JP7232460B2 - 重合性歯科用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱及び光などの活性エネルギー線に対して重合性を有する歯科用樹脂組成物及び該樹脂組成物を重合してなる歯科用材料、器具等に関する。
歯科用材料は主に高分子材料、セラミックス材料、金属材料及びこれらを組み合わせた複合材料に分類され、虫歯の治療、自歯を白く美しく見せるための審美治療や義歯、インプラント治療など異なる目的に合わせて使用されている。これらの材料は咬合に耐える程度の強度が求められると同時に、長期間に渡って安全性、抗菌性、防汚性、接着耐久性、耐変色性、インプラントに使用される合金の耐食性なども要求されている。
しかし、口腔内の常在菌が多く、歯や義歯の表面でプラークを形成し、詰め物や冠などで治療した箇所が再度虫歯になりやすい問題や、長年使用していた入れ歯の内面、義歯床の粘膜面、インプラント周辺に歯周病原性菌の付着、活性化による細菌感染が起こりやすいという問題があった。
口腔内微生物、細菌を抑制するために、臭化ドミフェン、クロルヘキシジン、トリクロサン、第四級アンモニウム塩などの抗菌作用を有する化合物を配合した口腔リンス液、歯磨き粉、ジェルなどが開発されてきたが、抗菌作用を維持することができず、また詰め物や冠、義歯床とインプラント周辺に届くことが困難であり、さらにハロゲン系製品が多く、刺激性が強く、長期間使用による人体への安全性を懸念する問題があった。
また、歯科治療に用いる充填材や表面被覆材などのレジン中に抗菌性金属イオン源として銀イオンを担持させたゼオライトの粒子を配合する方法(特許文献1)、有効量の抗菌性脂質成分と硬化性成分を含有する硬化性抗菌性歯科用組成物(特許文献2)、リン酸残基を有する重合性化合物を配合することにより硬化後抗菌性成分が固定化される光硬化型レジン(特許文献3)、第四級アンモニウム塩に重合性基を導入した抗菌性モノマー(12-?methacryloyloxydodecylpyridinium bromide (MDPB))を配合した歯科用接着剤(非特許文献1)が提案された。しかし、銀イオンも脂質成分も経時的に溶出するという本質的な問題があり、また、リン酸残基やMDPBのアニオンであるブロモイオンが食物飲料の酸や口腔内細菌が出す酸により置換されたり、溶出されたりする場合もあり、決して人体に対する安全性が確保できているとは言えず、永久抗菌性を有していることとも言えず、さらに、これらのリン酸やブロモイオンによるインプラントのフィックスチャー(金属部分)が腐食され、インプラントの破折問題が懸念されている。
さらに、歯や義歯の表面、周りに付着するプラークは口腔細菌の温床であり、食物残渣、細菌の粘着或いは付着によるプラーク蓄積を防止する必要があった。ところが、前記いずれの先行技術文献においても歯科用材料として重要な防汚性について、言及されなかった。
特開平1-254608号公報 特開2008-533009号公報 特開平7-215814号公報
Journal of Dentistry (1998), 26(3), 267-271
本発明は、抗菌性、防汚性、耐変色性を有し、安全性が高く、熱及び光などの活性エネルギー線に対して優れる重合性を有する歯科用樹脂組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、前記組成物を熱或いは光により単独又は他の重合性化合物と共重合してなる重合物を含有する、半永久的抗菌性、防汚性を有する高安全性の歯科用材料を提供することを課題とする。さらに、本発明は、前記組成物及び/又は前記重合物を配合して得られる歯科用のコンポジットレジン、歯冠材、接着剤、充填材料、義歯用材料、義歯床用材料及び前記組成物及び/又は前記重合物を含有する立体造形物用抗菌性材料、防汚性材料による表面被覆された医療器具、抗菌性と防汚性を有する立体造形物を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はその単独又は他の重合性化合物と共重合してなる重合物(オリゴマー、ポリマーとも称する)を必須成分として含有することにより長期の安全性、抗菌性、防汚性と耐変色性を有する歯科用樹脂組成物、歯科用レジン、充填材、接着剤などの歯科用材料、立体造形物用抗菌性樹・防汚性インク、抗菌性と防汚性樹脂に被覆された医療機器、抗菌性と防汚性を有する立体造形物などを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は
(1)一般式(1)に示される不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)を含有する重合性歯科用樹脂組成物、
Figure 0007232460000001
(式中、R、RとRは互いに同一であっても異なっていてもよく、各々独立に炭素数1~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基や水酸基或いはアミン基に置換されたアルキル基、炭素数1~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基や水酸基或いはアミン基に置換されたアルケニル基、或いはベンジル基を表し、Lは不飽和結合を表し、Yは炭素数1~36のアルキレン基を表し、Q-は非ハロゲン系アニオンを表す。)
(2)不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、不飽和基として(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基とマレイミド基からなる群より選択される1種以上の不飽和結合を有する官能基であることを特徴とする前記(1)に記載の重合性歯科用樹脂組成物、
(3)不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、カチオンとして(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、ジアリルジメチルアンモニウムからなる群より選択される1種以上のカチオンであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の重合性歯科用樹脂組成物、
(4)不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、アニオンとしてp-トルエンスルホン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、チオシアン酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンとサッカリン酸イオンからなる群より選択される1種以上のアニオンであることを特徴とする前記(1)~(3)のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物、
(5)不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)を構成単位として0.1質量%以上含有することを特徴とする前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物、
(6)前記(1)~(5)のいずれか一項に記載の重合性樹脂組成物を重合してなる重合物を含有することを特徴とする歯科用樹脂組成物、
(7)エチレン性不飽和基を有する化合物(B)((A)を除く)を5~99質量%含有することを特徴とする前記(1)~(6)のいずれか一項に記載の歯科用樹脂組成物、
(8)エチレン性不飽和基を有する化合物(B)は、不飽和基として(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基とマレイミド基からなる群より選択される1種以上の化合物であることを特徴とする前記(7)に記載の歯科用樹脂組成物、
(9)更に光重合開始剤(C)を0.1~10質量%含有することを特徴とする前記(1)~(5)と前記(7)、(8)のいずれか一項に記載の光硬化型歯科用樹脂組成物、
(10)前記(1)~(5)と前記(7)~(9)のいずれか一項に記載の重合性樹脂組成物を重合してなる重合物を含有することを特徴とする歯科用樹脂組成物、
(11)前記(1)~(5)と前記(7)~(9)のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物を含有する歯科用コンポジットレジン、
(12)前記(1)~(5)と前記(7)~(9)のいずれか一項に記載の重合性樹脂組成物を含有するする立体造形物用抗菌性インク、
(13)前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いてなる歯科用材料、
(14)前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いてなる歯冠材、
(15)前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いてなる歯科用接着剤、
(16)前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いてなる歯科用表面被覆材、
(17)前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いてなる歯科用充填材料、
(18)前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いてなる歯科用義歯材料、
(19)前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いてなる義歯床用材料、
(20)前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物による表面被覆された医療器具、
(21)前記(12)に記載のインクを用いて形成される抗菌性立体造形物
を提供するものである。
本発明によれば、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はその単独或いは他の重合性化合物と共重合してなる重合物(オリゴマー、ポリマー)を含有することにより、抗菌性、防汚性、耐変色性に優れ、熱的重合性、光硬化性、他の重合性化合物との共重合性がよく、高安全性及び保存安定性を有する重合性樹脂組成物を取得することができ、また、これらの重合性樹脂組成物を熱及び/又は光などの活性エネルギー線照射による熱重合、光硬化又は熱・光併用のハイブリッド型やデュアル型硬化により、抗菌効果、防汚効果を半永久的に持続することができ、かつ、良好な耐変色性、強度、硬度と表面平滑性、耐傷性、耐久性(耐加水分解性と耐磨耗性)を有する各種歯科用材料、立体造形物及びこれらに被覆された医療用器具を取得することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、一般式(1)で表わされる化合物である(式中、R、RとRは互いに同一であっても異なっていてもよく、各々独立に炭素数1~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基や水酸基或いはアミン基に置換されたアルキル基、炭素数1~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基や水酸基或いはアミン基に置換されたアルケニル基、或いはベンジル基を表し、Lは不飽和結合を表し、Yは炭素数1~36のアルキレン基を表し、Q-は非ハロゲン系アニオンを表す。)。具体的には、不飽和基を有するアンモニウムカチオンと、その対イオンである非ハロゲン系アニオンから構成される第四級アンモニウム塩である。
Figure 0007232460000002
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はそのオリゴマー、ポリマーは広範囲の抗菌スペクトルを示し、大腸菌、緑膿菌、ブドウ状球菌、MRSA、セレウス菌、白癬菌、肝炎桿菌、黒カビ、カンジタなど多種のバクテリアや細菌に対して優れる抗菌力を有する。その理由は明確ではないが、アンモニウム塩の親水性とN-置換アルキル基の疎水性とのバランス、アンモニウム塩の高い電子密度、及び不飽和結合を有する官能基の大きさなどの相互作用によるものと本発明者らは推測している。また、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)をモノマーとして配合しても、オリゴマー化やポリマー化してから配合しても、同等の抗菌性や防カビ性を示し、レジンタイプやフィラータイプ、光硬化型、熱重合・硬化型などの抗菌性材料として好適に用いられる。さらに、第四級アンモニウム塩は優れた細胞適合性と生体適合性を有するため、使用者の自歯、義歯や皮膚を刺激しないだけでなく、歯や皮膚に対する保護効果も認められ、歯科用材料や化粧品用材料としても好適に配合することができる。
一般式(1)で表される不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)のカチオンとして、具体的には、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)トリアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)トリアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)トリアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)アルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)ジアルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)ジアルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)ジアルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)アルキル(R)ジベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するアミノアルキル(Y)トリベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)トリアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)トリアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)トリアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジアルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)アルキル(R)アンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)ジアルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)ジアルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)ジアルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)アルキル(R)ベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)アルキル(R)ジベンジルアンモニウム、不飽和結合を有するオキシアルキル(Y)トリベンジルアンモニウム等が挙げられる。また、これらの不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は1種類単独で使用してもよいし、また2種類以上併用してもよい。
不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)の不飽和基としては、メタクリレート基、アクリレート基、メタクリルアミド基、アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、メタリルエーテル基、アリルエーテル基とマレイミド基からなる群より選択される1種以上の不飽和結合を有する官能基であって、これらの不飽和基を1種類有しても、2種類以上を有してもよい。
不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)中の不飽和基の個数は、1分子に当たり、前記各種不飽和基の数の合計(官能基数)が1~10であることが好ましく、また、2~6であることがより好ましい。官能基数が1未満であれば、非重合性化合物の存在により、光硬化型歯科用材料などに用いた場合、光硬化性、硬化物の硬度や強度が不十分となる問題がある。一方、官能基数が10を超えると、光硬化型コンポジットレジンに用いた場合、光硬化速度が著しく速くなって、重合熱の大量発生により火傷を負う恐れがある。
不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)のアニオン(Q-)としては、非ハロゲンイオンであれば、特に限定することはない。例えば、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、チオシアン酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸イオン、直鎖状のスルホンイミドアニオン、環状のイミドアニオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオンなどカルボン酸イオン、グリコール酸イオン、乳酸イオン、ヒドロキシアクリル酸イオン、オキシ酪酸イオン、グリセリン酸イオン、リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、クエン酸イオンなどのヒドロキシカルボン酸イオン、サリチル酸イオン、安息香酸イオンなど芳香族カルボン酸イオン、サッカリン酸イオン、アクリル酸イオン、メタクリル酸イオンなどの不飽和酸イオンから選ばれる少なくとも1種以上のイオンである。
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、前記のカチオンの中から1種又は2種以上のイオンを任意に選択し、さらに前記のアニオンの中から1種又は2種以上のイオンを任意に選択し、カチオンとアニオンを組み合わせることで構成されるオニウム塩である。これらの不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は単独で使用されてもよいし、また2種類以上併用してもよい。
また、抗菌性に優れる点及び工業原料を入手しやすい点から、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)を構成するカチオンとして、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、ジアリルジメチルアンモニウムが好ましい。さらに、口腔内に長期間に使用される観点から、耐加水分解性、耐久性に優れるアクリルアミド系とメタクリルアミド系のアクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムがより好ましい。
同様に、抗菌性に優れる点及び工業原料を入手しやすい点から、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)を構成するアニオンとして、p-トルエンスルホン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、チオシアン酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、サッカリン酸イオンが好ましい。さらに、防汚効果付与の観点から、有機フッ素系アニオンであるテトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンがより好ましい。
不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は高い抗菌効果を有するため、抗菌剤としてモノマーのまま樹脂組成物に配合することができる。また、熱重合や光重合(光硬化)により、ポリマーやオリゴマー化して、抗菌性の第四級アンモニウム塩構造を側鎖として有する半永久的高分子タイプ若しくはオリゴマータイプの抗菌剤として樹脂組成物に配合することができる。さらに、高分子タイプ抗菌剤、オリゴマータイプ抗菌剤として配合する場合、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)のブリードアウトを生じる可能性がなくなり、長期間に渡って安定的に抗菌性を付与することができる。
不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)の熱重合によるオリゴマー化とポリマー化は、単独重合又は汎用のビニル系化合物と共重合する方法が挙げられる。重合方法は、特に限定されるものではなく、公知のラジカル重合法により行うことができる。例えば、塊状重合法、有機溶媒中や水中の溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが挙げられる。有機溶媒中の溶液重合法を採用する場合、重合溶媒としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコールなどを単独もしくは混合で用いることができる。また、重合開始剤としては、アゾ系、有機過酸化物系、無機過酸化物系、レドックス系など一般的に知られているラジカル重合開始剤が挙げられる。ラジカル重合開始剤の使用量としては、通常重合性成分総量に対して0.001~10質量%程度である。さらに、連鎖移動剤による分子量の調整など通常のラジカル重合技術が適用される。
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)のオリゴマーとは、第四級アンモニウム塩(A)の構造がユニットとして1つ以上を含有し、且つ、200~10,000未満の重量平均分子量を有する化合物である。
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)のポリマーとは、第四級アンモニウム塩(A)の構造がユニットとして1つ以上を含有し、且つ10,000以上の重量平均分子量を有する化合物である。
第四級アンモニウム塩(A)、そのオリゴマーとそのポリマーは、分子構造や分子量などによって、室温における状態(液体や固体)、粘度、水や汎用有機溶剤、汎用アクリルモノマーとアクリル樹脂などに対する溶解性、相溶性及び光硬化性が異なり、それらの使用方法、配合量などについて、特に限定することはなく、非光硬化型(熱重合)の歯科用材料としても、光硬化型歯科用材料としても、好適に用いることができ、抗菌性歯科用材料の要求物性に合わせて、第四級アンモニウム塩(A)、オリゴマーとポリマーから選ばれる1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
第四級アンモニウム塩(A)のオリゴマー又はポリマーを使用する場合、オリゴマー又はポリマー中の第四級アンモニウム塩(A)ユニットの含有量は0.1~100質量%であり、好ましくは1~95質量%である。含有量が0.1質量%未満の場合、歯科用材料に配合されるオリゴマーやポリマーの量にもよるが、十分な抗菌性が得られない可能性がある。含有量が1~95質量%である場合、抗菌効果が十分に得られると共に、プライマー、フィラーなどの添加剤との相溶性を容易に調整することが可能であり、硬度、表面平滑性、自歯に対する接着性のよい歯科用材料を得ることができ、より好ましい。
本発明に用いられる第四級アンモニウム塩(A)のオリゴマー又はポリマーが室温において固体である場合、それらをフィラーとして歯科用樹脂組成物に組み込むことができる。また、有機溶媒中や液体の重合性化合物に溶解させ、得られた溶液を歯冠、義歯、医療器具や基材上に塗布した後、有機溶剤を蒸発させることにより、抗菌性コーティング、抗菌性歯冠、抗菌性義歯、抗菌性インク、抗菌性医療器具、抗菌性立体造形物が形成される。無溶剤系の場合、歯冠、義歯、医療器具や基材上に塗布したり、自歯の充填や補修したい部位に流し込み、その後熱又は光、或いは熱と光の併用により硬化させ、同様に抗菌性コーティング、抗菌性歯冠、抗菌性義歯、抗菌性インク、抗菌性医療器具、抗菌性立体造形物などを製作することができる。また、薄い歯科用表面被覆材として用いる場合、長期間に渡って十分な抗菌効果を維持するため、第四級アンモニウム塩(A)のオリゴマー又はポリマーを0.5質量%以上含有することが好ましく、1質量%以上含有することがより好ましい。一方、第四級アンモニウム塩(A)のオリゴマー又はポリマーを光硬化型歯科用レジンや立体造形用インクに組み込む場合、有機溶媒の一部又は全部がアクリルモノマー、オリゴマーなどの光硬化性成分により代替されることが可能である。その場合、得られるやや高粘度の塗布液を歯、義歯や器具の表面に塗布した後、有機溶剤を蒸発させ(有機溶剤が配合される場合)、光照射によりやや厚めの硬化塗膜、造形物(表面被覆材、歯冠材、立体造形で形成される義歯など)が形成される。この場合、十分な抗菌効果を付与するため、第四級アンモニウム塩(A)のオリゴマー又はポリマーを0.1質量%以上含有することが好ましく、0.5質量%以上含有することがより好ましい。
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、非光硬化型歯科用材料にも、光硬化型歯科用樹脂組成物にも組み込むことができる。また、ブリードアウトによる抗菌性の経時的低減を防止するため、光硬化型歯科材料に組み込むことが好ましい。光硬化型歯科用材料中の不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)の含有量は0.1質量%以上であると抗菌性や防汚性が示され、また、持続的な抗菌性、防汚性を確保する観点から、0.5質量%以上を含有することが好ましい。
本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)、そのオリゴマー、そのポリマーは、それらからなる群より任意に選択される1種単独又は2種以上を併用することができる。歯科用材料中の第四級アンモニウム塩(A)のユニット含有量の合計が0.1質量%以上であれば、抗菌効果を付与することができる。また、0.5以上であれば、長期間に渡って安定且つ十分な抗菌効果が維持でき、より好ましい。
本発明の光硬化型抗菌性歯科用樹脂組成物は、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)を含有することができる。エチレン性不飽和基を有する化合物(B)とは、不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)を除いたエチレン性不飽和基を有する化合物であって、その含有量は特に限定されるものではないが、好適には、光硬化型樹脂組成物全体に対して5~99質量%を含有することが好ましい。この範囲内であれば、十分な抗菌性を有するとともに、光硬化性、歯や医療器具の基材に対する密着性、接着性、得られる歯冠や義歯などの硬度、強度、耐変色性、耐久性などの特性をバランスよく調整することができる。
エチレン性不飽和基を有する化合物(B)の不飽和基は、(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基とマレイミド基からなる群より選択される1種以上の不飽和結合を有する官能基である。また、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)は、単官能のエチレン性不飽和基を有する化合物(単官能不飽和化合物)(b1)と2官能以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(多官能不飽和化合物)(b2)から構成される。不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)とそのオリゴマー及びそのポリマーの品種、構造、分子量などにより、エチレン性不飽和基を有する化合物(B)として(b1)或いは(b2)のみを用いても良いが、(b1)と(b2)を併用することにより、得られる硬化物(歯科用充填材料、義歯造形物など)の硬度と耐久性がより向上させることができる。
前記単官能不飽和化合物(b1)は、分子内にエチレン性不飽和基1つを有するモノマーであれば、特に限定することはない。また、エチレン性不飽和基はラジカル重合性を有すれば特に限定されず、具体的には(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基、マレイミド基等が挙げられる。(b1)の含有量は、光硬化型樹脂組成物全体に対して5~99質量%であることが好ましい。また、10~90質量%である場合、光硬化物の強度と硬度が良好であり、形成される歯冠、義歯などの表面平滑性、耐久性などが共に向上することができるためより好ましい。
単官能性不飽和化合物(b1)のうち、(メタ)アクリレート基を含む化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、炭素数が1~22の直鎖、分岐、環状のアルキル基を導入したアルキル(メタ)アクリレート類、炭素数が1~18の直鎖、分岐、環状のヒドロキシアルキル基を導入したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸とヒドロキシアルキルカルボン酸類からなる(メタ)アクリル酸エチルカルボン酸、(メタ)アクリル酸エチルコハク酸、(メタ)アクリル酸エチルフタル酸、(メタ)アクリル酸エチルヘキサヒドロフタル酸等の(メタ)アクリル酸アルキルカルボン酸類、炭素数が1~18の直鎖、分岐、環状のアルキルスルホン酸基を導入した(メタ)アクリル酸アルキルスルホン酸類、炭素数が1~18の直鎖、分岐、環状のアルキルリン酸基を導入した(メタ)アクリル酸アルキルリン酸類、炭素数が1~18のアルキル基と炭素数1~4のアルキレングリコール基からなる官能基を導入したアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルコキシジアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルコキシトリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類や、フェノキシ基と炭素数1~4のアルキレングリコール基からなる官能基を導入したフェノキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、フェノキシジアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、フェノキシトリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、フェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートや、炭素数が1~6のアミノアルキル基を導入したN-アルキルアミノ(メタ)アクリレート類や、炭素数が1~6のアミノアルキル基と炭素数1~6のアルキル基からなるN-アルキルアミノアルキル基を導入したN-アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類や、炭素数が1~6のアミノアルキル基と炭素数1~6のアルキル基からなるN,N-ジアルキルアミノアルキル基を導入したN,N-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類や、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート等の環状構造を導入した(メタ)アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のエポキシ基を導入した(メタ)アクリレート類が挙げられる。
単官能性不飽和化合物(b1)のうち、(メタ)アクリルアミド基を含む化合物としては、(メタ)アクリルアミド、モノ又はジ置換(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクロイルモルホリン、(メタ) ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられ、また、モノ又はジ置換(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、炭素数1から18の直鎖、分岐、環状のアルキル基を導入したN-アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のヒドロキシアルキル基を導入したN-ヒロドキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(ヒロドキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシアルキル-N-(4-ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のヒドロキシアルキル基および炭素数1~6のアルキル基を導入したN-アルキル-N-ヒロドキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N-アルキル-N-(4-ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミドや、4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(4-ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のアルコキシ基と炭素数1~6のアルキレン基からなるアルコキシアルキル基を導入したN-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(アルコキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のアルコキシ基と炭素数1~6のアルキレン基からなるアルコキシアルキル基、炭素数が1~6のアルキル基を導入したN-アルキル-N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のアルキルスルホン酸基を導入したN-スルホアルキルアクリルアミド、炭素数が1~6のアミノアルキル基を導入したN-アルキルアミノ(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のアミノアルキル基と炭素数1~6のアルキル基からなるN-アルキルアミノアルキル基を導入したN-アルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、炭素数が1~6のアミノアルキル基と炭素数1~6のアルキル基からなるN,N-ジアルキルアミノアルキル基を導入したN,N-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
単官能性不飽和化合物(b1)のうち、ビニル基を含む化合物としては、炭素数が1~22のカルボン酸を導入したカルボン酸ビニルエステル、炭素数が1~22の直鎖、分岐、環状のアルキル基を導入したアルキルビニルエーテル、ビニルクロライド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルオキサゾリン、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、イタコン酸無水物、炭素数が1~22の直鎖、分岐、環状のアルキル基を導入したマレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、マレイン酸モノアルキルアミド、マレイン酸ジアルキルアミド、マレイン酸アルキルイミド、フマル酸モノアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、フマル酸モノアルキルアミド、フマル酸ジアルキルアミド、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルアミド、イタコン酸ジアルキルアミド、イタコン酸アルキルイミド、ビニルカルボン酸、ビニルスルホン酸、ビニルリン酸等が挙げられる。
単官能性不飽和化合物(b1)のうち、アリル基を含む化合物としては、炭素数が1~22のカルボン酸を導入したカルボン酸アリルエステル、炭素数が1~22の直鎖、分岐、環状のアルキル基を導入したアルキルアリルエーテル類、フェニルアリルエーテル、アルキルフェニルアリルエーテル、アリルアミン、分岐、環状のアルキル基を導入したモノまたはジアルキルアリルアミン等が挙げられる。
単官能性不飽和化合物(b1)のうち、マレイミド基を含む化合物としては、炭素数が1~22の直鎖、分岐、環状のアルキル基を導入したN-アルキルマレイミド、N-アルキル-α-メチルマレイミド、N-アルキル-α-エチルマレイミド、N-アルキル-α,β-ジメチルマレイミド、N-アルキル-α-フェニルマレイミド、炭素数が1~12の直鎖、分岐、環状のヒドロキシアルキル基を導入したN-ヒドロキシアルキルマレイミド、N-ヒドロキシアルキル-α-メチルマレイミド、N-ヒドロキシアルキル-α-エチルマレイミド、N-ヒドロキシアルキル-α,β-ジメチルマレイミド、N-ヒドロキシアルキル-α-フェニルマレイミド、マレイミド基を有するアルコキシシラン化合物、マレイミド基を有するカルボン酸化合物等が挙げられる。
これらの単官能性不飽和化合物(b1)は1種類単独で使用してもよいし、また2種類以上併用してもよい。
前記多官能性不飽和化合物(b2)としては、分子内にエチレン性不飽和基2つ以上を有するモノマーやオリゴマーであれば、特に限定することはない。また、エチレン性不飽和基はラジカル重合性を有すれば特に限定されず、具体的には(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基、マレイミド基等が挙げられる。また、分子内にこれらのエチレン性不飽和基は、同一の官能基2つ以上を有するものもよいし、異なる官能基を任意に選べる2種以上を組み合わせたものでもよい。(b2)の含有量は、光硬化性型樹脂組成物全体に対して5~99質量%であることが好ましい。また、(b2)の含有量は5~80質量%である場合、調製される光硬化型樹脂組成物の粘度が調整しやすく、塗布性や充填性、歯の表面に対する密着性、接着性が共に満足でき、得られる光硬化物の強度に優れ、耐久性も十分のため、より好ましい。
多官能性不飽和化合物(b2)のうち、例えば、(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(トリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(炭素数1~4)グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3(又は1,4)-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アクリレートエステル(ジオキサングリコールジアクリレート)、アルコキシ化(シクロ)ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エポキシジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリウレタンジ(メタ)アクリルアミド、アリル(メタ)アクリルアミド、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性不飽和化合物(b2)は1種類単独で使用してもよいし、また2種類以上併用してもよい。
本発明に用いられるエチレン性不飽和基を有する化合物(B)において、皮膚刺激性や臭気など安全性の観点及び不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)との相溶性の観点から単官能性不飽和化合物(b1)は、メタクリレート系モノマー、メタクリルアミド系モノマー及びアクリルアミド系モノマーが好ましく、また硬化性の観点からアクリルアミド系モノマーがより好ましい。更に、硬化時の発熱量を制御するため、アクリルアミド系モノマーとメタクリレート系モノマーを併用することが最も好ましい。
本発明の抗菌性歯科用樹脂組成物は、可視光線や紫外線照射により十分に硬化することができる。不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はエチレン性不飽和基を有する化合物(B)の不飽和基がマレイミド基、α置換マレイミド基とα,β置換マレイミド基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基からなる群より選択される1種以上の官能基である場合、これらの不飽和基が光照射により活性ラジカルを生じるため、光硬化型樹脂組成物には光重合開始剤を含有させなくてもよい。
本発明の抗菌性歯科用樹脂組成物は、光重合開始剤(C)を含有することができる。光重合開始剤としては、例えば、カンファーキノン、ベンジル、α-ナフチル、アセトナフテン、ナフトキノン、1,4-フェナントレンキノン、3,4-フェナントレンキノン、9,10-フェナントレンキノンなどのα-ジケトン類、2,4-ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン類、2-ベンジル-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-ベンジル-ジエチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-ベンジル-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-プロパノン-1、2-ベンジル-ジエチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-プロパノン-1、2-ベンジル-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ペンタノン-1、2-ベンジル-ジエチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ペンタノンなどのα-アミノアセトフェノン類、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドなどのアシルホスフィンオキシド誘導体が挙げられる。これらの光開始重合剤は1種類単独で使用してもよいし、また2種類以上併用してもよい。
光重合開始剤(C)の含有量は、光硬化型歯科用樹脂組成物全体に対して0.1~10質量%が好ましい。0.1質量%以上である場合には、薄塗りでも十分な硬化性を有し、得られる硬化膜の強度も耐久性も良好である。10質量%以下である場合、光硬化型樹脂組成物のポットライフが十分に長く、保管中のゲル化などのトラブルが発生しないものである。さらに、0.5~5質量%がより好ましい。
また、光重合開始剤の助剤として重合促進剤を配合することができる。例えば、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジ-n-ブチルアニリン、N,N-ジベンジルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-m-トルイジン、p-ブロモ-N,N-ジメチルアニリン、m-クロロ-N,N-ジメチルアニリン、p-ジメチルアミノベンズアルデヒド、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸、p-ジメチルアミノ安息香酸メチル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸アミル、N,N-ジメチルアンスラニックアシッドメチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、N,N-ジヒドロキシエチル-p-トルイジン、p-ジメチルアミノフェネチルアルコール、p-ジメチルアミノスチルベン、N,N-ジメチル-3,5-キシリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチル-α-ナフチルアミン、N,N-ジメチル-β-ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルヘキシルアミン、N,N-ジメチルドデシルアミン、N,N-ジメチルステアリルアミン、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、2,2’-(n-ブチルイミノ)ジエタノールなどの第三級アミン類、5-ブチルバルビツール酸、1-ベンジル-5-フェニルバルビツール酸などのバルビツール酸類、ドデシルメルカプタン、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)等のメルカプト化合物が挙げられる。これらの重合促進剤は1種類単独で使用してもよいし、また2種類以上併用してもよい。
前記の重合促進剤の含有量は、光硬化型歯科用樹脂組成物の全体に対して0.01~2質量%が好ましい。この範囲内であれば、十分な重合促進剤効果を有し、かつ重合促進剤による着色や耐変色性低下などのトラブルが生じ難いものである。さらに、0.05~1重量%がより好ましい。
本発明の光硬化型歯科用樹脂組成物は、溶剤を含有しないまま用いることができる。また、より高精度な形状、光沢、硬度、表面平滑性などが要求される特殊品を得るため、必要に応じて、水や有機溶媒を含有してもよい。有機溶媒としては、常圧における沸点が50~120℃であることが好ましく、また、沸点が55~100℃であることがより好ましい。さらに、安全性の観点から、通常のマニキュア、エナメルなどに用いられる溶剤として水やアセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エタノール、イソプロパノール等が特に好ましい。これらの溶剤は、1種単独でも、2種以上含有してもよい。溶剤を含有する場合の含有量は、光硬化型樹脂組成物全体に対して、1.0~50質量%であることが好ましく、5~30質量%であることがより好ましい。この範囲内であれば、光硬化型樹脂組成物を製造しやすく、且つ、硬化物の機械特性には悪影響を与える恐れがない。
本発明の抗菌性歯科用樹脂組成物(非光硬化型と光硬化型を含む)には、必要に応じて、各種の添加剤を配合することができる。具体的には、添加剤としては、熱重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線増感剤、防腐剤、リン酸エステル系およびその他の難燃剤、界面活性剤、帯電防止剤、顔料、染料などの着色剤、香料、消泡剤、充填剤、シランカップロング剤、表面張力調整剤、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、有機フィラー、無機フィラー等を添加することができる。これらその他成分の添加量は、本発明による抗菌性歯科用樹脂組成物が発現する特性に悪影響を与えない程度であれば特に限定されず、樹脂組成物全体に対して5質量%以下の範囲が好ましい。但し、フィラーは樹脂の硬化物の強度と耐摩耗性を向上させる効果を有し、かつ、樹脂組成物を歯に塗布や充填する際に流動性を調整する作用を有するため、樹脂組成物全体に対して50質量%以下の範囲が好ましい。
本発明の抗菌性歯科用樹脂組成物は、使用者の自歯、義歯や、義歯の床用材料、医療用器具を対象物として塗布、充填、造形などに用いることができる。具体的には、抗菌性樹脂組成物をこれらの対象物の表面に塗布し、乾燥により固化させ又は光照射により硬化させ、固化膜又は硬化膜として表面被覆材や表面被覆された器具が得られる。また、抗菌性樹脂組成物をこれらの対象物の補修部分に充填し、乾燥により固化させ又は光照射により硬化させ、固化物又は硬化物として接着剤や充填材料が得られる。さらに、立体造形による形成する場合、造形しながら乾燥、硬化により義歯、義歯用床材料、医療用器具などが得られる。本発明の抗菌性樹脂組成物は自歯に対しても、義歯の材料であるアクリル樹脂、セラミック、金属などに対しても優れる密着性、接着性を有するため、虫歯治療用レジン、歯冠材としても、審美治療用表面被覆材などとしても用いることができる。この場合、自歯の表面研磨、アルコール拭きなどの前処理を実施したら、耐久性がより向上されるが、前処理を実施しなくても、十分満足できる密着性、耐久性などが得られる。また、抗菌性樹脂組成物の固化膜又は硬化膜は強度と硬度、表面平滑性を併せ持つため、治療後の研磨等は特に不要である。本発明の抗菌性樹脂組成物は臭気も刺激性もなく、ブリードアウトしない成分から構成されているため、安全性が高く、歯の保護剤としても使用することができる。
本発明の抗菌性歯科用樹脂組成物は第四級アンモニウム塩を含有し、抗菌性に優れると共に防汚性が高い。また、汎用な顔料、光輝剤、染料などの有機系又は無機系のフィラーと均一に混ざりやすい。さらに、第四級アンモニウム塩のオリゴマーやポリマーは多種多様な構造、分子量などを要求物性に合わせて設計することが可能であり、歯科用接着剤、表面被覆材、充填材として、自歯や義歯などの表面に直接塗布、充填、補修することができる。厚膜の一層塗りでもよく、薄膜の積層塗りでもよい。さらに、適切な立体造形装置により立体造形物を形成することもできる。
前記の無機系フィラーとしては、シリカ、カオリン、クレー、雲母、マイカ、結晶石英、ヒドロキシアパタイト、アルミナ、酸化チタン、酸化イットリウム、ジルコニア、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化イッテルビウム、フッ化イットリウムなどが挙げられる。また、長期間における安全性維持の観点で、シリカ、カオリン、クレー、雲母、マイカ、結晶石英、ヒドロキシアパタイト、アルミナ、酸化チタンが好ましい。これらの無機系フィラーは1種類単独で使用してもよいし、また2種類以上併用してもよい。
前記の有機系フィラーとしては、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートとポリエチルメタクリレートの共重合体、多官能メタクリレートの重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴムが挙げられる。また、本発明に用いられる不飽和基を有する第四級アンモニウム塩のオリゴマー、ポリマーも有機系フィラーとして好適に用いることができる。これらの有機系フィラーは1種類単独で使用してもよいし、また2種類以上併用してもよい。
本発明の光硬化型歯科用樹脂組成物の光硬化に用いられる光源としては、特に制限することはなく、汎用な歯科用光照射器を用いることができる。例えば、公知の光源として、太陽光、蛍光灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、紫外線(UV)ランプ、発光ダイオート(LED)ランプ、紫外線発光ダイオート(UV-LED)ランプ、紫外線レーザーダイオート(UV-LD)ランプなどが挙げられる。また、小型、長寿命、高効率、低コストと安全性の観点から、365nmの蛍光管を用いる紫外線照射タイプと405nmのLED光源を持つ可視光照射タイプが主流となりつつあり、これらを用いることがより好ましい
本発明の光硬化型歯科用樹脂組成物の光硬化に必要な照射エネルギーは、用途や光源によって多少異なるが、照射エネルギー(積算光量)は1~1000mJ/cmの範囲が好ましく、10~500mJ/cmがより好ましい。この範囲であれば、樹脂組成物が十分に硬化でき、かつ、硬化物の硬度も強度も十分に満足できるためである。また、具体的な照射条件は歯の表面被覆や充填による補修、或いは立体造形装置による義歯の形成によって適宜に調整すればよい。例えば、UV照射による義歯用床材料向けの樹脂組成物を硬化させる場合、光源として市販の歯科用UVランプ(トクソーパワーライト、トクヤマデンタル社製)を用いて、1~100秒間を照射すること、また、可視光線による自歯を補修される場合、光源として市販の歯科用照射器(ラボライトLV-II)を用いて、0.1~2分間を照射することが特に好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下において「部」及び「%」は特記しない限りすべて質量基準である。
不飽和基を有する第四級アンモニウム塩とそのオリゴマー及びポリマー(A-1)~(A-10)を表1に示す。
Figure 0007232460000003
実施例及び比較例に用いられる単官能性不飽和化合物(b1)は、以下に示す。
b1-1:イソボルニルアクリレート(IBOA)
b1-2:2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)
b1-3:N-(2-ヒドロキシエチル)マレイミド(HEMI)
b1-4:メチルメタクリレート(MMA)
b1-5:4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)
b1-6:エトキシジエチレングリコールアクリレート(ECA)
b1-7:2‐ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)
b1-8:アクリロイルモルフォリン(KJケミカルズ株式会社の登録商標「ACMO」)
b1-9:ジメチルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「DMAA」)
b1-10:ジエチルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「DEAA」)
b1-11:N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「HEAA」)
b1-12:イソプロピルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「NIPAM」)
b1-13:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「DMAPAA」)
b1-14:ダイアセトンアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社の登録商標「Kohshylmer」DAAM)
b1-15:4-t-ブチルシクロヘキシルアクリレート((KJケミカルズ株式会社の登録商標「Kohshylmer」TBCHA)
b1-16:N-ビニルピロリドン(NVP)
b1-17:N-ビニルカプロラクタム(NVC)
実施例及び比較例に用いられる多官能性不飽和化合物(b2)は、以下に示す。
b2-1:トリエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)
b2-2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
b2-3:トリメチロールプロハントリアクリレート(TMPTA)
b2-4:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A-DCP、新中村化学工業株式会社製)
b2-5:ウレタンジアクリレート(UA、二官能、ポリエステル骨格、分子量5000)
b2-6:ウレタンジアクリルアミド(UAm、二官能、ポリカーボネート骨格、分子量8000)
実施例及び比較例に用いられる光重合開始剤(C)は、以下に示す。
C-1:カンファーキノン(Aldilich社製)
C-2:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(IRGACURE-TPO、BASFジャパン株式会社製)
C-3:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/ベンゾフェノン=1/1混合物(IRGACURE-500、BASFジャパン株式会社製)
実施例1 光硬化型抗菌性樹脂組成物(D-1)の調製
(A)としてアクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムp?トルエンスルホナート(A-1)0.1質量部、(B)として「ACMO」(b1-8)50.0質量部、「HEAA」(b1-11)1.9質量部、TEGDA(b2-1)20.0質量部、UAm(b2-6)25.0質量部、(C)としてカンファーキノン(C-1)3.0質量部をそれぞれ容器に加え、40℃で1時間攪拌することにより、均一透明な実施例1の光硬化型抗菌性樹脂組成物(D-1)を得た。
実施例2~10 光硬化型抗菌性樹脂組成物(D-2)~(D-10)の調製
表2に示す組成で、実施例1と同様の操作を行うことにより、実施例2~10に相当する光硬化型抗菌性樹脂組成物(D-2)~(D-10)を得た。
比較例1~3 光硬化性樹脂組成物(E-1)~(E-3)の調製
表2に示す組成で、実施例1と同様の操作を行うことにより、比較例1~3に相当する光硬化性樹脂組成物(E-1)~(E-3)を得た。
Figure 0007232460000004
実施例1~10で得られた光硬化型抗菌性樹脂組成物および比較例1~3で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて、以下の方法により評価を実施し、結果を表3に示す。
実施例1~10で得られた光硬化型抗菌性樹脂組成物および比較例1~3で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて、目視により溶解性または分散性(不溶性無機系フィラーや顔料などを配合する場合)を観察し、また、組成物の保存安定性を評価し、それらの結果を表3に示す。さらに、下記方法により光硬化性歯科用材料を作製し、樹脂組成物の光硬化性、得られた歯科用材料の表面平滑性、硬度、接着強度を評価し、結果を表3に示す。抗菌性と防汚性について、代表的な口腔内細菌であるミュータンス菌(Streptococcus mutans)とカンジダ菌(Candida albicans)を用いて試験を実施し、結果を表4に示す。
1.溶解性(分散性)
◎:得られた樹脂組成物は均一かつ透明なものであった。
〇:得られた樹脂組成物は均一であって、半透明なものであった。
△:得られた樹脂組成物は白濁し、均一性を判断し難いものであった。
×:得られた樹脂組成物は完全に混ざらないものであった。
2.保存安定性
実施例1~10で得られた光硬化型歯科用樹脂組成物および比較例1~3で得られた光硬化性樹脂組成物を遮光性スクリュー管に入れ、蓋を閉め、40℃で1ヶ月及び80℃で2週間の二条件で保管した。保管後の組成物の溶解または分散状態を確認し、保存安定性を評価した。
○:40℃で1ヶ月及び80℃で2週間の二条件は共に保管後の状態変化がなかった。
△:40℃で1ヶ月又は80℃で2週間の何れか一条件において保管後の状態変化が確認された。
×:40℃で1ヶ月及び80℃で2週間の二条件は共に保管後の状態変が確認された。
3.硬化性
実施例1~10で得られた光硬化型歯科用樹脂組成物および比較例1~3で得られた光硬化性樹脂組成物を用い、中心に直径6mmの孔を有するポリテトラフルオロエチレン製のモールド(20mm×20mm×10mm)に樹脂組成物を充填し、ポリプロピレンフィルムで圧接し、歯科用光照射器(トクソーパワーライト、トクヤマデンタル社製、光出力密度700mW/cm、照射面における光強度640?650mW/cm、光源はハロゲンランプ、照射口径8mm)をポリプロピレンフィルムに密着して30秒間照射し、ポリプロピレンフィルムを剥がして硬化体手で触って、べたつき、未硬化成分の有無を確認した。
◎:べたつきが全くない(完全硬化)。
○:若干のべたつきがあるが、表面に指の跡が残らない(ほぼ完全硬化、未硬化成分の拭き取りは不要である)。
△:べとつきがあり、表面に指の跡が残る(不完全硬化、未硬化成分の拭き取りが必要である)。
×:べとつきがひどく、表面に指が貼りつく(未硬化成分が多く残存し、硬化膜として使用できない)。
4.表面平滑性
前記硬化性評価で得られた硬化物の表面を目視にて観察し、平滑性や光沢性を確認した。
◎:表面が平滑で、光沢がある。
○:表面がほぼ平滑で、うっすらと曇りまたは僅かな凹凸が見られる。
△:表面が全体的に曇っており、凹凸や粒状なものが多少確認される。
×:表面が全体的に曇って、粒状なものに覆われている。
5.硬度
前記硬化性評価で得られた硬化体の表面をバフ研磨したものを用い、松沢精機製微小硬度計で10g、20秒荷重でヌープ硬度を測定した。なお、測定温度は23℃であった。
◎:ヌープ硬度は200KHN以上(永久歯エナメル質相当)。
○:ヌープ硬度は70KHN以上、200KHN未満(象牙質相当)。
△:ヌープ硬度は70KHN未満。
×:硬化しなかったため、測定はできなかった。
6.接着強度(象牙質接着力)
牛下額前歯を注水下で#1000の耐水研磨紙で研磨し、平坦な接着用象牙質面を削り出し、圧縮空気を10秒間吹き付けて乾燥させ、直径3mmの穴の空いたテープを貼り付け、被着面を設定した。その後、公知の方法(特開2010-208964に記載方法を参考)により、接着試験片を作成した。接着試験片は37℃水中に24時間浸漬後、インストロン万能試験機(クロスヘッドスピード速度2mm/min)で引張接着強度を測定し、実施例1~10および比較例1~3で調製した光硬化性樹脂組成物のエナメル質と象牙質への接着力とした。なお、引張接着強度の値は5個の試験片の平均値である。
◎:エナメル質と象牙質の接着強度は共に20Mpa以上。
○:エナメル質と象牙質の接着強度はいずれか一つだけ20Mpa以上。
△:エナメル質と象牙質の接着強度は共に7Mpa以上。
×:エナメル質と象牙質の接着強度はいずれも7Mpa未満。
7.抗菌性
実施例1~10および比較例1~3で調製した光硬化性樹脂組成物を離型フィルム上に固定した厚さ200μm、内部が40mm×60mmのスペーサーに流し込み、溶媒のある場合は、溶媒を完全に除去(80℃、1分)し、紫外線を照射(積算光量1000mJ/cm2)により硬化させた後、離型フィルムを剥離し、抗菌性試験用硬化膜を得た。内径90mmのガラス製のシャーレ内に寒天培地流し込み、ミュータンス菌またはカンジダ菌を接種した後、その上に硬化膜1枚を置き、蓋を閉じ、温度30±5℃、湿度85±5%RHの恒温恒湿機内に7日間培養した。菌類の発育状況を4段階により評価を実施した。
◎:菌の発育が全くみられない。
○:僅かに菌の発育がみられる。
△:少し菌の発育がみられる。
×:激しい菌の発育が見られる。
8.防汚性(プラーク付着抑制)
公知の方法(特開2015-214514に記載方法を参考)により、実施例1~10および比較例1~3で調製した光硬化性樹脂組成物を用いて、前記2種の細菌に対してプラーク付着抑制試験を行った。
◎:プラーク付着が全く見られなかった。
○:僅かなプラーク付着が見られた。
△:プラーク付着が少し見られた。
×:激しいラーク付着が見られる。
Figure 0007232460000005
Figure 0007232460000006
実施例と比較例の結果に示されたとおり、本発明の不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)及び/又はそのオリゴマー、ポリマーを含有する場合のみ、抗菌性に優れ、かつ、防汚性、光硬化型の硬化性及び保存安定性が全て満足できる歯科用樹脂組成物を取得することができた。
以上説明してきたように、本発明の抗菌性歯科用重合性樹脂組成物は優れる抗菌性を有し、歯科治療用材料としても好適に用いることができる。また、防汚性、安全性、光硬化型の硬化性及び保存安定性が良好で、コーティングや薄塗りでも、充填や厚塗りでも十分な強度や硬度と接着強度を有し、審美治療用材料や義歯材料として好適に用いることができ、立体造形物及びこれらに被覆された医療用器具を取得することも可能である。

Claims (19)

  1. 一般式(1)に示される不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)を含有する重合性歯科用樹脂組成物。
    Figure 0007232460000007
    (式中、R、RとRは互いに同一であっても異なっていてもよく、各々独立に炭素数1~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基や水酸基或いはアミン基に置換されたアルキル基、炭素数~36の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基や水酸基或いはアミン基に置換されたアルケニル基、或いはベンジル基を表し、
    Lは(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基とマレイミド基から選択される不飽和基を表し、
    Yは炭素数1~36のアルキレン基を表し、
    -p-トルエンスルホン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、チオシアン酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、サッカリン酸イオンアニオンを表す。)
  2. 不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)は、カチオンとして(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、ジアリルジメチルアンモニウムからなる群より選択される1種以上のカチオンを有することを特徴とする請求項1に記載の重合性歯科用樹脂組成物。
  3. 不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)を0.1質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の重合性歯科用樹脂組成物。
  4. 不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)のオリゴマーを0.1質量%以上含有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物。
  5. 不飽和基を有する第四級アンモニウム塩(A)のポリマーを0.1質量%以上含有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物。
  6. エチレン性不飽和基を有する化合物(B)((A)を除く)を5~99質量%含有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の歯科用樹脂組成物。
  7. エチレン性不飽和基を有する化合物(B)は、不飽和基として(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、メチルビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アリルエーテル基とマレイミド基からなる群より選択される1種以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であることを特徴とする請求項6に記載の歯科用樹脂組成物。
  8. 更に光重合開始剤(C)を0.1~10質量%含有することを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物を重合してなる重合物を含有することを特徴とする重合性歯科用樹脂組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物を含有する歯科用コンポジットレジン。
  11. 請求項1~9のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物を含有する歯科用立体造形物用抗菌性インク。
  12. 請求項1~9のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物を用いてなる歯科用材料。
  13. 請求項1~9のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物を用いてなる歯冠材。
  14. 請求項1~9のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物を用いてなる歯科用接着剤。
  15. 請求項1~9のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物を用いてなる歯科用表面被覆材。
  16. 請求項1~9のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物を用いてなる歯科用充填材料。
  17. 請求項1~9のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物を用いてなる歯科用義歯材料。
  18. 請求項1~9のいずれか一項に記載の重合性歯科用樹脂組成物を用いてなる義歯床用材料。
  19. 請求項11に記載の歯科用立体造形物用抗菌性インクを用いて形成される歯科用抗菌性立体造形物。
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