調節部の一例である。
吸気通路40にはまた、スロットル弁43の下流に、過給機44が配設されている。過給機44は、燃焼室17に導入するガスを過給する。この構成例において、過給機44は、エンジン1によって駆動される機械式の過給機である。機械式の過給機44は、ルーツ式、リショルム式、ベーン式、又は遠心式であってもよい。
過給機44とエンジン1との間には、電磁クラッチ45が介設している。電磁クラッチ45は、過給機44とエンジン1との間で、エンジン1から過給機44へ駆動力を伝達したり、駆動力の伝達を遮断したりする。後述するように、ECU10が電磁クラッチ45の接続及び遮断を切り替えることによって、過給機44はオンとオフとが切り替わる。
吸気通路40における過給機44の下流には、インタークーラー46が配設されている。インタークーラー46は、過給機44において圧縮されたガスを冷却する。インタークーラー46は、例えば水冷式又は油冷式に構成してもよい。
吸気通路40には、バイパス通路47が接続されている。バイパス通路47は、過給機44及びインタークーラー46をバイパスするよう、吸気通路40における過給機44の上流部とインタークーラー46の下流部とを互いに接続する。バイパス通路47には、エアバイパス弁48が配設されている。エアバイパス弁48は、バイパス通路47を流れるガスの流量を調節する。
ECU10は、過給機44をオフにしたとき(つまり、電磁クラッチ45を遮断したとき)に、エアバイパス弁48を全開にする。吸気通路40を流れるガスは、過給機44をバイパスして、エンジン1の燃焼室17に導入される。エンジン1は、非過給、つまり自然吸気の状態で運転する。
過給機44をオンにすると、エンジン1は過給状態で運転する。ECU10は、過給機44をオンにしたとき(つまり、電磁クラッチ45を接続したとき)に、エアバイパス弁48の開度を調節する。過給機44を通過したガスの一部は、バイパス通路47を通って過給機44の上流に逆流する。ECU10がエアバイパス弁48の開度を調節すると、燃焼室17に導入するガスの過給圧が変わる。尚、過給時とは、サージタンク42内の圧力が大気圧を超える時をいい、非過給時とは、サージタンク42内の圧力が大気圧以下になる時をいう、と定義してもよい。
この構成例においては、過給機44とバイパス通路47とエアバイパス弁48とによって、過給システム49が構成されている。過給システム49は状態量調節部の一例である。
エンジン1は、燃焼室17内に、スワール流を発生させるスワール発生部を有している。スワール流は、図2に白抜きの矢印で示すように流れる。スワール発生部は、吸気通路40に取り付けられたスワールコントロール弁56を有している。スワールコントロール弁56は、詳細な図示は省略するが、二つの吸気ポート18のうちの一方の吸気ポート18につながるプライマリ通路と、他方の吸気ポート18につながるセカンダリ通路との内の、セカンダリ通路に配設されている。スワールコントロール弁56は、セカンダリ通路の断面を絞ることができる開度調節弁である。スワールコントロール弁56の開度が小さいと、一方の吸気ポート18から燃焼室17に入る吸気流量が相対的に多くかつ、他方の吸気ポート18から燃焼室17に入る吸気流量が相対的に少ないから、燃焼室17内のスワール流が強くなる。スワールコントロール弁56の開度が大きいと、二つの吸気ポート18のそれぞれから燃焼室17に入る吸気流量が略均等になるから、燃焼室17内のスワール流が弱くなる。スワールコントロール弁56を全開にすると、スワール流が発生しない。
エンジン1の他側面には、排気通路50が接続されている。排気通路50は、各シリンダ11の排気ポート19に連通している。排気通路50は、燃焼室17から排出された排気ガスが流れる通路である。排気通路50の上流部分は、詳細な図示は省略するが、シリンダ11毎に分岐する独立通路を構成している。独立通路の上流端が、各シリンダ11の排気ポート19に接続されている。
排気通路50には、複数の触媒コンバーターを有する排気ガス浄化システムが配設されている。上流の触媒コンバーターは、図示は省略するが、エンジンルーム内に配設されている。上流の触媒コンバーターは、三元触媒511と、GPF(Gasoline Particulate Filter)512とを有している。下流の触媒コンバーターは、エンジンルーム外に配設されている。下流の触媒コンバーターは、三元触媒513を有している。尚、排気ガス浄化システムは、図例の構成に限定されるものではない。例えば、GPFは省略してもよい。また、触媒コンバーターは、三元触媒を有するものに限定されない。さらに、三元触媒及びGPFの並び順は、適宜変更してもよい。
吸気通路40と排気通路50との間には、外部EGRシステムを構成するEGR通路52が接続されている。EGR通路52は、排気ガスの一部を吸気通路40に還流させるための通路である。EGR通路52の上流端は、排気通路50における上流の触媒コンバーターと下流の触媒コンバーターとの間に接続されている。EGR通路52の下流端は、吸気通路40における過給機44の上流部に接続されている。EGR通路52を流れるEGRガスは、バイパス通路47のエアバイパス弁48を通らずに、吸気通路40における過給機44の上流部に入る。
EGR通路52には、水冷式のEGRクーラー53が配設されている。EGRクーラー53は、排気ガスを冷却する。EGR通路52にはまた、EGR弁54が配設されている。EGR弁54は、EGR通路52を流れる排気ガスの流量を調節する。EGR弁54の開度を調節することによって、冷却した排気ガス、つまり外部EGRガスの還流量を調節することができる。
この構成例において、EGRシステム55は、外部EGRシステムと、内部EGRシステムとによって構成されている。外部EGRシステムは、内部EGRシステムよりも低温の排気ガスを、燃焼室17に供給することができる。EGRシステム55は、状態量調節部の一例である。
図1及び図3において、符号57は、クランクシャフト15に連結されたオルタネータ57である。オルタネータ57は、エンジン1によって駆動される。
内燃機関の制御装置は、エンジン1を運転するためのECU(Engine Control Unit)10を備えている。ECU10は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラーであって、図3に示すように、プログラムを実行する中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)101と、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)により構成されてプログラム及びデータを格納するメモリ102と、電気信号の入出力をする入出力バス103と、を備えている。ECU10は、制御部の一例である。
ECU10には、図1及び図3に示すように、各種のセンサSW1~SW17が接続されている。センサSW1~SW17は、信号をECU10に出力する。センサには、以下のセンサが含まれる。
エアフローセンサSW1:吸気通路40におけるエアクリーナー41の下流に配置されかつ、吸気通路40を流れる新気の流量を計測する
第1吸気温度センサSW2:吸気通路40におけるエアクリーナー41の下流に配置されかつ、吸気通路40を流れる新気の温度を計測する
第1圧力センサSW3:吸気通路40におけるEGR通路52の接続位置よりも下流でかつ、過給機44の上流に配置されかつ、過給機44に流入するガスの圧力を計測する
第2吸気温度センサSW4:吸気通路40における過給機44の下流でかつ、バイパス通路47の接続位置よりも上流に配置されかつ、過給機44から流出したガスの温度を計測する
第2圧力センサSW5:サージタンク42に取り付けられかつ、過給機44の下流のガスの圧力を計測する
筒内圧センサSW6:各シリンダ11に対応してシリンダヘッド13に取り付けられかつ、各燃焼室17内の圧力を計測する
NOxセンサSW7:排気通路50における三元触媒513の下流に配置されかつ、三元触媒513を通過した排気ガス中のNOx濃度を計測する
リニアOセンサSW8:排気通路50における上流の触媒コンバーターよりも上流に配置されかつ、排気ガス中の酸素濃度を計測する
ラムダOセンサSW9:上流の触媒コンバーターにおける三元触媒511の下流に配置されかつ、排気ガス中の酸素濃度を計測する
水温センサSW10:エンジン1に取り付けられかつ、冷却水の温度を計測する
クランク角センサSW11:エンジン1に取り付けられかつ、クランクシャフト15の回転角を計測する
アクセル開度センサSW12:アクセルペダル機構に取り付けられかつ、アクセルペダルの操作量に対応したアクセル開度を計測する
吸気カム角センサSW13:エンジン1に取り付けられかつ、吸気カムシャフトの回転角を計測する
排気カム角センサSW14:エンジン1に取り付けられかつ、排気カムシャフトの回転角を計測する
EGR差圧センサSW15:EGR通路52に配置されかつ、EGR弁54の上流及び下流の差圧を計測する
燃圧センサSW16:燃料供給システム61のコモンレール64に取り付けられかつ、インジェクタ6に供給する燃料の圧力を計測する
第3吸気温度センサSW17:サージタンク42に取り付けられかつ、サージタンク42内のガスの温度、換言すると燃焼室17に導入される吸気の温度を計測する。
ECU10は、これらのセンサSW1~SW17の信号に基づいて、エンジン1の運転状態を判断すると共に、予め定められている制御ロジックに従って、各デバイスの制御量を演算する。制御ロジックは、メモリ102に記憶されている。制御ロジックは、メモリ102に記憶している運転マップを用いて、目標量及び/又は制御量を演算することを含む。
ECU100は、演算をした制御量に係る電気信号を、インジェクタ6、点火プラグ25、吸気電動S-VT23、排気電動S-VT24、燃料供給システム61、スロットル弁43、EGR弁54、過給機44の電磁クラッチ45、エアバイパス弁48、スワールコントロール弁56、及び、オルタネータ57に出力する。
例えば、ECU10は、アクセル開度センサSW12の信号と運転マップとに基づいて、エンジン1の目標トルクを設定すると共に、目標過給圧を決定する。そして、ECU10は、目標過給圧と、第1圧力センサSW3及び第2圧力センサSW5の信号から得られる過給機44の前後差圧とに基づいて、エアバイパス弁48の開度を調節するフィードバック制御を行うことにより、過給圧が目標過給圧となるようにする。
また、ECU10は、エンジン1の運転状態と運転マップとに基づいて目標EGR率を設定する。EGR率は、燃焼室17の中の全ガスに対するEGRガスの比である。ECU10は、目標EGR率とアクセル開度センサSW12の信号に基づく吸入空気量とに基づき目標EGRガス量を決定すると共に、EGR差圧センサSW15の信号から得られるEGR弁54の前後差圧に基づいてEGR弁54の開度を調節するフィードバック制御を行うことにより、燃焼室17の中に導入する外部EGRガス量が目標EGRガス量となるようにする。
さらに、ECU10は、所定の制御条件が成立している場合に空燃比フィードバック制御を実行する。具体的にECU10は、リニアOセンサSW8、及び、ラムダOセンサSW9が計測した排気中の酸素濃度に基づいて、混合気の空燃比が所望の値となるように、インジェクタ6の燃料噴射量を調節する。
尚、その他のECU10によるエンジン1の制御の詳細は、後述する。
(SPCCI燃焼のコンセプト)
エンジン1は、燃費の向上及び排出ガス性能の向上を主目的として、所定の運転状態にある場合に圧縮自己着火による燃焼を行う。自己着火による燃焼は、圧縮開始前の燃焼室17の中の温度がばらつくと、自己着火のタイミングが大きく変化する。そこで、エンジン1は、SI燃焼とCI燃焼とを組み合わせたSPCCI燃焼を行う。
SPCCI燃焼は、点火プラグ25が、燃焼室17の中の混合気に強制的に点火をすることによって、混合気が火炎伝播によりSI燃焼をすると共に、SI燃焼の発熱により燃焼室17の中の温度が高くなりかつ、火炎伝播により燃焼室17の中の圧力が上昇することによって、未燃混合気が自己着火によるCI燃焼をする形態である。
SI燃焼の発熱量を調節することによって、圧縮開始前の燃焼室17の中の温度のばらつきを吸収することができる。ECU10が点火時期を調節することによって、混合気を目標のタイミングで自己着火させることができる。
SPCCI燃焼において、SI燃焼時の熱発生は、CI燃焼時の熱発生よりも穏やかである。図4は、SPCCI燃焼における熱発生率の波形801を例示している。SPCCI燃焼における熱発生率の波形801は、立ち上がりの傾きが、CI燃焼の波形における立ち上がりの傾きよりも小さくなる。また、燃焼室17の中における圧力変動(dp/dθ)も、SI燃焼時は、CI燃焼時よりも穏やかになる。
SI燃焼の開始後、未燃混合気が自己着火すると、自己着火のタイミングで、熱発生率の波形の傾きが、小から大へと変化する場合がある。熱発生率の波形は、CI燃焼が開始するタイミングθciで、変曲点Xを有する場合がある。
CI燃焼の開始後は、SI燃焼とCI燃焼とが並行して行われる。CI燃焼は、SI燃焼よりも熱発生が大きいため、熱発生率は相対的に大きくなる。しかし、CI燃焼は、圧縮上死点後に行われるため、熱発生率の波形の傾きが大きくなりすぎることが回避される。CI燃焼時の圧力変動(dp/dθ)も、比較的穏やかになる。
圧力変動(dp/dθ)は、燃焼騒音を表す指標として用いることができる。前述の通りSPCCI燃焼は、圧力変動(dp/dθ)を小さくすることができるため、燃焼騒音が大きくなりすぎることを回避することが可能になる。エンジン1の燃焼騒音は、許容レベル以下に抑えられる。
CI燃焼が終了することによって、SPCCI燃焼が終了する。CI燃焼は、SI燃焼に比べて、燃焼期間が短い。SPCCI燃焼は、SI燃焼よりも、燃焼終了時期が早まる。
SPCCI燃焼の熱発生率波形は、SI燃焼によって形成された第1熱発生率部QSIと、CI燃焼によって形成された第2熱発生部QCIと、が、この順番に連続するように形成されている。
(エンジンの運転領域)
図5は、エンジン1の制御に係る運転マップを例示している。運転マップは、ECU10のメモリ102に記憶されている。図5に例示する運転マップ501は、エンジン1の半暖機時の運転マップであり、502は、エンジン1の温間時の運転マップである。ECU10は、燃焼室17の壁温及び吸気の温度それぞれの高低に応じて運転マップ501又は運転マップ502を選択する。ECU10は、選択した運転マップを用いてエンジン1を制御する。
各運転マップ501、502は、エンジン1の負荷及び回転数によって規定されている。運転マップ501は、回転数の高低に対し二つの領域に分かれる。具体的に運転マップ501は、回転数N3以上である高回転の領域A1と、低回転及び中回転の領域に広がる領域A2とに分かれる。運転マップ502は、三つの領域に分かれる。具体的に運転マップ502は、前述した高回転の領域A1と、低回転及び中回転の領域A2と、領域A2内における、N1からN2の所定回転数範囲でかつ、L1からL2の所定負荷範囲の領域A3とに分かれる。
ここで、低回転領域、中回転領域、及び、高回転領域はそれぞれ、エンジン1の全運転領域を回転数方向に、低回転領域、中回転領域及び高回転領域の略三等分にした場合の、低回転領域、中回転領域、及び、高回転領域としてもよい。
図5の運転マップ501、502は、各領域における混合気の状態及び燃焼形態を示している。エンジン1は、領域A1においてSI燃焼を行う。エンジン1はまた、領域A2及びA3においてSPCCI燃焼を行う。以下、図5の運転マップ501、502の各領域におけるエンジン1の運転について詳細に説明をする。
(領域A3におけるエンジンの運転)
エンジン1が領域A3において運転している場合に、エンジン1は、SPCCI燃焼を行う。
エンジン1の燃費性能を向上させるために、EGRシステム55は、燃焼室17の中にEGRガスを導入する。具体的に、吸気電動S-VT23及び排気電動S-VT24は、排気上死点付近において、吸気弁21及び排気弁22の両方を開弁するポジティブオーバーラップ期間を設ける。
混合気の空燃比(A/F)は、燃焼室17の全体において理論空燃比よりもリーンである(つまり、空気過剰率λ>1)。より詳細に、燃焼室17の全体において混合気のA/Fは25以上31以下である。こうすることで、RawNOxの発生を抑制することができ、排出ガス性能を向上させることができる。スロットル弁43は、全開である。
インジェクタ6が燃料噴射を終了した後、点火プラグ25は、燃焼室17の混合気に点火をする。領域A3でエンジン1は、リーン燃焼運転を行う。
(領域A2におけるエンジンの運転)
エンジン1が領域A2において運転している場合に、エンジン1は、SPCCI燃焼を行う。
EGRシステム55は、燃焼室17の中にEGRガスを導入する。具体的に、吸気電動S-VT23及び排気電動S-VT24は、排気上死点付近において、吸気弁21及び排気弁22の両方を開弁するポジティブオーバーラップ期間を設ける。内部EGRガスが、燃焼室17の中に導入される。また、EGRシステム55は、領域A2の少なくとも一部の領域において、EGRクーラー53によって冷却した排気ガスを、EGR通路52を通じて燃焼室17の中に導入する。つまり、内部EGRガスに比べて温度が低い外部EGRガスが、燃焼室17の中に導入される。外部EGRガスは、燃焼室17の中の温度を、適切な温度に調節する。EGRシステム55は、エンジン1の負荷が高まるに従いEGRガスの量を減らす。EGRシステム55は、全開負荷において、内部EGRガス及び外部EGRガスを含むEGRガスを、ゼロにしてもよい。
混合気の空燃比(A/F)は、燃焼室17の全体において理論空燃比(A/F≒14.7)である。三元触媒511、513が、燃焼室17から排出された排出ガスを浄化することによって、エンジン1の排出ガス性能は良好になる。混合気のA/Fは、三元触媒の浄化ウインドウの中に収まるようにすればよい。混合気の空気過剰率λは、1.0±0.2としてもよい。尚、エンジン1が、全開負荷(つまり、最高負荷)において運転している場合には、混合気のA/Fは、燃焼室17の全体において理論空燃比又は理論空燃比よりもリッチにしてもよい(つまり、混合気の空気過剰率λは、λ≦1)。スロットル弁43は、全開又は中間開度に調節される。
燃焼室17内にEGRガスを導入しているため、燃焼室17の中の全ガスと燃料との重量比であるG/Fは理論空燃比よりもリーンになる。混合気のG/Fは18以上にしてもよい。こうすることで、いわゆるノッキングの発生を抑制することができる。G/Fは18以上30以下において設定してもよい。また、G/Fは18以上50以下において設定してもよい。
点火プラグ25は、インジェクタ6が燃料の噴射を行った後、圧縮上死点付近の所定のタイミングで混合気に点火をする。領域A2においてエンジン1は、ストイキ燃焼運転を行う。
(領域A1におけるエンジンの運転)
エンジン1の回転数が高いと、クランク角が1°変化するのに要する時間が短くなる。エンジン1の回転数が高くなると、SPCCI燃焼を行うことが困難になる。
そこで、エンジン1が領域A1において運転している場合に、エンジン1は、SPCCI燃焼ではなく、SI燃焼を行う。
EGRシステム55は、燃焼室17の中にEGRガスを導入する。EGRシステム55は、負荷が高まるに従いEGRガスの量を減らす。EGRシステム55は、全開負荷では、EGRガスをゼロにしてもよい。
混合気の空燃比(A/F)は、基本的には、燃焼室17の全体において理論空燃比(A/F≒14.7)である。混合気の空気過剰率λは、1.0±0.2とすればよい。尚、エンジン1が全開負荷の付近において運転している場合には、混合気の空気過剰率λは1未満であってもよい。スロットル弁43は、全開又は中間開度に調節される。
点火プラグ25は、インジェクタ6が燃料の噴射を終了した後、圧縮上死点付近の適宜のタイミングで、混合気に点火を行う。
(エンジンの運転モードの切り替え)
図5に示すように、エンジン1の負荷及び/又は回転数が変化することに伴い、エンジン1の運転状態が、領域A2から領域A3へと移行すると、エンジン1は、ストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転へと切り替わる。また、燃焼室17の壁温及び吸気の温度が高まり、運転マップ501から運転マップ502へ切り替わると、エンジン1の負荷及び回転数が変わらなくても、エンジン1は、ストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転へと切り替わる。
ここで、図6は、混合気の燃料比と、RawNOxとの関係(実線)、及び、燃料比と、燃焼安定性の指標としてのSDI(Standard Deviation of IMEP(Indicated Mean Effective Pressure))との関係(一点鎖線)を例示している。図6の横軸は燃料比(つまりA/F又はG/F)であり、図の右に進むほど混合気は、燃料がリーンになる。また、図6の左の縦軸はRawNOxであり、図の上に進むほどRawNOxが多くなる。
図6の実線から、混合気がリーンになると、RawNOxが少なくなる。混合気が理論空燃比の場合(つまりλ=1の場合)、RawNOxが多いが、三元触媒によってRawNOxを還元することができる。RawNOxを、NOx限界以下に抑えようとすると、燃料比を大幅にリーンにしなければならない。
一方、燃料比をリーンにすると、図6の一点鎖線で示すように、燃焼が不安定になる。NOx限界を満たす燃料比と、燃焼安定性を確保することができる燃料比としてのリーン限界とは近い。NOx限界が満足するように燃料比をリーンにすると、燃焼が不安定になる恐れがある。
ここで、図6の符号601に示すストイキ燃焼運転から、符号602に示すリーン燃焼運転へと切り替える場合を考える。ECU10が混合気の燃料比を目標値602に設定しかつ、各デバイスによって燃焼室17内へ導入する空気及びEGRガス量を調節すると共に、インジェクタ6が、エンジン1の運転状態に対応する量の燃料を燃焼室17内に供給したときに、混合気の実際の燃料比は、図6に両端矢印で示すように、ばらつきが生じる。RawNOxを少なくするために目標値602がリーン限界に近いと、図6に例示するように、実際の燃料比がリーン限界を超えてしまい、燃焼が不安定になってしまう恐れがある。ストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転への切り替え時のように、スロットル弁43の開度を大きくして燃焼室17内への空気量を増えると、燃料比のばらつきは、より一層大きくなるから、燃焼が不安定になりやすい。
そこで、このエンジン1は、RawNOxの排出抑制と、燃焼安定性の確保とを両立するために、燃料比の調節に特徴を有している。具体的にECU10は、エンジン1の運転状態に応じて目標燃料比を設定すると、燃料比の実際のばらつき度合いに基づき、設定した目標燃料比に対して、燃料比がリーン側に最大限ずれた場合の燃料比を推定する。燃料比の実際のばらつき度合いのデータは、メモリ102に記憶されている。
図7は、燃料比の調節に関する制御を実行するECU10の機能ブロックを例示している。ECU10は、目標値設定部104と、推定部105と、初期値設定部106と、燃料比調節部107と、燃料比計測部108とを有している。
目標値設定部104は、燃料比の目標値を設定する。目標値設定部104は、前述したように、エンジン1の運転状態に応じて目標燃料比を設定する。
推定部105は、メモリ102に記憶されている燃料比の実際のばらつき度合いに基づき、目標値設定部104が設定した目標燃料比に対して、燃料比がリーン側に最大限ずれた場合の燃料比を推定する。
初期値設定部106は、推定部105が推定した燃料比がリーン限界を超える場合、目標値よりもリッチな初期値を設定する。初期値は、実際の燃料比がリーン側に最大限ずれた場合でもリーン限界を超えないように設定される。図6の符号603は、初期値設定部106が設定する初期値の一例である。
燃料比調節部107は、初期値設定部106が燃料比の初期値を設定すれば、当該初期値となるように、筒内状態量を調節すると共に、燃料の噴射量を調節し、混合気を燃焼させる。具体的に、燃料比調節部107は、インジェクタ6に燃料の噴射に関する信号を出力すると共に、吸気電動S-VT23、排気電動S-VT24、スロットル弁43、EGR弁54及びエアバイパス弁48に、筒内状態量の調節に関する信号を出力する。
燃料比計測部108は、ECU10が、エンジン1の運転状態に応じて設定した燃料噴射量と、エアフローセンサSW1の信号とに基づいて、混合気の実際の空燃比を計測する。
燃料比調節部107はその後、詳細は後述するが、燃料比計測部108の計測結果にも基づいて、燃料比が目標値に到達するまで、又は、燃料比がリーン限界を超えない限度まで、燃料比を目標値に近づける(図6の符号604参照)。こうして燃料比を調節することにより、エンジン1は、リーン燃焼運転において、NOxの排出抑制と、燃焼安定性の確保とを両立させることができる。
尚、ECU10は、燃料比計測部108が計測した実際の空燃比に基づいて、メモリ102に記憶している、燃料比のばらつき度合いのデータを更新する。
次に、図8及び図9のフローチャートを参照しながら、ECU10が実行するエンジン1の制御について説明する。尚、図8及び図9のフローチャートにおける各ステップの順番は入れ替えることも可能である。
図8のフローチャートは、エンジン1の基本制御に係るフローチャートである。ECU10は、メモリ102に記憶している制御ロジックに従いエンジン1を運転する。ECU10は、各センサSW1~SW17の信号に基づいて、エンジン1の運転状態を判断すると共に、目標トルクを設定し、エンジン1が目標トルクを出力するように、燃焼室17の中の状態量の調節、噴射量の調節、噴射タイミングの調節、及び、点火時期の調節を行うための演算を行う。
具体的に、図8のフローチャートのステップS1において、ECU10は、各センサSW1~SW17の信号を読み込み、続くステップS2において、ECU10は、エンジン1の運転状態に対応した、燃料比のリーン限界を設定する。リーン限界は、前述したように、混合気の燃焼安定性を確保することができる、混合気の燃料比の希薄限界を意味する。
次いで、ECU10は、ステップS3において、運転マップ501、502とエンジン1の運転状態とに基づいて、エンジン1をリーン燃焼運転させるか否かを判断する。エンジン1をリーン燃焼運転させる場合、プロセスはステップS7に進み、リーン燃焼運転をさせない場合、言い替えるとエンジン1をストイキ燃焼運転させる場合、プロセスはステップS4に進む。
ステップS4~S6はストイキ燃焼運転に関するステップである。ステップS4においてECU10は、目標トルクを設定し、続くステップS5において、ECU10は、目標空気量を設定する。そして、ステップS6においてECU10は、設定した目標空気量に基づいて、混合気の空燃比が理論空燃比となるように、目標燃料噴射量を設定する。
ECU10はその後、ステップS11において、設定した目標空気量及び目標燃料噴射量となるように、各デバイスへ信号を出力する。エンジン1は、ストイキ燃焼運転をする。
一方、ステップS7~S10はリーン燃焼運転に関するステップである。ステップS7においてECU10は、ステップS4と同様に、目標トルクを設定し、続くステップS8においてECU10は、目標トルクに対応する目標燃料噴射量を設定する。
ECU10は、次のステップS9において、目標燃料比を設定する。図9は、ステップS9の目標燃料比の設定に係るフローチャートである。図9のフローのステップS21において、ECU10は、エンジン1がストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転への切り替え過渡時であるか否かを判断する。ステップS21の判断がYESのときには、プロセスはステップS23に進み、NOのときには、プロセスはステップS22に進む。後述するように、リーン燃焼運転への切り替えが完了した後は、プロセスはステップS22に進む。
ステップS22において、ECU10は、エンジン1の運転状態に応じて目標燃料比を設定する。リーン燃焼運転であるため、燃料比は、理論空燃比よりもリーンでかつ、NOx限界を下回るような燃料比に設定される。
ステップS23においてECU10は、初期値が既に設定されたか否かを判断する。初期値は、ストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転への切り替え時に最初に設定される目標空燃比である。前述したように、初期値は、目標燃料比よりもリッチに設定される場合がある。ステップS23の判断がYESのときは、プロセスはステップS27に進み、NOのときは、プロセスはステップS24に進む。
ステップS24においてECU10は、エンジン1の運転状態に応じて目標燃料比を設定する。ECU10は、RawNOxがNOx限界を下回るように目標燃料比を設定する。目標燃料比はまた、リーン限界よりもリッチである。
続くステップS25においてECU10は、燃料比の実際のばらつき度合いに基づいて、燃料比が、目標燃料比に対してリーン側に最大限ずれた場合に、リーン限界を超えるか否かを判断する。リーン限界を超える場合、プロセスはステップS26に進む。ステップS26においてECU10は、目標燃料比よりもリッチな初期値を設定する。一方、ステップS25においてリーン限界を超えない場合、プロセスはリターンする。ステップS24で設定した目標燃料比が初期値となる。
初期値の設定後に、プロセスは図8のフローチャートへ一旦戻る。ステップS10において、ECU10は、設定された初期値に基づいて目標空気量を設定し、その後、ステップS11においてECU10は、各デバイスへ制御信号を出力する。
次の燃焼サイクルにおいて、図9のステップS23の判断はYESになり、プロセスはステップS27に進む。ECU10は、設定した燃料噴射量と、エアフローセンサSW1の信号とに基づいて、混合気の実際の空燃比を計測すると共に、実際の空燃比がリーン限界を超えたか否かを判断する。実際の空燃比がリーン限界を超えた場合、プロセスはステップS28に進む。これ以上に燃料比をリーンにすると燃焼安定性を確保することができないため、ECU10は、燃料比を目標空燃比に近づけないで、そのまま維持する。ストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転への切り替えが完了したことになる。
実際の空燃比がリーン限界を超えない場合、プロセスはステップS27からステップS29に進む。ステップS29においてECU10は、実際の燃料比が、ステップS24で最初に定めた目標空燃比であるか否かを判断する。実際の燃料比が目標空燃比であれば、ストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転への切り替えが完了したとして、プロセスはリターンする。次の燃焼サイクル時には、ステップS21の判断がNOとなり、プロセスはステップS22に進むことになる。
ステップS29の判断がNOであれば、プロセスはステップS210に進む。ステップS210においてECU10は、次の燃焼サイクルの燃料比を、ステップS24で最初に定めた目標燃料比に近づける。そして、次の燃焼サイクル時に再び、ステップS27及びステップS29の判断を行う。こうして、プロセスがステップ210を複数回繰り返すことによって、燃料比が徐々に目標燃料比に近づく。燃料比は、最終的に目標空燃比になる、又は、リーン限界に到達する。これにより、NOxの排出が抑制されると共に、混合気の燃焼安定性が確保される。
図10は、図8及び図9のフローチャートに従って燃料比の調節を行った場合の、運転モードの変化901、燃料比の変化902、スロットル開度の変化903、燃料噴射量の変化904、及び、RawNOxの変化905を例示するタイムチャートである。
先ず、時刻t1までは、901に示すように、エンジン1は、ストイキ燃焼運転をしている。目標燃料比は、902に示すように、理論空燃比である。燃料比は理論空燃比となるように調節される。スロットル弁43の開度は、903に示すように、相対的に小さい。905に示すように、RawNOxは多くなるものの、三元触媒511、513がRawNOxを還元する。
時刻t1において、エンジン1は、ストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転へと切り替わる(901参照)。902に示すように、目標燃料比よりもリッチな初期値が設定される。また、初期値は、リーン限界よりもリッチである。スロットル弁43の開度は、903に示すように、リーンに設定される燃料比に対応するように大きくなる。RawNOxは、905に示すように、NOx限界を下回る。
燃料比はその後、902に示すように、目標燃料比に徐々に近づく。燃料噴射量は、904に示すように一定であるのに対し、スロットル弁32の開度は、903に示すように、燃料比がリーンになるに従い、徐々に大きくなる。こうすることで、燃焼安定性を維持しながら、燃料比を目標値に近づけることが可能になる。そして、図10の例では、時刻t2に、燃料比が目標燃料比に到達し、ストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転への切り替えが完了する。
尚、ここに開示する技術は、前述した構成のエンジン1に適用することに限定されない。エンジン1の構成は、様々な構成を採用することが可能である。
1 エンジン(内燃機関)
10 ECU(制御部)
105 推定部
106 初期値設定部
107 燃料比調節部
21 吸気弁(状態量調節部)
22 排気弁(状態量調節部)
23 吸気電動S-VT(状態量調節部)
24 排気電動S-VT(状態量調節部)
43 スロットル弁(状態量調節部)
44 過給機(状態量調節部)
49 過給システム(状態量調節部)
54 EGR弁(状態量調節部)
55 EGRシステム(状態量調節部)
6 インジェクタ(燃料供給部)

Claims (8)

  1. 燃焼室内に導入される混合気の燃料比を理論空燃比よりも大きくして運転するリーン燃焼運転が可能な内燃機関の制御方法であって、
    前記内燃機関をストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転へ切り替える場合に、
    制御部が、前記内燃機関の運転状態に応じて、混合気の燃料比の目標値を設定するステップと、
    前記制御部が、燃料比の実際のばらつき度合いに基づき、前記設定した目標値に対して、燃料比がリーン側に最大限ずれた場合の燃料比を推定するステップと、
    前記制御部が、前記推定した燃料比が、燃焼安定性に基づき定まるリーン限界を超える場合に、前記目標値よりもリッチな初期値を設定するステップと、
    前記制御部が、前記初期値となるように、状態量調整部及び燃料供給部を通じて前記内燃機関の筒内状態量及び燃料量を調節しかつ、混合気を燃焼させるステップと、
    前記制御部が、前記燃焼ステップの後、前記目標値となるように、又は、前記目標値に近づいた燃料比となるように、前記状態量調整部及び前記燃料供給部を通じて前記筒内状態量及び前記燃料量を調節しかつ、混合気を燃焼させるステップと、
    を備えている内燃機関の制御方法。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御方法において、
    前記制御部は、前記燃料比を前記目標値に近づけるステップを複数回実行する内燃機関の制御方法。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の制御方法において、
    前記制御部は、実際の燃料比が前記リーン限界を超えた場合には、前記燃料比を前記目標値に近づけることを中止する内燃機関の制御方法。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御方法において、
    前記制御部は、燃料量を一定にしかつ、スロットル弁の開度を大きくすることによって、前記燃料比を前記目標値に近づける内燃機関の制御方法。
  5. リーン燃焼運転が可能な内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関に取り付けられた燃料供給部と、
    前記内燃機関の筒内状態量を調節する状態量調節部と、
    前記内燃機関の運転状態に応じて設定した混合気の燃料比の目標値に従って、前記燃料供給部及び前記状態量調節部に制御信号を出力する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記内燃機関をストイキ燃焼運転からリーン燃焼運転へ切り替える場合に、
    燃料比の実際のばらつき度合いに基づき、前記設定した目標値に対して、燃料比がリーン側に最大限ずれた場合の燃料比を推定する推定部と、
    前記推定した燃料比が、燃焼安定性に基づき定まるリーン限界を超える場合に、前記目標値よりもリッチな初期値を設定する初期値設定部と、
    前記初期値となるように、前記状態量調節部及び前記燃料供給部を通じて前記筒内状態量及び燃料量を調節しかつ、混合気を燃焼させる燃料比調節部と、を有し、
    前記燃料比調節部は、前記燃焼の後、前記目標値となるように、又は、前記目標値に近づいた燃料比となるように、前記状態量調節部及び前記燃料供給部を通じて前記筒内状態量及び前記燃料量を調節しかつ、混合気を燃焼させる内燃機関の制御装置。
  6. 請求項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記燃料比調節部は、前記燃料比を前記目標値に近づけることを複数回実行する内燃機関の制御装置。
  7. 請求項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記燃料比調節部は、実際の燃料比が前記リーン限界を超えた場合には、前記燃料比を前記目標値に近づけることを中止する内燃機関の制御装置。
  8. 請求項5~7のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記燃料比調節部は、前記燃料量を一定にしかつ、スロットル弁の開度を大きくすることによって、前記燃料比を前記目標値に近づける内燃機関の制御装置。
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