JP7232332B2 - 遠心圧縮機のスクロール構造及び遠心圧縮機 - Google Patents

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Description

本開示は、遠心圧縮機のスクロール構造及び遠心圧縮機に関する。
車両用、舶用ターボチャージャのコンプレッサ部等に用いられる遠心圧縮機は、羽根車の回転を介して流体に運動エネルギーを与えるとともに、径方向外側に流体を吐出することで遠心力による圧力上昇を得るものである。
この遠心圧縮機は広い運転範囲において高圧力比と高効率化が要求されている。
遠心圧縮機には渦巻状に形成されたスクロール流路が設けられている。スクロール流路は、巻き始め部と巻き終わり部とが交差する流路接続部を有する。
大流量作動点では、スクロールの巻き始め部から巻き終わり部にかけて増速流れとなり、巻き始め部における圧力は巻き終わり部における圧力よりも高くなることから、流路接続部での、巻き終わり部から巻き始め部へ流れる再循環流は殆ど生じない。
しかし、小流量作動点では、スクロールの巻き始め部から巻き終わり部にかけて減速流れとなり、巻き始め部における圧力は巻き終わり部における圧力よりも低くなることから、流路接続部において巻き終わり部から巻き始め部への再循環流が発生する。この現象によってスクロール内では剥離損失等が生じる。
すなわち、再循環流が巻き終わり部から巻き始め部へ流入する際に、流路接続部において流体の流れの向きが変更されるため、巻き始め部においてスクロール流路を形成する壁面から流体が剥離すると損失が発生してしまう。
そこで、例えば特許文献1に記載の遠心圧縮機のスクロール構造では、流路接続部の断面形状を変更することにより、上述した損失を抑制するようにしている(特許文献1参照)。
特許第5479316号公報
例えば特許文献1に記載の遠心圧縮機のスクロール構造では、流路接続部の断面積を小さくすることにより再循環流を抑制して、上述した損失を抑制するようにしている。しかし、例えば特許文献1に記載の遠心圧縮機のスクロール構造では、剥離による損失を抑制できても、巻き始め部における流路断面積が小さくなってしまうため、流速が過大となって損失が増えてしまうおそれがある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、広い運転範囲において効率が高くなる遠心圧縮機のスクロール構造及び遠心圧縮機を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る遠心圧縮機のスクロール構造は、
渦巻き状に形成されたスクロール流路が設けられた遠心圧縮機のスクロール構造において、
前記スクロール流路の巻き始め部と巻き終わり部とが交差する流路接続部のうち、前記巻き終わり部における前記遠心圧縮機の第1内周面と前記巻き始め部における前記遠心圧縮機の第2内周面とを接続する接続領域を備え、
前記接続領域は、前記第1内周面から前記第2内周面に向かって向きが変わり始める転向開始部と前記第1内周面から前記第2内周面に向かって向きが変わり終わる転向終了部とを有し、
前記接続領域における前記スクロール流路の中心線の延在方向に対して直交する断面を第1断面、前記第1断面上における前記転向開始部を第1転向開始部、前記第1断面上における前記転向終了部を第1転向終了部、前記第1断面上において前記第1転向開始部を通過する前記第1内周面の接線方向を第1方向、とした場合に、
前記第1転向開始部は、前記スクロール流路の最小断面積位置における前記遠心圧縮機の軸方向に沿った高さ寸法の30%以上の距離だけ前記第1転向終了部から前記第1方向に沿って離れた位置に存在する。
流路接続部における上記接続領域では、巻き終わり部における遠心圧縮機の第1内周面から巻き始め部における遠心圧縮機の第2内周面にかけて、スクロール流路の内周面の延在方向が比較的大きく変わる。そのため、第1内周面に沿って流れる流体が再循環流として巻き始め部に流入する際、第2内周面から剥離し易くなる。
これに対して、上記(1)の構成では、第1転向開始部は、スクロール流路の最小断面積位置における軸方向に沿った高さ寸法の30%以上の距離だけ第1転向終了部から第1方向に沿って離れた位置に存在する。これにより、第1内周面から第2内周面にかけて変化するスクロール流路の内周面の向きの変わり方が緩やかになるので、第1内周面に沿って流れる流体が再循環流として巻き始め部に流入する際、第2内周面から剥離し難くなり、剥離に伴う損失を抑制できる。したがって、遠心圧縮機において、広い運転範囲で効率を高めることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記接続領域は、少なくとも前記第1転向開始部と前記第1転向終了部との中間位置において、前記第1転向開始部にて前記第1内周面に接し、且つ、前記第1転向終了部における前記第2内周面を前記スクロール流路の延在方向に沿って延長した仮想線に接する仮想接円の位置と同じか該位置よりも該仮想接円の中心側の位置に存在する。
接続領域を上記(2)の構成のようにすることで、第1内周面から第2内周面にかけて変化するスクロール流路の内周面の向きの変わり方が緩やかになるので、第1内周面に沿って流れる流体が再循環流として巻き始め部に流入する際、第2内周面から剥離し難くなり、剥離に伴う損失を抑制できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記第1転向終了部は、前記第1転向開始部にて前記第1内周面に接し、且つ、前記第1転向終了部における前記第2内周面を前記スクロール流路の延在方向に沿って延長した仮想線に接する仮想接円が前記仮想線に接する位置よりも前記スクロール流路の下流側に位置する。
上記(3)の構成によれば、上記仮想接円が上記仮想線に接する位置に第1転向終了部が設定されている場合と比べて、第1転向終了部の位置をスクロール流路の下流側に設定できるので、第1内周面から第2内周面にかけて変化するスクロール流路の内周面の向きの変わり方がさらに緩やかになる。これにより、第1内周面に沿って流れる流体が再循環流として巻き始め部に流入する際、第2内周面からさらに剥離し難くなり、剥離に伴う損失をさらに抑制できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、前記接続領域が、前記第1転向開始部から前記第1転向終了部に至る曲線部を有していてもよい。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、前記曲線部は、前記第1転向開始部から前記第1転向終了部に向かうにつれて曲率半径が漸増する。
上記(5)の構成によれば、第1内周面から第2内周面にかけて変化するスクロール流路の内周面の向きの変わり方が第2内周面に向かうにつれて緩やかになる。これにより、第1内周面に沿って流れる流体が再循環流として巻き始め部に流入する際、第2内周面からさらに剥離し難くなり、剥離に伴う損失をさらに抑制できる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、前記接続領域が、前記第1転向開始部から前記第1転向終了部に至る少なくとも一部の領域において直線部を有していてもよい。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、前記接続領域は、前記第1転向開始部と前記第1転向終了部とを結ぶ直線Lの距離a1と該直線Lから最も離れた前記接続領域上の位置までの距離a2との比(a2/a1)が、前記スクロール流路の中心線の延在方向に沿った下流側から上流側に向かうにつれて小さくなる領域を含む。
上述した接続領域は、巻き終わり部(第1内周面)を遠心圧縮機の径方向外側から見たときに、巻き終わり部におけるスクロール流路の中心線の延在方向に沿って延在する。
発明者らが鋭意検討した結果、接続領域のうち該延在方向に沿った下流側の領域から巻き始め部に流入する流体よりも、接続領域のうち該延在方向に沿った上流側の領域から巻き始め部に流入する流体の方が上述した剥離が発生し易いことが判明した。
上記(7)の構成によれば、上記比(a2/a1)が、スクロール流路の中心線の延在方向に沿った下流側から上流側に向かうにつれて小さくなる領域を含むので、該延在方向に沿って下流側から上流側に向かうにつれて、第1内周面から第2内周面にかけて変化するスクロール流路の内周面の向きの変わり方が緩やかになる領域が存在する。
したがって、上記(7)の構成によれば、剥離の発生を効果的に抑制できる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、前記比(a2/a1)は、前記接続領域のうち、舌部の位置よりも前記スクロール流路の上流側の領域において最小値をとる。
上述したように、接続領域のうちスクロール流路の中心線の延在方向に沿った下流側の領域から巻き始め部に流入する流体よりも、接続領域のうち該延在方向に沿った上流側の領域から巻き始め部に流入する流体の方が上述した剥離が発生し易い。
上記(8)の構成によれば、上記比(a2/a1)が、接続領域のうち、舌部の位置よりもスクロール流路の上流側の領域において最小値をとるので、該上流側の領域において、第1内周面から第2内周面にかけて変化するスクロール流路の内周面の向きの変わり方が緩やかになる。
したがって、上記(8)の構成によれば、剥離の発生を効果的に抑制できる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(7)又は(8)の構成において、前記比(a2/a1)は、前記接続領域のうち、最も前記軸方向上流側の位置よりも前記スクロール流路の上流側の領域において最小値をとる。
上述した接続領域は、スクロール流路の中心線の延在方向に沿った最も下流側から上流側に向かうにつれて、初めは遠心圧縮機の軸方向上流側に向かい、最も軸方向上流側の位置に達した後は、軸方向下流側に向かうように延在している。
また、上述したように、接続領域のうち該延在方向に沿った下流側の領域から巻き始め部に流入する流体よりも、接続領域のうち該延在方向に沿った上流側の領域から巻き始め部に流入する流体の方が上述した剥離が発生し易いが、巻き始め部におけるスクロール流路内で剥離による損失が最も高い領域は、上述した「最も軸方向上流側の位置」よりもスクロール流路の中心線の延在方向に沿った上流側の位置において接続領域を通過した流体が到達する領域である。
したがって、上記構成(9)となるように接続領域を設けることで、接続領域のうち、剥離による損失が比較的高くなる領域に流入する流体が通過する領域において、第1内周面から第2内周面にかけて変化するスクロール流路の内周面の向きの変わり方を一層緩やかにすることができる。これにより、剥離の発生を効果的に抑制できる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る遠心圧縮機は、上記(1)乃至(9)の何れかの構成の遠心圧縮機のスクロール構造を備えるので、広い運転範囲で効率を高めることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、遠心圧縮機において、広い運転範囲で効率を高めることができる。
幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機の断面概要図である。 幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機におけるケーシングを遠心圧縮機の回転軸の軸線方向と直交する断面で切断した断面を模式的に示した図である。 図2におけるA-A矢視断面図である。 図3における流路接続部の近傍を拡大した図である。 図3における流路接続部の近傍を拡大した図に相当する図である。 図3における流路接続部の近傍を拡大した図に相当する図である。 図3における流路接続部の近傍を拡大した図に相当する図である。 図2におけるB-B矢視断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機1の断面概要図である。幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機1は、ターボチャージャに適用される遠心圧縮機1である。幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機1では、図示しないタービンのタービンホイールとコンプレッサホイール8とが回転軸3で連結されている。コンプレッサホイール8は、ハブ5の表面に複数のコンプレッサ翼7が立設されている。コンプレッサホイール8は、コンプレッサ翼7の外側がコンプレッサハウジング(ケーシング)9で覆われている。幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機1では、コンプレッサ翼7の外周側には、ディフューザ11が形成され、さらに、このディフューザ11の周囲には渦巻き状に形成されたスクロール流路13が設けられている。
図2は、幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機1におけるケーシング9を遠心圧縮機1の回転軸3の軸線X方向と直交する断面で切断した断面を模式的に示した図である。ケーシング9は、スクロール流路13と、該スクロール流路13の下流側に接続される出口流路15とを備えている。スクロール流路13は、スクロール流路の巻き始め部17と巻き終わり部19とを有する。スクロール流路13は、巻き始め部17から図2に示す右回りに進むにつれて、その流路断面積が増加するように形成されている。
図2において、コンプレッサホイール8の回転方向を矢印Rで示している。幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機1では、コンプレッサホイール8は、図2において右回りに回転する。
スクロール流路13内の流体の流れは、巻き始め部17から巻き終わり部19に向かう周方向流れの主流91(図2参照)と、その主流に沿ってスクロール流路13内を旋回しながら流れる旋回流93(後述する図4参照)とを伴う。
以下の説明では、遠心圧縮機1の回転軸3の軸線X方向を遠心圧縮機1の軸方向、又は、単に軸方向とも呼ぶ。軸方向のうち、遠心圧縮機1に流入する流体の流れに沿った上流側を軸方向上流側とし、その反対側を軸方向下流側とする。また、以下の説明では、遠心圧縮機1のコンプレッサホイール8の径方向を遠心圧縮機1の径方向、又は、単に径方向とも呼ぶ。径方向のうち、回転軸3の軸線Xに近づく方向を径方向内側とし、回転軸3の軸線Xから遠ざかる方向を径方向外側とする。
また、スクロール流路13及び出口流路15において、流路の延在方向のうち、流体の主流の流れの上流側をスクロール流路13の上流側及び出口流路15の上流側と呼び、流体の主流の流れの下流側をスクロール流路13の下流側及び出口流路15の下流側と呼ぶ。スクロール流路13の上流側及び出口流路15の上流側を流路上流側、又は単に上流側とも呼び、スクロール流路13の下流側及び出口流路15の下流側を流路下流側、又は単に下流側とも呼ぶ。スクロール流路13においては、スクロール流路13の延在方向は、遠心圧縮機1の周方向と略同じ方向となる。
幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機1のスクロール構造10では、ケーシング9にスクロール流路13の巻き始め部17と巻き終わり部19とが交差する流路接続部20が形成されている。流路接続部20には、スクロール流路13の内周面13aのうち、巻き終わり部19において、巻き始め部17に連通する開口部21が形成されている。この開口部21を取り囲む開口形成部23のうち、スクロール流路13の最も下流側の位置において、スクロール流路13と出口流路15とを隔てる舌部25が形成されている。
図3は、図2におけるA-A矢視断面図である。すなわち、図3は、ケーシング9を流路接続部20を含む位置で巻き終わり部19の延在方向と直交する方向に延在する断面で切断したときのケーシング9の模式的な断面図である。図3及び後述する図4~図7では、後述する接続領域30におけるスクロール流路13の中心線AXの延在方向に対して直交する断面である第1断面9cを表している。図3は、巻き終わり部19におけるスクロール流路13の内側を出口流路15の下流側から上流側を見た図でもある。なお、図3では、ディフューザ11の記載を省略している。
図4は、図3における流路接続部20の近傍を拡大した図であり、後述する接続領域30の一実施形態について示す図である。
図5は、図3における流路接続部20の近傍を拡大した図に相当する図であり、接続領域30の他の実施形態について示す図である。
図6は、図3における流路接続部20の近傍を拡大した図に相当する図であり、接続領域30のさらに他の実施形態について示す図である。
図7は、図3における流路接続部20の近傍を拡大した図に相当する図であり、接続領域30のさらに他の実施形態について示す図である。
図8は、図2におけるB-B矢視断面図である。
例えば図3及び図8に示すように、幾つかの実施形態では、流路接続部20は、該流路接続部20のうち、巻き終わり部19における遠心圧縮機1の第1内周面19aと巻き始め部17における遠心圧縮機1の第2内周面17aとを接続する接続領域30を備える。以下、幾つかの実施形態に係る接続領域30について詳述する。
大流量作動点では、巻き始め部17から巻き終わり部19にかけて増速流れとなり、巻き始め部17における圧力は巻き終わり部19における圧力よりも高くなることから、流路接続部20での、巻き終わり部19から巻き始め部17へ流れる再循環流95(図4参照)は殆ど生じない。
しかし、小流量作動点では、巻き始め部17から巻き終わり部19にかけて減速流れとなり、巻き始め部17における圧力は巻き終わり部19における圧力よりも低くなることから、流路接続部20において巻き終わり部19から巻き始め部17への再循環流95が発生する。この現象によってスクロール流路13内では剥離損失等が生じる。
すなわち、再循環流95が巻き終わり部19から巻き始め部17へ流入する際に、流路接続部20において流体の流れの向きが変更されるため、巻き始め部17においてスクロール流路13を形成する壁面(第2内周面17a)から流体が剥離すると損失が発生してしまう。
そこで、幾つかの実施形態では、接続領域30の形態を以下のような形態とすることで、上述したような剥離を抑制するようにしている。
図3~図7に示す幾つかの実施形態では、接続領域30は、第1内周面19aから第2内周面17aに向かって向きが変わり始める転向開始部71と第1内周面19aから第2内周面17aに向かって向きが変わり終わる転向終了部73とを有する。なお、第1断面9c上における転向開始部71を第1転向開始部71aとし、第1断面9c上における転向終了部73を第1転向終了部73aとする。また、例えば図4に示すように、第1断面9c上において第1転向開始部71aを通過する第1内周面19aの接線L1の延在方向(接線方向)を第1方向Dr1と呼ぶ。
例えば、図3~6に示す幾つかの実施形態の場合には、転向開始部71の位置は、後述する仮想接円や仮想接楕円、仮想円、仮想楕円の円弧と、第1内周面19aとの交点、又は、該円弧に接続されるように第1内周面19aから該円弧に向かって向きが変わり始めた位置であってもよい。同様に、図3~6に示す幾つかの実施形態の場合には、転向終了部73の位置は、該円弧と第2内周面17aとの交点、又は、該円弧に接続されるように第2内周面17aから該円弧に向かって向きが変わり始めた位置であってもよい。
また、例えば、図7に示すさらに他の実施形態の場合には、転向開始部71の位置は、第1内周面19aと後述する直線87の交点、又は、直線87に接続されるように第1内周面19aから直線87に向かって向きが変わり始めた位置であってもよい。同様に、図7に示すさらに他の実施形態の場合には、転向終了部73の位置は、直線87と第2内周面17aとの交点、又は、直線87に接続されるように第2内周面17aから直線87に向かって向きが変わり始めた位置であってもよい。
また、図3~図7に示す幾つかの実施形態では、第1転向開始部71aは、スクロール流路13の最小断面積位置13b(図3参照)における遠心圧縮機1の軸方向に沿った高さ寸法Haの30%以上の距離hだけ第1転向終了部73aから上記第1方向Dr1に沿って離れた位置に存在する。換言すると、幾つかの実施形態では、少なくとも接続領域30の一部において、第1転向開始部71aと第1転向終了部73aとの位置関係が上述した関係となるようにするとよい。なお、図3~図7に示す幾つかの実施形態では、転向開始部71は、上記高さ寸法Haの50%以上の距離hだけ第1転向終了部73aから第1方向Dr1に沿って離れた位置に存在するとさらによい。
流路接続部20における接続領域30では、巻き終わり部19における第1内周面19aから巻き始め部17における第2内周面17aにかけて、スクロール流路13の内周面13aの延在方向が比較的大きく変わる。そのため、第1内周面19aに沿って流れる流体が再循環流95として巻き始め部17に流入する際、第2内周面17aから剥離し易くなる。
これに対して、図3~図7に示す幾つかの実施形態では、第1転向開始部71aは、スクロール流路13の最小断面積位置13bにおける軸方向に沿った高さ寸法Haの30%以上の距離hだけ第1転向終了部73aから第1方向Dr1に沿って離れた位置に存在する。これにより、第1内周面19aから第2内周面17aにかけて変化するスクロール流路13の内周面13aの向きの変わり方が緩やかになるので、第1内周面19aに沿って流れる流体が再循環流95として巻き始め部17に流入する際、第2内周面17aから剥離し難くなり、剥離に伴う損失を抑制できる。したがって、幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機1において、広い運転範囲で効率を高めることができる。
なお、図3、4に示した一実施形態に係る接続領域30では、第1転向開始部71aにおいて第1内周面19aに接し、且つ、第1転向終了部73aにおいて第2内周面17aに接する仮想接円81の円弧81aによって第1内周面19aと第2内周面17aとを接続している。なお、仮想接円81は、真円である。
すなわち、図3、4に示した一実施形態に係る接続領域30におけるスクロール流路13の内周面13aである接続面31は、第1断面9cにおいて、仮想接円81の円弧81aの一部と一致する。
なお、以下の説明では、スクロール流路13の中心、すなわち、中心線AXが通過する位置は、上記の仮想的な切断面におけるスクロール流路13の重心(図心)であるものとする。
図5に示した他の実施形態に係る接続領域30では、第1転向開始部71aにおいて第1内周面19aに接し、且つ、第1転向終了部73aにおいて第2内周面17aに接する仮想接楕円83の円弧83aによって第1内周面19aと第2内周面17aとを接続している。なお、図5に示した他の実施形態に係る接続領域30では、仮想接楕円83の長軸83bは、遠心圧縮機1の径方向を指向しており、短軸83cは、遠心圧縮機1の軸方向を指向している。
すなわち、図5に示した他の実施形態に係る接続領域30の接続面31は、第1断面9cにおいて、仮想接楕円83の円弧83aの一部と一致する。
図6に示したさらに他の実施形態に係る接続領域30では、曲率の中心が第1転向開始部71aよりも軸方向内側に存在し、曲率半径が上記仮想接円81の曲率半径よりも大きな仮想円85の円弧85aによって第1転向開始部71aと第1転向終了部73aとを接続している。
すなわち、図6に示したさらに他の実施形態に係る接続領域30の接続面31は、第1断面9cにおいて、仮想円85の円弧85aの一部と一致する。
なお、図6に示したさらに他の実施形態に係る接続領域30では、仮想円85は、真円であるが、仮想円85が楕円(仮想楕円)であってもよい。仮想円85が楕円(仮想楕円)である場合、該仮想楕円の長軸が遠心圧縮機1の径方向を指向し、短軸が遠心圧縮機1の軸方向を指向しているとよい。
図6に示したさらに他の実施形態に係る接続領域30、及び、後述する図7に示したさらに他の実施形態に係る接続領域30のように、接続面31は、必ずしも第1内周面19a及び第2内周面17aに対して内接していなくてもよい。接続面31は、第1内周面19a又は第2内周面17aの何れか一方に内接し、他方に内接していなくてもよく、第1内周面19a及び第2内周面17aの双方に対して内接していなくてもよい。
図7に示したさらに他の実施形態に係る接続領域30では、第1転向開始部71aと第1転向終了部73aとを結ぶ直線によって第1内周面19aと第2内周面17aとを接続している。
すなわち、図7に示したさらに他の実施形態に係る接続領域30の接続面31は、第1断面9cにおいて、第1転向開始部71aから第1転向終了部73aに至る直線87と一致する。図7に示したさらに他の実施形態に係る接続領域30の接続面31を直線部39とも呼ぶ。
なお、図3、4に示す一実施形態に係る接続領域30では、上述したように、接続面31は、第1転向開始部71aにおいて第1内周面19aに接し、且つ、第1転向終了部73aにおいて第2内周面17aに接する仮想接円81の円弧81aの一部と一致する。
また、図5に示す他の実施形態に係る接続領域30では、接続面31は、第1転向開始部71aにて第1内周面19aに接し、且つ、第1転向終了部73aにおける第2内周面17aをスクロール流路13の延在方向に沿って延長した仮想線89に接する仮想接円、すなわち、上記仮想接円81の位置よりも該仮想接円81の中心O側の位置に存在する。
図6に示すさらに他の実施形態及び図7に示すさらに他の実施形態に係る接続領域30では、接続面31は、上記仮想接円81の位置よりも該仮想接円81の中心O側の位置に存在する。
すなわち、図3~図7に示す幾つかの実施形態では、接続領域30は、少なくとも第1転向開始部71aと第1転向終了部73aとの中間位置において、第1転向開始部71aにて第1内周面19aに接し、且つ、第1転向終了部73aにおける第2内周面17aをスクロール流路13の延在方向に沿って延長した仮想線89に接する仮想接円81の位置と同じか該位置よりも該仮想接円81の中心O側の位置に存在する。
これにより、第1内周面19aから第2内周面17aにかけて変化するスクロール流路13の内周面13aの向きの変わり方が緩やかになるので、第1内周面19aに沿って流れる流体が再循環流95として巻き始め部17に流入する際、第2内周面17aから剥離し難くなり、剥離に伴う損失を抑制できる。
例えば図5に示した他の実施形態のように、第1転向終了部73aは、上記仮想接円81が上記仮想線89に接する位置(接点位置)75よりもスクロール流路13(巻き始め部17)の下流側に位置する。
これにより、上記仮想接円81が上記仮想線89に接する接点位置75に第1転向終了部73aが設定されている場合と比べて、第1転向終了部73aの位置をスクロール流路13(巻き始め部17)の下流側に設定できるので、第1内周面19aから第2内周面17aにかけて変化するスクロール流路13の内周面13aの向きの変わり方が接続面31においてさらに緩やかになる。したがって、第1内周面19aに沿って流れる流体が再循環流95として巻き始め部17に流入する際、第2内周面17aからさらに剥離し難くなり、剥離に伴う損失をさらに抑制できる。
なお、図6に示したさらに他の実施形態に係る仮想円85の円弧85aの位置をずらすか、仮想円85の扁平率を変更するか、仮想円85の曲率半径を変更することで、第1転向終了部73aを接点位置75よりもスクロール流路13(巻き始め部17)の下流側にずらすようにしてもよい。
また、図7に示したさらに他の実施形態に係る直線部39の傾斜角度を変更することで、第1転向終了部73aを接点位置75よりもスクロール流路13(巻き始め部17)の下流側にずらすようにしてもよい。
例えば図3~図6に示した幾つかの実施形態のように、接続領域30が、第1転向開始部71aから第1転向終了部73aに至る曲線部33を有していてもよい。
第1転向開始部71aと第1転向終了部73aとを曲線部33で接続することで、接続領域30に沿って通過する流体の損失を抑制できる。
なお、例えば図3~図6に示した幾つかの実施形態のように、接続領域30が曲線部33を有している場合、第1転向開始部71aから第1転向終了部73aに向かうにつれて該曲線部33の曲率半径が漸増するようにしてもよい。例えば図5に示した他の実施形態では、仮想接楕円83の円弧83aによって第1内周面19aと第2内周面17aとを接続している。この場合において、図5に示すように、仮想接楕円83の中心O1よりも軸方向下流側の円弧83aと短軸73cとの交点P1が第1転向終了部73aよりもスクロール流路13(巻き始め部17)の下流側に位置していれば、仮想接楕円83の円弧83aは、第1転向開始部71aから第1転向終了部73aに向かうにつれて曲率半径が漸増する。
これにより、第1内周面19aから第2内周面17aにかけて変化するスクロール流路13の内周面13aの向きの変わり方が第2内周面17aに向かうにつれて緩やかになる。これにより、第1内周面19aに沿って流れる流体が再循環流95として巻き始め部17に流入する際、第2内周面17aからさらに剥離し難くなり、剥離に伴う損失をさらに抑制できる。
例えば図7に示したさらに他の実施形態のように、接続領域30が、第1転向開始部71aから第1転向終了部73aに至る少なくとも一部の領域において直線部39を有していてもよい。
第1転向開始部71aと第1転向終了部73aとの間の少なくとも一部の領域を直線部39で接続することで、第1転向開始部71aと第1転向終了部73aとの間で接続面31に沿った距離(沿面距離)を短くすることができ、接続領域30に沿って通過する流体の損失を抑制できる。
なお、上述した幾つかの実施形態では、第1断面9c、すなわち、図3~6における紙面上に現れた断面において、曲線部33の曲率は、仮想接楕円83の円弧83aとは異なる曲線となるように、曲率半径が第1転向開始部71aと第1転向終了部73aとの間の位置によって異なっていてもよい。すなわち、第1断面9cに現れる曲線部33の形状は、指数関数で表される曲線の形状であってもよく、第1転向開始部71aから第1転向終了部73aに向かうにつれて曲率半径が増減してもよい。
また、上述した幾つかの実施形態では、第1断面9c、すなわち、図7における紙面上に現れた断面において、直線部39は、延在方向の異なる2以上の直線が連なっていて、第1転向開始部71aと第1転向終了部73aとの間で屈曲点を有していてもよい。
また、図7に示したさらに他の実施形態では、第1転向開始部71aにおいて第1内周面19aと直線部39とを円弧等の曲線で接続してもよい。同様に、図7に示したさらに他の実施形態では、第1転向終了部73aにおいて直線部39と第2内周面17aとを円弧等の曲線で接続してもよい。
以下、図8も参照しながら、幾つかの実施形態に係る接続領域30について、さらに説明する。図8は、図2におけるB-B矢視断面図、すなわち、巻き終わり部19の延在方向と略同じ方向に延在し、且つ、遠心圧縮機1の軸方向に延在する断面でケーシング9を切断したときのケーシング9の模式的な断面図である。図8では、巻き終わり部19におけるスクロール流路13の内側を遠心圧縮機1の径方向外側から見た図でもある。
図8に示すように、幾つかの実施形態に係る流路接続部20では、開口部21は、スクロール流路13の延在方向(周方向)に沿った一部の区間に設けられている。幾つかの実施形態に係る流路接続部20では、接続領域30は、開口部21を取り囲む開口形成部23に存在している。幾つかの実施形態に係る流路接続部20では、接続領域30は、巻き終わり部19(第1内周面19a)を遠心圧縮機1の径方向外側から見たときに、舌部25よりも軸方向上流側及び軸方向下流側の領域が巻き終わり部19におけるスクロール流路13の中心線AXの延在方向に沿って延在する。
また、幾つかの実施形態に係る流路接続部20では、接続領域30は、舌部25よりも軸方向上流側、且つ、流路上流側において、スクロール流路13の中心線AXの延在方向に沿った最も下流側から上流側(流路上流側)に向かうにつれて、初めは遠心圧縮機1の軸方向上流側に向かい、最も軸方向上流側の位置P3に達した後は、軸方向下流側に向かうように延在している。
例えば図4に示すように、第1断面9cにおける第1転向開始部71aと第1転向終了部73aとを結ぶ直線Lの距離をa1とし、該直線Lから最も離れた接続領域上の位置P5までの距離をa2とする。幾つかの実施形態に係る接続領域30では、距離a1と距離a2との比(a2/a1)は、中心線AXの延在方向に沿った下流側から上流側に向かうにつれて小さくなる領域を含む。
上述したように、接続領域30は、巻き終わり部19を遠心圧縮機1の径方向外側から見たときに、巻き終わり部19におけるスクロール流路13の中心線AXの延在方向に沿って延在する。
発明者らが鋭意検討した結果、接続領域30のうち該延在方向に沿った下流側の領域から巻き始め部17に流入する流体よりも、接続領域30のうち該延在方向に沿った上流側の領域から巻き始め部17に流入する流体の方が巻き始め部17において剥離が発生し易いことが判明した。
上述した幾つかの実施形態によれば、上記比(a2/a1)が、スクロール流路13の中心線AXの延在方向に沿った下流側から上流側に向かうにつれて小さくなる領域を含むので、該延在方向に沿って下流側から上流側に向かうにつれて、第1内周面19aから第2内周面17aにかけて変化するスクロール流路13の内周面13aの向きの変わり方が緩やかになる領域が存在する。
したがって、上述した幾つかの実施形態によれば、剥離の発生を効果的に抑制できる。
また、幾つかの実施形態に係る流路接続部20では、上記比(a2/a1)は、接続領域30のうち、舌部25の位置よりもスクロール流路13の上流側の領域REaにおいて最小値をとる。
上述したように、接続領域30のうちスクロール流路13の中心線AXの延在方向に沿った下流側の領域から巻き始め部17に流入する流体よりも、接続領域30のうち該延在方向に沿った上流側の領域から巻き始め部17に流入する流体の方が上述した剥離が発生し易い。
上述した幾つかの実施形態によれば、上記比(a2/a1)が、上記領域REaにおいて最小値をとるので、領域REaにおいて、第1内周面19aから第2内周面17aにかけて変化するスクロール流路13の内周面13aの向きの変わり方が緩やかになる。
したがって、上述した幾つかの実施形態によれば、剥離の発生を効果的に抑制できる。
また、幾つかの実施形態に係る流路接続部20では、上記比(a2/a1)は、接続領域30のうち、最も軸方向上流側の位置P3よりも流路上流側の領域REuにおいて最小値をとる。なお、幾つかの実施形態では、領域REuは、開口形成部23のうち、開口部21に対して軸方向上流側に位置する領域のうち、上記位置P3よりも流路上流側の領域である。
上述したように、幾つかの実施形態に係る接続領域30は、舌部25から流路上流側に向かうにつれて、初めは遠心圧縮機1の軸方向上流側に向かい、最も軸方向上流側の位置P3に達した後は、軸方向下流側に向かうように延在している。
また、上述したように、接続領域30のうち流路下流側の領域から巻き始め部17に流入する流体よりも、接続領域30のうち流路上流側の領域から巻き始め部17に流入する流体の方が上述した剥離が発生し易いが、巻き始め部17におけるスクロール流路13内で剥離による損失が最も高い領域は、上述した位置P3よりも流路上流側の位置において接続領域30を通過した流体、すなわち領域REuを通過した流体が到達する領域である。
したがって、上記比(a2/a1)が、上述した領域REuにおいて最小値をとるように接続領域30を設けることで、接続領域30のうち、剥離による損失が比較的高くなる領域に流入する流体が通過する領域(領域REu)において、第1内周面19aから第2内周面17aにかけて変化するスクロール流路13の内周面13aの向きの変わり方を一層緩やかにすることができる。これにより、剥離の発生を効果的に抑制できる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 遠心圧縮機
9 コンプレッサハウジング(ケーシング)
13 スクロール流路
15 出口流路
17 巻き始め部
17a 第2内周面
19 巻き終わり部
19a 第1内周面
20 流路接続部
25 舌部
30 接続領域
31 接続面
71 転向開始部
73 転向終了部

Claims (12)

  1. 渦巻き状に形成されたスクロール流路が設けられた遠心圧縮機のスクロール構造において、
    前記スクロール流路の巻き始め部と巻き終わり部とが交差する流路接続部のうち、前記巻き終わり部における前記遠心圧縮機の第1内周面と前記巻き始め部における前記遠心圧縮機の第2内周面とを接続する接続領域を備え、
    前記接続領域は、前記第1内周面から前記第2内周面に向かって向きが変わり始める転向開始部と前記第1内周面から前記第2内周面に向かって向きが変わり終わる転向終了部とを有し、
    前記接続領域における前記スクロール流路の中心線の延在方向に対して直交する断面を第1断面、前記第1断面上における前記転向開始部を第1転向開始部、前記第1断面上における前記転向終了部を第1転向終了部、前記第1断面上において前記第1転向開始部を通過する前記第1内周面の接線方向を第1方向、とした場合に、
    前記第1転向開始部は、前記スクロール流路の最小断面積位置における前記遠心圧縮機の軸方向に沿った高さ寸法の30%以上の距離だけ前記第1転向終了部から前記第1方向に沿って離れた位置に存在するとともに、
    前記接続領域は、前記第1転向開始部から前記第1転向終了部に至る曲線部を有する
    遠心圧縮機のスクロール構造。
  2. 渦巻き状に形成されたスクロール流路が設けられた遠心圧縮機のスクロール構造において、
    前記スクロール流路の巻き始め部と巻き終わり部とが交差する流路接続部のうち、前記巻き終わり部における前記遠心圧縮機の第1内周面と前記巻き始め部における前記遠心圧縮機の第2内周面とを接続する接続領域を備え、
    前記接続領域は、前記第1内周面から前記第2内周面に向かって向きが変わり始める転向開始部と前記第1内周面から前記第2内周面に向かって向きが変わり終わる転向終了部とを有し、
    前記接続領域における前記スクロール流路の中心線の延在方向に対して直交する断面を第1断面、前記第1断面上における前記転向開始部を第1転向開始部、前記第1断面上における前記転向終了部を第1転向終了部、前記第1断面上において前記第1転向開始部を通過する前記第1内周面の接線方向を第1方向、とした場合に、
    前記第1転向開始部は、前記スクロール流路の最小断面積位置における前記遠心圧縮機の軸方向に沿った高さ寸法の30%以上の距離だけ前記第1転向終了部から前記第1方向に沿って離れた位置に存在するとともに、
    前記接続領域は、前記第1転向開始部と前記第1転向終了部とを結ぶ直線Lの距離a1と該直線Lから最も離れた前記接続領域上の位置までの距離a2との比(a2/a1)が、前記スクロール流路の中心線の延在方向に沿った下流側から上流側に向かうにつれて小さくなる領域を含む
    遠心圧縮機のスクロール構造。
  3. 渦巻き状に形成されたスクロール流路が設けられた遠心圧縮機のスクロール構造において、
    前記スクロール流路の巻き始め部と巻き終わり部とが交差する流路接続部のうち、前記巻き終わり部における前記遠心圧縮機の第1内周面と前記巻き始め部における前記遠心圧縮機の第2内周面とを接続する接続領域を備え、
    前記接続領域は、前記第1内周面から前記第2内周面に向かって向きが変わり始める転向開始部と前記第1内周面から前記第2内周面に向かって向きが変わり終わる転向終了部とを有し、
    前記接続領域における前記スクロール流路の中心線の延在方向に対して直交する断面を第1断面、前記第1断面上における前記転向開始部を第1転向開始部、前記第1断面上における前記転向終了部を第1転向終了部、前記第1断面上において前記第1転向開始部を通過する前記第1内周面の接線方向を第1方向、とした場合に、
    前記第1転向開始部は、前記スクロール流路の最小断面積位置における前記遠心圧縮機の軸方向に沿った高さ寸法の30%以上の距離だけ前記第1転向終了部から前記第1方向に沿って離れた位置に存在するとともに、
    前記接続領域は、前記第1転向開始部から前記第1転向終了部に至る少なくとも一部の領域において、前記第1転向開始部に連なる曲線部を有する
    遠心圧縮機のスクロール構造。
  4. 前記接続領域は、少なくとも前記第1転向開始部と前記第1転向終了部との中間位置において、前記第1転向開始部にて前記第1内周面に接し、且つ、前記第1転向終了部における前記第2内周面を前記スクロール流路の延在方向に沿って延長した仮想線に接する仮想接円の位置と同じか該位置よりも該仮想接円の中心側の位置に存在する
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の遠心圧縮機のスクロール構造。
  5. 前記第1転向終了部は、前記第1転向開始部にて前記第1内周面に接し、且つ、前記第1転向終了部における前記第2内周面を前記スクロール流路の延在方向に沿って延長した仮想線に接する仮想接円が前記仮想線に接する位置よりも前記スクロール流路の下流側に位置する
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の遠心圧縮機のスクロール構造。
  6. 前記接続領域は、前記第1転向開始部から前記第1転向終了部に至る曲線部を有する
    請求項に記載の遠心圧縮機のスクロール構造。
  7. 前記曲線部は、前記第1転向開始部から前記第1転向終了部に向かうにつれて曲率半径が漸増する
    請求項1又は6に記載の遠心圧縮機のスクロール構造。
  8. 前記接続領域は、前記第1転向開始部から前記第1転向終了部に至る少なくとも一部の領域において直線部を有する
    請求項2又は3に記載の遠心圧縮機のスクロール構造。
  9. 前記接続領域は、前記第1転向開始部と前記第1転向終了部とを結ぶ直線Lの距離a1と該直線Lから最も離れた前記接続領域上の位置までの距離a2との比(a2/a1)が、前記スクロール流路の中心線の延在方向に沿った下流側から上流側に向かうにつれて小さくなる領域を含む
    請求項1又は3に記載の遠心圧縮機のスクロール構造。
  10. 前記比(a2/a1)は、前記接続領域のうち、舌部の位置よりも前記スクロール流路の上流側の領域において最小値をとる
    請求項に記載の遠心圧縮機のスクロール構造。
  11. 前記比(a2/a1)は、前記接続領域のうち、最も前記軸方向上流側の位置よりも前記スクロール流路の上流側の領域において最小値をとる
    請求項9又は10に記載の遠心圧縮機のスクロール構造。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項に記載の遠心圧縮機のスクロール構造を備える
    遠心圧縮機。
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