以下、本実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、機能が同じ構成要素及び処理には全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置10の機能構成例を示す図である。画像形成装置10は、例えばプリント機能、ファクシミリ機能、スキャン機能、及びコピー機能といった画像の形成に関する複数の機能を有する電子機器であり、ユーザが要求した機能を提供する。
画像形成装置10は、画像の形成に関する機能であれば上記に示した機能と異なる機能を備えていてもよく、例えば入力された画像に対して画像処理を行い、画像を加工する機能等を備えてもよい。また、画像形成装置10は、必ずしも画像の形成に関する機能を複数備えている必要はなく、単体の機能を備えるものであってもよい。
図1に示すように、画像形成装置10は入力部11、制御部12、登録部13、プリント処理部14、ファクシミリ(facsimile:FAX)処理部15、スキャン処理部16、コピー処理部17、通信部18、及び出力部19の各機能部と、記憶装置20を含む。
入力部11は、ユーザからの指示を受け付けて制御部12に通知する。ユーザからの指示には、例えばユーザが所望する機能の開始指示や画像形成装置10の動作を規定する設定項目の設定指示等が存在するが、その中に宛先の登録指示が含まれる。
「宛先」とは、情報を送受信する場合の相手先を表す情報である。宛先として用いられる情報は、相手の特定につながる情報であればどのようなものであってもよく、例えば住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、及びソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service:SNS)におけるアカウントは宛先の一例である。こうしたメールアドレス等は情報の送信先を表す情報であるが、例えば名前のように情報の送信先とは言えないが、相手の特定につながる情報も本実施の形態に係る宛先に含まれる。
画像形成装置10では、例えば後述するスキャン処理部16で生成された画像データを指定した相手に送信するのに利用するため、宛先の登録が行われる。
図2は画像形成装置10に宛先を登録する場合に用いられる登録画面22の一例を示す図である。図2に示す登録画面22の例では、相手の名前、メール、FAX、及びSNSアカウントが登録される。
なお、登録画面22には、宛先によって表される相手がどのような人物であるのかを表す情報を入力する入力領域が設けられており、宛先と共に画像形成装置10に登録される。図2に示す登録画面22の例では、相手が勤務する会社での所属部署や出身地を入力する入力領域が設けられているが、この他に、例えば年齢、出身学校、及び趣味等、相手がどのような人物であるのかを表す情報であればどのような情報を入力してもよいことは言うまでもない。相手がどのような人物であるのかを表す情報(以下、「相手先のことを表す各々の情報」と呼ぶことがある)も相手の特定に用いられる情報であるため、宛先の一例となる。
以降では、例えば図2の登録画面22に含まれるような相手先のことを表す各々の情報を「宛先の属性」という。
制御部12は、入力部11で受け付けたユーザの指示に従った処理が行われるように、画像形成装置10に含まれる他の機能部及び記憶装置20を制御する。
登録部13は、入力部11で宛先の登録指示を受け付けた場合、制御部12の制御に従って、登録画面22に入力された宛先を記憶装置20に登録する。
ユーザは、例えば記憶装置20に登録された宛先の中から送信先となる宛先を選択して画像データを送信することがある。この場合に、登録された各々の宛先が単に一覧表示されただけでは、記憶装置20に登録される宛先の件数が多くなるに従って、希望する宛先を探し出すのに要する時間が長くなる傾向がある。したがって、画像形成装置10では、宛先をグループでも管理するようにしている。
「グループ」とは宛先を分類して管理する場合の管理単位である。グループはユーザの指示に従って作成されるものでもよく、既に装置に存在しているものでもよい。グループの作成にはグループの存在を知らせるために、ユーザにより何らかのグループ属性が設定されるが、そのグループ属性には、一例としてグループ名や、グループ名以外にも、例えばグループの作成日時やグループの作成者名、等グループ全体の特徴を示す属性を設定してもよい。
また、既に装置に存在しているグループとは、例えば装置の初期設置で設定したグループや、装置を購入した初期段階で標準装備されているグループであり、一例として装置が提供する機能毎に分かれているグループ、例えばFAX用のグループ、メール用のグループなどであってもよい。
宛先がグループ単位で管理されると、例えばグループ名のようにグループ全体の特徴を示す属性からグループに含まれる宛先の傾向が想像されるため、グループを選択することで希望する宛先を絞り込むことができるようになる。したがって、宛先をグループで管理した方が、記憶装置20に登録される各々の宛先を一覧表示し、一覧表示された宛先の中からユーザが希望する宛先を選択する場合と比較して、希望する宛先を選択するまでに要する時間が短縮され、操作性が向上することになる。
逆に言えば、希望する宛先が「このグループに登録されているだろう」と想像がつくようなグループ、すなわち「宛先に適したグループ」に登録されていなければ、宛先がグループで管理されていたとしても、ユーザが希望する宛先をグループの中から見つけ出すことが困難になる。
したがって、制御部12は、登録部13が宛先を記憶装置20に登録するのにあわせて、複数のグループの中から、宛先に適したグループを宛先の推奨登録先として表示させる制御を行う。なお、複数のグループの中から宛先に適したグループをどのように選択するかについては後ほど詳細に説明する。
プリント処理部14は、例えばプリント指示と共に画像データを受け付けた場合、制御部12の制御に従って、画像データの内容を用紙等の記録媒体に形成するプリント機能を実行する機能部である。
FAX処理部15は、例えばFAX指示と共に画像データを受け付けた場合、制御部12の制御に従って、図示しないFAX回線を経由して画像データを送受信するファクシミリ機能を実行する機能部である。
スキャン処理部16は、例えば画像の読み取り指示を受け付けた場合、制御部12の制御に従って原稿に記載された内容を光学的に読み取り、原稿の画像データを生成するスキャン機能を実行する機能部である。
コピー処理部17は、例えば原稿のコピー指示を受け付けた場合、制御部12の制御に従い、プリント処理部14及びスキャン処理部16と連動してスキャン処理部16で読み取った原稿の画像データを記録媒体に画像として形成し、読み取った原稿の複製を生成するコピー機能を実行する機能部である。
通信部18は制御部12の制御に従い、例えばFAX回線、電話回線、及びインターネットといった図示しない通信回線に接続される各装置との間で各種情報を送受信する。例えば通信部18は通信回線を通じて、スキャン処理部16で生成された画像データを指定されたメールアドレスやSNSアカウント宛に送信する。また、通信部18は、制御部12を介してFAX処理部15から受け付けた画像データを、指定されたFAX番号宛にFAX回線を通じて送信すると共に、FAX回線から画像データを受信した場合、画像データがFAX処理部15で処理されるように制御部12に通知する。その他、通信部18は通信回線から画像データを受け付けた場合、プリント処理部14で画像データの内容が記録媒体に形成されるように制御部12に通知する。
なお、画像データの送信先は、例えばユーザが登録部13によって記憶装置20に登録された宛先の中から選択することで指定される。
出力部19は制御部12の制御に従い、画像形成装置10における処理状況や、ユーザから各種指示を受け付ける各種画面を表示ユニット38Bに出力する。
図1に示すような画像形成装置10は、例えばコンピュータ30を用いて構成される。
図3は、コンピュータ30を用いた画像形成装置10の電気系統の要部構成例を示す図である。
コンピュータ30は、画像形成装置10に係る各機能部を担うCPU(Central Processing Unit)31、コンピュータ30を画像形成装置10の各機能部として機能させるための情報処理プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)32、CPU31の一時的な作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)33、不揮発性メモリ34、及び入出力インターフェース(I/O)35を備える。そして、CPU31、ROM32、RAM33、不揮発性メモリ34、及びI/O35がバス36を介して各々接続されている。
不揮発性メモリ34は、不揮発性メモリ34に供給される電力が遮断されても、記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。不揮発性メモリ34は必ずしもコンピュータ30に内蔵されている必要はなく、例えばメモリカードのようにコンピュータ30に着脱される記憶装置であってもよい。
I/O35には、例えば通信ユニット37、操作ユニット38、プリントユニット39、及びスキャンユニット40が接続される。
通信ユニット37は通信回線に接続され、通信回線に接続する各装置との間でデータ通信を行う通信プロトコルを備える。通信ユニット37が備える通信プロトコルには、例えばFAX通信を規定するG3規格に沿った通信プロトコルも含まれるため、通信ユニット37はFAX通信にも対応する。
操作ユニット38はユーザに画像形成装置10とのインターフェースを提供するユニットであり、例えば画像形成装置10の筺体に取り付けられている。操作ユニット38には入力ユニット38A及び表示ユニット38Bが含まれる。
入力ユニット38Aは、ユーザからの指示を受け付けてCPU31に通知する入力装置であり、例えばボタン及びタッチパネル等が用いられる。画像形成装置10は、入力ユニット38Aを介してユーザの指示を受け付ける。なお、ユーザの指示は音声で受け付けてもよく、この場合、入力ユニット38Aとしてマイクが用いられる。
表示ユニット38Bは、CPU31によって処理された情報を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイ、及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。
プリントユニット39は、CPU31の指示に従って、画像を記録媒体に形成するユニットである。プリントユニット39における画像形成方式はどのような方式であってもよく、例えば電子写真方式であっても、インクジェット方式であってもよい。プリントユニット39は、プリント機能、コピー機能、及びFAX機能の実行に伴って用いられる。
スキャンユニット40は、CPU31の指示に従って、例えば図示しないプラテンガラスに置かれた原稿の内容を光学的に読み取り、原稿の内容を画像データに変換するユニットである。スキャンユニット40はスキャン機能の実行に伴って用いられる。
なお、コピー機能は、CPU31がスキャンユニット40で得られた画像データをプリントユニット39で記録媒体に形成させることによって実現される。
次に、入力された宛先に適したグループの提示を行う画像形成装置10の動作について説明する。
図4は、ユーザが図2に示した登録画面22に宛先を入力し、画像形成装置10が登録画面22に入力された宛先を受け付けた場合に、CPU31によって実行される宛先の登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。宛先の登録処理を規定する情報処理プログラムは、例えば画像形成装置10のROM32に予め記憶されている。画像形成装置10のCPU31は、ROM32に記憶される情報処理プログラムを読み込み、宛先の登録処理を実行する。
説明の便宜上、例えば画像形成装置10は、メール、FAX、SNSの少なくとも1つを用いて画像データを相手先に送信するものとする。すなわち、画像形成装置10には、ユーザが画像データの送信先を選択しやすいように、メール、FAX、SNSについてそれぞれ複数のグループが作成されている。なお、上述したように、画像形成装置10における画像データの送信形態はメール、FAX、及びSNSに限定されず、通信回線を利用した画像データの送信形態であればどのような形態が利用されてもよい。
まず、ステップS10において、CPU31は、受け付けた宛先を例えば不揮発性メモリ34に記憶して、新たに受け付けた宛先(登録対象の宛先)を画像形成装置10に登録する。宛先が画像形成装置10に登録されただけでは、宛先はまだ何れのグループにも登録されない。したがって、登録された宛先はグループの選択によって表示ユニット38Bに表示されることはなく、登録された宛先の各々を一覧表示した場合に表示ユニット38Bに表示されるにすぎない。
グループの選択によって宛先を絞り込むためには宛先をグループに登録する必要があるが、そのためには、宛先を登録する何らかのグループが作成されている必要がある。
したがって、ステップS20において、CPU31は既に作成されているグループ(以降、「既存グループ」という)が少なくとも1つ存在するか否かを判定する。既存グループが1つも存在しない場合には、新たに登録された宛先は何れのグループにも登録されることなく、図4に示す宛先の登録処理を終了する。既存グループは、本実施の形態に係る予め設定されたグループの一例である。
なお、CPU31は、例えば「宛先を登録するグループを新規に作成しますか?」というようなメッセージを表示ユニット38Bに表示し、ユーザがグループの作成を指示した場合、ユーザの指示に従った属性を有するグループを作成してもよい。CPU31は、作成したグループに宛先を登録する。
一方、ステップS20の判定処理で既存グループが存在すると判定された場合、ステップS30に移行する。
画像形成装置10には宛先の登録先となるグループが存在することから、ステップS30において、CPU31は、宛先をグループに登録するか否かをユーザに確認する登録確認画面24を表示ユニット38Bに表示する。
図5は、登録確認画面24の一例を示す図である。ユーザは、登録画面22から新たに入力した宛先を何れかのグループに登録したい場合には「はい」ボタンを押下する。「はい」ボタンが押下された場合、CPU31に登録要求が通知される。一方、ユーザの中には、宛先をグループに登録しなくてもよいと考えるユーザも存在するため、こうしたユーザは「いいえ」ボタンを押下する。「いいえ」ボタンが押下された場合、CPU31に登録拒否要求が通知される。
したがって、ステップS40において、CPU31は、宛先のグループへの登録要否を示す指示を受け付けたか否かを判定する。まだ指示を受け付けていない場合にはステップS40の判定処理を繰り返し実行して、何らかの指示が通知されるまで待機する。一方、指示を受け付けた場合にはステップS50に移行する。
ステップS50において、CPU31は、受け付けた指示が登録要求であるか否かを判定する。受け付けた指示が登録要求でない場合、すなわち、登録拒否要求を受け付けた場合には、新たに登録された宛先を何れのグループにも登録することなく、図4に示す宛先の登録処理を終了する。一方、受け付けた指示が登録要求の場合にはステップS60に移行する。
ステップS60において、CPU31は、画像データの送信先を表す宛先の属性(「送信先属性」ともいう)が宛先に含まれているか否かを判定する。宛先に送信先属性が含まれていない場合には、例えば「宛先をグループに登録できませんでした。」というようなメッセージを表示ユニット38Bに表示して、新たに登録された宛先を何れのグループにも登録することなく、図4に示す宛先の登録処理を終了する。
この場合、CPU31は、新たに登録された宛先に送信先属性を設定するように促すメッセージを表示ユニット38Bに表示して、ユーザに通知してもよい。ユーザが宛先に送信先属性を設定した場合、CPU31は図4に示す宛先の登録処理のステップS70から処理を開始する。
一方、宛先に送信先属性が含まれている場合にはステップS70に移行する。
ステップS70において、CPU31は、宛先に含まれる送信先属性に基づいて、既存グループ毎に登録対象の宛先に適したグループか否かを選別し、宛先に適したグループとして選択したグループを宛先の推奨登録先として表示ユニット38Bに表示する。
図6は、グループ選択画面26の一例を示す図である。グループ選択画面26には、例えば推奨登録先のグループを表示するグループリスト26A、宛先の登録先となるグループを確定する登録ボタン26B、他のグループを表示する表示ボタン26C、及びグループへの宛先の登録を中止する中止ボタン26Dが含まれる。
CPU31は、既存グループの中から、送信先属性の設定状況からみて登録対象の宛先と関連すると考えられるグループを選択し、選択したグループをグループリスト26Aに表示する。
具体的には、登録対象の宛先にメールアドレスが含まれる場合、CPU31は既存グループの中から、メールに関するグループを選択してグループリスト26Aに表示する。グループがメールに関するグループか否かの判定は、例えばグループ名に「メール」の文字列が含まれるか否かによって判定してもよく、また、グループを作成する場合に設定された、分類内容等を示す属性を参照して判定してもよい。このように、グループに対してユーザが自由に変更、編集をすることができるパラメータなどの、形式的な情報で判定してもよいし、実際にグループを構成する要素(一例として、当該グループに属している宛先にメールアドレスが記入されているか否かといった情報や、当該グループに属している宛先が持つ、他のユーザにとっては自由に変更、編集することができないパラメータなどといった情報)によって判定してもよい。
登録対象の宛先にFAX番号が含まれる場合、CPU31は既存グループの中から、FAXに関するグループを選択してグループリスト26Aに表示する。また、登録対象の宛先にSNSアカウントが含まれる場合、CPU31は既存グループの中から、SNSに関するグループを選択してグループリスト26Aに表示する。
更に、登録対象の宛先にメールアドレス及びFAX番号が含まれる場合、CPU31は既存グループの中から、メール及びFAXに関するグループを選択してグループリスト26Aに表示する。このように、メールアドレス、FAX番号、及びSNSアカウントのうち少なくとも2つの送信先属性が宛先に含まれる場合、CPU31は既存グループの中から、登録対象の宛先に含まれる各々の送信先属性に関するグループを選択してグループリスト26Aに表示する。
図6に示したグループ選択画面26の例では、メール及びFAXに関するグループをグループリスト26Aに表示している。
なお、登録対象の宛先と関連するグループが複数存在する場合、CPU31は、宛先と関連するグループの各々をグループリスト26Aに表示する。グループ選択画面26に一度に表示し切れないほどの宛先と関連するグループが存在する場合、CPU31は、スクロールボタンやページ切り替えボタンをグループ選択画面26に配置して、宛先と関連するグループの各々をユーザに提示する。
グループリスト26Aにはグループ毎にチェックボックスが対応付けられており、ユーザが宛先を登録したいと考えるグループのチェックボックスを押下してチェックマークを付与し、登録ボタン26Bを押下することで、チェックマークが付与されたグループに宛先が登録される。すなわち、登録ボタン26Bが押下された場合、CPU31に宛先の登録指示が通知される。
図6のグループ選択画面26の例ではグループリスト26Aにグループ名が表示されているが、CPU31は、例えばグループ名が押下されると、宛先の登録先となるグループを選択する上でユーザに参考となる情報を表示してもよい。例えばCPU31は、押下されたグループに既に登録されている宛先を表示してもよい。
なお、ユーザが複数のグループにチェックマークを付与して登録ボタン26Bを押下した場合、CPU31は、チェックマークが付与された各々のグループに宛先を登録する。
グループリスト26Aに宛先の登録先に適したグループが表示されておらず、グループリスト26Aに表示されているグループ以外のグループも見てみたい場合、ユーザは、「全てのグループを表示する」と記載された表示ボタン26Cを押下する。表示ボタン26Cが押下された場合、CPU31に宛先の更新指示が通知される。
例えば相手のSNSアカウントがわからないため、後から宛先にSNSアカウントを設定するつもりでSNSアカウントを空欄にしたまま登録画面22に宛先を入力したユーザであれば、図6に示すグループ選択画面26のように、グループリスト26Aにメール及びFAXに関するグループしか表示されていない場合、表示ボタン26Cを押下してSNSに関するグループをグループリスト26Aに表示させる。
また、なんらかの理由によりグループへの宛先の登録を中止したいユーザは、「登録を中止する」と記載された中止ボタン26Dを押下する。中止ボタン26Dが押下された場合、CPU31に登録中止指示が通知される。
ステップS80において、CPU31はグループ選択画面26を通じて、ユーザから何らかの指示を受け付けたか否かを判定する。何れの指示も受け付けていない場合にはステップS80の判定処理を繰り返し実行して、ユーザからの指示を待ち受ける。一方、ユーザから何らかの指示を受け付けた場合にはステップS90に移行する。
ステップS90において、CPU31は、受け付けた指示が登録指示か否かを判定する。登録指示を受け付けた場合にはステップS100に移行する。
ステップS100において、CPU31はグループ選択画面26のグループリスト26Aを参照して、チェックマークが付与されている各々のグループに宛先を登録し、図4に示す宛先の登録処理を終了する。
例えば図6に示すように、ユーザAの宛先の登録先として「FAXグループ(東京)」が選択された場合、「FAXグループ(東京)」にユーザAが登録される(図7参照)。ユーザAにFAXで画像データを送信したいユーザは、FAXグループ(東京)の中からユーザAを選択することで、ユーザAと関連付けられたFAX番号宛に画像データが送信されることになる。
一方、ステップS90の判定処理で受け付けた指示が登録指示ではないと判定された場合には、ステップS110に移行する。
ステップS110において、CPU31は、受け付けた指示が登録中止指示か否かを判定する。登録中止指示を受け付けた場合、ユーザはグループへの宛先の登録を希望していないことから、新たに登録された宛先を何れのグループにも登録することなく、図4に示す宛先の登録処理を終了する。
一方、ステップS110の判定処理で受け付けた指示が登録中止指示ではないと判定された場合には、ステップS120に移行する。
この場合、CPU31は宛先の更新指示を受け付けたことになるためステップS120に移行し、ステップS120において、CPU31は、例えば送信先属性に応じてグループを絞り込む前のグループ、すなわち、画像形成装置10に存在する全ての既存グループを、グループ選択画面26のグループリスト26Aに表示する。そして、グループリスト26Aが更新されたグループ選択画面26を通じてユーザからの新たな指示を受け付けるため、ステップS80に移行してユーザからの新たな指示を待ち受ける。以降、CPU31は、ユーザからの指示に従って、既に説明したステップS80以降の処理を実行する。
なお、図4に示した宛先の登録処理におけるステップS120の処理では、CPU31は宛先の更新指示を受け付けた場合、画像形成装置10に存在する全ての既存グループをグループ選択画面26のグループリスト26Aに表示したが、宛先の更新指示を受け付ける前にはグループリスト26Aに表示していなかったグループだけを選択して、グループリスト26Aに表示するようにしてもよい。
このように本実施の形態に係る画像形成装置10によれば、ユーザが新たな宛先を登録する場合に、受け付けた宛先の属性と関連する属性を有するグループを宛先の推奨登録先としてユーザに提示する。
ここでは画像形成装置10を用いて、宛先の登録にあわせて宛先の推奨登録先となるグループをユーザに提示する動作について説明したが、本実施の形態に係るグループの表示形態は画像形成装置10にのみ適用されるものではない。本実施の形態に係るグループの表示形態は、ユーザから宛先の登録を受け付けると共に、登録された宛先をグループに分類して管理するような情報処理装置にも適用される。すなわち、画像形成装置10は本実施の形態に係る情報処理装置の一例である。
本実施の形態に係る情報処理装置には、例えばデスクトップコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、及びウェアラブル端末のように、宛先の登録及び表示を行う機能を有する情報機器も含まれる。
<第1実施形態の変形例1>
第1実施形態では宛先の送信先属性に着目して、宛先と関連するグループを提示する例について説明したが、例えば宛先にメールアドレスが含まれ、メールに関するグループが細分化されている場合、グループ選択画面26のグループリスト26Aにはメールに関する全てのグループが表示されることになる。例えばメールに関するグループが100個あれば、100個のグループがグループリスト26Aに表示される。
このような場合、グループリスト26Aに表示されたグループが宛先に適したグループであったとしても、ユーザは膨大な数のグループから宛先に適したグループを選択することになり、グループの数が増加するにつれて、グループの選択に要する時間が長くなる。
したがって、本変形例では図8のステップS70で、グループリスト26Aに表示するグループを選択するために用いた属性と異なる属性、及びグループに関する履歴情報を用いて、グループリスト26Aに表示するグループを絞り込む画像形成装置10の動作について説明する。
「グループに関する履歴情報」とは、グループを作成したユーザが設定するグループの属性と異なり、ユーザによるグループの選択操作やグループへの宛先の登録操作に伴って記録される情報である。グループの選択やグループへの宛先の登録が行われた場合、画像形成装置10は例えばグループの選択回数、グループの選択時間帯、及びグループを選択したユーザを一意に識別するユーザID(Identification:ID)、並びに、グループ毎の宛先の登録数、宛先の登録時間帯、及び宛先をグループに登録したユーザのユーザID、メッセージ送信が可能なグループでは、メッセージが送信された回数や、最終メッセージが送信された時間帯といった情報を履歴情報として不揮発性メモリ34に記憶する。本変形例ではこのような履歴情報を宛先とグループとの関連度の設定に用いる。
図8は、図4に示した宛先の登録処理のステップS70で、複数の既存グループの中から送信先属性に基づいて宛先に適したグループを選択した後で、かつ、ステップS80に移行する前に、CPU31によって実行されるグループの絞り込み処理の流れの一例を示すフローチャートである。グループの絞り込み処理を規定する情報処理プログラムは、例えば画像形成装置10のROM32に予め記憶されている。画像形成装置10のCPU31は、ROM32に記憶される情報処理プログラムを読み込み、グループの絞り込み処理を実行する。
ステップS200において、図4のステップS70でグループの選択に用いた属性とは異なる何れかの属性を、登録対象の宛先から取得する。
本実施の形態では、図4のステップS70で送信先属性を用いて宛先に適したグループを選択していることから、CPU31は送信先属性以外の属性を取得する。以降では、宛先の属性とグループの属性に応じて宛先に適したグループを選択した後、選択したグループの中から更に宛先に適したグループを絞り込むために用いられる属性を「絞り込み属性」という。また、説明の便宜上、図4のステップS70で宛先の属性とグループの属性に応じて選択されたグループを「1次グループ」という。
絞り込み属性として用いる属性は、例えば図2に示した登録画面22を用いて宛先を登録する場合に、ユーザが指定してもよい。ユーザが絞り込み属性を指定しなかった場合には、予め定められた属性が絞り込み属性として取得される。ここでは一例として、CPU31が登録画面22に設定された所属部署を絞り込み属性として取得する例について説明する。登録画面22の所属部署には「営業部」が設定されているものとする。
ステップS210において、CPU31は1次グループの中から、ステップS200で取得した絞り込み属性が設定されている宛先を含むグループを抽出する。これにより、登録対象の宛先と同じ属性を有する宛先が登録されているグループが抽出される。具体的には、所属部署に「営業部」が設定されている宛先を含むグループが抽出される。したがって、送信先属性に基づいて選択されたグループであっても、例えば所属部署に「総務部」が設定されている宛先しか含まないグループは除外され、宛先に適したグループが絞り込まれる。
次にステップS220において、CPU31は、1次グループに含まれる各グループの履歴情報を不揮発性メモリ34から取得する。上述したように、グループに関する履歴情報には様々な種別の情報が含まれるため、ステップS220で取得する履歴情報の種別をユーザが指定してもよい。ユーザが取得する履歴情報の種別を指定しなかった場合には、予め定められた種別の履歴情報が取得される。ここでは一例として、ユーザが画像データの送信先を設定する場合に選択したグループ毎の選択回数を履歴情報として取得する例について説明する。
ステップS230において、CPU31は、ステップS210で抽出されたグループがあるか否か、すなわち、ステップS200で取得した絞り込み属性が設定されている宛先を含むグループがあるか否かを判定する。ステップS210で抽出されたグループがある場合にはステップS240に移行する。
ステップS240において、CPU31は、絞り込み属性によって絞り込まれたグループと、ステップS220で取得した履歴情報を組み合わせて、ユーザがグループに登録しようとしている宛先、すなわち、登録対象の宛先と、絞り込まれたグループとの関連度を設定する。
グループにおける宛先との関連度とは、宛先の属性及びグループの履歴情報の少なくとも一方に基づいて算出される、当該宛先の登録先としての推奨度合いのことである。宛先との関連度が高いグループほど、宛先の登録先としての推奨度合いが高いグループであることを示している。
例えば所属部署が「営業部」に設定された宛先を含むグループであっても、各々のグループが画像データの送信先として同程度に選択されることは少なく、実際にはグループの選択回数に差が生じる。他のグループに比べて選択回数の少ないグループは、例えば既に取引を行っていないような相手の宛先が登録されているグループであったりすることから、これから画像データの送信先として利用しようとするユーザの意思に従って登録される宛先を、こうしたグループに登録させることは好ましくない。したがって、CPU31は、取得した履歴情報がグループの選択回数の場合には、選択回数の多いグループほど宛先との関連度が高くなるように関連度を設定する。
なお、例えば取得した履歴情報が、宛先をグループに登録したユーザのユーザIDである場合、登録対象の宛先をグループに登録しようとしているユーザのユーザIDが多く記録されているグループほど、当該ユーザが宛先を登録する確度の高いグループであると言えるため、登録対象の宛先との関連度を高く設定すればよい。
また、例えば海外にいる相手の日中の時間帯にあわせて仕事をする場合、相手の宛先をグループに登録する時間帯は、相手の日中の時間帯に行われることが多いため、相手が居住する国や地域に応じて、特定の時間帯に宛先の登録が行われる傾向が見られる。このような場合には、例えばグループへの宛先の登録時間帯を履歴情報として取得し、ユーザが登録対象の宛先をグループに登録しようとしている時間帯と同じ時間帯に登録された宛先の登録数が多いグループほど、登録対象の宛先との関連度を高く設定すればよい。
このように、CPU31は、ユーザによるグループへの宛先の登録状況と、取得した履歴情報から得られる、グループへの既存宛先の登録状況やグループの選択状況を比較し、同じ傾向が見られるグループや、頻繁に用いられるグループといった履歴情報の種別に応じて得られるグループの利用傾向を示す統計情報から、グループ毎に登録対象の宛先との関連度を設定する。
そして、ステップS250において、CPU31は、ステップS210で絞り込み属性を用いて絞り込んだ各々のグループを、登録対象の宛先との関連度がわかるようにグループ選択画面26のグループリスト26Aに表示する。
具体的には、CPU31は絞り込んだグループのグループ名と共に、関連度を数値化して表示してもよい。例えば選択回数の最も多いグループから順に1位、2位、・・・というように選択回数の順位を各々のグループに割り当て、グループの選択回数の順位を宛先との関連度として表示してもよい。また、グループの選択回数そのものを登録対象の宛先との関連度として表示してもよい。
また、CPU31は、登録対象の宛先との関連度を数値として表すのではく、グループを表示する位置によって表すようにしてもよい。例えばCPU31は、登録対象の宛先との関連度が高いグループほどグループリスト26Aの上方に配置することで、絞り込まれたグループが、登録対象の宛先との関連度が高い方から順にグループリスト26Aに表示されることになる。
なお、登録対象の宛先との関連度の表示形態はこれに限られず、CPU31は、登録対象の宛先との関連度が高いグループほど、グループリスト26Aの下側に表示されるように配置してもよい。また、CPU31は、登録対象の宛先との関連度が高いグループほど、グループ名を表示する文字の大きさやグループ名を表示する表示領域の大きさを大きくするようにしてもよい。
以上によって図8に示すグループの絞り込み処理を終了し、図4に示した宛先の登録処理のステップS80に移行する。
一方、ステップS230の判定処理で、ステップS210で抽出されたグループがないと判定された場合、すなわち、1次グループの中に、登録対象の宛先と同じ絞り込み属性が設定された宛先を含むグループが存在しない場合、ステップS260に移行する。
この場合、グループリスト26Aに表示するグループを絞り込み属性で絞り込むことができない。しかしながら、本変形例の場合、ステップS220でグループに関する履歴情報を取得していることから、ステップS260において、CPU31はグループに関する履歴情報を用いて、絞り込み属性でグループリスト26Aに表示するグループを絞り込む前のグループ、すなわち、1次グループの各々に対して登録対象の宛先との関連度を設定する。
取得した履歴情報がグループの選択回数の場合には、ステップS240の処理で説明したように、選択回数が少ないグループを登録対象の宛先の登録先として推奨することは好ましくない。したがって、CPU31は、選択回数の多いグループほど関連度が高くなるように、登録対象の宛先との関連度を設定する。
そして、ステップS270において、CPU31は、登録対象の宛先との関連度がわかるように1次グループの各々をグループ選択画面26のグループリスト26Aに表示し、図8に示すグループの絞り込み処理を終了する。その後、図4に示した宛先の登録処理のステップS80に移行する。
図9及び図10は、登録対象の宛先に設定されている“所属部署=「営業部」”を絞り込み属性とし、宛先との関連度の設定に用いる履歴情報にグループの選択回数を用いて、図8に示すグループの絞り込み処理を実行した場合の説明図である。
図9及び図10では、それぞれ1次グループとして「メールグループ(東京)」、「メールグループ(大阪)」、「メールグループ(仙台)」、「メールグループ(福岡)」、「メールグループ(神奈川)」、「メールグループ(名古屋)」、「メールグループ(京都)」、及び「メールグループ(埼玉)」が選択されている。また、1次グループにおける各々のグループの選択回数の大小関係は、「メールグループ(東京)」>「メールグループ(仙台)」>「メールグループ(大阪)」>「メールグループ(福岡)」>「メールグループ(神奈川)」>「メールグループ(名古屋)」>「メールグループ(京都)」>「メールグループ(埼玉)」となっているものとする。なお、選択回数が多い方のグループから順に、選択回数に関して「1位」、「2位」、・・・、「8位」のグループと表すことがある。
図9に示す例では、1次グループから“所属部署=「営業部」”の属性を有する宛先を含むグループが抽出された場合の状況を示しており、「メールグループ(東京)」、「メールグループ(大阪)」、「メールグループ(仙台)」、「メールグループ(神奈川)」、及び「メールグループ(名古屋)」にそれぞれ“所属部署=「営業部」”の属性を有する宛先が含まれている状況を示している。抽出されたグループにおける選択回数の大小関係は「メールグループ(東京)」>「メールグループ(仙台)」>「メールグループ(大阪)」>「メールグループ(神奈川)」>「メールグループ(名古屋)」であるから、図9に示すように、グループ選択画面26のグループリスト26Aには例えば上方から“「メールグループ(東京)」、「メールグループ(仙台)」、「メールグループ(大阪)」、「メールグループ(神奈川)」、「メールグループ(名古屋)」”の順に表示されることになる。
図10に示す例では、1次グループに“所属部署=「営業部」”の属性を有する宛先を含むグループが存在しない場合の状況を示しており、この場合、1次グループの各々がグループリスト26Aに表示されることになる。
しかしながら、1次グループにおける選択回数の大小関係は、「メールグループ(東京)」>「メールグループ(仙台)」>「メールグループ(大阪)」>「メールグループ(福岡)」>「メールグループ(神奈川)」>「メールグループ(名古屋)」>「メールグループ(京都)」>「メールグループ(埼玉)」である。したがって、図10に示すように、グループ選択画面26のグループリスト26Aには、例えば上方から選択回数の多いグループの順に表示されることになる。
なお、本変形例では、登録対象の宛先から取得した絞り込み属性を用いて、グループ選択画面26のグループリスト26Aに表示するグループを1次グループから絞り込んだ後、グループ毎の履歴情報を用いて、登録対象の宛先と絞り込まれたグループとの関連度を設定する例について説明した。
しかしながら、グループ毎の履歴情報を用いて、登録対象の宛先とグループとの関連度を設定する場合、必ずしも絞り込み属性を用いてグループリスト26Aに表示するグループを1次グループから絞り込む処理を行った後でなければならないということはない。グループ毎の履歴情報を用いて、登録対象の宛先と1次グループとの関連度を設定した後、絞り込み属性を用いてグループリスト26Aに表示するグループを1次グループから絞りこんでもよい。また、絞り込み属性を用いてグループリスト26Aに表示するグループを1次グループから絞り込むことなく、グループ毎の履歴情報を用いて設定した宛先と1次グループとの関連度に従って、1次グループをグループリスト26Aに表示してもよい。
図8のステップS250では、1次グループのうち、登録対象の宛先と同じ絞り込み属性を有する宛先が登録されているグループの各々をグループリスト26Aに表示したが、例えば登録対象の宛先との関連度が高い方から上位N件(Nは1以上の整数)のグループを表示するというように、宛先の推奨登録先として提示するグループの数を制限してもよい。宛先の推奨登録先として提示するグループの数を制限する形態は、図8のステップS270で、1次グループの各々をグループリスト26Aに表示する場合に適用してもよい。
本変形例では、グループに含まれる宛先の属性をグループの属性として、登録対象の宛先の属性と比較することで、1次グループから宛先の推奨登録先となるグループを抽出した。このように、グループの属性には、例えばグループ名のようにグループ全体の特徴を示す属性の他、グループに登録されている宛先の属性も含まれる。
<第1実施形態の変形例2>
第1実施形態の変形例1では、1次グループを登録対象の宛先の属性に基づいて絞り込み、グループの履歴情報を用いて宛先と絞り込まれたグループとの関連度を設定したが、一方で、グループとの関連度は、グループに登録対象の宛先と同じ属性を有する宛先が登録されているか否かによっても設定される。
例えば、登録対象の宛先と同じ属性を有する宛先が登録されているグループは、登録対象の宛先と類似する宛先が登録されていることから、登録対象の宛先と同じ属性を有する宛先が登録されていないグループに比べて、宛先とグループとの関連度が高いと考えられる。これは、例えば所属部署が「営業部」のユーザの宛先は、総務部のユーザだけをまとめて登録したグループのように、営業部に所属するユーザの宛先が1件も登録されていないグループよりも、営業部に所属するユーザの宛先が登録されているグループに登録された方がよいことからも自明である。
本変形例では、登録対象の宛先に含まれる属性とグループの履歴情報を用いて宛先とグループとの関連度の設定を行い、設定した関連度に基づいて、グループ選択画面26のグループリスト26Aに推奨登録先となるグループを表示する画像形成装置10の動作について説明する。
図11は、図4に示した宛先の登録処理のステップS70で、既存グループの中から送信先属性に基づいて宛先に適したグループ、すなわち、1次グループを選択した後で、かつ、ステップS80に移行する前に、CPU31によって実行される関連度設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。関連度設定処理を規定する情報処理プログラムは、例えば画像形成装置10のROM32に予め記憶されている。画像形成装置10のCPU31は、ROM32に記憶される情報処理プログラムを読み込み、関連度設定処理を実行する。
ステップS300において、CPU31は、1次グループの選択に用いた属性(図4に示した宛先の登録処理の例の場合は送信先属性)とは異なる何れかの属性を絞り込み属性として、登録対象の宛先から取得する。
ステップS310において、CPU31は1次グループの中から、何れか1つのグループを選択する。ステップS310で選択したグループを「選択グループ」という。
ステップS320において、CPU31は選択グループに登録されている各々の宛先(「既存宛先」という)を参照し、ステップS300で取得した絞り込み属性と同じ属性を有する既存宛先の数を集計する。
ステップS330において、CPU31は、1次グループの中にまだステップS300の処理で選択されていない未選択のグループが存在するか否かを判定する。未選択のグループが存在する場合にはステップS310に移行する。すなわち、1次グループに含まれる全てのグループが選択されるまでステップS310~S330を繰り返し実行することで、1次グループに含まれる各々のグループに対して、ステップS300で取得した絞り込み属性と同じ属性を有する既存宛先の数が集計される。
ステップS330の判定処理で、1次グループに含まれる全てのグループが選択されたと判定された場合、ステップS340に移行する。
ステップS340において、CPU31は、1次グループに含まれる各グループについて、予め指定された種別の履歴情報を不揮発性メモリ34から取得する。
ステップS350において、CPU31は、1次グループの中に、ステップS300で取得した絞り込み属性と同じ属性を有する既存宛先が1つ以上あるグループが存在するか否かを判定する。当該グループが1つでも存在する場合にはステップS360に移行する。
ステップS360において、CPU31は、1次グループに含まれる各グループに対して、ステップS300で取得した絞り込み属性と同じ属性を有する既存宛先の数に応じた、登録対象の宛先との関連度を設定する。具体的には、CPU31は、ステップS300で取得した絞り込み属性と同じ属性を有する既存宛先が多く登録されているグループほど、登録対象の宛先との関連度を高く設定する。
上述したように、登録対象の宛先と同じ属性を有する宛先が登録されているグループは、登録対象の宛先と同じ属性を有する宛先が登録されていないグループに比べて、宛先とグループとの関連度が高いことについて説明したが、同じ理由により、登録対象の宛先と同じ属性を有する宛先の登録数が多いグループほど宛先に適したグループと言えるため、登録対象の宛先との関連度を高く設定することが好ましい。
また、CPU31は、図8に示したグループの絞り込み処理におけるステップS240で説明した処理に従い、ステップS340で取得した履歴情報を用いて、1次グループに含まれる各々のグループに対して登録対象の宛先との関連度を設定する。
そして、CPU31は、絞り込み属性によって設定した関連度と、履歴情報によって設定した関連度を合計して、グループ毎に登録対象の宛先との最終的な関連度を設定する。すなわち、例えば他のグループに比べて絞り込み属性によって設定された関連度が低いグループであっても、他のグループよりも履歴情報によって設定された関連度が高いグループであれば、1次グループの中で登録対象の宛先との関連度が最も高いグループになることもあり得る。
ステップS370において、CPU31は、設定した登録対象の宛先との関連度に従って、推奨登録先のグループを登録対象の宛先との関連度がわかるようにグループ選択画面26のグループリスト26Aに表示して、図11に示す関連度設定処理を終了する。
なお、グループの表示形態については、図8に示したグループの絞り込み処理におけるステップS250で説明した表示形態が適用される。グループリスト26Aに推奨登録先のグループを表示する場合、CPU31は、例えば登録対象の宛先との関連度が高い方から上位N件のグループを表示するというように推奨登録先として提示するグループの数を制限すれば、推奨登録先のグループが1次グループから絞り込まれることになる。
一方、ステップS350の判定処理で、ステップS300で取得した絞り込み属性と同じ属性が設定された既存宛先が何れのグループにも存在しない場合、ステップS380に移行する。
この場合、絞り込み属性によってグループの関連度が設定できないため、図8に示したグループの絞り込み処理におけるステップS260と同じように、CPU31はステップS340で取得したグループに関する履歴情報を用いて、1次グループに含まれる各々のグループに対して登録対象の宛先との関連度を設定する。そして、既に説明したステップS370で、設定した登録対象の宛先との関連度に従って、推奨登録先のグループを登録対象の宛先との関連度がわかるようにグループ選択画面26のグループリスト26Aに表示して、図11に示す関連度設定処理を終了する。
なお、図11に示す関連度設定処理を終了した後、図4に示した宛先の登録処理のステップS80に移行し、グループ選択画面26を通じたユーザからの指示を待ち受ける。
図12は、登録対象の宛先に設定されている“所属部署=「営業部」”を絞り込み属性とし、宛先との関連度の設定に用いる履歴情報にグループの選択回数を用いて、図11に示す関連度設定処理を実行した場合の説明図である。図12のグループ名には、1次グループに含まれるグループが列記されている。
1次グループに含まれるグループ、及び1次グループに含まれる各グループの選択回数に関する大小関係については、図9及び図10に示した前提と同じであるとする。また、1次グループに含まれる各グループにおける“所属部署=「営業部」”の属性を有する宛先の登録件数は「宛先件数」として列記されており、図12の例の場合、「メールグループ(東京)」、「メールグループ(大阪)」、「メールグループ(仙台)」、「メールグループ(神奈川)」、及び「メールグループ(名古屋)」にそれぞれ“所属部署=「営業部」”の属性を有する宛先が含まれている状況を示している。
画像形成装置10は、例えば“所属部署=「営業部」”の属性を有する宛先の登録件数が多いグループから順に順位をつけることで、各々のグループに対して絞り込み属性による関連度を設定する。この場合、順位を示す値が小さいグループほど、登録対象の宛先との関連度が高いことを示していることになる。絞り込み属性によって各々のグループに設定された順位(関連度)は図12に示す通りである。
また、画像形成装置10は選択回数の多いグループから順に順位をつけることで、各々のグループに対して履歴情報による関連度を設定する。この場合、絞り込み属性による関連度の設定と同じく、順位を示す値が小さいグループほど、登録対象の宛先との関連度が高いことを示していることになる。履歴情報によって各々のグループに設定された順位(関連度)は図12に示す通りである。
そして、画像形成装置10は絞り込み属性による関連度を示すグループの順位と、履歴情報による関連度を示すグループの順位を合計し、合計値が少ないグループから順に「1位」、「2位」、・・・、「8位」と順位を設定する。この場合、順位を示す値が小さいグループほど、登録対象の宛先との関連度が高いことを示していることになる。
したがって、図12に示す1次グループの例では、図13に示すように登録対象の宛先との関連度が高いグループから順に「メールグループ(東京)」、「メールグループ(仙台)」、「メールグループ(大阪)」、「メールグループ(名古屋)」、「メールグループ(神奈川)」、「メールグループ(福岡)」、「メールグループ(京都)」、「メールグループ(埼玉)」の並びとなる。例えば登録対象の宛先との関連度が高い方から上位3件のグループを宛先の推奨登録先として提示する場合、「メールグループ(東京)」、「メールグループ(仙台)」、及び「メールグループ(大阪)」がグループ選択画面26のグループリスト26Aに表示される。
なお、図11に示す関連度設定処理では、絞り込み属性を1つ用いて登録対象の宛先との関連度を設定する例について説明したが、複数の絞り込み属性を用いて登録対象の宛先との関連度を設定してもよい。この場合、取得した絞り込み属性毎に登録対象の宛先との関連度を設定し、設定した各々の関連度と、履歴情報によって設定される関連度を合計することで、登録対象の宛先との最終的な関連度が設定される。
図14は2つの絞り込み属性と1つの履歴情報を用いて設定したグループの関連度の例を示す図である。具体的には、“所属部署=「営業部」”と“出身地=「名古屋」”を絞り込み属性として用いており、図14の例では「営業部」が「絞り込み属性1」、「名古屋」が「絞り込み属性2」に対応している。
各グループにおける、出身地が「名古屋」の属性を有する宛先の登録件数と順位が図14の「絞り込み属性2による関連度」の欄で示されている状況の場合には、「絞り込み属性1による関連度」の順位と、「履歴情報による関連度」と、「絞り込み属性2による関連度」の順位を合計することで、「絞り込み属性と履歴情報による関連度」欄に記載された関連度が得られる。
したがって、図14に示す1次グループの例では、図15に示すように登録対象の宛先との関連度が高いグループから順に「メールグループ(東京)」、「メールグループ(神奈川)」、「メールグループ(大阪)」、「メールグループ(福岡)」、「メールグループ(仙台)」、「メールグループ(名古屋)」、「メールグループ(京都)」、「メールグループ(埼玉)」の並びとなる。例えば登録対象の宛先との関連度が高い方から上位3件のグループを宛先の推奨登録先として選択する場合、所属部署だけを絞り込み属性に用いて登録対象の宛先との関連度を設定した場合と異なり、「メールグループ(東京)」、「メールグループ(神奈川)」、及び「メールグループ(大阪)」がグループ選択画面26のグループリスト26Aに表示される。
なお、図14では絞り込み属性を複数取得する例について説明したが、グループの履歴情報を複数取得し、絞り込み属性を複数取得した場合の例と同じようにして、各々のグループに登録対象の宛先との関連度を設定してもよいことは言うまでもない。
このように本変形例に係る画像形成装置10によれば、登録対象の宛先に含まれる属性によって設定される登録対象の宛先との関連度と、グループの履歴情報によって設定される登録対象の宛先との関連度を合計することで最終関連度を設定する。そして、画像形成装置10は、最終関連度に従ってユーザに提示する推奨登録先のグループを絞り込む。
<第2実施形態>
第1実施形態では、宛先を登録する場合に、宛先の属性と関連する属性を有するグループを宛先の推奨登録先として提示する情報処理装置の例として、画像形成装置10を用いて説明したが、本実施の形態に係る情報処理装置は画像形成装置10に限られない。
第2実施形態では、SNSのアプリケーションが動作するコンピュータやスマートフォン等の情報機器50を用いてSNSに宛先を登録する例を通して、本実施の形態に係る情報処理装置の動作について説明する。
図16は、情報機器50の機能構成例を示す図である。情報機器50は入力部51、制御部52、出力部53、及び通信部54の各機能部と、記憶装置55を含む。
入力部51は、ユーザからの指示を受け付けて制御部52に通知する。ユーザからの指示には、例えばSNSアプリケーションの起動指示やSNSに対する宛先の登録指示等が存在する。
既に説明したように、本実施の形態に係る「宛先」とは、情報を送受信する場合の相手先を表す情報であることから、ユーザ毎に定められたSNSアカウントがSNSにおける宛先に相当する。なお、本実施の形態に係るSNSアカウントには、情報の送信先として用いられる、ユーザを一意に識別する情報の他、SNSにおけるユーザのニックネーム等が含まれていてもよい。
制御部52は、入力部51で受け付けたユーザの指示に従った処理が行われるように、情報機器50に含まれる他の機能部及び記憶装置55を制御する。
出力部53は制御部52の制御に従い、情報機器50における処理状況や、ユーザから各種指示を受け付ける各種画面を表示装置に出力する。
通信部54は制御部52の制御に従い、ユーザがSNSに入力した情報を、ユーザが指定したSNSアカウント宛に送信する。また、通信部54は、SNSを利用する他のユーザのSNSアカウントからの情報を受信して制御部52に通知する。SNSを通じて他のユーザから受信した情報や自分がSNSに投稿した情報は、制御部52によって「タイムライン」と呼ばれる情報の表示領域に表示される。
記憶装置55は、ユーザが情報の送信相手として登録しているSNSアカウントをグループ毎に記憶する。
情報の送信相手として登録しているSNSアカウントには、例えばタイムラインに情報が表示されるようにフォローしたユーザのSNSアカウントや、フォローされているユーザのSNSアカウントが含まれる。フォローとは、特定のユーザがSNSに投稿した情報を共有する仕組みであり、例えば特定のユーザを自分の友達としてSNSに登録し、登録した友達の間で情報を共有することもフォローの1形態である。以降では、情報の送信相手となる相手ユーザのことを「友達」と表すことにする。
したがって、以降では相手ユーザをフォローしてユーザのSNSアカウントをSNSに登録することを「友達を登録する」という。ユーザが登録した友達のSNSアカウントは、「友達リスト」としてまとめて記憶される。友達リストは通信回線を通じてSNSを提供するサーバの記憶装置に記憶されるが、情報機器50の記憶装置55に記憶するようにしてもよい。各ユーザの友達リストは、他のユーザから参照可能である。
ユーザがSNSを通じて友達に情報を伝える場合には、例えば登録した友達の中から情報の送信先となる友達を選択して、伝えたい情報を送信する。この場合、SNSでは、ユーザが友達リストの中から複数の友達を抽出し、メッセージや画像といった情報を同時に共有するためのグループ機能を提供する。
SNSのグループにはユーザによって、例えば「趣味仲間」や「同級生」のようにグループ名が設定される。
なお、情報機器50の機能構成は図16に示す機能構成例に限定されるものではない。ユーザとのインターフェースを提供する入出力機能、受け付けた情報を処理する処理機能、及び通信回線を通じてデータ通信を行う通信機能を備えていれば、情報機器50が例えばカメラで画像を撮影する撮影部のような他の機能部を備えていてもよい。
図17は、情報機器50としてコンピュータ60を用いた場合の電気系統の要部構成例を示す図である。
コンピュータ60は、情報機器50に係る各機能部を担うCPU61、コンピュータ60を情報機器50の各機能部として機能させるための情報処理プログラムを記憶するROM62、CPU61の一時的な作業領域として使用されるRAM63、不揮発性メモリ64、及びI/O65を備える。そして、CPU61、ROM62、RAM63、不揮発性メモリ64、及びI/O65がバス66を介して各々接続されている。
I/O65には、例えば通信ユニット67、入力ユニット68、及び表示ユニット69が接続される。
通信ユニット67は、有線及び無線の少なくとも一方の通信回線に接続され、通信回線に接続する各装置との間でデータ通信を行う通信プロトコルを備える。SNSを提供するサーバとの情報の送受信も通信ユニット67を通じて行われる。
入力ユニット68は、ユーザからの指示を受け付けてCPU61に通知する入力装置であり、例えばボタン、タッチパネル、キーボード、及びマウス等が用いられる。
表示ユニット69は、CPU61によって処理された情報を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、及び映像をスクリーンに投影するプロジェクタ等が用いられる。
なお、I/O65に接続されるユニットは図17に示した各ユニットに限られず、例えばCPU61の制御によって画像を撮影するカメラユニット等が接続されてもよい。
次に、SNSアプリケーション上で新たな友達の登録を受け付けた場合に、受け付けた友達の登録先として適したグループの提示を行う情報機器50の動作について説明する。
図18は、新たに登録しようとする友達(登録対象の友達)のSNSアカウントを受け付けた場合に、CPU61によって実行される友達の登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。友達の登録処理を規定する情報処理プログラムは、例えば情報機器50のROM62に予め記憶されている。情報機器50のCPU61は、ROM62に記憶される情報処理プログラムを読み込み、友達の登録処理を実行する。
ステップS400において、CPU61は、受け付けた友達のSNSアカウントを例えば不揮発性メモリ64に記憶して、新たに受け付けた友達のSNSアカウントを友達リストに登録する。友達のSNSアカウントが友達リストに登録されただけでは、友達はまだ何れのグループにも登録されない。友達リストはユーザが登録したユーザの一覧表として機能する。
グループの選択によって友達を絞り込むためには友達をグループに登録する必要があるが、そのためには、友達を登録する何らかのグループが作成されている必要がある。
したがって、ステップS410において、CPU61は既に作成されているグループが少なくとも1つ存在するか否かを判定する。
グループが1つも存在しない場合には、新たに登録された友達は何れのグループにも登録されることなく、図18に示す友達の登録処理を終了する。
なお、CPU61は、例えば「友達を登録するグループを新規に作成しますか?」というようなメッセージを表示ユニット69に表示し、ユーザがグループの作成を指示した場合、ユーザの指示に従ったグループ名を有するグループを作成してもよい。CPU61は、作成したグループに友達を登録する。
一方、ステップS410の判定処理でグループが存在すると判定された場合、ステップS420に移行する。
SNSには友達の登録先となるグループが存在することから、ステップS420において、CPU61は、図5に示した登録確認画面24を表示ユニット69に表示して、友達をグループに登録するか否かをユーザに確認する。
ステップS430において、CPU61は、グループへの友達の登録要否を示す指示を受け付けたか否かを判定する。まだ指示を受け付けていない場合にはステップS430の判定処理を繰り返し実行して、何らかの指示が通知されるまで待機する。一方、指示を受け付けた場合にはステップS440に移行する。
ステップS440において、CPU61は、受け付けた指示が登録要求であるか否かを判定する。受け付けた指示が登録要求でない場合、すなわち、登録拒否要求を受け付けた場合には、新たに登録された友達を何れのグループにも登録することなく、図18に示す友達の登録処理を終了する。一方、受け付けた指示が登録要求の場合にはステップS450に移行する。
SNSの場合、登録したい友達のSNSアカウントを入力するだけで登録が完了することから、友達の属性としてSNSアカウントしか設定されないことが多い。したがって、本実施の形態でも、SNSアカウントが唯一の友達の属性である状況について説明する。
すなわち、第1実施形態に示した画像形成装置10のように、例えばメールアドレス、FAX番号、及びSNSアカウントといった複数の送信先属性が友達に設定されることはないため、送信先属性に応じて推奨登録先となるグループを提示することができない。
したがって、CPU61は、登録対象の友達のSNSアカウントではなく、登録対象の友達が保持している友達リストを用いて、登録対象の友達と各々のグループとの関連度を設定する。なお、友達リストは友達に関連付けられている情報であり、友達リストには登録対象の友達が自身の友達として登録したユーザのSNSアカウントが含まれるため、本実施の形態に係る宛先と関連付けられている関連宛先の一例と言える。なお、友達リストは、登録対象の友達自身が登録を保留にしている友達(例えば、一方的に相手から登録されただけで、友達登録の保留リストに表示されている状態の友達)は除いたものであってもよい。
そのため、ステップS450において、CPU61は、登録対象の友達の友達リストが存在するか否かを判定する。友達リストの存在が確認できない場合には、例えば「友達をグループに登録できませんでした。」というようなメッセージを表示ユニット69に表示して、登録対象の友達を何れのグループにも登録することなく、図18に示す友達の登録処理を終了する。
一方、友達リストが存在する場合にはステップS460に移行し、ステップS460において、CPU61は、登録対象の友達の友達リストを取得する。
ステップS470において、CPU61は、存在するグループの中から何れか1つのグループを選択する。
ステップS480において、CPU61はステップS460で取得した友達リストと、ステップS470で選択したグループを参照して、友達リストと選択したグループの両方にそれぞれ登録されている友達の数を集計する。以降では、友達リストと選択したグループの両方にそれぞれ登録されている友達を「共通の友達」という。共通の友達は、共通の宛先の一例である。また、グループに登録されている友達と、友達リストのうちの一部の友達で共通する友達を「共通の友達」といってもよく、友達リストのうち、登録対象の友達が登録を保留にしている友達や、一度もメッセージを送っていない友達を除いた友達と、グループに登録されている友達との共通する友達を「共通の友達」といってもよい。
ステップS490において、CPU61は、存在するグループの中にまだステップS470の処理で選択されていない未選択のグループが存在するか否かを判定する。未選択のグループが存在する場合にはステップS470に移行する。すなわち、存在する全てのグループが選択されるまでステップS470~S490を繰り返し実行することで、グループの各々に対して、友達リストにも含まれる共通の友達の数が集計される。
ステップS500において、CPU61は、グループ毎に集計された共通の友達の数に基づいて登録対象の友達と各々のグループとの関連度を設定し、登録対象の友達に適したグループを推奨登録先として表示ユニット69に表示する。
共通の友達が多いグループほど、登録対象の友達がグループ名で表されるユーザの特徴を有する確度が高いと考えられる。例えば「趣味仲間」のグループに共通の友達が6名登録され、「同級生」のグループに共通の友達が2名登録されている場合、登録対象の友達は、ユーザの「同級生」よりも「趣味仲間」である確度の方が高い。従って、CPU61は共通の友達が多く登録されているグループほど、登録対象の友達との関連度が高いグループとなるように関連度を設定する。
その上で、CPU61は、登録対象の友達とグループとの関連度がわかるように、図6に示したようなグループ選択画面26のグループリスト26Aに友達の推奨登録先のグループを表示する。具体的には、CPU61は、高い関連度が設定されたグループから順にグループリスト26Aの上方から下方に向かって表示する。すなわち、共通の友達が多く登録されているグループほど、グループリスト26Aの上方に表示される。CPU61は、グループリスト26Aに表示するグループの数を、関連度が上位N件のグループに制限してもよい。
なお、共通の友達が登録されているグループがある状況で、共通の友達が1人も登録されていないグループにユーザが友達を登録する可能性は低いため、CPU61は、共通の友達が1人も登録されていないグループをグループリスト26Aに表示しないようにしてもよい。
グループ選択画面26に登録対象の友達に対する推奨登録先となるグループを表示した後、ステップS510に移行する。
なお、グループ選択画面26におけるグループの選択に関するステップS510、S520、S530、S540、及びS550の処理は、それぞれ図4に示した宛先の登録処理におけるステップS80、S90、S100、S110、及びS120と同じ処理となるため説明を省略する。以上により、図18に示す友達の登録処理を終了する。
図19は、情報機器50で図18に示す友達の登録処理が行われた場合の具体例を示す図である。図19に示す例では、ユーザAはグループα、グループβ、及びグループγの3つのグループに属している状態で、ユーザAがユーザBを友達として登録する状況を表している。
なお、ユーザBの友達リストには「ユーザE」、「ユーザF」、「ユーザH」、及び「ユーザI」の4人の友達(具体的には友達のSNSアカウント)が登録されているものとする。また、グループαには「ユーザA」、「ユーザC」、及び「ユーザD」の3人の友達、グループβには「ユーザA」、「ユーザE」、及び「ユーザF」の3人の友達、グループγには「ユーザA」、「ユーザF」、及び「ユーザG」の3人の友達が登録されている。
この場合、ユーザBの友達リストとグループαに登録されている共通の友達の数は0人、ユーザBの友達リストとグループβに登録されている共通の友達の数は2人、ユーザBの友達リストとグループγに登録されている共通の友達の数は1人となる。したがって、グループ選択画面26のグループリスト26Aには、上方から「グループβ」、「グループγ」、「グループα」の順に推奨登録先のグループが表示される。
図18では、登録対象の友達の友達リストと各グループにおける共通の友達の数から設定した登録対象の友達とグループとの関連度に基づいて、登録対象の友達に適したグループを提示したが、登録対象の友達とグループとの関連度の設定方法はこれに限られない。
登録対象の友達とグループとの関連を定量的に表す尺度であれば、登録対象の友達とグループとの関連度をどのような尺度に従って設定してもよい。
例えば登録されている友達の数が多いグループは、他のグループに比べてユーザが友達を登録しやすいグループであると言えるため、グループに登録されている友達の数が多いグループほど、高い関連度を設定してもよい。
また、情報機器50は、グループ毎に登録対象の友達とグループとの関連度を設定しなくても、登録対象の友達とグループとの関連が認められる予め定めた条件を満たすグループを、登録対象の友達に適したグループとして提示してもよい。
例えば、共通の友達が登録されているグループは、共通の友達が登録されていないグループよりも登録対象の友達との関連が認められるため、情報機器50は、共通の友達が少なくとも1人登録されているグループを、登録対象の友達に適したグループとして提示してもよい。この例に従えば、図19に示した友達の登録処理が行われた場合、「グループβ」及び「グループγ」が推奨登録先のグループとして提示される。
なお、例えば何れのグループにも共通の友達が登録されていない場合や、まだグループに友達が登録されていない状況の場合には、情報機器50は、各々のグループをグループ名に従ってグループ選択画面26のグループリスト26Aに五十音順に表示する等、グループの属性の一例であるグループ名に従った表示を行ってもよい。また、情報機器50はグループの作成順、最後に友達がグループに登録された日時順、グループに含まれる友達との情報の送受信回数順に従って、各々のグループをグループ選択画面26のグループリスト26Aに表示してもよい。
このように本実施の形態に係る情報機器50によれば、SNS上の友達に設定されている属性がSNSアカウントしかなく、また、グループの属性もグループ名しか設定されていないような状況であっても、グループに登録されている友達と、登録対象の友達の友達リストに含まれる友達を比較することで、友達の推奨登録先となるグループを提示する。
<第2実施形態の変形例1>
上記に示した実施形態では、登録対象の友達の属性としてSNSアカウントしか設定されていない前提での友達の登録処理について説明した。しかしながら、SNSによっては友達の属性として、例えば年齢、勤務先、及び出身学校といった属性が設定されているものがある。
このようなSNSの場合、情報機器50はSNSアカウントと異なる友達の属性、すなわち絞り込み属性を用いて、グループ選択画面26のグループリスト26Aに表示するグループを絞り込んでもよい。
そのためには、例えば図18に示した友達の登録処理で選択された登録対象の友達に適したグループに対して、図8に示したグループの絞り込み処理と同様の処理を実行すればよい。
図20は、図18に示した友達の登録処理のステップS500で、登録対象の友達の友達リストと各グループの共通の友達の数に基づいて登録対象の友達に適したグループを選択した後で、かつ、ステップS510に移行する前に、CPU61によって実行されるグループの絞り込み処理の流れの一例を示すフローチャートである。グループの絞り込み処理を規定する情報処理プログラムは、例えば情報機器50のROM62に予め記憶されている。情報機器50のCPU61は、ROM62に記憶される情報処理プログラムを読み込み、グループの絞り込み処理を実行する。
ステップS600において、CPU61は、登録対象の友達からSNSアカウントとは異なる何れかの属性を取得する。ステップS600で取得した属性がグループの「絞り込み属性」となる。なお、本変形例でいう「1次グループ」とは、図18に示した友達の登録処理によって選択されたグループのことをいう。
ステップS610において、CPU61は1次グループのうち、ステップS600で取得した絞り込み属性が設定された友達が登録されているグループを抽出して、1次グループを絞り込む。
ステップS620において、CPU61は、ステップS610で1次グループから抽出したグループを、グループ選択画面26のグループリスト26Aに表示して、図20に示すグループの絞り込み処理を終了する。なお、CPU61は、1次グループに登録対象の友達との関連度が設定されている場合には、登録対象の友達との関連度がわかるように、グループをグループリスト26Aに表示する。
この場合、第1実施形態で説明したように、CPU61は複数の絞り込み属性を用いてグループを絞り込んでもよい。
また、CPU61は、図20のステップS610で絞り込み属性を用いてグループを絞り込む場合、絞り込み属性と同じ属性を有する友達の数を1次グループに含まれるグループ毎に集計し、絞り込み属性と同じ属性を有する友達の数が多いグループほど、登録対象の友達との関連度が高くなるように関連度を設定してもよい。共通の友達の数と、絞り込み属性と同じ属性を有する友達の数というように、グループに対して複数の観点から関連度が設定されている場合には、各々の関連度を合計して、登録対象の友達との最終的な関連度をグループに設定すればよい。
以上、実施の形態を用いて本発明について説明したように、本実施の形態に係るグループには属性が設定されており、画像形成装置10や情報機器50は、グループの中に宛先の属性と同じ属性を有するグループ、または関連する属性を有するグループが存在するか判定する。そして、画像形成装置10や情報機器50は、宛先の属性と同じ属性を有するグループ、または関連する属性を有するグループが存在する場合に、これらのグループが宛先の推奨登録先のグループとして提示される。
なお、本発明は実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で処理の順序を変更してもよい。
本実施の形態では、一例として各処理をソフトウェアで実現する形態について説明したが、各処理のフローチャートと同等の処理を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)に実装し、ハードウェアで処理させるようにしてもよい。この場合、各処理をそれぞれソフトウェアで実現した場合と比較して、処理の高速化が図られる。
また、上述した実施の形態では、情報処理プログラムがROMにインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る情報処理プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば、本発明に係る情報処理プログラムを、CD(Compact Disc)-ROM、又はDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、本発明に係る情報処理プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びフラッシュメモリ等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。更に、画像形成装置10及び情報機器50のような情報処理装置は、通信回線を通じて、通信回線と接続される外部装置からプログラムを取得するようにしてもよい。