JP7233328B2 - 抜栓付きキャップ、及び抜栓付きキャップの製造方法 - Google Patents
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Description
そのため、従来の抜栓付きキャップでは、吐出する内容物の種類や用途等に応じて吐出態様を柔軟に変化させたいとったニーズ(要望)に応えることが難しいものであった。
また、上側主材層が第1吐出口の内側から離脱することで、中間層が第1吐出口を通じて容器本体の外側に露出した状態となるので、第2吐出口を容器本体の外側に開口させることができる。従って、第2吐出口及び第1吐出口を通じて、容器本体内の内容物を外部に吐出することができる。
さらに、一体に形成されたキャップ本体及び抜栓部を利用するので、部品点数を抑えることができると共に、例えば別部材を後付けで組み付け作業する必要もない。そのため、低コスト化及び製造効率の向上化に繋げることができる。
例えば、上記厚さが0.05mm未満の場合には、中間層及び下側主材層の弾性力(復元変形力)が低くなりすぎる傾向となる。そのため、内容物を吐出した後、中間層及び下側主材層が弾性復元変形するときに、内容物の切れが悪くなり、安定した吐出を行い難い。その一方、上記厚さが0.2mmを超える場合には、中間層及び下側主材層の弾性力(復元変形力)が高くなりすぎる傾向となる。そのため、内容物の吐出のために、容器本体の内圧や流動圧を高くせざるを得なくなり、やはり安定した吐出を行い難い。
以下、本発明に係る抜栓付きキャップの第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の抜栓付きキャップ1は、内容物が収容される有底筒状の容器本体2の口部2aに装着され、内容物を吐出する第1吐出口11が形成された筒状のキャップ本体10と、キャップ本体10に対してヒンジ部31を介して連結され、第1吐出口11を開閉する有頂筒状の蓋体30と、第1吐出口11を閉塞する閉塞板42を有する抜栓部40と、を備えている。これらキャップ本体10、蓋体30及び抜栓部40は、一体に形成されている。
なお、第1係合突起3を形成する場合に限定されるものではなく、例えば容器本体2の口部2aの外周面に第1係合突起3に代えて雄ねじ部を形成しても構わない。
ただし、容器本体2の口部2aに対する中栓12の位置は、この場合に限定されるものではなく、例えば周壁部12b及び天壁部12aの両方が容器本体2の口部2aの上端開口端よりも上方に位置するように配置されていても構わない。
なお、フランジ部17には、上方に向けて突出すると共に蓋体30を下方から支持する環状の支持筒18が形成されている。
なお、シール筒13は、容器本体2の口部2aの内側に例えば気密に嵌合され、容器本体2内を適切に密封している。
なお、第2係合突起20は、第1係合突起3に対してアンダーカット嵌合可能とされていれば、環状に形成されていても構わないし、周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
囲繞筒15の下端部における内周面と装着筒14の下端部における外周面とは、連結片21を介して互いに連結されている。図示の例では、連結片21は周方向に間隔をあけて複数形成されている。
ただし、この場合に限定されるものではなく、連結片21を環状に形成し、囲繞筒15の下端部と装着筒14の下端部とを全周に亘って連結しても構わない。
吐出筒22は、キャップ軸Oと同軸に配置され、上端部側の内径が上方に向かうにしたがって漸次拡径するように形成されている。そのため、吐出筒22を通じて内容物を注出するように吐出することが可能とされている。
この際、ヒンジ部31は、吐出筒22における低位置部22bに対して周方向位置が同じ位置となるように形成されている。これにより、吐出筒22における頂上部22aとは径方向の反対側に向けて蓋体30を開閉させることが可能となる。
ただし、抜栓部40における閉塞板42及びキャップ本体10における中栓12には、第1合成樹脂とは異なる第2合成樹脂で形成された中間層45が埋め込まれている。詳細に説明する。
主材層46のうち、中間層45よりも上方に位置する部分は、支柱部43を介してプルリング部44に連設された上側主材層47とされている。また、主材層46のうち、中間層45よりも下方に位置する部分は下側主材層48とされている。
第1合成樹脂としては、例えばPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、第2合成樹脂としては、例えばEVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合体)、ナイロン(ポリアミド)等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
本実施形態の場合には、閉塞板42は、主材層46である上側主材層47及び下側主材層48がPEで形成され、上側主材層47及び下側主材層48の間に配置された中間層45がEVOHで形成された3層構造とされている。
具体的には、第2吐出口49は、中間層45及び下側主材層48が弾性変形することで開閉するスリット状に形成されている。第2吐出口49は、キャップ軸O方向から見た平面視で、キャップ軸Oを中心とする放射状に形成され、十字状とされている。ただし、スリットの形態としては、平面視十字状に限定されるものではなく、例えば吐出態様や内容物の性状等に応じて、平面視一文字状等、他の形態に変更しても構わない。
なお、図5では、図示を見易くするために、中間層45にハッチングを付している。
次に、上述のように構成された抜栓付きキャップ1の製造方法について説明する。
本実施形態の製造方法は、第1合成樹脂(具体的にはPE)及び第2合成樹脂(具体的にはEVOH)を利用した射出成形によって、第1吐出口11が形成されたキャップ本体10と、ヒンジ部31を介してキャップ本体10に連結された蓋体30と、弱化部41を介して第1吐出口11の内周縁部に連結された閉塞板42等を有する抜栓部40と、を一体成形で形成する成形工程を行う。
なお、この成形工程で得られた射出成形体には、第2吐出口49は形成されていない。
成形工程を行うことで、第1合成樹脂で形成された上側主材層47及び下側主材層48の間に、第2合成樹脂で形成された中間層45が配置された3層構造の閉塞板42を有する射出成形体を得ることができる。
具体的には、下端面が平坦面とされた受け治具を、閉塞板42に向けて上方からプルリング部44の内側に差し込むと共に、受け治具の下端面を閉塞板42における上側主材層47の上面に当接させる。次いで、先端に抜き刃を有する加工具を、閉塞板42の下方から接近させると共に、抜き刃を閉塞板42に対して下方から押し当てて、下側主材層48及び中間層45に対して切込み加工を行う。
なお、加工工程の際、上側主材層47に食い込む程度、閉塞板42に対して抜き刃を下方から押し当てることが好ましい。これにより、下側主材層48及び中間層45を適切に切込み加工することができ、スリット状の第2吐出口49を確実に形成することが可能となる。
ただし、この場合に限定されるものではなく、加工工程の際、下側主材層48及び中間層45に対してのみ切込み加工を行い、抜き刃を上側主材層47に食い込ませなくても構わない。
次に、上述のように形成された抜栓付きキャップ1の作用について説明する。
製品輸送時や製品流通時等の未開封時では、図1に示すように、抜栓部40が第1吐出口11を閉塞していると共に、抜栓部40における上側主材層47が第2吐出口49を閉塞している。これにより、容器本体2内を密封することができ、外部への内容物の漏出を防止することができる。
詳細には、プルリング部44を介して閉塞板42における主材層46を構成する上側主材層47に対して外力を伝えることができるので、プルリング部44の引き上げ操作に伴って、中間層45及び下側主材層48をキャップ本体10側に残留させたまま、上側主材層47を徐々に中間層45から剥離させることができる。これにより、プルリング部44と共に上側主材層47を第1吐出口11の内側から離脱させることができる。その結果、図3及び図4に示すように、抜栓部40の取り外しによって、第1吐出口11を上方に向けて開放させることができる。
さらに、射出成形によって一体に形成されたキャップ本体10、蓋体30及び抜栓部40を利用するので、部品点数を抑えることができると共に、別部材を後付けで組み付け作業する必要もない。そのため、低コスト化及び製造効率の向上化に繋げることができる。
例えば、上記厚さTが0.05mm未満の場合には、中間層45及び下側主材層48の弾性力(復元変形力)が低くなりすぎる傾向となる。そのため、内容物を吐出した後、中間層45及び下側主材層48が弾性復元変形するときに、内容物の切れが悪くなり、安定した吐出を行い難い。その一方、上記厚さTが0.2mmを超える場合には、中間層45及び下側主材層48の弾性力(復元変形力)が高くなりすぎる傾向となる。そのため、内容物の吐出のために、容器本体2の内圧や流動圧を高くせざるを得なくなり、やはり安定した吐出を行い難い。
次に、本発明に係る抜栓付きキャップの第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態では、第2吐出口49を平面視十字状のスリット状に形成したが、本実施形態では、第2吐出口が平面視円形状に形成されている。
ただし、第2吐出口51の形状は平面視円形状に限定されるものではなく、例えば楕円状や多角形状等であっても構わない。また、第2吐出口51の数は5つに限定されるものではなく、1つでも構わないし、3~4つでも構わないし、6つ以上形成されていても構わない。
上述のように形成された本実施形態の抜栓付きキャップ50であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
特に、本実施形態の場合には、図6に示す状態から、プルリング部44を引き上げ操作して、閉塞板42における上側主材層47を第1吐出口11の内側から離脱させることで、図8に示すように、平面視円形状に形成された5つの第2吐出口51を開口させることができる。従って、容器本体2を例えば振り出し操作等することで、第2吐出口51を通じて内容物を振り出すように吐出することができる。
さらに、上記各実施形態では、キャップ本体10が吐出筒22を具備していたが、吐出筒22は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
1、50…抜栓付きキャップ
2…容器本体
2a…容器本体の口部
10…キャップ本体
11…第1吐出口
12…中栓
12a…天壁部
12b…周壁部
40…抜栓部
41…弱化部
42…閉塞板
44…プルリング部(操作片)
45…中間層
46…主材層
47…上側主材層
48…下側主材層
49、51…第2吐出口
Claims (6)
- 内容物が収容される容器本体の口部に装着され、内容物を吐出する第1吐出口が形成されたキャップ本体と、
前記第1吐出口を閉塞する閉塞板と、前記閉塞板に連設された操作片と、を有し、前記キャップ本体に対して一体に形成された抜栓部と、を備え、
前記閉塞板は、第1合成樹脂で形成された主材層と、前記主材層に埋め込まれるように配置されると共に、前記第1合成樹脂とは異なる第2合成樹脂で形成され、前記主材層に対して剥離可能とされた中間層と、を備え、
前記主材層のうち、前記中間層よりもキャップ軸方向に沿う前記容器本体の外側に位置する部分は、前記操作片に連設された上側主材層とされ、
前記主材層のうち、前記中間層よりもキャップ軸方向に沿う前記容器本体の内側に位置する部分は下側主材層とされ、
前記中間層及び前記下側主材層は、前記第1吐出口を閉塞し、
前記上側主材層は、破断可能な弱化部を介して前記第1吐出口の内側に配置されると共に、前記操作片と共に前記第1吐出口の内側から離脱可能とされ、
前記中間層及び前記下側主材層には、前記容器本体内に連通し、且つ前記上側主材層によって閉塞された第2吐出口が形成されている、ことを特徴とする抜栓付きキャップ。 - 請求項1に記載の抜栓付きキャップにおいて、
前記キャップ本体は、
前記第1吐出口が形成された天壁部と、前記天壁部の外周縁部に全周に亘って連設された周壁部と、を有し、前記容器本体の口部の内側を閉塞する有頂筒状の中栓を備え、
前記中間層は、前記弱化部よりも径方向の外側に向けて延びた状態で前記天壁部に埋め込まれている、抜栓付きキャップ。 - 請求項2に記載の抜栓付きキャップにおいて、
前記中間層は、外周縁部側が前記周壁部側に折り曲げられた状態で前記周壁部に埋め込まれている、抜栓付きキャップ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の抜栓付きキャップにおいて、
前記中間層及び前記下側主材層は、前記キャップ軸方向に弾性変形可能とされ、
前記第2吐出口は、前記中間層及び前記下側主材層が弾性変形することで開閉するスリット状に形成されている、抜栓付きキャップ。 - 請求項4に記載の抜栓付きキャップにおいて、
前記中間層及び前記下側主材層は、合計の厚さが0.05mm以上、0.2mm以下とされている、抜栓付きキャップ。 - 請求項1に記載の抜栓付きキャップの製造方法であって、
前記第1合成樹脂及び前記第2合成樹脂を利用した射出成形によって、前記第1吐出口が形成された前記キャップ本体と、前記閉塞板及び前記操作片を有する前記抜栓部と、を一体成形で形成する成形工程と、
前記成形工程後、前記下側主材層側から前記下側主材層及び前記中間層を加工して前記第2吐出口を形成する加工工程と、を備えていることを特徴とする抜栓付きキャップの製造方法。
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