JP7231494B2 - 水中不分離性材料圧送方法及び水中不分離性材料圧送システム - Google Patents

水中不分離性材料圧送方法及び水中不分離性材料圧送システム Download PDF

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Description

本発明は、水中不分離性を有する材料を圧送する水中不分離性材料圧送方法及び水中不分離性材料圧送システムに関する。
水中に曝しても分離しない水中不分離性を有する材料としては従来から種々のものが知られている。特許文献1及び特許文献2のそれぞれには、水中不分離性コンクリートの圧送について記載されている。特許文献1には、ポンプ車から延びる配管の内部に水中不分離性コンクリートを圧送する実験について記載されている。特許文献2には、ピストンを用いて水中不分離性コンクリートを長距離圧送する施工方法について記載されている。
特許文献3には、水中不分離性コンクリートを圧送するコンクリート圧送管が記載されている。コンクリート圧送管は、圧送するコンクリートの量に応じた内径と圧送圧に応じた肉厚とを備える鋼管と、鋼管の内壁を被覆する滑り材とを有する。滑り材は、コンクリートとの摩擦抵抗が小さい材料によって構成されている。滑り材は、鋼管の内壁に接着によって貼り付けられることにより、鋼管の内壁を被覆している。
大野俊夫ら、「硬練り水中不分離性コンクリートの圧送性について」、土木学会第73回年次学術講演会予稿集(平成30年8月) 久保亮ら、「水中不分離性コンクリートの長距離圧送と品質について」、土木学会第62回年次学術講演会予稿集(平成19年9月) 特開2000-16586号公報
水中不分離性を有するセメント系材料は、普通コンクリート等の通常のセメント系材料と比較して、高い粘性を有するため配管の内部において圧送するときに高圧となる。配管の内部の圧力が高い場合には、当該セメント系材料と配管の内面との管内摩擦が大きくなるので、水中不分離性を有するセメント系材料を長距離圧送することができないことがある。
水中不分離性を有するセメント系材料を長距離圧送するためには、ポンプを大型化したり配管径を大きくしたりすることがある。しかしながら、この場合、装置が大がかりになったり装置構成が複雑になったり、配管の設置作業に多大な労力を要したりする。また、当該セメント系材料を高圧で圧送する場合、当該セメント系材料が分離して品質が変わったり配管の内部に溜まったりする懸念があると共に、配管が破裂する可能性が生じ、安全性に支障をきたす可能性もある。更に、水中不分離性を有するセメント系材料を長距離圧送するときには、少量のセメント系材料を時間をかけてゆっくりと圧送することが考えられる。しかしながら、この場合、セメント系材料を効率よく圧送できないという問題が生じうる。
前述したコンクリート圧送管では、鋼管の内壁に滑り材が貼り付けられている。しかしながら、このコンクリート圧送管では、予め鋼管の内壁に滑り材を貼り付けなければならないため、配置が面倒であるという問題がある。更に、滑り材は、一度貼り付けられると決められた場所に貼り付けられたままとなるので、配管の内部の圧力等に応じて柔軟に場所を変更することができない。また、滑り材は摩耗によって早期に損失する可能性もある。従って、配管の内部の圧力の状況によっては、この滑り材では、配管の内部の圧力を十分に低減できないことが想定される。よって、配管の内部の圧力を十分に低減させると共に、簡易な構成で水中不分離性を有するセメント系材料を効率よく長距離搬送できることが求められる。
本発明は、簡易な構成で水中不分離性を有するセメント系材料を効率よく長距離圧送することができる水中不分離性材料圧送方法及び水中不分離性材料圧送システムを提供することを目的とする。
本発明に係る水中不分離性材料圧送方法は、水中不分離性を有するセメント系材料を配管の内部において圧送する水中不分離性材料圧送方法であって、注液管を通じて配管の内部にセメント系材料よりも粘性が低い液体を注入する工程と、注入された液体を配管の内面に付着させて内面に潤滑層を形成する工程と、を備え、配管の内部に注入する液体の量を制御する工程を更に備え、液体の量を制御する工程では、配管の内部の圧力の値に応じて注入する液体の量を調整する
この水中不分離性材料圧送方法では、配管を貫通する注液管を通じて配管の内部にセメント系材料よりも粘性が低い液体を注入する。そして、注入した液体を配管の内面に付着させて内面に潤滑層を形成する。よって、水中不分離性を有するセメント系材料と配管の内面との間に当該液体による潤滑層が介在するので、当該セメント系材料と配管の内面との管内摩擦を低減させることができる。従って、水中不分離性を有するセメント系材料を長距離圧送することができる。また、この水中不分離性材料圧送方法では、注液管を通じて配管の内部に液体を注入すればよいので、ポンプを大型化したり配管径を大きくしたりする必要がない。従って、簡易な構成でセメント系材料の圧送を効率よく行うことができる。更に、この水中不分離性材料圧送方法では、液体を配管の内部に注入すればよいので、注入を容易に行うことができると共に、配管の内部の圧力等に応じて液体の注入量を柔軟に調整することができる。よって、配管の内部の圧力に応じて液体による潤滑層の大きさを容易に変更することができるので、配管の内部の圧力を十分に低減させることができる。
前述した水中不分離性材料圧送方法において、液体は、水であってもよい。この場合、配管の出口が水中である場合、注入した液体は配管の出口で水中に放出される。このとき、当該液体が水である場合、水が水中に放出されるので、環境に優しい水中不分離性材料圧送方法とすることができる。更に、水が水中に放出されることにより、水中不分離性材料を用いた構造物の品質変動を防止することができる。
前述した水中不分離性材料圧送方法は、配管の内部の圧力の状況等に応じて注入する液体の量を制御することにより、液体の注入量の調整を容易に行うことができる。
前述した水中不分離性材料圧送方法において、液体を注入する工程は、配管の内部の圧力が圧力閾値以上となったときに行ってもよい。この場合、配管の内部の圧力が圧力閾値以上となったときに液体の注入を行うので、液体を無駄に注入しないようにすることができる。すなわち、配管の内部の圧力に応じた相応しい注入量で液体を注入することができる。
前述した水中不分離性材料圧送方法において、配管の内部の圧力の値に応じて液体の注入量を調整するので、前述と同様、配管の内部の圧力に応じた相応しい注入量で液体を注入することができる。
前述した水中不分離性材料圧送方法において、セメント系材料は、0.5kg/m以上且つ5.0kg/m以下の水中不分離剤を含んでいてもよい。このように、セメント系材料が0.5kg/m以上且つ5.0kg/m以下の水中不分離剤を含んでおりセメント系材料の粘性が高い場合であっても、配管の内面に潤滑層を形成することによってセメント系材料を効率よく長距離圧送することができる。
前述した水中不分離性材料圧送方法は、液体を注入する工程の前に、配管の内部への液体の注入量を決定する工程を更に備えてもよい。この場合、液体を注入する前に液体の注入量を決定するので、液体を無駄に注入しないようにすることができる。従って、前述と同様、配管の内部の圧力に応じた相応しい注入量で液体を注入することができる。
本発明に係る水中不分離性材料圧送システムは、水中不分離性を有するセメント系材料を配管の内部において圧送する水中不分離性材料圧送システムであって、注液管を有し、注液管を通じて配管の内部にセメント系材料よりも粘性が低い液体を注入し、液体を配管の内面に付着させて内面に潤滑層を形成する潤滑層形成装置と、配管の内部に注入する液体の量を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、配管の内部の圧力の値に応じて注入する液体の量を制御する
この水中不分離性材料圧送システムは、配管を貫通する注液管を通じて配管の内部にセメント系材料よりも粘性が低い液体を注入して配管の内面に潤滑層を形成する潤滑層形成装置を備える。潤滑層形成装置によって、水中不分離性を有するセメント系材料と配管の内面との間に注入した液体による潤滑層が介在するので、当該セメント系材料と配管の内面との摩擦抵抗を低減させることができる。よって、前述した水中不分離性材料圧送方法と同様、セメント系材料を効率よく長距離圧送することができる。また、この水中不分離性材料圧送システムは、潤滑層形成装置が注液管を通じて配管の内部に液体を注入するため、簡易な構成でセメント系材料の圧送を効率よく行うことができる。更に、この水中不分離性材料圧送システムでは、潤滑層形成装置によって液体の注入を容易に行うことができると共に、配管の内部の圧力等に応じて液体の注入量を柔軟に調整することができる。よって、配管の内部の圧力に応じて液体による潤滑層の大きさを容易に変更することができるので、配管の内部の圧力を十分に低減させることができる。
前述した水中不分離性材料圧送システムにおいて、液体は、水であり、配管は、セメント系材料を圧送する圧送ポンプから水中まで延びていてもよい。この場合、配管が圧送ポンプから水中まで延びているため、配管の内部に注入した液体は配管の出口で水中に放出される。よって、注入した水が水中に放出されるので、環境に優しい水中不分離性材料圧送システムとすることができる。また、圧送されるセメント系材料が水中不分離性を有するため、セメント系材料が液体と混ざらないことにより、セメント系材料の品質の低下を抑制することができる。
前述した水中不分離性材料圧送システムにおいて、潤滑層形成装置は、配管の内面に沿うように配置される逆止弁を有していてもよい。この場合、配管の内面に沿って配置された逆止弁によって注液管への液体の逆流を抑制することができる。従って、注液管を通じて液体を効率よく配管の内部に注入することができる。
前述した水中不分離性材料圧送システムにおいて、潤滑層形成装置は、セメント系材料の圧送経路の上流側の端部から配管の全長の20%以内の箇所に設けられていてもよい。この場合、潤滑層形成装置を配管の上流側の端部に位置する圧送ポンプの近傍に配置することが可能となるので、配管の内面に形成される潤滑層を配管に沿って長く形成することができる。従って、長距離にわたる水中不分離性材料の圧送を効率よく行うことができる。
本発明によれば、簡易な構成で水中不分離性を有するセメント系材料を効率よく長距離圧送することができる。
実施形態に係る水中不分離性材料圧送システムの例を示す図である。 図1の水中不分離性材料圧送システムの配管における潤滑層形成装置を示す断面図である。 (a)及び(b)のそれぞれは、図1の水中不分離性材料圧送システムの配管の下流側端部(出口付近)の例を示す断面図である。 図2の潤滑層形成装置の変形例を示す断面図である。 図1の水中不分離性材料圧送システムの潤滑層形成装置によって形成された潤滑層、及び水中不分離性を有するセメント系材料を示す断面図である。 変形例に係る潤滑層形成装置によって形成された潤滑層、及び水中不分離性を有するセメント系材料を示す断面図である。 別の変形例に係る潤滑層形成装置を示す図である。 実施形態に係る水中不分離性材料圧送方法の例示的な工程を示すフローチャートである。 実施例に係る水中不分離性材料圧送システムの実験結果であって、配管の内部の圧力の時系列データを示すグラフである。
以下では、図面を参照しながら本発明に係る水中不分離性材料圧送方法及び水中不分離性材料圧送システムの実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易のため、一部を簡略化又は誇張して描いており、寸法比率及び角度等は図面に記載のものに限定されない。
本明細書において、「水中不分離性」とは、水中において分離しない性質を示している。「水中不分離性材料」は、水中において分離しない材料を示しており、例えば、水に触れても配合若しくは性状が変化しない材料、ブリーディングしない材料、又はブリーディングしないように制御された材料を示している。また、「水中不分離性材料」は、水中不分離材を含む材料を示していてもよく、水中不分離材としては、例えば、セルロース系水溶性高分子、又はアクリル系水溶性高分子を含む水中不分離性混和剤が挙げられる。
「水中不分離性材料」は、典型的には、水中不分離性コンクリート又は水中不分離性モルタルであり、例えば、水中工事のための材料であって水中に打設することが可能とされた材料である。本実施形態に係る水中不分離性材料圧送方法及び水中不分離性材料圧送システムでは、水中不分離性を有するセメント系材料を圧送する。
まず、本実施形態に係る例示的な水中不分離性材料圧送システム1について説明する。図1は、水中不分離性材料圧送システム1において水中不分離性を有するセメント系材料M(図2参照)を圧送する圧送経路Pの上流側を示す図である。図2は、圧送経路Pの途中に設けられた水中不分離性材料圧送システム1の潤滑層形成装置10を示す断面図である。図3(a)及び図3(b)のそれぞれは、圧送経路Pの下流側の例を示す図である。
セメント系材料Mは、例えば、水中不分離性コンクリート、又は水中不分離性モルタルである。セメント系材料Mには、水中不分離性混和剤が含まれており、水中不分離性混和剤は、例えば、セルロース系水溶性高分子、ポリアクリルアミド系水溶性高分子、バイオポリマー及びグリコール系水溶性高分子の少なくともいずれかを含む。水中不分離性コンクリートには、例えば、セルロース系、又は高流動コンクリート用分離低減剤が含まれうる。更に、水中不分離性材料は、流動化剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤、空気量調整剤、吹付けコンクリート用粉塵低減剤、逆打ちコンクリート用ブリーディング防止剤、又はポンプ圧送用分離低減剤を含んでいてもよい。
例えば、セメント系材料Mは、水中不分離性混和剤等の水中不分離材を0.5kg/m以上且つ5.0kg/m以下含んでいる。また、水中不分離材の添加率は0.5%以上且つ5.0%以下であってもよい。なお、セメント系材料M中の水中不分離材は、例えば、0.8kg/m以上且つ1.1kg/m以下である(1.05kg/m以下であってもよい)。更に、水中不分離材の添加率は、セメント系材料Mを構成する練混ぜ水の重量に対して0.8%以上且つ1.1%以下(1.05%以下)であってもよい。但し、セメント系材料Mの水中不分離材等の配合は適宜変更可能である。
なお、水中不分離性材料であるセメント系材料Mの粘性は、他のセメント系材料と比較して大きいため、圧送負荷が高くなることが問題となる場合がある。従って、水中不分離性を有するセメント系材料Mを圧送経路Pにおいて効率よく搬送することが求められる。特に、圧送経路Pが数十メートルから数百メートルの長さを有し、セメント系材料Mを長距離圧送しなければならない場合には、圧送性を高めることが重要である。
水中不分離性材料圧送システム1は、セメント系材料Mを圧送する圧送経路Pを構成する配管Hと、配管Hの途中に設けられた潤滑層形成装置10と、圧送経路Pの上流側の端部に設けられた圧送ポンプAとを備える。配管Hは、圧送ポンプAから潤滑層形成装置10まで延びる上流側配管H1と、潤滑層形成装置10から延びる下流側配管H2とを含む。配管Hの長さは、例えば、100m以上且つ1km以下であるが、適宜変更可能である。
上流側配管H1には、圧送経路Pの内部にセメント系材料Mを注入するホッパが設けられており、例えば、トラックに積まれたセメント系材料Mをホッパから圧送経路Pの内部に注入することが可能である。上流側配管H1は、例えば、圧送ポンプAと潤滑層形成装置10との間においてU字状とされている。これにより、U字状の部分にトラック等を寄せやすくすることができるので、配管Hの内部へのセメント系材料Mの効率のよい注入が実現される。
配管Hの内部に注入されたセメント系材料Mは、例えば、上流側配管H1を介して潤滑層形成装置10に注入される。潤滑層形成装置10及び下流側配管H2の内面Sには、液体Eによる潤滑層Lが形成される。液体Eは、例えば、水である。この場合、潤滑層形成装置10は配管Hの内部に水を注入する加水装置である。
しかしながら、液体Eは、セメント系材料Mよりも粘性が低い材料であれば水以外の液体であってもよく、例えば、シリコーンオイル又はグリースであってもよい。また、滑り性を有する界面活性剤であってもよい。このように液体Eから形成される潤滑層Lによって水中不分離性材料であるセメント系材料Mの効率のよい搬送が実現される。潤滑層形成装置10については後に詳述する。
図3(a)及び図3(b)に示されるように、下流側配管H2は、例えば、水中Wに入り込んでいる。よって、水中不分離性材料であるセメント系材料Mは、例えば、下流側配管H2から水中Wに打設される。一例として、セメント系材料Mは、水中Wに打設される均しコンクリートや河床版の構築に用いられる。このとき、潤滑層形成装置10によって内面Sに形成された潤滑層Lは、例えば、配管Hの下流側端部まで続いており、配管Hの下流側端部から水中Wに放出される。液体Eが水である場合、配管Hの下流側端部から潤滑層Lが水として水中Wに放出される。なお、図3(a)の例では、潤滑層Lは、配管Hの下流側端部において水中Wに放出されるのでセメント系材料Mには混ざらない。また、図3(b)の例では、潤滑層Lはセメント系材料Mと共に打ち込まれるが、セメント系材料Mは水中不分離性を有するため、潤滑層Lはやがてセメント系材料Mから押し出される。
潤滑層形成装置10は、セメント系材料Mの圧送経路Pの上流側の端部(例えば、圧送ポンプA)から圧送経路Pの全長の20%以内の箇所に設けられている。すなわち、圧送ポンプAから潤滑層形成装置10までの距離D1(上流側配管H1の長さ)は配管Hの全長の20%以下である。距離D1は、例えば、1m以上且つ10m以下であり、一例として、6mである。なお、潤滑層形成装置10は圧送ポンプAに直結していてもよい。すなわち、上流側配管H1を省略してもよい。
潤滑層形成装置10は、例えば、管11と、タンク12と、注液管13と、制御装置14と、圧力計15と、ポンプ16とを備える。管11は、上流側配管H1及び下流側配管H2のそれぞれに連通し、圧送経路P(配管H)の一部を構成する。タンク12は液体Eを収容し、注液管13は制御装置14から延びると共に管11の内部に連通する。
制御装置14はタンク12から注液管13への液体Eの量を制御し、圧力計15は管11の内部の圧力を測定する。また、ポンプ16は、注液管13への液体Eの注入圧力の制御を行う。ポンプ16による注液管13から配管Hの内部への液体Eの注入圧力は、配管Hの内部の圧力以上とされる。
管11は、例えば、上流側配管H1と下流側配管H2とを互いに連結する連結管として機能する。管11は、例えば、金属製である。制御装置14は、例えば、管11から離間した位置に設けられており、制御装置14から複数の注液管13のそれぞれが延びている。注液管13は、例えば、可撓性材料によって構成されたパイプ部13bと、管11に固定された固定部13cとを有する。
固定部13cは、例えば、管11の開口11dを貫通する金属製の部材であり、管11の内部と連通している。開口11dは、例えば,円形状とされており、開口11dの直径(固定部13cの外径)は2mm以上且つ10mm以下である。開口11dの直径が2mm以上であることにより、液体Eの注入を効率よく行うことができる。また、開口11dの直径が10mm以下であることにより、管11の断面欠損をより確実に回避することができる。
パイプ部13bは、制御装置14からの液体Eを固定部13cに送り込む。固定部13cは筒状とされており、パイプ部13bからの液体Eを管11の内部に注入する。なお、固定部13cに、固定部13cにおける液体Eの流通を開閉する開閉バルブが設けられていてもよい。
注液管13の数は、例えば、3であり、管11の周方向に沿って等間隔に3個の注液管13(固定部13c)が配置されていてもよい。制御装置14からパイプ部13b及び固定部13cを介して管11の内部に注入された液体Eは、管11の内面Sに付着し、例えば、注液管13の出口から管11の周方向に延びる潤滑層Lを内面Sに形成する。このように内面Sに潤滑層Lを形成することによって、配管Hの内部においてセメント系材料Mを効率よく圧送することができる。
圧力計15は、例えば、注液管13が設けられた位置よりも下流側に配置されており、管11の内部の圧力を測定する。圧力計15によって測定された圧力の値は制御装置14に出力される。制御装置14は、例えば、圧力計15によって測定された圧力の値に基づいて配管H(管11)の内部に注入する液体Eの量を制御する。具体例として、制御装置14は、ポンプ16に制御信号を出力してタンク12から注液管13に注入する液体Eの量を制御する。なお、圧力計15は、注液管13が設けられた位置によりも上流側に設けられていてもよい。
図4は、変形例に係る潤滑層形成装置10Aの管11Aの断面を示す図である。変形例に係る潤滑層形成装置10A及び管11Aでは、注液管13の数が潤滑層形成装置10とは異なっており、例えば、潤滑層形成装置10Aの注液管13の数は20である。一例として、20個の注液管13が管11Aの周方向に沿って等間隔に並んでいる。この場合、20箇所から管11Aの内部に液体Eが注入されるので、潤滑層Lをより効率よく且つ十分に形成することができる。このように、注液管13の数は適宜変更することが可能である。
図5は、潤滑層形成装置10の内部を流れるセメント系材料Mの様子を示す断面図である。図5に示されるように、管11の内面Sには、例えば、注液管13への液体Eの逆流を抑制する逆止弁17が設けられている。また、管11の注液管13が設けられた部位よりも下流側には、潤滑層Lが連続して形成されている。
注液管13から管11の内部に注入された液体Eによって形成された潤滑層Lは、セメント系材料Mと管11の内面Sとの間に介在する。潤滑層Lは、管11だけでなく、下流側配管H2の内面Sにも形成されており、これにより、配管Hの内部におけるセメント系材料Mの効率の良い圧送が実現される。
図6は、別の変形例に係る潤滑層形成装置10Bを示す断面図である。潤滑層形成装置10Bは、第1の管11Bが注液管として機能する点が前述した潤滑層形成装置10と異なっている。潤滑層形成装置10Bは、第1の管11Bと、第1の管11Bの内部に配置された第2の管11Cとを有する入れ子の2重管構造を有する。第2の管11Cは、上流側配管H1に接続されており、上流側配管H1からセメント系材料Mを受け入れる。
第1の管11Bの内径は、第2の管11Cの外径よりも大きく、制御装置14からの液体Eは、第2の管11Cの外周面と第1の管11Bの内周面との間から第1の管11Bの内部に注入される。この潤滑層形成装置10Bの場合、管に孔を開ける必要がないので、容易に組み立てることが可能となる。また、第1の管11Bの内面Sの周方向全体に液体Eを注入することができるので、液体Eを効率良く且つ十分に注入することができる。
図7は、更なる別の変形例に係る潤滑層形成装置10Cを示す斜視図である。潤滑層形成装置10Cは、前述した潤滑層形成装置10と同様、複数の注液管13を備える。複数の注液管13におけるセメント系材料Mの搬送方向X(管11の軸線方向)の位置が互いにずれている。よって、潤滑層形成装置10Cでは、搬送方向Xの位置が互いに異なる複数の箇所から管11の内部に液体Eを注入することができる。なお、図7の例では、複数の注液管13が管11に千鳥状に配置されている。しかしながら、潤滑層形成装置10Cの管11における複数の注液管13の配置態様は適宜変更可能である。例えば、管11において複数の注液管13が格子状に配置されていてもよい。
次に、潤滑層形成装置10を用いてセメント系材料Mを圧送する水中不分離性材料圧送方法の例について図8に示されるフローチャートを参照しながら説明する。まず、ポンプ16を稼働して先送りの液体E(例えば水)を圧送経路Pに圧送する(ステップT1)。そして、圧送ポンプAを稼働して圧送経路Pにセメント系材料Mを圧送し、圧送負荷の測定を行う(ステップT2)。圧送負荷を測定した後、例えば図1に示される潤滑層形成装置10によって配管Hの内部に注入する液体Eの注入量を決定する(液体の注入量を決定する工程、ステップT3)。
ステップT3では、例えば、セメント系材料Mを先送りの水に続いて圧送経路Pに流してセメント系材料Mの圧送負荷の確認を行う。具体的には、配管Hの内部に試験的にセメント系材料Mを流しながら、圧力計15が配管Hの管内圧力を測定すると共に、圧送ポンプAの電気的負荷を測定する。そして、圧送経路Pへの液体Eの注入を試験的に行いつつ、配管Hの管内圧力、及び圧送ポンプAの電気的負荷の測定を継続し、液体Eの注入量の効果的な値を測定する。
次に、決定した注入量にて、圧送経路Pへの液体Eの注入を行う(液体を注入する工程、ステップT4)。圧送経路Pへの液体Eの注入は、例えば、制御装置14がポンプ16に電気信号を出力し、制御装置14がタンク12から複数の注液管13のそれぞれに液体Eを注入することによって行われる。また、圧送経路Pへのセメント系材料Mの圧送を開始する(ステップT5)。
このセメント系材料Mの圧送によって配管Hの内部に注入された液体Eが配管Hの下流側に移動し、当該移動に伴って配管Hの内面Sに潤滑層Lが形成される(潤滑層を形成する工程)。なお、ステップT4とステップT5の順序は、逆であってもよい。すなわち、セメント系材料Mの圧送を先に行ってセメント系材料Mの圧送後に配管Hの内部への液体Eの注入及び潤滑層Lの形成を行ってもよい。また、最初の時点では液体Eを注入するステップT4を省略することも可能であり、例えば、配管Hの内部の圧力が圧力閾値以上となったときに液体Eの注入を開始してもよい。
例えば、潤滑層Lを形成してセメント系材料Mを圧送しているときに、配管Hの内部の圧力を測定する(ステップT6)。このとき、圧力計15がセメント系材料Mの圧送に伴う配管Hの内部の圧力を測定し、圧力計15が測定した圧力の値は制御装置14に出力される。制御装置14は、圧力計15によって測定された圧力の値が圧力閾値以上であるか否かを判定する(ステップT7)。
「圧力閾値」とは、配管Hの内部の圧力が安全な圧力となっているか否かを判定する基準となる値であり、例えば、配管Hの仕様、圧送ポンプAの仕様若しくは能力、又は種々の制約等によって定められる。圧力閾値は、一例として、4MPaであるが、3MPaであってもよく、適宜変更可能である。
配管Hの内部の圧力が圧力閾値以上であると判定された場合には(ステップT7においてYES)、制御装置14がポンプ16に制御信号を出力してタンク12から注液管13を介して配管Hの内部に注入される液体Eの量を増加する(液体の量を制御する工程、ステップT8)。また、配管Hの内部の圧力が圧力閾値以上でないと判定された場合には(ステップT7においてNO)、配管Hの内部におけるセメント系材料Mの圧送を継続する。
なお、ステップT7及びステップT8に代えて、例えば、圧力計15によって測定された圧力の値に応じて配管Hの内部への液体Eの量を制御装置14が制御してもよい。すなわち、圧力計15によって測定された圧力の値が高い場合に、当該圧力の値が低い場合と比較して制御装置14が液体Eの注入量を増加させてもよい。また、圧力計15によって測定された圧力の値が大きくなったときに液体Eの注入量を増加してもよいし、圧力計15によって測定された圧力の値が小さくなったときに液体Eの注入量を減少してもよい。
例えば、一定時間経過後にセメント系材料Mの圧送が終了したか否かを制御装置14が圧力計15による圧力の値から判定する(ステップT9)。そして、セメント系材料Mの圧送が終了していないと判定された場合(ステップT9においてNO)、ステップT7に移行して引き続き圧力の値の判定を行う。一方、セメント系材料Mの圧送が終了したと判定された場合(ステップT9においてYES)、一連の工程を終了する。
次に、本実施形態に係る水中不分離性材料圧送方法及び水中不分離性材料圧送システム1から得られる作用効果について詳細に説明する。水中不分離性材料圧送では、例えば図2及び図3に示されるように、配管Hを貫通する注液管13を通じて配管Hの内部にセメント系材料Mよりも粘性が低い液体Eを注入する。そして、注入した液体Eを配管Hの内面Sに付着させて内面Sに潤滑層Lを形成する。よって、水中不分離性を有するセメント系材料Mと配管Hの内面Sとの間に液体Eによる潤滑層Lが介在するので、セメント系材料Mと配管Hの内面Sとの管内摩擦を低減させることができる。
従って、水中不分離性を有するセメント系材料Mを長距離圧送することができる。また、この水中不分離性材料圧送方法では、注液管13を通じて配管Hの内部に液体Eを注入すればよいので、ポンプを大型化したり配管径を大きくしたりする必要がない。従って、簡易な構成でセメント系材料Mの圧送を効率よく行うことができる。
更に、この水中不分離性材料圧送方法では、液体Eを配管Hの内部に注入すればよいので、注入を容易に行うことができると共に、配管Hの内部の圧力等に応じて液体Eの注入量を柔軟に調整することができる。よって、配管Hの内部の圧力に応じて液体Eによる潤滑層Lの大きさを容易に変更することができるので、配管Hの内部の圧力を十分に低減させることができる。
本実施形態に係る水中不分離性材料圧送方法では、セメント系材料Mと配管Hの内面Sとの管内摩擦を低減できるため、セメント系材料Mの圧送に関する作業を安全に行うことができる。更に、潤滑層Lを配管Hの内面Sに形成してセメント系材料Mの圧送性を向上させることができるので、圧送ポンプAとしては小型のポンプを使用できる。その結果、狭い敷地に圧送ポンプAを配置することが可能になると共に、圧送ポンプAの騒音を低減させることができる。
また、配管Hの内面Sに潤滑層Lを形成することにより、セメント系材料Mの圧送速度を速くすることができると共に、配管径が小さい軽量な配管Hとすることができる。よって、配管Hの設置作業を容易に行うことができるので、この点でも作業性の向上に寄与する。更に、配管Hの内部の圧力を低減できるので、高圧に伴うセメント系材料Mの材料分離や圧送に伴う性状変化を抑制することができ、均質なセメント系材料Mを提供することができる。
本実施形態に係る水中不分離性材料圧送方法において、液体Eは、水である。よって、配管Hの出口が水中Wである本実施形態では、注入した液体Eは配管Hの出口で水中Wに放出される。従って、水が水中Wに放出されるので、環境に優しい水中不分離性材料方法とすることができる。
本実施形態に係る水中不分離性材料圧送方法は、配管Hの内部に注入する液体Eの量を制御する工程を備える。よって、配管Hの内部の圧力の状況等に応じて注入する液体Eの量を制御することにより、液体Eの注入量の調整を容易に行うことができる。
本実施形態に係る水中不分離性材料圧送方法において、液体Eを注入する工程は、配管Hの内部の圧力が圧力閾値以上となったときに行ってもよい。この場合、配管Hの内部の圧力が圧力閾値以上となったときに液体Eの注入を行うので、液体Eを無駄に注入しないようにすることができる。すなわち、配管Hの内部の圧力に応じた相応しい注入量で液体Eを注入することができる。
本実施形態に係る水中不分離性材料圧送方法において、液体Eの量を制御する工程では、配管Hの内部の圧力の値に応じて注入する液体Eの量を調整してもよい。この場合、配管Hの内部の圧力の値に応じて液体Eの注入量を調整するので、前述と同様、配管Hの内部の圧力に応じた相応しい注入量で液体Eを注入することができる。
本実施形態に係る水中不分離性材料圧送方法において、セメント系材料Mは、0.5kg/m以上且つ5.0kg/m以下の水中不分離剤を含んでいる。このように、セメント系材料Mが0.5kg/m以上且つ5.0kg/m以下の水中不分離剤を含んでおりセメント系材料Mの粘性が高い場合であっても、配管Hの内面Sに潤滑層Lを形成することによってセメント系材料Mを効率よく長距離圧送することができる。
本実施形態に係る水中不分離性材料圧送方法は、液体Eを注入する工程の前に、配管Hの内部への液体Eの注入量を決定する工程を備える。よって、液体Eを注入する前に、配管Hの内部への液体Eの注入量を決定するので、液体Eを無駄に注入しないようにすることができる。従って、前述と同様、配管Hの内部の圧力に応じた相応しい注入量で液体Eを注入することができる。
本実施形態に係る水中不分離性材料圧送システム1は、配管Hを貫通する注液管13を通じて配管Hの内部にセメント系材料Mよりも粘性が低い液体Eを注入して配管Hの内面Sに潤滑層Lを形成する潤滑層形成装置10を備える。潤滑層形成装置10によって、水中不分離性を有するセメント系材料Mと配管Hの内面Sとの間に注入した液体Eにより潤滑層Lが介在するので、セメント系材料Mと配管Hの内面Sとの摩擦抵抗を低減させることができる。その結果、セメント系材料Mを長距離圧送することができ、前述の水中不分離性材料圧送方法と同様の効果が得られる。
更に、本実施形態に係る水中不分離性材料圧送システム1において、図1及び図5に示されるように、潤滑層形成装置10は、配管Hの内面Sに沿うように配置される逆止弁17を有する。よって、配管Hの内面Sに沿って配置された逆止弁17によって注液管13への液体Eの逆流を抑制することができる。従って、注液管13を通じて液体Eを効率よく配管Hの内部に注入することができる。すなわち、逆止弁17は、水中不分離性を有するセメント系材料Mが注液管13に流入して注液管13が閉塞する事態を回避することができる。
本実施形態に係る水中不分離性材料圧送システム1において、潤滑層形成装置10は、セメント系材料Mの圧送経路Pの上流側の端部から配管Hの全長の20%以内の箇所に設けられている。よって、潤滑層形成装置10を配管Hの上流側の端部に位置する圧送ポンプAの近傍に配置することが可能となるので、配管Hの内面Sに形成される潤滑層Lを配管Hに沿って長く形成することができる。従って、長距離にわたる水中不分離性材料(セメント系材料M)の圧送を効率よく行うことができる。
以上、本発明に係る水中不分離性材料圧送方法及び水中不分離性材料圧送システムの実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、水中不分離性材料圧送方法の各工程の内容及び順序、並びに、水中不分離性材料圧送システムの各部の形状、大きさ、数、材料、機能及び配置態様は適宜変更可能である。
例えば、前述の実施形態では、圧力計15によって測定された圧力の値に基づいて制御装置14がポンプ16に制御信号を出力して液体Eの注入量を自動的に調整する例について説明した。しかしながら、例えば、圧力計15によって測定された圧力の値を見て、注液管13の開閉バルブの調整等を行うことによって、液体Eの注入量を手動で調整してもよい。また、圧力計15によって測定された圧力の値が圧力閾値以上となったときに警報を出力してもよく、当該警報に伴って液体Eの注入量を調整してもよい。
また、前述の実施形態では、配管Hの上流側に潤滑層形成装置10が設けられる例について説明した。しかしながら、配管Hにおける潤滑層形成装置10の配置位置は適宜変更可能である。また、潤滑層形成装置10の数も適宜変更可能である。例えば、数百メートルに延びる配管Hにおいて、複数の潤滑層形成装置10が一定間隔おきに配置されていてもよい。
(実施例)
次に、水中不分離性材料圧送システム1を用いた実施例について図1及び図9を参照しながら説明する。本実施例では、水中不分離性材料圧送システム1を用いて圧送ポンプAの圧力の時系列データを測定する実験を行った。図1及び図9に示されるように、まず、液体Eを形成していない状態で圧送ポンプAを動作させてセメント系材料Mを圧送し、配管Hの内部の圧力を測定すると、圧力の値は時間の経過と共に増大し、動作開始から5分以上経過したときに圧力の値は3.0MPaを超えた。
その後、制御装置14の制御によってタンク12から液体Eを配管Hの内部に注入すると、配管Hの内部の圧力は徐々に低下し、圧力の値は2.5MPa以下に減少した。そして、動作開始から10分以上経過したときに液体Eの注入を停止すると、配管Hの内部の圧力は再度上昇し、動作開始から15分程度経過したときに再度液体Eの注入を行うと圧力の値が再度低下した。以上のように、潤滑層形成装置10によって、配管Hの内部への液体Eの注入を行うと、配管Hの内部の圧力を効果的に低減させることができ、圧力の値を30%~50%低減できることが分かった。
1…水中不分離性材料圧送システム、10,10A,10B,10C…潤滑層形成装置、11,11A…管、11B…第1の管、11C…第2の管、11d…開口、12…タンク、13…注液管、13b…パイプ部、13c…固定部、14…制御装置、15…圧力計、16…ポンプ、17…逆止弁、A…圧送ポンプ、D1…距離、E…液体、H…配管、H1…上流側配管、H2…下流側配管、L…潤滑層、M…セメント系材料、P…圧送経路、S…内面、W…水中、X…搬送方向。

Claims (9)

  1. 水中不分離性を有するセメント系材料を配管の内部において圧送する水中不分離性材料圧送方法であって、
    注液管を通じて前記配管の内部に前記セメント系材料よりも粘性が低い液体を注入する工程と、
    注入された前記液体を前記配管の内面に付着させて前記内面に潤滑層を形成する工程と、
    を備え
    前記配管の内部に注入する前記液体の量を制御する工程を更に備え、
    前記液体の量を制御する工程では、前記配管の内部の圧力の値に応じて注入する前記液体の量を調整する、
    水中不分離性材料圧送方法。
  2. 前記液体は、水である、
    請求項1に記載の水中不分離性材料圧送方法。
  3. 前記液体を注入する工程は、前記配管の内部の圧力が圧力閾値以上となったときに行う、
    請求項1又は2に記載の水中不分離性材料圧送方法。
  4. 前記セメント系材料は、0.5kg/m以上且つ5.0kg/m以下の水中不分離剤を含む、
    請求項1~のいずれか一項に記載の水中不分離性材料圧送方法。
  5. 前記液体を注入する工程の前に、前記配管の内部への前記液体の注入量を決定する工程を更に備える、
    請求項1~のいずれか一項に記載の水中不分離性材料圧送方法。
  6. 水中不分離性を有するセメント系材料を配管の内部において圧送する水中不分離性材料圧送システムであって、
    注液管を有し、前記注液管を通じて前記配管の内部に前記セメント系材料よりも粘性が低い液体を注入し、前記液体を前記配管の内面に付着させて前記内面に潤滑層を形成する潤滑層形成装置と、
    前記配管の内部に注入する前記液体の量を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記配管の内部の圧力の値に応じて注入する前記液体の量を制御する、
    水中不分離性材料圧送システム。
  7. 前記液体は、水であり、
    前記配管は、前記セメント系材料を圧送する圧送ポンプから水中まで延びている、
    請求項に記載の水中不分離性材料圧送システム。
  8. 前記潤滑層形成装置は、前記配管の前記内面に沿うように配置される逆止弁を有する、請求項又はに記載の水中不分離性材料圧送システム。
  9. 前記潤滑層形成装置は、前記セメント系材料の圧送経路の上流側の端部から前記圧送経路の全長の20%以内の箇所に設けられている、
    請求項6~8のいずれか一項に記載の水中不分離性材料圧送システム。
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