JP7222365B2 - 被検体の肉厚測定装置及び肉厚測定方法 - Google Patents

被検体の肉厚測定装置及び肉厚測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面及び裏面の少なくとも一方の面のうち少なくとも一部が曲面で形成される金属製の被検体の表面と裏面との間の肉厚を測定する被検体の肉厚測定装置及び肉厚測定方法に関する。
従来から、電磁的な作用によって発生させた超音波(電磁超音波)を用いて金属製の測定対象物の材質や寸法の測定や欠陥の検出等が行われている。
例えば、特許文献1では、金属薄板中に渦電流を誘起するための高周波電流を流すコイルと、金属薄板に所定の磁界を印加する磁石と、渦電流と磁界との相互作用のために金属薄板の表面近傍に生ずる電磁力により発生する2種の横波超音波および1種の縦波超音波を検出する共振型電磁超音波センサとを備えた電磁超音波装置を用いて、2種の横波超音波および1種の縦波超音波を発生・検出し、厚み共振型周波数の比を測定する金属薄板の材質測定法が提案されている。
また、特許文献2では、静磁界を形成する磁力発生手段と、コイルとを有し、コイルに高周波電流を流し、被検体内に電磁力を発生させることにより超音波の送受信を行う電磁超音波探触子であって、磁力発生手段とコイルとの間にスペーサが配置されている電磁超音波探触子が提案されている。特許文献2に示す電磁超音波探触子によれば、磁力発生手段内の自己共振を低減することにより、ノイズを低減することができる。
特開平6-118064号公報 特開2009-14466号公報
しかしながら、これら特許文献1に示す金属薄板の材質測定法及び特許文献2に示す電磁超音波探触子にあっては、以下の問題点があった。
即ち、鋼矢板の継手部などの表面及び裏面の少なくとも一方の面のうち少なくとも一部が曲面で形成される被検体の肉厚をこれら特許文献1に示す金属薄板の材質測定法や特許文献2に示す電磁超音波探触子で測定する場合、肉厚の測定の精度が低いという問題があった。この理由は、電磁超音波センサから送信された超音波が当該曲面に当たった際に、当該曲面から反射した超音波が超音波を送信した電磁超音波センサに円滑に戻らず、超音波伝播時間の算出などに支障をきたすからである。
従って、本発明はこの従来の問題点を解決するものであり、その目的は、表面及び裏面の少なくとも一方の面のうち少なくとも一部が曲面で形成される金属製の被検体の表面と裏面との間の肉厚を精度良く測定することができる被検体の肉厚測定装置及び肉厚測定方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る被検体の肉厚測定装置は、 表面及び裏面の少なくとも一方の面のうち少なくとも一部が曲面で形成される金属製の被検体の表面と裏面との間の肉厚を測定する被検体の肉厚測定装置であって、前記被検体に対して静磁場を形成する磁石と、コイルとを有し、前記コイルに高周波電流を流すことにより前記被検体中に渦電流を励起させて超音波の送受信を行う複数の電磁超音波センサを、前記被検体の表面又は裏面に沿って配置し、前記複数の電磁超音波センサのうちの特定の送信側の電磁超音波センサから該送信側の電磁超音波センサが配置された前記被検体の表面又は裏面に対して垂直に送信された超音波が、前記送信側の電磁超音波センサが配置された前記被検体の表面又は裏面の反対側の面で反射し、その反射した超音波を前記送信側の電磁超音波センサを含む前記複数の電磁超音波センサのうちのいずれかの受信側の電磁超音波センサで受信するようにしたことを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る被検体の肉厚測定方法は、前述の肉厚測定装置を用いて被検体の表面と裏面との間の肉厚を測定することを要旨とする。
本発明に係る被検体の肉厚測定装置及び肉厚測定方法によれば、表面及び裏面の少なくとも一方の面のうち少なくとも一部が曲面で形成される金属製の被検体の表面と裏面との間の肉厚を精度良く測定することができる被検体の肉厚測定装置及び肉厚測定方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る被検体の肉厚測定装置に備えられる電磁超音波センサの一例の模式図である。 図1に示す電磁超音波センサを用いた電磁超音波法における測定原理を示し、(A)はコイルに電流を流す前の状態の模式図、(B),(C)はそれぞれ逆方向に電流を流した状態の模式図である。 本発明の一実施形態に係る被検体の肉厚測定装置の概略構成図である。 図3に示す肉厚測定装置の構成ブロック図である。 図3に示す肉厚測定装置による肉厚算出方法を説明するための図である。 1つの電磁超音波センサを用いて被検体の平坦部を測定した際の信号出力を説明するためのグラフである。 1つの電磁超音波センサを用いて被検体の曲面形状部を測定した際の信号出力を説明するためのグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
図1には、本発明の一実施形態に係る被検体の肉厚測定装置に備えられる電磁超音波センサの一例が示されている。図1に示す電磁超音波センサ10は、ローレンツ力型電磁超音波センサで、被検体20(図2参照、鋼矢板の継手部31:図3及び図5参照)に対して静磁場を形成する磁石10aと、コイル10bとを有する。そして、電磁超音波センサ10は、コイル10bに高周波電流を流すことにより被検体20中に渦電流21を励起させて超音波23の送受信を行う。
具体的に述べると、図2に示すように、被検体20に磁石10aからの磁場が負荷された状態で(図2(A)参照)、被検体20の表面20a付近に存在するコイル10bに高周波電流を流すことにより被検体20中に渦電流21を生じさせる。すると、その渦電流21及び磁場によりローレンツ力22が発生する(図2(B),(C)参照)。コイル10bに流れる電流の向きが反転すると、ローレンツ力22の向きも反転し、その結果、被検体20中に超音波23が発生する(図2(B),(C)参照)。ローレンツ力22は、超音波23の進行方向に対して垂直方向に発生するから、被検体20中に発生する超音波23は横波超音波である。図2(B),(C)においては、超音波23は、被検体20の板厚方向に進行し、被検体20の表面20a側に配置された電磁超音波センサ10から送信された超音波23は、その表面20a及び裏面20bで反射し、反射された超音波23は電磁超音波センサ10で受信される。
本実施形態に係る被検体の肉厚測定装置1(図3参照)においては、被検体20としての鋼矢板30の継手部31の表面31aと裏面31bとの間の肉厚を測定するために、このように構成される複数(本実施形態にあってはn個)の電磁超音波センサ10~10を、継手部31の表面31aに沿って継手部31の表面31aの全体に亘って配置している。各電磁超音波センサ10~10は、前述したように、鋼矢板の継手部31に対して静磁場を形成する磁石10aと、コイル10bとを有する。そして、各電磁超音波センサ10~10は、コイル10bに高周波電流を流すことにより継手部31中に渦電流21を励起させて超音波23の送受信を行う。
このように、継手部31の表面31aと裏面31bとの間の肉厚を測定するために、圧電素子型超音波センサではなく、電磁超音波センサ10~10を採用した理由は、次の通りである。圧電素子型超音波センサの場合、超音波源としての圧電素子型超音波センサと被検体との間に超音波を被検体側に伝播させるための接触媒質、例えば水を介在させる必要がある。これに対して、電磁超音波センサの場合、振動源あるいは受信源が被検体の表面にあるため、接触媒質が不要になるからである。従って、継手部31の表面31aと裏面31bとの間の肉厚を測定するために、電磁超音波センサ10~10を採用した場合、複数の電磁超音波センサ10~10が配置される継手部31の表面31aに接触媒質(例えば、水)を介在させる必要はない。
ここで、継手部31の表面31aの少なくとも一部及び継手部31の裏面31bの少なくとも一部は、図3に示すように、曲面で形成されている。
被検体20(図2参照)の表面20a及び裏面20bが平坦である場合には、1つの電磁超音波センサ10を用いて被検体20の表面20aと裏面20bとの間の肉厚を測定することができる。この理由について図6を参照して説明する。図6には、1つの電磁超音波センサを用いて被検体の平坦部を測定した際の信号出力を説明するためのグラフが示されている。
1つの電磁超音波センサ10を用いて平坦である被検体20の表面20a及び裏面20b間の肉厚を測定すると、その出力信号は、被検体20の表面20aから反射された表面エコー41、被検体20の裏面20bから反射された底面エコー42及び複数の多重反射エコー43が明確に出力される。被検体20の表面20a及び裏面20b間の肉厚は、電磁超音波センサ10から超音波が送信されてから底面エコー42のエコー強度が最大値となるまでの超音波伝播時間tに音速vを乗算し、その乗算した値を2で除算して求められる。このため、被検体20の表面20a及び裏面20bが平坦である場合には、底面エコー42が明確に出力されることから、1つの電磁超音波センサ10を用いて被検体20の表面20aと裏面20bとの間の肉厚を問題なく測定することができる。
一方、被検体20の表面20a及び裏面20bの少なくとも一方の面の少なくとも一部が曲面で形成されている場合には、1つの電磁超音波センサ10を用いて被検体20の表面20aと裏面20bとの間の肉厚を精度よく測定することができない。この理由について図7を参照して説明する。図7には、1つの電磁超音波センサを用いて被検体の曲面形状部を測定した際の信号出力を説明するためのグラフが示されている。
1つの電磁超音波センサ10を用いて被検体20の表面20a及び裏面20bの少なくとも一部が曲面形状である被検体20の表面20a及び裏面20間の肉厚を測定すると、その出力信号は、被検体20の表面20aから反射された表面エコー41が出力され、底面エコー42及び多重反射エコー43は出力されないことがある。底面エコー42が出力されない理由は、被検体20の裏面20bで反射された超音波23が予測できない方向に進行し、当該電磁超音波センサ10で受信できないことがあるからである。これは、被検体20の表面20a及び裏面20bの少なくとも一方の面の少なくとも一部が曲面で形成されて反射面が曲面で形成され、反射面で反射された超音波23が予測できない方向に進行するからである。従って、被検体20の表面20a及び裏面20bの少なくとも一方の面の少なくとも一部が曲面で形成されている場合には、底面エコー42が出力されないことがあることから、超音波伝播時間tが算出できないことがあり、1つの電磁超音波センサ10を用いて被検体20の表面20aと裏面20bとの間の肉厚を精度よく測定することができない。
このため、被検体としての継手部31の表面31aの少なくとも一部及び継手部31の裏面31bの少なくとも一部が曲面で形成されているものの肉厚を測定する本実施形態に係る被検体の肉厚測定装置1においては、複数(本実施形態にあってはn個)の電磁超音波センサ10~10を、被検体としての鋼矢板30の継手部31の表面31aに沿って継手部31の表面31aの全体に亘って配置している。
そして、図5に示すように、複数(n個)の電磁超音波センサ10~10のうちの特定の送信側の電磁超音波センサ10から送信側の電磁超音波センサ10が配置された継手部31の表面31aに対して垂直に送信された超音波23が、継手部31の裏面31bで反射し、その反射した超音波23を送信側の電磁超音波センサ10を含む複数(n個)の電磁超音波センサ10~10のうちのいずれかの受信側の電磁超音波センサ(図5に示す例では送信側の電磁超音波センサ10に隣接する電磁超音波センサ10k+1)で受信するようにしてある。反射面をなす継手部31の裏面31bの形状がいかなる場合でも、必ずいずれかの受信側の電磁超音波センサで反射した超音波23を受信することができる。
これにより、被検体としての継手部31の表面31aの少なくとも一部及び継手部31の裏面31bの少なくとも一部が曲面で形成されていても肉厚d1(図5参照)を精度よく測定することができる。この肉厚の具体的な算出方法については後に詳細に説明する。
ここで、複数の電磁超音波センサ10~10を、被検体としての鋼矢板30の継手部31の表面31aに沿って配置する際には、各電磁超音波センサ10~10のサイズや配置角度、配置間隔は特に限定されないが、被検体としての継手部31へ超音波23を漏れなく送受信できるように、各電磁超音波センサ10~10のサイズや配置角度、配置間隔を決定する必要がある。
また、各電磁超音波センサ10~10は、継手部31の表面31aに対して垂直に接触させる必要がある。
また、肉厚測定装置1は、図3に示すように、複数の電磁超音波センサ10~10の各々を、各電磁超音波センサ10~10が配置される継手部31の表面31aに所定の押付け力で押し付ける押付装置11を備えている。押付装置11は、各各電磁超音波センサ10~10を支持すると共に各各電磁超音波センサ10~10を表面31aに押し付ける支持部材11~11を備えている。押付装置11により、複数の電磁超音波センサ10~10の各々を、各電磁超音波センサ10~10が配置される継手部31の表面31aに所定の押付け力で押し付けることで、各電磁超音波センサ10~10の配置位置が固定され、より精度高く肉厚d1を測定できることになる。
また、肉厚測定装置1は、図4に示すように、複数の電磁超音波センサ10~10に接続され、送信側の電磁超音波センサ10(図5参照)の送信信号と受信側の電磁超音波センサ10k+1(図5参照)の受信信号とに基づいて、継手部31の表面31aと裏面31bとの間の肉厚d1を算出する肉厚算出部12を備えている。肉厚算出部12は、演算処理機能を有するコンピュータシステムであり、ハードウェアに予め記憶された各種専用のコンピュータプログラムを実行することにより、肉厚算出機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
肉厚算出部12による肉厚算出方法について図5を参照して具体的に説明する。
複数の電磁超音波センサ10~10のうちの特定の送信側の電磁超音波センサ10から超音波23が送信され、超音波23が板厚方向に伝播する。このとき、送信側の電磁超音波センサ10は継手部31の表面31aに対して垂直に配置されており、超音波23は継手部31の表面31aに対して垂直に送信される。
そして、継手部31の表面31aに対して垂直に送信された超音波23は、継手部31の裏面31bで反射し、その反射した超音波23が送信側の電磁超音波センサ10を含む複数(n個)の電磁超音波センサ10~10のうちのいずれかの受信側の電磁超音波センサ(図5に示す例では送信側の電磁超音波センサ10に隣接する電磁超音波センサ10k+1)で受信される。
ここで、継手部31の表面31aにおける送信側の電磁超音波センサ10からの超音波23の送信位置P1と、継手部31の裏面31bにおける超音波23の反射位置P2との間が肉厚d1となる。また、継手部31の裏面31bにおける超音波23の反射位置P2と継手部31の表面31aにおける受信側の電磁超音波センサ10k+1の受信位置P3との間の距離をd2とする。
また、超音波23の送信位置P1と超音波23の受信位置P3との間の距離をα1とし、その距離α1の垂直方向成分の距離をα2、距離α1の水平方向成分の距離をα3とする。また、線分α1と線分d1との間のなす角度をθとする。
ここで、肉厚算出部12は、送信側の電磁超音波センサ10の送信信号と受信側の電磁超音波センサ10k+1の受信信号を受信すると、それらから送信側の電磁超音波センサ10と受信側の電磁超音波センサ10k+1を特定する。肉厚算出部12は、複数(n個)の電磁超音波センサ10~10の全ての配置位置を記憶部で予め記憶しており、送信側の電磁超音波センサ10と受信側の電磁超音波センサ10k+1を特定することで、送信側の電磁超音波センサ10からの超音波23の送信位置P1と受信側の電磁超音波センサ10k+1の受信位置P3とを画定することができる。これにより、肉厚算出部12は、超音波23の送信位置P1と超音波23の受信位置P3との間の距離α1と、その距離α1の垂直方向成分の距離α2と、距離α1の水平方向成分の距離α3とを画定することができる。
また、肉厚算出部12は、送信側の電磁超音波センサ10の送信信号と受信側の電磁超音波センサ10k+1の受信信号を受信すると、送信側の電磁超音波センサ10の送信時刻と受信側の電磁超音波センサ10k+1の受信時刻とから超音波23の伝播時間を算出することができる。受信側の電磁超音波センサ10k+1の受信信号は、例えば、図6に示したように、その信号強度がエコー強度であり、そのエコー強度が所定の閾値以上か閾値未満かで受信側の電磁超音波センサ10k+1の受信を判定する。即ち、受信信号のエコー強度が所定の閾値以上の場合、肉厚算出部12は受信側の電磁超音波センサ10k+1の受信を認識し、その受信時刻を決定する。一方、受信信号のエコー強度が所定の閾値未満の場合、肉厚算出部12は受信側の電磁超音波センサ10k+1の受信がなかったとする。
そして、肉厚算出部12は、超音波23の伝播時間を算出すると、その算出された伝播時間と音速とを乗算し、継手部31の表面31aにおける送信側の電磁超音波センサ10の送信位置P1から継手部31の裏面31bにおける超音波23の反射位置P2を経て継手部31の表面31aにおける受信側の電磁超音波センサ10k+1の受信位置P3に至るまでの距離Sを算出することができる。
ここで、S=d1+d2 ・・・(1)
なお、音速は、被検体としての継手部31の鋼成分や温度によって変化するが、その変化する音速のデータが肉厚算出部12の記憶部に記憶されており、距離Sの算出に際し、測定する継手部31の鋼成分や温度に応じて適切な値が読み出される。
また、肉厚算出部12は、線分d1と線分α1とが成す角度θを、次の(2)式で算出することができる。
θ=90-θ’=90-cos-1(α3/α1) ・・・(2)
また、肉厚算出部12は、余弦定理より、反射位置P2から受信位置P3に至るまでの距離d2を、送信位置P1と反射位置P2との間の肉厚d1、送信位置P1と受信位置P3との間の距離α1、及び線分d1と線分α1とが成す角度θを用いて次の(3)式で算出することができる。
d2=d1+α1-2d1×α1×cosθ ・・・(3)
そして、肉厚算出部12は、前述の(1)式、(2)式、及び(3)式より、送信位置P1と反射位置P2との間の肉厚d1を、送信位置P1から反射位置P2を経て受信位置P3までの距離S、超音波23の送信位置P1と超音波23の受信位置P3との間の距離α1、距離α1の水平方向成分の距離α3を用いて次の(4)式で算出することができる。
d1=(S-α1)/2{S-α1×sin(cos-1(α3/α1))}
・・・(4)
このように、肉厚算出部12は、継手部31の表面31aにおける特定の送信側の電磁超音波センサ10からの超音波23の送信位置P1と、継手部31の裏面31bにおける超音波23の反射位置P2との間の肉厚d1を(4)式で算出することができる。
肉厚算出部12は、(4)式による肉厚d1の算出を、1番目の送信側の電磁超音波センサ10から超音波23が送信された場合からn番目の送信側の電磁超音波センサ10から超音波23が送信された場合までn回行う。
また、肉厚測定装置1は、図4に示すように、肉厚算出部12に接続され、肉厚算出部12の算出結果を出力する出力部13を備えている。出力部13は、例えば、プリンターなどで構成され、肉厚算出部12の算出結果であるn個の送信位置P1及び反射位置P2と肉厚d1の値を出力する。
次に、肉厚測定装置1を用いた継手部31の肉厚測定方法について説明する。
先ず、押付装置11により各電磁超音波センサ10~10が配置される継手部31の表面31aに各電磁超音波センサ10~10を所定の押付け力で押し付ける。これにより、複数の電磁超音波センサ10~10の各々が所定の押付け力で押し付けられた状態で継手部31の表面31aに沿って継手部31の表面31aの全体に亘って配置される。この状態では、各電磁超音波センサ10~10は、継手部31の表面31aに対して垂直に接触される。
次いで、複数の電磁超音波センサ10~10のうちの1番目の送信側の電磁超音波センサ10のコイル10b(図1参照)に高周波電流を流し、肉厚算出部12が、継手部31の表面31aにおける1番目の送信側の電磁超音波センサ10からの超音波23の送信位置P1と、継手部31の裏面31bにおける超音波23の反射位置P2との間の肉厚d1を(4)式で算出する。
そして、複数の電磁超音波センサ10~10のうちの2番目の送信側の電磁超音波センサ10からn番目の送信側の電磁超音波センサ10のそれぞれのコイル10bに高周波電流を流して、送信側の電磁超音波センサ10からn番目の送信側の電磁超音波センサ10のそれぞれから送信される超音波23の送信位置P1と、継手部31の裏面31bにおける超音波23の反射位置P2との間の肉厚d1を(4)式で算出する。
そして、出力部13は、肉厚算出部12の算出結果であるn個の送信位置P1及び反射位置P2と肉厚d1の値を出力する。
このように、本実施形態に係る肉厚測定装置1及び肉厚測定方法によれば、表面31aの少なくとも一部及び裏面31bの少なくとも一部が曲面で形成される継手部31の表面31aと裏面31bとの間の肉厚d1を測定する。そして、肉厚測定装置1は、被検体としての継手部31に対して静磁場を形成する磁石10aと、コイル10bとを有し、コイル10bに高周波電流を流すことにより継手部31中に渦電流21を励起させて超音波23の送受信を行う複数の電磁超音波センサ10~10を、継手部31の表面31a裏面に沿って配置している。そして、肉厚測定装置1は、複数の電磁超音波センサ10~10のうちの特定の送信側の電磁超音波センサ10から送信側の電磁超音波センサ10が配置された継手部31の表面31aに対して垂直に送信された超音波23が、送信側の電磁超音波センサ10が配置された継手部31の裏面31bで反射し、その反射した超音波23を送信側の電磁超音波センサ10を含む複数の電磁超音波センサ10~10のうちのいずれかの受信側の電磁超音波センサ10k+1で受信するようにした。
これにより、表面31aの少なくとも一部及び裏面31bの少なくとも一部が曲面で形成される継手部31の表面31aと裏面31bとの間の肉厚d1を精度良く測定することができる。
また、本実施形態に係る肉厚測定装置1によれば、肉厚測定装置1は、複数の電磁超音波センサ10~10の各々を、各電磁超音波センサ10~10が配置される継手部31の表面31aに所定の押付け力で押し付ける押付装置11を備えている。
これにより、押付装置11により、複数の電磁超音波センサ10~10の各々を、各電磁超音波センサ10~10が配置される継手部31の表面31aに所定の押付け力で押し付けることで、各電磁超音波センサ10~10の配置位置が固定され、より精度高く肉厚d1を測定できる。
また、本実施形態に係る肉厚測定装置1によれば、肉厚測定装置1は、複数の電磁超音波センサ10~10に接続され、送信側の電磁超音波センサ10の送信信号と受信側の電磁超音波センサ10k+1の受信信号とに基づいて、継手部31の表面31aと裏面31bとの間の肉厚d1を算出する肉厚算出部12を備えている。
これにより、送信側の電磁超音波センサ10の送信信号と受信側の電磁超音波センサ10k+1の受信信号とに基づいて、継手部31の表面31aと裏面31bとの間の肉厚d1を精確かつ確実に算出することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、肉厚が測定される被検体20は、表面20a及び裏面20bの少なくとも一方の面のうち少なくとも一部が曲面で形成される金属製の被検体であればよく、表面31aの少なくとも一部及び裏面31bの少なくとも一部が曲面で形成される鋼矢板30の継手部31である必要はない。例えば、レールの頭部、腹部、及び足部などの肉厚を測定するようにしてもよい。
また、複数の電磁超音波センサ10~10が配置されるのは、継手部31の表面31aではなくて裏面31bでもよく、複数の電磁超音波センサ10~10は、被検体20の表面20a又は裏面20bに沿って配置されればよい。
また、各電磁超音波センサ10~10は、ローレンツ力型電磁超音波センサである必要は必ずしもなく、磁歪効果型電磁超音波センサであってもよい。
1 肉厚測定装置
10 電磁超音波センサ
10a 磁石
10b コイル
10~10 電磁超音波センサ
10 特定の送信側の電磁超音波センサ
10k+1 受信側の電磁超音波センサ
11 押付装置
11~11 支持部材
12 肉厚算出部
13 出力部
20 被検体
20a 表面
20b 裏面
21 渦電流
22 ローレンツ力
23 超音波
30 鋼矢板
31 継手部(被検体)
31a 表面
31b 裏面
d1 肉厚

Claims (2)

  1. 表面及び裏面の少なくとも一方の面のうち少なくとも一部が曲面で形成される金属製の被検体の表面と裏面との間の肉厚を測定する被検体の肉厚測定装置であって、
    前記被検体に対して静磁場を形成する磁石と、コイルとを有し、前記コイルに高周波電流を流すことにより前記被検体中に渦電流を励起させて超音波の送受信を行う3以上の電磁超音波センサを、前記被検体の表面又は裏面に沿って配置し、
    前記3以上の電磁超音波センサのうちの特定の送信側の電磁超音波センサから該送信側の電磁超音波センサが配置された前記被検体の表面又は裏面に対して垂直に送信された超音波が、前記送信側の電磁超音波センサが配置された前記被検体の表面又は裏面の反対側の面で反射し、その反射した超音波を前記3以上の電磁超音波センサのいずれの受信側の電磁超音波センサで受信可能とし、
    前記3以上の電磁超音波センサの各々を、各電磁超音波センサが配置される前記被検体の表面又は裏面に所定の押付け力で押し付ける押付装置を備えており、
    前記3以上の電磁超音波センサに接続され、前記送信側の電磁超音波センサの送信信号と前記受信側の電磁超音波センサの受信信号とに基づいて、前記被検体の表面と裏面との間の肉厚を算出する肉厚算出部を備えており、
    該肉厚算出部は、被検体の表面と裏面との間の肉厚である送信位置P1と反射位置P2との間の肉厚d1を、送信位置P1から反射位置P2を経て受信位置P3までの距離S、超音波の送信位置P1と超音波の受信位置P3との間の距離α1、距離α1の水平成分の距離α3を用いて下記式により算出することを特徴とする被検体の肉厚測定装置。
    d1=(S -α1 )/2{S-α1×sin(cos -1 (α3/α1))}
    ここで、送信位置P1は、被検体の表面又は裏面における送信側の電磁超音波センサの超音波の送信位置、反射位置P2は、送信側の電磁超音波センサが配置された被検体の表面又は裏面の反対側の面における超音波の反射位置、受信位置P3は、受信側の電磁超音波センサが配置された被検体の表面又は裏面における受信側の電磁超音波センサの超音波の受信位置であり、送信位置P1から反射位置P2を経て受信位置P3までの距離Sは、送信側の電磁超音波センサの送信信号と受信側の電磁超音波センサの受信信号から算出される超音波の伝播時間と音速とを乗算して求められる距離である。
  2. 請求項に記載の肉厚測定装置を用いて前記被検体の表面と裏面との間の肉厚を測定することを特徴とする被検体の肉厚測定方法。
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