以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(送信頻度毎の無線資源割り当て)
2.第2の実施の形態(低頻度無線資源利用)
3.第3の実施の形態(周波数帯利用)
4.第4の実施の形態(低頻度無線資源選択可)
5.第5の実施の形態(最低収集頻度での送信)
6.第6の実施の形態(経過時間に応じた無線資源割り当て)
7.第7の実施の形態(送信頻度に応じた回数繰り返し)
8.第8の実施の形態(通信システム適用例)
9.その他
<1.第1の実施の形態>
<LPWA>
従来、LTE(Long Term Evolution)のような無線通信システムでは、端末が予め基地局とシグナリングを行い、基地局によって割り当てられた無線資源を使用してデータを送信する方法が採用されていた。
しかしながら、センサ情報等の少量の情報を伝送するIoT(Internet of Things)のような無線通信システムにおいては、そのような無線資源を割り当てるためのシグナリングを行うことは端末の低消費電力・低コストの点から好ましくなかった。近年、IoT等で利用する無線通信方式として、例えば数10乃至100km程度の広い範囲の情報伝送が可能なLPWA(Low Power Wide Area)通信が普及しつつある。
また、IoTのような無線通信システムの場合、端末から基地局方向への片方向通信が採用されることが多く、その場合、基地局が端末へ無線資源を割り当てることはできなかった。
例えば、非特許文献1に記載のSIGFOX(登録商標)のシステムでは、伝送容量は12バイト(byte)、通信方向は上りのみ、通信速度は100bps、通信回数制限は最大140回/日の通信方式が採用されている。
このような片方向通信では、端末は信号を受信することができない為、端末と基地局(受信側)間で事前にシグナリングを行い、無線資源の割り当ての調整を行うことは困難である。そのため、このような片方向通信では、複数の端末が互いに同一の無線資源を使用してデータを送信することをある程度許容したうえで、端末が自律的に無線資源を決定する必要があった。そのため、複数の端末から送信された信号同士の衝突等により、基地局において信号受信に失敗する可能性があった。
例えば基地局(受信側)のアプリケーションで使用されるデータがこのような片方向通信で伝送される場合、基地局が上述のように信号受信(つまりデータの受信)に失敗すると、アプリケーションにおいては、例えば、データの欠損等が生じ、処理が停止する等の不具合が生じるおそれがあった。
一般的に、このような不具合は、少なくとも、次のデータの受信に成功するまで継続する可能性が高い。IoTにおけるユースケースは多岐にわたり、ユースケースによってデータの収集頻度は1分に1回から数日に1回まで大きく異なる。例えば、定期的にデータを収集するアプリケーションを想定した場合、送信頻度が高いデータは一度データの受信に失敗したとしても、すぐに再度データが送信されるためアプリケーションへの影響は小さい。
これに対して、送信頻度が低いデータの受信に失敗すると、次にデータが送信されてくるまで間隔が空くため、長い間データの更新がされないような状況に陥ってしまうおそれがあった。つまり、データの送信頻度が比較的少ない程、次のデータ受信までの間隔が長くなり、そのアプリケーションへの影響がより増大するおそれがあった。
<送信頻度に応じた無線資源の割り当て>
そこで、片方向通信の信号送信を行う際に、アプリケーションのデータの送信頻度に応じた無線資源を用いて、そのデータに対応する無線信号を送信するようにする。なお、アプリケーションはどのようなものであってもよい。定期的または非定期にデータを繰り返し端末から基地局に伝送する(つまり、基地局側のアプリケーションが端末からデータを複数回収集する)ものであればよい。また、データに対応する無線信号とは、そのデータの内容を含む無線信号のことである。つまり、データに対応する無線信号を送受信することによりそのデータが伝送される。また、通信方式は片方向通信のものであれば任意である。例えば、LPWA通信であってもよい。
また、送信頻度とは、所定の単位時間に繰り返される無線信号の送信回数の多さを表す指標である。例えば、単位時間当たりの送信回数(例えば、1時間当たり1回、1時間当たりn回等)のように、直接的に示すものであってもよいし、送信間隔や送信周期(例えば1分に1度、1日に1度等)のように、間接的に示すものであってもよい。
また、無線資源は、任意である。例えば、送信頻度毎に異なる時間(タイムスロット)に送信するようにしてもよい。また、例えば、送信頻度毎に異なる周波数帯(チャネル)で送信するようにしてもよい。さらに、例えば、送信頻度毎に異なる符号を用いて送信するようにしてもよい。また、例えば、送信頻度毎に異なる送信電力(Power)で送信するようにしてもよい。例えば、送信頻度が少ないデータ程(優先度が高いデータ程)、無線信号の送信電力を大きくするようにしてもよい。さらに、これらのパラメータを複数組み合わせてもよい。
端末がこのように自律的にデータ送信に用いる無線資源を選択し、そのデータに対応する無線信号を、その無線資源を用いて送信することにより、送信頻度が低いデータに対応する無線信号の衝突の発生確率を抑制することができる。したがって、送信頻度が低いデータの受信成功率を、送信頻度が高いデータよりも向上させることができる。したがって、アプリケーションに影響が生じる期間を抑制することができる。つまり、片方向通信によるデータ伝送のアプリケーションへの影響を抑制することができる。例えば、異なるユースケースをもつアプリケーションが混在するような環境下でもアプリケーションへの影響を抑制することができる。
<通信装置>
図1は、本技術を適用した通信装置の一実施の形態の主な構成例を示すブロック図である。図1に示される通信装置100は、例えばIoTの端末のように、基地局(図示せず)に対して無線信号を送信する装置である。
通信装置100は、どのような情報を送信してもよいが、例えば、基地局側(受信側)の情報処理装置(図示せず)において実行されるアプリケーションにおいて利用されるデータを基地局に送信する。通信装置100がこのデータを生成するようにしてもよいし、通信装置100の以外の情報処理装置で生成されたデータを通信装置100が取得し、送信するようにしてもよい。以下においては、一例として、通信装置100において実行されるアプリケーションがデータを生成するものとして説明する。
このデータはどのような内容であってもよい。例えば、位置、姿勢、速度、加速度、気温、湿度、明るさ、時刻等であってもよい。つまり、基地局側のアプリケーションは、通信装置100から所定のデータを取得し、そのデータを用いて、例えば統計データを生成する等、任意の処理を行う。
通信装置100のアプリケーションは、このようなデータを、定期的または不定期に、複数回、基地局側のアプリケーションに提供する。つまり、通信装置100は、無線信号の送信を複数回行う。また、通信装置100は、複数のアプリケーションを実行することができる。送信されるデータの内容は、各アプリケーションに依存する。また、データの送信頻度(単位時間当たりの送信回数または送信周期)も各アプリケーションに依存する。
このような通信装置100と基地局は、通信装置100から基地局に向かう一方向のみの通信(以下、片方向通信とも称する)を行う。したがって、通信装置100は、無線信号の送信に使用する無線資源を自律的に設定する。通信装置100は、この無線資源の設定の際に、データの送信頻度毎に異なる無線資源を割り当てるようにする。換言するに、通信装置100は、データの送信頻度に応じた無線資源を用いて、そのデータに対応する無線信号を送信する。したがって、通信装置100は、上述のように、片方向通信によるデータ伝送のアプリケーションへの影響を抑制することができる。
図1に示されるように、通信装置100は、制御部101、無線通信部111(アンテナ111A)、無線資源決定部112、無線資源データ記憶部113、および送信データ提供部114を有する。これらの各処理部は、バス110を介して互いに接続されており、互いにプログラムやデータを授受することができる。
制御部101は、無線通信部111乃至送信データ提供部114等の、通信装置100内の各処理部(各ブロック)の制御に関する処理を行う。また、制御部101は、送信するデータを用いて送信フレームを生成する。例えば、制御部101が、CPU(Central Processing Unit)とメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行したりデータを処理したりすることにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
無線通信部111は、制御部101の制御に従って、無線通信に関する処理を行う。例えば、無線通信部111は、アンテナ111Aや送信回路等、無線信号送信に必要な構成を有し、所定のフレームフォーマットに応じて無線信号を送信する。例えば、無線通信部111は、制御部101から供給される送信フレームを無線信号としてアンテナ111Aから送信する。また、その際、無線通信部111は、無線資源決定部112により設定された無線資源を用いて、無線信号の送信を行う。つまり、無線通信部111は、片方向通信の信号送信を行う送信部として機能する。
無線資源決定部112は、制御部101の制御に従って、無線通信部111が行うデータに対応する無線信号の送信に用いる無線資源の設定に関する処理を行う。例えば、無線資源決定部112は、データの送信頻度に応じて、使用する無線資源を設定する。例えば、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113に記憶されている無線資源に関する情報に基づいて、使用する無線資源を設定する。例えば、無線資源決定部112は、送信データ提供部114からデータの送信頻度に関する情報を取得し、無線資源データ記憶部113から無線資源に関する情報を取得し、それらの情報に基づいて、使用する無線資源を設定する。例えば、無線資源決定部112が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行したりデータを処理したりすることにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
無線資源データ記憶部113は、任意の記憶媒体やその入出力インタフェース等を有し、無線資源に関する情報をその記憶媒体に記憶する。この無線資源に関する情報はどのような情報であってもよい。例えば、予め設定された送信頻度毎の無線資源の割り当てに関する情報であってもよい。また、無線資源データ記憶部113は、制御部101の制御に従って、または、無線資源決定部112等の他の処理部の要求に応じて、記憶媒体に記憶している無線資源に関する情報の全部または要求に対応する一部を、無線資源決定部112等の他の処理部に供給する。
つまり、無線資源データ記憶部113は、送信頻度と無線資源の対応関係を記憶する無線資源記憶部として機能する。送信部は、この無線資源記憶部より読みだした対応関係に基づいて求まるデータの送信頻度に対応する無線資源を用いて、無線信号を送信する。このような無線資源記憶部を設けることにより、無線資源決定部112は、送信頻度と無線資源との対応関係をより容易に把握することができる。したがって、所望のデータ送信頻度に対応する無線資源をより容易に把握することができる。
送信データ提供部114は、制御部101の制御に従って、送信するデータの提供に関する処理を行う。例えば、送信データ提供部114は、上述のアプリケーションを実行して、データを生成したり、外部のセンサを使ってデータを収集したりする。送信データ提供部114は、それを制御部101(または無線通信部111でもよい)に供給する。また、送信データ提供部114は、そのデータの送信頻度に関する情報を、制御部101の制御に従って、または、無線資源決定部112等の要求に応じて、無線資源決定部112に供給する。例えば、送信データ提供部114が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行したりデータを処理したりすることにより、上述の処理を行うようにしてもよい。通信装置100は、送信データ提供部114を複数備えることにより、複数のアプリケーションを実行することができる。
<フレームフォーマット>
通信装置100が送信する無線信号のフレームフォーマットの例を図2に示す。図2に示されるように、送信フレーム130は、Preamble/Sync131、PHYヘッダ(PHY Header)132、MACヘッダ(MAC Header)133、ペイロード(Payload)134、および、CRC(Cyclic Redundancy Check)135を有する。
Preamble/Sync131は、予め決められた固定パターンである。受信側において、信号の検出、フレームの同期に用いられる。
PHYヘッダ132は、物理フレームに関する情報を記載している部分である。物理フレームに関する情報の例としては、PHYヘッダ132以降の部分(MACヘッダ133、ペイロード134、およびCRC135)の長さや、変調方式がある。受信側はPHYヘッダ132の情報に従い、以降の部分の受信を行うことができる。
MACヘッダ133は、送信者や受信者のアドレス情報が記載される。また、ペイロード134に記載される情報の種類などが記載される。
ペイロード134は、送信データである。例えば、送信データ提供部114により提供されるデータ(例えばセンサ出力等)が格納される。
CRC135は、巡回冗長検査符号であり、受信側においてフレームの誤り検出に用いられる情報である。
<予め定められた対応関係>
送信頻度と無線資源との対応関係は予め定められているようにし、上述の送信部が、その予め定められた対応関係において送信データの送信頻度に対応する無線資源を用いて、無線信号を送信するようにしてもよい。このように予め定められた情報を利用することにより、データの送信の度に送信頻度に無線資源を割り当てる場合よりも容易に、送信頻度に対応する無線資源を用いてデータを送信することができる。
例えば、図3に示される表141のように、予め、送信頻度毎に異なる無線資源が割り当てられているようにしてもよい。図3に示される表141の場合、無線資源として時間軸を分割したタイムスロットが割り当てられている。タイムスロットは、所定の時間を複数に時分割した、データ送信を占有する期間である。表141の場合、1分毎に4つのタイムスロット(タイムスロット1乃至タイムスロット4)が設けられている。例えば、30秒が4等分され、各タイムスロットの長さが7.5秒に設定される。
そして、各タイムスロットは、互いに異なる送信頻度に割り当てられており、送信部は、送信頻度に応じたタイムスロットにおいて、無線信号を送信する。例えば、1分に1回の送信頻度のデータには、タイムスロット1が割り当てられる。つまり、1分に1回の送信頻度のデータは、タイムスロット1において送信される。また、例えば、1時間に1回の送信頻度のデータには、タイムスロット2が割り当てられる。つまり、1時間に1回の送信頻度のデータは、タイムスロット2において送信される。さらに、例えば、12時間に1回の送信頻度のデータには、タイムスロット3が割り当てられている。つまり、12時間に1回の送信頻度のデータは、タイムスロット3において送信される。また、例えば、1日に1回の送信頻度のデータには、タイムスロット4が割り当てられている。つまり、1日に1回の送信頻度のデータは、タイムスロット4において送信される。
各タイムスロット(タイムスロット1乃至タイムスロット4)は、互いに時刻が異なるので、各送信頻度のデータは互いに異なるタイミングにおいて送信されることになる。したがって、各通信装置100が、このような割り当てに従ってデータを送信することにより、他の送信頻度のデータとの衝突の発生を抑制することができる。
例えば、30秒を4等分したタイムスロットの場合、図4に示される表142のように、1分に1回の送信頻度でデータを送信する送信端末の中で、同じタイムスロットで送信する送信端末の割合は、50%となる。また、1時間に1回の送信頻度でデータを送信する送信端末の中で、同じタイムスロットで送信する送信端末の割合は、0.83%となる。さらに、12時間に1回の送信頻度でデータを送信する送信端末の中で、同じタイムスロットで送信する送信端末の割合は、0.07%となる。また、1日に1回の送信頻度でデータを送信する送信端末の中で、同じタイムスロットで送信する送信端末の割合は、0.03%となる。
このように、送信頻度が少ないデータ程、他の送信端末のデータとの衝突が発生する確率が低減する。すなわち、データの受信成功率が向上する。
このように、アプリケーションに影響が生じる期間がより長い、送信頻度が低いデータの受信成功率を、送信頻度が高いデータよりも向上させることができるので、アプリケーションに影響が生じる期間を抑制することができる。つまり、片方向通信によるデータ伝送のアプリケーションへの影響を抑制することができる。例えば、異なるユースケースをもつアプリケーションが混在するような環境下でもアプリケーションへの影響を抑制することができる。
<送信処理の流れ>
図5のフローチャートを参照して、以上のような通信装置100によりデータを送信するために実行される送信処理の流れの例を説明する。
送信処理が開始されると、無線資源決定部112は、ステップS101において、無線資源割り当て処理を実行し、送信データの重要度に応じて無線資源を割り当てる。
ステップS102において、無線通信部111は、ステップS101において割り当てた無線資源を用いて、送信データを無線信号として送信する。ステップS102の処理が終了すると、送信処理が終了する。
<無線資源割り当て処理の流れ>
次に、図6のフローチャートを参照して、図5のステップS101において実行される無線資源割り当て処理の流れの例を説明する。
無線資源割り当て処理が開始されると、無線資源決定部112は、ステップS111において、送信データ提供部114から送信データの送信頻度を示す情報を取得する。
ステップS112において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113に記憶されている無線資源に関する情報に基づいて、ステップS111において取得したデータ送信頻度に応じて、使用可能な無線資源を送信データに割り当てる。
例えば、無線資源データ記憶部113が、図3の表141に示されるような、データ送信頻度と無線資源(タイムスロット)の対応関係を示す情報を記憶しており、無線資源決定部112は、その表141に基づいて、ステップS111において取得したデータ送信頻度に応じた無線資源(タイムスロット)を送信データに割り当てる。ステップS112の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。
無線通信部111は、図5のステップS102において、以上のように割り当てた無線資源(タイムスロット)において、送信データを送信する。
以上のように各処理を実行することにより、通信装置100は、送信頻度が低いデータの受信成功率を、送信頻度が高いデータよりも向上させることができ、片方向通信によるデータ伝送のアプリケーションへの影響を抑制することができる。
なお、以上においては、30秒毎に4つのタイムスロットを設けるように説明したが、このタイムスロットを設定する単位時間(上述の例では30秒)は任意である。また、その単位時間内に設定するタイムスロット数も任意である。さらに、各タイムスロットの長さは、均一でなくてもよい。
また、以上においては、4種類の送信頻度にタイムスロットを割り当てるように説明したが、タイムスロットを割り当てる送信頻度の種類数は任意である。また、送信頻度の種類は、図3等の例に限定されない。例えば30分に1回、3時間に1回、2日に1回等、上述した例以外の送信頻度にタイムスロットを割り当てるようにしてもよい。
また、例えば、一部のタイムスロット(一部の無線資源)を、非常時に送信されるデータ等、優先度が一般のデータよりも高いデータの送信に用いるようにしてもよい。つまり、送信部が、緊急性の高いデータに対応する無線信号を、専用の無線資源を用いて送信し、緊急性の高くないデータに対応する無線信号を、その送信頻度に応じた他の無線資源を用いて送信するようにしてもよい。このようにすることにより、緊急性の高いデータを優先的に送信させることができる。
<2.第2の実施の形態>
<低頻度無線資源利用>
送信部は、無線信号の送信タイミングが、データの送信頻度と無線資源との対応関係において予め定められた、その無線信号に対応するデータの送信頻度よりも少ない所定の送信頻度に一致する場合、その所定の送信頻度に対応するタイムスロットを用いて無線信号を送信するようにしてもよい。
例えば、送信頻度が高い送信端末も、1時間に1回は送信頻度が1時間に1回の端末と同じ無線資源を使用してデータを送信することができるようにしてもよい。
このようにすることにより、例えば、送信頻度が高い端末数が増大することにより、同一のタイムスロットで送信する端末数が増大し、常にデータの受信に失敗するようになって、アプリケーションへの影響が大きくなるような事態が生じるのを抑制することができる。つまり、全くデータが受信できなくなるのを抑制することができる。
図7の表151は、データ送信頻度が互いに異なるアプリケーションと、アプリケーション(送信頻度)毎の使用可能なタイムスロットの例を示す図である。図7の表151に示されるように、1分に1回の頻度で送信を行うアプリケーション4は、1分に1回の頻度でデータをタイムスロット1(TS1)において送信する。同様に、アプリケーション4は、1時間に1回の頻度でデータをタイムスロット2(TS2)において送信し、12時間に1回の頻度でデータをタイムスロット3(TS3)において送信し、1日に1回の頻度でデータをタイムスロット4(TS4)において送信する。
また、1時間に1回の頻度で送信を行うアプリケーション3は、1時間に1回の頻度でデータをタイムスロット2(TS2)において送信する。同様に、アプリケーション3は、12時間に1回の頻度でデータをタイムスロット3(TS3)において送信し、1日に1回の頻度でデータをタイムスロット4(TS4)において送信する。
さらに、12時間に1回の頻度で送信を行うアプリケーション2は、12時間に1回の頻度でデータをタイムスロット3(TS3)において送信する。同様に、アプリケーション3は、1日に1回の頻度でデータをタイムスロット4(TS4)において送信する。
また、1日に1回の頻度で送信を行うアプリケーション1は、1日に1回の頻度でデータをタイムスロット4(TS4)において送信する。
<無線資源割り当て処理の流れ>
この場合の、図5のステップS101において実行される無線資源割り当て処理の流れの例を、図8のフローチャートを参照して説明する。
無線資源決定部112は、複数のタイマーを保持しており、タイマーを使用して、例えば1日に1回のスロットを用いてデータを送信してから1日経過したか否かを判定することができる。
無線資源割り当て処理が開始されると、無線資源決定部112は、図8のステップS121において、送信データ提供部114からデータ送信頻度を取得する。
ステップS122において、無線資源決定部112は、ステップS121において取得したデータ送信頻度が1日に1回より多いか否かを判定する。データ送信頻度が1日に1回より多いと判定された場合、処理はステップS123に進む。
ステップS123において、無線資源決定部112は、1日を計測するタイマー(以下、タイマー(1日)と称する)が満了したか否かを判定する。タイマー(1日)が満了した(すなわち、1日が経過した)と判定された場合、処理はステップS124に進む。
ステップS124において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113に記憶されている送信頻度と無線資源との対応関係に基づいて、送信頻度1日1回の無線資源を送信データに割り当て、さらにタイマー(1日)を再度セットする。ステップS124の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。
また、ステップS122において、データ送信頻度が1日に1回より多くないと判定された場合、処理はステップS125に進む。また、ステップS123において、タイマー(1日)が満了していない(1日が経過していない)と判定された場合、処理はステップS125に進む。
ステップS125において、無線資源決定部112は、ステップS121において取得したデータ送信頻度が12時間に1回より多いか否かを判定する。データ送信頻度が12時間に1回より多いと判定された場合、処理はステップS126に進む。
ステップS126において、無線資源決定部112は、12時間を計測するタイマー(以下、タイマー(12時間)と称する)が満了したか否かを判定する。タイマー(12時間)が満了した(すなわち、12時間が経過した)と判定された場合、処理はステップS127に進む。
ステップS127において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113に記憶されている送信頻度と無線資源との対応関係に基づいて、送信頻度12時間に1回の無線資源を送信データに割り当て、さらにタイマー(12時間)を再度セットする。ステップS127の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。
また、ステップS125において、データ送信頻度が12時間に1回より多くないと判定された場合、処理はステップS128に進む。また、ステップS126において、タイマー(12時間)が満了していない(12時間が経過していない)と判定された場合、処理はステップS128に進む。
ステップS128において、無線資源決定部112は、ステップS121において取得したデータ送信頻度が1時間に1回より多いか否かを判定する。データ送信頻度が1時間に1回より多いと判定された場合、処理はステップS129に進む。
ステップS129において、無線資源決定部112は、1時間を計測するタイマー(以下、タイマー(1時間)と称する)が満了したか否かを判定する。タイマー(1時間)が満了した(すなわち、1時間が経過した)と判定された場合、処理はステップS130に進む。
ステップS130において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113に記憶されている送信頻度と無線資源との対応関係に基づいて、送信頻度1時間に1回の無線資源を送信データに割り当て、さらにタイマー(1時間)を再度セットする。ステップS130の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。
また、ステップS128において、データ送信頻度が1時間に1回より多くないと判定された場合、処理はステップS131に進む。また、ステップS129において、タイマー(1時間)が満了していない(1時間が経過していない)と判定された場合、処理はステップS131に進む。
ステップS131において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113に記憶されている送信頻度と無線資源との対応関係に基づいて、データ送信頻度に応じて使用可能な無線資源を送信データに割り当てる。ステップS131の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。
無線通信部111は、図5のステップS102において、以上のように割り当てた無線資源(タイムスロット)において、送信データを送信する。
以上のように各処理を実行することにより、送信頻度が高いデータも、一定間隔で同じ無線資源で送信する送信端末数(アプリケーション数)が少ない無線資源を用いて送信することができるようになる。したがって、全くデータが受信できなくなるといった事態の発生を抑制し、アプリケーションへの影響を小さくすることができる。第1の実施の形態および第2の実施の形態においては無線資源の例としてタイムスロットを用いて説明したが、上述したように無線資源は任意でありこの例に限定されない。例えば、送信頻度に応じて周波数チャネルの割り当てを行うようにしてもよい。
<3.第3の実施の形態>
<周波数帯利用>
そして、上述したように無線資源は複数種類のパラメータの組み合わせでもよい。例えば、無線資源が、周波数軸を分割した周波数チャネルをさらに含み、送信部が、送信頻度に応じたタイムスロットおよび周波数チャネルにおいて、無線信号を送信するようにしてもよい。このように無線資源に関するパラメータを複数にすることにより、容易に無線資源数を増大させることができる。
周波数チャネル(チャネルとも称する)は、データ送信を占有する周波数帯域である。周波数軸上に任意の数の周波数チャネルを設定することができる。各周波数チャネルの帯域は、互いに異なれば任意である。例えば、各周波数チャネルの帯域幅は任意であり、全周波数チャネルの帯域幅が統一されていてもよいし、統一されていなくてもよい。また、各周波数チャネルの帯域が連続していてもよいし、連続していなくてもよい。
例えば、図9に示される無線資源161の場合、時間軸方向(図中左右方向)には、1分を1周期としてその1周期が4分割されて1分毎に4つのタイムスロット(タイムスロット1乃至タイムスロット4)が設定されている。また、周波数軸方向(図中上下方向)には、4つの周波数チャネル(Ch.1乃至Ch.4)が設定されている。したがって、つまり、4×4の16個の無線資源が設定されている。
一般的に、無線資源数が多い程、送信タイミングを拡散することができるので、衝突の発生を抑制することができる。無線資源数をタイムスロットにより増大させるためには、単位時間当たりのタイムスロット数を増大させるか、単位時間を増大させる必要がある。前者の場合、1タイムスロットが短くなるので、信号送信に支障が出ないようにするためには限界がある。後者の場合、1周期が長くなるので、送信頻度の最大数が低減するおそれがある。
これに対して、上述のように周波数チャネルを用いることにより、タイムスロットを変更せずに、無線資源数を増大させることができる。
なお、この場合の各無線資源の割り当ては、どのように行われるようにしてもよい。例えば、各タイムスロットにおいて、データを送信する度に使用する周波数チャネルを変えるようにしてもよい。また、送信頻度が高い端末が、一定間隔で自身より送信頻度が低い端末が選択する無線資源を用いてデータを送信する際、使用できる無線資源を限定するようにしてもよい。
例えば、送信頻度が高い端末が、一定間隔で自身より送信頻度が低い端末が選択するタイムスロットを用いてデータを送信する際に使用可能な周波数チャネルを所定の周波数チャネルに限定するようにしてもよい。つまり、送信部は、無線信号の送信タイミングが、送信頻度と無線資源との対応関係において予め定められた、その無線信号に対応するデータの送信頻度よりも少ない所定の送信頻度に一致する場合、その所定の送信頻度に対応するタイムスロットの、予め定められた所定のチャネルを用いてその無線信号を送信するようにしてもよい。
例えば、図10の表162に示される例の場合、各送信頻度に対して互いに異なるタイムスロットが割り当てられている。また、各タイムスロットにおいては、データを送信する度に、使用する周波数チャネルをループ状に更新する(例えば、Ch.1、Ch.2、Ch.3、Ch.4と進み、その次はCh.1に戻る)。さらに、タイムスロットに割り当てられる送信頻度よりも高い送信頻度のデータをそのタイムスロットにおいて送信する場合、Ch.1(所定の周波数チャネル)においてそのデータを送信する。
このようにすることにより、送信頻度がそのタイムスロットに対応する送信頻度よりも高いデータをそのタイムスロットで送信する場合の、そのタイムスロットに対応する送信頻度で送信するデータへの影響を抑制することができる。
例えば、1時間に1回送信する端末の場合、4時間のうち1回は送信頻度1分に1回の端末が加わる無線資源を使用するためデータの受信成功率が下がる可能性があるが、4時間のうち3回は送信頻度が1時間に1回の端末しかいない無線資源を使用するためデータの受信成功率が下がることを抑制することができる。
<無線資源割り当て処理の流れ>
この場合の、図5のステップS101において実行される無線資源割り当て処理の流れの例を、図11のフローチャートを参照して説明する。
図8の場合と同様、無線資源決定部112は、複数のタイマーを保持しており、タイマーを使用して、例えば1日に1回のスロットを用いてデータを送信してから1日経過したか否かを判定することができる。
ただし、本実施の形態の場合、無線資源には時間軸と周波数軸が存在し、図9の例では、時間軸では4つのタイムスロット、周波数軸では4つの周波数チャネルが存在する。また、図10の例では、送信頻度が1分に1回の端末が、1時間に1回だけタイムスロット2を使用してデータを送信する際には、周波数軸はCh.1しか選択することができない。
無線資源割り当て処理が開始されると、無線資源決定部112は、図11のステップS141において、送信データ提供部114からデータ送信頻度を取得する。
ステップS142において、無線資源決定部112は、ステップS141において取得したデータ送信頻度が1日に1回より多いか否かを判定する。データ送信頻度が1日に1回より多いと判定された場合、処理はステップS143に進む。
ステップS143において、無線資源決定部112は、タイマー(1日)が満了したか否かを判定する。タイマー(1日)が満了した(すなわち、1日が経過した)と判定された場合、処理はステップS144に進む。
ステップS144において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113に記憶されている送信頻度と無線資源との対応関係に基づいて、送信頻度が1日に1回に割り当てられた無線資源の内、使用可能な無線資源を送信データに割り当て、さらにタイマー(1日)を再度セットする。図10の表162に示される例の場合、使用可能な無線資源として時間軸はタイムスロット4、周波数軸はCh.1が選択される。ステップS144の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。
また、ステップS142において、データ送信頻度が1日に1回より多くないと判定された場合、処理はステップS145に進む。また、ステップS143において、タイマー(1日)が満了していない(1日が経過していない)と判定された場合、処理はステップS145に進む。
ステップS145において、無線資源決定部112は、ステップS141において取得したデータ送信頻度が12時間に1回より多いか否かを判定する。データ送信頻度が12時間に1回より多いと判定された場合、処理はステップS146に進む。
ステップS146において、無線資源決定部112は、タイマー(12時間)が満了したか否かを判定する。タイマー(12時間)が満了した(すなわち、12時間が経過した)と判定された場合、処理はステップS147に進む。
ステップS147において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113に記憶されている送信頻度と無線資源との対応関係に基づいて、送信頻度12時間に1回の無線資源を送信データに割り当て、さらにタイマー(12時間)を再度セットする。図10の表162に示される例の場合、使用可能な無線資源として時間軸はタイムスロット3、周波数軸はCh.1が選択される。ステップS147の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。
また、ステップS145において、データ送信頻度が12時間に1回より多くないと判定された場合、処理はステップS148に進む。また、ステップS146において、タイマー(12時間)が満了していない(12時間が経過していない)と判定された場合、処理はステップS148に進む。
ステップS148において、無線資源決定部112は、ステップS141において取得したデータ送信頻度が1時間に1回より多いか否かを判定する。データ送信頻度が1時間に1回より多いと判定された場合、処理はステップS149に進む。
ステップS149において、無線資源決定部112は、タイマー(1時間)が満了したか否かを判定する。タイマー(1時間)が満了した(すなわち、1時間が経過した)と判定された場合、処理はステップS150に進む。
ステップS150において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113に記憶されている送信頻度と無線資源との対応関係に基づいて、送信頻度1時間に1回の無線資源を送信データに割り当て、さらにタイマー(1時間)を再度セットする。図10の表162に示される例の場合、使用可能な無線資源として時間軸はタイムスロット2、周波数軸はCh.1が選択される。ステップS150の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。
また、ステップS148において、データ送信頻度が1時間に1回より多くないと判定された場合、処理はステップS151に進む。また、ステップS149において、タイマー(1時間)が満了していない(1時間が経過していない)と判定された場合、処理はステップS151に進む。
ステップS151において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113に記憶されている送信頻度と無線資源との対応関係に基づいて、データ送信頻度に応じて使用可能な無線資源を送信データに割り当てる。図10の表162に示される例の場合、使用可能な無線資源として時間軸はタイムスロット1、周波数軸はCh.1乃至Ch.4が選択される。
使用してよい無線資源(周波数軸)が複数存在するため、無線資源決定部112は、さらに使用する無線資源を絞り込む。例えば、ステップS152において、無線資源決定部112は、前回送信した周波数チャネルに+1した周波数チャネルを使用する。なお、最大チャネル数を超えた場合、Ch.1に戻る。
ステップS152の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。無線通信部111は、図5のステップS102において、以上のように割り当てた無線資源(タイムスロット)において、送信データを送信する。
以上のように各処理を実行することにより、送信頻度がそのタイムスロットに対応する送信頻度よりも高いデータをそのタイムスロットで送信する場合の、そのタイムスロットに対応する送信頻度で送信するデータへの影響を抑制することができる。
なお、以上においては、あるタイムスロットにおいて、そのタイムスロットに対応する送信頻度のデータを送信する場合、全チャンネルを巡回的に使用するように説明したが、一部の周波数チャネルを、そのタイムスロットに対応する送信頻度のデータの送信に使用しないようにしてもよい。
例えば、その一部の周波数チャネルを、そのタイムスロットに対応する送信頻度よりも高い送信頻度で送信されるデータの送信に使用するようにしてもよい。このようにすることにより、送信頻度がそのタイムスロットに対応する送信頻度よりも高いデータをそのタイムスロットで送信する場合の、そのタイムスロットに対応する送信頻度で送信するデータへの影響をさらに抑制することができる。
また、例えば、その一部の周波数チャネルを、非常時に送信されるデータ等、優先度が一般のデータよりも高いデータの送信に用いるようにしてもよい。このようにすることにより、緊急性の高いデータを優先的に送信させることができる。なお、以上においては、タイムスロットと周波数チャネルの組み合わせを例に説明したが、パラメータの組み合わせは任意でありこの例に限定されない。例えば、タイムスロットまたは周波数チャネルと符号との組み合わせであってもよい。また、例えばタイムスロットと周波数チャネルと符号とのように、3種以上のパラメータを組み合わせてもよい。
<4.第4の実施の形態>
<低頻度無線資源選択可>
第1の実施の形態(図4等)においては、送信頻度毎の送信端末の割合の一例を示したが、これに限らず、例えば、送信頻度毎の送信端末の割合が動的に変化するようにしてもよい。
例えば、ある時刻において、図4の表142のような割合だった、送信頻度毎の送信端末が、他の時刻において、図12に示される表171のような割合に変化するようにしてもよい。
このように割合が変化する場合に、通信装置100が、余裕のある無線資源を自律的に選択することができるようにしてもよい。例えば、図12の表171の場合、送信頻度が1分に1回の端末の割合が50%である。このような場合に、タイムスロット1だけで送信していると、1分に1回の送信頻度で送信されるデータの受信成功率が大幅に低下するおそれがある。そこで、タイムスロット2乃至タイムスロット4のうち、余裕のあるタイムスロットを探索してデータを送信するようにしてもよい。
すなわち、送信部が、送信頻度と無線資源対応関係において、データの送信頻度、およびそのデータより低い送信頻度のうちのいずれかに対応する無線資源を用いて、無線信号を送信するようにしてもよい。このようにすることにより、より多様な無線資源においてデータを送信することができるので、データ送信が一部の無線資源に偏ることを抑制することができる。したがって、データの衝突の発生を抑制することができるので、片方向通信によるデータ伝送のアプリケーションへの影響を抑制することができる。
なお、送信部が、無線信号の送信に使用する無線資源を、その無線資源の使用状況に応じて選択するようにしてもよい。例えば、無線資源の使用率(混雑度)が所定の基準(閾値)よりも高い場合、他の無線資源を選択するようにしてもよい。
タイムスロットに余裕があるかどうかの検出方法は任意である。例えば、キャリアセンスまたはパケット検出を用いるようにしてもよい。通常、法規制や通信方式規格などにより、データ送信時の過度な衝突を抑制するために、端末はデータを送信する前にキャリアセンスまたはパケット検出を行うように定められていることが多い。キャリアセンスとは一定時間受信した電力が一定以下の場合のみデータを送信してよいとし、パケット検出は既知のプリアンブルを用い、プリアンブルとの相関値が一定以下の場合のみデータを送信してよいとする方式である。
例えば、送信部が、パケット検出により得られる既知プリアンブルとの相関値が所定の閾値より低い無線資源を選択するようにしてもよい。例えば、図13の表172のように、各送信頻度に対して、データ送信の際に主に使用する基本タイムスロットや、使用可能なタイムスロットを割り当て、さらに、その使用可能な各タイムスロットに対して、選択の条件となる閾値(Packet Detection)を設けるようにしてもよい。さらに、その閾値が、送信頻度と無線資源との対応関係においてより少ない送信頻度に対応する無線資源程、値が小さくなるようにしてもよい。
例えば、表172の場合、使用可能なタイムスロットは、当該送信頻度、およびその送信頻度よりも低い送信頻度のうちのいずれかに対応するタイムスロットが設定されている。また、送信頻度が低いタイムスロットに割り当てられた閾値程、小さい値が設定されている。例えば、1分に1回の送信頻度に対しては、使用可能なタイムスロットとして、タイムスロット1乃至タイムスロット4が割り当てられているが、その閾値は、タイムスロット4の閾値が-20dB、タイムスロット3の閾値が-15dB、タイムスロット2の閾値が-10dB、タイムスロット1の閾値が-5dBに設定されている。このようにすることにより、送信頻度が高いタイムスロットが選択されやすくすることができる。
このように、基本的にはデータ送信頻度ごとに異なる無線資源を使用することで、データ送信頻度が低い端末のデータ受信成功率を上げることで、アプリケーションへの影響を小さくすることができる。これに対して、送信頻度が高い端末の割合が増加した場合は、パケット検出閾値を下げつつ、自身より送信頻度が低い端末が選択する無線資源を選択することで、送信頻度が低い端末が選択する無線資源に余裕があるときのみ、その無線資源を用いてデータを送信することができ、常にデータの受信失敗するような状態を回避することができる。つまり、より多様な状況において、アプリケーションへの影響を小さくすることができる。
<無線資源割り当て処理の流れ>
この場合の、図5のステップS101において実行される無線資源割り当て処理の流れの例を、図14のフローチャートを参照して説明する。
無線資源割り当て処理が開始されると、無線資源決定部112は、図14のステップS161において、送信データ提供部114からデータ送信頻度を取得する。
ステップS162において、無線資源決定部112は、基本的に使用すべき無線資源(図13の例の場合、基本タイムスロット)を送信データに割り当てる。例えば図13の場合、端末の送信頻度が1分に1回であるとすると、この処理により、タイムスロット1が選択される。
ステップS163において、無線資源決定部112は、割り当てた無線資源を使用する場合のパケット検出閾値(図13の例の場合の、Packet Detection)を取得する。図13の例の場合、タイムスロット1のパケット検出閾値として-5dBが取得される。
ステップS164において、無線資源決定部112は、パケット検出処理を実行し、さらにそのパケット検出処理により得られたプリアンブルの相関値が、ステップS163において取得したパケット検出閾値より低いか否かを判定する。プリアンブルの相関値がパケット検出閾値より低くないと判定された場合、この無線資源を用いてデータを送信することができないため、処理はステップS165に進む。
ステップS165において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113により記憶されている無線資源データに基づいて、使用可能な無線資源を検索し、使用可能な他の無線資源が存在するか否かを判定する。使用可能な他の無線資源が存在すると判定された場合、処理はステップS166に進む。
ステップS166において、無線資源決定部112は、使用可能な他の無線資源の中から次の無線資源を選択し、次の無線資源を使用する場合のパケット検出閾値を取得する。送信端末の送信頻度が1分に1回の場合、この処理により、例えばタイムスロット2を使おうとした場合、図13に示した表172より、パケット検出閾値として-10dBが取得される。つまり、送信頻度が1時間に1回の端末が同じ無線資源を使用するよりもパケット検出閾値が低く設定されている。よって、送信頻度が1時間に1回の端末が同時に同じ無線資源を使用する場合、送信頻度が1時間に1回の端末のほうが優先的に無線資源を使用することができる。ステップS166の処理が終了すると、ステップS164に処理が戻り、次の無線資源について、それ以降の処理が繰り返される。
なお、ステップS164において、プリアンブルの相関値がパケット検出閾値より低いと判定された場合、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。無線通信部111は、図5のステップS102において、以上のように割り当てた無線資源(タイムスロット)において、送信データを送信する。
また、ステップS165において、他の無線資源が存在しないと判定された場合、無線資源割り当て処理が終了するとともに、送信処理も強制終了される。
以上のように各処理を実行することにより、データ送信頻度が低い端末のデータ受信成功率を上げることができ、アプリケーションへの影響を小さくすることができる。
なお、第1の実施の形態乃至第4の実施の形態において上述した各方法は、適宜組み合わせて用いてもよい。
<5.第5の実施の形態>
<最低収集頻度での送信>
例えば、送信端末は1分に1回送信するが、受信側のアプリケーションとしては最低10分に1回データを収集できれば問題ないといった、送信端末の送信頻度と受信側のアプリケーションの最低データ収集頻度が異なるケースも想定される。
そこで、送信端末の送信頻度と受信側のアプリケーションの最低データ収集頻度が異なる場合に、送信頻度だけでなく、データの最低収集頻度においても、無線信号を送信するようにしてもよい。
例えば、送信部は、さらに、無線信号受信側のアプリケーションのデータの最低収集頻度に合わせたタイミングでそのデータに対応する無線信号を送信するようにしてもよい。このようにすることにより、その最低収集頻度でのデータの提供を、より確実に行うことができる。したがって、片方向通信によるデータ伝送のアプリケーションへの影響を抑制することができる。
<通信装置>
図15は、この場合の通信装置の主な構成例を示すブロック図である。図15に示される通信装置200は、通信装置100と基本的に同様の装置であり、同様の構成を有し、同様の処理を行う。ただし、通信装置200は、通信装置100の構成の加えて、さらに、アプリケーション情報記憶部211を有する。
アプリケーション情報記憶部211は、任意の記憶媒体やその入出力インタフェース等を有し、アプリケーションに関する情報であるアプリケーション情報をその記憶媒体に記憶する。このアプリケーション情報はどのような情報であってもよい。例えば、当該アプリケーションに対応する受信側のアプリケーションによるデータ最低収集頻度に関する情報であってもよい。また、アプリケーション情報記憶部211は、制御部101の制御に従って、または、無線資源決定部112等の他の処理部の要求に応じて、記憶媒体に記憶しているアプリケーション情報の全部または要求に対応する一部を、無線資源決定部112等の他の処理部に供給する。
つまり、アプリケーション情報記憶部211は、受信側のアプリケーションのデータの最低収集頻度を記憶するアプリケーション情報記憶部として機能する。無線資源決定部112は、送信部がこのアプリケーション情報記憶部211に記憶されている最低収集頻度に対応するタイミングにおいて無線信号を送信する場合に使用される無線資源を、通常の場合とは別に設定する。つまり、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113から読みだしたデータ送信頻度と無線資源との対応関係を用いて、この受信側のアプリケーションによるデータの最低収集頻度と同一頻度のデータ送信頻度に対応する無線資源(すなわち、最低収集頻度に対応する無線資源)を選択する。
無線通信部111(送信部)は、この最低収集頻度に対応するタイミングで無線信号を送信する場合、上述のように選択された最低収集頻度に対応する無線資源を用いる。つまり、最低収集頻度に対応するタイミングで無線信号を送信する場合に、通常の場合(その他のタイミングで送信する場合)とは異なる無線資源を用いることができる。したがって、その最低収集頻度でのデータの提供をより確実に行うことができる。したがって、片方向通信によるデータ伝送のアプリケーションへの影響を抑制することができる。なお、このようなアプリケーション情報記憶部211を設けることにより、無線資源決定部112は、受信側のアプリケーションによるデータの最低収集頻度をより容易に把握することができる。
例えば、データの送信頻度と無線資源との対応関係が、図16の表231のように設定されているとする。
このような場合、データの送信は、例えば図17の表232のように行われる。例えば表232によると、送信端末IDが000の送信端末は、送信頻度が1分に1回であるので、表231に基づいて、通常はタイムスロット1を使用して無線信号を送信する。また表232によると、この送信端末が提供するデータを使用する受信側のアプリケーション最低データ収集頻度は、10分に1回である。したがって、この送信端末は、表231に基づいて、10分に1回だけは、タイムスロット2を使用して無線信号を送信する。
また、例えば表232によると、送信端末IDが001の送信端末は、送信頻度が1分に1回であるので、表231に基づいて、通常はタイムスロット1を使用して無線信号を送信する。また表232によると、この送信端末が提供するデータを使用する受信側のアプリケーション最低データ収集頻度は、1時間に1回である。したがって、この送信端末は、表231に基づいて、1時間に1回だけは、タイムスロット4を使用して無線信号を送信する。
さらに、例えば表232によると、送信端末IDが002の送信端末は、送信頻度が10分に1回であるので、表231に基づいて、通常はタイムスロット2を使用して無線信号を送信する。また表232によると、この送信端末が提供するデータを使用する受信側のアプリケーション最低データ収集頻度は、30分に1回である。したがって、この送信端末は、表231に基づいて、30分に1回だけは、タイムスロット3を使用して無線信号を送信する。
このように、データの送信頻度が高い端末は、通常は同時に送信する端末数が多い無線資源を用いて送信を行うが、アプリケーションの最低データ収集頻度の間隔で、同時に送信する端末数が少ない無線資源を用いて送信を行うことでデータの受信成功率を向上させ、アプリケーションへの影響を小さくすることができる。
<無線資源割り当て処理の流れ>
この場合の、図5のステップS101において実行される無線資源割り当て処理の流れの例を、図18のフローチャートを参照して説明する。
無線資源割り当て処理が開始されると、無線資源決定部112は、図18のステップS181において、送信データ提供部114からデータ送信頻度を取得する。
ステップS182において、無線資源決定部112は、アプリケーション情報記憶部211からアプリケーションの最低データ収集頻度を取得する。
ステップS183において、無線資源決定部112は、アプリケーションの収集頻度のタイマーが満了したか否かを判定する。満了していないと判定された場合、処理はステップS184に進む。
ステップS184において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113により記憶されている無線資源データに基づいて、データ送信頻度に応じて使用可能な無線資源を送信データに割り当てる。
ステップS184の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。無線通信部111は、図5のステップS102において、以上のように割り当てた無線資源(タイムスロット)において、送信データを送信する。
また、ステップS183において、アプリケーションの収集頻度のタイマーが満了したと判定された場合、処理はステップS185に進む。ステップS185において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113により記憶されている無線資源データに基づいて、アプリケーションの最低データ収集頻度に応じて使用可能な無線資源を送信データに割り当てる。
ステップS186において、無線資源決定部112は、アプリケーションの収集頻度のタイマーを再度セットする。
ステップS186の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。無線通信部111は、図5のステップS102において、以上のように割り当てた無線資源(タイムスロット)において、送信データを送信する。
以上のように各処理を実行することにより、データ受信成功率を向上させることができ、アプリケーションへの影響を小さくすることができる。
なお、本実施の形態において説明した方法は、第1の実施の形態乃至第4の実施の形態において上述した各方法と、適宜組み合わせて用いてもよい。
<6.第6の実施の形態>
<経過時間に応じた無線資源割り当て>
例えば、送信端末は1分に1回データを収集するが、前回データを収集したときと値が変わらなければデータを送信しないようなユースケースも想定される。このように送信端末のデータ送信頻度が変化するようにしてもよい。
その場合、送信部が、前回の送信からの経過時間の長さに対応する送信頻度に応じた無線資源を用いて、無線信号を送信するようにしてもよい。
例えば、図19に示されるように、送信端末がセンサ等から1分に1回データを収集し、前回とデータ値が異なる場合のみそのデータを送信するとする。また、データの送信頻度と無線資源との対応関係が、図16の表231のように定められているとする。図19の左側の例のように収集したデータのデータ値が毎回変化すると、各データが送信される。つまり前回のデータ送信からの間隔は、1分となる。したがって、送信頻度が1分に1回となるので、表231に基づいてタイムスロット1が取得される。これに対して、図19の右側の例のように収集したデータ値が10分後に変化したとすると、変化するまでのデータ(データ値が前回と同一のデータ)は送信されない。つまり、前回のデータ送信からの間隔は、10分となる。したがって、送信頻度が10分に1回となるので、表231に基づいてタイムスロット2が取得される。
このように端末のデータ送信頻度に追従して、データ送信に用いる無線資源を変えることで、アプリケーションへの影響を小さくとどめることができる。
<無線資源割り当て処理の流れ>
この場合の、図5のステップS101において実行される無線資源割り当て処理の流れの例を、図20のフローチャートを参照して説明する。
無線資源割り当て処理が開始されると、無線資源決定部112は、図20のステップS191において、前回データを送信してから何分経過したかを取得する。
ステップS192において、無線資源決定部112は、その経過時間に応じて、使用可能な無線資源を取得する。つまり、経過時間(経過時間から推定される送信頻度)に応じた無線資源を、データ送信に割り当てる。
ステップS192の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図5に戻る。無線通信部111は、図5のステップS102において、以上のように割り当てた無線資源(タイムスロット)において、送信データを送信する。つまり、無線通信部111は、前回の送信からの経過時間の長さに対応する送信頻度に応じた無線資源を用いて、無線信号を送信する。
以上のように各処理を実行することにより、データ受信成功率を向上させることができ、アプリケーションへの影響を小さくすることができる。
なお、本実施の形態において説明した方法は、第1の実施の形態乃至第5の実施の形態において上述した各方法と、適宜組み合わせて用いてもよい。
<7.第7の実施の形態>
<送信頻度に応じた回数繰り返し>
送信端末(通信装置100および通信装置200)が、同一データを繰り返し送信するようにしてもよい。その際、送信部が、無線信号の送信を、その無線信号に対応するデータの送信頻度に応じた回数繰り返すようにしてもよい。例えば、送信部が、送信頻度が少ないデータ程、無線信号の送信を多く繰り返すようにしてもよい。
同一データを繰り返し送信する場合、繰り返し送信する回数を増加させると、受信成功率は向上する。そこで、例えば、データの送信頻度が低い端末には使用してよい無線資源を多く選択できるようにし、繰り返し送信回数を増やすことで、データの受信成功率を上げるようにしてもよい。
例えば、図21に示される表261のように、送信頻度と、使用可能なタイムスロット数(すなわち、データ送信の最大繰り返し回数)との対応関係を設定するようにしてもよい。また、例えば、このような対応関係が予め定められているようにしてもよい。さらに、例えば、無線資源データ記憶部113が、このような対応関係を無線資源データとして記憶するようにしてもよい。
例えば、図22のAに示される表262のように、送信端末Aの送信頻度が1分に1回であるとすると、図21の表261に基づいて、使用してよい無線資源数として1が設定される。これに対して、図22のBに示される表262のように、送信端末Bの送信頻度が1日に1回であるとすると、図21の表261に基づいて、使用してよい無線資源数として10が設定される。
この場合、図22のBに示されるように、送信端末Aは、1個のタイムスロットを用いて、同一データを1回のみ送信する(図中、左上右下斜線模様)。これに対して、送信端末Bは、10個のタイムスロットを用いて、同一データを10回送信する(図中、左下右上斜線模様)。このように送信頻度の少ないデータの送信を繰り返すことにより、送信頻度の少ないデータの受信成功率を向上させることができ、片方向通信によるデータ伝送のアプリケーションへの影響を抑制することができる。
<送信処理の流れ>
この場合の送信処理の流れの例を、図23のフローチャートを参照して説明する。送信処理が開始されると、無線資源決定部112は、無線資源割り当て処理を実行することにより、送信データの送信頻度に応じて、無線資源を割り当てる。
ステップS202において、無線通信部111は、ステップS201の処理により割り当てた無線資源を用いて、同一の送信データを繰り返し送信する。
ステップS202の処理が終了すると送信処理が終了する。
<無線資源割り当て処理の流れ>
次に、図24のフローチャートを参照して、図23のステップS201において実行される無線資源割り当て処理の流れの例を説明する。
無線資源割り当て処理が開始されると、無線資源決定部112は、ステップS211において、送信データ提供部114等からデータの送信頻度を取得する。
ステップS212において、無線資源決定部112は、無線資源データ記憶部113に記憶されている無線資源データに基づいて、ステップS211において取得した送信頻度に対応する、使用可能な無線資源数を求め、それを送信データに割り当てる。つまり、送信データの送信の繰り返し回数が設定される。
ステップS212の処理が終了すると、無線資源割り当て処理が終了し、処理は図23に戻る。無線通信部111は、図23のステップS202において、以上のように割り当てた繰り返し回数分、送信データの送信を繰り返す。
以上のように各処理を実行することにより、送信頻度の少ないデータの送信を繰り返すようにすることができ、送信頻度の少ないデータの受信成功率を向上させることができる。したがって、片方向通信によるデータ伝送のアプリケーションへの影響を抑制することができる。
なお、本実施の形態において説明した方法は、第1の実施の形態乃至第6の実施の形態において上述した各方法と、適宜組み合わせて用いてもよい。
<8.第8の実施の形態>
<通信システム>
本技術は、片方向通信であればどのような通信方式にも適用することができる。例えば、LPWA(Low Power Wide Area)通信にも適用することができる。
LPWA通信は、低消費電力で、数10ないし100km程度の広い範囲の情報伝送が可能な無線通信で、センサ情報等の少量の情報を伝送するIoT(Internet of Things)等での利用が普及しつつある。
そのLPWA通信の通信方式として様々な方式が考えられている。例えば、920MHz帯で無線信号を送受信(伝送)する通信方式が考えられている。この新通信方式は、920MHz帯の無線通信の一種であるということができる。
日本国内では、920MHz帯は、総務省により2011年7月から解禁された周波数帯であり、免許不要で誰でも使うことができる。但し、920MHz帯の無線通信については、規定(ARIB(Association of Radio Industries and Businesses) STD T-108)により、最大連続送信時間が4秒間に制限されている。また、無線通信については、連続送信時間を短くして、例えば、0.4秒以下にすれば、同一周波数帯を使う他の無線システムに与える混信の影響を軽減することができる。そこで、920MHz帯のARIB規定では、連続送信時間を0.4秒以下とすることにより、より多くのチャネルが割り当てられるように定められている。この結果、日本国内では、連続送信時間を0.4秒以下にすれば、混信が少ない状態で送受信を行うことができる。また、連続送信時間をさらに短くして0.2秒以下にすれば、休止時間を短くして再送信を行うことができる。
このような920MHz帯を使用する新通信方式では、受信側での受信信号のS/N比(Signal to Noise ratio)を向上させるために、例えば、同一のパケットを複数回伝送する。
図25は、新通信方式において、同一のパケットを複数回伝送する例を示す図である。
図25では、1分間のスーパーフレーム(Super Frame)が設定され、その間に、同一のパケットが10回送信されている。新通信方式では、送信側が、送信の際にキャリアセンスを行う。新通信方式では、キャリアセンスのため、10回のパケット送信に、例えば、図1示すように、1分間のスーパーフレームが設定される。
図26は、新通信方式での受信側のパケットの受信の例を示す図である。
受信側は、送信側からの10個のパケットを受信し、図26に示されるように、それらの10個のパケット(の信号)を合成して合成信号を生成する。そして、受信側は、合成信号の復号(誤り訂正)等を行うことで、合成信号からデータを抽出して出力する。
このように、パケットを合成して合成信号を生成することにより、S/N比を向上させることができる。例えば、10個のパケットを足し合わせる(合成する)ことができれば、S/N比を約10dB向上させることができる。
したがって、新通信方式では、1個あたりのパケットのS/N比が低くても、受信側でデータを取得することが可能であり、より長距離の情報伝送が可能になる。また、新通信方式では、上述のようにパケットの送信時間を0.2秒以下又は0.4秒以下にすることにより、ARIB規定の制約を受けず、より多くの周波数チャネルを利用することができる。
新通信方式では、例えば、複数のキャリア周波数を利用する周波数ホッピングを行うことができる。
図27は、周波数ホッピングの例を示す図である。
図27の周波数ホッピングでは、CH1乃至CH5の5チャネルが用意され、各パケットが、これらの5チャネルのいずれかを選択して送受信される。チャネルの選択手法としては、送信順番に応じて送信チャネル番号を増大させていく方法、所定の数式に応じて送信チャネル番号を定める方法、あるいは送信チャネル番号をランダムに選択する方法等を使うことが出来る。かかる周波数ホッピングによれば、混信の発生を抑制することができる。
図28は、混信が発生し得る無線システムの例を示す図である。
図28の無線システムは、複数の送信機(送信機A乃至送信機C)と1個の受信機とを有する。
図28の無線システムでは、複数の送信機が同時に同一のキャリア周波数で無線信号を送信することがある。複数の送信機が同時に同一のキャリア周波数で無線信号を送信すると、受信機において混信が発生し、複数の送信機それぞれからの無線信号を正しく受信することが困難になる。
そこで、図28の無線システムに、図27の周波数ホッピングを適用する。この場合、キャリア周波数が同一となる可能性を低減させることができ、その分、混信の発生を抑制することができる。
しかしながら、図28の無線システムでは、片方向の通信となっており、周波数ホッピングを行っても、複数の送信機のキャリア周波数が同一となる可能性があり、混信を完全に発生させないようにすることは困難である。
図29は、無線システムにおいて周波数ホッピングを行っている場合に生じる混信の例を示す図である。
図29では、送信機A及びBにおいて、周波数ホッピングが行われているが、同一時刻において、送信機Aから送信されたあるパケットと、送信機Bから送信されたあるパケットとのキャリア周波数が同一となり、送信機A及びBそれぞれの無線信号(パケット)が衝突している。このように、無線信号の衝突が起きると、受信機において、異なる送信機からのパケットを分離することができず、最終的に取得されるデータに誤りが発生する可能性がある。
例えば、図29において、受信機が、送信機Aからの無線信号を受信しているとする。そして、送信機Aから送信されるパケットの内の1つのパケットが送信機Bから送信されるパケットと衝突し、さらに、送信機Bから送信される無線信号の方が、送信機Aから送信される無線信号よりも強いとする。この場合、受信機は、送信機Aからのパケットとして、衝突した送信機Bのパケットを合成してしまう。そのため、合成信号に誤りが発生し、データを抽出できなくなる可能性がある。その場合、そのスーパーフレーム内の10個のパケットの送受信が全て無駄になる可能性がある。
双方向通信では、送信機A及びBのそれぞれと受信機との間で、互いに、必要な情報の授受を行うことにより、例えば、再送を促すことが可能である。しかしながら、片方向通信では、受信側から送信側に対して情報を供給することが困難であるため、双方向通信で可能なパケットの衝突に対する対策を行うことは難しい。
<位置通知システム>
図30は、新通信方式を適用した無線システムの一実施の形態である位置通知システムの構成例を示す図である。
図30の位置通知システム300は、送信装置301(送信装置301-1乃至送信装置301-3)、基地局302(基地局302-1および基地局302-2)、クラウドサーバ303、および、情報処理端末304を有する。
位置通知システム300では、送信装置301が、基地局302との間で、新通信方式の無線通信を行うことにより、送信装置301の位置を監視する位置監視サービスが提供される。
送信装置301は、自身の位置を示す位置情報を、無線信号で送信する。基地局302は、受信装置312を有する。受信装置312は、送信装置301からの無線信号を受信して送信装置301の位置情報を取得し、その位置情報等を、クラウドサーバ303に供給する。したがって、受信装置312を有する基地局302は、送信装置301から送信された情報を中継してクラウドサーバ303に伝送する中継局として機能する。クラウドサーバ303は、各送信装置301の位置情報等、各種情報を管理し、例えば、送信装置301の位置をユーザに通知するサービスを提供する。例えば、送信装置301の位置を知りたいユーザに操作される情報処理端末304は、クラウドサーバ303にアクセスし、送信装置301の位置情報を取得し、例えば地図データ等とともに表示する等して、ユーザに送信装置301の位置を通知する。
送信装置301は、例えば高齢者等の、ユーザが位置を監視したい対象に携帯させる。
送信装置301は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)を利用して、自身の位置情報を取得する位置センサを有する。すなわち、送信装置301は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からGPS信号を受信する受信機構を位置センサとして有し、適宜、自身の位置情報(例えば、緯度及び経度等)を求める。送信装置301は、適宜、位置情報を無線信号として送信する。
なお、送信装置301には、位置センサ以外の各種のセンサを搭載し、送信装置301は、そのセンサが出力するセンサ情報を、無線信号で送信することができる。例えば、送信装置301には、脈拍や心拍数等の生体情報をセンシングするセンサや、温度や湿度等をセンシングするセンサ、扉やドア等の開閉を検出するセンサ等を搭載することができる。
図30では、送信装置301-1は、東京(Tokyo)の高齢者311-1に携帯されており、送信装置301-2は、横浜(Yokohama)の高齢者311-2に携帯されており、送信装置301-3は、静岡(Shizuoka)の高齢者311-3に携帯されている。
また、送信装置301は、固有の識別情報(ID)を有している。例えば、図30では、送信装置301-1の識別情報は0001(ID=0001)に、送信装置301-2の識別情報は0002(ID=0002)に、送信装置301-3の識別情報は0003(ID=0003)に、それぞれなっている。送信装置301の識別情報は、クラウドサーバ303に登録される。
なお、位置の監視の対象は、任意である。例えば、位置の監視の対象は、子供であってもよいし、犬や猫等の動物(ペット)であってもよいし、企業の社員等であってもよい。図30においては3台の送信装置301が示されているが、送信装置301の数は任意である。送信装置301は、専用の装置として構成されるようにしてもよいが、例えば、携帯電話機やスマートフォンのような携帯型の情報処理装置に組み込むようにしてもよい。
基地局302は、どのような設備であってもよい。例えば、基地局302は、専用の施設・建造物としてもよい。また、例えば、基地局302は、一般のビル、マンション、家屋等の建造物の屋根や屋上等に設置可能な設備としてもよい。さらに、例えば、基地局302は、ユーザが携帯したり、車等の移動体に設置したりすることができる携帯型の設備としてもよい。
基地局302は、複数設置される。例えば図30の場合、基地局302-1は、東京に設定されており、基地局302-2は、富士に設置されている。図30においては、2つの基地局302が示されているが、基地局302の数は任意である。
基地局302は、受信装置312を有する。受信装置312は、送信装置301からの無線信号を受信し、その無線信号に含まれる情報(データ)をクラウドサーバ303に提供する。また、受信装置312は、クラウドサーバ303から、無線通信の無線フォーマットを決定するための無線フォーマット情報としてのパラメータセット(例えば、無線信号の変調レートや、周波数ホッピングのオン/オフ等)等の必要な情報を取得する。受信装置312がクラウドサーバ303から情報を取得する方法は、任意である。
クラウドサーバ303の構成は任意であり、例えば任意の数のサーバと任意の数のネットワーク等により構成されるようにしてもよい。クラウドサーバ303が複数設けられていてもよい。
このような位置通知システム300において、送信装置301は、自身の識別情報(ID)に基づいて周波数ホッピングの設定を行う。すなわち、送信装置301は、識別情報に基づいて各パケットの送信タイミング及び送信周波数を設定し、その設定に基づいて各パケットを送信する。このように周波数ホッピングを利用して送信を行うことにより、混信の発生を抑制することができる。つまり、より確実に情報の伝送を行うことができる。
また、送信装置301は、識別情報に基づいて送信タイミング及び送信周波数を設定することにより、送信タイミング及び送信周波数のパターンを送信装置301毎に変えることができる。この場合、異なる送信装置301から送信されるパケット同士の衝突の発生を抑制することができる。つまり、より確実に情報の伝送を行うことができる。
また、基地局302の受信装置312は、クラウドサーバ303から送信装置301の識別情報を取得し、その識別情報に基づいて受信を行う。つまり、受信装置312は、識別情報に基づいて、送信装置301の送信タイミングおよび送信周波数の設定と同様に、受信タイミング及び受信周波数を設定する。受信装置312において、送信装置301の識別情報によりパケットの送信タイミングおよび送信周波数が特定できれば、その送信タイミングおよび送信周波数についてパケットの検出を行えばよいので(つまり、受信タイミングおよび受信周波数を送信タイミング及び送信周波数に合わせればよいので)、S/N比が低い場合であっても、パケットの検出がより容易になる。したがって、より高感度な受信が可能になる。つまり、より確実な情報の伝送を実現することができる。また、不要なタイミングや不要な周波数帯域でパケットの検出等の処理を行わなくてよいので、負荷の増大を抑制することができる。
また、送信装置301の識別情報には、優先度が付すことができる。受信装置312は、クラウドサーバ303から取得される送信装置301の識別情報に優先度が付してある場合、識別情報の優先度に応じて、その識別情報により識別される送信装置301からの無線信号(パケット)の受信を行うことができる。この場合、より確実な情報の伝送を実現することができる。
なお、受信装置312は、無線信号の受信に関する情報、例えば、どの送信装置301からの無線信号をいつ受信したか、その無線信号の内容(無線信号から抽出したデータ)等を、受信情報としてクラウドサーバ303に供給することができる。
クラウドサーバ303は、送信装置301に関する情報(端末情報とも称する)や、ユーザに関する情報(加入者情報とも称する)を予め登録して管理する。端末情報は、例えば、送信装置301の識別情報、送信頻度の情報、主な所在地等を含むことができる。また、加入者情報は、例えば、ユーザ(位置通知サービスを受ける者)の氏名、年齢、性別、住所、支払に関する情報、使用する送信装置の識別情報、ログインID、パスワード等を含むことができる。もちろん、端末情報及び加入者情報は、それぞれどのような情報が含まれていてもよく、上述の例に限定されない。
また、クラウドサーバ303は、所定のタイミングにおいて、または、受信装置312等からの要求に応じて、送信装置301の識別情報を各基地局302(一部または全部の基地局302)の受信装置312に提供する。その際、クラウドサーバ303は、各基地局302に対して、その基地局302が無線信号を受信する可能性の高い送信装置301の識別情報を供給することができる。換言するに、クラウドサーバ303は、各基地局302に対して、その基地局302が無線信号を受信する可能性が低い送信装置301の識別情報を供給しないことができる。このようにすることにより、基地局302の受信装置312での不要なパケットの検出を低減することができ、負荷の増大を抑制することができる。
また、基地局302が受信対象とする送信装置301の数が増大すると、その分、パケットの衝突が発生する確率が高くなる。より正確に説明すると、無線信号を受信する可能性が低い送信装置301からはパケットが届く可能性が低いのであるから、実際にパケットの衝突が発生する確率が高くなるわけではない。しかしながら、基地局302において行われる受信タイミング及び受信周波数の設定においては、対象とする送信装置301の数が増大する程、パケットの衝突が発生する確率は増大する。このように受信タイミング及び受信周波数の設定においてパケットの衝突が発生した場合、そのパケットの受信は省略される。したがって、無線信号を受信する可能性が低い送信装置301まで受信対象にすると、不要に受信感度が低減し、情報の伝送の確実性が不要に低減するおそれがある。上述のように、クラウドサーバ303が、その基地局302が無線信号を受信する可能性が低い送信装置301の識別情報を供給しないことにより、基地局302は、そのような送信装置301を受信対象から除外することができ、この場合、受信感度の低減を抑制し、より確実な情報の伝送を実現することができる。
また、クラウドサーバ303は、基地局302の受信装置312から無線信号の受信によって得られる受信情報を取得する。クラウドサーバ303は、その受信情報に基づいて、例えば、送信装置301と受信装置312との間の情報の送受信の履歴(例えば、どの送信装置301から送信された無線信号を、どの基地局302の受信装置312がいつ受信したか等)を管理する。クラウドサーバ303は、この履歴に基づいて、基地局302に識別情報を供給する送信装置301を選択し、その選択結果に従って、識別情報(のリスト(LEID(List of Expected ID)))を、基地局302の受信装置312に供給する。このように、過去の通信履歴に基づいて、送信装置301の識別情報を、各基地局302の受信装置312に供給することで、各基地局302の受信装置312が各送信装置301の無線信号を受信する可能性をより正確に判定することができる。したがって、各基地局302は、より確実な情報の伝送を実現することができる。
さらに、クラウドサーバ303は、受信装置312からの受信情報に基づいて、例えば、送信装置301(高齢者311)の位置を情報処理端末304に提供することができる。
なお、送信装置301の識別情報は、どのような形態でクラウドサーバ303から基地局302に供給されるようにしてもよい。例えば、クラウドサーバ303が、送信装置301の識別情報を優先リストとして基地局302に供給するようにしてもよい。この優先リストは、その優先リストが供給される基地局302が無線信号を受信する可能性の高い送信装置301の識別情報の一覧を含む情報である。例えば、クラウドサーバ303は、各基地局302に対してその基地局302用の優先リストを生成して供給し、優先リストを供給された基地局302は、その優先リストに識別情報が示される送信装置301からの無線信号を受信するように処理を行うようにしてもよい。また、基地局302に対して供給される送信装置301の識別情報に、その基地局302における受信の優先度(priority)が付加されるようにしてもよい。例えば、上述の優先リストに、各識別情報の優先度が含まれるようにしてもよい。そして、優先リストを供給された基地局302が、その優先リストに含まれる優先度に基づいて、信号受信の優先順等を設定するようにしてもよい。このようにすることにより、クラウドサーバ303は、基地局302が無線信号を受信する送信装置301を制御することができるだけでなく、その受信の優先順も制御することができる。優先度については、基地局302が存在する位置と、送信装置301が送信してきた位置情報との差分から通信距離を求め、この通信距離に応じて優先度を変更することが可能である。
<送信装置の構成例>
図31は、送信装置301の構成例を示すブロック図である。
送信装置301は、GPS信号受信部401、ペイロードデータ生成部402、ID/CRC付加部403、FEC処理部404、繰り返し部405、ガードビット付加部406、キーストリーム生成部411、ANDゲート412、EXORゲート413、ゴールド符号発生部414、EXORゲート415、シンク生成部421、インターリーブ部422、変調部423、および、周波数/タイミング制御部424を有する。
GPS信号受信部401は、GPS信号を受信し、そのGPS信号に含まれるクロック信号としての1PPS(パルス/秒)信号や現在時刻(GPS時刻)を取得し、周波数/タイミング制御部424に供給する。また、GPS信号受信部401は、GPS信号から、送信装置301の位置情報(緯度、経度、高度)を取得し、位置をセンシングしたセンサ情報として、ペイロードデータ生成部402に供給する。
ペイロードデータ生成部402は、GPS信号受信部401からのセンサ情報としての位置情報から、無線信号のペイロードとなるペイロードデータを生成し、ID/CRC付加部403に供給する。なお、ペイロードデータとなる情報は、位置情報、さらには、センサ情報に限定されるものではない。ペイロードデータとなる情報は、例えば、無線システムを適用するアプリケーション等に応じて決定することができる。但し、新通信方式は、低消費電力で、数10ないし100km程度の広い範囲の情報伝送が可能なLPWA通信の新通信方式の一種であり、ペイロードデータとなる情報のサイズは、LPWA通信に適したサイズとすることが望ましい。
ID/CRC付加部403は、ペイロードデータ生成部402からのペイロードデータに、送信装置301のID(識別情報)と、CRC(Cyclic Redundancy Check)コードとを付加することで、FEC(Forward Error Correction)処理の対象となるFEC対象ユニットを生成し、FEC処理部404に供給する。なお、ID/CRC付加部403は、ペイロードデータ、または、ペイロードデータおよびIDを対象に、CRCコードを生成する。
FEC処理部(符号化部)404は、ID/CRC付加部403からのFEC対象ユニットを対象として、FEC処理を施し、その結果得られるFECフレームを、繰り返し部405に供給する。
すなわち、FEC処理部404は、FEC対象ユニットのFEC処理として、FEC対象ユニットの誤り訂正符号化を行い、その誤り訂正符号化により得られる誤り訂正符号を、繰り返し部405に供給する。
具体的には、FEC処理部404は、例えば、FEC対象ユニットのLDPC符号化を行い、そのLDPC符号化により得られるLDPC符号を、繰り返し部405に供給する。
なお、誤り訂正符号は、LDPC符号に限定されるものではない。誤り訂正符号としては、例えば、畳み込み符号やターボ符号等を採用することができる。
繰り返し部405は、FEC処理部404からのLDPC符号を繰り返し配置した繰り返しユニットを生成し、ガードビット付加部406に供給する。
ガードビット付加部406は、繰り返し部405からの繰り返しユニットに、ガードビットを付加(挿入)し、EXORゲート413に供給する。
キーストリーム生成部411は、暗号化に用いるキーストリームを生成し、ANDゲート412に供給する。
ANDゲート412には、キーストリーム生成部411からのキーストリームが供給される他、EXORゲート413での暗号化の有効/無効を切り替える切り替え信号が供給される。
切り替え信号は、例えば、暗号化を有効とする場合には、論理1(例えば、Highレベル)となり、暗号化を無効とする場合には、論理0(例えば、Lowレベル)となる信号である。切り替え信号は、例えば、アプリケーションに応じて設定することができる。切り替え信号は、ガードビット付加部406からEXORゲート413に供給される繰り返しユニットの全体や、一部分の暗号化が有効になるように設定することができる。また、切り替え信号は、ガードビット付加部406からEXORゲート413に供給される繰り返しユニットの全体の暗号化が無効になるように設定することができる。
ANDゲート412は、切り替え信号と、キーストリーム生成部411からのキーストリームとの論理積を演算し、EXORゲート413に供給する。これにより、ANDゲート412からEXORゲート413に対しては、切り替え信号において暗号化が有効になっている期間だけ、キーストリームが供給される。
EXORゲート413は、ガードビット付加部406からの繰り返しユニットと、ANDゲート412からのキーストリームとの排他的論理和を演算することにより、繰り返しユニットをストリーム暗号(方式)で暗号化する。EXORゲート413は、暗号化後の繰り返しユニットを、EXORゲート415に供給する。
ここで、EXORゲート413では、繰り返しユニットのうちの、ANDゲート412からのキーストリームが供給される期間、すなわち、切り替え信号が論理1になっている期間が暗号化される。したがって、EXORゲート413では、繰り返しユニットの全部又は一部が暗号化されることや、繰り返しユニットの全部が暗号化されないことがある。
ゴールド符号発生部414は、例えば、2つのM系列発生器を用いて、EXORゲート413からの繰り返しユニットと同一サイズ(ビット数)のスクランブル系列としての、例えば、ゴールド符号を発生し、EXORゲート415に供給する。
EXORゲート415は、EXORゲート413からの繰り返しユニットと、ゴールド符号発生部414からのスクランブル系列との排他的論理和を演算することにより、繰り返しユニットのスクランブルを行って、インターリーブ部422に供給する。
シンク生成部421は、例えば、M系列等の所定のPN(Pseudo Noise)系列を、同期信号として生成し、インターリーブ部422に供給する。なお、シンク生成部421で生成される同期信号は、送信装置301および受信装置312で既知の信号になっている。同期信号が、送信装置301および受信装置312で既知であることにより、受信装置312では、送信装置301からの無線信号の同期検波を行うことができ、送信装置301からの無線信号をロバストに受信することができる。M系列の初期値は、送受信で共通の値とすれば何でも良い。またM系列の初期値を、IDに応じて変えることも可能である。
インターリーブ部422は、EXORゲート413からの繰り返しユニットとしてのビット系列d(0),d(1),...と、シンク生成部421からの同期信号としてのビット系列r(0),r(1),...とをインターリーブ(多重化)し、そのインターリーブにより得られるインターリーブ系列r(0),d(0),r(1),d(1),...、又は、r(0),d(0),d(832),r(1),d(1),...を、変調部423に供給する。
変調部423は、インターリーブ部422から供給されるインターリーブ系列を用いて、例えば、π/2 shift BPSK(π/2 Shift Binary Phase Shift Keying)変調やチャープ(chirp)変調等の変調を行い、その変調により得られる変調信号としての、例えば、920MHz帯の無線信号を送信する。なお、変調部423は、周波数/タイミング制御部424からの制御に従った送信タイミング及び送信周波数で、無線信号を送信する。
周波数/タイミング制御部424は、送信装置301のID等に応じて、変調部423が送信する無線信号の送信タイミング及び送信周波数を設定し、その送信タイミング及び送信周波数で無線信号を送信するように、変調部423を制御する。周波数/タイミング制御部424は、変調部423の制御を、GPS信号受信部401からのクロック信号に同期して行う。すなわち、周波数/タイミング制御部424は、例えば、GPS信号受信部401からのクロック信号に応じて、現在のタイミングが、送信装置301および受信装置312において既知の(あらかじめ決められた)タイミングであるグリッドタイミング(グリッド時間)であるかどうかを認識し、グリッドタイミングでパケットの送信が開始されるように、変調部423を制御する。
<受信装置の構成例>
図32は、受信装置312の構成例を示すブロック図である。
受信装置312は、GPS信号受信部431、ID/送信パターン取得部432、周波数/タイミング制御部433、復調部434、および、復号部435を有する。
GPS信号受信部431は、GPS信号を受信し、そのGPS信号に含まれる1PPS信号やGPS時刻を取得して、クロック信号として、周波数/タイミング制御部433に供給する。
ID/送信パターン取得部432は、例えば、クラウドサーバ303から、受信装置312が無線信号の受信対象とする送信装置301のIDや、送信タイミングおよび送信周波数のパターンである送信パターンを取得し、周波数/タイミング制御部433に供給する。
周波数/タイミング制御部433は、ID/送信パターン取得部432からの送信パターンに従って、復調部434での無線信号の受信タイミングおよび受信周波数を設定し、その受信タイミングおよび受信周波数で無線信号を受信するように、復調部434を制御する。周波数/タイミング制御部433は、図31の周波数/タイミング制御部424と同様に、復調部434の制御を、GPS信号受信部431からのクロック信号に同期して行う。
ここで、以上のように、変調部423(図31)の送信タイミングおよび送信周波数の制御、および、復調部434の受信タイミングおよび受信周波数の制御を、いずれも、GPS信号から得られるクロック信号および時刻情報(GPS時刻)に同期して行うことで、変調部423の送信タイミングおよび送信周波数と、復調部434の受信タイミングおよび受信周波数とを、精度良く一致させることができる。
復調部434は、周波数/タイミング制御部433の制御に従った受信タイミングおよび受信周波数で、送信装置301からの無線信号を受信し、その無線信号のFFT(Fast Fourier Transform)等を行うことで、無線信号を復調する。復調部434は、無線信号の復調により得られる復調信号を、復号部435に供給する。なお、復調部434の復調では、例えば、同期信号を用いた同期検波が行われ、図26で説明した合成も行われる。
復号部435は、復調部434からの復号信号に含まれるLDPC符号を復号することにより誤り訂正を行い、その結果得られるペイロードデータに含まれるセンサ情報を出力する。このセンサ情報は、受信装置312からクラウドサーバ303に送信される。
<送信装置で扱われるデータのフォーマット>
図33は、送信装置301で扱われるデータ(信号)の第1のフォーマットの例を示す図である。
ここで、新通信方式では、変調部423で行われる変調の変調レート(伝送レート)として、例えば、6.35kbpsと50.8kbpsとがある。
図33は、変調レートが、6.35kbpsおよび50.8kbpsのうちの、6.35kbpsである場合のデータのフォーマットを示している。
新通信方式では、ペイロードデータの設定モードとして、例えば、MSDU Type-1, MSDU Type-2, MSDU Type-3という3種類のモードが用意されている。
ペイロードデータは、例えば、MSDU(MAC(Media Access Control) Service Data Unit)と呼ばれる128ビットのユニットで、MSDU Type-1, MSDU Type-2, MSDU Type-3では、128ビット、64ビット、1ビットが、それぞれ実データ(ユーザデータ)の伝送に用いられる。
すなわち、MSDU Type-1では、ペイロードデータ生成部402は、128ビットの実データ(センサ情報等)を、そのまま用いて、128ビットのMSDUを構成(生成)する。MSDU Type-2では、ペイロードデータ生成部402は、64ビットの実データに、64ビットの0をパディングして、128ビットのMSDUを構成する。MSDU Type-3では、ペイロードデータ生成部402は、1ビットの実データに、127ビットの0をパディングして、128ビットのMSDUを構成する。
128ビットのMSDUは、ID/CRC付加部403で、送信装置301の32ビットのIDと、24ビットのCRCコードとが付加されることにより、FEC対象ユニットとしてのPSDU(Physical Layer Service Unit)と呼ばれる184ビットのユニットになる。
184ビットのPSDUは、FEC処理部404において、例えば、符号長Nが736ビットで、符号化率rが1/4のLDPC符号に符号化され、その結果、736ビット(=184×4/1)のLDPC符号(エンコードビット)となる。
変調レートが6.35kbpsである第1のフォーマットでは、736ビットのLDPC符号が2回繰り返され、さらに、736ビットのLDPC符号の一部の184ビットが繰り返されることにより、1656ビット(=736ビット×2+184ビット)の繰り返しユニットが構成される。
すなわち、第1のフォーマットでは、繰り返しユニットは、736ビットのLDPC符号が2回繰り返し配置され、さらに、736ビットのLDPC符号の一部の184ビットが配置されて構成される。
繰り返しユニットに配置される736ビットのLDPC符号の一部の184ビットとしては、例えば、736ビットのLDPC符号の先頭の184ビットを採用することができる。また、繰り返しユニットに配置される736ビットのLDPC符号の一部の184ビットは、例えば、所定の最適化パターンに従って選択することができる。
繰り返しユニットには、ガードビット付加部406で、ガードビットが付加(挿入)される。
すなわち、繰り返しユニットの先頭と最後とのそれぞれに、4ビットのガードビット(G)が付加される。
ガードビットの付加により、1656ビットの繰り返しユニットは、1664ビット(=1656ビット+4ビット×2)の繰り返しユニットとなる。
4ビットのガードビットとしては、例えば、4ビットの0等を採用することができる。
ここで、受信装置312の復調部434(図32)で行われる繰り返しユニットのFFTにおいて、繰り返しユニットの端部の信号品質が劣化する。この信号品質の劣化に対する対処として、ガードビットが、繰り返しユニットの先頭と最後とのそれぞれに付加される。
繰り返しユニットについては、EXORゲート413で、キーストリームとの排他的論理和が演算され、これにより、繰り返しユニットは、暗号ストリームとなる。
ここで、ペイロードデータの設定モードが、MSDU Type-2またはMSDU Type-3である場合、ペイロードデータとしての128ビットのMSDUの一部は、パディングされた0になっている。MSDU Type-2では、64ビットの実データに、64ビットの0をパディングしているので、128ビットのMSDUのうち半分は0である。換言すると、MSDUの半分は意味が無い情報である。MSDU Type-3では、1ビットの実データに、127ビットの0をパディングしているので、128ビットのMSDUのうち大半が意味の無い情報となっている。
新通信方式は、このように意味の無い情報を多く含む場合(MSDU Type-2またはMSDU Type-3の場合)に、通信路に送り出す無線エネルギーを最大限に有効活用することができる方式になっている。すなわち、新通信方式においては、パディングの0(の一部または全部)として生成されたデータについては、暗号化の対象にしないことができる。パディングの0を、暗号化の対象にしない場合、ANDゲート412には、繰り返しユニットにおけるパディングの0の期間の暗号化を無効にする切り替え信号が供給される。ANDゲート412は、切り替え信号に応じて、キーストリームを、EXORゲート413に供給し、これにより、EXORゲート413では、繰り返しユニットにおける、暗号化が無効でない期間、すなわち、暗号化が有効である期間だけを対象に、ANDゲート412からのキーストリームを用いて、繰り返しユニットの暗号化が行われる。暗号化が無効な部分については、暗号化が行われずにパディングの0データがそのまま出力される。このようにして暗号化が無効とされた部分は、受信装置312においてデータ0であることが既知である。したがって、受信装置312の復調部434においては、暗号化が無効な部分の信号を、同期信号として扱い、同期性能を向上させることが可能となる。さらに、復号部435においては、暗号化が無効とされた部分を既知のデータ「0」として復号することにより、誤り訂正の性能を向上させることができる。つまり、ペイロードが短い場合において暗号化を部分的に無効とすることにより、受信装置312の性能が向上する。このような性能向上により、送信空中線電力を、例えば、暗号化を部分的に無効としない場合よりも低くしても、同等の通信性能を実現することが可能となる。
暗号ストリームは、暗号化前の繰り返しユニットと同様に、1664ビットで構成される。
1664ビットの暗号ストリームは、EXORゲート415で、スクランブル系列としてのゴールド符号との排他的論理和が演算されることによりスクランブルされ、スクランブルストリームとなる。
スクランブルストリームは、スクランブル前の暗号ストリームと同様に、1664ビットのビット系列d(0),d(1),...,d(1663)である。
変調レートが6.35kbpsである第1のフォーマットについては、シンク生成部421は、例えば、832ビットの同期信号(Sync)としてのビット系列r(0),r(1),...r(831)を生成する。
したがって、変調レートが6.35kbpsである第1のフォーマットについては、同期信号とスクランブルストリームとの長さの比は、832:1664=1:2である。
832ビットの同期信号としてのビット系列r(0),r(1),...r(831)と、1664ビットのスクランブルストリームとしてのビット系列d(0),d(1),...,d(1663)とは、インターリーブ部422でインターリーブされる。その結果、同期信号としてのビットが周期的に挿入された2496ビットのPPDU(Presentation Protocol Data Unit)としてのビット系列r(0),d(0),d(832),r(1),d(1),d(833)…が生成される。
ここで、832ビットの同期信号としてのビット系列r(0),r(1),...,r(831)と、1664ビットのスクランブルストリームとしてのビット系列d(0),d(1),...,d(1663)とのインターリーブは、例えば、以下のCプログラムに従って行われる。なお、PPDU(n)は、2496ビットのPPDUの先頭からn+1番目のビットを表し、(n % x)は、nをxで除算した余りを表す。記号“==”は計算結果が等しいか否かを判断することを意味する。また、nを被除数とする除算の計算(n/3等)では、小数点以下を切り捨てる。
for(n=0; n<2496; n++) {
if ( (n % 3) ==0) PPDU(n) =r (n/3);
if ( (n % 3) ==1) PPDU(n) =d (n/3);
if ( (n % 3) ==2) PPDU(n) =d (n/3+1);
}
2496ビットのPPDUについては、変調部423で、6.35kbpsのπ/2シフトBPSK変調が施され、さらに、400kHz/sのチャープ変調が施される。そして、2496ビットのPPDUは、無線信号となって送信される。
2496ビットのPPDUについて、6.35kbpsのπ/2シフトBPSK変調が施される場合、2496ビットのPPDUの送信(伝送)時間は、約393.2msとなる。したがって、2496ビットのPPDUの送信は、0.4秒以下の送信となり、920MHz帯のARIB規定を満足している。
チャープ変調において、約393.2msの送信時間のPPDUの送信開始時には、例えば、約-78.6kHzの周波数シフトが与えられる。400kHz/sのチャープ変調では、周波数が400kHz/sの変化レートで線形に変化するので、約393.2msの送信時間のPPDUの送信終了時の周波数シフトは、約+78.6kHzとなる。
例えば、キャリアの周波数(中心周波数)が925MHzである場合、チャープ変調により無線信号の信号周波数は 924.9214MHzから925.0786MHzまで直線的に変化する。このチャープ変調により、6.35kbpsの変調レートを使った場合であっても周波数利用効率が向上し、混信に強くなる。また、チャープ変調の特性により同期検出にかかる演算量を軽減することが可能となる。
第1のフォーマットについては、送信装置301は、パケットとしてのPPDUの送信を、例えば、4回繰り返し行う。この場合、PPDUの4回の送信に要する時間は、約1.57秒(=393.2ms×4)になる。
なお、本実施の形態では、LDPC符号として、符号長Nが736ビットで、符号化率rが1/4の1種類のLDPC符号を用意する一方、ペイロードデータの設定モードが、MSDU Type-1, MSDU Type-2, MSDU Type-3のいずれの場合であっても、0のパディングにより、FEC対象ユニットとしての184ビットのPSDUを構成し、その184ビットのPSDUのLDPC符号化を、1種類のLDPC符号によって行うこととしたが、その他、例えば、設定モードごとに、各設定モード用のLDPC符号を用意し、0のパディングを行わずに、各設定モードの実データのLDPC符号化を、その設定モード用のLDPC符号を用いて行うことができる。
但し、各設定モード用のLDPC符号を用意する場合には、送信装置301において、各設定モード用のLDPC符号の検査行列を記憶する必要があり、また、LDPC符号化において、設定モードごとに検査行列を切り替える等の処理が必要になる。一方、送信装置301において、符号長Nが736ビットで、符号化率rが1/4の1種類のLDPC符号を用いる場合には、LDPC符号については、1種類のLDPC符号の検査行列を記憶するだけで済み、検査行列の切り替えも必要がないので、負荷の軽減、ひいては、低消費電力化を図ることができる。
図34は、送信装置301で扱われるデータの第2のフォーマットの例を示す図である。
すなわち、図34は、変調レートが、6.35kbpsおよび50.8kbpsのうちの、50.8kbpsである場合のデータのフォーマットを示している。
第2のフォーマットでは、ペイロードデータとしてのMSDU、FEC対象ユニットとしてのPSDU、及び、LDPC符号化については、第1のフォーマット(図33)の場合と同様であるため、説明を省略する。
変調レートが50.8kbpsである第2のフォーマットでは、736ビットのLDPC符号が6回繰り返され、さらに、736ビットのLDPC符号の一部の384ビットが繰り返されることにより、4800ビット(=736ビット×6+384ビット)の繰り返しユニットが構成される。
すなわち、第2のフォーマットでは、繰り返しユニットは、736ビットのLDPC符号が6回繰り返し配置され、さらに、736ビットのLDPC符号の一部の384ビットが配置されて構成される。
繰り返しユニットに配置される736ビットのLDPC符号の一部の384ビットとしては、例えば、736ビットのLDPC符号の先頭の384ビットを採用することができる。また、繰り返しユニットに配置される736ビットのLDPC符号の一部の384ビットは、例えば、所定の最適化パターンに従って選択することができる。
繰り返しユニットについては、第1のフォーマットの場合と同様に、4ビットのガードビット(G)が、先頭と最後のそれぞれに付加される。ガードビットの付加により、4800ビットの繰り返しユニットは、4808ビット(=4800ビット+4ビット×2)の繰り返しユニットになる。
その後、第2のフォーマットでは、第1のフォーマットの場合と同様に、4808ビットの繰り返しユニットが暗号化され、暗号ストリームとされ、さらに、スクランブルされ、スクランブルストリームとされる。
第2のフォーマットでは、スクランブルストリームは、ガードビットが付加された繰り返しユニットと同一サイズの4808ビットのビット系列d(0),d(1),...,d(4807)になる。
また、第2のフォーマットについては、シンク生成部421は、例えば、スクランブルストリームと同一サイズの4808ビットの同期信号(Sync)としてのビット系列r(0),r(1),...r(4087)を生成する。
したがって、第2のフォーマットについては、同期信号とスクランブルストリームとの長さの比は、4808:4808=1:1である。
4808ビットの同期信号としてのビット系列r(0),r(1),...r(4087)と、4808ビットのスクランブルストリームとしてのビット系列d(0),d(1),...,d(4807)とは、インターリーブ部422でインターリーブされる。その結果、同期信号としてのビットが周期的に挿入された9616ビット(=4808ビット+4808ビット)のPPDUとしてのビット系列r(0),d(0),r(1),d(1),…が生成される。
ここで、4808ビットの同期信号としてのビット系列r(0),r(1),...,r(4807)と、4808ビットのスクランブルストリームとしてのビット系列d(0),d(1),...,d(4807)とのインターリーブは、例えば、以下のCプログラムに従って行われる。
for(n=0; n<9616; n++) {
if ( (n % 2) ==0) PPDU(n) =r (n/2);
if ( (n % 2) ==1) PPDU(n) =d (n/2);
}
9616ビットのPPDUについては、変調部423で、50.8kbpsのπ/2シフトBPSK変調が施され、無線信号となって送信される。
9616ビットのPPDUについて、50.8kbpsのπ/2シフトBPSK変調が施される場合、9616ビットのPPDUの送信時間は、約189.4msとなる。したがって、9616ビットのPPDUの送信時間は、ARIB規定の0.2秒を下回るので、送信休止時間を短く取って複数回繰り返し送信することが可能となる。
第2のフォーマットについては、送信装置301は、パケットとしてのPPDUの送信を、例えば、20回繰り返し行う。この場合、PPDUの20回の送信に要する時間は、約3.78秒(=189.4ms×20)になる。第2のフォーマットでは、送信の繰り返し回数が第1のフォーマットより多いことにより、例えば、フェーディング等の影響があっても、より確実に情報を伝送することができる。第1のフォーマットと第2のフォーマットの選択は、例えば、アプリケーションに応じて行うことができる。例えば、アプリケーションによって要求されるフェーディング特性等によって、第1および第2のフォーマットのうちのいずれを使用するかを決定することができる。
<キーストリーム生成部の構成例>
図35は、図31のキーストリーム生成部411の構成例を示すブロック図である。
図35において、キーストリーム生成部411は、キー発生部451、Nonce発生部452、ブロック暗号化部453、および、P/S変換部454を有する。
キーストリーム生成部411は、暗号化に用いられるキーストリームを生成する。キーストリーム生成部411では、第1のフォーマットについては、1664ビットのキーストリームが生成され、第2のフォーマットについては、4808ビットのキーストリームが生成される。
キー発生部451は、128ビットの鍵情報を発生する。キー発生部451については、内部構造が非公開とされ、暗号の安全性が確保される。キー発生部451については、内部構造を容易に推測されなければ、その構成は、どのような構成であってもよい。
キー発生部451は、例えば、GPS信号受信部401(図31)からGPS時刻を取得し、ビット数が128ビットとなるようにゼロデータを加えることによって、鍵情報を生成(発生)することができる。キー発生部451は、生成した鍵情報を、ブロック暗号化部453に供給する。
Nonce発生部452は、128ビットのNonce(Number used ONCE)を発生する。Nonceについては、ビットクロックを128分周したタイミングごとに、異なる値となることが期待される。
Nonce発生部452は、例えば、128ビットのカウンタで構成することができる。この場合、Nonce発生部452は、例えば、無線信号の送信開始前に、カウンタを所定のカウント値に初期化し、その後は、ビットクロックを128分周したタイミングごとに、カウント値を、1ずつインクリメントすることにより、Nonceを生成することができる。Nonce発生部452は、生成したNonceを、ブロック暗号化部453に供給する。
ブロック暗号化部453は、キー発生部451からの鍵情報と、Nonce発生部452からのNonceを用いて、128ビットのブロック暗号を発生し、P/S変換部454に供給する。
ブロック暗号としては、例えば、AES(Advanced Encryption Standard)符号や、CLEFIA符号等を用いることができる。
P/S変換部454は、ブロック暗号化部453からの128ビット単位のブロック暗号を、1ビット単位にP/S(Parallel to Serial)変換し、シリアル(1ビット単位)のキーストリームを生成して、ANDゲート412に供給する。
P/S変換部454は、第1のフォーマットについては、1664ビットのキーストリームを生成し、第2のフォーマットについては、4808ビットのキーストリームを生成する。
<送信装置の処理>
図36は、図31の送信装置301の送信処理の例を説明するフローチャートである。
ステップS301において、ペイロードデータ生成部402は、ペイロードデータとしてのMSDUを生成し、ID/CRC付加部403に供給して、処理は、ステップS302に進む。
ステップS302では、ID/CRC付加部403は、ペイロードデータ生成部402からのペイロードデータに、送信装置301のIDと、CRCコードとを付加することで、FEC対象ユニットとしてのPSDUを生成する。ID/CRC付加部403は、FEC対象ユニットを、FEC処理部404に供給し、処理は、ステップS302からステップS303に進む。
ステップS303では、FEC処理部404は、ID/CRC付加部403からのFEC対象ユニットのLDPC符号化を行い、そのLDPC符号化により得られるLDPC符号の1符号語分であるFECフレームを、繰り返し部405に供給して、処理は、ステップS304に進む。
ステップS304では、繰り返し部405は、FEC処理部404からのLDPC符号を繰り返し配置した繰り返しユニットを生成し、ガードビット付加部406に供給して、処理は、ステップS305に進む。
ステップS305では、ガードビット付加部406は、繰り返し部405からの繰り返しユニットに、ガードビットを付加し、EXORゲート413に供給して、処理は、ステップS306に進む。
ステップS306では、EXORゲート413は、ガードビット付加部406からの繰り返しユニットを暗号化し、その結果得られる暗号ストリームを、EXORゲート415に供給する。EXORゲート415は、EXORゲート413からの暗号ストリームをスクランブルし、その結果得られるスクランブルストリームを、インターリーブ部422に供給して、処理は、ステップS306からステップS307に進む。
ステップS307では、インターリーブ部422は、EXORゲート413からのスクランブルストリームと、シンク生成部421からの同期信号とをインターリーブし、そのインターリーブにより得られるPPDUを、変調部423に供給して、処理は、ステップS308に進む。
ステップS308では、変調部423は、インターリーブ部422から供給されるPPDUを用いて、BPSK変調やチャープ変調を行うことによって、例えば、920MHz帯の無線信号を生成して送信し、処理は終了する。
<受信装置の処理>
図37は、図32の受信装置312の受信処理の例を説明するフローチャートである。
ステップS321において、復調部434は、送信装置301からの無線信号を受信し復調する。復調部434は、無線信号の復調により得られる復調信号を、復号部435に供給し、処理は、ステップS321からステップS322に進む。
ステップS322では、復号部435は、復調部434からの復号信号に含まれるLDPC符号を復号し、その結果得られるペイロードデータに含まれるセンサ情報を出力して、処理は終了する。
以上のような920MHz帯を使用する新通信方式を採用した位置通知システム300において、送信装置301に本技術を適用するようにしてもよい。つまり、送信装置301が、第1の実施の形態乃至第7の実施の形態において上述した方法で無線信号を送信するようにしてもよい。このようにすることにより、送信装置301は、各実施の形態において上述したのと同様の効果を得ることができる。つまり、本実施の形態において説明した新通信方式のシステムにおいても、本技術を適用することにより、第1の実施の形態乃至第7の実施の形態において上述したのと同様の効果を得ることができる。
<9.その他>
<その他の通信システム>
なお、送受信される情報は任意である。例えば通信装置100が、画像、音声、測定データ、機器等の識別情報、パラメータの設定情報、または指令等の制御情報等を含む送信情報を送信するようにしてもよい。また、この送信情報には、例えば、画像と音声、識別情報と設定情報と制御情報等のように、複数種類の情報が含まれるようにしてもよい。
また、通信装置100が、例えば、他の装置から供給される情報を含む送信情報を送信することができるようにしてもよい。例えば、通信装置100が、画像、光、明度、彩度、電気、音、振動、加速度、速度、角速度、力、温度(温度分布ではない)、湿度、距離、面積、体積、形状、流量、時刻、時間、磁気、化学物質、または匂い等、任意の変数について、またはその変化量について、検出または計測等を行う各種センサから出力される情報(センサ出力)を含む送信情報を生成し、送信するようにしてもよい。
つまり、本技術は、例えば、立体形状計測、空間計測、物体観測、移動変形観測、生体観測、認証処理、監視、オートフォーカス、撮像制御、照明制御、追尾処理、入出力制御、電子機器制御、アクチュエータ制御等、任意の用途に用いられるシステムに適用することができる。
また、本技術は、例えば、交通、医療、防犯、農業、畜産業、鉱業、美容、工場、家電、気象、自然監視等、任意の分野のシステムに適用することができる。例えば、本技術は、ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等を用いる、鑑賞の用に供される画像を撮影するシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用システム、走行車両や道路を監視する監視カメラシステム、車両間等の測距を行う測距システム等の、交通の用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、例えば、本技術は、防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等を用いる、セキュリティの用に供されるシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、ウェアラブルカメラ等のようなスポーツ用途等向けに利用可能な各種センサ等を用いる、スポーツの用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、例えば、本技術は、畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の各種センサを用いる、農業の用に供されるシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、豚や牛等の家畜の状態を監視するための各種センサを用いる、畜産業の用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、本技術は、例えば火山、森林、海洋等の自然の状態を監視するシステムや、例えば天気、気温、湿度、風速、日照時間等を観測する気象観測システムや、例えば鳥類、魚類、ハ虫類、両生類、哺乳類、昆虫、植物等の野生生物の生態を観測するシステム等にも適用することができる。
<コンピュータ>
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。また、一部の処理をハードウエアにより実行させ、他の処理をソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここでコンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等が含まれる。
図38は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
図38に示されるコンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903は、バス904を介して相互に接続されている。
バス904にはまた、入出力インタフェース910も接続されている。入出力インタフェース910には、入力部911、出力部912、記憶部913、通信部914、およびドライブ915が接続されている。
入力部911は、例えば、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチパネル、入力端子などよりなる。出力部912は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、出力端子などよりなる。記憶部913は、例えば、ハードディスク、RAMディスク、不揮発性のメモリなどよりなる。通信部914は、例えば、ネットワークインタフェースよりなる。ドライブ915は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディア921を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU901が、例えば、記憶部913に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース910およびバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。RAM903にはまた、CPU901が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
コンピュータ(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア921に記録して適用することができる。その場合、プログラムは、リムーバブルメディア921をドライブ915に装着することにより、入出力インタフェース910を介して、記憶部913にインストールすることができる。また、このプログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することもできる。その場合、プログラムは、通信部914で受信し、記憶部913にインストールすることができる。その他、このプログラムは、ROM902や記憶部913に、あらかじめインストールしておくこともできる。
<補足>
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、装置またはシステムを構成するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
また、例えば、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。
また、例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、例えば、上述したプログラムは、任意の装置において実行することができる。その場合、その装置が、必要な機能(機能ブロック等)を有し、必要な情報を得ることができるようにすればよい。
また、例えば、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。換言するに、1つのステップに含まれる複数の処理を、複数のステップの処理として実行することもできる。逆に、複数のステップとして説明した処理を1つのステップとしてまとめて実行することもできる。
コンピュータが実行するプログラムは、プログラムを記述するステップの処理が、本明細書で説明する順序に沿って時系列に実行されるようにしても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで個別に実行されるようにしても良い。つまり、矛盾が生じない限り、各ステップの処理が上述した順序と異なる順序で実行されるようにしてもよい。さらに、このプログラムを記述するステップの処理が、他のプログラムの処理と並列に実行されるようにしても良いし、他のプログラムの処理と組み合わせて実行されるようにしても良い。
本明細書において複数説明した本技術は、矛盾が生じない限り、それぞれ独立に単体で実施することができる。もちろん、任意の複数の本技術を併用して実施することもできる。例えば、いずれかの実施の形態において説明した本技術の一部または全部を、他の実施の形態において説明した本技術の一部または全部と組み合わせて実施することもできる。また、上述した任意の本技術の一部または全部を、上述していない他の技術と併用して実施することもできる。
本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 片方向通信を行う通信装置であって、
アプリケーションのデータの送信頻度に応じた無線資源を用いて、前記データに対応する無線信号を送信する送信部
を備える通信装置。
(2) 前記送信頻度と前記無線資源の対応関係は予め定められており、
前記送信部は、前記対応関係において前記データの送信頻度に対応する無線資源を用いて、前記無線信号を送信する
(1)に記載の通信装置。
(3) 前記対応関係を記憶する無線資源記憶部をさらに備え、
前記送信部は、前記無線資源記憶部より読みだした前記対応関係に基づいて求まる前記データの送信頻度に対応する無線資源を用いて、前記無線信号を送信する
(2)に記載の通信装置。
(4) 前記無線資源は、時間軸を分割したタイムスロットを含み、
前記送信部は、前記送信頻度に応じたタイムスロットにおいて、前記無線信号を送信する
(3)に記載の通信装置。
(5) 前記送信部は、前記無線信号の送信タイミングが、前記対応関係において予め定められた、前記無線信号に対応するデータの送信頻度よりも少ない所定の送信頻度に一致する場合、前記所定の送信頻度に対応するタイムスロットを用いて前記無線信号を送信する
(4)に記載の通信装置。
(6) 前記無線資源は、周波数軸を分割した周波数チャネルを含み、
前記送信部は、前記送信頻度に応じたタイムスロットおよび周波数チャネルにおいて、前記無線信号を送信する
(5)に記載の通信装置。
(7) 前記送信部は、前記無線信号の送信タイミングが、前記対応関係において予め定められた、前記無線信号に対応するデータの送信頻度よりも少ない所定の送信頻度に一致する場合、前記所定の送信頻度に対応するタイムスロットの、予め定められた所定のチャネルを用いて前記無線信号を送信する
(6)に記載の通信装置。
(8) 前記送信部は、前記対応関係において、前記データの送信頻度、および前記データより低い送信頻度のうちのいずれかに対応する無線資源を用いて、前記無線信号を送信する
(3)乃至(7)のいずれかに記載の通信装置。
(9) 前記送信部は、前記無線信号の送信に使用する無線資源を、前記無線資源の使用状況に応じて選択する
(8)に記載の通信装置。
(10) 前記送信部は、パケット検出により得られる既知プリアンブルとの相関値が所定の閾値より低い無線資源を選択する
(9)に記載の通信装置。
(11) 前記対応関係においてより少ない送信頻度に対応する無線資源程、前記閾値が小さい
(10)に記載の通信装置。
(12) 前記送信部は、さらに、無線信号受信側のアプリケーションの前記データの最低収集頻度に合わせたタイミングで前記データに対応する無線信号を送信する
(1)乃至(11)のいずれかに記載の通信装置。
(13) 前記送信部は、前記最低収集頻度に合わせたタイミングで前記無線信号を送信する場合、前記最低収集頻度に応じた無線資源を利用して前記無線信号を送信する
(12)に記載の通信装置。
(14) 前記無線信号受信側のアプリケーションの前記データの前記最低収集頻度を記憶するアプリケーション情報記憶部をさらに備え、
前記送信部は、前記アプリケーション情報記憶部より読みだした前記最低収集頻度に対応するタイミングで前記無線信号を送信する場合、前記最低収集頻度に対応する無線資源を用いて、前記無線信号を送信する
(13)に記載の通信装置。
(15) 前記送信部は、前回の送信からの経過時間の長さに対応する送信頻度に応じた無線資源を用いて、前記無線信号を送信する
(1)乃至(14)のいずれかに記載の通信装置。
(16) 前記送信部は、前記無線信号の送信を、前記無線信号に対応する前記データの送信頻度に応じた回数繰り返す
(1)乃至(15)のいずれかに記載の通信装置。
(17) 前記送信部は、送信頻度が少ないデータ程、前記無線信号の送信を多く繰り返す
(16)に記載の通信装置。
(18) 前記送信部は、緊急性の高いデータに対応する無線信号を、専用の無線資源を用いて送信し、緊急性の高くないデータに対応する無線信号を、前記送信頻度に応じた他の無線資源を用いて送信する
(1)乃至(17)のいずれかに記載の通信装置。
(19) 前記通信装置は、IoT(Internet of Things)の端末デバイスであり、
前記送信部は、LPWA(Low Power Wide Area)通信方式により前記無線信号を送信する
(1)乃至(18)のいずれかに記載の通信装置。
(20) 片方向通信を行う通信装置の通信方法であって、
アプリケーションのデータの送信頻度に応じた無線資源を用いて、前記データに対応する無線信号を送信する
通信方法。