以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る光学式検知装置100の概要を示す斜視図である。光学式検知装置100は、発光側装置102および受光側装置104を備える。発光側装置102および受光側装置104は、車両等が通過する道路202を挟むように対向して配置され、発光側装置102および受光側装置104の間を車両等が通過する。
一例として道路202は、高速道路のインターチェンジおよびスマートインターチェンジ等において車両等が通過する屋外の道路である。道路202には、光学式検知装置100よりも下流に、ゲートバー等の遮蔽器が開閉するゲートが設けられていてよい。当該ゲートは、光学式検知装置100において車両等が検知された場合に、ゲートバー等の遮蔽器を開状態にしてよい。なお、光学式検知装置100が設置される道路202は、上述した道路に限定されない。
本例の発光側装置102および受光側装置104は、道路202の両側に配置された高所部200の上に設置されている。高所部200において発光側装置102および受光側装置104が設置された設置面は、道路202において車両等が通過する通過面よりも高い位置に配置されている。高所部200は、道路202に沿って帯状に設けられていてよく、発光側装置102および受光側装置104の近傍にだけ島状に設けられていてもよい。高所部200は、コンクリート等で形成され、道路202に固定されている。発光側装置102および受光側装置104を高所部200に設けることで、車両等が発光側装置102および受光側装置104と接触することを抑制できる。
発光側装置102および受光側装置104のそれぞれは、筐体部112を備える。筐体部112は、金属、樹脂、ガラス、プラスチック等で形成された箱体であってよい。筐体部112の内部には、発光部または受光部が収容されている。本明細書では、発光部および受光部を光学部と称する場合がある。
発光部は一例として、筐体部112の高さ方向に配列された複数の発光素子を有する。一例として発光素子は赤外線を照射するLEDであるが、これに限定されない。受光部は一例として筐体部112の高さ方向に配列された複数の受光素子を有する。一例として受光素子は、発光素子が照射する光の波長に感度を有するフォトダイオードであるが、これに限定されない。それぞれの受光素子は、発光素子と対向する高さに配置されていることが好ましい。本明細書では、発光素子および受光素子を光学素子と称する場合がある。
なお本明細書では、筐体部112において複数の光学素子が配列された方向を高さ方向と称する場合がある。高さ方向は、重力方向と一致していてもよいが、重力方向には限定されない。また、発光側装置102および受光側装置104において、高さ方向のうち高所部200の設置面から離れる方向を上、設置面に近づく方向を下と称する。
それぞれの筐体部112は、他方の筐体部112と対向する対向面116を有する。対向面116には、所定の波長の光を透過するパネル部114が設けられている。パネル部114は、例えばガラスまたはプラスチック等で形成されている。
パネル部114は、筐体部112に収容されている光学部と対向する位置に配置されている。それぞれの筐体部112のパネル部114は、高さ方向に複数配列された光学素子に沿って設けられてよい。つまりパネル部114は、高さ方向に長手を有してよい。パネル部114は高さ方向に複数個に分離していてよく、一つのパネル部114が連続して配置されていてもよい。
図2は、発光側装置102および受光側装置104の概要を示す断面図である。上述したように発光側装置102は筐体部112の内部に発光部106を有する。また、受光側装置104は筐体部112の内部に受光部108を有する。
発光部106には高さ方向に沿って複数の発光素子107が配列されており、それぞれの高さ位置において赤外線等の光110を照射する。光110は、それぞれの筐体部112のパネル部114を透過して、受光部108に到達する。受光部108には高さ方向に沿って複数の受光素子109が配列されており、それぞれの高さ位置において光110を受光する。
発光側装置102および受光側装置104の間を車両等が通過することで、光110の少なくとも一部が遮光され、車両等に対応する高さ位置の受光素子109における受光量が低下する。これにより、光学式検知装置100は、車両等の通過の有無を検知でき、また、通過した車両等の高さも検知できる。
図3は、受光側装置104における受光部108および制御部130の一例を示す図である。制御部130は、光学式検知装置100を制御するためのプログラムがインストールされた汎用のコンピュータであってよく、受光側装置104の制御のための専用のコンピュータであってもよい。制御部130は、受光側装置104の筐体部112の内部に設けられてよい。
本例の受光部108は、上段部123、中段部122および下段部121を有する。上段部123、中段部122および下段部121のそれぞれは、複数の受光素子109を有する。下段部121は、受光部108を高さ方向に3つに分割した部分のうち最も下側に配置された部分であり、上段部123は最も上側に配置された部分であり、中段部122は上段部123および下段部121の間に配置された部分である。下段部121は、光学式検知装置100の下流に配置されるゲートにおける閉状態のゲートバー等の遮蔽器よりも下方に配置されていてよい。
下段部121は、複数の第1受光素子109-1を有する。中段部122および上段部123のそれぞれは、複数の第1の受光素子109-1よりも上側に配置された複数の第2受光素子109-2を有する。第1受光素子109-1および第2受光素子109-2は、同一の特性を有する受光素子であってよく、異なる特性を有する受光素子であってもよい。第1受光素子109-1は、第2受光素子109-2よりも受光感度の高い素子であってよい。第1受光素子109-1は、第2受光素子109-2よりも高密度に配置されていてよい。これにより、後述する物体の通過を高精度に検知できる。
制御部130は、インターフェース部132および検知部134を有する。制御部130は、受光部108、インターフェース部132および検知部134に電源電力を供給する電源部を更に有してもよい。
インターフェース部132は、制御部130と、他の装置との間で電気信号等を中継する。インターフェース部132は、コネクタ等の物理的な接続部材と、信号処理を行う演算部の少なくとも一方を有してよい。本例のインターフェース部132には、受光部108におけるそれぞれの受光素子109の受光結果を示す信号が入力される。
検知部134は、複数の第1受光素子109-1における受光結果に基づいて、発光側装置102および受光側装置104の間を車両等の物体が通過したことを検知する。検知部134は、所定の検知期間より長い期間継続して遮光状態となった第1受光素子109-1の個数に基づいて、物体の通過を検知してよい。遮光状態とは、受光素子109が発光部106からの光を受光しない状態を指す。当該検知期間は、0.5秒間であってよく、0.1秒間であってよく、他の長さであってもよい。
本例の検知部134は、複数の第1受光素子109-1のうち、予め定められた検知個数以上の素子が、所定の検知期間より長い期間遮光状態となった場合に、物体が通過したと判定する。当該検知個数は、複数の第1受光素子109-1の1割以上の個数であってよく、2割以上の個数であってもよい。インターフェース部132は、検知部134が車両等の物体の通過を検知した場合に、その旨を物体が通過するゲートに通知してよい。ゲートは、当該通知に応じて、ゲートバー等の遮蔽器を開状態にしてよい。インターフェース部132は、ゲートおよび光学式検知装置100を管理するサーバーに、これらの情報を通知してもよい。サーバーは、当該通知に基づいてゲートを制御してよい。
検知部134は、複数の第2受光素子109-2における受光結果に基づいて、発光側装置102および受光側装置104の間を通過した車両等の物体の長さを検知する。検知部134は、車両等の物体の長さを示す情報として、それぞれの第2受光素子109-2が遮光状態となっている期間を検出してよい。検知部134は、車両等の物体の速度を示す情報を受け取り、第2受光素子109-2が遮光状態となっている期間と、物体の速度から、物体の長さを算出してもよい。検知部134は、それぞれの第2受光素子109-2の受光結果に基づいて、それぞれの第2受光素子109-2の高さ位置における、物体の長さを検出してもよい。検知部134は、それぞれの第2受光素子109-2の受光結果に基づいて、物体の長さの最大値を検出してもよい。
インターフェース部132は、検知部134が検知した物体の長さに関する情報を、物体が通過するゲートに通知してよい。当該ゲートは、当該通知に応じて、ゲートバー等の遮蔽器を閉状態にするタイミングを制御する。このような制御により、物体の通過に応じてゲートを開状態にし、また、物体が通過し終えたタイミングでゲートを閉状態にできる。
また、下段部121における受光結果に基づいて物体の通過を検知することで、多様な高さ、形状の物体の通過を検知できる。例えば二輪車等の車高の低い物体も、精度よく検知できる。検知部134は、下段部121における受光結果は、物体の長さの検出に用いてもよいし、用いなくてもよい。下段部121が検知する物体の部分は、ゲートバー等の遮蔽器よりも下方に位置しているので、遮蔽器が閉状態になっても当該部分はゲートを通過できる。
通常の動作モードにおいては、検知部134は、中段部122および上段部123における受光結果を、物体の通過の検知には用いていない。道路202に接地しながら通過する物体であれば、下段部121だけで通過を検知できる。中段部122および上段部123を物体の通過の検知に用いないことで、検知対象ではないゴミ、鳥類等による誤検知を低減できる。
光学式検知装置100は屋外に設置されることが多い。このため、発光部106と受光部108との間の光路が、積雪等により遮蔽される場合がある。特に下段部121は、積雪によって光路が遮蔽されやすい。検知部134は、予め定められた停止期間以上、遮光状態が継続している受光素子109を、停止素子として検出してよい。当該停止期間は、上述した検知期間よりも長い。停止期間は、10秒以上であってよく、30秒以上であってよく、1分以上であってもよい。
検知部134は、停止素子以外の受光素子109に基づいて、物体の通過および物体の長さを検知する。これにより、積雪等の影響を除外して、物体の通過および物体の長さを検知できる。なお、停止素子の数が増加すると、機能している第1受光素子109-1の数が、上述した物体の通過を検知するための検知個数より少なくなることも考えられる。この場合、物体が通過しても、遮光状態となる第1受光素子109-1の数が、検知個数以上にならない。このため、検知部134は、物体の通過を検知することが困難になる。
機能している第1受光素子109-1の数が検知個数を下回った場合に、異常状態である旨をゲート等に通知して、ゲートを閉鎖することも考えられる。しかし、ゲートを閉鎖すると、車両等がまったく通過できなくなってしまう。本例の光学式検知装置100は、停止素子の個数が、予め定められた基準個数以上になった場合に、停止素子の受光結果に代えて、少なくとも一部の第2受光素子109-2の受光結果を用いて、物体の通過を検知する縮退モードで動作する。これにより、積雪等によりゲートが閉鎖されることを抑制できる。
例えば検知部134は、縮退モードにおいて、第2受光素子109-2のうち、第1受光素子109-1に最も近い所定の個数の第2受光素子109-2の受光結果を用いて、物体の通過を検知する。検知部134は、停止素子となっている第1受光素子109-1の数が増えるほど、縮退モードにおいて物体通過の検知に用いる第2受光素子109-2の個数を増加させてよい。
図4は、検知部134の動作例を示すフローチャートである。通常モードにおいて、検知部134は、第1受光素子109-1の受光結果から、物体通過を検知する(S400)。また、検知部134は、第2受光素子109-2の受光結果から、物体の長さを検知する(S402)。検知部134は、S400において物体が通過したことを検知した場合に、S402において物体長さを検知してよい。
また、通常モードにおいて、検知部134は、複数の第1受光素子109-1において、停止素子数が所定の基準個数以上になったか否かを判定する(S404)。S404における判定は、停止素子数が増加する毎に行ってよく、所定の期間毎に行ってもよい。停止素子数が、基準個数より少ない場合(N)、検知部134は、通常モードの動作(S400、S402)を繰り返す。
停止素子数が基準個数以上の場合(Y)、検知部134は縮退モードに移行する。縮退モードにおいて検知部134は、残存している第1受光素子109-1の受光結果と、少なくとも一部の第2受光素子109-2の受光結果を用いて、物体の通過を検知する(S406)。縮退モードにおいて検知部134は、停止素子数が、基準個数を下回ったか否かを判定する(S408)。停止素子数が、基準個数以上の状態が維持されている場合(N)、検知部134は縮退モードでの動作(S406)を繰り返す。停止素子数が、基準個数より少ない状態になった場合(Y)、検知部134は通常モードの動作(S400、S402)に移行する。S408における判定は、停止素子数が減少する毎に行ってよく、所定の期間毎に行ってもよい。
このような動作により、第1受光素子109-1における停止素子が増加しても、物体通過の検知機能を維持できる。このため、積雪等によりゲートが閉鎖されることを抑制できる。
図5は、S404における基準個数の一例を説明する図である。図5においては、受光部108における停止素子140を黒い四角で示し、停止素子140以外の受光素子109を白い四角で示している。本例では、第1受光素子109-1の個数をL個、検知個数をM個とする。つまり、検知部134は、通常モードにおいて、M個以上の第1受光素子109-1が所定の検知期間以上継続して遮光状態となった場合に、物体が通過したと判定する。
本例の検知部134は、第1受光素子109-1の個数Lから、検知個数Mを除算した値L-Mを、基準個数とする。つまり検知部134は、M個以上の第1受光素子109-1が機能していれば通常モードで動作し、機能している第1受光素子109-1の個数がM個より少なくなった場合に縮退モードで動作する。
図5の例においては、停止素子の個数がL-M個より多いので、検知部134は、縮退モードに移行して動作する。縮退モードにおいては、検知部134は、第1受光素子109-1と第2受光素子109-2の両方を用いて、物体の通過を検知する。物体の通過検知に用いる受光素子109の個数は、検知個数M以上であってよい。
図6は、S404における基準個数の他の例を説明する図である。本例の検知部134は、停止素子140以外の第1受光素子109-1が、検知個数M以上残存している状態で、縮退モードで動作する。つまり検知部134は、第1受光素子109-1の個数Lから、検知個数Mを除算した値L-Mよりも少ない数を、基準個数Nとする。これにより、機能している第1受光素子109-1の個数が、検知個数ぎりぎりになることを防ぎ、物体通過の検出精度を向上できる。
基準個数Nは、第1受光素子109-1の個数Lの半分以上の数であってよい。積雪により第1受光素子109-1が遮蔽される場合、下側から順番に第1受光素子109-1が停止素子140になる。基準個数NをL/2以上にすることで、下段部121における下側半分以上の領域が積雪で遮蔽された場合に、検知部134が縮退モードに移行する。これにより、物体通過の検知精度の劣化を抑制できる。
他の例では、基準個数Nは、第1受光素子109-1の個数Lの1/4以上の数であってもよい。また基準個数Nは、1個であってもよい。つまり、検知部134は、第1受光素子109-1のいずれかが停止素子140となった場合に、縮退モードに移行してよい。検知部134は、停止素子140と同数の第2受光素子109-2を、物体通過の検知に用いてよい。
図7は、縮退モードにおける検知個数M'の一例を説明する図である。本例における検知部134は、縮退モードで動作する場合に、通常モードにおける検知個数Mより少ない数の受光素子109が遮光状態となったときに、物体が通過したと判定する。つまり、縮退モードにおいて検知部134は、通常モードの検知個数Mよりも少ない検知個数M'を用いて、物体通過を判定する。積雪等により下側の第1受光素子109-1が停止素子になると、物体通過の検知漏れが生じやすくなる。これに対して、物体通過検知の閾値である検知個数を少なくすることで、縮退モード時における物体通過の検知漏れを低減できる。
検知部134は、停止素子140の個数に応じて、縮退モードにおける検知個数M'を変動させてよい。検知部134は、停止素子140の個数が増大するに従って、検知個数M'を低減させてよい。
図8は、発光側装置102および受光側装置104の間を通過する物体の一例を示す図である。図8においては、発光側装置102を省略している。本例においては、牽引車両203と被牽引車両204が、発光側装置102および受光側装置104の間を通過している。牽引車両203と被牽引車両204は、連結部206により連結されている。牽引車両203は、例えばエンジン等の動力源を有する車両であり、被牽引車両204は、例えば荷台等の車両である。連結部206は、道路202の路面近傍の高さ位置に配置されることが多い。本例の連結部206は、受光側装置104の下段部121の一部を遮光する高さ位置を通過する。
通常モードにおいて検知部134は、第1受光素子109-1の受光結果に基づいて、物体の種類を判定してよい。検知部134は、第1受光素子109-1の受光結果に基づいて、連結部206が通過したか否かを判定してよい。連結部206は、車両本体に比べて高さ方向の幅が小さいので、遮光される第1受光素子109-1の数も少なくなる。検知部134は、検知個数Mよりも少ない個数の第1受光素子109-1が、所定の期間継続して遮光状態となった場合に、連結部206が通過したと判定してよい。検知部134は、連結部206を検出した場合に、連結部206の前後で検知した2つの物体を、牽引車両203および被牽引車両204と判定してよい。検知部134は、当該判定結果を、ゲート等の外部装置に通知してよい。ゲートは、牽引車両203と、被牽引車両204の両方が通過するまで、ゲートバー等を開状態に維持する。また、サーバーは、2つの物体に対して、牽引車両203および被牽引車両204が組み合わされた車両としての通過料金を算出してよい。
縮退モードにおいては、第1受光素子109-1の受光結果から、連結部206を検知できない場合がある。縮退モードにおいて検知部134は、物体の速度と、停止素子140以外の受光素子109における受光結果に基づいて、物体の種類を判定してよい。光学式検知装置100は、物体の速度を検知する速度検知部を備えてよい。他の例では、検知部134は、外部の速度計測器等から、物体の速度に関する情報を取得してもよい。
本例では、牽引車両203と、被牽引車両204は、距離L離れている。距離Lは、通過時における牽引車両203と、被牽引車両204の間隔である。検知部134は、受光素子109の受光結果と、物体の速度から、距離Lを算出してよい。牽引車両203により受光素子109が遮光される期間と、被牽引車両204により受光素子109が遮光される期間との間には、受光素子109が遮光されていない期間が存在する。検知部134は、当該期間の長さに、物体の速度を乗算することで、距離Lを算出してよい。検知部134は、距離Lが所定値以下の場合に、2つの物体を牽引車両203および被牽引車両204と判定してよい。
また、検知部134は、縮退モードにおいて、受光素子109が遮光状態となっている期間と、物体の速度から、物体の種類を判定してもよい。例えば二輪車は、四輪車等に比べて車長が短い。検知部134は、当該期間と物体の速度から、物体が二輪車であるか否かを判定してよい。
図9は、検知部134に入力される情報の一例を示す図である。本例の検知部134には、インターフェース部132から、受光素子109の受光結果と、物体の速度を示す速度情報が入力される。検知部134は、図8において説明したように、物体の速度に基づいて、物体の種類を判別してよい。
図10は、制御部130の他の構成例を示す図である。本例の制御部130は、気温取得部136を更に備える。気温取得部136は、光学式検知装置100が配置された場所の気温を示す情報を取得する。気温取得部136は、光学式検知装置100に設けられた温度計から気温情報を取得してよく、外部の装置から気温情報を取得してもよい。
検知部134は、気温取得部136が取得した気温情報に基づいて、動作モードを切り替えてよい。検知部134は、気温が予め定められた閾値以下となったことを条件として、縮退モードで動作してよい。当該閾値は、例えば0℃である。気温が閾値以下となった場合には、降雪の可能性が高くなる。検知部134は、気温が閾値以下であり、且つ、停止素子が所定の基準個数以上となった場合に、縮退モードに移行してよい。検知部134は、気温が閾値より高く、且つ、停止素子が基準個数以上となった場合には、縮退モードに移行せずに、物体通過の検知を停止する停止モードに移行してよい。積雪以外の理由で停止素子が増加した場合、光学式検知装置100になんらかの異常が発生している可能性が高くなる。本例では、気温情報に基づいて検知部134の動作モードを設定するので、より適切な動作モードで動作できる。
検知部134は、最も下段の第1受光素子109から順次に停止素子になったことを条件として、縮退モードで動作してよい。積雪により停止素子が増加する場合、下側の第1受光素子109から順番に遮蔽されることが想定される。検知部134は、第1受光素子109が停止素子になる順番が下側からではない状態で、停止素子が基準個数以上となった場合には、縮退モードに移行せずに、物体通過の検知を停止する停止モードに移行してよい。本例によっても、検知部134がより適切な動作モードで動作できる。
検知部134は、現在が予め設定された時期であることを条件として、縮退モードで動作してよい。当該時期は、例えば冬季である。検知部134は、時間を計測する計時機能を有してよい。これにより、積雪の可能性が高い時期においては、検知部134を縮退モードで動作させることができる。検知部134は、現在が所定の時期ではなく、停止素子が基準個数以上となった場合には、縮退モードに移行せずに、物体通過の検知を停止する停止モードに移行してよい。本例によっても、検知部134がより適切な動作モードで動作できる。
検知部134は、気温情報、停止素子になる順番、および、時期情報の少なくとも一つに基づいて、モード移行の基準個数N、縮退モードにおける検知個数M'、物体通過の検知に用いる第2受光素子109-2の個数の少なくとも一つを変更してよい。例えば気温が低いほど、モード移行の基準個数Nを少なくしてよい。これにより、積雪の可能性が高いほど、縮退モードに移行しやすくなる。
図11は、インターフェース部132の機能の一例を示す図である。本例のインターフェース部132は、検知部134の動作モードを外部に通知する通知部として機能する。インターフェース部132は、上述した気温、停止素子になる順番、時期等の条件を満たさずに、停止素子の個数が基準個数以上となった場合に、停止モードに移行したことを示す異常信号を外部のサーバー等に通知する。インターフェース部132は、当該条件を満たして縮退モードに移行した場合には、縮退モードで動作していることを外部に通知する。サーバー等は、受信した通知を、光学式検知装置100の管理者に送信してよい。これにより管理者は、光学式検知装置100の状態に応じた対応を取りやすくなる。
光学式検知装置100は、縮退モードで動作している場合に、その旨を提示する提示部を備えてよい。提示部は、情報を表示可能な液晶モニタ等の画面を有してよく、回転灯等の警報部を有していてもよい。提示部は、音声等により、縮退モードで動作している旨を提示してもよい。これにより、光学式検知装置100の管理者が、光学式検知装置100を管理しやすくなる。例えば管理者は、光学式検知装置100の周辺の積雪を除去すべきことに気づきやすくなる。
光学式検知装置100は、積雪を除去する除去部を備えてよい。例えば除去部は、発光側装置102および受光側装置104のパネル部114を加熱するヒーターである。制御部130は、縮退モードで動作している場合に、当該除去部を用いて積雪を除去してよい。制御部130は、縮退モードで動作している場合に、通常モードに比べて、ヒーターに供給する電力を増加させてよい。除去部により積雪が除去され、停止素子の個数が基準個数より少なくなった場合、検知部134は通常モードに移行する。
図12は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200を、検知部134として機能させる。当該プログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。通信インターフェース2222は、インターフェース部132として機能してよい。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インターフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。