JP7231107B2 - 3相交流モータの診断方法及び診断装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、3相の巻線のうちいずれか2相の巻線のみに電流を印加するとベクトル制御ができないため、3相交流モータが大きく動いてしまうことがある。このため、例えば停止中の3相交流モータに抵抗検出用の電流を流したときに3相交流モータが大きく動くと、ユーザに違和感を与えるおそれがある。
本発明は、3相交流モータの第1相巻線と第2相巻線、第2相巻線と第3相巻線、第3相巻線と第1相巻線に電流を印加して3相交流モータを診断する際の3相交流モータの回転を抑制することを目的とする。
第2電流経路は、3つの電流経路のうち、3相交流モータの現在の回転角における回転角変化に対する発生トルクの変化率が最も大きな電流経路であり、第1電流経路に通電したときの3相交流モータの回転方向は、第2電流経路に通電を開始した時に生じる発生トルクの絶対値が減少する方向である。
本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に示した要素及びその組合せを用いて具現化され達成される。前述の一般的な記述及び以下の詳細な記述の両方は、単なる例示及び説明であり、特許請求の範囲のように本発明を限定するものでないと解するべきである。
実施形態の操舵装置は、運転者の操舵入力を受け付ける操舵部31と、操向輪である左右前輪34FL、34FRを転舵する転舵部32と、バックアップクラッチ33と、コントローラ11を備える。
この操舵装置は、バックアップクラッチ33が解放状態になると、操舵部31と転舵部32とが機械的に分離されるステアバイワイヤ(SBW)システムを採用している。以下の説明において左右前輪34FL、34FRを「操向輪34」と表記することがある。
反力モータ31cは3相交流モータであって、ステアリングホイール31aと一体に回転するコラムシャフト31bと同軸上に配置された回転軸(出力軸)を有する。反力モータ31cは、コントローラ11から出力される反力電流Ismにより駆動され、ステアリングホイール31aに付与する回転トルクをコラムシャフト31bに出力する。回転トルクを付与することにより、ステアリングホイール31aに操舵反力トルクが付与される。
転舵モータ32eは、コントローラ11から出力される転舵電流Itmにより駆動され、操向輪34を転舵するための転舵トルクをステアリングラック32dに出力する。転舵モータ32eは、減速機を介してラックギア32cと接続される出力軸を有する。転舵角センサ32gは、操向輪34の実際の転舵角である実転舵角θtを検出する。
コントローラ11は、反力モータ31cによりステアリングホイール31aに与える操舵反力トルクの制御と、操向輪の転舵制御とを行う電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。
コントローラ11は、プロセッサ20と、記憶装置21と、駆動回路22等を含む。
プロセッサ20は、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。記憶装置21は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置を備えてよい。記憶装置21は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるメモリを含んでよい。
さらにコントローラ11は、反力モータ31cを駆動する反力電流Ismと、転舵モータ32eを駆動する転舵電流Itmとを生成するための駆動回路22を備える。駆動回路22は、例えば、反力電流Ism及び転舵電流Itmを制御するためのスイッチング素子を備えてもよい。
また、コントローラ11は、操舵角θsに応じて、操向輪34の目標転舵角を算出する。コントローラ11は、転舵力指令値に応じた転舵トルクを発生させる転舵電流Itmを転舵モータ32eに出力し、操向輪34を転舵する。
図2(a)~図2(c)を参照する。反力モータ31cは、U相巻線Lu、V相巻線Lv及びW相巻線Lwからなる3つの巻線を有する。診断処理の際にコントローラ11は、図示の電流経路P1、P2及びP3を流れる診断用電流を流す。
電流経路P1~P3を流れる診断用電流の電流値をそれぞれI1~I3とし、U相巻線Lu、V相巻線Lv、W相巻線Lwの抵抗値をそれぞれRu、Rv、Rwとし、U相端子電圧、V相端子電圧、W相端子電圧をそれぞれVu、Vv、Vwとすると、連立方程式(1)~(3)が成立する。
I1(Ru+Rv)=Vu-Vv ... (1)
I2(Rv+Rw)=Vv-Vw ... (2)
I3(Ru+Rw)=Vw-Vu ... (3)
コントローラ11は、連立方程式(1)~(3)を解くことにより、抵抗値Ru、Rv及びRwを測定する。
ここで、反力モータ31cの回転角θmrの変化量は、通電により反力モータ31cに生ずる発生トルクの時間積分に比例し、発生トルクは、反力モータ31cの回転角θmrに依存する。
そこで、コントローラ11は、電流経路P1~P3の各々に診断用電流を印加する印加順序を反力モータ31cの回転角θmrに応じて設定することにより、診断用電流による反力モータ31cの発生トルクの積分量を低減することによって回転量を抑制する。
例えば、電流経路P1~P3に診断用電流が順次流れると反力モータ31cの回転角θmrは増減するので、反力モータ31cの回転角θmrの最大値と最小値の間の差(振幅)を抑制する。
以下、2番目に診断用電流が印加される電流経路を「第2電流経路」と表記することがある。また、第2電流経路よりも先に診断用電流を印加する電流経路を「第1電流経路」と表記することがある。第2電流経路よりも後に診断用電流を印加する電流経路を「第3電流経路」と表記することがある。
コントローラ11は、第1電流経路に診断用電流を印加することにより、第2電流経路に通電を開始した時に生じる発生トルクが低減する方向に反力モータ31cを回転させる。上記のとおり第2電流経路は、回転角変化に対する発生トルクの変化率が3つの電流経路P1~P3のうちで最大となるように選ばれる。
したがって、第1電流経路に診断用電流を流すことによって、その後に第2電流経路に通電した際に発生する発生トルクの絶対値が減少する方向に反力モータ31cを回転させることにより、2番目に診断用電流を印加した時に発生する発生トルクを最も減少させることができる。これにより、電流経路P1~P3の各々に診断用電流を印加した時の発生トルクの積分値の合計を効率よく抑制できる。
電流取得部40は、電流センサ31fから検出反力電流Isdを取得する。検出反力電流Isdは、U相、V相及びW相のうち2相の相電流の検出値を含んでよい。本例では、検出反力電流Isdは、U相電流Iu及びW相電流Iwの検出値を含む。電流取得部40は、U相電流Iu、W相電流IwからV相電流Ivを算出し、U相電流Iu、V相電流Iv及びW相電流Iwを、抵抗演算部及49び電流制御部43に出力する。
通常モードにおいてPWM制御部45は、デューティ演算部44が演算したデューティに基づいて、駆動回路22のスイッチング素子のゲート電圧を生成する。
初期診断モードでは、イグニッションスイッチの状態がオン又はオフのいずれであるかを示すイグニッション信号IGNを受信する。また、温度推定実施判断部46は、コントローラ11の内部状態である温度推定完了フラグFtを参照する。温度推定完了フラグFtの値は、イグニッションスイッチの状態がオフからオンに変化してから、巻線温度の推定処理が完了するまで「False」であり、推定処理が完了すると「True」に変化する。
温度推定実施判断部46は、イグニッションスイッチの状態がオンからオフに変化すると、温度推定完了フラグFtが「True」になるまで動作モードフラグFpを「True」に設定する。温度推定完了フラグFtが「True」に変化すると、温度推定実施判断部46は、動作モードフラグFpを「False」に設定する。
図4(a)は、回転角θmrと、電流経路P1~P3に一定電流を流した時に発生する発生トルクとの関係を示す特性曲線である。実線、破線及び1点鎖線は、電流経路P1、P2及びP3に一定電流を印加したときの発生トルクの特性曲線を示す。この例では、反力モータ31cの回転方向のいずれかを正方向と定めて、電流経路P2に電流を印加したときの発生トルクが正の最大値(ピーク)となるときの回転角θmrを0[deg]に設定している。
図4(a)に示すように、電流経路P1~P3の特性曲線は互いに120[deg]ずれており、例えば120~240[deg]における電流経路P2の特性曲線の波形は、0~120[deg]における電流経路P1の特性曲線の波形と等しい。このため、電流経路P1~P3に電流を印加した場合の発生トルクの特性は、120[deg]の周期で電流経路P1~P3の中で入れ替わる。
電流経路Pxの発生トルクが正である場合には反力モータ31cが正方向に回転するので回転角θmrが増加する。このため、電流経路Pyの傾きが正であれば電流経路Pyの通電時の発生トルクは増加し、傾きが負であれば電流経路Pyの通電時の発生トルクは減少する。反対に電流経路Pxの発生トルクが負である場合には、電流経路Pyの傾きが正であれば電流経路Pyの通電時の発生トルクは減少し、傾きが負であれば電流経路Pyの通電時の発生トルクは増加する。
例えばN×120<回転角θmr≦N×120+30の範囲では、電流経路Pb(破線)の発生トルクは正であり、電流経路Pa(1点鎖線)の傾きは正であり、電流経路Pbの傾きは負であり、電流経路Pc(実線)の傾きは負である。このため、電流経路Pbに電流を印加することにより反力モータ31cが正方向に回転すると、電流経路Paの通電時の発生トルクは増加して発生トルクの絶対値は減少する。一方で、電流経路Pcの通電時の発生トルクは減少して発生トルクの絶対値は増加する。また、電流経路Pbの通電時の発生トルクは減少する。
そこで、周期120[deg]の回転角θmrの角度範囲(N×120~(N+1)×120[deg])を、幅30[deg]の角度範囲R1、R2、R3及びR4に分割する。角度範囲R1は、回転角θmrがN×120より大きくN×120+30以下の範囲であり、角度範囲R2は、回転角θmrがN×120+30より大きくN×120+60以下の範囲であり、角度範囲R3は、回転角θmrがN×120+60より大きくN×120+90以下の範囲であり、角度範囲R4は、回転角θmrがN×120+90より大きく(N+1)×120以下の範囲である。
電流経路Pa:角度範囲R1及びR2で最も発生トルクの絶対値が小さく、角度範囲R3及びR4で大きな正方向のトルクを発生する電流経路。
電流経路Pb:角度範囲R3及びR4で最も発生トルクの絶対値が小さく、角度範囲R1及びR2で大きな正方向のトルクを発生する電流経路。
電流経路Pc:角度範囲R1~R4の全てで、負方向のトルクを発生する電流経路。
このように印加順序を設定することにより、現在の回転角θmrにおける回転角θmrに対する発生トルクの変化率が最も大きな電流経路に、2番目に診断用電流を印加することができる。
初期診断モードにおいてPWM制御部45は、デューティ設定部48が設定したデューティに基づいて、駆動回路22のスイッチング素子のゲート電圧を生成する。
抵抗演算部49は、電流経路P1、P2、P3に診断用電流を印加したときに流れたU相電流Iu、V相電流Iv及びW相電流Iwを電流取得部40から取得するとともに、反力モータ31cに印加された電源電圧Vbをアナログディジタル変換器(ADC)35から取得する。抵抗演算部49は、相電流Iu、Iv及びIwと電源電圧Vbとに基づいてU相巻線Lu、V相巻線Lv、W相巻線Lwの抵抗値Ru、Rv、Rwを演算する。例えば、抵抗演算部49は、上式(1)~(3)の電流値I1~I3に相電流Iu、Iv及びIwをそれぞれ代入し、電源電圧Vbを端子間電圧(Vu-Vv)、(Vv-Vw)及び(Vw-Vu)として算出する。
以下、U相巻線Lu、V相巻線Lv、W相巻線Lwを総称して「巻線L」と表記し、その抵抗値Ru、Rv、Rwを総称して「抵抗値R」と表記することがある。
診断部50は、抵抗値Rが短絡閾値Tsより小さいと判定した場合に、巻線Lの短絡が発生したと判定し、短絡検出フラグFsを「True」に設定する。短絡検出フラグFsの「True」は短絡の検出を示し、「False」は短絡の未検出を示す。
診断部50は、抵抗値Rに基づいてU相巻線Lu、V相巻線Lv、W相巻線Lwの温度Tu、Tv、Twを推定する。温度Tu、Tv、Twを総称して「温度T」と表記することがある。温度Tを推定する場合、診断部50は、温度推定完了フラグFtを「True」に設定する。
異常処理部52は、断線検出フラグFb又は短絡検出フラグFsのいずれかが「True」である場合、遮断器36を開放して電源と反力モータ31cとを遮断するともに、バックアップクラッチを接続する異常処理を実行する。
ステップS1では反力モータ31cの回転角θmrを検出する。ステップS2では診断用電流を電流経路Pb、Pa、Pcに印加する順序を決定する印加順序決定処理を実行する。印加順序決定処理は、図6を参照して後述する。ステップS3ではステップS2で決定した順序で診断用電流を流すようにデューティを設定する。ステップS4ではステップS3で設定したデューティに基づいて診断用電流を印加する。なお、診断用電流を流す期間は、巻線に流れる電流値と電圧値を精度良く検出できる程度の、巻線のインダクタンス等に応じた予め定められた極短時間で良い。
ステップS8では抵抗Rが短絡閾値Tsより小さいか否かを判定する。抵抗Rが短絡閾値Tsより小さい場合(S8:Y)処理はステップS9に進む。抵抗Rが短絡閾値Tsより小さくない場合(S8:N)処理はステップS10へ進む。ステップS9では短絡検出フラグFsを「True」に設定する。また、温度推定完了フラグFtを「False」に設定する。
ステップS10では温度推定完了フラグFtを「True」に設定する。ステップS11では巻線Lの温度Tを推定する。
ステップS10では条件式0<θmr≦120を満たすか否かを判定する。条件式0<θmr≦120を満たす場合(S10:Y)に処理はステップS11へ進む。条件式00<θmr≦120を満たさない場合(S10:N)に処理はステップS12へ進む。ステップS11では、電流経路P1、P2、P3をそれぞれ電流経路Pa、Pb、Pcに設定する。その後に処理はステップS15へ進む。
ステップS12では条件式120<θmr≦240を満たすか否かを判定する。条件式120<θmr≦240を満たす場合(S12:Y)に処理はステップS13へ進む。条件式120<θmr≦240を満たさない場合(S12:N)に処理はステップS14へ進む。ステップS13では電流経路P1、P2、P3をそれぞれ電流経路Pc、Pa、Pbに設定する。その後に処理はステップS15へ進む。
ステップS14では電流経路P1、P2、P3をそれぞれ電流経路Pb、Pc、Paに設定する。その後に処理はステップS15へ進む。
ステップS17では条件式30<(θmr-N×120)≦60を満たすか否かを判定する。条件式30<(θmr-N×120)≦60を満たす場合(S17:Y)に処理はステップS18へ進む。条件式30<(θmr-N×120)≦60を満たさない場合(S17:N)に処理はステップS19へ進む。ステップS18では診断用電流を流す順序を電流経路Pc、Pa、Pbの順序に設定する。
ステップS21では診断用電流を流す順序を電流経路Pc、Pb、Paの順序に設定する。
(1)反力モータのU相巻線Luから中性点Pnを介してV相巻線Lvへ電流を流す電流経路P1と、V相巻線Lvから中性点Pnを介してW相巻線Lwへ電流を流す電流経路P2と、W相巻線Lwから中性点Pnを介してU相巻線へ電流を流す電流経路P3と、からなる3つの電流経路のうち、第1電流経路、第2電流経路及び第3電流経路の順に、所定電圧Vbを所定時間印加し、所定電圧Vbを印加したときに第1電流経路、第2電流経路及び第3電流経路に流れる電流値に基づいて、U相巻線Lu、V相巻線Lv及びW相巻線Lwの異常を検出する。第2電流経路は、電流経路P1~P3のうち、反力モータ31cの現在の回転角θmrにおける、回転角変化に対する発生トルクの変化率が最も大きな電流経路であり、第1電流経路に通電したときの反力モータ31cの回転方向は、第2電流経路に通電を開始した時に生じる発生トルクの絶対値が減少する方向である。
これにより、診断用電流を2番目に印加した時に発生する発生トルクの絶対値を最も減少させることができる。このため、電流経路P1~P3の各々に診断用電流を印加した時の発生トルクの積分値の合計を効率よく抑制できる。
これにより、U相巻線Lu、V相巻線Lv及びW相巻線Lwの抵抗値Ru、Rv、Rwに基づく異常検出が可能になる。
(3)算出した抵抗値Ru、Rv、Rwが所定範囲にない場合に、U相巻線Lu、V相巻線Lv及びW相巻線Lwに異常が発生したと判定してよい。
これにより、U相巻線Lu、V相巻線Lv及びW相巻線Lwの抵抗値Ru、Rv、Rwに基づく異常検出が可能になる。
これにより、U相巻線Lu、V相巻線Lv及びW相巻線Lwの温度、断線又は短絡を検出できる。
(5)第2電流経路は、3つの電流経路のうち通電開始時の発生トルクの絶対値が最も小さな電流経路である。
これにより、回転角の変化に対する発生トルクの変化率が最も大きな電流経路へ、2番目に診断用電流を印加できる。
これにより、第1電流経路に診断用電流を流したときに、第2電流経路に通電して発生する発生トルクの絶対値が減少する方向に、反力モータ31cを回転させることができ、第2電流経路に診断用電流を流したときに、第3電流経路に通電して発生する発生トルクの絶対値が減少する方向に、反力モータ31cを回転させることができる。
32g...転舵角センサ、32h...電流センサ、32i...モータ回転角センサ、33...バックアップクラッチ、
34...操向輪、34FL...左前輪、34FR...右前輪、
Claims (8)
- 第1相巻線、第2相巻線及び第3相巻線を有する3相交流モータの診断方法であって、
前記第1相巻線から中性点を介して前記第2相巻線へ電流を流す電流経路と、前記第2相巻線から中性点を介して前記第3相巻線へ電流を流す電流経路と、前記第3相巻線から中性点を介して前記第1相巻線へ電流を流す電流経路と、からなる3つの電流経路のうち、第1電流経路、第2電流経路及び第3電流経路の順に、所定電圧を所定時間印加することと、
前記所定電圧を印加したときに前記第1電流経路、前記第2電流経路及び前記第3電流経路に流れる電流値に基づいて、前記第1相巻線、前記第2相巻線及び前記第3相巻線の異常を検出することと、を含み、
前記第2電流経路は、前記3つの電流経路のうち、前記3相交流モータの現在の回転角における前記回転角変化に対する発生トルクの変化率が最も大きな電流経路であり、
前記第1電流経路に通電したときの前記3相交流モータの回転方向は、前記第2電流経路に通電を開始した時に生じる発生トルクの絶対値が減少する方向である、
ことを特徴とする3相交流モータの診断方法。 - 前記所定電圧を印加したときに前記第1電流経路、前記第2電流経路及び前記第3電流経路に発生する電圧値と、前記所定電圧に基づいて、前記第1相巻線、前記第2相巻線及び前記第3相巻線の抵抗値を算出し、
算出した前記抵抗値に基づいて、前記第1相巻線、前記第2相巻線及び前記第3相巻線の異常を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の3相交流モータの診断方法。 - 前記算出した抵抗値が所定範囲にない場合に、前記第1相巻線、前記第2相巻線及び前記第3相巻線に異常が発生したと判定することを特徴とする請求項2に記載の3相交流モータの診断方法。
- 前記算出した抵抗値に基づいて、前記第1相巻線、前記第2相巻線及び前記第3相巻線の温度、断線又は短絡を検出することを特徴とする請求項2又は3に記載の3相交流モータの診断方法。
- 前記第2電流経路は、前記3つの電流経路のうち通電開始時の発生トルクの絶対値が最も小さな電流経路であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の3相交流モータの診断方法。
- 前記3相交流モータの回転方向の一方及び他方それぞれを正方向及び負方向とし、前記3つの電流経路のうち何れかの電流経路に通電したときの発生トルクが正方向のピーク値となる前記3相交流モータの電気角を0度とし、Nを0以上の整数としたとき、
前記3相交流モータの電気角がN×120~N×120+30度の範囲又はN×120+60~N×120+90度の範囲にある場合には、前記3つの電流経路のうち正方向の発生トルクが最も大きな電流経路を前記第1電流経路とし、
前記3相交流モータの電気角がN×120+30~N×120+60度の範囲又はN×120+90~(N+1)×120度の範囲にある場合には、前記3つの電流経路のうち負方向の発生トルクが最も大きな電流経路を前記第1電流経路とする、
ことを特徴とする請求項5に記載の3相交流モータの診断方法。 - 前記3相交流モータは、車両のステアリングに操舵反力を付与する反力モータであることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の3相交流モータの診断方法。
- 第1相巻線、第2相巻線及び第3相巻線を有する3相交流モータの診断装置であって、
前記第1相巻線から中性点を介して前記第2相巻線へ電流を流す電流経路と、前記第2相巻線から中性点を介して前記第3相巻線へ電流を流す電流経路と、前記第3相巻線から中性点を介して前記第1相巻線へ電流を流す電流経路と、からなる3つの電流経路のうち、少なくとも2つの電流経路に流れる電流を検出する電流センサと、
前記3つの電流経路のうち、第1電流経路、第2電流経路及び第3電流経路の順に、所定電圧を所定時間印加し、前記所定電圧を印加したときに前記第1電流経路、前記第2電流経路及び前記第3電流経路に流れる電流値に基づいて、前記第1相巻線、前記第2相巻線及び前記第3相巻線の異常を検出するコントローラと、を含み、
前記第2電流経路は、前記3つの電流経路のうち、前記3相交流モータの現在の回転角における前記回転角変化に対する発生トルクの変化率が最も大きな電流経路であり、
前記第1電流経路に通電したときの前記3相交流モータの回転方向は、前記第2電流経路に通電を開始した時に生じる発生トルクの絶対値が減少する方向である、
ことを特徴とする3相交流モータの診断装置。
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