JP7221161B2 - ヘッドアップディスプレイ及びそのキャリブレーション方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイに関し、特に虚像の形状及び表示位置の調整(キャリブレーション)に関する。
従来、車速等の情報やカーナビゲーションに係る指示等の情報をフロントガラス(ウィンドシールド)等に投射して虚像を表示するヘッドアップディスプレイ(Head Up Display、以下では「HUD」と記載する場合がある)が知られている。
HUDで表示する虚像の表示位置を調整するための技術として、特許文献1には、「投影部は、表示画像を示す投影光を出射し、第一反射部は、投影部が出射した投影光を第二反射部に向けて反射し、第二反射部は、第一反射部が反射した投影光を透過型スクリーンに向けて反射し、透過型スクリーンは、第二反射部が反射した投影光を透過拡散し、観察者に向かう画像光を出射する。第一反射部と第二反射部とを回動させて透過型スクリーンに入射する投影光の光軸の角度を調整することで、透過型スクリーンから出射される画像光の角度を調整する(要約抜粋)」構成が開示されている。
また特許文献2には、虚像の画像歪みを解消するための技術として、「画像形成ユニットと、画像形成ユニットから出射された光をフロントガラスで反射することで虚像を乗り物の前方に表示させるためのフロントガラスを含む虚像光学系とを備え、フロントガラスの水平方向の曲率半径Rhと垂直方向の曲率半径Rvは異なっており、かつ、虚像光学系は、少なくともフロントガラスの車体水平方向の曲率半径Rhと垂直方向の曲率半径Rvの差異を相殺する反射曲面を持つ凹面反射ミラーを含む(要約抜粋)」構成が開示されている。
特開2016-014861号公報 国際公開第2017/061016号
特許文献1によれば、赤外線カメラ等の視点位置検出手段により運転者の視点位置を検出し、当該検出された視点位置に従って投射画像のウィンドシールド上の表示位置を移動することができる。しかし、投射画像のウィンドシールド上の表示位置(領域)では、左右の曲率半径が異なっている。したがって、たとえ運転者の視点位置に基づきウィンドシールド上の表示位置を移動したとしても、ウィンドシールド上の表示位置に依存した形状変化、より具体的には、水平方向の曲率半径と垂直方向の曲率半径の差異があり、投射画像には歪、例えば、投射画像の左右の大きさの違い等の画像歪が発生し、運転者にとって必ずしも視認に適した画像であるとは言えないという課題が残る。
この点につき、特許文献2では、フロントガラス(特許文献1における「ウィンドシールド」に相当する)の水平方向の曲率半径Rhと、垂直方向の曲率半径Rvとの差異を相殺する反射曲面を持つ凹面反射ミラーを用いることで、上記課題を解決している。
一般にウィンドシールドの形状は車種に応じた設計値がある。HUDにおける虚像の表示位置の調整は、従来設計値に基づいてなされてきた。例えば上記特許文献1、特許文献2のいずれについても各ウィンドシールドに固有の形状のばらつきについては考慮することなく、投射画像の表示位置及び画像歪み補正について記載されているが、これは、ウィンドシールドの形状は、同一車種であれば同じことが前提となっているためである。
しかし、最近になって、ウィンドシールドの形状はたとえ同一車種の車両であっても、個別に形状ばらつきがあることが知られてきた。このウィンドシールドの形状ばらつきに起因して、ウィンドシールド上の座標、例えば右前方ピラーの上端部を基準点として、その基準点から同角度かつ同一距離にあるウィンドシールド上の点における水平方向の曲率と垂直方向の曲率とは、同一車種であっても、各車両によって異なる。したがって、たとえウィンドシールド上における同一の座標に同一の投射画像を表示しても、個々の車両ごとに異なる画像歪が発生するという課題が新たに発見され、その解決には未だ至っていない。
そこで本発明は、観察者の視点位置に追従しつつ、各ウィンドシールドに固有の形状ばらつきを考慮して、観察者に対し位置ずれ及び画像歪みが少ない虚像を表示するヘッドアップディスプレイを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、特許請求の範囲に記載の構成を備える。その一例を挙げるならば、車両に搭載されるヘッドアップディスプレイであって、虚像として表示する表示コンテンツを含む映像光を生成し出射する映像表示装置と、前記映像光を前記車両のウィンドシールドに向けて投射する虚像光学系と、前記虚像の観察者の視点を検出する視点検出装置と、前記映像表示装置、前記虚像光学系、及び前記視点検出装置の其々に接続され、前記ウィンドシールドに前記映像光が入射して現れる前記表示コンテンツの像からなる投射画像の前記ウィンドシールドにおける表示位置及び前記投射画像の画像歪み補正を行う主制御装置と、を備え、前記主制御装置は、前記車両に搭載されたウィンドシールドに固有の形状歪みに起因する前記投射画像の表示位置のずれ及び前記投射画像の画像歪みを相殺する補正量を規定した投射画像補正データを記憶する投射画像補正データ記憶部を含み、前記主制御装置は、前記視点検出装置が前記観察者の視点を検出したデータに対応して前記ウィンドシールドにおいて前記映像光を投射するべき目標位置を決定し、その前記目標位置における前記投射画像の画像歪みを相殺する補正量を用いて前記表示コンテンツの画像歪みを補正すると共に、前記画像歪みを補正した前記表示コンテンツを含む前記映像光を前記映像表示装置から出射し、前記虚像光学系が前記目標位置に向けて前記画像歪みを補正した前記表示コンテンツを含む前記映像光を反射する角度となるように前記目標位置における前記投射画像の位置ずれ量を相殺する補正量を用いて前記虚像光学系を制御する、ことを特徴とする。
本発明によれば、観察者の視点位置に追従しつつ、各ウィンドシールドに固有の形状ばらつきを考慮して、観察者に対し位置ずれ及び画像歪みが少ない虚像を表示するヘッドアップディスプレイを提供することができる。上述した以外の目的、構成、効果については、以下の実施形態において明らかにされる。
本実施形態に係るHUDの構成の一例を示す概要図 HUDを搭載した車両(乗用車)の上面図 ウィンドシールドの形状を示す図 凹面ミラーの回転機構の分解斜視図 ミラー駆動部の実装例を示す概要図 電動モータと下部筐体との取付例を示す概要図 ミラー駆動部と凹面ミラーとの連結部の拡大図 HUDにおける虚像の表示位置の調整についての説明図 主制御装置と各種車両デバイスとの接続例を示すブロック図 主制御装置の機能構成図 HUDにおける目標位置と運転者の頭の位置との対応関係を示す説明図 HUDにおける目標位置と俯角θとの対応関係を示す説明図 曲率半径の設計中心値からずれたウィンドシールド形状例を示す図 ウィンドシールド上の投射画像の位置ずれ、および、投射画像が歪む様子を、運転者側(車内側)から観察した図 ウィンドシールド上の投射画像の表示位置の修正、および、投射画像の歪補正を行うための処理の流れを説明するフローチャート 投射画像補正データ生成処理の詳細を示すフローチャート グリッド形状の基準画像例を示す図 同心円状の基準画像例を示す図
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部位には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。一方で、ある図において符号を付して説明した部位について、他の図の説明の際に再度の図示はしないが同一の符号を付して言及する場合がある。また、以下に示す本発明の実施の形態では、ヘッドアップディスプレイ(以下「HUD」と記載する)が自動車等の車両に設置される場合を例として説明するが、虚像を生成するための投影画像を投射する被投射部材について、各被投射部材の固有の形状ばらつきの解消を行うHUDであれば本発明は適用可能であり、自動車用HUDに限定されない。例えば電車や航空機、さらには船舶等他の乗り物にも適用可能であるし、乗り物以外の用途、例えばシミュレータ等に用いてもよい。
図1は、本実施形態に係るHUD1の構成の一例を示す概要図である。
本実施形態のHUD1では、筐体(図4を参照)内、もしくは、筐体に着脱可能な箇所に配置された映像表示装置30によって表示された映像を、虚像光学系から車両2のウィンドシールド3に投射する。本実施形態の虚像光学系は、必要な光学素子(ここでは、自由曲面レンズ43)を介して、凹面ミラー52により反射させてウィンドシールド3に向けて投射する。
映像表示装置30は、例えば、バックライトを有するLCD(Liquid Crystal Display)等により構成される他、自発光型のVFD(Vacuum Fluorescent Display)等であってもよいし、投射装置によりスクリーンに映像を表示するものであってもよい。このようなスクリーンとしては、例えば、マイクロレンズを2次元状に配置したマイクロレンズアレイにより構成してもよい。
凹面ミラー52は、例えば、自由曲面ミラーや光軸非対称の形状を有するミラー等により構成される。より具体的には、凹面ミラー52の形状は、ウィンドシールド3上に投射された虚像の歪みを、純光学的に、すなわち、画像処理を用いることなく低減するために、例えば、凹面ミラー52の上部の領域(即ち、ここで反射した光線はウィンドシールド3の下方で反射するため、相対的に運転者5(虚像の「観察者」に相当する)の視点との距離が短くなる)では、拡大率が大きくなるように相対的に曲率半径を小さくする。一方、凹面ミラー52の下部の領域(即ち、ここで反射した光線はウィンドシールド3の上方で反射するため、相対的に運転者5の視点との距離が長くなる)では、拡大率が小さくなるように相対的に曲率半径を大きくする。映像表示装置30を凹面ミラー52の光軸に対して傾斜させて配置することで、上記のような像倍率の違いを補正して、発生する歪みを低減するようにしてもよい。
HUD1から出射した映像光はウィンドシールド3で反射され、運転者5の目に入射する。運転者5は、目に入射した映像光により、透明のウィンドシールド3を通してその前方に虚像として上記映像を視認する。この構成によれば、凹面ミラー52の角度を調整することで、映像光をウィンドシールド3に投射する位置を調整することにより、運転者5が見る虚像の表示位置を上下方向に調整可能である。映像光には、虚像として表示する内容(表示コンテンツ)が含まれる。
ウィンドシールド3に映像光が投射される位置には、映像光に含まれる表示コンテンツがウィンドシールド3に写る。以下の説明ではHUD1から出射した映像光がウィンドシールド3に反射される点に写り込む画像を「投射画像」という。投射画像は、静止画でも動画でもよい。
表示コンテンツは特に限定されず、例えば、車速等の車両情報やナビゲーション情報、図示しない車両内または車両外に設置されたカメラによる映像(監視カメラやアラウンドビュアー等)で撮影した前方や側方の風景の映像、さらに、前記図示しないカメラによる映像から画像処理等の手法により抽出した、車両周辺の障害物、例えば、前方を走行する車両や、自車両周辺に存在する歩行者を示す図形やマークなどを適宜表示することができる。
ここで、前方を走行する車両の輪郭に沿って長方形で囲んだ図形、あるいは、自車両周辺に存在する歩行者の輪郭に沿って楕円形で囲んだ図形のように、運転者5がウィンドシールド3を通じて実際に視認できる現実の風景に対して重畳する虚像を「拡張現実コンテンツ」という。そして拡張現実コンテンツを表示するHUDを、特に、AR-HUD(Augmented Reality-HUD)と称する。
AR-HUDでは、現実の風景に拡張現実コンテンツを互いに対応する位置関係を保ちつつ重畳して表示する必要がある。したがって、拡張現実コンテンツが本来表示されるべき位置からずれて表示される場合、あるいは、上記したウィンドシールド3上における投射画像の表示位置変化に伴い、投射画像が大きな画像歪を含む場合には、運転者5がウィンドシールド上で拡張現実コンテンツを視認すると、非常に見づらいものとなる。
具体的には、本来、自車両近傍の歩行者を取り囲むように表示されるべき楕円形の拡張現実コンテンツが、前記歩行者から大きくずれて表示された場合、運転者5が歩行者を確実に視認するために拡張現実コンテンツを表示する効果が失われる。
したがって、AR-HUDにおいては、通常のHUD(ARコンテンツを表示しないHUD)に比較して、ARコンテンツの表示位置についてはより高い精度が求められると共に、運転者5が視認するウィンドシールド3上の投射画像に関しては、画像歪を極力取り除いた状態で表示することが望ましい。AR-HUDでは、主制御装置20が車外のカメラ116(図8B参照)の画像を解析して、拡張現実コンテンツを付加したい対象物の有無、種類、及び位置を判定する。そして対象物に虚像を付加するための虚像の最適表示位置を決定する。そして虚像の最適表示位置に虚像を表示させるために、ウィンドシールド3の個々の形状歪みに起因する表示位置及び画像歪みを補正する。
また、HUD1は、映像表示装置30および凹面ミラー52を制御する主制御装置(Controller)20を備える。主制御装置20は、例えば電子基板により構成される。
また、HUD1は、運転者5の目の動きを撮影する視点検出装置6を備える。視点検出装置6は、赤外線領域から可視領域までの撮影可能なカメラを用いることが好ましい。視点検出装置6は、ハンドルの一部に取り付けられる例を示すが、運転者5の視点検出が可能で位置であれば他の位置でもよく、例えば、ダッシュボードの一部、または、ウィンドシールド3の一部に取り付けられてもよい。
また、HUD1はウィンドシールド上の投射画像を撮像する投射画像カメラ28を備える。投射画像カメラ28は、主に可視領域を撮影可能なカメラで構成される。投射画像カメラ28は、ハンドルとウィンドシールド3との間のダッシュボード上に設置される例を示すが、ウィンドシールド3上の投射画像を撮像できる位置であれば他の位置でもよく、例えば、車両2の車内の天井部分に設置させる構成であってもよい。
また、投射画像カメラ28に使用されるカメラは、可視領域のみを撮影するカメラに限らず、赤外線領域、あるいは紫外線領域にも感度を有するものであってもよく、感度領域は光学フィルタ等を付加することで適宜調整するようにしてもよい。
車両にHUD1の設置(セッティング)を行う際に、基準となる画像(以下「基準画像」という)、例えばグリッド形状の画像や同心円状の画像を投射画像としてウィンドシールド3上に表示させ、表示された投射画像を投射画像カメラ28により撮影する。そして、投射画像の撮像データを主制御装置20へ出力し、主制御装置20が、ウィンドシールド3上に表示された投射画像の位置ずれや、投射画像がどの程度歪んでいるかを定量的に測定する処理を実行する。
ここで、図2、図3を参照して、車両2におけるウィンドシールド(フロントガラスともいう)の一般的な形状、およびHUD1により虚像が表示されるウィンドシールド3上の表示領域形状について説明する。
図2は、HUD1を搭載した車両2(乗用車)の上面図である。車両2の運転席前部には、被投射部材としてのウィンドシールド3が存在する。なお、このウィンドシールド3は、車両のタイプ(1ボックスタイプ、セダンタイプ、スポーツタイプなど)によって、車体に対する傾斜角度(車体の接地面に対する垂線からの傾斜角度)が異なっており、1ボックスタイプでは20度~30度、セダンタイプで30度~40度、スポーツタイプでは40度以上である。また、同じ車両の大部、例えば1ボックスタイプであっても、車種によって異なる。
図3は、ウィンドシールド3の形状を示す図である。図3において、車両2の車体前後方向をx軸、車両2の車幅方向をy軸とし、x―y面に対して直交する車両2の高さ方向をz軸で表す。発明者らの調査によれば、ウィンドシールド3は、車両2の接地面(x―y面)対して平行な水平方向の曲率半径Rhと、水平軸(y軸)にして直交する垂直方向(z軸方向)の曲率半径Rvとは異なり、RhとRvは一般的には下式(1)の関係であることが分かった。
Rh>Rv・・・(1)
また、この曲率半径の違い、即ち、Rvに対するRhは、1.5倍から2.5倍の範囲にあるものが多いことも判明した。
さらに、発明者らの調査によれば、ウィンドシールド3は、本来、水平方向の曲率半径Rhと垂直方向の曲率半径Rvをパラメータとして、これらの値が一定の範囲に収まるように設計、製造されるべきものであるが、1ロット(例えば100枚)のウィンドシールド3を測定すると、前記パラメータ、すなわち水平方向の曲率半径Rhと垂直方向の曲率半径Rvは、同一の車種であっても、目標の設計値に対して±10%~15%のばらつきがあることが分かった。
したがって、上記ウィンドシールド3の形状は、同一の車種であっても個々の車両1台毎に異なり、また、ウィンドシールド3上の各点(座標(y、z)で示されるウィンドシールド3上の点)によっても形状が異なることがわかった。その結果、ウィンドシールド3上の投射画像の形状は、投影位置の変化のみならず、ウィンドシールド3上の同一座標の点(座標(y、z)で示されるウィンドシールド3上の点)であっても、水平方向の曲率半径Rhと垂直方向の曲率半径Rvが異なることが分かった。
そこで本実施形態では、各ウィンドシールド3に固有に生じる曲率半径の本来の設計値に対するずれにより生じた画像歪を、ウィンドシールド3上に投射された基準画像から検出し、画像歪を補正する。そのために、予め、映像表示装置30に入力される画像に対して逆の歪を与える画像処理を行うことにより、歪を相殺する。この具体的な補正方法に関しては後述する。
(凹面ミラー52の回転機構)
ウィンドシールド3に映像光を投射する位置、換言すると投射画像のウィンドシールド3における表示位置は、凹面ミラー52の鏡面の回転角度によって調整する。そこで、図4~図6を参照して凹面ミラー52の回転機構について説明する。図4は、凹面ミラー52の回転機構の分解斜視図である。
図4に示すように、HUD1は、下部筐体65の上に上部筐体61を配置して筐体を構成する。下部筐体65には、映像表示装置30を取り付ける。映像表示装置30は、その内部に光源および表示素子を含んで構成される。また、筐体の内部には、色収差補正および虚像を遠方に表示させるために必要な光学素子としての自由曲面レンズ43と、凹面ミラー52及び凹面ミラー52のミラー駆動部42と、主制御装置20とが収容される。図5Aは、ミラー駆動部42の実装例を示す概要図である。図5Bは、電動モータ422と下部筐体65との取付例を示す概要図である。図6は、ミラー駆動部42と凹面ミラー52との連結部の拡大図である。
凹面ミラー52は、上部筐体61及び下部筐体65の内部に、側面に一対で形成された軸によって僅かな角度範囲で回動可能に配置される。さらには、下部筐体65の底部には、電子基板である主制御装置20と共に、モータやワームギアやワームホイル等の移動機構からなるミラー駆動部42がネジ等の着脱機構により取り付けられる。即ち、このミラー駆動部42が、凹面ミラー52の傾斜角度を僅かな角度範囲で変化させる。
図5Aに示すように、ミラー駆動部42は、ケース421内に、少なくとも、高速回転から低速回転まで広い範囲でその回転速度が制御可能な電動モータ422、ワームギア423、電動モータの422の出力軸とワームギア423の間に組み合わせた複数の歯車424(図6参照)を備えている。
図5B及び図6に示すように、凹面ミラー52の下端部には形成されたワームホイル411が形成される。ワームギア423が、一部の切欠き部を介してワームホイル411と噛み合うように取り付けられる。
ミラー駆動部42により、低速から高速までの広い範囲で回転制御が可能な電動モータ422の回転が、複数の歯車424を介して所望の回転速度、駆動力に変換されてワームギア423に伝達され、さらに、凹面ミラー52の下端部に形成されたワームホイル411により、凹面ミラー52を、回転軸を中心に回転しながら前後方向に移動して(図6の矢印Aを参照)、凹面ミラー52を所望の傾斜角度に調整することができる。なお、この図では、複数の歯車424は、図示を容易にするため間隔をもって示されているが、実際には、これらは当接して噛み合っている。
続いて、上記にその詳細な構成を説明したHUD1における虚像の表示位置の調整について、図7を参照しながら、以下に詳述する。図7は、HUD1における虚像の表示位置の調整についての説明図である。
視点検出装置6は、運転者5の目を含む画像(「視点画像」という)を撮像し、CAN(Controller Area Network)もしくはEthernet(登録商標)などの無線通信又は有線通信を用いて主制御装置20に送信する。主制御装置20は、視点画像に基づいて運転者5の視点の位置を検出する。そして主制御装置20は、運転者5の視点位置に合わせて凹面ミラー52の傾斜角度(回転角度ともいう)を制御し、もって、車両2のウィンドシールド3に投射する投射画像の位置を調整する。なお、図には、運転者5の視点の位置A、B、Cに対応して、凹面ミラー52の傾斜位置、ウィンドシールド3上の投射画像の投射位置、そして、運転者5の視点、及び運転者5の各始点から見える虚像の位置が、それぞれ、A、B、C、A’、B’、C’、A’’、B’’、C’’、A’’’、B’’’、C’’’によって示されている。
ここで、上記したように、視点検出装置6により検出された運転者の視点位置A’’、B’’、C’’と、運転者から見える虚像の位置A’’’、B’’’、C’’’とは1対1に対応する。また、ウィンドシールド上に投射された投射画像の位置A’、B’、C’も同様に、運転者の視点位置A’’、B’’、C’’と1対1の関係にある。
一方、投射画像カメラ28は、ウィンドシールド上に投射された投射画像を投射画像カメラ28で撮影することで、投射画像の位置A’、B’、C’や形状を定量的に検出する機能を有する。
したがって、視点検出装置6と投射画像カメラ28とは、互いにその機能を補完する関係にあると言える。
すなわち、主制御装置20は、視点検出装置6からの視点画像を基に運転者5の視点変化に応じて、凹面ミラー52の角度を制御することで、運転者5から見た虚像位置を調整制御する機能を有する一方、主制御装置20は、投射画像カメラ28がウィンドシールド3に写った基準画像を撮影し、その撮影データに基づいて、ウィンドシールド3上に投射された投射画像の位置、および、投射画像の歪を定量的に検出し、これらの情報(投射画像の位置および歪)に基づき、表示コンテンツを含む画像の位置調整や歪補正に寄与することができる。
図8A、図8Bを参照して主制御装置20と、視点検出装置6の機能構成について説明する。図8Aは、主制御装置20と各種車両デバイスとの接続例を示すブロック図である。図8Bは、主制御装置20の機能構成図である。
図8Aに示すように、主制御装置20は、車載ネットワーク(例えばCAN)108に接続され、車載ネットワーク108を介して車両情報4(図8B参)を取得する。車両情報4は、車載ネットワークに接続された情報取得デバイス、例えば、車速センサ101、シフトポジションセンサ102、ハンドル操舵角センサ103、ヘッドライトセンサ104、照度センサ105、色度センサ106、エンジン始動センサ109、加速度センサ110、ジャイロセンサ111、温度センサ112、路車間通信用無線受信機113、車車間通信用無線受信機114、車外カメラ116、GPS受信機117、VICS(登録商標)受信機118がある。
図8Bに示すように、主制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)などから構成されるECU21、不揮発性メモリ22、及びメモリ23を含むハードウェアを用いて構成される。そして、ECU21が、不揮発性メモリ22やメモリ23に格納されたソフトウェアを実行することにより、HUD1の機能が実現される。マイコンやFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアにより実装されていてもよい。
また主制御装置20は視点検出制御部34、投射画像カメラ制御部24、光源調整部25、歪み補正部26、表示素子駆動部27、ミラー調整部29を含む。これらは、通信器やアンプといったハードウェアや、画像処理、測距処理、また各アクチュエータ(例えば光源31、表示素子33、ミラー駆動部42の電動モータ422)に出力するソフトウェア等により構成される。
視点検出装置6は、測距センサ603、視点検出カメラ604、赤外線LED615を含んで構成される。
視点検出制御部34は、視点検出カメラ604を制御して運転者5の顔を撮影し、ソフトウェアやハードウェアアクセラレータによって画像を解析し、視点の位置を算出する。
測距センサ603は、運転者5の奥行方向の位置を把握するために設けられている。即ち、カメラ画像のみで運転者5(例えば、頭部など)の位置を検知する場合には、その奥行方向の距離が不明となるため、十分な精度を得ることができない。そこで、測距センサ603で運転者5の頭部までの距離を測り、そのデータを視点検出制御部34に出力する。視点検出制御部34は、画像解析の結果と測距データとを組み合わせて視点検出装置6からみた運転者5の視点の位置を検出する。
また、ECU21は、照度センサ105が検出した照度が予め定めた照度閾値以下になると、視点検出制御部34を介して赤外線LED615を点灯させる。これにより、夜間等の暗い環境下において運転者5の視点を検出する。
ECU21は、ハンドル操舵角センサ103が検出したハンドルの操舵角度が、予め定められた操舵角閾値以上にハンドルが回った場合は、視点検出装置6を停止させる。ハンドルの操舵角度次第では、ハンドルで視点検出カメラ604が隠れてしまい、運転者5を認識できないのでこれに対応するためである。
<目標位置(虚像の表示位置)>
次に、図9および図10を参照して、運転者5の視点に対する虚像の最適表示位置(以下「目標位置」という)につい説明する。図9は、HUD1おける目標位置と運転者の頭の位置との対応関係を示す説明図である。図10は、HUD1における目標位置と俯角θとの対応関係を示す説明図である。
ウィンドシールド3上に投射画像を表示する際には、運転者5の頭の位置や運転者5の視点からの俯角θ(図10参照)を考慮して設定することが重要である。俯角θは最適な位置で虚像を視覚するための角度である。AR-HUDでは、虚像を前方の車両や自車両の周辺に存在する歩行者等に重畳(マッピング)して表示する。したがって、このマッピングを正確に行うために俯角θを規定する必要がある。
まず、虚像の視覚範囲は、運転者5の頭の位置に応じて変わる。例えば、運転者5の頭の位置が上方位置(図9、10における(1))にある場合には、図9(a)に示すように、凹面ミラー52の位置(ミラー位置A、ミラー位置B)に応じて、投射画像がウィンドシールド3上に投射される位置、即ち、虚像の視覚範囲は、図の左側に示す範囲となる。他方、運転者5の頭の位置が下方位置(図9、図10における(2))にある場合には、図9(b)に示すように、凹面ミラー52の位置(ミラー位置A、ミラー位置B)に応じた虚像の視覚範囲は、図の左側に示す範囲となる。
加えて、特に、俯角θの位置に虚像を表示することが最適である場合には、目標位置を以下のように設定することが好ましい。
1.俯角θの位置が、虚像の視覚範囲内であれば、俯角θを目標位置とする。
2.俯角θの位置が、虚像の視覚範囲の下限より低い場合は、虚像の視覚範囲の下限を目標位置とする。
3.俯角θの位置が、虚像の視覚範囲の上限より高い場合は、虚像の視覚範囲の上限を目標位置とする。
即ち、図10(a)や(b)にも示すように、上記図9(a)や(b)に示した虚像の視覚範囲内において、俯角θの位置を目標位置とし(図10(a)を参照)、また、虚像の視覚範囲の下限より低い場合には、虚像の視覚範囲の下限を目標位置とし(図10(b)を参照)、さらに、ここでは図示しないが、俯角θの位置が、虚像の視覚範囲の上限より高い場合は、虚像の視覚範囲の上限を目標位置とする。
上記したように、虚像の視覚範囲は、運転者5の頭の位置やそれに付随する俯角θの位置を考慮して、凹面ミラー52の位置を制御して、目標位置を設定するように制御すれば、HUDによる虚像のより好適な表示が可能となる。
<車両ごとの投射画像の歪補正>
図11は、曲率半径の設計中心値からずれたウィンドシールド形状例を示す図である。図11では、垂直方向の曲率半径Rvを設計中心値として有するウィンドシールド3に対して、実際にはより小さな曲率半径Rv’を有するウィンドシールド301が点線によって示されている。なお、図11では曲率半径の違いを誇張して示していることに留意されたい。通常のウィンドシールド3では、曲率半径は設計値に対して±10%程度の形状ばらつきがあることがわかっている。
図11から明らかなように、ウィンドシールドの曲率半径Rv’が設計中心値である曲率半径Rvに対して小さい場合、ウィンドシールド301上に投射された画像は、運転者から見て上方に大きくずれた位置に表示され、また、その形状もウィンドシールド3上に投射された画像に比較して上下方向が短くなる。
また、上記とは逆の場合、すなわち、ウィンドシールドの曲率半径Rv’が設計中心値である曲率半径Rvに対して大きい場合、ウィンドシールド上に投射された画像は、運転者から見て下方にずれた位置に表示され、その形状はウィンドシールド3上に投射された画像に比較して上下方向が長くなる。
図12は、ウィンドシールド上の投射画像の位置ずれ、および、投射画像が歪む様子を、運転者側(車内側)から観察した図である。図12(a)は、ウィンドシールド3上に投射された表示画像を運転者から見た様子を模式的に示した図であり、図12(b)はウィンドシールド301上に投射された表示画像を、同じく運転者側から見た様子を模式的に示した図である。
図12(a)に示すように、歪なく表示されたウィンドシールド3上の画像は本来略長方形の形状である。
一方、図12(b)に示すように、ウィンドシールド301の形状は本来の形状に比較して著しく異なる、すなわち垂直方向の曲率半径Rv’が小さい場合には、投射された画像は上下方向が短くなり、かつ、上辺と下辺の長さも異なる。この場合には、上辺は下辺に比べて短い形状となる。
また、図11を用いて説明した通り、ウィンドシールド301の曲率半径Rv’が本来の設計中心値に比較して小さい場合には、図12(b)に示すように、ウィンドシールド301上の投射画像は、その表示位置も、運転者5から見て上方にずれて表示される。
したがって、図12(b)の投射画像301aの状態から、表示位置を投射画像3a(図12(a))の位置に修正し、かつ、画像歪を補正するためには、図13に示した各ステップをもって処理を行う必要がある。
次に図13及び図15を参照して投射画像の表示位置補正及び歪み補正処理について説明する。図13は、ウィンドシールド301上の投射画像の表示位置の修正、および、投射画像の歪補正を行うための処理の流れを説明するフローチャートである。図14は、投射画像補正データ生成処理の詳細を示すフローチャートである。図15Aは、グリッド形状の基準画像例を示す図であり、図15Bは、同心円状の基準画像例を示す図である。
図13に示すように、各車両に固有なウィンドシールド3の歪みによる投射画像の表示位置及び画像歪みを補正するため処理は、大きくは、車両毎にウィンドシールド3の形状に応じた投射画像補正データを生成・記憶するステップ(S1)と、運転中に投射画像補正データを用いて投射画像の表示位置及び画像歪み補正を行うステップ(S2)とがある。投射画像補正データを生成することが、HUD1の虚像表示位置のキャリブレーション処理に相当する。
ウィンドシールド3上の投射画像の歪補正は、例えば、車両の製造工程において、車両1台毎に行う必要がある。あるいは、何らかの都合でHUD1を交換しなければならない場合には、HUD1を車両に取り付けた後で、投射画像の歪補正を行うことが必要となる。よって本実施形態では、ステップS1は主に車両の工場において実行されるステップとして説明する。
しかし、投射画像の画像歪は、何らかの原因(例えばHUD1の取付位置の位置ずれや、気温の変化によるウィンドシールド3の形状の変化など)で発生することも考えられる。従って、画像歪補正は車両の運転を開始するごとに行うようにしてもよい。この場合、ステップS2の後に、再度ステップS1を実行することとなる。
さらに、車両2の運転中であっても、外気温の変化等により、たとえ微小な変化であっても、HUD1を構成する光学部品やウィンドシールド3の形状変化が発生する可能性も考慮すれば、駐車した場合、信号待ちをしている間、あるいは、運転者の操作に応じて、歪補正を適宜行うようにしてもよい。この場合、ステップS2とステップS1とを比較的短時間の間に交互に行うこととなる。
ステップS2は、ステップS1で生成した投射画像補正データを用いて、投射画像の表示位置及び画像歪みの補正を行うステップである。出荷後、実際に車両を運転中に実行される処理である。従来、同一車両については設計中心値を基に投射画像補正データを生成・記憶していたが、それではウィンドシールド3に固有な形状のばらつきの補正はなされていなかった。本実施形態では、同一車種や異車種に関らず、各車両について投射画像補正データを生成・記憶し、運転中にその投射画像補正データを用いて投射画像の補正を行う点に特徴がある。詳細は後述する。
図14を参照して投射画像補正データ生成処理について説明する。
ECU21は、オペレータからの操作指示に従い、ウィンドシールド3上の第1目標位置(xg1、yg1)((xg、yg)は、ウィンドシールド3上の点を示す座標)に基準画像を投射する(S101)。ECU21は、第1目標位置(xg1、yg1)に映像光を出射する際の凹面ミラー52の角度α1を一時的にメモリ23に格納する。基準画像は、一定の面積をもち、基準画像内に等間隔に複数の領域を配列したものを用いる。例えば基準画像は、グリッド形状の基準画像3b(図15A参照)でもよいし、同心円状の基準画像3c(図15B参照)でもよい。これにより、ウィンドシールド3上において、基準画像を投射した位置の左右、垂直方向の歪みを測定しやすくなる。
ECU21は、投射画像カメラ28にウィンドシールド3上に投射された基準画像を撮影させる(S102)。ついで、投射画像カメラ28は、ECU21に撮影した投射画像情報を送る。
ECU21では、投射画像カメラ28から送られた投射画像情報から、ウィンドシールド3上のどの位置に基準画像が表示されたかを示す表示位置(xg1’、yg1’)を検出する(S103)。そして、目標位置(xg、yg)に対する実際の表示位置(xg1’、yg1’)の位置ずれ量(Δxg1’、Δyg1’)を算出する。そして、この位置ずれ量を相殺する補正量(-Δxg1’、-Δyg1’)を算出する。
基準画像位置の調整が完了すると、ECU21は基準画像を用いた歪補正量を算出する(S104)。ECU21は、凹面ミラー52の回転角度α毎に投射画像と基準画像の正規の形状との比較を行い、各表示位置における画像歪み量(ΔRv1、ΔRh1)を検出する。そしてその画像歪みを相殺する画像の水平方向及び垂直方向の拡大縮小率(曲率差の相殺量)からなる歪み補正量(-ΔRv1、-ΔRh1)を算出する。
ECU21は、第1目標位置α1における投射画像補正量、より詳しくは位置ずれ補正量及び画像歪み補正量、を対応付けた第1目標位置投射画像補正データ(α1、-Δxg1’、-Δyg1’、-ΔRv1、-ΔRh1)を一時的にメモリ23に記憶する(S105)。
図15Aに示すグリッド形状の基準画像を用いる場合は、線分が交わる点の位置をすべて基準位置に合わせこむ必要があり、歪補正処理のための計算量が大きくなるためECU21の演算パワーが必要であるが、表示位置(xg1、yg1)に対して複数点の歪み補正量(-ΔRv1、-ΔRh1)が算出できるという利点がある。
一方、図15Bに示す同心円状の画像を基準画像と用いる場合は、ウィンドシールド3の曲率半径のみが基準値と相違していることを前提に、基準画像である複数の円(ここでは3つの円)の中心のズレのみに着目して、ECU21は、3つの円の中心をまず合わせ、次に、3つの円の半径を基準値に合わせるように歪補正を行うので、グリッド形状の基準画像よりもが可能である。
そしてステップS101からステップS105までの処理を、凹面ミラー52の回転可能な全ての角度αnが終わるまで継続して実行する(S106:No)。
ECU21は、第2目標位置(xg2、yg2)に対応する回転角度α2となるように凹面ミラー52の角度調整をする(S107)。
ミラー調整部29は、ECU21から送られた凹面ミラー52の回転角度α2を示す情報に基づき電動モータ422のモータ制御信号を生成し、電動モータ422を送る。電動モータ422はモータ制御信号に従って駆動し、凹面ミラー52の回転角度を調整する。上記の制御により、基準画像位置の調整が凹面ミラーにより行われる。
その後、ステップS101へ戻る。再度ステップS101を実行する際には、投射画像カメラ28が出力する投射画像情報をECU21が解析することで基準画像の表示位置を検出し、表示位置が、図12(a)に示す3aの位置に収まっているか否かを検出するようにしてもよい。第2目標位置におけるウィンドシールド3の形状歪みの補正量、即ち第2目標位置投射画像補正データ(α2、-Δxg2’、-Δyg2’、-ΔRv2、-ΔRh2)を一時的にメモリ23に記憶する。
凹面ミラー52の回転可能な全ての角度αnが終わると(S106:Yes)、回転角度α1からαnまでの全範囲における目標位置投射画像(α1、-Δxg1’、-Δyg1’、-ΔRv1、-ΔRh1)から(αn、-Δxgn’、-Δygn’、-ΔRvn、-ΔRhn)までのデータを合わせて投射画像補正データとして、不揮発性メモリ22に書き込む(S108)。不揮発性メモリ22は、投射画像補正データ記憶部に相当する。
投射画像補正データは、(α1、-Δxg1、-Δyg1、-ΔRv1、-ΔRh1)から(αn、-Δxgn-Δ、ygn、-ΔRvn、-ΔRhn)の計測データそのものでもよい。凹面ミラー52の角度分解能以下では補正が不要なので、離散点からなる計測データでも、ウィンドシールド3に固有な形状歪みによる補正は可能だからである。
ECU21は、非計測点は実際の計測データを用いて内挿し、連続性を有する投射画像補正データを生成してから不揮発性メモリ22に書き込んでもよい。
上記により、ECU21は、投射画像補正データを参照することにより、ウィンドシールド3上の所望する点(xg、yg)に投射画像を表示するための凹面ミラー52の回転角度αを決定し、投射画像のウィンドシールド3における投射位置の制御が可能となる。さらに、回転角度αにおけるウィンドシールド3の形状歪みを相殺するように表示コンテンツに対して補正を行ってから投射することで、投射画像は、ウィンドシールド3の形状歪みに関らず、表示コンテンツの本来の形状で表示させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。つまり、上記の実施の形態の構成の一部について、削除や、他の同等な技術に置換をすることが可能である。
1 :HUD
2 :車両
3 :ウィンドシールド
3a :投射画像
3b :基準画像
3c :基準画像
4 :車両情報
5 :運転者
6 :視点検出装置
20 :主制御装置
21 :ECU
22 :不揮発性メモリ
23 :メモリ
24 :投射画像カメラ制御部
25 :光源調整部
26 :歪み補正部
27 :表示素子駆動部
28 :投射画像カメラ
29 :ミラー調整部
30 :映像表示装置
31 :光源
33 :表示素子
34 :視点検出制御部
42 :ミラー駆動部
43 :自由曲面レンズ
52 :凹面ミラー
61 :上部筐体
65 :下部筐体
101 :車速センサ
102 :シフトポジションセンサ
103 :ハンドル操舵角センサ
104 :ヘッドライトセンサ
105 :照度センサ
106 :色度センサ
108 :車載ネットワーク
109 :エンジン始動センサ
110 :加速度センサ
111 :ジャイロセンサ
112 :温度センサ
113 :路車間通信用無線受信機
114 :車車間通信用無線受信機
116 :車外カメラ
117 :GPS受信機
118 :受信機
301 :ウィンドシールド
301a :投射画像
411 :ワームホイル
421 :ケース
422 :電動モータ
423 :ワームギア
424 :歯車
603 :測距センサ
604 :視点検出カメラ
615 :赤外線LED

Claims (6)

  1. 車両に搭載されるヘッドアップディスプレイであって、
    虚像として表示する表示コンテンツを含む映像光を生成し出射する映像表示装置と、
    前記映像光を前記車両のウィンドシールドに向けて投射する虚像光学系と、
    前記虚像の観察者の視点を検出する視点検出装置と、
    前記映像表示装置、前記虚像光学系、及び前記視点検出装置の其々に接続され、前記ウィンドシールドに前記映像光が入射して現れる前記表示コンテンツの像からなる投射画像の前記ウィンドシールドにおける表示位置及び前記投射画像の画像歪み補正を行う主制御装置と、を備え、
    前記主制御装置は、前記車両に搭載されたウィンドシールドに固有の形状歪みに起因する前記投射画像の表示位置のずれ及び前記投射画像の画像歪みを相殺する補正量を規定した投射画像補正データを記憶する投射画像補正データ記憶部を含み、
    前記主制御装置は、前記視点検出装置が前記観察者の視点を検出したデータに対応して前記ウィンドシールドにおいて前記映像光を投射するべき目標位置を決定し、その前記目標位置における前記投射画像の画像歪みを相殺する補正量を用いて前記表示コンテンツの画像歪みを補正すると共に、前記画像歪みを補正した前記表示コンテンツを含む前記映像光を前記映像表示装置から出射し、前記虚像光学系が前記目標位置に向けて前記画像歪みを補正した前記表示コンテンツを含む前記映像光を反射する角度となるように前記目標位置における前記投射画像の位置ずれ量を相殺する補正量を用いて前記虚像光学系を制御する、
    ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
  2. 請求項1に記載のヘッドアップディスプレイにおいて、
    前記投射画像を撮影する投射画像カメラを更に備え、当該投射画像カメラは、前記主制御装置に接続され、
    前記ヘッドアップディスプレイを前記車両に搭載した状態で、
    前記映像表示装置は、既知の形状からなる基準画像を含む映像光を生成し、
    前記虚像光学系は、前記ウィンドシールドの複数の目標位置の其々に向けて出射させ、
    前記投射画像カメラは、前記各目標位置において前記ウィンドシールドに写った前記基準画像を撮像して得た前記投射画像を取得し、
    前記主制御装置は、前記各目標位置において撮像された前記投射画像に基づいて、前記目標位置に対する前記投射画像に撮像された前記基準画像の表示位置の位置ずれ量、及び前記基準画像の既知の形状に対する前記投射画像に撮像された前記基準画像の形状の画像歪み量を算出し、前記位置ずれ量及び前記画像歪み量を相殺する投射画像補正量を算出し、前記ウィンドシールドの前記目標位置と、当該目標位置において算出された投射画像補正量を関連付けて前記投射画像補正データを生成する、
    ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
  3. 請求項2に記載のヘッドアップディスプレイにおいて、
    前記主制御装置は、前記虚像光学系が前記映像光を反射できる全範囲の目標位置における前記投射画像補正データを生成する、
    ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
  4. 請求項2に記載のヘッドアップディスプレイにおいて、
    前記主制御装置は、前記目標位置における前記投射画像補正量として、当該目標位置における前記ウィンドシールドの垂直方向の曲率半径の設計中心値に対する歪み、及び前記ウィンドシールドの水平方向の曲率半径の設計中心値に対する歪みを相殺する補正量を算出する、
    ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
  5. 請求項3に記載のヘッドアップディスプレイにおいて、
    前記虚像光学系が、前記映像表示装置から出射した前記映像光を前記ウィンドシールドに向けて反射する凹面ミラー及び当該凹面ミラーを回転軸周りに回動させるミラー駆動部を含んで構成され、
    前記主制御装置は、前記目標位置に向けて前記映像光が反射される角度に前記凹面ミラーを回転させるための制御信号を前記ミラー駆動部に対して出力する、
    ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
  6. 車両に搭載されるヘッドアップディスプレイのキャリブレーション方法であって、
    車両に取り付けられたヘッドアップディスプレイから既知の形状からなる基準画像を含む映像光を前記車両のウィンドシールド上の第1目標位置に向けて出射するステップと、
    前記第1目標位置において前記ウィンドシールドに写った前記基準画像を撮像して投射画像を生成するステップと、
    前記第1目標位置において撮像された前記投射画像に基づいて、前記第1目標位置に対する前記投射画像に撮像された前記基準画像の表示位置の位置ずれ量、及び前記基準画像の既知の形状に対する前記投射画像に撮像された前記基準画像の形状の画像歪み量を算出し、前記位置ずれ量及び前記画像歪み量を相殺する投射画像補正量を算出し、前記ウィンドシールドの前記第1目標位置と、当該第1目標位置において算出された投射画像補正量を関連付けて第1目標位置投射画像補正データを生成するステップと、
    前記第1目標位置とは異なる第2目標位置に向けて、前記ヘッドアップディスプレイから既知の形状からなる基準画像を含む映像光を出射するステップと、
    前記第2目標位置において前記ウィンドシールドに写った前記基準画像を撮像して投射画像を生成するステップと、
    前記第2目標位置において撮像された前記投射画像に基づいて、前記第2目標位置に対する前記投射画像に撮像された前記基準画像の表示位置の位置ずれ量、及び前記基準画像の既知の形状に対する前記投射画像に撮像された前記基準画像の形状の画像歪み量を算出し、前記位置ずれ量及び前記画像歪み量を相殺する投射画像補正量を算出し、前記ウィンドシールドの前記第2目標位置と、当該第2目標位置において算出された投射画像補正量を関連付けて第2目標位置投射画像補正データを生成するステップと、
    前記第1目標位置投射画像補正データ及び前記第2目標位置投射画像補正データを含み、前記車両に搭載されたウィンドシールドに固有の形状歪みを補正する投射画像補正データを生成し、記憶するステップと、
    を含むことを特徴とするヘッドアップディスプレイのキャリブレーション方法。
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