JP7223265B2 - アダプタ - Google Patents

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Description

本発明は、メスコネクタに穿刺可能な穿刺針と、メスコネクタに係合可能な爪とを備えたアダプタに関する。
医療の分野において、薬剤や、栄養成分、電解質などを含む薬液を患者に投与する輸液が広く行われている。輸液は、概略以下の手順で行われる。最初に、輸液バッグとシリンジと輸液セットとを用意する。輸液バッグ内には、生理食塩水等があらかじめ貯留されている。シリンジには、患者に投与する薬剤等を含む液体が貯留されている。輸液セットは、長尺の柔軟なチューブからなり、その上流端には、鋭利な先端を備えた穿刺針が設けられ、その下流端には注射針が設けられている。次に、輸液バッグのポートのゴム栓にシリンジの金属針を穿刺して、シリンジ内の液体を輸液バッグに注入し、輸液バッグ内で薬液を調製する。その後、金属針を抜き、代わりに、ポートのゴム栓に輸液セットの穿刺針を穿刺する。輸液セットの注射針を患者の静脈に穿刺する。そして、輸液セットに設けられたクランプを開いて、輸液を開始する。
上記の手順では、輸液バッグのポートのゴム栓に、シリンジの金属針と、輸液セットの穿刺針とが順次穿刺される。金属針を穿刺した後のゴム栓には穿刺孔(穿刺痕)が残る。相対的に太い穿刺針をゴム栓に穿刺したとき、穿刺針はゴム栓を変形させる。金属針による穿刺孔の近くに穿刺針を穿刺すると、穿刺孔が拡大され、その穿刺孔を通じて輸液バッグ内の薬液が外界に漏れ出る場合がある。これは、薬液が抗がん剤などの危険薬剤を含む場合には、作業者や患者が薬剤被爆するという医療事故につながり得る。そこで、図14に示すように、ポート90のゴム栓91の外面に、金属針を穿刺すべき領域92と穿刺針を穿刺すべき領域93とが表示されている場合がある。領域92及び領域93は、ゴム栓91の中央から外れた位置に、互いに離れて配置されている。金属針及び穿刺針を領域92及び領域93にそれぞれ正しく穿刺する限り、薬液の漏れ出しが起こる可能性は低い。なお、実際には、ポート90の基端99に、輸液バッグを構成する袋状のバッグ本体が取り付けられているが、図14ではバッグ本体の図示を省略している。
輸液セットの穿刺針をゴム栓91に単に穿刺しただけでは、輸液セットのチューブに張力が加えられたときに、穿刺針がゴム栓91から抜け出てしまう場合がある。この場合、薬液が外界に漏れ出て、上記と同様の医療事故が発生する可能性がある。
輸液バッグのポートと輸液セットとの意図しない分離を防止するためのアダプタの一例が、特許文献1に記載されている。このアダプタは、鋭利な先端を有する穿刺針と、穿刺針の周囲に配された複数の爪と、穿刺針に連通した混注ポートとを備える。穿刺針は輸液バッグのポートのゴム栓に穿刺され、複数の爪はポートに係合される。混注ポートは、直線状のスリットが形成された板状の隔壁部材(以下「セプタム」という)を備える。セプタムは、ゴム等の弾性材料からなり、自閉式の弁として機能する。輸液セットとして、その上流端に、混注ポートに接続可能なオスコネクタが設けられたものを用いる(例えば特許文献2参照)。オスコネクタは、セプタムのスリットに挿入されるオス部材と、混注ポートに係合する爪とを備える(例えば特許文献3参照)。アダプタの複数の爪が輸液バッグのポートに係合し、且つ、輸液セットのオスコネクタの爪がアダプタの混注ポートに係合するので、輸液セットに引張り力が加えられても、ポート、アダプタ、オスコネクタ間の接続は維持される。
上記のアダプタでは、複数の爪が、穿刺針を中心とする共通の円に沿って等間隔で配置されている。即ち、アダプタは、穿刺針がゴム栓の中央を穿刺するように構成されている。このため、アダプタをポート90に接続したとき、穿刺針は、本来穿刺すべき領域93ではなく、ゴム栓91の中央を穿刺してしまう。
アダプタは、輸液バッグ内で薬液を調製する前に、輸液バッグのポートに接続されることが推奨されている。即ち、アダプタは、生理食塩水等が貯留され且つ所定の薬剤等が注入される前の輸液バッグに接続される。アダプタの混注ポートを介して、所定の薬剤等を輸液バッグに注入し、薬液を調製する。その後、混注ポートに輸液セットを接続する。この場合、ゴム栓91には、金属針は穿刺されないから、アダプタの穿刺針が、領域93ではなく、ゴム栓91の中央を穿刺しても何ら問題はない。
特開2014-079355号公報 国際公開第2018/074294号 国際公開第2013/154050号
ところが、実際の医療の現場では、ポート90のゴム栓91の領域92にシリンジの金属針を穿刺して所定の薬剤等を輸液バッグに注入して薬液を調製し、続いて、アダプタをポート90に接続する場合がある。アダプタの穿刺針が穿刺するゴム栓91の中央は、金属針による穿刺孔が形成された領域92から比較的近い。このため、穿刺針を穿刺すると、ゴム栓が変形し、金属針による穿刺孔が拡大され、薬液が漏れ出る可能性がある。
本発明は、穿刺針をゴム栓の中央から外れた位置に穿刺することができるアダプタを提供することを目的とする。
本発明のアダプタは、メスコネクタに穿刺可能な穿刺針と、前記穿刺針をメスコネクタに穿刺したとき前記メスコネクタに係合するように前記穿刺針に向かって突出した複数の爪と、前記複数の爪が設けられ、前記複数の爪が前記穿刺針から離れるように弾性変形可能な複数のアームと、前記穿刺針に連通した混注ポートとを備える。前記穿刺針の長手方向に沿って見たとき、前記複数の爪に内接する円に対して前記穿刺針が偏心している。
本発明のアダプタによれば、複数の爪をメスコネクタに係合させながら、穿刺針をメスコネクタの中央から外れた位置に穿刺することができる。
図1は、本発明の実施形態1にかかるアダプタの斜視図である。 図2は、本発明の実施形態1にかかるアダプタの別の方向から見た斜視図である。 図3は、図1の3-3線を含む面に沿った、本発明の実施形態1にかかるアダプタの断面斜視図である。 図4は、本発明の実施形態1にかかるアダプタの下面図である。 図5は、輸液バッグのポートに接続する直前の、本発明の実施形態1にかかるアダプタの斜視図である。 図6は、輸液バッグのポートに接続された本発明の実施形態1にかかるアダプタの斜視図である。 図7は、図6の7-7線を含む面に沿った、本発明の実施形態1にかかるアダプタの断面図である。 図8は、本発明の実施形態2にかかるアダプタの斜視図である。 図9は、本発明の実施形態2にかかるアダプタの別の方向から見た斜視図である。 図10は、図8の10-10線を含む面に沿った、本発明の実施形態2にかかるアダプタの断面斜視図である。 図11は、本発明の実施形態2にかかるアダプタの下面図である。 図12は、輸液バッグのポートに接続された本発明の実施形態2にかかるアダプタの斜視図である。 図13は、図12の13-13線を含む面に沿った、本発明の実施形態2にかかるアダプタの断面図である。 図14は、輸液バッグのポートの一例を示した斜視図である。
上記の本発明のアダプタにおいて、前記複数の爪は、前記円に沿って不均一に配置されていてもよい。「不均一」とは、複数の爪が円に沿って等間隔で配置されていないこと、または、複数の爪が円の中心に対して等角度間隔で配置されていないことを意味する。かかる態様は、アダプタをメスコネクタに接続した状態でアダプタに外力(特に、輸液セットを介した引張り力)が加えられたときに、メスコネクタに対するアダプタの傾きを、限られた数の爪で効果的に抑えるのに有利である。
前記穿刺針に対して前記円の中心が位置する側には、前記複数の爪及び前記複数のアームは配置されていなくてもよい。かかる態様は、アダプタをメスコネクタに接続するときに、穿刺針の先端とメスコネクタとを目視するのを容易にする。
本発明のアダプタは、前記穿刺針と前記混注ポートとの間の位置に外向きに突出した天板を更に備えていてもよい。前記天板に前記複数のアームが設けられていてもよい。前記穿刺針の長手方向に沿って見たとき、前記天板の、前記穿刺針に対して前記円の中心が位置する側の部分が切り欠かれていてもよい。かかる態様は、第1に、アダプタをメスコネクタに接続するときに、穿刺針の先端とメスコネクタとを目視するのを容易にし、第2に、アダプタをメスコネクタに接続した状態で、メスコネクタにシリンジの金属針等を穿刺するのを可能にする。
前記混注ポートは、前記円に対して、前記穿刺針が前記円に対して偏心するのと同じ側に偏心していてもよい。特に、前記混注ポートは、前記円に対して、前記穿刺針よりも更に大きく偏心していてもよい。かかる態様は、第1に、アダプタをメスコネクタに接続した状態で、メスコネクタにシリンジの金属針等を穿刺するのを容易にし、第2に、アダプタをメスコネクタに接続した状態でアダプタに引張り力が加えられたときに、メスコネクタに対するアダプタの傾きを抑えるのに有利である。
前記複数のアームのそれぞれは、前記穿刺針と略平行に延びた第1弾性部及び第2弾性部を備えていてもよい。前記第1弾性部及び前記第2弾性部の先端側に前記爪が設けられていてもよい。前記第1弾性部及び前記第2弾性部は、前記円と同心の円に沿って配置されていてもよい。前記第1弾性部は、前記第2弾性部よりも、前記穿刺に接近して配置されていてもよい。前記第1弾性部は、前記第2弾性部に比べて高強度であってもよい。かかる態様は、アダプタをメスコネクタに接続した状態でアダプタに引張り力が加えられたときに、メスコネクタに対する爪の係合が外れるのを防止するのに有利である。
前記複数の爪のうち前記穿刺針から最も近い爪が設けられたアームは、他のアームに比べて高強度であってもよい。かかる態様は、アダプタをメスコネクタに接続した状態でアダプタに引張り力が加えられたときに、メスコネクタに対する爪の係合が外れるのを防止するのに有利である。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する主要部材を簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、本発明の範囲内において、以下の各図に示された各部材を変更または省略し得る。各実施形態の説明において引用する図面において、先行する実施形態で引用した図面に示された部材に対応する部材には、当該先行する実施形態の図面で付された符号と同じ符号が付してある。そのような部材については、重複する説明が省略されており、先行する実施形態の説明を適宜参酌すべきである。
(実施形態1)
図1及び図2は、本発明の実施形態1にかかるアダプタ1の斜視図である。図3は、図1の3-3線を含む面に沿ったアダプタ1の断面斜視図である。アダプタ1は、穿刺針10と、穿刺針10に向かって突出した2つの爪20と、2つの爪20が設けられた2つのアーム30と、混注ポート40とを備える。以下の説明の便宜のため、穿刺針10の長手方向を「上下方向」といい、穿刺針10の長手方向に直交する平面に平行な方向を「水平方向」という。上下方向において、混注ポート40の側を「上」側、穿刺針10の先端11の側を「下」側という。但し、「上下方向」、「上」、「下」、「水平方向」は、アダプタ1の実際の使用時の向きを意味するものではない。
穿刺針10は、まっすぐに延びた棒形状を有し、その先端11は鋭利に形成されている。穿刺針10内には、液体(例えば薬液)が流れる流路12が、穿刺針10の長手方向に沿って設けられている。穿刺針10の先端11近傍の外周面に2つの開口(横孔)13が設けられている。流路12は、開口13と連通し、開口13を介して外界と連通している。
穿刺針10と混注ポート40との間の位置(または穿刺針10の基端)から、穿刺針10の長手方向に垂直な方向(即ち、半径方向)に沿って外向きに、天板35が延びている。天板35は、平面視形状(穿刺針10の長手方向に沿って見た形状)が略円形(または略円弧)の外周端縁を有する薄板である。天板35の外周端縁から2つのアーム30が、穿刺針10に対向するように下方に向かって延びている。各アーム30は、天板35から上下方向に沿って延びた2つの弾性部31と、2つの弾性部31の下端をつなぐ架橋部32とを含み、これらによって全体として略「U」字形状を有している。弾性部31は、細長い板状部材であり、その主面(面積が最大である面)は、穿刺針10と対向している。架橋部32は、水平面(水平方向に平行な面)に沿った略円弧形状を有している。アーム30と天板35とで、これらに囲まれた略矩形の開口33が形成され、当該開口33を介してアーム30より内側の穿刺針10を見通すことができる。
各アーム30の先端部分を構成する架橋部32に爪20が設けられている。爪20は、架橋部32の穿刺針10に対向する面から、穿刺針10に向かって突出している。爪20は、係止板22と、係止板22の下面に設けられたリブ23とを含む。係止板22は、略台形、略三角形、または略扇形を有する平板であって、先端21(穿刺針10に最も近い部分)に向かって天板35に接近するように傾斜している。係止板22の先端(即ち、爪20の先端)21は、円弧状に窪んでいる。リブ23は、係止板22の下面から下方に向かって突出した薄板状の突起である。リブ23の下側の端縁24は、円弧状に膨らんでおり、爪20の先端21と架橋部32の下端とをなめらかにつなぐ。
アーム30は、天板35との接続部分を固定端とする片持ち支持構造を有している。アーム30を構成する弾性部31は、比較的容易に弾性的に曲げ変形可能である。爪20は、アーム30の自由端に設けられている。従って、アーム30は、爪20が穿刺針10から離れるように弾性的に変形することができる。隣り合うアーム30間にスリット36が設けられているので、各アーム30は互いに独立して変形することができる。
混注ポート40は、略円筒形状を有する筒状部41と、筒状部41の上端に設けられた隔壁部材(以下「セプタム」という)45と、セプタム45にかぶせられたキャップ47とを備える。筒状部41内の内腔42は、穿刺針10内の流路12と連通している。セプタム45は、ゴム等の弾性材料からなり、円形の平面視形状を有する薄板である。セプタム45の中央に、セプタム45を上下方向に貫通する直線状のスリット(切り込み)46が形成されている。筒状部41の上端にセプタム45を載置し、セプタム45の上方からキャップ47を筒状部41に装着する。セプタム45は筒状部41とキャップ47とにより上下方向に挟持される。セプタム45のスリット46は、キャップ47の上面に形成された開口48内に露出する。セプタム45のスリット46に、鋭利な先端を有しない筒状のオス部材(図示せず)を挿入すると、セプタム45が弾性変形し、筒状部41内の内腔42とオス部材とが連通する。オス部材をセプタム45から引き抜くと、セプタム45は直ちに初期状態に復帰し、スリット46は液密に閉じられる。このように、セプタム45は、自閉式の弁として機能する。このような自閉式の混注ポート40は、「ニードルレスポート」とも呼ばれる。
図4は、穿刺針10の先端11側から、穿刺針10の長手方向に沿って見たアダプタ1の下面図である。2つの爪20の先端21の円弧は、二点鎖線で示した共通する円25に沿っている。点26は、円25の中心である。アーム30の架橋部32は、円25と同心の共通する円に沿っている。アーム30の弾性部31の主面は、円25と同心の共通する円に接している。天板35(図1、図2参照)の外周端縁も、円25と同心の円に沿っている。一方、穿刺針10は、円25の中心26から外れた位置にある。即ち、穿刺針10は、爪20の先端21に内接する円25に対して偏心している。本発明では、円25の中心26に対して穿刺針10が位置する側を「偏心側」(図4において、矢印D1が向く側)といい、円25の中心26に対して穿刺針10が位置する側とは反対側(即ち、穿刺針10に対して円25の中心26が位置する側)を「反偏心側」(図4において、矢印D2が向く側)という。穿刺針10は、円25の内側に位置している。中心26と穿刺針10の中心軸(図示せず。中心軸は、先端11を通り、穿刺針10の長手方向に沿って延びる。)とを含む面Sを「偏心方向面」という。図3の断面は、偏心方向面Sと一致する。穿刺針10から爪20(特にその先端21)までの距離が偏心側D1において短くなるように、爪20が配置されている。爪20は、円25に沿って不均一に配置されている。中心26(または穿刺針10)に対して反偏心側D2には、爪20及びアーム30は配置されていない。天板35には、反偏心側D2の端縁から穿刺針10の基端近傍にまで達する切り欠き37が設けられている(図1参照)。アダプタ1は、偏心方向面Sに対して対称である。
アダプタ1の、セプタム45及びキャップ47を除く部分は、樹脂材料を射出成形することにより全体を一部品として一体的に製造されることが好ましい。使用できる樹脂材料は、制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、スチレンエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンスチレンブロック共重合体などを例示することができるが、医療用に用いられることやアーム30が弾性曲げ変形されることを考慮すると、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。キャップ47の材料は、制限はないが、硬質の材料であることが好ましく、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミド、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の樹脂材料を用いることができる。セプタム45の材料は、制限はないが、ゴム弾性を有する軟質の材料であることが好ましく、例えば、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム等のゴム材料や、熱可塑性エラストマー等を用いることができる。
アダプタ1の使用方法の一例を説明する。
最初に、図5に示すように、アダプタ1を、輸液バッグのポート(メスコネクタ)90に対向させる。ポート90は、図14に示したものと同じである。輸液バッグは、ポート90と、ポート90の基端99に取り付けらた柔軟な袋状のバッグ本体を備える。図14と同様に、図5においても、バッグ本体の図示を省略している。ポート90の上方を向いた開口95がゴム栓91で封止されている。輸液バッグには、ゴム栓91の領域92にシリンジの金属針を穿刺して所定の薬剤等が既に注入されている。従って、領域92には金属針による穿刺孔(穿刺痕)92aが形成されている。金属針を抜き去るとゴム栓91は弾性回復するので、図5の状態では穿刺孔92aは実質的に閉じている。
ポート90にアダプタ1を接近させ、穿刺針10をゴム栓91の領域93に穿刺する。
アダプタ1をポート90に向かって押し込むと、穿刺針10がゴム栓91に挿入され、これと並行して、爪20に一体的に設けられたリブ23の端縁24(図3参照)がポート90の上側端縁96上を摺動する。端縁24は、上側端縁96上を摺動しながら、爪20を穿刺針10から離れる向き(外側)に移動させる。爪20の移動にしたがって、アーム30の弾性部31が弾性的に曲げ変形する。更に、アダプタ1をポート90に向かって押し込む。爪20の先端21がポート90の段差97を越えると、弾性部31は弾性回復し、爪20は、相対的に小さな外径の径小部98に嵌入する。爪20は、径小部98に隣接する段差97に係合する。
かくして、図6に示すように、アダプタ1をポート90に接続することができる。図7は、図6の7-7線を含む面(偏心方向面)に沿った断面図である。2つの爪20(図1~図5参照)は、ポート90の径小部98を挟持する。爪20は、ポート90の中心軸(図示せず)と同心の円にほぼ沿っている。2つの爪20は、それぞれポート90に安定的に係合する。アダプタ1及びポート90に、両者を引き離す向きの力が加えられても、ポート90に対する爪20の係合は外れない。
アーム30は、ポート90の外径に応じて適宜変形可能である。アダプタ1は、外径が異なる複数種類のポート90に接続することができる。
穿刺針10は、爪20の内接円25に対して偏心している(図4参照)。このため、爪20がポート90に係合したとき、穿刺針10は、ゴム栓91の中央から外れた領域93を、ゴム栓91の表面に対して垂直に(あるいは、ポート90の中心軸に平行に)穿刺する。
上述したように、従来のアダプタでは、穿刺針の長手方向に沿って見たとき、複数の爪の先端に内接する円の中心に穿刺針が配置されていた。このため、ポート90に複数の爪を正しく係合させるためには、穿刺針をゴム栓91の中央に穿刺する必要があった。ゴム栓91の中央は、領域92に既に形成された金属針による穿刺孔92aから近いので、穿刺針がゴム栓91を穿刺することによって穿刺孔92aが拡大して輸液バッグ内の薬液が漏れ出るという問題が生じる。一方、穿刺針をゴム栓91の中央から外れた領域93に無理に穿刺しようとすると、(1)複数の爪の全てをポート90に係合させることができない、(2)爪が設けられたアームや穿刺針に曲げ力が作用してこれらが破損する、(3)ゴム栓91を斜めに穿刺した穿刺針10がゴム栓91を大きく変形させ、拡大された穿刺孔92aを通って、または、穿刺針10とゴム栓91との間に隙間を通って、薬液が漏れ出る、等の問題が発生する。
本実施形態1のアダプタ1は、従来のアダプタの上記の問題を解消することができる。本実施形態1によれば、穿刺針10を、ゴム栓91の中央から外れた領域93に、ゴム栓91に対して傾くことなく穿刺することができる。領域93は領域92から離れている。このため、領域92に金属針による穿刺孔92aが形成されていても、穿刺針10をゴム栓91に穿刺したことによって穿刺孔92aが拡大されて薬液が漏れ出るという事態は生じない。
図6及び図7のようにポート90にアダプタ1を接続した後、アダプタ1の混注ポート40に、輸液セットの上流端のオスコネクタ(図示せず)を接続する。オスコネクタは、セプタム45のスリット46に挿入されるオス部材と、混注ポート40に係合する爪とを備える(例えば特許文献3参照)。アダプタ1の爪20がポート90に係合し、オスコネクタの爪が混注ポート40に係合する。このため、輸液セットに引張り力が加えられても、ポート90、アダプタ1、オスコネクタ間の接続は維持される。
天板35には切り欠き37が形成されている。切り欠き37は、天板35の反偏心側D2の端縁から穿刺針10に向かって設けられている。切り欠き37は、以下の作用をもたらす。第1に、図5及び図6から理解できるように、アダプタ1をポート90に接続するときには、穿刺針10の先端11とゴム栓91の上面(特に領域93)とを、切り欠き37を介して目視することができる。これは、穿刺針10をゴム栓91の領域93に正確に穿刺するのに有利である。第2に、図6及び図7に示されているように、アダプタ1をポート90に接続した後は、ゴム栓91の上面(特に領域92)が、切り欠き37を介して露出される。これは、アダプタ1をポート90に接続した状態で、ゴム栓91の領域92にシリンジの金属針を穿刺して輸液バッグに薬剤等を含む液体を注入して輸液バッグ内で薬液を調製できるという、従来のアダプタでは不可能であった操作を可能にする。
天板35の切り欠き37が設けられた部分には、アーム30は設けられていない。このため、穿刺針10に対して内接円25の中心26が位置する側(反偏心側D2)には、爪20及びアーム30は配置されていない。これは、アダプタ1をポート90に接続するときに、穿刺針10の先端11とゴム栓91の上面(特に領域93)とを、反偏心側D2から目視するのを容易にする(図5、図6参照)。
図7に示されているように、混注ポート40は、爪20の内接円25(図4参照)に対して、穿刺針10が偏心するのと同じ側(偏心側D1)に偏心している。特に、混注ポート40は、内接円25に対して、穿刺針10よりも更に大きく偏心側D1に偏心している。このため、混注ポート40が穿刺針10よりも大径であっても、天板35に形成された切り欠き37に対して、混注ポート40が上下方向に実質的に重ならない。切り欠き37は、混注ポート40によって塞がれることなく、上方に向かって開放される。これは、アダプタ1をポート90に接続した状態(図6、図7参照)でゴム栓91の領域92にシリンジの金属針を穿刺するとき、シリンジやその金属針が混注ポート40に衝突するのを回避するのに有利である。
図4に示したように、隣り合う爪20間の周方向に沿った間隔が、偏心側D1で狭く、且つ、反偏心側D2で広くなるように、爪20は、内接円25に沿って不均一に配置されている。即ち、穿刺針10から爪20(特に、その先端21)までの距離が相対的に短い偏心側D1において、爪20間の間隔が狭い。このように穿刺針10の近くに爪20が密に配置されていることは、アダプタ1をポート90に接続した状態において外力がポート90に加えられたとき、アダプタ1のポート90に対する傾きを抑えるのに有利である。
輸液セットに加えられた引張り力は、図7の矢印Fのように、混注ポート40に上向きに作用する。引張り力Fは、爪20とポート90との係合箇所を支点とする回転モーメントを発生させる。回転モーメントの大きさは、混注ポート40から爪20までの水平方向距離に依存する。本実施形態1では、上述したように、混注ポート40は、内接円25に対して偏心側D1に(好ましくは穿刺針10よりも大きく)偏心している。これは、混注ポート40と爪20との間の水平方向距離を短くする。このため、回転モーメントが小さくなる。これは、アダプタ1に引張り力Fが加えられたとき、ポート90に対するアダプタ1の傾きを小さくするのに有利である。アダプタ1がポート90に対して傾くと、ポート90に対する爪20の係合が外れる、穿刺針10がゴム栓91に対して傾くことによって穿刺針10とゴム栓91との間に隙間が形成され、この隙間を通って薬液バッグ内の薬液が外界に漏れ出る、等の問題が生じる可能性がある。本実施形態1では、このような問題が生じにくい。
隣り合うアーム30間のスリット36は、天板35にまで達していない(図2参照)。各アーム30を構成する2つの弾性部31(31a,31b)のうち、スリット36に隣接する第1弾性部31aは、第2弾性部31bに比べて短い。このため、第1弾性部31aは、第2弾性部31bよりも高強度で曲げ変形しにくい。穿刺針10の長手方向に沿って見たとき、相対的に高強度の第1弾性部31aが、第2弾性部31bよりも穿刺針10(または混注ポート40)に接近して配置されている(図1~図4参照)。これは、引張り力Fが加えられたときに、ポート90に対する爪20の係合が外れるのを防止するのに有利である。この理由は以下の通りである。引張り力Fは、混注ポート40に、アダプタ1をポート90から穿刺針10の長手方向に沿って引き離すように作用する(図7参照)。この引張り力Fに対して、2つの弾性部31a,31bのうち、穿刺針10及び混注ポート40により近い第1弾性部31aが主として対抗する。第1弾性部31aが相対的に高強度であることは、混注ポート40に引張り力Fが加えられたときの第1弾性部31aの変形を小さくする。このため、ポート90に対する爪20の係合が外れにくくなるのである。一方、第2弾性部31bが相対的に低強度であることは、アダプタ1をポート90に接続する作業を容易にする。
なお、第1弾性部31aを第2弾性部31bより高強度にする方法は、本実施形態1に限定されず、任意である。例えば、第1弾性部31aの断面積を大きくする、第1弾性部31aに補強用のリブを設ける、等の方法により、第1弾性部31aを相対的に高強度にしてもよい。本実施形態1とは異なり、本発明では、第1弾性部31aと第2弾性部31bとが実質的に同じ強度を有していてもよい。
本実施形態1のアダプタ1では、穿刺針10をゴム栓91の中央に穿刺することは困難である。しかしながら、これは輸液を行うに際して何の問題も生じさせない。
(実施形態2)
図8及び図9は、本発明の実施形態2にかかるアダプタ2の斜視図である。図10は、図8の10-10線を含む面(偏心方向面)に沿ったアダプタ2の断面斜視図である。本実施形態2のアダプタ2は、穿刺針10に向かって突出した3つの爪220と、3つの爪220が設けられた3つのアーム230とを備える点で、2つの爪20と2つのアーム30とを備える実施形態1のアダプタ1と異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に、本実施形態2のアダプタ2を説明する。
以下の説明において、3つの爪220及び3つのアーム230を区別する必要がある場合には、図8及び図9に示されているように、それらの符号に添え字「a」、「b」、または「c」を付す。爪220bと爪220cとの間に爪220aが配置されている。爪220a,220b,220cは、アーム230a,230b,230cにそれぞれ設けられている。
天板35の外周端縁から3つのアーム230が、穿刺針10に対向するように下方に向かって延びている。実施形態1のアーム30と同様に、各アーム230は、天板35から上下方向に沿って延びた2つの弾性部31と、2つの弾性部31の下端をつなぐ架橋部32とを含み、これらによって全体として略「U」字形状を有している。
アーム230の先端部分を構成する架橋部32に爪220が設けられている。爪220は、架橋部32の穿刺針10に対向する面から、穿刺針10に向かって突出している。実施形態1の爪20と同様に、各爪220は、係止板22と、係止板22の下面に設けられたリブ23とを含む。中央の爪220aには2つのリブ23が設けられ、その両側の爪220b,230cには1つのリブ23が設けられている。
アーム230は、爪220が穿刺針10から離れるように弾性的に変形することができる。アーム230aとアーム230bとの間、及び、アーム230aとアーム230cとの間に、それぞれスリット36が設けられているので、各アーム230a,230b,230cは互いに独立して変形することができる。
図11は、穿刺針10の先端11側から、穿刺針10の長手方向に沿って見たアダプタ2の下面図である。実施形態1と同様に、3つの爪220の先端21の円弧は、二点鎖線で示した共通する円25に沿っている。アーム230の架橋部32は、円25と同心の共通する円に沿っている。アーム230の弾性部31の主面は、円25と同心の共通する円に接している。天板35(図8、図9参照)の外周端縁も、円25と同心の円に沿っている。一方、穿刺針10は、円25に対して偏心側D1に偏心している。爪220は、円25に沿って不均一に配置されている。中心26(または穿刺針10)に対して反偏心側D2には、爪220及びアーム230は配置されていない。天板35には、反偏心側D2の端縁から穿刺針10の基端近傍にまで達する切り欠き37が設けられている。アダプタ2は、偏心方向面Sに対して対称である。中央の爪220aは、偏心方向面S上に位置する。
アダプタ2は、実施形態1のアダプタ1と同様に、輸液バッグのポート90に接続される。図12はポート90に接続されたアダプタ2の斜視図である。図13は、図12の13-13線を含む面(偏心方向面)に沿った断面図である。
3つの爪220が、ポート90の段差97に係合し、径小部98を挟持する。爪220は、ポート90の中心軸(図示せず)と同心の円にほぼ沿っている。3つの爪220は、それぞれポート90に安定的に係合する。アダプタ2及びポート90に、両者を引き離す向きの力が加えられても、ポート90に対する爪220の係合は外れない。
穿刺針10は、ゴム栓91の中央から外れた領域93を、ゴム栓91の表面に対して垂直に(あるいは、ポート90の中心軸に平行に)穿刺している。ゴム栓91の領域92に金属針による穿刺孔92aが形成されていても、穿刺針10を領域93に穿刺したことによって穿刺孔92aが拡大されて薬液が漏れ出るという事態は生じない。
実施形態1と同様に、図12及び図13のようにポート90にアダプタ2を接続した後、アダプタ2の混注ポート40に、輸液セットの上流端のオスコネクタ(図示せず)を接続する。
図11に示したように、隣り合う爪220間の周方向に沿った間隔が、偏心側D1で狭く、且つ、反偏心側D2で広くなるように、爪220は、内接円25に沿って不均一に配置されている。特に、穿刺針10に対して偏心側D1に位置する爪220aは、穿刺針10に最も接近して配置されている。このような爪220の配置は、アダプタ2をポート90に接続した状態において外力がポート90に加えられたとき、アダプタ2のポート90に対する傾きを抑えるのに有利である。
実施形態1と同様に、混注ポート40は、内接円25に対して偏心側D1に(好ましくは穿刺針10よりも大きく)偏心している。このため、混注ポート40から爪220(特に爪220a)までの水平方向距離が短い。これは、アダプタ2に引張り力F(図13参照)が加えられたときの、ポート90に対するアダプタ1の傾きを抑えるのに有利である。
更に、図9及び図11から理解できるように、爪220aが設けられたアーム230aを構成する2つの弾性部31間の距離は、アーム230b,230cのそれぞれを構成する2つの弾性部31間の距離より大きい。従って、アーム230aは、アーム230b,230cよりも高強度で曲げ変形しにくい。その理由は、以下の通りである。図11に示されているように、各弾性部31の主面は、内接円25の中心26を向いている。穿刺針10の長手方向に沿って見たとき、爪220が穿刺針10(または内接円25の中心26)から離れるように移動する方向と、その爪220が設けられたアーム230を構成する弾性部31の主面の法線方向とは一致しない。アーム230を構成する2つの弾性部31間の距離が大きくなるほど、爪220の移動方向と弾性部31の法線方向とがなす角度が大きくなり、弾性部31を爪220の移動方向に変形させるのにより大きな力が必要になる。従って、アーム230aは、爪230aを移動させることに関して相対的に高強度である。このアーム230aに、穿刺針10に最も近い爪220aが設けられている。これは、引張り力Fが加えられたときに、ポート90に対する爪220(特に爪220a)の係合が外れるのを防止するのに有利である。引張り力Fに対して、爪220a及びアーム230aが主として対抗するからである。一方、アーム230b,230cが相対的に低強度であることは、アダプタ2をポート90に接続する作業を容易にする。
なお、アーム230aをアーム230b,230cより高強度にする方法は、本実施形態2に限定されず、任意である。例えば、アーム230aを構成する弾性部31の断面積を大きくする、アーム230aを構成する弾性部31に補強用のリブを設ける、等の方法により、アーム230aを相対的に高強度にしてもよい。本実施形態2とは異なり、本発明では、全てのアーム230が実質的に同じ強度を有していてもよい。
実施形態1と同様に、アーム230b,230cのそれぞれを構成する2つの弾性部31のうち穿刺針10に接近した弾性部(第1弾性部)を、相対的に高強度に構成してもよい。
上記の実施形態1,2は例示に過ぎない。本発明は、上記の実施形態1,2に限定されず、適宜変更することができる。
本発明のアダプタが備える爪及びアームの数は、上記の実施形態に限定されない。爪及びアームの数は、好ましくはそれぞれ2つ以上であり、それぞれ4つ以上であってもよい。
爪の形状は、任意に変更できる。例えば、爪の先端21に、爪の内接円25に沿った円弧状の凹部が設けられている必要はない。爪の先端21に、平坦面、または、円弧状もしくはドーム状の凸部が設けられていてもよい。
爪の係止板22の形状は、任意に変更できる。また、係止板22は、先端21に向かって天板35に接近するように傾斜している必要はない。係止板22を省略し、爪が上下方向に平行なリブ23で構成されていてもよい。
1つの爪に設けられるリブ23の数は、任意である。リブ23の形状も任意である。爪がリブ23を備えていなくてもよい。
1つのアームに2以上の爪が設けられていてもよい。
複数の爪及び複数のアームが、中心26に対して等角度間隔で(即ち、内接円25に沿って周方向に等間隔で)配置されていてもよい。
アームの形状も、任意に変更できる。例えば、アームが、2つの弾性部31と、これらの下端をつなぐ1つ架橋部32とで構成されている必要はない。例えば、アームが、架橋部32に相当する部材を備えていなくてもよい。アームが、上下方向に沿って延びた1つの棒状(または細長い板状)の弾性部のみで構成されていてもよい。
天板35の形状は任意である。例えば、天板35の平面視形状は、円形に限定されず、楕円形、多角形(例えば三角形、四角形)等であってもよい。天板35が切り欠き37を備えていなくてもよい。本発明のアダプタは、天板35を備えていなくてもよい。例えば、穿刺針10の基端から、アームが延びていてもよい。
混注ポート40の水平方向の位置も任意である。例えば、混注ポート40が、穿刺針10と同軸に配置されていてもよく、あるいは、内接円25と同心に配置されていてもよい。混注ポート40と穿刺針10とが、柔軟なチューブを介して接続されていてもよい。
混注ポート40の構成は、上記の実施形態で示したニードルレスポートに限定されない。例えば、自閉式の弁機能を、セプタム45以外の構成によって実現してもよい。混注ポートが、自閉式の弁機能を備えていなくてもよい。例えば、混注ポートが、テーパ面を備えた公知のコネクタ(メスコネクタ)であってもよい。公知の任意の混注ポートを、本発明のアダプタに適用することができる。
上記の実施形態では、穿刺針10内に、液体が流れる1本の流路12のみが形成されていたが、液体が流れる流路に加えて、容器内の圧力変動を防ぐために気体が流れる流路が形成されていてもよい。
上記のアダプタの使用方法では、ポート90に本発明のアダプタを接続する前に、ゴム栓91にシリンジの金属針を穿刺して輸液バック内で薬液を調製した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、ゴム栓91に金属針を穿刺することなく、ポート90にアダプタを接続してもよい。その後、アダプタを介して、所定の薬剤等を輸液バッグに注入し、薬液を調製してもよい。
本発明のアダプタが接続されるポートに、金属針を穿刺すべき領域92と穿刺針を穿刺すべき領域93とが表示されていなくてもよい。
本発明のアダプタが接続されるメスコネクタは、輸液バッグのポートに限定されない。例えば、本発明のアダプタを、バイアルに接続してもよい。好ましくは、メスコネクタは、穿刺針を穿刺可能な栓体(例えばゴム栓)を備える。
穿刺針10の流路12を流れる液体は、薬液であってもよいが、薬液以外の任意の液体であってもよい。
本発明は、制限はないが、医療分野、特に輸液において好ましく利用することができる。本発明のアダプタは、液体(特に、薬液)を貯留した容器のメスコネクタに接続するアダプタとして好ましく利用することができる。
1,2 アダプタ
10 穿刺針
20,220,220a,220b,220c 爪
25 爪の内接円
26 内接円の中心
30,230,230a,230b,230c アーム
35 天板
37 切り欠き
31,31a,31b 弾性部
40 混注ポート
90 ポート(メスコネクタ)

Claims (10)

  1. メスコネクタに穿刺可能な穿刺針と、
    前記穿刺針をメスコネクタに穿刺したとき前記メスコネクタに係合するように前記穿刺針に向かって突出した複数の爪と、
    前記複数の爪が設けられ、前記複数の爪が前記穿刺針から離れるように弾性変形可能な複数のアームと、
    前記穿刺針に連通した混注ポートとを備えたアダプタであって、
    前記穿刺針の長手方向に沿って見たとき、前記複数の爪に内接する円に対して前記穿刺針が偏心しており、
    前記穿刺針に対して前記円の中心が位置する側には、前記複数の爪及び前記複数のアームは配置されていないことを特徴とするアダプタ。
  2. 前記穿刺針と前記混注ポートとの間の位置に外向きに突出した天板を更に備え、
    前記天板に前記複数のアームが設けられており、
    前記穿刺針の長手方向に沿って見たとき、前記天板の、前記穿刺針に対して前記円の中心が位置する側の部分が切り欠かれている請求項1に記載のアダプタ。
  3. メスコネクタに穿刺可能な穿刺針と、
    前記穿刺針をメスコネクタに穿刺したとき前記メスコネクタに係合するように前記穿刺針に向かって突出した複数の爪と、
    前記複数の爪が設けられ、前記複数の爪が前記穿刺針から離れるように弾性変形可能な複数のアームと、
    前記穿刺針に連通した混注ポートとを備えたアダプタであって、
    前記穿刺針の長手方向に沿って見たとき、前記複数の爪に内接する円に対して前記穿刺針が偏心しており、
    前記穿刺針と前記混注ポートとの間の位置に外向きに突出した天板を更に備え、
    前記天板に前記複数のアームが設けられており、
    前記穿刺針の長手方向に沿って見たとき、前記天板の、前記穿刺針に対して前記円の中心が位置する側の部分が切り欠かれていることを特徴とするアダプタ。
  4. 前記複数のアームのそれぞれは、前記穿刺針と略平行に延びた第1弾性部及び第2弾性部を備え、
    前記第1弾性部及び前記第2弾性部の先端側に前記爪が設けられており、
    前記第1弾性部及び前記第2弾性部は、前記円と同心の円に沿って配置されており、
    前記第1弾性部は、前記第2弾性部よりも、前記穿刺針に接近して配置されており、
    前記第1弾性部は、前記第2弾性部に比べて高強度である請求項1~3のいずれか一項に記載のアダプタ。
  5. メスコネクタに穿刺可能な穿刺針と、
    前記穿刺針をメスコネクタに穿刺したとき前記メスコネクタに係合するように前記穿刺針に向かって突出した複数の爪と、
    前記複数の爪が設けられ、前記複数の爪が前記穿刺針から離れるように弾性変形可能な複数のアームと、
    前記穿刺針に連通した混注ポートとを備えたアダプタであって、
    前記穿刺針の長手方向に沿って見たとき、前記複数の爪に内接する円に対して前記穿刺針が偏心しており、
    前記複数のアームのそれぞれは、前記穿刺針と略平行に延びた第1弾性部及び第2弾性部を備え、
    前記第1弾性部及び前記第2弾性部の先端側に前記爪が設けられており、
    前記第1弾性部及び前記第2弾性部は、前記円と同心の円に沿って配置されており、
    前記第1弾性部は、前記第2弾性部よりも、前記穿刺に接近して配置されており、
    前記第1弾性部は、前記第2弾性部に比べて高強度であることを特徴とするアダプタ。
  6. 前記複数の爪のうち前記穿刺針から最も近い爪が設けられたアームは、他のアームに比べて高強度である請求項1~5のいずれか一項に記載のアダプタ。
  7. メスコネクタに穿刺可能な穿刺針と、
    前記穿刺針をメスコネクタに穿刺したとき前記メスコネクタに係合するように前記穿刺針に向かって突出した複数の爪と、
    前記複数の爪が設けられ、前記複数の爪が前記穿刺針から離れるように弾性変形可能な複数のアームと、
    前記穿刺針に連通した混注ポートとを備えたアダプタであって、
    前記穿刺針の長手方向に沿って見たとき、前記複数の爪に内接する円に対して前記穿刺針が偏心しており、
    前記複数の爪のうち前記穿刺針から最も近い爪が設けられたアームは、他のアームに比べて高強度であることを特徴とするアダプタ。
  8. 前記複数の爪は、前記円に沿って不均一に配置されている請求項1~7のいずれか一項に記載のアダプタ。
  9. 前記混注ポートは、前記円に対して、前記穿刺針が前記円に対して偏心するのと同じ側に偏心している請求項1~のいずれか一項に記載のアダプタ。
  10. 前記混注ポートは、前記円に対して、前記穿刺針よりも更に大きく偏心している請求項に記載のアダプタ。
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