JP7221472B2 - 光測定装置および光測定方法 - Google Patents

光測定装置および光測定方法 Download PDF

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Description

本開示は、光測定装置および光測定方法に関する。
測定対象物の厚み方向の距離を測定する光測定方法として、光の干渉現象を用いる干渉方式の光測定方法が知られている。干渉方式の光測定方法は、光源が出射した光を参照光と測定光とに分岐し、分岐した参照光と、測定光が測定対象物で反射した反射光とを干渉させることにより、参照光と反射光とが強め合う条件に基づいて測定対象物の厚み方向の距離を測定するものである。
例えば、非特許文献1には、干渉方式の光測定方法のうち、波長走査干渉方式の光測定方法が記載されている。波長走査干渉方式の光測定方法は、光源が出射した光の波長を掃引し、波長掃引した光を測定光と参照光とに分岐して、分岐した参照光と、測定対象物で反射した測定光とを干渉させるものである。
春名正光、"光コヒーレンストモグラフィー(OCT)"、平成22年、MEDICAL PHOTONICS、インターネット<URL:http://www.medicalphotonics.jp/pdf/mp0001/0001_029.pdf>
非特許文献1に記載される従来の光測定方法において、測定対象物の厚み方向における測定分解能は、光源が出射した光の波長掃引幅の逆数に比例する。このため、測定対象物の厚み方向における測定分解能を高めるためには、光源が出射した光の波長掃引幅を拡大する必要があるという課題があった。
本開示は上記課題を解決するものであり、光源が出射した光の波長掃引幅を拡大することなく、測定分解能を高めることができる光測定装置および光測定方法を得ることを目的とする。
本開示に係る光測定装置は、第1の測定モードにおいて、光源から出射された光の周波数を掃引して出力し、第2の測定モードにおいて、光源から出射された光に含まれる2つの偏光の位相差を変調して出力する送信部と、送信部から出力された光を、測定対象物に照射されない参照光と測定対象物に照射される測定光とに分岐する分岐部と、参照光と測定対象物に照射されて反射した測定光とを合波する合波部と、合波部によって合波された光を受光して電気信号に変換し、変換した電気信号を用いて、第1の測定モードにおいて、参照光と測定光との差周波数に基づいて測定対象物を測定し、第2の測定モードにおいて、2つの偏光の位相差および振幅比に基づいて測定対象物を測定する受信部とを備える。
本開示によれば、送信部が、第1の測定モードにおいて、光源から出射された光の周波数を掃引して出力し、第2の測定モードにおいて、光源から出射された光に含まれる2つの偏光の位相差を変調して出力し、分岐部が、送信部から出力された光を、測定対象物に照射されない参照光と測定対象物に照射される測定光に分岐し、合波部が、参照光と測定対象物に照射されて反射した測定光とを合波し、受信部が、合波部によって合波された光を受光して電気信号に変換し、変換した電気信号を用いて、第1の測定モードにおいて、参照光と測定光との差周波数に基づいて測定対象物を測定し、第2の測定モードにおいて、2つの偏光の位相差および振幅比に基づいて測定対象物を測定する。
光の周波数掃引、すなわち波長掃引を行う第1の測定モードと、波長掃引を行わずに、第1の測定モードの測定よりも高い測定分解能が得られる第2の測定モードとを実施するので、本開示に係る光測定装置は、光源が出射した光の波長掃引幅を拡大することなく、測定分解能を高めることができる。
実施の形態1に係る光測定装置の構成を示すブロック図である。 送信部の構成例を示すブロック図である。 図3Aは、時間に対する光の周波数掃引の概要を示すグラフであり、図3Bは、時間に対する2つの偏光の位相変調の概要を示すグラフである。 送信部における周波数掃引と2つの偏光の位相変調との時分割処理の概要を示すグラフである。 測定対象物の一例を示す斜視図である。 受信部の構成例を示すブロック図である。 図7Aは、参照光と測定光との差周波数成分をフーリエ変換して得られる干渉光スペクトルを示すグラフであり、図7Bは、2つの偏光の位相差と振幅比との関係を示すグラフである。 実施の形態1に係る光測定方法を示すフローチャートである。 送信部における周波数掃引と2つの偏光の位相変調との同時処理の概要を示すグラフである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る光測定装置1の構成を示すブロック図である。光測定装置1は、測定対象物100の厚み方向の距離(例えば、シリコンウェハの膜厚)を測定する装置であり、送信部2、分岐部3、照射部4、集光部5、合波部6および受信部7を備える。図1において、点線の矢印は、電気信号を示しており、実線の矢印は、光が伝搬する経路を示している。また、実線の矢印で示す経路は、伝搬する光の偏光が保持される経路である。
送信部2は、第1の測定モードにおいて、光源から出射された光の周波数を掃引して出力し、第2の測定モードにおいて、光源から出射された光から分離した2つの偏光の位相差を変調して出力する。2つの偏光は、p偏光とs偏光であるものとする。第1の測定モードは、広い測定レンジでかつ測定対象物100の厚み方向における測定分解能が低い測定モードである。第2の測定モードは、第1の測定モードよりも狭い測定レンジで、かつ第1の測定モードよりも上記測定分解能が高い測定モードである。
第1の測定モードと第2の測定モードとは、送信部2において、例えば、時分割に切り替えられる。すなわち、送信部2から出力される光A0は、第1の測定モードにおける周波数掃引された光信号と、第2の測定モードにおける2つの偏光が位相変調された光信号である。送信部2から出力された光A0は、分岐部3によって参照光A1と測定光A2に分岐される。参照光A1は、測定対象物100に照射されない光であり、測定光A2は、測定対象物100に照射される光である。
分岐部3は、送信部2からのスイッチング信号に応じて光A0を分岐することにより、送信部2に第1の測定モードが設定されていると、光A0を参照光A1と測定光A2とに分岐する。また、分岐部3は、送信部2に第2の測定モードである場合、分岐による光の損失に起因した受信感度の低下を回避するために、光A0を、参照光A1に分岐させず、測定光A2のみに分岐させることが望ましい。
照射部4は、レンズなどの光学部材を用いて、測定光A2を測定対象物100に照射する。照射部4から測定対象物100への測定光A2の入射角は、90度よりも小さいことが望ましい。第2の測定モードが設定された送信部2から出力された光A0には、p偏光とs偏光が含まれる。p偏光とs偏光との物性値の変化には角度依存性がある。例えば、測定対象物100が空気中のガラス材料である場合、光A0の入射角が56度であるときに、p偏光とs偏光との物性値が最も大きく変化する。この角度は、ブリュースター角と呼ばれ、測定対象物100と空気との反射率の差分に依存する。
集光部5は、レンズなどの光学部材を用いて、測定対象物100で反射した測定光A2を集光して合波部6に出力する。合波部6は、分岐部3によって光A0から分岐した参照光A1と集光部5から出力された測定光A2を合波し、合波した光A3を受信部7に出力する。光A3は、参照光A1と測定光A2との差周波数の光信号である。
受信部7は、集光部5を介して、合波部6によって合波された光A3を受光し、受光した光A3を電気信号に変換する。第1の測定モードにおいて、受信部7は、送信部2から出力された光A0が分岐された参照光A1と測定光A2との差周波数に基づく、いわゆる波長走査干渉方式の光測定方法を用いて測定対象物100を測定する。第2の測定モードにおいて、受信部7は、光A3を変換した電気信号を用いることで、p偏光とs偏光との位相差Δおよび振幅比Ψに基づいて測定対象物100を測定する。
第1の測定モードにおいて、測定対象物100の厚み方向における測定分解能は、受信部7によって光A3を変換した電気信号をフーリエ変換して得られる干渉光スペクトルのピークの半値半幅で表される。すなわち、測定分解能lFWHMは、下記式(1)に示すように、光源が出射した光の波長掃引幅Δλの逆数に比例する。下記式(1)において、光源から照射される光の中心周波数がλである。
FWHM=(2Ln(2)/π)×(λ /Δλ) ・・・(1)
例えば、光源から照射される光の中心周波数λが1060(nm)であり、波長掃引幅Δλが200(nm)である場合、上記式(1)を用いることで、測定分解能lFWHMが5(μm)と算出される。このため、測定対象物100の厚みが5(μm)を下回ると、第1の測定モードによる測定対象物100の厚さの測定は困難になる。第1の測定モードの測定レンジは、下記式(2)で表されるコヒーレンス長lによって決定され、第2の測定モードより広い測定レンジである。下記式(2)において、δλは瞬時線幅である。
=(2Ln(2)/π)×(λ /δλ) ・・・(2)
第2の測定モードにおいて、受信部7は、光A3に含まれるp偏光とs偏光との位相差Δおよび振幅比Ψに基づくエリプソメトリの原理を用いることで、測定対象物100の厚み方向の距離を測定する。エリプソメトリは、測定対象物100への入射光と測定対象物100からの反射光との偏光状態の差分を測定し、測定した偏光状態の差分を示す情報に基づいて、測定対象物100の構造を解析する分析方法である。
送信部2は、第2の測定モードにおいて、光源から出射された光から分離したp偏光とs偏光との位相差を、例えば、光弾性変調器(PEM;PhotoElastic Modulator)を用いて高速で変調する。送信部2によって位相差が変調された光A0のうち、測定光A2は、測定対象物100に入射される。受信部7は、測定対象物100で反射した測定光A2を受光して電気信号に変換し、変換した電気信号をフーリエ変換とMuller行列といった偏光を記述する方法を用いることにより、p偏光とs偏光との位相差Δおよび振幅比Ψを算出する。
例えば、受信部7は、p偏光とs偏光との位相差Δおよび振幅比Ψを、フィッティングパラメータとして用いることで、測定対象物100の構造を推定することが可能である。ただし、エリプソメトリの実質的な測定レンジは、第1の測定モードより狭い範囲に限定されている。
図2は、送信部2の構成例を示すブロック図である。送信部2は、図2に示すように、レーザ光源21、掃引部22、偏光子23、位相変調部24、および切り替え回路25を備える。レーザ光源21は、連続した波長のレーザ光を出射する光源である。掃引部22は、切り替え回路25から出力された切替信号(図2において破線の矢印で示す)に対応して、レーザ光源21が照射した光の周波数を掃引し、周波数掃引した光を偏光子23に出力する。
偏光子23は、測定対象物100に入射する光の偏光状態を一定の状態に設定するものであり、例えば、p偏光およびs偏光を含む直線偏光に設定する。なお、偏光子23は、通過した光の偏光状態が保持されるのであれば、掃引部22の直前に配置されてもよい。
位相変調部24は、p偏光およびs偏光を含む直線偏光を入力し、切り替え回路25から出力された切替信号に対応して上記直線偏光に含まれているp偏光とs偏光との位相差Δを変調する。p偏光とs偏光との位相差Δは、下記式(3)で表される。下記式(3)において、δは、p偏光とs偏光との最大位相差である。位相変調部24は、時間tに対して、周波数ωで位相差Δを高速に変調する。
Δ=δsin(ωt) ・・・(3)
図3Aは、時間に対する光の周波数掃引の概要を示すグラフである。例えば、図3Aに示すように、掃引部22は、同一の時刻における周波数差がΔfになるように、レーザ光源21から出射されたレーザ光の周波数を時間に対して掃引し、周波数掃引したレーザ光を偏光子23へ出力する。周波数が異なる掃引光は、参照光A1が伝搬する経路と測定光A2が伝搬する経路との距離差分に比例した遅延時間に対応して生じる。
なお、波長は周波数の逆数に比例するので、レーザ光の周波数を掃引することにより、当該レーザ光の波長も掃引される。以下の説明では周波数掃引と波長掃引とが同義なものとする。
図3Bは、時間に対する2つの偏光の位相変調の概要を示すグラフである。例えば、図3Bに示すように、位相変調部24は、偏光子23によって直線偏光に変換されたレーザ光に含まれるp偏光ppとs偏光psとの位相差を変調する。掃引部22および位相変調部24は、例えば、同一のLN(ニオブ酸リチウム)光変調器によって実現される。この場合、LN光変調器は、レーザ光の周波数掃引と2つの偏光の位相変調との両方を行う。
なお、単一波長のレーザ光に含まれるp偏光ppおよびs偏光psの位相変調を示したが、光源が複数の波長の光を出射可能である場合、位相変調部24は、ステップ的に複数の波長の光のそれぞれに含まれるp偏光ppおよびs偏光psを位相変調してもよい。
図4は、送信部2における周波数掃引と2つの偏光の位相変調との時分割処理の概要を示すグラフである。切り替え回路25は、切替信号を掃引部22および位相変調部24へ出力することにより、掃引部22による周波数掃引と位相変調部24による位相変調とを時分割に切り替える。図4においては、時間区間(1)から時間区間(4)へ時間が経過し、時間区間(1)および(3)において、掃引部22によってレーザ光の周波数の掃引が行われ、時間区間(2)および(4)において、位相変調部24によってp偏光ppとs偏光psとの位相差の位相変調が行われる。
既存の波長掃引光源の掃引周期に基づくと、切り替え回路25は、例えば、kHzからMHzのオーダーで周波数掃引と位相変調との時分割な切り替えが可能である。これは、測定対象物100の特性が秒オーダーで変化する場合であっても、特性の変化前に測定が行える時間分解能を有していることを意味する。
LN光変調器は、電気光学効果を用いて導波路の屈折率を電気によって変調するものである。このため、LN光変調器で実現される掃引部22および位相変調部24は、GHzオーダーの高速な位相変調が可能である。また、LN光変調器は、光源から照射された光を2つの偏光に分岐し、分岐したそれぞれの光の位相を変調することが可能である。さらに、LN光変調器は、電気光学効果を用いて、光源から照射された光の波長を時間に対して線形に変化させる波長掃引も可能である。
図5は、測定対象物100の一例を示す斜視図である。測定対象物100は、例えば、半導体のシリコンウェハであり、光測定装置1は、シリコンウェハの厚みdを測定する。光測定装置1は、測定対象物100において測定光A2が伝搬した距離と測定対象物100の屈折率との積である光路長を測定する。このため、測定光A2が伝搬した距離が既知であれば、屈折率の測定も可能である。また、光測定装置1は、吸収ガス濃度に起因した測定対象物100の屈折率の変化も測定することができる。さらに、光測定装置1は、既存のエリプソメトリ装置と同様に、ラフネス層の構造の解析と電気二重層の構造の解析に利用可能である。
図6は、受信部7の構成例を示すブロック図である。受信部7は、図6に示すように、検光子71、受光部72、AD変換部73、スイッチ74、FFT処理部75、第1の測定部76、ΔΨ算出部77および第2の測定部78を備える。検光子71は、合波部6によって合波された光A3のうち、特定の位相状態の光のみを透過させる光学素子である。受光部72は、検光子71を透過した光を受光して電気信号に変換する。例えば、受光部72はフォトディテクタである。AD変換部73は、受光部72から出力されるアナログの電気信号を一定周期でサンプリングすることにより、デジタル信号に変換する。
スイッチ74は、切り替え回路25から出力された切替信号に対応して、AD変換部73から出力された信号の出力先を、FFT処理部75またはΔΨ算出部77のいずれかに切り替える。例えば、切替信号が第1の測定モードを示している場合、スイッチ74は、AD変換部73から出力された信号の出力先をFFT処理部75に切り替える。切替信号が第2の測定モードを示している場合、スイッチ74は、AD変換部73から出力された信号の出力先をΔΨ算出部77に切り替える。なお、図6において、切替信号は、受信部7の外部からスイッチ74につながる破線の矢印で示している。
FFT処理部75は、AD変換部73から出力された信号に対して高速フーリエ変換(FFT)を施すことにより干渉光スペクトルを算出する。参照光A1と測定光A2との差周波数成分は、参照光A1と測定光A2とを合波することで生じる。分岐部3によって分岐された光の経路のうち、一方の経路を測定光A2が伝搬し、当該経路を伝搬した測定光A2が測定対象物100で反射するので、参照光A1と測定光A2との差周波数成分は測定対象物100までの距離に比例する。
第1の測定部76は、FFT処理部75によって算出された干渉光スペクトルを用い、参照光A1と測定光A2との差周波数成分に基づいて、測定対象物100を測定する。
図7Aは、参照光A1と測定光A2との差周波数成分をFFTして得られる干渉光スペクトルを示すグラフである。測定対象物100が透明体である場合、測定対象物100に照射された測定光A2は、測定対象物100において、測定光A2が直接照射される上面と、測定光A2が測定対象物100の内部を伝搬して到達した下面の二箇所で得られる。
図7Aにおいて、干渉光スペクトルのピークは、測定対象物100の上面に対応する距離DP1と測定対象物100の下面に対応する距離DP2とに生じる。距離DP1と距離DP2との差分は、測定対象物100の上面と下面との間の距離に対応する。すなわち、測定対象物100の上面と下面との距離は光学厚みndである。nは測定対象物100の屈折率であり、dは測定対象物100の厚みである。例えば、第1の測定部76は、干渉光スペクトルを用いて、ピーク間の距離である光学厚みndを算出し、光学厚みndと測定対象物100の既知の屈折率nとを用いて、測定対象物100の厚みdを算出する。
ΔΨ算出部77は、AD変換部73から出力されたデジタル信号を用いて、p偏光とs偏光との位相差Δおよび振幅比Ψを算出する。例えば、測定対象物100が透明体である場合、ΔΨ算出部77は、AD変換部73から出力された信号を用いて、測定対象物100の上面からの反射光の偏光密度と測定対象物100の下面からの反射光の偏光密度との比を算出する。そして、ΔΨ算出部77は、偏光密度の比の実数部である位相差Δを算出し、偏光密度の比の虚数部である振幅比Ψを算出する。
第2の測定部78は、ΔΨ算出部77によって算出されたp偏光とs偏光との位相差Δおよび振幅比Ψに基づいて、測定対象物を算出する。p偏光とs偏光との位相差Δおよび振幅比Ψは、測定対象物100における特定の膜厚ごとに不確実性を有する。特定の膜厚は、膜厚周期と呼ばれる。
図7Bは、測定光A2に含まれるp偏光およびs偏光の位相差Δと振幅比Ψとの関係を示すグラフである。測定対象物100の光学厚みndに対して決定された位相差Δおよび振幅比Ψは、図7Bに示すように、膜厚周期ごとに同じ点で重なる閉曲線を描く。第2の測定部78は、位相差Δと振幅比Ψとが同じ点で重なる膜厚周期に基づいて、測定対象物100の厚みdを算出する。つまり、位相差Δと振幅比Ψは、ある厚みd+N×膜厚周期(Nは整数)に依存するため、閉曲線上のある一点が厚みに対応する。ただし、膜厚周期ごとの不確実性を持つ。
図8は、実施の形態1に係る光測定方法を示すフローチャートである。
送信部2は、第1の測定モードにおいて、レーザ光源21から出射された光の周波数を掃引して出力し、第2の測定モードにおいて、レーザ光源21から出射された光に含まれるp偏光とs偏光との位相差Δを変調して出力する(ステップST1)。
分岐部3は、送信部2から出力された光A0を、測定対象物100に照射されない参照光A1と測定対象物100に照射される測定光A2とに分岐する(ステップST2)。
合波部6は、参照光A1と測定対象物100に照射されて反射した測定光A2とを合波する(ステップST3)。
受信部7は、合波部6によって合波された光A3を受光して電気信号に変換し、変換した電気信号を用いて、第1の測定モードにおいて、参照光A1と測定光A2との差周波数に基づいて測定対象物100を測定し、第2の測定モードにおいて、p偏光とs偏光との位相差Δおよび振幅比Ψに基づいて測定対象物100を測定する(ステップST4)。
図9は、送信部2における周波数掃引と、p偏光とs偏光との位相変調との同時処理の概要を示すグラフである。送信部2は、第1の測定モードと第2の測定モードを切り替えず、第1の測定モードと第2の測定モードとが同時に設定されてもよい。この場合、図9に示すように、掃引部22による周波数掃引と位相変調部24によるp偏光およびs偏光の位相変調とが同時に実行される。また、送信部2は、切り替え回路25を備えていなくてもよく、受信部7は、スイッチ74を備えていなくてもよい。
以上のように、実施の形態1に係る光測定装置1は、送信部2が、第1の測定モードにおいて、レーザ光源21から出射された光の周波数を掃引して出力し、第2の測定モードにおいて、レーザ光源21から出射された光に含まれるp偏光とs偏光との位相差を変調して出力し、分岐部3が、送信部2から出力された光を、測定対象物100に照射されない参照光A1と測定対象物100に照射される測定光A2とに分岐し、合波部6が、参照光A1と測定対象物100に照射されて反射した測定光A2とを合波し、受信部7が、合波部6によって合波された光A3を受光して電気信号に変換し、変換した電気信号を用いて、第1の測定モードにおいて、参照光A1と測定光A2との差周波数に基づいて測定対象物100を測定し、第2の測定モードにおいて、p偏光とs偏光との位相差Δおよび振幅比Ψに基づいて測定対象物100を測定する。
光の周波数掃引、すなわち波長掃引を行う第1の測定モードと、波長掃引を行わずに、第1の測定モードの測定よりも高い測定分解能が得られる第2の測定モードとを実施するので、光測定装置1は、レーザ光源21が出射した光の波長掃引幅を拡大することなく、測定分解能を高めることができる。
実施の形態1に係る光測定装置1において、送信部2は、第1の測定モードと第2の測定モードとを時分割で切り替える。光測定装置1は、第1の測定モードによる測定と第2の測定モードによる測定を、同一の光学系を用いて時分割に実施する。これにより、広い測定レンジおよび高い測定分解能で測定対象物100の同一箇所を時分割に測定することが可能である。
実施の形態1に係る光測定装置1において、送信部2は、第1の測定モードと第2の測定モードとを同時に設定し、レーザ光源21から出射された光の周波数の掃引と、p偏光とs偏光との位相差の変調とを並行して行う。光測定装置1は、第1の測定モードによる測定と第2の測定モードによる測定とを、同一の光学系を用いて同時に実施する。これにより、広い測定レンジおよび高い測定分解能で測定対象物100の同一箇所を同時に測定することが可能である。
実施の形態1に係る光測定装置1において、分岐部3は、第2の測定モードにおいて、送信部2から出力された光A0を、測定光A2のみに分岐させて参照光A1へ分岐させない。測定対象物100に照射されない参照光A1への分岐による受信感度の低下が回避されるので、第2の測定モードにおける測定の精度が高められる。
なお、実施の形態の任意の構成要素の変形もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
本開示に係る光測定装置は、例えば、半導体であるシリコンウェハの厚みの測定に利用可能である。
1 光測定装置、2 送信部、3 分岐部、4 照射部、5 集光部、6 合波部、7 受信部、21 レーザ光源、22 掃引部、23 偏光子、24 位相変調部、25 切り替え回路、71 検光子、72 受光部、73 AD変換部、74 スイッチ、75 FFT処理部、76 第1の測定部、77 ΔΨ算出部、78 第2の測定部、100 測定対象物。

Claims (5)

  1. 第1の測定モードにおいて、光源から出射された光の周波数を掃引して出力し、第2の測定モードにおいて、前記光源から出射された光に含まれる2つの偏光の位相差を変調して出力する送信部と、
    前記送信部から出力された光を、測定対象物に照射されない参照光と、前記測定対象物に照射される測定光とに分岐する分岐部と、
    前記参照光と前記測定対象物に照射されて反射した前記測定光とを合波する合波部と、
    前記合波部によって合波された光を受光して電気信号に変換し、変換した前記電気信号を用いて、前記第1の測定モードにおいて、前記参照光と前記測定光との差周波数に基づいて前記測定対象物を測定し、前記第2の測定モードにおいて、前記2つの偏光の位相差および振幅比に基づいて前記測定対象物を測定する受信部と、
    を備えたことを特徴とする光測定装置。
  2. 前記送信部は、前記第1の測定モードと前記第2の測定モードとを時分割で切り替えること
    を特徴とする請求項1に記載の光測定装置。
  3. 前記送信部は、前記第1の測定モードと前記第2の測定モードとを同時に設定し、前記光源から出射された光の周波数の掃引と前記2つの偏光の位相差の変調とを並行して行うこと
    を特徴する請求項1に記載の光測定装置。
  4. 前記分岐部は、前記第2の測定モードにおいて、前記送信部から出力された光を、前記測定光のみに分岐させて前記参照光へ分岐させないこと
    を特徴とする請求項1に記載の光測定装置。
  5. 送信部が、第1の測定モードにおいて、光源から出射された光の周波数を掃引して出力し、第2の測定モードにおいて、前記光源から出射された光に含まれる2つの偏光の位相差を変調して出力するステップと、
    分岐部が、前記送信部から出力された光を、測定対象物に照射されない参照光と、前記測定対象物に照射される測定光とに分岐するステップと、
    合波部が、前記参照光と前記測定対象物に照射されて反射した前記測定光とを合波するステップと、
    受信部が、前記合波部によって合波された光を受光して電気信号に変換し、変換した前記電気信号を用いて、前記第1の測定モードにおいて、前記参照光と前記測定光との差周波数に基づいて前記測定対象物を測定し、前記第2の測定モードにおいて、前記2つの偏光の位相差および振幅比に基づいて前記測定対象物を測定するステップと、
    を備えたことを特徴とする光測定方法。
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