JP7221751B2 - 磁性材料、および積層チップ部品 - Google Patents
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Description
40≦x≦45、0≦y≦10、5≦z≦15、
0<a≦0.3、0<b≦1.0、0<c≦0.2、0<d<0.4、0<e<0.1
であることを特徴とする磁性材料としている。0<e≦0.05である磁性材料とすればより好ましい。
磁性材料には、主成分となるフェライトに、副成分として、焼結性や特定の特性を向上させるための添加剤が添加されてなる。主成分として、Fe2O3、NiO、CuO、およびZnOを含むNi系フェライトでは、高周波領域でのコアロスを低減させるために、磁性材料中のFeの量をFe2O3換算で40~45mol%程度としている。それによって、磁性材料の透磁率μが小さくなり、鉄損が低減する。また、焼結性を向上させるCuOは、銅損によるコアロスの劣化を抑制するために、5~15mol%程度としている。
===実施例===
本発明の実施例に係る磁性材料は、Fe、Cu、Znを所定の割合(mol%)で含むとともに残部がNiとなるNi系フェライトを主成分としつつ、副成分として、Co、Bi、SiO2、Al2O3が含まれているともに、SiO2、Al2O3を添加することによるμの低下を補完するためにPr6O11が適量添加されている。それによって、実施例に係る磁性材料は、低温での焼成が可能で、かつ高周波領域におけるコアロス特性の劣化が抑制されたものとなっている。
<サンプルの作製手順>
本発明の実施例に係る磁性材料の特性を評価するために、主成分の組成、副成分となる添加剤の種類や添加量が異なる各種磁性材料をサンプルとして作製した。図1に、サンプルの作製手順を示した。まず主成分であるNi系フェライトの原料となるFe2O3、ZnO、CuO、NiOを秤量、混合する(s1)。秤量に際しては、基準となる主成分の組成を、Fe2O3を41mol%、ZnOを2mol%、NiOを48mol%、CuOを9mol%とし、サンプルに応じてFe2O3、ZnO、CuO、NiOのそれぞれの割合を調整した。
<特性評価方法>
上記の手順によって作製したサンプルについて、各種磁気特性を周知のBHアナライザを用いて測定した。ここでは、磁気特性として、周波数1MHzにおける比透磁率μ’、飽和磁束密度Bm(mT)、サンプルを4000A/mの磁界強度で磁化させた際の残留磁界強度(以下、保磁力とも言う)Hc(A/m)、共振周波数fr(MHz)および、コアロスPcv(kW/m3)を測定した。コアロスPcvを測定する際には、各サンプルを所定の巻線数(例えば巻線数3)のトロイダルリングコアの状態にした。そして、測定時の最大磁気飽和密度Bmを20mTとし、1MHzの周波数にてコアロスPcvを測定した。なお、高周波領域での使用を想定した積層インダクタの磁性層を構成する磁性材料では、特に、低いコアロスPcvと高い共振周波数とが求められている。ここでは、コアロスPcv<3000で、かつ共振周波数fr≧50MHzを目標とした。
<主成分の組成>
まず、主成分の最適な組成を求めるために、副成分の種類と添加量が同じで、主成分の組成が異なるサンプルの特性を評価した。添加した副成分はCoOとBi2O3であり、CoOを主成分に対して0.2wt%添加し、Bi2O3を主成分に対して0.7wt%添加した。
<CoO、Bi2O3の添加量>
上述したように、磁性材料において、CoOは、焼結性が確保されていれば、添加量が多いほど、高周波特性を向上させる。しかし、添加量が多すぎると焼結性が悪化する。焼結性が悪化すれば、結局、コアロスPcvも増大することになる。また、Bi2O3は、多く添加するほど焼結性を向上させる一方で、添加量が多すぎるとコアロスを増大させる。そこで、CoOとBi2O3の添加量の上限を調べるために、表1に示したサンプル1の磁性材料に対し、CoO、あるいはBi2O3の添加量を変えたサンプルを作製した。
<SiO2、Al2O3の添加量>
上述したように、SiO2、Al2O3は、磁性材料の焼結性を向上させる。しかし、多量に添加すれば、磁気特性を悪化させるため、SiO2、Al2O3の最適添加量を求める必要がある。そこで、基準となるサンプル1の磁性材料に対し、SiO2とAl2O3を添加した各種サンプルを作製した。
<Pr6O11の添加量>
本発明の実施例に係る磁性材料は、適正な組成を有するNiフェライトを主成分とするとともに、副成分として、CoO、Bi2O3、SiO2、およびAl2O3が適量添加された磁性材料に対し、さらにPr6O11が適量添加されて、低温焼結性が確保されつつ、高周波領域でのコアロスPcvが低減されたものである。そこで、Pr6O11の適正な添加量を求めるために、表3に示したサンプル16に対し、Pr6O11を添加した各種サンプルを作製した。
<希土類、アルカリ土類金属を含む添加剤>
ところで、Prは希土類であり、一般的に、希土類に属する元素やその化合物は物性が類似している。そこで、Pr以外の希土類としてLaを含む化合物(例えば、La2O3)を添加剤とした磁性材料をサンプルとして作製した。また、希土類に特性が近似する元素として、アルカリ土類金属のBeを含む化合物(例えば、BeO)を添加物とした磁性材料もサンプルとして作製した。そして、各サンプルの特性を評価した。
s4 副成分添加工程、s5 造粒工程、s6 成形工程、s7 焼成工程
Claims (3)
- Fe2O3換算でxmol%のFe、ZnO換算でymol%のZn、CuO換算でzmol%のCu、およびNiO換算で(100-x-y-z)mol%のNiを含む主成分に、副成分として、前記主成分に対してawt%のCoO、bwt%のBi2O3、cwt%のSiO2、dwt%のAl2O3、およびewt%のPr6O11が添加されてなり、
40≦x≦45、0≦y≦10、5≦z≦15、
0<a≦0.3、0<b≦1.0、0<c≦0.2、0<d<0.4、0<e<0.1
であることを特徴とする磁性材料。 - 請求項1に記載の磁性材料であって、0<e≦0.05であることを特徴とする磁性材料。
- 請求項1又は2に記載の磁性材料からなる焼結体で形成される電気絶縁性の磁性層と、導電体からなる電極パターンが形成された電極層とが層状に積層されてなる積層チップ部品であって、
前記導電体は銀である
ことを特徴とする積層チップ部品。
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