JP7224108B2 - ティシュペーパー収納体 - Google Patents

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Description

本発明は、ティシュペーパー収納箱に複数のティシュペーパーからなる束を収納したティシュペーパー収納体に関する。
複数枚のティシュペーパーからなる束を紙製の収納箱内に収納し、その収納箱(カートン箱或いはカートンとも称される)の上面に設けられた取出口からポップアップ式に引き出して使用するティシュペーパー収納体が知られる。
ティシュペーパー収納体におけるティシュペーパー収納箱は、従来、片面の白層にコーティング剤を塗工したコート白ボール紙(白コートボール、白ボール、コートボールともいわれる、以下、コートボールという)が使用されている。
ティシュペーパー収納箱に用いられるコートボールは、古紙原料を主体としたものでありながら高精細な印刷適性を確保するため、印刷面に複数回のコーティングによる塗工層が設けられており、厚みが厚く重量が高く固いものであった。
ゆえに従来のティシュペーパー収納体は、荷資材を含む製品重量が重く、積載時や搬送時に、外郭であるティシュペーパー収納箱が潰れることがあった。また、塗工層が厚いために通気性が低く、吸湿したウエブの放湿が遅く、倉庫内積層時に収納箱の強度が低下しやすく、特に高湿度環境下において箱潰れが発生しやすかった。さらに、カートン原紙からティシュペーパー収納箱を製箱する際の折り加工時に、各面の間の稜線部分に罫割れなど折りの精密さに欠ける部分があり、この折りの精密さが低い部分が上記の箱潰れの起点となることがあった。
一方で、ティシュペーパー収納体は、輸送時や使用時に内部のティシュペーパー束や取り出されるティシュペーパーと収納箱とが擦れて紙粉が発生することがある。したがって、ティシュペーパー収納体においては、ティシュペーパー束やティシュペーパーと収納箱との擦過性及び紙粉抑制に優れることが求められる。
特開2008-87854号公報
そこで本発明の主たる課題は、ティシュペーパー収納箱外表面層部の印刷適性、ティシュペーパーやティシュペーパー束とティシュペーパー収納箱との擦過性及び紙粉抑制に優れ、ティシュペーパー収納箱の箱潰れがし難い、特に保湿ティシューを内包しても箱潰れがし難い、ティシュペーパー収納体を提供する
上記課題を解決するための第一の手段は、
底面部、取出口が形成される天面部、一対の長側面部及び一対の短側面部を有する直六面体の収納箱内に、複数のティシュペーパーの束が収納されているティシュペーパー収納体であって、
前記収納箱が、表面層、表下層、並びに少なくとも1層の中層及び/若しくは裏面層の層構成からなる坪量250g/m2~350g/m2、密度0.77~0.90g/cm3の多層抄きの紙包装容器用原紙を組み立てたものであり、
前記紙包装容器用原紙が、混合クラフトパルプと古紙パルプからなる表面層と表下層を有し、前記中層及び前記裏面層には、機械パルプ含有古紙由来の古紙パルプが用いられ、前記混合クラフトパルプは、針葉樹晒クラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプの混合物であり、前記針葉樹晒クラフトパルプ/前記広葉樹晒クラフトパルプが、40:60~60:40の割合であり、前記紙包装容器用原紙の縦目の圧縮強度が650から800Nである、
ことを特徴とするティシュペーパー収納体である。
第二の手段は、
前記表面層が混合クラフトパルプと、上質系古紙パルプとが、45:55~55:45の割合で混合してなり、前記表下層が古紙統計分類における特白、中白、白マニラ又は模造、色上からなる古紙由来の古紙パルプからなり、JISP8127による前記紙包装容器用原紙の製品水分が、6.5~8.0%である上記第一の手段に係るティシュペーパー収納体である。
第三の手段は、
前記表面層には片面当たり2~10g/m2の顔料と接着剤を主成分とする表面塗工層を有し、該表面塗工層の白色度が75%以上、白紙光沢度が20%~50%である上記第一及び第二の手段に係るティシュペーパー収納体である。
第四の手段は、
前記裏面層の外表面には、ポリビニルアルコール、紙力増強剤、滑剤からなる裏面塗工層が設けられている上記第一乃至第三の手段のいずれかのティシュペーパー収納体である。
第五の手段は、
前記ポリビニルアルコールは、重合度が1000~2000且つケン化度が98.0~99.0であり、前記紙力増強剤は変性ポリアクリルアミド系紙力増強剤であり、前記滑剤がポリエチレンワックスからなるワックス粒子の水分散物である上記第四の手段に係るティシュペーパー収納体である。
第六の手段は、
ティシュペーパーの束が、1プライの坪量が10~18g/m2であるティシュペーパーを2プライとして、150~220組ポップアップ式に積層したものであり、前記収納箱の高さが38~100mmである、上記第一の手段に係るティシュペーパー収納体である。
第七の手段は、
ティシュペーパーが、ポリオールを含む薬液が付与されたものである上記第一の手段に係るティシュペーパー収納体である。
本発明によれば、ティシュペーパー収納箱外表面層部の印刷適性、ティシュペーパーやティシュペーパー束とティシュペーパー収納箱との擦過性及び紙粉抑制に優れ、ティシュペーパー収納箱の箱潰れがし難いティシュペーパー収納体が提供される。
本発明に係るティシュペーパー収納体の斜視図である。 本発明に係るティシュペーパー収納体の構造を示す斜視図である。 本発明に係るティシュペーパー収納体の使用時の斜視図である。 本発明に係るティシュペーパー収納体の展開図である。 本発明に係るティシュペーパー収納体の断面図である。 本発明に係るティシュペーパー収納体の収納箱の断面拡大図である。
以下、本発明に係るティシュペーパー収納体を図1~図6を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明に係るティシュペーパー収納体は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本明細書(特許請求の範囲、図面を含む。)に記載の事項を逸脱しない範囲内において、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
本実施形態に係るティシュペーパー収納体1は、複数枚のティシュペーパー2t,2t…が、折り畳まれ積層されてなるティシュペーパー束2が、天面部11に環状に閉じた部分を有する取出口形成用ミシン目20が形成された収納箱10に収納され、使用時に取出口形成用ミシン目20の裂開により形成される取出口20Xからティシュペーパー2tを取り出すと、隣接して積層されている下層のティシュペーパー2tの一部が取出口20Xから露出される、所謂ポップアップ形式のものである。
ティシュペーパー束2が収納される収納箱10は、カートン箱やカートンとも呼ばれる直六面体の形状であり、収納体1の外郭をなすものである。この収納箱10は、上記のとおり天面部11に取出口20Xを形成するための取出口形成用ミシン目線20を有しており、またその取出口形成用ミシン目線20により囲まれる範囲20aは、収納箱内側からスリットを有するシート材31によって覆われている。天面部11に形成される取出口形成用ミシン目線20は環状をなし、適宜のカットタイ比で構成されている。取出口形成用ミシン目線20は、通常のミシン目線の他、二重ミシン目線、ジッパーミシン目線等で構成することができる。一部分のみ二重ミシン目線としてもよい。
本実施形態に係る取出口形成用ミシン目線20は、収納箱10の長手方向に延在する長辺21,21とこの長辺21,21の端同士を繋ぐ短手縁に平行な短辺22,22とを有し、取出口形成用ミシン目線20に囲まれる範囲20aの形状は、収納箱10の長手方向に沿う方向が長い適宜の形状である。一般的には、収納箱10の長手方向に沿うやや細長い角取り矩形、或いはその矩形の長辺21,21の中央部を外方に向かってやや膨張させてアーチ状とし、楕円に近い形状としたものである。図示の形態は後者の例を示している。
他方、本実施形態に係るティシュペーパー収納体1では、上記のとおり取出口形成用ミシン目線20で囲まれる範囲20aが収納箱内面に貼付されたシート材31によって被覆されている。シート材31は、取出口形成用ミシン目線20により囲まれる範囲20aより大きく、例えば、矩形や楕円形であり、収納箱天面部の箱内側において、特に取出口形成用ミシン目線20の切り剥がしに影響がないように、取出口形成用ミシン目線20に囲まれる範囲20aの外側で接着剤40によって貼付されている。シート材31におけるスリット30は、前記取出口形成用ミシン目線20により囲まれる範囲20aで長手方向に沿って位置されており、したがって、取出口形成用ミシン目線20に沿ってその取出口形成用ミシン目線20で囲まれる範囲20aを切り剥がすことにより、天面部11に取出口20Xが形成されるとともに、前記シート材31及びスリット30が取出口20Xを介して露出される。そして、このスリット30から一枚ずつティシュペーパー2tが引き出せるようになる。なおシート材31は、公知の樹脂製のフィルムや紙が用いられる。
収納箱10の大きさは、特に限定されないが、公知の多くのティシュペーパー収納体1は長手縁の長さL1が110~320mm、短手縁の長さL2が70~200mm、高さL3が40~150mm程度であり、本実施形態に係る収納箱10もこの大きさとすることができる。
本実施形態に係る収納箱10の構造は、底面部12と一方の長側面部13を糊代部12Aで糊付けして筒状とした後、天面部11、底面部12及びこれらを連接する長側面部13から延出する各フラップF1,F2,F3を箱内面側に折り返し、各フラップF1,F2,F3の当接部分をホットメルト接着剤等により接着して短側面部14を構成した構造となっている。特に、本実施形態の収納箱10は、長側面部13からのフラップF1を折り返し、底面部12からのフラップF2を折り返して前記長側面部13からのフラップF1に重ね、さらに天面部11からのフラップF3を折り返して、底面部12からのフラップF2に重ねるようにして短側面部14が形成されている。但し、収納箱10は、この構造に限定されるわけではない。
本発明に係るティシュペーパー収納体1に係る収納箱10は、カートン原紙とも称される紙包装容器用原紙71を組み立てたものであり、より具体的には、紙包装容器用原紙71を打ち抜くなどしてカートンブランクとも称される紙包装容器用原紙である箱展開状シートを組み立ててなる。ここで、本発明に係るティシュペーパー収納体1に係る上記紙包装容器用原紙71は、下記特徴的な構成を有している。図6は、ティシュペーパー収納体1の収納箱10の一部断面拡大図、すなわち、収納箱を構成する紙包装容器用原紙の一態様を示す概念的断面図である。図6に示す紙包装容器用原紙71は、表面層72、表下層73、中層74及び裏面層75の層構造を有する基紙76を有し、基紙76の表面層側表面(以下「上表面」とする。)上に表面層用塗工液から成る表面塗工層77が設けられ、基紙76の裏面層側表面(以下「下表面」とする。)上に裏面塗工液から成る裏面塗工層78が設けられている。収納箱10は、前記上表面を外表面側、下表面を内側として構成されている。
表面層と表下層について、混合クラフトパルプと古紙パルプとからなる構成を有している。以下に好ましい態様を説明する。先ず、表面層72について説明すると、表面層72に使用されるパルプは、主に針葉樹晒クラフトパルプや広葉樹晒クラフトパルプの混合パルプ(以下「混合晒クラフトパルプ」とする。)が望ましい。この混合晒クラフトパルプの割合としては、(針葉樹晒クラフトパルプ):(広葉樹晒クラフトパルプ)=40:60~60:40にして形成される。これにより、紙包装容器用原紙の低米坪・軽量化が図られ、表面層のパルプ繊維の結合が強くなり、耐罫線割れしがたいものとなるとともに、微細繊維や無機物の欠落が防止される。したがって、このような紙包装容器用原紙を組み立てた収納箱を有するティシュペーパー収納体においては、収納体自体の軽量化がなされるとともに、制裁な稜線が形成されたものとなり、箱潰れがし難い。
なお、針葉樹晒クラフトパルプの割合が40未満であり且つ広葉樹晒クラフトパルプの割合が60を超えると、長繊維パルプが少なくなることで罫線割れが発生しやくなる。一方針葉樹晒クラフトパルプの割合が、60を超え、且つ広葉樹晒クラフトパルプの割合が40未満であると、長繊維パルプが多すぎるために、表面層を均一な地合いとすることができず(平坦にすることができず)、印刷不良の原因となるとともに、紙包装容器用原紙の低米坪・軽量化を図るにあたり、紙がしまりにくくなり、収納箱の剛性を確保することが難しくなる。なお、混合晒クラフトパルプは、繊維が柔らかくカレンダー処理を施す際に繊維が潰れ易いため、紙包装容器用原紙を形成するにあたっては、表面塗工層の形成前に基紙にカレンダー処理を施すことにより、さらに基紙の表面が平坦となり、表面層用塗工液を表面層上に均一に塗工することが可能となる。
また、表面層72は、上述の混合晒クラフトパルプに加えて、古紙統計分類における上白カード由来の古紙(例えば、上白古紙、コート紙等)からなる上質系古紙パルプ(以下単に「上質系古紙パルプ」とする。)が加えられたものであってもよい。このことでまた更に、本発明に係る紙包装容器用原紙は、低米坪・軽量化を図ることが可能となり、表面層72のパルプ繊維の結合を強くし、罫線割れし難くなり、収納箱の稜線の精密さが高まり箱潰れがし難くなるとともに、微細繊維(例えば紙粉等)や無機物の欠落も防止される。表面層72において、上質系古紙パルプは、上述の混合晒クラフトパルプとの混合割合、即ち(混合晒クラフトパルプ):(上質系古紙パルプ)=45:55~55:45となることが好ましい。なお、混合晒クラフトパルプの割合が45未満であり且つ上質系古紙パルプの割合が55を超えると、長繊維パルプが少なくなることで罫線割れが発生しやすくなり、稜線の精密さが低下しやすくなる。一方混合晒クラフトパルプの割合が、55を超え、且つ上質系古紙パルプの割合が45未満であると、長繊維パルプが多すぎるために、表面層を均一な地合いとすることができず(平坦にすることができず)、印刷不良の原因となるとともに、本紙包装容器用原紙の低米坪・軽量化を図るにあたり、紙が締まり難くなり、収納箱の剛性を確保することが難しくなる。
なお、紙包装容器用原紙を形成するにあたって、表面層72は、上記パルプのみでも、表面層72は成立するが、サイズ剤、硫酸バンド、紙力増強剤(後述の表面増強剤とは別)といった内添薬品を使用してもよい。この場合、サイズ剤は、10~20kg/PT(絶乾パルプトン)くらいが好ましく、硫酸バンドは、60~70kg/PTくらいが好ましく、紙力増強剤は、30~50kg/PTが、表面層へ印刷におけるインクの含浸量調整、サイズ剤や紙力増強剤の原料パルプへの定着、表層面の強度向上を確保する故に好ましい。この場合のサイズ剤は、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ロジン等の内添サイズ剤が用いられる。また、紙力増強剤のうち、湿潤紙力増強剤には尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(PAE)、ポリビニルアミン(PVAm)など、乾燥紙力増強剤としてはカチオン化でんぷんやカチオン性や両性のポリアクリルアミド系コポリマーなどが用いられる。
次に、表下層73について説明する。表下層73は、古紙統計分類におけるケント、特白、中白、白マニラ若しくは模造、又は色上からなる古紙由来の古紙パルプから成る。表下層は、表面層のパルプ色相への影響を最小限に抑えながら、表面層原料パルプと性状が大きく変わらない原料パルプを用いることで、表面層の色調を維持しながら表層の剥がれや紙質強度を維持することが出来る。
また、上記パルプのみでも、表下層73は成立するが、表面層72同様にサイズ剤、硫酸バンド、紙力増強剤(後述の表面増強剤とは別)といった内添薬品を使用してもよい。この場合、サイズ剤は、10~20kg/PTくらいが好ましく、硫酸バンドは、80~95kg/PTくらいが好ましく、紙力増強剤は、25~35kg/PTくらいが好ましい。表下層は、表層程の印刷適性や紙力を必要としないが、表面層における紙力増強剤やサイズ剤、硫酸バンド等の薬品の抄き合わせ時の紙層間移動を抑えることによる相乗効果を確保するため、前記範囲に招請することが好ましい。特に紙力増強剤は紙質強度を高めることができる反面、紙層を硬くする問題を有し、紙層が硬くなると本件発明が対象とする、折り曲げが必須になる紙包装容器への利用に於いて、いわゆる折り目で紙層が断裂する問題が生じるため、表面層に追従して柔軟な折り曲げが可能な範囲に前記薬品の含有量を調整することが必要である。この場合のサイズ剤もまた、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ロジン等の内添サイズ剤が用いられる。また、紙力増強剤のうち、湿潤紙力増強剤には尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(PAE)、ポリビニルアミン(PVAm)など、乾燥紙力増強剤としてはカチオン化デンプンやカチオン性や両性のポリアクリルアミド系コポリマーなどが用いられる。
中層74及び裏面層75については、同じ原料パルプを用いて、その原料パルプは特に限定されないが、一般的には、紙器製造時に発生する裁落損紙、新聞、雑誌等を原料として抄造した白ボール、地券古紙等を主原料とする原料パルプ、即ち古紙由来古紙パルプが用いられ、機械パルプも含有している。ちなみに、中層74及び裏面層75は、図6に示す概念的断面図においては、二層構造を記しているが、三層以上の多層(複数層)構造であってもよい。逆に中層74及び裏面層75を一層(単層)とした構造であってもよい。また中層を複数層構造にする場合、上述の古紙であれば、各層について同じ種類のものを用いても違う種類のものを用いてもよく制限はない。
また、上記パルプのみでも、中層74及び裏面層75は成立するが、表面層72や表下層73同様にサイズ剤、硫酸バンド、紙力増強剤(後述の表面増強剤とは別)といった内添薬品を使用してもよい。この場合、サイズ剤は、10~20kg/PTくらいが好ましく、硫酸バンドは、40~70kg/PTくらいが好ましく、紙力増強剤は、10~20kg/PTくらいが好ましい。中層(及び/若しくは裏面層)は、折り曲げが必須になる紙包装容器への利用において、折り曲げた際のクッション効果を担う必要があり、原料パルプ本来の柔軟な性状を維持するため、前記記載の必要最低限の効果を醸し出すことが可能な薬品使用量にとどめる必要がある。この場合のサイズ剤もまた、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ロジン等の内添サイズ剤が用いられる。また、紙力増強剤のうち、湿潤紙力増強剤には尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(PAE)、ポリビニルアミン(PVAm)など、乾燥紙力増強剤としてはカチオン化デンプンやカチオン性や両性のポリアクリルアミド系コポリマーなどが用いられる。
また、本発明のティシュペーパー収納体に係る収納箱の紙包装容器用原紙71においては、JIS-P8252(525℃)に準じて測定した灰分が10~25%、13~20%がより好ましい。灰分が10%未満であると、紙密度が低下する傾向になり、圧縮強度が低下する傾向になり、箱の強度が低下しやすい。一方、灰分25%を超えると、罫線割れが発生しやすくなり、収納箱の潰れの起点となる精密さの低い稜線部分が形成されやすくなる。
さらに、上記の灰分範囲において、紙包装容器用原紙71の基紙76の紙密度が0.77~0.90g/cm3であると、表面層用塗工液の基紙への吸収バランスがもっともよく、従来の板紙と比べて10~15%低米坪・軽量化することが可能となり、また低米坪・軽量化しても、板紙の圧縮強度を維持し、加工適性を維持することができることが分かった。したがって、このような紙包装容器用原紙を組み立てたティシュペーパー収納体は、軽量かつ箱潰れし難い。
紙包装容器用原紙の基紙は、上述した原料パルプを、公知の抄紙工程、例えばワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、サイズプレス、カレンダーパートなどを経て、表面層、表下層、並びに少なくとも1つの中層及び/若しくは裏面層の4層の紙層を有するようにして形成される。なお、本紙包装容器用原紙の基紙76の抄紙方法については、特に限定されるものではなく、酸性抄紙法、中性抄紙法、アルカリ性抄紙法のいずれであっても良い。また、抄紙機も特に限定されるものではないので、例えば長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、円網短網コンビネーション抄紙機等の公知の種々の抄紙機を使用することができる。
また、紙包装容器用原紙に用いられる基紙76は、各層の基紙坪量(g/m2)を、表面層が30~40、表下層が45~60、中層(裏面層)が140~210の範囲で、且つ、表面層<表下層<中層≦裏面層の関係を有するように調整することが好ましい。これにより、収納箱は低米坪・軽量化が図れ、かつ剛性を維持できる表面塗工層及び裏面塗工層を有するものとしやすい。
基紙76の縦目は、圧縮強度が650から850Nであることが望ましい。収納箱は、紙の流れ方向が重みや形状支える方向となる。したがって、係る圧縮強度であると箱潰れがし難いものとなる。
また、基紙76の坪量は250~350g/m2であるのが望ましい。坪量が250g/m2未満であると、収納箱の圧縮強度が十分なものとなりがたいことがある。一方、350g/m2を超えると、基紙の紙厚も大きくなるため、紙包装容器用原紙を折り曲げた際に、表面の応力が強くなりすぎ、表面塗工層及び基紙の表面層にひび割れが発生することがあり、精密な稜線が形成され難くなる。
また、紙包装容器用原紙の基紙76は、プレス工程後に鏡面仕上げされたドライヤーに圧接して製造するのが好ましく、特にヤンキードライヤーなどの大径ドライヤーに圧接乾燥させたものであるのが望ましい。圧接前の基紙の湿紙水分が53~60%であるとより好ましくなる。湿紙水分が53%未満であると表面に存在する水分の絶対量が少なくなり、表裏面のみが過乾燥気味になり、表面塗工層形成前あるいは裏面塗工層形成前の、基紙の表裏面の凹凸が大きくなり、後述する表面層用塗工液あるいは裏面層用塗工液の塗工量では本発明の目的を達成することが難しくなる。一方、湿紙水分が60%を超えると基紙の表面層あるいは裏面層に分布する絶対水分量が多くなり、表面層あるいは裏面層から蒸発する水蒸気量が多くなるので、鏡面と基紙との接触が不十分となり、良好な表面層及び裏面層を得ることが難しくなる。そして、JISP8127による製品水分は、4.0~9.5%であるのが望ましい。収納箱形成時における折機での作業性や折部の断裂対策として、紙力増強剤などの紙層を硬くする薬品の使用を控える事と相俟って、原料パルプの柔軟性を維持する目的で、製品水分を所定の範囲に調整することが好ましい。また、収納箱とされた後においても収納箱の強度が維持される。
なお、紙包装容器用原紙は、基紙76を抄紙後、2次加工で印刷機やバーコーターやロッドコーター、エアナイフ等の塗工機により表面層用塗工液及び裏面層用塗工液を塗工して表面塗工層77及び裏面塗工層78を形成する。
紙包装容器用原紙の表面層72上(上表面)には、顔料及び接着剤を主成分とする表面層用塗工液を塗被してなる表面塗工層77が形成されている。また、基紙の裏面層上(下表面)に水溶性樹脂からなる裏面層用塗工液を塗被してなる裏面塗工層78を形成されている。これにより、裏面層側におけるティシュペーパー及びティシュペーパー束と、紙包装容器用原紙内表面(裏面層及び収納箱内面に相当)との擦過性、紙粉抑制効果に優れる。
表面塗工層77に用いる顔料は基本無機顔料とすることができる。無機顔料としては、クレー、炭酸カルシウム、シリカ等の無機顔料が使用でき、中でもクレー及び炭酸カルシウムが用いられると、加工適性及び印刷適性に優れるものとなる。無機顔料の配合量については、クレー:炭酸カルシウムの場合の比率が10~90:90~10であることが好ましい。これにより、加工適性や印刷適性を有することができる。表面塗工層中の無機顔料として平坦性と光沢性を醸しだす無機顔料としてクレーの使用が好ましく、印刷の見栄えを向上する白色殿高い無機顔料として炭酸カルシウムと組み合わせることが好ましく、クレーの含有量が10重量部未満では印刷の精細さが劣る問題が生じ、90重量部を超えると印刷インクの乾燥性が低下する問題が生じやすい。また、炭酸カルシウムの含有量に於いても、10重量部未満では白色度が低下しがちで、印刷見栄えが悪くなる問題が生じやすく、90重量%を超えると、印刷の精細さが欠如する問題が生じやすい。また、有機顔料も使用が可能である。有機顔料は、無機顔料と比べると、硬度が低いものの、粒子に弾力性と剛性があり、光沢もあるので、印刷適性、耐罫線割れ適性、及び圧縮強度を、バランス良く満足させることができる点で無機顔料よりも好ましい。従って、このように表面層用塗工液に有機顔料を含有させることで、表面塗工層の柔軟性および剛性を確保することができる。これにより、表面層の曲げ応力に対する耐性が向上し、耐罫線割れ適性を向上させることができるので、表面塗工層の割れの発生を大幅に減少させることができる。ただし、有機顔料についてはあってもなくてもどちらでも構わない。
また、表面層用塗工液の塗工量は、表面塗工層77の乾燥状態(基紙上に形成された表面塗工層の状態)において、2~10g/m2(dry換算)、より好ましくは4.5~9.5g/m2である。これにより、表面塗工層と接する基紙の表面層のパルプ繊維間の目止めをすることができるので、印刷適性を向上させることができると共に、印刷面の平滑化及び塗工層の剛性を確保できる。また、表面塗工層の厚みが厚くなりすぎないので、インクが基紙へと浸透しやすく、インク接着性が高くなるので、色再現性の良い高精細な印刷が可能になる。また、表面塗工層が厚くないため収納箱の通気性に優れ、ティシュペーパー束の吸湿による収納箱の強度低下がし難いものとなる。
なお、表面層用塗工液の塗工量が2g/m2未満では、表面層のパルプ繊維間の目止め効果を発揮することができず、印刷のインク滲みが発生しやすくなる問題があり、本願の所望とする高精細な印刷適性を十分に得ることができない。一方、塗工量が10g/m2を超えると表面塗工層の厚みが厚くなりすぎ、塗工層の剛性は向上するものの、表面層の曲げ応力に対する耐性を得ることができず、精密な稜線が形成されたがたく箱潰れ性に劣る傾向がある。
表面層用塗工液に含有する有機顔料としては、中空状のプラスチックピグメント(PP)が好ましい。無機顔料に比べて硬度が低いものの、剛性を有しているので、顔料自体の変形も容易であり、精密な稜線としやすく、箱潰れし難いものとなる。
また表面塗工層77(表面層用塗工液に用いる)用接着剤として、SBRラテックスが含有されていることが好ましい。SBRラテックスは適度な造膜性及び剛性があり、かつ、インク着肉性も良好である。従って、表面層用塗工液に、有機顔料とSBRラテックスとを含有することにより、紙包装容器用原紙としての耐罫線割れ適性、並びにインク着肉性はもちろんのこと、紙包装容器用原紙を低米坪・軽量化しても、圧縮強度を維持する働きをするため、収納箱が軽量かつ強度の高いものとなる。
なお、接着剤となる樹脂としては上記SBRラテックスの他、アクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、PVA等のポリビニル系樹脂、澱粉等の樹脂もあるが、本発明においては、SBRラテックスのようなスチレン系の樹脂が特に好ましい。
また、表面層用塗工液におけるSBRラテックスの配合量は、顔料(無機顔料)100重量部に対して、SBRラテックスが6~15重量部、好ましくは9~12重量部とすることが好ましい。
SBRラテックスの配合量が顔料に対して6重量部未満であると、接着剤が少なく、耐罫線割れ適性を満足することが難しくなる。さらに、擦れにより表面塗工層に傷が入りやすくなる。一方、SBRラテックスの配合量が15重量部を超えると、表面塗工層の表面に粘り感が発生する傾向になり、巻取り製品に加工した際に表面塗工層と裏面塗工層とが貼り付く傾向になるため、紙表面にピッキングを発生させてしまうおそれがある。また、表面塗工層の曲げ応力に対する耐性は向上するが、表面塗工層自体の柔軟性がなくなり、硬くなる傾向になるので、精密な稜線となり難く、特に水性の印刷適性に問題が生じる。
なお、紙包装容器用原紙を製造するにあたっての上記表面層用塗工液の塗工方法としては、シングル塗工でもダブル塗工以上の多段塗工でもよく、塗工設備としては、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ゲートロールコーター、及びサイズプレス等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター、カレンダーロールコーターなどがある。また、基紙の表面層上に表面層用塗工液を塗被する前(表面塗工層を形成する前)に、表面層用塗工液を均一に塗工し、表面塗工層77を平滑にするために、カレンダーパートで基紙に表面処理を施すことが好ましい。
収納箱は、表面層用塗工液の塗工により、表面塗工層77を形成の際、当該塗工層の白色度が75%以上85%未満、白紙光沢度が20%~40%であることが好ましい。ティシュペーパー収納体は、当然に購買意欲をそそるための見栄えや、情報をその表層で図ることが必要であり、更には見栄えや情報が搬送やディスプレイにおいて汚損や欠落する問題を招かない必要がある。白色度や光沢度を所定の範囲することで、印刷見栄えを向上することが可能になり、消費者の購買意欲を向上する。
また、本発明の好適な構成として、基紙の裏面層上(下表面)に水溶性樹脂からなる裏面層用塗工液を塗被して裏面塗工層78を形成する。この裏面層用塗工液は、水溶性樹脂としては、例えば、でんぷん(リン酸エステル化でんぷん、カチオン化でんぷん等の各種変性でんぷんを含む)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド系樹脂(PAM)、カゼイン、ポリスチレン-ブタジエン系ラテックス、ポリ酢酸ビニル系ラテックス、ポリアクリル系ラテックス、ポリウレタン系ラテックス等を用いることができる。これらの中でも本発明に係る収納箱においては造膜性、剛性、基材への浸透性を考えると、PVAと滑剤を組み合わせて用いることが好ましい。
ポリビニルアルコールは、重合度が1000~2000且つケン化度が98~99であることが望ましい。ポリビニルアルコールは、重合度が高くなると得られる被膜強度が強く、水に溶け難くなる性状を有し、またケン化度が高くなると得られる被膜強度が強くなり、冷水にも溶け難くなる性状を呈する。本件発明者等は、本件発明が対象とする包装容器用原紙に求められる要求品質を満たすため、粘性が高まり操業性が低下する問題を有するものの、被膜強度を得る目的で所定の重合度、ケン化度のポリビニルアルコールを用いることが好適との知見を得ている。ちなみに、ポリビニルアルコールは、当該裏面層用塗工液において、2~3重量部が好ましい。2重量部未満であると表面被膜が形成できず、表面強度が低く、紙面繊維のトラレによる紙ムケ等が発生する。3重量部以上であると被膜厚が厚くなり、接着剤の浸透を阻害するため、糊接着強度が低下する。
また、PVAに加え、滑剤として、高級脂肪族炭化水素(パラフィンワックス)、高級脂肪族アルコール系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、高級脂肪酸アミド系滑剤、高級脂肪酸金属塩系滑剤、高級脂肪酸エステル系滑剤が使用可能であるが、中でもパラフィンワックスを用いるのが好ましい。パラフィンワックスを使用する目的としては、裏面層の紙粉や異物脱落防止のためである。なお、パラフィンワックスについては、ワックスの形状については特に限定はないが、エマルションタイプのものが好ましい。ちなみに、滑剤(主にパラフィンワックス)は、当該裏面層用塗工液において、0.1~0.5重量部が好ましい。0.1重量部未満であると摩擦抵抗値が向上しないため、紙粉インキ粕の脱落が改善できない。0.5重量部以上であると表面滑り性が向上するため、ケースを重ねた際の荷崩れ等のトラブルが発生しやすくなる。
また、PVA、滑剤のほか表面紙力増強剤として、変性ポリアクリルアミド系樹脂を用いることができる。
また、裏面層用塗工液は濃度が1~8%、より好ましくは2~5%となるように調整することが良い。裏面層用塗工液の濃度が1%未満であると、裏面層用塗工液の基紙への浸透がよすぎるため、基紙の裏面層側の紙表面の剛性を得ることが難しくなる傾向になる。このため、紙包装容器用原紙の圧縮強度を維持することが難しくなり、本紙包装容器用原紙が所望とする加工適性を満足することが難しくなる。一方、濃度が8%を超えると、圧縮強度を維持することはできるが、裏面層用塗工液の粘性が高くなりすぎる傾向となるため、裏面層用塗工液の基紙への浸透が悪化し、さらに操業性が低下するという問題が発生することに加え、裏面層側の表面が硬くなる傾向になり、裏面層側の耐罫線割れ適性等の加工適性を満足することが難しくなる。
また、このような裏面層用塗工液の塗工量は0.2~0.6g/m2(dry換算)、より好ましくは0.4~0.5g/m2である。これにより、紙包装容器用原紙は、収納箱に加工する際に必要な加工適性が維持されるようになる。さらに係る紙包装容器用原紙によりなる本収納箱は、汚損し難いものとなる。
なお、裏面層用塗工液の塗工量が0.2g/m2未満であると、本発明の所望とする裏面層側の紙表面の剛性を満足することが難しくなり、一方で0.6g/m2を超えると、裏面層側の紙表面の剛性は満足することができるが、裏面塗工層の柔軟性がなくなり、硬くなる傾向になるため、本発明の所望とする耐罫線割れ適性等の加工適性を満足させることが難しくなる。
上記のような裏面層用塗工液を基紙の裏面層75上に塗被して裏面塗工層78を形成したことにより、裏面塗工層78の表面の強度はもとより、ティシュペーパー及びティシュペーパー束との擦過性、紙粉抑制に優れた効果を示す。
なお、上記裏面層用塗工液の塗工方法としては、シングル塗工でもダブル塗工以上の多段塗工でもよく、塗工設備としては、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ゲートロールコーター、及びサイズプレス等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター、カレンダーロールコーターなどがある。塗工設備については、これらの中でも高線圧下での塗工が可能なカレンダーロール塗工方式が好ましい。また、カレンダーロールとしてはチルドロールがより好ましい。さらに、塗工後の裏面塗工層の表面の平坦化処理はオンマシンカレンダーやソフトカレンダー、グロスカレンダーなどが使用できる。
以上に述べたように、本発明に係るティシュペーパー収納体は、その収納箱を構成する紙包装容器用原紙が、複数層から成る基紙を有し、基紙の裏面層上に特定の水溶性樹脂、滑剤、紙力増強剤を特定の配合割合とした裏面層用塗工液を塗被して裏面塗工層を形成したものとなっている。さらに、基紙の灰分、層別の繊維配向性が規定されている。これにより、表面層及び裏面層の剛性が高められ、従来の収納箱の構成原紙に比べて10~15%の低米坪・軽量化が図ることが可能になり、さらに低米坪・軽量化を図っても、加工適性および印刷適性を満足させることができる。したがって、ティシュペーパー収納箱外表面層部の印刷適性、ティシュペーパーやティシュペーパー束とティシュペーパー収納箱との擦過性及び紙粉抑制に優れ、ティシュペーパー収納箱の箱潰れがし難いティシュペーパー収納体となる。なお、本発明に係るティシュペーパー収納体は、収納箱を10~20%程度軽量化することができ、収納体(製品全体)としても1.5~3.0%程度軽量化することが可能である。
ところで、ティシュペーパー収納体に内包されるティシュペーパー束2の構成についても具体的に説明すると、ティシュペーパー束2は、方形のティシュペーパー2tが実質的に二つ折りされ、その折り返し片の縁が上下に隣接するティシュペーパーの折り返し内面に位置するようにして、互い違いに重なり合いつつ積層されているものである。なお、ここで実質的にとは、製造上形成される縁部の若干の折り返しを許容する意味である。
この積層構造のティシュペーパー束2は、最上位に位置する一枚の折り返し片を上方に引き上げると、その直下で隣接する他の一枚の折り返し片が、摩擦により上方に引きずられて持ち上げられる。
そして、ティシュペーパー収納体1では、かかる構造のティシュペーパー束2は、その最上面が上述の天面部11に取出口20Xを有する収納箱10の当該上面に向かいあって収納され、前記取出口20Xから最初の一組(最上面に位置する一組)が引き出されたときに、その直近下方に位置する他の一組の一部が露出される。なお、本実施形態におけるティシュペーパー2tの積層枚数が限定されないが、この種の製品の一般的な積層枚数を例示すれば、120~240組である。このティシュペーパー束2は、マルチスタンド式、ロータリ式の既知のインターフォルダにより製造することができる。
ティシュペーパー束2を構成するティシュペーパー2tは、2枚~3枚の薄葉紙が積層されたプライ構造を有する。
他方、本実施形態に係るティシュペーパー2tを構成する薄葉紙の原料パルプとしては、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)とLBKP(広葉樹クラフトパルプ)とを配合したものであり、適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、風合いなどの点で、NBKPとLBKPのみから構成されているのがよい。その場合配合割合としては、NBKP:LBKP=20:80~80:20がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70~60:40が望ましい。
本発明に係るティシュペーパー2tの各プライを構成する薄葉紙1枚あたりの米坪は、好ましくは10~25g/m2、より好ましくは11~16g/m2である。米坪が10g/m2未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、使用に耐えうる十分な強度を適正に確保することが困難となる。逆に米坪が25g/m2を超えると紙全体が硬くなるとともに、ゴワ付き感が生じてしまい肌触りが悪くなる。なお、米坪は、JIS P 8124(1998)の米坪測定方法による。
他方、本発明に係るティシュペーパー2tの紙厚は、100~180μm、より好ましくは120~140μmであるのが望ましい。なお、ティシュペーパー2tが複数プライの場合は、複数プライで測定する。紙厚が100μm未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、ティシュペーパー2tとしての強度を適正に確保することが困難となる。また、180μm超では、ティシュペーパー2tの肌触りが悪化するとともに、使用時にゴワツキ感が生じるようになる。
なお、紙厚及びシート材31の厚みの測定方法は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定するものとする。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。なお、厚みは測定を10回行って得られる平均値とする。
ここで、本発明に係るティシュペーパー収納体は、ティシュペーパーの束が、1プライの坪量が10~18g/m2であるティシュペーパーを2プライとして、150~220組ポップアップ式に積層したものであり、収納箱の高さが38~100mmであるのが望ましい。この範囲であると、上記収納箱におけるティシュペーパー及びティシュペーパー束との擦過性、紙粉抑制に優れるという効果が十分に発揮され、ティシュペーパーがスムーズに取り出せることができ、さらに紙粉発生が少ない収納体となる。
また、ティシュペーパー2tは、ポリオールを含む薬液が付与されたものであってもよい。ポリオールを含む薬液が付与されたティシュペーパーは、保湿ティシュー等とも称され、ポリオールの吸湿性によって水分率が高められ、柔らかさやしなやかさに優れる。その一方で、ティシュペーパー束全体の水分率の高さゆえ、収納箱の水分率を高め、箱の強度を低下させやすく、ゆえに係る保湿ティシューに係る収納体は、箱潰れが発生しやすくなる。本発明に係るティシュペーパー収納体は、上記のとおり収納箱の通気性が高められているため保湿ティシューのような水分率が高められていることによる収納箱の強度低下が少なくなるため、係る保湿ティシューを内包した収納体に適する。
次に、以上に述べた本発明に係る実施形態について、詳細な実施例(具体例)を挙げて説明する。なお、本実施例について、必要に応じて図6の記載を用いながら説明する。
本実施例では、本発明の収納体を構成する収納箱に係る多層抄きの紙包装容器用原紙による効果を確認するため、以下のような各種の試料を作製し、これらの各試料に対する品質を評価する試験を行った。なお、本実施例において、配合、濃度等を示す数値は、固形分又は有効成分の質量基準の数値である。また、本実施例で示すパルプ・薬品等は一例にすぎないので、本発明はこれらの実施例によって制限を受けるものではなく、適宜選択可能であることはいうまでもない。
[実施例1]基紙の作製
まず、本発明に係る紙包装容器用原紙(これを「実施例」とする。)と、その「参考例」と、これらと比較検討するために、3種類の紙包装容器用原紙(これを「比較例1」乃至「比較例3」とする。)を、表1に示すような構成で作製した。
Figure 0007224108000001
以下の原料を用いて、下記の製造法に従い、表面層、表下層、並びに中層(及び裏面層)の3層から成る基紙を有する紙包装容器用原紙を得た。なお、「実施例1」を典型例として説明する。
<基紙>
・表面層
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)30質量%(dry)、広葉樹晒クラフトパルプ20質量%(dry)、上白古紙15質量%及びコート紙の上質系古紙35質量%を配合した後に、ダブルディスクレファイナーにより原料を叩解し、坪量を40g/m2とし抄紙した。このパルプ中に、内添薬品として、サイズ剤(ロジンエマルジョンサイズ剤、商品名:R10、近代科学工業社製)を、原料パルプの重量に対して固形分で14kg/PT(絶乾パルプトン)、硫酸バンド(住友化学社製)を、原料パルプの重量に対して固形分で65kg/PT、並びに紙力増強剤(品名:TST153、星光PMC社製)を、原料パルプの重量に対して固形分で40kg/PT添加し、原料パルプスラリーを得た。
・表下層
上ケント古紙100質量%を原料パルプスラリーとして用いた。なお、「実施例8乃至10」では上ケント古紙の他、コート紙の上質系古紙を当該原料パルプスラリーに混合させている。また、このパルプ中に、表面層同様に内添薬品として、サイズ剤(ロジンエマルジョンサイズ剤、商品名:R10、近代科学工業社製)を、原料パルプの重量に対して固形分で11kg/PT、硫酸バンド(住友化学社製)を、原料パルプの重量に対して固形分で90kg/PT、並びに紙力増強剤(品名:TST153、星光PMC社製)を、原料パルプの重量に対して固形分で28kg/PT添加し、原料パルプスラリーを得た。また、ダブルディスクレファイナーにより原料を叩解し、坪量を54g/m2とし抄紙した。
・中層(裏面層)
地券古紙及び新聞古紙それぞれ共に50質量%を主成分とした原料スラリーを用いた。また、このパルプ中に、表面層同様に内添薬品として、サイズ剤(ロジンエマルジョンサイズ剤、商品名:R10、近代科学工業社製)を、原料パルプの重量に対して固形分で15kg/PT、硫酸バンド(住友化学社製)を、原料パルプの重量に対して固形分で60kg/PT、並びに紙力増強剤(品名:TST153、星光PMC社製)を、原料パルプの重量に対して固形分で15kg/PT添加し、原料パルプスラリーを得た。また、ダブルディスクレファイナーにより原料を叩解し、坪量を170g/m2とし抄紙した。
次に、表面塗工液及び裏面塗工液について、表2に示す配合比で調製した。表2中の「実施例」、「参考例」並びに「比較例1乃至3」は、表1のものと同一である。調整方法に係る典型例については、実施例1を例に表2の後に記す。
Figure 0007224108000002
<表面層用塗工液>
次に、無機顔料として、クレー(アマゾンプラスJPG)を23重量部、炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90、湿式重カル)を77重量部配合し、バインダーとして、スチレンブタジエンラテックス(SBR)(スマーテックPA-6082(50%品、日本A&L(株)製)を9重量部配合して、表面層用塗工液を調製した。なお、各配合量の数値は、乾燥状態における数値である。
<裏面層用塗工液>
水溶性樹脂のポリビニルアルコール(PVA)系樹脂として、PVA(JF-17、日本酢ビ・ポバール(株)製。重合度1700、ケン化度98.0~99.0)を固形分換算で2.6質量%、滑剤として、ポリエチレンワックスエマルション(ハイテックE-9015、東邦化学工業株式会社製)を固形分換算で0.2質量%、表面紙力増強剤として、変性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(T-ST153、星光PMC社製)を固形分換算で2.6質量%配合して、裏面層用塗工液を調製した。
この表面層用塗工液をバーコーターにて、基紙の表面層上に6.0g/m2の塗工量で塗工して表面塗工層を形成し、裏面層用塗工液をバーコーターにて、基紙の裏面層上に0.4g/m2塗工して裏面塗工層を形成し、紙包装容器用原紙(実施例1)を得た。なお、塗工量の数値もまた、乾燥(dry)状態における数値である。
<カレンダー処理>
次に、カレンダー処理について次に示す表3の条件で行った。なお、表3中の「実施例」、「参考例」並びに「比較例1乃至3」は、表1及び2のものと同一である。カレンダー処理に係る典型例については、実施例1を例に表3の後に記す。
Figure 0007224108000003
表3中で「ハードカレンダー」としているが、ここではハードニップカレンダー処理を行った。ここで、「NO.1カレンダー」及び「NO.2カレンダー」なる記載は、カレンダーが2スタック存在するという意味である。実施例1においては、NO.1カレンダー及びNO.2カレンダーいずれもニップの数が1である。また、表3中で「ソフトカレンダー」としているが、ソフトカレンダー処理についてはグロスカレンダーを用いて行っており、実施例1においては、グロスを195℃、線圧を110kgf/cmとしている。
また、実施例1以外の各実施例、参考例及び比較例1~3について、表1、2及び3に示す条件以外は実施例1と同様にして、それぞれの実施例、参考例若しくは比較例に係る紙包装容器用原紙を作製した。
[実施例2]品質評価試験
これらの全実施例及び比較例について品質評価を行った結果は、表4に示すとおりであった。なお、この品質評価試験は、JIS-P8111に準拠して温度23±1℃、湿度50±2%の環境条件で行った。
Figure 0007224108000004
先ず、表4中の「製品米坪」とはJIS-P8124(1998)に記載の「紙及び板紙-坪量測定方法」に準拠して測定した値である。
次に、表4中の「製品水分(%)」とは、JISP8127(2010)により測定した紙包装容器用原紙の製品水分である。
「密度(g/cm3)」とは、各試料である紙包装容器用原紙の基紙の坪量と、JIS-P8118(1998)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した基紙の紙厚から算出した値である。
なお、表4中の「灰分」とは、JIS-P8251(2003)に記載の「紙、板紙及びパルプ-灰分試験方法-525℃燃焼方法」に準拠して測定した灰分(%)の値を言う。
「紙厚(μm)」とは、各実施例及び比較例に係る製品としての紙の厚さである。
「白色度(%)」とはJIS-P8148(2001)に記載の「紙、板紙及びパルプ-ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」に準拠して測定した白色度(%)の値を言う。
「白紙光沢(%)」とはJIS-P8142(2005)に記載の「紙及び板紙-75度鏡面光沢度の測定方法」に準拠して測定した未印刷原紙の光沢度(%)の値を言う。
「平滑度(秒)」とはJIS-P8119(1998)に記載の「紙及び板紙-ベック平滑度試験機による平滑度試験方法」に準拠して測定した平滑度(秒)の値である。
「コップ吸水度(g/m2)」とはJIS-P8140(1991)に記載の「紙及び板紙-吸水度試験方法-コッブ法に準拠した接触時間2分の測定値であり、うち「(表)」は表層側を表し、「(裏)」は裏面層側を表す。
「比破裂強度(kPa/m2/g)」とはJIS-P8131(2009)に記載の「板紙-破裂強さ試験方法」に準拠した測定した板紙の破裂強さ(kPa)をJIS-8124(2011)に規定する方法によって測定した坪量(g/m2)で除した値を言う。
また、「圧縮強度(縦)(N)」とは、JIS-P8126(2005)に記載の「紙及び板紙-圧縮強さ試験方法-リングクラッシュ法」に準拠して測定した圧縮強度(縦)の値である。
「印裂強度(縦)(mN)」とはJIS-P8116(1990)に記載の「紙-引裂き強さ試験方法-エルメンドルフ形引裂き試験方法」に準拠した測定値である。また、「印裂強度(横)(mN)」は、抄造方向における幅方向の測定値である。
「ワックスピック(裏)(A)」とは、JAPAN TAPPI No.1(2000)に記載の「紙及び板紙-ワックスによる表面強さ試験方法」に準拠して測定した、裏面塗工層側のワックスピック強度(A)の値である。
「耐折強度(横)(回)」とは、JIS-P8115(2001)に記載の「紙及び板紙-耐折強さ試験方法-MIT試験機法」に準じて測定した横方向の耐折回数である。
「製箱性」とは、紙包装容器用原紙をブランクシート化し、ブランクシートを、ティシュペーパーを収納するための収納箱に製箱する工程に於いて評価したものであり、製箱性が良好であると成形精度がよく、精密な稜線を有する収納箱が形成され箱潰れがし難いものとなる。なお、評価基準は下記の通りとした。
◎:ブランクシートを成形位置に移送する際に用紙表面に傷入りが発生せず、ブランクシートの移送時における左右のガイドレールとの間の摩擦力に違いが生じて、ブランクシートが水平面上において斜めに傾いてしまい、成形位置に対するブランクシートの位置がずれてマンドレルでの成形精度が低下する問題も生じない。
○:ブランクシートを成形位置に移送する際に用紙表面に傷入りが殆ど発生せず、ブランクシートの移送時における左右のガイドレールとの間の摩擦力に違いが生じて、ブランクシートが水平面上において斜めに傾いてしまい、成形位置に対するブランクシートの位置がずれてマンドレルでの成形精度が低下する問題も生じない。
△:ブランクシートを成形位置に移送する際に用紙表面に傷入りが散見され、ブランクシートの移送時における左右のガイドレールとの間の摩擦力に違いが生じて、ブランクシートが水平面上において斜めに傾いてしまい、成形位置に対するブランクシートの位置がずれてマンドレルでの成形精度が低下する問題が若干生じた。
×:ブランクシートを成形位置に移送する際に用紙表面に傷入りが生じると共に、ブランクシートの移送時における左右のガイドレールとの間の摩擦力に違いが生じて、ブランクシートが水平面上において斜めに傾いてしまい、成形位置に対するブランクシートの位置がずれてマンドレルでの成形精度が低下する。
「耐罫線割れ適性」とは、インク抜けと同様に印刷を行った各試料の多層抄き塗工板紙をA4サイズ(縦目)に断裁し、長辺に対して2つ折りにし、プレス圧2.0kg/m2で5分間プレス後、肉眼にて折り目部分のひび割れの発生の有無を確認することによって評価したものであり、収納箱の稜線の精密さを確認するための試験である。なお、評価基準は下記の通りとした。
◎:ひび割れが発生せず非常に精密な稜線である。
○:折り目長さに対して、ひび割れが総全長の15%未満であり精密な稜線である。
△:折り目長さに対して、ひび割れが総全長の15%以上30%未満であり通常の稜線である。
×:折り目長さに対して、ひび割れが総全長の30%以上であり不精密な稜線である。
「RIピック」とは、JIS-P8129に規定されているIGT印刷適性試験機に用いる標準タックグレードインクを、熊谷理機工業(株)製KRK万能印刷適性試験機を用いて多層抄き塗工板紙の塗工層に印刷した後、RI印刷適性試験によって評価したものである。なお、評価基準は下記の通りとした。
◎:表面の毛羽立ち又は紙むけが認められない。
○:0.5mm以上の毛羽立ち又は紙むけが2箇所以下である。
△:0.5mm以上の毛羽立ち又は紙むけが3~5箇所である。
×:0.5mm以上の毛羽立ち、紙むけが6箇所以上である。
表4から、実施例1~31に係る多層抄き塗工板紙、すなわち本発明に係る紙包装容器用原紙であると、従来の板紙である比較例よりも10~15%ほど低米坪・軽量化させることができることが分かる。よって、ティシュペーパー収納体に係る収納箱も軽量化される。また、本発明に係る紙包装容器用原紙は、このように低米坪・軽量化しても、収納箱への加工適性が十分であり、強度が十分で稜線の精密さも満足させるものとなることが解る。
以上、本発明に係る実施例を述べたが、本発明は上記に述べた実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲及び本明細書に記載の事項内で様々な検討課題があることは言うまでもない。
1…ティシュペーパー収納体、2…ティシュペーパー束、2t…ティシュペーパー、3…基材(カートン原紙)、10…収納箱、11…天面部、12…底面部、12A…糊代部、 13…長側面部、14…短側面部、20…取出口形成用ミシン目線、20X…取出口、20a…裂開用ミシン目線で囲まれる範囲(取出口形成部)、21…取出口形成用ミシン目線の長辺、22…裂開用ミシン目線の短辺、30…スリット、31…シート材、F1…長側面部から延在するフラップ、F2…底面部から延在するフラップ、F3…天面部から延在するフラップ、40…接着剤、L1…収納箱の長手縁の長さ、L2…収納箱の短手縁の長さ、L3…収納箱の高さ、51~53…稜線、71…紙包装器用原紙、72…表面層、73…表下層、74…中層、75…裏面層、76…基紙、77…表面塗工層(塗被層)、78…裏面塗工層(クリアコート層)。

Claims (3)

  1. 底面部、取出口が形成される天面部、一対の長側面部及び一対の短側面部を有する直六面体の収納箱内に、複数のティシュペーパーの束が収納されているティシュペーパー収納体であって、
    前記ティシュペーパーが、ポリオールを含む薬液が付与されたものであり、
    前記収納箱が、表面層、表下層、並びに少なくとも1層の中層及び/若しくは裏面層の層構成からなる坪量250g/m2~350g/m2、密度0.77~0.90g/cm3 の基紙を有する多層抄きの紙包装容器用原紙を組み立てたものであり、
    前記紙包装容器用原紙は、
    縦目の圧縮強度が650から800Nであり、
    JIS-P8252(525℃)に準じて測定した灰分が10~25%であり、
    JISP8127による製品水分が、4.0~9.5%であり、
    前記表面層が、混合クラフトパルプと、上質系古紙パルプとが、45:55~55:45の割合で混合してなり、前記混合クラフトパルプは、針葉樹晒クラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプの混合物であり、前記針葉樹晒クラフトパルプ/前記広葉樹晒クラフトパルプが、40:60~60:40の割合であり、
    前記表下層が、上ケント紙由来の古紙パルプと上質古紙パルプ、又は上ケント紙由来の古紙パルプのみ、からなり、
    前記少なくとも1層の中層及び/若しくは裏面層が、機械パルプ含有古紙由来の古紙パルプが用いられた層であり、
    前記表面層上に2~10g/m2の顔料とスチレン系接着剤を主成分とする表面塗工層を有し、
    前記裏面層上に0.2~0.6g/m2の、ポリビニルアルコール、表面紙力増強剤、滑剤からなる裏面塗工層を有し、前記ポリビニルアルコールは、重合度が1000~2000且つケン化度が98.0~99.0であり、前記紙力増強剤は変性ポリアクリルアミド系紙力増強剤であり、前記滑剤がポリエチレンワックスからなるワックス粒子の水分散物である、
    ことを特徴とするティシュペーパー収納体。
  2. 表面塗工層の白色度が75%以上、白紙光沢度が20%~50%である請求項1に記載のティシュペーパー収納体。
  3. ティシュペーパーの束が、1プライの坪量が10~18g/m2であるティシュペーパーを2プライとして、150~220組ポップアップ式に積層したものであり、前記収納箱の高さが38~100mmである、請求項1記載のティシュペーパー収納体。
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