JP7229708B2 - 塗装装置 - Google Patents
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Description
見本板の作成方法としては、エアスプレーガンを使用した手作業による塗装が挙げられる。この場合、作業者は、熟練者である必要がある。
次に、塗装工場の自動化ラインと同様な、ロボット塗装機を使用して見本板を作成することが検討される。この方法によれば、熟練者は必要とされないが、大規模な設備が必要となる問題点がある。これに鑑みて、これまでに、広い設置場所を必要としない塗装装置が提案されている(特許文献1)。
第1の態様の塗装装置は、上下方向に延在する筒状の側周壁を備え前記側周壁の内側に被塗物が搬入される塗装ブースが確保されたカバー壁と、前記塗装ブース内に収容された前記被塗物を支持する被塗物支持台と、前記塗装ブース内に設けられ前記被塗物支持台上に支持された前記被塗物の上方から前記被塗物に向かって塗料を噴霧する噴霧ガンと、前記カバー壁における前記噴霧ガンよりも上方の位置から前記カバー壁内側に空気を供給するエア供給装置と、前記カバー壁の前記側周壁の下端開口部から前記カバー壁内側の空気を排気する排気装置と、前記側周壁内側における前記被塗物支持台よりも下方位置を塞ぐ下部フィルターとを有し、前記カバー壁の前記側周壁は、一定断面で上下方向に延在する内側空間を形成する筒状の側周主壁部と、前記側周主壁部の下端から下方へ先細りのテーパー状に延出するテーパー筒壁と、前記テーパー筒壁の下端から下方へ一定断面で延出する出口筒壁とで構成され、前記下部フィルターは前記側周壁内側における前記出口筒壁を塞ぐフィルターであって、前記側周壁内側における前記被塗物支持台よりも下方位置を最初に塞ぐ部材は前記下部フィルターであり、前記塗装ブースは前記側周主壁部の内側空間である主室部と前記主室部から前記下部フィルターまで延在する空間とで構成され、前記被塗物支持台は前記被塗物を前記塗装ブースの前記主室部内に支持する。
上記塗装装置は、前記塗装ブースの周囲の前記側周壁にその周方向に延在形成された長孔に通された支持バー、前記支持バーの前記カバー壁内側に配置された先端部に固定された前記被塗物支持台、前記カバー壁の外側に配置され前記支持バーを前記長孔の延在方向及び前記側周壁の内外方向に移動させる移動機構、を備える被塗物移動装置と、前記被塗物移動装置の前記移動機構を収容する移動機構カバー壁とを有し、前記移動機構カバー壁の内側空間は前記長孔を介して前記塗装ブースと連通され、前記被塗物支持台は前記被塗物を前記側周壁の前記長孔に対して上方に離隔した位置に支持する構成も採用可能である。
上記塗装装置は、前記移動機構カバー壁の内側に温湿度を調整した空調エアを送給する側部エア供給装置をさらに有していても良い。
上記塗装装置は、前記噴霧ガンを移動する噴霧ガン移動装置をさらに有していても良い。
図1は、本発明に係る第1実施形態の塗装装置10を示す。
なお、図1において、上側を上、下側を下として説明する。
また、塗装装置10は、温湿度を調整した空調エアをカバー壁20内側空間に供給するエア供給装置50、カバー壁20内側の空気を排気する排気装置60、カバー壁20内側に設けられた上部フィルター71及び下部フィルター72も有している。
天壁22は、側周壁21の上端部に、側周壁21の内側空間上を覆うように設けられている。
下部フィルター72はカバー壁20の下端部内側にカバー壁20内側空間を上下に区画するように設けられている。
塗装ブース20Sは、カバー壁20内側における上部フィルター71と下部フィルター72との間の空間を指す。
図1に示す塗装装置10の塗装ブース20Sは、側周主壁部23の内側空間である主室部20S1と、テーパー筒壁24内側に主室部20S1下端から下方へ行くにしたがって先細りのテーパー状に確保されたテーパー室部20S2とを有する。テーパー室部20S2は、主室部20S1下端から下部フィルター72まで延在している。
カバー壁20の側周壁21は、その内側に、塗装ブース20Sの主室部20S1と主室部20S1下端から下方へ下部フィルター72まで延在するテーパー室部20S2とを確保可能な構成であれば良い。側周壁21は、例えば、上下方向において外周サイズが一定で延在する構成も採用可能である。
塗装ブース20Sは、主室部20S1と、テーパー室部20S2を含み主室部20S1から下方へ下部フィルター72まで延在する下部室部とを有する構成であれば良い。下部フィルター72が出口筒壁25のその上端部よりも下方に設けられた構成では、塗装ブース20Sは、テーパー室部20S2と、出口筒壁25の内側空間のうち下部フィルター72よりも上方に位置する部分とで構成された下部室部を有する。
なお、図1に示す塗装装置10の塗装ブース20Sは、テーパー室部20S2のみによって構成される下部室部を有する。
側周主壁部23の4つの側壁21aのひとつには、被塗物T、及びカバー壁20内側にて被塗物Tに塗料を塗装して作成した塗装物が通過可能な窓孔21bが開口形成されている。
開閉扉21dは、側周主壁部23における窓孔21bが開口形成されている側壁21a(窓孔形成側壁21c)に回転可能またはスライド移動可能に取り付けられている。開閉扉21dは、窓孔形成側壁21cに対して回転移動またはスライド移動させることで窓孔21bを開閉できる。
被塗物移動装置は、トレイ30をカバー壁20に対して横方向に移動させる移動機構(図示略)を有している。
トレイ30は、被塗物移動装置によって塗装ブース20Sの主室部20S1(以下、塗装ブース主室部、とも言う)内に支持されている。
被塗物Tはトレイ30のリブ32内側の主板31上面(被塗物載置面)上に取り出し可能に載置される。
トレイ30は、主板31(以下、トレイ主板、とも言う)上に載置された被塗物Tをトレイ主板31外周部のリブ32によって位置決めする。
トレイ30は、その上面(図1ではトレイ主板31上面)が水平の向きで被塗物移動装置に支持されている。
噴霧ガン移動装置は、噴霧ガン40をトレイ30上方に支持し、噴霧ガン40をカバー壁20に対して横方向に移動させる。
噴霧ガン40は、下方に向けて塗料を噴霧し、トレイ30上(図1ではトレイ主板31上面上。以下同)に載置された被塗物Tに塗料を塗装する。
噴霧ガン30は上下方向における被塗物Tとの距離を変更することができる。
噴霧ガン40としては、回転ベル型霧化塗装機やエア霧化型塗装機等を例示できる。
高電圧発生器は、霧化装置により微粒化された霧化粒子を静電気で被塗装物50に塗着させるための装置である。
図1の塗装装置10は、トレイ主板31上面に重ね合わせるようにしてトレイ30上に載置した被塗板Tに噴霧ガン40から噴霧した塗料を塗装し、被塗板Tのトレイ主板31とは逆側の面(上面)に塗膜を形成した塗装物(塗板)を作成することができる。
エア供給装置50は、カバー壁20の天壁22の中央部に設けられた給気ヘッド51(給気口)に給気配管52を介して空調エアを送給する。給気ヘッド51は天壁22中央部に形成された開口部22aに挿入して天壁22に固定されている。給気ヘッド51にはカバー壁20内側空間に開口する給気出口(図示略。給気口)が形成されている。
エア供給装置50から給気配管52を介して給気ヘッド51へ送給された空調エアは、給気ヘッド51の給気出口からカバー壁20内側空間に供給される。
排気装置60は、排気配管61を介してカバー壁20の側周壁21の下端開口部からカバー壁20内側の空気を吸引して排気する。
吸気口を直接または排気配管61を介してカバー壁20の側周壁21の下端開口部に接続したエア供給装置50は排気装置を兼ねる。
カバー壁20内側には、上部フィルター71から上側の空間、すなわち上部フィルター71と天壁22との間の空間である給気チャンバー室20Aが確保されている。
上部フィルター71は通気性を有する。給気チャンバー室20A内の空調エアは、エア供給装置50から給気チャンバー室20Aへの空調エアの供給継続によって、上部フィルター71を透過して上部フィルター71からその下側の塗装ブース20Sへ流出する。塗装ブース20Sには、給気チャンバー室20Aから上部フィルター71を介してダウンフローの空調エアが供給される。
図1のカバー壁20内側を流れる空調エアに図中符号Aを付した。
また、上部フィルター71は、給気チャンバー室20Aから塗装ブース20Sへの空調エアAの流量及び流速の分布を塗装ブース20S横方向において平準化する役割も果たす。
エア供給装置50から給気チャンバー室20Aへの空調エアAの供給が継続すると、給気チャンバー室20Aから塗装ブース20Sへの空調エアAの供給(上部フィルター71を介したダウンフローの空調エアAの供給)も継続される。給気チャンバー室20Aから上部フィルター71を介して塗装ブース20Sへ継続供給されるダウンフローの空調エアAは、塗装ブース20S全体に上部フィルター71から下方へ流れる層流を形成する。
塗装装置10について上部フィルター71を省略した場合、塗装ブース20Sは、カバー壁20内側空間における天壁22と下部フィルター72との間の空間を指す。
下部フィルター72は、塗料ミスト等の塗料がカバー壁20内側空間における下部フィルター72から下方(空調エア流の流れ方向における下部フィルター72から下流側)へ流出することを防ぎ、排気装置60の動作が塗料ダストの吸い込みによって影響を受けることを防止する。
図2の塗装装置110の下部フィルター72の位置以外の構成は、図1の塗装装置10と同様である。
図2の対比例の塗装装置110の塗装ブース110Sにはテーパー室部S2が存在しない。図2の対比例の塗装装置110では、図1の塗装装置10に比べて、トレイ30の主板31上に載置された被塗物Tから下部フィルター72までの距離が短い。
これは、塗装機から吐出されるエア圧力に起因するものであり、エア圧力を低くすることによって影響(塗料固化物P1に高速で衝突して跳ね上がった塗料ダストP2の被塗物Tへの付着)を低減することができる。しかし、塗装装置110にて、実塗装ラインの塗装条件を再現するためには、エア圧力を高く設定する必要がある。
このため、図1の塗装装置10では、下部フィルター72上面の塗料固化物P1にその上方から衝突して跳ね上がった塗料ダストP2がトレイ30上の被塗物Tに到達しにくく、塗料固化物P1から上方へ跳ね上がった塗料ダストP2の被塗物Tへの付着を防ぐことができる。
テーパー室部20S2の上端よりも下方の領域では、塗装ブース主室部20S1に比べて塗装ブース20Sをその上端から下方へ流れる空調エア流の流速が速く、また、テーパー室部20S2の下方へ行くほど空調エア流の流速は速い。
このため、図1の塗装装置10では、噴霧ガン40から下部フィルター72上面の塗料固化物P1に高速で衝突した塗料ダストP2の塗料固化物P1から上方への跳ね上がりを抑えることができる。その結果、図1の塗装装置10では、塗料固化物P1から上方へ跳ね上がった塗料ダストP2の被塗物Tへの付着を確実に防ぐことができ、塗装物の色相、明度、光輝感及び仕上がり性の均一化を実現できる。
塗装装置10の途中シフト塗装動作は、例えば特許文献2に記載の塗装動作と同様のものを採用できる。
図2の対比例の塗装装置110も図1の塗装装置10と同様に、狭小なカバー壁20を採用してコンパクト化、省スペース化することが可能である。
図2の対比例の塗装装置110は、その構造上、図1の塗装装置10に比べてトレイ30上面から下部フィルター72上面までの上下方向の離間距離の確保が困難である。
図2の対比例の塗装装置110では、図1の塗装装置10に比べて、下部フィルター72上面の塗料固化物P1にその上方から衝突し跳ね上がった塗料ダストP2がトレイ30上の被塗物T上面近傍を浮遊することが生じやすい。このため、図2の対比例の塗装装置110では、下部フィルター72上面の塗料固化物P1にその上方から衝突し跳ね上がった塗料ダストP2がトレイ30上の被塗物T上面に付着することが生じやすい。
コンパクト化、省スペース化の要求が低く、サイズが大きいカバー壁20を採用可能な塗装装置では、トレイ30上の被塗物T上面から下部フィルター72上面までの距離を大きく確保可能である。また、この塗装装置では、カバー壁20の側周壁21内周面とトレイ30との間に、下部フィルター72上面の塗料固化物P1に衝突し跳ね上がった塗料ダストP2を広範囲に拡散させるに充分な寸法の離間距離を確保可能である。このため、下部フィルター72上面の塗料固化物P1に衝突し跳ね上がった塗料ダストP2がトレイ30上の被塗物T上面近傍を浮遊することの回避は容易である。
このため、図1の塗装装置10では、コンパクト化、省スペース化のため狭小なカバー壁20を採用した場合でも、下部フィルター72上面の塗料固化物P1にその上方から衝突し跳ね上がった塗料ダストP2がトレイ30に支持された被塗物T上に到達することを防止できる。
その結果、図1の塗装装置10では、狭小なカバー壁20を採用した場合でも、塗料固化物P1から上方へ跳ね上がった塗料ダストP2の被塗物Tへの付着を防ぐことができ、塗装物の色相、明度、光輝感及び仕上がり性の均一化及び安定化を実現できる。
次に、本発明に係る第2実施形態の塗装装置10Aを説明する。
図3、図4に示すように、この実施形態の塗装装置10Aは、第1実施形態の塗装装置10に、被塗物移動装置80の移動機構81を収容した移動機構カバー壁82を設けた概略構成となっている。
この実施形態の塗装装置10Aについて、図3において、上側を上、下側を下として説明する。
なお、図3、図4において、図1と同様の構成部分には共通の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
被塗物移動装置80は、トレイ30と、カバー壁20の長孔26に通された支持バー83と、支持バー83をカバー壁20に対して横方向に移動する移動機構81とを有する。
また、図3に示す被塗物移動装置80のトレイ30は、支持バー83の先端部上に固定、立設された支持脚84上に固定され、カバー壁20に対して横方向(水平方向)に延在する向きで支持されている。また、トレイ30は、支持バー83に、主板31上面がカバー壁20の長孔26に対して上方へ離隔した所に位置するように設けられている。
被塗物移動装置80は、例えば、支持バー83先端部に固定されたトレイ30の主板31自体の厚みによってトレイ主板31上面が長孔26に対して上方へ離隔した所に位置する構成、支持バー83先端部上に突出形成された支持台固定台にトレイ30固定することでトレイ主板31上面が長孔26に対して上方へ離隔した所に位置する構成、等も採用可能である。
第1アクチュエータ85は、第2アクチュエータ86をカバー壁20の長孔26の延在方向(図4中、X方向)に平行に移動する。
図3、図4に示すように、第2アクチュエータ86は、支持バー83のカバー壁20外側に配置された基端部が固定された移動ヘッド86aを有する。第2アクチュエータ86は、支持バー83を移動ヘッド86aとともに、カバー壁20に対する横方向におけるX方向に垂直のY方向(図3、図4参照)に移動する。
長孔26が形成された側壁21cを、以下、奥側側壁21e、とも言う。
図3、図4において、Y方向は、カバー壁20の奥側側壁21eに垂直の方向である。
支持バー83のY方向の移動は、奥側側壁21eに対するカバー壁20内外方向の移動である。
また、移動機構81は、支持バー83を移動することで支持バー83とともにトレイ30(被塗物支持台)を移動する役割を果たす。
以下、移動機構81を、支持台移動機構、とも言う。
図3、図4の塗装装置10Aは途中シフト塗装動作を行なう。
塗装装置10Aが行なう途中シフト塗装動作は、被塗物Tをトレイ30とともに第2アクチュエータ86によって往復運動させながら第1アクチュエータ85によって重ね塗り移動方向(X方向)に移動させ、被塗物の塗装中において途中シフト動作を行なった後、塗装を再開する。
途中シフト動作は、例えば、途中シフト塗装動作の開始から、噴霧ガン40の噴霧中心P3(図4参照)が重ね塗り移動方向における被塗物T中央部に対応する予め設定した位置(シフト動作開始位置)に到達したときに行われることが好適である。
移動機構カバー壁82の内側空間は、カバー壁20の長孔26を介して塗装ブース20Sと連通されている。
排気装置60には、エア供給装置50及び側部エア供給装置87から送給される空調エアを円滑排気できる排気能力を確保し、塗装ブース20S内を下方へ向かって流れる空調エア流の層流状態を安定に保てるようにする。
図5の対比例の塗装装置120では、第2実施形態の塗装装置10Aについて、被塗物移動装置80の支持バー83先端部によるトレイ30の支持位置を上下方向においてカバー壁20の長孔26の形成位置と同じに変更している。
また、図5の対比例の塗装装置120では、図2の第1対比例に準拠して、下部フィルター72の位置を第2実施形態の塗装装置10Aの塗装ブース主室部20S1の下端部に変更し、カバー壁20内側における上部フィルター71と下部フィルター72との間の領域を塗装ブース120Sとした。
また、側部エア供給装置121から移動機構カバー壁82内側への空気の送給圧は、エア供給装置50からカバー壁20内側への空調エアの送給圧よりも低くしている。
特許文献1の図2等を参照して、固定治具は、上下方向において、仕切り板に形成された空間部と重なる位置に被塗装物を支持する。
なお、特許文献1には、格納部内側へのエア送給や、格納部内側の気圧調整のための構成は存在しない。
本発明者は、特許文献1記載の従来構成の塗装装置について、塗装ブース内の塗料ダストが仕切り板の空間部を介して格納部内に進入することを防ぐため、仕切り板に、空間部を塞ぎかつ固定治具の空間部長手方向への移動に追従変形可能な蛇腹状シャッターを設けることを検討した。蛇腹状シャッターは、仕切り板に垂直の方向への固定治具の蛇腹状シャッターに対する摺動移動を可能とする構成である。
蛇腹状シャッターを設ける対策は塗装物の色相、明度、光輝感及び仕上がり性を安定化させることができない。
しかしながら、図5の対比例の塗装装置120を用いた塗装物の作成では、同一の塗料を同一条件で塗装した場合においても、塗装作業のはじめと終わり、フィルター交換前後など、得られる塗装物の色相、明度、光輝感及び仕上がり性に差が出る場合があった。また、特に水性塗料を使用する場合の色相、明度、光輝感及び仕上がり性に影響が大きい被塗物T近傍の温湿度が安定しない場合があった。
このため塗装装置10Aは、仮に、移動機構カバー壁82内側に空調エアではなく未空調エアを供給した場合に比べて、トレイ30に支持された被塗物T上面付近の温湿度を安定に維持でき、被塗物Tの塗装仕上がり(色相、明度、光輝感及び仕上がり性)の均一化、安定化をより確実に実現できる。
しかしながら、図3、図4に示す実施形態の塗装装置10Aのように、被塗物Tを被塗物移動装置80のトレイ30によってカバー壁20の長孔26に対して上方へ離隔した所に支持し、しかも、側部エア供給装置87から移動機構カバー壁82内側へ空調エアを供給する構成であれば、トレイ30に支持された被塗物T上面付近の温湿度を安定に維持でき、被塗物Tの塗装仕上がり(色相、明度、光輝感及び仕上がり性)の均一化、安定化をより確実に実現できる。
本発明に係る実施形態の塗装装置は、例えば、第1実施形態の塗装装置について、噴霧ガン移動装置及び被塗物移動装置の一方または両方を省略した構成も採用可能である。
被塗物支持台は、例えば、被塗物Tが載置される上面(被塗物載置面)を形成する平板状に形成された構成や、被塗物Tの把持及び把持解除とを切り替え可能な把持具を有する構成、等も採用可能である。
平板状の被塗物支持台の上面上に設けられた被塗物は、例えば、被塗物支持台に脱着可能な被塗物押さえ具(脱着型押さえ具)を使用して被塗物支持台に脱着可能に固定する。脱着型押さえ具は、塗物支持台に対して係脱可能なクリップや、被塗物支持台上面に粘着貼付可能な押さえテープ、磁性体(強磁性体)によって形成された被塗物支持台に磁気吸着可能な磁石(永久磁石)を有する構成のもの(吸着押さえ具)等を採用できる。
平板状の被塗物支持台は、被塗物支持台に対して回転可能な被塗物押さえ具(回転型押さえ具)が設けられた構成も採用できる。
磁性体(強磁性体)によって形成された平板状の被塗物支持台は、上面とは反対の下面側に設けられた磁石によって磁性体(強磁性体)製の被塗物Tを磁気吸着して上面上に保持可能とした構成も採用できる。被塗物支持台下側に配置する磁石は、永久磁石、電磁石のいずれも採用可能である。電磁石を採用する場合は、通電装置による電磁石への通電のオン、オフ切り替えによって電磁石の磁力の発生と発生停止とを切り替えることで、被塗物Tの磁気吸着と吸着停止とを切り替える構成を採用できる。
なお、被塗物支持台下側に磁石を配置する構成は、トレイである場合も採用可能である。被塗物支持台が磁性体(強磁性体)によって形成されたトレイである場合は、電磁石をトレイの主板の下側に配置する。
本発明に係る実施形態の塗装装置は、被塗板を塗装する塗板の作成に限定されず、被塗板以外の被塗物の塗装による種々の被塗物の作成に適用できる。
Claims (4)
- 上下方向に延在する筒状の側周壁を備え前記側周壁の内側に被塗物が搬入される塗装ブースが確保されたカバー壁と、
前記塗装ブース内に収容された前記被塗物を支持する被塗物支持台と、
前記塗装ブース内に設けられ前記被塗物支持台上に支持された前記被塗物の上方から前記被塗物に向かって塗料を噴霧する噴霧ガンと、
前記カバー壁における前記噴霧ガンよりも上方の位置から前記カバー壁内側に空気を供給するエア供給装置と、
前記カバー壁の前記側周壁の下端開口部から前記カバー壁内側の空気を排気する排気装置と、
前記側周壁内側における前記被塗物支持台よりも下方位置を塞ぐ下部フィルターとを有し、
前記カバー壁の前記側周壁は、一定断面で上下方向に延在する内側空間を形成する筒状の側周主壁部と、前記側周主壁部の下端から下方へ先細りのテーパー状に延出するテーパー筒壁と、前記テーパー筒壁の下端から下方へ一定断面で延出する出口筒壁とで構成され、
前記下部フィルターは前記側周壁内側における前記出口筒壁を塞ぐフィルターであって、前記側周壁内側における前記被塗物支持台よりも下方位置を最初に塞ぐ部材は前記下部フィルターであり、
前記塗装ブースは前記側周主壁部の内側空間である主室部と前記主室部から前記下部フィルターまで延在する空間とで構成され、
前記被塗物支持台は前記被塗物を前記塗装ブースの前記主室部内に支持する塗装装置。 - 前記塗装ブースの周囲の前記側周壁にその周方向に延在形成された長孔に通された支持バー、前記支持バーの前記カバー壁内側に配置された先端部に固定された前記被塗物支持台、前記カバー壁の外側に配置され前記支持バーを前記長孔の延在方向及び前記側周壁の内外方向に移動させる移動機構、を備える被塗物移動装置と、
前記被塗物移動装置の前記移動機構を収容する移動機構カバー壁とを有し、
前記移動機構カバー壁の内側空間は前記長孔を介して前記塗装ブースと連通され、
前記被塗物支持台は前記被塗物を前記側周壁の前記長孔に対して上方に離隔した位置に支持する請求項1に記載の塗装装置。 - 前記移動機構カバー壁の内側に温湿度を調整した空調エアを送給する側部エア供給装置をさらに有する請求項2に記載の塗装装置。
- 前記噴霧ガンを移動する噴霧ガン移動装置をさらに有する請求項1~3のいずれか1項に記載の塗装装置。
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