JP7228480B2 - 光学ユニット - Google Patents
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Description
前記駆動機構はで揺動駆動される前記可動体からは、前記コイルに給電するためのフレキシブル配線基板(FPC)と、撮像素子等の電気的素子の信号出力用としてのフレキシブル配線基板がそれぞれ延出している。そして、これらのフレキシブル配線基板は、前記固定体の内部に横U字状に湾曲した状態で収容されている。
尚、このような調整がなされた後、前記固定体の載置面に突設された前記突出部と前記フレキシブル配線基板を接着剤などによって固定すれば、調整後に前記可動体の姿勢が崩れることがない。
そして、この場合、前記フレキシブル配線基板は、その延在方向と直交する方向の移動が前記突出部によって規制されるため、前記可動体の原点位置を調整するために必要な当該フレキシブル配線基板の移動(スライド)を許容したまま、前記フレキシブル配線基板位置と向きを操作して前記可動体の原点位置を高精度に調整することができる。
ここで、「許容範囲内」とは、フレキシブル配線基板がその湾曲状態で静置された場合に湾曲癖がつきにくい範囲を意味する。
図1に表したように、本実施形態に係る光学ユニット1は、光学モジュール11の、少なくともピッチング(縦振れ)及びヨーイング(横振れ)の補正機能を備えた光学ユニットである。光学モジュール11は、例えばカメラ付携帯電話機やタブレット型PC等に搭載される薄型カメラ等として用いられる。光学モジュール11を保持して光学モジュール11に生じたピッチング方向及びヨーイング方向の補正を行うアクチュエーター部分が光学ユニット1の主要な構成になっている。
以下、光学ユニット1の具体的構成について詳しく説明する。
まず、本実施形態に係る光学ユニットの基本構成を図1及び図2に基づいて以下に説明する。
なお、以下の説明においては、互いに直交する3つの軸を、図1に示すように、それぞれX軸、Y軸、Z軸としている。この場合、光学モジュール11の光軸Lの方向は、Z軸に沿う方向に一致しており、図1の上方が被写体側となる。また、各方向の振れのうち、X軸回りの回転は、ピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸回りの回転は、ヨーイング(横揺れ)に相当し、Z軸回りの回転は、ローリングに相当する。また、以下においては、図1および図2において、被写体側を「上側」、反被写体側を「下側」として説明する。
図2に示すように、可動体10は、光学モジュール11のレンズを保持するレンズホルダ12を備えており、光学モジュール11は、レンズホルダ12の円筒部12Aの内部に嵌め込まれて固定されている。そして、このレンズホルダ12の反被写体側の端部(図2の下端部)には、矩形プレート状のベース部12Bが一体に形成されており、このベース部12Bの外周の四辺からは矩形プレート状のコイル保持部12Cが被写体方向(図2の上方)に向かって一体に形成されている。ここで、各コイル保持部12Cには、後述する駆動機構40の一部を構成するコイル41(図2参照)を保持するための突起12aが外方(Y軸方向)に向かって一体に突設されている。
図1および図2に示すように、固定体20は、本実施形態では、矩形ボックス状の部材であって、Z軸方向(上下方向)に重ねられた角筒状の第1ケース21および第2ケース22と、第1ケース21の上面開口部を覆う矩形プレート状のカバー23と、第2ケース22の下面開口部を覆う矩形プレート状の底板24によって構成されている。ここで、カバー23の中心部には、円孔状の開口部23aが形成されており、この開口部23aには、可動体10に備えられた光学モジュール11が臨んでいる。
可動体10を固定体20に対して揺動可能に支持するジンバル機構30は、図2に示すように、可動体10のレンズホルダ12の円筒部12Aとコイル保持部12Cとの間に配置された可動枠31を備えている。ここで、可動枠31は、矩形枠として構成されており、光軸L回りに不図示の4つの角部を有している。
そして、可動枠31の図1に示す第1軸線R1方向において対角を成す2つの角部に不図示の第1揺動支点がそれぞれ設けられ、第1軸線R1に直交する第2軸線R2方向において対角を成す2つの角部に不図示の第2揺動支点がそれぞれ設けられている。
可動体10を固定体20に対して相対変位させる駆動機構40は、図2に示すように、可動体10のレンズホルダ12と固定体20の第1ケース21との間に配置されている。駆動機構40は、本実施形態では、可動体10の4つの側面にそれぞれ設けられた全部で4つのコイル41と、固定体20の第1ケース21の内面の各コイル41に対向する位置にそれぞれ固定された板状の4つの磁石(永久磁石)42を備えている。
そして、駆動機構40は、互いに対向配置された各4対のコイル41と磁石42によって発生する磁気駆動力によって、可動体10を固定体20に対して図1に示す第1軸線R1と第2軸線R2の回りに揺動させて手振れを補正する。
ここで、4つの各コイル41には、図2に示すフレキシブル配線基板(FPC)43の一端が電気的に接続されており、該フレキシブル配線基板43は、各コイル41から水平に引き出された後に側面視横U字状に複数回(3回)交互に逆向きに湾曲して固定体20の第2ケース22の内部に収容されている。
その後、フレキシブル配線基板14は、側面視横U字状に湾曲し、その端部は、固定体20の底板24上に実装された制御用IC44に差し込まれて電気的に接続されており、湾曲部の一部は、下ケース22に形成された矩形の開口部22Bから外部に突出している。
以下、本実施形態の調整機構50について詳しく説明する。
本実施形態の調整機構50の構成を図3~図7に基づいて以下に説明する。
図3は図1に示す光学ユニットをその固定体の底板を取り外して上下を逆にして示す斜視図、図4は同光学ユニットの固定体の第2ケースを上下を逆にして示す斜視図、図5は図3のA部を拡大して示す斜視図、図6は図4をB-B線で切断して示す部分斜視図、図7は同光学ユニットをその固定体から底板を取り外して示す底面図である。
ここで、調整機構50は、図2に示すように、フレキシブル配線基板14の湾曲部14Cの曲率半径が許容範囲内となる位置に配置されている。
ここで、孔部14aは、フレキシブル配線基板14の延在方向(図7の上下方向)に長い長孔であって、その幅寸法bは、図7に示すように、突出部22cの外径dと同寸法に設定されている(b=d)。したがって、フレキシブル配線基板14の水平部14Aは、固定体20(第2ケース22)に対してその延在方向と直交する方向(図7の左右方向)の移動が突出部22cによって規制された状態で、延在方向(図7の上下方向)にスライド可能である。
ここで、図5に示すように、各開放部22Cの幅寸法B1は、フレキシブル配線基板14の操作部14Bの幅寸法B2よりも大きく設定されている(B1>B2)。したがって、フレキシブル配線基板14は、その操作部14Bの先端部が開放部22Cの内部で移動可能な範囲(B1-B2)で延在方向(図7の矢印y1,y2方向)にスライドすることができる。
次に、以上で説明した調整機構50による可動体10の姿勢の調整方法について説明する。
本実施形態に係る光学ユニット1の可動体10と固定体20とを組み付けた状態で、可動体10に傾きがある場合には、固定体20の第2ケース22の相対向する2箇所に形成された開放部22Cからフレキシブル配線基板14の操作部14Bを操作してフレキシブル配線基板14の位置と向きを調整する。
この場合、フレキシブル配線基板14は、その延在方向と直交する方向の移動が孔部14aと突出部22cとの係合によって規制されるため、可動体10の原点位置を調整するために必要なフレキシブル配線基板14の移動(スライド)を許容したまま、フレキシブル配線基板14を固定体20の外部から操作して可動体10の原点位置を高精度に調整することができる。
この場合、前述のように(図6参照)、各開放部22C(図6には一方のみ図示)には段部22C1が形成されているため、この段部22C1が調整作業終了後のフレキシブル配線基板14を接着剤で接着して固定する際の橋渡部として利用することができる。このため、フレキシブル配線基板14を作業性良く確実に固定することができる。
尚、調整後のフレキシブル配線基板14の固定は、接着剤による接着のみならず、ネジなどで固定する方式を採用してもよい。
調整機構50が、図2に示す位置よりもさらに右側に配置された場合には、フレキシブル配線基板14の湾曲部14Cの曲率半径が大きくなり、該フレキシブル配線基板14を収容する固定体20(第2ケース22)の上下および左右方向の寸法が大きくなって光学ユニット1が大型化してしまう。
本発明に係る光学ユニット1は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
12 …レンズホルダ、12A…レンズホルダの円筒部、
12B…レンズホルダのベース部、12C…レンズホルダのコイル保持部、
12a…コイル保持部の突起、13…撮像素子(光学モジュール)、
14…フレキシブル配線基板(FPC)、
14A…フレキシブル配線基板の水平部、
14B…フレキシブル配線基板の操作部、
14C…フレキシブル配線基板の湾曲部、14a…フレキシブル配線基板の孔、
14b…フレキシブル配線基板のスリット、
15…ジャイロスコープ(振れ検出手段)、16…キャパシタ、20…固定体、
21…固定体の第1ケース、22…固定体の第2ケース、
22A…第2ケースのベース部、22B…第2ケースの開口部、
22C…第2ケースの開放部、22C1…開放部の段部、
22a…ベース部の載置面、22b…補強リブ、22c…固定体の突出部、
23…固定体のカバー、23a…カバーの開口部、24…固定体の底板、
30…ジンバル機構(揺動支持機構)、31…ジンバル機構の可動枠、
40…駆動機構、41…コイル、42…磁石、
43…フレキシブル配線基板(FPC)、44…制御用IC、50…調整機構、
B1…開放部の幅寸法、B2…プリント配線基板の操作部の幅寸法、
b…孔の幅寸法、d…突出部の外径、L…光軸、R1…第1軸線、
R2…第2軸線
Claims (7)
- 光学モジュールを備える可動体と、
前記可動体を内部に収容する固定体と、
前記可動体を前記固定体に対して揺動可能に支持する揺動支持機構と、
前記可動体を前記固定体に対して相対変位させる駆動機構と、を備え、
前記光学モジュールの電気的素子が接続されるフレキシブル配線基板であって、前記可動体から引き回して前記固定体の内部に収容されるフレキシブル配線基板と、
前記フレキシブル配線基板の位置と向きを調整可能な調整機構であって、前記フレキシブル配線基板の延在方向の中間位置に設けられた調整機構と、を備え、
前記調整機構は、
前記固定体の前記フレキシブル配線基板が載置される載置面に配設された突出部と、
前記フレキシブル配線基板の延在方向の途中位置に形成されて前記突出部に係合し該突出部より大きい寸法を持つ孔部と、
前記フレキシブル配線基板から該フレキシブル配線基板の延在方向と直交する方向に延びる操作部と、
前記固定体の側面に形成された開放部であって、前記操作部の先端部が臨んで位置する開放部と、を備える、ことを特徴とする光学ユニット。 - 請求項1に記載の光学ユニットにおいて、
前記孔部は、
前記フレキシブル配線基板の延在方向に長い長孔であって、
前記長孔の幅寸法は、前記突出部と同寸法である、ことを特徴とする光学ユニット。 - 請求項1または2に記載の光学ユニットにおいて、
前記開放部の幅寸法は、前記フレキシブル配線基板の前記操作部の先端部の幅寸法よりも大きい、ことを特徴とする光学ユニット。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記開放部は段部を有し、
前記フレキシブル配線基板の操作部の一部は前記開放部に入り込んでいる、ことを特徴とする光学ユニット。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記調整機構は、前記フレキシブル配線基板の湾曲部の曲率半径が許容範囲内となる位置に配置されている、ことを特徴とする光学ユニット。 - 請求気項1~5のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記フレキシブル配線基板は、延在方向に長いスリットによって一部が二股状に分岐している、ことを特徴とする光学ユニット。 - 請求項1~6のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
前記フレキシブル配線基板の操作部の上下面または上下面のいずれか一方が前記開放部の内面の少なくとも一部に接触している、ことを特徴とする光学ユニット。
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