JP7220522B2 - 研磨砥粒、その製造方法、それを含む研磨スラリー及びそれを用いる研磨方法 - Google Patents

研磨砥粒、その製造方法、それを含む研磨スラリー及びそれを用いる研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、研磨砥粒、該研磨砥粒の製造方法、該研磨砥粒を含む研磨スラリー、該研磨スラリーを用いる研磨方法に関する。
化学的に研磨対象物表面を溶かしたり変質させたり等して、砥粒による機械的な研磨を助け、研磨の速度及び研磨の質を向上させる技術として、CMP(Chemical Mechanical Planarization)技術が知られている。CMP技術は、半導体製造工程における平坦化プロセス、パワーデバイス製造工程における平坦化プロセス、SAW(表面弾性波)デバイス・BAW(バルク弾性波)デバイス等の音響デバイス製造工程における平坦化プロセス、位置センサ・角度センサ・加速度センサ・磁気センサ等のセンサ製造工程における平坦化プロセス、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)等の光デバイス製造工程における平坦化プロセスの研磨において多用されている。
上述したCMP技術は、研磨傷の発生を抑制しつつ生産スピードを向上させることが難しく、基板加工が生産コスト上昇の一因となっている。
例えば、特許文献1には、酸化ケイ素からなる面と金属とからなる面を含む被研磨面を研磨する研磨剤が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、研磨速度を抑制しながら研磨でき、研磨傷をつけることなく平坦化された被研磨面を得ることができる。
国際公開第2011/122415号
しかし、近年、デバイスの高性能化が進み、更に研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを更に向上させることが求められている。また、特許文献1には、粉砕によりセリウム或いはジルコニウム等を含有する粒子を形成する際に用いる分散剤、及び該分散剤を投入する条件について何ら記載されていない。
本発明は、アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる少なくとも1種の化合物で表面が被覆されており、pH8以下でゼータ電位がプラスである無機研磨粒子からなる研磨砥粒を提供するものである。また、本発明は、前記研磨砥粒を含む研磨スラリーを提供するものである。
また、本発明は、前記研磨スラリーを用いて被研磨物を研磨する被研磨物の研磨方法を提供するものである。
また、本発明は、前記研磨砥粒の製造方法であって、アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる少なくとも1種の化合物の存在下で無機研磨粒子を湿式粉砕する工程を有する研磨砥粒の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させることが可能な研磨砥粒、及び該研磨砥粒を含む研磨スラリーが提供される。また、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させる前記研磨スラリーを用いる研磨方法が提供される。また、そのような研磨砥粒を効率的に製造する研磨砥粒の製造方法が提供される。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明は、アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる1種の化合物で表面が被覆されており、pH8以下でゼータ電位がプラスである無機研磨粒子の一例である酸化セリウム粒子からなる研磨砥粒を提供するものである。また、本発明は、前記化合物で表面が被覆されており、pH8以下でゼータ電位がプラスである無機研磨粒子の一例である酸化セリウム粒子からなる研磨砥粒を含む研磨スラリーに関するものである。
無機研磨粒子の一例である酸化セリウム粒子(CeO2)は、研磨砥粒としての役割を担っている。酸化セリウム粒子としては、例えば純度99質量%以上の高純度の炭酸セリウム塩もしくは硝酸セリウム塩を出発原料として焼成後に粉砕して得られる粒子であってもよい。或いは、水中で水酸化セリウムのスラリーを形成し、これをオートクレーブに入れて100℃以上の温度で自生圧力下で水熱処理することにより焼成せずに得られるコロイダルセリアであってもよい。これらの内、研磨砥粒に用いられる酸化セリウム粒子としては、高純度の硝酸セリウムを出発原料として焼成後に粉砕して得られる粒子が特に好ましく用いられる。焼成過程で硝酸セリウム塩を用いる方が酸化セリウムの表面に酸塩基サイト(化学吸着サイト)等を多く発現させ、アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸、又はデフェリプロンの被覆量を促進しているものと推定される。
酸化セリウム粒子は、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させる観点と研磨スラリー中での分散安定性の観点から、その平均粒径(D50)が、5nm以上1000nm以下であることが好ましく、8nm以上150nm以下であることがさらに好ましく、10nm以上100nm以下であることが特に好ましい。なお、平均粒径とは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による累積体積50容量%における体積累積粒径D50のことである。
また、酸化セリウム粒子は、取扱性に優れ、所望の特性を効果的に発現できる観点から、粒子径分布が狭いことが好ましく、特に、累積体積90容量%における体積累積粒径D90と体積累積粒径D50との比(D90/D50)は1.0以上5.0以下とすることが好ましく、さらに好ましくは1.0以上3.0以下である。
本発明の無機研磨粒子としては、酸化セリウム粒子(CeO2)と、酸化セリウム粒子以外に、シリカ粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子、或いはジルコニウム含有粒子等が挙げられ、被研磨物である酸化物に対する高い研磨レートを得る観点から、酸化セリウム粒子(CeO2)が好ましく用いられる。尚、ジルコニウム含有粒子としては、ジルコニア粒子の単体が挙げられ、更に、酸化ジルコニウム(ZrO2)にセリウムが固溶した固溶体であるジルコニウム固溶体、酸化セリウム(CeO2)にジルコニウムが固溶した固溶体等が挙げられる
本発明の研磨砥粒である無機研磨粒子は、アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる化合物で表面が被覆されている。無機研磨粒子の表面に被覆される前記化合物は、研磨スラリー中で、無機研磨粒子に正の電荷を生じさせるものである。無機研磨粒子の表面に被覆されるアミノ安息香酸としては、o-アミノ安息香酸、m-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸等が挙げられる。これらの中でも、無機研磨粒子の好ましい例である酸化セリウム粒子の表面を被覆し易い観点から、p-アミノ安息香酸が特に好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミノ安息香酸は、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させる観点から、無機研磨粒子表面への被覆量が、アミノ安息香酸で被覆される前の状態の無機研磨粒子の質量に対して、0.07質量%以上7質量%以下であることが好ましく、0.35質量%以上5.6質量%以下であることがさらに好ましく、0.7質量%以上2.1質量%以下であることが特に好ましい。アミノ安息香酸の無機研磨粒子表面への被覆量の測定方法としては、中和滴定法等の方法が挙げられる。このように、本実施形態の研磨砥粒である無機研磨粒子は、その表面へのアミノ安息香酸の被覆量が多いため、自己分散性が発現し、研磨時の強い物理力にもめげず無機研磨粒子表面からアミノ安息香酸が離脱し難く、安定した研磨が期待できる。このように分散がよく砥粒や研磨屑の凝集も抑制されるのでスクラッチ等の研磨傷が顕著に減少し、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させるという前記効果が奏される。
また、無機研磨粒子の表面に被覆されるヒドロキシ安息香酸としては、o-ヒドロキシ安息香酸、m-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。これらの中でも、無機研磨粒子の好ましい例である酸化セリウム粒子の表面を被覆し易い観点から、p-ヒドロキシ安息香酸が特に好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒドロキシ安息香酸は、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させる観点から、無機研磨粒子表面への被覆量が、ヒドロキシ安息香酸で被覆される前の状態の無機研磨粒子の質量に対して、0.07質量%以上7質量%以下であることが好ましく、0.35質量%以上5.6質量%以下であることがさらに好ましく、0.7質量%以上2.1質量%以下であることが特に好ましい。ヒドロキシ安息香酸の無機研磨粒子表面への被覆量の測定方法としては、アミノ安息香酸の被覆量の測定方法と同様に、中和滴定法が挙げられる。
また、無機研磨粒子の表面に被覆されるアスパラギン酸としては、L-アスパラギン酸、D-アスパラギン酸等が挙げられる。これらの中でも、無機研磨粒子の好ましい例である酸化セリウム粒子の表面を被覆し易い観点から、L-アスパラギン酸が特に好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アスパラギン酸は、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させる観点から、無機研磨粒子表面への被覆量が、アスパラギン酸で被覆される前の状態の無機研磨粒子の質量に対して、0.07質量%以上7質量%以下であることが好ましく、0.35質量%以上5.6質量%以下であることがさらに好ましく、0.7質量%以上2.1質量%以下であることが特に好ましい。アスパラギン酸の無機研磨粒子表面への被覆量の測定方法としては、アミノ安息香酸の被覆量の測定方法と同様に、中和滴定法が挙げられる。
また、無機研磨粒子の好ましい例である酸化セリウム粒子の表面に被覆される化合物としては、キナルジン酸が挙げられる。キナルジン酸は、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させる観点から、無機研磨粒子表面への被覆量が、キナルジン酸で被覆される前の状態の無機研磨粒子の質量に対して、0.07質量%以上7質量%以下であることが好ましく、0.35質量%以上5.6質量%以下であることがさらに好ましく、0.7質量%以上2.1質量%以下であることが特に好ましい。キナルジン酸の無機研磨粒子表面への被覆量の測定方法としては、アミノ安息香酸の被覆量の測定方法と同様に、中和滴定法が挙げられる。
更にまた、無機研磨粒子の好ましい例である酸化セリウム粒子の表面に被覆される化合物としては、デフェリプロンが挙げられる。デフェリプロン(3-ヒドロキシ-1,2-ジメチルピリジン‐4-オン、CAS登録番号30652-11-0))は、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させる観点から、無機研磨粒子表面への被覆量が、キナルジン酸で被覆される前の状態の無機研磨粒子の質量に対して、0.07質量%以上7質量%以下であることが好ましく、0.35質量%以上5.6質量%以下であることがさらに好ましく、0.7質量%以上2.1質量%以下であることが特に好ましい。デフェリプロンの無機研磨粒子表面への被覆量の測定方法としては、アミノ安息香酸の被覆量の測定方法と同様に、中和滴定法が挙げられる。
尚、本発明においては、アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる化合物の2種以上を併用しても差し支えない。併用する場合、これらの物質の無機研磨粒子表面への被覆量は、併用する物質の合計で、これらの物質で被覆される前の状態の無機研磨粒子の質量に対して、0.07質量%以上7質量%以下であることが好ましく、0.35質量%以上5.6質量%以下であることがさらに好ましく、0.7質量%以上2.1質量%以下であることが特に好ましい。
本発明の研磨砥粒は、pH8以下でゼータ電位がプラスである無機研磨粒子から形成されており、本実施形態の研磨砥粒は、pH8又はそれ未満に調整した水溶液中で、無機研磨粒子のゼータ電位を測るとプラスとなる表面状態を有しており、pH8超に調整した水溶液中でも無機研磨粒子のゼータ電位を測るとプラスとなる表面状態を有していることが好ましい。pH8以下の全てのpH領域でゼータ電位がプラスであることが本発明の効果を顕著に奏する点で好ましいが、pH3以上8以下の領域でゼータ電位がプラスであれば、本発明の効果は十分に奏される。具体的には、pH8に調整した水溶液中でのゼータ電位は、プラスであれば特に制限はなく、高ければ高い程好ましく、具体的には+10mV以上であることが好ましく、+20mV以上であることが更に好ましい。pHが8未満である場合、例えばpH7に調整した水溶液中でのゼータ電位は、プラスであれば特に制限はなく、高ければ高い程好ましく、具体的には+20mV以上であることが好ましく、+30mV以上であることが更に好ましい。pHが8超である場合に関しても、ゼータ電位がプラスであることが好ましい。具体的には、pHが8を超えて9までの範囲で、ゼータ電位がプラスであることが好ましく、pH9に調整した水溶液中でのゼータ電位は、高ければ高い程好ましく、具体的には+0mV超であることが更に好ましい。尚、何れのpHに調整した水溶液においても、実際に到達可能な無機研磨粒子のゼータ電位の上限値は+60mV程度である。ここで、前記pH及び前記ゼータ電位は、研磨砥粒を含有した水溶液25℃における測定値である。ゼータ電位とは、荷電した無機研磨粒子界面と溶液間のずり面であるすべり面における電位をいい、流動電位法、電気泳動法等により測定される。
本実施形態の研磨砥粒のゼータ電位がプラスである効果は、被研磨物表面のゼータ電位がマイナスであれば砥粒である無機研磨粒子を静電気的に表面に吸引し易く、たくさんの砥粒(切れ歯)が存在することになるので機械的・化学的研磨が促進されるものと考えられる。逆に被研磨物表面のゼータ電位がプラスの場合は逆の効果が考えられるが、その強弱を利用して精密研磨特性をコントロールすることも可能となる。
本発明の研磨砥粒のゼータ電位は、研磨砥粒の分散媒として水を用いると共に、pH調整剤として硝酸、酢酸、水酸化カリウム、或いはアンモニア水等を用いた水溶液を調製し、その水溶液におけるpH調整剤の添加量を調整することにより、pHを調整して測定される。水は、イオン交換水をフィルター濾過した純水、または蒸留水が好ましく用いられる。
ゼータ電位の測定装置としては、例えば、大塚電子株式会社製の「ELSZ ゼータ電位・粒径測定システム」等の電気泳動光散乱測定法の原理を用いた装置を用いることができる。
pHの測定装置としては、例えば、株式会社堀場製作所製のpHイオンメーターD51、電極型式9625-10Dを用いることができる。
本発明者は、(A)アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる化合物の存在下で無機研磨粒子の一例である酸化セリウム粒子を湿式粉砕することによって得られる酸化セリウム粒子は、(B)当該技術分野において従来用いられてきた分散剤であるポリアクリル酸等のアニオン系界面活性剤を蒸留水に添加し、アニオン系界面活性剤の存在下に無機研磨粒子の一例である酸化セリウム粒子を湿式粉砕し、その後、前記化合物を添加することによって得られる酸化セリウム粒子に比べて、多量の前記化合物で表面が被覆されていることを見出した。
本実施形態の研磨砥粒は、無機研磨粒子の一例である酸化セリウム粒子の表面に多量のアミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸、又はデフェリプロンが被覆されているので、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させることが期待できる。
「添加剤で無機研磨粒子の表面が被覆されている」とは、表面処理されていない無機研磨粒子の表面に直接添加剤が存在していることを意味し、具体的に、「アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる少なくとも1種の化合物で酸化セリウム粒子の表面が被覆されている」とは、表面処理されていない酸化セリウム粒子の表面に直接アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸、又はデフェリプロンが存在していることをいう。従って、酸化セリウム粒子の表面に何らかの表面処理を施した後に、該粒子の表面に前記化合物を被覆した場合には、本発明にいう「アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる少なくとも1種の化合物で酸化セリウム粒子の表面が被覆されている」には該当しない。このような表面処理の例としては、上述したポリアクリル酸等のアニオン系界面活性剤をはじめとする各種の分散剤による処理が挙げられる。「アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる少なくとも1種の化合物で酸化セリウム粒子の表面が被覆されている」とは、本発明者は、酸化セリウム表面からの吸着力(Van der Waalsの力等の物理結合力)によって酸化セリウムと、前記化合物とが引きつけられて吸着しているか、或いは、前記化合物の分子と酸化セリウム粒子表面との間で電子の移行が生じて該分子と該表面との間に前記物理結合力よりも強い化学結合(共有結合、イオン結合、配位結合等)力が作用して吸着しているのではないかと考えている。また、本発明者は、焼成した酸化セリウム粒子を粉砕する際に発生する破断面は表面活性が非常に高いので、そこに前記化合物が優先吸着し易いと考えており、静電気的な物理吸着よりも、電子移行が生じる結合力の強い化学吸着が多く生じていると考えている。
研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートが向上した要因として、本来ならば、無機研磨粒子の一例である酸化セリウム粒子の表面がアミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸、又はデフェリプロンで被覆される原因、被覆される原因の一要因として考えている吸着が物理吸着及び/又は化学吸着か否か、吸着以外の被覆される要因、アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸、又はデフェリプロンが酸化セリウム粒子の表面に被覆した状態(構造)等を追究して明確にし、それらの特性又は構造を測定した上で、請求項には直接明記する必要がある。
しかし、少なくとも出願時においては、著しく過大な経済的支出及び時間を要してしまう為、上述した特性又は構造を測定した上で、それらの特性又は構造を、請求項に規定することが技術的に不可能であった。
そこで、特許出願の性質上、迅速性等を必要とすることに鑑みて、上述した特性を規定することに代えて、「アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる少なくとも1種の化合物の存在下で酸化セリウム粒子を湿式粉砕する工程を有する研磨砥粒の製造方法」という、その物の製造方法を、物の発明の請求項に記載して、請求項に係る本発明の研磨砥粒を特定している。
このように、本発明の出願時においては、本発明の研磨砥粒をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるという事情(「不可能的事情」)が存在している。
無機研磨粒子の一例である酸化セリウム粒子の表面にアミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる化合物が被覆されており、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させることができる本実施形態の研磨砥粒は、前記(A)のように、前記化合物の存在下で酸化セリウム粒子を湿式粉砕する工程を有する研磨砥粒の製造方法によって、効率的に製造できる。アミノ安息香酸・ヒドロキシ安息香酸・アスパラギン酸・キナルジン酸・デフェリプロンの物理吸着での表面被覆では研磨レートの大幅向上や研磨傷の発生を抑制することは難しい。本発明の本質はアミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸或いはデフェリプロンを被覆(強い表面吸着種を形成)させるところが大きな特徴である。具体的には、ポリアクリル酸系の分散剤等の当該技術分野において一般的に用いられる高分子分散剤が少量だけ存在している状況下でもよいが、好ましくはポリアクリル酸系の高分子分散剤が不存在の下、液媒体である水にアミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる化合物を添加し、該化合物の存在下で酸化セリウム粒子を、直径が1mm~3mmの例えばジルコニア製のビーズと共に、ビーズミルに充填して、添加した前記化合物を酸化セリウム粒子の分散剤として機能させながら、処理量に応じて時間を調整しながら湿式粉砕して製造する。湿式粉砕の条件は、粉砕後の本発明の研磨砥粒は、上述したように、その平均粒径(D50)が好ましくは5nm以上1000nm以下、さらに好ましくは8nm以上150nm以下、特に好ましくは10nm以上100nm以下となり、且つ、体積累積粒径D90と体積累積粒径D50との比(D90/D50)が1.0以上3.0以下となる条件に設定することが好ましい。
本発明の研磨砥粒の製造方法に用いる湿式粉砕する前の無機研磨粒子は、その体積累積粒径D50が、1μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上20μm以下であることが更に好ましい。湿式粉砕する前の無機研磨粒子の粒径D50は、上述した本実施形態の研磨砥粒としての無機研磨粒子の粒径D50、即ち、湿式粉砕した後の無機研磨粒子の粒径D50と同様にして測定する。
研磨砥粒の製造方法において、本発明の研磨砥粒を効率的に製造する観点から、用いる湿式粉砕する前の無機研磨は、その仕込量が、分散媒である水に対して、0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上45質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。
そして、研磨砥粒の製造方法において、本発明の研磨砥粒を効率的に製造する観点から、用いるアミノ安息香酸は、その仕込量が、アミノ安息香酸で被覆される前の状態の無機研磨粒子の質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上8質量%以下であることがさらに好ましく、1質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。
また、研磨砥粒の製造方法において、本発明の研磨砥粒を効率的に製造する観点から、用いるヒドロキシ安息香酸は、その仕込量が、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させる観点から、ヒドロキシ安息香酸で被覆される前の状態の無機研磨粒子の質量に対して、0.1質量%以上10%質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上8質量%以下であることがさらに好ましく、1質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。
更にまた、研磨砥粒の製造方法において、本発明の研磨砥粒を効率的に製造する観点から、用いるアスパラギン酸は、その仕込量が、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨レートを向上させる観点から、アスパラギン酸で被覆される前の状態の無機研磨粒子の質量に対して、0.1質量%以上10%質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上8質量%以下であることがさらに好ましく、1質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。
本発明の研磨スラリーは、上述した研磨砥粒の製造方法により製造された本発明の研磨砥粒をそのままの状態で使用してもよく、上述した研磨砥粒の製造方法により製造された研磨砥粒の分散液を水等の分散媒で希釈して使用してもよい。何れの場合であっても、研磨スラリーに、必要に応じ、後述する各種の添加剤を添加することができる。
このように製造された本発明の研磨スラリーにおいて、無機研磨粒子は、その含有量が、研磨傷を抑制すると共に研磨レートを向上させる観点と分散安定性の観点から、研磨スラリーを基準として、0.1質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。
アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アスパラギン酸、キナルジン酸及びデフェリプロンの群から選ばれる化合物は、無機研磨粒子の表面に被覆されている該化合物以外、本発明の研磨スラリーにおいて、バルク中には殆ど存在せず、バルク中に存在したとしても、その含有量は、研磨スラリーを基準として、0.0001質量%以上0.02質量%以下程度であることが好ましい。
また、本発明の研磨スラリーは、高い研磨レートと研磨傷の観点から、pH3以上pH9以下であることが好ましく、pH5以上pH8以下であることがさらに好ましく、最も好ましくはpH6以上pH8以下である。該pHは研磨スラリー25℃における測定値である。pH3以下では被研磨物表面である酸化珪素膜の等電点に近くなり、研磨速度の点から好ましくない、pH9以上では無機研磨粒子が凝集沈殿し、製品安定性および研磨傷の点から好ましくない。特にpH6以上8以下の領域は研磨速度の向上も実現できかつスクラッチ等の研磨傷を大幅に改善できるので産業上の価値が高い。
本発明の研磨スラリーには、水以外に、研磨力を低下させない限りにおいて、他の添加剤を含有することができる。他の添加剤としては、粘度調整剤、キレート剤、消泡剤、界面活性剤、防錆剤等が挙げられる。また、本発明の研磨スラリーには、窒化ケイ素からなる面を含む被研磨面を研磨する際に該窒化ケイ素からなる面の研磨レートを抑える観点から、グルコース、ガラクトース、及び、グルコース又はガラクトースがグリコシド結合した化合物から選ばれる少なくとも1種以上の糖類を含有しても良い。研磨スラリーの含有する該糖類は、上述した製造方法により製造された本発明の研磨砥粒を含有する研磨スラリーに添加されるものであり、該研磨スラリーにおいてバルク中に存在し、本発明の研磨砥粒の表面に被覆されるものではない。本発明の研磨砥粒と前記糖類とを含有する研磨スラリーは、酸化珪素膜と窒化珪素膜とが共存する被研磨面を研磨するSTI(Shallow Trench Isolation、シャロートレンチアイソレーション)工程用の研磨剤として有用である。
本開示の研磨スラリーに含まれる糖類は、酸化珪素膜の研磨速度確保、及び窒化珪素膜の研磨速度抑制の観点から、グルコース、ガラクトース、及び、グルコース又はガラクトースがグリコシド結合した化合物から選ばれる少なくとも1種以上の糖類化合物である。グルコース又はガラクトースがグリコシド結合した化合物としては、一又は複数の実施形態において、グルコース及びガラクトースの少なくとも一方に由来する構成単位を含む化合物が挙げられる。グルコース又はガラクトースがグリコシド結合した化合物としては、一又は複数の実施形態において、複数個(少なくとも2個以上)の単糖がグリコシド結合した化合物であって、該化合物を構成する複数個の単糖のうちの少なくとも1つがグルコース又はガラクトースである化合物が挙げられる。
グルコースは、α-グルコースでもよいし、β-グルコースでもよい。例えば、α-グルコースがグリコシド結合した化合物としては、下記式(I)で表される構成単位及び下記式(II)で表される構成単位の少なくとも一方を含む糖類化合物が挙げられる。糖類は、1種類の糖類化合物であってもよいし、2種以上の糖類化合物の組合せであってもよい。
Figure 0007220522000001
糖類としては、例えば、単糖、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖、及び多糖から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
糖類の単糖としては、例えば、グルコース、ガラクトースが挙げられる。
糖類の二糖としては、例えば、ラクトース[構成:グルコース+ガラクトース]、イソマルツロース[構成:グルコース+フルクトース]、スクロース[構成:グルコース+フルクトース]等が挙げられる。イソマルツロースの具体例としては、例えば、三井製糖社製の商品名「パラチノース」等が挙げられる。
糖類の三糖としては、例えば、ラフィノース[構成:グルコース+ガラクトース+フルクトース]等が挙げられる。
糖類の四糖としては、例えば、アカルボース、スタキオースが挙げられる。
糖類のオリゴ糖としては、例えば、構成単位がグルコースのみであるオリゴ糖が挙げられ、具体的には、ゲンチオオリゴ糖等が挙げられる。ゲンチオオリゴ糖の具体例としては、例えば、日本食品化工社製の商品名「ゲントース♯45」等が挙げられる。
糖類の多糖としては、例えば、ポリデキストロース等が挙げられる。ポリデキストロースは、例えば、グルコースとソルビトールとクエン酸を89:10:1で加熱して製造されうる。ポリデキストロースの具体例としては、例えば、ダニスコ社製の商品名「ライテスIII」、「ライテスパウダー」、「ライテスII」、「ライテスウルトラ」、「ライテスファイバーHF」;テート&ライル社製の商品名「スターライトIII」、「スターライトエリート」、「プロミター85」;太陽化学社製の商品名「サンファイバー」;等が挙げられる。
糖類が多糖である場合、糖類の構造としては、直鎖構造、環状構造、分岐構造が挙げられる。
糖類がオリゴ糖又は多糖である場合、糖類の重量平均分子量は、酸化珪素膜の研磨速度確保、及び窒化珪素膜の研磨速度抑制の観点から、400以上が好ましく、800以上がより好ましく、850以上が更に好ましく、900以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、2800以下が好ましく、2500以下がより好ましく、2300以下が更に好ましい。より具体的には、糖類の重量平均分子量は、400以上2800以下が好ましく、800以上2500以下がより好ましく、850以上2300以下が更に好ましく、900以上2300以下が更に好ましい。
本開示において重量平均分子量は、液体クロマトグラフィー(株式会社日立製作所製、L-6000型高速液体クロマトグラフィー)を使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって下記条件で測定できる。
検出器:ショーデックスRI SE-61示差屈折率検出器
カラム:東ソー株式会社製の「TSKgel α-M」と「TSKgel α-M」を直列につないだものを使用した。
溶離液:50mmoL/LiBr水溶液
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
標準ポリマー:分子量が既知の単分散プルラン(Shodex社製のSTD-Pシリーズ)
本開示の研磨スラリーにおけるバルク中の糖類の含有量は、酸化珪素膜の研磨速度確保、及び窒化珪素膜の研磨速度抑制の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、0.8質量%以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、4質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。より具体的には、糖類の含有量は、0.1質量%以上4質量%以下が好ましく、0.3質量%以上2質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下が更に好ましく、0.8質量%以上1.5質量%以下が更に好ましい。糖類が2種以上の糖類化合物の組合せである場合、糖類の含有量はそれらの合計の含有量をいう。
また、本発明の研磨スラリーは、pH8又はそれ未満で、無機研磨粒子のゼータ電位を測るとプラスとなっており、pH8超でも無機研磨粒子のゼータ電位を測るとプラスとなっていることが好ましい。本発明の研磨スラリーは、pH8以下の全てのpH領域でゼータ電位がプラスであることが本発明の効果を顕著に奏する点で好ましいが、pH3以上8以下の領域でゼータ電位がプラスであれば、本発明の効果は十分に奏される。具体的には、pH8でのゼータ電位は、プラスであれば特に制限はなく、高ければ高い程好ましく、具体的には+10mV以上であることが好ましく、+20mV以上であることが更に好ましい。pHが8未満である場合、例えばpH7でのゼータ電位は、プラスであれば特に制限はなく、高ければ高い程好ましく、具体的には+20mV以上であることが好ましく、+30mV以上であることが更に好ましい。pHが8超である場合に関しても、ゼータ電位がプラスであることが好ましい。具体的には、pHが8を超えて9までの範囲で、ゼータ電位がプラスであることが好ましく、pH9でのゼータ電位は、高ければ高い程好ましく、具体的には+0mV以上であることが更に好ましい。尚、何れのpHに調整した水溶液においても、実際に到達可能な無機研磨粒子のゼータ電位の上限値は+60mV程度である。ここで、前記pH及び前記ゼータ電位は、研磨開始前の研磨スラリー25℃における測定値である。研磨スラリーのpHは、上述した本発明の研磨砥粒を含む前記水溶液のpHと同様に、pH調整剤として硝酸、酢酸、水酸化カリウム、或いはアンモニア水等を用い、pH調整剤の添加量を調整することにより、調整することができる。
本実施形態の研磨スラリーにおける無機研磨粒子のゼータ電位がプラスである効果は、被研磨物表面のゼータ電位がマイナスであれば砥粒である無機研磨粒子を静電気的に表面に吸引しやすく、たくさんの砥粒(切れ歯)が存在することになるので機械的・化学的研磨が促進されるものと考えられる。このような観点から、本実施形態の研磨スラリーは、研磨スラリーを使用するpH3以上でゼータ電位がマイナスである被研磨物の研磨に用いられることが好ましく、pH5以上でゼータ電位がマイナスである被研磨物の研磨に用いられることが更に好ましい。逆に被研磨物表面のゼータ電位がプラスの場合は逆の効果が考えられるが、その強弱を利用して精密研磨特性をコントロールすることも可能となる。
研磨速度の向上という点では被研磨物の種類にもよるが、本実施形態の研磨スラリーのpHが6以上8以下の範囲が好ましい。無機研磨粒子のゼータ電位の点ではベスト(最も高い)な領域ではないが、研磨パッドとの関係もあって本実施形態の研磨スラリーのpHが6以上8以下の領域での研磨速度は、研磨スラリーのpH4.5~6の範囲に比べ向上し、研磨スラリーのpH3~4.5の範囲に比べ大きく向上する。尚、研磨スラリーのpHが4.5以下の領域では無機研磨粒子の帯電量を高く維持できるメリットがあるが、被研磨物が例えば酸化珪素膜である場合には該酸化珪素膜のゼータ電位がゼロに近づくため、研磨速度が下がるので、研磨傷抑制の効果はpHが4.5超の場合の方が有利になる。しかし、本実施形態の研磨スラリーはpH3~4.5の範囲でも、研磨傷の発生の抑制と研磨レートの向上の両立を十分に達成することができ、研磨スラリーのpH4.5~6の範囲では、研磨傷の発生の抑制と研磨レートの向上の両立を更に達成することができ、研磨スラリーのpH6~8の範囲では、研磨傷の発生の抑制と研磨レートの向上の両立を殊更達成することができる。
また、本発明は、前記研磨スラリーを用いて被研磨物を研磨する被研磨物の研磨方法を提供する。研磨する被研磨物としては、半導体製造工程(STI)におけるSiO2等の酸化膜、半導体製造工程(ILD)におけるSiO2等の酸化膜、パワーデバイス製造工程におけるSiO2等の酸化膜、SAW(表面弾性波)デバイス・BAW(バルク弾性波)デバイス製造工程におけるSiO2等の酸化膜、位置センサ・角度センサ・加速度センサ・磁気センサ等のセンサ製造工程におけるSiO2等の酸化膜、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)等の光デバイス製造工程におけるSiO2等の酸化膜が挙げられる。
前記研磨スラリーを用いて被研磨物を研磨する方法としては、例えば、公知の研磨装置を使用し、該研磨装置の研磨パッドに前記研磨スラリーを供給しながら、被研磨物の被研磨面と研磨パッドとを接触させ、両者間の相対運動により研磨を行う研磨方法が好ましい。具体的には、片面研磨装置に設けられたテンプレートで被研磨物を保持し、該装置に設けられた定盤の上に貼られた研磨パッドに本発明の研磨スラリーを滴下しながら一緒に相対運動させることで被研磨物の表面を研磨することができる。或いは、両面研磨装置に設けられたキャリアで被研磨物を保持し、該装置に設けられた上定盤に貼られた研磨パッドと下定盤に貼られた研磨パッドとの間に本発明の研磨スラリーを挿入しながら一緒に相対運動させることで被研磨物の表面を研磨することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
研磨スラリーの調製(実施例1~20及び比較例1~2)
セリア砥粒A1~A5又はセリア砥粒B1に、必要に応じて糖類化合物及び水を混合して実施例1~20及び比較例1~2の研磨スラリーを得た。研磨スラリー中の各成分の含有量、及び研磨スラリーのpHを表1に示す。研磨スラリーのpHは、1規定のアンモニア水溶液を用いて調整した。
研磨スラリーの調製に用いたセリア砥粒A1~A5、セリア砥粒B1、及び糖類化合物を以下に示す。
<セリア砥粒A1>
蒸留水にp-アミノ安息香酸を添加し、p-アミノ安息香酸の存在下に硝酸セリウムを出発原料として得られた高純度(純度99.99質量%)の酸化セリウム(湿式粉砕する前の粒径D50:10μm)を投入し、酸化セリウムをビーズミルで湿式粉砕して、セリア砥粒A1を得た。用いたビーズは直径1mmの株式会社ニッカトー製のものであった。得られたセリア砥粒A1は、構成する酸化セリウム粒子の平均粒径(D50)が40nmであり、酸化セリウム粒子の含有量が20質量%であった。また、p-アミノ安息香酸の仕込量が酸化セリウム粒子の質量に対して3質量%であった。
<セリア砥粒A2>
p-アミノ安息香酸に代えて、p-ヒドロキシ安息香酸を用いた以外はセリア砥粒A1と同様の製造方法にてセリア砥粒A2を製造した。得られたセリア砥粒A2は、構成する酸化セリウム粒子の平均粒径(D50)が40nmであり、酸化セリウム粒子の含有量が20質量%であった。また、p-ヒドロキシ安息香酸の仕込量が酸化セリウム粒子の質量に対して3質量%であった。
<セリア砥粒A3>
p-アミノ安息香酸に代えて、L-アスパラギン酸を用いた以外はセリア砥粒A1と同様の製造方法にてセリア砥粒A3を製造した。得られたセリア砥粒A3は、構成する酸化セリウム粒子の平均粒径(D50)が40nmであり、酸化セリウム粒子の含有量が20質量%であった。また、L-アスパラギン酸の仕込量が酸化セリウム粒子の質量に対して3質量%であった。
<セリア砥粒A4>
p-アミノ安息香酸に代えて、キナルジン酸を用いた以外はセリア砥粒A1と同様の製造方法にてセリア砥粒A4を製造した。得られたセリア砥粒A4は、構成する酸化セリウム粒子の平均粒径(D50)が40nmであり、酸化セリウム粒子の含有量が20質量%であった。また、キナルジン酸の仕込量が酸化セリウム粒子の質量に対して3質量%であった。
<セリア砥粒A5>
p-アミノ安息香酸に代えて、デフェリプロンを用いた以外はセリア砥粒A1と同様の製造方法にてセリア砥粒A5を製造した。得られたセリア砥粒A5は、構成する酸化セリウム粒子の平均粒径(D50)が40nmであり、酸化セリウム粒子の含有量が20質量%であった。また、デフェリプロンの仕込量が酸化セリウム粒子の質量に対して3質量%であった。
<セリア砥粒B1>
セリア砥粒B1としては、多結晶粉砕セリア粒子[昭和電工社製の「GPL-C1010」]を用いた。
実施例1~15及び比較例1の研磨スラリーの調製に用いた糖類を以下に示す。
<糖類>
グルコース[単糖]
ガラクトース[単糖]
ラクトース[二糖、構成:グルコース+ガラクトース]
スクロース[二糖、構成:グルコース+フルクトース]
イソマルツロース[二糖、構成:グルコース+フルクトース、三井製糖社製の「パラチノース」]
ラフィノース[三糖、構成:グルコース+ガラクトース+フルクトース]
ポリデキストロース[多糖、構成:グルコースとソルビトールとクエン酸とを混合し重合させたもの、重量平均分子量1400、デュポン社製の「ライテスII」]
〔実施例1~20及び比較例1~2の研磨スラリーの調製〕
セリア砥粒A1~A5又はセリア砥粒B1に、必要に応じて水、糖類化合物、pH調整剤を添加して表1に記載の実施例1~20及び比較例1~2の研磨スラリーを得た。pH調整剤として硝酸または水酸化カリウム水溶液を用いてpH値を調整した。研磨スラリーのpH値は下記方法により評価した。
〔研磨スラリー(実施例1~20及び比較例1~2)の評価〕〕
実施例1~20および比較例1~2の研磨スラリーにおいて、添加剤によって被覆された砥粒のゼータ電位を、下記方法により評価した。また、実施例1~20および比較例1~2の研磨スラリーにおいて、酸化珪素膜の研磨速度(研磨レート)及び研磨傷を、それぞれ下記方法により評価した。その結果を下記表1に示した。
<ゼータ電位>
研磨開始前の各研磨スラリー25℃での添加剤によって被覆された砥粒のゼータ電位を測定した。ゼータ電位は大塚電子株式会社製の「ELSZ ゼータ電位・粒径測定システム」の電気泳動光散乱測定法の原理を用いた。
<pH(測定方法)>
研磨液組成物の25℃におけるpH値は、pHメータ(東亜電波工業社製、「HM-30G」)を用いて測定した値であり、pHメータの電極を研磨液組成物へ浸漬して1分後の数値である。
<研磨傷>
後述する酸化珪素膜の研磨速度測定後の被研磨物の表面を、ブルカー・エイエックスエス株式会社製のAFM(原子間力顕微鏡)「Dimension Icon AFM」を使用して、1視野(10μm×10μm)を3箇所観察して、スクラッチの有無を確認した。
表1に示す通り、実施例1から20の研磨スラリーは、pH8又はそれ未満で、添加剤によって被覆された砥粒のゼータ電位がプラスであることが分かった。また、実施例1から20の研磨スラリーは、酸化珪素膜の研磨速度(研磨レート)が良好で、研磨傷も少ないことがわかった。
<研磨速度(研磨レート)及び研磨選択性>
実施例1~20及び比較例1~2の研磨スラリーにおいて、下記に示すように作成した試験片を用い、酸化珪素膜(被研磨膜)の研磨速度(研磨レート)、窒化珪素膜(研磨ストッパ膜)の研磨速度(研磨レート)、研磨速度比(研磨選択性)を、下記方法により測定した。その結果を下記表1に示した。
[試験片の作成]
<ブランケット基板>
シリコンウェーハの片面に、TEOS-プラズマCVD法で厚さ2000nmの酸化珪素膜(ブランケット膜)を形成したものから、40mm×40mmの正方形片を切り出し、酸化珪素膜試験片(ブランケット基板)を得た。
同様に、シリコンウェーハの片面に、CVD法で厚さ700nmの窒化珪素膜(ブランケット膜)を形成したものから、40mm×40mmの正方形片を切り出し、窒化珪素膜試験片(ブランケット基板)を得た。
[酸化珪素膜(被研磨膜)の研磨速度]
研磨装置として、定盤径380mmのテクノライズ製「TR15M-TRK1」を用いた。また、研磨パッドとしては、ニッタ・ハース社製の硬質ウレタンパッド「IC-1000/Suba400」を用いた。前記研磨装置の定盤に、前記研磨パッドを貼り付けた。前記試験片をホルダーにセットし、試験片の酸化珪素膜を形成した面が下になるように(酸化珪素膜が研磨パッドに面するように)ホルダーを研磨パッドに載せた。さらに、試験片にかかる荷重が300g重/cm2となるように、錘をホルダーに載せた。研磨パッドを貼り付けた定盤の中心に、研磨液組成物を50mL/分の速度で滴下しながら、定盤及びホルダーのそれぞれを同じ回転方向に100r/分で1分間回転させて、酸化珪素膜試験片の研磨を行った。研磨後、超純水を用いて洗浄し、乾燥して、酸化珪素膜試験片を後述の光干渉式膜厚測定装置による測定対象とした。
研磨前及び研磨後において、光干渉式膜厚測定装置(SCREENセミコンダクターソリューションズ社製「VM-1230」)を用いて、酸化珪素膜の膜厚を測定した。酸化珪素膜の研磨速度は下記式により算出した。表1に示す結果は、比較例1を100とした相対値である。
酸化珪素膜の研磨速度(Å/分)
=[研磨前の酸化珪素膜厚さ(Å)-研磨後の酸化珪素膜厚さ(Å)]/研磨時間(分)
[窒化珪素膜(研磨ストッパ膜)の研磨速度]
試験片として酸化珪素膜試験片の代わりに窒化珪素膜試験片を用いること以外は、前記[酸化珪素膜の研磨速度の測定]と同様に、窒化珪素膜の研磨及び膜厚の測定を行った。窒化珪素膜の研磨速度は下記式により算出した。表1に示す結果は、比較例1を100とした相対値である。
窒化珪素膜の研磨速度(Å/分)
=[研磨前の窒化珪素膜厚さ(Å)-研磨後の窒化珪素膜厚さ(Å)]/研磨時間(分)
[研磨速度比]
窒化珪素膜の研磨速度に対する酸化珪素膜の研磨速度の比を研磨速度比とし、下記式により算出した。研磨速度比の値が大きいほど、研磨選択性が高いことを示す。
研磨速度比=酸化珪素膜の研磨速度(Å/分)/窒化珪素膜の研磨速度(Å/分)
Figure 0007220522000002
表1に示す通り、実施例1~20の研磨スラリーは、比較例1~2の研磨スラリーに比べ、酸化珪素膜の研磨速度が良好で、窒化珪素膜の研磨速度が抑制できることがわかった。

Claims (12)

  1. アミノ安息香酸で表面が被覆されており、pH8以下でゼータ電位がプラスである無機研磨粒子からなる研磨砥粒を含む研磨スラリーであって、
    グルコース、ガラクトース、及び、グルコース又はガラクトースがグリコシド結合した化合物から選ばれる少なくとも1種以上の糖類を含有し、
    前記研磨砥粒が、アミノ安息香酸の存在下で、分散剤による表面処理がされていない研磨砥粒を湿式粉砕することで製造されたものである、研磨スラリー。
  2. 前記無機研磨粒子が酸化セリウム粒子である請求項1に記載の研磨スラリー。
  3. 前記研磨スラリーにおけるバルク中の前記糖類の含有量が0.1質量%以上4質量%以下である請求項1又は2に記載の研磨スラリー。
  4. 前記研磨砥粒の体積累積粒径D50が5nm以上1000nm以下である請求項1~3の何れか1項に記載の研磨スラリー。
  5. 前記研磨スラリーのpHが3以上9以下である請求項1~4の何れか1項に記載の研磨スラリー。
  6. 前記研磨スラリーのpHが6以上8以下である請求項1~4の何れか1項に記載の研磨スラリー。
  7. 酸化珪素膜と窒化珪素膜とが共存する被研磨面を研磨するSTI工程に用いる、請求項1~6の何れか1項に記載の研磨スラリー。
  8. 請求項1~7の何れか1項に記載の研磨スラリーを用いて被研磨物を研磨する被研磨物の研磨方法。
  9. 酸化珪素膜と窒化珪素膜とが共存する被研磨面を研磨するSTI工程において、該被研磨面を研磨する、請求項に記載の研磨方法。
  10. 請求項1~7の何れか1項に記載の研磨スラリーの製造方法であって、
    アミノ安息香酸の存在下で、分散剤による表面処理がされていない無機研磨粒子からなる研磨砥粒を湿式粉砕する工程を有する、研磨スラリーの製造方法。
  11. 前記無機研磨粒子が酸化セリウム粒子である請求項10に記載の研磨スラリーの製造方法。
  12. 前記無機研磨粒子に対して、0.1質量%以上10質量%以下のアミノ安息香酸を用いる請求項10又は11に記載の研磨スラリーの製造方法。
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